説明

改良型HCVワクチンおよびその使用方法

改良型抗HCV免疫原および改良型抗HCV免疫原をコードする核酸分子を開示する。開示される免疫原は、コンセンサスHCV遺伝子型1a/1b NS3およびNS4Aを有する免疫原を含む。HCVに対する免疫反応を個体において誘導する医薬組成物、組み換えワクチン、および弱毒化生ワクチンを開示し、さらに、HCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法を開示する。コンセンサスHCV遺伝子型1a/1bのNS3およびNS4Aのアミノ酸配列を含むタンパク質、ならびにかかるタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を提供する。これらの核酸構築物およびこれらの核酸構築物がコードするタンパク質が、抗HCV免疫反応を起こすことができる改良型免疫原性標的物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良型HCV、HCVに対する免疫反応を誘導する改良法、ならびにHCVに対して予防的におよび/または治療的に個体を免疫化する改良法に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎(HCV)は、小さいエンベロープを持つプラス鎖RNAウイルスであり、現在の感染者が17億を超える、世界中を悩ます主要な健康上の問題である(Thomson,B.J.and R.G.Finch,Hepatitis C virus infection.Clin Microbiol Infect,2005.11(2):p.86−94)。全てのヒトウイルスのうち最も繁栄したウイルスの1つであるHCVは、肝細胞に優先的に感染し、全感染患者のうち最大で70%の肝臓の中で生き残ることができる(Bowen,D.G.and C.M.Walker,Adaptive immune responses in acute and chronic hepatitis C virus infection.Nature,2005.436(7053):p.946−52)。慢性感染患者の最大30%が、その患者の生存期間中に、肝硬変および肝細胞ガン(HCC)を含む進行性の肝疾患を発症すると推定され、HCV感染を世界中の肝移植の主要原因にさせている。さらに、HCVおよびHBV感染は、HCCの全症例の70%に関わり、世界中のガン死亡の第3番目の主要原因である(Levrero,M.,Viral hepatitis and liver cancer:the case of hepatitis C.Oncogene,2006.25(27):p3834−47)。
【0003】
このウイルスの持続的性質により、HCV感染は、治療をすることが非常に困難であり、かつ高価になり得る。ほとんどの感染患者は治療を受けない。しかし、治療を受ける患者は、標準的治療プロトコールに対して平均17,700〜22,000ドルを支払う(Salomon,J.A.,et al.,Cost−effectiveness of treatment for chronic hepatitis C infection in an evolving patient population.Jama,2003.290(2):p.228−37)。ヨーロッパおよび北アメリカにおいて最も流行している遺伝子型1の感染は最も不良な予後を有し、標準的治療を受ける患者が42%という低さである(Manns,M.P.,et al.,Peginterferon alfa−2b plus ribavirin compared with interferon alfa−2b plus ribavirin for initial treatment of chronic hepatitis C:a randomised trial.Lancet,2001.358(9286):p.958−65)。
【0004】
したがって、慢性HCVの感染の高率発生、効果的な治療の欠如および経済的負担が、この病気と闘うための新規免疫療法戦略の開発に対する緊急ニーズを説明する。現在、HCVに対する予防的または治療的ワクチンはないが、HCVに対する天然で防御的な免疫が存在する証拠はある(Weiner,A.J.,et al.,Intrahepatic genetic inoculation of hepatitis C virus RNA confers cross−protective immunity. J Virol,2001.75(15):p.7142−8;Bassett,S.E.,et al.,Protective immune response to hepatitis C virus in chimpanzees rechallenged following clearance of primary infection.Hepatology,2001.33(6):p.1479−87;Lanford,R.E.,et al.,Cross−genotype immunity to hepatitis C virus.J Virol,2004.78(3):p.1575−81)。大多数の症例において、回復期の人々は急性HCV感染に対しては保護されないが、むしろ、感染の慢性状態への進行からは保護される(Houghton,M.and S.Abrignani,Prospects for a vaccine against the hepatitis C virus.Nature,2005.436(7053):p.961−6)。HCV病原性と主に関連するのは感染の慢性状態であるので、この感染を制御または治療するためのワクチンアプローチの実行可能性について本明細書が論じる。
【0005】
ウイルス感染と闘うために、このウイルスに対する適応免疫を理解することは、DNAワクチンなどの戦略を設計するのに重要な意味をもつ。HCV感染後7〜8週間以内に、ウイルス特異的抗体が検出されるが(Pawlotsky,J.M.,Diagnostic tests for hepatitis C.J Hepatol,1999.31 Suppl 1:p.71−9)、それらの抗体は再感染に対して保護せず(Farci,P.,et al.,Lack of protective immunity against reinfection with hepatitis C virus. Science,1992.258(5079):p.135−40;Lai,M.E.,et al.,Hepatitis C virus in multiple episodes of acute hepatitis in polytransfused thalassaemic children.Lancet,1994.343(8894:p.388−90)、感染の治癒後に完全になくなり得る(Cooper,S.,et al.,Analysis of a successful immune response against hepatitis C virus.Immunity,1999.10(4):p.439−49;Post,J.J.,et al.,Clearance of hepatitis C viremia associated with cellular immunity in the absence of seroconversion in the hepatitis C incidence and transmission in prisons study cohort.J Infect Dis,2004.189(10):p.1846−55)。その代わりに、初期の、多特異的な、肝内のCD4+ヘルパーT細胞反応およびCD8+細胞毒性T細胞反応を開始する感染患者は、HCV感染を排除することができる(Lechner,F.,et al.,Analysis of successful immune responses in persons infected with hepatitis C virus. J Exp Med,2000.191(9):p.1499−512;Gerlach,J.T.,et al.,Recurrence of hepatitis C virus after loss of virus−specific CD4(+) T−cell response in acute hepatitis C. Gastroenterology,1999.117(4):p.933−41;Thimme,R.,et al.,Determinants of viral clearance and persistence during acute hepatitis C virus infection.J Exp Med,2001.194(10):p.1395−406;Grakoui,A.,et al.,HCV persistence and immune evasion in the absence of memory T cell help. Science,2003.302(5645):p.659−62)。実際、このウイルスの構造タンパク質、特にNS3タンパク質に対する強力なT細胞反応は、急性感染の回復と重要な相関があることが証明された(Missale,G.,et al.,Different clinical behaviors of acute hepatitis C virus infection are associated with different vigor of the anti−viral cell−mediated immune response.J Clin Invest,1996.98(3):p.706−14;Diepolder,H.M.,et al.,Possible mechanism involving T−lymphocyte response to non−structural protein 3 in viral clearance in acute hepatitis C virus infection.Lancet,1995.346(8981):p.1006−7)。NS3特異的T細胞反応と急性感染の回復との相関、ならびにNS3タンパク質の遺伝的可変性の低さおよび大きな相対サイズが、HCVのNS3タンパク質を、T細胞に基づくDNAワクチンの魅力的な標的にさせる。
【0006】
DNAワクチンは、弱毒化された生のウイルスワクチンおよび組み換えタンパク質に基づくワクチンなどの、より伝統的なワクチン接種法を上回る多くの概念的利点を有する。DNAワクチンは、安全で、安定で、簡単に産生でき、かつヒトにおいて十分に耐容性を示し、前臨床試験はプラスミド組み込みの証拠を示さない(Martin,T.,et al.,Plasmid DNA malaria vaccine:the potential for genomic integration after intramuscular injection.Hum Gene Ther,1999.10(5):p.759−68;Nichols,W.W.,et al.,Potential DNA vaccine integration into host cell genome.Ann N Y Acad Sci,1995.772:p.30−9)。さらに、DNAワクチンの有効性がベクターに対する前から存在する抗体の力価によって影響されないという事実により、DNAワクチンは反復投与に十分に適する(Chattergoon,M.,J.Boyer, and D.B.Weiner, Genetic immunization:a new era in vaccines and immune therapeutics.FASEB J,1997.11(10):p.753−63)。しかし、より大きな動物に進んだ場合、DNAワクチンの臨床上の導入に対する1つの重大な障害は、プラットフォームとなる免疫原性の減少であった(Liu,M.A.and J.B.Ulmer,Human clinical trials of plasmid DNA vaccines.Adv Genet,2005.55:p.25−40)。コドン最適化、RNA最適化および免疫グロブリンリーダー配列の付加などの、DNAワクチン免疫原の遺伝子工学処理における最近の技術的進歩が、DNAワクチンの発現および免疫原性を改良し(Andre,S.,et al.,Increased immune response elicited by DNA vaccination with a synthetic gp120 sequence with optimized codon usage.J Virol,1998.72(2):p.1497−503;Deml,L.,et al.,Multiple effects of codon usage optimization on expression and immunogenicity of DNA candidate vaccines encoding the human immunodeficiency virus type 1 Gag protein.J Virol,2001.75(22):p.10991−1001;Laddy,D.J.,et al.,Immunogenicity of novel consensus−based DNA vaccines against avian influenza.Vaccine,2007.25(16):p.2984−9;Frelin, L.,et al.,Codon optimization and mRNA amplification effectively enhances the immunogenicity of the hepatitis C virus nonstructural 3/4A gene.Gene Ther,2004.11(6):p.522−33)、ならびに、近年、電気穿孔法などのプラスミド送達システムの技術を開発した(Hirao,L.A.,et al.,Intradermal/subcutaneous immunization by electroporation improves plasmid vaccine delivery and potency in pigs and rhesus macaques.Vaccine,2008.26(3):p.440−8;Luckay,A.,et al.,Effect of plasmid DNA vaccine design and in vivo electroporation on the resulting vaccine−specific immune responses in rhesus macaques.J Virol,2007.81(10):p.5257−69;Ahlen,G.,et al.,In vivo electroporation enhances the immunogenicity of hepatitis C virus nonstructural 3/4A DNA by increased local DNA uptake, protein expression, inflammation,and infiltration of CD3+ T cells.J Immunol,2007.179(7):p.4741−53)。さらに、コンセンサス免疫原を使用することで、天然の抗原のみと比較して、細胞性免疫反応の幅を拡大させることができる可能性があることを複数の研究が示唆した(Yan.,J.,et al.,Enhanced cellular immune responses elicited by an engineered HIV−1 subtype B consensus−based envelope DNA vaccine. Mol Ther,2007.15(2):p.411−21;Rolland,M.,et al.,Reconstruction and function of ancestral center−of−tree human immunodeficiency virus type 1 proteins. J Virol,2007.81(16):p.8507−14)。
【0007】
HCVのNS3およびNS4をコードするDNAワクチンは、ウェブサイトwww.elsevier.com/locate/vaccine上のオンライン出版の中のLang,K.Aらによる論文Vaccine XX(2008)XXX−XXXに開示される。
【0008】
HCVに対する効果的なワクチンのニーズが依然としてある。HCV感染患者を治療する効果的な方法のニーズが依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンセンサスHCV遺伝子型1a/1bのNS3およびNS4Aのアミノ酸配列を含むタンパク質、ならびにかかるタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を提供する。これらの核酸構築物およびこれらの核酸構築物がコードするタンパク質が、抗HCV免疫反応を起こすことができる改良型免疫原性標的物を提供する。
【0010】
かかるタンパク質配列をコードする構築物、かかるタンパク質を含むワクチン、および/またはかかるタンパク質をコードする核酸分子、ならびに抗HCV免疫反応を誘導する方法も提供する。
【0011】
以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子:配列番号1;配列番号1の断片;配列番号1と少なくとも90%の相同性を有する配列;および配列番号1と少なくとも90%の相同性を有する配列の断片。
【0012】
本発明は、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する:配列番号2をコードするヌクレオチド配列;配列番号2と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片;配列番号2と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の断片。
【0013】
本発明は、かかる核酸分子を含む医薬組成物、およびHCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法におけるそれらの医薬組成物の使用をさらに提供し、その方法はかかる核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む。
【0014】
本発明は、かかる核酸分子を含む組み換えワクチン、およびHCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法におけるそれらの組み換えワクチンの使用をさらに提供し、その方法はかかる組み換えワクチンを個体に投与することを含む。
【0015】
本発明は、かかる核酸分子を含む弱毒化された生の病原体、およびHCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法におけるそれらの病原体の使用をさらに提供し、その方法はかかる弱毒化された生の病原体を個体に投与することを含む。
【0016】
本発明は、以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をさらに提供する:配列番号2;配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する配列;配列番号2の断片;および配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する配列の断片。
【0017】
本発明は、かかるタンパク質を含む医薬組成物、およびHCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法におけるそれらの医薬組成物の使用をさらに提供し、その方法はかかるタンパク質を含む組成物を個体に投与することを含む。
【0018】
本発明は、かかるタンパク質を含む組み換えワクチン、およびHCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法におけるそれらの組み換えワクチンの使用をさらに提供し、その方法はかかる組み換えワクチンを個体に投与することを含む。
【0019】
本発明は、かかるタンパク質を含む弱毒化された生の病原体、およびHCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法におけるそれらの病原体の使用をさらに提供し、その方法はかかる弱毒化された生の病原体を個体に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】NS3の遺伝子型1aおよび1bのそれぞれの配列と比較した、pConNS3/NS4AのNS3の遺伝子型1a/1bコンセンサス配列の系統発生解析を示す図である。NS3の遺伝子型1a/1bコンセンサス配列を、15個の異なるHCV遺伝子型1a配列および26個の異なるHCV遺伝子型1b配列から得た。星は、NS3の41個の異なる構成要素の配列と比較した、NS3コンセンサス配列を示す。
【図2】pConNS3/NS4Aのプラスミド地図および配列を示す図である。IgEリーダー配列、細胞内タンパク質分解の切断部位およびC末端HAタグに下線を引く。
【図3】免疫蛍光法(400倍)によるpConNS3/NS4A発現の検出を示す写真である。Huh7.0をpConNS3/NS4Aで一過的にトランスフェクトし、C末端HAタグに対するモノクローナル抗体を用いて、この遺伝子産物の発現を検出した。
【図4】pConNS3/NS4Aが、C57BL/6マウスにおいて、強力なNS3およびNS4特異的T細胞反応を誘導することを示すグラフである。100万個の脾細胞あたりのNS3およびNS4特異的なIFN−γスポット形成単位(SFU)の数を、IFN−γELISpotアッセイを経て測定した。(A)5群のマウス、1群あたり3匹を、pVAX(陰性対象)またはpConNS3/NS4Aの4つの異なる投与量:5μg、12.5μg、25μgまたは50μgで筋肉注射により免疫化し、続いて、電気穿孔を行った。脾細胞を各マウスから単離し、群ごとに貯蔵し、pConNS3/NS4Aタンパク質配列の全長に及ぶ重複ペプチドの5種類の異なるプールで刺激した。(B)pConNS3/NS4Aのマトリックスエピトープの地図作成の結果を示す図である。12.5μgのpConNS3/NS4Aで免疫化したC57BL/6マウスから脾細胞を単離し、重複pConNS3/NS4Aぺプチドの21種類の異なるプールで刺激した。各ペプチドは21種類のプールのうちの2つに含まれる。上記のIFN−γELISpotアッセイを用いて、優性エピトープを同定した。
【図5】pConNS3/NS4Aが、アカゲザルにおいて、強力なNS3およびNS4特異的T細胞反応を誘導することを示すグラフである。(A)免疫化スケジュールを示す。5匹のアカゲザルを1mgのpConNS3/NS4Aで筋肉注射により免疫化し、続いて、電気穿孔を行った。4週間の間隔をあけて、これらのサルを2回免疫化した。(B)最初の免疫化前に1度、および各免疫化の2週間後に反応を測定した。100万個のPBMCあたりのNS3およびNS4特異的IFN−γスポット形成単位(SFU)の数を、IFN−γELISpotアッセイを経て測定した。
【図6】pConNS3/NS4Aが、アカゲザルにおいて広範な細胞性免疫反応を誘導することを示すグラフである。免疫化前および各免疫化2週間後における、5種類のペプチドプールの各々に対する5匹のサルのそれぞれの反応を示す。100万個のPBMCあたりのNS3およびNS4特異的IFN−γスポット形成単位(SFU)の数を、IFN−γELISpotアッセイを通して測定した。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用されるとき、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」という語句は、1つの核酸分子が別の1つの核酸分子とハイブリダイズするが、他の配列とはハイブリダイズしない条件を表す。ストリンジェントな条件は配列依存的であり、異なる環境において様々である。より長い配列は、より高温で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHにおける特異的配列に対する熱融解点(Tm)より約5℃低く選択される。Tmは、標的配列と相補的なプローブの50%が、平衡状態でこの標的配列とハイブリダイズする(規定のイオン強度、pHおよび核酸濃度の下での)温度である。一般に、これらの標的配列はTmにおいて過剰に存在するので、これらのプローブの50%が平衡状態で占有する。一般的に、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3において、塩濃度が約1.0M未満のナトリウムイオン、一般的に約0.01〜1.0Mのナトリウムイオン(または他の塩)であり、温度が、短いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10〜50ヌクレオチド)に対して少なくとも約30℃であり、長いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドに対して少なくとも約60℃である条件である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定剤の付加を用いても達成され得る。
【0022】
ヌクレオチドおよびアミノ酸の配列相同性を、FASTA、BLASTおよびGapped BLAST(Altschul et al.,Nuc.Acids Res.,1997, 25,3389, これは、参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる)ならびにPAUP*4.0b10ソフトウェア(D.L.Swofford,Sinauer Associates,Massachusetts)を用いて測定してもよい。「類似度のパーセンテージ」を、PAUP*4.0b10ソフトウェア(D.L.Swofford,Sinauer Associates, Massachusetts)を用いて計算する。コンセンサス配列の平均類似度を、系統樹の全配列と比較して計算する。
【0023】
簡潔に述べると、Basic Local Alignment Search Toolを表すBLASTアルゴリズムは、配列類似度の決定に適している(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403−410,これは、参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる)。BLAST解析を行うソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センター(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公表されている。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一の長さのワードと整列させた場合、ある正の値の域値スコア(positive−valued threshold score)Tと一致するかまたはそれを満足させる問い合わせ配列中の長さWの短いワードを同定することによって、ハイスコアな配列の対(HSPs)を最初に同定することを含む。Tは、隣接ワードスコア域値(neighborhood word score threshold)と称される(Altschul et al.,前出)。これらの最初の近隣ワードヒットは、それらを含むHSPsを見出す検索を開始するための種として機能する。このワードヒットは、累積のアラインメントスコアが増加することができる限り、各配列に沿って両方向に拡大される。各方向のワードヒットの拡大は、以下の場合に停止される:1)累積のアラインメントスコアが、その最大達成値からX量低下する場合;2)1つ以上の負のスコア残基アラインメント(negative−scoring residue alignments)の蓄積により、累積スコアが0以下になる場合;または3)いずれかの配列の末端に到達する場合。BlastアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アライメントの感度および速度を決定する。Blastプログラムは、初期設定として、ワード長(W)が11、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1992,89,10915−10919参照、これは、参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる)アラインメント(B)が50、期待値(E)が10、M=5、N=4、および両鎖の比較を使用する。BLASTアルゴリズム(Karlin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1993,90,5873−5787、これは、参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる)およびGapped BLASTは、2つの配列間の類似度の統計解析を行う。BLASTアルゴリズムによって提供される類似度の1つの測定は、2つのヌクレオチド配列間の一致が偶然に生じる確立の指標を与える最小合計確立(smallest sum probability(P(N))である。例えば、試験核酸と他の核酸の比較における最小合計確立が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、および最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は別の核酸と類似するとみなされる。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「遺伝子構築物」という用語は、タンパク質をコードする核酸配列を含むDNAまたはRNA分子を表す。コード配列は、この核酸分子が投与される個体の細胞において発現を指示することができる、プロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む調節要素と作動可能に連結された開始および終止シグナルを含む。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「発現できる型」という用語は、タンパク質をコードするコード配列と作動可能に連結した必須の調節配列を含む遺伝子構築物を表し、個体の細胞に存在する時、このコード配列は発現する。
【0026】
免疫原によって誘導される細胞性免疫反応を高めるための多面的戦略から生じる改良型ワクチンを開示する。改変したコンセンサス配列を作製した。コドン最適化、RNA最適化、および高効率な免疫グロブリンリーダー配列の付加を含む遺伝子改変も開示する。この新規の構築物を、対応するコドン最適化免疫原よりも強力で、広範な細胞性免疫反応を引き起こすように設計した。
【0027】
改良型HCVワクチンは、抗HCVを誘導することができる免疫原として改良型ワクチンを特に効果的にさせるエピトープを有するタンパク質、およびエピトープを有するタンパク質をコードする遺伝子構築物に基づく。したがって、ワクチンは治療的または予防的に免疫反応を誘導し得る。いくつかの実施形態において、この免疫原を送達する手段には、DNAワクチン、組み換えワクチン、タンパク質サブユニットワクチン、この免疫原を含む組成物、弱毒化ワクチンまたは不活化ワクチンがある。いくつかの実施形態において、このワクチンは、以下を含む群から選択される組み合わせを含む:1つ以上のDNAワクチン、1つ以上の組み換えワクチン、1つ以上のタンパク質サブユニットワクチン、この免疫原を含む1つ以上の組成物、1つ以上の弱毒化ワクチンおよび1つ以上の不活化ワクチン。
【0028】
いくつかの実施形態によると、ワクチンが個体に送達され、この個体の免疫システムの活性を調節し、それによって、HCVに対する免疫反応が高まる。このタンパク質をコードする核酸分子がこの個体の細胞に取り込まれると、このヌクレオチド配列がこれらの細胞において発現し、それによって、このタンパク質が個体に送達される。プラスミドなどの核酸分子上のこのタンパク質のコード配列を、組み換えワクチンの一部としておよび弱毒化ワクチンの一部として、単離したタンパク質またはベクターのタンパク質部分として、送達する方法を提供する。
【0029】
HCVに対して予防的および/または治療的に個体を免疫化する組成物ならびに方法を提供する。
【0030】
この免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を送達するための組成物を、調節要素と作動可能に連結する。組成物には、この免疫原をコードするプラスミド、この免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えワクチン、本発明のタンパク質をコードするおよび/または本発明のタンパク質を含む弱毒化された生の病原体;本発明のタンパク質を含む不活化病原体;または本発明のタンパク質を含むリポソームもしくはサブユニットワクチンなどの組成物が含まれてもよい。本発明は、さらに、組成物を含む注射可能な医薬組成物に関する。
【0031】
配列番号1は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む。配列番号1は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原をコードするヌクレオチド配列に連結されたIgEリーダー配列をさらに含む。配列番号2は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列を含む。配列番号2は、コンセンサス免疫原配列に連結されたIgEリーダー配列をさらに含む。このIgEリーダー配列は配列番号4であり、配列番号3によってコードされ得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、ワクチンは配列番号4、または配列番号4をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態において、ワクチンは、好ましくは、配列番号2または配列番号2をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態において、ワクチンは、好ましくは、配列番号1を含む。ワクチンは、好ましくは、配列番号4のIgEリーダー配列またはこのIgEリーダー配列をコードする核酸配列を含む。
【0033】
配列番号1の断片は、90以上のヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号1の断片は、180以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、270以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、360以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、450以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、540以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、630以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、720以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、810以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、900以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、990以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1080以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1170以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1260以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1350以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1440以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1530以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1620以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1710以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1800以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1890以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1980以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、2070以上のヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号1の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号1の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。配列番号1の断片は、180未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、270未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、360未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、450未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、540未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、630未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、675未満のヌクレオチドを含んでもよい。
【0034】
配列番号2の断片は、30以上のアミノ酸を含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号2の断片は、60以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、90以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、120以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、150以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、180以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、210以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、240以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、270以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、300以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、330以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、360以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、390以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、420以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、450以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、480以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、510以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、540以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、570以上のアミノ酸を、くつかの実施形態において、600以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、630以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、660以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、690以上のアミノ酸を含んでもよい。配列番号2の断片は、90未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、120未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、150未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、180未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、210未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、240未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、270未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、300未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、330未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、360未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、390未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、420未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、450未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、480未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、540未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、600未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、660未満のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、690未満のアミノ酸を含んでもよい。
【0035】
配列番号5は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む。配列番号6は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列を含む。
【0036】
配列番号5の断片は、90以上のヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号5の断片は、180以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、270以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、360以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、450以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、540以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、630以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、720以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、810以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、900以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、990以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1080以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1170以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1260以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1350以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1440以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1530以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1620以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1710以上のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、1800以上のヌクレオチドを含んでもよい。配列番号5の断片は、180未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、270未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、360未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、450未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、540未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、630未満のヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、675未満のヌクレオチドを含んでもよい。
【0037】
配列番号6の断片は、30以上のアミノ酸を含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号6の断片は、60以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、90以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、120以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、150以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、180以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、210以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、240以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、270以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、300以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、330以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、360以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、390以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、420以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、450以上のアミノ酸を、いくつかの実施形態において、480以上のアミノ酸を含んでもよい。配列番号6の断片は、90未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、120未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、150未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、180未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、210未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、240未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、270未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、300未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、330未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、360未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、390未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、420未満のアミノ断を、いくつかの実施形態において、450未満のアミノ断を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態によると、免疫原に対する免疫反応を個体において誘導する方法は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列、もしくはその機能的断片、またはその発現できるコード配列をこの個体に投与することを含む。いくつかの実施形態は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列またはその断片をコードする単離した核酸分子を含む。いくつかの実施形態は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列またはその断片をコードする組み換えワクチンを含む。いくつかの実施形態は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列またはその断片を含むサブユニットワクチンを含む。いくつかの実施形態は、HCVタンパク質NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス免疫原のアミノ酸配列またはその断片を含む弱毒化生クチンおよび/または不活化ワクチンを含む。
【0039】
改良型ワクチンは、抗HCV免疫反応を誘導することができる免疫原として改良型ワクチンを特に効果的にさせるエピトープを有するタンパク質、およびエピトープを有するタンパク質をコードする遺伝子構築物を含む。したがって、治療的または予防的に免疫反応を誘導するために、ワクチンを提供することができる。いくつかの実施形態において、この免疫原を送達する手段には、DNAワクチン、組み換えワクチン、タンパク質サブユニットワクチン、この免疫原を含む組成物、弱毒化ワクチンまたは不活化ワクチンがある。いくつかの実施形態において、このワクチンは、以下を含む群から選択される組み合わせを含む:1つ以上のDNAワクチン、1つ以上の組み換えワクチン、1つ以上のタンパク質サブユニットワクチン、この免疫原を含む1つ以上の組成物、1つ以上の弱毒化ワクチン、1つ以上の不活化ワクチン。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によると、ワクチンが個体に送達され、この個体の免疫システムの活性を調節し、それによって、免疫反応が高まる。このタンパク質をコードする核酸分子がこの個体の細胞に取り込まれると、このヌクレオチド配列がこれらの細胞において発現し、それによって、このタンパク質がこの個体に送達される。本発明の態様は、プラスミドなどの核酸分子上のこのタンパク質のコード配列を、組み換えワクチンの一部として、弱毒化ワクチンの一部として、単離したタンパク質またはベクターのタンパク質部分として、送達する方法を提供する。
【0041】
本発明のいくつかの態様によると、予防的におよび/または治療的に個体を免疫化する組成物ならびに方法が提供される。
【0042】
DNAワクチンは、米国特許第5,593,972号、同第5,739,118号、同第5,817,637号、同第5,830,876号、同第5,962,428号、同第5,981,505号、同第5,580,859号、同第5,703,055号、同第5,676,594号、および本明細書で引用する優先出願に記載されており、これらは参照により本明細書に各々が組み込まれる。それらの出願に記載される送達プロトコールに加えて、DNAを送達する代替方法は、米国特許第4,945,050号および同第5,036,006号に記載されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
本発明は、改良型弱毒化生ワクチン、改良型不活化ワクチン、および抗原をコードする外来遺伝子を送達するために組み換えベクターを使用する改良型ワクチン、さらにサブユニットワクチンおよび糖たんぱく質ワクチンに関する。弱毒化生ワクチン、外来抗原を送達するために組み換えベクターを使用するワクチン、サブユニットワクチンおよび糖タンパク質ワクチンの例は、米国特許第4,510,245号、同第4,797,368号、同第4,722,848号、同第4,790,987号、同第4,920,209号、同第5,017,487号、同第5,077,044号、同第5,110,587号、同第5,112,749号、同第5,174,993号、同第5,223,424号、同第5,225,336号、同第5,240,703号、同第5,242,829号、同第5,294,441号、同第5,294,548号、同第5,310,668号、同第5,387,744号、同第5,389,368号、同第5,424,065号、同第5,451,499号、同第5,453,364号、同第5,462,734号、同第5,470,734号、同第5,474,935号、同第5,482,713号、同第5,591,439号、同第5,643,579号、同第5,650,309号、同第5,698,202号、同第5,955,088号、同第6,034,298号、同第6,042,836号、同第6,156,319号および同第6,589,529号に記載されており、これらは参照により本明細書に各々が組み込まれる。
【0044】
細胞に取り込まれると、この遺伝子構築物は、機能している染色体外分子としてこの細胞内に存在したままであってもよくおよび/またはこの細胞の染色体DNAに組み込まれてもよい。DNAは細胞内に導入されてもよく、そこで、のプラスミドの形態の別々の遺伝物質として留まる。あるいは、染色体に組み込むことができる直鎖DNAを、この細胞に導入してもよい。この細胞にDNAを導入する場合、染色体へのDNA組み込みを促進する薬剤を加えてもよい。組み込みを促進するのに有用なDNA配列が、このDNA分子に含まれてもよい。あるいは、RNAをこの細胞に投与してもよい。セントロメア、テロメアおよび複製開始点を含む直鎖ミニ染色体としてこの遺伝子構築物を提供することも考えられる。遺伝子構築物は、細胞内で生存する弱毒化された生の微生物または組み換え微生物ベクターの遺伝物質の一部のままであってもよい。遺伝子構築物は、組み換えウイルスワクチンのゲノムの一部であってもよく、ここで、この遺伝物質はこの細胞の染色体に組み込まれるかまたは染色体外に留まるかのいずれかである。遺伝子構築物は、核酸分子の遺伝子発現に必要な調節要素を含む。この要素は、プロモーター、開始コドン、終止コドン、およびポリアデニル化シグナルを含む。さらに、大抵、エンハンサーは、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードする配列の遺伝子発現に必要とされる。これらの要素は、所望のタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されること、およびこれらの調節要素は、これらが投与される個体において作動可能である必要がある。
【0045】
開始コドンおよび終止コドンは、一般に、所望のタンパク質をコードするヌクレオチド配列の一部であると考えられる。しかし、これらの要素は、この遺伝子構築物が投与される個体において機能的である必要がある。開始および終止コドンはコード配列と共にフレームの中になければならない。
【0046】
使用されるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルは、個体の細胞内で機能的でなければならない。
【0047】
本発明を実行するのに、特にヒトの遺伝子ワクチンの産生において有用なプロモーターの例として、シミアンウイルス40(SV40)プロモーター、マウス乳ガンウイルス(MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、例えばウシ免疫不全ウイルス(BIV)末端反復配列(LTR)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(ALV)プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、例えばCMV最初期プロモーター、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターならびにヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンおよびヒトメタロチオネインなどのヒト遺伝子由来のプロモーターが挙げられるが、それらに限定されない。
【0048】
本発明を実行するのに、特にヒトの遺伝子ワクチンの産生において有用なポリアデニル化シグナルの例として、SV40ポリアデニル化シグナルおよびLTRポリアデニル化シグナルが挙げられるが、それらに限定されない。特に、プラスミドpCEP4(Invitrogen,San Diego CA)内のSV40ポリアデニル化シグナルと称されるSV40ポリアデニル化シグナルを使用する。
【0049】
DNA発現に必要な調節要素に加えて、他の要素もこのDNA分子の中に含まれてもよい。かかる追加の要素はエンハンサーを含む。このエンハンサーは、以下を含む群から選択されてもよいがそれらに限定されない:ヒトアクチンエンハンサー、ヒトミオシンエンハンサー、ヒトヘモグロビンエンハンサー、ヒト筋肉クレアチンエンハンサーおよびCMV、RSVおよびEBVのエンハンサーなどのウイルスエンハンサー。
【0050】
遺伝子構築物は、染色体外にこの遺伝子構築物を維持し、細胞内でこの構築物の複数のコピーを産生するために、哺乳類複製開始点が供給され得る。インビトロジェン(San Diego,CA)のプラスミドpVAX1、pCEP4およびpREP4は、組み込まれることなく、高コピーのエピソーム複製を行うエプスタイン・バーウイルス複製開始点および核抗原EBNA−1コード領域を含む。
【0051】
免疫化の適用に関連するいくつかの好ましい実施形態において、本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列、および追加として、かかる標的タンパク質に対する免疫反応をさらに高めるタンパク質の遺伝子を含む1つ以上の核酸分子を送達する。かかる遺伝子の例として、α−インターフェロン、γ−インターフェロン、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM−CSF、上皮細胞増殖因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、MHC、CD80、CD86ならびにシグナル配列が除去され、任意でIgEのシグナルペプチドを含むIL−15を含むIL−15などの他のサイトカインおよびリンホカインをコードする遺伝子が挙げられる。有用であり得る他の遺伝子には、以下をコードする遺伝子が含まれる:MCP−1、MIP−lα、MIP−1p、IL−8、RANTES、L−セレクチン、P−セレクチン、E−セレクチン、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、pl50.95、PECAM、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、CD2、LFA−3、M−CSF、G−CSF、IL−4、IL−18の突然変異型、CD40、CD40L、血管増殖因子、IL−7、神経成長因子、血管内皮増殖因子、Fas、TNF受容体、Flt、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP−1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2およびそれらの機能的断片。
【0052】
何らかの理由で、この遺伝子構築物を受け取る細胞を除去することが望ましい場合、細胞破壊の標的として機能を果たす追加の要素を加えてもよい。発現できる型のヘルペスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子を、この遺伝子構築物に含めることができる。薬剤ガンシクロビルをこの個体に投与することができ、かつこの薬剤は、tkを産生する全細胞を選択的に死滅させ、したがって、この遺伝子構築物と共に細胞の選択的破壊のための手段を提供する。
【0053】
タンパク質産生を最大限するため、この構築物が投与される細胞における遺伝子発現に十分に適した調節配列を選択してもよい。さらに、細胞内で最も効率的に転写されるコドンを選択してもよい。当業者は、細胞内で機能的なDNA構築物を作製することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、本明細書記載のタンパク質のコード配列がIgEシグナルペプチドに連結される核酸構築物が提供され得る。いくつかの実施形態において、本明細書記載のタンパク質は、IgEシグナルペプチドに連結される。
【0055】
タンパク質が用いられるいくつかの実施形態において、例えば、当業者は、周知の技術を用いて、本発明のタンパク質を産生および単離することができる。タンパク質が用いられるいくつかの実施形態において、例えば、当業者は、周知の技術を用いて、本発明のタンパク質をコードするDNA分子を、周知の発現系で使用するために市販の発現ベクターに挿入することができる。例えば、市販のプラスミドpSE420(Invitrogen,San Diego,Calif.)をEscherichia coli(E.coli)におけるタンパク質産生のために使用してもよい。例えば、市販のプラスミドpYES2(Invitrogen,San Diego,Calif.)を、酵母のサッカロマイセス・セレヴィシエ(S.cerevisiae)株におけるタンパク質産生のために使用してもよい。例えば、市販のMAXBAC(登録商標)完全バキュロウイルス発現系(Invitrogen,San Diego,Calif.)を昆虫細胞におけるタンパク質産生ために使用してもよい。例えば、市販のプラスミドpcDNA IまたはpcDNA3(Invitrogen,San Diego,Calif)を、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳類細胞におけるタンパク質産生のために使用してもよい。当業者は、通例の技術およびすぐに入手できる出発原料によりタンパク質を産生するために、これらの市販の発現ベクターおよび発現系または他のものを使用することができる(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning a Laboratory Manual,Second Ed.Cold Spring Harbor Press(1989)参照、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。従って、所望のタンパク質を原核細胞系および真核細胞系の両方において準備することができ、このタンパク質の一連のプロセシング型をもたらす。
【0056】
当業者は、他の市販の発現ベクターおよび発現系を使用してもよく、または周知の方法およびすぐに入手できる出発原料を用いてベクターを産生してもよい。プロモーターおよびポリアデニル化シグナル、ならびに好ましくはエンハンサーなどの必須の制御配列を含む、様々な種類の宿主に対する発現系は、すぐに入手でき、当業者に知られている。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning a Laboratory Manual,Second Ed.Cold Spring Harbor Press(1989)参照。遺伝子構築物は、この構築物がトランスフェクトされる細胞株において機能的なプロモーターと作動可能に連結されたタンパク質コード配列を含む。構成的プロモーターの例として、サイトメガロウイルスまたはSV40のプロモーターが挙げられる。誘導できるプロモーターの例として、マウス乳腺白血病ウイルスまたはメタロチオネインプロモーターが挙げられる。当業者は、すぐに入手できる出発物質から、本発明のタンパク質をコードするDNAで細胞をトランスフェクトするのに有用な遺伝子構築物を容易に作製することができる。このタンパク質をコードするDNAを含む発現ベクターを用いて、適合性宿主を形質転換し、その後、外来DNAの発現が起こる条件下で培養し、維持する。
【0057】
産生させたタンパク質を、必要に応じて、当業者に知られる方法で、これらの細胞を溶解することによって培養物から回収するか、または培地から回収した。当業者は、周知の方法を用いて、かかる発現系を用いて産生されるタンパク質を単離することができる。上記の特異的タンパク質と特異的に結合する抗体を用いて天然源からタンパク質を精製する方法を、組み換えDNA法によって産生されるタンパク質の精製に同様に適用してもよい。
【0058】
組み換え技術によるタンパク質産生に加えて、自動化ペプチド合成機も使用して、本質的には純粋な単離されるタンパク質を産生してもよい。かかる技術は当業者に周知であり、置換を有する誘導体がDNAコード化タンパク質産生に供給されない場合に有用である。
【0059】
DNA注射(DNAワクチンとも称される)、組み換えアデノウイルス、組み換えアデノウイルス関連ウイルスおよび組み換えワクシニアなどの組み換えベクターを含むいくつかの周知の技術のいずれかを用いて、これらの核酸分子を送達してもよい。
【0060】
投与経路には、筋肉内経路、鼻腔内経路、腹腔内経路、皮内経路、皮下経路、静脈内経路、動脈内経路、眼球内経路、および経口経路、ならびに粘膜組織への吸入剤もしくは坐薬による、例えば、膣、直腸、尿道、頬および舌下の組織へ洗浄による局所的経路、経皮的経路が含まれるが、それらに限定されない。好ましい投与経路には、筋肉内注射、腹腔内注射、皮内注射および皮下注射が含まれる。遺伝子構築物は、電気穿孔の方法および装置、従来の注射器、無針注射器具、または「微粒子銃によって行われる銃撃」を含むがそれらに限定されない手段により投与されてもよい。
【0061】
これらのDNAワクチンの送達を促進するのに好ましい電気穿孔装置および電気穿孔法の例には、Draghia−Akliらによる米国特許第7,245,963号、Smithらにより出願された米国特許出願公開第2005/0052630号(これらの内容は、参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる)に記載される例が含まれる。35USC119(e)条の下、2006年10月17日に出願された米国特許仮出願第60/852,149号および2007年10月10日に出願された米国特許仮出願第60/978,982号の利益を主張する、2007年10月17日に出願された同時係属で共同所有の米国特許出願第11/874072号(これらの全ては、参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる)に提供されるDNAワクチンの送達を促進する電気穿孔装置および電気穿孔法も好ましい。
【0062】
以下は、電気穿孔技術を用いた実施形態の例であり、上記で論じた特許参考文献により詳細に論じられる:電気穿孔装置は、使用者により事前に設定された電流入力と同じような定電流を生み出すエネルギーのパルスを、哺乳類の所望の組織へ送達するように配置され得る。電気穿孔装置は、電気穿孔構成要素および電極集合体またはハンドル集合体を含む。電気穿孔構成要素は、制御装置、電流波形発生器、インピーダンス試験器、波形自動記録装置、入力要素、状況報告要素、伝達ポート、記録構成要素、電源、および電源スイッチを含む電気穿孔装置の1つ以上の様々な要素を含むこと、および取り込むことができる。電気穿孔構成要素は、電気穿孔装置の1つの要素として機能することができ、他の要素は、電気穿孔構成要素と連通する別々の要素(または構成要素)である。いくつかの実施形態において、電気穿孔構成要素は、電気穿孔装置の2つ以上の要素として機能し得、それは電気穿孔構成要素から分離した電気穿孔装置のさらに他の要素と連通することができる。要素は1つの装置として、または互いに連通する別々の要素として機能することができるので、改良型HCVワクチンを送達するために電気穿孔技術を用いることは、1つの電気機械装置または機械装置の一部として存在する電気穿孔装置の要素に限定されない。電気穿孔構成要素は、所望の組織に定電流を生み出すエネルギーパルスを送達することができ、フィードバック機構を含む。電極集合体は、空間的配置に複数の電極を有する電極アレイを含み、電極集合体は、電気穿孔構成要素からエネルギーパルスを受け取り、電極を通して所望の組織にエネルギーパルスを送る。複数の電極の少なくとも1つは、エネルギーパルスの送達の間は中性で、所望の組織のインピーダンスを測定し、電気穿孔構成要素へそのインピーダンスを伝える。フィードバック機構は、測定されたインピーダンスを受け取ることができ、定電流を維持するために、電気穿孔構成要素により送達されたエネルギーパルスを調節することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、複数の電極は、分散的パターンでエネルギーパルスを送達することができる。いくつかの実施形態において、複数の電極は、プログラムされた順番の下で、電極制御を介して分散的パターンでエネルギーパルスを送達することができ、使用者は、プログラムされた順番を電気穿孔構成要素に入力する。いくつかの実施形態において、プログラムされた順番は、順に送達された複数のパルスを含み、複数のパルスの各パルスは、インピーダンスを測定する1つの中性極と共に少なくとも2つの活性電極により送達され、複数のパルスの次のパルスは、インピーダンスを測定する1つの中性極と共に少なくとも2つの活性電極の別の1つによって送達される。
【0064】
いくつかの実施形態において、フィードバック機構は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかによって行われる。好ましくは、フィードバック機構は、アナログ閉ループ回路によって行われる。好ましくは、このフィードバックは、毎50μs、20μs、10μsまたは1μsで生じるが、好ましくはリアルタイムなフィードバックつまり瞬間的(すなわち、反応時間を決定するための利用できる技術によって決定されるような事実上の瞬間的)である。いくつかの実施形態において、中性電極は、所望の組織においてインピーダンスを測定し、そのインピーダンスをフィードバック機構へ伝達し、フィードバック機構はそのインピーダンスに応答し、事前設定電流と同じような値で定電流を維持するためにエネルギーパルスを調節する。いくつかの実施形態において、フィードバック機構は、エネルギーパルス送達の間、連続的に、瞬間的に定電流を維持する。
【0065】
いくつかの実施形態において、この核酸分子を、ポリヌクレオチド機能的エンハンサーまたは遺伝子ワクチン促進剤と併用して、これらの細胞に送達する。ポリヌクレオチド機能的エンハンサーは、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号および1994年1月26日に出願された国際出願第PCT/US94/00899号に記載されており、これらは参照により本明細書に各々組み込まれる。遺伝子ワクチン促進剤は、1994年4月1日に提出された米国特許第021,579号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。核酸分子と併用して投与する助剤を、核酸分子の投与前後に、これらの核酸分子との混合物として投与するか、または別々に、同時に投与してもよい。さらに、トランスフェクション剤および/または複製剤および/または炎症性薬剤として機能し得、GVFと一緒に投与され得る他の薬剤には、α−インターフェロン、γ−インターフェロン、GM−CSF、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNF、上皮細胞増殖因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−10、IL−12およびIL−15などの増殖因子、サイトカインおよびリンホカイン、ならびに線維芽細胞増殖因子、免疫刺激複合体(ISCOMS)などの表面活性剤、フロイント完全アジュバンド、モノホスホリルリピドA(WL)を含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体およびスクアレンスクアレンなどの小胞が含まれ、かつヒアルロン酸も、この遺伝子構築物と併用して投与するのに使用してもよい。いくつかの実施形態において、免疫調節タンパク質を、GVFとして使用してもよい。いくつかの実施形態において、送達および取り込みを高めるために、この核酸分子をPLGと関連して提供する。
【0066】
本発明による医薬組成物は、約1ng〜約2000μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、本発明による医薬組成物は、約5ng〜約1000μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、これらの医薬組成物は、約10ng〜約800μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、これらの医薬組成物は、約0.1〜約500μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、これらの医薬組成物は、約1〜約350μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、これらの医薬組成物は、約25〜約250μgのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、これらの医薬組成物は、約100〜約200μgのDNAを含む。
【0067】
本発明による医薬組成物を、使用する投与方法に従って処方する。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合において、注射可能な医薬組成物は無菌で、発熱物質も粒子も含まない。好ましくは、等張製剤を使用する。一般に、等張性の添加材には、塩化ナトリウム、D型グルコース、マンニトール、ソルビトールおよび乳糖が含まれ得る。場合によっては、リン酸緩衝食塩水などの等張液が好ましい。安定剤には、ゼラチンおよびアルブミンが含まれる。いくつかの実施形態において、血管収縮剤がこの製剤に加えられる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態によると、免疫反応を誘導する方法が提供される。このワクチンは、タンパク質に基づく、弱毒化生ワクチン、細胞ワクチン、組み換えワクチンまたは核酸もしくはDNAワクチンであってもよい。いくつかの実施形態において、粘膜免疫反応を誘導する方法を含む、免疫原に対する免疫反応を個体において誘導する方法は、CTACKタンパク質、TECKタンパク質、MECタンパク質およびそれらの機能的断片またはそれらの発現できるコード配列のうちの1つ以上を、本発明のタンパク質をコードする単離した核酸分子および/または本発明のタンパク質をコードする組み換えワクチン、および/または本発明のタンパク質のサブユニットワクチンおよび/または弱毒化生ワクチンおよび/または不活化ワクチンと組み合わせて、この個体に投与することを含む。CTACKタンパク質、TECKタンパク質、MECタンパク質およびそれらの機能的断片のうちの1つ以上を、免疫原をコードする単離した核酸分子;および/または免疫原をコードする組み換えワクチンおよび/または免疫原を含むサブユニットワクチンおよび/または弱毒化生ワクチンおよび/または不活化ワクチンの投与前に、それと同時に、またはその後に投与してもよい。いくつかの実施形態において、CTACK、TECK、MECおよびそれらの機能的断片からなる群から選択される1つ以上のタンパク質をコードする単離した核酸分子を、この個体に投与する。
【0069】
本発明は、以下の実施例においてさらに明らかにされる。この実施例は本発明の実施形態を示すが、単なる説明の目的で与えられるということが理解されるべきである。上記の議論およびこの実施例から、当業者は本発明の本質的特徴を突き止めることができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な使用および条件に本発明を適用するために、本発明の様々な変更および改良を行うことができる。したがって、本明細書に示され、記載される改良に加えて、本発明の様々な改良は、先の記載から当業者に明らかになる。かかる改良は、添付の特許請求の範囲に入ることも意図される。
【0070】
米国特許、米国特許出願、および本開示の中で引用される参考文献の各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0071】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、現在の感染者が17億を超え、世界の人口のおおよそ3%に匹敵する、世界中を悩ます主要な健康問題である。HCVは、肝細胞に優先的に感染し、感染患者のうち70%以下の肝臓の中で生き残ることができる。慢性感染患者の30%以下が、HCV感染の結果として進行性の肝疾患を発症し始め、このウイルスを世界中の肝移植の主要原因とさせている。現在、HCVに対するワクチンはない。多段階式アプローチを使用して、強力な細胞性免疫を誘導することができる、新規の遺伝子型1a/1bコンセンサスHCV NS3/NS4ADNAワクチンを開発した。この構築物は、C57BL/6マウスおよびアカゲザルにおいて、強力な抗NS3/NS4AのT細胞反応を誘導することができる。
【0072】
材料および方法
NS3/NS4AのHCV遺伝子型1a/1bコンセンサス配列の作製
NS3のコンセンサス配列を、15個の異なる遺伝子型1a配列および26個の異なる遺伝子型1b配列から作製した。NS4Aのコンセンサス配列を、15個の異なる遺伝子型1a配列および19個の異なるHCV遺伝子型1b配列から作製した。これらの配列を、標本誤差を避けるために複数の国々から選んだGenBankから入手し、Clustal X(version 1.8)ソフトウェアを用いて整列させ、最終のNS3/NS4Aコンセンサス配列を作製した。
【0073】
NS3/NS4Aコンセンサス配列の追加的改変
コンセンサスNS3/NS4A配列を、IgEリーダー配列、細胞内タンパク質分解の切断部位およびC末端HAタグを付加することによりさらに改変した(図1)。GeneOptimizer(登録商標)(GENEART,Germany)を用いて、この最終配列をコドンおよびRNA最適化した。
【0074】
HCVのNS3/NS4AのDNA免疫原
最終のコンセンサスNS3/NS4A融合遺伝子(ConNS3/NS4A)を合成し、GENEART(Germany)によって、配列を検証した。ConNS3/NS4AをBamH1およびNot1で消化し、CMVプロモーターの制御下の臨床用発現ベクターpVAX(Invitrogen)にサブクローニングした。この最終構築物をpConNS3/NS4Aと命名した。
【0075】
免疫蛍光法
Lipofectamine(登録商標)(Invitrogen)を用いて、製造業者の指針に従い、Huh7.0細胞をpConNS3/NS4Aで一過的にトランスフェクトした。トランスフェクション48時間後、これらの細胞を透過処理し、この融合構築物のC末端HAタグに対するマウスモノクローナル抗体(Invitrogen)を用いて、続いて、TRITC結合ヤギ抗マウス2次抗体(Invitrogen)を用いて、タンパク質発現を調べた。
【0076】
マウス試験
免疫化/電気穿孔
メスの6〜8週齢のC57BL/6マウスをジャクソン研究所から購入し、米国国立衛生研究所およびペンシルベニア大学の動物の施設保護および使用に関する委員会(IACUC)の指針に従って飼育した。
【0077】
このマウスを1群あたり3匹のマウスに分け、pConNS3/NS4Aまたは空の発現ベクターpVAX(陰性対照)のいずれかで免疫化した。各マウスに、2週間の間隔をあけて、3回の筋肉内注射を行った。各筋肉注射後、26ゲージのステンレス鋼電極から成る3つの電極アレイを筋肉に穏やかに挿入し、短方形波の定電流EKDを施した。
【0078】
脾細胞の単離
3回目の免疫化の1週間後にこれらのマウスを屠殺し、グループごとにそれらの脾臓を貯蔵した。Stomacher machineを用いて、これらの脾臓を粉砕し、得られた産物を40μMの細胞濾過器に通過させ、これらの脾細胞を単離した。これらの細胞を、ACK溶解緩衝液(Biosource)で5分間処理し、RBCを除去した。脾細胞の溶解後、10%FBSを加えたRPMI培地に再懸濁した。血球計を用いて、細胞数を測定した。
【0079】
IFN−γELISpot
マウスIFN−γELISpotアッセイを、以前に記載されたように行った(Yan.,J.,et al.,Enhanced cellular immune responses elicited by an engineered HIV−1 subtype B consensus−based envelope DNA vaccine.Mol Ther,2007.15(2):p.411−21)。pConNS3/NS4Aタンパク質の8個のアミノ酸が重複し、そのタンパク質の全長に及ぶ15merのペプチドの5種類の異なるプールで、脾細胞を刺激した。これらのペプチドをインビトロジェン社が合成し、1ペプチドあたり2μg/mlの濃度で保存した。1ウェルあたり200,000細胞の濃度でこれらの脾細胞を蒔き、スポット形成単位(SFU)の平均数を、グラフ化の目的のために、1×10脾細胞に調製した。
【0080】
エピトープの地図作成
これらの15merの重複ペプチドを21種類の別々のプールの中で貯蔵し、それぞれのペプチドはこれらの21種類のプールのうちの2つのプールに含まれる。その後、上記のIFN−γELISpotアッセイにおいて、脾細胞を各プールで刺激した。
【0081】
アカゲザル試験
試験設計および免疫化
実験動物の管理および使用の指針に従って、インド生まれの合計5匹のアカゲザルを使用し、飼育した。プラスミドを調製し、HPLC精製し(VGX Pharmaceuticals,Immune Therapeutics Division,The Woodlands,TX)、1%(重量/重量)ポリ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(MW=10.5kDa)(Sigma)で調製した滅菌水で希釈した。
【0082】
これらのアカゲザルに筋肉注射を行い、続いて、CELLECTRA(登録商標)適応性定電流電気穿孔装置および電極アレイを用いて電気穿孔を行った。0.75ml量の中の1mgのpConNS3/NS4Aを各々のサルに注射し、続いて、0.5アンペアの定電流で、各々1秒間空けて、52m秒の長さのパルスを3回与えた。各々のサルを、4週間の間隔を空けて、2回免疫化した。
【0083】
血液採取およびPBMC単離
最初の免疫化の前に1度および各免疫化の2週間後に、これらのアカゲザルの採血を行った。これらの動物を、ケタミン(10mg/kg)およびアセプロマジン(0.1mg/kg)の混合物で麻酔した。血液をEDTA試験管に採取し、標準的なフィコール・ハイパック密度勾配遠心分離法を用いて、PBMCを単離した。単離したPBMCを完全培地(2mM/LのL−グルタミン、10%熱失活FBS、1×抗生物質/抗真菌剤、および55μM/Lのβ−メルカプトエタノールを加えたRPMI 1640)に再懸濁した。
【0084】
IFN−γELISpotアッセイを、スウェーデンのマブテック社(MabTech)の検出抗体および捕捉抗体を用いて、以前に記載されたように行った(Boyer,J.D.,et al.,SIV DNA vaccine co−administered with IL−12 expression plasmid enhances CD8 SIV cellular immune responses in cynomolgus macaques.J Med Primatol,2005.34(5−6):p.262−70)。
【0085】
結果
HCV構造タンパク質NS3/NS4Aの新規HCV遺伝子型1a/1bコンセンサス融合免疫原の構築
HCVの高変異率により、様々なウイルス株に対する防御のためだけでなく、ウイルスのエスケープ変異体に対する保護による慢性感染患者における制御を維持するために、複数の免疫標的部位を有する免疫原の設計が重要である。ワクチンとの関連でコンセンサス免疫原を使用することは、天然の免疫原のみを有するワクチンと比較して、より広範な免疫反応を引き起こすことができる可能性があることを、以前の研究結果は報告している。これらの研究結果に基づき、NS3/NS4Aタンパク質に対する免疫反応の幅を拡大させることを期待して、HCV遺伝子型1a/1bのNS3/NS4Aコンセンサス配列をコードする構築物を設計した。このコンセンサス配列を、GenBankから入手した合計75種類の異なる配列から作製した。Clustal X(version 1.8)ソフトウェアを用いて、単一のコンセンサス配列を作製するのに必要とされる複数のアラインメントを作成した(図1)。
【0086】
図2に示すように、このコンセンサス免疫原をさらに改変し、発現および免疫原性を増加させた。NS3タンパク質の安定性、発現および免疫原性を高める能力について報告されたことにより、NS4Aをこの構築物の中に含めた(Frelin,L.,et al.,Low dose and gene gun immunization with a hepatitis C virus nonstructural(NS)3 DNA−based vaccine containing NS4A inhibit NS3/4A−expressing tumors in vivo.Gene Ther,2003.10(8):p.686−99;Wolk,B.,et al.,Subcellular localization,stability,and trans−cleavage competence of the hepatitis C virus NS3−NS4A complex expressed in tetracycline−regulated cell lines.J Virol,2000.74(5):p.2293−304;Tanji,Y.,et al.,Hepatitis C virus−encoded nonstructural protein NS4A has versatile functions in viral protein processing.J Virol,1995.69(3):p.1575−81)。正確な折りたたみ、およびより有効なCTLプロセシングを確実にするために、2つのタンパク質配列間に、細胞内タンパク質分解の切断部位を導入した。さらに、この構築物の発現をさらに高めるために、IgEリーダー配列を、NS3タンパク質の開始コドンの上流に結合させ、この構築物全体を、ヒトにおける発現のためにコドンおよびRNA最適化を行った。遺伝子工学処理して合成した最終のConNS3/NS4A遺伝子は2169塩基長であり、BamH1およびNot1制限酵素部位を用いて、臨床用の発現ベクターpVAXにサブクローニングした。
【0087】
pConNS3/NS4Aの発現
Huh7.0細胞株をpConNS3/NS4Aで一過的トランスフェクションすることにより、pConNS3/NS4Aの発現を確認した(図3)。翻訳されたタンパク質を、この構築物のC末端HAタグに対するモノクローナル抗体で検出し、免疫蛍光法を用いて視覚化した。陰性対照として、細胞を空のpVAXベクターでも一過的にトランスフェクトし、モノクローナル抗HA抗体で染色した。
【0088】
pConNS3/NS4AでのC57BL/6マウスの免疫化は、強力な細胞性NS3およびNS4A特異的免疫反応を誘導する。
pConNS3/NS4Aが、マウスにおいて細胞性免疫反応を誘導することができるかどうかを調べるために、pConNS3/NS4Aの発現の確認後、マウスをこの構築物で筋肉注射により免疫化し、続いて、電気穿孔を行った。4種類の異なる投与量のpConNS3/NS4Aを用いて、C57BL/6を3回免疫化した。これらのマウスを3回目の免疫化の1週間後に屠殺し、IFN−γELISpotアッセイを用いて、この構築物に対する細胞性免疫反応を測定した。pConNS3/NS4Aの8個のアミノ酸が重複し、その配列に及ぶ15merのペプチドの5種類のプールで、ワクチン接種したマウスの脾細胞を刺激した。図4Aに示すように、pConNS3/NS4Aは、投与量に関わらず、強い細胞性免疫反応を誘導することができる。
【0089】
次に、基質エピトープの地図作成技術を用いて、IFN−γELISpotアッセイにおいて、pConNS3/NS4Aの主要エピトープを同定した。C57BL/6マウスにおけるpConNS3/NS4Aの主要エピトープを、NS3タンパク質のC末端近傍に位置するペプチド89(LYRLGAVQNEVTLTH(配列番号9))に位置付けた(図4B)。このことは、ペプチド89の中に含まれるGAVQNEVTH(配列番号10)の9個のアミノ酸配列を、主要H−2b CTLエピトープと同定した以前の研究により支持される。この発見は、発明者らのコンセンサス免疫原の正常で効果的なプロセシングを主張する。
【0090】
pConNS3/NS4Aでのアカゲザルの免疫化は、強力な細胞性NS3およびNS4A特異的免疫反応を誘導する。
小動物モデルにおいては免疫原性があるが、より大きな動物に進んだ場合、一般的に、DNAワクチンは有効性を失った。しかし、pConNS3/NS4Aによって引き起こされるマウスにおける強力な細胞性免疫反応に促されたため、発明者らはより大きな動物モデルにおけるこの構築物の免疫原性を試験することを決めた。アカゲザルを、IM/EPによりpConNS3/NS4Aで、4週間の間隔を空けて、2回免疫化した(図5A)。最初の免疫化の前に1度および各免疫化の2週間後に、これらの動物の採血を行った。これらの動物のpConNS3/NS4Aに対する免疫反応をIFN−γELISpotアッセイを用いて調べた。図5Bに、3つの時点のそれぞれについて、全5種類のペプチドプールに対する各サルの反応および平均の群の反応のまとめを示す。細胞性免疫反応は、免疫化前の採血と最初の免疫化の後には検出できなかったが、2回目の免疫化後に、これらの反応は、平均555+/−280 SFU/10PBMCにまで劇的に増加した。したがって、わずか2回の免疫化後に、pConNS3/NS4Aは、確実なNS3およびNS4特異的な細胞性免疫反応を引き起こすことができた。
【0091】
pConNS3/NS4Aは、アカゲザルにおいて広範な細胞性免疫反応を引き起こす。
C57BL/6マウスにおける免疫化とは異なり、免疫反応の大部分は、単一ペプチドプールの中に含まれるpConNS3/NS4Aの1つの主要なエピトープに向けられ、免疫化されたサルの大部分(5匹中4匹)は、pConNS3/NS4Aの少なくとも2つ以上のペプチドプールに対して、強力な細胞性免疫反応を引き起こすことができた(図6)。さらなるエピトープ地図作成試験を計画するが、このことは、アカゲザルはNS3/NS4Aタンパク質内の複数の部位に対して細胞性免疫反応を引き起こすことができたことを示唆する。したがって、アカゲザルにおいて、pConNS3/NS4Aのコンセンサス配列は、NS3/NS4Aタンパク質に対する強力で、広範な細胞性免疫反応を引き起こすことができる。
【0092】
考察
急性感染から回復するHCV感染患者は、初期の、多特異性CD4+ヘルパーおよびCD8+細胞毒性T細胞反応を開始することができると知られている。HCV特異的CTL反応は、慢性感染患者におけるウイルス複製の制御に重要であることも報告された(Rehermann,B.,et al.,Quantitative analysis of the peripheral blood cytotoxic T lymphocyte response in patients with chronic hepatitis C virus infection.J Clin Invest,1996.98(6):p.1432−40;Nelson,D.R.,et al.,The role of hepatitis C virus−specific cytotoxic T lymphocytes in chronic hepatitis C.J Immunol,1997.158(3):p.1473−81)。さらに具体的には、このウイルスの構造タンパク質、特にNS3タンパク質に対する強力なT細胞反応は、急性感染のクリアランスと重要な関連があることが報告された。HCVウイルスの高変異率により、NS3などのこのウイルスの比較的保存された構造タンパク質は、T細胞に基づくワクチンに対して魅力的な候補である。
【0093】
DNAワクチンは、強力なT細胞反応を引き起こすのに十分適している。Th2反応を生み出す傾向にある組み換えタンパク質での免疫化とは異なり、抗原の細胞内送達および細胞内プロセシングの能力により、DNAワクチンは強力なTh1反応を誘導することができる。さらに、理論上、DNAワクチンは無制限の追加免疫能力を有し、組み換えウイルスベクターを用いた場合のような、プラスミドに対する中和抗体の誘導を心配することなく、望むだけ頻繁に再投与することができる。
【0094】
急性感染のクリアランスおよび慢性感染の制御におけるNS3特異的T細胞反応の重要性およびDNA免疫化の明確な利点により、HCVタンパク質NS3/NS4Aの遺伝子型1aおよび1bのコンセンサス配列をコードする新規HCV DNAワクチン(pConNS3/NS4A)を作製した。DNAワクチンは、小動物において、強力な細胞性免疫反応を引き起こすことができるが、より大きな動物モデルに導入する場合、臨床環境へのDNAワクチンの採用に対する重大な障害は、プラットフォームとなる免疫原性の減少であった。したがって、発明者らの構築物の有効性を改善するために、その設計および投与の両方において、コドンおよびRNA最適化、IgEリーダー配列の付加、および電気穿孔法を用いたこの構築物の投与を含む多段階アプローチを採用した;これらの改良が、DNAワクチンの発現および免疫原性を増加させることが証明された。
【0095】
しかし、HCVの高変異率により、この免疫原の中の複数部位を標的とする強力でありかつ広範な細胞性免疫反応を引き起こすことができる構築物は、様々なこのウイルス株に対する免疫力をさらにいっそう促進することができ、かつ、ウイルスのエスケープ変異体に対する保護により、感染患者においてこのウイルスをさらに制御することができる可能性がある。以前の研究は、1つのコンセンサス免疫原を作製するために、複数の配列を組込むことが、より広範な免疫反応生み出すことができると報告している。したがって、発明者らの構築物設計の一部として、1つのコンセンサス免疫原を作製するために、発明者らは、NS3/NS4Aタンパク質の75種類の異なるHCV遺伝子型1a/1b配列を組込んだ。
【0096】
構築物pConNS3/NS4Aを細胞培養で発現させ、3回の免疫化後に、C57BL/6マウスにおいて強力なNS3およびNS4特異的T細胞反応を誘導することができ、わずか2回の免疫化後に、より大きな動物であるアカゲザルにおいて、強力でありかつ広範なNS3およびNS4A特異的T細胞反応を引き起こすことができる。実際、NS3特異的免疫反応を観察するわずか2回のDNAワクチン試験のうちの1つが、アカゲザルにおいて誘導した。両方の試験は、同様の配列最適化法、プラスミド送達システムおよび同一のワクチン接種スケジュールを用いるが、動物を5mgのDNAにより3回免疫化した以前の試験と比較して、この構築物は、より低い免疫化および1/5量のDNAで、非常に高いNS3特異的免疫反応を誘導することができた(Capone, S.,et al.,Modulation of the immune response induced by gene electrotransfer of a hepatitis C virus DNA vaccine in nonhuman primates.J Immunol,2006.177(10):p.7462−71)。さらに、pConNS3/NS4Aは、アカゲザルにおいて広範な反応を引き起こすことができる。1つのペプチドプールの中に含まれる1つの主要なエピトープに反応したC57BL/6マウスとは異なり、大多数のアカゲザルが、複数のペプチドプールに対して強力な細胞性免疫反応を引き起こすことができたことは、これらのサルが、pConNS3/NS4Aの中の複数のエピトープに対する反応を開始することができることを示唆する。
(配列表)
配列番号1
GGTACCGGATCCGCCACCATGGACTGGACCTGGATTCTGTTCCTCGTGGCTGCTGCTACAAGAGTGCACAGCGCCCCCATCACCGCCTACGCCCAGCAGACCAGGGGCCTGCTGGGCTGCATCATCACCAGCCTGACCGGCAGGGACAAGAACCAGGTGGAGGGCGAGGTGCAGGTGGTGTCCACCGCCACCCAGAGCTTTCTGGCCACCTGCATCAACGGCGTGTGCTGGACCGTGTACCATGGAGCCGGCAGCAAGACCCTGGCCGGACCCAAGGGCCCCATCACCCAGATGTACACCAACGTGGATCAGGATCTGGTCGGGTGGCCTGCCCCTCCTGGCGCCAGAAGCCTGACCCCCTGCACCTGCGGCAGCAGCGACCTGTACCTGGTGACCCGGCACGCCGACGTGATCCCCGTGCGGCGGAGAGGCGATTCCCGGGGCAGCCTGCTGTCCCCCAGGCCCATCAGCTACCTGAAGGGCAGCAGCGGCGGACCCCTGCTGTGCCCTAGCGGCCACGCCGTGGGCATCTTCAGAGCCGCCGTGTGCACCAGGGGCGTGGCCAAGGCCGTGGACTTCATCCCCGTGGAGAGCATGGAAACCACCATGCGGAGCCCCGTGTTCACCGACAACAGCAGCCCCCCAGCTGTGCCCCAGACCTTCCAGGTGGCACATCTGCACGCCCCTACCGGCAGCGGCAAGAGCACCAAGGTGCCAGCCGCCTATGCCGCCCAGGGCTACAAGGTGCTGGTGCTGAACCCCTCCGTCGCTGCTACACTGGGCTTCGGCGCCTACATGAGCAAGGCCCACGGCATCGACCCCAACATCCGGACCGGCGTGCGGACCATCACCACAGGCGCCCCTATCACATACAGCACCTACGGCAAGTTTCTGGCCGACGGCGGCTGTAGCGGCGGAGCCTACGACATCATCATCTGCGACGAGTGCCACAGCACCGACTCCACCTCCATCCTGGGCATCGGCACCGTGCTGGACCAGGCCGAGACCGCCGGAGCCAGACTGGTGGTGCTGGCCACCGCCACACCCCCTGGCAGCGTGACCGTGCCCCACCCCAATATCGAGGAAGTGGCCCTGAGCAACACCGGCGAGATCCCTTTCTACGGCAAGGCCATCCCCATCGAGGCCATCAAGGGCGGCAGGCACCTGATCTTTTGCCACAGCAAGAAGAAGTGCGACGAGCTGGCCGCCAAGCTGTCCGCCCTGGGCCTGAACGCCGTGGCCTACTACCGGGGCCTGGACGTGAGCGTGATCCCCACCTCCGGCGACGTGGTCGTGGTCGCCACAGACGCCCTGATGACCGGCTTCACCGGCGACTTCGACAGCGTGATCGACTGCAACACCTGCGTGACCCAGACCGTGGATTTCAGCCTGGACCCCACCTTCACCATCGAGACCACCACCGTGCCTCAGGACGCCGTGAGCAGAAGCCAGCGGAGGGGCCGGACCGGCAGAGGCAGGCCCGGCATCTACCGGTTCGTGACCCCTGGCGAGCGGCCCAGCGGCATGTTCGACAGCAGCGTGCTGTGCGAGTGCTACGACGCCGGCTGCGCTTGGTATGAGCTGACCCCTGCCGAGACCAGCGTGCGGCTGCGGGCCTACCTGAACACCCCAGGCCTGCCCGTGTGCCAGGACCACCTGGAATTCTGGGAGAGCGTGTTTACCGGCCTGACCCACATCGACGCCCACTTTCTGAGCCAGACCAAGCAGGCCGGCGACAACTTCCCCTACCTGGTGGCCTACCAGGCCACCGTGTGCGCCAGAGCCCAGGCCCCTCCCCCCAGCTGGGACCAGATGTGGAAGTGCCTGATCCGGCTGAAGCCCACCCTGCACGGCCCAACCCCCCTGCTGTACCGGCTGGGCGCCGTGCAGAACGAGGTGACCCTGACCCACCCTATCACCAAGTACATCATGGCCTGCATGAGCGCCGACCTGGAAGTGGTGACCAGAGGCCGGAAGCGGAGAAGCAGCACCTGGGTGCTCGTCGGCGGAGTGCTGGCTGCTCTCGCCGCCTACTGCCTGACCACCGGCAGCGTGGTGATCGTGGGCCGGATCGTGCTGTCCGGCAAGCCCGCCATCATCCCCGACCGGGAGGTGCTGTACCAGGAATTCGACGAAATGGAAGAGTGCTACCCCTACGACGTGCCCGACTACGCCTGATGAGCGGCCGCGAGTCT

配列番号2
MDWTWILFLVAAATRVHSAPITAYAQQTRGLLGCIITSLTGRDKNQVEGEVQVVSTATQSFLATCINGVCWTVYHGAGSKTLAGPKGPITQMYTNVDQDLVGWPAPPGARSLTPCTCGSSDLYLVTRHADVIPVRRRGDSRGSLLSPRPISYLKGSSGGPLLCPSGHAVGIFRAAVCTRGVAKAVDFIPVESMETTMRSPVFTDNSSPPAVPQTFQVAHLHAPTGSGKSTKVPAAYAAQGYKVLVLNPSVAATLGFGAYMSKAHGIDPNIRTGVRTITTGAPITYSTYGKFLADGGCSGGAYDIIICDECHSTDSTSILGIGTVLDQAETAGARLVVLATATPPGSVTVPHPNIEEVALSNTGEIPFYGKAIPIEAIKGGRHLIFCHSKKKCDELAAKLSALGLNAVAYYRGLDVSVIPTSGDVVVVATDALMTGFTGDFDSVIDCNTCVTQTVDFSLDPTFTIETTTVPQDAVSRSQRRGRTGRGRPGIYRFVTPGERPSGMFDSSVLCECYDAGCAWYELTPAETSVRLRAYLNTPGLPVCQDHLEFWESVFTGLTHIDAHFLSQTKQAGDNFPYLVAYQATVCARAQAPPPSWDQMWKCLIRLKPTLHGPTPLLYRLGAVQNEVTLTHPITKYIMACMSADLEVVTRGRKRRSSTWVLVGGVLAALAAYCLTTGSVVIVGRIVLSGKPAIIPDREVLYQEFDEMEECYPYDVPDYA

配列番号3
GGTACCGGATCCGCCACCATGGACTGGACCTGGATTCTGTTCCTCGTGGCTGCTGCTACAAGAGTGCACAGC

配列番号4
MDWTWILFLVAAATRVHS

配列番号5
GCCCCCATCACCGCCTACGCCCAGCAGACCAGGGGCCTGCTGGGCTGCATCATCACCAGCCTGACCGGCAGGGACAAGAACCAGGTGGAGGGCGAGGTGCAGGTGGTGTCCACCGCCACCCAGAGCTTTCTGGCCACCTGCATCAACGGCGTGTGCTGGACCGTGTACCATGGAGCCGGCAGCAAGACCCTGGCCGGACCCAAGGGCCCCATCACCCAGATGTACACCAACGTGGATCAGGATCTGGTCGGGTGGCCTGCCCCTCCTGGCGCCAGAAGCCTGACCCCCTGCACCTGCGGCAGCAGCGACCTGTACCTGGTGACCCGGCACGCCGACGTGATCCCCGTGCGGCGGAGAGGCGATTCCCGGGGCAGCCTGCTGTCCCCCAGGCCCATCAGCTACCTGAAGGGCAGCAGCGGCGGACCCCTGCTGTGCCCTAGCGGCCACGCCGTGGGCATCTTCAGAGCCGCCGTGTGCACCAGGGGCGTGGCCAAGGCCGTGGACTTCATCCCCGTGGAGAGCATGGAAACCACCATGCGGAGCCCCGTGTTCACCGACAACAGCAGCCCCCCAGCTGTGCCCCAGACCTTCCAGGTGGCACATCTGCACGCCCCTACCGGCAGCGGCAAGAGCACCAAGGTGCCAGCCGCCTATGCCGCCCAGGGCTACAAGGTGCTGGTGCTGAACCCCTCCGTCGCTGCTACACTGGGCTTCGGCGCCTACATGAGCAAGGCCCACGGCATCGACCCCAACATCCGGACCGGCGTGCGGACCATCACCACAGGCGCCCCTATCACATACAGCACCTACGGCAAGTTTCTGGCCGACGGCGGCTGTAGCGGCGGAGCCTACGACATCATCATCTGCGACGAGTGCCACAGCACCGACTCCACCTCCATCCTGGGCATCGGCACCGTGCTGGACCAGGCCGAGACCGCCGGAGCCAGACTGGTGGTGCTGGCCACCGCCACACCCCCTGGCAGCGTGACCGTGCCCCACCCCAATATCGAGGAAGTGGCCCTGAGCAACACCGGCGAGATCCCTTTCTACGGCAAGGCCATCCCCATCGAGGCCATCAAGGGCGGCAGGCACCTGATCTTTTGCCACAGCAAGAAGAAGTGCGACGAGCTGGCCGCCAAGCTGTCCGCCCTGGGCCTGAACGCCGTGGCCTACTACCGGGGCCTGGACGTGAGCGTGATCCCCACCTCCGGCGACGTGGTCGTGGTCGCCACAGACGCCCTGATGACCGGCTTCACCGGCGACTTCGACAGCGTGATCGACTGCAACACCTGCGTGACCCAGACCGTGGATTTCAGCCTGGACCCCACCTTCACCATCGAGACCACCACCGTGCCTCAGGACGCCGTGAGCAGAAGCCAGCGGAGGGGCCGGACCGGCAGAGGCAGGCCCGGCATCTACCGGTTCGTGACCCCTGGCGAGCGGCCCAGCGGCATGTTCGACAGCAGCGTGCTGTGCGAGTGCTACGACGCCGGCTGCGCTTGGTATGAGCTGACCCCTGCCGAGACCAGCGTGCGGCTGCGGGCCTACCTGAACACCCCAGGCCTGCCCGTGTGCCAGGACCACCTGGAATTCTGGGAGAGCGTGTTTACCGGCCTGACCCACATCGACGCCCACTTTCTGAGCCAGACCAAGCAGGCCGGCGACAACTTCCCCTACCTGGTGGCCTACCAGGCCACCGTGTGCGCCAGAGCCCAGGCCCCTCCCCCCAGCTGGGACCAGATGTGGAAGTGCCTGATCCGGCTGAAGCCCACCCTGCACGGCCCAACCCCCCTGCTGTACCGGCTGGGCGCCGTGCAGAACGAGGTGACCCTGACCCACCCTATCACCAAGTACATCATGGCCTGCATGAGCGCCGACCTGGAAGTGGTGACCAGAGGCCGGAAGCGGAGAAGCAGCACCTGGGTGCTCGTCGGCGGAGTGCTGGCTGCTCTCGCCGCCTACTGCCTGACCACCGGCAGCGTGGTGATCGTGGGCCGGATCGTGCTGTCCGGCAAGCCCGCCATCATCCCCGACCGGGAGGTGCTGTACCAGGAATTCGACGAAATGGAAGAGTGCTACCCCTACGACGTGCCCGACTACGCCTGATGAGCGGCCGCGAGTCT

配列番号6
APITAYAQQTRGLLGCIITSLTGRDKNQVEGEVQVVSTATQSFLATCINGVCWTVYHGAGSKTLAGPKGPITQMYTNVDQDLVGWPAPPGARSLTPCTCGSSDLYLVTRHADVIPVRRRGDSRGSLLSPRPISYLKGSSGGPLLCPSGHAVGIFRAAVCTRGVAKAVDFIPVESMETTMRSPVFTDNSSPPAVPQTFQVAHLHAPTGSGKSTKVPAAYAAQGYKVLVLNPSVAATLGFGAYMSKAHGIDPNIRTGVRTITTGAPITYSTYGKFLADGGCSGGAYDIIICDECHSTDSTSILGIGTVLDQAETAGARLVVLATATPPGSVTVPHPNIEEVALSNTGEIPFYGKAIPIEAIKGGRHLIFCHSKKKCDELAAKLSALGLNAVAYYRGLDVSVIPTSGDVVVVATDALMTGFTGDFDSVIDCNTCVTQTVDFSLDPTFTIETTTVPQDAVSRSQRRGRTGRGRPGIYRFVTPGERPSGMFDSSVLCECYDAGCAWYELTPAETSVRLRAYLNTPGLPVCQDHLEFWESVFTGLTHIDAHFLSQTKQAGDNFPYLVAYQATVCARAQAPPPSWDQMWKCLIRLKPTLHGPTPLLYRLGAVQNEVTLTHPITKYIMACMSADLEVVTRGRKRRSSTWVLVGGVLAALAAYCLTTGSVVIVGRIVLSGKPAIIPDREVLYQEFDEMEEC

配列番号7
TACCCCTACGACGTGCCCGACTACGCCTGA

配列番号8
YPYDVPDYA

配列番号9
LYRLGAVQNEVTLTH

配列番号10
GAVQNEVTH


【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1;
配列番号1の断片;
配列番号1と少なくとも90%の相同性を有する配列;および
配列番号1と少なくとも90%の相同性を有する配列の断片;からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項2】
配列番号1を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
配列番号1と少なくとも95%の相同性を有する配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項4】
配列番号1と少なくとも98%の相同性を有する配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項5】
配列番号1からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも99%の相同性を有する配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項6】
配列番号2をコードするヌクレオチド配列;
配列番号2と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片;および
配列番号2と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の断片;からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項7】
配列番号2をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項6に記載の核酸分子。
【請求項8】
配列番号5を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項9】
配列番号6をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項10】
前記分子がプラスミドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸分子を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸分子を含む注射可能な医薬組成物。
【請求項13】
HCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸分子を含む組成物を、前記個体に投与することを含む。
【請求項14】
前記核酸分子がDNA分子である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸分子がプラスミドである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記核酸分子が電気穿孔法により前記個体に導入される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸分子を含む組み換えワクチン。
【請求項18】
前記組み換えワクチンが組み換えワクシニアワクチンである、請求項17に記載の組み換えワクチン。
【請求項19】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸分子を含む弱毒化生ワクチン。
【請求項20】
配列番号2;
配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する配列;
配列番号2の断片;および
配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する配列の断片;からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項21】
配列番号2を含む、請求項20に記載のタンパク質。
【請求項22】
配列番号2と少なくとも95%の相同性を有する配列を含む、請求項20に記載のタンパク質。
【請求項23】
配列番号2と少なくとも98%の相同性を有する配列を含む、請求項20に記載のタンパク質。
【請求項24】
配列番号2と少なくとも99%の相同性を有する配列を含む、請求項20に記載のタンパク質。
【請求項25】
配列番号6を含む、請求項20に記載のタンパク質。
【請求項26】
請求項20〜25のいずれか一項に記載のタンパク質を含む医薬組成物。
【請求項27】
請求項20〜25のいずれか一項に記載のタンパク質を含む注射可能な医薬組成物。
【請求項28】
請求項20〜25のいずれか一項に記載のタンパク質を含む組み換えワクチン。
【請求項29】
前記組み換えワクチンが組み換えワクシニアワクチンである、請求項28に記載の組み換えワクチン。
【請求項30】
請求項20〜25のいずれか一項に記載のタンパク質を含む弱毒化生ワクチン。
【請求項31】
HCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法であって、請求項20〜25のいずれか一項に記載のタンパク質を含む組成物を、前記個体に投与することを含む方法。
【請求項32】
HCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法であって、請求項17、18、28および29のいずれか一項に記載の組み換えワクチンを前記個体に投与することを含む方法。
【請求項33】
HCVに対する免疫反応を個体において誘導する方法であって、請求項19または30に記載の弱毒化生ワクチンを前記個体に投与することを含む方法。
【請求項34】
前記個体は、HCV感染を有すると診断されている請求項13〜16および31〜33のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−507280(P2012−507280A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534469(P2011−534469)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/081627
【国際公開番号】WO2010/050939
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(504074710)ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア (20)
【出願人】(511108301)イノビオ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】