説明

放射性廃棄物分別減容装置

【課題】放射性物質を含む廃棄物から低線量物質を選別除去し、処分保留のまま保管する放射性廃棄物の減容を可能にした放射性廃棄物の分別減容装置を提供する。
【解決手段】廃棄物供給部2から供給された処理廃棄物Wから、基準値以上の放射性線量が検出される放射性廃棄物AWを選別して分離させる放射性廃棄物分別減容装置1は、放射線遮蔽容器3の内部に設置された選別部10が、処理廃棄物Wを搬送して払い出すベルトコンベア20と、処理廃棄物Wを払い出した後にベルトコンベア20を除染する除染装置30と、ベルトコンベア20で搬送中されている処理廃棄物Wの放射性線量値を検出して制御部40へ入力する放射線量センサ50と、放射性線量値が所定値以上に高い放射性廃棄物AWを処理廃棄物Wから分離させる押し出し装置60と、処理廃棄物Wから分離させた放射性物質AWを収容する放射性物質回収装置70とを具備して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質を含む廃棄物から低線量物質を選別除去して減容する放射性廃棄物分別減容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大気中に飛散した放射性物質(ヨウ素131やセシウム137等)が付着した物体の除染処理や焼却処理等を行うと、たとえば下水処理後の下水汚泥や焼却処理後の焼却灰等のように、最終的には放射性物質を含む廃棄物が排出される。このような廃棄物は、下水処理や焼却処理等の過程で放射性物質が濃縮されているため、基準値を超えるような高い放射性線量を検出する場合がある。
基準値を超えた放射性線量が検出された廃棄物は、その全量が放射性廃棄物となる。しかし、この放射性廃棄物は、埋め立て等の通常処分ができないため、処分保留のまま所定の方法で保管されることになる。
【0003】
下記の特許文献1には、炭化水素、有機化合物、金属及び放射性物質等の土壌汚染物質を効率的かつ経済的に除去するシステムが開示されている。
また、下記の特許文献2には、廃止処置時に大量発生の可能性がある放射能汚染廃棄物について、迅速かつ正確に効率よく放射能を測定し、極めて低い放射能レベルの廃棄物を有効に識別するため、検出効率は低いが分解能の高い放射線検出器と、検出効率は高いが分解能の低い放射線検出器とを併用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平5−503663号公報
【特許文献2】特開平5−341046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した放射性廃棄物は、除染等の処理が継続して実施されると、処分保留の状態で保管場所に溜まり続けることになる。
一方、処分保留の放射性廃棄物には、大きな放射性物質の濃淡(放射性線量検出値の高低分布)があるので、高線量の放射性物質を含む廃棄物から低線量物質を選別除去して減容することが望まれる。
【0006】
すなわち、処分保留のまま保管される放射性廃棄物は、その全量が基準値以上の高放射性線量を有するものとは限らないため、実際に高放射性線量を有する部分を選別することにより、処分保留のまま保管する放射性廃棄物量を低減することが望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、放射性物質を含む廃棄物から低線量物質を選別除去し、処分保留のまま保管する放射性廃棄物の減容を可能にした放射性廃棄物分別減容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る放射性廃棄物分別減容装置は、廃棄物供給部から供給された処理廃棄物の中から、基準値以上の放射性線量が検出される放射性廃棄物を選別して分離させる放射性廃棄物分別減容装置であって、前記処理廃棄物から前記放射性廃棄物を選別して分離させる選別部が放射線遮蔽容器の内部に設置され、前記選別部が、前記廃棄物供給部から供給された前記処理廃棄物を搬送して選別部内部から選別部外部へ払い出す搬送部と、前記処理廃棄物を払い出した後に前記搬送部を除染する除染部と、前記搬送部により搬送されている前記処理廃棄物の放射性線量値を検出して制御部へ入力する放射性線量検出部と、前記放射性線量値が所定値以上に高いと判断された前記放射性廃棄物を前記制御部からの動作信号を受けて搬送中の前記処理廃棄物から分離させる分別処理部と、前記処理廃棄物から分離させた前記放射性廃棄物を収容する高線量物質回収部と、を具備して構成されることを特徴とするものである。
【0008】
このような本発明の放射性廃棄物分別減容装置によれば、廃棄物供給部から供給された処理廃棄物は、放射線遮蔽容器の内部に設置されて放射性廃棄物の選別及び分離を行う選別部において、基準値以上の高い放射線量が検出された放射性廃棄物(高線量物質)と、基準値に満たない低い放射線量が検出された廃棄物(低線量物質)とに分別されるため、処分保留のまま保管しなければならない放射性廃棄物の減容が可能になる。
【0009】
上述した選別部における放射性廃棄物の選別は、搬送部が廃棄物供給部から供給された処理廃棄物を搬送して選別部内部から選別部外部へ払い出す間に、以下の手順により実施される。
搬送部で搬送中の処理廃棄物は、放射性線量検出部を通過する際に放射性線量値が検出され、この検出値を制御部に入力して放射性廃棄物か否かの判断をする。この結果、放射性廃棄物であるとの判断がなされると、制御部は分別処理部に動作信号を出力し、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物と判断された部分が分離されて高線量物質回収部に収容される。
【0010】
一方、高線量物質回収部に収容されずに残った処理廃棄物は、そのまま搬送部により搬送され、選別部外部へ払い出されて回収される。従って、処理廃棄物は、高線量物質回収部に収容された放射性廃棄物と、選別部外部へ払い出されて回収される通常処分可能な廃棄物とに分別される。
なお、廃棄物供給部から供給された処理廃棄物を搬送して選別部内部から選別部外部へ払い出す搬送部は、処理廃棄物を払い出した後に除染する除染部を備えているので、後の搬送時における放射性線量検出部の放射性線量値検出に対して放射性廃棄物(高放射線量値)の影響が及ぶことを防止でき、従って、繰り返しの搬送が可能になる。
【0011】
上記の放射性廃棄物分別減容装置においては、前記処理廃棄物の重量及び/または外観から廃棄物サイズを判断する廃棄物判定部を設け、前記放射性廃棄物を選別する放射線量の基準値を前記廃棄物サイズに応じて変化させることが好ましく、これにより、放射性廃棄物を選別する基準値が処理廃棄物の単位重量に応じて規定される値であることから、処理廃棄物の形状や重量が異なる場合であっても、放射性廃棄物を高精度に選別することができる。
【0012】
上記の放射性廃棄物分別減容装置においては、前記放射線量検出部に位置検出型センサを採用することにより、計測対象領域での線量分布も含めて計測できるようになり、放射性廃棄物を細かく選別して分別率を向上させることができる。
この場合に好適な位置検出型センサには、たとえばカドミウム・テルル(CdTe)アレー検出器のようなアレー型があり、搬送方向と交差する方向についても線量分布の計測が可能になるため、きめ細かい放射性廃棄物の選別が可能になる。また、位置検出型センサとして2次元検出器(たとえば、マルチグリッド型MSGE)を採用すれば、2次元方向の線量分布を計測できるようになるので、より一層きめ細かい放射性廃棄物の選別が可能になって分別率を高度化できる。
【0013】
上記の放射性廃棄物分別減容装置においては、前記放射性線量検出部、前記分別処理部及び前記高線量物質回収部を備えた選別分離部を前記搬送部の上流側から下流側へ複数段設けるとともに、前記放射性線量検出部の検出範囲を前段側程広く設定して後段側へ順次狭めることが好ましく、これにより、処理廃棄物から段階的に放射性廃棄物を選別して減容率を増すことが可能になる。具体的には、上流側に配置される前段側の放射性線量検出部に広域監視型のセンサ(たとえば、NaI(Ti)シンチレーション検出器等)を採用して処理速度を上げ、かつ、下流側に配置される後段側の放射性線量検出部に高精度センサ(たとえば、Ge検出器等)を採用して線量監視精度を増すことが望ましい。
【0014】
この場合、選別分離部の後段側となる放射性線量検出部にGe検出器のような核種区別型センサを設置することにより、核種の異なる放射線廃棄物毎に分別することが可能となる。従って、放射線廃棄物は核種に応じて分別後の最終処理(ガラス固化や埋め立て等)が異なるので、同一処理が可能な放射性廃棄物毎に効率よく分別して回収することが可能になる。
【0015】
上記の放射性廃棄物分別減容装置において、前記搬送部は、前記処理廃棄物を連続的または断続的に搬送するベルトコンベアであることが好ましく、これにより、処理廃棄物の受入、放射性廃棄物を選別及び分別、通常処分可能な廃棄物の払い出しまでの処理工程を連続運転可能な装置となる。特に、廃棄物を払い出した後のベルトコンベア(搬送部)を除染する除染部を備えているので、廃棄物供給部から処理廃棄物を供給して放射性廃棄物の選別及び分別を行う連続運転を実施しても、先に搬送した放射性廃棄物が後に搬送する処理廃棄物から放射性廃棄物を選別する際の線量検出に影響を及ぼすことはない。
【0016】
上記の放射性廃棄物分別減容装置において、前記ベルトコンベアは、前記処理廃棄物を収納して搬送する廃棄物収納容器を備えていることが好ましく、これにより、処理廃棄物から放射性廃棄物を選別する際の線量検出時には、隣接する廃棄物収納容器内の処理廃棄物から受ける影響を低減し、線量計測の精度を向上させることができる。
この場合、前記廃棄物容器は容積可変機構を備えていることが好ましく、これにより、汚泥や焼却灰のような処理廃棄物は勿論のこと、形状や大きさが不均一となるがれき類の処理廃棄物にも対応可能となる。
【発明の効果】
【0017】
上述した本発明の放射性廃棄物分別減容装置によれば、全量が基準値以上の高放射性線量を有するものとは限らない処理廃棄物について、実際に高放射性線量を有する部分の放射性廃棄物を、埋め立て等の通常処分が可能な基準値未満の低放射性線量の廃棄物から選別して分別することにより、処分保留のまま保管することが必要となる放射性廃棄物量を低減する減容が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る放射性廃棄物分別減容装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す第1実施形態において、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物を分離させる分別処理部が分離を完了した状態を示す図である。
【図3】図1に示す第1実施形態において、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物を分離させる分別処理部の第1変形例を示す図である。
【図4】図1に示す第1実施形態において、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物を分離させる分別処理部の第2変形例を示す図で、(a)は側面図、(b)は要部の拡大斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る放射性廃棄物分別減容装置を示す概略構成図である。
【図6】図5に示す第2実施形態において、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物を分離させる分別処理部が分離を完了した状態を示す図である。
【図7】図5に示す第2実施形態において、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物を分離させる分別処理部の第1変形例を示す図である。
【図8】図5に示す第2実施形態において、搬送中の処理廃棄物から放射性廃棄物を分離させる分別処理部の第2変形例を示す図である。
【図9】放射線廃棄物と判断するための基準値(閾値)について、一例として廃棄物サイズ(Kg)と廃棄物線量(Bq)との関係を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る放射性廃棄物分別減容装置について、要部の構成例を示す概略構成図である。
【図11】本発明の第4実施形態として放射性廃棄物分別減容装置を多段化した構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る放射性廃棄物分別減容装置について、一実施形態を図面に基づいて説明する。
放射性廃棄物分別減容装置は、たとえば下水汚泥、焼却灰、瓦礫等のように、通常は埋設等により処分されている処理廃棄物から、大気中に飛散した放射性物質が付着することにより基準値以上の高い放射線線量を検出した放射性廃棄物を選別して分離させるための装置である。すなわち、放射性廃棄物は埋設処分等の通常処分ができないため、処理廃棄物中に含まれている放射性廃棄物を減容し、処分保留のまま放射性廃棄物を保管しておくために必要となるスペースの低減を可能にする装置である。
【0020】
<第1実施形態>
図1に示す実施形態の放射性廃棄物分別減容装置1は、下水汚泥、焼却灰、瓦礫等の処理廃棄物Wを供給する廃棄物供給装置(廃棄物供給部)2と、この廃棄物供給装置2から供給された処理廃棄物Wの中から放射性廃棄物AWを選別し、通常処分可能な処理廃棄物である通常廃棄物SWと、処分保留のまま保管する放射性廃棄物AWとに分離する選別装置(選別部)10とを備えている。
ここで使用する廃棄物供給装置2は、処理廃棄物Wを連続して供給する方式またはバッジ方式の何れを採用してもよく、後述するベルトコンベア(搬送部)20の搬送方式等に応じて適宜選択すればよい。
【0021】
上述した放射性廃棄物(高線量物質)AWは、たとえば図9に示すように、廃棄物サイズ(Kg)と廃棄物線量(Bq)との関係により規定される。図9に示す例では、放射線廃棄物AWと判断する基準値(閾値)が8000Bq/Kgである。従って、この基準値以上となる高い放射線量が検出されて高線量領域に入った場合には放射性廃棄物(高線量物質)AWと認定され、基準値に満たない低い放射線量が検出されて低線量領域に入った場合には、通常処分可能な通常廃棄物(低線量物質)SWと認定される。
すなわち、処理廃棄物Wから検出された単位重量当たりの放射性線量が所定の基準値以上となった部分(領域)の廃棄物を放射性廃棄物AWと認定し、それ以外の部分(領域)については通常処分可能な通常廃棄物SWと認定する。
【0022】
選別部10における放射性廃棄物AWの選別は、搬送部10が廃棄物供給部2から供給された処理廃棄物Wを搬送して選別部内部から選別部外部へ払い出す間に、以下に説明する手順により実施される。以下、選別部10の構成要素の詳細とともに、放射性廃棄物AWが選別及び分離されるまでの流れについて説明する。
【0023】
選別部10は、処理廃棄物Wから放射性廃棄物AWを選別して分離させるものであるから、たとえば鉛板等により構成された放射線遮蔽容器3の内部に設置されている。この放射線遮蔽容器3には、廃棄物供給装置2から処理廃棄物Wを供給する入口開口4と、選別後の通常廃棄物SWを払い出す出口開口5と、選別後に後述する放射性物質回収装置(高線量物質回収部)70に収納した放射性廃棄物AWを取り出す回収出口(不図示)等が設けられている。
なお、入口開口4や出口開口5のような開口部については、必要に応じて適当な放射線対策が施されている。
【0024】
放射線遮蔽容器3の内部に設置された選別部10は、廃棄物供給部2から供給された処理廃棄物Wを搬送して選別部内部から選別部外部へ払い出すベルトコンベア(搬送部)20と、処理廃棄物W(この場合は通常廃棄物SW)を払い出した後にベルトコンベア20の搬送面等を除染する除染装置(除染部)30と、ベルトコンベア20により搬送されている処理廃棄物Wの放射性線量値を検出して制御部(廃棄物判定部)40へ入力する放射線量センサ(放射性線量検出部)50と、放射性線量値が所定値以上に高いと判断された放射性廃棄物AWを制御部40からの動作信号を受けて搬送中の処理廃棄物Wから分離させる押し出し装置(分別処理部)60と、処理廃棄物Wから分離させた放射性廃棄物AWを収容する放射性物質回収装置(高線量物質回収部)70と、を具備して構成される。
【0025】
図示のベルトコンベア20は、両端部を接続して輪状とした幅広の搬送ベルト21を台車上で回転させる一般的な搬送装置であり、搬送ベルト21の搬送面上に廃棄物供給装置2から供給された処理廃棄物Wを載せて、入口開口4から出口開口5の方向へ一定の速度で移動させる。この場合、処理廃棄物Wは、搬送ベルト21の搬送面上方に配置された廃棄物供給装置2から連続して供給されている。
【0026】
ベルトコンベア20の搬送方向には、処理廃棄物Wの供給位置から搬送方向下流側に向けて、放射線量センサ50及び押し出し装置60が所定の間隔を設けて順番に配置されている。
放射線量センサ50は、ベルトコンベア20により搬送されている処理廃棄物Wの放射性線量値を検出して制御部40へ入力するものである。この放射線量センサ50は、たとえばNaI(Ti)シンチレーション検出器等のような広域監視型のセンサが採用され、搬送ベルト21の搬送面上方に所定の間隔を設けて固定されている。放射線量センサ50で検出した放射性線量値は、信号線51を介して制御部40に入力される。
【0027】
この場合、放射線量センサ50は、搬送ベルト21上に裁置されて連続搬送されている処理廃棄物Wについて、搬送方向における長さLの範囲(ハッチング部)で放射性線量値を検出する。この長さLは、たとえば放射線量センサ50の検出性能、ベルトコンベア20の搬送速度及び押し出し装置60の処理能力等のように、選別部10を構成する構成要素の諸条件に応じて異なる値である。
また、ベルトコンベア20は連続搬送に限定されることはなく、たとえばベルトコンベア20を計測時に停止する断続運転を行うことや、搬送時及び計測時で搬送速度を変化させて検出することも可能であり、これに合わせて廃棄物供給装置2の処理廃棄物供給も調整される。
【0028】
こうして検出された放射性線量値は、制御部40に入力されて放射性廃棄物AWまたは通常廃棄物SWの何れであるかが判断される。
すなわち、廃棄物供給装置2の処理廃棄物供給量から廃棄物サイズを推測できるので、制御部40では、検出した放射性線量値及び推測した廃棄物サイズから算出した値を閾値と比較し、検出対象の処理廃棄物Wが高線量物質の放射性廃棄物AWか否かを判断することができる。換言すれば、制御部40は、処理廃棄物Wの廃棄物サイズに応じて、放射性廃棄物AWを選別する放射線量の基準値を変更することになり、廃棄物サイズが大きいほど検出した放射性線量値の判断基準値も高くなる。
【0029】
制御部40が放射性廃棄物AWと判断すると、押し出し装置60に動作信号が出力されるが、放射性廃棄物AWでないと判断した処理廃棄物Wは、押し出し装置60が動作することなくそのまま通過する。この結果、放射性線量値が閾値より低い処理廃棄物Wは、通常廃棄物SWとして出口開口5から選別部10の外部へ払い出される。
【0030】
図示の押し出し装置60は、ベルトコンベア20の側面近傍に設置され、搬送方向と略直行する方向(図2の白抜矢印61を参照)に伸縮動作する押圧板62を備えている。この押圧板62は、たとえば油圧シリンダや空気圧シリンダ等を駆動源とし、ベルトコンベア20の側面近傍から搬送面上を横断するように移動して、搬送面上の放射性廃棄物AWを処理廃棄物Wから分別処理する装置である。
なお、図1に示す押し出し装置60の押圧板62は、動作信号を受ける前の待機位置にあり、図2に示す押圧板62は、動作信号を受けて放射性廃棄物AWの分別処理を完了した状態を示している。
【0031】
押し出し装置60により分別処理された放射性廃棄物AWは、押し出し装置60とは反対側となるベルトコンベア20の側面下方に配置された放射性物質回収装置70に落下して回収される。この放射性物質回収装置70は、上面が開口した状態で設置され、所定量を回収した後には蓋をして密閉される。
なお、この放射性物質回収装置70は、必要に応じて放射線対策を施した素材や構造とすることが望ましい。
【0032】
この結果、廃棄物供給部2から供給された処理廃棄物Wは、放射線遮蔽容器3の内部に設置されて放射性廃棄物Wの選別及び分離を行う選別部10において、基準値以上の高い放射線量が検出された放射性廃棄物AWと、基準値に満たない低い放射線量が検出された通常廃棄物SWとに分別されるため、処分保留のまま保管しなければならない放射性廃棄物AWを迅速かつ容易に減容することが可能になる。
【0033】
こうして通常廃棄物SWを払い出した後のベルトコンベア20は、折り返して再度の搬送に向かうこととなるが、このような折り返し状態にあるベルト搬送面21については、除染装置(除染部)30を設けて水噴霧等により搬送面等の除染が行われる。この除染を行うことで、放射性廃棄物AWから付着した放射性物質が除去される。このため、放射線量センサ50により放射性線量の検出を行う際には、前回搬送した放射性廃棄物AWの影響が及ぶようなことはなく、従って、各搬送時に処理廃棄物Wの放射性線量値を正確に測定することができるため、繰り返しの搬送が可能になる。
【0034】
このように、本実施形態の選別部10では、ベルトコンベア20により搬送中の処理廃棄物Wが放射線量センサ50を通過する際に放射性線量値が検出され、この検出値を制御部40に入力して放射性廃棄物AWか否かの判断をする。この結果、放射性廃棄物AWであるとの判断がなされると、制御部40が押し出し装置60に動作信号を出力し、搬送中の処理廃棄物Wから放射性廃棄物AWと判断された部分のみを分離させて放射性物質回収装置70に収容する。
【0035】
一方、放射性物質回収装置70に収容されることなく押し出し装置60を通過した通常廃棄物SWは、そのままベルトコンベア20により搬送された後、選別部外部へ払い出されて所定の容器等に回収される。従って、処理廃棄物Wは、埋め立て等の通常処理が可能な通常廃棄物SWが分離除去されたことにより、処分保留のまま保管しなければならないというように、特殊な対応を必要とする放射性廃棄物量AWを減容して保管スペースの低減が可能になる。
【0036】
ところで、分別処理部は、上述した実施形態の押し出し装置60に限定されることはなく、種々の変形例が可能である。
図3に示す第1変形例の分別処理部は、ベルトコンベア20Aの搬送ベルト21Aに対して搬送面上に搬送用底板63を設置し、この搬送用底板63を跳ね上げるようにして搬送中の処理廃棄物Wから放射性廃棄物AWを分離させる構造となっている。すなわち、搬送ベルト21Aの搬送面の上面(外周面)には、搬送方向を分割した多数の搬送用底板63が配列され、図示省略の駆動機構により各々が単独で跳ね上げ動作するように構成されている。
【0037】
搬送用底板63の搬送方向寸法(板幅)は、放射線量センサ50の搬送方向検出範囲と略一致するように定められている。そして、搬送用底板63は、搬送方向と交差する一方の側面がヒンジ等の揺動支持部材(不図示)を介してベルトコンベア20A側に支持されている。
このような構成により、制御部40が放射性廃棄物AWと判断して動作信号を出力すると、搬送用底板63は、油圧シリンダ等を駆動源とする駆動機構が動作することにより、揺動支持部材を支点にして他方の側部が上昇する。この結果、搬送用底板63が傾斜するので、この搬送用底板63の上面に裁置されて搬送中の放射性廃棄物AWは、放射性物質回収装置70の内部に滑り落ちて回収される。
【0038】
図4に示す第2変形例の分別処理部は、ベルトコンベア20Bの搬送ベルト21Bに対して搬送面を貫通する開閉式の開口部64を多数設けたものである。この場合、ベルトコンベア20Bの内周面側が搬送面となり、下段側を通過する搬送ベルト21Bの上面に廃棄物供給装置(不図示)から処理廃棄物Wが供給される。
図示の構成例では、不図示の駆動機構により観音扉65が下方へ略90度回転して開閉することにより、搬送ベルト21Bに開口部64を形成する構造となっているが、1枚の扉が完全に開閉する構造や下方へ傾斜する構造としてもよい。
【0039】
このような構成を採用しても、制御部40が放射性廃棄物AWと判断して動作信号を出力すると、搬送ベルト21Bに形成された観音扉65が下方へ開く動作をして開口部64を開とするので、観音扉65の部分に裁置されて搬送中の放射性廃棄物AWは、高線量物質回収容器の放射性物質回収装置70に落下して回収される。
また、このような構成では、放射性物質回収装置70に収容されることなく通過した通常廃棄物SWについても、同様に構成された開閉式の開口部66から低線量物質回収容器71の内部に落下して回収される。なお、この場合の開口部66は、低線量物質回収容器71の位置等を検知することにより、観音扉67が下方へ開く動作をして形成される。
【0040】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る放射性廃棄物分別減容装置について、図5から図8を参照して説明する。なお、上述した実施形態及び変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図示の放射性廃棄物分別減容装置1Aは、選別装置10Aを構成する搬送部のベルトコンベア20C及び分別処理部の駆動機構が異なることに加えて、処理廃棄物Wの重量計測装置80及び画像処理による形状判定装置90を備えている点が異なっている。
【0041】
具体的に説明すると、選別装置10Aのベルトコンベア20Cは、搬送ベルト21Cの搬送面上に、供給された処理廃棄物Wを分割収納して搬送する廃棄物収納容器22を備えている。図示の廃棄物収納容器22は、上面が開放された略直方体形状の容器とされ、ベルトコンベア20Cの搬送方向に多数設置されている。このような廃棄物収納容器22を使用すると、前後を搬送される処理廃棄物Wが放射性線量値の計測に及ぼす影響を低減しできるので、線量計測精度の向上に有効である。
【0042】
また、上述した廃棄物収納容器22は、搬送ベルト21Cに対して、底面の一側面がヒンジ22a等により揺動可能に支持されている。さらに、廃棄物収納容器22は、放射性廃棄物AWと判断した場合、制御部40Aから動作信号を受けて動作する駆動(反転)機構68を備えているので、たとえば図6に示すように、略180度の反転をして容器内の放射性廃棄物AWを放射性物質回収装置70へ落下させることができる。
なお、図6に示す駆動機構68は、ヒンジ22aにより揺動可能に支持された廃棄物収納容器22の反対側底部を下方から持ち上げるように昇降動作するものであるが、これに限定されることはない。
【0043】
また、図7に示す第1変形例のベルトコンベア21Dは、空の廃棄物収納容器22Aを押し出すことで容器交換する押出装置(不図示)を備えている。すなわち、この変形例では、押出装置の動作により空の廃棄物収納容器22Aが搬送方向と交差する方向へ押し出されるので、押出装置の動作時期を調整することにより、放射性廃棄物AWを収納して搬送ベルト21Dにより搬送中の廃棄物収納容器22Aは、搬送ベルト21Dの搬送面から側方へ押し出されて容器交換されることとなる。
なお、搬送ベルト21Dの搬送面から側方へ押し出された廃棄物収納容器22Aは、底面の開放や容器を回転させるなどして、内部の放射性廃棄物AWを放射性物質回収装置70に回収すればよい。
【0044】
また、図8に示す第2変形例のベルトコンベア21Eは、一般的にはベルト搬送面21Eを断続運転する方式であり、放射性廃棄物AWの回収位置で一時停止することにより、図示しない駆動装置が動作して廃棄物収納容器22Bを放射性物質回収装置70の上方まで移動させる。放射性物質回収装置70の上方に到達した廃棄物収納容器22Bは、底面の開放や容器を回転させるなどして内部の放射性廃棄物AWを放射性物質回収装置70に回収した後、駆動装置により元に位置に引き戻される。
こうして放射性廃棄物AWを選別分離した後には、再度ベルトコンベア21Eを運転して搬送すればよい。なお、ベルトコンベア21Eの一時停止は、廃棄物収納容器22B内の処理廃棄物が放射性廃棄物AWである場合のみでよい。
【0045】
図5の重量計測装置80は、廃棄物収納容器22により搬送中の処理廃棄物Wを容器毎に重量計測するもので、たとえばロードセル等が使用される。この重量計測装置80で計測した容器毎の重量データは制御部40Aに入力され、処理廃棄物Wが放射性廃棄物AWであるか否かの判断に使用される。
【0046】
また、図5の形状判定装置90は、搬送中の処理廃棄物Wの形状や大きさ(以下、「廃棄物サイズ」と呼ぶ)を画像処理により判定する装置であり、画像データを得るカメラ91と、カメラ91から入力される画像データに基づいて廃棄物サイズを判定する画像処理部92とを備えている。画像処理部92で得られた廃棄物サイズのデータは、制御部40Aに入力されて処理廃棄物Wが放射性廃棄物AWであるか否かの判断に使用される。
この場合、重量計測装置80及び形状判定装置90は、いずれか一方のみを使用してもよいし、両方を併用して測定精度を向上させてもよい。特に、比重が略一定の処理廃棄物Wを取り扱う場合には、形状(体積)が分かれば略正確に重量を推測できるので、状判定装置90のみでもよい。
【0047】
このようにして、搬送容器毎に処理廃棄物Wの重量や廃棄物サイズの実測データが得られるようになると、廃棄物供給装置2の処理廃棄物供給量等から廃棄物サイズを推測する第1実施形態と比較して、より正確な廃棄物サイズのデータを得ることができる。
この結果、一例として図9に示すように、閾値に基づいて放射性廃棄物AWか否かを判断する場合には、分母となる廃棄物サイズ(Kg)に関するデータ精度が向上するので、より正確な判断が可能になる。
【0048】
すなわち、放射性廃棄物分別減容装置1Aにおいては、処理廃棄物Wの重量及び/または外観から廃棄物サイズを判断する制御部40Aを設け、放射性廃棄物AWを選別する放射線量の基準値を廃棄物サイズに応じて変化させるので、放射性廃棄物AWを選別する基準値が処理廃棄物Wの単位重量に応じて規定される値であることから、処理廃棄物Wの形状や重量が異なる場合であっても、放射性廃棄物AWの高精度な選別が可能になる。
【0049】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る放射性廃棄物分別減容装置について、図10を参照して説明する。なお、上述した実施形態及び変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、上述した放射性廃棄物分別減容装置1,1Aにおいて、放射線量検出部の放射線線量センサ50に代えて位置検出型センサ50Aを採用している。この位置検出型センサ50Aは、搬送方向と交差する幅方向(搬送ベルト21の幅方向)についても複数に分割して計測が可能である。すなわち、計測対象領域での線量分布も含めて計測できるようになり、放射性廃棄物を細かく選別して分別率を向上させることができる。
なお、図示の位置検出型センサ50Aは、検査領域の幅方向をa〜fに6分割しているが、これに限定されることはない。
【0050】
このような位置検出型センサ50Aは、たとえばカドミウム・テルル(CdTe)アレー検出器のようなアレー型があり、搬送方向と交差する方向についても線量分布の計測が可能になるため、きめ細かい放射性廃棄物の選別が可能になる。従って、搬送ベルト21Fの搬送面を貫通する開口部69についても、位置検出型センサ50Aの検出領域a〜fに対応するよう幅方向を6分割して設けておけば、よりきめ細かい選別及び分別が可能になる。
【0051】
図示の構成例では、処理廃棄物Wの検査領域を幅方向に6分割した場合、位置検出型センサ50Aの検査領域cに対応する部分が低線量物質の通常廃棄物SWであり、他の部分は全て高線量物質の放射性廃棄物AWである。従って、位置検出型センサ50Aで幅方向の線量分布を計測できれば、6列に分割した開口部69の開閉操作については、高線量物質を回収する放射性物質回収装置70の上方を通過する際、検査領域cに対応する部分を除く5箇所を開にして放射性廃棄物AWを回収する。また、残った通常物質SWについては、低線量物質を回収する低線量物質回収容器71の上方を通過する際、全ての開口部69を開いて回収する。
この結果、処理廃棄物Wから選別された放射性廃棄物AWは、通常廃棄物SWの割合が低い状態に減要されたものとなる。
【0052】
また、上述した位置検出型センサ50Aに代えて、たとえば、マルチグリッド型MSGEのような2次元検出器を採用してもよい。このような2次元検出器を採用すれば、2次元方向の線量分布を計測できるようになるので、より一層きめ細かい放射性廃棄物AWの選別が可能になり、分別率はより一層を高度化する。
【0053】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る放射性廃棄物分別減容装置について、図11に示す放射性廃棄物分別減容装置1Bのように、複数段の選別及び分別を実施するように、たとえば放射線量センサ50,50Aのような放射性線量検出部と、たとえば押し出し装置60のような分別処理部と、放射性物質回収装置70のような高線量物質回収部とを備えた2段の選別分離部S1,S2を設けた構成としてもよい。
この場合、ベルトコンベア20の上流側から下流側へ2段以上(複数段)設けるとともに、放射性線量検出部となるセンサの検出範囲を前段側程広く設定して後段側へ順次狭めることが望ましい。
【0054】
具体的には、上流側に配置されて前段側の初段検出を行う選別分離部S1では、放射性線量検出部として広域監視型のセンサ(たとえば、NaI(Ti)シンチレーション検出器等)を採用することによって処理速度を上げ、かつ、下流側に配置されて後段側の高精度検出を行う選別分離部S1では、放射性線量検出部に高精度センサ(たとえば、Ge検出器等)を採用して線量監視精度を増すようにすればよい。このように、複数段の選別分離部S1,S2において段階的に処理精度の高いセンサを採用すれば、処理廃棄物Wから放射性廃棄物AWを段階的に素早く正確に選別して減容率を増すことができる。
【0055】
また、選別分離部S1〜Snの後段側、特に最終段の放射線量センサにGe検出器のような核種区別型センサを設置すれば、核種の異なる放射線廃棄物AW毎に分別することが可能となる。分別後の最終処理は、たとえばガラス固化や埋め立て等のように、放射線廃棄物AWの核種に応じて異なるので、同一処理が可能な放射性廃棄物AW毎に効率よく分別して回収することが可能になり、最終処理までに新たな分別処理が不要となる。
【0056】
このように、上述した本実施形態の放射性廃棄物分別減容装置によれば、放射性廃棄物AWの減容が可能になるので、放射性廃棄物AWの保管に必要なスペースを低減できる。すなわち、処理廃棄物Wの全量が基準値以上の高放射性線量を有する放射性廃棄物AWとは限らないので、実際に高放射性線量を有する部分の放射性廃棄物AWを、埋め立て等の通常処分が可能な基準値未満の低放射性線量の通常廃棄物SWから選別して分別するば、処分保留のまま保管しておくことが必要となる放射性廃棄物量AWの容積や重量を低減する減容が可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0057】
1,1A 放射性廃棄物分別減容装置
2 廃棄物供給装置(廃棄物供給部)
3 放射線遮蔽容器
10,10A 選別装置(選別部)
20,20A〜20E ベルトコンベア(搬送部)
21,21A〜21F 搬送ベルト
22 廃棄物収納容器
30 除染装置(除染部)
40,40A 制御部(廃棄物判定部)
50 放射線量センサ(放射線量検出部)
50A 位置検出型センサ
60 押し出し装置(分別処理部)
62 押圧板
63 搬送用底板
64,66 開口部
68 駆動機構
70 放射性物質回収装置(高線量物質回収部)
80 重量計測装置
90 形状判定装置
W 処理廃棄物
AW 放射性廃棄物(高線量物質)
SW 通常廃棄物(低線量物質)
S1,S2 選別分別部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物供給部から供給された処理廃棄物の中から、基準値以上の放射性線量が検出される放射性廃棄物を選別して分離させる放射性廃棄物分別減容装置であって、
前記処理廃棄物から前記放射性廃棄物を選別して分離させる選別部が放射線遮蔽容器の内部に設置され、
前記選別部が、前記廃棄物供給部から供給された前記処理廃棄物を搬送して選別部内部から選別部外部へ払い出す搬送部と、前記処理廃棄物を払い出した後に前記搬送部を除染する除染部と、前記搬送部により搬送されている前記処理廃棄物の放射性線量値を検出して制御部へ入力する放射性線量検出部と、前記放射性線量値が所定値以上に高いと判断された前記放射性廃棄物を前記制御部からの動作信号を受けて搬送中の前記処理廃棄物から分離させる分別処理部と、前記処理廃棄物から分離させた前記放射性物質を収容する高線量物質回収部と、を具備して構成されることを特徴とする放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項2】
前記処理廃棄物の重量及び/または外観から廃棄物サイズを判断する廃棄物判定部を設け、前記放射性廃棄物を選別する放射線量の基準値を前記廃棄物サイズに応じて変化させることを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項3】
前記放射線量検出部が位置検出型センサであることを特徴とする請求項1または2に記載の放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項4】
前記放射性線量検出部、前記分別処理部及び前記高線量物質回収部を備えた選別分離部を前記搬送部の上流側から下流側へ複数段設けるとともに、前記放射性線量検出部の検出範囲を前段側程広く設定して後段側へ順次狭めることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項5】
前記選別分離部の後段側となる前記放射性線量検出部に核種区別型センサを設置したことを特徴とする請求項4に記載の放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項6】
前記搬送部が前記処理廃棄物を連続的または断続的に搬送するベルトコンベアであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項7】
前記ベルトコンベアが前記処理廃棄物を収納して搬送する廃棄物収納容器を備えていることを特徴とする請求項6に記載の放射性廃棄物分別減容装置。
【請求項8】
前記廃棄物容器が容積可変機構を備えていることを特徴とする請求項7に記載の放射性廃棄物分別減容装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−104743(P2013−104743A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247822(P2011−247822)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】