説明

放出モード切換え機構ならびにこの機構を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品

【課題】霧噴モード/直噴モードの切換設定部を内容物放出操作の邪魔にならないように配し、また、この切換操作の容易化を図る。
【解決手段】図示の霧噴モードでは、スプリング40の付勢力によりスライド部材30が図示左方向に移動し、その前端面31と放出孔部材20の底面22とが当接しているので、内容物は溝部22aを確実に通過し、略渦状となってから放出孔21に流入する。直噴モードに切り換える場合は放出孔部材20を180°回動する。スライド部材30は、後端側の平坦面33aの部分が本体部10のリブ13に囲まれているので一緒に回動せずに、自らの環状カム部32と放出孔部材の凸状部25とのカム作用で後退して、当該凸状部が安定面32bに当接した状態になる。このとき、前端面31と底面22との間には空間域が形成されるので、溝部22aを通って放出孔21に流入する内容物は少なく、直噴状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内容物の直噴モード噴霧モードとの切換え機構ならびにこの機構を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品に関する。
【0002】
とくに容器内容物の放出孔へといたる内容物通路の端面および、当該放出孔の方へ付勢される態様で当該内容物通路に設けたスライド制御部材の当該端面との対向面の、いずれか一方に内容物回転用の溝部を、その出口部分が当該放出孔に連続するように形成して、当該内容物通路の端面に対する当該スライド制御部材の対向面の接離方向の位置を変えることにより、内容物への回転作用が弱い直噴モードと、当該回転作用が強い噴霧モードとを選択的に設定できる放出モード切換え機構に関する。
【0003】
本発明の放出モード切換え機構の適用対象はエアゾール式およびポンプ式の各製品である。なお、本明細書で用いる「ポンプ式」とは、利用者が、操作部や、容器の一部(周面部分など)などを例えば押圧することにより内容物収納空間の容積が小さくなって、その中の内容物が外部空間に放出される方式を示しており、いわゆる押出式,チューブ式なども含む概念である。
【0004】
また、エアゾール式およびポンプ式の各製品自体の作動モード/静止モード切換え用の操作部材としては、
・操作時に下動する押釦形式のもの
・操作時に回動するトリガレバー形式のもの
などを対象とする。
【0005】
本明細書においては、容器内容物の放出孔の側を「前」とし、それと反対側を「後」としている。すなわち図1および図2の左側方向が「前」で、右側方向が「後」となる。
【背景技術】
【0006】
本件出願人は、内容物放出操作用の押釦の後側外周面(≒放出孔とは反対側の円柱外周面)にそこから後方に突出する態様で設けた、略U字状の前端面を有するつまみを、それと放出孔とを結ぶ仮想軸を中心に回動させて、前端面全体が当該後側外周面に嵌り込んで当接した状態の近位置と、前端面先縁部のみが当該後側外周面に乗り上げた状態の遠位置とに選択的に設定することにより、内容物の噴霧モード(つまみが近位置のとき)および直噴モード(つまみが遠位置のとき)を切り換えるようにした内容物放出機構を開示している(特許文献1参照)。
【0007】
この押釦には、放出孔や当該放出孔を囲む放射状通路を有する放出孔部材が嵌め込まれ、その内部空間である内容物通路には当該放射状通路の(入口を除く)流れ域に当接/離間するスライド棒が放出孔の方に付勢される形で設けられている。
【0008】
そして、上記つまみを回動して近位置に設定したときにはスライド棒が上記流れ域に当接して内容物への回転作用が強い状態の噴霧モードとなり、一方、遠位置に設定したときにはスライド棒が付勢力に抗する形で放射状通路から離れて内容物への回転作用が弱い状態の直噴モードとなる。
【0009】
放出対象の内容物は、噴霧モードでは放射状通路を経由して回転しながら放出孔へと流入するので霧状になって放出され、一方、直噴モードでは放射状通路をほとんど経由せずに放出孔へと流入するので直線状となって放出される。
【特許文献1】特開2002−173184公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この内容物放出機構は、つまみを回動するだけで噴霧/直噴の二つの放出モードを選択的に切り換えることができるといった利点を有するものである。
【0011】
しかしながら上述のように、放出モード切換え用のつまみの回動操作は、
・その略U字状の前端面全体が操作部材の外周面(≒円柱外周面)に当接した噴霧モード位置から、所定の(上記スライド棒に対する)付勢力に抗しながら当該外周面に乗り上げて前端面先縁部以外の前端面部分が当該外周面から離れた直噴モード位置へ後退し、
・また、その位置から噴霧モード位置へ復帰する、
といった前後方向への移動をともなうものである。
【0012】
すなわち、利用者にとって、操作部材の外周面(≒円柱外周面)に嵌っている略U字状のつまみ前端面を当該外周面からいわば持ち上げるような動作が要求されることになり、噴霧/直噴モードの切換え操作の利便性の点で改善の余地を残している。
【0013】
また、このつまみは操作部材の(放出孔とは反対側の)上記外周面から突出しており、つまみ自体が内容物の放出操作にとっていくらかの邪魔になる点や、つまみ付きの内容物放出機構としてのデザイン性の点で改良の余地を残している。
【0014】
そこで、本発明では、外部空間への放出孔およびこれの直上流側の内容物通路を、放出孔付きの鞘状放出部材と、これと周面同士が回動可能な形で(前後動することなしに)当接した筒状部とで構成し、この当接状態を完全に維持したままでの、当該鞘状放出部材に対する回動操作およびこれにともなうカム作用により噴霧/直噴モードの切換え操作を行えるようにして、当該操作の一段の利便性を図るとともに、この切換え操作用の部材を付加した後の機構全体としての一体感を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)容器内容物の放出孔(例えば後述の放出孔21)へといたる内容物通路の端面(例えば後述の底面22)および、当該放出孔の方へ付勢される態様で当該内容物通路に設けたスライド制御部材(例えば後述のスライド部材30)の当該端面との対向面(例えば後述の前端面31)の、いずれか一方に内容物回転用の溝部(例えば後述の溝部22a)を、その出口部分が当該放出孔に連続するように形成して、当該内容物通路の端面に対する当該スライド制御部材の対向面の接離方向の位置を変えることにより、内容物への回転作用が弱い直噴モードおよび、当該回転作用が強い噴霧モードを選択的に設定できる放出モード切換え機構において、前記内容物通路として、前記放出孔を有する鞘状放出部材(例えば後述の放出孔部材20)とその上流側筒状部(例えば後述の本体部10)とをそれぞれの開口側の周面同士が当接して相対的に回動可能な形で取り付けることにより生成された通路を用い、前記スライド制御部材として、前記上流側筒状部に対して回動することなしに前記接離方向に移動する部材を用い、前記鞘状放出部材および前記スライド制御部材の一方には前記接離方向の位置を変えるためのカム部(例えば後述の環状カム部32)を形成し、他方には当該カム部に対する倣い部(例えば後述の凸状部25)を形成する。
【0016】
このような構成からなる放出モード切換え機構を備えて放出用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品や、同じく当該機構を備えて内容物を収容したポンプ式製品も、本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、このように外部空間への放出孔およびこれの直上流側の内容物通路を、放出孔付きの鞘状放出部材と、これと周面同士が回動可能な形で(前後動することなしに)当接した筒状部とで構成したものである。
【0018】
そして、この鞘状放出部材に対する回動操作および、これにともなう当該鞘状放出部材と上記内容物通路のスライド制御部材とのカム作用に基づいて、当該スライド制御部材が上記放出孔に続く内容物旋回用溝に対し前後動することにより、当該放出孔に流入する内容物への回転(旋回)作用が強い噴霧モードと、当該回転作用が弱い直噴モードとを切り換えている。
【0019】
そのため、噴霧/直噴モードの切換え操作自体の一段の利便性を図るとともに、この切換え操作用の部材を付加した後の機構全体としてのいわばスマートな外観を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1および図2を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0021】
図1は噴霧モードでの作動状態を示し、(a)は放出孔およびそれにいたる内容物通路などの断面図,(b)は(a)のA−A’方向の断面図であり、図2は直噴モードでの作動状態を示している。
【0022】
図1および図2において、
1は内容物を放出するための押釦,
10は押釦1の筒状の本体部,
11は本体部10に形成された内容物放出用の横通路,
12は横通路11に連通し後述のスライド部材30や放出孔部材20などを収容するための開口側通路域,
13は開口側通路域12の内周面に設けられて後述のスプリング40を受けるとともに後述のスライド部材30の回動を防止してその前後方向の移動をガイドするためのリブ,
14は開口側通路域12の内周面に設けられて後述のスプリング40を受けるとともに後述のスライド部材30の前後方向の移動をガイドするためのリブ,
15は後述の放出孔部材20を回動可能に保持するための環状凹部,
20はその外周面が本体部10の内周面と当接しながら当該本体部との間で回動して内容物の放出態様を噴霧モードまたは直噴モードに切換えるための鞘状の放出孔部材,
21は内容物の放出孔,
22は放出孔部材20の底面,22aは当該放出孔に近い部分ほど幅が狭くなる態様で当該底面に形成された内容物回転用の(当該放出孔にいたる)複数の溝部,
23は放出孔部材20の回動操作用(噴霧モード/直噴モード切換え用)のレバー,
24は本体部10の環状凹部15に係合して回動操作時などに当該放出孔部材が前後方向にずれないようにするための環状突状部,
25は放出孔部材20の回動操作により後述のスライド部材30の斜面32aに摺動して当該スライド部材を後退させるための凸状部,
26は放出孔部材20の内周面に形成され後述のスライド部材30の前後方向の移動をガイドするためのリブ,
30は後述のスプリング40によって前方向に付勢され放出孔部材20の回動操作により溝部22に当接/離間するスライド部材,
31は噴霧モードにおいて放出孔部材20の底面22に当接する前端面,
32は後述のスプリング40の弾性力で前方に付勢されて放出孔部材20の凸状部25とのカム作用により当該スライド部材を前後方向に移動させて噴霧モード/直噴モードを選択的に設定するための鍔状の環状カム部(カム面),32aは後方の安定面(平坦面),32bは直噴モードを設定するための前方の安定面(平坦面),32cはこれら安定面同士の間に形成された斜面,
33はリブ13,14にガイドされて当該スライド部材が放出孔部材20といっしょに回動しないようにするための尾部,33aはリブ13に保持される平坦面,
40はスライド部材30を前方向に付勢するスプリング,
Sは直噴モードにおいて形成されるスライド部材30の前端面31と放出孔部材20の底面22との間の空間域,
をそれぞれ示している。
【0023】
ここで、参照番号11〜15のそれぞれは本体部10の構成要素であり、参照番号21〜26のそれぞれは放出孔部材20の構成要素であり、また、参照番号31〜33のそれぞれはスライド部材30の構成要素である。
【0024】
そして、本体部10,放出孔部材20およびスライド部材30はポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0025】
本発明の放出モード切換え機構の主な特徴は、放出孔部材20の本体部10に対する回動操作により、
(1)少なくともスライド部材30の前端面31が放出孔部材20の底面22に当接した霧噴モードと、
(2)凸状部25が環状カム部32の前方の安定面32bに保持されてスライド部材30の前端面31と放出孔部材20の底面22との間に空間域Sが形成された直噴モードと、
を選択的に切換えるようにしたことである。
【0026】
このように、放出孔部材20は霧噴モード/直噴モードの切換用の回動操作部を兼用しているので、押釦1の全体がスマートで、従来のように当該回動操作部が当該押釦の後面部から突出することはない。すなわち、このモード切換用の回動操作部が内容物放出操作の邪魔になるようなことはない。
【0027】
また、放出孔部材20の本体部10に対する回動操作は、当該放出孔部材の外周面と当該本体部の内周面との間の(前後移動をともなわない)回動であり、これにともなってスライド部材30がその環状カム部32と当該放出孔部材の凸状部25とのカム作用に基づいて後退・前進するので、霧噴モード/直噴モードの切換操作をスムーズに行うことができる。
【0028】
本体部10の開口側通路域12には、スライド部材30が当該本体部に対して回動せずにスプリング40によって前方向に付勢された状態で収容され、また、放出孔21や溝部22aを備えた放出孔部材20が本体部10やスライド部材30に対して回動可能に嵌め込まれている。
【0029】
そして、スライド部材30には後方の安定面32a,前方の安定面32bおよび斜面32cからなる環状カム部32が、また放出孔部材20には当該環状カム部に当接する凸状部25がそれぞれ形成されている。
【0030】
図1のようにレバー23が上位置となるように放出孔部材20を設定した霧噴モードでは、当該放出孔部材の凸状部25が後方の安定面32aの対向位置にあり、スライド部材30の前端面31が当該放出孔部材20の底面22に当接している。
【0031】
この状態で押釦1を押圧すると、内容物は「横通路11−リブ13,14の間−本体部10とスライド部材30との間−放出孔部材20と環状鍔部32との間−リブ26とのリブ26と間−溝部22a」を経て放出孔21から霧状になって外部空間に放出される。
【0032】
内容物が霧状で放出されるのは、それが放出孔部材20の複数の溝部22aを通過してから合流することにより渦状となって放出孔21に流入し、また、溝部22aの幅は放出孔21に近い側ほどが狭くなって流れが速くなるからである。
【0033】
図2に示すように、レバー23を図1の状態から本体部10に対して例えば時計方向に180°回動させると、直噴モードに設定できる。
【0034】
この回動操作のとき、
・放出孔部材20の凸状部25はスライド部材30(環状カム部32)の斜面32cに沿って摺動し、
・スライド部材30はスプリング40の付勢力に抗するかたちで後退し、
・凸状部25が最終的には環状カム部32の安定面32bに当接して保持され、
・その結果、スライド部材30前端面31が放出孔部材20の溝部22から離れて両者間には空間域Sが形成される。
【0035】
なお、スライド部材30の尾部33には平坦面33aが形成され、これが図1(b)に示すようにリブ13に囲まれているので、当該スライド部材が放出孔部材20の回動操作時にいっしょに回動してしまうことはなく、放出孔部材20は環状カム部32の斜面32cに確実に案内される。
【0036】
また、スライド部材30は、本体部10の開口側通路域12に形成されたリブ13,14や放出孔部材20に形成されたリブ26にガイドされて、安定した状態で後退する。
【0037】
そして、この状態で押釦1を押圧すると、横通路11からスライド部材30と放出孔部材20との間などを図1の場合と同じように通過した内容物は、空間域Sから放出孔21に流入して直流状態で外部空間に放出される。
【0038】
それは、空間域Sが溝部22aよりも十分広く、内容物が当該空間部から放出孔21に流入する際に溝部22を通過して回転(旋回)作用を受ける程度が少ないからである。
【0039】
なお、本発明が図示の内容に限定されないことは勿論であり、例えば、
(11)内容物旋回用の溝部をスライド部材30の前端面31に形成して、放出孔部材20の底面を平坦にする、
(12)放出孔部材20に環状カム部を形成し、このカム部に倣う当接部分をスライド部材30に形成する、
(13)霧噴モードにおける放出孔部材20の凸状部25およびスライド部材30の安定面32aを、両者が当接した状態に設定する、
(14)押釦としてスパウト作動やチルト作動に対応したものを用いる、
(15)各種タイプのトリガレバー式の操作部材(例えば本件出願人が特開2002−233797号公報,特開平11−197563号公報や特願2004−294885号などで図示した操作部材)を用いる、
ようにしてもよいことは勿論である。
【0040】
容器内容物の対象としては、液状,発泡性(泡状),ペースト状,ジェル状,粉状などの各種性状のものがある。
【0041】
本発明が適用されるエアゾール式製品やポンプ式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0042】
容器本体に収納する内容物は、例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分などである。
【0043】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0044】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0045】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0046】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0047】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼインなどを用いる。
【0048】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0049】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0050】
エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の、噴霧モードでの作動状態を示す説明図であり、(a)は放出孔およびそれにいたる内容物通路などの断面図,(b)は(a)のA−A’方向の断面図をそれぞれ示している。
【図2】本発明の、直噴モードでの作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1:押釦
10:本体部
11:横通路
12:開口側通路域
13:リブ
14:リブ
15:環状凹部
20:放出孔部材
21:放出孔
22:底面
22a:内容物回転用の溝部
23:霧噴モード/直噴モード切換え用のレバー
24:環状突状部
25:凸状部
26:リブ
30:スライド部材
31:前端面
32:鍔状の環状カム部(カム面)
32a:後方の安定面(平坦面)
32b:前方の安定面(平坦面)
32c:斜面
33:尾部
33a:平坦面
40:スプリング
S:直噴モードにおいて形成される空間域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内容物の放出孔へといたる内容物通路の端面および、当該放出孔の方へ付勢される態様で当該内容物通路に設けたスライド制御部材の当該端面との対向面の、いずれか一方に内容物回転用の溝部を、その出口部分が当該放出孔に連続するように形成して、当該内容物通路の端面に対する当該スライド制御部材の対向面の接離方向の位置を変えることにより、内容物への回転作用が弱い直噴モードと、当該回転作用が強い噴霧モードとを選択的に設定できる放出モード切換え機構において、
前記内容物通路は、前記放出孔を有する鞘状放出部材とその上流側筒状部とをそれぞれの開口側の周面同士が当接して相対的に回動可能な形で取り付けることにより生成された通路であり、
前記スライド制御部材は、前記上流側筒状部に対して回動することなしに、前記接離方向に移動する部材であり、
前記鞘状放出部材および前記スライド制御部材の一方には前記接離方向の位置を変えるためのカム部を形成し、他方には当該カム部に対する倣い部を形成した、
ことを特徴とする放出モード切換え機構。
【請求項2】
請求項1記載の放出モード切換え機構を備えて容器内部に放出用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【請求項3】
請求項1記載の放出モード切換え機構を備えて容器内部に内容物を収容したポンプ式製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−122760(P2006−122760A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311516(P2004−311516)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】