放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【課題】被検査体の内面の全周を、所定の角度から見た画像を一度に撮像する放射状照明、曲面鏡およびＣＣＤカメラを有する検査装置を提供する。
【解決手段】
保持台に保持された被検査体の内面の全周を、被検査体の内面を放射状に光が照射されるように環状に配置された複数のＬＥＤ（４）、前記ＬＥＤ（４）と同じ中心をもつ曲面鏡及び前記曲面鏡と同じ中心をもち、上方向に光が照射されるように環状に配置された複数のＬＥＤ（７）およびＣＣＤカメラにより曲面鏡に写った像を撮像する。曲面鏡の位置を上下に移動させることにより、被検査体の内面を所定の角度から見た画像として撮像する。
【解決手段】
保持台に保持された被検査体の内面の全周を、被検査体の内面を放射状に光が照射されるように環状に配置された複数のＬＥＤ（４）、前記ＬＥＤ（４）と同じ中心をもつ曲面鏡及び前記曲面鏡と同じ中心をもち、上方向に光が照射されるように環状に配置された複数のＬＥＤ（７）およびＣＣＤカメラにより曲面鏡に写った像を撮像する。曲面鏡の位置を上下に移動させることにより、被検査体の内面を所定の角度から見た画像として撮像する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、放射状に照射されるように配置したＬＥＤと曲面鏡とを有することにより、円筒形の被検査体内面を検査するのに適した検査装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、円筒形の被検査体内面の傷、打痕等を検査する技術として円筒形の被検査体内面に光やレーザを照射して、その反射光を受光素子またはＣＣＤカメラで捉える装置が提案されている。
特開平３−２２５５５９号公報に示されるように円筒形の被検査体内部に挿入したミラーを回転しながら撮像することで周囲の画像構成する方法や特開平６−１８０２９１号や特開平６−１９４１４９公報に示されるようにミラーを回転させながらレーザを円筒形の被検査体に照射し、その反射光を受光素子で受光して検査するなどの装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平６−１８０２９１
【特許文献２】特開平３−２２６６５９
【特許文献３】特開平６−１９４１４９
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
これは次のような欠点があった。
（イ）円筒形の被検査体に対して画像処理により検査を行う場合、ＬＥＤ照明やレーザを円筒形の被検査体に当てながらスキャンしていたため、スキャンに時間が掛かり、且つ、線で画像を捉えて画像処理を行うため、検査画像を構成するための前処理が必要であった。
（ロ）スキャンの際、ミラーまたは円筒形の被検査体を回転させる必要があったため、回転させる機構が必要であった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、上面および下面が開口している円筒形の被検査体の内面を検査する検査装置であって、前記被検査体を保持しえる保持台と、前記保持台に保持された前記被検査体の上に位置するように配置されるＣＣＤカメラと、前記被検査体の内面全周を写すことを目的とした、前記被検査体の内側全周を写せるように配置される曲面鏡と、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つ、前記被検査体の内周面に垂直に照射されるように配置した照明装置と、を有することを特徴とする。
【０００６】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、前記被検査体の内面に複数のＬＥＤを環状に配置したＬＥＤ照明とすることができる。
【０００７】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、表面を鏡面処理された円錐形の鏡面体と、前記鏡面体を照射するために配置されたレーザまたはスポット光源と、前記レーザまたはスポット光源から照射された光を反射して前記鏡面体を照射させるミラーと、を有しており、更に、前記レーザまたはスポット光源から照射された光は、はミラーで９０度反射され、前記円錐形の鏡面体に照射されるように配置されているものとすることができる。
【０００８】
前記円錐形の鏡面体は、前記円錐形の鏡面体の斜辺傾斜が４５度の傾きをもつように加工されているものとすることができる。
【０００９】
前記曲面鏡の中心と同じ中心を持ち、上方向に光が照射される様に複数のＬＥＤが環状に配置された照明装置を有することができる。
【００１０】
前記照明装置と前記曲面鏡を独立に上下させることができるように構成することにより、披検査体への照明の照射角度を変えることが出来る機能を備えたものとすることができる。
【００１１】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心に対して軸対象の曲面形状をしていることを特徴とし、所定の角度から観た前記被検査体の内面を写す機能を備えたものとすることができる。
【００１２】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心に対して軸対象の球面形状にすることで、曲面鏡の作成を簡単にすることができる。
【００１３】
前記曲面鏡は、前記円筒形の被検査体の内面を４５度の角度で写す機能を備えたものとすることができる。
【００１４】
具体的に記載すると、シャフト(１)に円板（２）を設け、円板（２）の下に筒（３）を設け、筒（３）の下に円板（５）を設け、シャフト（１）を固定台（１１）に取り付ける。
筒（３）の外側に環状にＬＥＤ（４）を配置する。
曲面鏡（６）の下側（凹面側）にシャフト（９）を設け、固定板（１１）に取り付ける。
円板（８）の周囲にＬＥＤ（７）を上向きに設け、円板（８）の下にシャフト（１０）を設け、固定板（１２）に取り付ける。被検査体（２０）は、被検査体固定台（２５）に固定された被検査体固定金具（２１）に配置され、更に、被検査体固定台（２５）は、固定台（２７）に配置されたシャフト（２６）で保持されている。
【００１５】
撮像する時は、本検査装置を被検査体（２０）の内部に挿入し、ＣＣＤカメラ（１８）を本照明装置の上に配置し、曲面鏡（６）を撮像する。
【００１６】
また、ＬＥＤ（４）に変えて、レーザまたはスポット光源（２２）をミラー（２３）で反射させて円錐形の鏡面体（２４）に照射することで披検査体（２０）の内面に照射できる機能も有している。ミラー（２３）は透明のガラス板またはアクリル板（２８）と支持台（２９）で固定されている。
本発明は、以上の構成よりなる放射状照明と曲面鏡による照明装置及びそれを使用した検査装置である。
【発明の効果】
【００１７】
（イ）放射状（外側）に照射される光源と曲面鏡を組み合わせて使用することで、円筒形の被検査体の内面を、スキャンせずに検査体内面の全周を一括で撮像することができる。
（ロ）放射状（外向き）に照射されるＬＥＤ、円錐形の鏡面体、曲面鏡、円筒形の被検査体を個別に上下移動させる機能を備えることで円筒形の被検査体の内面の傷に対して任意の位置に光を照射し、また、任意の角度で、被検査体の内面を曲面鏡に写すことにより、撮像することができる。
（ハ）円錐形の鏡面体の傾斜角度を変えたものを使用することで、円筒形の被検査体の内面へ射される照射角度を変えることができる。
（ニ）曲面鏡の曲率を変えることで、被検査体の検査領域の広さ、及び、被検査体内面を写す角度を調整できる。
（ホ）円筒形の被検査体の片側に内向きのフランジがある場合、そのフランジの内側にも光が当たる照明を有しているので、フランジの内面の検査もできる。
（ヘ）曲面鏡を非球面にすることで、内面の一部(又は全部)を拡大して撮像することができる。この時、鏡により拡大しているので、色収差は発生せずに拡大画像を撮像できる。
（ト）ＬＥＤと曲面鏡の相対的な位置調整ができるので、照射角に対して任意の角度で撮像できる。
（チ）円筒形の被検査体または、本装置を上下に移動させることで、披検査体の任意の場所を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の斜視図である。
【図２】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の断面図である。
【図３】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の内面側面撮像時の光線図である。
【図４】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の内面上面撮像の場合の光線図である。
【図５】本発明の検査装置のレーザまたはＬＥＤスポット光を使用した場合の斜視図である。
【図６】本発明の検査装置のレーザまたはＬＥＤスポット光を使用した場合の断面図である。
【図７】本発明の検査装置のレーザまたはＬＥＤスポット光を使用した場合の内面撮像時の光線図である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下で、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図１、図２で示すように、先端に雄ネジが切ってあるシャフト(１)を円板（２）および円板（５）の中心に通し、円板（２）の下にアクリル製の上下が開口している環状体（３）を設け、その下に円板（５）を設ける。円板（２）の上と円板（５）の間にナットを設け、シャフト（１）の雄ネジにネジ付けして、上下が開口しているアクリル製の環状体（３）を円板（２）と円板（５）で挟んで固定する。上下が開口しているアクリル製の環状体（３）の外側に複数のＬＥＤ（４）を環状に設ける。円板（２）と円板（５）は同じサイズにする。アクリル製の環状体（３）の半径は円板（２）、円板（５）より１ｍｍ程度（ＬＥＤの高さ分）小さい半径とする。
【００２０】
シャフト（１）の下端は支持板（１１）に固定し、中心軸に対して軸対称の形状をした曲面鏡（６）の中心に円板（２）、（５）が通る穴を開け、４本のシャフト（９）で曲面鏡（６）を下から支え、前記４本のシャフト（９）をそれぞれ４つの支持板（１２）で支持する。更に、前記曲面鏡（６）と同じ中心軸を持ち、前記曲面鏡より大きな半径の円板（８）を設け、その外周近くに複数のＬＥＤ(７)を上向きに配置する。
【００２１】
前記曲面鏡と同じ中心軸を持つように配置された円板（８）の中心を下からシャフト（１０）で支え、このシャフト（１０）の下端を支持板（１３）に固定する。円板（８）にはシャフト（１）、シャフト（９）が通る穴を設けておく。
上面及び下面が開口している円筒形の被検査体（２０）は、１対の被検査体保持金具（２１）上に置かれ、前記被検査体保持金具（２１）は、被検査体保持台（２５）に固定されている。前記被検査体保持台（２５）はシャフト（２６）で、下から保持されており、更に前記シャフト（２６）は支持板（２７）に固定されている。
支持板（１１）、支持板（１２）、支持板（１３）、支持板（２７）を上下移動させることでＬＥＤ（４）、曲面鏡（６）、円板（８）、円筒形の被検査体（２０）を個別に上下させることができる。この構成により、前記ＬＥＤ（４）を上下させることで、前記被検査体への照射角度を変えることができる。また、前記曲面鏡を上下させることで、所定の角度から見た前期被検査体の内面全周を写すことができる。
【００２２】
ＬＥＤのケーブル（１４）はタイラップ等で束ねて、電源ユニット(１５)へ接続する。
曲面鏡（６）の曲率は、円筒形の被検査体（２０）の大きさ、検査領域に合わせて、曲率半径を設計する。この曲面鏡（６）の曲率は円筒形の被検査体（２０）の検査領域をおよそ４５度の角度で写るように設計する。支持板（１１）、（１２）、（１３）、（２７）及び電源ユニット（１５）はボックス（１６）に収納する。ボックス（１６）には、シャフト（１）、（９）、（１０）、（２６）が通る穴を設ける。
【００２３】
図３は、前記構造において前記ＬＥＤ（２）により前記被検査体の内面全周に垂直に照射された光線、前記ＬＥＤ（２）で照射される被検査体の内面の領域および曲面鏡（６）に写る被検査体の内面を示したものであり、これにより、前記ＬＥＤ（２）により照射された被検査体の内面が前記曲面鏡に写すことができることを表している。
【００２４】
図４は、前記構造においてＬＥＤ（７）で照射された光線、前記ＬＥＤ（７）で照射される被検査体の領域および曲面鏡（６）に写る被検査体を示したものであり、これにより、前記ＬＥＤ（７）で照射された被検査体のフランジ部分の内面を前記曲面鏡に写すことができることを表している。
【００２５】
また、図５及び図６で示すように、先端がネジきりされた前記シャフト（１）に、前記円錐形の鏡面体（２４）の底の中心に設けられたタップでこの鏡面体（２４）をネジ付けしする。尚、図１及び図２と同じ符号の部分は、同じものであるので説明を省略する。
円形にカットされたミラー（２３）は、４５度の角度で反射面を下にして、透明のガラス板またはアクリル板（２８）の上に配置されたミラー支持台（２９）に置かれている。前記ミラー（２３）と同じ高さにレーザまたはスポット光源を配置することにより、レーザまたはスポット光源からの光を９０度で反射して、前記ミラー（２３）の真下に配置した円錐形の鏡面体（２４）の真上に照射させ、前記円錐形の鏡面体（２４）により９０度で反射させて、円筒形の被検査体の内側の全周に均一な光が照射される。
【００２６】
図７は、前記構成の場合のレーザまたはスポット光源（２１）から照射される光線が透明のガラス板またはアクリルの板で支持されたφ３０のミラー（２３）で９０度の角度で反射されて前記円錐形の鏡面体（２４）に照射される光線、円錐形の鏡面体（２４）で９０度の角度で反射されて被検査体の内側の全周に照射される光線および曲面鏡（６）に写る被検査体の撮像領域を示したものである。前記円筒形の被検査体（２０）を検査する時は、前記被検査体（２０）を被検査体台（２１）に乗せ、円筒形の被検査体（２０）の上からＣＣＤカメラ（１８）で前記曲面鏡を撮像することにより、前記被検査体の内面全周を撮像することが出来る。
本発明は、以上の構成よりなる放射状照明と曲面鏡を有する検査装置である。
【符号の説明】
【００２７】
１ シャフト（ＬＥＤ（４）用）
２ 円板（ＬＥＤ（４）用）
３ 円筒（ＬＥＤ（４）用）
４ ＬＥＤ（円筒（３）取付用）
５ 円板（ＬＥＤ（４）用）
６ 曲面鏡
７ ＬＥＤ（円板（８）用）
８ 円板（ＬＥＤ（７）用）
９ シャフト（曲面鏡（６）用）
１０ シャフト（円板（８）用）
１１ 固定板（シャフト（１）用）
１２ 固定板（シャフト（９）用）
１３ 固定板（シャフト（１０）用）
１４ ケーブル
１５ 電源ユニット
１６ 筐体
１７ コンセント
１８ ＣＣＤカメラ
１９ 遮光ボックス
２０ 被検査体
２１ 被検査体保持金具
２２ レーザまたはスポット光源
２３ ミラー
２４ 円錐形の鏡面体
２５ 被検査体保持台
２６ シャフト（被検査体保持台（２５）用）
２７ 固定板（シャフト（２６）用）
２８ 透明のガラス板またはアクリル板（ミラー（２３）固定用）
【技術分野】
【０００１】
この発明は、放射状に照射されるように配置したＬＥＤと曲面鏡とを有することにより、円筒形の被検査体内面を検査するのに適した検査装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、円筒形の被検査体内面の傷、打痕等を検査する技術として円筒形の被検査体内面に光やレーザを照射して、その反射光を受光素子またはＣＣＤカメラで捉える装置が提案されている。
特開平３−２２５５５９号公報に示されるように円筒形の被検査体内部に挿入したミラーを回転しながら撮像することで周囲の画像構成する方法や特開平６−１８０２９１号や特開平６−１９４１４９公報に示されるようにミラーを回転させながらレーザを円筒形の被検査体に照射し、その反射光を受光素子で受光して検査するなどの装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平６−１８０２９１
【特許文献２】特開平３−２２６６５９
【特許文献３】特開平６−１９４１４９
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
これは次のような欠点があった。
（イ）円筒形の被検査体に対して画像処理により検査を行う場合、ＬＥＤ照明やレーザを円筒形の被検査体に当てながらスキャンしていたため、スキャンに時間が掛かり、且つ、線で画像を捉えて画像処理を行うため、検査画像を構成するための前処理が必要であった。
（ロ）スキャンの際、ミラーまたは円筒形の被検査体を回転させる必要があったため、回転させる機構が必要であった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、上面および下面が開口している円筒形の被検査体の内面を検査する検査装置であって、前記被検査体を保持しえる保持台と、前記保持台に保持された前記被検査体の上に位置するように配置されるＣＣＤカメラと、前記被検査体の内面全周を写すことを目的とした、前記被検査体の内側全周を写せるように配置される曲面鏡と、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つ、前記被検査体の内周面に垂直に照射されるように配置した照明装置と、を有することを特徴とする。
【０００６】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、前記被検査体の内面に複数のＬＥＤを環状に配置したＬＥＤ照明とすることができる。
【０００７】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、表面を鏡面処理された円錐形の鏡面体と、前記鏡面体を照射するために配置されたレーザまたはスポット光源と、前記レーザまたはスポット光源から照射された光を反射して前記鏡面体を照射させるミラーと、を有しており、更に、前記レーザまたはスポット光源から照射された光は、はミラーで９０度反射され、前記円錐形の鏡面体に照射されるように配置されているものとすることができる。
【０００８】
前記円錐形の鏡面体は、前記円錐形の鏡面体の斜辺傾斜が４５度の傾きをもつように加工されているものとすることができる。
【０００９】
前記曲面鏡の中心と同じ中心を持ち、上方向に光が照射される様に複数のＬＥＤが環状に配置された照明装置を有することができる。
【００１０】
前記照明装置と前記曲面鏡を独立に上下させることができるように構成することにより、披検査体への照明の照射角度を変えることが出来る機能を備えたものとすることができる。
【００１１】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心に対して軸対象の曲面形状をしていることを特徴とし、所定の角度から観た前記被検査体の内面を写す機能を備えたものとすることができる。
【００１２】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心に対して軸対象の球面形状にすることで、曲面鏡の作成を簡単にすることができる。
【００１３】
前記曲面鏡は、前記円筒形の被検査体の内面を４５度の角度で写す機能を備えたものとすることができる。
【００１４】
具体的に記載すると、シャフト(１)に円板（２）を設け、円板（２）の下に筒（３）を設け、筒（３）の下に円板（５）を設け、シャフト（１）を固定台（１１）に取り付ける。
筒（３）の外側に環状にＬＥＤ（４）を配置する。
曲面鏡（６）の下側（凹面側）にシャフト（９）を設け、固定板（１１）に取り付ける。
円板（８）の周囲にＬＥＤ（７）を上向きに設け、円板（８）の下にシャフト（１０）を設け、固定板（１２）に取り付ける。被検査体（２０）は、被検査体固定台（２５）に固定された被検査体固定金具（２１）に配置され、更に、被検査体固定台（２５）は、固定台（２７）に配置されたシャフト（２６）で保持されている。
【００１５】
撮像する時は、本検査装置を被検査体（２０）の内部に挿入し、ＣＣＤカメラ（１８）を本照明装置の上に配置し、曲面鏡（６）を撮像する。
【００１６】
また、ＬＥＤ（４）に変えて、レーザまたはスポット光源（２２）をミラー（２３）で反射させて円錐形の鏡面体（２４）に照射することで披検査体（２０）の内面に照射できる機能も有している。ミラー（２３）は透明のガラス板またはアクリル板（２８）と支持台（２９）で固定されている。
本発明は、以上の構成よりなる放射状照明と曲面鏡による照明装置及びそれを使用した検査装置である。
【発明の効果】
【００１７】
（イ）放射状（外側）に照射される光源と曲面鏡を組み合わせて使用することで、円筒形の被検査体の内面を、スキャンせずに検査体内面の全周を一括で撮像することができる。
（ロ）放射状（外向き）に照射されるＬＥＤ、円錐形の鏡面体、曲面鏡、円筒形の被検査体を個別に上下移動させる機能を備えることで円筒形の被検査体の内面の傷に対して任意の位置に光を照射し、また、任意の角度で、被検査体の内面を曲面鏡に写すことにより、撮像することができる。
（ハ）円錐形の鏡面体の傾斜角度を変えたものを使用することで、円筒形の被検査体の内面へ射される照射角度を変えることができる。
（ニ）曲面鏡の曲率を変えることで、被検査体の検査領域の広さ、及び、被検査体内面を写す角度を調整できる。
（ホ）円筒形の被検査体の片側に内向きのフランジがある場合、そのフランジの内側にも光が当たる照明を有しているので、フランジの内面の検査もできる。
（ヘ）曲面鏡を非球面にすることで、内面の一部(又は全部)を拡大して撮像することができる。この時、鏡により拡大しているので、色収差は発生せずに拡大画像を撮像できる。
（ト）ＬＥＤと曲面鏡の相対的な位置調整ができるので、照射角に対して任意の角度で撮像できる。
（チ）円筒形の被検査体または、本装置を上下に移動させることで、披検査体の任意の場所を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の斜視図である。
【図２】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の断面図である。
【図３】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の内面側面撮像時の光線図である。
【図４】本発明の検査装置のＬＥＤを使用した場合の内面上面撮像の場合の光線図である。
【図５】本発明の検査装置のレーザまたはＬＥＤスポット光を使用した場合の斜視図である。
【図６】本発明の検査装置のレーザまたはＬＥＤスポット光を使用した場合の断面図である。
【図７】本発明の検査装置のレーザまたはＬＥＤスポット光を使用した場合の内面撮像時の光線図である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下で、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図１、図２で示すように、先端に雄ネジが切ってあるシャフト(１)を円板（２）および円板（５）の中心に通し、円板（２）の下にアクリル製の上下が開口している環状体（３）を設け、その下に円板（５）を設ける。円板（２）の上と円板（５）の間にナットを設け、シャフト（１）の雄ネジにネジ付けして、上下が開口しているアクリル製の環状体（３）を円板（２）と円板（５）で挟んで固定する。上下が開口しているアクリル製の環状体（３）の外側に複数のＬＥＤ（４）を環状に設ける。円板（２）と円板（５）は同じサイズにする。アクリル製の環状体（３）の半径は円板（２）、円板（５）より１ｍｍ程度（ＬＥＤの高さ分）小さい半径とする。
【００２０】
シャフト（１）の下端は支持板（１１）に固定し、中心軸に対して軸対称の形状をした曲面鏡（６）の中心に円板（２）、（５）が通る穴を開け、４本のシャフト（９）で曲面鏡（６）を下から支え、前記４本のシャフト（９）をそれぞれ４つの支持板（１２）で支持する。更に、前記曲面鏡（６）と同じ中心軸を持ち、前記曲面鏡より大きな半径の円板（８）を設け、その外周近くに複数のＬＥＤ(７)を上向きに配置する。
【００２１】
前記曲面鏡と同じ中心軸を持つように配置された円板（８）の中心を下からシャフト（１０）で支え、このシャフト（１０）の下端を支持板（１３）に固定する。円板（８）にはシャフト（１）、シャフト（９）が通る穴を設けておく。
上面及び下面が開口している円筒形の被検査体（２０）は、１対の被検査体保持金具（２１）上に置かれ、前記被検査体保持金具（２１）は、被検査体保持台（２５）に固定されている。前記被検査体保持台（２５）はシャフト（２６）で、下から保持されており、更に前記シャフト（２６）は支持板（２７）に固定されている。
支持板（１１）、支持板（１２）、支持板（１３）、支持板（２７）を上下移動させることでＬＥＤ（４）、曲面鏡（６）、円板（８）、円筒形の被検査体（２０）を個別に上下させることができる。この構成により、前記ＬＥＤ（４）を上下させることで、前記被検査体への照射角度を変えることができる。また、前記曲面鏡を上下させることで、所定の角度から見た前期被検査体の内面全周を写すことができる。
【００２２】
ＬＥＤのケーブル（１４）はタイラップ等で束ねて、電源ユニット(１５)へ接続する。
曲面鏡（６）の曲率は、円筒形の被検査体（２０）の大きさ、検査領域に合わせて、曲率半径を設計する。この曲面鏡（６）の曲率は円筒形の被検査体（２０）の検査領域をおよそ４５度の角度で写るように設計する。支持板（１１）、（１２）、（１３）、（２７）及び電源ユニット（１５）はボックス（１６）に収納する。ボックス（１６）には、シャフト（１）、（９）、（１０）、（２６）が通る穴を設ける。
【００２３】
図３は、前記構造において前記ＬＥＤ（２）により前記被検査体の内面全周に垂直に照射された光線、前記ＬＥＤ（２）で照射される被検査体の内面の領域および曲面鏡（６）に写る被検査体の内面を示したものであり、これにより、前記ＬＥＤ（２）により照射された被検査体の内面が前記曲面鏡に写すことができることを表している。
【００２４】
図４は、前記構造においてＬＥＤ（７）で照射された光線、前記ＬＥＤ（７）で照射される被検査体の領域および曲面鏡（６）に写る被検査体を示したものであり、これにより、前記ＬＥＤ（７）で照射された被検査体のフランジ部分の内面を前記曲面鏡に写すことができることを表している。
【００２５】
また、図５及び図６で示すように、先端がネジきりされた前記シャフト（１）に、前記円錐形の鏡面体（２４）の底の中心に設けられたタップでこの鏡面体（２４）をネジ付けしする。尚、図１及び図２と同じ符号の部分は、同じものであるので説明を省略する。
円形にカットされたミラー（２３）は、４５度の角度で反射面を下にして、透明のガラス板またはアクリル板（２８）の上に配置されたミラー支持台（２９）に置かれている。前記ミラー（２３）と同じ高さにレーザまたはスポット光源を配置することにより、レーザまたはスポット光源からの光を９０度で反射して、前記ミラー（２３）の真下に配置した円錐形の鏡面体（２４）の真上に照射させ、前記円錐形の鏡面体（２４）により９０度で反射させて、円筒形の被検査体の内側の全周に均一な光が照射される。
【００２６】
図７は、前記構成の場合のレーザまたはスポット光源（２１）から照射される光線が透明のガラス板またはアクリルの板で支持されたφ３０のミラー（２３）で９０度の角度で反射されて前記円錐形の鏡面体（２４）に照射される光線、円錐形の鏡面体（２４）で９０度の角度で反射されて被検査体の内側の全周に照射される光線および曲面鏡（６）に写る被検査体の撮像領域を示したものである。前記円筒形の被検査体（２０）を検査する時は、前記被検査体（２０）を被検査体台（２１）に乗せ、円筒形の被検査体（２０）の上からＣＣＤカメラ（１８）で前記曲面鏡を撮像することにより、前記被検査体の内面全周を撮像することが出来る。
本発明は、以上の構成よりなる放射状照明と曲面鏡を有する検査装置である。
【符号の説明】
【００２７】
１ シャフト（ＬＥＤ（４）用）
２ 円板（ＬＥＤ（４）用）
３ 円筒（ＬＥＤ（４）用）
４ ＬＥＤ（円筒（３）取付用）
５ 円板（ＬＥＤ（４）用）
６ 曲面鏡
７ ＬＥＤ（円板（８）用）
８ 円板（ＬＥＤ（７）用）
９ シャフト（曲面鏡（６）用）
１０ シャフト（円板（８）用）
１１ 固定板（シャフト（１）用）
１２ 固定板（シャフト（９）用）
１３ 固定板（シャフト（１０）用）
１４ ケーブル
１５ 電源ユニット
１６ 筐体
１７ コンセント
１８ ＣＣＤカメラ
１９ 遮光ボックス
２０ 被検査体
２１ 被検査体保持金具
２２ レーザまたはスポット光源
２３ ミラー
２４ 円錐形の鏡面体
２５ 被検査体保持台
２６ シャフト（被検査体保持台（２５）用）
２７ 固定板（シャフト（２６）用）
２８ 透明のガラス板またはアクリル板（ミラー（２３）固定用）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
上面および下面が開口している円筒形の被検査体の内面を検査する検査装置であって、前記被検査体を保持しえる保持台と、前記保持台に保持された前記被検査体の上に位置するように配置されるＣＣＤカメラと、前記被検査体の内面全周を写すことを目的とした、前記被検査体の内側全周を写せるように配置される曲面鏡と、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つ、前記被検査体の内周面に垂直に照射されるように配置した照明装置と、を有することを特徴とする放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項２】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、前記被検査体の内面に複数のＬＥＤを環状に配置したＬＥＤ照明であることを特徴とする請求項１に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項３】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、表面を鏡面処理された円錐形の鏡面体と、前記円錐形の鏡面体を真上から照射するために配置されたレーザまたはスポット光源と、前記レーザまたはスポット光源を反射して前記鏡面体を照射させるミラーと、を有しており、更に、前記レーザまたはスポット光源から照射された光はミラーで９０度反射され、前記円錐形の鏡面体に照射されるように配置されていることを特徴とする請求項１に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項４】
前記円錐形の鏡面体は、前記円錐形の鏡面体の斜辺傾斜が４５度の傾きをもつように加工されていることを特徴とする請求項１、２または３に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項５】
前記曲面鏡の中心と同じ中心を持ち、上方向に光が照射される様に複数のＬＥＤが環状に配置された照明装置を有することを特徴とする請求項１、２、３または４に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項６】
前記照明装置と前記曲面鏡を個別に上下させることができるように構成することにより、被検査体への照明の照射角度を変えることが出来る機能を備えた請求項１、２、３、４または５に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項７】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心軸に対して軸対象の曲面形状をしていることを特徴とし、所定の角度から見た前記被検査体の内面全周を写す機能を備えた請求項１、２、３、４、５または６に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項８】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心に対して軸対象の球面形状をしていることを特徴とし、曲面鏡の作成が簡単になるという特徴を備えた請求項１、２、３、４、５、６または７に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項９】
前記曲面鏡は、前記円筒形の被検査体の内面を４５度の角度で写す機能を備えた請求項８記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項１】
上面および下面が開口している円筒形の被検査体の内面を検査する検査装置であって、前記被検査体を保持しえる保持台と、前記保持台に保持された前記被検査体の上に位置するように配置されるＣＣＤカメラと、前記被検査体の内面全周を写すことを目的とした、前記被検査体の内側全周を写せるように配置される曲面鏡と、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つ、前記被検査体の内周面に垂直に照射されるように配置した照明装置と、を有することを特徴とする放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項２】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、前記被検査体の内面に複数のＬＥＤを環状に配置したＬＥＤ照明であることを特徴とする請求項１に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項３】
前記照明装置は、前記曲面鏡の中心と同じ中心を持つように、表面を鏡面処理された円錐形の鏡面体と、前記円錐形の鏡面体を真上から照射するために配置されたレーザまたはスポット光源と、前記レーザまたはスポット光源を反射して前記鏡面体を照射させるミラーと、を有しており、更に、前記レーザまたはスポット光源から照射された光はミラーで９０度反射され、前記円錐形の鏡面体に照射されるように配置されていることを特徴とする請求項１に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項４】
前記円錐形の鏡面体は、前記円錐形の鏡面体の斜辺傾斜が４５度の傾きをもつように加工されていることを特徴とする請求項１、２または３に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項５】
前記曲面鏡の中心と同じ中心を持ち、上方向に光が照射される様に複数のＬＥＤが環状に配置された照明装置を有することを特徴とする請求項１、２、３または４に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項６】
前記照明装置と前記曲面鏡を個別に上下させることができるように構成することにより、被検査体への照明の照射角度を変えることが出来る機能を備えた請求項１、２、３、４または５に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項７】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心軸に対して軸対象の曲面形状をしていることを特徴とし、所定の角度から見た前記被検査体の内面全周を写す機能を備えた請求項１、２、３、４、５または６に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項８】
前記曲面鏡は、前記曲面鏡の中心に対して軸対象の球面形状をしていることを特徴とし、曲面鏡の作成が簡単になるという特徴を備えた請求項１、２、３、４、５、６または７に記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【請求項９】
前記曲面鏡は、前記円筒形の被検査体の内面を４５度の角度で写す機能を備えた請求項８記載の放射状照明と曲面鏡を有する検査装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１３−２４７１９（Ｐ２０１３−２４７１９Ａ）
【公開日】平成２５年２月４日（２０１３．２．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１５９５７８（Ｐ２０１１−１５９５７８）
【出願日】平成２３年７月２１日（２０１１．７．２１）
【出願人】（７１１００８２４９）アイエスシー株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年２月４日（２０１３．２．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月２１日（２０１１．７．２１）
【出願人】（７１１００８２４９）アイエスシー株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
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