説明

放射線検査システムのためのコンベヤチェーンおよび放射線検査システム

放射線検査システムにおけるコンベヤチェーン(11;30;40)が、コンベヤチェーン(11;30;40)の全幅に亘って延在しておりかつ少なくとも部分的に、均一な厚さ(t)および均一な密度の平板として構成されている複数の剛体セグメント(12;12a;12b;32)を含む。剛体セグメント(12;12a;12b;32)は、チェーンの長い方向に閉じた環を成して連結されており、各セグメント(12;12a;12b;32)を次のセグメント(12;12a;12b;32)と前のセグメント(12;12a;12b;32)とに関着式に連結する連結器要素を有する。隣接するセグメントは、略直線からチェーンループに対して凸角に、互いに対して曲がることができ、その結果、コンベヤチェーン(11;30;40)は、コンベヤのローラまたはスプロケット(22)に適合することができるが、反対方向に曲がることに本質的に抵抗性がある。セグメント(12;12a;12b;32)は、互いに重なり、均一な厚さおよび密度の、少なくとも1つの連続的な、材料的に均質な移送領域を形成して、コンベヤチェーン(11;30;40)の移送領域内に、放射線に対して均一な透過性の、少なくとも1つの連続的な間隙のない帯をもたらし、連結器要素は、移送領域の外側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、より具体的には、閉じた環を成して互いに連結されている複数の剛体セグメントまたは剛体リンクで構成されており、各リンクは、次のリンクおよび前のリンクに、関着式に(articulately)蝶番で取り付けられている、コンベヤチェーンに関する。本発明は、さらに、コンベヤチェーンを構成要素として具備する放射線検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この無端コンベヤチェーンの使用目的は、例えば瓶詰食品または缶詰食品および飲料製品内の異物の検出のために、検査下にある物体がX線機器または他の放射線走査機システムを通ってコンベヤベルトまたはコンベヤチェーンにより移送される検査システムにおいてである。特に懸念されるのは、液体製品中の金属片およびガラス破片の検出である。液体に対するそれらのより高い密度に因り、そのような異物は容器の底部に集まる。さらに、容器がドーム形の底部を有する場合、異物は、容器の底部が側壁と合流する周辺部に溜まる傾向がある。したがって、放射線走査機システムは、各容器の内側底面全体が走査の範囲に入れられるように、コンベヤチェーンとの関連で構成され、配置されることが非常に重要である。その結果として、放射線の少なくとも一部が容器の底部を、およびしたがって容器が立っているコンベヤベルトまたはコンベヤチェーンの領域を通過する走査機装置を使用する必要がある。検査に使用される光線は、例えばベルトまたはチェーンの上方に配置されている光源から生じ、斜角で側壁を通過して容器内に入り、容器底部を通って出ると共に、画像処理システムに接続されているカメラシステムにより受光されてもよい。放射線検査システムがX線システムである場合、その光線は、例えばX線画像増強装置およびカメラにより、またはX線ラインアレイセンサ(X−ray line array sensor)により受光されることが可能であり、そのどちらもが、次いで、画像処理システムに信号を送る。
【0003】
本発明により対処される一般的な種類の最新の検査システムが、例えば米国特許第7,106,827(B2)号に記載されている。この文献によれば、容器のための移送デバイスは、プラスチックチェーンリンクを用いた通常のリンクチェーンコンベヤとすることができるか、または、チェーンリンクがX線画像に干渉する場合、2本の横方向に係合しているベルトにより容器が移送されるベルトコンベヤが使用され得る。
【0004】
放射線検査システムにおいてコンベヤベルトが移送デバイスとして使用される限りにおいて、それらは、大抵の場合、織物高分子ベルトである。この種のコンベヤは、ベルトの一定の厚さおよび均一性に因り、X線画像の質がコンベヤベルトにより影響を受けることが最も少ないという利点を有する。しかし、織物ベルトは損傷を受け易く、急速に磨滅するため、瓶詰産業界および缶詰産業界には、織物ベルトの使用に対する強い抵抗がある。相対的に、無端環を成して連結されている剛体プラスチック要素(通常はアセタール樹脂またはポリプロピレン)から成るコンベヤチェーンは、より強く、硬い金属容器またはガラス容器により損傷を受けにくい。コンベヤチェーンはまた、チェーンのモジュール要素が連結されている蝶番留め具を取り除くことによりチェーンが開かれることが可能であるため、ベルトより交換または修理が容易である。最後に、コンベヤチェーンは、自動追尾型でありかつコンベヤ構造の側面と同一平面で走行するように設計されることが可能である。横方向に隣接するコンベヤ間で製品が容易に横に移送されることを可能にするため、この最後の特徴は重要である。
【0005】
他方で、米国特許第7,106,827(B2)号で言及されている通り、チェーンリンクはX線画像に干渉する可能性があるため、プラスチックチェーンリンクを用いた通常のチェーンコンベヤの使用は、放射線検査システムでは問題がある。例えば欧州特許第0990602(A1)号に記載されているプラスチックチェーンリンクを用いた最新のチェーンコンベヤでは、各リンクの移送面は摩損に対する防護物としての金属被覆または金属薄板の上張りを有し、蝶番留め具は金属で作製されている。欧州特許第0597455(A1)号に記載されている別の最新のコンベヤチェーンでは、移送面は、実際のチェーンを形成する金属リンク要素に固定されているプラスチック平板要素から成る。既存の最新の上記例では、金属部品だけでは、これらのコンベヤチェーンを放射線検査システムに適さなくすると考えられる。さらに、プラスチックコンベヤチェーンセグメントの下面の構成された表面的特徴、および引用文献の図面から明らかな隣接するセグメント間の移行領域の開いた間隙は、最適な放射線画像を生成するのに必要な、均一な厚さおよび密度の均質な移送面、およびしたがって放射線に対する均一な透過率の要件に逆行する。
【0006】
米国特許第5,040,670号が、板の外側境界領域上に取り付けられている蝶番により互いに連結された細長い狭い板から成る無端帯を含むトルティーヤ製造機コンベヤを開示する。横断面が長方形である板は、トルティーヤを支持するようになされた、本質的に平坦な外面をもたらす。
【0007】
文献米国特許第1,136,578号が、互いに蝶番で取り付けられているリンクで構成されているコンベヤを示す。コンベヤ床面が、その中心部分の細片をリンクの各々上に設けられている平板様部分に取り付けることにより達成される。細片は平坦面を形成し、移動方向に傾斜した角部を有する下向きに曲がったフランジを含み、その機能は細片を安定させることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、関着式に連結された剛体要素のチェーンの耐磨耗性の利点と、安定性を備えた、織物で裏打ちされた高分子ベルトの均一の厚さおよび密度の利点とを組み合わせる、放射線検査システムのためのコンベヤを提供することである。本発明のさらなる目的は、このコンベヤを構成要素として含む放射線検査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、独立請求項によるコンベヤチェーンにより満たされる。本発明のさらなる実施形態および詳細な態様が、従属請求項に提示されている。
本発明によるコンベヤチェーンが、コンベヤチェーンの全幅に亘って延在しておりかつチェーンの長い方向に閉じた環を成して連結されている複数の剛体セグメントから成る。各セグメントは、隣接するセグメントが、略直線からチェーンループに対して凸角に、互いに対して曲がることができるように、連結器要素により、次に続くセグメントと前のセグメントとに関着式に連結され、その結果、コンベヤチェーンは、コンベヤローラに適合することができるが、反対方向に曲がることに本質的に抵抗性がある。具体的には、本発明によれば、セグメントは、少なくとも部分的に、均一な厚さおよび密度の平板として構成されており、セグメントは互いに重なり、均一な厚さおよび密度の、少なくとも1つの連続的な、材料的に均質な移送領域を形成して、コンベヤチェーンの移送領域内に放射線に対して均一な透過率の、少なくとも1つの連続的な間隙のない帯をもたらし、連結器要素は、移送領域の外側に配置されている。
【0010】
検査下で物品を支持するコンベヤの部分が走査放射線に関して均一の透過率を有することを確実にするので、均一な厚さおよび密度の、この連続的な、材料的に均質な移送領域は、本発明の中心的態様である。これは、コンベヤが、その移送領域に、均質な放射線横断面、すなわちコンベヤチェーンを通過する時にいずれの境界面においても透過した電磁放射線強度の損失がほんの僅かである横断面を含むことを意味する。
【0011】
コンベヤチェーンのセグメントを関着式に連結する連結器要素は、コンベヤチェーンの外側境界領域に2つ一組で配置されている蝶番として構成されていることが好ましく、その結果、連続的な、材料的に均質な移送領域は、蝶番により横断されず、前記外側境界領域間でコンベヤチェーンの中央領域に沿って連続的な帯のように走行する。
【0012】
連結器要素、詳細には蝶番は、下面すなわちコンベヤチェーン環の内側表面上に配置されていることが好ましく、その結果、コンベヤチェーン環の外側に向いている面すなわち移送面は平坦で遮るものがないので、例えば1つのコンベヤから別のコンベヤへの物体の横移動を容易にする。
【0013】
本発明の例示的実施形態では、コンベヤチェーンのセグメントが、高エネルギー電磁放射線に対して透過性の(transmittant to)、同時に剛体のかつ耐磨耗性の合成物質で作製されている。これらの要件を満たす2つの市販の物質は、アセタール樹脂およびポリプロピレンであり、これらは、適切な物質の選択におけるいかなる制限も暗示することなく、単に例としてここに名を挙げられているに過ぎない。蝶番留め具は、同様に、合成物質で作製されることが可能であるが、それらは移送領域の外側に配置されるので、蝶番留め具は金属で作製されることも可能であると考えられる。
【0014】
1つの特定の出願として、本発明によるコンベヤチェーンは、食品容器および飲料容器のためのX線検査システムにおいて有利に使用されるであろうことが考えられる。しかし、容易に理解されるであろうように、本発明は、いかなる特定の電磁放射線のスペクトル領域によっても、または検査されている物質の性質によっても、その適用性において制限されない。
【0015】
本発明によるコンベヤチェーンの好適な実施形態では、移送面に対して垂直にかつコンベヤチェーンの長い方向に延在する平面におけるセグメントの横断面外形は平行四辺形形状であり、その結果、隣接するセグメントの相互に隣接する面が、コンベヤチェーンの長い方向に対して斜角に傾いている。少なくとも、コンベヤチェーンの長い方向に対して垂直な平面を成して方向付けられた放射線に対して、同時に相互に接する面の角度以外の任意の斜角に方向付けられた放射線に対しても、セグメントは、したがって、連結部が放射線カーテンを通過する時に透過率に変化なく、傾斜した連結部で重複を呈する。
【0016】
傾斜した平面において隣接するセグメントが互いに接する上記実施形態の代替案として、本発明の別の実施形態のコンベヤチェーンセグメントは、相補的な突出表面外形と後退表面外形と、例えば凸湾曲形と凹湾曲形と、を有する相互に隣接する面を有し、その結果、相補的な表面外形間で、セグメントは相互係合により互いに重なり、入射方向に関係なく、電磁放射線の均一な透過率を実現する。
【0017】
有利なことに、走査放射線カーテンは、移送面まで斜角に傾いた平面を成して延在し、移送方向に対して垂直に延びる線に沿って移送面を横断する。斜めに方向付けられた放射線では、セグメントは、したがって、その連結部で効果的に重複を呈し、その結果、連結部が傾いた放射線カーテンを通過する時、透過率に変化がない。
【0018】
本発明による放射線検査システムが、上記のコンベヤチェーンを含み、該コンベヤチェーンは、電磁放射線カーテンを通る検査下で物体を移送するのに役立ち、該電磁放射線カーテンは、例示的実施形態では、移送方向に対して垂直に延びる線に沿って、コンベヤチェーンの移送面の平面を横断する平面を成して延在してもよい。システムには、コンベヤの移送面の平面の上方に横方向位置に取り付けられている少なくとも1つの放射線放射器と、コンベヤの移送面の平面の下方に横方向位置に取り付けられている少なくとも1つの放射線受信器とが備え付けられている。
【0019】
この放射線検査システムの好適な実施形態には、コンベヤの両側に取り付けられている、2つの放射線放射器と2つの対応する放射線受信器とが備え付けられている。
本発明によるコンベヤチェーンは、添付図面に示されている例を通じて以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】容器がコンベヤ上で移動しており、放射線検査システムの2つの放射光が容器およびコンベヤチェーンを横断している状態の、本発明によるコンベヤチェーンの横断面である。
【図2】図1のコンベヤチェーンおよび容器の側面図である。
【図3】図1および図2のコンベヤチェーンおよび容器の斜視図である。
【図4】駆動スプロケットと掃除機ブラシと共にある、図1〜図3のコンベヤチェーンの側面図である。
【図5】本発明によるコンベヤチェーンのさらなる実施形態の図である。
【図6】本発明によるコンベヤチェーンのさらなる実施形態の図である。
【図7】本発明によるコンベヤチェーンのさらなる実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によるコンベヤチェーン11の好適な実施形態が、図1〜図4の4つの異なる図に示されている。コンベヤチェーンの移動方向に見て、図1は、放射線検査システムの走査放射線Rの光線を容器Cが通過する瞬間に、容器Cと共にあるコンベヤチェーンセグメント12を概略的に示している(ここで、放射線検査システムは図面に示されていない)。コンベヤチェーンセグメント12は、コンベヤチェーン11の移送面21(図3参照)の一部を形成する平坦な上面14を有する。走査放射線Rにより横断されるコンベヤチェーンセグメント12の中央部13は、均一の厚さtである。蝶番支承部が、走査放射線Rにより横断されない外側境界領域18内のコンベヤチェーンセグメント12の下面15上に配置されている。中央部13に広がる下面15の部分は、平坦で、上面14に平行である。コンベヤベルト11の移動方向T(図2から図4参照)に対して、第1の対の蝶番支承部16a、16bは、前縁に配置されており、第2の対の蝶番支承部17a、17bは、各コンベヤチェーンセグメント12の後縁に配置されている。
【0022】
図2は、コンベヤチェーン11の6つのセグメント12のある部分を示しており、特に、(コンベヤチェーンの移動方向Tに対して)セグメント12の右側の蝶番支承部16a、17aおよび蝶番支承部16a、17aを互いに連結している蝶番留め具19の配置を示している。また、セグメント12の平行四辺形の横断面外形が明らかであり、セグメントの相互に接する面20は、移送面を形成する、セグメント12の平坦な上面14に対して斜角αに傾いている。また、本明細書では隣接するセグメント間の重複とも呼ばれる、セグメントの相互に接する面20のこの傾いた状態は、その経路が例えば線X−Xにより表された平面すなわち移送方向に対して垂直な平面を成して延びる走査線に対して、コンベヤチェーン11が、セグメント12間の連結部においても均一の材料厚さtを呈する効果を有する。しかし、走査放射線の平面(本明細書では放射線カーテンとも呼ばれる)は、移送方向に対して必ずしも垂直でなければならない訳ではなく、移送面に対して、相互に接する面20の角度α以外の任意の斜角に傾いていることができると考えられることに留意すべきである。
【0023】
図2から明瞭に分かるように、蝶番支承部16a、17a(および蝶番支承部16b、17b)は、セグメント12の一体部分として形成されており、コンベヤチェーンの移送領域すなわち図1に示されている通りここではセグメントの中央部13の外側に配置されている。蝶番支承部16a、16b、17a、17bは円筒形状であり、各円筒形蝶番支承部16a、16b、17a、17bの外半径は、セグメント平板12の下面15に直接配置されており、内側にすなわちセグメントの中心の方へ方向付けられた強化領域25(図5(a)、図5(b)、図6も参照)を含む。
【0024】
図3は、図2の側面図に示されているコンベヤチェーン11の同じ部分の斜視図を示す。図3は、特に、蝶番16a、16b、17a、17bが配置されている境界領域18間に連続的な帯として延在する、均一の厚さおよび密度の材料的に均質な中央部13を有する、コンベヤチェーン11の平坦な移送面21を示す。
【0025】
図4は、本発明によるコンベヤチェーン11が、蝶番16a、16b、17a、17bに係合するスプロケット22によりどのように支持され、駆動され得るかを示す。また、連結部24内に破片が挟まり圧縮される可能性が考えられる危険を生じさせる、連結部24が開き、次に再び閉じるスプロケットの周囲でチェーンが移動する前に、例えば割れたガラスおよび破片をコンベヤから掃除するように取り付けられることが可能であるブラシ23が示されている。図4は、特に明瞭に、セグメント12間の関着連結がどのようにして、略直線からチェーンループに対して凸角に、隣接するセグメントが互いに対して曲がることを可能にし、その結果、コンベヤチェーン11がスプロケット22に適合することができるが、反対方向に曲がることに本質的に抵抗するかをさらに示す。結果として、例えば、ブラシ23の領域内のコンベヤチェーンの真っ直ぐな部分は、その上に置かれた物体の荷重下で撓む可能性のない剛体の台のように挙動する。
【0026】
図5は、1つのセグメントから次のセグメントへの連結部を横断する均一な透過率の要件が達成され得る、異なる方法を示す。コンベヤチェーンセグメント12aが平行四辺形形状の外形を有する好適な実施形態(a)では、相互に隣接する平行四辺形面20aが約60°の角度αに傾いている場合、均一な透過率の目的は楽に達成され得ることが分かった。しかし、例えば厚さtなどの、コンベヤチェーン11の他のパラメータによって、より大きなまたはより小さな角度αが有利と判明する可能性がある。そのような角度αの変化が完全に本発明の範囲内にあることは、言うまでもない。
【0027】
隣接するセグメントが傾斜した面で互いに接する図5(a)の好適な実施形態に対する代替案として、図5(b)の実施形態におけるコンベヤチェーンセグメント12bが、相補的な突出表面外形と後退表面外形と、この例では凸湾曲形と凹湾曲形と、を備えた、相互に接する面20bを有し、その結果、セグメントは、相補的な表面外形間の相互係合により互いに重なる。
【0028】
図6の実施形態として、本発明によるコンベヤチェーンの連続的な、材料的に均質な領域はまた、蝶番支承部26、27がコンベヤチェーンの一方の境界領域28のみに沿って配置されているコンベヤチェーン30において実現され得る。反対側の境界は、この場合、コンベヤチェーンセグメント32を平行配列に保ち、かつ移送面31が確実に平坦なままであるようにするために、案内経路29内で案内されることが可能であると考えられる。
【0029】
さらに別の可能性として、本発明によるコンベヤチェーンの連続的な、材料的に均質な領域はまた、図7に示されているコンベヤチェーン40において実現されることが可能であり、そこでは、蝶番支承部46、47が中央区域48のみに沿って配置されており、チェーンの両境界領域38が、案内経路39内で案内される。このコンベヤチェーン40は、中央区域48の両側に沿って平行に延びる、2つの連続的な、材料的に均質な領域、すなわち2つの移送通路49を有する。
【0030】
本発明は、実施形態の特定の例の提示により記載されてきたが、例えば個々の例の特徴を互いに組み合わせることにより、かつ/または例示的実施形態の個々の特徴を交換することにより、多数のさらなる代替的実施形態が本発明の知識から作り出されることは明らかであると考えられる。例えば、図5(a)および図5(b)に示されているコンベヤチェーンセグメントの外形形状の変形形態が、図5(c)に示されている放射線Rカーテンの非垂直角度と組み合わせられることが可能である。
【符号の説明】
【0031】
11、30、40 本発明によるコンベヤチェーン
12、12a、12b、32 コンベヤチェーンのセグメントまたはリンク
13 12の中央部
14 12の上面
15 12の下面
16a、16b、17a、17b、26、27、46、47 蝶番支承部
18、28、38 コンベヤチェーンの境界領域
19 蝶番留め具
20、20a、20b セグメント12、12a、12bの隣接する面
21、31 コンベヤチェーンの平坦な移送面
22 スプロケット
23 ブラシ
24 セグメント間の連結部
25 強化領域
29、39 案内経路
48 コンベヤチェーンの中央区域
C 容器
R 走査放射線
t 13の均一の厚さ
T コンベヤチェーンの移動方向
X−X 走査線が平行に延びる(側面図での)平面
α セグメントの隣接する面の傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線検査システムのコンベヤチェーン(11;30;40)であって、
前記コンベヤチェーン(11;30;40)の全幅に亘って延在しており、かつ少なくとも部分的に、均一な厚さ(t)および均一な密度の平板として構成されており、かつ前記チェーンの長い方向に閉じた環を成して連結されている複数の剛体セグメント(12;12a;12b;32)を含み、各セグメント(12;12a;12b;32)を次のセグメント(12;12a;12b;32)および前のセグメント(12;12a;12b;32)に関着式に連結する連結器要素を含み、隣接するセグメントは、略直線から前記チェーンループに対して凸角に、互いに対して曲がることができ、その結果、前記コンベヤチェーン(11;30;40)は、コンベヤのローラまたはスプロケット(22)に適合することができるが、反対方向に曲がることに本質的に抵抗性がある、コンベヤチェーン(11;30;40)において、前記セグメント(12;12a;12b;32)は互いに重なり、均一な厚さおよび密度の、少なくとも1つの連続的な、材料的に均質な移送領域を形成して、前記コンベヤチェーン(11;30;40)の前記移送領域内に、放射線に対して均一な透過性の、少なくとも1つの連続的な間隙のない帯をもたらし、前記連結器要素は、前記移送領域の外側に配置されていることを特徴とする、コンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項2】
前記連結器要素は、蝶番(16a、16b、17a、17b、19;26、27;46、47)であることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項3】
前記蝶番(16a、16b、17a、17b、19)は、前記セグメント(12)の外側境界領域(18)内に配置されており、前記少なくとも1つの連続的な、材料的に均質な移送領域は、前記外側境界領域(18)間の中央領域(13)に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のコンベヤチェーン(11)。
【請求項4】
前記蝶番(26、27)は、前記セグメント(32)の一方の外側境界領域(28)内に配置されており、一方、前記セグメント(32)の反対側の外側境界領域が、案内経路(29)内で案内され、前記少なくとも1つの連続的な、材料的に均質な移送領域は、前記外側境界領域(28)と前記案内経路(29)との間の中央領域内に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のコンベヤチェーン(30)。
【請求項5】
前記蝶番(46、47)は、前記セグメントの中央区域(48)内に配置されており、一方、前記セグメントの前記外側境界領域(38)は、案内経路(39)内で案内され、前記案内経路(39)により前記外側境界領域(38)において区切られている、2つの連続的な、材料的に均質な移送領域が前記中央区域(48)の両側に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のコンベヤチェーン(40)。
【請求項6】
平坦な移送面(21;31)を形成する上面を有し、下面(15)をさらに有する前記コンベヤチェーン(11;30;40)において、前記連結器要素は、前記下面(15)上に配置されていることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項7】
前記セグメント(12;12a;12b;32)は、高エネルギー電磁放射線(R)に対して透過性の合成物質、具体的にはアセタール樹脂またはポリプロピレンで作製されていることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項8】
前記高エネルギー電磁放射線(R)は、X線のスペクトル領域内にあることを特徴とする、請求項7に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項9】
前記セグメント(12;12a)は、前記移送面に対して垂直にかつ前記コンベヤチェーンの前記長い方向に延在する平面に対して平行四辺形形状の横断面をしており、その結果、隣接するセグメント(12;12a)の相互に隣接する面(20;20a)が、前記コンベヤチェーン(11;30;40)の前記長い方向に対して斜角αで偏倚しており、前記セグメント(12;12a)は、前記コンベヤチェーン(11;30;40)の前記長い方向に互いに重なることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項10】
隣接するセグメント(12b)の相互に隣接する面(20b)が、相補的な突出表面外形と後退表面外形とを有し、その結果、前記セグメント(12b)は、前記相補的な表面外形間の相互係合により互いに重なることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項11】
隣接するセグメント(12b)の前記相互に隣接する面(20b)は、それぞれ凸湾曲したかつ凹湾曲した相補的な外形を有し、その結果、前記セグメントは、前記湾曲した外形間の相互係合により互いに重なることを特徴とする、請求項10に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項12】
前記蝶番支承部(16a、16b、17a、17b)は、前記セグメントの一体部分として形成されており、前記コンベヤチェーンの前記移送領域の外側に配置されていることを特徴とする、請求項2から11の一項に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)。
【請求項13】
前記蝶番支承部(16a、16b、17a、17b)は円筒形状であり、各円筒形蝶番支承部(16a、16b、17a、17b)の外半径は、前記セグメント平板の前記下面(15)に直接配置されており、内側に方向付けられた強化領域(25)を含むことを特徴とする、請求項12に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)を含む放射線検査システム。
【請求項14】
前記コンベヤチェーン(11;30;40)は、電磁放射線(R)カーテンを通る検査下で物体を移送するように動作可能であり、少なくとも1つの放射線放射器が、前記コンベヤの前記移送面(21)の前記平面の上方に横方向位置に取り付けられており、少なくとも1つの放射線受信器が前記コンベヤチェーンの前記移送面(21)の前記平面の下方に横方向位置に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から13の一項に記載のコンベヤチェーン(11;30;40)を含む放射線検査システム。
【請求項15】
前記電磁放射線(R)カーテンは、前記移送方向に対して垂直に延びる線に沿って、前記移送面(21)の前記平面を横断する平面を成して延在することを特徴とする、請求項14に記載の放射線検査システム。
【請求項16】
2つの放射線放射器と2つの対応する放射線受信器とが、前記コンベヤの両側に取り付けられていることを特徴とする、請求項14または15に記載の放射線検査システム。
【請求項17】
隣接するセグメント(12;12a;12b;12c;32)が走査放射線Rカーテンに対して、互いに効果的に重なり、走査放射線Rカーテンは、前記移送面に対して前記移送方向に90°と異なる角度で傾いた平面を成して延在し、かつ前記コンベヤチェーン(11;30;40)の長い方向に対して垂直に延びる線に沿って前記移送面を横断する、ことを特徴とする、請求項14または16に記載の放射線検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−528060(P2012−528060A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512383(P2012−512383)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057351
【国際公開番号】WO2010/136540
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511287824)メトラー−トレド・セーフライン・エックス−レイ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】