改良された迂回漏れ防止の手段を有するタンポン用綿撒糸
1以上のパッドを当該パッドを圧縮する形状に組立てることによってタンポン用綿撒糸が作られる。より具体的には、パッドを圧縮する形状を横断する方向において半径方向に圧縮し円筒形状とし、当該円筒形状を縦方向の垂直な軸に沿って軸方向に圧縮し、タンポン用綿撒糸を形成する。一つの具体例において、軸方向の圧縮は、圧力が円筒形状の第1および第2の端部の少なくとも一つに適用されるように、行なわれる。本発明の一つの側面において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定された約6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内の吸収容量、および立方センチメートル当たり約0.4603グラムの密度を有する。本発明の別の側面においては、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定された約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内の吸収容量、および立方センチメートル当たり約0.4755の密度を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはタンポン用綿撒糸に関し、より狭くは改良された吸収性および膨張特性を有しその結果として改良された迂回漏れ防止の手段を提供するタンポン用綿撒糸に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性の生理用タンポンは、その技術分野において古くから知られている。より最近において利用されているタンポン用綿撒糸は、吸収性の材料、もしくは吸収性および非吸収性の材料の混合物の、一般的には矩形状のパッドから、実質的に円筒形状の部材に圧縮される。使用に際して、タンポン用綿撒糸は、女性の膣に挿入される。血液やその他の体液が圧縮されたタンポン用綿撒糸に接触するので、それらの流体は吸収され、綿撒糸は圧縮される前のサイズまで再膨張し、その月経の期間中に膣から流れ出るその他の流体を捕獲する。タンポン用綿撒糸の性能に関する一つの大きな基準は、漏れの防止である。ほとんどの漏れは、月経液の「迂回」が原因である。迂回は、月経液がそこに挿入されているタンポン用綿撒糸と接触することなく膣腔の長手方向に沿って移動する場合に起きる。タンポンの漏れは、全てのサイズの(例えば、吸収性の)タンポンに関して、約15パーセントから20パーセントまでの範囲内の発生率を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者たちは、そのような迂回が、一般的にタンポン用綿撒糸が膣腔の中で十分にフィットしていないことに起因していることを発見した。いかなる商業用に生産されるタンポンの漏れの傾向も非常に予測が難しい。それは、例えば、大量生産される製品としてのタンポンに対する異なる製造プロセスや、タンポンを用いる女性の膣腔が身体構造上の差異を有していることによる。実際のユーザの磁気共鳴画像(MRI)による分析やIONシミュレーション(身体構造的に正確なシミュレーション装置)は、迂回漏れがより高い頻度で起きるのは、タンポン用綿撒糸が膣腔の中においてあまりに高い位置に挿入される場合、およびタンポン用綿撒糸が膣の円蓋に対して左右に角度を持ってしまう場合であることを、示している。例えば、MRIおよびIONシミュレーションの結果において、本発明者たちは、膣腔の中でタンポン用綿撒糸を高い位置に配置すると、頸管口(例えば、月経液が子宮から出る位置)からの月経液が、タンポン用綿撒糸に対して当該タンポン用綿撒糸の全長における概ね半ばもしくは中間点において接触することになる、ということを発見した。理解されるべきであることは、吸収性を最大にするためには、一般的に、月経液がタンポン用綿撒糸の全長における先端の位置で接触することが好ましい。すなわち、タンポン用綿撒糸の全長における半ばもしくは中間点で接触することは、当該タンポン用綿撒糸が月経液を有効に吸収できない原因となる。例えば、いくつかのMRIテストは、タンポン用綿撒糸が膣腔の中で比較的高く配置されると、当該タンポン用綿撒糸の底の部分のみが流体を吸収し、一方タンポン用綿撒糸の先端の部分は比較的満たされていない、ということを示した。本発明者たちは、この好ましくない吸収性が殊に女性被験者たちの月経のサイクルにおける「軽い流れ」の日の期間に見られることを、観察した。
【0004】
上述したように、タンポン用綿撒糸は、典型的には、タンポン用綿撒糸が製造される間もしくはアプリケータの胴体にタンポン用綿撒糸を配置する間に、圧縮されセットされる。ユーザの身体の内部において湿気や流体(例えば、月経液)に晒される場合、タンポン用綿撒糸の繊維は膨張する。従来のタンポン用綿撒糸のデザインは、膨張するタンポン用綿撒糸が装着者の身体の形に一致するように当該膨張をコントロールするように試みられてきた。例えば、典型的には、膨張が膣腔の一部にぴったりと一致し、膨張するタンポン用綿撒糸の周りの経路における迂回漏れを防止することが目標である。今まで、迂回漏れをコントロールしようとする努力は、ある程度成功してきた。しかしながら、迂回漏れ防止における改良は、未だに望まれている。例えば、本発明者たちは、膣腔は従来のタンポン用綿撒糸よりも大きな弾性を有するので、当該綿撒糸は膣腔を開いたり膣腔の幅を広げたりして迂回漏れの流路を形成する原因となっている、ということを理解した。
【0005】
従来のタンポン用綿撒糸に上述したような問題があるとして、ユーザはもし迂回漏れを避けることができなければ実質的に迂回漏れを最小化するために改良された膨張および吸収の容量を有するタンポン製品を好むだろう、ということが予期される。したがって、改良されたタンポン用綿撒糸のデザイン、殊により大きな吸収性および殊に半径方向の膨張特性を有するタンポン用綿撒糸のデザインに対する止むことのない需要が存在する、ということが見いだされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面において、本発明は、レイアップされた(重ね合わされた)形状における少なくとも2つのパッドを組み立てることを含んだタンポン用綿撒糸を作るための方法である。レイアップされた(重ね合わされた)形状のパッドを横断方向に圧縮して円筒形状にし、当該円筒形状を鉛直方向の軸に沿って圧縮してタンポン用綿撒糸にする。一つの具体例において、形成されたタンポン用綿撒糸は立法センチメートル当たり約0.42グラム以上の密度を有している。
【0007】
一つの具体例において、軸方向に圧縮するステップは、圧力が円筒形状の第1および第2の端部のうちの少なくとも一つに適用されるように、当該円筒形状を軸方向に圧縮することからなる。別の具体例において、軸方向の圧縮は、圧力が円筒形状の第1および第2の端部の両方に適用されるように行なわれる。
【0008】
本発明の一つの側面において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストにより測定された吸収容量が約6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4603グラムである。本発明の別の側面において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定された吸収容量が約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4755グラムである。
【0009】
一つの具体例において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストにより測定された吸収容量が約6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、少なくとも最大吸水容量が約3.00ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり約0.55ミリリットル以上かのどちらかである。別の具体例において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定された吸収容量が約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度は立方センチメートル当たり約0.44グラム以上であり、少なくとも最大吸水容量が約4.20ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり約0.65ミリリットル以上か、幅方向の膨張が膨張前の初期値に対して約75パーセント以上かのいずれかである。従来のタンポンはこの値が約60パーセントである。
【0010】
本発明の一つの側面において、タンポン用綿撒糸は、半径方向および軸方向に圧縮されて一般的に円筒形状となる少なくとも一つのパッドを含んでいる。圧縮の後、当該円筒形状は立方センチメートル当たり約0.42グラム以上の密度を有している。一つの具体例において、円筒形状は、さらにシンジナテストにより測定された吸収容量が約6.0グラムから9.0グラムの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4603グラムである。別の具体例において、円筒形状はさらにシンジナテストで測定された吸収容量が約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4755グラムである。
【0011】
一つの具体例において、タンポン用綿撒糸は、さらに当該タンポン用綿撒糸の少なくとも一部分を覆う漏れ防止のシールドを有している。当該漏れ防止のシールドは、タンポン用綿撒糸の吸収性よりも小さい第2の吸収性を有している。一つの具体例において、漏れ防止のシールドは、タンポン用綿撒糸が装着者の膣腔に挿入された場合に当該タンポン用綿撒糸に流体を導く不織布の材料からできている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一具体例にかかるタンポン用綿撒糸が形成される前の状態において配置されたパッドの平面図である。
【図2】図2は、本発明にかかるタンポン用綿撒糸を形成するステップの間においてパッドを受け入れるオーブンチューブの平面図である。
【図3】図3は、本発明の一具体例に従って形成されたタンポン用綿撒糸の平面図である。
【図4A】図4Aおよび4Bは、性能試験を行なう前の本発明にかかるタンポン用綿撒糸と従来技術にかかるタンポン用綿撒糸とを横に並べて比較した概略図である。
【図4B】図4Aおよび4Bは、性能試験を行なう前の本発明にかかるタンポン用綿撒糸と従来技術にかかるタンポン用綿撒糸とを横に並べて比較した概略図である。
【図5A】図5Aおよび5Bは、最初の性能試験を行なった後の図4Aおよび4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図5B】図5Aおよび5Bは、最初の性能試験を行なった後の図4Aおよび4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図6A】図6Aおよび6Bは、さらなる性能試験を行なった後の図4Aおよび図4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図6B】図6Aおよび6Bは、さらなる性能試験を行なった後の図4Aおよび図4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図7】本発明の別の具体例にしたがって形成されたタンポン用綿撒糸の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一側面において、タンポン用綿撒糸は、当該綿撒糸の膨らみもしくは膨張における増大を通じて迂回漏れを減少させるように提供されている。一つの具体例において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸は、装着者の膣腔の幅に実質的に一致するまで増加された膨張を提供する。本発明者たちは、半径方向および軸方向の両方において高度に圧縮されたタンポン用綿撒糸が、好ましい最大限の膨らみを獲得する、ということを発見した。一つの具体例において、高度の圧縮は、最初にタンポン用綿撒糸を半径方向に圧縮してその後に当該タンポン用綿撒糸を軸方向に圧縮することを含む。軸方向に綿撒糸を圧縮することによって、レーヨン繊維は、当該綿撒糸の先端部分および後端部分の両方から中間部分に向かって力を受ける。本発明者たちは、このツーステップの圧縮のプロセスが単位体積当たりの繊維(例えば、レーヨン繊維)の量を最大化する、ということを発見した。それは、今度は、流体を吸収する場合に、半径方向における幅を広げるように膨らむタンポン用綿撒糸を提供する。それに加えて、本発明者たちは、本発明にかかるタンポン用綿撒糸のデザインが、従来のタンポン用綿撒糸と比較して非常に大きい密度を有しているタンポン用綿撒糸を生み出すことを、発見した。より高い密度は、タンポン用綿撒糸が流体と接触する際に、非常に大きな膨らみをもたらすようである。一つの具体例において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸は、漏れ防止のシールドを有している。以下説明されるように、当該漏れ防止のシールドは、迂回漏れに対するさらなる防御を提供する。ここで説明されるように、漏れ防止のシールドは、流体が、綿撒糸が膨らむ機会を有する前に高度に圧縮されたタンポン用綿撒糸を通過して移動することを妨げる。当該綿撒糸がその最大限まで幅を広げるのは、少なくとも、膨張しているタンポン用綿撒糸に向けて流体を戻してやることによってである。
【0014】
図1は、例えば綿、レーヨン、もしくは他の天然か合成の繊維などのような繊維の2つウェブを有するパッドのレイアップ(重ね合わせ)10を示している。それらのウェブは、切り取られることによって、予め決められた幅Wおよび長さLを有するパッド20および30を形成している。一つの具体例において、レイアップ(重ね合わせ)の形状における組み立てに先立って、ウェブは、前もって梳毛されニードルパンチされており、予め決められた幅Wおよび長さLは、各々約2.00インチおよび約4.00インチである。パッド20および30が同様な形状を有するように説明されている(例えば、同じ幅および長さの寸法を有している)一方で、異なる幅およびもしくは長さの寸法、およびもしくは異なる幾何学的形状を有するパッドが提供されることも、本発明の技術的思想の範囲内である、ということは十分に理解されるべきである。図1において示されるように、タンポン用綿撒糸を形成するプロセスにおいて、パッドのレイアップ(重ね合わせ)の組立て品10は、パッド30の上面32の上に垂直に交わるように配置されたパッド20を有する。それらは、十字形状のパターンを形成する。2つのパッド(例えば、パッド20および30)が示される一方で、2つ以上の下側パッドの上に2つ以上の上側パッドを組み合わせることも本発明の技術的思想の範囲内である、ということは十分に理解されるべきである。
【0015】
パッドのレイアップ(重ね合わせ)10は、その後に、例えば、パッド20および30を加熱したオーブンチューブ50(図2)の中に詰め込むことによって、圧縮される。その結果として、パッド20および30の繊維は、軸Aに沿って横断方向もしくは幅方向において半径方向に圧縮されて、一般的に円筒形状40が形成される。一つの具体例において、オーブンチューブ50の内径は、スーパーの吸収性のタイプのタンポンに対して約0.407インチである。そして、目標の加熱温度は、華氏約230度である。一つの具体例において、円筒形状40は、軸Aに沿って、円筒形状40の外周42に対して、オーブンチューブ50の中で半径方向に圧縮される。本発明の一つの側面に従って、円筒形状40は、その後に、垂直軸Bに沿った方向において、オーブンチューブ50の中において軸方向に圧縮される。一つの具体例において、円筒形状40は、圧力が円筒形状40の先端部分44および後端部分46において適用されるように、軸方向に圧縮される。一つの具体例において、先端部分44は、円錐形状もしくは半球形状のピストン47により軸方向に圧縮され、後端部分46は平坦な形状のピストン48によって軸方向に圧縮される。一つの具体例において、軸方向における先端部分44および後端部分46の圧縮は、華氏約385度の温度において、約12秒間の滞留時間で行なわれる。軸方向の圧縮のステップは、従来のタンポン用綿撒糸の密度と比較した場合に、比較的高い密度のタンポン用綿撒糸(円筒形状40)を提供する。圧力下における軸方向の圧縮は、さらに円筒形状40の密度の増加をもたらすようである。例えば、表1は、本発明にかかるタンポン用綿撒糸40(表1において「綿撒糸X」とラベルが付けられている)の密度を、プレイテックスプロダクツ社(米国のコネチカット州のウエストポート)のジェントルグライド(米国登録商標)というタンポン製品、プレイテックスプロダクツ社のビヨンド(米国登録商標)というタンポン製品、およびタムパックスおよびパールのブランド名の下に販売されているタンポン製品との比較において示している(ジェントルグライドおよびビヨンドは、プレイテックスプロダクツ社の商標として登録されている)。表1のデータは、米国食品医薬品局の規則(21CFR801.430)において説明されているように、「レギュラー」および「スーパー」のタンポンの吸収性に対して、立方センチメートル当たりのグラム数(gms/cc)におけるタンポン用綿撒糸の密度の比較を示している。本発明にかかるタンポン用綿撒糸40(綿撒糸X)は、従来のタンポン用綿撒糸よりも高い密度を示している。例えば、一つの具体例において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸の密度は、従来のタンポン用綿撒糸に対して約25パーセントから50パーセントの範囲内に入る数値の分だけ増加している。密度における最小の増加率は約10パーセントであり、密度における最大の増加率は約100パーセントである。
【0016】
【表1】
【0017】
タンポン用綿撒糸40が1以上の尖っていない端部を有する円筒形状において描写されている一方で、本発明にかかるタンポン用綿撒糸は何らかの幾何学的な形状において形成されるかもしれない、ということは理解されるべきである。例えば、圧縮されたタンポン用綿撒糸40は、2つの平坦なもしくは尖っていない端部、一つの尖っていない端部および一つの幾何学的な形状の端部、および2つの幾何学的な形状の端部を有するかもしれない。一つの具体例において、幾何学的な形状は、例えば、半球形状、円錐形状、先細形状、卵形形状、半球を逆さまにした形状、円錐を逆さまにした形状、先細を逆さまにした形状、卵形を逆さまにした形状、およびそれに類するものである。図3は、本発明にかかるタンポン用綿撒糸の一具体例を示している。それは、一般的に、タンポン用綿撒糸100として示される。図3において示されるように、タンポン用綿撒糸100は、例えば半球の幾何学的形状である第1の形状の端部102および第2の平坦な端部104を有している。一つの具体例において、綿撒糸100の第1の端部102は挿入される側の端部であり、第2の端部104は取り出す側の端部である。一つの具体例において、図3に示されるように、取り出す側の端部104は、引き出すための紐110を有しており、タンポン用綿撒糸100を装着者の膣から除去することが容易になっている。
【0018】
本発明にかかるタンポン用綿撒糸100と従来のタンポン用綿撒糸との間のさらなる比較が、吸水性に関する実証試験として知られる修正されたシンジナ吸収性テストを用いて行なわれた。吸水性に関する実証試験は、シンジナ吸収性テストの間にどれだけ速くタンポン用綿撒糸の体積が膨張するかを示し、殊に、綿撒糸が流体を吸収する際の当該綿撒糸の膨張に関連する最大の吸水容量(ミリリットル)を測定する。本発明の一具体例において、最大の吸水容量(ミリリットル)は、タンポン用綿撒糸が漏らすまでの予め決められた期間において測定され記録された。理解されるように、予め決められた期間における測定は、吸水の速度(分当たりのミリリットル)の計算を可能にする。表2乃至4は、(再び、表2乃至4において「綿撒糸X」とラベルが付けられている)本発明にかかるタンポン用綿撒糸100の吸水性に関する実証試験、すなわち最大吸水容量(表2)、吸水速度(表3)、および綿撒糸の重量(表4)の結果を示している。綿撒糸Xは、再びプレイテックスプロダクツ社のジェントルグライドタンポンおよびビヨンドタンポン、並びにタムパックスオリジナルズ、パール、コーテックス、オービー、およびリル−リテスのブランド名の下に販売されているタンポン製品と比較されている。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
表2および3に示されるように、本発明にかかるタンポン100(例えば、綿撒糸X)および従来のタンポン用綿撒糸は、従来のタンポン用綿撒糸と比較してより高い吸水容量(ミリリットル)および吸水速度(分当たりのミリリットル)を提供するようである。
【0023】
それに加えて、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100および従来のタンポン用綿撒糸は、シンジナ吸収性テストを用いて試験された。図4Aおよび4Bは、シンジナテストの前において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100と従来のジェントルグライドの綿撒糸200とを、横並びにして比較している。図4Aおよび4Bに示されるように、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100は、全体の長さ寸法において著しく短い(例えば、L1は、L2よりも短い)。図5Aおよび5Bは、3分間のシンジナテストの後のタンポン用綿撒糸100およびジェントルグライドタンポン200を示している。そのシンジナテストにおいては、流体がタンポン用綿撒糸100および200の各々の先端部分102および202に接触するように供給される。示されるように、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100は、膨らむことにおいて、殊に、その幅方向の膨張において相当な改良を提供しているようである(例えば、W1は、W2よりも大きい)。例えば、2つの吸収性のタイプにおける膨らんだ寸法の代表的なテストデータが、表5において提供されている。
【0024】
【表5】
【0025】
図6Aおよび6Bは、3分間のシンジナテストの後のタンポン用綿撒糸100およびジェントルグライドタンポン200を示している。そのシンジナテストにおいては、流体がタンポン用綿撒糸100および200の各々の中間部分106および206に接触するように供給される。示されるように、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100は、再びその幅の膨らみにおいて相当な改良を提供するようである(例えば、W1’は、W2’よりも大きい)。
【0026】
MRIスキャンは、また、女性被験者の中のタンポン用綿撒糸の性能を検査するために用いられた。MRIスキャンは、実験室での試験結果と一致した(例えば、シンジナおよび吸水性に関する実証試験)。そこにおいては、本発明のタンポン用綿撒糸100は、従来のタンポン用綿撒糸と比較してその幅において相当に改良された膨張を提供した。
【0027】
上述されたように、実際のおよび実験室でのテストは、本発明にかかる高度に圧縮されたタンポン用綿撒糸100により獲得された多くの改良点を示している。例えば、いくつかの改良点は、以下に示される。
【0028】
1.より高い密度
綿撒糸Xレギュラーの密度は、立法センチメートル当たり0.4603グラムであると測定された。一方、従来のタンポンにおいて次に高い密度を示したもの(レギュラーの吸収性においてビヨンドのブランド名の下に販売されている)は、立法センチメートル当たり0.4070グラムである。
【0029】
綿撒糸Xスーパーの密度は、立法センチメートル当たり0.4755グラムであると測定された。一方、従来のタンポンにおいて次に高い密度を示したスーパーの吸収性のジェントルグライドのタンポン用綿撒糸は、立法センチメートル当たり0.3829グラムである。
【0030】
2.より高い吸水性に関する実証試験の結果
綿撒糸Xレギュラーの最大の吸水容量は、3.16ミリリットルであると測定された。一方、次に高い最大の吸水容量を示したレギュラーの吸収性のパールブランドのタンポン用綿撒糸は、2.64ミリリットルである。
【0031】
綿撒糸Xレギュラーの吸水速度は、0.6540であると測定された。一方、次に高い吸水速度を示した従来のレギュラーの吸収性のジェントルグライドのタンポン用綿撒糸は、0.5055であった。
【0032】
綿撒糸Xスーパーの最大の吸水容量は4.36ミリリットルであると測定された。一方、次に高い吸水容量を示したリル−リテスのタンポン用綿撒糸は、3.96ミリリットルであると測定された。
【0033】
綿撒糸Xスーパーの吸水速度は、0.7694であると測定された。一方、次に高い吸水速度を示した従来のスーパーの吸収性のジェントルグライドの臭いを吸収するタンポン用綿撒糸は、0.6093であった。
【0034】
3.幅方向におけるより高い綿撒糸の膨張率
綿撒糸Xスーパーの元々の幅に対する膨張率は、77パーセントであった。一方、従来のスーパーの吸収性のジェントルグライドの幅における膨張率は、61パーセントであった。
【0035】
要約すると、本発明にかかるタンポンは、従来のタンポン用綿撒糸と比較して、以下のような1以上の改良点を提供するようである。
密度:
レギュラーの吸収性:立方センチメートル当たり0.42グラム以上
スーパーの吸収性 :立方センチメートル当たり0.40グラム以上
最大の吸水容量:
レギュラーの吸収性:2.80ミリリットル以上
スーパーの吸収性 :4.20ミリリットル以上
吸水速度:
レギュラーの吸収性:分当たり0.55ミリリットル以上
スーパーの吸収性 :分当たり0.65ミリリットル以上
綿撒糸の幅の膨らみ
スーパーの吸収性 :増加率が75パーセント以上
レギュラーの吸収性:増加率が90パーセント以上
【0036】
本発明の一つの具体例において、図7に示されるように、タンポン用綿撒糸300は、タンポン用綿撒糸100と同じく改良された密度、吸水容量、吸水速度、および膨らむ特徴を有している。漏れの防止のためのさらなる改良のために、タンポン用綿撒糸300は漏れ防止のシールド310を有している。漏れ防止のシールド310は、膨張の初期の期間における迂回漏れ防止の手段を提供することによって、月経液が、より高い密度の綿撒糸が望ましい最大限の膨らみを獲得する機会を得る前に、タンポン用綿撒糸300の周りを通って流れ出ることを妨げる助けとなる。
【0037】
本発明は、詳細な具体例に関して示され説明されてきたが、本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変形が行なわれ各要素において同等物による代替が行なわれ得る、ということが当業者によって理解されるだろう。それに加えて、本発明の技術的思想の範囲内において、特定の状況もしくは素材を本発明の教示に適応させるために修正が行なわれ得る。それゆえ、本発明は上述の詳細な説明で開示された特定の具体例に限定されるものではなく、本発明は添付されているクレームの範囲内に入る全ての具体例を含む、ということが意図されている。
【符号の説明】
【0038】
10…パッドのレイアップ(重ね合わせ)、20…パッド、30…パッド、32…パッド30の上面、40…円筒形状、42…円筒形状40の外周、44…円筒形状40の先端部分、46…円筒形状40の後端部分、47…半球形状のピストン、48…平坦な形状のピストン、50…オーブンチューブ、100…タンポン用綿撒糸、102…第1の形状の端部、104…第2の平坦な端部、106…中間部分、110…引き出すための紐、200…ジェントルグライドタンポン、202…先端部分、206…中間部分、300…タンポン用綿撒糸、310…漏れ防止のシールド
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはタンポン用綿撒糸に関し、より狭くは改良された吸収性および膨張特性を有しその結果として改良された迂回漏れ防止の手段を提供するタンポン用綿撒糸に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性の生理用タンポンは、その技術分野において古くから知られている。より最近において利用されているタンポン用綿撒糸は、吸収性の材料、もしくは吸収性および非吸収性の材料の混合物の、一般的には矩形状のパッドから、実質的に円筒形状の部材に圧縮される。使用に際して、タンポン用綿撒糸は、女性の膣に挿入される。血液やその他の体液が圧縮されたタンポン用綿撒糸に接触するので、それらの流体は吸収され、綿撒糸は圧縮される前のサイズまで再膨張し、その月経の期間中に膣から流れ出るその他の流体を捕獲する。タンポン用綿撒糸の性能に関する一つの大きな基準は、漏れの防止である。ほとんどの漏れは、月経液の「迂回」が原因である。迂回は、月経液がそこに挿入されているタンポン用綿撒糸と接触することなく膣腔の長手方向に沿って移動する場合に起きる。タンポンの漏れは、全てのサイズの(例えば、吸収性の)タンポンに関して、約15パーセントから20パーセントまでの範囲内の発生率を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者たちは、そのような迂回が、一般的にタンポン用綿撒糸が膣腔の中で十分にフィットしていないことに起因していることを発見した。いかなる商業用に生産されるタンポンの漏れの傾向も非常に予測が難しい。それは、例えば、大量生産される製品としてのタンポンに対する異なる製造プロセスや、タンポンを用いる女性の膣腔が身体構造上の差異を有していることによる。実際のユーザの磁気共鳴画像(MRI)による分析やIONシミュレーション(身体構造的に正確なシミュレーション装置)は、迂回漏れがより高い頻度で起きるのは、タンポン用綿撒糸が膣腔の中においてあまりに高い位置に挿入される場合、およびタンポン用綿撒糸が膣の円蓋に対して左右に角度を持ってしまう場合であることを、示している。例えば、MRIおよびIONシミュレーションの結果において、本発明者たちは、膣腔の中でタンポン用綿撒糸を高い位置に配置すると、頸管口(例えば、月経液が子宮から出る位置)からの月経液が、タンポン用綿撒糸に対して当該タンポン用綿撒糸の全長における概ね半ばもしくは中間点において接触することになる、ということを発見した。理解されるべきであることは、吸収性を最大にするためには、一般的に、月経液がタンポン用綿撒糸の全長における先端の位置で接触することが好ましい。すなわち、タンポン用綿撒糸の全長における半ばもしくは中間点で接触することは、当該タンポン用綿撒糸が月経液を有効に吸収できない原因となる。例えば、いくつかのMRIテストは、タンポン用綿撒糸が膣腔の中で比較的高く配置されると、当該タンポン用綿撒糸の底の部分のみが流体を吸収し、一方タンポン用綿撒糸の先端の部分は比較的満たされていない、ということを示した。本発明者たちは、この好ましくない吸収性が殊に女性被験者たちの月経のサイクルにおける「軽い流れ」の日の期間に見られることを、観察した。
【0004】
上述したように、タンポン用綿撒糸は、典型的には、タンポン用綿撒糸が製造される間もしくはアプリケータの胴体にタンポン用綿撒糸を配置する間に、圧縮されセットされる。ユーザの身体の内部において湿気や流体(例えば、月経液)に晒される場合、タンポン用綿撒糸の繊維は膨張する。従来のタンポン用綿撒糸のデザインは、膨張するタンポン用綿撒糸が装着者の身体の形に一致するように当該膨張をコントロールするように試みられてきた。例えば、典型的には、膨張が膣腔の一部にぴったりと一致し、膨張するタンポン用綿撒糸の周りの経路における迂回漏れを防止することが目標である。今まで、迂回漏れをコントロールしようとする努力は、ある程度成功してきた。しかしながら、迂回漏れ防止における改良は、未だに望まれている。例えば、本発明者たちは、膣腔は従来のタンポン用綿撒糸よりも大きな弾性を有するので、当該綿撒糸は膣腔を開いたり膣腔の幅を広げたりして迂回漏れの流路を形成する原因となっている、ということを理解した。
【0005】
従来のタンポン用綿撒糸に上述したような問題があるとして、ユーザはもし迂回漏れを避けることができなければ実質的に迂回漏れを最小化するために改良された膨張および吸収の容量を有するタンポン製品を好むだろう、ということが予期される。したがって、改良されたタンポン用綿撒糸のデザイン、殊により大きな吸収性および殊に半径方向の膨張特性を有するタンポン用綿撒糸のデザインに対する止むことのない需要が存在する、ということが見いだされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面において、本発明は、レイアップされた(重ね合わされた)形状における少なくとも2つのパッドを組み立てることを含んだタンポン用綿撒糸を作るための方法である。レイアップされた(重ね合わされた)形状のパッドを横断方向に圧縮して円筒形状にし、当該円筒形状を鉛直方向の軸に沿って圧縮してタンポン用綿撒糸にする。一つの具体例において、形成されたタンポン用綿撒糸は立法センチメートル当たり約0.42グラム以上の密度を有している。
【0007】
一つの具体例において、軸方向に圧縮するステップは、圧力が円筒形状の第1および第2の端部のうちの少なくとも一つに適用されるように、当該円筒形状を軸方向に圧縮することからなる。別の具体例において、軸方向の圧縮は、圧力が円筒形状の第1および第2の端部の両方に適用されるように行なわれる。
【0008】
本発明の一つの側面において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストにより測定された吸収容量が約6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4603グラムである。本発明の別の側面において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定された吸収容量が約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4755グラムである。
【0009】
一つの具体例において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストにより測定された吸収容量が約6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、少なくとも最大吸水容量が約3.00ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり約0.55ミリリットル以上かのどちらかである。別の具体例において、形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定された吸収容量が約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度は立方センチメートル当たり約0.44グラム以上であり、少なくとも最大吸水容量が約4.20ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり約0.65ミリリットル以上か、幅方向の膨張が膨張前の初期値に対して約75パーセント以上かのいずれかである。従来のタンポンはこの値が約60パーセントである。
【0010】
本発明の一つの側面において、タンポン用綿撒糸は、半径方向および軸方向に圧縮されて一般的に円筒形状となる少なくとも一つのパッドを含んでいる。圧縮の後、当該円筒形状は立方センチメートル当たり約0.42グラム以上の密度を有している。一つの具体例において、円筒形状は、さらにシンジナテストにより測定された吸収容量が約6.0グラムから9.0グラムの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4603グラムである。別の具体例において、円筒形状はさらにシンジナテストで測定された吸収容量が約9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり約0.4755グラムである。
【0011】
一つの具体例において、タンポン用綿撒糸は、さらに当該タンポン用綿撒糸の少なくとも一部分を覆う漏れ防止のシールドを有している。当該漏れ防止のシールドは、タンポン用綿撒糸の吸収性よりも小さい第2の吸収性を有している。一つの具体例において、漏れ防止のシールドは、タンポン用綿撒糸が装着者の膣腔に挿入された場合に当該タンポン用綿撒糸に流体を導く不織布の材料からできている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一具体例にかかるタンポン用綿撒糸が形成される前の状態において配置されたパッドの平面図である。
【図2】図2は、本発明にかかるタンポン用綿撒糸を形成するステップの間においてパッドを受け入れるオーブンチューブの平面図である。
【図3】図3は、本発明の一具体例に従って形成されたタンポン用綿撒糸の平面図である。
【図4A】図4Aおよび4Bは、性能試験を行なう前の本発明にかかるタンポン用綿撒糸と従来技術にかかるタンポン用綿撒糸とを横に並べて比較した概略図である。
【図4B】図4Aおよび4Bは、性能試験を行なう前の本発明にかかるタンポン用綿撒糸と従来技術にかかるタンポン用綿撒糸とを横に並べて比較した概略図である。
【図5A】図5Aおよび5Bは、最初の性能試験を行なった後の図4Aおよび4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図5B】図5Aおよび5Bは、最初の性能試験を行なった後の図4Aおよび4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図6A】図6Aおよび6Bは、さらなる性能試験を行なった後の図4Aおよび図4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図6B】図6Aおよび6Bは、さらなる性能試験を行なった後の図4Aおよび図4Bのタンポン用綿撒糸を横に並べて比較した概略図である。
【図7】本発明の別の具体例にしたがって形成されたタンポン用綿撒糸の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一側面において、タンポン用綿撒糸は、当該綿撒糸の膨らみもしくは膨張における増大を通じて迂回漏れを減少させるように提供されている。一つの具体例において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸は、装着者の膣腔の幅に実質的に一致するまで増加された膨張を提供する。本発明者たちは、半径方向および軸方向の両方において高度に圧縮されたタンポン用綿撒糸が、好ましい最大限の膨らみを獲得する、ということを発見した。一つの具体例において、高度の圧縮は、最初にタンポン用綿撒糸を半径方向に圧縮してその後に当該タンポン用綿撒糸を軸方向に圧縮することを含む。軸方向に綿撒糸を圧縮することによって、レーヨン繊維は、当該綿撒糸の先端部分および後端部分の両方から中間部分に向かって力を受ける。本発明者たちは、このツーステップの圧縮のプロセスが単位体積当たりの繊維(例えば、レーヨン繊維)の量を最大化する、ということを発見した。それは、今度は、流体を吸収する場合に、半径方向における幅を広げるように膨らむタンポン用綿撒糸を提供する。それに加えて、本発明者たちは、本発明にかかるタンポン用綿撒糸のデザインが、従来のタンポン用綿撒糸と比較して非常に大きい密度を有しているタンポン用綿撒糸を生み出すことを、発見した。より高い密度は、タンポン用綿撒糸が流体と接触する際に、非常に大きな膨らみをもたらすようである。一つの具体例において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸は、漏れ防止のシールドを有している。以下説明されるように、当該漏れ防止のシールドは、迂回漏れに対するさらなる防御を提供する。ここで説明されるように、漏れ防止のシールドは、流体が、綿撒糸が膨らむ機会を有する前に高度に圧縮されたタンポン用綿撒糸を通過して移動することを妨げる。当該綿撒糸がその最大限まで幅を広げるのは、少なくとも、膨張しているタンポン用綿撒糸に向けて流体を戻してやることによってである。
【0014】
図1は、例えば綿、レーヨン、もしくは他の天然か合成の繊維などのような繊維の2つウェブを有するパッドのレイアップ(重ね合わせ)10を示している。それらのウェブは、切り取られることによって、予め決められた幅Wおよび長さLを有するパッド20および30を形成している。一つの具体例において、レイアップ(重ね合わせ)の形状における組み立てに先立って、ウェブは、前もって梳毛されニードルパンチされており、予め決められた幅Wおよび長さLは、各々約2.00インチおよび約4.00インチである。パッド20および30が同様な形状を有するように説明されている(例えば、同じ幅および長さの寸法を有している)一方で、異なる幅およびもしくは長さの寸法、およびもしくは異なる幾何学的形状を有するパッドが提供されることも、本発明の技術的思想の範囲内である、ということは十分に理解されるべきである。図1において示されるように、タンポン用綿撒糸を形成するプロセスにおいて、パッドのレイアップ(重ね合わせ)の組立て品10は、パッド30の上面32の上に垂直に交わるように配置されたパッド20を有する。それらは、十字形状のパターンを形成する。2つのパッド(例えば、パッド20および30)が示される一方で、2つ以上の下側パッドの上に2つ以上の上側パッドを組み合わせることも本発明の技術的思想の範囲内である、ということは十分に理解されるべきである。
【0015】
パッドのレイアップ(重ね合わせ)10は、その後に、例えば、パッド20および30を加熱したオーブンチューブ50(図2)の中に詰め込むことによって、圧縮される。その結果として、パッド20および30の繊維は、軸Aに沿って横断方向もしくは幅方向において半径方向に圧縮されて、一般的に円筒形状40が形成される。一つの具体例において、オーブンチューブ50の内径は、スーパーの吸収性のタイプのタンポンに対して約0.407インチである。そして、目標の加熱温度は、華氏約230度である。一つの具体例において、円筒形状40は、軸Aに沿って、円筒形状40の外周42に対して、オーブンチューブ50の中で半径方向に圧縮される。本発明の一つの側面に従って、円筒形状40は、その後に、垂直軸Bに沿った方向において、オーブンチューブ50の中において軸方向に圧縮される。一つの具体例において、円筒形状40は、圧力が円筒形状40の先端部分44および後端部分46において適用されるように、軸方向に圧縮される。一つの具体例において、先端部分44は、円錐形状もしくは半球形状のピストン47により軸方向に圧縮され、後端部分46は平坦な形状のピストン48によって軸方向に圧縮される。一つの具体例において、軸方向における先端部分44および後端部分46の圧縮は、華氏約385度の温度において、約12秒間の滞留時間で行なわれる。軸方向の圧縮のステップは、従来のタンポン用綿撒糸の密度と比較した場合に、比較的高い密度のタンポン用綿撒糸(円筒形状40)を提供する。圧力下における軸方向の圧縮は、さらに円筒形状40の密度の増加をもたらすようである。例えば、表1は、本発明にかかるタンポン用綿撒糸40(表1において「綿撒糸X」とラベルが付けられている)の密度を、プレイテックスプロダクツ社(米国のコネチカット州のウエストポート)のジェントルグライド(米国登録商標)というタンポン製品、プレイテックスプロダクツ社のビヨンド(米国登録商標)というタンポン製品、およびタムパックスおよびパールのブランド名の下に販売されているタンポン製品との比較において示している(ジェントルグライドおよびビヨンドは、プレイテックスプロダクツ社の商標として登録されている)。表1のデータは、米国食品医薬品局の規則(21CFR801.430)において説明されているように、「レギュラー」および「スーパー」のタンポンの吸収性に対して、立方センチメートル当たりのグラム数(gms/cc)におけるタンポン用綿撒糸の密度の比較を示している。本発明にかかるタンポン用綿撒糸40(綿撒糸X)は、従来のタンポン用綿撒糸よりも高い密度を示している。例えば、一つの具体例において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸の密度は、従来のタンポン用綿撒糸に対して約25パーセントから50パーセントの範囲内に入る数値の分だけ増加している。密度における最小の増加率は約10パーセントであり、密度における最大の増加率は約100パーセントである。
【0016】
【表1】
【0017】
タンポン用綿撒糸40が1以上の尖っていない端部を有する円筒形状において描写されている一方で、本発明にかかるタンポン用綿撒糸は何らかの幾何学的な形状において形成されるかもしれない、ということは理解されるべきである。例えば、圧縮されたタンポン用綿撒糸40は、2つの平坦なもしくは尖っていない端部、一つの尖っていない端部および一つの幾何学的な形状の端部、および2つの幾何学的な形状の端部を有するかもしれない。一つの具体例において、幾何学的な形状は、例えば、半球形状、円錐形状、先細形状、卵形形状、半球を逆さまにした形状、円錐を逆さまにした形状、先細を逆さまにした形状、卵形を逆さまにした形状、およびそれに類するものである。図3は、本発明にかかるタンポン用綿撒糸の一具体例を示している。それは、一般的に、タンポン用綿撒糸100として示される。図3において示されるように、タンポン用綿撒糸100は、例えば半球の幾何学的形状である第1の形状の端部102および第2の平坦な端部104を有している。一つの具体例において、綿撒糸100の第1の端部102は挿入される側の端部であり、第2の端部104は取り出す側の端部である。一つの具体例において、図3に示されるように、取り出す側の端部104は、引き出すための紐110を有しており、タンポン用綿撒糸100を装着者の膣から除去することが容易になっている。
【0018】
本発明にかかるタンポン用綿撒糸100と従来のタンポン用綿撒糸との間のさらなる比較が、吸水性に関する実証試験として知られる修正されたシンジナ吸収性テストを用いて行なわれた。吸水性に関する実証試験は、シンジナ吸収性テストの間にどれだけ速くタンポン用綿撒糸の体積が膨張するかを示し、殊に、綿撒糸が流体を吸収する際の当該綿撒糸の膨張に関連する最大の吸水容量(ミリリットル)を測定する。本発明の一具体例において、最大の吸水容量(ミリリットル)は、タンポン用綿撒糸が漏らすまでの予め決められた期間において測定され記録された。理解されるように、予め決められた期間における測定は、吸水の速度(分当たりのミリリットル)の計算を可能にする。表2乃至4は、(再び、表2乃至4において「綿撒糸X」とラベルが付けられている)本発明にかかるタンポン用綿撒糸100の吸水性に関する実証試験、すなわち最大吸水容量(表2)、吸水速度(表3)、および綿撒糸の重量(表4)の結果を示している。綿撒糸Xは、再びプレイテックスプロダクツ社のジェントルグライドタンポンおよびビヨンドタンポン、並びにタムパックスオリジナルズ、パール、コーテックス、オービー、およびリル−リテスのブランド名の下に販売されているタンポン製品と比較されている。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
表2および3に示されるように、本発明にかかるタンポン100(例えば、綿撒糸X)および従来のタンポン用綿撒糸は、従来のタンポン用綿撒糸と比較してより高い吸水容量(ミリリットル)および吸水速度(分当たりのミリリットル)を提供するようである。
【0023】
それに加えて、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100および従来のタンポン用綿撒糸は、シンジナ吸収性テストを用いて試験された。図4Aおよび4Bは、シンジナテストの前において、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100と従来のジェントルグライドの綿撒糸200とを、横並びにして比較している。図4Aおよび4Bに示されるように、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100は、全体の長さ寸法において著しく短い(例えば、L1は、L2よりも短い)。図5Aおよび5Bは、3分間のシンジナテストの後のタンポン用綿撒糸100およびジェントルグライドタンポン200を示している。そのシンジナテストにおいては、流体がタンポン用綿撒糸100および200の各々の先端部分102および202に接触するように供給される。示されるように、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100は、膨らむことにおいて、殊に、その幅方向の膨張において相当な改良を提供しているようである(例えば、W1は、W2よりも大きい)。例えば、2つの吸収性のタイプにおける膨らんだ寸法の代表的なテストデータが、表5において提供されている。
【0024】
【表5】
【0025】
図6Aおよび6Bは、3分間のシンジナテストの後のタンポン用綿撒糸100およびジェントルグライドタンポン200を示している。そのシンジナテストにおいては、流体がタンポン用綿撒糸100および200の各々の中間部分106および206に接触するように供給される。示されるように、本発明にかかるタンポン用綿撒糸100は、再びその幅の膨らみにおいて相当な改良を提供するようである(例えば、W1’は、W2’よりも大きい)。
【0026】
MRIスキャンは、また、女性被験者の中のタンポン用綿撒糸の性能を検査するために用いられた。MRIスキャンは、実験室での試験結果と一致した(例えば、シンジナおよび吸水性に関する実証試験)。そこにおいては、本発明のタンポン用綿撒糸100は、従来のタンポン用綿撒糸と比較してその幅において相当に改良された膨張を提供した。
【0027】
上述されたように、実際のおよび実験室でのテストは、本発明にかかる高度に圧縮されたタンポン用綿撒糸100により獲得された多くの改良点を示している。例えば、いくつかの改良点は、以下に示される。
【0028】
1.より高い密度
綿撒糸Xレギュラーの密度は、立法センチメートル当たり0.4603グラムであると測定された。一方、従来のタンポンにおいて次に高い密度を示したもの(レギュラーの吸収性においてビヨンドのブランド名の下に販売されている)は、立法センチメートル当たり0.4070グラムである。
【0029】
綿撒糸Xスーパーの密度は、立法センチメートル当たり0.4755グラムであると測定された。一方、従来のタンポンにおいて次に高い密度を示したスーパーの吸収性のジェントルグライドのタンポン用綿撒糸は、立法センチメートル当たり0.3829グラムである。
【0030】
2.より高い吸水性に関する実証試験の結果
綿撒糸Xレギュラーの最大の吸水容量は、3.16ミリリットルであると測定された。一方、次に高い最大の吸水容量を示したレギュラーの吸収性のパールブランドのタンポン用綿撒糸は、2.64ミリリットルである。
【0031】
綿撒糸Xレギュラーの吸水速度は、0.6540であると測定された。一方、次に高い吸水速度を示した従来のレギュラーの吸収性のジェントルグライドのタンポン用綿撒糸は、0.5055であった。
【0032】
綿撒糸Xスーパーの最大の吸水容量は4.36ミリリットルであると測定された。一方、次に高い吸水容量を示したリル−リテスのタンポン用綿撒糸は、3.96ミリリットルであると測定された。
【0033】
綿撒糸Xスーパーの吸水速度は、0.7694であると測定された。一方、次に高い吸水速度を示した従来のスーパーの吸収性のジェントルグライドの臭いを吸収するタンポン用綿撒糸は、0.6093であった。
【0034】
3.幅方向におけるより高い綿撒糸の膨張率
綿撒糸Xスーパーの元々の幅に対する膨張率は、77パーセントであった。一方、従来のスーパーの吸収性のジェントルグライドの幅における膨張率は、61パーセントであった。
【0035】
要約すると、本発明にかかるタンポンは、従来のタンポン用綿撒糸と比較して、以下のような1以上の改良点を提供するようである。
密度:
レギュラーの吸収性:立方センチメートル当たり0.42グラム以上
スーパーの吸収性 :立方センチメートル当たり0.40グラム以上
最大の吸水容量:
レギュラーの吸収性:2.80ミリリットル以上
スーパーの吸収性 :4.20ミリリットル以上
吸水速度:
レギュラーの吸収性:分当たり0.55ミリリットル以上
スーパーの吸収性 :分当たり0.65ミリリットル以上
綿撒糸の幅の膨らみ
スーパーの吸収性 :増加率が75パーセント以上
レギュラーの吸収性:増加率が90パーセント以上
【0036】
本発明の一つの具体例において、図7に示されるように、タンポン用綿撒糸300は、タンポン用綿撒糸100と同じく改良された密度、吸水容量、吸水速度、および膨らむ特徴を有している。漏れの防止のためのさらなる改良のために、タンポン用綿撒糸300は漏れ防止のシールド310を有している。漏れ防止のシールド310は、膨張の初期の期間における迂回漏れ防止の手段を提供することによって、月経液が、より高い密度の綿撒糸が望ましい最大限の膨らみを獲得する機会を得る前に、タンポン用綿撒糸300の周りを通って流れ出ることを妨げる助けとなる。
【0037】
本発明は、詳細な具体例に関して示され説明されてきたが、本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変形が行なわれ各要素において同等物による代替が行なわれ得る、ということが当業者によって理解されるだろう。それに加えて、本発明の技術的思想の範囲内において、特定の状況もしくは素材を本発明の教示に適応させるために修正が行なわれ得る。それゆえ、本発明は上述の詳細な説明で開示された特定の具体例に限定されるものではなく、本発明は添付されているクレームの範囲内に入る全ての具体例を含む、ということが意図されている。
【符号の説明】
【0038】
10…パッドのレイアップ(重ね合わせ)、20…パッド、30…パッド、32…パッド30の上面、40…円筒形状、42…円筒形状40の外周、44…円筒形状40の先端部分、46…円筒形状40の後端部分、47…半球形状のピストン、48…平坦な形状のピストン、50…オーブンチューブ、100…タンポン用綿撒糸、102…第1の形状の端部、104…第2の平坦な端部、106…中間部分、110…引き出すための紐、200…ジェントルグライドタンポン、202…先端部分、206…中間部分、300…タンポン用綿撒糸、310…漏れ防止のシールド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のパッドを重ね合わされた形状に組み合わせるステップと、
前記重ね合わされた形状のパッドを横断する方向において半径方向に圧縮して円筒形状にするステップと、
最初の円筒形状を縦方向の垂直な軸に沿って軸方向に圧縮して立方センチメートル当たり0.40グラム以上の密度を有するタンポン用綿撒糸を形成するステップと
を備える
タンポン用綿撒糸を作るための方法。
【請求項2】
前記重ね合わされた形状は、十字形状に重ね合わされた形状である
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半径方向に圧縮するステップは、重ね合わされた形状のパッドを当該形状の外周の周りにおいて半径方向に圧縮するステップを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記軸方向に圧縮するステップは、円筒形状の第1および第2の端部のうちの少なくとも一方に圧力をかけて前記円筒形状を軸方向に圧縮するステップを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記軸方向に圧縮するステップは、円筒形状の第1および第2の端部の両方に圧力をかけて前記円筒形状を軸方向に圧縮するステップを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4603グラムである
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4755グラムである
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、最大吸水容量が3.00ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.55ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が90パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.44グラム以上であり、最大吸水容量が4.20ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.65ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が75パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
半径方向および軸方向に圧縮されて円筒形状体に形成された少なくとも一つのパッドを備え、
前記圧縮の後に、前記円筒形状体は立方センチメートル当たり0.40グラム以上の密度を有する
タンポン用綿撒糸。
【請求項11】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4603グラムである
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項12】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4755グラムである
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項13】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、最大吸水容量が3.00ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.55ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が90パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項14】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、最大吸水容量が4.20ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.65ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が75パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項15】
タンポン用綿撒糸の少なくとも一部分を覆い、かつ第2の吸収性を有する漏れ防止のシールドを備え、
前記第2の吸収性は、前記タンポン用綿撒糸の吸収性よりも小さく、
前記漏れ防止のシールドは、前記タンポン用綿撒糸が装着者の膣腔に挿入された場合に、流体を前記タンポン用綿撒糸に導く不織布の材料を有する
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項1】
2以上のパッドを重ね合わされた形状に組み合わせるステップと、
前記重ね合わされた形状のパッドを横断する方向において半径方向に圧縮して円筒形状にするステップと、
最初の円筒形状を縦方向の垂直な軸に沿って軸方向に圧縮して立方センチメートル当たり0.40グラム以上の密度を有するタンポン用綿撒糸を形成するステップと
を備える
タンポン用綿撒糸を作るための方法。
【請求項2】
前記重ね合わされた形状は、十字形状に重ね合わされた形状である
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半径方向に圧縮するステップは、重ね合わされた形状のパッドを当該形状の外周の周りにおいて半径方向に圧縮するステップを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記軸方向に圧縮するステップは、円筒形状の第1および第2の端部のうちの少なくとも一方に圧力をかけて前記円筒形状を軸方向に圧縮するステップを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記軸方向に圧縮するステップは、円筒形状の第1および第2の端部の両方に圧力をかけて前記円筒形状を軸方向に圧縮するステップを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4603グラムである
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4755グラムである
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、最大吸水容量が3.00ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.55ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が90パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記形成されたタンポン用綿撒糸は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.44グラム以上であり、最大吸水容量が4.20ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.65ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が75パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
半径方向および軸方向に圧縮されて円筒形状体に形成された少なくとも一つのパッドを備え、
前記圧縮の後に、前記円筒形状体は立方センチメートル当たり0.40グラム以上の密度を有する
タンポン用綿撒糸。
【請求項11】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4603グラムである
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項12】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、密度が立方センチメートル当たり0.4755グラムである
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項13】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が6.0グラムから9.0グラムまでの範囲内であり、最大吸水容量が3.00ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.55ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が90パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項14】
前記円筒形状体は、シンジナテストで測定される吸収容量が9.0グラムから12.0グラムまでの範囲内であり、最大吸水容量が4.20ミリリットル以上であるか、吸水速度が分当たり0.65ミリリットル以上であるか、幅方向の膨張率が75パーセント以上であるかのうちの少なくとも一つの要件を満たす
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【請求項15】
タンポン用綿撒糸の少なくとも一部分を覆い、かつ第2の吸収性を有する漏れ防止のシールドを備え、
前記第2の吸収性は、前記タンポン用綿撒糸の吸収性よりも小さく、
前記漏れ防止のシールドは、前記タンポン用綿撒糸が装着者の膣腔に挿入された場合に、流体を前記タンポン用綿撒糸に導く不織布の材料を有する
請求項10に記載のタンポン用綿撒糸。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公表番号】特表2012−523911(P2012−523911A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506079(P2012−506079)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/030351
【国際公開番号】WO2010/120619
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(500365915)プレイテックス プロダクツ エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/030351
【国際公開番号】WO2010/120619
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(500365915)プレイテックス プロダクツ エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】
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