説明

放射線ビーム照射対象位置決め装置およびその位置決め方法

【課題】位置決めのずれ量算出数が6軸となり精度が向上し、照射対象の位置の決定に時間かからず、X線の被曝量が少ない。
【解決手段】放射線ビーム照射対象位置決め装置2は、前・今回の照射対象Kの第1・第2方向からの前・今回の第1・第2投影画像を表示する第1表示部と、前・今回の第1投影画像で照射対象Kの特徴点として指示される前・今回の第1指示点によって、前・今回の第2投影画像での前・今回の直線を求める第1演算部と、前・今回の直線を前・今回の第2投影画像に表示する第2表示部と、前・今回の第2投影画像に表示された前・今回の直線g2、g2´上に特徴点として指示される前・今回の第2指示点と、前・今回の第1指示点とから、前・今回の特徴点の位置を演算する第2演算部と、前・今回の特徴点の間の位置ずれ量を演算し、照射対象Kの前・今回の位置の位置ずれ量を演算する第3演算部と、該位置ずれ量を出力する出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線照射において、照射計画を立てる際の照射対象のX線参照画像の位置と実際に照射対象に放射線を照射する際の照射対象の位置とを合致させるための放射線ビーム照射対象位置決め装置およびその位置決め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放射線治療において、患者入室から治療ビーム照射までのフローを図9に示す。
まず、患者は、放射線照射室に入室し(図9のS101)、治療台に患者が横たわる(S102)。
図9のS103におけるX線画像を用いた患者位置決めは、(放射線)治療ビーム照射前に必ず行われるプロセスである。
放射線治療における患者位置決めでは、位置確認のためにほぼ正面と側方からの2方向でX線撮影を行う。前回の治療計画立案時に撮影したX線画像と今回の実際の照射(治療)時に撮影したX線画像とを、技師が比較して位置決定を行い、算出したずれ量分、治療台を移動させる(S104)。
【0003】
続いて、ずれ量が許容値になったか否か、技師が判断する(S105)。ずれ量が許容値内でない場合(S105でNo)、S103に移行する。
一方、ずれ量が許容値内である場合(S105でYes)、治療計画に従って(放射線)治療ビームが患者に照射される(S106)。照射が終了すると、患者は放射線照射室から退室する(S107)。
図10に、図9のS103〜105の患者の位置決めの詳細を示す。
【0004】
従来の患者位置決め法では、例えば、あらかじめ正面(A方向)と側面(B方向)の2方向から患者をX線撮影し取得したX線参照画像を読み込む(S201A、S201B)。
実際の放射線の照射(治療)時に正面(A方向)と側面(B方向)の2方向から患者のX線画像(X線撮影画像)を取得し(S202A、S202B)、あらかじめ撮影されていたX線参照画像と治療時に取得したX線撮影画像とで、解剖学的に同一であると思われる特徴点を技師が視覚判断で指示する(S203A、S203B)。これら特徴点は複数個必要であり、X線参照画像とX線撮影画像とで指示した同一点と考えられる特徴点から画像ズレ量を算出する(S204A、S204B)。
【0005】
すなわち、A方向指示点の座標ズレ量Y(A方向から見た平面内の上下方向)、Z(A方向から見た平面内の左右方向)、ψ(A方向から見た画像投影面の平面内の回転方向))を算出し(S204A)、B方向指示点の座標ズレ量X(B方向から見た平面内の左右方向)、Y(B方向から見た平面内の上下方向)、θ(B方向から見た平面内の回転方向))を算出する(S204B)。
実際の治療時のX線撮影画像とX線参照画像にて技師の視覚判断でズレ量が基準の許容値以下となったか判定する(S205)。
ズレ量が基準の許容値以下となった場合(S205でYes)、終了する。
【0006】
一方、ズレ量が許容値内でない場合(S205でNo)、算出したズレ量分(X、Y、Z、ψ、θ)、患者の位置を移動し(S206)、S202A、S202Bに移行する。そして、S205において、治療計画立案時と実際の放射線照射時のズレ量が基準の許容値以下となるまで、患者のX線撮影が行われる上記のS202A〜S205のプロセスを繰り返す。
上述の如く、現状の手動位置決めソフトウェアでは、1平面において算出するズレ量は、平面内の回転、平面内の上下、左右方向の3軸である。例えば、A方向においては、A方向に交わる画像投影面の平面内の回転(ψ)、A方向に交わる平面内の上下(Y)、A方向に交わる平面内の左右方向(Z)である。B方向においては、B方向に交わる画像投影面の平面内の回転(θ)、B方向に交わる平面内の上下(Y)、B方向に交わる平面内の左右方向(X)である。
なお、2つの平面が共有する移動1軸(Y方向)は、技師の判断でお互いのズレ量の平均またはどちらかの値を選択する
本願に係る先行技術文献としては、次の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公報US2008/0009716A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来、2方向の患者の画像上で、解剖学的に同一な特徴点を指示するように努める技師(ユーザ)もいるが、複雑な形状をしめす患者のX線画像で、その判断を行うことは、ある程度の誤差を含むことは避けられない。特に、画像方向に重なり合った解剖学的部位の前後位置関係(見る画像に対して奥行き方向)の判断は難しい。従来法の正側面画像(A方向から見た画像、B方向から見た画像)上の特徴点は、それぞれの方向で独立に指示されるため、3次元空間中の同一点を指示していない。つまり、特徴点は、A方向またはB方向から見た画像の独立に指示される点であり、A方向から見た画像で指示した特徴点とB方向から見た画像で指示した特徴点とは空間の位置としては、関連がなく独立したものである。
【0009】
その結果、例えば正側面(A方向から見た画像平面、B方向から見た画像平面)の片面内から算出できるズレ量、A方向から見た画像平面でのズレ量(Y、Z、ψ)とB方向から見た画像平面でのズレ量(X、Y、θ)とはそれぞれ独立したもので、かつ、(X、Y、Z、ψ、θ)の各方向の5軸(次元)であるので、空間における物体のズレ量を表す6軸(移動3軸、回転3軸)を正確に求めることが難しい。
そのため、X線撮影(図10のS202A、S202B)と特徴点指示(図10のS203A、S203B)を含むズレ量算出(図10のS204A、S204B)の繰り返し回数が増加し、結果として位置決め時間が長くなる。
【0010】
例えば正面画像と側面画像とから算出したズレ量がお互いに反対方向を指示している場合は、位置決め作業を繰り返してもズレ量は収束しない。特に、デジタルカメラのような光学系画像とは異なり、X線画像の場合は透視投影となるため、X線管または2次元検出器と患者の位置関係により取得できる画像が異なり、単純な画像変換では対応が難しい。
すなわち、従来の装置では、2方向でX線撮影を行っているため,理論的には3次元位置の算出が可能であるが、そのためには2方向のX線画像で対応関係が必要となる。
【0011】
しかし、患者のX線画像(X線透視像)上から2方向の対応をとることが困難であるため、現状では3次元位置(例えば、3次元空間におけるX、Y、Z軸方向、X軸廻りの回転角、Y軸廻りの回転角、Z軸廻りの回転角の6次元座標)の算出は行わずに、各方向のX線画像からそれぞれA方向から見た平面とB方向から見た平面とで平面的に位置補正を繰り返し行うカットアンドトライ的な方法で、患者の位置補正を行っている.
このため、患者の位置の決定までに時間がかかるという問題がある。また、この従来の方法では、正確な位置ズレ量を把握するには6軸の位置ズレ量が必要なところ、5軸しか位置が求まらずカットアンドトライ的な面があり、位置確認のためX線撮影も繰り返し行われる。そのため、患者のX線の被曝量も多くなってしまうという問題もある.
【0012】
本発明は上記実状に鑑み、位置決めのずれ量算出数が6軸となるために精度向上が可能であり、放射線照射時に照射対象の位置の決定までに時間かからず、かつX線の被曝量が少ない放射線ビーム照射対象位置決め装置およびその位置決め方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わる放射線ビーム照射対象位置決め装置は、放射線ビーム照射対象位置に放射線ビームを照射する照射計画立案時の前回の前記放射線ビーム照射対象位置と、実際に放射線ビームを前記放射線ビーム照射対象に照射する今回の前記放射線ビーム照射対象の位置との位置ずれを明らかにし、放射線照射時の前記放射線ビーム照射対象の位置決めを行うための放射線ビーム照射対象位置決め装置であって、前記前回の前記放射線ビーム照射対象を第1方向から撮影した前回の第1投影画像と当該第1方向とは異なる第2方向から前記前回の放射線ビーム照射対象を撮影した前回の第2投影画像とを表示装置で表示し、かつ、前記今回の前記放射線ビーム照射対象を第3方向から撮影した今回の第1投影画像と当該第3方向とは異なる第4方向から前記今回の放射線ビーム照射対象を撮影した今回の第2投影画像とを表示装置で表示する第1表示部と、前記前回の第1投影画像でユーザにより前記放射線ビーム照射対象の特徴点として指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記前回の第2投影画像での前回の直線を求め、かつ、前記今回の第1投影画像でユーザにより前記特徴点として指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記今回の第2投影画像での今回の直線を求めるか、或いは、前記今回の第1投影画像でユーザにより前記放射線ビーム照射対象の特徴点として指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記今回の第2投影画像での今回の直線を求め、かつ、前記前回の第1投影画像でユーザにより前記特徴点として指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記前回の第2投影画像での前回の直線を求める第1演算部と、前記前回の直線を前記前回の第2投影画像に表示装置で表示し、かつ、前記今回の直線を前記今回の第2投影画像に表示装置で表示する第2表示部と、前記前回の第2投影画像に表示された前記前回の直線上に前記特徴点としてユーザにより指示される前回の第2指示点と、前記前回の第1指示点とから、前記前回の特徴点の位置を演算し、かつ、前記今回の第2投影画像に表示された前記今回の直線上に前記特徴点としてユーザにより指示される今回の第2指示点と、前記今回の第1指示点とから、前記今回の特徴点の位置を演算する第2演算部と、前記前回の特徴点と前記今回の特徴点との間の位置ずれ量を演算し、当該位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の前記前回の位置と前記今回の位置との位置ずれ量を演算する第3演算部と、該演算した前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を出力する出力部とを備えている。
【0014】
第2の本発明に関わる放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法は、放射線ビーム照射対象位置に放射線ビームを照射する照射計画立案時の前回の前記放射線ビーム照射対象位置と、実際に放射線ビームを前記放射線ビーム照射対象に照射する今回の前記放射線ビーム照射対象の位置との位置ずれを明らかにし、放射線照射時の前記放射線ビーム照射対象の位置決めを行うための放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法であって、前記放射線ビーム照射対象位置決め装置は、第1.1表示部と、第1.1演算部と、第1.2表示部と、第2.1表示部と、第2.1演算部と、第1.3表示部と、第1.2演算部と、第1.4表示部と、第2.2表示部と、第2.2演算部と、第3演算部と、出力部とを備え、前記第1.1表示部が、前記前回の放射線ビーム照射対象の第1方向の前回の第1投影画像を表示装置で表示する前回第1投影画像表示過程と、前記第1.1演算部が、前記前回の第1投影画像で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記第1方向と異なる第2方向の前記前回の放射線ビーム照射対象の前回の第2投影画像での前回の直線を求める前回直線演算過程と、前記第1.2表示部が、前記前回の第2投影画像を表示装置で表示する前回第2投影画像表示過程と、前記第2.1表示部が、前記前回の第2投影画像に、前記前回の直線を表示装置で表示する前回直線表示過程と、前記第2.1演算部が、前記前回の直線上で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される前回の第2指示点と、前記前回の第1指示点とから、前記前回の特徴点の位置を演算する前回特徴点位置演算過程と、前記第1.3表示部が、前記今回の放射線ビーム照射対象の第3方向の今回の第1投影画像を表示装置で表示する今回第1投影画像表示過程と、前記第1.2演算部が、前記今回の第1投影画像で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記第3方向と異なる第4方向の前記今回の放射線ビーム照射対象の今回の第2投影画像での今回の直線を求める今回直線演算過程と、前記第1.4表示部が、前記今回の第2投影画像を表示装置で表示する今回第2投影画像表示過程と、前記第2.2表示部が、前記今回の第2投影画像に、前記今回の直線を表示装置で表示する今回直線表示過程と、前記第2.2演算部が、前記今回の直線上で前記特徴点としてユーザにより指示される今回の第2指示点と、前記今回の第1指示点とから、前記今回の特徴点の位置を演算する今回特徴点位置演算過程と、前記第3演算部が、前記前回の特徴点と前記今回の特徴点との間の位置ずれ量を演算し、当該位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の前記前回の位置と前記今回の位置との位置ずれ量を演算する照射対象位置ずれ量演算過程と、前記出力部が、該演算された前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を出力する出力過程とを含んで成る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位置決めのずれ量算出数が6軸となるために精度向上が可能であり、放射線照射時に照射対象の位置の決定までに時間かからず、かつX線の被曝量が少ない放射線ビーム照射対象位置決め装置およびその位置決め方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に関わる実施形態の放射線照射位置決め装置においてエピポーラ幾何を用いてガイドラインの表示を行う流れを示す図である。
【図2】放射線照射位置決め装置で行われる3次元位置算出までの流れを示す図である。
【図3】実際の放射線照射時の患者の位置を治療計画立案時の患者の位置に合わせるように治療台を移動する制御の流れを示すフロー図である。
【図4】放射線照射位置決め装置でのガイドラインの表示法を示す図である。
【図5】放射線照射位置決め装置でのガイドラインの表示とユーザが選択した特徴点の3次元位置を特定する過程を示す図である。
【図6】(a)は、注目点(特徴点)の選択を検討するために位置決め対象物体内のアイソセンタに対して外側にとった点を示す図であり、(b)は、注目点(特徴点)の選択を検討するために位置決め対象物体内のアイソセンタに対して内側にとった点を示す図である。
【図7】図6で示した点を注目点(特徴点)として、注目点(特徴点)の数による図3に示す方法で求めた位置ズレの精度を表す図である。
【図8】図6に示す点を6点に固定して、選択範囲の違いによる精度の違いを示す図である。
【図9】従来の放射線治療において患者入室から治療ビーム照射までのフローを示す図である。
【図10】図9のS103〜105の患者の位置決めの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<実施形態の放射線照射位置決め装置2による患者(照射対象)の位置決めの概要>>
図1は、実施形態の放射線照射位置決め装置2においてエピポーラ幾何を用いてガイドラインg1の表示を行う流れを示す図である。
放射線治療(放射線ビームの照射)において、治療(照射)計画立案時に患者(放射線ビーム照射対象)をX線撮影したX線画像(以下、X線参照画像と称す)での患者の位置と、実際に放射線を照射する際の患者の位置との6軸(6次元)のズレ量(例えば、空間における垂直の3軸のX軸方向のズレ量X、Y軸方向のズレ量Y、Z軸方向のズレ量ZおよびX軸廻りのズレ回転角φ、Y軸廻りのズレ回転角ψ、Z軸廻りのズレ回転角θ)を算出するには、X線参照画像と実際に放射線を照射する際に撮影したX線画像(以下、X線撮影画像と称す)のそれぞれで、空間上の複数点(剛体の位置が定まる少なくとも3点)を指示する必要がある。
【0018】
実施形態の放射線照射位置決め装置2では、2方向(図1のA方向、B方向)から患者を撮影したX線画像から、エピポーラ拘束を用いて空間的に同一の点(特徴点h7(図2参照))を指示し、患者の治療(照射)計画立案時と実際の照射の際との患者の位置ズレを把握するために必要な6軸(次元)のズレ量(例えば、空間におけるX、Y、Z軸方向の移動量およびX軸廻りの回転角、Y軸廻りの回転角、Z軸廻りの回転角)を算出する。
【0019】
<放射線照射位置決め装置2>
放射線照射位置決め装置2は、位置決めのために患者をX線撮影したX線画像(X線透視像)等を表示装置2hに表示する表示部と、技師(ユーザ)がマウス等を用いて入力する入力データを受け付ける入力部と、治療計画立案時の患者の位置と実際に放射線を照射する際の患者の位置との6軸のズレ量を演算する演算部と、出力データを表示部や患者が横たわる治療台C(図4参照)の駆動装置等に出力する出力部とを備えている。
【0020】
詳細には、放射線照射位置決め装置2の表示部は、治療(照射)計画立案時に照射対象の患者をX線撮影したX線参照画像や実際に放射線を照射する際に患者を位置決めするために患者をX線撮影したX線撮影画像等を表示装置2hに表示する。入力部は、表示装置2hに表示した患者のX線画像(X線参照画像、X線撮影画像)において技師(ユーザ)がマウス等を用いて入力する特徴点等の入力データを受け付ける。
【0021】
演算部は、治療計画立案時に患者をX線撮影したX線参照画像の患者の位置と実際に放射線を照射する際にX線撮影されたX線撮影画像の患者の位置との6軸のズレ量を、指示された特徴点のズレ量を基に、演算する。出力部は、演算部での演算結果等を表示部や患者が横たわる治療台C(図4参照)の駆動装置等に出力する。
放射線照射位置決め装置2の表示部、入力部、演算部、出力部は、コンピュータ、回路等で構成されるが、各機能が実現できれば、限定されない。
【0022】
<患者のX線画像(X線透視像)において特徴点を指示し算出する方法>
放射線照射位置決め装置2において、表示装置2hに表示された患者のX線画像(X線参照画像、X線撮影画像)で技師(ユーザ)が特徴点を指示し、特徴点の位置を算出するための方法の概要について説明する。なお、本制御は、放射線照射位置決め装置2の表示部、入力部、演算部、出力部等で行われる。
【0023】
<ガイドライン表示>
まず、図1に示すように、位置決め対象物体(患者)1に対して、X線源a1とX線源b1との2方向(A、B方向)からX線撮影を行い、X線画像(X線参照画像、X線撮影画像)を取得する。ここで、X線源a1からX線撮影した1方向(A方向)目の撮影面を投影面A1とし、X線源b1からX線撮影した2方向(B方向)目の撮影面を投影面B1とする。X線画像の画像データは、放射線照射位置決め装置2に入力される。
【0024】
放射線照射位置決め装置2の表示装置h1に表示された投影面A1のX線画像から、技師(ユーザ)が、特徴点をマウス等で1点(図1のh1)選択し入力し、これを初期注目点とする。続いて、放射線照射位置決め装置2の演算部において、選択された初期注目点(図1のh1)とX線源a1を直線で結び(図1のh2)、直線上から位置決め対象物体1が存在する範囲を候補点群として算出する(図1のh3)。こうして、放射線照射位置決め装置2に直線として候補点群が得られる。最後に、放射線照射位置決め装置2の演算部で、候補点群を投影面B1に投影することで投影面B1のX線画像上に、初期注目点(図1のh1)と同様の点を表す候補点群が、出力部、表示部によって、表示装置2hにガイドラインg1として表示される.
【0025】
<3次元位置算出>
次に、投影面B1に表示されるガイドラインg1を用いて、特徴点の3次元位置を算出するまでの過程について、図2を用いて説明する。図2に、放射線照射位置決め装置2で行われる3次元位置算出までの流れを示す。
(1)まず、投影面B1に表示されたガイドラインg1上から初期注目点に相当する点を、技師(ユーザ)がマウス等で選択し入力する(図2のh5)。
(2)演算部は、技師(ユーザ)が選択した点とX線源b1の空間位置とを直線で結ぶ(図2のh6)。
(3)演算部は、得られた直線と、ガイドラインg1の表示の際に得られた初期注目点(図10のh1)とX線源a1の空間位置とを結ぶ直線との交点(図2のh7)を算出し、これを注目点(特徴点)の3次元位置と決定する。
【0026】
<治療計画立案時に対する患者の位置のズレ量の補正>
次に、上述のX線画像(X線参照画像、X線撮影画像)において特徴点を指示し算出する方法を用いて、治療計画立案時の患者の位置と、実際の放射線照射時の患者の位置とのズレ量を算出し、患者の位置を治療計画立案時の患者の位置に合わせるように治療台C(図4参照)を移動する制御の流れについて、図3に従って説明する。
図3は、放射線照射の治療計画立案時の患者の位置と、実際の放射線照射時の患者の位置とのズレ量を算出し、患者の位置を治療計画立案時の患者の位置に合わせるように治療台C(図4参照)を移動する制御の流れを示すフロー図である。図4は、放射線照射位置決め装置2でのガイドラインg1の表示法を示す図である。図5は、放射線照射位置決め装置2でのガイドラインg2の表示と、技師が選択した特徴点の3次元位置を特定する過程を示す図である。
【0027】
前記したように、図3のフローにおいて、X線画像(X線参照画像、X線撮影画像)の表示、技師(ユーザ)の特徴点の指示から患者の位置ズレ量の算出およびその出力まで、放射線照射位置決め装置2で行われる。
まず、図3のS01において、実際の放射線照射時の患者Kの位置とのズレ量を算出するための交点P、P´の算出回数iに0を設定する。
治療計画立案時にあらかじめ取得しておいた治療台C(図4参照)に横たわる患者Kを、X線管位置X、XのX線管でそれぞれA方向とB方向から撮影したX線参照画像を放射線照射位置決め装置2の入力部でそれぞれ読み込む(図3のS02A、図3のS02B)。
【0028】
続いて、実際の放射線照射に際して、治療台Cに横たわる患者KのX線管位置X´(図2のa1の位置)、X線管位置X´(図2のb1の位置)のX線管でそれぞれA´方向とB´方向との2方向から撮影したX線撮影画像のX線撮影画像データが放射線照射位置決め装置2の入力部に入力される(S03A、S03B)。
なお、図3のS02A、S02BのX線参照画像の取得と図3のS03A、S03BのX線撮影画像の取得との順番は問わない。
続いて、技師(ユーザ)は、放射線照射位置決め装置2の表示装置2hに、図5(a)に示すように、A方向参照画像FPDを表示し、表示されたA方向参照画像FPD上の特徴点P(図4参照)をマウス等で指示する(S04)。
【0029】
続いて、図4に示すように、A方向のX線管位置Xと特徴点Pを通る空間上の直線のガイドラインg01を演算部で演算し、B方向参照画像FPD上に特徴点Pに対応するガイドラインg01を投影したガイドラインg2を演算部で演算し、表示部により表示装置2hで、B方向参照画像FPD上に特徴点Pに対応するガイドラインg2を表示する(S05)。
続いて、技師(ユーザ)は、図5(b)に示すように、表示されたB方向参照画像FPD上に示される直線のガイドラインg2上から、解剖学的に特徴点Pと同一部位と考えられる位置の特徴点P(図4参照)をマウス等で指示し入力する(S06)。すると、演算部は、図4に示すように、X線管位置Xと特徴点Pを通る直線(ガイドラインg01)と、X線管位置Xと特徴点Pを通る直線(ガイドラインg02)とから、放射線による治療計画立案時のA・B方向参照画像FPD、FPDによる交点P(ガイドラインg01、g02の交点)の座標を算出する(S07)。
【0030】
続いて、以下のS08〜S11において、S04〜S07で求めた治療計画立案時のA・B方向参照画像FPD、FPDによる交点P(特徴点)の同一点に相当する実際の治療に際してのA´・B´方向撮影画像FPD´、FPD´における交点P´(特徴点)を求める。すなわち、交点Pと交点P´とは、技師(ユーザ)が患者Kの同一の特徴点(同一点)と考え、A・B方向参照画像FPD、FPDおよびA´・B´方向撮影画像FPD´、FPD´でそれぞれ指示する点である。
図3のS08において、技師(ユーザ)は、放射線照射位置決め装置2の表示装置2hに、図5(c)に示すように、実際の放射線の照射時に患者KをX線撮影したA´方向撮影画像FPD´(図4参照)を表示し、表示されたA´方向撮影画像FPD´上の図3のS04で指示した特徴点Pと同一位置と考えられる特徴点P´(図4参照)をマウス等で指示する。
【0031】
すると、図4に示すように、A´方向のX線管位置X´と特徴点P´を通る空間上の直線のガイドラインg01´を演算部で演算し、実際の放射線の照射時に患者KをX線撮影したB´方向撮影画像FPD´上に特徴点P´に対応するガイドラインg01´を投影したガイドラインg2´を演算部で演算し、表示部によって表示装置2hで、B´方向撮影画像FPD´上に特徴点P´に対応するガイドラインg2´を表示する(S09)。
続いて、技師(ユーザ)は、表示されたB´方向撮影画像FPD´上に示される直線のガイドラインg2´上から、解剖学的に特徴点P´と同一部位と考えられる位置の特徴点P´をマウス等で指示し入力する(S10)。すると、演算部は、図4に示すように、X線管位置X´と特徴点P´を通る直線(ガイドラインg01´)と、X線管位置X´と特徴点P´を通る直線(ガイドラインg02´)とから、A´・B´方向撮影画像FPD´、FPD´における交点P´(ガイドラインg01´、g02´の交点)の座標を算出する(S11)。
なお、図3のS04〜S07と、図3のS08〜S11との順番は入れ替えてもよく、順番は問わない。
【0032】
続いて、図3のS12で、i=i+1の演算で、治療計画立案時の患者の位置と、実際の放射線を照射するに際しての患者Kの位置とのズレ量を算出するための交点P、P´の算出回数iを数える。すなわち、交点P、P´を1回求める毎にiに1が加算される。そして、交点P、P´の数が所定数nに達した(n≦i?)か否か判定する。なお、剛体内の3点が求まれば、剛体のズレ量が求まることから、nは3以上とする。
交点P、P´の数が所定数nに達してない場合(S12でNo)、S04に移行し、S04からS11をiが所定数nになるまで繰り返し、所定数nの交点Pと交点P’を取得する。
【0033】
一方、交点P、P´の数が所定数nに達した場合(S12でYes)、治療計画立案時の患者K(図4参照)の位置と実際の放射線を照射するに際しての患者Kの位置とのズレ量を、下記に示す変換マトリクスを用いて、交点Pを交点P´に変換する式より、変換マトリクスのパラメータ(X軸方向のズレ量X、Y軸方向のズレ量Y、Z軸方向のズレ量ZおよびX軸廻りのズレ回転角φ、Y軸廻りのズレ回転角ψ、Z軸廻りのズレ回転角θ)の誤差が最小になるように算出する(S13)。図3のS13のズレ量の計算は、次のように行われる。
患者Kの位置ズレ量を算出するには、X線撮影画像とX線参照画像とでそれぞれ求めた空間上の患者Kの同一点と考えられる点(交点P、P´(特徴点))の座標値のズレ量から、6軸のズレ量を算出する。すなわち、今回の位置決め時(実際に放射線を照射するX線撮影画像の撮影時)と前回の位置決め時(治療計画立案時のX線参照画像の撮影時)の3次元的な位置関係から患者ずれ量を算出する。
【0034】
今回位置決め時のX線撮影画像と前回位置決め時のX線参照画像から算出されたi番目の注目点の3次元位置とは、それぞれ
select=[x、y、z、1]、Pcorrect=[x、y、z、1]
と表せる。n点に対して3次元位置推定を行って得られる点の集合をPselect =[pselect, …,pselect],Pcorrect=[pcorrect,……,pncorrect]とする。図4に示すように、X線参照画像取得時の患者Kの体位の再現性を保つように、患者Kは治療台Cに横たわる。そのため、X線撮影画像取得時も患者Kに変形がない理想型である場合、今回位置を前回位置に一致するように位置決めを行う際、X線参照画像の特徴点PとX線撮影画像の特徴点P’の間には、以下の式が成り立つ。
【0035】
correct= TPselect (1)
ここで、Tは座標変換のための剛体変換マトリクスで,各軸平行(X、Y、Z軸方向の直線移動3軸)、回転移動量(X、Y、Z軸廻りの回転3軸)の6つのパラメータで構成される。理想的に点の選択が行えた場合には、上記のマトリクス演算によって変換マトリクスが求められる。
しかし、先にも述べたように、患者位置決めは技師(ユーザ)の視覚判断による手動で患者Kの特徴点の指示が行われる。つまり、技師(ユーザ)がマニュアルで点選択を行うため、指示点がX線参照画像の点とX線撮影画像の点とで同一であると限らず、X線撮影画像の指示点とX線参照画像の指示点との間に誤差が含まれる。
【0036】
それ故、PとP’とが完全に剛体変換に対応するとは限らない。そこで、PとTP’とが最も近くなるToptを求めることで、最適な6軸(移動3軸、回転3軸)パラメータを求めることができる。
以下の評価式(2)を用いて最適な変換マトリクスToptの算出を行う。
【数1】

ただし、F=Pcorrect−TPselect とした場合、
【数2】

は行列Fの各要素の2乗和を意味するものとする。
【0037】
なお、最適化には公知のPowell-Brent法を用いるが、その他の方法を用いてもよい。
上記方法により、誤差が可及的に少ない患者の今回位置と前回位置とのずれ量を表す6つのパラメータ(直線移動3軸、回転3軸)が求められる。
なお、図3のS12で設定したnは、前記したように、3以上であればよいが、nの値(S04〜S11の繰り返し数)が大きいほど誤差が少なくなる傾向をもつ。すなわち、繰り返し精度を高める際、技師(ユーザ)が好ましいと判断する方向から見た画像を表示させ、その画面上で追加指示することを繰り返すことで精度を上げていく。
【0038】
続いて、S14において、放射線照射の治療計画立案時の患者Kの位置と、実際の放射線照射時の患者Kの位置とのズレ量が許容値内であるか判定する。この判定は、放射線照射位置決め装置2の表示装置2hにズレ量を表示させて、技師(ユーザ)が判断してもよいし、または、あらかじめ放射線照射位置決め装置2に入力しておいたデータにより、放射線照射位置決め装置2が行うこととしてもよい。
ズレ量が許容値内である場合(S14でYes)、終了する。
【0039】
一方、ズレ量が許容値内でない場合(S14でNo)、放射線照射位置決め装置2から、ズレ量X、Y、Z、ズレ回転角φ、ψ、θの情報を治療台Cの駆動装置(図示せず)に送信し、治療台Cの駆動装置により、患者Kが横たわる治療台Cを、ズレ量X、Y、Z、ズレ回転角φ、ψ、θ(照射対象の位置ずれ量)移動させた(S15)後、S03A、S03Bに移行する。
以上が図3に示す患者の位置のズレ量を補正するためのフローである。
【0040】
ここで、図3のフローにおいて、図3のS04〜S07と、図3のS08〜S11との順番を入れ替えてもよいので、図3のS04〜S07と、図3のS08〜S11との順番を入れ替えた概略のフローを以下記載する。
放射線を照射する際の患者Kの位置決めには、今回(実際に放射線を照射する際の)位置決めのために撮影したX線画像(A´、B´方向撮影画像FPD´、FPD´)と、前回(治療計画立案に際しての)位置決め時に撮影したX線画像(A、B方向参照画像FPD、FPD)を用いる(図3のS02A、S02B、S03A、S03B)。
【0041】
そして、図3のS04〜S07で、今回取得したX線画像(A´、B´方向撮影画像FPD´、FPD´)に対して、A´方向撮影画像FPD´での注目点(特徴点P´)の指示、該注目点(特徴点P´)に対応するB´方向撮影画像FPD´でのガイドラインg2´の表示、上記注目点(特徴点P´)と同一のB方向撮影画像FPD´でのガイドラインg2´上の注目点(特徴点P´)の指示、および3次元位置算出の手法を適用し、注目点(交点P´(図4参照))の3次元位置を算出し取得する。
【0042】
これに対して、図3のS08〜S11で、前回位置決め時のX線参照画像(A、B方向撮影画像FPD、FPD)から、今回選択した注目点と解剖学的に一致すると思われる点(交点P(図4参照))を選択し、同様に3次元位置を算出し取得する。
これにより、注目点(交点P´、P)に関して、今回位置決め時と前回位置決め時の3次元的位置関係が得られる。同様の処理を複数点に対して行う(図3のS04〜S11)。
【0043】
その後、今回(照射する際の)撮影したX線画像(A、B方向撮影画像FPD´、FPD´)で指示された特徴点(交点P´)と前回(治療計画立案に際しての)位置決め時に撮影したX線画像(A、B方向参照画像FPD、FPD)で指示された特徴点(交点P)との指示誤差を少なくするように、患者Kの位置ズレ量を算出し(図3のS13)、患者Kの位置ズレ量が許容値内のズレ量か判定し(図3のS14)、位置ズレ量が許容値内でない場合、患者Kが横たわる治療台Cを移動させる(図3のS15)。
【0044】
なお、図3に示す方法は、理論的には、患者Kの位置ズレ量が、前回のA方向とB方向のX線撮影と今回A´方向とB´方向のX線撮影との各1回のX線撮影のX線参照画像、X線撮影画像で算出した位置ズレ量で、患者Kが横たわる治療台Cを移動させることで、患者Kの位置ズレ量が許容値内に入るため、図3のS14のステップをなくし、図3のS15の治療台Cの移動後、患者Kの位置決めを終了してもよい。
また、A方向とA´方向とは同じ方向でもよいし、異なる方向でもよい。同様に、B方向とB´方向とは同じ方向でもよいし、異なる方向でもよい。しかしながら、A方向とA´方向およびB方向とB´方向は、同じ方向とした方が、X線参照画像とX線撮影画像で患者Kの同一の注目点(特徴点)を指示し易いのでより望ましい。
【0045】
<X線画像における注目点(特徴点)の選択法>
次に、X線画像(A´・B´方向撮影画像FPD´、FPD´、A・B方向参照画像FPD、FPD)における注目点(特徴点)の選択の仕方について説明する。
注目点(特徴点)の選択の仕方の検証は、図6に示す位置決め対象物体1(ファントム)を用いて、図3に示す方法で、3次元の対応点を算出し、最適化手法を適用した。
図6(a)は、注目点(特徴点)の選択を検討するために位置決め対象物体1内のアイソセンタに対して外側にとった点を示す図であり、図6(b)は、注目点(特徴点)の選択を検討するために位置決め対象物体1内のアイソセンタに対して内側にとった点を示す図である。
【0046】
位置決め対象物体1に、図6(a)に示す外側の8点(マル1、2、3、4、5、6、7、8の点)(外側の点)および図6(b)に示す内側の8点(マル9、10、11、12、13、14、15、16の点)(内側の点)の計16点を選択する注目点(特徴点)とする。
図6(a)に示すマル1、2、3、4は、位置決め対象物体1内において、アイソセンタに対して外側に位置し、アイソセンタに対して手前の点であり、マル5、6、7、8は、位置決め対象物体1内において、アイソセンタに対して外側に位置し、アイソセンタに対して奥の点である。
【0047】
図6(b)に示すマル9、10、11、12は、位置決め対象物体1内において、アイソセンタに対して内側に位置し、アイソセンタに対して手前の点であり、マル13、14、15、16は、位置決め対象物体1内において、アイソセンタに対して内側に位置し、アイソセンタに対して奥の点である。
例えば、Pselect(今回位置:移動量0)とPcorrect(前回位置:移動量2.0)とのパラメータ算出を行った場合、理想的には+2.0deg、+2.0mmの移動量のパラメータが算出される。
【0048】
検証には、移動量のパラメータ(sx、sy、sz、rx、ry、rz)に対して、sx、sy、szに各+10mm、rx、ry、rzに各+10degの初期値を与えて、最適化を行う。
第1の検証として、精度を保証する最適な注目点(特徴点)の数を決定するための検証を行い、第2の検証として、注目点(特徴点)の位置の範囲を変化させた場合の精度を検証する。以下、第1の検証と第2の検証について詳述する。
【0049】
第1の検証として、精度を保証する最適な注目点(特徴点)の数を決定するため、注目点(特徴点)の点数を変化させた場合の精度の変化を検証した。
本検証は、図6に示す4点(内側2点、外側2点)、6点、8点、10点、12点、14点、16点を用いて、パラメータの算出を行った。
図7は、図6で示した点を注目点(特徴点)として、注目点(特徴点)の数による図3に示す方法で求めた位置ズレの精度を表す図であり、横軸には選択した注目点の数を示し、縦軸に選択した注目点で求めた位置ズレ量が含む精度を示している。図7において、直線のグラフは実際のデータを示したものであり、棒グラフは各点のデータの平均値を示している。
【0050】
図7に示すように、図6に示す点を4点(内側2点、外側2点)用いた場合に精度が低く、6点以上用いた場合には位置ズレ量の精度が高く安定する。従って、患者Kにおける注目点(特徴点)を選択する場合、6点以上選択することが望ましい。
また、4点の場合、図6(b)に示す内側2点、図6(a)に示す外側2点を用いた場合は精度が悪いことが判明した。従って、患者K(位置決め対象物体1)における注目点(特徴点)を4点選択する場合、内側2点、外側2点の選択は避ける方が好ましい。
【0051】
第2の検証として、注目点(特徴点)の位置を変化させた場合の精度を検証し、好ましい注目点(特徴点)の位置の選択を明らかにした。
注目点(特徴点)の数を6点に固定して、内側と外側に位置する点の組み合わせを変えて、精度の違いを検証する。
図8は、図6に示す点を6点に固定して、選択範囲の違いによる精度の違いを示す図である。横軸に図6で示した選択した注目点(特徴点)を示し、縦軸に横軸に示す注目点(特徴点)での位置ズレ量の精度を示す。
【0052】
外側の注目点(特徴点)が多い場合、標準偏差を含めて、0.5mm以内の精度であり、精度が高い。一方、内側の注目点(特徴点)が多い場合、0.5mmを超える精度であり、精度が低い。従って、内側の点の数より外側の点の数が多い方が、精度が高いことが判明した。何故なら、外側の点の数が多い方が、選択する点(注目点(特徴点))の間の距離が長くなるので、位置誤差、回転誤差を、内側の点より含みにくくなるからと考えられる。
従って、患者Kにおける注目点(特徴点)を選択する場合には、外側の点を多く選択することが望ましい。
【0053】
<<作用効果>>
従来の患者位置決め装置の場合、A方向の投影面とB方向の投影面とで対応する点を選択する場合には、各投影面での選択点の関連がないため、画像全体から点の探索を行う必要がある。
これに対して、本構成では、ガイドライン表示を行う場合には、A(A´)方向の投影面で特徴点を選択すると、これに対応すると考えられる点が、B(B´)方向の投影面にガイドラインg2(g2´)(図4参照)として表示される。そのため、技師(ユーザ)はB方向の投影面でガイドラインg2(g2´)上からのみ対応点の探索を行うことができ、従来の各投影面での選択点の間の関連がない従来法と比較して非常に精度高くかつ簡便に、A方向とB方向との対応点(注目点(特徴点))を選択可能となる。
【0054】
また、従来法では、2方向の対応をとることが困難であったため、3次元位置の算出が不可能であり、各方向のX線画像から平面的な患者位置補正を行うことしかできない。そのため、従来、平面的な位置補正を繰り返すことで患者位置を決定していくため、カットアンドトライの面があり、位置決定までに多大な時間を必要とする。
しかし、本構成では、各投影面で選択する点の2方向(A(A´)方向とB(B´)方向)の対応がとれるため、3次元位置の推定が可能となり、立体的な患者Kのずれ量(6軸のずれ量)の算出を行うことができる。また、患者Kの位置ズレの算出までにかかる時間についても、本構成では、少なくとも3つの注目点(特徴点)を選択すれば、患者Kの位置ズレは明らかになる。そのため、従来より、短時間で患者Kのより正確な位置ズレを求められ、位置ズレの算出までにかかる時間が短縮できる。
【0055】
また、従来法では、平面的な位置補正を繰り返すことで患者の位置を決定していくため、X線撮影も繰り返して行う。そのため、患者のX線被曝についても少ないとは言い難い。これに対して、本構成では、1回のX線撮影で3次元的な患者Kの位置ずれ量の算出が可能であるため、短時間での患者Kの位置決定が可能であり、患者KのX線被曝量も少なく、患者の負担が少なく済む。
上述したように、従来、2方向独立のX線撮影画像とX線参照画像全体とから、特徴点を指示する必要があったが、本発明のガイドラインg2、g2´の表示の方法により、特徴点(注目点)の探索範囲がガイドラインg2、g2´上に限定される。これにより、2方向の画像を対応させつつ、技師(ユーザ)がより効率的に正確に空間上の同一点を指定できる。
【0056】
その結果、従来法では不得意であった回転方向の位置ズレ(A方向の投影面内の回転以外の回転位置ズレおよびB方向の投影面内の回転以外の回転位置ズレ)にも対応した6軸(3軸直線移動量、3軸廻りの回転角)のズレ量を算出することが可能となる。そのため、患者Kの位置決め精度の向上が見込める。
上述した如く、本発明では、患者Kの同一部位を異なる方向から映す画面の各々から目視でターゲット位置(注目点(特徴点))を指示することで幾何学的にターゲット位置を求める過程において、最初の画面で指示した注目点の投影像の支持線を次画面で表示することで、次画面でのターゲット部位(注目点(特徴点))の指示の補助とし、最初の画面と次画面とのそれぞれの二つの指示を幾何学的に解析して位置を求める方法を用いている。
【0057】
これにより、放射線治療での位置決めにおいて、短時間で患者の位置決めが容易に行え、かつ、患者のX線撮影の被曝量が少ない精度が高い照射対象位置決め装置および照射対象位置決め方法を実現できる。
なお、前記実施形態では、照射対象位置決め装置として、放射線照射位置決め装置2を例示して説明したが、放射線照射位置決め装置2の入力部、演算部、出力部、表示部等の各部は、それぞれ複数の装置に分割して構成することも可能であり、所定の機能が実現できれば、その実施形態は適宜選択可能である。
【符号の説明】
【0058】
2 放射線照射位置決め装置(照射対象位置決め装置、第1表示部、第1.1表示部、第1.2表示部、第1.3表示部、第1.4表示部、第2表示部、第2.1表示部、第2.2表示部、第1演算部、第1.1演算部、第1.2演算部、第2演算部、第2.1演算部、第2.2演算部、第3演算部、出力部)
2h 表示装置
FPD A方向参照画像(前回の第1投影画像)
FPD B方向参照画像(前回の第2投影画像)
FPD´ A´方向撮影画像(今回の第1投影画像)
FPD´ B´方向撮影画像(今回の第2投影画像)
g2 ガイドライン(前回の直線)
g2´ ガイドライン(今回の直線)
K 患者(照射対象)
特徴点(前回の第1指示点)
´ 特徴点(今回の第1指示点)
特徴点(前回の第2指示点)
´ 特徴点(今回の第2指示点)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線ビーム照射対象位置に放射線ビームを照射する照射計画立案時の前回の前記放射線ビーム照射対象位置と、実際に放射線ビームを前記放射線ビーム照射対象に照射する今回の前記放射線ビーム照射対象の位置との位置ずれを明らかにし、放射線照射時の前記放射線ビーム照射対象の位置決めを行うための放射線ビーム照射対象位置決め装置であって、
前記前回の前記放射線ビーム照射対象を第1方向から撮影した前回の第1投影画像と当該第1方向とは異なる第2方向から前記前回の放射線ビーム照射対象を撮影した前回の第2投影画像とを表示装置で表示し、かつ、前記今回の前記放射線ビーム照射対象を第3方向から撮影した今回の第1投影画像と当該第3方向とは異なる第4方向から前記今回の放射線ビーム照射対象を撮影した今回の第2投影画像とを表示装置で表示する第1表示部と、
前記前回の第1投影画像でユーザにより前記放射線ビーム照射対象の特徴点として指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記前回の第2投影画像での前回の直線を求め、かつ、前記今回の第1投影画像でユーザにより前記特徴点として指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記今回の第2投影画像での今回の直線を求めるか、或いは、
前記今回の第1投影画像でユーザにより前記放射線ビーム照射対象の特徴点として指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記今回の第2投影画像での今回の直線を求め、かつ、前記前回の第1投影画像でユーザにより前記特徴点として指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記前回の第2投影画像での前回の直線を求める第1演算部と、
前記前回の直線を前記前回の第2投影画像に表示装置で表示し、かつ、前記今回の直線を前記今回の第2投影画像に表示装置で表示する第2表示部と、
前記前回の第2投影画像に表示された前記前回の直線上に前記特徴点としてユーザにより指示される前回の第2指示点と、前記前回の第1指示点とから、前記前回の特徴点の位置を演算し、かつ、前記今回の第2投影画像に表示された前記今回の直線上に前記特徴点としてユーザにより指示される今回の第2指示点と、前記今回の第1指示点とから、前記今回の特徴点の位置を演算する第2演算部と、
前記前回の特徴点と前記今回の特徴点との間の位置ずれ量を演算し、当該位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の前記前回の位置と前記今回の位置との位置ずれ量を演算する第3演算部と、
該演算した前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を出力する出力部とを
備えることを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置。
【請求項2】
請求項1記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置において、
前記第1表示部と前記第1演算部と前記第2表示部と前記第2演算部とを用いて、少なくとも3つの前記前回の特徴点の位置とこれに対応するそれぞれ少なくとも3つの前記今回の特徴点の位置とを求め、
前記第3演算部は、前記少なくとも3つの前回の特徴点とこれに対応する前記少なくとも3つの今回の特徴点との間のそれぞれの位置ズレ量を演算し、当該各位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を演算する
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置。
【請求項3】
請求項2記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置において、
前記第3演算部は、前記少なくとも3つの前回の特徴点とこれに対応する前記少なくとも3つの今回の特徴点との間のそれぞれの少なくとも3つの各位置ずれ量で、前記少なくとも3つの前回の特徴点とこれに対応する前記少なくとも3つの今回の特徴点のうちの何れか一方をそれぞれ移動させた場合の位置とこれに対応するそれぞれの他方の位置との間の各位置ずれ量の2乗の和が最小になるように、前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を決定する
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置において、
前記前回の特徴点とこれに対応する前記今回の特徴点とは、それぞれ6つ以上求める
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置において、
前記前回の特徴点とこれに対応する前記今回の特徴点とは、それぞれ前記放射線ビーム照射対象における内側の点より外側の点が多い
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置。
【請求項6】
放射線ビーム照射対象位置に放射線ビームを照射する照射計画立案時の前回の前記放射線ビーム照射対象位置と、実際に放射線ビームを前記放射線ビーム照射対象に照射する今回の前記放射線ビーム照射対象の位置との位置ずれを明らかにし、放射線照射時の前記放射線ビーム照射対象の位置決めを行うための放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法であって、
前記放射線ビーム照射対象位置決め装置は、第1.1表示部と、第1.1演算部と、第1.2表示部と、第2.1表示部と、第2.1演算部と、第1.3表示部と、第1.2演算部と、第1.4表示部と、第2.2表示部と、第2.2演算部と、第3演算部と、出力部とを備え、
前記第1.1表示部が、前記前回の放射線ビーム照射対象の第1方向の前回の第1投影画像を表示装置で表示する前回第1投影画像表示過程と、
前記第1.1演算部が、前記前回の第1投影画像で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記第1方向と異なる第2方向の前記前回の放射線ビーム照射対象の前回の第2投影画像での前回の直線を求める前回直線演算過程と、
前記第1.2表示部が、前記前回の第2投影画像を表示装置で表示する前回第2投影画像表示過程と、
前記第2.1表示部が、前記前回の第2投影画像に、前記前回の直線を表示装置で表示する前回直線表示過程と、
前記第2.1演算部が、前記前回の直線上で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される前回の第2指示点と、前記前回の第1指示点とから、前記前回の特徴点の位置を演算する前回特徴点位置演算過程と、
前記第1.3表示部が、前記今回の放射線ビーム照射対象の第3方向の今回の第1投影画像を表示装置で表示する今回第1投影画像表示過程と、
前記第1.2演算部が、前記今回の第1投影画像で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記第3方向と異なる第4方向の前記今回の放射線ビーム照射対象の今回の第2投影画像での今回の直線を求める今回直線演算過程と、
前記第1.4表示部が、前記今回の第2投影画像を表示装置で表示する今回第2投影画像表示過程と、
前記第2.2表示部が、前記今回の第2投影画像に、前記今回の直線を表示装置で表示する今回直線表示過程と、
前記第2.2演算部が、前記今回の直線上で前記特徴点としてユーザにより指示される今回の第2指示点と、前記今回の第1指示点とから、前記今回の特徴点の位置を演算する今回特徴点位置演算過程と、
前記第3演算部が、前記前回の特徴点と前記今回の特徴点との間の位置ずれ量を演算し、当該位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の前記前回の位置と前記今回の位置との位置ずれ量を演算する照射対象位置ずれ量演算過程と、
出力部が、該演算された前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を出力する出力過程とを
含んで成る放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法。
【請求項7】
放射線ビーム照射対象位置に放射線ビームを照射する照射計画立案時の前回の前記放射線ビーム照射対象位置と、実際に放射線ビームを前記放射線ビーム照射対象に照射する今回の前記放射線ビーム照射対象の位置との位置ずれを明らかにし、放射線照射時の前記放射線ビーム照射対象の位置決めを行うための放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法であって、
前記放射線ビーム照射対象位置決め装置は、第1.1表示部と、第1.1演算部と、第1.2表示部と、第2.1表示部と、第2.1演算部と、第1.3表示部と、第1.2演算部と、第1.4表示部と、第2.2表示部と、第2.2演算部と、第3演算部と、出力部とを備え、
前記第1.1表示部が、前記今回の放射線ビーム照射対象の第1方向の今回の第1投影画像を表示装置で表示する今回第1投影画像表示過程と、
前記第1.1演算部が、前記今回の第1投影画像で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される今回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記第1方向と異なる第2方向の前記今回の放射線ビーム照射対象の今回の第2投影画像での今回の直線を求める今回直線演算過程と、
前記第1.2表示部が、前記今回の第2投影画像を表示装置で表示する今回第2投影画像表示過程と、
前記第2.1表示部が、前記今回の第2投影画像に、前記今回の直線を表示装置で表示する今回直線表示過程と、
前記第2.1演算部が、前記今回の直線上で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される今回の第2指示点と、前記今回の第1指示点とから、前記今回の特徴点の位置を演算する今回特徴点位置演算過程と、
前記第1.3表示部が、前記前回の放射線ビーム照射対象の第3方向の前回の第1投影画像を表示装置で表示する前回第1投影画像表示過程と、
前記第1.2演算部が、前記前回の第1投影画像で前記放射線ビーム照射対象の特徴点としてユーザにより指示される前回の第1指示点のエピポーラ拘束によって、前記第3方向と異なる第4方向の前記前回の放射線ビーム照射対象の前回の第2投影画像での前回の直線を求める前回直線演算過程と、
前記第1.4表示部が、前記前回の第2投影画像を表示装置で表示する前回第2投影画像表示過程と、
前記第2.2表示部が、前記前回の第2投影画像に、前記前回の直線を表示装置で表示する前回直線表示過程と、
前記第2.2演算部が、前記前回の直線上で前記特徴点としてユーザにより指示される前回の第2指示点と、前記前回の第1指示点とから、前記前回の特徴点の位置を演算する前回特徴点位置演算過程と、
前記第3演算部が、前記前回の特徴点と前記今回の特徴点との間の位置ずれ量を演算し、当該位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の前記前回の位置と前記今回の位置との位置ずれ量を演算する照射対象位置ずれ量演算過程と、
前記出力部が、該演算された前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を出力する出力過程とを
含んで成る放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法において、
少なくとも3つの前記前回の特徴点の位置とこれに対応するそれぞれ少なくとも3つの前記今回の特徴点の位置とが求められ、
前記照射対象位置ずれ量演算過程において、前記第3演算部が、前記少なくとも3つの前回の特徴点とこれに対応する前記少なくとも3つの今回の特徴点との間のそれぞれの位置ズレ量を演算し、当該各位置ずれ量を基に、前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を演算する
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法。
【請求項9】
請求項8記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法において、
前記照射対象位置ずれ量演算過程において、前記第3演算部が、前記少なくとも3つの前回の特徴点とこれに対応する前記少なくとも3つの今回の特徴点との間のそれぞれの少なくとも3つの各位置ずれ量で、前記少なくとも3つの前回の特徴点とこれに対応する前記少なくとも3つの今回の特徴点のうちの何れか一方をそれぞれ移動させた場合の位置とそれぞれの他方の位置との間の各位置ずれ量の2乗の和が最小になるように、前記放射線ビーム照射対象の位置ずれ量を決定する
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法において、
前記前回の特徴点とこれに対応する前記今回の特徴点とは、それぞれ6つ以上求められる
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法。
【請求項11】
請求項6から請求項10の何れか一項記載の放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法において、
前記前回の特徴点とこれに対応する前記今回の特徴点とは、それぞれ前記放射線ビーム照射対象における内側の点より外側の点が多い
ことを特徴とする放射線ビーム照射対象位置決め装置の位置決め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−212130(P2011−212130A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81631(P2010−81631)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 研究集会名 千葉大学大学院 融合科学研究科 情報科学専攻 知能情報コース 平成21年度 修士論文中間発表会 主催者名 千葉大学大学院融合科学研究科 情報科学専攻知能情報コース 共催者名 国立大学法人 千葉大学 開催日 平成22年3月3日
【出願人】(301032942)独立行政法人放射線医学総合研究所 (149)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】