説明

改良された機能性を備えた手持ち式フィールドメンテナンスツール

改良された機能性を備えた手持ち式フィールドメンテナンスツール(102)が提供される。手持ち式フィールドメンテナンスツール(102)は、キーパッド(122)、ディスプレイ(120)、短距離ワイヤレストランシーバ(162)、およびプロセッサ(152)を含む。プロセッサ(152)は、キーパッド(122)、ディスプレイ(120)、および短距離ワイヤレストランシーバ(162)に接続される。プロセッサ(152)は、その中に記録された複数の命令を有するメモリ(154)にも接続され、その命令は、プロセッサ(152)によって実行されると、プロセッサ(152)が、遠隔ワイヤレス表示、遠隔ワイヤレスキー押下投入、およびワイヤレス印刷のうち少なくとも1つを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
手持ち式フィールドメンテナンスツールが公知である。このようなツールはプロセス制御および測定産業において非常に有用であり、所定のプロセス施設においてオペレータがフィールド機器と便利に通信および/または問い合わせできるようにする。このようなプロセス施設の例は、石油、薬剤、化学、パルプ、およびその他の流体プロセス施設を含む。このような施設では、プロセス制御および測定ネットワークが、このような機器が適正に機能していること、および/または較正されることを確実にするために、周期的にメンテナンスを必要とする、何十または何百ものさまざまなフィールド機器を含んでいる可能性がある。その上、プロセス制御および測定施設において1以上のエラーが検出されると、手持ち式フィールドメンテナンスツールの使用は、技術者がフィールドでこのようなエラーを速やかに診断できるようにする。手持ち式フィールドメンテナンスツールは、一般的に、デジタルプロセス通信プロトコルを用いる高機能フィールド機器に関連する問題を構成、較正、および診断するために用いられる。
【0002】
少なくともいくつかのプロセス施設は強い揮発性、または爆発性でさえある環境を伴うことがあるので、フィールド機器およびこのようなフィールド機器とともに用いられる手持ち式フィールドメンテナンスツールにとって、本質的な安全要件に準拠することは、有益または必要でさえあることが多い。これらの要件は、準拠した電気機器が、不良な条件下でも発火源を生じさせないことを確実にするのに役立つ。本質的な安全要件の1つの例は、1998年10月、Factory Mutual Researchによって公表された:APPROVAL STANDARD INTRINSICALLY SAFE APPARATUS AND ASSOCIATED APPARATUS FOR USE IN CLASS I, II and III, DIVISION NUMBER 1 HAZARDOUS (CLASSIFIED) LOCATIONS, CLASS NUMBER 3610に明記されている。本質的な安全要件に準拠する手持ち式フィールドメンテナンスツールの例は、テキサス州オースティンのEmerson Process Managementから入手可能な、商品名Model 475 Field Communicatorで販売されているものを含む。
【0003】
フィールド機器の独自の環境を考慮すると、通信信号伝達は、従来、注意深く制御されてきた。産業プロセス通信プロトコルの例は、Highway Addressable Remote Transducer(HART(登録商標))プロトコルおよびFOUNDATION(商標)フィールドバスプロトコルを含む。これらのプロトコルの両方は、各フィールド機器への物理的なワイヤ接続がなされる有線プロトコルであると考えられる。
【0004】
発明の概要
改良された機能性を備えた手持ち式フィールドメンテナンスツールが提供される。手持ち式フィールドメンテナンスツールは、キーパッド、ディスプレイ、短距離ワイヤレストランシーバ、およびプロセッサを含む。プロセッサは、キーパッド、ディスプレイおよび短距離ワイヤレストランシーバに接続される。プロセッサは、その中に記録された複数の命令を有するメモリにも接続され、その命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサが、遠隔ワイヤレス表示、遠隔ワイヤレスキー押下投入、およびワイヤレス印刷のうち少なくとも1つを行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】従来技術によるフィールド機器に接続された手持ち式フィールドメンテナンスツールの概略図である。
【図1B】従来技術によるフィールド機器に接続された手持ち式フィールドメンテナンスツールの概略図である。
【図2】本発明の実施形態が特に有用となる手持ち式フィールドメンテナンスツールの概略図である。
【図3】本発明の実施形態が特に有用となる手持ち式フィールドメンテナンスツールのシステムブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による、手持ち式フィールドメンテナンスツールからプリンタへ直接、フィールド機器構成データを印刷する方法の流れ図である。
【図5】本発明の実施形態による、ワイヤレス通信を用いる手持ち式フィールドメンテナンスツールから情報を遠隔表示するためのシステムの概略図である。
【0006】
説明用実施形態の詳細な説明
図1Aおよび1Bは、従来技術によるフィールド機器に接続された手持ち式フィールドメンテナンスツール22の概略図である。図1Aに示すように、手持ち式フィールドメンテナンスツール22は、それぞれ、試験導線30、32と連結し、そしてフィールド機器20の端子24に接続された一対の端子25、27を含む。端子24は、このような手持ち式フィールドメンテナンスツールが機器20と接続、および機器20とやりとりできるようにするための専用端子であってもよい。
【0007】
図1Bは、手持ち式フィールドメンテナンスツール22は、フィールド機器23が接続されたプロセス制御ループ34と直接接続する、別の配置を示す。いずれの場合も、手持ち式フィールドメンテナンスツールとフィールド機器との間の有線接続は、手持ち式フィールドメンテナンスツールが所望のフィールド機器20、23とやりとりできるようにする。
【0008】
図2は、本発明の実施形態によるフィールド機器とやりとりする手持ち式フィールドメンテナンスツールの概略図である。システム100は、フィールド機器104と通信する手持ち式フィールドメンテナンスツール102を含む。
【0009】
手持ち式フィールドメンテナンスツール102は、通信リンク114を介してフィールド機器104に通信可能に接続される。通信リンク114は、図1Aおよび1Bに示すような有線接続と同様に、現在用いられ、または開発されているワイヤレス通信技術を含む任意の適切な形態をとることができる。手持ち式フィールドメンテナンスツール102は、技術者がフィールド機器104とやりとりして、デジタルプロセス通信プロトコル、たとえば、FOUNDATION(商標)フィールドバスおよび/またはHART(登録商標)プロトコルを用いて、フィールド機器104に関して問題を構成、較正、および/または診断できるようにする。手持ち式フィールドメンテナンスツール、たとえばツール102は、フィールド機器、たとえばフィールド機器104から、構成データを保存するために用いることができる。フィールド機器104は、プロセスにおいて変数を感知し、かつ、プロセス通信ループ上で変数に関連する情報を送信する任意の機器;たとえば、圧力または温度トランスミッタであってもよい。フィールド機器104は、プロセス通信ループから情報を受信し、かつ、情報に基づいて物理パラメータ、たとえば、バルブ閉鎖を設定する機器であってもよい。フィールド機器104は、それに連結された圧力マニホールド106および電子部品筐体108を有する産業プロセス流体圧力トランスミッタとして描かれている。フィールド機器104は、説明目的だけのために提供される。実際には、フィールド機器104は、任意の産業機器、たとえばプロセス流体温度トランスミッタ、プロセス流体レベルトランスミッタ、プロセス流体流量トランスミッタ、バルブコントローラ、あるいはは産業プロセスの測定および/または制御に有用な任意のその他の機器であってもよい。
【0010】
さまざまなフィールド機器について、構成データは、アプリケーションソフトウェアを採用して、このような構成データを容易に読み取り可能な形態に編成、フォーマット、および/または印刷することができる適切な機器に転送することができる。
【0011】
手持ち式フィールドメンテナンスツール102は、一般的に、ディスプレイ120と同様に数々のユーザ入力ボタン122を含むユーザインタフェイスを含む。ディスプレイ120は、任意の適切なディスプレイ、たとえばアクティブマトリクス液晶ディスプレイ、または有用な情報を提供することができる任意のその他の適切なディスプレイであってもよい。ボタン122は、手持ち式フィールドメンテナンスツールが対象にしてもよい任意の数の機能に関連するボタンの任意の適切な配置を含んでもよい。ボタン122は、数字キーパッド、英数字キーパッド、任意の適切な数のカスタム機能および/またはナビゲーションボタン、あるいはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。手持ち式フィールドメンテナンスツール102が長時間技術者によって持ち運ばれ、かつ、使用中は手で握られるサイズであることにより、ディスプレイ120およびキー122は一般的に比較的小さい。これは、手持ち式フィールドメンテナンスツール102が手で握られるとき、通常は問題にならないが、技術者が、比較的遠くからディスプレイ120およびキー122を見なければならない他の人たちに、手持ち式フィールドメンテナンスツールの使用法を説明しようと試みると、困難をもたらす。
【0012】
本発明の実施形態は、一般的に、手持ち式フィールドメンテナンスツールによって利用される比較的短距離のワイヤレス通信トランシーバを利用することによって、手持ち式フィールドメンテナンスツールのための改良された機能性を提供する。このような比較的短距離の無線周波数トランシーバの一例は、公知のBluetooth仕様、たとえばPower Class 2規格のBluetooth仕様2.1によるものである。
【0013】
図3は、本発明の実施形態が特に適用可能な手持ち式フィールドメンテナンスツール102のブロック図である。ツール102は、好ましくはマイクロプロセッサであるコントローラ152に動作可能に接続されたフィールド機器インタフェイス150を含む。フィールド機器インタフェイス150は、任意の適切な形態をとることができる。たとえば、手持ち式フィールドメンテナンスツールが有線接続を介してフィールド機器に接続する実施形態では、フィールド機器インタフェイス150は、1以上の有線プロセス通信モジュールを含んでもよい。その一例としては、HART(登録商標)プロトコルによる通信ができるようにするプロセス通信モジュール、またはFOUNDATION(商標)フィールドバスプロトコルによる通信ができるようにするプロセス通信モジュールを含む。その他の実施形態では、フィールド機器インタフェイス150は、ワイヤレスプロセス通信回路、たとえばより最近開発されたワイヤレスHART通信を含んでもよい。加えて、新規の有線またはワイヤレスプロセス通信技術およびプロトコルを、本発明の実施形態にしたがって用いることができる。
【0014】
コントローラ152は、好ましくは、作動中に手持ち式フィールドメンテナンスツール102によって用いられる、および/または取得されるデータを記録するメモリ154を含み、あるいはそれに接続される。加えて、メモリ154は、好ましくは、プロセッサ152によって実行されるとき、プロセッサ152に数々の改良された機能を実行させるソフトウェア命令を含む。これらの改良された機能の例は、本明細書において後ほどより詳細に提供する。
【0015】
手持ち式フィールドメンテナンスツール102は、コントローラ152に動作可能に連結されたユーザインタフェイス156を含む。ユーザインタフェイス156は、ディスプレイの形態の出力158、および1以上のキーまたはボタンの形態の入力160を含んでもよい。本発明の実施形態が、一般的にキーまたはボタンの形態であるユーザ入力に関して説明される一方で、任意の適切な入力を、ユーザまたは技術者から受信することができる。その他の例は、ダイアル、ノブ、サムホイール、スイッチ、音声入力、カーソル制御入力等を含む。
【0016】
手持ち式フィールドメンテナンスツール102は、コントローラ152に接続された短距離ワイヤレストランシーバ162も含む。好ましい実施形態では、トランシーバ162は、公知のBluetooth仕様、たとえばPower Class 2に分類されるBluetooth仕様2.1による通信ができるようにするBluetooth通信モジュールである。しかしながら、別のプロトコル、たとえばWi-Fiワイヤレスネットワーク技術(カリフォルニア州IrvineのLinksysによって製造されたIEEE 802.11(b)、IEEE802.11(g)ワイヤレスネットワーク機器)。
【0017】
以上に明記したように、手持ち式フィールドメンテナンスツールの1つの機能は、フィールド機器、たとえばプロセス流体圧力または温度測定機器の構成および作動である。これらの手持ち式フィールドメンテナンスツールは、このようなフィールド機器からの構成データを保存するために用いることができる。構成データは、手持ち式フィールドメンテナンスツール102によって、そのフィールド機器インタフェイスモジュール150を介して取得される。この情報は、好ましくは、手持ち式フィールドメンテナンスツール102内のメモリ、たとえばメモリ154に記録される。メモリ154は、揮発性メモリ、たとえばRAM、不揮発性メモリ、たとえばROM、またはフラッシュメモリ、またはそれらの任意の組み合わせでもよい。典型的には、構成情報を印刷するか、さもなければ使用するために、手持ち式フィールドメンテナンスツールは、構成情報をコンピュータにアップロードするのに、適切なインタフェイス、たとえば直列接続または赤外線通信接続を介してコンピュータに接続されなければならない。その後、情報は、所望によりコンピュータによってフォーマットされ、および印刷、記録、またはさもなければ使用される。
【0018】
本発明の実施形態によると、短距離ワイヤレス通信モジュールは、プロセッサ152によって実行される命令と併せて使用され、手持ち式フィールドメンテナンスツールが自動的に、ワイヤレス通信印刷機器、たとえばBluetooth対応プリンタを見つけ、および/またはそれと対にできるようにする。いったん機器を見つけて利用可能になると、コントローラ152は、プリンタによって直接印刷するために構成データをフォーマットすることができる。したがって、構成情報を、手持ち式フィールドメンテナンスツールからプリンタに直接送信されたワイヤレス情報に基づいて、ワイヤレス通信プリンタから直接印刷することができることにおいて、コンピュータまたはその他のこのような計算機器は必要とされない。これは、コンピュータは一般的に高い携帯性があると考えられないし、ラップトップコンピュータでさえ一般的に、爆発する可能性のある環境内へ持ち込むのに十分安全であるとは考えられないので、重要である。したがって、このようなコンピュータは、一般的に、強い爆発性または可燃性の環境から禁止されてきた。これに対して、低出力の本質的に安全なプリンタ設備は、技術者とともにこのような環境内へ持ち込み得る。さらにまた、このようなプリンタが本質的に安全でない場合でさえ、ワイヤレス通信は、ツール自体は爆発性環境にあるが印刷は安全な環境で行われるところの物理障壁に及び得る。
【0019】
図4は、本発明の実施形態による、手持ち式フィールドメンテナンスツールから構成データを印刷する方法の流れ図である。方法200は、ブロック202で始まり、そこで手持ち式フィールドメンテナンスツール、たとえばツール102は短距離ワイヤレス互換プリンタの通信可能な近接性を見つける。通信可能な近接性とは、手持ち式フィールドメンテナンスツールが、短距離ワイヤレストランシーバ162および印刷機器のトランシーバの両方のワイヤレス送信範囲内にあることを意味するように意図されている。いったん機器が見つかると、方法200は、ブロック204に続き、そこで手持ち式フィールドメンテナンスツールは適切なハンドシェイクを対にして、連結して、またはさもなければ確立して、印刷機器内でセッションまたはジョブを生成する。ブロック206では、メモリ、たとえばメモリ154内に記録された構成情報は、プリンタに基づいてフォーマットされる。たとえば、プリンタは、それが40文字の印刷幅を有することを明らかにするなら、ブロック206でのフォーマットをそれにしたがって調節できる。次に、ブロック208で、フォーマットされた構成情報は、短距離ワイヤレストランシーバ、たとえばトランシーバ162を介してプリンタにワイヤレス送信される。そして、ブロック210で、プリンタは、受信されフォーマットされた構成情報を印刷する。
【0020】
本発明の実施形態によって提供される別の重要な機能は、技術者またはユーザが手持ち式フィールドメンテナンスツールで生成するやりとりを訓練するか、さもなければ他の人たちに見せることを容易にすることである。典型的には、手持ち式フィールドメンテナンスツールは、比較的小さい画面および小さい数字または英数字キーパッドを有する。手持ち式フィールドメンテナンスツール上の画面が小さいので、遠くからそれらを見るのは困難である。これは、ユーザが、パーソナルコンピュータ上の手持ち式フィールドメンテナンスツール画面を見たり、ひいてはそれを画面上に映し出したりしたいかもしれない訓練の場では問題になる。手持ち式フィールドメンテナンスツールは、たとえばイーサネットプロトコルを採用するハードワイヤードケーブルを用いてパーソナルコンピュータに接続することが可能なので、表示を、手持ち式フィールドメンテナンスツールからパーソナルコンピュータへ通信することができる。しかしながら、この手法にはいくつかの欠点がある。まず、手持ち式フィールドメンテナンスツールは、ケーブルを受け入れるために、手持ち式フィールドメンテナンスツールそれ自体にイーサネットインタフェイス(たとえば、RJ−45ソケット)を有していなければならない。このようなコネクタの存在は、手持ち式フィールドメンテナンスツールのための本質的な安全要件に準拠することを、不可能にするのでなければ、困難にするかもしれない。加えて、有線インタフェイスは、手持ち式フィールドメンテナンスツールをあちこち移動させること、またはそれをパーソナルコンピュータから遠くに設置することを困難にすることがある。最後に、有線インタフェイスは、パーソナルコンピュータも、手持ち式フィールドメンテナンスツールからのケーブルを差し込むのに利用できるイーサネットコネクタを有することを必要とする。事実上すべてのパーソナルコンピュータが一般的にイーサネットコネクタを有する一方で、該コネクタは一般的に、コンピュータが他のサーバまたは機器とやりとりすることができるように、ネットワークへのイーサネット接続に使われる。コンピュータが未使用のイーサネットコネクタを有することは、ややまれである。
【0021】
本発明の別の実施形態によると、コントローラ、たとえば手持ち式フィールドメンテナンスツールのコントローラ152は、比較的短距離のワイヤレストランシーバ、たとえばトランシーバ162を用いて、手持ち式フィールドメンテナンスツールのディスプレイに表示されるグラフィカルな情報を、第3の機器、たとえばパーソナルコンピュータに通信して、該パーソナルコンピュータ上に表示する。加えて、トランシーバは、キーの押下およびキーストローク、または手持ち式フィールドメンテナンスツールによって受信されたその他の形態のユーザ入力を、パーソナルコンピュータまたは外部ディスプレイ機器上に示すためにも用いることができる。システムは逆に働くこともでき、適切に構成されるとき、手持ち式フィールドメンテナンスツールが、パーソナルコンピュータからキーストロークを、および/またはパーソナルコンピュータからディスプレイ情報を受信できる。これは、手持ち式フィールドメンテナンスツールに必須の位置がユーザ入力をむずかしくする、不便な場所に設置されたフィールド機器に、手持ち式フィールドメンテナンスツールが直接接続された状況において特に有用になることがある。このような事例では、技術者は、安全および/または便利な場所に配置される可能性のあるコンピュータに戻って、短距離ワイヤレストランシーバを用いて手持ち式フィールドメンテナンスツールとやりとりし得る。
【0022】
図5は、本発明の実施形態による、ワイヤレス通信を介した手持ち式フィールドメンテナンスツール上のやりとりをミラーリングするためのシステムの概略図である。システム300は、手持ち式フィールドメンテナンスツール、たとえばツール102のコントローラ152によって実行されるオペレーティングシステムソフトウェア302を含む。オペレーティングシステム302は、物理機器、たとえば出力ディスプレイ120、キー122、および(図3に示す)短距離ワイヤレストランシーバ162とのやりとりを容易にする入出力モジュール304を含む。アプリケーションソフトウェア306はオペレーティングシステム302の上で動き、本発明の実施形態において手持ち式フィールドメンテナンスツールのための改良されたミラーリング機能を提供する。
【0023】
図5に示す本発明の実施形態によると、キーストロークおよび/またはキー122からの表示出力、ならびにディスプレイ120は、それぞれ、ワイヤレス通信312を介して計算機器310にミラーリングすることができる。ワイヤレス通信は、手持ち式フィールドメンテナンスツールを、潜在的に有害または不便な場所、あるいは単に技術者にとって非常に行きやすくはない場所に配置できることにおいて特に有利である。しかしながら、計算機器310は、安全で便利な場所に設置され、一般的に、数々の人々によって見ることができる画面またはその他の適切なディスプレイ314を有する。多数の人々が画面を見なければならないいくつかの状況においては、オプションの外部画面、たとえばオーバーヘッドプロジェクタ316を、直接または間接のいずれかで、コンピュータ310に接続することができ、実質的にリアルタイムで手持ち式フィールドメンテナンスツールからの出力を表示することができる。加えて、個別のキーの押下を、任意の適切な方法で見ること、またはさもなければ画面314および/または316上に表示することができる。手持ち式フィールドメンテナンスツールから計算機器310への通信が、比較的多数の人々がやりとりを見ることを希望することがある訓練またはその他の交流を容易にする一方で、計算機器310から手持ち式フィールドメンテナンスツールへの通信もまた有用である。特に、計算機器310から手持ち式フィールドメンテナンスツールへの通信は、手持ち式フィールドメンテナンスツールが、比較的行きにくい位置でフィールド機器に物理的に接続されている状況において有用である。このように、技術者が手持ち式フィールドメンテナンスツールをフィールド機器に接続して、機器とやりとりしながら、たとえばはしごの上で不安定にバランスを取る代わりに、技術者は、単に計算機器310に戻って、計算機器310の安全な場所で、比較的容易に、手持ち式フィールドメンテナンスツールを介してフィールド機器とやりとりを行うことができる。
【0024】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱しない範囲で、形態および細部に変更がなされてもよいことを認識するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔機器上に、本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールに関連する情報を表示する方法であって、
I/Oモジュールを有するオペレーティングシステムを提供することであって、手持ち式フィールドメンテナンスツールが、I/Oモジュールによって少なくとも部分的に駆動されるローカルディスプレイを有し、
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールから遠隔機器へ、ワイヤレス通信情報を提供することであって、ワイヤレス通信情報が、少なくともディスプレイ情報を示し、かつ、
遠隔機器でワイヤレス通信情報を受信し、ワイヤレス通信情報に基づいて遠隔機器によって表示を供すること、
を含む方法。
【請求項2】
ワイヤレス通信情報が、本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールからのユーザ入力情報も含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ワイヤレス通信情報がBluetooth仕様にしたがう、請求項1記載の方法。
【請求項4】
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールが有害な場所に設置されている、請求項1記載の方法。
【請求項5】
遠隔機器によって供されるディスプレイがローカルディスプレイより大きい、請求項1記載の方法。
【請求項6】
フィールド機器に接続された、本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールとやりとりする方法であって、
I/Oモジュールを有するオペレーティングシステムを提供することであって、手持ち式フィールドメンテナンスツールが、I/Oモジュールによって少なくとも部分的に駆動されるローカルユーザ入力を有し、
計算機器から本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールへワイヤレス通信情報を提供すること、および
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールでワイヤレス通信情報を受信し、ワイヤレス通信情報に基づいてキーストロークをI/Oモジュールに投入すること
を含む方法。
【請求項7】
ワイヤレス通信情報がBluetooth仕様にしたがう、請求項6記載の方法。
【請求項8】
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールが有害な場所に設置されている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールからフィールド機器構成情報を印刷する方法であって、
ワイヤレス対応印刷機器でワイヤレス通信を確立すること、
印刷機器への出力のためにフィールド機器構成情報をフォーマットすること、
フォーマットされたフィールド機器構成情報を印刷機器へワイヤレス送信すること、および
印刷機器からフォーマットされたフィールド機器構成情報を印刷すること
を含む方法。
【請求項10】
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールが有害な場所に設置されている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信情報がBluetooth仕様にしたがう、請求項9記載の方法。
【請求項12】
本質的に安全な手持ち式フィールドメンテナンスツールおよび印刷機器が互いのワイヤレス通信範囲内であるとき、ツールと印刷機器との間の通信セッションを自動的に確立することをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
キーパッド、
ディスプレイ、
短距離ワイヤレストランシーバ、および
キーパッド、ディスプレイおよび短距離ワイヤレストランシーバに接続されたプロセッサを含み、
プロセッサが、その中に記録された複数の命令を有するメモリに接続され、その命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサが、遠隔ワイヤレス表示、遠隔ワイヤレスキー押下投入、およびワイヤレス印刷のうち少なくとも1つを行う、
手持ち式フィールドメンテナンスツール。
【請求項14】
短距離ワイヤレストランシーバがBluetooth仕様にしたがって作動する、請求項13記載の手持ち式フィールドメンテナンスツール。
【請求項15】
短距離ワイヤレストランシーバがWiFi仕様にしたがって作動する、請求項13記載の手持ち式フィールドメンテナンスツール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−527055(P2012−527055A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511035(P2012−511035)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/034848
【国際公開番号】WO2010/132737
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
【出願人】(506266023)フィッシャー−ローズマウント・システムズ・インコーポレーテッド (37)
【氏名又は名称原語表記】Fisher−Rosemount Systems, Inc.
【Fターム(参考)】