説明

改良したテストステロンゲル製剤及び使用の方法

【課題】本発明は、改良された経皮水性アルコール性テストステロンゲル製剤に関し、特に、それは好ましい薬物動態のホルモンプロファイル、及び使用の方法を提供する。
【解決手段】1)1.50%から1.70%(w/w)のテストステロンと;
2)0.6%から1.2%(w/w)のミリスチン酸イソプロピルと;
3)エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択される、60%から80%(w/w)のアルコールと;
4)9000cpsを超える粘度を組成物に与えるのに十分な量の増粘剤と;
5)水と;
を含む、男性被験者の性機能低下を治療するための、水性アルコール性ゲルの医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願書類の特許請求の範囲は、2005年10月12日に出願された、米国特許仮出願第60/725276号の優先権を主張するものであり、その全ての内容が、本出願書類の参照の中に取り入れられる。
【背景技術】
【0002】
男性における主要循環アンドロゲンであるテストステロンは、コレステロールから合成される。1日あたり産生されるテストステロン6−7mgのうちの95%以上が精巣内の約5億のライディヒ細胞によって分泌される。脳下垂体によって産生される2つのホルモン、黄体形成ホルモン(「LH」)及び卵胞刺激ホルモン(「FSH」)が精巣機能の発達及び維持に必要であり、テストステロン産生を負に調節する。循環テストステロンは、2つの異なる経路を介してさまざまな17−ケトステロイドに代謝される。テストステロンは、酵素5α―レダクターゼによってジヒドロテストステロン(「DHT」)に、またはアロマターゼ酵素複合体によってエストラジオール(「E2」)に代謝され得る。
【0003】
テストステロンは98%がタンパク質に結合して血液中を循環する。男性においては、この結合の約40%が高親和性の性ホルモン結合性グロブリン(「SHBG」)に対するものである。残りの60%はアルブミンに弱く結合する。したがって、多くのテストステロンの測定結果が臨床研究所から入手可能である。「遊離」テストステロンという用語は、本明細書で用いるとき、タンパク質に結合していない血液中のテストステロンの断片を指す。「全テストステロン」または「テストステロン」という用語は、本明細書で用いるとき、遊離テストステロンに加えてタンパク質結合テストステロンを意味する。「生物学的に利用可能なテストステロン」という用語は、本明細書で用いるとき、非SHBG結合テストステロンを指し、アルブミンに弱く結合するテストステロンを含む。
【0004】
UCLA−Harbor医療センター(UCLA−Harbor Medical Center)からの以下の表には、正常な成人男性におけるホルモン濃度の値域がまとめられている:
【表1】

【0005】
文献に報告されるテストステロンの半減期にはかなりの変動があり、10から100分の値域をとる。しかしながら、循環テストステロンは健康な青年男性において日周変動することに、研究者らは同意する。最大濃度はおよそ午前6:00から8:00に生じ、その日を通して濃度が減少する。特徴的なプロファイルでは最大テストステロン濃度は720ng/dlであり、最小濃度は430ng/dlである。しかしながら、この日周変動の生理学的な意義は、例えあったとしても、明確ではない。
【0006】
男性の性機能低下は、テストステロン濃度が正常値域より下に減少する、さまざまな病態生理学的状態の結果生じる。性機能低下状態は、時にはさまざまな生理学的な変化、例えば、セックスへの関心の低下、インポテンス、除脂肪体重の減少、骨密度の低下、気分の落ち込み、及び活力の減退などに結びつく。
【0007】
研究者らは、一般には、性機能低下を3つのタイプのうちの1つに分類する。第1の性機能低下には、先天的もしくは後天的無睾丸症、XYY症候群、XX男性、ヌーナン症候群、性器発育異常、ライディヒ細胞腫、精巣の低下不良(maldescended testis)、精索静脈瘤、セルトリ細胞唯一症候群、睾丸停留、両側捻転(bilateral torsion)、消失精巣症候群(vanishing testis syndrome)、睾丸摘出、クラインフェルター症候群、化学療法、アルコールもしくは重金属に由来する中毒性障害、及び一般的な疾病(腎不全、肝硬変、糖尿病、異栄養性筋緊張)による精巣不全が含まれる。第1の性機能低下の患者は、低血清テストステロン濃度が高FSH及びLH濃度を伴う完全なフィードバック機構を示す。しかしながら、精巣不全または他の不全のため、高LH濃度はテストステロン産生の刺激に有効ではない。
【0008】
第2の性機能低下は、突発性の性腺刺激ホルモンもしくはLH放出ホルモンの欠乏に関連する。このタイプの性機能低下には、カルマン症候群、プラーダー・ラバート・ヴィリ症候群、ローレンス・ムーン・ビードル症候群、下垂体不全/腺腫、パスクアリニ症候群(Pasqualini’s Syndrome)、血色素症、過プロラクチン血症、または腫瘍、外傷、放射線照射、もしくは肥満に由来する、下垂体−視床下部障害が含まれる。第2の性機能低下の患者は完全なフィードバック経路を示さないため、テストステロン濃度の低下はLHまたはFSH濃度の増加を伴わない。したがって、これらの男性は、低い血清テストステロン濃度を有し、性腺刺激ホルモンを正常値域から低値域で有する。
【0009】
性機能低下は年齢に相関する可能性がある。男性は、およそ20ないし30歳以降、徐々にではあるが連続的に平均血清テストステロンが低下する。研究者らはこの低下が1年当たり約1−2%であるものと見積もっている。男性における断面研究では、平均テストステロン値が80歳では30歳時の約75%であることが見出されている。SHBGの血清濃度は男性の加齢と共に増加するため、生物学的に利用可能な遊離テストステロンの減少は全テストステロンの減少よりもずっと大きい。研究者らは、50から70歳の健常男性の約50%は生物学的に利用可能なテストステロンの濃度が正常下限を下回っているものと見積もっている。さらに、男性が加齢するに従い、テストステロン濃度のサーカディアンリズムはしばしば弱まり、鈍り、または完全に失われる。加齢に伴う主な問題は視床下部−下垂体ユニットのうちにあるものと思われる。例えば、研究者らは、加齢に従い、テストステロン濃度が低いにも関わらずLH濃度が増加しないことを見出している。その原因に関わりなく、高齢男性におけるこれらの無処置のテストステロンの欠乏は、性的不全、性欲減退、筋肉量の喪失、骨密度の低下、気分の抑鬱、及び認識機能の低下を含む、さまざまな生理学的変化につながる可能性がある。その最終的な結果が老人性の性機能低下、すなわち一般に「男性更年期」と呼ばれるものである。今日、性機能低下は、男性1,000名毎に5名が患う、男性の最も一般的なホルモン欠乏症である。現時点で、テストステロン置換療法を受けているのは、推定で400万から500万人の性機能低下を患う全ての年齢の米国人男性のうちの僅かに5パーセントのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/725276号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、改良された水性アルコール性経皮テストステロンゲル製剤に関し、とりわけ、ホルモンの望ましい薬物動態プロファイル、及び使用の方法を提供する。
本発明は多くの異なる形態で具体化され得るが、本開示を本発明の原理の例示としてのみ見なすべきであり、例示した実施形態に本発明を限定する意図はないことを理解した上で、本明細書にいくつかの特定の実施形態を論じる。本発明は特に、テストステロンに関して本明細書において説明されるが、望むならば、テストステロン合成経路中の他の任意のステロイドを、本明細書において規定される方法、キット、組合せ、及び組成物におけるテストステロンの全体または部分の変わりに、用いることができると理解される。
【0012】
本発明は、改良されたテストステロンゲル製剤及び使用の方法に関する。
【0013】
一実施態様において、本発明は、水性アルコール性ゲルでのテストステロンの経皮送達の方法を対象とする。このゲルは、テストステロン(またはテストステロン誘導体)、エタノールまたはイソプロパノールのような1つまたは複数の低級アルコール、ミリスチン酸イソプロピルのような浸透促進剤、増粘剤、および水を含む。さらに、本発明は塩、
皮膚軟化剤、安定化剤、抗菌剤、香料、および噴射剤を任意選択で含めてもよい。
【0014】
本発明は、いったん臨床的に顕性となった被験者の性機能低下または他の低テストステロン関連疾患、または治療中の関連した症状、または性機能低下関連疾患、または低テストステロン関連疾患の進行を治療し、予防し、正常に戻し、停止させ、もしくは減速させるための、キット、方法、組合せ、および医薬組成物も含む。被験者は既に、投与の時点で性機能低下及び/または低テストステロンの診断、あるいは性機能低下及び/または低テストステロンを発症する危険性が既にあってもよい。本発明では、18歳以上の成人被験者を治療することが好ましい。さらに好ましいのは、本発明で21歳以上の成人被験者を治療することである。
【0015】
「誘導体」という用語は、1つの原子、分子または基を他の代わりのもので置換させることによって、類似構造の他の化合物より産生される化合物を指す。例えば、化合物の水素原子を、アルキル(基)、アシル(基)、アミノ(基)などによって、この化合物の誘導体を産生するために置換してもよい。
【0016】
「低級アルコール」という用語は、本明細書で単独または組み合わせて用いたように、1からおよそ6個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖のアルコール部分を意味する。一実施態様において、低級アルコールは1からおよそ4個の炭素原子を含み、別の実施態様において、低級アルコールは2からおよそ3個の炭素原子を含む。そのようなアルコール部分の例としては、メタノール、エタノール、エタノールUSP(すなわち95%v/v)、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、及びtert−ブタノールが含まれる。
【0017】
「エタノール」という用語は、本明細書で用いたように、COHを指す。これは、無水アルコールUSP、アルコールUSP、またはさまざまな量の水との組合せを含む一般的な形式で用いられてよい。
【0018】
組成物は「医薬有効量」で用いられる。これは、投与される薬物の濃度により、その薬物が使用される期間にわたり、治療レベルの薬物が送達される程度の量を意味する。そのような送達は、個別の投薬単位が使用される期間、組成物からの薬物のフラックス速度、例えばゲルからのテストステロンのフラックス速度、塗布部位の表面積などを含めた多数の変数に依存する。例えばテストステロンについては、促進剤を伴う場合と伴わない場合でのゲルおよび皮膚を通過するテストステロンのフラックス速度に基づいて、必要なテストステロンの量を実験的に決定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
一実施態様において、本発明は、水性アルコール性ゲルでのテストステロンの経皮送達の方法を対象とする。このゲルは、エタノールまたはイソプロパノールのような1つまたは複数の低級アルコール、浸透促進剤、増粘剤、および水を含む。一実施態様において、このゲルは、例として例えば水酸化ナトリウムのような、水酸化物放出剤で中和したアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体を含む。さらに、本発明は塩、皮膚軟化剤、安定化剤、抗菌剤、香料、および噴射剤を任意選択で含めてもよい。
【0020】
本発明に含まれていてかつ本発明の医薬組成物は、記載した化合物の異性体及び互変異性体並びに医薬的に許容可能な塩が含まれる。例示した医薬的に許容可能な塩は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン酸、b−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸から調整される。
【0021】
本発明で用いるのに適している増粘剤(別名、ゲル化剤)には、ポリアクリル酸のような中和したアニオン性ポリマーが含まれる。好ましいのは、カルボマーポリアクリル酸であり、特にそれらは、カルボポール(Carbopol)(商標)として、オハイオ州のクリーブランドのNoveon社(Noveon Inc. of Cleveland, Ohio)で製造され販売される(http://www.noveon.comの情報を参照、参照により本明細書に取入れられる)。特に好ましいのは、「カルボポール」Ultrez10,940,941,954,980,981、ETD2001、EZ−2及びEZ−3である。とても好ましいのは、「カルボポール」940及び「カルボポール」980である。他の適したアニオン性ポリマーには、カルボキシポリメチレン及びカルボキシメチルセルロースが含まれる。他に適しているものには、既知のポリマー増粘剤、例えばペムレン(Pemulen)(商標)ポリマー乳化剤、及びNoveon(商標)ポリカルボフィルもある。付加的な増粘剤、エンハンサー(増強剤)、アジュバントは、通常Remington’s The Science and Practice of Pharmacy, Meade Publishing Co., United States Pharmacopeia/National Formularyで探せるだろうし、これらは全て参照として本明細書に取入れられる。
【0022】
一実施態様において、この製剤はゲル、軟膏、クリームまたはパッチであり、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピルのような浸透促進剤、中和したカルボマーのような増粘剤、エタノールまたはイソプロパノールのような低級アルコール、および水を含む。
【0023】
別の実施態様において、この製剤はアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体を含み、それには例えば、組成物を形成する過程において、ゲルを形成するのに十分な量の中和剤と組み合わせたカルボマーがある。
【0024】
別の実施態様において、この製剤はアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体を含み、それには例えば、温度を20℃で維持し、10相当のRPM(1分間あたりの回転数)で、RV6と同等のスピンドルを有するブルックフィールド社のRV DV2+ビスコメーターによって測定した時に、9000cpsを超える粘度を有するゲルを形成するのに十分な量の中和剤と組み合せたカルボマーがある。
【0025】
その上、さらなる実施態様において、この製剤はアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体を含み、それには例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アルギニン、アミノメチルプロパノール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン(「TEA」)、トロメタミン、PEG−15コカミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン、あるいはこの組成物を形成する過程においてゲルを形成するためのアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体を中和するのに十分な量の組み合せ、からなる群から選択される中和剤と組み合せたカルボマーがある。適した中和剤及び選択したアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体と一緒の使用については、「水性及び水性アルコール系において中和させる「カルボポール」及び「ペムレン」ポリマー(クリーブランドのNoveon社による、商業用カタログTDS−237(1998年10月))にて開示されており、参照として本明細書に取入れられる。
【0026】
その上、さらなる実施態様において、この製剤はアニオン性ポリマー増粘剤の前駆体を含み、それには例えば、0.1N水酸化ナトリウム、または1.5N水酸化ナトリウム、または2.0N水酸化ナトリウムのような水酸化ナトリウム水溶液、あるいはゲルを形成するのに十分量の便利な長所を備えた他のいずれかの水溶液である、中和剤と組み合せたカルボマーがある。一実施態様において、この組成物は、約1.0%から10.0%間の0.1N水酸化ナトリウムを用いて調整された。したがって、約1.0%から約10.0%間の0.1N水酸化ナトリウムのいずれかの割合を利用した実施態様として使われてもよく、それは例えば、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、または10.0%の0.1N水酸化ナトリウムである。
【0027】
一実施態様において、この製剤はゲルであり、以下のようなおよその割合で薬物を組合せることにより得られる。
【表2a】

【0028】
一実施態様において、この組成物は、約1.22%テストステロンから約1.62%のテストステロンを含み、例えばそれは、約1.22%テストステロン、約1.42%テストステロン、または約1.62%テストステロンである。
【0029】
別の実施態様において、この組成物は、約1.15%から約1.22%(w/w)のテストステロンを含む。
【0030】
別の実施態様において、この組成物は、約1.30%から約1.45%(w/w)のテストステロンを含む。
【0031】
別の実施態様において、この組成物は、約1.50%から約1.70%(w/w)のテストステロンを含む。
【0032】
一実施態様において、この組成物は、約1.15%から約1.80%(w/w)のテストステロン、約0.6%から約1.2%(w/w)のミリスチン酸イソプロピル、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択される、約60%から約80%(w/w)のアルコール(約9000cpsを超える粘度を組成物に与えるのに十分な量の増粘剤)、並びに水を含む。
【0033】
別の実施態様において、この組成物は、約1.15%から約1.80%(w/w)のテストステロン、約0.6%から約1.2%(w/w)のミリスチン酸イソプロピル、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択される、約67%から約74%(w/w)のアルコール(約9000cpsを超える粘度を組成物に与えるのに十分な量の増粘剤)、並びに水を含む。
【0034】
本発明のこの組成物は、約1.15%から約1.25%(w/w)のテストステロン、約1.3%から約1.45%(w/w)のテストステロン、または約1.5%から約1.7%(w/w)のテストステロンを含むことができる。
【0035】
一実施態様において、本発明のこの組成物の粘度は、約13,000cpsから約33,000cpsである。したがって、本発明のこの組成物の粘度は、約13,000cpsから33,000cpsの間のいずれの量でもよく、それは例えば、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、21,000、22,000、23,000、24,000、25,000、26,000、27,000、28,000、29,000、30,000、31,000、32,000または33,000cpsである。
【0036】
本発明の一実施態様において、この組成物は、約1.30%から約1.45%(w/w)のテストステロン、約0.6%から約1.4%(w/w)のミリスチン酸イソプロピル、約67%から約74%(w/w)のエタノール、約0.6%から約1.4%(w/w)のカルボマー、約6.5%から約7.5%(w/w)の0.1N水酸化ナトリウム、並びにさらに水を組み合せることにより得られる。
【0037】
本発明の別の実施態様において、この組成物は、約1.50%から約1.70%(w/w)のテストステロン、約0.6%から約1.4%(w/w)のミリスチン酸イソプロピル、約67%から約74%(w/w)のエタノール、約0.6%から約1.4%(w/w)のカルボマー、約6.5%から約7.5%(w/w)の0.1N水酸化ナトリウム、並びにさらに水を組み合せることにより得られる。
【0038】
本発明のさらなる別の実施態様において、この組成物は、約1.15%から約1.25%(w/w)のテストステロン、約0.6%から約1.4%(w/w)のミリスチン酸イソプロピル、約67%から約74%(w/w)のエタノール、約0.6%から約1.4%(w/w)のカルボマー、約6.5%から約7.5%(w/w)の0.1N水酸化ナトリウム、並びにさらに水を組み合せることにより得られる。
【0039】
このゲルは、被験者の皮膚領域上に塗られるかまたは置かれ、乾燥可能である。このゲルは素早く乾燥し、すなわちそれは、塗布した後約30秒から約3分以内である。例示的に、このゲルは皮膚領域上に塗られ、例えばそれは、毎日一回太腿の上外側及び/またはお尻である。塗布した後に被験者は自分の手を洗う。このゲルの塗布により、望ましい薬物動態プロファイルを有するテストステロン濃度が増加するので、性機能低下及び/または低テストステロン、あるいはそれに関連した症状、あるいは被験者における性機能低下及び/または低テストステロン関連のものを、治療しまたは予防するのに、有効となる。したがって、この組成物は、多くの疾患または疾病を治療するのに有効である。
【0040】
一実施態様において、本発明は、以下で記載するように、テストステロンのゲル成分と適合性のあるポリエチレン・ライナーを有する小包装を利用する。小包装は、単位服用量または複数回服用量を保持してもよい。
【0041】
別の実施態様において、この方法と組成物は、例えば容器内部に組成物の大きめのホイル製の小包装を有する、剛体の複数回投与のための容器(例えばハンドポンプ付き)から分注される組成物を利用する。そのような大きめの小包装も、前記のポリエチレン・ライナーを含んでもよい。一実施態様において、複数回投与のための容器は、ハンドポンプが挿入された小型の容器内にポリエチレン・ライナーのホイル製小袋を含む、無気ポンプを含む。一実施態様において、ポリエチレン・ライナーのホイル製小袋は、産品を44gまたは88g含む。一実施態様において、このポンプは、全部で約75gのゲルを分注することができる。一実施態様において、このポンプを使用前に準備するのに、例えば、このポンプを3回、完全に押圧して、ゲルを捨てる。一実施態様において、このポンプは、十分な産品を含み、それにより設定した正確な用量を準備することが可能になる。一実施態様において、各ポンプの完全な押圧により、1.25gのテストステロンゲルが送達される。この実施態様では、ゲル用量3.75gには、3回のポンプの押圧が必要とされるだろう。ゲル用量5gには、4回のポンプの押圧が必要とされるだろう。ゲル用量7.5gには、6回のポンプの押圧が必要とされるだろう。そして同様に、ゲル用量10gには、8回の押圧が必要とされるだろう。もちろん、各ポンプの押圧は、望むべき量を送達するのに適したテストステロンゲル用量を送達することができる。小袋のサイズ、分注総量、1押圧あたりの分注量は、これらの実施態様に制限されることはなく、患者集団の必要性に応じて変化され調整されてもよい。
【0042】
本発明の方法及び組成物は、現在利用可能な治療と比べて、例えば男性である、被験者における性機能低下または他の低テストステロン関連疾患の進行を治療し、予防し、正常に戻し、停止させ、もしくは減速させるための、改良された治療の選択肢を提供する。
【0043】
一実施態様において、本発明のこの医薬組成物は、1日に1回、2回、または3回で、あるいは望ましい治療効果を得るために必要な多くの回数で、投与される。別の実施態様において、本発明の組成物は、別の日に、1日に1回、2回、または3回で投与される。別の実施態様において、本発明の組成物は、毎週、隔週、または月単位で、1日に1回、2回、または3回で投与される。
【0044】
一実施態様において、治療に有効な用量は、約1.0gから10.0gの間であり、好ましくは約1.25gから6.25gの間である。
【0045】
ヒトの治療に有用であるのに加えて、本発明は、哺乳類、げっ歯類などを含めた、哺乳類、爬虫類、鳥類、外来動物および家畜の獣医学的治療にも有用である。一実施態様では、哺乳類には例えばヒト、サル、もしくはキツネザル、ウマ、イヌ、ブタ、またはネコが含まれる。別の実施態様では、げっ歯類にはラット、マウス、リスまたはモルモットが含まれる。
【0046】
この組成物を皮膚に塗布した後に、この組成物は、本発明の一実施態様では1日あたり少なくとも約10μgのステロイドを被験者の血清に送達させる速度と持続時間で、ステロイドを放出できる。
【0047】
本発明の別の実施態様において、この組成物は、被験者の皮膚にこの組成物を塗布した後、テストステロンを放出でき、その速度と持続時間により、血清約300ng/dlより多いテストステロンの循環血清濃度が成遂げられる。
【0048】
本発明の別の実施態様において、この組成物は、被験者の皮膚にこの組成物を塗布した後、テストステロンを放出でき、その速度と持続時間により、血清約300ng/dlより多いテストステロンの循環血清濃度が成遂げられ、その期間は投与後約0.5時間で開始し、投与後約24時間で終了する間である。
【0049】
本発明の別の実施態様において、この組成物は、被験者の皮膚にこの組成物を塗布した後、テストステロンを放出でき、それは、約298ng/dlの血清テストステロンから約1043ng/dlの血清テストステロンの間の、循環血清テストステロン濃度になる、速度と持続時間である。
【0050】
本発明の別の実施態様において、この組成物の投与後、血清テストステロン濃度は、約400から1050ng/dlの血清テストステロンの間で維持される。
【0051】
本発明のさらなる別の実施態様において、この組成物の投与後、血清テストステロン濃度は、約200から1800ng/dlの血清テストステロンの間で維持される。
【0052】
本発明の別の実施態様において、この組成物の投与後、得られるCmaxは約300から5000ng/dlの間である。
【0053】
本発明の別の実施態様において、この組成物は、被験者に1日投与量約1.25gから約3.75gが提供され、例えばそれは、約1.25g、または約2.50g、または約3.75gである。他の任意の適量を投与してもよい。
【0054】
本発明のさらなる別の実施態様において、治療を必要としている被験者は、本発明の組成物の最初の塗布前(前処理)に、血清テストステロン濃度は約300ng/dl未満である。
【0055】
本発明の別の実施態様において、少なくとも本発明の組成物の約30日の連日投与後、被験者の血清テストステロン濃度は、少なくとも約300ng/dlから約1050ng/dlであり、それは例えば、約300ng/dlから約400ng/dl、約300ng/dlから約500ng/dl、約500ng/dlから約700ng/dl、約700ng/dlから約900ng/dl、約400ng/dlから約500ng/dl、約500ng/dlから約600ng/dl、約600ng/dlから約700ng/dl、約700ng/dlから約800ng/dl、約800ng/dlから約900ng/dl、約900ng/dlから約1000ng/dl、約1000ng/dlから約1100ng/dl、約400ng/dlから約1050ng/dl、約500ng/dlから約1050ng/dl、約600ng/dlから約1050ng/dl、または約700ng/dlから約1050ng/dlである。
【0056】
さらに本発明の別の実施態様において、本発明の組成物の連日投与後、被験者の全テストステロン濃度は約300ng/dlより多い。一実施態様において、被験者の全血清テストステロン濃度は、約400ng/dl、約500ng/dl、約600ng/dlまたは約700ng/dlより多い。一実施態様において、全テストステロン濃度は、投与後24時間で測定される。一実施態様において、全テストステロン濃度は、2日以上の連日投与後測定され、例えばそれは、10日後、14日後、20日後、または30日後である。
【0057】
本発明の方法、キット、組み合わせ及び組成物の別の実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも約7日間、被験者に1日1回、2回、または3回で連日投与される。一実施態様において、組成物は1日1回で投与される。
【実施例1】
【0058】
改良されたテストステロンゲルの開発
はじめに
新規テストステロンゲル製剤を開発するために、異なる濃度のテストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールを含んだゲル製剤の調整および試験のために、多くの予備的研究が行われた。予備的な研究により、ゲルの粘度は、ゲル化濃度及び中和剤をわずかに増加させることによって、増加され得ることが明らかにされた。3つの成分であるテストステロン、エチルアルコール及びミリスチン酸イソプロピルの粘度、並びに水性アルコール性ゲルからのテストステロンのin vitro浸透の効果の研究用設計を作成できるように、統計プログラムが用いられた。in vitroでの浸透研究は、フランツ型拡散セル(Franz diffusion cell)を用いて行った。レセプターサンプルに存在するテストステロン濃度は、HPLC技術またはβシンチレーションカウンター(によって放射性同位体でラベリングする技術)により解析された。これらの研究結果に基づいて、3つの最適化した製剤が、HPLC法を用いて皮膚の浸透のために調整及び試験された。最適化した3つの製剤のすべてにおいて、現在市販されている製剤(1%テストステロンゲル)に比べて、粘度及びin vitroの皮膚の浸透の著しい改善が示された。
【0059】
目的
本開示は、塗布されるゲル用量を減少させる可能性があり、現在市販されている製剤(1%テストステロンゲル)と比較しての、粘度の改善、塗布量の減少、in vitroでの皮膚浸透の改善を伴ったテストステロンゲル製剤の開発のために行われた研究を、要約する。
【0060】
手順
a.統計的設計
3つの成分であるテストステロン、エチルアルコール及びミリスチン酸イソプロピルの粘度、並びに水性アルコール性ゲルからのテストステロンのin vitroの浸透効果の研究のために、統計的設計を作成した(StatGraphics Plus5.1)。他の2つの成分であるカルボポール980及び0.1N水酸化ナトリウムの濃度を、一定に保った。以下は、設計の要約である。
設計の種類(Design class):反応表面
設計の名称:Box−Behnken計画
実験的要因数:3(完全連続(all continuous))
ブロック数(Number of blocks):1;運転回数(Number of runs):15(無作為抽出(randomized))
自由度の誤差(Error degrees of freedom):5
【表2b】

【0061】
下表にて、統計的設計によって作成したテスト製剤の成分を要約する。これらの製剤を、1kgサイズで調整し、解析及び皮膚浸透試験用のガラス・ジャーにパッケージした。
【表3】

【0062】
b.解析試験
全てのテスト製剤及びコントロールサンプルについて、物理(外観、pH及び粘度)的及び化学(テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びアルコールのアッセイ)的性質が解析された。
【0063】
c.In vitro皮膚浸透研究
テストステロンの浸透は、フランツ型拡散セル上に置かれたヒト皮膚を用いて定量的に解析された。この皮膚は、ドナーとレセプターの半分の間で水平に置かれた。ドナーチャンバー内で製剤にエクスポーズされた皮膚の表面領域は、0.64cmで、レセプター量は5.0mLであった。温度は、セルの下部分を覆う、二重の水循環ジャケット(double water circulation jacket)の助力により37℃に維持された。ドナーチャンバーは一番上を解放した。
【0064】
放射性同位体でラベリングする方法
テスト製剤にC14でラベリングしたテストステロンを混ぜた。混ぜられた(放射性同位体でラベリングされた)製剤(0.125−0.250μCiを含む5−15mgのゲル)は、重量測定法で、表皮の表面に塗布された。周期的なサンプル(0、1、2、4、6、8、10、22及び24時間)が、放射能/皮膚を浸透する薬物量を測定するために、レセプターセルより取られた。この皮膚上に残留する放射能/薬物の量に加えて、サンプルは皮膚内でも測定された。これらの実験及び結果のさらなる詳細を実施例2に示す。
【0065】
HPLC法
製剤(1%ゲルに基づく、3000μgの薬物を含んだ300mg±5%)は、重量測定法で、表皮の表面に塗布された。アリコートを周期的に回収し(0、1、2、4、6、8、10、22及び24時間)、新しいバッファーで置換した。後半のアリコートはテストステロン含量のために解析された。これらの実験及び結果のさらなる詳細を実施例3に示す。
【0066】
d.データ解析
対応する実施例で報告されるデータに加えて、放射性同位体でラベリングしたのとHPLC法の両方より得られるデータは、さらに統計プログラム(StatGraphics Plus5.1)により解析した。StatGraphicsプログラムは、最大反応を提供できる、異なる要因の最適水準を予測するためにも用いられた。
【0067】
実施結果と考察
解析データ
全てのテスト製剤は透明であり、pHは5.68−5.82の間であった。テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びアルコールの含量は、目標に近かった。下表は、40℃/75%RHで1ヶ月保存後における解析テスト結果を要約する。
【表4】

【0068】
本研究の目的の一つとしてゲルの粘度を増加させることがあり、統計解析は、可変粘性の反応性について、分析因子である、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールの効果を評価するために行われた。以下に解析の要約を示す。
【表5】

【0069】
さて、図1を参照したとき、チャート内で、Aはテストステロンを表し、Bはミリスチン酸イソプロピルを表し、CはEtOHを表し、並びに文字の結合したものは因子の組合せを表し、アルコールとテストステロンの組合せ(すなわちAC)が、粘度に関して有意な負の効果を有することは明らかである。この観察は、アルコールを用いた初期研究と一致しており、粘度を最大化するためには、アルコール濃度は可能なら最小にすべきである。
【0070】
浸透データ:放射性同位体でラベリングする技術
提供者2人由来の皮膚標本を、本研究で用いた。皮膚間のバラツキを最小化するために、テスト製剤の浸透データ、%浸透標識(%label permeated)(%LP)は、対応する提供者の皮膚で試験されたコントロール製剤でノーマライズした。追加の統計解析は、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールの傾向及び最適濃度を得るために、%LPの比(テスト/コントロール、%LP比)に関して行われた。以下は解析した要約である。
【表6】

【表7】

【0071】
図2のパレート図は、テストステロンの濃度が有意な負の効果を有すること、並びにミリスチン酸イソプロピルの濃度は(統計的に有意ではないが)、%浸透標識(%label permeated)に関して正の効果を有することを示す。前記解析は、ゲル製剤内のテストステロンの最大濃度は、研究された最高濃度よりも少なくあるべきことを示唆する。この解析はまた、ゲル製剤内のミリスチン酸イソプロピルの最大濃度を、研究された最高濃度に近くするべきであることを示唆する。
【0072】
浸透データ:HPLC技術
放射性同位体でラベリングする研究で用いた同じ皮膚標本(2人の提供者)を、本研究で用いた。皮膚間のバラツキを最小化するために、テスト製剤の浸透データ(フラックス(flux)、放出される累積総量((cumulative amount released)、CAR)を、対応する提供者の皮膚で試験されたコントロール製剤でノーマライズした。追加の統計解析は、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールの傾向及び最適濃度を得るために、CARの比(テスト/コントロール、CAR比)に関して行われた。以下は解析した要約である。
【表8】

【表9】

【0073】
表8の結果により回帰分析を行い、以下のアルゴリズムを得た。
CAR比=5.1239−0.4403*T+1.5781*IPM−0.0607*EtOH
ここで、Tはテストステロン量%(w/w)、IPMはミリスチン酸イソプロピル量%(w/w)、及びEtOHはアルコール95%v/v量(w/w)である。
【0074】
本発明の一実施態様において、T値、IPM値及びEtOH値は以下で示す値域内より選択され、それにより、前記アルゴリズムが、1を超え、好ましくは1.1を超え、または非常に好ましくは2を超えるCAR値の比を与える。この値域は、:テストステロンが1.0から2.0%(w/w)間であり、好ましくはテストステロンが1.15から1.8%(w/w)間であり:ミリスチン酸イソプロピルが0.2%から2.0%(w/w)間であり、好ましくはミリスチン酸イソプロピルが0.6から1.2%(w/w)間であり:及びアルコール95%v/vが約60.0から80%(w/w)間であり、好ましくはアルコール95%v/vが約72.5%から76.1%(w/w)間である。
【0075】
さて、図3のパレート図を参照したとき、統計解析は、CAR比に関して、ミリスチン酸イソプロピル濃度が有意な正の効果を持ち、テストステロン濃度が(統計的に有意ではないが)負の効果を有することを明らかに示す。図3は、ゲル製剤内のテストステロンの最大濃度が、研究された最高濃度よりも少なくあるべきであることを示唆する。この解析はまた、ゲル製剤内のミリスチン酸イソプロピルの最大濃度が、研究された最高濃度に近くするべきであることを示唆する。HPLC法の浸透結果は、放射性同位体でラベリングする方法の結果と定性的に一致している。
【0076】
反応最適化
HPLC法の浸透結果は、放射性同位体でラベリングする方法の結果と定性的に類似する。便宜上、HPLC研究のデータを、得られた反応により、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びアルコールの、(統計的最適化による)最適濃度を予測するために用いた。統計プログラムにより、放出される累積総量(cumulative amount released)の比(CAR比)が最大になる、因子の濃度の組合せを以下のように得た。
【表10】

【0077】
図4及び5は、濃度74.3%(w/w)のアルコール95%v/vでの、テストステロンとミリスチン酸イソプロピルの得られる組合せに対する推定される反応(CAR比)を説明する。
【0078】
a.製剤の選択
反応表面プロット及び予測される最適因子の濃度に基づいて、以下の3つの製剤が、さらなる浸透研究のために選択される。便宜上今一度、これら3つの製剤は、HPLC法のみで試験された。
【表11】

【0079】
下表にて、選択した製剤への(調合後の)初期統計試験結果を要約する。
【表12】

【0080】
下表及び図6にて、3つの選択した製剤の浸透データを要約する(図6及び下表のデータポイントは、実施例4、表17−20より得られた)。
【表13】

【0081】
選択した3つ全ての製剤は、コントロールと比較して有意に改善された浸透(放出される累積総量が2−3倍)を示した。これらの結果により、製剤の初期スクリーニングでの所見がさらに支持され、最終的な製剤選択の基本が形作られた。
【0082】
結論
統計プログラムは、3つの重要な因子すなわち、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールに基づく実験を設計するために用いられた。このプログラムはまた、解析データ及びin vitro皮膚浸透データの解析、並びに(浸透)反応を最大化させる各因子の最適濃度及び傾向を同定するためにも用いられた。
【0083】
選択した3つのテストステロンゲル製剤は、コントロール製剤よりも高い粘度(〜4,000cps)を有する。
【0084】
ヒト皮膚節の皮膚を介した、有意に改善されたin−vitroでのテストステロンの浸透(コントロールよりも2−3倍以上)は、選択した3つのテストステロンゲル製剤で観察された。
【実施例2】
【0085】
放射性同位体でラベリングする方法による、ヒト皮膚を介した実験用テストステロンゲル製剤のin vitro経皮吸収
成分
製剤はSolvay Pharmaceuticalsによって調合され供給された。テストステロン(14C)は、American Radiolabeled Chemicals Inc,(St Louis,MO)より入手した。他の全ての試薬及び薬物は、認可された供給メーカーより入手し、入手可能な最高の品質と純度であった。
【0086】
方法
経皮性拡散セル装置の説明
本研究で用いた経皮性拡散セル装置(PermeGear,Bethlehem,PA)は、連続した拡散セルを9個まで有することができ、レセプターの液体は、磁気ビーズ600rpmで撹拌される。in vitroの経皮吸収は、フランツ拡散セルに置かれたヒト皮膚で定性的に研究された。皮膚は、拡散セルのドナーとレセプターの半分の間で水平に置かれた。ドナーチャンバー内で製剤にエクスポーズされた皮膚の表面領域は、0.64cmで、レセプターセル量は5.0mLであった。
【0087】
レセプター区画を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4及びプロピレングリコール(1:1)、及び硫酸ゲンタマイシン(50μg/ml)で満たした。二重の水循環ジャケット(double water circulation jacket)(37℃)でレセプターセルを囲い、それにより皮膚の温度を生理学的レベルで維持した。ドナーチャンバーは外部環境に対して開放されることにより、皮膚の表面は、研究室の周囲空気にさらされた。実験区域(拡散セル設備周辺)の相対湿度(relative humidity)(RH)は各実験でモニターされ、全実験でその値域は35から45%であることがわかった。
【0088】
b.皮膚浸透研究
厚さ0.3mmのヒト皮膚(大腿領域)の皮膚節は、(解剖用)死体の組織バンク(US Tissue and Cell,Salt Lake City,Utah)より得られた。この皮膚は、提供者の死後8時間以内に集められ、10%(w/v)グリセロール入りの通常の生理食塩水で凍結させた。この皮膚は使用までは−80℃で保存した。異なる2人の提供者の皮膚が、本実験に用いられた。各実験を、1人の提供者からの皮膚を用いて、少なくとも6回は、各製剤とともに行った。製剤の皮膚浸透データを、(6回分の反復実験によって)1%の市販ゲルの浸透データと比較し、その市販ゲルを、テスト製剤として同じ提供者の皮膚上で試験し、並びに、全データを参照(市販)製剤でノーマライズした。
【0089】
放射性同位体でラベリングされたテストステロン(14C、比放射能50−60mCi/mmol)を、この目的に用いた。これは、American Radiolabeled Chemicalsによって提供され、HPLCにより純度が99.5%であることが確かめられた。
【0090】
放射能を有するゲルは、フランツセル(0.64cm)の拡散領域0.64cmに拡散しているゲルの最小量で、0.125から0.250μCiを提供できるように調整された。最小量は少なくとも5.0から15.0mgであった。放射能を有するテストステロン(エタノール125μlあたり12.5μCi)の適量を、溶媒が完全に乾燥蒸発するまで丸底フラスコ内で蒸発させた。このフラスコに、コールドのゲル製剤500mgを加えて5分間ボルテックスを行い、一晩(12から16時間)平衡にした。このゲルをさらに30分間ボルテックスし、均一なゲルを得た。この製剤の放射能の均一性は、9つの正確な重さ(〜5mg)のサンプル(スタンダード)の比放射能を測定することにより決定した。
【0091】
凍らせた皮膚は、約35から45分間、大気温度に皮膚を置くことにより、室温で解凍した。その後、これを水でリンスしてグリセロールを除去した。この皮膚をその後、pH7.4のPBSに入れた後、シェーカーで20分間、静かに撹拌して(100rpm)グリセロールの残滓を除去した。洗浄した皮膚をセルの上に置いて約30分後に製剤を塗布した。この製剤(5から15mg)を、(それぞれ決まった十分量のゲルを分注してテスト対象の表面を覆い、分注したゲルの重量を決定するために)シリンジを用いて、重量測定的に表皮表面に塗布した。サンプルを周期的にレセプターセルから取り、皮膚を介して運ばれる薬物量を測定した(1、2、4、6、8、10、22及び24時間)。
【0092】
洗浄手順
試験後(24時間)、皮膚の表面に残っている薬物の残滓を、以下のプロトコルにしたがって、200μlの異なる溶媒で表面を洗浄して除去した。
1回目の洗浄:Cetavlon(セタブロン)(商標)入りアルコール(10/90v/v)
2回目の洗浄:水
3回目の洗浄:Cetavlon入りアルコール(10/90v/v)
4回目の洗浄:水
5回目の洗浄:水
【0093】
その後、塗布領域を脱脂綿棒(Q−tip)で拭いた。洗浄物、綿棒およびドナーセルをエタノール20mlに回収し、エタノールに全放射能を抽出することを可能にした。エクスポーズされた領域は、生検パンチにより回収した。側面拡散を計算するため、皮膚の側面部分を回収してから放射能を計算し、この実験のマスバランスを明らかにした。
【0094】
側面皮膚のみならず、活性のある拡散領域の皮膚を、先が鋭くとがった解剖用ハサミ(Sigma)で細かく刻み、一晩、3mlのSoluene350(商標)(PACKARD)を用いて、放射能を抽出するためにダイジェストした。
【0095】
前記で記載したとおりに手に入れたサンプルに含まれる放射能は、専用ソフトウェアを備えたβ線用液体シンチレーションカウンターを用いて、全体または計量したアリコートについて測定した。
【0096】
この評価を、スタンダード(基準となるもの)(0.5ml/5mlのpicofluor40(商標))、レセプター液(1.0ml/10mlのPicofluor40)及び洗浄した溶媒を含むエタノール溶液を正確に測定したアリコート(0.5ml/5mlのPicofluor40)について行った。
【0097】
ダイジェスト後、この表皮と真皮に対して、Hionic Fluor30(商標)(PACKARD)を15ml加えた。カウントのバックグラウンドは、1分間あたりのカウント(dpm)における、各サンプルのカウント率から自動的に差し引かれる。
【0098】
データ解析
この結果を、異なった区画で検出される、塗布したテストステロンの量または割合で表現した。テストステロンの塗布した量は、希釈した標準曲線のカウントのレベルより決定した。各結果は、決定された6つの実験の平均値を表し、その標準誤差と関連付けられる。
1.各時間において、レセプター液に吸収されたテストステロン量及び用量の%は、以下のように計算した:
%=(Qt/Qi)X100
ここで、Qtはt時点での吸収量を、Qiは0時点での塗布した量を表し、
2.全量、及び時間の関数(累積値)として吸収される、対応する用量の%であり、
3.浸透したテストステロンの平均フラックスは、タイム(時間)プロットに対しての、Qの直線部分の傾きから計算し、並びにμCi/cm/hで表現し、
4.皮膚、及び洗浄した溶媒内で発見された、塗布した用量の、量及び%である。
この試験の妥当性は、異なるサンプル内で発見される放射能と均衡を保たせることによってチェックした(これについて要約するならば、各テストについては、塗布した用量の90%から110%間に含まれるべきである。)
【0099】
結果及び結論
表14は、製剤F45、F47、F52、F53、F54及びF55が、F56よりもテストステロンがより有意に少ない量で、浸透することを示す(P<0.001)。製剤F41、42、43、44、46、48、50、51についての浸透量は、F56よりも低いようである。しかしながら、これらの製剤とF56の間の差異は、統計的に有意ではなかった(P>0.05)。しかしながら、F49はF56よりも浸透したが、これら2つの製剤間の差異は、統計的に有意ではなかった(P>0.05)。マスバランスデータは、テストステロンの皮膚保有量が可変することを示唆する。さらに、このデータは、トータルマスバランスが、塗布した14Cのテストステロンの初期量の90から110%間にあることも明らかにする(表14)。
【0100】
製剤F41、F42、46、F49及びF50のフラックスについては、F56のフラックスよりも高いように見えるが、その差異は統計的に有意ではなかった(P>0.05)。他の全ての製剤のフラックスは、コントロールのフラックスよりも低いように見えるが、F56に対するこれらの製剤間の差異は、F45を除けば、統計的に有意ではなかった(P>0.05)。
【0101】
この研究より、試験した全ての製剤のヒト皮膚を介したテストステロンの速度と程度が、参照製剤よりも低い(かまたは、いくつかのケースでは同程度である)こと、並びにいずれのテスト製剤も、参照製剤(F56)よりも、有意に高い浸透を示すものはなかったことが明らかにされる。
【0102】
フラックス研究に対する拘束:本明細書で行った研究は、律速段階が、使用したゲルの量である、限定された用量の反応速度論に基づいた。限定した用量を本発明者たちが用いることにより、直線的ではない(non−linear)浸透のプロファイルは、本発明者たちが定常状態のフラックスを計算するのが困難であった製剤のほとんどで得られた。2−10時間のタイムポイントは、フラックスの直線が進行しているものと仮定されるフラックス値を計算するために用いられたが、実際には、これらの実験では定常状態は達成していなかった。それゆえに、AUC値は、製剤を比較する上で、フラックス値よりも優れた説明になる。
【表14】

【実施例3】
【0103】
HPLC法によるヒト皮膚を介した実験用テストステロンゲル製剤のin vitro経皮吸収
方法
ヒト皮膚:ヒトの凍らせた皮膚は、U.S. Tissue and Cell(Cincinnati,OH)より提供された。皮膚はドライアイスで輸送され、到着してすぐに、使用まで−80℃で保存された。皮膚節の皮膚の平均的な厚みは、540μmであった。各実験は、与えられた全ての製剤について同じ提供者を用いて、6回の反復(n=6)で行った。また、各提供者は、3回の反復(triplicate)で1%の市販ゲル(F56)の浸透についても試験され、全てのデータはこの測定によってノーマライズした。
【0104】
製剤:製剤はSolvay Pharmaceuticalsによって調合され供給された。製剤は、コントロール/市販製品製剤(F56)を除いては盲(blinded)にされた。
【0105】
輸送(transport)研究
in vitro経皮吸収は、フランツ型拡散セル上に置いたヒト皮膚で、定量的に研究した。この皮膚は、ドナーとレセプターの半分の間で水平に置かれた。ドナーチャンバー内で製剤にエクスポーズされたこの皮膚の表面領域は0.64cmで、レセプター量は5.0mlであった。温度は、セルの下部分を覆う、二重の水循環ジャケット(double water circulation jacket)の助力により37℃に維持された。これにより皮膚の温度が生理学的レベルで維持されるのが可能となった。ドナーチャンバーは一番上を解放した。
【0106】
レセプター区画を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4及びプロピレングリコールのみから成る(1:1)レセプター液で満たした。この皮膚をセル上に置いて約30分後に製剤を塗布した。(1%ゲルに基づく、薬物3000μgを含む、300mg±5%の)製剤は、重量測定法で、表皮の表面に塗布された。0.3mlのサンプルは、周期的(0、1、2、4、6、8、10、22及び24時間)に回収され、新しいバッファーで置換した。
【0107】
アッセイ:サンプルは、HPLCアッセイを用いて、テストステロン含量が解析された。この条件/詳細は以下の通りであった:
移動相:アセトニトリル:水(50:50)
カラム:C18、3μ、150mm フェノメネックス(Phenomenex)(ヌクレオシル(Nucleosil))
注入量:30μl
流量(Flow rate):1ml/min
UV検波:239nm
【0108】
結果
表15を参照すると、この結果により、異なる製剤に対する時間の関数として、浸透されるテストステロンの累積量が表される。この表は、同じヒトの皮膚の提供者を用いて、コントロール/市販製品製剤を比較した、浸透される累積量を示す。浸透したテストステロンの平均フラックスは、タイムプロットに対する、CAR(放出される累積総量)の直線部分の傾きから計算し、μg/cm/hで表した。この結果を、テスト製剤とコントロール製剤のフラックスの比(テスト/コントロール)として表した。sq.cmあたりの、皮膚領域を介して浸透した薬物の累積量は、市販製剤のそれとも比較し、比(テスト/コントロール)として表した。それゆえに、各製剤は、その累積浸透及びフラックス値について、市販製品製剤と比較され、その結果を表15にまとめる。市販製品製剤に対する各製剤の比較は、ANOVAを用いて統計的な有意性が評価された。p<0.05である平均差は、統計的に有意であるとみなされた。市販製品製剤と比較しての、各製剤の生データにより、統計的な結論のみならず、フラックス比及びCAR比が示される。
【0109】
結論
ヒト皮膚節の皮膚を介したテストステロンの浸透を、全ての製剤で観察し、その浸透は、さまざまな製剤で1から7%の値域にあった。
【0110】
再び表15を参照すれば、市販製品製剤と比較して改善された浸透は、24時間後に浸透した薬物の累積量及び/または統計的に有意な水準でのフラックスを比較することにより決定され、製剤F48、F49及びF53において観察されたことが示される。
【表15】

【実施例4】
【0111】
HPLC法による、ヒト皮膚を介した3つのテストステロンゲル製剤における、in vitro経皮吸収
方法
ヒト皮膚:凍ったヒトの皮膚は、U.S. Tissue and Cell(Cincinnati,OH)より提供された。皮膚はドライアイスで輸送され、到着してすぐに、使用まで−80℃で保存された。皮膚節の皮膚の平均的な厚みは、700μmであった。各実験は、与えられた全ての製剤について同じ提供者を用いて、6回分の反復(n=6)で行った。市販製剤テストステロンゲル(1%、F56)の浸透は、6回分の反復(n=6)でも行われ、全データをこの測定によりノーマライズした。
【0112】
製剤:製剤はSolvay Pharmaceuticalsによって調合され、供給された。製剤は、コントロール/市販製品製剤(F56)を除いては盲(blinded)にされた。
【0113】
輸送(transport)研究
in vitro経皮吸収は、フランツ型拡散セル上にヒト皮膚を置いて定量的に研究した。この皮膚は、ドナーとレセプターの半分の間で水平に置かれた。ドナーチャンバー内で製剤にエクスポーズされたこの皮膚の表面領域は0.64cmで、レセプター量は5.0mlであった。温度は、セルの下部分を覆う、二重の水循環ジャケット(double water circulation jacket)の助力により37℃に維持された。これにより、皮膚の温度を生理学的レベルで維持するのが可能となった。ドナーチャンバーは一番上を解放した。
【0114】
レセプター区画を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4及びプロピレングリコール(1:1)のみから成るレセプター液で満たした。この皮膚をセル上に置いて約30分後に製剤を塗布した。(1%ゲルに基づく、薬物3000μgを含む、300mg±5%の)製剤は、重量測定法で、表皮の表面に塗布された。0.3mlのサンプルは、周期的(0、1、2、4、6、8、10、22及び24時間)に回収され、新しいバッファーで置換した。
【0115】
アッセイ:サンプルは、HPLCアッセイを用いて、テストステロン含量が解析された。この条件/詳細は以下の通りであった:
移動相:アセトニトリル:水(50:50)
カラム:C18、3μ、150mm Phenomenex(Nucleosil)
注入量:30μl
流量(Flow rate):1ml/min
UV検波:239nm
【0116】
結果
図7−9及び表17−20を参照すると、この結果により、異なる製剤に対する時間の関数として、浸透されるテストステロンの累積量が表される。各表は、同じヒトの皮膚の提供者を用いて、コントロール/市販製品製剤に対しての浸透される累積量を示す。浸透したテストステロンの平均フラックスは、タイムプロットに対する、CAR(放出される累積総量)の直線部分の傾きから計算し、μg/cm/hで表した。この結果を、テスト製剤とコントロール製剤のフラックスの比(テスト/コントロール)として表した。sq.cmあたりの、皮膚領域を介して浸透した薬物の累積量は、市販製剤のそれとも比較し、比(テスト/コントロール)として表した。それゆえに、各製剤は、その累積浸透及びフラックス値について、市販製品製剤と比較され、その結果を表16にまとめる。市販製品製剤に対する各製剤の比較は、ANOVAを用いて統計的な優位性が評価された。p<0.05である平均差は、統計的に有意であるとみなされた。
【0117】
結論
ヒト皮膚節の皮膚を介したテストステロンの浸透を、これら3つの製剤で観察し、その浸透は、約3%であった(CAR)。
【0118】
市販製品製剤と比較して改善された浸透は、24時間後に浸透した薬物の累積量及び/または統計的に有意な水準でのフラックスを比較することにより決定され、製剤F57、F58及びF59において観察されたことが示される。
【0119】
したがって、本開示の教示を利用することにより、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、水、及び約9000cpsを超える粘度をゲルに与えるのに十分な量の増粘剤を含む、水性アルコール性ゲルが調整され得るが、それにより、約300mgの量が、フランツ型セル上に置かれたヒト皮膚に塗布される際に、24時間後のフラックス比が1を超え、または好ましくは1.5を超えることができるが、ここでフラックス比とは、皮膚を浸透する単位領域かつ単位時間あたりの量において表される、テストステロンのフラックスの比であり、これは1wt%のテストステロン、0.5wt%のミリスチン酸イソプロピル、及び72.5wt%のアルコール95%v/vを含む同様な粘度を有するゲルをテストする場合に、この皮膚を浸透するテストステロンのフラックスについてテストされる時のことである。水性アルコール性ゲルは、1.15から1.8%(w/w)間のテストステロン、0.6から1.2%(w/w)間のミリスチン酸イソプロピル、及び約72.0%から78.0%(w/w)間のアルコール95%v/vを有する。
【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【実施例5】
【0120】
性機能が低下している男性に、1.25、2.50、3.75、5.00、及び6.25gの服用量で、1.62%の水性アルコール性ゲルを投与した後における、テストステロンの単位服用量及び複数回服用量の薬物動態
目的
1.62%のテストステロンゲルを、1.25g(20.3mg)、2.50g(40.5mg)、3.75g(60.8mg)、5.00g(81.0mg)、及び6.25g(101.3mg)の用量を投与した後の、テストステロンの単位服用量及び複数回服用量での薬物動態を決定すること。
【0121】
1.62%のテストステロンゲルが、1.25g(20.3mg)から6.25g(101.3mg)の服用量値域における、用量比例性及びテストステロンの累積を評価すること。
【0122】
方法
製剤:製剤はSolvay Pharmaceuticalsによって調合され、供給された。製剤は、コントロール/市販製品製剤を除いては、盲(blinded)にされた。
【0123】
設計:性機能が低下している男性被験者における、単一中心(single center)、非盲検、ランダム化、単位服用量及び複数回服用量、平行してのグループ研究。被験者たちは、ランダムに、5つの治療グループの1つに入った。各グループは12人の被験者から構成され、全体では60人の被験者となった。
【0124】
本研究に参加することに同意し、試験対象/試験非対象患者基準に適合した被験者たちは、以下の治療グループの1つに、ランダムに入った。
【表21】

【0125】
各被験者は、14日の治療期間に1.62%のテストステロンゲルについて、単位服用量(第1日)及び複数回服用量(第2−14日)で、投与を受けた。研究薬物は、1日1回朝に局所的に塗布された。この研究期間のトータルは17日であり、適正審査期間は含めなかった。被験者たちは17日の研究機関すべての間、病院に隔離された。以下の表に、用いた研究製剤の作製のために組合せた成分を一覧にする。
【表22】

【0126】
被験者群:56人の性機能が低下している男性。
【0127】
主な試験対象患者基準:18−75歳の男性被験者で、試験対象は;病院にある研究所で測定された時の適正審査で、全血清テストステロンが<300ng/dL;並びに20−35kg/m^2のボディー・マス・インデックス(BMI)である被験者。
【0128】
手順と評価
服用量投与:第1−14日については、1.62%のテストステロンゲルは、1日1回朝に局所的に塗布された。塗布の部位は、肩/上腕領域または腹部のいずれかであった。この研究薬物は、可能な最大表面領域を用いて、トータルの標的服用量が達成されるまで、1.25gずつ増やして塗布された。
【0129】
服用量を塗布する、決まった時間の20分より前には、被験者たちはシャワーを浴び、石鹸と水で塗布部位を洗浄した。被験者たちは、10分以上長くシャワーを浴びることを許されなかった。ゲルが塗布された、指定された領域は、完全に乾燥させられた。
【0130】
投薬治療に携わる直接の現場人員は、研究ゲルを扱うときには、手袋をした。新しい手袋が、各被験者のために用いられた。1.25g+/−0.02gの、各増加分のゲル服用量は、秤の上の計量紙上で測定された。適量のゲルを測定後すぐに、測定したゲル付着物の付いた計量紙は、研究人員によって、被験者の、指定された塗布領域の上で直接拭き取られた。それからこれらの被験者は、この製品を、自分の手を用いて指定された皮膚の塗布領域内に、擦り付けた。この過程は、トータルの標的服用量(1.25g−6.25g)に達するまで繰返された。
【0131】
薬物動態サンプリング:血液サンプルの全て(各10mL)は、以下のタイムポイントでの全テストステロン、ジヒドロテストステロン及びエストラジオールを決定するために、各被験者より得られた:
●第−1日:その後の研究日程での、ゲル塗布が予定された時間と関連のある、投与前、0.5、1、2、4、6、8、10、12、及び16時間;
●第1日:投与前、投与後0.5、1、2、4、6、8、10、12、及び16時間;
●第2−13日:投与前;
●第14日:投与前、投与後0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、及び24時間。
【0132】
生物分析:全テストステロン、ジヒドロテストステロン、及びエストラジオールの血清濃度が、有効なLC−MS/MS法を用いて決定された。
【0133】
評価基準
安全性:バイタルサイン、ECG、健康診断、(PSA測定を含む)臨床検査測定、DRE及びIPSS、安全なテストステロン及びヘマトクリット測定。
【0134】
薬物動態学:この予備的な報告に対して、薬物動態パラメーター(AUC(0−24)、Cmax、Cmin、バラツキの山と谷、Tmin及びTmax)が、テストステロンに対しての、観察され、並びにベースラインを適合させた、血清濃度の両方から、導き出された。
【0135】
統計的方法:記述統計学(n、平均値、SD、CV、中央値、幾何平均、最小値、最大値)及びグラフ表示。
【表23】

【表24】

【0136】
テストステロンのベースライン値のスクリーニング
スクリーニングした被験者全員のテストステロン濃度は、<300ng/dLであったので、薬物を、研究のためにエクスポーズする前には、被験者全てについての性機能低下の状態が確認された。現場の臨床研究所では、これらの評価のために、化学発光の方法論を用いた。5つの個々の服用量のグループに対する、スクリーニングした全血清テストステロン濃度のベースラインの平均値は、215から232ng/dLの値域にあった。表25は、治療グループによる、スクリーニングしたベースラインの平均値(値域)を提供する。
【表25】

【0137】
テストステロンの濃度−時間データ
第1日及び第14日で観察された、テストステロンの平均濃度−時間プロファイルは、図10及び11でそれぞれ提供される。
【0138】
第1日では、図10を参照すると、テストステロン濃度の連続的な増加が、服用後、全ての治療グループで約8時間生じた。その後、テストステロン濃度は、24時間の服用間隔における残存濃度と矛盾することなく、残存した。この平均濃度−時間プロファイルに基づいて、全ての治療グループは、第1日の単位服用後、精巣の機能が正常な値域(>300ng/dL)の下限よりも高く、濃度を上昇させるのに十分量のテストステロンのエクスポーズを提供した。
【0139】
一貫したテストステロン濃度が、1.62%のテストステロンゲルの複数回服用後の、24時間濃度−時間プロファイルの大部分を通して観察された。これに対する例外は、治療グループDの5.00gであり、そこでは投与後6時間で、有意なピークが観察された。平均値のプロファイルにおけるこの増加は、1人の被験者が、投与後6時間でテストステロン濃度が4980ng/dLであった報告の結果によるものであった。
【0140】
さて、図11を参照すると、第14日での平均値のプロファイルは、テストステロン濃度が、5つ全ての服用量に対する24時間の服用間隔に対して、精巣の機能が正常な値域(>300ng/dL)の下限よりも、高く残存することを明らかにしている。テストステロンのエクスポーズされる量の増加は、1.25gから6.25gの値域に対して服用量を増加させたときに観察され、それに対する例外が、治療グループDの5.00gにおける2番目のプロファイルのピークである。
【0141】
テストステロンの薬物動態の結果
被験者が第1日に、1.62%のテストステロンゲルを単一服用量の投与を受けた後の、観察され、並びにベースラインを適合させた、テストステロンについての薬物動態の結果を、下表26で提供する。
【表26】

【0142】
第1日に観察されたCavgの平均値は、全ての服用量に対して、精巣の機能が正常である300−1000ng/dL値域内にあった。AUCの平均値及びCavgは、服用量の値域が1.25gから6.25gに対して概して増加し、治療グループB及びC、並びに治療グループD及びEで、似た値をそれぞれ示した。Cmaxの平均値は服用量が1.25gから5.00gで増加し、その後横ばいになった。全てのグループについてのTmaxの中央値は、5.00gを除けば、12時間であり、2から24時間の値域内にあった。
【0143】
第1日での1.25g、2.50g、及び3.75gでの観察されたCmax値は、精巣の機能が正常である値域の上限より下にとどまった(<1000ng/dL)。治療グループDの5.00gでは、1人の被験者はCmax値が1070ng/dLであった。治療グループEの6.25gでは、1人の被験者はCmax値が1020ng/dLであった。他の全ての第1日のCmax値は、治療グループD及びEにおいて<1000ng/dLであった。
【0144】
ベースラインを適合させたAUC及びCavgのパラメーターの平均値は、5つ全ての治療グループの濃度に応じて増加した。ベースラインを適合させたCavgの平均値は、1.25gから6.25gの服用量の値域に応じて、精巣の機能が正常であるテストステロンの濃度は81から232ng/dLに増加し、それは1.62%のテストステロンゲルの単位量服用量を塗布した後のことであった。
【0145】
観察され、並びにベースラインを適合させた、テストステロンについての複数回服用量の薬物動態の結果を、第14日での1.62%のテストステロンゲルについて、下表27で提供する。
【表27】

【0146】
第14日に観察されたAUC、Cavg、及びCmaxのパラメーターの値は、1.25gから5.00gの服用値域に応じて増加し、6.25gの服用量で明らかに横ばいになった。5gの服用量の濃度グループでは、第14日での1人の被験者(#25791)は、Cavg値及びCmax値がそれぞれ4980ng/dL及び1801ng/dLであった。これらの値は、この同じ治療グループ内の他の被験者よりも、約4倍高かった。この被験者において濃度が上昇した原因はわかっていない。この被験者の値を、上表で示されるグループの平均値から除去すると、5.00gの服用量のグループに対する薬物動態パラメーターは、Cmaxについては1422から914ng/dLに、Cavgについては671から510ng/dLにそれぞれ減少する。これらの修正した平均値を用いると、1.25gから6.25gの服用量の値域全体に対して、Cavg値及びCmax値が増加する傾向が観察される。
【0147】
観察されたCminの平均値は、3.75g、5.00g、及び6.25服用量での複数回服用では、精巣の機能が正常である値域(>300ng/dL)の下限より上にとどまった。全ての服用量で観察されたCavgの平均値は、322から671ng/dLの値域にあり、精巣の機能が正常である300から1000ng/dLのテストステロンの値域内にあった。
【0148】
1.25g服用量での第14日に観察されたCmax値は、精巣の機能が正常である値域(<1000ng/dL)の上限より下にとどまった。他の服用グループでは、全部で12人の被験者で、1000ng/dLより高いCmax値が観察された。2.50の服用量では、1人の被験者は、1010ng/dLのCmax値を示した。3.75の服用量では、1人の被験者は、1070ng/dLのCmax値を示した。5.00gの服用量では、4人の被験者は、1000ng/dLより高いCmax値であり、それは1050から4980ng/dLの値域にあった。6.25の服用量では、6人の被験者は、1000ng/dLより高いCmax値であり、それは1110から2080ng/dLの値域にあった。これらの観察は、LC−MS/MSアッセイによる生物分析結果に基づく。これらの値は、臨床部位で行われた、服用前のテストステロン安全性のテストの間には、確認されなかった。
【0149】
ベースラインを適合させたCmaxの平均値は、服用値域全体で、服用量に応じて増加した。ベースラインを適合させたCaveの平均値によれば、精巣の機能が正常であるテストステロン濃度は、1.25gから6.25gの服用値域に応じて131から413ng/dLまで増加し、それは、1.62%のテストステロンゲルを、複数回の服用量で塗布した14日後のことであったことが示唆される。
【0150】
結論
有害事象データの予備的検査、安全なテストステロン、及びヘマトクリットのラボ測定、及び塗布部位の評価に基づいて、1.62%のテストステロンゲルは安全であって、ゲル1.25から6.25g(テストステロン20.3から101.1mg)の値域にある服用量は、十分に許容された。1.25から6.25g(テストステロン20.3から101.1mg)の値域にある服用量での、1.62%のテストステロンゲルの単位服用後及び複数回服用後、精巣の機能が正常である300−1000ng/dLの値域内にあるCavgの平均値が得られた。
【0151】
5.00g及び6.25g(それぞれ、テストステロン81.0及び101.3mg)の最高服用量では、精巣の機能が正常な男性における正常域の上限を超えるCmax値の発生が多く観察された。フェーズ3臨床開発での適切なモニタリングが指摘される。
【0152】
出版物、特許出願書類、及び特許を含む本明細書で引用した全ての出版物は、各参照が個々的に、及び特異的に、参照によって含まれるように示唆され、並びに本明細書で完全に説明されるように、これらと同様な態様で、本明細書において参照により含まれる。
【0153】
個々の数値の使用、値の前に用語「約(about)」または「およそ(approximately)」が付くように、近似値として記載されている。同様に、本出願書類における特記されたさまざまな値域の数値も、他に明示されない限り、記載された値域内の最小値と最大値が、用語「約」または「およそ」が両方とも前に付くように、近似値として記載される。この態様において、規定された値域より超える、及び未満にある、バラツキは、実質的には、この値域内にある値として同じ結果を得るために用いられ得る。本明細書で用いたように、用語「約」及び「およそ」は、数値に言及しているとき、当業者にとって率直で通常な意味を持ち、その技術は特定の主題が、非常に緊密に関わっているか、またはその値域に関連のある技術か、または未解決の要素に関してのものである。厳格な数値限界を広げるこの量は、多くの要因に依存する。例えば、考えられる可能性のある要素には、得られるバラツキの量が、主張される主題の性能(performance)に関して有する、要素及び/または効果の臨界を含むものがあるし、これらの当該技術分野で公知の他の考慮のみならない。本明細書で用いられたように、異なる数値に対する有効な数値の桁を異なった量で用いることは、用語「約」または「およそ」の使い方が、いかに特定の数値を広げることを提供するかということを制限することを意味しない。したがって、通常の態様として、「約」または「およそ」は数値を広げる。また、開示された値域には、最小値と最大値の間のあらゆる値に加えて、用語「約」または「およそ」の用い方によって利用可能な値域を広げることを含む、連続的な値域として意図される。したがって、本明細書の値の値域の詳述は、本明細書で他に指示しない限り、この値域に収まるそれぞれの個々の値に個々的に言及する、間に合わせの方法として提供することを単に意図しているが、それぞれの個々の値は、本明細書で個々的に引用されたように、本明細書の中に含まれる。
【0154】
フレーズ「当該発明(the invention)」または「本発明(the present invention)」の用い方は、あらゆる態様において請求項を制限することを意味しておらず、並びに各請求項及び全請求項に適用されるフレーズ「当該発明」または「本発明」の特定の用い方と連関するいずれの描写または議論をも、この結論により引き出されるべきではない。フレーズ「当該発明」または「本発明」の用い方は、言語学的または文法上の利便性のために単に用いられているに過ぎず、いずれかの請求項に関しての、いずれかの性質をも制限する効果を有するものではない。
【0155】
請求項に係る発明の補助的な実施態様が、本明細書で規定されているが、それには請求項に係る発明を実行するために、本発明者たちによって知られる最良の形態が含まれる。これらのうち、開示された実施態様のバラツキは、前述のこの開示を読んでいるこれらの当業者によって明らかになるであろう。本発明者たちは、このようなバラツキを適切なものとして利用するのに熟練した職人を予期しており、並びに本発明者たちは、請求項に係る発明が、本明細書で特に規定されたもの以上に熟練されたものであることを意図している。したがって、請求項に係る発明は、適用される法律によって認められるならば、本明細書で付加した請求項において引用された、主題に相当する、あらゆるもの並びにあらゆる修正を含む。さらに、可能な全ての変容(variation)における前記記載の要素のいずれもの組合せは、本明細書で他に指示される場合、あるいは文脈から明らかに矛盾する場合、を除いて、請求項に係る発明によって包含される。
【0156】
本明細書で開示されたいずれのデータから形成され得るもの、あるいは導き出し得る、値域、比、及び比の値域のいずれもが、本開示のさらなる実施態様を表し、本発明者たちが明示の説明をしたように、本開示の一部に含まれると理解される。このことは、上限及び/または下限の境界を含むかあるいは含まないかによって形成される値域を含む。したがって、特定の値域、比、または比の値域に対して、密接に関連のある当業者は、そのようなデータが、本明細書で表されたデータより導き出せることが明白であると理解するだろう。
【0157】
本開示の文脈内(特には以下の請求項の文脈内)での、用語「a」及び「an」及び「the」及び同様な指示対象の用い方は、単数形及び複数形の両方を対象とするものとして理解されるだろうし、それは本明細書において他に指示しない限りまたは文脈に明らかに矛盾しない場合である。本明細書で規定された方法の全ては、どの適した順番でも実行され得るし、それは本明細書において他に指示しない限り、または文脈に明らかに矛盾しない場合である。本明細書で提供される、どの実施例、及び全ての実施例、または模範的な言語(例として、好ましい、好ましくは、のようなもの)は、本開示の文脈をさらに描写するための意図に過ぎず、本請求項の限界を提供するものではない。本明細書のどの言葉も、本請求項の発明の実施に対して必要不可欠な、請求されない要素のいずれかを示唆するものと、解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】可変粘性の反応性についてのテスト因子であるテストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールの効果を表す、標準化したパレート図である。
【図2】パーセント浸透標識(percent label permeated)についてテスト因子であるテストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールの効果を表す、標準化したパレート図である。
【図3】CAR比についてテスト因子であるテストステロン、ミリスチン酸イソプロピル及びエチルアルコールの効果を表す、標準化したパレート図である。
【図4】74.3wt%を含有するアルコール(95%v/v)でのテストステロンとミリスチン酸イソプロピルの得られる組合せに対する推定される反応(CAR比)を説明する、推定される反応表面プロット(Estimated Response Surface Plot)である。
【図5】図4の推定される反応表面プロットの等高線を表す、等高線図である。
【図6】参照製剤(F56)と比較したさまざまなテストステロン製剤(F57からF59)についての、時間の関数としての、放出されるテストステロンの累積総量を示しているグラフである。
【図7】製剤F57についての、時間の関数としての浸透したテストステロンの累積総量を示しているグラフである。
【図8】製剤F58についての、時間の関数としての浸透したテストステロンの累積総量を示しているグラフである。
【図9】製剤F59についての、時間の関数としての浸透したテストステロンの累積総量を示しているグラフである。
【図10】第1日で観察されたテストステロンについての平均血清濃度−時間プロファイルを示しているグラフである。
【図11】第14日で観察されたテストステロンについての平均血清濃度−時間プロファイルを示しているグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)1.50%から1.70%(w/w)のテストステロンと;
2)0.6%から1.2%(w/w)のミリスチン酸イソプロピルと;
3)エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択される、60%から80%(w/w)のアルコールと;
4)9000cpsを超える粘度を組成物に与えるのに十分な量の増粘剤と;
5)水と;
を含む、男性被験者の性機能低下を治療するための、水性アルコール性ゲルの医薬組成物。
【請求項2】
エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択される、67.0%から74.0%(w/w)のアルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約1.62%(w/w)のテストステロンを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
0.6%から1.4%(w/w)の増粘剤を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記増粘剤が、前記組成物の形成途中で、前駆体ポリアクリル酸と中和剤を組合せることによって形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記増粘剤が、中和化されたカルボマーである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記中和剤が、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アルギニン、アミノメチルプロパノール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、PEG−15コカミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5または6に記載の組成物。
【請求項8】
前記中和剤が、6.5%から7.5%(w/w)の0.1N NaOHの間にある、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
13,000cpsから33,000cpsの粘度を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
1)1.62%(w/w)のテストステロンと;
2)73.5%(w/w)のアルコール(95%v/v)と
3)1.00%(w/w)のミリスチン酸イソプロピルと;
4)組成物の形成途中で中和剤と組合される、1.00%(w/w)のポリアクリル酸と;
5)7.00%(w/w)の0.1N水酸化ナトリウムと;
5)15.9%(w/w)の純水と;
を組み合わせることによって得ることができる、男性被験者の性機能低下を治療するための、水性アルコール性ゲルの医薬組成物。
【請求項11】
前記被験者が、300ng/dl未満の前処理血清テストステロン濃度を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
男性被験者の性機能低下を治療するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物の製造のための、テストステロンの使用。
【請求項13】
前記被験者が、300ng/dl未満の前処理血清テストステロン濃度を有する、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記組成物を治療に有効な用量で、前記被験者に連日投与する、請求項12または13に記載の使用。
【請求項15】
前記治療に有効な用量を、少なくとも7日間、1日1回、2回、または3回で連日投与する、請求項14に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−64028(P2013−64028A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−7527(P2013−7527)
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2008−535781(P2008−535781)の分割
【原出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(508111660)ユニメッド・ファーマシューティカルズ・エルエルシー (3)
【出願人】(511287857)
【Fターム(参考)】