説明

改良コポリエステル射出成形品

【課題】成形性が改良された成形用組成物から得られ、視覚的に透明であり且つ靭性及び耐応力亀裂性の改良された射出成形品の提供。
【解決手段】本発明は、酸成分がテレフタル酸90〜40モル%と、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた1種またはそれ以上の追加の二塩基酸10〜60モル%からの反復単位70〜100モル%を含んでなり;且つグリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールからの反復単位を含んでなる、溶液100mL中にポリマー0.5gを含む60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中で測定したインヘレント粘度が0.4〜1.1dL/gのコポリエステルから製造された、ASTM D1003法に従って測定した拡散透過値が60%未満の射出成形品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された靱性、透明度及び耐応力亀裂性を有するポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステルからなる射出成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のポリマー材料が過去60年間に亘って、歯ブラシ、工具の柄、フロントガラスのスクレーパー、かじ取りハンドル、ヘアブラシ、刃物、眼鏡フレームなどに広く使われてきた。これらの用途の多くでは、成形品は透明で、強靱で、耐衝撃性、耐応力亀裂性、加水分解抵抗性で、しかも触感と外観が良くなければならない。
【0003】
可塑化セルロースアセテートプロピオネート(CAP)組成物はこれまで歯ブラシの柄に使用され、申し分なかった。このような組成物は、透明度、光沢及び総合的外観が優れている。しかしながら、植毛密度を増加させるために歯ブラシの柄のデザインを変化させると、ある種の歯ブラシでは亀裂が生じる。植毛の間に起こるこの亀裂は、不十分なウェルドライン強度によるものである。可塑剤濃度を増すとウェルドライン強度は改良されるが、剛性が低下し、毛の保持が不十分になる可能性がある。
【0004】
いくつかの硬質ポリウレタン材料がこの用途で評価されているが、このポリマーは成形が難しく、ポリマー鎖中のウレタン結合が成形中に水分の存在によって加水分解されるおそれがある。
【0005】
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)のようなポリエステル材料は、成形品に望ましい多くの性質を有するが、これらのポリマーは結晶化しやすく、厚みのある製品に成形する場合に曇った、または不透明な製品を生じる。PETポリマーをエチレングリコール以外の多量のグリコール成分で改質すると、透明で強靱な成形品は得られるが、ミントオイルを含むいくつかの練り歯磨き溶液の存在下では応力亀裂を生じる傾向がある。
【0006】
例えば、イーストマンコダック社に譲渡された特許文献1は、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)から得られる広範囲の線状ポリエステル及びポリエステルアミドを記載している。これらの組成物の多くは、結晶化し易く、成形品は曇っているか不透明である。このため、これらは透明な成形品の製造には不適当である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第2,901,466号(1959年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、当業界では、成形性が改良された成形用組成物から得られ、視覚的に透明であり且つ靭性及び耐応力亀裂性の改良された射出成形品に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従えば、酸成分がテレフタル酸90〜40モル%と、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた1種またはそれ以上の追加の二塩基酸10〜60モル%からの反復単位を含んでなり;且つグリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール70〜100モル%からの反復単位を含んでなる、溶液100mL中にコポリエステル0.5gを含む60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中で測定したインヘレント粘度が0.4〜1.1dL/gのコポリエステルから製造された、ASTM D1003法に従って測定した拡散透過値が60%未満で厚さ3〜11.5mmの射出成形品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】耐薬品性を測定するのに使用した成形プラックを示す。
【図2】耐応力亀裂性を測定するのに使用した試験装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これらの成形品は、改良された透明度及び耐応力亀裂性を持つという利点を有する。これらはまた、強度、剛性、耐衝撃性及び加水分解抵抗性を含む優れた物理学的性質を有する。
【0012】
いくつかのPCTコポリエステルが、透明且つ強靱で、耐応力亀裂性の製品を成形するのに極めて適していることが判明している。
【0013】
本発明の成形品は、酸成分がテレフタル酸90〜40モル%、好ましくは83〜52モル%と、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた1種またはそれ以上の追加の二塩基酸10〜60モル%、好ましくは17〜48モル%からの反復単位を含み;且つグリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール70〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは85〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%、更にいっそう好ましくは95〜100モル%からの反復単位を含んでなる、インヘレント粘度が0.4〜1.1dL/gのコポリエステルから製造される。
【0014】
本発明の成形品の酸成分としては、前記イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸に加えて、さらに別の追加の二塩基酸、例えば炭素数が8〜14の芳香族ジカルボン酸、炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸及び炭素数が8〜12の脂環式ジカルボン酸からなる群の1種またはそれ以上を含むことができる。具体的な追加の別の二塩基酸としては、フタル酸、シクロヘキサン二酢酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸及びセバシン酸をあげることができる。ナフタレンジカルボン酸を使用する場合には、2,6−、2,7−、1,4−及び1,5−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0015】
グリコール成分は、20モル%以下の、炭素数が好ましくは2〜20の1種またはそれ以上の追加の脂肪族または脂環式グリコールを含むことができる。これらの他のグリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及びテトラメチルシクロブタンジオールからなる群から選ばれることができる。エチレングリコールが特に好ましい。
【0016】
いくつかの分岐剤、例えば、無水トリメリット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、ヘミメリット酸、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ジペンタエリトリトールなどを極めて少量(1.5モル%未満)を使用することもできる。
【0017】
本発明のコポリエステルは、公知の溶融相または固相重縮合法を用いて容易に製造できる。これらは、回分法でも連続法でも製造できる。これらの方法の例は、米国特許第4,256,861号、同第4,539,390号及び同第2,901,466号に記載されており、直接縮合による製造もエステル交換による製造も含む。
【0018】
具体的には、本発明のポリマーは、米国特許第2,901,466号に記載された方法に従って製造できる。しかしながら、本発明のポリマーの製造は米国特許第2,901,466号に記載された方法に特には限定しない。この特許は、交換反応と重合増成法を開示している。簡単に言えば、代表的な方法は、少なくとも2つの異なった段階からなり、エステル交換またはエステル化として知られる第1段階は、不活性雰囲気下で温度150〜250℃において0.5〜8時間、好ましくは180〜240℃において1〜4時間実施する。グリコールは、それらの反応性及び使用する実験条件に応じて、一般に酸官能モノマーの総モル当たり1.05〜2.5モル過剰で使用する。重縮合反応と称する第2段階は、減圧下で温度230〜350℃、好ましくは265〜325℃、更に好ましくは270〜300℃において0.1〜6時間、好ましくは0.25〜2時間行う。反応混合物の適切な熱伝達及び表面更新を確実にするために、いずれの段階でも攪拌または適当な条件を使用する。両段階の反応は、適当な触媒、特に公知の触媒、例えばアルコキシチタン化合物、アルカリ金属水酸化物及びアルコラート、有機カルボン酸の塩、アルキル錫化合物、金属酸化物などによって促進する。
【0019】
適当なコポリエステルは、約0.4〜約1.1dL/gのインヘレント粘度(I.V.)値を有する。このような値は、溶液100mL中にポリマー0.5gを含む60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中で得られる。コポリエステルは少なくとも0.5dL/gのI.V.値を有するのが好ましい。
【0020】
好ましいコポリエステルは、少なくとも70℃のガラス転移温度(Tg)(示差走査熱量法(DSC)によって測定)及び少なくとも1分の結晶化半時間(crystallization half-time)(小角レーザー光散乱法(small angle laser light scattering technique)によって測定)を有する必要がある。
【0021】
結晶化曇り半時間(crystallization haze half-time)の測定法は主に、ポリエステルによる平面偏光の偏光解消の増加を追跡することにある。本発明に使用する方法は主に、“A New Method for Following Rapid Rates of Crystallization", I. Poly (hexamethylene adipamide), J. H. Magill, Polymer, Vol.2, 221〜233頁(1961年)に示された方法であるが、ただし、Magillは光源及び集光レンズとして偏光顕微鏡を使用している。本発明の結晶化半時間の測定において、Adams及びStein(J. Polmer Sci. A2, Vol.6(1962年))によって示されるようなヘリウム−ネオンレーザー〔小角光散乱法(SALS)による〕を用いた。
【0022】
結晶化半時間は、透過強度が、得られる最大強度の半分である時間で測定する。
【0023】
使用した方法は一般に以下の通りである:
(1)サンプルを溶融させて、存在する結晶化度を除去し;
(2)所定の温度でサンプルポリエステルを結晶化させ;
(3)透過光強度を時間に対してプロットして記録し;
(4)透過強度が、得られる最大強度の半分である時間を求める。
【0024】
結晶化半時間の最小値が測定されるまで、前記方法を種々の温度で繰り返す。「最小値」は、温度のデータ及び対応する結晶化半時間のデータを用いてプロットした曲線上の測定可能な最低点を意味する。
【0025】
用語「溶融相から測定した結晶化曇り半時間」は、前記方法によるものである。
【0026】
本発明の成形品は1分より長い、好ましくは3分より長い、更に好ましくは5分より長い結晶化曇り半時間を有するのが好ましい。
【0027】
本発明の成形品は、前述のような結晶化曇り半時間を有する場合には、一般に成形品の厚さが1〜11.5mm、好ましくは3〜11.5mmの部分が肉眼で透明である。
【0028】
本発明のブレンドから製造された成形品はまた、ASTM D1003法によって測定した場合に拡散透過値が好ましくは約60%未満、より好ましくは約40%未満、さらに好ましくは約20%未満である。拡散透過値が約60%未満である場合には、成形品は肉眼で透明である。
【0029】
また、本発明の成形品は、厚さ0.32cmの試験片について、1.4%の歪み及び2.7%の歪みを伴う曲げ荷重下で測定した時に改良された耐応力亀裂性を示す。これについては、以下の例中でより詳細に示される。
【0030】
この耐応力亀裂性の試験は、好ましくは香料の存在下で実施する。より好ましくは、香料はミント油である。使用できるミント油のうちで好ましいのは、ペパーミント油またはスペアミント油である。
【0031】
本発明において使用する耐応力亀裂性測定はまた、水と0.6重量%より多い量のミント油を含む練り歯磨きを含んでなる練り歯磨き溶液の存在下で、より具体的にはペパーミント油の存在下で直接行う。これについては、以下の例中により詳述される。
【0032】
練り歯磨き溶液中に使用できる他の成分としては以下のものが挙げられる:グリセリン、炭酸水素ナトリウム、水、水和珪酸塩、ポリエチレングリコール、ラウラル硫酸ナトリウム、ナトリウムラウリルサルコシネート、ピロ燐酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、ソルビトール、安息香酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、キサンタンゴム、セルロースゴム、香料、サッカリンナトリウム、FD&Cブルー♯1及びFD&Cイエロー♯10、FD&Cレッド30、1−ヒドロキシ−2−プロパノン、3−オクタノール、4−メチル−1−(1−メチルエチル)シクロヘキセン、プレゴン、ドデカノール、3−フェニル−2−プロペナール、ドデカノール、オイゲノール及び二酸化チタン。
【0033】
本発明の試験の実施に有用な香料としては以下のものが挙げられる:ペパーミント油、カーリーミント油、アニス油、ジャパニーズアニスオイル(Japanese anise oil)、キャラウェイ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、シナモン油、チョウジ油、ゼラニウム油、セージ油、ピメント油、タイム油及びマジョラン油。
【0034】
ミント油はリモネン、シネオール、メントン、メントール及びカルボンを含む数種の成分を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
コポリエステルは透明な形態で使用することもできるし、添加剤または共重合性着色剤によって着色することもできる。代表的に有用な共重合性着色剤は、米国特許第5,030,708号(1991年)、同第5,102,980号(1992年)及び同第5,194,571号(1993年)(これらは全て、イーストマンコダック社に譲渡されている)に記載されており、参照することによって本明細書中に取り入れる。
【0036】
所望ならば、安定剤、酸化防止剤、離型剤、充填剤などのような他の添加剤も使用できる。ポリマーブレンドを使用することもできる。
【0037】
本発明のコポリエステルは、歯ブラシの柄、ヘアブラシの柄、アイススクレーパー、刃物または刃物の柄、工具の柄、自動車のハンドル、眼鏡フレームなどのような所望の形状に容易に成形できる。本発明をさらに、その好ましい実施態様の以下の例によって説明することができる。但し、これらの例は説明のためにのみ記載するのであって、特に断らない限り、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。出発原料は、特に断らない限り、市販されている。百分率は、特に断らない限り、重量に基づく。
【実施例】
【0038】
I.コポリエステル及び成形品の製造
例1(比較例)−テレフタレート、エチレングリコール及び3モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むコポリエステルの製造
攪拌軸、窒素入り口及び揮発性材料除去用の出口を装着した5000mLのステンレス鋼反応器に、テレフタル酸ジメチル(DMT)679.7g(3.5モル)、エチレングリコール(EG)427.8g(6.9モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)(トランス異性体70%/シス異性体30%)16.4g(0.11モル)及びチタン(IV)イソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液1.35mLを装入した。反応器に窒素をパージし、攪拌しながらゆっくりと窒素で洗い流しつつ200℃に加熱し、1時間保持した。反応器温度を220℃に上昇させ、2時間保持した。温度を280℃に上昇させ、窒素パージを除去し、30分間にわたって0.5mmHg未満の真空が得られるように真空を適用した。反応器を真空下で1時間攪拌した。次いで、真空を窒素雰囲気に代え、反応器の底部の開口部からポリマーを押出した。押出した棒を5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットは、ASTM D3835−79によるインヘレント粘度が0.70dL/gであった。ポリマーのジオール成分は、加水分解サンプルについてガスクロマトグラフィーによって測定した時にEGが96モル%、CHDMが3モル%及びジエチレングリコール(DEG)が1モル%であった。DSC(示差走査熱量法)分析によって測定したガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)は各々、78℃及び248℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は0.8分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で150℃において約4時間乾燥させ、厚さ0.32cmの一辺7.5cmの正方形の透明なプラックに射出成形した。第1図に示すように、プラックの端から1cmのところに、直径約0.1cmの12個の孔を含む1.1cm×0.6cmの領域を設けた。プラックのこの領域は、植毛される歯ブラシのヘッドをシミュレートするのに使用した。
【0039】
例2(比較例)−テレフタレート、EG及び31モル%のCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 679.5g(3.5モル)、EG 365.6g(5.9モル)、CHDM 160.4g(1.1モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.05mL。ジオール交換工程を200℃において1時間、210℃において2時間行った。重縮合工程を0.5mmHgの真空で1時間行った。ポリマーを反応器の底部から押出した。押出した棒を5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットはインヘレント粘度が0.74dL/gであった。ポリマーのジオール成分は、EG 68モル%、CHDM 31モル%及びDEG1モル%であった。非晶質コポリマーはDSC分析によって測定したTgが80℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は1時間より長かった。サンプルを除湿式乾燥機中で65℃において約16時間乾燥させた。例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0040】
例3(比較例)−テレフタレート、EG及び62モル%のCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 679.7g(3.5モル)、EG 305.6g(4.9モル)、CHDM 302.5g(2.1モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.06mL。ジオール交換工程を200℃において1時間、210℃において2時間行った。重縮合工程を0.5mmHgの真空で45分間行った。ポリマーを反応器の底部から押出した。押出した棒を5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットはインヘレント粘度が0.72dL/gであった。ポリマーのジオール成分は、EG 37モル%、CHDM 62モル%及びDEG1モル%であった。コポリマーはDSC分析によってTgが82℃、Tmが225℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は28分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で65℃において約16時間乾燥させ、例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0041】
例4(比較例)−テレフタレート、EG及び81モル%のCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 679.2g(3.5モル)、EG 248.1g(4.0モル)、CHDM 432.9g(3.0モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.38mL。ジオール交換工程を200℃において1時間、210℃において2時間行った。重縮合工程を0.5mmHgの真空で40分間行った。ポリマーを反応器の底部から押出し、5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットはインヘレント粘度が0.76dL/gであった。ポリマーのジオール成分は、EG 18モル%、CHDM 81モル%及びDEG 1モル%で構成されていた。コポリマーはDSC分析によってTgが87℃、Tmが257℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は3分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で150℃において約4時間乾燥させ、例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0042】
例5(比較例)−テレフタレート95モル%、イソフタレート5モル%及びCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 645.2g(3.3モル)、イソフタル酸ジメチル(DMI) 34.1g(0.2モル)、CHDM 555.7g(3.9モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.68mL。反応器に窒素をパージし、攪拌しながらゆっくりと窒素で洗い流しつつ300℃に加熱した。同反応器温度に30分間保持してから、窒素パージを除去し、30分間にわたって0.5mmHg未満の真空が得られるように真空を適用した。真空及び温度を50分間保持した。反応器の底部からポリマーを押出した。押出した棒を5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットは、インヘレント粘度が0.78dL/gであった。ポリマーは、1H NMRによって測定した時にテレフタレート95モル%及びイソフタレート5モル%で構成されていた。コポリマーは、DSC分析によってTg及びTmがそれぞれ、92℃及び287℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は0.5分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で150℃において約4時間乾燥させ、例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0043】
例6(本発明の実施例)−テレフタレート83モル%、イソフタレート17モル%及びCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 577.3g(3.0モル)、DMI 101.9g(0.5モル)、CHDM 565.4g(3.9モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.67mL。反応器に窒素をパージし、攪拌しながらゆっくりと窒素で洗い流しつつ290℃に加熱した。同反応器温度に30分間保持してから、窒素パージを除去し、30分間にわたって0.5mmHg未満の真空が得られるように真空を適用した。真空及び温度を43分間保持した。反応器の底部からポリマーを押出し、5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットは、インヘレント粘度が0.70dL/gであった。ポリマーは、1H NMRによって測定した時にテレフタレート83モル%及びイソフタレート17モル%から構成されていた。コポリマーは、DSC分析によってTg及びTmがそれぞれ、89℃及び262℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は1.5分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で150℃において約4時間乾燥させ、例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0044】
例7(本発明の実施例)−テレフタレート70モル%、イソフタレート30モル%及びCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 476.3g(2.5モル)、DMI 204.1g(1.0モル)、CHDM 555.8g(3.9モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.67mL。反応器に窒素をパージし、攪拌しながらゆっくりと窒素で洗い流しつつ290℃に加熱した。同反応器温度に30分間保持してから、窒素パージを除去し、30分間にわたって0.5mmHg未満の真空が得られるように真空を適用した。真空及び温度を53分間保持した。反応器の底部からポリマーを押出した。押出した棒を5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットは、インヘレント粘度が0.70dL/gであった。ポリマーは、1H NMRによって測定した時にテレフタレート70モル%及びイソフタレート30モル%から構成されていた。DSC分析によって測定した時にTgが87℃である非晶質ポリマーが回収された。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は6.8分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で65℃において約4時間乾燥させ、例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0045】
例8(本発明の実施例)−テレフタレート70モル%、2,6−ナフタレンジカルボキシレート30モル%及びCHDMを含むコポリエステルの製造
例1に記載した装置及び方法を使用した。以下の量の反応体を、反応器に装入した:DMT 477.0g(2.5モル)、DMI 203.9g(1.0モル)、CHDM 565.4g(3.9モル)及びチタンイソプロポキシドのn−ブタノール中3.30%(w/v)溶液2.67mL。反応器に窒素をパージし、攪拌しながらゆっくりと窒素で洗い流しつつ290℃に加熱した。反応器の温度を30分間保持してから、窒素パージを除去し、30分間にわたって0.5mmHg未満の真空が得られるように真空を適用した。真空及び温度を43分間保持した。反応器の底部からポリマーを押出した。押出した棒を5℃の水浴中で冷却し、ペレット化した。回収したポリマーペレットは、インヘレント粘度が0.64dL/gであった。ポリマーは、1H NMRによって測定した時にテレフタレート70モル%及びナフタレート30モル%から構成されていた。DSC分析によって測定した時にポリマーのTg及びTmはそれぞれ、103℃及び246℃であった。溶融相から測定した結晶化曇り半時間は9分であった。サンプルを除湿式乾燥機中で85℃において約4時間乾燥させ、例1に記載したような透明な試験片に射出成形した。
【0046】
II.ペパーミント油及び練り歯磨溶液を用いた耐応力亀裂の測定方法のための調製及びその性能
A.練り歯磨溶液の調製
以下の表中に記載した練り歯磨Aを用いた練り歯磨溶液を、以下の方法を用いて調製した。500mLの容器中で、固体練り歯磨50gを普通の水道水120mLに添加した。混合物を密封してから、電磁攪拌棒と電磁駆動攪拌板を用いて攪拌した。30分の混合時間後、アプリケーターブラシを用いて分散液を試験片に塗布し、観察した。各試験サイクルの全体を通して、同一の練り歯磨溶液を用いた。翌朝、例1〜8からの試験片を検査し、ひび割れ格付け方式を用いてそれらの外観を格付けした。ひび割れは、溶剤とポリマーマトリックスとの相互作用によって生じる亀裂の前兆である。ひび割れは亀裂と類似しているが、ひび割れは、ポリマーの高配向フィブリルを含み、それがその表面に広がる。ひび割れは必ずしも構造上の欠陥ではないが、本当の亀裂の形成につながることが多い。格付け後に、試験片を練り歯磨液で湿らせた。試験片は8時間後には練り磨溶液で湿っており、それを翌朝に観察した。
【0047】
ペパーミント油に対する耐応力亀裂性を、練り歯磨溶液の試験と同様な方法を用いて測定した。
【0048】
ペパーミント油は以下の組成を有する:
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
B.成形品の練り歯磨及びペパーミント油抵抗性試験
例1〜8から成形されたプラックを、第2図に示した試験リグに取り付けた。第2図において、Aと表示した部分は試験片を固定するクランプであり、Bは試験片に生じる歪みを測定するリグの弯曲した部分であり、Cは歪みを生じている成形プラックである。試験リグは、各試験片上の曲げ歪みが2.7%であるように配置した。試験リグは、植毛のような最終使用条件をシミュレートするために使用した。試験片は試験リグ中に7日間留め、ひび割れの形成について毎日観察した。1〜3の格付け方式を用いて、各試験片についてひび割れのひどさを特定した(本明細書中で言及する目視観察コード)。この方式において、目視観察コード1は試験期間の間じゅう未変化である試験プラックに付けた。ひび割れのひどさが増すにつれて、格付けの値は増える。
【0052】
表Iは、例1〜5のペレットから二次加工された試験片に対する2.7%の曲げ歪みの影響を示す。全ての試験片について影響は観察されなかった。このことは、試験装置中に試験片を置いてもひび割れが生じないことを示す。
【0053】
曲げ歪み下における例1〜5に対する練り歯磨溶液の影響を表IIに示す。表IIのデータは、EG含量に関してコポリエステルのCHDM含量が増加するにつれて、試験片の耐応力亀裂性が改善されることを示している。例4及び5に示されるような高レベルのCHDMにおいて、影響は観察されなかった。表IIIに示されるように、ペパーミント油を化学薬剤として使用する場合にも同じ傾向が観察された。
【0054】
表II及びIIIのデータは、曲げ歪み下で練り歯磨溶液及びペパーミント油に暴露した時に例4及び5は例1〜3よりも耐応力亀裂性が優れていることを示す。例3,4及び5を、長さ約20cmの円筒形の製品に射出成形した。各製品の直径は5〜11.5mmであった。例3から得られた成形品は全体が透明であった。例4及び5から得られた成形品は完全には透明でなかった。これらは、一般に製品の最大直径を有する部分に不透明な部分を含んでいた。この結果は、例4及び5によって示されるコポリエステルは耐応力亀裂性であるが、例4及び5の材料の厚肉の成形品は好ましくはないことを示す。
【0055】
表IVにおいて、例6〜8から二次成形された試験片に対する2.7%の曲げ歪みの影響を示す。表IVのデータは、試験装置中に試験片を置いてもひび割れが生じないことを示す。表Vのデータは、例6〜8から成形されたプラックが、練り歯磨溶液の存在下で曲げ歪み下で試験した時に何の影響も受けないことを示している。表VIのデータから、例6〜8は全て、曲げ歪み下においてペパーミント油に対して例1〜3より改良された耐応力亀裂性を示すことがわかる。例6〜10のペレットは、長さ20cmの円筒形製品に射出成形した。各製品の直径は5〜11.5mmであった。例6から得られる成形品は、特に最も厚い部分に不透明な部分を含み、例7及び8から得られた製品は全体が透明であった。この結果は、いくつかのコポリエステルは、優れた透明度を有し且つ練り歯磨及びペパーミント油による応力亀裂に対して抵抗性である、厚肉の成形品を製造するのに使用できることを示している。
【0056】
例6からのペレットを、長さ20cmの円筒形製品に射出成形した。各製品の直径は5〜7mmであった。成形品は全体が透明であった。この結果は、いくつかのコポリエステルは、優れた透明度を有し且つ練り歯磨及びペパーミント油による応力亀裂に対して抵抗性である成形品を製造するのに使用できることを示す。
【0057】
【表3】

【0058】
目視観察コード:
1=影響なし
2=試験片はわずかにひび割れ。ひび割れは浅く、不規則に配置。
3=試験片はひどくひび割れ。ひび割れは深く、不規則に配置。
【0059】
【表4】

【0060】
目視観察コード:
1=影響なし
2=試験片はわずかにひび割れ。ひび割れは浅く、不規則に配置。
3=試験片はひどくひび割れ。ひび割れは深く、不規則に配置。
【0061】
【表5】

【0062】
目視観察コード:
1=影響なし
2=試験片はわずかにひび割れ。ひび割れは浅く、不規則に配置。
3=試験片はひどくひび割れ。ひび割れは深く、不規則に配置。
S=試験片は膨潤。
【0063】
【表6】

【0064】
目視観察コード:
1=影響なし
2=試験片はわずかにひび割れ。ひび割れは浅く、不規則に配置。
3=試験片はひどくひび割れ。ひび割れは深く、不規則に配置。
【0065】
【表7】

【0066】
目視観察コード:
1=影響なし
2=試験片はわずかにひび割れ。ひび割れは浅く、不規則に配置。
3=試験片はひどくひび割れ。ひび割れは深く、不規則に配置。
【0067】
【表8】

【0068】
目視観察コード:
1=影響なし
2=試験片はわずかにひび割れ。ひび割れは浅く、不規則に配置。
3=試験片はひどくひび割れ。ひび割れは深く、不規則に配置。
S=試験片は膨潤。
【0069】
練り歯磨溶液への暴露前後における、成形品の引っ張り強さの比較
表VII及びVIIIに、保留された引っ張り強さに対する練り歯磨溶液の影響を示す。表中に記載した例のペレットを、ASTM D638法に従って厚さ0.32cmの引っ張り試験片に成形した。試験片の1つのサンプルを、練り歯磨溶液に暴露せずにASTM D638に従って試験して、対照標準とした。別の試験片を、前述した歪みリグ中で曲げ歪み1.4%か2.7%に保持した。前述したようにして、練り歯磨溶液をこれらの試験片に1週間塗布した。暴露後、試験片をリグから取り出し、ASTM D638法に従って試験した。暴露した試験片の引っ張り強さの、対照標準の引っ張り強さに対する比x100%が、保留された強さ(%)である。90%より大きい、好ましくは95%より大きい、より好ましくは98モル%より大きい、さらに好ましくは100モル%の保留された強さを示す全ての例は、練り歯磨用として充分な耐薬品性を有すると考えられる。
【0070】
表VIIのデータから、例1〜3は練り歯磨Aへの暴露後の耐薬品性が低いことが確認された。表VIIIのデータは、練り歯磨中の香料量の増大が例2,3及び6にどのように影響するかを示している。香料量は、ガスクロマトグラフィーと質量分析法の組み合わせによって測定したリモネン、シネオール、メントン、メントール及びカルボンの合計百分率とした。これらの成分の量も表VIIIに記載する。これらの5成分は、ペパーミント油及びスペアミント油中に存在する主な化合物である。他の成分の量は、表IXに記載する。
【0071】
【表9】

【0072】
【表10】

【0073】
【表11】

【0074】
本発明を、特にその好ましい実施態様に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内で変更及び修正が可能なことを理解されたい。さらに、前述の全ての特許、特許出願(公告及び未公告、外国または国内)、参考文献または他の刊行物を、本発明の実施に関する全ての開示について参照することによって本明細書中に取り入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸成分がテレフタル酸90〜40モル%と、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた1種またはそれ以上の追加の二塩基酸10〜60モル%からの反復単位を含んでなり;且つグリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール70〜100モル%からの反復単位を含んでなる、溶液100mL中にコポリエステル0.5gを含む60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中で測定したインヘレント粘度が0.4〜1.1dL/gのコポリエステルから製造された、ASTM D1003法に従って測定した拡散透過値が60%未満で厚さ3〜11.5mmの射出成形品。
【請求項2】
前記酸成分がテレフタル酸85〜52モル%及び前記の追加の二塩基酸15〜48モル%の反復単位を含んでなり、前記グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール80〜100モル%の反復単位を含んでなる請求項1に記載の成形品。
【請求項3】
前記酸成分がテレフタル酸83〜52モル%及び前記の追加の二塩基酸17〜48モル%の反復単位を含んでなり、前記グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール85〜100モル%の反復単位を含んでなり、そして練り歯磨水溶液に1週間暴露しながら、1.4〜2.7%の曲げ歪みに曝した、前記コポリエステルから成形した、厚さ0.32cmの試験片がASTM D638法に従って試験して100%の保留強度を有する請求項2に記載の成形品。
【請求項4】
前記グリコール成分が30モル%以下の、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールからなる群から選ばれる、1種またはそれ以上の追加のグリコールを含む請求項1に記載の成形品。
【請求項5】
前記酸成分がテレフタル酸83〜52モル%及びイソフタル酸17〜48モル%の反復単位を含んでなり、前記グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール90〜100モル%の反復単位を含んでなり、前記射出成形品が1分より長い結晶化曇り半時間が1分より長く、そして練り歯磨水溶液に1週間暴露しながら、1.4〜2.7%の曲げ歪みに曝した、前記コポリエステルから成形した、厚さ0.32cmの試験片がASTM D638法に従って試験して100%の保留強度を有する請求項1に記載の成形品。
【請求項6】
前記酸成分がテレフタル酸83〜52モル%及びイソフタル酸17〜48モル%の反復単位を含んでなり、前記グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール95〜100モル%の反復単位を含んでなり、射出成形品の結晶化曇り半時間が3分より長く、そしてASTM D1003法に従って測定した拡散透過値が40%未満である請求項1に記載の成形品。
【請求項7】
練り歯磨水溶液に1週間暴露しながら、1.4〜2.7%の曲げ歪みに曝した、前記コポリエステルから成形した、厚さ0.32cmの試験片がASTM D638法に従って試験して100%の保留強度を有する請求項6に記載の成形品。
【請求項8】
溶液100mL中にコポリエステル0.5gを含む60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中で測定したインヘレント粘度が0.4〜1.1dL/gのコポリエステルから製造された、厚さが3〜11.5mmの射出成形歯ブラシの柄であって、
酸成分がテレフタル酸83〜52モル%と、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた1種またはそれ以上の追加の二塩基酸17〜48モル%からの反復単位を含んでなり;
グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール85〜100モル%からの反復単位を含んでなり、
前記射出成形歯ブラシの柄がASTM D1003法に従って測定して、60%未満の拡散透過値を有し、そして練り歯磨水溶液に1週間暴露しながら、1.4〜2.7%の曲げ歪みに曝した、前記コポリエステルから成形した、厚さ0.32cmの試験片がASTM D638法に従って試験して100%の保留強度を有する射出成形歯ブラシの柄。
【請求項9】
前記酸成分がテレフタル酸83〜52モル%と、イソフタル酸17〜48モル%からの反復単位を含んでなり;
前記グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール95〜100モル%からの反復単位を含んでなり、
前記歯ブラシの柄が3分超の結晶化曇り半時間を有し、
前記射出成形歯ブラシの柄がASTM D1003法に従って測定して、40%未満の拡散透過値を有し;そして練り歯磨水溶液に1週間暴露しながら、1.4〜2.7%の曲げ歪みに曝した、前記コポリエステルから成形した、厚さ0.32cmの試験片がASTM D638法に従って試験して100%の保留強度を有する請求項8に記載の歯ブラシの柄。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−59439(P2010−59439A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285394(P2009−285394)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【分割の表示】特願2003−66989(P2003−66989)の分割
【原出願日】平成8年9月17日(1996.9.17)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】