説明

放射線不透過性形状記憶高分子

本発明は、BiOCI顔料をX線造影剤として含むという事実によって識別される形状記憶高分子に関する。このようにしてドープしたポリマーを、特に、医療技術製品、例えば脊柱のための補強ピン、歯根錐体において、骨セメントとして、およびカテーテル材料において用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それらがBiOCl顔料をX線造影剤として含むという事実によって識別される形状記憶高分子に関する。このようにしてドープされたポリマーは、特に、医療技術製品、例えば脊柱のための補強ピン、歯根管錐体、骨セメントとして、およびカテーテル材料において用いられる。
【背景技術】
【0002】
放射線不透過性添加剤、例えば硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛およびヨウ素含有化合物は、医療技術製品を使用後にX線写真によって視覚可能にするために、またはまたそれを動的に追跡することができるために、多くの医療技術用途において用いられる。標準的な可能な使用は、とりわけ、
・カテーテル材料における硫酸バリウム
・骨セメントにおける硫酸バリウムまたは二酸化ジルコニウム
・脊柱の安定化のための部分的に弾性の補強ピンにおける硫酸バリウム
・歯根管処置のためのガッタパーチャ錐体における硫酸バリウムおよび/または酸化亜鉛
である。
【0003】
例えば、放射線不透過性は、歯根管充填材料の多数の要件の1つである。根管シーラーの放射線不透過性は、根管充填の均質性の評価ならびに根管充填における気泡および亀裂の認識を単純化することを意図する。
【0004】
新たなX線装置は、X線放射の間、ますますより高いエネルギー(kVp)を伴って作動し、それには、同一の可視性をもたらすために、既知の充填剤、例えば硫酸バリウムのより高い使用濃度が必要であるか、またはより高い放射線不透過性を有する充填剤が必要である。
【0005】
例えば硫酸バリウムの増大する使用濃度に伴う、例えば材料の弾性に関して、材料の特性が大いに、またある場合において有害に損なわれるため、この点においてよりニュートラルな挙動を有し、材料特性に影響しないかまたはわずかな程度に影響するに過ぎない材料が求められている。
【0006】
形状記憶高分子(SMP)、特に形状記憶プラスチックは、外部刺激の作用の下でそれらの外部形状を変化させることができる材料である。医療技術において、感熱性形状記憶プラスチックは、特に重要である。ここでの形状記憶効果は、個々のポリマーの特定の材料特性ではない;代わりに、それは、ポリマー構造およびポリマー形態の組み合わせから直接もたらされる。
【0007】
形状記憶プラスチックは、一時的な変形の後にそれらの最初の形状を再び採ることが可能である。この記憶能力は、外部の刺激によって、例えば周囲の温度の上昇によって、または微細な磁気的酸化鉄ナノ粒子のプラスチック中への包含によって刺激され得、それによって、磁場のエネルギーが熱に変換される。例えば、形状記憶高分子、例えばそれから製造された歯根管錐体は、人体中への挿入の後に短時間以内に、37℃のいわゆるスイッチング温度に達する。次に、ポリマーの復元力によって、歯根管錐体の正確に定義可能な程度への拡大がもたらされ、したがって歯根管は完全に満たされ、最適の適合が達成され、根管システム全体は、生体適合性の方式で永続的に密封される。
【0008】
形状記憶高分子に基づく歯根管錐体の使用においては、標準的なX線造影剤である硫酸バリウムは、形状記憶効果がもはや、ポリマーの個々のスイッチング温度にて完全には有効にならず、プラスチックの脆性が増大するような悪影響を示す。亀裂および/または裂け目は、したがってプラスチックの冷間成形の間にますます生じる。骨セメントにおいて、現在用いられている造影剤、例えば硫酸バリウムは、もはや所望されるX線可視性を有せず、セメントの弾性に対して悪影響を有する。さらに、骨セメントの粘度調整は、放射線不透過性充填剤の増大する使用に伴ってより困難になる。一般的に、粘性は、比較的高い使用濃度にて過度に増大し、それは、処理(例えばカニューレによる注入)がより困難になることを意味する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、良好な生物学的適合性を有し、無毒であり、形状記憶高分子中に極めて良好に包含させることができ、形状記憶効果に対して影響を有しないかまたはわずかな影響のみを有する、比較的高い光子吸収を有する添加剤を提供することにある。
【0010】
驚くべきことに、ここで、BiOCl顔料は、X線造影剤としてのそれらの作用に加えて、それらが無毒であり、固有の色を有せず、ポリマー中に極めて良好に包含させることができるため、形状記憶高分子中の放射線不透過性添加剤として極めて好適であることが見出された。薄片形態のBiOCl顔料を含むポリマーは、BiOCl顔料を形状記憶高分子中で用いた結果、冷間成形し、さらに同一の、またはほぼ同一の回復動力学を伴って形状記憶効果を有することができる弾性材料が得られるという事実によって識別される。これは、特定のスイッチング温度(包含させるべき医療技術製品の場合において、通常体温)にて、予め規定された形状が、延伸/引き上げ/成形ステップの後に完全に再び採られることを意味する。
【0011】
したがって、本発明は、BiOCl顔料を放射線不透過性添加剤として含む形状記憶高分子に関する。
本発明はさらに、本発明の形状記憶高分子の、医療技術における材料としての、例えば骨セメントとしての、または成形品、例えば歯根管錐体、例えば脊柱のための補強ピン、血管インプラント、例えばステント、カテーテルの製造のための、および移植補助器具における使用に関する。
【0012】
椎骨補強において、BiOCl顔料を用いることによって、弾性を損うことなく、補強の可視性が顕著に増大する。類似の観察が、骨セメントおよびカテーテルに対してなされ、その流動特性および弾性は、それぞれBiOCl顔料を用いることによって悪影響を受けない。
【0013】
形状記憶高分子は、従来技術において、例えばDE 198 12 160 C1、US 5,962,004、米国特許第5,716,410号、WO 99/42528、U.S. 5,458,935、DE 197 55 872およびA. Lendlein, S. Kelch, "Shape-memory polymers", Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 2034-2057中に記載されている。
【0014】
好適な形状記憶高分子は、好ましくは熱可塑性ポリウレタン(TPU)、さらにポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルシロキサンまたはポリカーボネートおよび混合物、ならびに前記材料のグラフトポリマーおよびコポリマーからなる。
【0015】
特に好ましいのは、50A〜80DのShore硬度を有する、極めて特に好ましくは55A〜75DのShore硬度を有する形状記憶高分子である。Shore硬度は、エラストマーおよびプラスチックの材料特性値であり、基準DIN 53505およびDIN 7868において定義されている。歯根管錐体のために、好ましくはTPUを含み、55D〜70DのShore硬度を有する形状記憶高分子が、特に好適である。
形状記憶高分子は、好ましくは35〜50℃の回復温度を示す。
【0016】
インプラントとして、およびカテーテルの製造に適するのは、特に、脂肪族熱可塑性ポリウレタン、特に脂肪族のポリカーボネートをベースとする熱可塑性ポリウレタンであり、それは、例えばLubrizol Advanced Materialsから商標名
Carbothane(登録商標)TPU(脂肪族のポリカーボネートをベースとするTPU)、
Tecoflex(登録商標)TPU(脂肪族のポリエーテルをベースとするTPU)、
Tecophilic(登録商標)TPU(脂肪族のポリエーテルをベースとするTPU)、Tecoplast(登録商標)TPU(芳香性のポリエーテルをベースとするTPU)、
Tecothane(登録商標)TPU(芳香性のポリエーテルをベースとするTPU)
Estane(登録商標)TPU(芳香性のポリエステルおよびポリエーテルをベースとするTPU)
の下でThermedics(商標)ポリマー製品として、広範囲の硬度および色において商業的に得られる通りである。
【0017】
これらのポリマーのすべては、医学的に純粋な生体材料としての使用に適する。Carbothanesは、極めて高い加水分解安定性および酸化安定性を有しており、それは、優れた長期的な生物学的安定性を示し、したがって特に脊柱における補強ピンとして、ステントとして、および歯根管錐体のために用いられる。
【0018】
歯根管錐体に特に適するのは、熱可塑性物質、例えば熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルシロキサンおよび混合物、ならびに前記材料のグラフトポリマーおよびコポリマーである。形状記憶高分子を含む根管錐体は、好ましくは、化合物の合計重量を基準として5〜50重量%のBiOCl顔料、特に10〜30重量%を含む。
【0019】
カテーテルの製造のための形状記憶高分子は、好ましくはPU、PVC、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンおよび混合物、ならびに前記材料のグラフトポリマーおよびコポリマー、ならびにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む材料からなる。形状記憶高分子を含むカテーテルは、好ましくは、カテーテル材料の合計重量を基準として5〜50重量%のBiOCl顔料、特に10〜30重量%を含む。
【0020】
脊椎補強の使用のための形状記憶高分子は、好ましくは熱可塑性ポリウレタン、Carbothane(登録商標)TPU、Tecoflex(登録商標)TPU、Tecophilic(登録商標)TPU、Tecoplast(登録商標)TPU、Tecothane(登録商標)TPU、Estane(登録商標)TPU、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルシロキサンおよび混合物、ならびに前記材料のグラフトポリマーおよびコポリマーからなる。形状記憶高分子を含む脊椎補強は、好ましくは、化合物の合計重量を基準として5〜50重量%のBiOCl顔料、特に15〜30重量%を含む。
【0021】
さらに、BiOCl顔料をまた、骨セメントの調製のための形状記憶高分子において用いることができる。骨セメント(ポリマー)におけるBiOCl顔料の比率は、好ましくは、骨セメントの合計重量を基準として5〜50重量%、特に10〜30重量%である。
【0022】
しかし、BiOCl顔料の形状記憶高分子中での使用濃度は、用いるポリマーに依存する。一般的に、BiOCl顔料をポリマーに、合計重量を基準として5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、特に10〜30重量%の量で加える。
【0023】
X線造影剤としての機能に加えて、BiOCl顔料はまた、充填剤としての役割を果たし、したがってプラスチックの変形能、弾性、伸縮性(stretchability)に正に影響することができる。BiOCl顔料を単にX線造影剤として用いる場合には、使用濃度は、ポリマーまたはポリマー調製物の合計重量を基準として5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%および極めて特に好ましくは15〜30重量%の範囲内である。
【0024】
BiOCl顔料は、例えばDE特許10 03 377、U.S. 2,975,053、DE 24 11 966、EP 0 496 686 B1およびDE 43 05 280 A1から知られており、商業的に入手でき、例えばMerck KGaA, Germanyによって商標名Bi-Flair(登録商標)、Biron(登録商標)、RonaFlair(商標)の下で、およびBASFによって商標名Mearlite(登録商標)の下で提供される。商業的に入手できるBiOCl顔料は、1〜50μmの粒子サイズを有する。BiOCl顔料の形状記憶プラスチック中での使用のために、2〜50μm、特に5〜20μmおよび極めて特に好ましくは<15μmの粒子サイズを有するBiOCl顔料が、好ましくは好適である。種々の製造可能性のために、マットから光沢のあるまでの、および透明から不透明までの種々の光学的性質を有する薄片形態のBiOCl顔料が入手できる。高度に光沢のあるBiOCl顔料についての個々の粒子のサイズは、好ましくは6〜20μm、特に8〜18μmおよび極めて特に好ましくは10〜16μmである。
【0025】
BiOCl顔料はコーティングされておらず、薄片の形態であり、一般的に形状記憶高分子の調製において遊離した粉末の形態でモノマーに加える。
【0026】
本発明の形状記憶高分子を、例えばBiOCl顔料をプラスチック中に混ぜ合わせることにより調製する。BiOCl顔料をさらに、選択されたプラスチックの重合の直前に、またはその重合中に粉末形態で加え、混合することができ、したがって別個の混ぜ合わせは回避される。この温和な包含が、BiOCl顔料の薄片構造が顕著により少ない損害を有することを意味するため、後者のプロセスが好ましい。
【0027】
本発明に従ってドープした形状記憶高分子を、一般的に、最初にプラスチック顆粒を好適なミキサー中に導入し、それらを任意の添加剤で湿潤させ、次にBiOCl顔料中に加え、混合することにより調製する。BiOCl顔料の包含の間に、接着剤、有機ポリマー適合性溶媒、安定剤および/または作動条件下で熱安定性の界面活性剤を、任意にプラスチック顆粒に加えることができる。プラスチックを、一般的に色濃縮物(マスタバッチ(masterbatch))または化合物によって着色する。得られた混合物を、次に押出機または射出成形機中で直接加工することができる。加工の際に形成した成形品は、BiOCl顔料の極めて均質な分布を示す。
【0028】
本発明はまた、BiOCl顔料を含む本発明の形状記憶高分子からなる、特に医療技術製品のための成形部品に関する。
このようにしてドープされた形状記憶高分子は、歯根管錐体、脊柱のための補強ピン、カテーテル材料、血管インプラント、例えばステント、移植補助器具の製造に特に適する。
【0029】
好ましい態様において、本発明の形状記憶高分子を含むインプラントは、少なくとも1種の医学的活性化合物、例えば細胞増殖抑制剤、抗血管新生活性物質、コルチコイド、NSAID、ヘパリン、ヒルジンを含み、それは、所望により、高い濃度において、かつ長期間にわたり周囲の組織に放出される。活性化合物を、重合の間にモノマーに直接加えることができ、次にプラスチック粉末もしくはプラスチック顆粒中に均質に分布した形態であるか、または所望される量で成形品に、ポリウレタン融液(melt)もしくはポリウレタン溶液の加工の間に加えることができる。
【0030】
活性化合物(1種または2種以上)を、好ましくはポリマー中に溶解するかまたは分散させ、活性化合物の溶解を、ポリマーの融液中で、および有機溶液中で行うことが可能である。したがって、ポリウレタン中で活性化合物の30重量%までの混合を達成することが可能である。加工を、上記のように押出または射出成形によって行い、ここで熱的に耐性の活性化合物のみを、押出または射出成形プロセスにおいて用いることができる。
【0031】
本発明は同様に、本発明の放射線不透過性形状記憶高分子の、インプラント材料としての、例えば歯根管錐体、例えば脊柱および肋骨、股および膝関節のための補強ピンの製造のための、骨セメント、血管インプラント、ステント、カテーテル、例えば膀胱カテーテル、静脈カテーテル、中心静脈カテーテル、心臓カテーテルの調製のための、移植補助器具の製造のための、医学の領域における種々の用途のための基準ピンの製造のための使用に関する。
【0032】
以下の例は、本発明をより詳細に説明することを意図するが、それには限定されない。本明細書中で、百分率データは、重量パーセントを示す。すべての温度を、摂氏度で示す。
【0033】
例:
例1:射出成形によるプラスチック部品の製造
Lubrizolからの3種の形状記憶Carbothane(登録商標)プラスチック
・PC 3572D(硬質)
・PC 3595A(柔軟)
・PC 3555D(中程度)
を、各々45%のRonaFlair(商標)B-50(2〜35μmの粒子サイズを有するBiOCl顔料、Merck KGaAから)と混ぜ合わせ、顆粒化する。顆粒を、射出成形機のホッパー中に導入し、加温し、型の凹部中に高圧の下で注入する。
【0034】
このようにして、
・歯根管錐体
・ステント
・補強ピン
・医学の領域における種々の用途のための基準ピン
を、製造する。
【0035】
最終製品は、極めて良好な放射線不透過性によって識別される。
【0036】
例2:射出成形によるプラスチック部品の製造
例1と同様にして、Carbothane PC 3572D(Lubrizol)を、40%のRonaFlair(登録商標)LF-2000(2〜35μmの粒子サイズを有するBiOCl顔料、Merck KGaAから)と混ぜ合わせ、顆粒化する。顆粒を、射出成形機のホッパー中に導入し、加温し、型の凹部中に高圧の下で注入する。
【0037】
このようにして、
・歯根管錐体
・ステント
・補強ピン
・医学の領域における種々の用途のための基準ピン
を、製造する。
【0038】
最終製品は、極めて良好な放射線不透過性によって識別される。
【0039】
例3:射出成形によるプラスチック部品の製造
例1と同様にして、Carbothane PC 3572D(Lubrizol)を、45%のRonaFlair(商標)Fines(2〜35μmの粒子サイズを有するBiOCl顔料、Merck KGaAから)と混ぜ合わせ、顆粒化する。顆粒を、射出成形機のホッパー中に導入し、加温し、型の空洞中に高圧の下で注入する。
【0040】
このようにして、
・歯根管錐体
・ステント
・補強ピン
を、製造する。
【0041】
最終製品は、極めて良好な放射線不透過性によって識別される。
【0042】
例4:押出によるカテーテル管の製造
LubrizolからのCarboethane PC 3572Dを、25%のRonaFlair(商標)B-50(2〜35μmの粒子サイズを有するBiOCl顔料、Merck KGaAから)と混合し、加温により粘性のコンシステンシーに変換し、その後押出機中に導入する。粘性のプラスチック材料を、押出型中へ成形開口部を介して圧縮し、押圧した。押出型は、プラスチック材料が一方の側において押出機を介して押圧され、それによって他方の側において完成した管として残留する、くぼんだ型である。この目的のために、材料の流れを、マンドレル支持によって型内で分離させ、マンドレルの周囲に流し、管において空洞を形成する。管容積をマンドレルによって決定する一方、材料の流れが進出するダイの直径は、管の外部の断面に関与する。冷却の間のプラスチックの材料に特有の収縮特性は、最終製品の寸法に影響する。
【0043】
最終製品は、その優れたX線不透明性によって識別される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BiOCl顔料を含むことを特徴とする、形状記憶高分子。
【請求項2】
BiOCl顔料が薄片形態であることを特徴とする、請求項1に記載の形状記憶高分子。
【請求項3】
BiOCl顔料が2〜50μmの粒子サイズを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の形状記憶高分子。
【請求項4】
BiOCl顔料を粉末形態で用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項5】
BiOCl顔料のポリマー中の比率が、ポリマーまたはポリマー混合物の合計重量を基準として5〜50重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項6】
ポリマーが熱可塑性物質の群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項7】
熱可塑性物質が、ポリウレタン(TPU)、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルシロキサン、ポリカーボネートの群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項8】
50A〜80DのShore硬度を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項9】
35〜50℃の回復温度を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項10】
少なくとも1種の医学的活性化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の形状記憶高分子。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の形状記憶高分子の調製方法であって、BiOCl顔料を、選択されたプラスチックの重合の間にプラスチック中に混ぜ合わせるかまたは加え、得られた混合物を、任意にさらなる添加剤を加えて押出機または射出成形機中で加工することを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
少なくとも1種の医学的活性化合物をさらに、プラスチック粉末または化合物に加え、得られた混合物を、任意にさらなる添加剤を加えて押出機または射出成形機中で加工することを特徴とする、請求項11に記載の形状記憶高分子の調製方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の形状記憶高分子の、骨セメントとしての、根管錐体、補強ピン、ステント、血管インプラント、カテーテル材料、移植補助器具、医療技術における用途のための基準ピンの製造のための使用。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の形状記憶高分子からなる、成形品。

【公表番号】特表2012−530159(P2012−530159A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515368(P2012−515368)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003058
【国際公開番号】WO2010/145741
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【出願人】(511304291)
【Fターム(参考)】