説明

放射線検出器およびその製造方法

【課題】小型化もしくは受光部の拡大が可能で、信頼性を確保でき、さらに、解像度特性を改善できる放射線検出器を提供する。
【解決手段】複数の光電変換素子13が配列された受光部14、および光電変換素子13と電気的に接続された素子用電極パッド15を有する固体撮像素子12を備える。外部接続用電極パッド18およびこの外部接続用電極パッド18と電気的に接続されている電極端子19を有する基台17に、固体撮像素子12を固定する。素子用電極パッド15と外部接続用電極パッド18とを配線20で電気的に接続する。素子用電極パッド15、外部接続用電極パッド18および配線20を一体に被覆する保護層21を気相成長法によって形成する。固体撮像素子12の受光部14上とともに、保護層21で被覆された素子用電極パッド15、外部接続用電極パッド18および配線20上にシンチレータ層22を形成する。配線20をシンチレータ層22内に埋没固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線を検出する放射線検出器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新世代のX線診断用画像検出器として、アクティブマトリックスや、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子を用いた平面形の放射線検出器であるX線検出器が注目を集めている。この平面形のX線検出器にX線を照射することにより、X線撮影像またはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。
【0003】
一般に、固体撮像素子を用いた間接方式のX線検出器は、固体撮像素子上に複数の光電変換素子を配列している受光部が形成されているとともにこの受光部より外側に光電変換素子と電気的に接続されている素子用電極パッドが形成されている。この固体撮像素子の受光部上には、シンチレータ層が形成され、この固体撮像素子が、外部接続用電極パッドおよびこの外部接続用電極パッドと電気的に接続されている電極端子を有する基台上に固定されている。さらに、固体撮像素子上の素子用電極パッドと基台上の外部接続用電極パッドとが配線により電気的に接続されている。
【0004】
そして、入射X線によりシンチレータ層で変換された可視光が固体撮像素子上に形成されている光電変換素子に到達することで電荷に変換され、この電荷が光導電変換素子に一定時間蓄積され、この蓄積された電荷が、各光電変換素子に対応した信号ラインから、各光電変換素子に対応した固体撮像素子上の素子用電極パッド、配線、および基台上の外部接続用電極パッドを経由し、基台上に形成された各電極端子から順次出力信号として読み出され、所定の信号処理回路等にてデジタル画像信号に変換される。
【0005】
また、このようなX線検出器においては、より高性能化、小型化、信頼性向上、生産性向上を図るために、構造上、シンチレータ層の特性が重要となり、入射X線に対する出力信号強度を向上させるため、例えば、シンチレータ層には、CsI等のハロゲン化合物や、GOS等の酸化物系化合物等から構成される高輝度蛍光物質が用いられることが多い。特にCsI等のハロゲン化合物をシンチレータ層に用いた場合には、短冊状の柱状結晶構造を有するシンチレータ層を真空蒸着法を用いて形成し、解像度特性の改善等を図ることもある。
【0006】
また、このようなX線検出器においては、信頼性の向上のため、固体撮像素子上の素子用電極パッド、基台上の外部接続用電極パッドおよびこれら電極パッドを電気的に接続する配線を一体に覆うエポキシ樹脂系の樹脂層を形成し、さらに基台上に接合層を介して保護カバーを設けた構成のX線検出器がある。
【0007】
さらには、固体撮像素子の受光部および素子用電極パッド、基台上の外部接続用電極パッド、およびこれら電極パッドを電気的に接続する配線を保護層により連続的に被覆し、さらに、保護層が形成された固体撮像素子の受光部および素子用電極パッド上、基台上の外部接続用電極パッド上、およびこれら電極パッドを電気的に接続する配線上にシンチレータ層を形成した構成とするX線検出器がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−330676号公報
【特許文献2】特開2007−303875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
シンチレータ層にCsI等のハロゲン化合物を用いる場合、ヨウ素等のハロゲン元素の反応性が高いため、固体撮像素子上の素子用電極パッド、基台上の外部接続用電極パッド、およびこれら電極パッドを電気的に接続する配線中の陽性元素等と反応し、腐食が発生するおそれがある。
【0010】
そのため、信頼性を確保すべく、固体撮像素子上の素子用電極パッド、基台上の外部接続用電極パッド、およびこれら電極パッドを電気的に接続する配線を一体に覆う樹脂層が必須となっている。しかしながら、固体撮像素子の受光部と素子用電極パッドとの間に樹脂層の形成に伴うクリアランスを確保する必要があるため、X線検出器の小型化もしくは受光部の拡大において問題となり、かつ、その樹脂層は、X線吸収率がシンチレータ層に比べて低く、X線耐性に伴う信頼性の低下に繋がる問題が生じる。
【0011】
また、固体撮像素子の受光部および素子用電極パッド、基台上の外部接続用電極パッド、およびこれら電極パッドを電気的に接続する配線を保護層により連続的に被覆し、さらに、保護層が形成された固体撮像素子の受光部および素子用電極パッド上、基台上の外部接続用電極パッド上、およびこれら電極パッドを電気的に接続する配線上にシンチレータ層を形成した構成では、固体撮像素子の受光部とシンチレータ層との間に保護層が介在するため、保護層においてシンチレータ層で変換された光の散乱が発生し、解像度特性が低下する問題が生じる。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、小型化もしくは受光部の拡大が可能で、信頼性を確保でき、さらに、解像度特性を改善できる放射線検出器およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本実施形態の放射線検出器は、複数の光電変換素子が配列された受光部、および光電変換素子と電気的に接続された素子用電極パッドを有する固体撮像素子を備える。外部接続用電極パッドおよびこの外部接続用電極パッドと電気的に接続されている電極端子を有する基台に、固体撮像素子を固定する。素子用電極パッドと外部接続用電極パッドとを配線で電気的に接続する。素子用電極パッド、外部接続用電極パッドおよび配線を一体に被覆する保護層を気相成長法によって形成する。固体撮像素子の受光部上とともに、保護層で被覆された素子用電極パッド、外部接続用電極パッドおよび配線上にシンチレータ層を形成する。配線をシンチレータ層内に埋没固定する。
【0014】
本実施形態の放射線検出器の製造方法は、複数の光電変換素子が配列された受光部、および前記光電変換素子と電気的に接続された素子用電極パッドを有する固体撮像素子と、外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層と、外部接続用電極パッドおよびこの外部接続用電極パッドと電気的に接続されている電極端子を有し、前記固体撮像素子を固定する基台と、前記素子用電極パッドと前記外部接続用電極パッドとを電気的に接続する配線とを具備している放射線検出器の製造方法である。そして、素子用電極パッド、外部接続用電極パッドおよび配線を被覆する保護層を気相成長法により形成する保護層形成工程を具備する。固体撮像素子の受光部上とともに、保護層で被覆された素子用電極パッド、外部接続用電極パッドおよび配線上に、シンチレータ層を気相成長法により形成するシンチレータ層形成工程を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の放射線検出器を示し、(a)は一部を切り欠いた平面図、(b)は断面図である。
【図2】同上放射線検出器の製造工程を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図3】同上放射線検出器の図2に続く製造工程(保護層形成工程)を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図4】同上放射線検出器の図3に続く製造工程(シンチレータ層形成工程)を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図5】同上放射線検出器の図4に続く製造工程を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図6】同上放射線検出器の図5に続く製造工程を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図7】同上放射線検出器の図6に続く製造工程を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図8】同上放射線検出器の図7に続く製造工程を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図9】第2の実施形態の放射線検出器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図8を参照して説明する。
【0017】
図1において、11は放射線検出器としての平面形のX線検出器で、このX線検出器11は、間接方式のX線平面画像検出器である。このX線検出器11は、可視光Lを電気信号に変換する光電変換基板である固体撮像素子12を備えている。
【0018】
この固体撮像素子12の表面の中央域には、可視光Lを電気信号に変換するフォトダイオード等の複数の光電変換素子13が一次元もしくは二次元的に複数配列された受光部14が形成されている。また、固体撮像素子12の表面の周辺域の一辺には、各光電変換素子13と電気的に接続されて各光電変換素子13により変換された電気信号を取り出すための複数の素子用電極パッド15が固体撮像素子12の一辺に沿って配列されている。さらに、受光部14と複数の素子用電極パッド15との間には、受光部14と複数の素子用電極パッド15とに接続された演算回路、アナログ回路およびアンプ回路等を有する回路部16が形成されている。
【0019】
この固体撮像素子12は、基台17の表面側の中央域に固定されている。この基台17の表面側の周辺域の一辺には、固体撮像素子12上の各素子用電極パッド15と電気的に接続される複数の外部接続用電極パッド18が基台17の一辺に沿って配列されている。基台17の裏面側には、各外部接続用電極パッド18と電気的に接続された外部接続用の複数の電極端子19が配置されている。
【0020】
そして、固体撮像素子12の各素子用電極パッド15と、基台17の各外部接続用電極パッド18とが、それぞれワイヤ等の複数の配線20によって電気的に接続されている。
【0021】
さらに、固体撮像素子12の各素子用電極パッド15および回路部16と、基台17の各外部接続用電極パッド18と、各配線20とを連続的かつ一体的に被覆する第1の保護層としての保護層21が気相成長法により形成されている。特に、保護層21は、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と基台17上の外部接続用電極パッド18とを電気的に接続するために形状が三次元的となる配線20に連続的な被膜を形成することが必要であるため、形状一致性の高い被膜形成が可能なCVD法が用いられる。
【0022】
また、固体撮像素子12の受光部14上とともに、保護層21で被覆された素子用電極パッド15、回路部16、外部接続用電極パッド18および配線20上に、外部から入射した放射線としてのX線24を可視光Lに変換するシンチレータ層22が形成されている。そして、配線20はシンチレータ層22内に埋没固定されている。
【0023】
このシンチレータ層22には、高輝度蛍光物質であるヨウ化セシウム(CsI)等のハロゲン化合物やガドリニウム硫酸化物(GOS)等の酸化物系化合物等の蛍光体が用いられ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、あるいはCVD法等の気相成長法により形成されている。
【0024】
このシンチレータ層22の表面には、このシンチレータ層22で変換された可視光Lの利用効率を高めるための反射層23が形成されている。
【0025】
さらに、シンチレータ層22および反射層23を覆って密封する第2の保護層としての保護層25が形成されている。
【0026】
そして、保護層21は、絶縁性、水蒸気遮断性、シンチレータ層22の発光に対する透過性、シンチレータ層22を構成する物質に対する耐腐食性を有する物質により構成されている。その物質としては、ポリパラキシリレンを主成分とする有機物が用いられている。なお、保護層25も、保護層21と同一の物質により構成されている。
【0027】
また、基台17の表面の周辺部には接合層26が形成され、この接合層26を介して固体撮像素子12およびシンチレータ層22を密封して保護するための例えばアルミニウム製の保護カバー27が取り付けられている。
【0028】
次に、X線検出器11の製造プロセスの概略を図2ないし図8に示す。
【0029】
図2に示す工程では、基台17上に固定された固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と、基台17上の外部接続用電極パッド18とを配線20で電気的に接続する。
【0030】
図3に示す工程(保護層形成工程)では、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15および回路部16、基台17上の外部接続用電極パッド18、これら素子用電極パッド15と外部接続用電極パッド18とを電気的に接続する配線20を含む領域に、気相成長法によって保護層21を形成する。この保護層21の形成にあたっては、形成領域以外をマスクで覆った状態で、気相成長法によって保護層21を形成することにより、所望の領域のみに保護層21を形成することができる。そして、固体撮像素子12上の受光部14を除き、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15および回路部16、基台17上の外部接続用電極パッド18、これら素子用電極パッド15と外部接続用電極パッド18とを電気的に接続する配線20を、保護層21で連続的かつ一体的に被覆する。
【0031】
図4に示す工程(シンチレータ層形成工程)では、固体撮像素子12上の受光部14上とともに、保護層21で被覆された素子用電極パッド15、外部接続用電極パッド18および配線20上に、気相成長法によりシンチレータ層22を一様に形成する。これにより、保護層21で被覆された素子用電極パッド15、外部接続用電極パッド18および配線20が、シンチレータ層22内に埋没されることとなる。
【0032】
図5に示す工程では、シンチレータ層22上に反射層23を形成する。
【0033】
図6に示す工程では、シンチレータ層22全体を密封する保護層25を形成する。
【0034】
図7に示す工程では、基台17の周辺部に接合層26を形成する。
【0035】
図8に示す工程では、基台17に接合層26を介して保護カバー27を設置し、固体撮像素子12およびシンチレータ層22を密封して保護する。これにより、X線検出器11の製造を完了する。
【0036】
このように構成されたX線検出器11は、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15および回路部16、基台17上の外部接続用電極パッド18、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と基台17上の外部接続用電極パッド18とを電気的に接続する配線20を、気相成長法によって形成される保護層21で被覆するため、X線検出器11の小型化もしくは受光部14の拡大が可能で、さらに、保護層21を受光部14上に形成しないことにより、仮に保護層21を受光部14上に形成した場合に保護層21によって発生する光の散乱がなく、解像度特性を改善できる。
【0037】
また、保護層21に、絶縁性、水蒸気遮断性、シンチレータ層22の発光に対する透過性、シンチレータ層22を構成する物質に対する耐腐食性を有する物質を選択することにより、シンチレータ層22に高輝度蛍光物質であるCsI等のハロゲン化合物を用いた場合においても、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15および回路部16、基台17上の外部接続用電極パッド18、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と基台17上の外部接続用電極パッド18とを電気的に接続する配線20の腐食を防止することができる。
【0038】
さらに、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と基台17上の外部接続用電極パッド18とを電気的に接続する配線20は、シンチレータ層22により埋没されて固定される形となることから、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と基台17上の外部接続用電極パッド18を電気的に接続する配線20に従来のような樹脂保護層を形成しなくても、外力(振動・衝撃等)に対する配線20の信頼性の確保が可能となるため、この点でも、X線検出器11の小型化もしくは受光部14の拡大が可能となり、さらにはX線検出器11の生産性の向上および生産コスト削減が可能となる。
【0039】
しかも、固体撮像素子12の受光部14上とともに、保護層21で被覆された固体撮像素子12上の素子用電極パッド15および回路部16、基台17上の外部接続用電極パッド18、固体撮像素子12上の素子用電極パッド15と基台17上の外部接続用電極パッド18とを電気的に接続する配線20上にシンチレータ層22を形成しているため、このシンチレータ層22自体が、固体撮像素子12上の回路部16に対するX線遮蔽の機能を果すことになり、回路部16に特別なX線遮蔽構造を施さなくても、X線検出器11の信頼性を確保できる。
【0040】
さらに、シンチレータ層22上に形成される保護層25を構成する物質を保護層21と同一とすることにより、保護層21と保護層25との間の界面における接合強度の劣化(物質間の熱膨張係数差による応力残留等)を防止できるため、シンチレータ層22の密閉性の改善も可能となることから、より効果的にX線検出器11の信頼性を確保できる。
【0041】
また、図9の第2の実施形態に示すように、シンチレータ層22上の反射層23は形成されていなくてもよい。なお、第1の実施形態のシンチレータ層22上の反射層23が形成されていない以外は、第1の実施形態のX線検出器11と同様の構成となっている。そして、この第2の実施形態でも、反射層23以外については、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0042】
なお、保護層21の構成物質を、ダイヤモンド結晶からなる炭素結晶を主成分とするダイヤモンドライクカーボン(DLC)や、珪素を含有する炭素結晶を主成分とする炭化珪素(SiC)としても、保護層21の構成物質をポリパラキシリレンとした場合と同様の効果が得られる。
【0043】
なお、X線24を検出するX線検出器11について説明したが、他の放射線を検出する放射線検出器についても同様に適用できる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
11 放射線検出器としてのX線検出器
12 固体撮像素子
13 光電変換素子
14 受光部
15 素子用電極パッド
16 回路部
17 基台
18 外部接続用電極パッド
19 電極端子
20 配線
21 保護層
22 シンチレータ層
24 放射線としてのX線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光電変換素子が配列された受光部、および前記光電変換素子と電気的に接続された素子用電極パッドを有する固体撮像素子と、
外部接続用電極パッドおよびこの外部接続用電極パッドと電気的に接続されている電極端子を有し、前記固体撮像素子を固定する基台と、
前記素子用電極パッドと前記外部接続用電極パッドとを電気的に接続する配線と、
前記素子用電極パッド、前記外部接続用電極パッドおよび前記配線を一体に被覆するように気相成長法により形成された保護層と、
前記固体撮像素子の受光部上とともに、前記保護層で被覆された前記素子用電極パッド、前記外部接続用電極パッドおよび前記配線上に形成されるシンチレータ層と
を具備し、
前記配線を前記シンチレータ層内に埋没固定していることを特徴とする放射線検出器。
【請求項2】
前記固体撮像素子は、前記受光部および前記素子用電極パッドに接続された回路部を有し、
前記保護層は、前記回路部も含めて一体に被覆し、
前記シンチレータ層は、前記保護層で被覆された前記回路部上も含めて形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記シンチレータ層は、気相成長法により形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記シンチレータ層は、少なくともハロゲン化合物を含む高輝度蛍光物質で構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記保護層は、絶縁性、水蒸気遮断性、前記シンチレータ層の発光に対する透過性、および前記シンチレータ層を構成する物質に対する耐腐食性を有している
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記保護層は、ポリパラキシリレンを主成分とする有機物から形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記保護層は、ダイヤモンド結晶からなる炭素結晶を主成分とする無機物から形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の放射線検出器。
【請求項8】
複数の光電変換素子が配列された受光部、および前記光電変換素子と電気的に接続された素子用電極パッドを有する固体撮像素子と、外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層と、外部接続用電極パッドおよびこの外部接続用電極パッドと電気的に接続されている電極端子を有し、前記固体撮像素子を固定する基台と、前記素子用電極パッドと前記外部接続用電極パッドとを電気的に接続する配線とを具備している放射線検出器の製造方法であって、
前記素子用電極パッド、前記外部接続用電極パッドおよび前記配線を被覆する保護層を気相成長法により形成する保護層形成工程と、
前記固体撮像素子の受光部上とともに、前記保護層で被覆された前記素子用電極パッド、前記外部接続用電極パッドおよび前記配線上に、シンチレータ層を気相成長法により形成するシンチレータ層形成工程とを具備している
ことを特徴とする放射線検出器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−113756(P2013−113756A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261256(P2011−261256)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(503382542)東芝電子管デバイス株式会社 (369)
【Fターム(参考)】