改良された環状カラーを有するプラスチック製エアゾール容器
加圧またはエアゾール製品を吐出するための容器(1)。容器(1)は、PETなどのプラスチック材料で形成される本体(2)と、本体(2)に取り付けられるカラー(3)と、カラー(3)に取り付けられる吐出弁(4)とを備える。カラー(3)は、カラー(3)が本体(2)のネック(7)の周囲で開口をまたぐように延びて開口周囲において賦形されたリップを形成するように、本体(2)とスナップ嵌合または螺合することができる。吐出弁(4)は可鍛性材料で形成され、リップをまたぐように延びて、その周囲に圧縮されることによって保持されるように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧またはエアゾール製品を吐出するように構成された、プラスチック、好ましくはPETで形成される容器に関する。
より詳細には、本発明は、本願出願人の先のオーストラリア特許出願番号第2004905486号、及び国際特許出願番号第PCT/AU2005/001474号に記載される容器のタイプに関する。なお、これら出願に記載される内容は、本願明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載される従来技術についての言及は、当該従来技術が一般的な知識を構成することを認める、または示唆するものであるとみなされるものではなく、またみなされるべきものでもない。
【0003】
本願出願人の前述した先の特許出願に記載されるように、加圧製品を吐出するための容器は、主に金属で形成されてきた。そのような金属容器にはいくつかの固有の欠点があり、このため、このような金属容器に代わるプラスチック容器の開発もなされてきたが、比較的不成功に終わっている。
【0004】
本願出願人の先の特許出願は、プラスチック本体、賦形されたカラー、および吐出弁を備える容器を提供することにより、いくつかの欠点を解消した、プラスチック材料で製造された加圧またはエアゾール容器において重要な進展を果たした。本体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料から延伸ブロー成形されており、開口を包囲する賦形されたネックを有していた。カラーも、プラスチック材料から射出成形され、開口の周りにおいて本体の賦形されたネックとスナップ嵌合可能な形状を有していた。その後に吐出弁をネック/カラーに取り付けることができ、かつ、外側フランジを備えていた。外側フランジは、可鍛性材料で形成されるとともに、カラーと嵌合して圧縮されることによりカラーの周囲で保持される形状を有していた。
【0005】
本願出願人の先の特許出願ではまた、容器の改良された製造方法を提供しており、該方法は、後に延伸ブロー成形装置に支持されることが可能な賦形されたネックを備えるプリフォームを射出成形する第1の工程と、容器が賦形されたネックから延びるようにプリフォームを延伸ブロー成形する第2の工程と、ネックが開口を包囲するように容器からネックの先端を切断する第3の工程と、射出成形されたプラスチックカラーを、開口を包囲する位置におい容器のネックとスナップ嵌合する第4の工程と、カラーと嵌合してその周囲で圧縮されることによりカラーに保持される形状を有する可鍛性材料で形成された外側フランジを備える吐出弁をネック/カラーに取付ける最後の工程とを含んでいた。
【0006】
従って、出願人の先の特許出願は、従来の装置に固有の不都合な点を有しておらず、簡単な工程を用いて安価で製造可能な環境に優しいエアゾール容器を提供した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のエアゾール容器の不都合な点を解消するプラスチック製エアゾール容器を提供することを目的とする。
より詳細には、本発明は、プラスチック材料で形成される独自のカラー設計を提供することにより、従来技術の不都合な点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願出願人の先の特許出願は従来技術に比して顕著な効果を奏していたが、本願出願人は、その先の種類のもとは異なる、これに代わる新たなPET製エアゾール容器を得た。この新たな容器は、容器内をより高圧にすることができることを含め、より優れた利点を有する。本願出願人はまた、カラーと容器の連結維持に関する改善を発明し、PETタイプのプラスチックを使用する利点を有しつつも従来の金属およびアルミニウム容器に匹敵する特徴を有する設計を達成した。
【0009】
本願発明のカラー設計は、従来起きていたように輸送中や充填工程中において所定の位置からカラーが外れないように本体のネックとスナップ嵌合または螺合することができるが、開口の内壁および外壁にまたがる。
【0010】
広い一形態では、本発明は加圧製品を吐出するための容器を提供し、該容器は、PETなどのプラスチック材料で形成され、開口の周りに賦形されたネックを有する本体と、前記開口の外壁及び内壁にまたがるように賦形されて開口の回りに賦形されたリップを形成する、前記本体に取り付けられるカラーと、可鍛性材料で形成されて前記リップをまたぐように賦形されて該リップの周囲に圧縮されることにより該リップに保持される外側フランジを有する、前記カラーに連結するための吐出弁とを備える。
【0011】
好ましくは、賦形されたネックの外壁はその周囲に凹部を備え、カラーは、該カラーから内側に伸びる環状突部を備え、突部と凹部が協働してカラーと本体のネックをスナップ嵌合する。
【0012】
あるいは、好ましくは、賦形されたネックの外壁はその周囲に環状突部を備え、カラーはその内壁に環状凹部を備え、突部と凹部が協働してカラーと本体のネックをスナップ嵌合する。
【0013】
別の好ましい形態においては、カラー及び賦形されたネックは協働するねじ山を備え、カラーと本体のネックを螺合することができる。
好ましくは、カラーはPETなどのプラスチック材料で形成される。
【0014】
また好ましくは、1つ以上の(内側及び外側に突出する)補強リブがその周囲に設けられる。
好ましくは、本体は、蓋を解除可能に係合するための蓋係合手段を備える。
【0015】
また好ましくは、本体は、ベースを本体に連結するためのベース係合手段を備える。
本発明は、添付の図面について説明された以下の好ましい実施形態の詳細な説明によってより完全に理解されるであろう。なお、好ましい実施形態は、本発明をこれら実施形態に限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
各図面において、類似する符号は、別の言及がない限りは類似する特徴を特定するものとして使用される。
図1に示すように、全体が符号1によって示される容器は、プラスチック材料で形成され、本体部分2、カラー3、および弁機構4を備える。
【0017】
図3に最もよく示される本体部分2は、その第1の端部にベース6と、第2の端部にネック部7とを有する。ベースおよびネックを含む本体2は、本願出願人の前述した先の出願に記載されるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料を延伸ブロー形成することにより、プリフォームから一体形成される。本体3は、キャップを容器と緊合させるための被覆部分8と、カラー3と係合可能な環状凹部9と、キャップもしくは閉鎖部または他の部品との別の係合点として、かつ/または、特に加圧されたときに容器に構造上の剛性を提供するための補強リブとして機能することができる外方および内方のいずれかに突出する1つ以上のリブ19とを含むことができる。
【0018】
開口10は、吐出弁(詳細は後述する)を受容するようにネック7の上面に形成される。符号3によって示されるカラーは、図4に最もよく示されており、射出成形によりプラスチックから形成され、本体2のネック7の強度を大幅に高めるように、幾分の可撓性とともに強度および剛性を有するという特徴を備える。幾分の可撓性を有しつつ強度および剛性を有するという特徴は、加圧製品を収容しているときに重要である。図4は、カラー3が本体2のネック7とスナップ嵌合された実施形態を示す。これは、カラー3の内面から内方に突出する環状突部30と係合するように構成された環状凹部9を本体のネックに設けることにより達成される。
【0019】
本発明のカラー3の実施形態は、本願出願人の前述の特許出願で説明されるカラーとは異なる形状を有する。詳細には、カラー3は開口の内壁34および外壁33をまたぐように賦形され、その周囲に賦形されたリップ31を形成する(この目的については後述する)。
【0020】
図6は、容器上にカラー、およびその後に吐出弁を組み付ける様子を示す。
図6(a)は、カラー3が容器2上に取り付けられる様子を示す。図示されるように、溝32が容器開口の外壁33および内壁34をまたぐように、カラーが押し下げられる。
【0021】
図6(b)は、容器2に取り付けられたカラー3を示し、これにより、環状突部30がリブ9とスナップ嵌合し、カラー3が内壁34および外壁33をそれぞれまたぐように延び、これにより容器開口の周りに賦形されたリップ35が形成される。
【0022】
図6(c)は、その後吐出弁4が賦形されたリップ35の周りに取り付けられる様子を示す。吐出弁は、好ましくはアルミニウムのような可鍛性材料で形成される。
図6(d)に示される位置に取り付けられた後、内壁36を圧縮することができる。
【0023】
図6(e)は、容器2のカラー/ネックに固定された後に弁が圧縮された位置にある様子を示す。
図7、8および9には、前述した実施形態のスナップ嵌合されるカラーの代わりに、ねじきりされたキャップカラー3を利用する本発明の別の好ましい実施形態が示されている。図7、8および9に示すように、本体2のネック7は、カラー3を固定することができるねじ山40を備える。図9に最もよく示されるように、カラー3は、本体2のネック7のねじ山40の形状と適合する相補的な形状を有するねじ山41を備える。ねじ山40は、位置決めされるまでカラー3をネック7上にねじ込むことを可能にする位置決め停止要素42を備えることができる。符号43にて示されるようにネック7の外面に適切なピンチシールを設けて、カラー3とネック7の間にシールが形成されるようにしてもよい。カラー3は、手工または機械により、本体2のネック7に取り付けることができる。カラー3の緩みを避けるために、組み付け直前に接着剤をねじ山40および41の一方または両方に塗布して、接着剤が固化するとカラーが外れないようにしてもよい。先の実施形態について述べたように、次いで弁4をカラー3に供給して該カラー3上に圧着することができる。
【0024】
図8は、カラー付き容器のこのねじきり構成の種々の構成要素を組み付けられた状態で示すが、理解を容易にするために、上部構成要素、即ちカラー3および弁4の一部を切り欠いた状態で示されている。
【0025】
本願明細書に記載されるようにカラーを用いることにより、PETタイプのエアゾール容器は、開口を覆うカラーのこの独特な設計により、従来のプラスチック容器よりも高い圧力を保持することができるように形成される。本発明のプラスチック容器は、カラーと容器がスナップ係合または螺合するため、出願人の前述の特許出願に記載されているように製造工程中にカラーが容器から外れないという利点はなお有している。
【0026】
容器内の製品が漏出しないように、吐出弁をカラー3のリップ35に取り付ける手段は、良好なシールを形成できる。例えばこれらの構成要素の間に可撓性を有するゴム材料などを用いることにより、別のシールを所望に応じて設けてもよい。
【0027】
従来の金属容器に弁を圧着する手段を、同様に本発明においても使用することができる。本発明で利用されるカラーの剛性は、PET容器および部品を壊すことなく従来タイプの圧着工具を用いることができるものである。当業者であれば、金属をPETに直接圧着することにより容器に応力が生じ、これにより時間の経過とともに容器に割れや漏れが生じ得ることが理解されるであろう。しかしながら、本発明の射出成形されたカラーの利用によって、この不利な点が解消される。
【0028】
組み付け工程中にカラーが容器に接触する肩部37および38(図4参照)は、好ましくは、部品が組みつけられるときの引っかかりを最小限にすべく、容器がカラーを通ってスムーズに進入できるように設計される。当業者であれば、これらの肩部がとり得る湾曲形状を認識できるであろう。
【0029】
カラー3のアーム39は、位置ずれがあればこれを補正するように、カラーを容器に組み付ける際にガイドとして機能する。また、弁が容器に挿入されるときに、アーム39は、組み付け作業においてフランジを少し押し広げるように補助し、容器がスロット32内にあるときにこの部分全体がカラーを容器に対して挟着する。
【0030】
PET容器がカラー3の部分40により挟着される場所であるスロット32は、容器とカラーの間に第2のシールを形成する。従って、高圧高温下においては、PET容器がカラーに対して、スロット32の上面においてガスが漏出することを許容して容器が破裂しないようにする。スロット32はまた、PET容器が金属弁の圧着区域に直接接触しないようにする。
【0031】
リップ31の外側部分41はわずかに平坦化されており、すなわちリップは湾曲し続けておらず、現在市販される様々なタイプの弁を本発明のリップ31にすべて取付けることができる。
【0032】
リップ31の外周の切り込み部分42は、所望に応じて市販される吐出噴霧器を容器に取り付けることができるように、これらの特殊な噴霧器を考慮に入れて設けられている。
剛性および/または高い強度を得るために、補強肩部43をカラー3上に設けることができるが、これは特に、力が加わる圧着工程中において特に有用な場合がある。
【0033】
カラー3のスカート44は、容器全体に視覚的に人を惹きつける外観を与えるように設けられ、一方では、スカート44によって隠されたスカート44の下に位置する容器は、容器の構造上の剛性を得るために補強リブなどを提供する。
【0034】
本発明に記載される容器は、従来タイプの金属製エアゾール容器に対して利点を有し、かつ、出願人の前述の出願に記載されるPETタイプのプラスチック製容器に代わる容器を提供する。特定の実施形態について上述してきたが、本発明の効果を奏するように容器の形状および構成に変更および改変を加えることができる。このような変更および改変はすべて、上述したように本発明の範囲内に包含されるものである。
【0035】
容器の方法および製造は、本願出願人の前述の出願に記載されているものに類似するが、上述した効果を得るためにカラーが異なって形成されている点が異なる。すなわち、カラーは容器の上部とスナップ嵌合または螺合することができ、かつカラーが容器開口を覆っているため、製造および組み付け工程中にカラーが容器上部から外れにくい。
【0036】
明らかに、本発明のプラスチック製エアゾール容器は、現在金属製エアゾール容器から吐出されるものとして知られるすべての製品を含め、様々なものまたは製品を吐出することができる。しかしながら、PET材料で形成されるプラスチック製エアゾール容器は、容易にリサイクルすることができるという重要な利点があり、よってより環境に優しい。
【0037】
本発明の容器およびその製造方法には、多数の変更および改変を加えることができる。そのような変更および改変はすべて、前述したように本発明の精神および範囲内に包含されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好ましい実施形態により形成されたプラスチック製エアゾール容器の上部の斜視図。
【図2】図1に示されるプラスチック製エアゾール容器の一部を切り欠いた図。
【図3】本発明の容器の好ましい実施形態の立面図。
【図4】本発明のカラーの断面図。
【図5】本発明の容器の上部の一部を切り欠いた断面図。
【図6a】本発明の容器にカラーを組み付ける様子を示した図。
【図6b】本発明の容器にカラーを組み付けた様子を示した図。
【図6c】本発明の容器にカラーを組み付けた後に吐出弁を取り付ける様子を示した図。
【図6d】本発明の容器にカラーを組み付けた後に吐出弁を取り付ける様子を示した図。
【図6e】本発明の容器にカラーを組み付けた後に吐出弁を取り付けた様子を示した図。
【図7】カラーにねじ山を有する、本発明の別の好ましい実施形態によるプラスチック製エアゾール容器の分解図。
【図8】図7のプラスチック製エアゾール容器の一部を切り欠いた図。
【図9】図7および8の実施形態のカラーを示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧またはエアゾール製品を吐出するように構成された、プラスチック、好ましくはPETで形成される容器に関する。
より詳細には、本発明は、本願出願人の先のオーストラリア特許出願番号第2004905486号、及び国際特許出願番号第PCT/AU2005/001474号に記載される容器のタイプに関する。なお、これら出願に記載される内容は、本願明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載される従来技術についての言及は、当該従来技術が一般的な知識を構成することを認める、または示唆するものであるとみなされるものではなく、またみなされるべきものでもない。
【0003】
本願出願人の前述した先の特許出願に記載されるように、加圧製品を吐出するための容器は、主に金属で形成されてきた。そのような金属容器にはいくつかの固有の欠点があり、このため、このような金属容器に代わるプラスチック容器の開発もなされてきたが、比較的不成功に終わっている。
【0004】
本願出願人の先の特許出願は、プラスチック本体、賦形されたカラー、および吐出弁を備える容器を提供することにより、いくつかの欠点を解消した、プラスチック材料で製造された加圧またはエアゾール容器において重要な進展を果たした。本体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料から延伸ブロー成形されており、開口を包囲する賦形されたネックを有していた。カラーも、プラスチック材料から射出成形され、開口の周りにおいて本体の賦形されたネックとスナップ嵌合可能な形状を有していた。その後に吐出弁をネック/カラーに取り付けることができ、かつ、外側フランジを備えていた。外側フランジは、可鍛性材料で形成されるとともに、カラーと嵌合して圧縮されることによりカラーの周囲で保持される形状を有していた。
【0005】
本願出願人の先の特許出願ではまた、容器の改良された製造方法を提供しており、該方法は、後に延伸ブロー成形装置に支持されることが可能な賦形されたネックを備えるプリフォームを射出成形する第1の工程と、容器が賦形されたネックから延びるようにプリフォームを延伸ブロー成形する第2の工程と、ネックが開口を包囲するように容器からネックの先端を切断する第3の工程と、射出成形されたプラスチックカラーを、開口を包囲する位置におい容器のネックとスナップ嵌合する第4の工程と、カラーと嵌合してその周囲で圧縮されることによりカラーに保持される形状を有する可鍛性材料で形成された外側フランジを備える吐出弁をネック/カラーに取付ける最後の工程とを含んでいた。
【0006】
従って、出願人の先の特許出願は、従来の装置に固有の不都合な点を有しておらず、簡単な工程を用いて安価で製造可能な環境に優しいエアゾール容器を提供した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のエアゾール容器の不都合な点を解消するプラスチック製エアゾール容器を提供することを目的とする。
より詳細には、本発明は、プラスチック材料で形成される独自のカラー設計を提供することにより、従来技術の不都合な点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願出願人の先の特許出願は従来技術に比して顕著な効果を奏していたが、本願出願人は、その先の種類のもとは異なる、これに代わる新たなPET製エアゾール容器を得た。この新たな容器は、容器内をより高圧にすることができることを含め、より優れた利点を有する。本願出願人はまた、カラーと容器の連結維持に関する改善を発明し、PETタイプのプラスチックを使用する利点を有しつつも従来の金属およびアルミニウム容器に匹敵する特徴を有する設計を達成した。
【0009】
本願発明のカラー設計は、従来起きていたように輸送中や充填工程中において所定の位置からカラーが外れないように本体のネックとスナップ嵌合または螺合することができるが、開口の内壁および外壁にまたがる。
【0010】
広い一形態では、本発明は加圧製品を吐出するための容器を提供し、該容器は、PETなどのプラスチック材料で形成され、開口の周りに賦形されたネックを有する本体と、前記開口の外壁及び内壁にまたがるように賦形されて開口の回りに賦形されたリップを形成する、前記本体に取り付けられるカラーと、可鍛性材料で形成されて前記リップをまたぐように賦形されて該リップの周囲に圧縮されることにより該リップに保持される外側フランジを有する、前記カラーに連結するための吐出弁とを備える。
【0011】
好ましくは、賦形されたネックの外壁はその周囲に凹部を備え、カラーは、該カラーから内側に伸びる環状突部を備え、突部と凹部が協働してカラーと本体のネックをスナップ嵌合する。
【0012】
あるいは、好ましくは、賦形されたネックの外壁はその周囲に環状突部を備え、カラーはその内壁に環状凹部を備え、突部と凹部が協働してカラーと本体のネックをスナップ嵌合する。
【0013】
別の好ましい形態においては、カラー及び賦形されたネックは協働するねじ山を備え、カラーと本体のネックを螺合することができる。
好ましくは、カラーはPETなどのプラスチック材料で形成される。
【0014】
また好ましくは、1つ以上の(内側及び外側に突出する)補強リブがその周囲に設けられる。
好ましくは、本体は、蓋を解除可能に係合するための蓋係合手段を備える。
【0015】
また好ましくは、本体は、ベースを本体に連結するためのベース係合手段を備える。
本発明は、添付の図面について説明された以下の好ましい実施形態の詳細な説明によってより完全に理解されるであろう。なお、好ましい実施形態は、本発明をこれら実施形態に限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
各図面において、類似する符号は、別の言及がない限りは類似する特徴を特定するものとして使用される。
図1に示すように、全体が符号1によって示される容器は、プラスチック材料で形成され、本体部分2、カラー3、および弁機構4を備える。
【0017】
図3に最もよく示される本体部分2は、その第1の端部にベース6と、第2の端部にネック部7とを有する。ベースおよびネックを含む本体2は、本願出願人の前述した先の出願に記載されるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料を延伸ブロー形成することにより、プリフォームから一体形成される。本体3は、キャップを容器と緊合させるための被覆部分8と、カラー3と係合可能な環状凹部9と、キャップもしくは閉鎖部または他の部品との別の係合点として、かつ/または、特に加圧されたときに容器に構造上の剛性を提供するための補強リブとして機能することができる外方および内方のいずれかに突出する1つ以上のリブ19とを含むことができる。
【0018】
開口10は、吐出弁(詳細は後述する)を受容するようにネック7の上面に形成される。符号3によって示されるカラーは、図4に最もよく示されており、射出成形によりプラスチックから形成され、本体2のネック7の強度を大幅に高めるように、幾分の可撓性とともに強度および剛性を有するという特徴を備える。幾分の可撓性を有しつつ強度および剛性を有するという特徴は、加圧製品を収容しているときに重要である。図4は、カラー3が本体2のネック7とスナップ嵌合された実施形態を示す。これは、カラー3の内面から内方に突出する環状突部30と係合するように構成された環状凹部9を本体のネックに設けることにより達成される。
【0019】
本発明のカラー3の実施形態は、本願出願人の前述の特許出願で説明されるカラーとは異なる形状を有する。詳細には、カラー3は開口の内壁34および外壁33をまたぐように賦形され、その周囲に賦形されたリップ31を形成する(この目的については後述する)。
【0020】
図6は、容器上にカラー、およびその後に吐出弁を組み付ける様子を示す。
図6(a)は、カラー3が容器2上に取り付けられる様子を示す。図示されるように、溝32が容器開口の外壁33および内壁34をまたぐように、カラーが押し下げられる。
【0021】
図6(b)は、容器2に取り付けられたカラー3を示し、これにより、環状突部30がリブ9とスナップ嵌合し、カラー3が内壁34および外壁33をそれぞれまたぐように延び、これにより容器開口の周りに賦形されたリップ35が形成される。
【0022】
図6(c)は、その後吐出弁4が賦形されたリップ35の周りに取り付けられる様子を示す。吐出弁は、好ましくはアルミニウムのような可鍛性材料で形成される。
図6(d)に示される位置に取り付けられた後、内壁36を圧縮することができる。
【0023】
図6(e)は、容器2のカラー/ネックに固定された後に弁が圧縮された位置にある様子を示す。
図7、8および9には、前述した実施形態のスナップ嵌合されるカラーの代わりに、ねじきりされたキャップカラー3を利用する本発明の別の好ましい実施形態が示されている。図7、8および9に示すように、本体2のネック7は、カラー3を固定することができるねじ山40を備える。図9に最もよく示されるように、カラー3は、本体2のネック7のねじ山40の形状と適合する相補的な形状を有するねじ山41を備える。ねじ山40は、位置決めされるまでカラー3をネック7上にねじ込むことを可能にする位置決め停止要素42を備えることができる。符号43にて示されるようにネック7の外面に適切なピンチシールを設けて、カラー3とネック7の間にシールが形成されるようにしてもよい。カラー3は、手工または機械により、本体2のネック7に取り付けることができる。カラー3の緩みを避けるために、組み付け直前に接着剤をねじ山40および41の一方または両方に塗布して、接着剤が固化するとカラーが外れないようにしてもよい。先の実施形態について述べたように、次いで弁4をカラー3に供給して該カラー3上に圧着することができる。
【0024】
図8は、カラー付き容器のこのねじきり構成の種々の構成要素を組み付けられた状態で示すが、理解を容易にするために、上部構成要素、即ちカラー3および弁4の一部を切り欠いた状態で示されている。
【0025】
本願明細書に記載されるようにカラーを用いることにより、PETタイプのエアゾール容器は、開口を覆うカラーのこの独特な設計により、従来のプラスチック容器よりも高い圧力を保持することができるように形成される。本発明のプラスチック容器は、カラーと容器がスナップ係合または螺合するため、出願人の前述の特許出願に記載されているように製造工程中にカラーが容器から外れないという利点はなお有している。
【0026】
容器内の製品が漏出しないように、吐出弁をカラー3のリップ35に取り付ける手段は、良好なシールを形成できる。例えばこれらの構成要素の間に可撓性を有するゴム材料などを用いることにより、別のシールを所望に応じて設けてもよい。
【0027】
従来の金属容器に弁を圧着する手段を、同様に本発明においても使用することができる。本発明で利用されるカラーの剛性は、PET容器および部品を壊すことなく従来タイプの圧着工具を用いることができるものである。当業者であれば、金属をPETに直接圧着することにより容器に応力が生じ、これにより時間の経過とともに容器に割れや漏れが生じ得ることが理解されるであろう。しかしながら、本発明の射出成形されたカラーの利用によって、この不利な点が解消される。
【0028】
組み付け工程中にカラーが容器に接触する肩部37および38(図4参照)は、好ましくは、部品が組みつけられるときの引っかかりを最小限にすべく、容器がカラーを通ってスムーズに進入できるように設計される。当業者であれば、これらの肩部がとり得る湾曲形状を認識できるであろう。
【0029】
カラー3のアーム39は、位置ずれがあればこれを補正するように、カラーを容器に組み付ける際にガイドとして機能する。また、弁が容器に挿入されるときに、アーム39は、組み付け作業においてフランジを少し押し広げるように補助し、容器がスロット32内にあるときにこの部分全体がカラーを容器に対して挟着する。
【0030】
PET容器がカラー3の部分40により挟着される場所であるスロット32は、容器とカラーの間に第2のシールを形成する。従って、高圧高温下においては、PET容器がカラーに対して、スロット32の上面においてガスが漏出することを許容して容器が破裂しないようにする。スロット32はまた、PET容器が金属弁の圧着区域に直接接触しないようにする。
【0031】
リップ31の外側部分41はわずかに平坦化されており、すなわちリップは湾曲し続けておらず、現在市販される様々なタイプの弁を本発明のリップ31にすべて取付けることができる。
【0032】
リップ31の外周の切り込み部分42は、所望に応じて市販される吐出噴霧器を容器に取り付けることができるように、これらの特殊な噴霧器を考慮に入れて設けられている。
剛性および/または高い強度を得るために、補強肩部43をカラー3上に設けることができるが、これは特に、力が加わる圧着工程中において特に有用な場合がある。
【0033】
カラー3のスカート44は、容器全体に視覚的に人を惹きつける外観を与えるように設けられ、一方では、スカート44によって隠されたスカート44の下に位置する容器は、容器の構造上の剛性を得るために補強リブなどを提供する。
【0034】
本発明に記載される容器は、従来タイプの金属製エアゾール容器に対して利点を有し、かつ、出願人の前述の出願に記載されるPETタイプのプラスチック製容器に代わる容器を提供する。特定の実施形態について上述してきたが、本発明の効果を奏するように容器の形状および構成に変更および改変を加えることができる。このような変更および改変はすべて、上述したように本発明の範囲内に包含されるものである。
【0035】
容器の方法および製造は、本願出願人の前述の出願に記載されているものに類似するが、上述した効果を得るためにカラーが異なって形成されている点が異なる。すなわち、カラーは容器の上部とスナップ嵌合または螺合することができ、かつカラーが容器開口を覆っているため、製造および組み付け工程中にカラーが容器上部から外れにくい。
【0036】
明らかに、本発明のプラスチック製エアゾール容器は、現在金属製エアゾール容器から吐出されるものとして知られるすべての製品を含め、様々なものまたは製品を吐出することができる。しかしながら、PET材料で形成されるプラスチック製エアゾール容器は、容易にリサイクルすることができるという重要な利点があり、よってより環境に優しい。
【0037】
本発明の容器およびその製造方法には、多数の変更および改変を加えることができる。そのような変更および改変はすべて、前述したように本発明の精神および範囲内に包含されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好ましい実施形態により形成されたプラスチック製エアゾール容器の上部の斜視図。
【図2】図1に示されるプラスチック製エアゾール容器の一部を切り欠いた図。
【図3】本発明の容器の好ましい実施形態の立面図。
【図4】本発明のカラーの断面図。
【図5】本発明の容器の上部の一部を切り欠いた断面図。
【図6a】本発明の容器にカラーを組み付ける様子を示した図。
【図6b】本発明の容器にカラーを組み付けた様子を示した図。
【図6c】本発明の容器にカラーを組み付けた後に吐出弁を取り付ける様子を示した図。
【図6d】本発明の容器にカラーを組み付けた後に吐出弁を取り付ける様子を示した図。
【図6e】本発明の容器にカラーを組み付けた後に吐出弁を取り付けた様子を示した図。
【図7】カラーにねじ山を有する、本発明の別の好ましい実施形態によるプラスチック製エアゾール容器の分解図。
【図8】図7のプラスチック製エアゾール容器の一部を切り欠いた図。
【図9】図7および8の実施形態のカラーを示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧製品を吐出するための容器であって、
PETなどのプラスチック材料で形成され、開口の周囲に賦形されたネックを有する本体と、
前記開口の外壁および内壁にわたる形状を有して外壁および内壁の周囲に賦形されたリップを形成する、前記本体に取り付けられるカラーと、
前記リップをまたぐように賦形されてその周囲に圧縮されることにより保持される可鍛性材料で形成される外側フランジを有する、前記カラーに取り付けるための吐出弁と
を備える容器。
【請求項2】
前記賦形されたネックの外壁がその周囲に凹部を備え、前記カラーが内方に延びる環状突部を備え、前記突部が前記凹部と協働することにより、前記カラーと前記本体のネックがスナップ嵌合する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記賦形されたネックの外壁はその周囲に環状突部を備え、前記カラーはその内壁に環状凹部を備え、前記突部が前記凹部と協働することにより、前記カラーと前記本体のネックがスナップ嵌合する、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記カラーおよび賦形されたネックがともに協働するねじ山を備え、前記カラーが前記本体のネック上にねじ込まれる、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記カラーがPETなどのプラスチック材料で形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
周囲に1つ以上の(内方および外方に突出する)補強リブが設けられた、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記本体が、蓋を取り外し可能に係合するための蓋係合手段を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記本体が、該本体にベースを取り付けるためのベース係合手段を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項1】
加圧製品を吐出するための容器であって、
PETなどのプラスチック材料で形成され、開口の周囲に賦形されたネックを有する本体と、
前記開口の外壁および内壁にわたる形状を有して外壁および内壁の周囲に賦形されたリップを形成する、前記本体に取り付けられるカラーと、
前記リップをまたぐように賦形されてその周囲に圧縮されることにより保持される可鍛性材料で形成される外側フランジを有する、前記カラーに取り付けるための吐出弁と
を備える容器。
【請求項2】
前記賦形されたネックの外壁がその周囲に凹部を備え、前記カラーが内方に延びる環状突部を備え、前記突部が前記凹部と協働することにより、前記カラーと前記本体のネックがスナップ嵌合する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記賦形されたネックの外壁はその周囲に環状突部を備え、前記カラーはその内壁に環状凹部を備え、前記突部が前記凹部と協働することにより、前記カラーと前記本体のネックがスナップ嵌合する、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記カラーおよび賦形されたネックがともに協働するねじ山を備え、前記カラーが前記本体のネック上にねじ込まれる、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記カラーがPETなどのプラスチック材料で形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
周囲に1つ以上の(内方および外方に突出する)補強リブが設けられた、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記本体が、蓋を取り外し可能に係合するための蓋係合手段を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記本体が、該本体にベースを取り付けるためのベース係合手段を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【公表番号】特表2009−514747(P2009−514747A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539188(P2008−539188)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001614
【国際公開番号】WO2007/051229
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(308037834)サザン スター コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】SOUTHERN STAR CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001614
【国際公開番号】WO2007/051229
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(308037834)サザン スター コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】SOUTHERN STAR CORPORATION
【Fターム(参考)】
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