説明

放射線検出器

【課題】高感度でエネルギー分解能が優れた放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線検出器1は、シンチレータ結晶2に放射線8が入射するとシンチレーション光6が発生し、このシンチレーション光6を光検出器5が電気信号に変換することで、放射線8の入射が検出される。ただし、シンチレータ結晶2は屈折率が1.8以上でシンチレーション光6のピーク波長が400nm以下であり、このシンチレータ結晶2と光検出器5との間隙には屈折率が1.62以上の第一光波長変換層4が充填されている。このため、シンチレータ結晶2と第一光波長変換層4との屈折率差が十分に小さいため、特定波長のシンチレーション光6が第一光波長変換層4で反射されることなく効率よく光検出器5に到達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の入射を検出する放射線検出器に関し、特に、放射線の入射によりシンチレータ結晶で発生するシンチレーション光を光検出器により電気信号に変換する放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検出器は、一般にX線やγ線などの放射線を受光して可視光に変換するシンチレータ結晶、このシンチレータ結晶で変換され透過してきた可視光を検知して電気信号に変換するホトマルチプライヤチューブ(PMT)やホトダイオード(PD)などの光検出器、シンチレータ結晶から発したシンチレーション光を効率よく光検出器に導くための反射部材、等から構成されている。
【0003】
シンチレータ結晶には、放射線を吸収して光に変換する機能のほか、変換した光を減衰させずに光検出部まで透過させる透明性が要求される。加えて、放射線検出器のシンチレータ結晶材料には、放射線を吸収し発光するシンチレータ結晶としての機能が必要であるほか、検出器の電気信号への変換効率が高い波長に発光のピーク波長を持つことも重要となる。
【0004】
一方、CsIやプラセオジム添加ルテチウムアルミネート(LuAl12:Pr)などの発光のピーク波長が400nm以下のシンチレータ結晶と光検出器を組み合わせた放射線検出器では、蛍光波長が400nm以下では光検出器の電気信号への変換効率が低いために、放射線検出器の光変換効率、および、検出感度が低下する。
【0005】
そこで、多結晶化合物からなるシンチレータ結晶から発生した、シンチレーション光の波長を光検出器の波長感度に適合する波長に変換する光波長変換層をシンチレータ結晶と光検出器との間に形成し放射線検出器の光変換効率、および、検出感度を高める方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、円柱状に切り出したCsIの円状の二面にシンチレーション光の波長を光検出器の波長感度に適合する波長に変換する光波長変換層を塗布し、そのうち一面を光検出器に光学接着することで放射線検出器の光変換効率、および、検出感度を高める方法もある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−82171号公報
【特許文献2】特公平07−78215号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 486 (2002) 40-47
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された技術においては、シンチレータ結晶と光検出器の間にのみ波長変換層を形成する。シンチレータ結晶と光検出器の間の面以外の面には波長変換層が形成されていない。
【0010】
このため、シンチレータ結晶と光検出器の間の面以外の面でシンチレーション光を波長変換するとともに効率よく反射させて、最終的に光検出器に導くことができず、結果として放射線検出器の検出感度は向上しないという課題がある。
【0011】
特許文献2に記載された技術においては、CsIシンチレータ結晶の屈折率は、その発光のピーク波長において1.8であり、光波長変換層の屈折率は1.4〜1.62程度であるため両者の屈折率差が小さい。
【0012】
従って、光波長変換層をシンチレータ結晶と光検出器との間に形成しても、シンチレータ結晶と光波長変換層の間でのシンチレーション光の全反射成分が少ないため、光波長変換層を透過し光検出器に入射する。
【0013】
一方、屈折率が2.0程度であるルテチウムアルミネート(LuAl12)等を母材とするシンチレータ結晶体では、屈折率が1.4〜1.62程度である光波長変換層をシンチレータ結晶と光検出器との間に形成した場合、シンチレータ結晶と光検出器の表面との屈折率の差が大きい。このため、シンチレータ結晶と光波長変換層の間でのシンチレーション光の全反射成分が多くなり、放射線検出器の光変換効率および検出感度が低下する課題がある。
【0014】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で光変換効率および検出感度が良好な放射線検出器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の放射線検出器は、放射線の入射を検出する放射線検出器であって、放射線の入射により内部で発生するシンチレーション光のピーク波長が400nm以下で屈折率が1.8以上のシンチレータ結晶と、シンチレータ結晶に対向する位置に配置されていて入射するシンチレーション光を電気信号に変換する光検出器と、シンチレータ結晶と光検出器との間隙に充填されていて屈折率が1.62以上の第一光波長変換層と、を有する。
【0016】
従って、本発明の放射線検出器では、シンチレータ結晶に放射線が入射するとシンチレーション光が発生し、このシンチレーション光を光検出器が電気信号に変換することで、放射線の入射が検出される。ただし、シンチレータ結晶は屈折率が1.8以上でシンチレーション光のピーク波長が400nm以下であり、このシンチレータ結晶と光検出器との間隙には屈折率が1.62以上の第一光波長変換層が充填されている。このため、シンチレータ結晶と第一光波長変換層との屈折率差が十分に小さいため、特定波長のシンチレーション光が第一光波長変換層で反射されることなく効率よく光検出器に到達する。
【0017】
また、上述のような放射線検出器において、光検出器と対向しているシンチレータ結晶の一面以外の表面と対向する位置に配置されていて入射するシンチレーション光を反射する反射部材と、シンチレータ結晶と反射部材との間隙に充填されていて屈折率が1.62未満の第二光波長変換層とを、さらに有してもよい。
【0018】
また、上述のような放射線検出器において、第二光波長変換層は、蛍光体が均一に分散されている透光性の樹脂からなってもよい。
【0019】
また、上述のような放射線検出器において、第一光波長変換層は、蛍光体が均一に分散されている透光性の多孔質ガラスからなってもよい。
【0020】
また、上述のような放射線検出器において、蛍光体は、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物、フェニル系化合物、オキサジアゾール系化合物、ローダミン系化合物、スルフォローダミン系化合物、ジシアノメチル系化合物(DCM)、スチリル系化合物、および、パイロメタン系化合物、から選択される少なくとも一種の有機化合物からなってもよい。
【0021】
また、上述のような放射線検出器において、シンチレータ結晶は、プラセオジム添加ルテチウムアルミネートからなってもよい。
【0022】
また、上述のような放射線検出器において、光検出器は、ノーマルモードAPD(Avalanche Photo Diode)またはガイガーモードAPDピクセルの集合からなる半導体受光素子からなってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の放射線検出器では、シンチレータ結晶は屈折率が1.8以上でシンチレーション光のピーク波長が400nm以下であり、このシンチレータ結晶と光検出器との間隙には屈折率が1.62以上の第一光波長変換層が充填されている。このため、シンチレータ結晶と第一光波長変換層との屈折率差が十分に小さいため、特定波長のシンチレーション光は第一光波長変換層で反射されることなく効率よく光検出器に到達する。従って、光検出器における光電変換効率が大幅に増加し、光検出器に到達する光子数も多くなり、放射線検出器は高感度でエネルギー分解能が優れたものになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態の放射線検出器の内部構造を示す模式図である。
【図2】放射線検出器での光学特性を示す模式図である。
【図3】一般的な光検出器であるPMTとPDの分波長感度(量子変換効率)を示す特性図である。
【図4】プラセオジム添加ルテチウムアルミネート(LuAl12:Pr)の発光スペクトルと透過スペクトルとを示す特性図である。
【図5】CeFの発光スペクトルと吸収スペクトルとを示す特性図である。
【図6】LuAl12:Prからなるシンチレータ結晶の発光スペクトルを示す特性図である。
【図7】CeFからなるシンチレータ結晶の発光スペクトルを示す特性図である。
【図8】実施例1〜5および比較例1の各種特性を示す特性図である。
【図9】実施例6〜10および比較例2の各種特性を示す特性図である。
【図10】実施例11〜15および比較例3の各種特性を示す特性図である。
【図11】実施例16〜20および比較例4の各種特性を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態の放射線検出器1は、図1に示すように、放射線8の入射を検出する放射線検出器1であって、放射線8の入射により内部で発生するシンチレーション光6のピーク波長が400nm以下で屈折率が1.8以上のシンチレータ結晶2と、シンチレータ結晶2に対向する位置に配置されていて入射するシンチレーション光6を電気信号に変換する光検出器5と、シンチレータ結晶2と光検出器5との間隙に充填されていて屈折率が1.62以上の第一光波長変換層4と、を有する。
【0026】
さらに、光検出器5と対向しているシンチレータ結晶2の一面以外の表面と対向する位置に配置されていて入射するシンチレーション光6を反射する反射部材9と、シンチレータ結晶2と反射部材9との間隙に充填されていて屈折率が1.62未満の第二光波長変換層3と、も有する。
【0027】
換言すると、本実施の形態の放射線検出器1は、放射線8の入射により内部でシンチレーション光6を発生する屈折率がn1(n1は特定の自然数)以上のシンチレータ結晶2と、シンチレータ結晶2と光検出器5との間隙に充填されていて屈折率がn2(n2はn1未満の自然数)以上の第一光波長変換層4と、シンチレータ結晶2と反射部材9との間隙に充填されていて屈折率がn2未満の第二光波長変換層3と、を有する。
【0028】
なお、詳細には後述するが、シンチレータ結晶2は、例えば、ルテチウムアルミネート(LuAl12:Pr)等を母材とする、プラセオジム添加ルテチウムアルミネートからなる。
【0029】
また、第二光波長変換層3は、蛍光体が均一に分散されている透光性の樹脂からなる。さらに、第一光波長変換層4は、蛍光体が均一に分散されている透光性の多孔質ガラスからなる。
【0030】
なお、上述の蛍光体は、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物、フェニル系化合物、オキサジアゾール系化合物、ローダミン系化合物、スルフォローダミン系化合物、ジシアノメチル系化合物(DCM)、スチリル系化合物、および、パイロメタン系化合物、から選択される少なくとも一種の有機化合物からなる。
【0031】
上述のような構成において、本実施の形態の放射線検出器1では、放射線源7からシンチレータ結晶2に放射線8が入射すると、その強度に対応したシンチレーション光6が発生する。このシンチレーション光6を光検出器5が電気信号に変換することで、放射線8の入射が検出される。
【0032】
ただし、シンチレータ結晶2は屈折率が1.8以上でシンチレーション光6のピーク波長が400nm以下であり、このシンチレータ結晶2と光検出器5との間隙には屈折率が1.62以上の第一光波長変換層4が充填されている。さらに、シンチレータ結晶2と反射部材9との間隙には屈折率が1.62未満の第二光波長変換層3が充填されている。
【0033】
このため、シンチレータ結晶2で発生したシンチレーション光6は、最初に一部が、第二光波長変換層3に到達して波長が変換される。これで、シンチレーション光6の波長を光検出器5の波長感度に適合させることができる。
【0034】
同時に、シンチレーション光6を、シンチレータ結晶2での透過率が高い波長に変換することができる。さらに、第二光波長変換層3での反射率が高い波長に変換することができる。
【0035】
従って、シンチレータ結晶2で発生して第二光波長変換層3に到達したシンチレーション光6は光検出器5の波長感度に適合した波長となり、図1に示すように、第二光波長変換層3で良好に反射されながら、シンチレータ結晶2を良好に透過する。
【0036】
従って、上述のようなシンチレーション光6は、最終的に第一光波長変換層4に到達するが、この第一光波長変換層4での反射率が低く透過率が高い。なお、シンチレータ結晶2で第一光波長変換層4に直接到達した一部のシンチレーション光6も、第一光波長変換層4での反射率が低く透過率が高い。
【0037】
そして、この第一光波長変換層4を透過するときに、光検出器5の波長感度に適合する波長に変換することができる。従って、シンチレーション光6の全部が、最終的に光検出器5に良好な効率で入射することになる。
【0038】
このため、本実施の形態の放射線検出器1では、光検出器5から出力される電気信号を大幅に増加させることが可能になり、結果的に放射線検出器1の検出感度を増大させることが可能になる。
【0039】
ここで、上述のような放射線検出器1の作用を検証する。まず、シンチレータ結晶から発した光の光波長変換層との界面での反射角をθ、屈折角をθ、シンチレータ結晶の屈折率をn1、光波長変換層の屈折率をn2とすると、
n1・sinθ=n2・sinθ
となる。
【0040】
また、屈折率n1のシンチレータ結晶における光の全反射のときの角度(θ=90°)つまり、臨界角τを求めると、
τ=sin−1(n2/n1)
となる。
【0041】
また、シンチレータ結晶と光波長変換層の界面での反射率Rは、
R=(n1−n2)/(n1+n2)
となる。
【0042】
従って、シンチレータ結晶と光波長変換層との屈折率差が大きければ大きいほど、臨界角τは大きくなり、反射率Rも大きくなる。すなわち、シンチレータ結晶と光波長変換層との屈折率差が大きければ大きいほど、シンチレータ結晶と光波長変換層との界面での全反射する光の割合が多くなる。
【0043】
従来の放射線検出器においては、シンチレータ結晶から出射されたシンチレーション光は直接、PMTやPDなどの光検出器に供給され、この光検出器においてシンチレーション光の強度に比例した電気信号に変換されていた。
【0044】
しかしながら、CsIやプラセオジム添加ルテチウムアルミネート(LuAl12:Pr)等といった発光のピーク波長が400nm以下のシンチレータ結晶では、PMTやPDなどの分波長感度(量子変換効率)に適合した波長ではないため、光変換効率が低いという問題点があった。
【0045】
加えて、CsIやプラセオジム添加ルテチウムアルミネート(LuAl12:Pr)、CeFなどのシンチレータ結晶では、シンチレータ結晶の発光のピーク波長における透過率が、より長い波長域での透過率に比較して小さい。
【0046】
このため、シンチレーション光が光検出器に到達するまでの自己吸収のためにシンチレーション光の強度が減衰し、放射線検出器1の光変換効率、および、検出感度が低下するという問題点があった。
【0047】
例えば、図2に示すように、シンチレータ結晶2の周囲に光波長変換層0を形成し、このうちの一面を光検出器5と接合し、残りの面を反射部材9により覆われた放射線検出器において、シンチレータ結晶2と屈折率の差が大きい光波長変換層0を、シンチレータ結晶2と反射部材9の間に形成した場合、シンチレータ結晶2から発した光が光波長変換層0で透過する割合が少なくなる。
【0048】
このため、光波長変換層0を透過した光が反射部材9に到達した際の、反射部材9と光波長変換層0との界面での散乱や反射部材9を透過する光成分の影響により、光の減衰が発生するという問題を軽減できる。結果として光検出器5まで到達する光の量が増加する。
【0049】
また、シンチレータ結晶2と屈折率の差が小さい光波長変換層0をシンチレータ結晶2と光検出器5の間に形成した場合、シンチレータ結晶2から発した光が光波長変換層0で全反射する割合が少なくなるために、光検出器5まで到達する光の量が増加する。
【0050】
なお、上述のような放射線検出器1に、一般的に用いられる光検出器であるPMTとPDの分波長感度(量子変換効率)のグラフを、図3に例示する。シンチレーション光6を高い変換効率で電気信号に変換するためには、シンチレーション光6は400〜600nm付近の波長域に発光ピーク波長を有することが好ましい。
【0051】
図4はプラセオジム添加ルテチウムアルミネート(LuAl12:Pr)の発光スペクトルと透過スペクトルとを示すグラフである。発光ピーク波長は310nmであり、PMTやPDなどの分波長感度(量子変換効率)に適合した波長ではない。
【0052】
図5はCeFの発光スペクトルと吸収スペクトルを示すグラフである。発光ピーク波長は300nmであり、PMTやPDなどの分波長感度(量子変換効率)に適合した波長ではない。
【0053】
そこで、本実施の形態の放射線検出器1は、図1に示すように、放射線8の入射により内部でシンチレーション光6を発生する屈折率がn1(n1は特定の自然数)以上のシンチレータ結晶2と、シンチレータ結晶2と光検出器5との間隙に充填されていて屈折率がn2(n2はn1未満の自然数)以上の第一光波長変換層4と、シンチレータ結晶2と反射部材9との間隙に充填されていて屈折率がn2未満の第二光波長変換層3として、シンチレーション光6のピーク波長が400nm以下で屈折率が1.8以上のシンチレータ結晶2と、シンチレータ結晶2と光検出器5との間隙に充填されていて屈折率が1.62以上の第一光波長変換層4と、シンチレータ結晶2と反射部材9との間隙に充填されていて屈折率が1.62未満の第二光波長変換層3と、を有する。
【0054】
このため、第二光波長変換層3によりシンチレーション光6の波長を光検出器5の波長感度に適合させることができ、かつ、シンチレータ結晶2の透過率が高い波長に効果的に変換することができる。
【0055】
加えて、シンチレータ結晶2と第二光波長変換層3との屈折率差が十分に大きいため、シンチレーション光6が効率よく反射されてから第一光波長変換層4に効率よく到達する。
【0056】
シンチレータ結晶2と第一光波長変換層4との屈折率差が十分に小さいため、シンチレーション光6は第一光波長変換層4で反射されることなく効率よく光検出器5に到達する。
【0057】
従って、光検出器5における光電変換効率が大幅に増加し、光検出器5に到達する光子数も多くなり、放射線検出器1は高感度でエネルギー分解能が優れたものになる。
【0058】
本発明者らがシンチレータ結晶2の構成材料として検討したLuAl12:Prは潮解性がなく、LSOの半分程度の短い蛍光寿命(22nsec以下)・酸化物のシンチレータ結晶中で最も高いエネルギー分解能(〜5%)という優れた特性をもつシンチレータ結晶2である。
【0059】
またCeF潮解性がなく、LSOのよりも短い蛍光寿命(30nsec以下)・フッ化物のシンチレータ結晶中で最も高いエネルギー分解能(〜18%)といった特性をもつシンチレータ結晶2である。
【0060】
図6は、蛍光体としてのジフェニルオキサゾール他を含有した各光波長変換層3,4を形成した場合におけるLuAl12:Prからなるシンチレータ結晶2の発光スペクトルを示すグラフである。
【0061】
図7は、蛍光体としてのジフェニルオキサゾール他を含有した各光波長変換層3,4を形成した場合におけるCeFからなるシンチレータ結晶2の発光スペクトルを示すグラフである。
【0062】
図6,7に示すように各光波長変換層3,4を有するシンチレータ結晶2の発光スペクトルのピーク波長は420nm付近であり、この値は、図2に示すような光検出器5としてのPMTやPDのピーク応答波長に近接している。
【0063】
また、図3、4に示すようなLuAl12:PrやCeFの透過率が高い波長に発光スペクトルのピーク波長をもつ。従って、上記のような各光波長変換層3,4を形成することにより、光検出器5に適合した波長を有する光に変換し得るシンチレータ結晶2が得られると同時に、光検出器5における光電変換効率が大幅に増加し、光検出器5に達する光子数も多くなり、放射線検出器1は高感度でエネルギー分解能が優れたものになる。
【0064】
なお、光波長変換層3,4は、単層のみならず相互に特性が異なる蛍光材料を含有した複数層で構成することも可能である。例えば、波長が200mm近傍のシンチレーション光6を、より長波長である300〜350nm程度の波長を有する青緑発光に変換し、さらに、この変換発光をより長波長のシンチレーション光6に変換することにより、PMTやPDにおける光電変換効率をさらに高めることも可能である。
【0065】
また、上述のような放射線検出器1において、光検出器5が、ノーマルモードAPDまたはガイガーモードAPDピクセルの集合からなる半導体受光素子からなってもよい(図示せず)。
【0066】
つぎに、本発明に係る放射線検出器の、さらなる具体例として複数の実施例を図8ないし図11を参照して以下に説明する。まず、LuAl12:Pr(屈折率:1.8)、および、CeF(屈折率:1.68)を1×1×1cmの立方体に切断し、その六面を鏡面研磨した。
【0067】
また、透光性の樹脂材料としてのポリシロキサン系のシリコーン樹脂をトルエンに溶かした溶液と、ジフェニルオキサゾール及び1、4ビス(5-フェニル2-オキサゾリル)ベンゼンを混合した飽和溶液を作製し、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層の基となる樹脂スラリーを調製した。
【0068】
また、透光性の樹脂材料としてのテトラメトキシシランをメタノールと水の混合溶媒中に溶解させ、乾燥制御剤としてn,n-ジメチルホルムアミドを加え、ゲル化・熟成させ湿潤ゲルを得た。
【0069】
湿潤ゲルを上記立方体LuAl12:Prの一面に塗布したのち、乾燥させることで100μm厚の多孔質ガラスを得た。得られた多孔質ガラスについて、ジフェニルオキサゾール及び1、4ビス(5-フェニル2-オキサゾリル)ベンゼンを混合した飽和トルエン溶液中に浸し、細孔中に蛍光分子を導入し、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した。
【0070】
[実施例1]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体LuAl12:Prの他の五面に上記樹脂スラリーを塗布して乾燥硬化させることで、100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層をも一体に形成した立方体のLuAl12:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0071】
つぎに、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0072】
[実施例2]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体LuAl12:Prの他の五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0073】
[実施例3]
立方体LuAl12:Prの全面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、このうちの五面を反射部材で覆い立方体のLuAl12:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、残りの一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0074】
[実施例4]
立方体LuAl12:Prの五面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この五面を反射部材で覆い立方体のLuAl12:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0075】
[実施例5]
立方体LuAl12:Prの対向する二面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した。
【0076】
このうちの一面、および、各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のLuAl12:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0077】
[比較例1]
立方体LuAl12:Prの一面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この一面、および、この一面に接する各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のLuAl12:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0078】
つぎに、反射部材で覆われていない一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。なお、上述の実施例1〜5および比較例1の各種特性を図8に示す。
【0079】
[実施例6]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体CeFの他の五面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層をも一体に形成した立方体のCeFでシンチレータ結晶を作製した。
【0080】
つぎに、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0081】
[実施例7]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体CeFの他の五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0082】
[実施例8]
立方体CeFの全面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、このうちの五面を反射部材で覆い立方体のCeFでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、残りの一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0083】
[実施例9]
立方体CeFの五面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この五面を反射部材で覆い立方体のCeFでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0084】
[実施例10]
立方体CeFの対向する二面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、このうちの一面、および、各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のCeFでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0085】
[比較例2]
立方体CeFの一面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この一面、および、この一面に接する各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のCeFでシンチレータ結晶を作製した。
【0086】
つぎに、反射部材で覆われていない一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。なお、上述の実施例6〜10および比較例2の各種特性を図9に示す。
【0087】
図9に実施例6〜10の放射線検出器、および、各光波長変換層を形成しなかった場合の標準のCeFを用いた放射線検出器に、137Csγ線を照射したときの発光量を示す。実施例6〜10の放射線検出器において標準の放射線検出器よりも発光量が増加した。
【0088】
特に、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面をPMT(R9800)の入射面に光学的に接合した実施例6の場合に発光量が最大となった。
【0089】
[実施例11]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体LuA112:Prの他の五面に上記樹脂スラリーを塗布して乾燥硬化させることで、100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層も一体に形成した立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0090】
つぎに、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面を、ノーマルモードAPD(浜松ホトニクス製S8664−8221)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0091】
[実施例12]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体LuA112:Prの他の五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面を、ノーマルモードAPD(浜松ホトニクス製S8664−8221)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0092】
[実施例13]
立方体LuA112:Prの全面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、このうちの五面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、残りの一面を、ノーマルモードAPD(浜松ホトニクス製S8664−8221)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0093】
[実施例14]
立方体LuA112:Prの五面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この五面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面を、ノーマルモードAPD(浜松ホトニクス製S8664−8221)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0094】
[実施例15]
立方体LuA112:Prの対向する二面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した。
【0095】
このうちの一面、および、各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面を、ノーマルモードAPD(浜松ホトニクス製S8664−8221)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0096】
[比較例3]
立方体LuA112:Prの一面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この一面、および、この一面に接する各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0097】
つぎに、反射部材で覆われていない一面を、ノーマルモードAPD(浜松ホトニクス製S8664−8221)からなる半導体受光素子の入対面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。なお、上述の実施例11〜15および比較例3の各種特性を図10に示す。
【0098】
図10に実施例11〜15の放射線検出器、および、各光波長変換層を形成しなかった場合の標準の放射線検出器の発光量を示す。実施例11〜15の放射線検出器において標準の放射線検出器よりも発光量が飛躍的に増加した。
【0099】
特に、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面を、APDからなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合した実施例11の場合に発光量が最大となった。
[実施例16]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体LuA112:Prの他の五面に上記樹脂スラリーを塗布して乾燥硬化させることで、100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層をも一体に形成した立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0100】
つぎに、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面を、ガイガーモードAPDの集合であるMPPC(登録商標)(浜松ホトニクス製10362−33−050)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0101】
[実施例17]
上記の屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を一面に形成した立方体LuA112:Prの他の五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面を、ガイガーモードAPDの集合であるMPPC(浜松ホトニクス製10362−33−050)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0102】
[実施例18]
立方体LuA112:Prの全面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、このうちの五面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0103】
つぎに、残りの一面を、ガイガーモードAPDの集合であるMPPC(浜松ホトニクス製10362−33−050)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0104】
[実施例19]
立方体LuA112:Prの五面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この五面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0105】
つぎに、反射部材で覆われていない一面を、ガイガーモードAPDの集合であるMPPC(浜松ホトニクス製10362−33−050)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0106】
[実施例20]
立方体LuA112:Prの対向する二面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した。
【0107】
このうちの一面、および、各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。つぎに、反射部材で覆われていない一面を、ガイガーモードAPDの集合であるMPPC(浜松ホトニクス製10362−33−050)からなる半導体受光素子の入射面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。
【0108】
[比較例4]
立方体LuA112:Prの一面に上記樹脂スラリーを塗布し乾燥硬化させることで100μmの厚さを有する屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成し、この一面、および、この一面に接する各光波長変換層を形成していない四面を反射部材で覆い立方体のLuA112:Prでシンチレータ結晶を作製した。
【0109】
つぎに、反射部材で覆われていない一面を、ガイガーモードAPDの集合であるMPPC(浜松ホトニクス製10362−33−050)からなる半導体受光素子の入対面に光学的に接合し、放射線検出器を構成した。なお、上述の実施例16〜20および比較例4の各種特性を図11に示す。
【0110】
図11に実施例16〜20の放射線検出器、および、各光波長変換層を形成しなかった場合の標準の放射線検出器の発光量を示す。実施例16〜20の放射線検出器において標準の放射線検出器よりも発光量が飛躍的に増加した。
【0111】
特に、屈折率が1.62未満の第二光波長変換層を形成した五面を反射部材で覆い、屈折率が1.62以上の第一光波長変換層を形成した一面をMPPCの入射面に光学的に接合した実施例16の場合に発光量が最大となった。
【符号の説明】
【0112】
1 放射線検出器
2 シンチレータ結晶
3 第二光波長変換層
4 第一光波長変換層
5 光検出器
6 シンチレーション光
7 放射線源
8 放射線
9 反射部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の入射を検出する放射線検出器であって、
前記放射線の入射により内部で発生するシンチレーション光のピーク波長が400nm以下で屈折率が1.8以上のシンチレータ結晶と、
前記シンチレータ結晶に対向する位置に配置されていて入射する前記シンチレーション光を電気信号に変換する光検出器と、
前記シンチレータ結晶と前記光検出器との間隙に充填されていて屈折率が1.62以上の第一光波長変換層と、
を有する放射線検出器。
【請求項2】
前記光検出器と対向している前記シンチレータ結晶の一面以外の表面と対向する位置に配置されていて入射する前記シンチレーション光を反射する反射部材と、
前記シンチレータ結晶と前記反射部材との間隙に充填されていて屈折率が1.62未満の第二光波長変換層とを、
さらに有する請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記第二光波長変換層は、蛍光体が均一に分散されている透光性の樹脂からなる請求項2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記第一光波長変換層は、蛍光体が均一に分散されている透光性の多孔質ガラスからなる請求項1ないし3の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記蛍光体は、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物、フェニル系化合物、オキサジアゾール系化合物、ローダミン系化合物、スルフォローダミン系化合物、ジシアノメチル系化合物(DCM)、スチリル系化合物、および、パイロメタン系化合物、から選択される少なくとも一種の有機化合物からなる請求項3または4に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記シンチレータ結晶は、プラセオジム添加ルテチウムアルミネートからなる請求項1ないし5の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記光検出器は、ノーマルモードAPDまたはガイガーモードAPDピクセルの集合からなる半導体受光素子からなることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の放射線検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−169673(P2010−169673A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290283(P2009−290283)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】