説明

改良杭のコア採取方法及びコア採取用円筒体

【課題】 改良杭の強度試験用コアを採取する従来の方法は、挿入した塩ビ管の外周面と改良土とが接着状態となり、引き抜くことができない事態を生じる問題があった。
【解決手段】 未硬化改良杭にコア採取用円筒体1を差し込んで採取するコア採取方法において、採取しようとするコア17の外形に相当する内孔を有するパイプ2の外周面を、合成樹脂製のチューブ3で覆い内側の前記パイプ外周面との間に気体15、水、又は水と気体の中の何れか一を収容した収容層を密封形成してなるコア採取用円筒体1を用い、未硬化改良杭にコア採取用円筒体を差し込んで改良杭の改良土がある程度硬化した後にパイプを引き抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に形成する改良杭、つまり地盤を掘削してセメントと掘削土を地中で混合し、そのまま固化させて杭とする改良杭の強度を確認するために採取するコア採取方法と、その方法に使用するためのコア採取用円筒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種のコアを採取するには、地質調査に用いられているようなボーリングマシンによるのが一般的である。この場合改良杭が硬化後にコアを採取するので機械装置がかなり大掛かりなものとなる。このため簡略なコア採取方法として、改良杭打設直後に塩ビ管を挿入し、ある程度固結した後に引き抜き塩ビ管挿入時に内部に侵入した改良杭を構成している改良土のコアを採取する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−242344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ボーリングマシンによるコア採取は、大掛かりであるため、時間と費用が相当に掛かる点で問題があった。また、前記提案による改良杭打設直後に塩ビ管を挿入し、ある程度固結した後に引き抜いてコアを採取する方法は、前者に比べてコスト面では大幅に低減できるが、挿入した塩ビ管の外周面と挿入された改良杭側の改良土とが接着状態となり、引き抜きのタイミングが遅れた場合や、塩ビ管が長い場合などに引き抜くことができない事態を生じる問題があった。また、塩ビ管からコアを取り出す作業に手間がかかるという問題もあった。
【0005】
本発明は、コアを採取する従来の円筒体(塩化ビニールパイプ)外面が改良杭側の改良土と接着して引き抜きできない状態となる問題を解決し、また、コアを取り出し易くしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコア採取方法は、地中に形成する改良杭の長手方向に沿った強度試験用の長いコアを、未硬化改良杭にコア採取用円筒体を差し込んで採取するコア採取方法において、内径が採取しようとするコアの外形に相当する内孔を有するパイプの外周面を、強度に優れかつ柔軟性を有する合成樹脂製のチューブで覆い内側の前記パイプ外周面との間に気体、水、又は水と気体の中の何れか一つを収容した収容層を密封形成してなるコア採取用円筒体を用い、前記未硬化改良杭に前記コア採取用円筒体を差し込んで改良杭の改良土がある程度硬化した後に前記パイプを引き抜くことを特徴とする(請求項1)。
【0007】
この方法によれば、コア採取用円筒体が改良杭打設直後の未硬化状態の時に差し込まれると、パイプ内に改良杭の改良土が収容され、チューブ外面に改良杭側の改良土が接し、収容層が気体を含む場合は外圧によって気体部分が圧縮されて狭められるが、この気体、水、若しくは水と気体の収容層の存在によってチューブ内面がパイプ側に圧着されることが防止され、これによって改良土がある程度硬化したときに行われるパイプの引抜が確実且つ容易に行われる。
【0008】
本発明のコア採取用円筒体は、採取しようとするコアの外径及び長さに相当する内径及び長さに形成したパイプと、柔軟性を有し強度に優れた合成樹脂膜で形成され前記パイプを挿入されパイプの外周面に小間隙が介在する程度の内径を有しパイプ長さに相当する長さであり且つ少なくとも前記パイプと両端部で前記小間隙部を外界から密閉して収容室を形成しているチューブと、前記収容室に封入されている気体、水、若しくは水と気体の中の何れか一つと、を具備することを特徴とする(請求項2)。
【0009】
このコア採取用円筒体によれば、パイプ外周に形成された密閉されている収容室に気体、水、若しくは水と気体の中の何れか一つが収容された収容層を有するので、コア採取用円筒体が改良杭打設直後の未硬化状態の時にその改良土中に挿入されたとき、内孔に挿入深さに応じて改良土が進入して保持状態とされ、外周面を形成しているチューブ外面が改良杭側の改良土と接触し圧力を受け、収容層が加圧される。収容層が気体である場合は圧縮されて薄くなるが、チューブ内面がパイプ外面に接着するほど押し付けられることはなく、また、収容層が水である場合は容積変化がほとんどなく、従ってチューブ内面がパイプ外面に密着することはなく、また気体と水である場合は気体部分が縮小するが水の部分は縮小しないから、チュ−ブ内面がパイプ内面に密着することはなく、従って、ある程度改良土が硬化した時点でコア採取用円筒体を引き抜くと、パイプ内の改良土が保持された状態で、引き抜くことができる。すなわち、改良杭の硬化が進行するとき、チューブ内面とパイプ外面とは収容層が存在していることにより密閉の為の接触部分以外は接着していないから、あまり大きい力でなくてもチューブ側に対してパイプ側が上下に少し移動可能であり、必要であればチューブ上端をパイプから切り離して収容室内の収容物を自然放出すれば、パイプの上端部を機械的に保持して上下させることができ、やや強力に引き抜き作用力を与えると、確実に引き抜くことができる。
【0010】
前記コア採取用円筒体において、前記チューブと前記パイプとの間に合成樹脂膜製の別の第2のチューブを設けてチューブと第2チューブの間に前記収容室を形成した構成とするのがよい(請求項3)。この構成によれば、チューブと第2チューブを両端部で、たとえば接着若しくは溶着することで収容層を形成する収容室の密閉性を確保しやすい。
【0011】
前記コア採取用円筒体において、前記収容層が気体又は気体と水を封入したものである場合、前記収容室内に、混合することにより気体を発生する2種類の薬剤を少なくとも一方を袋に入れて密封し互いを隔離状態として予め挿入してあり、前記袋を破壊することにより収容室内に発生した気体をそのままで封入状態とする構成とするのがよい(請求項4)。この構成によれば、使用前に、例えば袋の位置をチューブ外面から加圧して薬剤を封入した袋を破裂させれば、2種類の薬剤が混合されて気体が発生し収容室内に気体が新たに供給された状態になるから、コア採取に使用する状態となり、前記コア採取方法の実施が可能となる。また、収容層の気体の封入のために、収容室に弁を介して加圧気体を圧入するような構成が必要でないから、そのための弁や弁の取り付け部をチューブに設ける必要がなく、またこれに付随する加圧気体の供給設備も必要でなくなる。
【0012】
前記コア採取用円筒体において、前記パイプが、長手方向に沿って複数個に分割したものを元のパイプ形状に組み合わせて前記分割部分を容易に解体できるように仮結合したものである構成とするのがよい(請求項5)。この構成では、パイプからコアを取り出すとき、パイプの仮結合部で分離解体し、分割部分をそれぞれ取り外すことができる。
【0013】
前記コア採取用円筒体において、前記2種類の薬剤は、一方が酢酸で、他方が重炭酸ソーダである構成とするのがよい(請求項6)。この構成では、前記薬剤は、炭酸ガスを発生するが、薬剤も発生ガスも大量ではないから、自然界に放出しても人畜無害である。
【0014】
前記コア採取用円筒体において、前記収容室が、長手方向の途中位置で複数個に区画する区画部を設けられている構成とするのがよい(請求項7)。この構成では、比較的長いコアの採取において採用して、改良杭側からの圧力を受けて収容室の収容物が上下に区分された状態で存在することになるから、上方へ偏ることを軽減できる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、パイプの引抜が確実且つ容易に行われ、コア採取費用を低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、内側にコアを保持したコア採取用円筒体を確実に引き抜くことができる。
請求項3に記載の発明によれば、コア採取用円筒体の製作が容易になる。
請求項4に記載の発明によれば、前記コア採取方法に使用するコア採取用円筒体をよりいっそう安価に提供でき、しかもコア採取費用を従来よりも大幅に削減できる。
請求項5に記載の発明によれば、コアを損傷することなく取り出すことができる。
請求項6に記載の発明によれば、環境汚染の恐れがない。
請求項7に記載の発明によれば、比較的長いコアの採取が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のコア採取用円筒体の第1実施例を示し、(a)は部分省略縦断正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)はパイプの部分省略部分断面正面図であるである。
【図2】本発明のコア採取用円筒体の第2実施例を示し、(a)は部分省略縦断正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図3】前記実施例の変形例を示し、(a)は本発明の第1実施例の変形例を示す部分省略縦断正面図、(b)は第2実施例の部分省略縦断正面図である。
【図4】実施例1又は2の採取したコアをパイプから取り出す状態を示し、(a)はパイプ内にコアが保持されている状態の部分省略部分断面図、(b)は(a)の平面図、(c)はパイプの半分を取り外した部分省略正面図、(d)は(c)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
地中に形成する改良杭の長手方向に沿った強度試験用の長いコアを、未硬化改良杭にコア採取用円筒体を差し込んで採取するコア採取方法において、内径が採取しようとするコアの外形に相当する内孔を有するパイプの外周面を、強度に優れかつ柔軟性を有する合成樹脂製のチューブで覆い内側の前記パイプ外周面との間に気体、水、又は水と気体の中の何れか一つを収容した収容層を密封形成してなるコア採取用円筒体を用い、ラフテレンクレーンを用いて、前記未硬化改良杭に前記コア採取用円筒体を差し込んで改良杭の改良土がある程度硬化した後に前記パイプを引き抜く。前記コア採取用円筒体は、採取しようとするコアの外径及び長さに相当する内径及び長さに形成したパイプと、柔軟性を有し強度に優れた合成樹脂膜で形成され前記パイプを挿入されパイプの外周面に小間隙が介在する程度の内径を有しパイプ長さに相当する長さであり且つ少なくとも前記パイプと両端部で前記小間隙部を外界から密閉して収容室を形成しているチューブと、前記収容室に封入されている気体、水、若しくは水と気体の中の何れか一つと、を具備する。
【実施例】
【0018】
本発明の第1実施例を、図1を用いて説明する。この実施例の方法に用いるコア採取用の円筒体1は、パイプ2、チューブ3、パッキン4、締付けバンド5、気体発生用薬剤6等で構成されている。パイプ2は、例えば、内径が採取しようとするコアの外径75mmに対応するVP75の塩ビ管で、肉厚5.5mm程度、長さは改良杭の長さ(例えば4m)に対応したものでこの場合4mである。このパイプ2は予め長手方向に沿った分割面で2分割したものを元のパイプ形状に合わせて、合わせ面10を外面から気密性の接着テープ11を貼り付けて気密状態にすると共に一体化しておく。
【0019】
チューブ3は、柔軟性があり強靭なプラスチック製、例えばポリエチレン製の厚さが0.3mmで、長さがパイプ2と同じ程度のチューブで、前記パイプ2に被せてパイプ外側全周に5mm程度の隙間ができる程度のものである。材質は、この他にナイロンや、ポリプロピレン等を単独で若しくは層状に複合形成したものであってもよい。要は使用時に破れることがないものである。
【0020】
パッキン4は、パイプ2をチューブ3に挿入した状態で両端部のパイプ外周面とチューブ3の内周面との間を気密に保持するためのもので、例えば、吸水膨張性のゴム様物質からなるもの、例えば、商品名「スリーシーラーS2」(スリーボンドユニコム株式会社製のシール材)を用いる。これは水を吸収して膨張し、シール作用を高めるものである。この使用例では、締付けバンド5とパイプ2との間で膨張して気密性を確保する。締付けバンド5は、金属製のものがよく、例えば、金属パイプ端部等にゴム状ホース端部を嵌め込んで外側から締め付けて接続する場合に用いるホース固定用の締付けバンドを用いるのがよい。このホース用締付けバンド5に代えて適当な針金を3〜4回巻きつけて捻り固定してもよい。この締付けバンド5は図示のようにパッキン4位置のチューブ3外側を締め付けるのであるが、通常のゴムパッキンを用いた場合にはチューブ3に外径縮小による皺ができてその部分から気体漏れが生じやすい。前記のパッキン4では吸水して膨張するから、予めチューブ3内に適量の水を注入して置き締め付け後にその水を作用させ、また外側からも適宜水をかけるなどして作用させると、膨張して微小な隙間を閉じるから、このような皺の部分から気体漏れを防止できる。これによってチューブ3内側に気密な収容室12が形成される。
【0021】
薬剤6は、酢酸13と重炭酸ソーダ14とを使用し、その一方を、例えば酢酸13を比較的破れやすい薄い袋14aに封入して、双方を適量ずつパイプ2とチューブ3の間に両端を密閉して形成される空間である収容室12内に予め挿入して置く。この場合収容室12内に自然に入り込む空気は存在してもよい。
【0022】
このコア採取用円筒体1は、使用する前に酢酸を収容している袋をチューブ3の外側から加圧して破裂させると、双方の薬剤6が混合されて炭酸ガスを発生し、収容室内に気体15が充満して収容層16を形成する。このときの内圧がある程度高い状態となるように薬剤6の量を決めておくものとする。この気体が充満した状態でコア採取用円筒体1は使用可能状態に完成する。
【0023】
コア採取方法は、このコア採取用円筒体1を、例えば、ラフテレンクレーンを用いて一端を支持し、支持側に錘を取り付けた状態で、形成された直後の長さ4mの改良杭にその上端の適所から鉛直に差し込む。これによってパイプ2の内孔に改良杭を構成している改良土が進入するから、そのままの状態にしておく。チューブ3の外側は改良杭側の流動性のある改良土に押圧されて収容室12内の気体15が圧縮されるが、気体が存在するためにチューブ3の内面がパイプ2の外面に密着するほどにはならないから、チューブ3とパイプ2間に接着は起こらない。
【0024】
そして、改良杭の固化がある程度進行した段階でコア採取用円筒体1を引き抜く。このとき、収容室12内に気体15が充満しているから、チューブ3外面は改良杭側の改良土に密着しており、この状態でコア採取用円筒体1を引き抜くことができる場合もあるが、できない場合もある。確実に引き抜くためにはチューブ3の上端部をパイプ2から切り離して内部の加圧気体を外界に自然放出してから引き抜く。これによってチューブ3は下端でのみパイプ2と連結された状態となり、このままパイプ2を引き抜くと、パイプ2はチューブ3と接着していないから、確実に引き抜くことができ、パイプ2がチューブ3下端を引っ張り、チューブ3内を通り引き抜かれる。つまりチューブ3は下端を上方へ引っ張られ、裏返されながら改良杭側から引き剥がされてチューブに続いて出て来る。
【0025】
引き抜かれたパイプ2は内側にコア17を保持しており、両端部のチューブ締付けバンド5等を取り外すと図4(a)、(b)に示すようになり、接着テープ11を除去するか、若しくはカッターナイフなどでパイプ2の合わせ面10に沿って切断すれば、同図(c)、(d)に示すようにコア17からパイプ2を半分(2’)ずつ取り外すことができ、コア17をパイプから損傷なく取り出すことができる。
【0026】
第2実施例を、図2を用いて説明する。このコア採取用円筒体1aの第1実施例と異なる点は、チューブ3の内側に第2チューブ3aを設けて両端部で密封接着し、チューブ3と第2チューブ3aの間に収容室12aを形成した点である。この他は第1実施例と同じであるから、同等部分を同一図面符号で示し、詳細な説明を省略する。収容室12aはチューブ同士の接着もしくは融着等で密封性を確保し易いから、パッキン4を通常のゴム様物質で形成したものを用いて、チューブ3、3aのパイプ2への締め付け装着時の破れ防止機能のみを受持たせるようにしてもよい。
【0027】
第2実施例の変形例として、図3(a)、(b)に示すように、コア採取用円筒体1の収容室12を途中位置で上下に区画部18を設けて区画形成した構成とする場合もある。区画部18の構成はパイプ両端部におけると同じパッキン4と締付けバンド5を用いて締付けた構成である。これは改良杭が長い場合に、その長さに応じてコア採取用円筒体を長く形成する必要がある場合に適用する構成である。つまり、この構成は、コア採取のために改良杭にコア採取用円筒体を差し込んだとき、改良杭側の土圧が下方のほうが大きいために収容室内の収容体が上方へ押し上げられる傾向となり、極端な場合は下部でチューブ3がパイプ2側に密着してコア採取用円筒体の引抜がかなり困難になることに対処するためである。この構成では下部の圧力が上端に及ぶことを区画部18で阻止して、土圧の大きい下部でチューブ3がパイプ2側に密着しないようにできるのである。
【0028】
また、前述した収容室12内の収容物は気体の外に、水、又は水と気体の中の何れか一であってもよく、ほぼ同程度の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0029】
1 円筒体
2 パイプ
3 チューブ
4 パッキン
5 締付けバンド
6 薬剤
10 合わせ面
11 接着テープ
12 収容室
13 酢酸
14 重炭酸ソーダ
14a 薄い袋
15 気体
16 収容層
17 コア
18 区画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に形成する改良杭の長手方向に沿った強度試験用の長いコアを、未硬化改良杭にコア採取用円筒体を差し込んで採取するコア採取方法において、内径が採取しようとするコアの外形に相当する内孔を有するパイプの外周面を、強度に優れかつ柔軟性を有する合成樹脂製のチューブで覆い内側の前記パイプ外周面との間に気体、水、又は水と気体の中の何れか一つを収容した収容層を密封形成してなるコア採取用円筒体を用い、前記未硬化改良杭に前記コア採取用円筒体を差し込んで改良杭の改良土がある程度硬化した後に前記パイプを引き抜くことを特徴とするコア採取方法。
【請求項2】
採取しようとするコアの外径及び長さに相当する内径及び長さに形成したパイプと、柔軟性を有し強度に優れた合成樹脂膜で形成され前記パイプを挿入されパイプの外周面に小間隙が介在する程度の内径を有しパイプ長さに相当する長さであり且つ少なくとも前記パイプと両端部で前記小間隙部を外界から密閉して収容室を形成しているチューブと、前記収容室に封入されている気体、水、若しくは水と気体の中の何れか一つと、を具備するコア採取用円筒体。
【請求項3】
請求項2記載のコア採取用円筒体において、前記チューブと前記パイプとの間に合成樹脂膜製の別の第2のチューブを設けてチューブと第2チューブの間に前記収容室を形成したことを特徴とするコア採取用円筒体。
【請求項4】
請求項2、又は請求項3記載のコア採取用円筒体において、前記収容層が気体又は気体と水を封入したものである場合、前記収容室内に、混合することにより気体を発生する2種類の薬剤を少なくとも一方を袋に入れて密封し互いを隔離状態として予め挿入してあり、前記袋を破壊することにより収容室内に発生した気体をそのままで封入状態にすることを特徴とするコア採取用円筒体。
【請求項5】
請求項2、請求項3、又は請求項4に記載のコア採取用円筒体において、前記パイプが、長手方向に沿って複数個に分割したものを元のパイプ形状に組み合わせて前記分割部分を容易に解体できるように仮結合したものであることを特徴とするコア採取用円筒体。
【請求項6】
請求項4、又は請求項5に記載のコア採取用円筒体において、前記2種類の薬剤は、一方が酢酸で、他方が重炭酸ソーダであることを特徴とするコア採取用円筒体。
【請求項7】
請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、又は請求項6記載のコア採取用円筒体において、前記収容室が、長手方向の途中位置で複数個に区画する区画部を設けられていることを特徴とするコア採取用円筒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−102531(P2012−102531A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251818(P2010−251818)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(593102644)
【Fターム(参考)】