説明

改質連続気泡発泡体の集塵機中での使用

長さ−幅−高さの寸法が常に1mm〜3cmの範囲にあり、少なくとも一つの寸法が5.5mmより大きな成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物の水溶液、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものの、
集塵機中でのダスト結合材としての使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長さ−幅−高さの寸法が常に1mm〜3cmの範囲にあり、少なくとも一つの寸法が5.5mmより大きな成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものの、
集塵機中でのダスト結合材としての使用に関する。
【0002】
本発明はまた、厚みが0.5〜1.5cmの範囲であるシート状成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物の水溶液、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものの、
集塵機(吸引装置:vacuum cleaner)中でのダスト結合材としての使用に関する。
【0003】
本発明はまた、成型物とその製造方法に関する。本発明はまた、本発明の成型物を含む集塵機に関する。
【背景技術】
【0004】
発泡体、具体的にはいわゆる連続気泡発泡体は、いろいろな用途に使用されている。特に、合成材料からなる連続気泡発泡体が有用であることが証明されている。銘記すべき用途の例としては、シートクッションや、フィルター材料、空調システム、自動車部品、掃除材料である。
【0005】
集塵機、特に床用掃除機では、多くの場合、ダスト捕集空間への空気導入口とファン吸引側との間にダスト保持システムが設けられ、これにより、ファンに入る前にダストを捕捉している。ある特によく知られる変形例がが、袋状のフィルターであり、内部がダストに暴露され、即ち袋状のフィルターの内部にダストが付着する。このようなフィルターは、定期的な交換を必要とする。いくつかの集塵機、特に微減圧掃除機、多目的集塵機、または工業用装置では、ファンを取り囲んでフィルターが取り付けられ、その外側がダストに露出されている。これらの利点は、吸収容量が大きいことである;欠点は、このようなフィルターが、粗大ダスト用のみに設計されており、微細なダスト(アレルギーを引き起こす花粉や微生物も含む)は、このフィルターを通り抜けて、ファンによる真空掃除が必要な空間に再放出され、実質的にはダストを巻き上げることである。
【0006】
WO06/58675は、改質発泡体の製造について述べ、それを例えばフィルター材料として利用することを提案している。
【0007】
上記の集塵袋を備えた集塵機に加えて、集塵袋を使用しないいわゆる「無袋集塵機」が存在する。これらは、通常、ダスト分離用または予備ダスト捕集用のサイクロンを備え、下流に微細ダストフィルターを有している。無袋システムの今までに知られている欠点は、サイクロン中のごみの排出(ほとんどは、ダスト捕集容器の基部のバルブを通して行われる)により、ダストの雲が発生し、このシステムが非衛生的であることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、集塵機(吸引装置:vacuum cleaner)中での使用に好適なダスト結合材で、高いダスト捕集容量をもち、その使用が衛生的に完全に満足でき、微細なダストに結合可能なものを提供することである。他の目的は、本発明のダスト結合材の製造方法を提供することである。
【0009】
したがって、成型物を、最初に述べた用途に利用可能であることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては、長さ−幅−高さの寸法が常に1mm〜3cmの範囲にあり、少なくとも一種の寸法が5.5mmより大きな成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものの、
集塵機(vacuum cleaner)中でのダスト結合材としての使用に関する。
【0011】
本発明によれば、厚みが0.5〜1.5cmの範囲であるシート状成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物の水溶液、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものの、
を、集塵機中でのダスト結合材として使用できる。
【0012】
本発明の目的において、水性配合物とは、溶液、乳化液、または分散液を意味する。
【0013】
本発明で用いられる成型物の長さ−幅−高さの寸法は、常に1mm〜3cmの範囲にあり、少なくとも一つの寸法、即ち長さ、幅または高さが5.5mmより大きい。少なくとも二つの寸法、またはすべて三つの寸法が、5.5mmより大きくてもよい。
【0014】
本発明のある実施様態においては、本発明の成型物は、円柱、角柱、鞍、球、薄板、顆粒、ブロック、または立方体の形をとり、好ましくは、錠剤または切片材(ペレット)をとるか、星、アルファベット文字、またはハリネズミ型の成型物、または多孔質成型物の形をとる。
【0015】
本発明のもう一つの実施様態においては、本発明の成型物は、シート状であり、その厚みは0.5〜1.5cmの範囲である。ここでの長さと幅は、厚みより格段に大きなことが好ましく、例えば5倍、好ましくは少なくとも10倍である。長さと幅は、同じであっても異なっていてもよい。
【0016】
最後に述べた実施様態においては、本発明のシート状成型物は、例えば、マット、不織布、または一枚の織物に類似している。
【0017】
本発明のある実施様態においては、本発明で用いられる成型物がおよそ同じ大きさである。このことは、これらの寸法に最大±10%の変動が許されることを意味する。
【0018】
本発明で用いられる成型物の生産は、連続気泡発泡体から出発する。
【0019】
本発明のある実施様態においては、本発明で用いられる連続気泡発泡体は、合成有機発泡体であり、具体的には、ポリウレタン発泡体系の発泡体などの未改質有機発泡体や、尿素−ホルムアルデヒド樹脂系などのアミノプラスチック発泡体や、フェノールホルムアルデヒド樹脂系の発泡体であり、特にポリウレタン発泡体またはアミノプラスチック−ホルムアルデヒド樹脂、特にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂系発泡体である。本発明において、ポリウレタン系の発泡体は、ポリウレタン発泡体とも呼び、メラミンホルムアルデヒド樹脂系の発泡体をメラミン発泡体とも呼ぶ。
【0020】
したがって、本発明で用いられる成型物は、合成有機材料を含む、好ましくはポリウレタン発泡体またはアミノプラスチック発泡体、特にメラミン発泡体を含む連続気泡発泡体より生産される。
【0021】
本発明の成型物の生産に用いられる未改質連続気泡発泡体(a)を、通常、本発明の目的の未改質発泡体(a)と呼ぶ。本発明の方法の実施にあたり用いられる未改質連続気泡発泡体(a)については、以下に詳細に述べる。
【0022】
本発明の製造方法の実施のために出発原料として用いられる連続気泡発泡体(a)は、
特に、全気孔のうち、少なくとも50%が、好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜99.9%が連通している発泡体である。なお、この値はDIN−ISO−4590に準じて求めたものである。
【0023】
出発原料として用いられる発泡体(a)は、好ましくは剛直な発泡体であり、本発明の目的のためには、これらの発泡体の、DIN53577に準じて求めた圧縮硬度が、40%圧縮で1kPa以上である。
【0024】
出発原料として用いられる発泡体(a)の密度は、3〜500kg/m3の範囲、好ましくは6〜300kg/m3、特に好ましくは7〜300kg/m3の範囲である。
【0025】
出発原料として用いられる連続気泡発泡体(a)の、切片の顕微鏡写真を観察して求めた平均空孔径(個数平均)は、1μm〜1mmの範囲、好ましくは50〜500μmの範囲である。
【0026】
本発明のある実施様態においては、出発原料として用いられる連続気泡発泡体(a)が、1m2当たり、孔径が最大20mmである空孔を最大の20個、好ましくは最大15個、特に好ましくは最大10個有している。他の空孔の径は通常、もっと小さい。
【0027】
本発明のある実施様態においては、出発原料として用いられる連続気泡発泡体(a)の、DIN66131に準じて求めたBET表面積が、0.1〜50m2/gの範囲、好ましくは0.5〜20m2/gの範囲にある。
【0028】
本発明のある実施様態においては、用いる出発原料が、合成有機材料からなる、好ましくはポリウレタン発泡体またはメラミン発泡体からなる連続気泡発泡体(a)を含んでいる。
【0029】
本発明の方法の実施のための、出発原料として特に好適なポリウレタン発泡体は公知である。これらの生産は、例えば次の反応による。
I)一種以上のポリイソシアネート、すなわち2個以上のイソシアネート基を持つ化合物と、
II)少なくとも2種のイソシアネート反応性基を有する一種以上の化合物とを、
III)一種以上の発泡剤と、
IV)一種以上の開始剤と、
V)一種以上の触媒の存在下で、また
VI)開孔剤として知られる材料の存在下で反応させる。
【0030】
ここで、開始剤IV)と発泡剤III)は、同一であってもよい。
【0031】
好適なポリイソシアネートI)の例は、2個以上のイソシアネート基を有する公知の脂肪族化合物、脂環式化合物、または芳香脂肪族化合物であり、好ましくは芳香族多官能性化合物である。
【0032】
具体的な例としては、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネートなどのC4〜C12−アルキレンジイソシアネート;シクロヘキサン1,3−ジイソシアネートやシクロヘキサン1,4−ジイソシアネートなどの脂環式のジイソシアネート、およびその異性体の所望の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、好ましくは、トリレン2,4−および2,6−ジイソシアネート芳香族などのジ−およびポリ−イソシアネート、およびその異性体の混合物、ジフェニルメタンの4,4’−、2,4’−、および2,2’−ジイソシアネートおよびその異性体混合物、ジフェニルメタンの4,4’−と2,4’−ジイソシアネートの混合物があげられ、他の例としては、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート類、ジフェニルメタンの、4,4’−、2,4’−、および2,2’−ジイソシアネートの混合物、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)の混合物、および粗製MDIとトリレンジイソシアネートの混合物があげられる。これらのポリイソシアネートは、個別に用いてもよいし、混合物の形で用いてもよい。
【0033】
少なくとも2種のイソシアネート反応性基を有する化合物II)の例としては、特にジオール類やポリオール類があげられ、これらは特に公知の方法で製造される。具体的には、一種以上のアルキレンオキシド、具体的にはエチレンオキシドや、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドのアルカリ金属水酸化物触媒重合で製造されるポリエーテルポリオール類(ポリアルキレングリコール類)があげられる。
【0034】
極めて好ましい化合物II)は、エチレングリコールや、プロピレングリコール、ブチレングリコール.1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールである。
【0035】
好適な発泡剤III)の例としては、水、不活性ガス、特に二酸化炭素、または、物理発泡剤として知られるものである。物理発泡剤は、出発成分に対して不活性であり、室温でほぼ液体であり、ウレタン反応の条件下では気化する化合物である。上記化合物の沸点は、好ましくは110℃未満、特に80℃未満である。物理発泡剤としては、出発成分I)やII)に添加された、あるいはこれらに溶解した不活性ガスも含まれ、その例としては、二酸化炭素や、窒素、希ガスがあげられる。
【0036】
好適な室温で液体の化合物は、主に、炭素原子が少なくとも4であるアルカン及び/又はシクロアルカン類、ジアルキルエーテル類、エステル類、ケトン類、アセタール類、炭素原子が1〜8であるフルオロアルカン類、アルキル鎖の炭素原子数が1〜3であるテトラアルキルシラン類、特にテトラメチルシランからなる群から選ばれる基である。
【0037】
具体例としては、プロパンや、n−ブタン、イソブタン、シクロブタン、n−、iso−、およびシクロペンタン、シクロヘキサン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ギ酸メチル、アセトンがあげられ、また、大気中で分解可能でオゾン層に有害でないフッ化アルカン、具体的には、トリフルオロメタンや、ジフルオロメタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロ−2,2,2−クロロセン、1,1,2−トリフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、ジフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパンがあげられる。上記の物理発泡剤は、単独で使用しても、相互に好みどおりに混合して使用してもよい。
【0038】
EP−A0351614は、連続気泡を発生させるのにパーフルオロアルカンを使用することを開示している。
【0039】
好適な開始剤IV)の例としては、水、有機ジカルボン酸類、脂肪族および芳香族の、場合によりN−モノ−、N,N−、およびN,N’−ジアルキル−二置換である、アルキル基の炭素原子数が1〜4であるジアミン類、例えば場合によりN−モノ−置換およびN,N−ジアルキル置換のエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロピレンジアミン、1,3−または1,4−ブチレンジアミン、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、および1,6−ヘキサメチレンジアミン、アニリン、フェニレンジアミン類、2,3−、2,4−、3,4−、および2,6−トリレンジアミン、さらに4,4’−、2,4’−、および2,2’−ジアミノジフェニルメタンがあげられる。
【0040】
好適な触媒V)は、ポリウレタン化学で公知の触媒であり、その例としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、2−(ジメチルアミノエトキシ)エタノール、ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン等の第三級アミン類や、特に有機金属化合物類、具体的には、チタン酸エステル類、第二鉄アセチルアセトネートなどの鉄化合物類、例えば酢酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、ラウリン酸第一スズなどのスズ化合物類、または脂肪族のカルボン酸のジブチル錫塩(例えばジブチル錫ジアセテートやジブチル錫ジラウレート)などのジアルキル誘導体があげられる。
【0041】
開孔剤VI)の具体例としては、高極性のポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール)で、鎖中のエチレンオキシド含量の高いもの、少なくとも50重量%を有するものがあげられる。これらは、発泡加工中に分離して表面張力に影響を与えて、開孔作用を発揮する。
【0042】
成分I)〜VI)の量的な比率は、従来のポリウレタン化学におけるものと同じである。
【0043】
本発明の製造方法の実施のために、出発原料として特に好適なメラミン発泡体は公知である。これらは、例えば、
VII)メラミン−ホルムアルデヒド前縮合物(ホルムアルデヒド以外のカルボニル化合物、例えばアルデヒドを分子内に縮合物として有していてもよい)と
VIII)一種以上の発泡剤と、
IX)一種以上の乳化剤と、
X)一種以上の硬化剤との発泡により製造される。
【0044】
メラミン−ホルムアルデヒド前縮合物VII)は、未改質材料であってもよいし、改質材料であってもよい。
例えばメラミンに対して、最大20モル%が他の公知の熱硬化性成分で置き換えられていてもよく、具体的には、アルキル置換メラミンや、尿素、ウレタン、カルボキサミド、ジシアンジアミド、グアニジン、スルフリルアミド、スルホンアミド、脂肪族アミン、フェノール、フェノール誘導体で置き換わっていてもよい。改質メラミン−ホルムアルデヒド前縮合物は、例えば、ホルムアルデヒドとともに他のカルボニル化合物として、アセトアルデヒドや、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、フルフラール、グリオキサール、フタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドを含んでいてもよい。
【0045】
用いる発泡剤VIII)が、III)に記載のものと同じ化合物であってもよい。
【0046】
用いる乳化剤IX)は、既存のノニオン性、アニオン性、カチオン性、またはベタイン型の界面活性剤であってもよく、特にC12〜C30−アルキルスルホネート類、好ましくはC12〜C18−アルキルスルホネート類や、ポリエトキシ化C10〜C20−アルキルアルコール類、特に式R6−O(CH2−CH2−O)y−Hで表されるもの(式中、R6は、C10〜C20−アルキルから選ばれ、yは、例えば5〜100の範囲のすべての数字である)であってもよい。
【0047】
使用可能な硬化剤X)としては、特に、酸性化合物、具体的には、硫酸やリン酸などの無機ブレンステッド酸、酢酸やギ酸などの有機ブレンステッド酸、ルイス酸、潜在酸と呼ばれる化合物があげられる。
【0048】
EP−A0017672には、好適なメラミン発泡体が掲載されている。
もちろん、出発原料として用いられる発泡体(a)は、発泡体化学で従来より使用されている添加物、例えば酸化防止剤や、難燃剤、充填材、顔料や染料などの着色剤、殺菌剤を含んでいる。
【0049】
【化1】

【0050】
また、本発明の成型物の生産は、分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物から、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーから出発する。
【0051】
使用する、分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する化合物と、少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーは、短縮して、以下は化合物(b)または単純に(b)で表す。好適な化合物(b)としては、例えば、少なくとも一種の含窒素化合物(B1)の縮合で得られ、少なくとも一種のカルボニル化合物(B2)の縮合で、適当なら他の化合物(B3)の縮合で、また適当なら縮合後に他の反応で得られる。
【0052】
本発明のある実施様態においては、工程(b)中の少なくとも一種の化合物が、好ましくは、未改質発泡体(a)の生産では使用されなかった化合物である。
【0053】
含窒素化合物(B1)の例としては、尿素や、N,N’−ジメチルウレア、(メタ)アクリル酸、トリアゾン類、テトラヒドロピリミジノン類、イミダゾリノン類、テトラヒドロ−4H−1,3,5−オキダジアジン−4−オン類、アルキルカルバメート類、メトキシエチルカルバメート類、メチロール(メタ)アクリルアミドがあげられる。
【0054】
カルボニル化合物(B2)の例としては、ケトン類、特にジ−(C1〜C10−アルキル)ケトン類、および、好ましくはモノ−、ジ−、およびポリアルデヒド、特にC1〜C10−アルキルモノアルデヒド、例えばアセトアルデヒドやプロピオンアルデヒド、および極めて好ましくはホルムアルデヒド、およびグリオキサールやフタルアルデヒド等のジアルデヒド、具体例をしては、1,2−フタルアルデヒドやブタンジアール、グルタルアルデヒド、ヘキサン−1,6−ジアールがあげられる。
【0055】
特に好ましい他の化合物類(B3)の例としては、一価または多価のアルコール類、例えばC1〜C10アルカノール、特にメタノールや、エタノール、N−プロパノール、n−ブタノールなど、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子当たり平均最大200個の、好ましくは3〜20個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコール(個数平均)、分子当たり平均200個、好ましくは3〜20個のプロピレンオキシド単位を有するポリプロピレングリコール(個数平均)、分子当たり平均最大20個、好ましくは3から20個の1,4−ブタンジオール単位(個数平均)を有するポリテトラヒドロフラン、分子当たり平均200個、好ましくは3〜20個のアルキレンオキシド単位(個数平均)を有する単一のC1〜C10−アルキル置換のモノ−、ジ−、またはポリエチレンまたは−プロピレングリコールがあげられる。
【0056】
縮合後の他の反応の例としては、エステル化反応、エーテル反応、およびフリーラジカル(共)重合反応があげられる。
【0057】
本発明のある実施様態においては、化合物(b)は、少なくとも一種の含窒素化合物(B1)から合成され、あるいは少なくとも2種のカルボニル化合物類(B2)から、また、例えば最大3種の異なる他の化合物類(B3)から合成される。
【0058】
特に好ましい化合物類(b)の例は、一般式Ia〜Ibで表されるものである。
【0059】
【化2】

【0060】
式中の変数は、次のように定義される:
1とR2は、異なっていてもよいが、好ましくは同一で、水素、およびメチルやエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシルから選ばれるC1〜C12−アルキル(好ましくはメチルやエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシルなどのC1〜C6−アルキル;特に好ましくは、メチルやエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、−(−CH2−CH2−O)m−R5、(−CHCH3−CH2−O)m−R5、(−CH2−CHCH3−O)m−R5、(−CH2−CH2−CH2−O)m−R5、(−CH2−CH2−CH2−CH2−O)m−R5などのC1〜C4−アルキル)から選ばれ、
Xは、同一であても異なっていてもよく、0と1から選ばれる整数であり、式Ia中の少なくとも一つのXが1となるように選択される;式Ib中では、両方のXが0となるように選択してもよく、
mは、1〜20の範囲の整数であり、
3とR4は、異なっていてもよいが、好ましくは同一で、水素、およびメチルや、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、ドデシルなどから選ばれる分岐していてもいなくてもよいC1−C12−アルキルでから選ばれ;好ましくはメチルや、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどのsec−ヘキシルC1〜C6−アルキルであり、特に好ましくは、メチルや、エチル、nプロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどのC1〜C4−アルキルであり、
5は、同一ででも異なっていてもよく、メチルや、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルから選ばれるC1〜C4−アルキル、特に水素である。
【0061】
化合物類(b)、特に一般式IaとIbで表されるものは、公知である。化合物類(b)、特に一般式IaとIbで表されるものは、一般的には定義した式のとおりの純粋なものではなく、R1〜R4の基には、分子間転位が、即ちトランスアセタール化反応とトランスアミナール化反応が通常観察され、また縮合反応や開裂反応もある程度観察される。上記の式Ia、また式Ibは、置換基の化学量論的な比率を示すものであり、分子間転位生成物と縮合生成物とを含むものである。
【0062】
用いるのが好ましい他のグループの化合物(b)は、一般式IIのホモポリマおよび特にコポリマーである。
【0063】
【化3】

【0064】
式中の変数は次の通りである:
6は、水素、およびメチルや、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシルからなどから選ばれるC1〜C12−アルキル、好ましくは線状のC1〜C12−アルキルであり;好ましくはメチルや、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルなどの線状のC1〜C6−アルキルであり、特に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどのC1〜C4−アルキルであり、極めて好ましくは、水素およびメチルであり、
7は、異なっていてもよいが、好ましくは同一であり、C1〜C12−アルキルから選ばれ、好ましくはメチルや、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシルから選ばれる線状のC1〜C12−アルキルであり;
好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルなどの線状のC1〜C6−アルキルであり、特に好ましくはメチルや、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどのC1〜C4−アルキルであり、特に好ましくは水素である。
【0065】
式IIにおいて、両方の変数R7が水素であり、R6がメチルまたは水素から選ばれることが好ましい。
【0066】
使用が好ましい一般式IIの化合物からなるホモポリマーおよびコポリマーのモル質量Mwは、例えば500〜100000g/molの範囲であり、好ましくは1000〜50000g/molである。
【0067】
一種以上の一般式IIの化合物のコポリマーを使用する場合、一種以上の一般式IIの化合物のコポリマーと共に、一種以上のC1〜C10−アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる一種または好ましくは少なくとも2種のコモノマーを、特にアクリル酸メチル、エチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレンなどのビニル芳香族化合物、(メタ)アクリロニトリル、および(メタ)アクリルアミドを使用することが、特に可能である。
【0068】
少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーを使用する場合、少なくとも一種の共重合された一般式IIIのコモノマーを含むコポリマーを使用することが好ましい。
【0069】
【化4】

【0070】
式中の変数は次の通りである:
8は、C1〜C12−アルキルから選ばれ、好ましくはメチルや、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシルから選ばれる線状のC1〜C12−アルキルであり;好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルなどの線状のC1〜C6−アルキルであり、特に好ましくは、メチルや、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどのC1〜C4−アルキルであり、極めて好ましくは水素であり、
Xは、OH、グリシジル、2−ヒドロキシethyi、3−ヒドロキシプロピル、および次の化合物から選ばれ、
【0071】
【化5】

【0072】
式中、
9は、分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキルから選ばれ、具体的には、メチルや、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシルから選ばれ;好ましくは、メチルや、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシルなどのC1〜C6−アルキルであり、特に好ましくは、メチルや、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどのC1〜C4−アルキルであり、極めて好ましくはメチルである。
【0073】
一般式IIIのコモノマーで、X=OHのコポリマーを(b)として使用する場合、共重合性エチレンをコモノマーとして含まないコポリマーが好ましい。
【0074】
本発明のある実施様態においては、工程(b)で用いる水性配合物は、化合物(b)を、1〜60重量%の範囲の量で、好ましくは10〜40重量%の範囲の量で含む。
【0075】
化合物(b)を未改質発泡体(a)に接触させるには、いろいろな方法が考えられる。
【0076】
この接触は、例えば、未改質発泡体(a)の化合物(b)の水性配合物中への浸漬、未改質発泡体(a)の化合物(b)の水性配合物での含浸、未改質発泡体(a)の化合物(b)の水性配合物での飽和、化合物(b)の水性配合物の未改質発泡体(a)の一部または全部への噴霧塗布、または化合物(b)の水性配合物の未改質発泡体(a)上へのカレンダ加工により行うことができる。
【0077】
本発明のもう一つの実施様態においては、接触方法として、化合物(b)の水性配合物を未改質発泡体(a)上に、ドクターナイフを使用して塗布する。飽和処理および噴射塗布処理の後、この材料を少なくとも2個のロール、例えば回転ロールにはさんで絞り、配合物を一様に分布させ、所望濃度に設定することができる。
【0078】
本発明のある実施様態においては、接触終了後、例えば0.1秒〜24時間、好ましくは0.5秒〜10時間、特に好ましくは1秒から6時間の範囲の時間、未改質発泡体(a)と化合物(b)の水性配合物とを相互作用させることができる。
【0079】
本発明のある実施様態においては、未改質発泡体(a)と化合物(b)の水性配合物とが、0℃〜250℃の範囲、好ましくは5℃〜190℃、特に好ましくは10〜165℃の範囲の温度で接触させられる。
【0080】
本発明のある実施様態においては、未改質発泡体(a)と化合物(b)の水性配合物とが、まず0℃〜50℃の範囲の温度で接触させられ、次いで加熱により、例えば60℃〜250℃、好ましくは65℃〜180℃の範囲に温度変更される。
【0081】
本発明のもう一つの実施様態においては、未改質発泡体(a)と化合物(b)の水性配合物とは、まず0℃〜120℃の範囲で接触させられ、次いで、加熱により例えば30℃〜250℃、好ましくは125℃〜200℃の範囲に温度変更される。
【0082】
本発明のある好ましい実施様態においては、出発原料の未改質発泡体(a)と化合物(b)の水性配合物の量が、本発明の生成物の密度が該当する未改質発泡体(a)より明らかに高くなるように選択される。
【0083】
本発明のある実施様態においては、未改質発泡体(a)の化合物(b)と水性配合物の接触の間の操作を、大気圧で実施する。本発明のもう一つの実施様態においては、本発明の方法の実施のために操作を、加圧下で、例えば1.1バール〜10バールの範囲の圧力で実施する。本発明のもう一つの実施様態においては、本発明の方法の実施のための操作を、減圧下で、例えば0.1ミリバール〜900ミリバールの範囲、好ましくは最高100ミリバールで実施する。
【0084】
本発明のある実施様態においては、未改質発泡体(a)は、未改質発泡体(a)上のすべての面上で化合物(b)が最高に均一となるように、化合物(b)の水性配合物に接触させられる。好適な方法は、高効率の塗布方法である。具体的な例としては、完全飽和浸漬や、流下塗布、ドラム塗布、噴霧塗布、例えば圧縮空気吹き付け、エアレス吹き付け、さらには、高速回転噴霧、塗装、ドクター塗布、カレンダー塗布、散布、ローラー塗布、ワイピング、スピンコーティング、および遠心塗布があげられる。
【0085】
本発明のもう一つの実施様態においては、化合物(b)の水性配合物が未改質発泡体(a)上で不均一に分布するように、未改質発泡体(a)が化合物(b)の水性配合物に接触させられる。本発明のある実施様態においては、例えば、化合物(b)の水性配合物を、吹き付けにより不均一に未改質発泡体(a)に塗布し、次いでこの材料を相互作用させる。本発明のもう一つの実施様態においては、未改質発泡体(a)を、化合物(b)の水性配合物で不完全飽和状態とする。本発明のもう一つの実施様態においては、未改質発泡体(a)の一部に、化合物(b)の水性配合物を一度接触させ、未改質発泡体(a)の他の部分は、少なくとも2回接触させる。もう一つの実施様態においては、未改質の発泡体(a)を化合物(b)の水性配合物で完全に飽和させ、その最上層を、例えば水で回転洗浄する。この材料は、次いで相互作用させる。この結果、未改質発泡体(a)の内部は塗布され、外表面が非塗布状態となる。
【0086】
化合物(b)の水性配合物の未改質発泡体(a)上での分布が不均一となるように未改質発泡体(a)を化合物(b)の水性配合物で接触させると、例えばこの材料を2分間以上相互作用させると、化合物(b)の水性配合物と接触するのが未改質発泡体(a)の最外層だけではなくなる。
【0087】
化合物(b)の水性配合物の未改質発泡体(a)上での分布が不均一となるように未改質発泡体(a)を化合物(b)の水性配合物に接触させる場合、本発明によれば、改質発泡体が、その断面において不均一な機械的性質を持つことが可能となる。例えば、本発明によれば、比較的多量の化合物(b)の水性配合物に接触させられた位置では、化合物(b)の水性配合物との接触量が少なかった位置より、柔らかくなる。
【0088】
本発明のある実施様態においては、化合物(b)の水性配合物を不均一分布させるのに、多孔ロールまたは多孔金属シート上でのカレンダ加工を用いることができる。少なくとも一枚の多孔ロールまたは少なくとも一枚の多孔金属シート上で吸引除去用の真空を用いることにより、化合物(b)の水性配合物の分布をより不均一とすることができる。
【0089】
本発明のある具体的な実施様態においては、材料の接触の後、二個の逆向きに回転するロール間で絞ることで、含液率が一定に、例えば未改質発泡体(a)の重量に対して20〜800重量%に設定される。化合物(b)の配合物中の濃度は、1〜99重量%である。
【0090】
本発明のある実施様態においては、材料の接触の後、例えば一種以上の溶媒で、好ましくは水で洗浄することができる。
【0091】
本発明のある実施様態においては、材料の接触後、また適当なら洗浄後、例えば機械的に乾燥を行ってもよい。具体的には、絞りまたはカレンダ操作により、特に二個のローラー間での絞りにより、あるいは熱的に、例えば電子レンジ、または熱風ブロワー、または乾燥オーブン中で、特に真空乾燥オーブン中で乾燥を行ってもよい。その際、乾燥オーブンは、例えば30〜150℃の範囲の温度で運転されていてもよい。真空乾燥オーブンの場合、「真空」とは0.1〜850mbarの範囲の圧力を意味する。
【0092】
いずれの乾燥工程をとるとしても、その処理時間は、本発明の目的の相互作用時間から除かれるものとする。
【0093】
本発明のある実施様態においては、熱乾燥は、20℃〜150℃の範囲の温度で、例えば10秒間〜20時間、加熱することで実施できる。
【0094】
本発明によれば、未改質発泡体(a)を、化合物(b)の水性配合物に加えて、少なくとも一種の触媒(d)と接触させることもできる。これらの好適な例としては、無機酸または有機酸の金属塩やアンモニウム塩があげられる。好適な金属塩の例としては、ハロゲン化金属、硫酸の金属塩、硝酸の金属塩、テトラフルオロホウ酸の金属塩、リン酸の金属塩、またはこれらの混合物があげられる。具体例としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、塩化リチウム、臭化リチウム、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、KAl(SO42−12H2Oなどのミョウバン、硝酸亜鉛、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、および上記の金属塩の混合物があげられる。
【0095】
触媒(d)として好適なアンモニウム塩は、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、リン酸二アンモニウムなどのアンモニウム塩、あるいは上記アンモニウム塩の混合物である。
【0096】
触媒(d)として好適な無機酸および有機酸としては、マレイン酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、ホウ酸、およびこれらの混合物があげられる。
【0097】
もちろん、例えば、少なくとも一種の金属塩と少なくとも一種のアンモニウム塩を、または少なくとも一種の金属塩またはアンモニウム塩と少なくとも一種の有機酸または無機酸を、触媒(d)として用いることもできる。
【0098】
ブレンステッド酸触媒が、触媒(d)として特に好ましく、その例としては、ZnCl2、Zn(NO32(いずれの場合もその水和物を含む)、NH4Cl、MgSO4、Al2(SO43(いずれの場合もその水和物を含む)があげられ、極めて好ましくはMgCl2、特にその六水和物である。
【0099】
化合物(b)に対する触媒(d)の使用量は、好ましくは、触媒(d)の重量の1/3〜1/20(いずれの場合も、水和物中の水を除いた量として計算)である。
【0100】
塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、または硫酸アルミニウムの使用が好ましい。塩化マグネシウムが特に好ましい。
【0101】
本発明のある実施様態においては、未改質発泡体(a)が、化合物(b)の水溶液に接触させられ、また適当なら、pHが3.0〜7.5の範囲の触媒(d)に接触させられる。なお、この望ましいpHは、適当なら、酸、アルカリ金属水酸化物の水溶液、または緩衝剤の添加により調整される。緩衝剤の使用が好ましい。
【0102】
本発明のある実施様態においては、少なくとも一種の未改質発泡体(a)が、化合物(b)の水性配合物だけでなく、適当なら触媒(d)と、またさらに以下の化合物から選ばれる少なくとも一種の添加物(e)と接触させられる。
【0103】
銀粒子や、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、グリオキサール、チアジアジン類、2,4−ジクロロベンジルアルコール類なとのモノマー状またはポリマー状の有機殺菌剤などの殺菌剤、好ましくは、MIT(2−メチル−3(2H)−イソチアゾロン)、CMIT(5−クロロ−2−メチル−3(2H)−イソチアゾロン)、CIT(5−クロロ−3(2H)−イソチアゾロン)、BIT(1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン)などのイソチアゾロン誘導体類、およびN,N−ジ−C1〜C10−アルキル−ω−アミノ−C2〜C4−アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、特にエチレンとN,N−ジメチル−2−アミノエチル(メタ)アクリレートのコポリマーなどの殺菌剤;活性炭、染料や顔料などの着色剤、香水などの芳香剤、サイクロデキストリンなどの脱臭剤。
【0104】
例えば、これは、少なくとも一種の未改質発泡体(a)を化合物(b)の水性配合物と接触させ、いろいろな操作において、または好ましくは同時に少なくとも一種の添加物(e)に接触させて行われる。
【0105】
本発明のある実施様態においては、一種以上の添加物(e)が、例えば(b)に対して合計0〜50重量%、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.01〜25重量%、極めて好ましくは0.1〜20重量%の量で、化合物(b)の水性配合物に添加される。
【0106】
本発明で用いられる成型物の生産において、化合物(b)の水性配合物と、適当なら触媒(d)、適当なら少なくとも一種の添加物(e)と、未改質発泡体(a)との間で相互作用を持たせた後、さらに一回以上、機械的圧縮を行うこともできる。この機械的圧縮は、回分的に行っても連続的に行ってもよく、例えばプレスやプラテンで回分的に、または例えばロールやカレンダーで連続的に行ってよい。もしカレンダ加工が望ましい場合、一回以上のカレンダーがけも可能で、例えば1〜12回のカレンダーがけ、好ましくは5から10回のカレンダーがけが可能である。
【0107】
本発明のある実施様態においては、圧縮度が1:1.2〜1:12の範囲、好ましくは1:2.5〜1:5の範囲となるまで、機械的圧縮を行うことができる。
【0108】
本発明のある実施様態においては、この材料は、乾燥前にカレンダー加工される。
【0109】
本発明のある実施様態の方法では、化合物(b)の水性配合物と、適当なら触媒(d)と、適当なら少なくとも一種の添加物(e)とを材料と接触させて相互作用をさせた後、この生成物を次いで乾燥し、水で加湿し、機械力を用いて圧縮、例えばカレンダー加工する。
【0110】
本発明のある実施様態の方法では、化合物(b)の水性配合物を、適当なら触媒(d)を、適当なら少なくとも一種の添加物(e)を材料と接触させて材料と相互作用をさせた後、この材料を熱固定してもよく、具体的には機械的圧縮の前または後に、あるいは二回の機械的圧縮工程の間に熱固定してもよい。例えば、熱固定は120℃〜250℃の温度で、5秒間〜5分間実施される。好適な装置の例としては、電子レンジ、熱風ブロワー式プラテンプレス、電熱または火炎式加熱乾燥オーブン、加熱ロールミル、または連続運転乾燥装置があげられる。
【0111】
上述のように、熱固定前に乾燥を行ってもよい。
【0112】
本発明のある実施様態の方法では、化合物(b)の水性配合物を、適当なら触媒(d)を、適当なら少なくとも一種の添加物(e)を材料と接触させて未修飾発泡体(a)に相互作用をさせた後、この材料を熱固定でき、具体的には機械的圧縮の前または後に、あるいは二回の機械的圧縮工程の間に熱固定できる。例えば、熱固定は、150℃〜200℃の温度で、30秒間〜5分間行われる。好適な装置は乾燥オーブンである。
【0113】
ある具体的な実施様態においては、この機械的圧縮と熱固定を同時に行う。例えば、材料に相互作用をさせて、適当なら乾燥させた後、この発泡体を、一回以上熱ロールまたはカレンダーにかけるか、熱プラテン間で一回以上プレスする。もちろん、この材料を何度も繰返しカレンダーがけし、この過程で、冷ロールを用いて一回以上、熱ロールを用いて一回以上圧縮することもできる。本発明において、熱ロールの「熱」は、100〜250℃の範囲、好ましくは120〜200℃の範囲の温度をいう。
【0114】
少なくとも一回の成形工程(c)が実施される。少なくとも一種の化合物(b)の水性配合物との接触と成形工程(c)とは、どのような順序で行ってもよい。化合物(b)の水性配合物の接触をまず行い、ついで成形工程(c)を実施することが好ましい。
【0115】
本発明のある実施様態においては、成形工程(c)は、機械的に、例えば削り、切断、または粗砕により行われ、好ましくは、相当する大きな部品の開裂、打ち抜き、または切断により行われる。
【0116】
本発明のもう一つの実施様態においては、未改質発泡体(a)を、最初に規定した寸法をもつ成型物として生産し、発泡加工を、特に金型中で行なって未改質発泡体(a)を得て、これを少なくとも一種の化合物(b)の水性配合物と接触させる。
【0117】
本発明は、さらに上述の方法で得られる、以下に本発明の成型物と称する成型物を提供する。
【0118】
本発明のある実施様態においては、本発明の成型物は、DIN−ISO−4590法で測定して、全気孔の少なくとも50%、60〜100%、特に好ましくは65〜99.8%が連通している発泡体、即ち連続気泡発泡体である。
【0119】
本発明の成型物の密度は、5〜1000kg/m3の範囲、好ましくは6〜500kg/m3、特に好ましくは7〜300kg/m3の範囲である。本発明の発泡体の密度は、第一には化合物(b)での被覆の程度、適当なら触媒(d)での、適当なら少なくとも一種の添加物(e)での被覆の程度に、第二には出発原料の圧縮度に影響を受ける。密度と硬度または柔軟性は、被覆度と圧縮度とをうまく選択することで、望みどおり設定できる。
【0120】
本発明の成型物は、好ましくは、(b)からなる固体を、該当する未改質発泡体(a)の重量に対して、0.1〜95重量%の範囲の量で、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜25重量%の量で含んでいる。
【0121】
本発明のある実施様態においては、連続気泡発泡体(a)は、合成有機発泡体からなる発泡体を含み、好ましくはポリウレタン発泡体またはメラミン発泡体である。
【0122】
本発明のある実施様態においては、工程(b)において、この材料を一般式Iaまたは一般式Ibの少なくとも一種の化合物と接触させる。
【0123】
【化6】

【0124】
式中の変数は次のように定義される:
1とR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素、分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキル、(−CH2−CH2−O)m−R5、(−CHCH3−CH2−O)m−R5、(−CH2−CHCH3−O)m−R5、(−CH2−CH2−CH2−O)m−R5、(−CH2−CH2−CH2−CH2−O)m−R5から選ばれ、
Xは、同一であっても異なっていてもよく、0か1の整数であり、式Iaの少なくとも一つのXは1であり、
mは、1〜20の範囲の整数であり、
3とR4は、同一であっても異なっていてもよく、水素、および分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキルから選ばれ、
5は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C4−アルキルと水素から選ばれる。
【0125】
本発明の成型物は、例えばダスト結合材として使用できる。
【0126】
本発明の成型物は、特に集塵機中で、特にいわゆる無袋集塵機中で、例えばダスト結合材として使用することができる。
【0127】
本発明の目的において、ダスト結合材は、集塵機中に吸い込まれた粗いダストと好ましくはさらに細かいダストとに、部分的に、あるいは好ましくは大部分、例えば50重量%を超える比率で結合する。
【0128】
本発明の成型物の、ダスト結合材としての使用方法の一例は、次の通りである:
集塵機、特に無袋集塵機は、空気流中にダスト捕集容器を備えている。
このダスト捕集容器は、例えばサイクロンの形をとっている。
【0129】
本発明のある実施様態においては、複数の成型物を、ダスト捕集容器中に直接供給する。この材料は、集塵機中にまたは吸引用の付属品に一体化された一個以上の供給装置を用いて供給される。あるいは、この材料が、ダスト捕集容器用の受器つきの外部装置の形をとっていてもよい。したがって、集塵機に他の可動部品の必要がなくなる。この一個以上の供給装置は、例えば、ベロ状、ピストン、ネジ、またはノズルの形をとっていてもよい。ダスト結合材は、直接添加しても、バルブを経由して添加してもよい。
【0130】
もう一つの実施様態においては、本発明の成型物が直接ダスト捕集容器に供給され、このダスト捕集容器と成型物とが一緒に集塵機に据え付けられる。
【0131】
本発明のもう一つの実施様態においては、成型物が自動的にダスト捕集容器に供給される。この過程で、特定の量のダスト結合材が連続的に供給され、連続的に適当な量が追加供給される。この種の自動供給を、ダスト量の関数として行ってもよい。
【0132】
ダスト捕集容器は、集塵機のタイプの関数として、どのような形状・寸法をとっていてもよい。したがって、本発明の目的においては、ダスト捕集容器は、立方体、円柱、円錐状のいずれの形状であっても、不規則な形状であってもよい。好適な体積の例は、0.1dm3〜2dm3であるが、最大10dm3までの大体積も可能である。
【0133】
ダスト捕集容器の形状は、例えば、バッグ状、またはボックス状、またはサイクロン(遠心分離機)状であってもよい。ダスト捕集容器の充填レベルは、例えば電子的あるいは機械的に、例えばセンサーを用いて測定することができる。
【0134】
もう一つの実施様態においては、特に無袋集塵機では、ダスト捕集容器の形状は、ボックス型またはサイクロン状である。
【0135】
本発明のある実施様態においては、このダスト捕集容器が、混合用装置を、例えば攪拌器のような機械装置、またはダスト捕集容器を駆動、例えば振動または回転させるモーターを備えている。本発明のもう一つの実施様態においては、このダスト捕集容器が混合装置を備えていない。
【0136】
本発明のもう一つの具体的な実施様態においては、本発明の成型物が、シート状、例えば不織布層、マット、または布帛であり、空気流が集塵機を出て環境中に放出される前に、集塵機中で空気流の清浄化のためにフィルターとして用いられる。本発明のシート状成型物の厚みは、0.5〜1.5cmの範囲である。本発明のシート状成型物の長さと幅は、好ましくは厚みよりはるかに大きく、例えばそれぞれ5倍、好ましくは少なくとも10倍大きい。長さと幅は、同じであっても異なっていてもよい。
【0137】
本発明のある実施様態においては、本発明のシート状成型物の厚みは、0.5〜1.5cmの範囲であり、その長さと幅は、それぞれ150〜250mmの範囲、好ましくは170〜230mmの範囲である。
【0138】
本発明のシート状成型物の表面は、特にさらに変更する必要もないが、ひだ状としてもよい。
【0139】
本発明のシート状成型物を、公知の方法で、例えばフィルターフレームを用いて、あるいは空気透過性または空気不透過性のダスト捕集容器を用いて、本発明の集塵機中に固定することができる。
【0140】
本発明のシート状成型物は、本発明の集塵機中で、例えばディープベッドフィルターまたは平フィルターとして、あるいは、(空孔径に応じて)前フィルタまたは最終フィルターとして使用できる。
【0141】
本発明のある実施様態においては、ダスト捕集容器に本発明の成型物を、10〜60体積%、好ましくは25〜50体積%の量で充填する。
【0142】
本発明のある実施様態においては、本発明の成型物は、自重に対して3000重量%のダストと、例えば500〜3000重量%のダストと結合することができる。ダスト結合能力は、例えば重量的に測定可能である。
【0143】
本発明はさらに、少なくとも一種の本発明の成型物を含む集塵機を、特に無袋集塵機を提供する。本発明はまた、少なくとも一種の本発明のシート状成型物を含む集塵機、特に無袋集塵機を提供する。
【0144】
少なくとも一種の本発明の成型物を含む無袋集塵機(以下に本発明の無袋集塵機と称する)が好ましい。本発明の無袋集塵機の作動時に、一個以上の本発明の成型物を、サイクロン中でダストとともに浮遊させる。この用途では、本発明の成型物は、実用的には、特にアレルギーを引き起こしうる微細ダストのダスト結合材(ダスト捕集剤)として作用する。ダストと本発明の成型物がともに浮遊させられるため、ダスト粒子が本発明の成型物に付着し、その自由な動きをなくし、サイクロンのごみを取り出すときに、ダストの雲を発生させなくする。飛散する代わりに、ダストは本発明の成型物と共に床に落下する。この用途で用いられているのは、主に本発明の成型物の表面特性(吸着)である。この場合は、その優れた濾過性能は二次的である。
【0145】
本発明の成型物を、微細ダストフィルター中で、あるいは微細ダストフィルターとして、その使用期間を延長するのに用いることもできる。同じことが、集塵袋にもいえる。
【0146】
本発明は、次の工程からなる成型物の製造方法(以下本発明の製造方法と称す)を提供する。
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を提供し、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物と接触させ、および
(c)得られる成型物の長さ、幅、高さが、常に1mm〜3cmの範囲となり、少なくとも一つの寸法が5.5mmより大きくなるように成形工程を実施して成型物を製造する方法。
【0147】
ただし、前記少なくとも一種の化合物(b)の水性配合物との接触と成形工程(c)とがどの順序で行われてもよい。
【0148】
本発明はまた、厚みが0.5〜1.5cmの範囲であるシート状成型物の製造方法(以下“本発明の製造方法”と称す)であり、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を提供し、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物と接触させ、および
(c)成形工程を実施する製造方法。
ただし、前記少なくとも一種の化合物(b)の水性配合物との接触と成形工程(c)とがどの順序で行われてもよい。
【0149】
本発明の製造方法の詳細は、上述の通りである。
【0150】
本発明はまた、本発明の集塵機を用いて表面を、特に床の表面を掃除する方法(以下、本発明の掃除浄方法と称す)を提供する。本発明の掃除浄方法を実施するに当たり、公知の方法を使用できる。本発明の一個以上の集塵機を使用することで、非常にきれいな排気が得られ、細かなダストは本の少量巻き上げられるだけである。
【0151】
以下、実施例をもって発明を説明する。粒子径が<200μmの範囲であり、その50%値が<30μmである「粉砕スレート」鉱物試験ダストを、各実施例の試験に用いた。しかしながら他のダストも使用し、その例としては、ハウスダスト、庭園のダスト、砂、小麦粉(厨房ダスト)、花粉、カーボンブラックがあげられる。
【0152】
実施例
1.1未改質発泡体(a)の生産
開放容器中で、噴霧乾燥したメラミン/ホルムアルデヒド前縮合物(モル比1:3、モル質量約500g/mol)を、3重量%のギ酸と1.5%のアルキル基の炭素原子数が12〜18であるアルキルスルホン酸混合物のナトリウム塩(K30乳化剤、バイエル社)とを含む水溶液に添加した。なお、上記の百分率は、メラミン/ホルムアルデヒド前縮合物に対するものである。メラミン/ホルムアルデヒド前縮合物と水とからなる全混合物中の、メラミン/ホルムアルデヒド前縮合物の濃度は、74重量%であった。このように得られた混合物を激しく攪拌し、次いで20重量%のn−ペンタンを添加した。十分な時間(約3分)攪拌して、見かけ上均一な分散液を得た。これを、ドクターナイフを用いて、裏打ち材であるテフロン(登録商標)処理ガラス布上に塗布し、内部空気温度が150℃の乾燥オーブン中で発泡、硬化させた。発泡体の塊の中の温度は、n−ペンタンの沸点であり、これらの条件下では37.0℃である。7〜8分後、発泡体の膨張高が最高に達した。この発泡体を、さらに10分間乾燥オーブンで150℃に維持し、次いで、180℃で30分間熱処理した。この結果、未改質発泡体(a.1)を得た。
【0153】
実施例1.1の未改質発泡体(a.1)について、次の特性値を得た。
99.6%連続気泡、DIN−ISO−4590、
圧縮硬度(40%) 1.3kPa、DIN53577、
密度7.6kg/m3、EN−ISO845、
平均空孔径 210μm、切片の顕微鏡写真観察
BET表面積6.4m2/g、DIN66131、
音吸収93%、DIN52215、
音吸収>0.9、DIN52212.
【0154】
1.2 改質発泡体の生産
1.2.1 改質発泡体の生産
実施例1.1の未改質発泡体(a.1)を切断して、寸法が9cm−4cm−4cmである発泡体ブロックを得た。これらの発泡体ブロックの重量は、1.00〜1.33gの範囲であった。表1に示す重量の複数の個別の未改質発泡体を81g/lのN,N’−ジメチル−4,5−ジヒドロキシイミダゾリノン(Ib.1)と18g/lのMgCl2−6H2Oとの水分散液に、いずれの場合も、発泡体ブロックを完全に浸漬し、水分散液中に二分間維持することにより接触させた。
【0155】
【化7】

【0156】
これらの発泡体ブロックを相当する水分散液から分離し、直径が150mmで、隙間が8mmで、回転速度が32rpmである二個の逆向きに回転するロール間を通過させて過剰な水分散液を絞り除いた。含液率が520重量%のものを得た。
【0157】
この材料を、次いで80℃の乾燥オーブン4時間乾燥させた。次いで、150℃の乾燥オーブン中で10分間熱固定を行った。改質発泡体S1.1が得られた。
【0158】
1.2.2改質発泡体S1.2の生産
1.2.1に記載の試験を繰り返した。この材料は、以下の水分散液と接触させた。
120g/lの(Ib.1)、および106.8g/lのMgCl2−6H2O。
【0159】
これらの発泡体ブロックは浸せき後直ちに取り出し、上述のように材料を絞ることで、含液率の540重量%が得られた。次いで、乾燥することなく150℃の乾燥キャビネット中で15分間、熱固定を行った。改質発泡体S1.2を得た。
【0160】
1.2.3改質発泡体S2.1の生産
未改質発泡体(a.1)のブロック(寸法s:9cm−4cm−4cm)に
噴霧により、3.9倍量の112.5g/lの(Ib.2)と61.4g/lのMgCl2−6H2Oを含む水溶液を添加した。この材料を2分間相互作用させ、この材料を、I.2に記載のようにして絞り、140℃の乾燥キャビネット中で20分間、熱固定した。含液率は425重量%であった。
【0161】
【化8】

【0162】
改質発泡体S2.1を得た。
【0163】
1.2.4改質発泡体S2.2の生産
表1に記載の重量の実施例1.1の複数の未改質発泡体を112.5g/lの(Ib.2)と61.4g/lのMgCl2−6H2Oを含む水溶液に接触させた。いずれの場合も、発泡体ブロックを完全に水分散液中に浸漬して、水分散液中に二分間維持した。この発泡体ブロックを水分散液から取り出し、直径が150mmで、隙間が8mmで、回転速度が32rpmである二個の逆向きに回転するロール間を通過させて過剰な水分散液を絞り除いた。その含液率は、110重量%であった。
【0164】
この材料を、ついで80°Cの乾燥オーブン中で1時間乾燥させた。次いで、160℃の乾燥オーブン中で10分間、熱固定した。改質発泡体S2.2を得た。
【0165】
1.2.5改質発泡体S2.3の生産
表1に記載の重量の実施例1.1の複数の未改質発泡体を60g/lの(Ib.2)と25g/lのMgCl2−6H2Oを含む水溶液に接触させた。いずれの場合も、発泡体ブロックを完全に水分散液中に浸漬して、水分散液中に二分間維持した。この発泡体ブロックを水分散液から取り出し、直径が150mmで、隙間が8mmで、回転速度が32rpmである二個の逆向きに回転するロール間を通過させて過剰な水分散液を絞り除いた。その含液率は、273重量%であった。
【0166】
次いで、(前乾燥することなく)160℃の乾燥オーブン中で10分間、熱固定した。改質発泡体S2.3を得た。
【0167】
1.2.6改質発泡体S2.4の生産
実施例II.4に記載の方法を用いた。しかし、材料を、熱固定の前に2時間、80℃の乾燥オーブン中で乾燥し、熱固定は180℃で5分間行った。改質発泡体S2.4を得た。
【0168】
【表1】

【0169】
II.本発明の成型物の生産
金槌とパンチを用いて、厚みが3cmのマット状のS2.3発泡体をパンチして、本発明の成型物、直径が5mmで高さが1cmの円柱(F.1)と直径が10mmで高さが3cmの円柱(F.2)を得た。
【0170】
III.ダスト結合材の使用
IIに記載の本発明の成型物と40gの鉱物試験ダスト「粉砕スレート」とをサイクロン(外形寸法:高さ=260mm、直径=150mm)に供給し、速度が20m/sの空気流を用いて、1分間流動させた。鉱物試験ダスト粒子が本発明の成型物に衝突し、吸着された。鉱物試験ダストの付着した本発明の成型物の重量増を、重量測定により決定した。本発明の成型物の重量は、約15倍増加した。吸着され鉱物試験ダストの粒子径(表2参照)と化学組成(無機または有機)は、光散乱法で測定した。本発明の成型物は、例えば同じ形状の未改質発泡体(a.1)の成型物と較べると、優れたダスト結合能力を示した。
【0171】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ−幅−高さの寸法が常に1mm〜3cmの範囲にあり、少なくとも一つの寸法が5.5mmより大きな成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物の水溶液、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものを、
集塵機中でのダスト結合材として使用する方法。
【請求項2】
厚みが0.5〜1.5cmの範囲であるシート状成型物で、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物の水溶液、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物での処理し
(c)さらに、成形工程で処理して得たものを、
集塵機中でのダスト結合材として使用する方法。
【請求項3】
工程(b)からの少なくとも一種の化合物が連続気泡発泡体(a)の生産に使用されていない請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
連続気泡発泡体が合成有機発泡体からなる発泡体を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
連続気泡発泡体がポリウレタン発泡体またはアミノプラスチック発泡体を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)において、一般式Iaまたは一般式Ibの少なくとも一種の化合物と接触させられる、
【化1】

式中の変数は次のように定義される:
1とR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素、または分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキル、(−CH2−CH2−O)m−R5、(−CHCH3−CH2−O)m−R5、(−CH2−CHCH3−O)m−R5、(−CH2−CH2−CH2−O)m−R5、または(−CH2−CH2−CH2−CH2−O)m−R5であり、
Xは、同一であっても異なっていてもよく、0か1の整数であり、式Iaの少なくとも一つのXは1であり、
mは、1〜20の範囲の整数であり、
3とR4は、同一であっても異なっていてもよく、水素、および分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキル選ばれ、
5は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C4−アルキルと水素から選ばれる
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記成形工程(c)が、開裂、打ち抜き、または切断から選ばれる請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
長さ−幅−高さの寸法が常に1mm〜3cmの範囲にあり、少なくとも一つの寸法が5.5mmより大きな成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を提供し、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物と接触させ、および
(c)成形工程を実施して製造された、
分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物との接触と成形工程がどのような順序で行ってもよいことを特徴とする成型物。
【請求項9】
厚みが0.5〜1.5cmの範囲の平坦な成型物であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を提供し、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物と接触させ、および
(c)成形工程を実施して製造された、
分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物との接触と成形工程がどのような順序で行ってもよいことを特徴とする成型物。
【請求項10】
連続気泡発泡体(a)が合成有機発泡体からなる発泡体を含む請求項8または9記載の成型物。
【請求項11】
連続気泡発泡体(a)がポリウレタン発泡体またはアミノプラスチック発泡体を含む請求項8〜10のいずれか一項に記載の成型物。
【請求項12】
工程(b)において、一般式IaまたはIbの少なくとも一種の化合物との接触がある、
【化2】

式中の変数は次のように定義される:
1とR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素、または分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキル、(−CH2−CH2−O)m−R5、(−CHCH3−CH2−O)m−R5、(−CH2−CHCH3−O)m−R5、(−CH2−CH2−CH2−O)m−R5、または(−CH2−CH2−CH2−CH2−O)m−R5であり、
Xは、同一であっても異なっていてもよく、0か1の整数であり、式Iaの少なくとも一つのXは1であり、
mは、1〜20の範囲の整数であり、
3とR4は、同一であっても異なっていてもよく、水素、および分岐していてもいなくてもよいC1〜C12−アルキル選ばれ、
5は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C4−アルキルと水素から選ばれる請求項8〜11のいずれか一項に記載の成型物。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一項の成型物のダスト結合材としての使用方法。
【請求項14】
請求項8〜12のいずれか一項の成型物の集塵機内での使用方法。
【請求項15】
請求項8〜12のいずれか一項の少なくとも一種の成型物を含む集塵機。
【請求項16】
成型物の製造方法であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を提供し、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物と接触させ、および
(c)得られる成型物の長さ、幅、高さが、常に1mm〜3cmの範囲となり、少なくとも一つの寸法が5.5mmより大きくなるように成形工程を実施する
ことからなり、
分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物との接触と成形工程がどのような順序で行ってもよいことを特徴とする製造方法。
【請求項17】
厚みが0.5〜1.5cmの範囲であるシート状成型物の製造方法であって、
(a)密度が5〜500kg/m3の範囲にあり、平均空孔径が1μm〜1mmの範囲にある連続気泡発泡体を提供し、
(b)分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基少なくとも一種の化合物、または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物と接触させ、および
(c)成形工程を実施することからなり、
分子当たり少なくとも一種のヘミアミナールまたはアミナール基を有する少なくとも一種の化合物または少なくとも一種の共重合されたOH基含有、β−ジカルボニル基含有、またはエポキシ基含有コモノマーを含む少なくとも一種のコポリマーの水性配合物との接触と成形工程がどのような順序で行ってもよいことを特徴とする製造方法。
【請求項18】
請求項15に記載の少なくとも一種の集塵機を用いることを特徴とする表面の掃除方法。
【請求項19】
表面が床である請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2009−544462(P2009−544462A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521201(P2009−521201)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057085
【国際公開番号】WO2008/009601
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】