説明

改良された疎水性汚れ洗浄のための疎水変性ポリオール

5〜11個のヒドロキシ部分を含む疎水変性ポリオール化合物であって、少なくとも1つのヒドロキシ部分が更にアルコキシ部分を含み、ヒドロキシ又はアルコキシ部分の1つが陰イオン性末端保護ユニットを含む、組成物は、疎水変性ポリオール化合物を含む、並びに洗浄利益のため前記組成物を使用する方法及び前記組成物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された疎水性汚れ洗浄のための疎水変性ポリオール化合物及び界面活性剤系を有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
グリース及び油汚れ等の疎水性の汚れ洗浄は、洗剤配合者にとって、特に手洗い及び/又はより冷たい水条件である地域において、引き続き難題である。これらの地域の多くの消費者は、自動洗濯機に加え手洗方法を用いることがある。これらの地域の洗濯方法には、浸漬、前洗い、前処理、及び洗濯水再使用の工程が含まれる。手洗方法の洗濯水は、たいていの場合、冷たく、並びに硬度、遷移金属濃度、汚れ度合い及び微粒子等不純物が多い場合がある。これらの要因のすべてが、主として再使用洗濯水の汚れ度合い、硬度、及び微粒子の点で、正に「ストレスがかかる洗濯条件」と呼ばれる原因となる。これらの洗濯条件は、米国又は欧州連合において主に自動洗濯機の使用によりしばしば見られるものと類似した典型的な粒状の洗濯洗剤とは異なる。
【0003】
従って、ストレスがかかる洗濯条件に伴う1つの課題は、ひどい汚れ、硬度及びより冷たい洗濯温度による疎水性汚れ洗浄レベルの低下である。ストレスがかかる洗濯条件に伴うもう1つの課題は、洗濯時に汚れ及び微粒子の付着のため白い及び明るい布地製品を灰色にすることである。両方の課題は、再使用洗濯水において特に際立っている。
【0004】
改良された粘土及び親水性の汚れ洗浄、並びに洗濯時に白い及び明るい布地製品を灰色にすることを防止する既知のポリマーとしては、米国特許第4,661,288号、同第6,444,633号、同第6,579,839号及びWO01/05874に記載されるこれらのポリマーが挙げられる。WO01/79408A1に記載されているもの等のいくつかのポリマーが、他の汚れの洗浄を改良できることも知られている。
【0005】
糖系物質等のポリオール化合物は、持続性のある、簡単に入手できる原材料で、具体的な処方及び性能要求に対応するためそれ自身が幅広く調整される。具体的な性能要求としては、ひどい汚れ及び高い硬度を有する手洗条件下での疎水性のしみ(グリース、油)の洗浄付与が挙げられる。その他の性能要求としては、自動食器洗及び食器手洗組成物、床クリーナー、木、セラミックタイル、リノリウム、クリーナー等の表面洗浄組成物、シャンプー、ヘアーコンディショナー、石鹸及び身体洗浄剤等のパーソナルケア組成物、並びにペット洗浄組成物への使用が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリース及び油汚れ洗浄を提供するいくつかの現行市販ポリマーを粒状及び液体洗濯洗剤、硬質表面クリーナー、皿洗浄組成物、並びにパーソナルケア組成物に処方することは、洗剤配合者にとって引き続き難題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(a)5〜11個のヒドロキシ部分を含む1つ以上の疎水変性ポリオール化合物であって、少なくとも1つのヒドロキシ部分が、更にエトキシ、プロポキシ及びこれらの混合物から成る群から選択されるアルコキシ部分を含み;約30%〜100%の前記ヒドロキシ部分、前記アルコキシ部分及びこれらの組み合わせが陰イオン性末端保護ユニットを含むように、少なくともひとつの前記ヒドロキシ部分、少なくとも1つの前記アルコキシ部分及びこれらの組み合わせが、更に陰イオン性末端保護ユニットを含む;並びに(b)界面活性剤系であって、組成物の約9重量%〜約25重量%のC8〜C18直鎖アルキルベンゼンスルホネートと組成物の0重量%〜約7重量%の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤とを含む界面活性剤系を備える組成物に関する。
【0008】
本発明は、更に(a)疎水変性ポリオール化合物であって、変性が前記ポリオール化合物の少なくとも1つのヒドロキシ部分を有することを含み、更にエトキシ部分及びプロポキシ部分を含み疎水変性ポリオール化合物を形成する工程、並びに(b)前記疎水変性ポリオール化合物を、組成物の約13重量%〜約25重量%のC8〜C18直鎖アルキルベンゼンスルホネートと組成物の0重量%〜約7重量%の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤とを含む界面活性剤系と混合する工程を備える組成物を製造する方法に関する。
【0009】
本発明は、更に前記組成物を使用する方法に関する。本発明は、更に疎水変性ポリオール化合物に関し、更に本明細書に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
持続性のある簡単に入手できる原材料から比較的製造しやすい材料を含む組成物に対してニーズがあり、それは、具体的な処方及び性能要求に対応するため幅広く調整されてよい。好適な材料の選択は、組成物の他の構成成分、性能要求、加工性要求、洗濯条件及び洗浄組成物の使用に包含される消費者の習慣によって変化する。
【0011】
変性ポリオール化合物等の調整可能なポリマーは、洗浄組成物の性能を強化する試剤であると思われ、ストレスがかかる洗濯条件に有効であり、界面活性剤だけでは、所望の疎水性の汚れ洗浄を発揮できない及び同時に白い布地を灰色及び黄色にすることを緩和するのに有効であると思われる。ただし、変性ポリオール化合物の使用は、ストレスがかかる洗濯条件に限定されないばかりではなく、変性ポリオール化合物は、ストレスがかからない洗濯条件の性能利益に追加できる。
【0012】
理論に制限されるものではないが、系における各種分子パラメーターの変性によるポリマー構造の調整が、所望の用途に最も好適なポリマーの使用を可能にすると思われる。理論に制限されるものではないが、下記に記載の疎水変性ポリオール化合物及び下記に記載の界面活性剤系の組合せは、疎水性の汚れとの相互作用を可能にし、界面活性剤を被洗浄表面により効率よく放出できると思われる。更に、変性ポリオール化合物単独、並びに下記の界面活性剤系との混合物は、非常に効率のよい微粒子汚れの分散を可能にし、更に汚れ再析出防止に寄与する。
【0013】
本明細書で使用する時、「軽質液体食器用洗剤組成物」は、手動で(すなわち手で)食器を洗う際に用いる組成物に関するものである。前記組成物は一般的には、本来起泡性又は発泡性が高い。
【0014】
本明細書で使用する時、「洗濯洗剤組成物」とは、自動、半自動及び/又は手洗いでの洗濯抄紙用具及びその他の布地に使用されるこれらの組成物、並びに希釈された形態の前記組成物を含有するすべての溶液を指す。
【0015】
本明細書で使用する時、「シャンプー」とは、人間及び動物の毛髪洗いに使用されるこれらの組成物を指す。
【0016】
本明細書で使用する時、「身体洗浄剤」とは、皮膚表面の洗浄に使用される液体形態のこれらの組成物を指す。
【0017】
「X〜Y」、「約X〜約Y」又は「X−Y」の形式で記載される場合、あたかも本明細書に明示的に記載されているかのように、すべての範囲の数字が本明細書に組み込まれ及び包含される。当然のことながら、本明細書全体にわたって提示するあらゆる限界には、場合によっては、更に低い又は更に高い限界が本明細書に明確に記載されている場合と同様に、更に低い又は高い限界が含まれる。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲には、その広い範囲内の更に狭い範囲がすべて、その更に狭い範囲がすべて本明細書に明確に記載されている場合と同様に含まれる。
【0018】
指示がない限り、重量百分率は、組成物の重量百分率を基準とする。指示がない限り、温度はすべて摂氏(℃)で表記する。
【0019】
疎水変性ポリオール化合物
本明細書で使用する時、「調整」とは、特徴的な化学的機能を実現するために、ポリオール化合物の化学構造を操作する能力を持つことを意味する。例えば、陰イオン性末端保護ユニットを更に含むことにより変性されるアルコキシル化変性ポリオール化合物は、調整された構造体であり、具体的な処方及び性能要求に対して所望の特性を与える。
【0020】
本発明で有用な変性ポリオール化合物は、5〜11個のヒドロキシ部分、更に5〜10個のヒドロキシ部分、更に6〜9個のヒドロキシ部分を含む。本発明で使用する出発物質に好適なポリオール化合物としては、マルチトール、スクロース、 キシリトール、ペンタエリシトール(pentaerythitol)、グルコース、マルトース、マルトトリオース(matotriose)、マルトデキストリン、マルトペントース(maltopentose)、マルトヘキソース(maltohexose)、イソマルツロース(isomaltulose)、ソルビトール、キシラン、ポリグリセロール、ジグリセロールエーテル及びこれらの混合物が挙げられる。よい例としては、ソルビトール、マルチトール及びこれらの混合物として選択されるポリオール化合物が挙げられる。
【0021】
ヒドロキシ部分の少なくとも1つは、更にアルコキシ部分を含み、前記アルコキシ部分が、エトキシ(EO)部分、プロポキシ(PO)部分及びブトキシ(BO)部分から選択され、好ましくはエトキシ(EO)部分とプロポキシ(PO)部分の混合物である。個々のヒドロキシ部分の平均アルコキシル化度は、約1〜約100、好ましくは約4〜約60、より好ましくは約10〜約40である。アルコキシル化は、好ましくはブロックアルコキシル化である。
【0022】
1つの実施形態において、ブロックエトキシ及びプロポキシ部分は、アルコキシ部分を含む。平均エトキシル化度は、0〜30、より好ましくは0〜20、より好ましくは約2〜15、更により好ましくは5〜13である。1つの実施形態において、プロポキシル化度は、好ましくは約2〜60、より好ましくは約5〜40、より好ましくは約5〜30、及び更により好ましくは8〜20である。1つの実施形態において、変性ポリオール化合物は、好ましくは先ずプロポキシ単位で変性され、次にエトキシ単位で変性される。
【0023】
本発明で有用な疎水変性ポリオール化合物は、更に少なくとも1つのアルコキシ部分を有し、少なくとも1つのアルコキシ部分は、少なくとも1つの陰イオン性末端保護ユニットを含む。好適な陰イオン性末端保護ユニットとしては、サルフェート、スルホスクシネート、スクシネート、マレエート、スルホネート、メチレンカルボキシレート、エチレンカルボキシレート、ホスフェート、ポリホスフェート及びこれらの混合物が挙げられる。陰イオン性末端保護ユニットは、サルフェート及び/又はスルホネートであることが好ましい。陰イオン性末端保護ユニットの量は、有効アルコキシ部分で5%〜100%、より好ましくは30%〜100%、より好ましくは50%〜90%、より好ましくは60%〜80%、より好ましくは約60%の範囲であってよい。例えば、アルコキシル化ソルビトールは、陰イオン性末端保護ユニットを有してよい6個までのアルコキシ部分を有する。非限定例において、これら6個のアルコキシ部分の60%が、陰イオン性末端保護ユニットを含んでよい。
【0024】
1つの実施形態は、陰イオン性末端保護ユニットを有するアルコキシ部分をさらに含む1を超えるヒドロキシ部分を含む。例えば、式(I):
【化1】

(式中、式(I)のxは平均0〜30、例えば0〜20、例えば約2〜15、又は例えば5〜13であり、式(I)のyは平均約2〜60、例えば約5〜40、例えば約5〜30、又は例えば8〜20である)。好ましくは、式(I)は、有効アルコキシ部分に60〜80%の陰イオン性末端保護ユニットを含む。
【0025】
一般に、ポリオールは、本明細書に記載の疎水変性ポリオール化合物の未変性「主鎖」である。表1の下記の例は、ソルビトールの例と同じであってよく、そのため表1のx及びyを有する上記式(I)に示される例は、式(I)について上記に定義されるようなものである。
【表1】

当該技術分野における技術の1つは、サルフェートが上記すべての好適な陰イオン性末端保護ユニットにより置換されてよいことを認めている。
【0026】
技術の1つは、100%未満のエトキシ部分を有する材料が、陰イオン性末端保護ユニットを含み、陰イオン性末端保護ユニットを有さない材料が存在することを認めている。
【0027】
製造方法
本発明の変性ポリオール化合物を製造する方法は、少なくとも1つのヒドロキシ部分の平均アルコキシル化度が、約1〜約100、例えば約4〜約60、更に例えば約10〜約40であるように5〜11個のヒドロキシ部分を含むポリオール化合物をアルコキシル化する全ての工程を含み、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する。あるいは、アルコキシル化ポリオール、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を出発物質として使用してよい。平均アルコキシル化度が所望のレベルでない場合、アルコキシル化工程は、約1〜約100、例えば約4〜約60;さらに例えば約10〜約40の所望のアルコキシル化度を達成するために使用されてもよい。次に、方法は、前記化合物の少なくとも1つのアルコキシ部分を陰イオン性末端保護ユニットと反応させて、陰イオン性アルコキシル化ポリオールを形成する工程を含むが、より多くの陰イオン性の末端保護ユニットが選択されてもよい。
【0028】
1つの実施形態において、方法は、ポリオールのヒドロキシ部分の一部又は大部分をアルコキシル化して、アルコキシル化度が約1〜約100;例えば約4〜約60、さらに例えば約10〜約40になるようにして、アルコキシル化ポリオールを形成する工程を含む。前記方法は、更にアルコキシル化ポリオールのアルコキシ部分を以下の陰イオン性基、すなわちサルフェート、スルホネート及びこれらの混合物の1つから選択される少なくとも1つの陰イオン性末端保護ユニットと反応させ、陰イオン性アルコキシル化ポリオールを形成する工程を含む。方法は、アルコキシル化ポリオールのアルコキシ部分を陰イオン性末端保護ユニットと部分的に又は完全に反応させてもよい。好ましくは、アルコキシ部分の5%〜100%、30%〜100%、50%〜90%及び60%〜80%が陰イオン性末端保護ユニットを含む。硫酸化方法は、クロロスルホン酸、流下薄膜三酸化イオウの使用によるもの、又は米国特許出願第60/554576号(2004年3月19日提出、米国特許第2005/0209476A1号として公開)に記載されているような硫酸の添加によるものであってよい。
【0029】
ソルビトールのアルコキシル化
ソルビトール又はマルチトール等のポリオールのプロポキシル化及びエトキシル化は、EP174436A1に記載されたもの等のすべての既知の技術により完成されてよい。
【0030】
ソルビトール(84.0g、0.4611モル)をオートクレーブに加え、オートクレーブを窒素でパージし、ソルビトールを110〜120℃に加熱する、オートクレーブは攪拌され、約267Pa(20mmHg)まで真空を適用する。
【0031】
継続し、オートクレーブを約110〜120℃に冷却しつつ真空を適用し、メタノール溶液中の25%ナトリウムメトキシド12.0g(0.05553モル、ヒドロキシ部分を基準にして5%触媒充填を達成する)を導入する。メトキシド溶液からのメタノールを真空下オートクレーブから除去する。装置を使用し攪拌機により消費される電力をモニターする。温度及び圧力と一緒に攪拌動力をモニターする。オートクレーブからメタノールが除去されるにつれて、攪拌器の力及び温度値が徐々に上昇し、混合物の粘度は、増大して、約1.5時間以内に安定し、ほとんどのメタノールが除去されたことを示す。混合物を更に加熱し、及び真空下で更に30分間攪拌する。
【0032】
真空を解除し、オートクレーブを110〜120℃に冷却又は110〜120℃に保ち、同時に窒素を1,725kPa(250psia)まで充填し、それからを周囲気圧に通気する。オートクレーブに1380kPa(200psia)まで窒素を満たす。プロピレンオキシド(PO)は、オートクレーブに逐次的に又は1回の工程で加えられてよく、同時に注意してオートクレーブの圧力、温度及びプロピレンオキシド流量をモニターし、更に前記温度を110〜120℃に維持し、反応発熱によるいかなる温度上昇も抑える。十分な量のメタンスルホン酸(又は他の好適な中和剤)を用いる中和工程では、生じたプロポキシル化ソルビトールの塩基性形態が一緒に使用されてよく、又は前記塩基性形態は、更なる調整のため窒素ガス下で貯蔵されてよい。
【表2】

【0033】
797.9gのエチレンオキシド(各ソルビトールヒドロキシ部分当り10POに相当する)(0.2176モル、−OH(ヒドロキシ部分)モル当り合計10モルのプロピレンオキシドを生じる)を加えた後、温度を120℃に上げ、混合物を更に1.5時間攪拌する。プロポキシル化反応の後でオートクレーブにエチレンオキシド(EO)を逐次加え、同時に注意してオートクレーブの圧力、温度及びエチレンオキシド流量をモニターし、更に前記温度を110〜120℃に維持し、反応発熱によるいかなる温度上昇も抑える。十分な量のメタンスルホン酸(又は他の好適な中和剤)を用いる中和工程では、生じたプロポキシル化及びエトキシル化ソルビトールの塩基性形態が一緒に使用されてよい。
【表3】

【0034】
1,154gのエチレンオキシド(25.1975モル、−OH(ヒドロキシ部分)モル当り合計25モルのエチレンオキシド(EO)を生じる)を逐次加えた後、温度を120℃に上げ、混合物を更に1.5時間攪拌する。
【0035】
次に、反応混合物を窒素ガスでパージした5L三口丸底フラスコ内に採取する。強アルカリ触媒は、上記した量のメタンスルホン酸を加熱(110℃)及び機械的撹拌をしながらゆっくり加えることにより中和される。更に、反応混合物は、残留エチレンオキシドがパージされ、混合物を1時間攪拌及び120℃に加熱しながら不活性ガス(アルゴン又は窒素)をガス分散フリットを通して混合物中にスパージ(sparging)することにより脱臭される。約1,306.90gの最終反応生成物をわずかに冷却し、ガラス容器に入れ、貯蔵のため窒素でパージする。
【0036】
あるいはポリオールは、所望のアルコキシル化度以下のもの、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を購入してもよい。ここで所望のアルコキシル化度は、既知及び/又は上述の方法によって達成される。
【0037】
ソルビトールPO60EO150(ヒドロキシ部分当り平均10PO及び25EO部分)の硫酸化
4L三角フラスコ中にソルビトールPO60EO150(800g、0.078モル)及び塩化メチレン(800g)を計量する(「前記溶液」)。フラスコに磁性攪拌子を装備し、溶解が完了するまで攪拌する。溶液が約10℃に達するまで、フラスコを氷浴中に設置する。クロロスルホン酸(62.5g、0.536モル)を約10分間かけてゆっくり入れながら激しく攪拌し、反応溶液を形成する。氷浴中で反応溶液を1.5時間攪拌する。
【0038】
1L三角フラスコ中の50gのメチレンクロライド(「塩基溶液」)中にナトリウムメトキシド溶液(メタノール中25%溶液244g)を入れ、溶液温度が約10℃に達するまで、氷浴中で冷却する。磁気攪拌子を使用して塩基溶液を激しく攪拌する。反応溶液を塩基溶液中に約5分間かけてゆっくり入れる。少しの発熱が観測されるはずである。得られた溶液は塩が形成されるにつれて乳白色になる。添加完了後、pHを約12に測定する。溶液を側覆いを有する大きいステンレス鋼トレイに注ぎ、溶液の非常に薄い層を底に形成する。トレイをドラフト内に配置し、溶媒を室温で、2日間蒸発させ、オフホワイトワックス状固体、92%活性物質(8%の塩)900gを得る。
【0039】
炭素NMRスペクトル(500MHz;パルスシーケンス:s2pu1、溶媒DO;緩和.遅延(relax.delay)0.300秒、パルス45.0;デ−タ採取時間1.090秒)は、約60ppmでアルコール基がないことを示し、及び約67ppmでの新ピークの出現は終端基サルフェートの形成と一致する。プロトンNMRスペクトル(500MHz又は300MHz;パルスシーケンス:s2pu1、溶媒DO;緩和.遅延(relax.delay)1.000秒、パルス45.0;デ−タ採取時間2.345秒)は、約4ppmで新ピークを示し、これは約3.5ppmでのエトキシ基のプロトンに対して積分されたが、6つの終端基サルフェートを有する分子と一致する。
【0040】
60%硫酸化マルチトール15PO5EOのプロポキシル化及びエトキシル化
マルチトール等のポリオールのエトキシル化は、EP174436A1に記載されたもの等の全ての既知の技術により完成されてよい。プロポキシ化も既知の技術によって完成されてよい。
【0041】
マルチトール(40.6g、0.118モル)続いてナトリウムメトキシド(メタノール溶液中の25重量%ナトリウムメトキシド2.29g(0.0106モルのナトリウムメトキシド)、全体で9モル%の触媒レベル、又はヒドロキシ部分あたり1モル%の触媒レベルを達成する)を攪拌されたオートクレーブに加える。マルチトール混合物を150℃に加熱し、同時に2.67−4kPa(20〜30mmHg)の真空を適用し、メタノールを除去する。混合物が溶融したら攪拌を行い、混合物は、メタノールが完全に除去されるまで真空下で数時間(5〜15時間)攪拌される。温度及び圧力とともに撹拌機の消費電力をモニターする。メタノールがオートクレーブから除去されるにつれ、撹拌機の消費電力及び温度の値は徐々に上がり、混合物の粘度が上昇・安定し、メタノールのほとんどが除去されたことを示す。
【0042】
プロピレンオキシド(PO)をオートクレーブに逐次加え、同時に注意してオートクレーブの圧力及び温度をモニターし、更に反応発熱によるいかなる温度上昇も抑える。十分な量のメタンスルホン酸(又は他の好適な中和剤)を用いる中和工程では、生じたエトキシル化マルチトールの塩基性形態が一緒に使用されてよく、又は前記塩基性形態は、更なる調整のため窒素ガス下で貯蔵されてよい。
【0043】
308.4gのプロピレンオキシド(5.31モル、ヒドロキシ部分(−OH)モル当り合計5モルのプロピレンオキシドを生じる)を加えた後、追加のプロピレンオキシド(615.6g、10.6モル、OHモル当り合計15モルのプロピレンオキシドが生じる)を加える前に温度を135℃に冷却する。圧力指数の変化がないことにより示されるところによる全てのプロピレンオキシドが消費された後、混合物を2時間攪拌する。
【0044】
温度を120℃まで冷却し、エチレンオキシド(EO)をオートクレーブに逐次加え、同時に注意してオートクレーブの圧力及び温度をモニターし、更に反応発熱によるいかなる温度上昇も抑える。234gのエチレンオキシド(EO)(5.31モル、ヒドロキシ部分(−OH)モル当り合計5モルのエチレンオキシドを生じる)を加え、圧力指数の変化がないことにより示されるところによる全てのエチレンオキシドが消費さた後、混合物を2時間攪拌する。反応混合物を70℃に冷却し、窒素で覆われ貯蔵のため封止されたガラス製のジャー内に採取する。
【0045】
マルチトールPO15E05(16.5g、0.00162モル)及び塩化メチレン(50g)を100mLの単口丸底フラスコに加える。フラスコに電磁攪拌子及び上部(バブラーに取り付けられた)にアルゴン注入口を有する水冷コンデンサを装備する。溶解が終了するまでアルゴンで覆われた条件下で混合し、クロロスルホン酸(1.57g、0.0135モル)溶液を2〜3mLの塩化メチレンに加え、室温(20〜25℃)で一晩(12〜15時間)攪拌させる。
【0046】
反応混合物を滴下漏斗(上部にアルゴン注入口を有する)内に配置する。漏斗をメタノール中25重量%のナトリウムメトキシド溶液6.4g(0.0296モルのナトリウムメトキシド)及び電磁攪拌子を包含する250mL単口丸底フラスコに取り付ける。氷水浴でフラスコを冷却し、よく混合しながら反応混合物をメトキシド溶液中に滴下する。生じた混合物は、塩形態のように乳状になる。添加が終了した後、pHを測定し、それがアルカリ性であることを確実にする。そうでない場合は、追加のナトリウムメトキシド溶液を加える。250mLフラスコをロータリーエバポレーターに取り付け、塩化メチレンを蒸発させることにより混合物を濃縮する。濃縮物を150mLの脱イオン水中に溶解し、この混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、全ての微量の塩化メチレン、メタノール及びなにがしかの水を除去し、透明な20重量%の活性物質水溶液を回収する。H−NMR分析により、アルコキシ部分の約60%がサルフェート基に転換されていることが確認される。
【0047】
界面活性剤系
本発明の組成物は、C〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)及び非イオン性、陽イオン性、陰イオン性又はその混合物から選択される1つ以上の補助界面活性剤を含む界面活性剤系備える。補助界面活性剤の選択は、所望の利益により決められてよい。1つの実施形態において、補助界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましくはC12〜C18アルキルエトキシレートとして選択される。他の実施形態において、補助界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AExS)(式中、xは1〜30である)として選択される。他の実施形態において、補助界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。
【0048】
本発明の組成物は、更に組成物の約0.01重量%〜約90重量%、例えば約0.01重量%〜約80重量%、更に例えば約0.05重量%〜約50重量%、更に例えば約0.05重量%〜約40重量%の界面活性剤系を含む。
【0049】
〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)
界面活性剤系は、組成物の約9重量%〜約25重量%、約13重量%〜約25重量%又は約15重量%〜約23重量%のC〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む。界面活性剤系は、更に組成物の0重量%〜約7重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の非イオン性補助界面活性剤、陽イオン性補助界面活性剤、陰イオン性補助界面活性剤及びこれらのすべての混合物から選択される補助界面活性剤を含む。
【0050】
非イオン性補助界面活性剤
非イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、シェル(Shell)からのネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤等のC12〜C18アルキルエトキシレート;C〜C12アルキルフェノールアルコキシラート(式中、 アルコキシラート単位は、エチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物である);バスフ(BASF)からのプルロニック(登録商標)等のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有するC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号に記載されているようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号に記載されているようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシラート、BAE(式中、xは1〜30である);米国特許第4,565,647号(レナド(Llenado)1986年1月26日発行)に記載されているようなアルキル多糖類;具体的には米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号に記載されているようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号に記載されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド(GS塩基);並びに 米国特許第6,482,994号及びWO01/42408に記載されているようなエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0051】
半極性非イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群より選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド類;約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド類;並びに約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と約1〜約3個の炭素原子のアルキル及びヒドロキシアルキル部分から成る群より選択される部分1個とを含有する水溶性スルホキシド類が挙げられる。WO01/32816、米国特許第4,681,704及び同第4,133,779を参照のこと。
【0052】
非イオン補助界面活性剤は、存在する場合、約0.01重量%〜約4重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の濃度で組成物中に存在する。
【0053】
陽イオン性補助界面活性剤
陽イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、米国特許第6,136,769号に記載されているようなアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号に記載されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリル アンモニウムクロリド;WO98/35002、WO98/35003、WO98/35004、WO98/35005及びWO98/35006に記載されているようなポリアミン陽イオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号及び同第6,022,844号に記載されているような陽イオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及びWO00/47708に記載されているようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む26個までの炭素原子を有してよい四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
【0054】
陽イオン性補助界面活性剤は、存在する場合、約0.01重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の濃度で組成物中に存在する。
【0055】
陰イオン性補助界面活性剤
本明細書で有用な陰イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、C10〜C20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18二級(2、3)アルキルサルフェート;C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、xは1〜30である);1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18 アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;WO99/05243、WO99/05242及びWO99/05244に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0056】
陰イオン性補助界面活性剤は、存在する場合、約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約4重量%、より好ましくは約1重量%〜約4重量%の濃度で組成物中に存在する。
【0057】
組成物
本発明は、変性されたアルコキシル化ポリオール化合物、C〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤を含む界面活性剤系、及び補助界面活性剤を含む組成物に関する。組成物は、任意の形態、すなわち液体;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒、ジェル等の固体;エマルション;二区画容器に放出される形式;飛沫又は泡洗剤;予めしめらせた拭取り布(すなわち、米国特許第6,121,165号(マッケイ(Mackey)ら)に記載されているもの等の不織布材を組み合わせた洗浄組成物);消費者により水で活性化される乾燥拭取り布(すなわち、米国特許第5,980,931号(フォーラー(Fowler)ら)に記載されているもの等の不織布材を組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質又は多相の消費者洗浄製品の形態であってよい。
【0058】
又、組成物は、工業用のクリーナー(すなわち、床クリーナー)に使用又は組み込まれるのに適したものであってよい。1つの実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であり、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸される。本明細書で使用する時、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。
【0059】
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い組成物のような液体食器洗浄組成物、固体自動食器洗い機用洗浄組成物、液体自動食器洗い機用洗浄組成物、及び自動食器洗い機用洗浄組成物のタブ(tab)/単位用量形態である。
【0060】
洗浄組成物はまた、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラスなど、様々な表面を洗浄するカーケア組成物で使用されてもよい。又、この洗浄組成物は、界面活性剤が遊離硬度に接触するシャンプー組成物、身体洗浄剤、液体又は固体石鹸等のパーソナルケア組成物、ペットケア製品及び他の洗浄組成物、並びに石油掘削組成物等の硬度耐性界面活性剤系を必要とするすべての組成物に使用されるように設計されてよい。
【0061】
組成物は、
(a)疎水変性ポリオール化合物であって、変性が前記ポリオール化合物の少なくとも1つのヒドロキシ部分を有することを含み、更にエトキシ部分及びプロポキシ部分を含み疎水変性ポリオール化合物を形成する工程、
(b)前記疎水変性ポリオール化合物を、組成物の約13重量%〜約25重量%のC〜C18直鎖アルキルベンゼンスルホネートと組成物の0重量%〜約7重量%の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤とを含む界面活性剤系と混合する工程を備える方法により製造されてよい。
【0062】
更に、洗浄補助剤材料が、前記方法の任意の工程に加えられてよい。疎水変性ポリオール化合物は、アルコキシル化工程による上記いずれの調整であってよく、及び陰イオン性末端保護ユニットのいずれを選択してもよい。
【0063】
洗浄補助物質
一般に、洗浄補助剤は、最低限の必須成分だけを含有する洗浄組成物を、洗濯、硬質表面、パーソナルケア、消費者、商業、及び/又は工業洗浄目的に有用な洗浄組成物へと転換するのに必要なあらゆる物質である。特定の実施形態では、洗浄補助剤は、洗浄製品、特に家庭環境で消費者による直接使用が意図された洗浄製品の特徴を絶対的に示すものとして、当業者には容易に認識可能である。
【0064】
これら追加構成成分の精確な性質、及びそれらを組み込む濃度は、洗浄組成物の物理形態、及びそれが使用されることになる洗浄操作の性質に左右される。
【0065】
洗浄補助成分は、漂白剤と併せて使用される場合、漂白剤との良好な安定性をもつべきである。本明細書の洗浄組成物の特定の実施形態は、法律で定められるように、無ホウ素及び/又は無リンであるべきである。洗浄補助剤の濃度は、洗浄組成物の約0.00001重量%〜約99.9重量%、例えば約0.0001重量%〜約50重量%である。全体的な洗浄組成物の使用濃度は、目的とする用途に応じて大きく異なる場合があり、例えば、溶液中で数ppmの濃度から、洗浄する表面への非希釈洗浄組成物のいわゆる「直接適用」までにわたる場合がある。
【0066】
非常に典型的に、本明細書中の洗浄組成物、例えば、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加物、硬質面クリーナー、合成及び石鹸ベースの洗濯バー、柔軟仕上げ剤及び布地処理液、固体及びすべての種類の処理物品は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書中に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。適した洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、PCT国際公開特許WO99/05242中に見出すことができる。
【0067】
通常の洗浄補助剤としては、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられ、上にすでに定義された物質を除く。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)など、各種の活性成分若しくは特殊な物質、例えば、前述した以外の分散性ポリマー(例えばBASF社(BASF Corp.)若しくはローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から得られるもの)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに、液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、抑泡剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に見出される。
【0068】
使用方法
本発明は、対象とする表面を洗浄する方法を含む。本明細書で使用する時、「対象とする表面」としては、布地、食器、ガラス製品、及びその他料理用の表面、硬質表面、毛髪又は皮膚等の前記表面が挙げられてよい。本明細書で使用する時、「硬質表面」としては、広葉樹、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラス等の典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。前記方法は、変性ポリオール化合物を含む組成物が、適切な形態又は洗浄溶液で希釈され少なくとも対象とする表面の部分と接触し、それから所望により対象とする表面を濯ぐ工程を含む。好ましくは、対象とする表面は、前述したすべての濯ぎ工程の前に洗浄工程が実施される。本発明の目的上、洗浄することは、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
【0069】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)、パーソナルケア、及び/又は洗濯用途で使用するのに適している。
【0070】
組成物溶液のpHは、対象とする表面に対して最も相補的になるように選択され、pH約5〜約11の広い範囲にわたり洗浄される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、そのような組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約8〜約10である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃にわたる。
【0071】
洗濯洗浄組成物で使用される場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水の温度は、好ましくは約5℃〜約60℃の範囲である。水と布地の比率は、好ましくは約1:1〜約20:1である。
【0072】
前記方法は、本発明の組成物の実施形態を含浸した不織布基材に接触する工程を含む。本明細書で使用する時、「不織布基材」は、適した坪量、キャリパー(厚さ)、吸収力及び強度特性を有するすべての従来通りに作られた不織布シート又はウェブを含んでよい。好適な市販の不織布基材の例としては、デュポン(DuPont)より商標名ソンタラ(SONTARA)(登録商標)として販売されるもの、及びジェームス・リバー社(James River Corp.)より商標名ポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0073】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、液体食器洗浄組成物で使用するのに適している。本発明の液体食器組成物を使用する方法は、汚れた皿類を、有効量、通常は約0.5mL〜約20mL(処理されるべき皿25枚あたり)の水で希釈された本発明の液体食器洗浄組成物と接触させる工程を含む。
【0074】
製剤
【表4】

表1からの実施例のいずれか1つ又は混合物によるポリマー
【0075】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0076】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)5〜11個のヒドロキシ部分を含む1つ以上の疎水変性ポリオール化合物であって、少なくとも1つのヒドロキシ部分が、更にエトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びこれらの混合物から成る群から選択されるアルコキシ部分、好ましくはエトキシ及びプロポキシ部分を含み;5%〜100%の前記ヒドロキシ部分、少なくとも1つの前記アルコキシ部分及びこれらの組み合わせが、更に陰イオン性末端保護ユニットを含むように、少なくともひとつの前記ヒドロキシ部分、少なくとも1つの前記アルコキシ部分及びこれらの組み合わせが、更に陰イオン性末端保護ユニットを含む、並びに
b)界面活性剤系であって、組成物の9重量%〜25重量%のC8〜C18直鎖アルキルベンゼンスルホネート及び組成物の0重量%〜7重量%の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤を含む界面活性剤系
を含む、組成物。
【請求項2】
前記変性ポリオール化合物が、5〜10個のヒドロキシ部分、好ましくは6〜9個のヒドロキシ部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記陰イオン性末端保護ユニットが、サルフェート、スルホスクシネート、スクシネート、マレエート、スルホネート、メチレンカルボキシレート、エチレンカルボキシレート、ホスフェート、ポリホスフェート及びこれらの混合物から選択され、好ましくは前記陰イオン性末端保護ユニットが、サルフェート、スルホネート、メチレンカルボキシレート及びエチレンカルボキシレートから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記陰イオン性末端保護ユニットは、前記アルコキシ部分の50%〜90%、好ましくは60%〜80%が陰イオン性末端保護ユニットを含むようなものである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤として、前記補助界面活性剤が、C12〜C18アルキルエトキシレート類;C6〜C12アルキルフェノールアルコキシラート類、ここで前記アルコキシラート単位はエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物である;エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレート類を有するC12〜C18アルコール及びC6〜C12アルキルフェノール縮合体類;C14〜C22中鎖分枝状アルコール類;C14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシラート類;アルキル多糖類;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類;エーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤類;10〜18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分を包含する水溶性アミンオキシド類;10〜18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分を包含する水溶性ホスフィンオキシド類;並びに10〜18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに1〜3個の炭素原子のアルキル及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分を包含する水溶性スルホキシド類から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、液体洗剤組成物の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒及びジェルから選択される固体洗剤組成物の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
5〜11個のヒドロキシ部分、好ましくは6〜9個のヒドロキシ部分を含む疎水変性ポリオール化合物であって、少なくとも1つのヒドロキシ部分が、更にエトキシ、プロポキシ及びこれらの混合物から成る群から選択されるアルコキシ部分を含み、50%〜90%の前記アルコキシ部分が陰イオン性末端保護ユニットを含むように前記アルコキシ部分が更に陰イオン性末端保護ユニットを含む、疎水変性ポリオール化合物。
【請求項9】
前記陰イオン性末端保護ユニットが、サルフェート、スルホスクシネート、スクシネート、マレエート、スルホネート、メチレンカルボキシレート、エチレンカルボキシレート、ホスフェート、ポリホスフェート及びこれらの混合物から選択される、請求項8に記載の疎水変性ポリオール化合物。
【請求項10】
前記アルコキシ部分が、平均2〜60個を有するエトキシが存在し及び平均2〜15個を有するプロポキシが存在するようにエトキシ及びプロポキシを含み、前記アルコキシ部分がブロックアルコキシ部分である、請求項8に記載の疎水変性ポリオール化合物。

【公表番号】特表2008−523225(P2008−523225A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545743(P2007−545743)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/045534
【国際公開番号】WO2006/066059
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】