説明

改質水用固形状触媒、改質水の製造方法、および改質水

【課題】水道水や天然水に固形状触媒を浸漬しておくだけで水質が大きく変わり、脂質等の溶媒に対する溶解力が高くなり、さらに還元力、抗菌力を有する水に改質することが可能な改質水用固形状触媒を提供すること。
【解決手段】微粒子状の、アルミノケイ酸塩鉱物および/またはケイ酸塩鉱物、金属酸化物、および金属水酸化物の群から選ばれた少なくとも1種を焼成して得られる多孔質状成形物からなる無機質基材の表面を、下記(a)〜(d)を主成分とするコーティング用組成物を塗布し、加熱硬化して得られる改質水用固形状触媒。
(a)一般式RSi(ORおよび/またはSi(OR(但し、式中Rは炭素数1〜8の有機基、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表わされるオルガノアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシランの加水分解物および/またはその部分縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を、固形分換算で10〜18重量%、
(b)銀を3〜10重量%担持した、アルミノケイ酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、およびアルミニウム塩の群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物を15〜25重量%、
(c)コロイド状の白金および/または金を金属換算で0.003〜0.03重量%、
(d)水および/または浸水性有機溶媒(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の免疫機能および調節機能を活性化することが可能な改質水を作るための固形状触媒に関する。本発明の固形状触媒は、水道水や天然水などの飲料水にこの固形状触媒を入れると、成分が変化することがなく水を改質し、脂質等の溶媒に対する溶解力が増大し好気性細菌類のみに作用する抗菌性および還元性を有する水となり、1日に1リットル前後飲み続けると生体の血液、組織液、細胞液が徐々に替わると推定され、免疫機能および調節機能が活性化し、生活習慣病といわれるガン、糖尿病、動脈硬化症、胃腸病をはじめ、多くの内臓疾病を副作用のない飲料水となり、これによりこれらの疾病の予防、修復することが期待できる生体の免疫機能および調節機能を活性化する改質水を製造するための固形状触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人に備わっている生体の免疫機能および調節機能が近年の生活環境・習慣などの変化に対応しきれず、これが原因でガンや糖尿病、高脂血症(動脈硬化症)、胃腸病、痴呆症など生活習慣病といわれる病気や、また介護老人が増え続けている。そして、これを補うために健康食品、サプリメントあるいは予防薬、治療薬が数多く開発されているが、いずれも生体の免疫機能および調節機能を正常化、活性化して生活習慣病を防止、減少させるには至っておらず、毎年医療費、介護費は増え続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来方法の課題を背景になされたもので、水道水や天然水に固形状触媒を浸漬しておくだけで水質が大きく変わり、脂質等の溶媒に対する溶解力が高くなり、さらに還元力、抗菌力を有する水に改質することが可能な改質水用固形状触媒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、微粒子状の、アルミノケイ酸塩鉱物および/またはケイ酸塩鉱物、金属酸化物、および金属水酸化物の群から選ばれた少なくとも1種を焼成して得られる多孔質状成形物からなる無機質基材の表面を、下記(a)〜(d)を主成分とするコーティング用組成物を塗布し、加熱硬化して得られる改質水用固形状触媒に関する。
(a)一般式RSi(ORおよび/またはSi(OR(但し、式中Rは炭素数1〜8の有機基、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表わされるオルガノアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を、固形分換算で10〜18重量%、
(b)銀を3〜10重量%担持した、アルミノケイ酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、およびアルミニウム塩の群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物を15〜30重量%、
(c)コロイド状の白金および/または金からなるコロイド状貴金属を金属換算で0.003〜0.03重量%、
(d)水および/または親水性有機溶剤からなる分散媒(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)
ここで、本発明の改質水用固形状触媒は、無機質基材の表面に、上記コーティング用組成物が固形分換算で、7〜14重量%付与されていることが好ましい。
次に、本発明は、水道水または天然水に、本発明の改質水用固形状触媒を常温にて8時間以上浸漬することを特徴とする、改質水の製造方法に関する。
次に、本発明は、上記の改質水の製造方法によって得られる改質水に関する。
【発明の効果】
【0005】
本発明の改質水用固形状触媒は、水を改質することが可能で、例えばこの固形状触媒を水道水や天然水に浸漬して8時間以上経過すると、脂質に対しても溶解力が高く、還元性があり、好気性細菌類のみに作用する抗菌性の水になり、生体の免疫機能および調節機能を活性することができる。得られる改質水は、この水を1日1リットル前後飲み続けると生体の成人男性で体重の約60重量%を占める水が徐々に入れ替わると推定され、生体のもつ免疫機能が正常化され、さらに活性化して、数ヶ月後には殆どの人の体臭が軽減〜消失する。また、排泄物の臭いが軽減〜消失する現象を体感できるようになり、多くの内臓疾病を予防、修復することが期待できる生体の免疫機能および調節機能を活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】水道水あるいは本発明の改質水に、牛脂あるいは大豆油を滴下した状態図である。
【図2】水道水あるいは本発明の改質水に、牛脂あるいは大豆油を滴下して4日間放置したのちの状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<改質水用固形状触媒>
本発明の改質用固形状触媒は、上記の多孔質成形物からなる無機質基材に上記の(a)〜(d)成分を主成分とするコーティング用組成物を塗布し、加熱硬化して得られるものである。
すなわち、本発明の固形状触媒は、微粒子状の、アルミノケイ酸塩鉱物および/またはケイ酸塩鉱物、金属酸化物、および金属水酸化物の群から選ばれた少なくとも1種を焼成して得られる多孔質状成形物からなる無機質基材の表面を、下記(a)〜(d)を主成分とするコーティング用組成物で塗布し、加熱硬化させて製造するもので、水道水や天然水に8時間以上浸漬しても成分の溶出がない固形状触媒である。この固形状触媒を水道水や天然水に浸漬して8時間以上経過すると、脂質に対しても溶解力が高く、還元性、および好気性細菌類のみに作用する抗菌性の水になり、生体の免疫機能を活性することができる。
【0008】
多孔質成形物からなる無機質基材:
本発明の改質水用固形状触媒に用いられる無機質基材は、アルミノケイ酸塩鉱物および/またはケイ酸塩鉱物、金属酸化物、および金属水酸化物の群から選ばれた少なくとも1種を焼成して得られる微粒子状の多孔質物質を成形して得られるものである。
ここで、アルミノケイ酸塩鉱物およびケイ酸塩鉱物としては、ゼオライト、カオリナイト、セピオライト、長石、蛭石、高アルミナ粘土、シリマナイトなどが挙げられる。また、金属酸化物としては、シリカゲル、アルミナ、ジルコン、マグネサイト、酸化鉄、酸化マンガンなどが、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化鉄などが、金属酸化物としては、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維なども挙げられ、これらを750℃〜1,300℃で焼成し、粒状、板状などに成形した多孔質状成形物が基材として用いられる。
【0009】
多孔質成形物の形状は、粒状、角状、円板状に成形した多孔質状成形物が基材として用いられる。また、焼成前に発泡剤を使用することもできる。基材の大きさは、通常、粒状の場合は粒径が2〜15mm程度、角状、円板状の場合は1片または直径が5〜50mm程度の成形品であるが、大きさは使用する水の容器によって自由に変えることもできる。
また、多孔質成形物は、多孔質の目安として、比表面積が、50m2/g以上、好ましくは100〜300m/g程度である。
【0010】
コーティング用組成物:
本発明の改質水用固形分状触媒は、以上のような多孔質成形物からなる無機質基材の表面に、下記(a)〜(d)成分を主成分とするコーティング用組成物が塗布され、加熱硬化して得られる。
【0011】
(a)成分
本発明に用いられるコーティング用組成物を構成する(a)成分は、一般式RSi(ORおよび/またはSi(OR(但し、式中Rは炭素数1〜8の有機基、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表わされるオルガノアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物の群から選ばれた少なくとも1種である。
【0012】
(a)成分のうち、一般式R1Si(OR23で表されるオルガノアルコキシシランは、水の存在により加水分解反応および重縮合反応を生起して高分子量化し、さらに塗膜となった場合に加熱または常温での放置により硬化するもので、本発明コーティング用組成物中においては結合剤としての働きをするものである。
【0013】
かかるオルガノアルコキシシラン中のR1 は、炭素数1〜8の炭素を有する有機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル基などである。また、オルガノアルコキシシラン中のR2は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アセチル基などである。
【0014】
これらのオルガノアルコキシシランの具体例としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0015】
これらのオルガノアルコキシシランのうち、特にメチルトリメトキシシランが好ましい。また、これらのオルガノアルコキシシランは、1種または2種以上を併用することができる。なお、かかるオルガノアルコキシシランは、酸性水媒体中で加水分解によってアルコールを遊離し対応するシラノール(加水分解物)を生成するとともに、重縮合が生起し、部分縮合物、さらには完全縮合物であるオルガノポリシロキサン化合物を生成する。従って、本発明におけるオルガノアルコキシシランは、このほかこの加水分解物、部分縮合物、さらには完全縮合物をも包含するものである。
【0016】
また、(a)成分中、Si(OR24(式中、R2は上記に同じ)で表されるテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシシラン、テトラ−sec−ブトキシシシラン、テトラ−tert−ブトキシシシランなどが挙げられる。これらのテトラアルコキシシランは、1種でもまたは2種以上を併用することもできる。なお、かかるテトラアルコキシシランは、酸性水媒体中で加水分解によってアルコールを遊離し、加水分解物を生成するとともに、重縮合が生起し、部分縮合物、さらには完全縮合物である二酸化ケイ素を生成する。従って、本発明におけるテトラアルコキシシランは、このほか加水分解物、部分縮合物、さらには完全縮合物をも包含するものである。
【0017】
コーティング用組成物中における(a)成分の割合は、(a)〜(d)成分中に固形分換算で、32〜42重量%、好ましくは36〜38重量%である。32重量%未満では、無機質基材への密着力や硬度が不充分になり、また溶出する危険があったり、一方、42重量%を超えると、被覆力が強くなり、性能の発現が不充分になったり、耐衝撃性が悪くなり、さらに亀裂が入ったりして好ましくない。
【0018】
(b)成分
本発明に用いられるコーティング用組成物を構成する(b)成分は、銀を3〜10重量%担持した、アルミノケイ酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、およびアルミニウム塩の群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物である。
本発明において、(b)成分は、水中の溶存酸素を化学吸着して分子状酸素にかえて、(c)成分のコロイド状金および/または白金との相互作用により、飲料水を脂質も溶解する溶解力および還元力、抗菌力を有する水に改質する主力となる成分である。
【0019】
ここで、(b)成分に用いられるアルミノケイ酸塩は、縮合ケイ酸の一部をアルミニウムで置き換えたアルミノケイ酸イオンと各種の金属イオンからなる塩でゼオライト、カオリナイト、ハロサイト、白雲母、モンモリロナイト、蛭石、長石、その他の天然鉱物で、表面積が大きく、イオン交換能も有している。アルミノケイ酸塩鉱物の粒子径は、通常、0.5〜10μm、好ましくは0.5〜3μmである。
【0020】
リン酸塩としては、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸鉄、リン酸ニッケル、Ca・Za・Alリン酸複塩などが挙げられる。
【0021】
ケイ酸塩としては、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。
このうち、シリカゲルは、一般式SiO2・nH2Oで表される化合物で、ガラス状の透明または半透明の粒子で、微細構造が粗ショウをなして、例えば1gのものが450m2 以上の大きな比表面積をもつものである。本発明においてシリカゲルとしては、耐摩耗性に優れた薄膜を形成するために、平均粒径は10μm以下が好ましい。
【0022】
また、ケイ酸カルシウムは、酸化カルシウムと二酸化ケイ素との結合した組成の化合物の総称であり、メタケイ酸カルシウム、オルトケイ酸カルシウムのほか、3CaO・SiOのような組成が知られている。
ケイ酸カルシウムは、針状のものが好ましい。
【0023】
アルミニウム塩としては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミノ・シリカゲル、水酸化酸化アルミニウム、合成ヒドロタルサイトなどが挙げられる。
【0024】
なお、(b)成分は、銀を上記無機化合物に担持させてなるが、この形状は、微粒子状もしくは繊維状(以下「微粒子状」ともいう)のものが好ましい。
ここで、微粒子の平均粒径は0.5〜10μmのものが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3μm程度のものである。0.5μm未満では、銀が埋没して、その機能が発揮され難く、また得られる組成物が増粘したりして好ましくない。一方、10μmを超えると、密着力が低下したり、表面積が小さくなりすぎたりして好ましくない。
【0025】
上記微粒子の具体例としては、ゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウム(ウィスカー)、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素などの微粒子あるいは繊維状のものが挙げられるが、好ましくはゼオライトである。
【0026】
ここで、ゼオライトとしては、天然、合成どちらのものも用いることができる。
天然ゼオライトとしては、アナルシン、チャバサイト、クリノプチロライト、エリオナイト、フォジャサイト、モルデナイトなどがあり、一方合成ゼオライトとしては、A型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−ゼオライトなどを挙げることができる。
また、縮合ケイ酸の一部をアルミニウムで置き換えたアルミノケイ酸イオンと各種の金属イオンからなる塩である、カオリナイト、ハロサイト、白雲母、モンモリロナイト、蛭石、長石、その他の天然鉱物を用いることもできる。
さらに、一般式Al23・xSiO2・yH2O+Al(OH)3で表されるアルミノ−シリカゲルを用いることもできる。
【0027】
本発明では、これらの微粒子状の無機化合物に、銀をイオン交換、吸着、固着して担持させて用いる。
(b)成分における銀の担持量は、通常、微粒子状の無機化合物に対し、3〜10重量%、好ましく4〜8重量%である。3重量%未満では、本発明の上記目的が達成されず、一方10重量%を超えると、銀が溶出したりして好ましくない。
【0028】
これらの(b)銀が担持された無機化合物の組成物中の含有量は、組成物中に15〜25重量%、好ましくは15〜20重量%である。15重量%未満では、本発明の目的が達成されず、一方25重量%を超えると、組成物が増粘しすぎたり、銀が溶出することが起こったりして好ましくない。
【0029】
かかる銀を担持させるには、銀塩あるいはコロイダル銀を用いる。銀塩としては、具体的には硝酸銀、硫酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀イオンなどを挙げることができる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。これらは、1種または2種以上を水に溶解させ混合水溶液として使用される。これらの銀塩水溶液は、上記(b)成分の微粒子状の担体にイオン交換または吸着、固着させることができる。コロイダル銀としては、平均粒径が3〜30mμ、好ましくは5〜15mμ、さらに好ましくは5mμ前後のものであり、これは上記微粒子に吸着、固着することができる。
【0030】
(c)コロイド状の白金および/または金からなるコロイド状貴金属
(c)成分は、(b)成分の銀との相乗効果により脂質も溶解する溶解力および抗酸化力、抗菌力を向上させるために必須の成分である。
(c)成分は、2種以上の貴金属微粒子を含んでいてもよい。また、少なくとも1種の貴金属を含む合金の微粒子、あるいは1種または2種以上の貴金属の微粒子と貴金属以外の1種または2種以上の金属の微粒子を含む混合物を用いることもできる。例えば、金および白金からなる合金などを用いてもよい。これらのうち好ましいのは白金または白金を含む合金であり、特に好ましいのは白金である。
白金および/または金からなる貴金属の微粒子としては、比表面積が大きく、表面反応性に優れたコロイド状態を形成可能な微粒子が好ましい。微粒子の粒径は特に限定されないが、20nm以下の平均粒径を有する微粒子を用いることができ、好ましくは平均粒径が10nm以下、さらに好ましくは平均粒径が6nm以下、特に好ましくは平均粒径が2〜5nm程度の微粒子を用いることができる。さらに細かな微粒子を用いることも可能である。コロイド状の白金および/または金は、いずれも微粒になるに従い活性度が向上し、本発明の固形状触媒の効果が向上する。
【0031】
(c)コロイド状貴金属の製造方法は、種々知られており(例えば、特公昭57−43125号公報、特公昭59−120249号公報、および特開平9−225317号公報、特開平10−176207号公報、特開2001−79382号公報、特開2001−122723号公報など)、当業者はこれらの方法を参照することによって微粒子を容易に調製することができる。例えば、貴金属微粒子の製造方法として、沈殿法または金属塩還元反応法と呼ばれる化学的方法、あるいは燃焼法と呼ばれる物理的方法などを利用できる。本発明の(B)成分としては、いずれの方法で調製された微粒子を用いてもよいが、製造の容易性と品質面から金属塩還元反応法で調製された微粒子を用いることが好ましい。
【0032】
金属塩還元反応法では、例えば、水溶性もしくは有機溶媒可溶性の貴金属塩または貴金属錯体の水溶液または有機溶媒溶液を調製し、この溶液に水溶性高分子を加えた後、溶液のpHを9〜11に調節し、不活性雰囲気下で加熱還流することにより還元して金属微粒子を得ることができる。貴金属の水溶性または有機溶媒可溶性の塩の種類は特に限定されないが、例えば、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、またはリン酸塩などを用いることができ、これらの錯体を用いてもよい。
【0033】
ここで、金属塩還元反応法に用いる水溶性高分子の種類は特に限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、シクロデキストリン、アミノペクチン、またはメチルセルロースなどを用いることができ、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくはポリビニルピロリドンを用いることができ、より好ましくはポリ(1−ビニル−2−ピロリドン)を用いることができる。また、水溶性高分子に替えて、あるいは水溶性高分子とともに各種の界面活性剤、例えばアニオン性、ノニオン性、又は脂溶性等の界面活性剤を使用することも可能である。還元をアルコールを用いて行う際には、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、又はエチレングリコールなどが用いられる。もっとも、貴金属微粒子の調製方法は上記に説明した方法に限定されることはない。
【0034】
(c)コロイド状貴金属は、本発明の組成物中に、金属換算で0.003〜0.03重量%、好ましくは0.005〜0.05重量%である。0.003重量%未満では、銀との相乗効果が低すぎ、一方0.03重量%を超えても効果が殆ど変わらず、またコスト面で問題がある。
【0035】
(d)水および/または親水性有機溶剤からなる分散媒
本発明の組成物には、上記の成分の他に、(d)水および/または親水性有機溶剤からなる分散媒を用いる。
ここで、親水性有機溶剤としては、1価アルコールまたは2価アルコールであるエチレングリコールもしくはこの誘導体が使用でき、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜5の低級脂肪族アルコールが好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどを挙げることができ、またエチレングリコールもしくはこの誘導体としてはエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
これらの親水性有機溶剤は、好ましくはi−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールである。これらの親水性有機溶剤は、1種でもまた2種以上を併用することもできる。
【0036】
また、水としては、一般水道水、蒸留水、あるいはイオン交換水を用いることができる。特に、コーティング用組成物を高純度にする場合には、蒸留水またはイオン交換水が好ましい。
ここで、上記水や親水性有機溶剤には、上記コロイド状無機物などに含まれる水や親水性有機溶剤や、上記金属アルコキシドや金属ヒドロキシドの加水分解による縮合によって生成する水や親水性有機溶剤なども包含される。
【0037】
本発明の組成物中における(d)分散媒の割合は、(a)〜(d)成分の合計量が100重量%となる量である。(d)分散媒の使用量が少なすぎると、組成物が二層分離したりゲル化が生起したり、組成物の粘度が高くなるため作業性が悪くなり、一方、多すぎると、性能の発現が困難になったり、組成物の安定性が悪化するようになり好ましくない。
【0038】
なお、必要により、(e)その他の添加剤も添加することができる。(e)その他の添加剤としては、キレート剤、界面活性剤、カップリング剤、無機酸または有機酸、分散剤、増粘剤、硬化調整剤、無機顔料などの従来公知の添加剤を必要に応じて用いることができる。
上記(e)その他の添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲で任意の量を添加することができる。
【0039】
なお、組成物の固形分濃度は、通常、20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%であり、20重量%未満では得られる塗膜の厚さが薄すぎて十分な効果が得られず、また塗膜強度が低すぎたりし、一方、60重量%を超えるとゲル化し易くなったり、粘度が上昇しすぎたり、密着性が悪化したり、レべリング性が悪くなったりして好ましくない。
【0040】
本発明の組成物を調製するには、まず第1に以上のような(a)〜(d)成分、あるいは(a)〜(e)成分を混合するが、この場合の混合方法は、(a)〜(d)成分、あるいは(a)〜(e)成分を同時に混合する方法などを挙げることができる。
本発明の組成物は、高速撹拌機、ボールミル、その他の分散機により分散させ、ろ過することにより、均一な安定性の良い分散液とすることができる。
【0041】
<改質水用固形状触媒の製造>
本発明の固形状触媒を製造するには、上記多孔質成形物からなる無機質基材に上記コーティング用組成物を塗布し、乾燥、硬化させ、塗膜を形成させることにより得られる。
上記コーティング用組成物の塗布は特に限定はなく、例えばスプレ−、ティッピング、垂れ流しなどの塗装手段により、無機質基材1kg当り、固形分換算で70〜140g、好ましくは80〜120gを含浸、あるいはコ−ティングなどして、乾燥膜厚で10〜30μm、好ましくは15〜25μmの膜を作り、180〜400℃、好ましくは200〜300℃で、30〜120分、好ましくは60〜90分程度加熱することにより硬化して、冷・温水に不溶の密着性、耐薬品性、耐久性、硬度にすぐれた固形状触媒が得られる。また、組成物の塗布は、乾燥後、さらに1層または複層行ってもよい。
【0042】
かくて得られる本発明の固形状触媒は、例えば水道水や天然水などの飲料水に1リットル当り20〜60g浸漬して8時間以上経過すると、水中の溶存酸素が銀および白金または金を含有する大表面積の固形状触媒に化学吸着して活性な分子状酸素になり、このエネルギーにより水分子間の水素結合が切断されてクラスターが小さくなるとともに活性化して脂質も分解・溶解する高溶解性の水になり、さらに還元性および好気性細菌類のみに作用する抗菌性の水に改質される。特に、生体の免疫機能および調節機能を活性化するために脂質を分解・溶解する性質が重要である。脂質は自動酸化して過酸化脂質になりこれが脂質特有の酸化連鎖反応により酸化範囲が拡大し、その上付着力があるため、例えば血管内壁にミネラルなどを抱えこんで推積することが考えられる。この改質水を1日に1リットル前後飲み続けると、成人男性の場合、体重の約60重量%を占める水(血液、細胞液、組織液)が徐々に入れ替わると推定され、生活環境・習慣の変化に対応しきれない生体のもつ免疫機能および調節機能が正常化さらに活性化して、がん、糖尿病および糖尿病血管合併症、動脈硬化症、胃腸病、肝臓病、腎臓病など多くの内臓疾病を副作用のない飲料水で予防し、修復することができるものと考えられる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は特許請求の範囲を超えないかぎり以下の実施例に限定されるのもではない。
なお、実施例中、平均粒径は、倍率1万倍の顕微鏡を用いて観察し、n=5の平均値で求めた値である。
【0044】
参考例1〜2(無機質基材の作成)
原料として微粒子状の天然ゼオライトのみのものと、天然ゼオライトとカオリナイトを80:20重量%の割合で混合したものを、それぞれ、水で混練し、800〜900℃の加熱炉内で造粒しながら焼成し、径3〜5mmの粒状の基材を作成した。
【0045】
参考例3〜4(コーティング用組成物A,Bの調製)
次に、本発明に使用するコーティング用組成物を表1に示す配合処方で作製した。
【0046】
【表1】

【0047】
*1)銀担持合成ゼオライトは、日板研究所製の銀ゼオライト6号である。
*2)銀担持シリカゲルは、日板研究所製の銀シリカ4号である。
*3)コロイド状白金は、日板研究所製の白金コロイド10号である。
*4)コロイド状金は、日板研究所製の金コロイド10号である。
【0048】
実施例1〜2
参考例1〜2で得られた無機系基材に表1のコ−ティング用組成物を使用して表2に示す内容の本発明の固形状触媒を作成した。なお、コーティング用組成物を無機質基材に付与するには、基材1kgをミキサータンクに入れて撹拌しながらコーティング用組成物250gをエアースプレーで3〜4回に分けて吹付ける方法を採用し、塗膜を120℃で10分乾燥後、200℃で60分、加熱処理した。なお、コーティング用組成物の塗布量は、固形分換算である。
【0049】
【表2】

【0050】
試験例1
実施例1で得られた本発明の固形状触媒を使用して安全性および耐久性を確認するために溶出試験を行なった。実施例1の固形状触媒1Aを45g、ポリビンにとり、精製水1リットルを加え、ふたをして室温で静置した。24時間後に改質水を採水し、カドミウム及びその化合物等の測定を行った。試験結果を表3に示す。
【0051】
【表3】

【0052】
試験例2
次に、実施例2で得られた固形状触媒2Bを30g、ポリビンにとり水道水1リットルを加え、ふたをして室温で静置した。24時間後に改質水を採水し溶出試験を行った。試験結果を表4に示す。
表4の結果から、本発明の固形状触媒は水に対し溶出しないことが証明された。
【0053】
【表4】

【0054】
試験例3
本発明の改質水の還元力を調べるために酸化還元電位およびpHを調べた。
実施例1で得られた固形状触媒1Aを45gずつポリビン2本にとり、横浜市内の水道水1リットルと市販のミネラル水1リットルをそれぞれに加え、ふたをして室温で静置した。16時間後にそれぞれの改質水を採水し、白金複合電極を取り付けたpH−ORP計(株式会社堀場製作所製)を使用して測定した。試験結果を表5に示す。
表5から、本発明改質水は、pHが原水と変わらずに酸化還元電位が大幅に下がり、還元力が証明された。
【0055】
【表5】

【0056】
試験例4
本発明の改質水の脂質分解・溶解力を調べるため、牛脂および大豆油を改質水中に滴下し、その状態を調べた。すなわち、実施例1の固形状触媒1Aを45gポリビンにとり、水道水1リットルを加え、ふたをして室温で静置し、改質水を作成した。この改質水を16時間後に採水し、牛脂および大豆油を滴下してその状態を観察した。なお、牛脂は滴下前に熱で溶かしたものを使用した。対照として固形状触媒を入れていない水道水を使用した。図1に示した試験品を4日間ふたをして放置した。この結果を図2に示す。
【0057】
試験例5
本発明の改質水の脂質分解・溶解力による浄化(脱脂)性を調べるためプラスチック板(50×50×1mmのポリエステル板)に脂質(牛脂)を塗り、乾燥後に下記の改質水1、2および対照として水道水、また完全浄化確認用としてシクロヘキサンで抽出して、その浄化力を確認した。
(試験液)
(I)改質水1:水道水1Lに実施例1の固形状触媒1Aを25g容器に入れ、16時間室温で静置した水
(II)改質水2:水道水1Lに実施例1の固形状触媒1Aを50g容器に入れ、16時間室温で静置した水
(III)水道水(横浜市内)
(IV)シクロヘキサン
【0058】
(試験方法)
(I)プラスチック板を4枚用意し、軽くサンドペ−パ−で傷をつけた後、初期重量を測定した。
(II)上記(I)のプラスチック板4枚に熱で溶かした牛脂を擦りつけて塗布し、灯火で乾燥してから重量を測定し、塗布量を求めた。
(III)改質水1および2を容器500ccを1ケずつ採水し、それぞれ35℃に温ため、これに塗布板をそれぞれ30分間浸漬した。つぎに塗布板をとり出し灯火で乾燥してから、それぞれの重量を測定した。
(IV)水道水およびシクロヘキサンも(III)と同じ方法で行ない重量を測定した。
(V)上記(I)〜(IV)の結果から牛脂の抽出量および抽出率を計算した。この結果を表6に示す。
【0059】
【表6】

【0060】
試験例6
本発明の改質水の抗菌力を調べるため実施例1の固形状触媒1Aを1L当り23g入れた水道水に大腸菌、大腸菌血清型O157、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、肺炎桿菌の菌液を添加し、6及び24時間保存後にその生菌数を測定した。なお対照として煮沸した水道水を使用した。この結果を表7に示す。
なお、生菌数の測定は、日本食品分析センターの測定方法に拠った。試験例7も同様である。
【0061】
【表7】

【0062】
試験例7
本発明の改質水の抗菌力が好気性細菌にのみ効果があるが嫌気性細菌に対しては効果がないことを証明するために酒母中の酵母に対する抗菌力試験を行なった。この結果を表8に示す。表8において、固形状触媒無添加の酒母を対照とした。

【0063】
【表8】

【0064】
この試験結果は生体の腸内細菌(100兆個といわれる善玉菌=嫌気性菌と悪玉菌=好気性菌)のバランスを正常化(常に善玉菌の勢力がまさり、悪玉菌の繁殖を抑えている状態)するため重要と考えられる。これは本発明改質水を1年以上飲み続けている殆どの人(1千人以上)が体臭が消え、便の臭いが消えて快腸になっている症状の原因と考えられる。腸内細菌バランスが崩れると便秘や下痢などを引き起こすだけでなく免疫を活性化する力が弱まり、感染症やガンにかかりやすくなる。腸管は最大の免疫器管であり全身の白血球(リンパ球)の約60%が腸管に集中し、抗体の約60%が作られているといわれる。
【0065】
試験例8
本発明の改質水を何らかの疾病に罹患している5人が2年以上毎日1リットル前後飲み続けた結果をつぎに示す。
(I)性別、(II)年齢(2010年8月時)、(III)改質水を飲み始めた時期(開始時)、(IV)開始時の症状、(V)開始時より6ヵ月後の症状、(VI)開始時より約1年後の症状、(VII)開始時より約2年後の症状状態を示す。
{1}(I)男、(II)51才、(III)2007年4月、(IV)糖尿病(血糖値=空腹時173mg/dl)、(V)開始時より3ヶ月後に薬の使用を中止した。6ヵ月後の血糖値(空腹時136mg/dl)、食事の内容は特に注意していない。(VI)血糖値(空腹時112mg/dl)ヘモグロビンA1Cが5.3%になった。体臭・排泄物の臭いがなくなり、快便になった。肩こりがなくなり、疲れを感じなくなった。(VII)血糖値(空腹時109mg/dl)。健康診断の結果問題はなかった。風邪を引いた時、薬を飲んだら排泄物の臭いがした。
{2}(I)女、(II)71才、(III)2008年2月 (IV)糖尿病(血糖値=空腹時181mg/dl)開始時より2ヶ月後に薬の使用を中止した。6ヵ月後の血糖値(空腹時148mg/dl)、(VI)開始時より13ヶ月後の血糖値(空腹時128mg/dl)体臭・排泄物の臭いがなくなった。(VII)血糖値(空腹時116mg/dl)ヘモグロビンA1Cが5.5%になった。
【0066】
{3}(I)男、(II)62才、(III)2008年3月、(IV)半月前に大腸がんの初期と診断され手術または化学療法をすすめられた。直ぐに改質水を約1.5L飲み始め、その間治療は受けなかった。軽い便秘状態が続いた。(V)開始時より約5.5ヶ月後に検査した結果、がんが小さくなっているといわれた。便秘状態がなくなった。(VI)開始時より約11ヶ月後に検査した結果、がんが見えなくなったといわれた。体臭・排泄物の臭いがなくなり快便になった。(VII)約2年後、大腸がんは全く見られず、検診の結果、他にも異常がなかった。
{4}(I)男、(II)42才、(III)2008年6月、(IV)本態性高血圧症で血圧が220−105で頭が重く、息切れがする。くびや肩がこるなどの症状があり、降圧剤を使用していたが改質水を飲み始めてから降圧剤の使用をやめた。(V)血圧が182−98に下がり症状が少し軽くなった。(VI)血圧が153−95に下がり体が軽くなり、くびや肩のこりが殆んどなくなった。(VII)血圧が145−88に下がった。検診の結果他に異常は無かった。
【0067】
{5}(1)女、(II)59才、(III)2008年9月、(IV)初期がんが見つかり手術をすすめられたが、改質水のことを知り毎日約1.5リットル飲み続けながら様子を見ることにした。(V)約3ヶ月後に検診を受けたところがんが少し小さくなっているといわれ、更に改質水を飲み続けながら、約6ヶ月後に再度検診を受けたところがんがなくなっていた。(VI)
約1年後の検診の結果、がんは完全に消え他にも異常はなかった。(VII)約2年後の検診でも全く異常はなかった。
【0068】
試験例9
成人型糖尿病はインスリンが正常に働かなくなり、インスリンを注射しても容易に治らない。これは、脂質(脂肪酸)が末梢神経でインスリンの働きを邪魔するため、と考えられている。本発明改質水の脂質分解・溶解性効果は、試験例8で示されたように、血糖値が173mg/dlおよび181mg/dlの男・女の例で、6ヶ月を過ぎると下がり始め、1〜2年経過すると正常値に近づいてくることが実証されているが、これは2例に過ぎず、本発明触媒の開発時より血糖値の正常化効果例は20例以上の報告を受けている。
しかし、血糖値の高い状態が続いていると、例え血糖値が下がっても、AGEs(終末糖化産物)の蓄積量が増え、これが糖尿病血管合併症の発症・進展に強く関わっていることが解明されている。
そこで、糖尿病予備軍といわれる男性5人(N1−2、N1−10、N1−14、N1−17)が3カ月間、改質水を飲用した後、AGEs ReaderTM(EU圏で医療機器として使用されているもので、皮膚・皮下の血管壁に蓄積されるAGEsをAutoflourescenceとして検出し、その積分データをAGEs値として算出する。)により、AGEsを測定した。その結果を血糖値とともに表9に示す。
【0069】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の生体の免疫機能および調節機能を活性化する改質水は、本発明の固形状触媒を水道水や天然水などの飲料水に1リットル当り20〜60g浸漬して8時間以上経過した水(成分は何も変わらない単なる水)を毎日1リットル前後飲み続けることだけで生活習慣を殆んど変えることなく、また薬に頼ることなく生体の免疫機能を正常化さらに活性化して生活習慣病といわれるがん、糖尿病および糖尿病血管合併症、高脂血症をはじめ多くの内臓疾病を予防し、修復することが期待でき、しかも副作用がなくコストが殆どかからない方法で従来からの医療のあり方をかえる大きな効果があるものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子状の、アルミノケイ酸塩鉱物および/またはケイ酸塩鉱物、金属酸化物、および金属水酸化物の群から選ばれた少なくとも1種を焼成して得られる多孔質状成形物からなる無機質基材の表面を、下記(a)〜(d)を主成分とするコーティング用組成物を塗布し、加熱硬化して得られる改質水用固形状触媒。
(a)一般式RSi(ORおよび/またはSi(OR(但し、式中Rは炭素数1〜8の有機基、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表わされるオルガノアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を、固形分換算で10〜18重量%、
(b)銀を3〜10重量%担持した、アルミノケイ酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、およびアルミニウム塩の群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物を15〜25重量%、
(c)コロイド状の白金および/または金からなるコロイド状貴金属を金属換算で0.003〜0.03重量%、
(d)水および/または親水性有機溶剤からなる分散媒(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)
【請求項2】
無機質基材の表面に、コーティング用組成物が固形分換算で、32〜42重量%付与されている、請求項1記載の改質水用固形状触媒。
【請求項3】
水道水または天然水に、請求項1または2記載の改質水用固形状触媒を常温にて8時間以上浸漬することを特徴とする、改質水の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の改質水の製造方法によって得られる改質水。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−143730(P2012−143730A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5552(P2011−5552)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(591042034)株式会社日板研究所 (10)
【出願人】(507051156)
【Fターム(参考)】