説明

放射性標識試薬及び方法

本発明は、生体分子、特にペプチドの[18F]フッ素化のための試薬及び方法に関する。こうして得られる18F標識化合物は、放射性医薬品として、具体的には陽電子放出断層撮影法(PET)で使用するための放射性医薬品として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体分子、特にペプチドの[18F]フッ素化のための試薬及び方法に関する。こうして得られる18F標識化合物は、放射性医薬品として、具体的には陽電子放出断層撮影法(PET)で使用するための放射性医薬品として有用である。
【背景技術】
【0002】
放射性標識された生物活性ペプチドを診断イメージングのために応用することは、核医学において重要性を増しつつある。特定の細胞タイプと選択的に相互作用する生物学的活性分子は、標的組織に放射能を送達するために有用である。例えば、放射性標識ペプチドは、診断イメージング及び放射線療法のため、腫瘍、梗塞巣部及び感染組織に放射性核種を送達するための大きな潜在的可能性を有している。約110分の半減期を有する18Fは、多くのレセプターイメージング調査のために最適な陽電子放出核種である。したがって、18F標識された生物活性ペプチドは、多種多様の疾患を定量的に検出して特性決定するためにPETで利用できるので大きな臨床的可能性を有している。
【0003】
18F標識ペプチドの製造に関する難点の1つは、既存の18F標識試薬が製造するのに多くの時間を要することである。18Fによるペプチド及びタンパク質の効率的な標識は、好適な補欠分子族を用いることでのみ達成される。文献中には、N−スクシンイミジル−4−[18F]フルオロベンゾエート、m−マレイミド−N−(p−[18F]フルオロベンジル)ベンズアミド、N−(p−[18F]フルオロフェニル)マレイミド及び4−[18F]フルオロフェナシルブロミドを含む数種のかかる補欠分子族が提唱されている。18Fによるペプチド及びタンパク質の標識のために現在使用されている方法のほとんどすべてが、活性エステルを利用している。最も普通に使用されている18F標識試薬は、N−スクシンイミジル−4−[18F]フルオロベンゾエート(SFB)である。SFBは、それを製造するために3つの合成段階(フッ素化、加水分解及び活性エステル生成)並びにそれに続いて時間のかかるHPLC精製段階を必要とし、したがってSFBの製造は自動化するのが難しいという欠点を有している。さらに、標識試薬中にフェニル環が存在することは、18F標識生成物に高い疎水性を付与し、これがその生体分布プロファイルに悪影響を及ぼすことがある。したがって、特にペプチド中に18Fを温和な条件下で迅速かつ化学選択的に導入して18F標識生成物を与えることができる代わりの18F標識試薬及び方法に対するニーズが依然として存在している。さらに、かかる方法であって、臨床現場での放射性医薬品の調製を容易にするための自動化に適した方法に対するニーズも存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2004/002984号パンフレット
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様に従えば、次の式(I)の化合物が提供される。
【0006】
【化1】

【0007】
一態様では、18Fラベルがピリジル窒素に対してオルト位に結合する結果、式(I)の化合物は次の式(Ia)を有する。
【0008】
【化2】

【0009】
式(I)及び式(Ia)の化合物は、生体分子の18F標識に関して顕著な利点を付与するはずである。式(I)及び式(Ia)の化合物は一段階で18F標識することができ、標識は室温付近で迅速であり、精製はカートリッジ式システム(例えば、Oasis MCXカラム)を用いて行うことができ、これは自動化を一層容易にする。また、ピリジン系はベンジル類似体より親水性であることが知られており、したがって18F−生成物の生体分布プロファイルに良い影響を与えることが期待される。下記に実証されるように、テトラフルオロフェニルエステルは18F標識中に他の活性エステルより安定であることが判明している。
【0010】
式(I)及び式(Ia)の化合物は、対応する次の式(II)の化合物又はその塩から製造できる。
【0011】
【化3】

【0012】
式中、Lはクロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ及びトリ(C1-6アルキル)アンモニウム(好適にはトリメチルアンモニウム)から選択される脱離基である。かかる式(II)の化合物は新規であり、したがって本発明の追加の態様をなしている。
【0013】
一態様では、式(II)の化合物中のLはトリ(C1-6アルキル)アンモニウム(好適にはトリメチルアンモニウム)であり、鉱酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、過塩素酸、硝酸及び硫酸)から導かれるもの並びに有機酸(例えば、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸)から導かれるものから選択される適当な対イオンを伴っている。かかる対イオンは、好適には塩化物イオン、臭化物イオン、過塩素酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンから選択され、さらに好適にはトリフルオロメタンスルホン酸イオンである。
【0014】
一態様では、式(II)の化合物は次式の化合物である。
【0015】
【化4】

【0016】
式中、X-は上記に定義したような対イオンであり、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸イオンである。
【0017】
対応する式(II)の化合物又はその塩から式(I)の化合物を製造するのは、標準的な18F標識方法によって行うことができる。[18F]フッ化物イオンは、簡便には(p,n)核反応を用いて18O濃縮水から製造され(Guillaume et al,Appl.Radiat.Isot.42(1991)749−762)、一般にNa18F、K18F、Cs18F、[18F]フッ化テトラアルキルアンモニウム又は[18F]フッ化テトラアルキルホスホニウムのような塩として単離される。[18F]フッ化物イオンの反応性を高めるためには、アミノポリエーテル又はクラウンエーテル(例えば、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン(Kryptofix 2.2.2)のような相間移動触媒を添加し、適当な溶媒中で反応を実施すればよい。これらの条件は反応性のフッ化物イオンを与える。任意には、国際公開第2005/061415号に記載されているように、フリーラジカル捕捉剤を用いてフッ素化収率を向上させることができる。「フリーラジカル捕捉剤」という用語は、フリーラジカルと相互作用してそれを不活性化する任意の薬剤として定義される。この目的のために好適なフリーラジカル捕捉剤は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシド(TEMPO)、1,2−ジフェニルエチレン(DPE)、アスコルビン酸塩、パラアミノ安息香酸(PABA)、α−トコフェロール、ヒドロキノン、ジ−t−ブチルフェノール、β−カロテン及びゲンチシン酸から選択できる。
【0018】
18F]フッ化物による式(II)の化合物の処理は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン又はN−メチルピロリジノンのような好適な有機溶媒或いはイミダゾリウム誘導体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート)、ピリジニウム誘導体(例えば、1−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート)、ホスホニウム化合物又はテトラアルキルアンモニウム化合物のようなイオン性液体の存在下において、例えば15〜50℃の極端でない温度、好ましくは15〜30℃(例えば、約18〜25℃)のような周囲温度付近で行うことができる。
【0019】
式(II)の化合物及びその塩は、6−クロロニコチン酸のような商業的に入手できる出発原料から製造できる。プロセス全体に関する収率は良好である(>50%)。段階には、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)で活性化されたテトラフルオロフェノールによるエステル化、活性6−クロロニコチン酸エステルをトリメチルアミンの飽和テトラヒドロフラン(THF)溶液で処理することによるトリメチルアンモニウム塩の生成、及び銀トリフレートによるトリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフレート)の生成が含まれる。
【0020】
式(I)の化合物の製造後、通例は例えばOasis MCX(商標)カラムによる固相抽出を用いる標準的な方法によってそれを精製すればよい。かかるカラムからは、適当な有機溶媒/水混合物を用いて式(I)の化合物を良好な純度で溶出できる。
【0021】
本発明のさらに別の態様に従えば、式(I)の化合物を次の式(III)の化合物と反応させて次の式(IV)の18F−生成物を得ることを含んでなる18F−フッ素化方法が提供される。
【0022】
【化5】

【0023】
【化6】

【0024】
【化7】

【0025】
式(I)の化合物と式(III)の化合物との反応は、適当な溶媒(例えば、2〜11、好適には3〜11のpH範囲内の水性緩衝液)中において、5〜70℃の極端でない温度、好ましくは周囲温度で実施できる。
【0026】
式(III)及び式(IV)中、好適な標識用生体分子はペプチドである。かかるペプチドには、オクトレオチドのようなソマトスタチン類似体、ボンベシン、血管作用性小腸ペプチド、走化性ペプチド類似体、α−メラノサイト刺激ホルモン、ニューロテンシン、Arg−Gly−Aspペプチド及びその類似体、ヒトプロインスリン結合ペプチド、エンドセリン、アンギオテンシン並びにホルミル−ノルロイシル−ロイシル−フェニルアラニル−ノルロイシル−チロシル−リシンがある。好ましい標識用生体分子は、国際公開第01/77415号及び同第03/006491号に記載されているもののようなArg−Gly−Aspペプチド及びその類似体である。好ましいペプチドは次式のフラグメントを含んでいる。
【0027】
【化8】

【0028】
特定の一態様では、式(III)又は式(IV)中の生体分子は次の式(A)のペプチドである。
【0029】
【化9】

【0030】
式中、X7は−NH2又は次式の基である。
【0031】
【化10】

【0032】
式中、aは1〜10の整数であり、好ましくはaは1である。
【0033】
当業者には容易に理解される通り、本発明の方法は、タンパク質、ホルモン、オリゴヌクレオチド及び抗体フラグメントのような他の生体分子並びに薬物様小分子の18F−フッ素化によって各種のPETトレーサーを得るためにも使用できる。
【0034】
式(III)の化合物は、例えば、Atherton,E.and Sheppard,R.C.;“Solid Phase Synthesis”;IRL Press:Oxford,1989中に記載されている固相ペプチド合成法のような標準的ペプチド合成法によって製造できる。式(III)の化合物中への第一アミン基の導入は、ペプチドのN末端又はC末端の反応、或いはペプチド配列中に含まれる何らかの他の官能基であって、その修飾がベクターの結合特性に影響を及ぼさない官能基との反応によって達成できる。第一アミン基は、好ましくはペプチドのアミン官能基と活性化酸との反応による安定なアミド結合の形成によって導入され、ペプチド合成の実施中又は実施後に導入される。前駆体が酸である場合、第一アミンは、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)又はN−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HATU)のようなインサイチュ活性化剤を用いて導入できる。
【実施例】
【0035】
以下、例示のみを目的として本発明を例証する。
【0036】
実施例1:6−フルオロニコチン酸2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルの合成
【0037】
【化11】

【0038】
2−トリメチルアンモニウムニコチン酸の2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(Tfp)活性エステルを、6−クロロニコチン酸(Sigma−Aldrich社)から出発する3つの段階で合成した。ヘキサンからの晶出後、50mLのジオキサン中においてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(3.96mg、19mmol)で活性化された2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(3.25mg、19mmol)により6−クロロニコチン酸(3g、19mmol)をエステル化したところ、6−クロロニコチン酸のTfpエステルが73%の収率で得られた。活性6−クロロニコチン酸tfpエステル(1g、3.27mmol)をテトラヒドロフラン(THF)中のトリメチルアミン飽和溶液(15mL)中で処理(2時間の連続バブリング)することでトリメチルアンモニウム塩を生成させたところ、塩化物イオンを対イオンとするトリメチルアンモニウム塩が45%の収率で得られた。塩はテトラヒドロフラン溶液から沈殿するので、未反応材料は濾別することができた。トリフレート塩の生成は2つの方法で生成させることができる。即ち、アセトニトリル中において対応する塩化物塩を1.2モル過剰の銀トリフレートで処理するか、或いはトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートで処理すればよい。操作が簡単であり、分取クロマトグラフィーが不要である点で、後者が好ましい選択肢である。いずれの方法もほぼ定量的である。
【0039】
【化12】

【0040】
最初に、合成した前駆体(9.2mg)を、アセトニトリル(0.7ml)中のK222(10mg)及びKF(1.1mg)によって19Fで標識した。27℃でアセトニトリル−d6中の1H−NMRを用いて19FとTfpエステルとの反応を調べることで、反応動力学及び生成した不純物を評価した。
【0041】
比較例
2−トリメチルアンモニウムニコチン酸のN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを6−クロロニコチン酸から合成し、上記の方法と同様にして19Fで標識した。
【0042】
結果
両エステルは良好な収率(6−クロロニコチン酸から出発して>30%)で合成され、室温のアセトニトリル中においてフッ化物と容易に反応した。NHSエステルはTfpエステルより加水分解を受けやすく、したがってそれ以上は評価しなかった。Tfpエステルの反応を30分間にわたり1H−NMRによって調べたところ、室温でフッ化物の迅速な取込みが示され、2.5分後には32%の出発原料が所望のフッ素化生成物に転化された。1組の実験では、70%のフッ素化生成物が20分未満で得られた。所望の生成物と共に、2種のニコチン酸誘導体が副生物として同定された。
【0043】
実施例2:6−フルオロニコチン酸2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルと官能化RGDペプチドとの反応
アセトニトリル/0.1Mリン酸ナトリウム(pH9)の1:1溶液(全量3mL)中において、実施例1のフッ素化生成物(1mg)と適宜に官能化されたRGDペプチド(5mg、国際公開第01/77415号及び同第03/006491号に記載されているようにして製造された)とを反応させることで、LC−MSにより分析して所望の生成物が得られた。LC−MS条件:Phenomenex Luna C18(2) 3μ 2×50mm、移動相A:水/0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)、移動相B:アセトニトリル/0.1%TFA、流量:0.6mL/分、5分で10〜30%B。保持時間(Rt)=3.42分、M+H+(期待値1381.5、実測値1381.6)。
【0044】
【化13】

【0045】
実施例3:6−[18F]フルオロニコチン酸2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルの放射合成
【0046】
【化14】

【0047】
2下で100℃に9分間加熱することにより、水性[18F]フッ化物(150MBq以下)を15mgのKryptofix 222及び3mgの重炭酸カリウム(KHCO3)の存在下で共沸的に乾燥した。この間に、2×1mLのアセトニトリルを添加して蒸発させた。40°に冷却した後、トリメチル−[5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシカルボニル)ピリジン−2−イル]アンモニウムメタンスルホネートの溶液(1mLのアセトニトリル中7mg)を添加した。反応器を40℃に10分間加熱して標識を行った。標的18F−化合物の生成を確認するために冷参照標準を同時注入しながら、粗反応混合物をラジオHPLC(高速液体クロマトグラフィー)及びラジオTLC(薄層クロマトグラフィー)に付した。取込み収率は、ラジオTLC(n=3)で分析して通例50〜80%であった。
【0048】
ラジオTLC:予備被覆シリカゲルプレート60 F254(Merck社)、勾配:n−ヘキサン/酢酸エチル(50:50)。インスタントイメージャー(Packard BioScience社)を用いて、TLCプレート上での放射能分布を測定した。Rf:0.65。
【0049】
ラジオHPLC:γ線検出器(Bioscanフローカウント)と直列にUV検出器を備えたAgilentシステム(1100シリーズ)上で分析用ラジオHPLCを実施した。Phenomenex Luna C18(2)カラム(150×4.6mm,5μm)、流量:1.0mL/分、勾配:20分で20〜80%B。(214nm及び254nmでのUV検出をγ線検出器と併用した)。Rt:14.4分。
【0050】
精製
2mLのアセトニトリル中に[18F]フルオロニコチン酸2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルを含む粗反応混合物を蒸留水で30%アセトニトリルまで希釈した。水溶液を(製造者の推奨条件に従ってコンディショニングした)カートリッジ付きのOasis MCXに通した。次いで、カートリッジを5mLの蒸留水で洗った。次いで、精製された生成物を100%アセトニトリルによって90%を超える放射化学純度でカラムから溶出した。未反応前駆体トリメチル−[5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシカルボニル)ピリジン−2−イル]アンモニウムメタンスルホネートはすべてカートリッジ上に残留した。
【0051】
実施例4:遊離アミノ官能基を有する環状RGDペプチドに対する6−[18F]フルオロニコチン酸2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルのコンジュゲーション
【0052】
【化15】

【0053】
精製された6−[18F]フルオロニコチン酸2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルをアセトニトリル/水の1:1溶液1.5mLに溶解した溶液に、アセトニトリル及び0.1M NaHPO4の1:1溶液1mLに溶解した3mgの適宜に官能化されたRGDペプチド(Mw:1258.47)を添加した。得られたpH9の混合物を40℃に加熱した。30分後、混合物の小アリコートをラジオHPLCで分析した。ラジオクロマトグラムは、65%を超える収率で所望の生成物に転化したことを示していた。生成物はその19F−参照標準と共溶出した。
【0054】
ラジオHPLC:γ線検出器(Bioscanフローカウント)と直列にUV検出器を備えたAgilentシステム(1100シリーズ)上で分析用ラジオHPLCを実施した。Phenomenex Luna C18(2)カラム(150×4.6mm,5μm)、流量:1.0mL/分、勾配:20分で0〜40%B。(214nm及び254nmでのUV検出をγ線検出器と併用した)。Rt:10.0分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I)の化合物。
【化1】

【請求項2】
次の式(Ia)を有する、請求項1記載の化合物。
【化2】

【請求項3】
次の式(II)の化合物又はその塩。
【化3】

(式中、Lはクロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ及びトリ(C1-6アルキル)アンモニウム(好適にはトリメチルアンモニウム)から選択される脱離基である。)
【請求項4】
Lがトリ(C1-6アルキル)アンモニウム(好適にはトリメチルアンモニウム)である、請求項3記載の式(II)の化合物又はその塩。
【請求項5】
次式の化合物である、請求項3又は請求項4記載の式(II)の化合物。
【化4】

(式中、X-は対イオンであり、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸イオンである。)
【請求項6】
請求項1又は請求項2で定義された式(I)又は式(Ia)の化合物を次の式(III)の化合物と反応させて次の式(IV)の18F−生成物を得ることを含んでなる18F−フッ素化方法。
【化5】

【化6】

【化7】

【請求項7】
生体分子がペプチドである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
生体分子が、オクトレオチドのようなソマトスタチン類似体、ボンベシン、血管作用性小腸ペプチド、走化性ペプチド類似体、α−メラノサイト刺激ホルモン、ニューロテンシン、Arg−Gly−Aspペプチド及びその類似体、ヒトプロインスリン結合ペプチド、エンドセリン、アンギオテンシン並びにホルミル−ノルロイシル−ロイシル−フェニルアラニル−ノルロイシル−チロシル−リシンから選択されるペプチドである、請求項6又は請求項7記載の方法。
【請求項9】
生体分子が次式のフラグメントを含む、請求項6乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
【化8】

【請求項10】
生体分子が次の式(A)のペプチドである、請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【化9】

(式中、X7は−NH2又は次式の基である。
【化10】

(式中、aは1〜10の整数であり、好ましくはaは1である。))

【公表番号】特表2012−522052(P2012−522052A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503484(P2012−503484)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/028078
【国際公開番号】WO2010/114723
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(305040710)ジーイー・ヘルスケア・リミテッド (99)
【Fターム(参考)】