説明

放射線治療システムを較正する方法

【課題】放射線治療システムを較正する方法を提供する。
【解決手段】放射線治療源システムを較正する工程を有し、この工程は、放射線治療源及びイメージャの回転の中心に対して予め定められた位置に置かれた対象物に埋設された基準マーカーを準備する工程と、治療用放射線を上記対象物及びイメージャに差し向ける工程と、放射線治療源及びイメージャの位置の角度増分で治療用放射線によって基準マーカーの画像を生成する工程と、を備え、更に、コーンビームコンピュータ断層画像システムを較正する工程を有し、この工程は、X線ビームを対象物及び平坦パネル画像器に差し向ける工程と、kV−X線源と平坦パネル画像器の位置の角度増分でX線ビームによって基準マーカーの画像を生成する工程と、この生成された画像に基づく余りを決定する工程と、次の対象物のコーンビームコンピュータ画像を生成する工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法119条のe項に基づき、出願人は、2000年2月18日に出願された米国予備特許出願番号第60/183,590号の2000年2月18日付けの出願日の優先権を主張するものであり、上記出願の全内容は出典を明示して本明細書の一部を構成している。
【0002】
(発明の属する技術分野)
本発明は一般に、コーンビームコンピュータ断層撮像システムに関するものであり、特に、放射線治療で使用するためのアモルファスシリコン平坦パネル画像器を採用した、コーンビームに基づいてコンピュータ処理される断層撮像システムであって、患者の画像が治療台上の治療位置にある患者について得られるシステムに関連している。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
放射線治療は、特定の幾何学的形状に画定された目標または目標量に対して規定の腫瘍殺傷放射線量を配給することに関与している。通例、この治療は1治療期間のうちに、または、それ以上の治療期間(期間的部分)のうちに患者に配給される。治療スケジュールが20期分から40期分を含み、その場合に、1週間あたり5期分が配給されることは珍しいことではない。放射線治療は多様なタイプの癌および多様な段階の癌を管理するのに効果的であることが分かっているが、増量線量により増大する腫瘍の制御を行う潜在性が存在する。残念ながら、増量線量の配給は隣接して正常な構造体が存在することと、ビーム配給の精度とにより制約される。或る部位では、罹病した目標は放射線に敏感な正常な構造体に直ぐ隣接している。例えば、前立腺癌の治療では、前立腺と直腸は直ぐ隣接している。この情況では、前立腺は目標量であり、最大配給線量は直腸の壁により制約される。
【0004】
放射線に敏感な正常な構造体が受ける線量を低減するために、放射線治療源に対する目標量の位置は各治療期間ごとに厳密に分かっていて、正常組織の合併症を最小限に抑えながら腫瘍殺傷線量を正確に配給しなければならない。従来は、放射線治療の施療プランは、病巣およびその周囲の構造体の位置と配向とに基づいて、初期電算処理断層撮影画像または初期磁気共鳴画像として形成される。しかし、病巣の位置および配向は、放射線治療の施療プランを作成するために使用される治療形態の途中で変動することがある。例えば、各治療期間ごとに、患者設定の系統的変動および/またはランダムな変動(期分間のセットアップ誤差と称する)と、周囲の解剖学的構造に対する病巣の位置の変動(期分間の器官モーション誤差と称する)の各々が、放射線治療の施療プランの前提とされるものと比較して、治療の時間における病巣の位置および配向を変化させることがある。更に、病巣の位置と配向は、呼吸、蠕動といったような正常な生物学的プロセスのせいで、1つの治療期間の間ににも変動することがある(結果的には期分内誤差を生じる)。患者の前立腺の放射線治療の場合は、患者の体位が不確定であることと、患者体内の前立腺が日々移動するせいで、前立腺が規定線量を常時受けることを保証するようなマージン分だけ拡大された量を照射することが必要となる。このような不確定性が現在のレベル(〜10mm)から2mmないし3mmに低減することができるのであれば、相当な線量の上昇もあり得る。
【0005】
大きなマージンを設けることで必ず、照射される正常組織の量が増大し、そのため、正常な構造体に合併症を生じることなく病巣に配給される最大線量を制約している。病巣に配給される線量を増大させた結果、より有効な治療が得られると信じる強い根拠がある。しかし、よくあることであるとはいえ、目標量に安全に配給される最大線量は、マージンを利用することにより生じる周囲の正常な構造体に対する付随する線量により制約される。よって、治療時の病巣の位置と配向の知識を増やすことができるのであれば、マージンを減らすことができ、正常な組織に合併症を生じるリスクを増大させずに、目標量への線量は上昇させることができる。
【0006】
期分間誤差と期分内誤差を原因とする病巣位置の系統的変動および/またはランダムな変動に付随する不確定性を減じるために、多数の技術が開発されている。これらの中には、患者不動化技術(例えば、マスク、肉体鋳型、バイトフロックなど)、オフライン再検査プロセス(例えば、週間ポートフィルム、人口に基づく統計的アプローチ、または、個人レベルの統計的アプローチ)、および、オンライン補正戦略(例えば、プレポート、MV放射線撮影またはMV−X線撮影監視法、kV放射線撮影またはkV−X線撮影監視法、ビデオ監視法など)がある。
【0007】
病床位置の系統的変動および/またはランダムな変動に付随する不確定性を低減するのに最適な方法は、前立腺およびその周囲の構造体のような目標量を高度な空間精度で検出することのできるオンライン撮像システムとオンラインガイダンスシステムの両方を採用することを含むオンライン補正戦略を利用することによってのみ達成することができる。
【0008】
好適なガイダンスを提供するオンライン撮像システムは、この種の放射線治療に適用することになった場合には、幾つかの要件を有する。このような要件としては、軟組織を識別するのに十分なコントラスト感度と、軟組織の境界部の位置を厳密に探知するための高い空間分解能および低い幾何学的形状の歪みと、放射線治療装置という環境内における動作と、患者を直径40cmまで画像化することのできる広い視野(FOV)と、迅速な画像取得(数分以内)と、患者に対して加わる画像化処置に由来する無視できる程度の害(例えば、治療線量よりも遥かに低い線量)と、外部ビーム放射線治療の施療装置へ一体化させることとの両用性とがある。
【0009】
公知のオンラインシステムの幾つかの具体例を以下に説明する。例えば、患者にX線投射することを採用した戦略(例えば、フィルム、電子ポータル画像化装置、kV放射線撮像/X線撮像術など)は、通例、骨の解剖学的構造の位置のみを示し、軟組織の構造体の位置を示すことはない。このため、軟組織の目標量の位置は、骨の標識点の位置から推測されなければならない。この明瞭な欠点は、病巣上に放射線不透過性マーカーを移植することにより回避することができるが、この技術は観血性であり、全ての治療部位に適用できるわけではない。一方、断層撮像画像化療法(例えば、コンピュータ断層撮像法、磁気共鳴法、超音波法)は、軟組織の目標量の位置に関しての情報を提供することができる。コンピュータ断層撮像スキャナを放射線治療環境に組み込むこと(例えば、コンピュータ断層撮像スキャナガントリーと放射線治療ガントリーとの間をレールに沿って治療台が並進させられる)や、治療装置を修正してコンピュータ断層撮影走査処理を可能にするといったような方法により、治療時にコンピュータ断層撮像画像を取得することは可能である。前者のアプローチはかなり高額につく解決法であって、治療室内に専用のコンピュータ断層撮像スキャナを据付けることを必要とする。後者のアプローチは、例えば、コンピュータ断層撮像スキャナガントリーを修正して断層撮像用のシステムと同様に放射線治療の線配給用機構を含むようにすることにより、可能となる。最後に、目標量の軟組織視覚化は、場合によっては、良好に規定されたジオメトリで放射線治療装置に装着される超音波撮像システムによって達成される。このアプローチは全ての治療部位に適用でいるわけではないが、かなりコスト効率が良く、オンライン治療ガイダンスの利点を例示するために用いた。
【0010】
図1Aから図1Cに例示されているように、典型的な放射線治療システム100は4MVから25MVの医療用直線加速器102と、治療台110上で所与の治療位置で支持されている患者に向けられる放射線場106を平行化して成形するコリメータ104とを組み入れている。治療は、患者108の周囲の1種類以上の角度から病巣を狙って放射線114が当てられる状態で、目標量の範囲内で病巣112が照射されることを含む。画像化装置116は、治療中に患者108を通して伝達される放射線場118を画像化するために採用されてもよい。放射線場118を画像化するための画像化装置を利用して、治療前に患者のセットアップを検証し、かつ/または、治療中に配給された実際の放射線場の画像を記録することができる。通例は、このような画像は劣ったコントラスト分解能の影響を受け、せいぜい、場の端縁部に対する骨の標識点を視覚化する程度である。
【0011】
病巣位置の系統的変動および/またはランダムな変動に付随する不確定性を低減するために使用される公知のオンライン撮像システムの別な具体例は、X線コーンビームコンピュータ断層撮像システムである。コーンビームコンピュータシステムの機械動作は従来のコンピュータ断層撮像システムのものと類似しており、但し、全体容量画像が線源または検出装置を1回転させることで得られることを例外とする。これは、従来のコンピュータ断層撮像法で採用された1次元検出装置とは逆に、二次元(2D)検出装置を利用することで可能となる。コーンビームの幾何学的形状の下での画像再構築に付随する制約が存在する。しかし、このような制約は、当業者には公知である新規な線源や検出装置軌跡により対処することができるのが普通である。
【0012】
上述のように、コーンビームコンピュータ断層撮像システムは、被写体の周囲の多様な角度で得られた複数の二次元(2D)投影画像から三次元(3D)画像を再構築する。2D投影図から3D画像を再構築する方法は、従来のコンピュータ断層撮像システムで採用されている方法とは明らかに異なっている。従来のコンピュータ断層撮像システムでは、1枚以上の2D切片が患者の1次元(1D)投影から再構築され、これらの切片が「積載」されて患者の3D画像を形成することができる。コーンビームコンピュータ断層撮像法では、十分に三次元化された画像が複数の2D投影図から再構築される。コーンビームコンピュータ断層撮像法は多数の有利な特徴を提供しており、その具体例として、患者の周囲を1回転することで患者の3D画像を形成すること(しかし、従来のコンピュータ断層撮像法は通例は各切片ごとに1回転を必要とする)、高度に等方性の空間分解能(従来のコンピュータ断層撮像法では、長軸線方向の空間分解嚢は切片の厚さにより制限されるのが普通である)、画像化ジオメトリの相当な柔軟性が挙げられる。このような技術はマイクロコンピュータ処理による断層撮像のような応用例で採用されており、例えば、画像化されるべき物体が例えば180°または360°の幅で回転される時には、kV−X線管およびX線画像増幅装置を利用して2D投影図を取得している。更に、コーンビームコンピュータ断層撮像をコンピュータ断層撮像血管造影法のような医療応用例で上手く利用しており、この場合は、kV−X線管およびX線画像増幅装置管を回転型Cアーム上に搭載して利用している。
【0013】
オンライン断層撮像ガイダンス用のkVコーンビームコンピュータ断層撮像画像化システムの開発が報告されている。このシステムは、kV−X線管と、医療用直線加速装置のガントリーに搭載された放射線撮像検出装置とから較正されている。画像化検出装置は低ノイズの電荷結合素子(CCD)に基づいており、同素子は任意で蛍光画面に接続されている。蛍光体とCCDとの間の劣悪な光結合効率(−104)のせいで、システムの検出量子効率(DQE)は相当に低下する。このシステムは十分な品質のコーンビームコンピュータ断層撮像画像を生成して、前立腺の放射線治療に関連して軟組織を視覚化する能力があるけれども、低いDQEのために、画面と検出装置との間を有効に結合した場合に(例えば、−50%またはそれより良好)システムに必要となるよりも3倍から4倍の係数の画像化線量が必要となる。
【0014】
公知の補助的なコーンビームコンピュータ断層撮像画像化システムの別な具体例が図2に例示されている。補助的なコーンビームコンピュータ断層撮像画像化システム200は図1Aから図1CのCCDベースの画像器を平坦パネル画像器に置き換えたものである。特に、撮像システム200はキロボルトX線管202と、MV−X線ソース208を備えている放射線治療配給死してム206の幾何学的構成に組み込まれたアモルファスシリコン検出装置のアレイを有している平坦パネル画像器204とから構成されている。第2の平坦パネル画像器210を、任意で放射線治療配給システム206で使用することができる。このような撮像システム200は、患者214が治療台216の上で治療位置に在る時に、目標量の範囲内の病巣212に放射線および/または連続X線を投射することができる。システム206に対する撮像システム200のジオメトリが分かっている場合は、結果として生じるkV投影画像を利用して、患者のセットアップを修正し、放射線治療の精度を幾分かは向上させることができる。しかし、このようなシステム200でもまだ、軟組織構造体を適切に視覚化できる可能性はなく、よって、器官モーションを原因とする誤差を低減することができるようになる程度に制約される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
よって、本発明の目的は、軟組織構造体を適切に視覚化して器官モーションを原因とする放射線治療の誤差を低減するコーンビームコンピュータ断層撮像システムにおいて、kV投影画像を生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一局面は、経路周辺を移動し、かつ、物体およびコーンビームコンピュータ断層撮像システムに向けて放射線のビームを当てる放射線源を有している放射線治療システムに関連している。コーンビームコンピュータ断層撮像システムは、円錐状ビームの形態で画像化されるべき物体に向けてX線ビームを発射するX線源と、ビームが物体を通過したした後でX線を受けるアモルファスシリコンの平坦パネル画像器とから構成されており、画像器は物体の画像を提供する。コンピュータは放射線源とコーンビームコンピュータ断層撮像システムに接続され、コンピュータは物体の画像を受信し、この画像に基づいて、放射線源の経路を制御する放射線源に信号を発信する。
【0017】
本発明の第2の局面は、経路の周囲で放射線源を移動させることと、放射線源からの放射線のビームを物体に向かわせることと、X線ビームを円錐状ビームの形式で物体に向けて発射することを含んでいる。この方法は更に、アモルファスシリコンの平坦パネル画像器を用いてX線ビームを発射したせいで物体を通過するX線を検出することと、検出されたX線から物体の画像を生成することと、この画像に基づいて放射線源の経路を制御することとを含んでいる。
【0018】
本発明の各局面は、軟組織の構造体を適切に視覚化して器官モーションが原因である放射線治療の誤差を低減するようにしたコーンビームコンピュータ断層撮像システムにおいて、kV投影画像を生成するという利点を提供している。
【0019】
本発明の各局面は、コーンビームコンピュータ断層撮像画像化システムを治療室内に組み入れることにより、放射線治療の精度を向上させる装置および方法を提供し、そこから得られる3D画像を用いて現在の治療プランとその後の治療プランとを修正する。
【0020】
本発明の各局面は、放射線治療の実使用の相当な転換を示す。この放射線治療の高精度画像ガイド式システムは線量上昇による治療の可能性を向上させるばかりか、臨床的実践でも広範な革新をもたらす機会を提供する。
【0021】
本発明の各局面は、代替の細分化スキームを許容し、より短い治療道程を可能にし、合併療法モデルにより良好に統合できるようにすることができる。
【0022】
本発明の各局面は、放射線治療を目指した価値ある画像化情報を提供するとともに、介在処置の明示的3D記録を提供してその治療の成功、不成功を評価できるようにし、病気を管理する手段に新たな洞察を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1(a)から図1(c)は従来の放射線治療装置の幾何学的形状および動作を示す概略図である。
【図2】コーンビームコンピュータ断層撮像画像化処理用の補助装置を備えている公知の放射線治療装置を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に従って、ベンチトップ型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムが平坦パネル画像器を採用しているのを示す図である。
【図4】図3に示されたコーンビームコンピュータ断層撮像システムの幾何学的形状と処置手順を例示する概略図である。
【図5(a)】図3のコーンビームコンピュータ断層撮像システムで使用される平坦パネル画像器の基本的性能特性を描いたグラフである。
【図5(b)】図3のコーンビームコンピュータ断層撮像システムで使用される平坦パネル画像器の基本的性能特性を描いたグラフである。
【図5(c)】図3のコーンビームコンピュータ断層撮像システムで使用される平坦パネル画像器の基本的性能特性を描いたグラフである。
【図5(d)】図3のコーンビームコンピュータ断層撮像システムで使用される平坦パネル画像器の基本的性能特性を描いたグラフである。
【図6(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの性能を検査する試験で使用される多様な物体を示し、その中に、均一なウエーハシリンダ、水浴槽中の6個の低コントラスト挿入物、水浴槽に関連する張力下にあるスチールワイヤ、および、安楽死させたラットがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図6(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの性能を検査する試験で使用される多様な物体を示し、その中に、均一なウエーハシリンダ、水浴槽中の6個の低コントラスト挿入物、水浴槽に関連する張力下にあるスチールワイヤ、および、安楽死させたラットがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図6(c)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの性能を検査する試験で使用される多様な物体を示し、その中に、均一なウエーハシリンダ、水浴槽中の6個の低コントラスト挿入物、水浴槽に関連する張力下にあるスチールワイヤ、および、安楽死させたラットがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図6(d)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの性能を検査する試験で使用される多様な物体を示し、その中に、均一なウエーハシリンダ、水浴槽中の6個の低コントラスト挿入物、水浴槽に関連する張力下にあるスチールワイヤ、および、安楽死させたラットがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図7(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの反応の均一性を描いており、その中に、均一な水浴槽の容積画像により軸線方向切片およびサジタル切片、放射方向プロファイル、および、垂直方向信号プロファイルがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図7(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの反応の均一性を描いており、その中に、均一な水浴槽の容積画像により軸線方向切片およびサジタル切片、放射方向プロファイル、および、垂直方向信号プロファイルがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図7(c)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの反応の均一性を描いており、その中に、均一な水浴槽の容積画像により軸線方向切片およびサジタル切片、放射方向プロファイル、および、垂直方向信号プロファイルがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図7(d)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの反応の均一性を描いており、その中に、均一な水浴槽の容積画像により軸線方向切片およびサジタル切片、放射方向プロファイル、および、垂直方向信号プロファイルがそれぞれ含まれているのを例示した図である。
【図8(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムのノイズ特性を例示しており、その中に、均一な水浴槽の容積再構築による軸線方向ノイズ画像およびサジタルノイズ画像、放射方向ノイズプロファイル、および、垂直方向ノイズプロファイルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図8(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムのノイズ特性を例示しており、その中に、均一な水浴槽の容積再構築による軸線方向ノイズ画像およびサジタルノイズ画像、放射方向ノイズプロファイル、および、垂直方向ノイズプロファイルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図8(c)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムのノイズ特性を例示しており、その中に、均一な水浴槽の容積再構築による軸線方向ノイズ画像およびサジタルノイズ画像、放射方向ノイズプロファイル、および、垂直方向ノイズプロファイルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図8(d)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムのノイズ特性を例示しており、その中に、均一な水浴槽の容積再構築による軸線方向ノイズ画像およびサジタルノイズ画像、放射方向ノイズプロファイル、および、垂直方向ノイズプロファイルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図9(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムと、従来のコンピュータ断層撮像スキャナとの反応線形成とボクセルノイズとをそれぞれに描いた図である。
【図9(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムと、従来のコンピュータ断層撮像スキャナとの反応線形成とボクセルノイズとをそれぞれに描いた図である。
【図10(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムに基づくノイズ−電力スペクトルを描いており、その中に、軸線方向ノイズ−電力スペクトルの灰色スケールプロット、多様な露光時に測定されたノイズ−電力スペクトル、および、本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムについて従来のコンピュータ断層撮像スキャナと比較した場合のノイズ−パワースペクトルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図10(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムに基づくノイズ−電力スペクトルを描いており、その中に、軸線方向ノイズ−電力スペクトルの灰色スケールプロット、多様な露光時に測定されたノイズ−電力スペクトル、および、本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムについて従来のコンピュータ断層撮像スキャナと比較した場合のノイズ−パワースペクトルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図10(c)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムに基づくノイズ−電力スペクトルを描いており、その中に、軸線方向ノイズ−電力スペクトルの灰色スケールプロット、多様な露光時に測定されたノイズ−電力スペクトル、および、本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムについて従来のコンピュータ断層撮像スキャナと比較した場合のノイズ−パワースペクトルがそれぞれ含まれているのを示した図である。
【図11(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの空間分解能を描いており、その中に、図6(c)に例示されたスチールワイヤの軸線方向切片画像の表面プロット、および、本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムについて測定された変調伝達関数と従来のコンピュータ断層撮像スキャナについて測定された変調伝達関数がそれぞれに含まれているのを示した図である。
【図11(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの空間分解能を描いており、その中に、図6(c)に例示されたスチールワイヤの軸線方向切片画像の表面プロット、および、本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムについて測定された変調伝達関数と従来のコンピュータ断層撮像スキャナについて測定された変調伝達関数がそれぞれに含まれているのを示した図である。
【図12(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムと従来のコンピュータ断層撮像スキャナからそれぞれに得られる低コントラストファントムの画像を示す図である。
【図12(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムと従来のコンピュータ断層撮像スキャナからそれぞれに得られる低コントラストファントムの画像を示す図である。
【図13】図13(a)から図13(i)は、図6(d)に例示された安楽死させられたラットのコーンビームコンピュータ断層撮像画像を示しており、図13(a)から図13(c)は肺の領域を、図13(d)から図13(f)は腎臓の領域を、図13(g)から図13(i)は下位脊椎の領域を示した図である。
【図14】図14(a)から図14(d)は、図6(d)に例示された安楽死させられたラットのコーンビームコンピュータ断層撮像画像の容積レンダリングであり、椎骨の構造の輪郭を形成する際に達成された空間分解能の程度を例示し、腹部の軟組織構造と一緒に骨格解剖構造を示した軸線方向平面とサジタル切取り平面の容積レンダリング、骨格特性のみを示したウインドウをラットの脊椎および肋骨の領域の拡大図とした軸線方向平面およびサジタル切取り平面の容積レンダリング、2つの椎骨の一部の拡大図がそれぞれに含まれている図である。
【図15(a)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムと従来のコンピュータ断層撮像スキャナのそれぞれから得られる、図16(d)に例示された安楽死させられたラットの軸線方向画像を描いた図である。
【図15(b)】本発明のコーンビームコンピュータ断層撮像システムと従来のコンピュータ断層撮像スキャナのそれぞれから得られる、図16(d)に例示された安楽死させられたラットの軸線方向画像を描いた図である。
【図16】既存の仮想上の平坦パネル画像器構成について露光の関数として算出された検出量子係数を示したグラフである。
【図17(a)】本発明の第2の実施形態に従って平坦パネル画像器を採用した壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムを複数の角度配向で例示した図である。
【図17(b)】本発明の第2の実施形態に従って平坦パネル画像器を採用した壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムを複数の角度配向で例示した図である。
【図17(c)】本発明の第2の実施形態に従って平坦パネル画像器を採用した壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムを複数の角度配向で例示した図である。
【図17(d)】本発明の第2の実施形態に従って平坦パネル画像器を採用した壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムを複数の角度配向で例示した図である。
【図17(e)】本発明の第2の実施形態に従って平坦パネル画像器を採用した壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムを複数の角度配向で例示した図である。
【図18】本発明に従った平坦パネル画像器の支持体の第1の実施形態を採用した場合の、図17のコーンビームコンピュータ断層撮像システムを示した側面図である。
【図19(a)】図19(a)は、図18の平坦パネル画像器の支持体と併用される取り付け部の斜視展開図である。
【図19(b)】図19(b)は、図19(a)の取り付け部と併用される回転結合部の斜視展開図である。
【図20】図20(a)から図20(b)は、本発明に従って平坦パネル画像器の支持体の第2の実施形態を採用した場合の、図17の壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの概略正面図である。
【図21】図21(a)から図21(b)は、本発明に従った平坦パネル画像器の支持体の第3の実施形態を採用した場合の、図17の壁搭載型のコーンビームコンピュータ断層撮像システムの概略正面図である。
【図22】本発明の第5の実施形態に従った平坦パネル画像器を採用したポータブル式コーンビームコンピュータ断層撮像システムの図である。
【図23】図23(a)から図23(d)は、図17から図22のコーンビームコンピュータ断層撮像画像化システムの幾何学的形状と動作を例示した図である。
【図24】図17から図22のコーンビームコンピュータ断層撮像画像化システムのコーンビーム電算処理画像を得る際に関与するプロセスの実施形態を例示したフローチャートである。
【図25】図17から図22の画像化および治療配給システムの幾何学的較正方法の実施形態を例示する斜視図である。
【図26】患者のコーンビームコンピュータ断層撮像画像化、セットアップ誤差および器官モーションのオンライ補正、および、その後の治療プランのオフライン修正に基づいた、図17から図22の画像による案内式の放射線治療システムに関与するプロセスの実施形態を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の好適な実施例)
本発明のまた別な目的、利点、および、特徴は、添付の図面と関連づけて理解されれば、以下の説明と前掲の特許請求の範囲から明らかとなる。
【0025】
図3に、本発明のある実施例による、ベンチトップ型コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)システム300を示す。CBCTシステム300は、ソースと軸の距離1000mm、ソースと検出器の距離1600mmで、線形加速器上に現在設置されているCBCTスキャナーのジオメトリを真似て構築された。システム300の主要構成要素としては、X線管302、回転ステージ304、平坦パネル画像器(FPI)306が挙げられる。これらの構成要素は、光学ベンチ308に堅く取り付けられている。これら構成要素の相対位置は、X物体ステージ310、Y物体ステージ312、Y画像ステージ314の3つの並進ステージで制御され、これらのステージは、画像化ジオメトリを正確に決定し制御するために初期セットアップの間に使用される。コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)システム300は、回転ステージ304上に取り付けられ、全体を通してファントムとして識別される対象物316の画像を生成する。各ステージ310、312、314は、ホーム又はリミットスイッチを保有しており、画像化ジオメトリは、+/−0.01mmの再現性でこれらのスイッチの位置に対して参照される。ここでの議論に用いられる特定のジオメトリが図4に示されており、これは、放射線療法の処置機器に組み込まれているコーンビームコンピュータ断層撮像システムで実施される画像化ジオメトリをシミュレートするためにセットされたものである。下の表1は、システム300のパラメータを示す。
【0026】
アライメントレーザー318のセットは、X線源即ちX線管302の回転軸320と、回転軸320に垂直なソース平面とを視認できるようにし、X線源即ちX線管302の焦点322と交差する。回転軸320は、焦点322と検知器面326(+0.01mm)の間で中心光線324と交差するように配置されている。平面画像器326は、貫通点(中心光線と画像面の交差する点)が、画像化アレイ(列#256と#257の間、+/−0.01mm)上に、対象物316が360度回転されるコーンビームコンピュータ断層写真捕捉のための改良された視界サンプリングを与えるために適用される1/4画素オフセットの状態で、センタリングされるように配置されている。ステージ310は、位置決めマイクロメータで手動制御される。ソース対対象物(SOD)及びソース対画像(SID)距離は、+/−0.5mm以内に測定され、線形加速器上の画像化システムと同じの1.60のオブジェクション倍率を与える。このジオメトリ用のコーン角度は−7.1度である。
【0027】
捕捉手順で使用される放射線撮影用照射は、ゼネラルエレクトリックのMaxi−ray75の様な300kHUのX線管302と、ゼネラルエレクトリックのMSI−800の様な100kWの発電器を計算機制御して作り出される。X線管302は、光線を更に強化するための追加の0.127mmCuのフィルター付の2.5mmA1の合計最小フィルターと、0.6mmの公称焦点サイズを有している。100kV光線は、それぞれ、5.9及び13.4mmA1の第1及び第2HVLで特徴付けられている。発電機の加速能力は、1週間に亘ってモニターされ、+/−1%以内に安定していることが確認された。全ての照射線量は、RTIエレクトロニクスのシリコンダイオード検知器付モデルPMXIIIの様なX線マルチメータを用いて測定された。
【0028】
コーンビームコンピュータ断層写真捕捉のための照射線量は、対象物316が無いときの回転軸320における空気への照射線量に換算して報告された。照射線量を報告する同じ方法を、従来のスキャナー上で捕捉された画像に対して使用することができる。従来のスキャナーの場合、単位チャージ当たりの照射線量は、ガントリー回転を使用禁止にし、コリメータを10mmスライス厚さにセットして計測され、それによってシリコンダイオードの完全な適用範囲が保証される。100kVp時の単位チャージ当たり照射線量は、ベンチトップ及び従来型スキャナーそれぞれに対して、9.9mR/mAsと14.9mR/mAsであった。
【0029】
平坦パネル画像器306は、512x512アレイのSi:Hフォトダイオードと薄膜トランジスタを組み込んだ、EG&Gハイマン・オプトエレクトロニクス(RID512−400AO)であってもよい。この画像器の電子機械特性を表1に示す。平坦パネル画像器306は、8つの現存するフレーム率(毎秒5フレームまで)の内の1つで読み出され、図4に概略的に示すホストコンピュータ328と非同期で作動する。各画素からのアナログ信号は、相関付けられた二重サンプリングノイズ低減回路を特徴とするASIC増幅器によって積分される。デジタル化は、16ビット解像度で実行される。値は、RS422バス経由でホストコンピュータ328内のハードウェアバッファに転送される。ホストコンピュータ328内のプロセッサには、一揃いのフレームをホストメモリに転送する準備が整ったときに割り込みが行われる。
【0030】
表 1
【表1】



【0031】
コーンビームスキャニング手順は、放射線撮影用照射、アレイ読み出し、対象物回転を順次繰り返すことを含んでいる。この手順のタイミングは、平面画像器読み出し電子機器の非同期フレームクロックによって駆動される。従来からの、6.4秒のフレーム時間が使われた。平面画像器306からの周期的なフレーム転送の間に、ホストコンピュータは、モーター付の回転ステージ304を前進させ、X線発生器即ちX線管302をトリガする。X線管302のローターは、スキャニング手順を通して回転するままに保たれる。制御ソフトウェアを使えば、オペレータは、照射の間のフレームの数を指定することができる。これは、連続する投影における遅れの量を低減する方法を研究するための機構として設計された。平面画像器306のベアビーム領域内の9個の画素のグループからの検知器信号は、各放射線撮影用照射の安定性を測定し立証するためにモニターされている。照射線量の外側許容差は、トラップされ同じ投影角度で繰り返される。各投影画像は、フレーム転送とモーター回転の間にハードディスクに書き込まれる。投影が捕捉された後、充満及び薄暗いフィールド画像(各20個)のセットが、投影画像の平坦なフィールドの処理のためのゲインとオフセットを構成するために集められる。
【0032】
ゲインとオフセットの補正に加えて、予め構築された不安定な画素のマップを使って、中央値フィルター(3x3)が行われる。最後に、各投影の信号は、X線照射線量における小さな変動に対処するため正規化されるが、これは、対象物の影の十分外側の検知器の周辺にある9個の画素の集団を使って実行される。
【0033】
立体的コンピュータ断層撮影データのセットが、フィルター背面投影技法を使って投影から再構成される。再構成に使用されるフィルターは、ウェブの3パラメータ公式を使って構築される。パラメータとその対応する値を表1に示す。現在の設定においては、再構成視界は、直径12.4cmの円柱、長さ約12.1cmに限定され、再構成される対象物の横方向の広がりは、この円柱内に収まらなければならない。出来上がった立体データセット中の3D画素値は、線形に縮尺され、空中ではゼロ水中では1000の平均CT数を作り出す。単一の投影(512x512)をフィルター(100エレメントカーネル)し、281x281x500の3D画素のデータセット上へ背面投影するために必要な時間は、1分21秒だった。
【0034】
平面画像器306の基本的な信号及びノイズ特性が測定された。検知器のゲインと線形性を図5(a)に示す。120kVpのX線ビームエネルギに対し、検知器ゲインは、18.2x105e/mR/画素(100kVpで17.8x106e/mR)と測定された。検知器は、その感知範囲(5mR)の50%までは、照射線量に対し優れた線形性を示した。各種の追加的電子ノイズソースとその強さを表1に示す。合計追加電子ノイズは、フレーム時間に依存することが分かっており、200msのフレーム時間における13,300eから25,6sのフレーム時間における22,500eまでの範囲にある。高フレーム率では、増幅器ノイズ(12,700e)が支配的成分である。ゼロ周端数検知量子効率(DQE)上での増幅器ノイズの有意性が、FPI306における信号及びノイズ伝播を分析するカスケードシステムモデルを使って研究された。
【0035】
図5(b)は、RID512−400AO並びに増幅器ノイズの低減された2つの仮定の画像器に関する、照射線量に対する検知量子効率の依存性を示している。検知器に関する基本的量子効率は約0.57であり、エネルギー吸収ノイズ及び追加的ソースによる損失が、検知量子効率を、1mRを超える照射線量において0.41まで低減する。0.1mR以下の照射線量に対しては、検知量子効率は、EG&G検知器で見られる値に匹敵する増幅器ノイズ値のため急速に低下する。このように、厚肉/高密度の対象物(例えば、骨盤(30cmまでの水))では、検知器に対する放射線量を十分に減じ(例えば0.001mRまで)て、増幅器ノイズ(及び/又はX線コンバータ、例えばCsl;Tl)を改良することになり、検知量子効率を大幅に改良する。
【0036】
検知器の暗信号の一時的安定性を図5(c)に示す。このグラフは、選択された「代表的」画素のグループに対応している。暗信号は、作動の最初の2時間は相当ドリフトしており、これは、平坦パネル画像器の囲いの中における温度変化に関係している。温度が安定すると、暗信号も安定する。これらの結果に基づいて、全てのコーンビームコンピュータ断層撮影スキャンは、アレイに少なくとも2時間通電した後、実施される。アレイのある領域では、熱的平衡状態に達した後も暗信号が安定しない。これらの領域は、アレイ製造工程におけるばらつきの結果であると想定される。
【0037】
コンピュータ断層撮影においてはシーンが連続的に変化するので、高速読み出しと、最小の一時的ぼけ即ち「遅れ」特性を備えた検知器が必要である。この様な特性は、短い、フレーム内X線照射を使って測定されてきた。図5(d)は、フレーム数ゼロの捕捉期間内に1回の放射線照射を行った結果の画像信号を示す。後に続くフレームは、フレーム数1から9に対して、〜4%から〜0.04%の範囲の遅れ信号を呈している。遅れは、フレーム時間ではなくフレームの数だけに依存していることを示しており、注目に値する重要なことである。
【0038】
再構成に先立ち、投影は、オフセットとゲインにおける静的な画素対画素変動に対して補正される。暗視界信号の相当な変動又は異常信号応答を伴う欠陥画素は、中央値フィルターされる。その結果の投影は、再構成の前に、追加の128列によりパディングされる。パディングされた画素の値は、行毎に、アレイの周辺における7画素の平均値にセットされる。最後に、X線管出力の小さな変動に対処するため、各投影内の信号は、上記ベアビームモニター画素(9画素)から測定された信号を使って正規化される。構成前処理は、カリフォルニア州、サニヴェイル、サンマイクロシステムズ社のエンタプライズ450のような、250MHzのUltraSparcプロセッサで行うことができる。
【0039】
フェルドカンプフィルターされた背面投影アルゴリズムを使って、データセットを再構成することができる。画像は3D画素561x561xNの直角座標マトリクス上に再構成されるが、Nはスライスの数であり、関心対象物によって変わる。この再構成に用いられる3D画素のサイズは、通常、0.25x0.25x0.25mmである。再構成に用いられるフィルターは、ウェブの数学的表現形式に従う。表1は、これらの研究に使用されるフィルターを指定する3つのパラメータを含んでいる。再構成を完了すると、オフセットと縮尺のパラメータは、9mmセットの再構成と捕捉のパラメータに関して一定である。立体的コーンビームコンピュータ断層撮影データセットの再構成は、これもUltraSparcシステムで行うことができる。
【0040】
三次元(3D)視野(FOV)に亘る、画像化システム300の応答の均一性を、円柱水槽(直径110mm)を画像化することによって研究した。同じファントムをスキャンするのに、従来型のスキャナーも使用した。再構成された体積を通して、半径及び垂直プロフィール両方に沿って、応答を検証した。
【0041】
水槽の再構成された画像内のノイズを、X線照射線量の関数として研究した。照射線量131、261、653、1310、3260、6530mRで画像を取得した。一辺0.25mmの3D画素ディメンジョンを有する561x561x11マトリクス上に画像を再構成した。再構成全体を通して、再構成フィルターは、図1に指定するパラメータに固定した。これらのパラメータを変動させると、再構成された画像のノイズ特性に相当な影響を生じさせることができる。これらの画像セットのノイズ特性は、データセットを通して5x5x1領域内のCT数における標準偏差の分析と、3Dデータセットからのノイズパワースペクトラム(NPS)の計算とによって分析した。両分析方法を、照射線量の関数として実行した。ノイズの相対的安定性を、3Dデータセット全体に亘るノイズの均一性を検証することによって評価した。これらの結果は、データセットのノイズ特性の場所による変動は僅かに過ぎないことを示している。安定性は、ノイズパワー結果の適正な解釈に必要な状態なので、これらの初期の結果は、ノイズパワー分析の適用に対する支持を提供する。
【0042】
ノイズパワースペクトラム(NPS)を、既知の2D投影画像の分析に使用される方法の拡張によって、立体的データから分析した。立体データは、水柱内の平均CT数が1000となるように正規化した。水柱内の四角形の領域(256x256x20の3D画素(voxels))を立体から取り出し、小数の3D画素欠陥(常に<1%)を3x3中央値をフィルターした。3Dフーリエ変換の収斂性2D中央スライスを得るため、20のスライスをZ方向に沿って平均したが、これ以上のスライスを平均してもノイズパワースペクトラムには影響せず、即ちデータは収斂性であることが分かった。別々のスキャンにおける81個のスライスの平均から形成された背景スライスを、背景のトレンドを低減するため減算した。データに対する平面適合の減算によって、低周波数トレンドを更に低減し、2Dゼロ平均のリアリゼーションを作り出した。二次元高速フーリエ変換(FFT)を、リアリゼーション内の16個の64x64の非重複領域の集合から計算し、結果を平均した。結果は、3D画像サイズとZ方向の平均に対処するため正規化し、ノイズパワースペクトラム下の立体を標準偏差の二乗と比較した。結果として得られたノイズパワースペクトラムは(Ux,Uy)ドメイン内の中央スライス即ち(x,y)ドメインに対するフーリエ・カウンターパートを表している。Ux軸に沿うストリップを、1−Dパワースペクトル、NPS(Ux)を示すために抽出したが、これらは種々の照射線量レベルである。
【0043】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のノイズ特性を、従来型コンピュータ断層撮影スキャナーのものと比較した。意味のある比較とするためには、2つのシステムは、信号変動の領域に亘って同一の応答を提示しなければならない。電子密度ファントム(図6(b)に示す)を2つのシステムでスキャンすることによって、応答を試験した。直径110mmの水槽中に、水に近い係数を有する7つの挿入物を挿入した。挿入物は、公称CT数を有するRMI電子密度ファントムから取った。図6(b)では、頂部から時計回りに、CT固体水(CT#1001)と、BR−SR1胸部(CT#945)と、BR−SR2脳(CT#1005)と、C133レジンミックス(CT#1002)と、LV1肝臓(CT#1082)と、ポリエチレン(CT#897)である。このファントムを、等しい照射線量とkVpで、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型スキャナーの両方を使って画像化した。
【0044】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300により報告された(水に対する)減衰係数を、従来型スキャナーによるものと比較した。測定データに対する一次適合を計算して、2つのシステムの相対線形性を求めた。従来型スキャナーのノイズ特性も上記水柱テストファントムを使って測定し、画像を、100kVp、スライス厚さ1mm、4つの異なる照射線量レベル(743、1490、2970、5940mR)で取得した。3つの画像を各照射線量レベルで取得した。高解像度ヘッド(#1H)フィルター、標準ヘッド(#2)フィルター及び平滑腹腔(#3)フィルターを使って、従来型スキャナーで再構成を行った。ノイズ分析は、コーンビームコンピュータ断層撮影データセットに適用したものと同じである。各システム上で測定されたノイズ結果を比較するために、コーンビームコンピュータ断層撮影データセットの分析を繰り返したが、コーンビームコンピュータ断層撮影データは、従来型スキャナーによって与えられたと等価(0.5x0.5x1mm)な3D画素サイズを作り出すため、2x2x4の3D画素に亘る第1平均だった。
【0045】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の空間周波数伝達特性を、図6(c)に示すワイヤテスト対象物を使って測定した。テスト対象物は、直径50mmの水槽内に吊り下げられた直径0.254mmの鋼線で構成されている。このファントムを、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300上で、100kVpで、ワイヤを回転軸320に対して30mmオフセットするようにセンタリングして画像化した。出来上がった画像は、表1に記載したフィルターを使って、0.1x0.1x0.25mm3の高解像度再構成グリッド上に再構成した。6個の(それぞれ厚さ0.25mmの)隣接するスライスを平均して、低ノイズ点散開関数(PSF)を作った。2D変調伝達関数(MTF)を通る直交スライスを、先ず、点散開関数のラドン変換を計算し(即ち、x軸かy軸何れかに沿って積分し)次に、1Dフーリエ変換を計算することによって、計算した。各1Dプロフィールを単位面積に対して正規化した。補正を行って鋼線の有限な直径を補償した。比較のため、同じテストを、従来型スキャナー上で、100kVpで、1.5mmのスライス厚さに対して行った。3つの異なる再構成フィルター(高解像度ヘッド(#1H)フィルター、標準ヘッド(#2)フィルター、平滑腹腔(#3)フィルター)を使って、画像を再構成した。
【0046】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型スキャナーの相対的画像化性能を、ファントムと小動物を使って比較した。柔らかい組織に対する検知特性の簡単な比較を、図6(b)に示すファントムで行った。6個の円柱それぞれの間のCT数が近接性しているため、このファントムが、コントラストの感度特性と、柔らかい組織に対する検知特性を検証するための有用なテスト対象物となり、ファントムの画像を、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型スキャナー両方で取得した。多数の高解像度コーンビームコンピュータ断層撮影スライスを平均して従来型スキャナーで使用されているのと等価なスライス厚さ(1.5mm)を作り出した。2つの異なるシーンにおいて、等しい照射線量(2980mR)とkVpを用いた。
【0047】
柔らかい組織に対する感度特性の第2のテストを、図6(d)に示す、他の目的で既に安楽死させた実験用のラットを画像化することによって行った。上記と同じスキャニング手順に従って、両システムにおいて、空気中で、100kVpで2980mRの軸上照射線量を掛けた。得られた3Dデータを0.25x0.25x0.25mm3の3D画素サイズで再構成した。対象物は、従来型のコンピュータ断層撮影スキャナーでも、1.5mmのスライス厚さでスキャンした。このスキャンは、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のと同じ画像化放射線量を加えた。相互比較のために、コーンビームコンピュータ断層撮影データセットからの6つのスライスを平均して、従来型のスキャンと等しいスライス厚さを作った。画像器は、比較できるように、互換性のあるウィンドウとレベルで表示した。
【0048】
図7(a)から(d)に、コーンビームコンピュータ断層撮影スキャナーの応答の均一性を示す。コーンビームコンピュータ断層撮影3Dデータセットを通しての、軸方向及び矢状方向のスライスが示されている。画像は、システムの全視野に亘って比較的均一な応答を提示している。約20CT数(2%)の僅かな非均一性が、画像のヒストグラム等価領域に見られる。この非均一性は、カップ状とキャップ状のアーチファクトの組合せとして現れる。半径方向のプロフィール(図7(c))は、この点を、更に従来型スキャナーで得られた結果(点線)との比較によって示している。シミュレートされた投影データを使った再構成プロセスの内部チェックは、非均一性が再構成プロセスのアーチファクトであり、フィルターパラメータの選定に依存することを示している。再構成に付き物の非均一性を別にすれば、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の応答は極めて均一であり、特にZ方向に沿って均一である。
【0049】
システム応答の均一性を提示するのに加えて、図7の画像は、僅かのアーチファクトを伴う均一なノイズ特性も提示している。これは、研究した照射線量の全領域に対して当てはまる。ノイズの強さと均一性を、図8(a)から(d)に示す。ノイズは、半径方向軸に沿って僅かに変動し、垂直方向軸に沿う変動は無視できる程度である。半径方向位置上での僅かな依存性は、円柱状水槽を横切る伝達特性の差によるものと思われる。図8(c)は、ノイズの照射線量に対する測定された依存性も(後に図9(b)に関しても示す)表している。結局の所、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300は、アイソセンターにおける空気中での6560MRの照射線量に対して約20CT数のノイズレベルを達成することができる。
【0050】
照射線量の関数としての、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300に関して測定されたノイズを、図9(b)の一番上の曲線に示す。ノイズは、最低放射線量における−80単位から、最高放射線量における−20単位まで低下することが分かる。重ねて示されているのは、σ=a+b/√Xの形をした最小二乗適合であり、σは3D画素値におけるノイズ、Xは空気中でのアイソセンターにおける照射線量、aとbは数字適合から得られる定数である。この照射線量への逆平方根依存性は、X線断層撮影再構成に関する基本的なノイズ伝達理論と合致している。
【0051】
システム応答の線形性と精度を検証するために、各種材料(図6)に対してコーンビームコンピュータ断層撮像システム300によって報告されたCT数を、従来型スキャナーによるものと比較した。図9(b)に示すように、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のCT数は、従来型スキャナーのものとよく一致している。CT数全範囲での最大不一致は8単位であり、平均不一致は5.7であった。相関係数が高いということは、検証した範囲では、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300によって報告された値が減衰係数に比例しているということを示している。
【0052】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型スキャナーの3D画素ノイズを、照射線量の関数として比較した結果を図9(b)に示す。白丸と点線で示しているのは、高解像度ヘッド(#1H)再構成フィルター、又は標準ヘッド(#2)再構成フィルターを使った従来型スキャナーに関する結果である。どちらの場合もノイズは照射線量と共に減少している。2つのシステムを正確に比較するためには、両方のデータセットを等価な3D画素サイズで、同じ再構成フィルターを使って再構成する必要がある。等価な3D画素サイズに対する要件は、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300に関するノイズ分析を、スキャナーのものと等価な3D画素サイズを与えるために平均された立体データで繰り返すことによって達成される。
【0053】
再構成フィルターが3D画素ノイズに及ぼす影響を明らかにするため、高解像度ヘッド再構成フィルターと標準ヘッド再構成フィルターの両方を使って再構成を行った。コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の等価3D画素サイズにおけるノイズを、最小二乗適合を行った下側の実線曲線を重ね合わせて示す。等価3D画素サイズでは、低照射線量において、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のノイズは、標準ヘッドのコンピュータ断層撮影スキャナーのものよりも明らかに高い。しかしながら、高解像度ヘッドの従来型スキャナーの結果と比較すると、照射線量が非常に高い領域を除いて、残り全領域でノイズは低くなっている。2つのシステムを正確に相互比較するには、再構成フィルターと再構成マトリクスを注意深く適合させなければならないことは明らかである。にもかかわらず、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300を使って得られた結果は、このシステムで使用された初期の試作品である平坦パネル検知器が、最近の電子機器設計のものより5から10倍高い非常に高レベルの付加的電子ノイズ呈することが知られているので、自信を持たせるものである。
【0054】
ノイズパワースペクトラム測定の結果を、図10(a)−(c)に要約している。軸平面内の2Dノイズパワースペクトラム(図10(a))は、フィルターされた背面投影再構成を採用しているシステムに典型的なスペクトル形状を呈している。スペクトル密度はゼロ周波数近くで減少(しかしゼロにはならない)し、ランプフィルター(例えば−0.5mm-1にピークがある)のゆえに中間周波数で増加し、システムのローパスノイズ特性(例えば、2D画像ぼけとアポディセイションウィンドウの選択)のために高い周波数では下がっている。Uxディメンションに沿うノイズパワースペクトラムのスライスを、各種照射線量レベルに対して図10(b)に示す。平均信号レベルは各ケースに対し固定されている(即ち、水ファントム内ではCT#=1000)ので、ノイズパワースペクトラムは照射線量が増加すると共に減少する。具体的には、ノイズパワースペクトラムは、図9(b)の数値的適合の形態と合致する様式で照射線量に逆比例しているように見える。図10(c)に示すように、−1.3Rで(空気中でアイソセンターにおいて)測定されたノイズパワースペクトラムは、ゼロ周波数近くで−30mm3で、中間周波数では−4倍に増加し、次に、ナイキスト周波数におけるスペクトル密度の初期レベル近くまで低下する。
【0055】
図10(c)に重ね合わせているのは、3つの再構成フィルターを使った従来型スキャナーの測定結果であり、そして、相互比較を容易にするため、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のノイズパワースペクトラムの結果を等価3D画素サイズに関して示している。#2と#3のフィルターに関しては、従来型スキャナーは、上記の特性形状を有するノイズパワースペクトラムを呈しているが、高解像度#1フィルターは、高周波数ノイズを相当に増幅しているように見える。コーンビームコンピュータ断層撮像システム300は、#2及び#1Hフィルターを用いた従来型スキャナーに匹敵する低周波数ノイズパワースペクトラムを呈しているように見える。再構成フィルターの選定がノイズ及び空間解像度に相当な影響を与えることができるとすれば、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300に、最初の最適化されていない形状でも、最もよく合致する様に見える2つのケースは、従来型スキャナーに匹敵するノイズ性能を提供しているように考えられる。図9(b)で明らかなように、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300は、低照射線量では、従来型スキャナー(#1H)よりも低い3D画素ノイズを呈する。同様に、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300は、低減された高周波数ノイズパワースペクトラムを呈する。これら初期の結果は、FPIと読み出し電子機器における現在進行中の改良を考慮すると、特に期待させるものがある。
【0056】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のワイヤテスト対象物に対する応答を、図11(a)に示す。全体的には。PSFは(システムの画像遅れ特性に関係すると思われる小さな縞状のアーチファクトを除けば)対称で、0.6mmの全幅半値(FWHM)を有している。システムMTFを、軸上及び軸外しワイヤ両方の結果に対し図11(b)に示す。この結果は、Z=0の平面におけるシステムの周波数パスが、確認した比較的小さな(−30mm)範囲ではそれほど変化しないことを示唆している。再構成フィルターの強い影響は、従来型スキャナーのMTF結果に現れ、これも図11(b)に示されている。
【0057】
標準ヘッド(#2)フィルターは、高解像度ヘッド(#1H)フィルターに比べ、システムの信号パスを大幅に低減する。その結果は、従来型スキャナーのMTFが、高解像度ヘッド(#1H)フィルターを使用した時のコーンビームコンピュータ断層撮像システム300のものに匹敵することを示している。この観察は、図9(b)に示すノイズ結果に合致する。コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型スキャナーの解像度は、Zディメンジョンでは比較されていない。しかしながら、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のZディメンジョンにおける空間解像度は、軸平面で測定したものに匹敵すると期待される。勿論、従来型スキャナーの空間解像度は、通常は1mm以上であるスライス厚さの選択により制限される。コーンビームコンピュータ断層撮像システム300のほぼ等方性の解像度は、検出と局所限定に関して相当に有利であると期待される。
【0058】
図12(a)及び12(b)は、等価なkVp及び照射線量下で、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型コンピュータスキャナーで得られた、低コントラストファントムの軸方向画像スライスを示す。各場合のグレイスケールウィンドウは、表示されるコントラストを最大化するため極めて狭く、コーンビームコンピュータ断層撮影画像に関する僅かな信号の非均一性痕跡(先に論じたカップ状/キャップ状アーチファクト)にもかかわらず、各挿入物の視認性は従来型スキャナーに匹敵する。各物質に対する平均信号値は図9(a)に示すとおりである。システム応答における(例えば、検知器応答、X線スペクトル等による)僅かな差異は、水に非常に近いCT#の物質に関してコントラストの逆転を起こしかねない。例えば脳挿入物(右下)の場合、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300と従来型コンピュータスキャナーによって報告される平均値の間の僅かな差異(−5CT#)であっても、水に対する物質の密度を明らかに逆転させるのに十分である。最小検知可能コントラストは、恐らくはコーンビームコンピュータ断層撮像システム300の方が優れている(例えば、脳とCB−3挿入物の視認性)が、より制御された定量的な観察研究によって検証する余地を残している。
【0059】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の全体的性能を、図13(a)−13(i)に示す立体的データセットの画像に提示する。安楽死させたラットのこれらの画像は、このシステムの軟らかな組織に対する感度と、高い空間解像度を明示している。例示している画像は、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300で作り出されたデータの量と均一な品質を示すため、立体的セットを通して様々な領域(例えば、肺(a,b,c)と、腎臓(d,e,f)と、脊柱(g,h,i)の領域)から抽出したものである。軟らかな祖域構造がはっきりと視認できるできることは、スキャナーの軟らかな組織に対するコントラスト感度を明示している。
【0060】
図13(a)から図13(c)において、ウインドウとレベルはラットの肺の特徴を強調するようにセットされている。肺の詳細に加えて、幾つかのそれとわかるストリークのアーチファクトがある。このアーチファクトの原因は知られていないが、検知器の遅滞効果、又は、ビーム硬化と関連していると考えられる。
【0061】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の軟らかな組織に対するコントラスト感度を図13(d)から図13(f)に示す。図13(d)から図13(f)において、ウインドウとレベルは脂肪組織と筋肉を画像に示すようにセットされている。各画像の十字線はラットの左の腎臓の位置を示している。これらの画像は、腎臓のような3D構造を画像に示すことについて、ほとんど等方性解像度の利点を示している。胃、腸、肝臓などの他の組織も、明瞭に見ることができる。
【0062】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の等方性解像度の性能は図13(g)から図13(i)に明らかにされている。図13(g)から図13(i)において、同じようなラットのデータのセットが、骨のような特徴を表示するために選択されたウインドウとレベルで表示される。骨盤における椎間のスペースと非皮質の骨の明瞭な可視度がすばらしい。この詳細のレベルは、リニアアクセレータのジオメトリをまねたスケールで作動するコーンビームコンピュータ断層撮像システム300で生じたことを記憶しておくべきである。したがって、この詳細のレベルは、機械的な曲げを正確に補正したとすれば、装置の臨床的な実行において予期されるであろう。体積測定のデータのセットが図14に更に示されている。図14において、体積の表現はデータのセットの完全な3D特性を明らかにしており、コーンビームコンピュータ断層撮影データ内に含まれた詳細のレベルを示している。図13および図14に表されているデータの全てが、単一の回転によって行われた単一の補足で得られたことに注目するのは興味がある。
【0063】
最後に、コーンビームコンピュータ断層撮像システム300によって生じた画像の品質を、在来のスキャナーによって生じた画像と比較することによって評価した。図15(a)および図15(b)は、2つのシステムで補足されたラットの軸線方向のスライスを示す。等しい照射で、2つのシステムによって生じた画像は、等方性解像度とコントラスト感度の両方において、類似の品質のものである。平坦パネル画像器を基礎とするコーンビームコンピュータ断層撮影画像は、すばらしい等方性解像度を示し、軟らかな組織の境界の明瞭な描写と消化管の詳細を与える。コーンビームコンピュータ断層撮像システム300の等方性解像度は、在来のスキャナーの等方性解像度を越えていることは明らかである。しかしながら、在来のコンピュータ断層撮影スキャナーに関して利用できる改造マトリクスの制約は、コーンビームコンピュータ断層撮影画像の画素サイズの2倍の画素サイズに制限されるということに注目すべきである。平坦パネル画像器を基礎とするコーンビームコンピュータ断層撮影画像における画素の明らかな欠如は、この詳細のレベルが、現行のシステムの等方性解像度の物理的な限界を表すことを示す。
【0064】
これらの調査の目的は、コーンビームコンピュータ断層撮像システム、特に、医療リニアアクセレータでの放射線療法の指導に使用するための断層撮影画像システムにおける検知器として、平坦パネル技術の適用性を評価することにある。
【0065】
我々の研究の量的結果および質的結果は、平坦パネル検知器の技術を基礎とするコーンビームコンピュータ断層撮影スキャナーは、高性能なコンピュータ断層撮影のための実現性がある手段であることを示唆している。信号応答の均一性の最初の研究は、このシステムの応答が視野にわたって+/−2%の範囲内で均一であり、再構築アーチファクトに帰することができるx−y平面での組み合わされた吸角法とキャッピングのアーチファクトとして明らかな非均一性のわずかな程度がある。応答の線形性は軟らかな組織のテスト材料の範囲を用いて表示され、+/−0.6%の範囲内で線形であることがわかった。照射に対する画像ノイズの測定は、プロトタイプのコーンビームコンピュータ断層撮像システム300は、在来のスキャナーに匹敵する機能を行い、理論により予期された逆平方根の放射依存性を示している。2つのシステムに関するノイズパワースペクトラムおよび空間周波数応答の調査は、これらの結果を補強し、体積のコンピュータ断層撮像システムに関する一層広範囲の(観察によって立証できる、および、理論的な)周波数依存特性を発揮する利点を示す。
【0066】
挙動の量的な測定に加えて、低収縮なファントム(人体模型)および小動物の解剖模型の画像により、これらの測定から引き出された結論を確かめ、放射腫瘍学における組織の位置に関して充分である以上の優秀な詳細と、軟らかな組織の収縮を示す。
【0067】
ここに表した結果は、体積の画像化に関するこのアプローチの可能性を示している。しかしながら、この研究は、小さな対象物サイズおよび小さなコーン角の状態のもとに行われた。これらの状態は、この調査に使用された検知器のサイズによって押しつけられている。大きな検知器を用いた画像化により、コーン角を大きくすることができ、コンピュータ断層撮影について、対象物の厚さを大きくすることができる。もっと大きな検知器についての性能に対する、ここに表した結果にもとづく性能の外挿を、いくらか用心して行うべきである。大きな視野を用いた、大きな対象物の画像化により、散乱は大きくなり、伝播は小さくなる。散乱の増大により、再構築された画像(例えば、吸角法及び/又はストリーク)に非均一性を導入し、付加的なX線の特定量のノイズを画像信号に加えることによって、コンピュータ断層撮影の画像化性能に不利な影響を与えることを予期せざるをえない。検知器に到達する散乱の大きさは、利用されるコーン角とエアギャップに大いに依存しており、研究により、これらの距離での散乱は在来の放射線写真装置と比較すると減るであろう。X線の散乱の問題の大きさを定量化することと、この問題を減らす方法を開発することは、継続観察の領域である。
【0068】
大きいコーン角でのX線の散乱の懸念に加えて、大きな対象物のスキャニングにより、検知器に達する影響を著しく減らすであろう。この伝播の減少により、平坦パネル検知器の性能に不利な影響を及ぼすであろう。現在入手可能な平坦パネル画像器は、平坦パネル読出し電子機器における付加的なノイズの存在により、X線透視装置の照射速度での在来の画像インテンシファイヤより劣る性能を示す。付加的なノイズにより、画像器の検知量子効率を、画像を形成するX線の数に依存させる。これらの観察に使用される平坦パネル画像器306について、そして、CsI:TIの使用による高いX線量の検知効率と、読出し電子機器の改良による付加的なノイズの減少を含む画像器306の設計における最も最近の進歩を具体化する仮定の検知器について、この依存性を図16に示す。
【0069】
ゼロ周波数の検知量子効率は、信号ノイズ伝播についてのモデルを使用して計算され、それは測定結果と非常によく一致していた。X線コンバータおよび電子機器ノイズの改良により、コンピュータ断層撮影に必要とされる照射の広い範囲にわたって、検知量子効率の照射依存性を著しく減少させることが、図16から明らかである。減少の大きさは、システムにおける増幅器のノイズに大きく依存する。これらの研究に使用されるプロトタイプの画像器について、増幅器のノイズは非常に高く、12,700eである。例えば、骨盤解剖学のコンピュータ断層撮影における伝播される低い照射について、検知器は、10%未満のゼロ周波数の検知量子効率を達成するであろう。これと比較して、上記した設計(たとえば、高品質のCsI:TIコンバータと、3000 3、或いは、それより良い増幅器のノイズ)における最近の進歩を組み込んだ画像器は、すべての伝播で、高い検知量子効率(−65%)を達成し、低い照射レベルにおいてさえ、40%を超える検知量子効率を維持する。画像器の設計におけるこのような品質の向上は、平坦パネル画像器の製造者の現在の能力の範囲内であり、これにより、人間のコーンビームコンピュータ断層撮影における平坦パネル画像器の適用を容易にするであろう。さらに、これらの改良は、インターベンショナルX線透視検査用の在来の画像インテンシファイヤシステムに代わって平坦パネル画像器の使用を予期する、デジタル画像化における他の力によって大いに駆り立てられる。この理由により、このよな特徴をもつ画像器が、次の5年以内に利用可能になるであろうことを予想することができる。
【0070】
全体的に、平坦パネルの操作特性は、コーンビームコンピュータ断層撮影スキャニングジオメトリにおける捕捉と互換性が高い。画像インテンシファイヤー又はレンズベースシステムとは異なり、平坦パネル検知器は、回転ジオメトリのもとで幾何学的に頑丈であり、画像の歪みの問題がない。ピクセル要素へのアナログ・デジタル変換器及び比較的大きな電荷信号の近傍では、パネルを高周波パワー環境において頑強にし、これは、特に、放射線療法への適用に興味深い。これらの検知器の高読取り速度によって、300投影像のシーケンスを10秒(30fpsで運転)内に映像化することができる。これは、医療リニア加速器のガントリー(gantry)のための許容回転速度を満足するのに十二分である。実際、国際電気機械機関(IEC)は、リニア加速器について毎分1回転以下を推奨しており、治療室においてコーンビームコンピュータ断層撮影ガイダンスの利点に照らして、そのような規制を再考するのが合理的であろう。現在、検知器サイズ及び縦横比は、デジタル照射線画像測定の必要性に依存し、放射線画像測定フィルムのサイズと同等な検知器を作る。もし、ガントリー回転中、ft検知器と看者との間に十分な隙間を維持すべなら、これらのサイズは再構築の視野を限定する。この問題は、360°のガントリー回転を使用するオフセット検知器スキームを使用することにより取り組むことができる。究極的には、特注の検知器をコーンビームコンピュータ断層撮影(例えば、25×50cm2の面積のパネル)の要件を満たすサイズ及び縦横比で設計することができる。
【0071】
この技術が示す潜在能力によれば、コンピュータ断層撮影のための新たな分野への適用の可能性が大きい。この技術に基づく撮像システムは、(キロボルト又はメガボルトのエネルギー)における非破壊検査、特定の治療状態のモニター、及び、勿論、治療のためのナビゲーション映像を含む、特定の撮像の問題に取り組むように構成することができる。パネルの小型性によって、平坦パネル画像装置に基づくコンピュータ断層撮影を、従来のコンピュータ断層撮影スキャナでは不可能と考えられていた状況に応用可能となる。コーンビームコンピュータ断層撮影のアプローチは、従来のスキャナと比べて、コストを大きく削減する2つの重要な特徴を提供する。第1に、捕捉のコーンビーム特性は、撮像捕捉中、患者(対象物)を移動させる追加の機構を必要としない。第2に、コーンビームの使用は、ファンビームの使用とは反対に、X線の使用を著しく増加させ、三次元走査に必要なX線管熱容量を低減させることができる。同じソース及び検知ジオメトリーのため、効率は、概ねスライス厚さに相当する。例えば、X線使用率は、従来のスキャナにおける3mmスライスから、コーンビームシステムの100mmスライスに対応するコーンアングルへ、30倍に増加する。これによって、熱負荷容量が大きく減少する。我々の経験からでは、5200kHU X線管は、コストが約70,000ドルであるところ、600kHUX線管(10分の一の容量)は、コストが約6、000ドルである。
【0072】
コーンビームコンピュータ断層撮影は、核医学及び工業検査のような分野において、10年以上の間、活発な研究開発の課題であった。しかし、最近になって、診断コンピュータ断層撮影領域においても見かけ始めた。この領域における発展は、ほとんどマルチスライス検知器に限定されている。この模索において、高性能コンピュータ断層撮影のための別の検知器の使用が研究されている。この模索の結果によって、放射線治療のためのコーンビームコンピュータ断層撮像システムにおけるこれらの検知器の使用のため、また、コーンビームコンピュータ断層撮影の完全に三次元化の利点を利用する診断及び介在されるコンピュータ断層撮影作業のための顕著な潜在的可能性がある。
【0073】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム300に関して前に示した好結果に基づき、医療リニア加速器における放射線治療を案内するための、平坦パネル画像装置に基づくキロボルトコーンビームコンピュータ断層撮影スキャナのいくつかの実施例が明らかになった。例えば、図17(a)−(e)及び図18は、壁取り付け式コーンビームコンピュータ断層撮像システム400の実施例の概略図である。コーンビームコンピュータ断層撮像システム400は、X線管402及びガントリー406に設けられた平坦パネル画像装置404のようなX線源を含む。X線管402は、約30KeVから150KeV、好ましくは、100KeVの範囲のエネルギーを有するコーン又はピラミッド形のX線407のビームを生成する。平坦パネル画像装置404は、アモルファスシリコン検知器を使用する。
【0074】
システム400は、患者の体積物標の治療を可能にするように、X線管402のパワーレベルよりも高いパワーレベルで運転する、リニアソース409のような別個の放射線治療X線源を含む、既存の又は新しい放射線治療システム700に改装してもよい。リニアソース409は、4MeVから25MeVまでの範囲を有する光子又は電子のような、X線又は粒子411のビームを生成する。システム400は、また、それらの間に介在された患者とリニアソース409とを整列させる画像装置(図示せず)を含む。画像装置は、患者を貫通するビーム411の面影に基づいて患者の投影像を形成する。X線源402と409は、分離し、また、同じ構造に含まれ、又は、異なるエネルギーのX線を生成することができる単一源に組み合わせてもよい。
【0075】
図17(a)−(e)及び図18−図19に示すように、平坦パネル画像装置404は、医療リニア加速器409のガントリー406の平らで円形の回転ドラム408の面に取付けることができ、X線管402によって作られたX線407が、放射線治療源409によって生成される治療ビーム411に対して略直角である。平面画像装置404の取り付けは、三脚を形成する3つの1m長のアーム410,412、及び415を含む画像装置支持システム413によって達成される。図18及び図19(a)−(b)に示すように、サイドアーム410及び415は互いに同一形であり、また、端部がAx95ガイ枢軸(Guy pivot)に取付けられており、Ax95ガイ枢軸は枢軸417の整列ねじ孔及びプレート433及び435のそれぞれのねじ孔425及び431を介して、ねじによってねじ止めされている。図17(b)及び図18に示すように、アーム410及び415のための取り付け部414は、平面画像装置404を含む面に対して平行且つ約30cmだけ偏位した面421内に含まれたラインセグメント419に沿って、互いに整列していいる。取り付け部414は、互いに約70cm離間していおり、且つ、放射線治療源409から270°の個所に、ドラム408に取付けられた画像装置取り付け部423と交差する面に対して対称的に配置されている。
【0076】
図18及び図19(a)−(b)に示すように、各取り付け部414は、ねじ付雄部材418をドラム408を貫通して形成された孔437を通して挿入することによって、ドラム408の端部416に取付けられている。一旦、挿入されたら、ねじ付雄部材418は、ナット420をねじ付雄部材418に締付けることによって、ドラム408に対して取付けられる。アーム410及び415の他端は、Ax95ガイ枢軸422に取付けられており、また、Ax95ガイ枢軸422は、0.95cm(3/8インチ)厚のアルミニウム製正方形プレート424の後側に取付けられており、更に、正方形プレート424は、ボルト(図示せず)によって平坦パネル画像装置404の後ろに取付けられている。
【0077】
図17(d)−(e)に示すように、平坦パネル画像装置404は、プレート424に対に対して2つの予め設定された位置がある。図17(d)に示すように、平坦パネル画像装置404は、アーム412の端部を中心として中心決めされている。広い視野を提供するため、偏位平坦パネル画像装置404は、図17(e)に示すように使用可能であり、画像装置404は、ボルトによって、プレート424の側面に対して取付けられている。平坦パネル画像装置404をプレート424に対して移動させ 、コーンビームコンピュータ断層撮像システムの視野を変化させる容易な方法を提供するため、動力化されたシステムを使用してもよい。
【0078】
中央アーム412は、また、ドラム408及び平坦パネル画像装置404に取付けられている。中央アーム412は、Ax95ガイ枢軸427に取付けられた一端を有し、一方、Ax95ガイ枢軸427は、図17(b)及び18に示されたドラム408に形成された、ねじ孔付三角形補強プレート426に取付けられている。プレート426は、映像システム400の等角点430と交わる回転軸428から約433.8mmである。中央アーム412の第2端部は、Cx95A直角アングルジョイント425を介してプレート424に取付けられている。
【0079】
図17(b)及び図18に示すように、アーム412の端部は、ラインセグメント419の直角二等分線である線に沿って配置されており、また、約30cmの距離Dによって、ラインセグメント419に沿って計測するとき、取り付け部414の間の中間点から半径方向に離間している。
図17(b)及び図18に示すように、アーム410、412及び415の他端は、プレート434の後ろ側縁部429から約20cm、かつ、プレート424の左及び右縁部の間の略中間に位置するように、プレート424に取付けられている。
【0080】
一旦、アーム410、412及び415が、ドラム408及びプレート424に取付けられたら、アームは、平坦パネル画像装置404が、背面が約60mmの距離Lによって、等角点430から離間した位置に移動するように枢着することができる。映像支持システム413の1つの利点は、既存の独立型放射線治療装置を、それに取付けられた平坦パネル画像装置を有することができるように、改良して使用可能である。画像装置支持システム413は、非常に高剛性(すなわち、引張り及び圧縮で一定)であり、画像装置404の運動を減少させ、従って、より明瞭な映像データに導く。
【0081】
X線管402は、また、平坦パネル画像装置404の反対側に位置するように、既存の独立型治療装置を改造することができることに留意すべきである。図17(a)−(e)に示すように、X線管402は、一対の前面及び背面442、444及び一対の側面446で構成された管支持部440に取付けられている。マルチリーフコリメーター(multi-leaf collimator)448は、管支持部440の内部に支持されている。正面及び背面442及び444はそれぞれ、互いに整列し、かつ、ドラム408にボルト止めされたベアリングハウジング456に取付けられた3つの円筒状支持アーム454を受入れる3つの孔450、452を含む。管支持部440及びX線管402は、支持アーム454に沿って摺動可能である。ケーブル支持部は、管支持部440及びベアリングハウジング456との間に架橋されており、また、X線管402を操作するのに必要な配線を含むことに留意すべきである。
【0082】
図20(a)及び(b)に、図17の平面画像器404用の変形例の画像器支持装置を示す。特に、図20(a)及び(b)に示す画像器支持装置507は、単一の枢動アーム510を含み、この枢動アーム510は、放射線療法ソース409の下コーナーに枢動自在に取付けられている一方の端部を有する。枢動アーム510の他方の端部512は、平面画像器404の端部に枢動自在に取付けられている。枢動アーム510及び平面画像器404は、図20(a)の引っ込み位置から図20(b)の延長位置まで及びその反対に可動である。枢動アーム510及び平面画像器404の移動は、手動で又はモーターを介しての何れかによって移動されるのが良い。
【0083】
支持構造を簡単化し且つ全体システムの機械的複雑さを軽減するために、画像器支持装置507を使用するとき、X線管402が放射線療法ソース409の第2の下コーナーに取付けられていることに注目すべきである。X線管402の位置は、X線管402と患者へのスタッフの接近との干渉も軽減する。この実施形態では、X線管402から回転軸線428までの距離が放射線療法ソース409から回転軸線428までの距離と必ずしも等しくないことに注目すべきである。また、図20(b)に示す枢動アーム510の延長量は、コーンビームコンピュータ断層撮影のための所望の視野に応じて変化する。もし機能的構造が十分正確に設計されていれば、枢動アーム510は、ガントリーの回転中の画像取得中の回転によって引き起こされる画像器404と患者又はテーブルとの潜在的な衝突を動的に回避することを可能にするように出入りすることができることに注目すべきである。放射線療法ソース409のヘッドは、図20(a)の引っ込み位置にある間に画像器404に対する放射線によって引き起こされる損傷を制限する追加の鉛製シールド材を画像器側面に設けるように変更されていても良い。これは、画像器404の寿命期間を増大させる。
【0084】
図17の平面画像器404用の第2の変形例の画像器支持装置を、図21(a)及び(b)に示す。特に、図21(a)及び(b)に示す画像器支持装置607は、単一のC字形アーム610を含み、このC字形アーム610は、放射線療法ソース409の前部又は後部に取付けられたアーム支持部611に取付けられている。C字形アーム610の一方の端部には、X線管402が取付けられ、C字形アーム610の他方の端部には、平面画像器404が取付けられている。C字形アーム610は、アーム支持部611内を手動で又はモーターを介しての何れかにより移動され、その結果、X線管402及び平面画像器404は、一定の弧に沿って移動することができる。
【0085】
この実施形態では、X線管402から回転軸線428までの距離が放射線療法ソース409から回転軸線428までの距離と必ずしも等しくないことに注目すべきである。C字形アーム610は、一定の円の弧の形状をなす必要はない。また、C字形アーム610の回転軸線は、放射線治療ソース409の回転軸線428と必ずしも一致せず、それにより、同じ装置が、C字形アーム610の半径を変更することなしに、面からイソ(iso)センターまで異なる距離を有する機械に取付けられることを可能にする。
【0086】
図21(a)及び(b)のC字形アーム610の使用により、コーンビームコンピュータ断層撮影を得る際、多大な柔軟性を許容する。例えば、画像データを、ガントリー406のドラム408を回転させることだけによって得ることができる。画像データを、C字形アーム610をガントリー406と独立に円形経路内で移動させることによる第2の仕方で得ることができる。画像データを、円形経路に沿う画像を発生させるようにC字形アーム610及びドラム408を協働的に作動させることによって得ることができ、その結果、角度方向の取得範囲が増大され、ガントリーの角度方向速度の不安定性が処理される。画像化の第4の仕方は、一定球面上のサイン曲線軌道を含む非円軌道運動を行わせるように、ドラム408を回転させ且つC字形アーム610をガントリーの取付け箇所を中心にサイン曲線パターンで枢動させることを含む。そのような非円軌道運動は、タイ(Tuy)の条件を満たすことによって、画像再構成をより完全にすることが可能である。
【0087】
図22は、可動式コーンビームコンピュータ断層システム700を示す。この実施形態では、システム700は、可動プラットフォーム702上にあり、その結果、システム700を、回転式放射線療法ソース409(図示せず)に対してテーブル443上に位置決めされた患者441に対して移動することができる。コーンビームコンピュータ断層システム700は、C字形アーム704の一方の側に位置決めされたX線管402のようなX線ソースと、C字形アーム704の一方の側の反対側に位置決めされた平面画像器とを含む。C字形アーム704は、作動の際、2つの回転軸線を中心に回転することができる。システム700は、放射線療法システム(図示せず)まで移動され、システム700を、放射線療法システムのアライメントを助ける画像を発生させるのに使用することができる。
【0088】
上述したコーンビームコンピュータ断層システム400及び図18乃至図22に示した画像器支持装置の種々の実施形態について、システム400の操作を以下に説明する。以下の説明において、放射線療法ビーム411の用語「形状」は、ビームの方向と垂直な平面内におけるビームの空間的な分布、又は、いくつかのビーム制限装置を通して透過された後のビームの周波数をいうものと理解される。用語「計画作成用画像」は、放射線療法の治療計画作成のために使用される治療デリバリの前に、コーンビームコンピュータ断層システム400によって取得された患者の画像をいう。用語「努力(constrained)計画セット」は、所定の患者のための複数の放射線療法治療計画をいい、各放射線療法治療計画は、計画作成用画像の病変箇所及び/又は向きと比較したそれらのいくつかの摂動を仮定して計算される。例えば、努力計画セットを、各計画がy及び/又はz軸線を中心とする病変の異なる大きさの回転と一致するように計算しても良い。
【0089】
コーンビームコンピュータ断層撮像システム400は、好ましくは、X線管402および、治療位置における治療台上の患者の三次元画像を形成することができる図23(a)−(d)に示されたジオメトリの任意の1つの平坦パネル画像器404を含む。X線管402は、パルス化されたまたは連続的なX線ビーム407を発生するように操作することができる。平坦パネル画像器404は、1.)入射X線を電子画像に変換する機構(例えば、各画素における感光素子と組み合わされたシンチレータ、または光伝導体)、2.)各画素における電子の電荷を統合し、蓄積する機構(各画素に位置する光ダイオード、キャパシタ等のキャパシタンス)、3.)装置から電子の電荷を読み出す機構(関連した切換制御ラインおよび読み出しラインを備えた各画素における薄膜トランジスタスイッチ等)を組み込んだ画素の能動マトリックスを含む。X線管402および平坦パネル画像器404は好ましくは、患者の長手方向軸線を中心とした円形軌道(およびその変形)を移動する。図18−22で使用されている画像器支持システムに応じて、画像器支持システムは、図23(b)に示されたx方向および/またはz方向のオフセットに順応しなければならない。x方向、y方向および/またはz方向におけるX線管402および/または平坦パネル画像器404の組み合わされた動きは軌道と呼ばれ、患者を中心とした円形であってもよいし、非円形、例えば、直線、正弦曲線、円、および/またはランダムな経路の幾つかの組み合わせであってもよい。例えば、ソース402および画像器404が互いに独立に移動する場合には、ソース402は、円筒面に束縛された正弦曲線経路または鋸刃経路を移動し、画像器404は、円筒面上の円形経路を移動するのがよい。この筋書では、コリメータは、ソース402および画像器404の許された独立した動きにもかかわらず、照射場の形状を、これが画像器404に閉じ込められるようにリアルタイムで調節する。
【0090】
コーンビームコンピュータ断層撮影画像の捕捉は、複数の二次元画像の捕捉を伴い、これらの複数の二次元画像において、各々の画像は好ましくは、患者441に対するX線ビーム407および平坦パネル画像器404の異なる向きに対応し、例えば、X線管402および平坦パネル画像器404は、図23(d)に示された患者を中心とした円形または非円形経路を横断する。コーンビームコンピュータ断層撮影画像は好ましくは、治療位置において、かつ治療供給直前における治療台上の患者について捕捉されることに留意されたい。このような好ましいプロセスは、プロセス中に患者が治療台上にいるときからの1)「オンライン」と、治療供給の時に画像が実質的に捕捉されるときからの2)「リアルタイム」がある。コーンビームコンピュータ断層撮影画像の捕捉の好ましい方法に伴う処理が図24に示されており、概念的に種々のオフラインおよびオンライン処理および、二次元画像の捕捉および三次元画像の再構築のための機構に分割される。
【0091】
図24に概略的に示されたオフライン処理は、X線照射がなく(ダークフィールドと呼ばれる)、およびX線照射により(投て射フラッドフィールドと呼ばれる)捕捉される複数の二次元画像の捕捉を含む。かかるダークフィールドおよびフラッドフィールドは、画像動作および応答特性における不均一性から生じる画像形成システムにおける静的不均一性を補正するために使用される。二次元画像における欠陥画素を特定し、補正するための機構(例えば、異常画素座標を特定する画素欠陥マップ、および対応する画素値にフィルタを適用すること)も含まれる。第3に、以下に説明する非理想軌道の修正のためのメジャーおよび方法が使用されることが好ましい。
【0092】
図24に概略的に例示されたオンラインプロセスは、1)X線管の制御および監視、2)X線管402および平坦パネル画像器404が縦走する軌跡の制御および監視(例えば、ガントリー406を回転させることにより行われる)、および、3)平坦パネル画像器404の制御および読出しを含んでいる。X線ソース402はパルス式または連続式の態様のいずれかでX線を生成し、X線管出力の大きさの変動は出力モニタにより監視されており、このモニタは、X線管コリメータアセンブリの内部に設置されたダイオードのような放射線感受性の電子素子を備えているのが好ましい。代替例として、出力モニタはX線管402の外部の、X線管出力の変動を測定できるようになる位置に設置されればよく、或いは、平坦パネル画像器404上の画素を利用して出力が測定されるようにし、これらピクセルが複数の2D投影画像中で患者により遮蔽されないようにしてもよい。X線管402と平坦パネル画像器404の患者の周囲の軌跡は、ガントリー406のコンピュータ制御下の回転により、また、各2D画像が得られるガントリー角度の厳密な測定と組み合わせることで制御されるのが好ましい。X線ソース402と平坦パネル画像器404の両方ともが図22のポータブル式の実施形態のような治療ガンとリー406上に搭載されるわけではない実施形態については、各2D画像ごとにこれら2つの構成要素の位置を測定および記録する類似の機構が採用される。第3に、複数の2D画像は制御/取得用コンピュータにより平坦パネル画像器404から読み出される。平坦パネル画像器404の読出しは、図18から図22を参照しながら先に説明された実施形態ように、X線管402と平坦パネル画像器404の支持構造体と同期するのと同様に、X線管402の動作とも同期するのが好ましい。X線露光、ガントリー回転、および、平坦パネル画像器読出しのタイミングは、1)制御/取得用コンピュータ、または、2)能動呼吸制御用装置、電子式心臓噴門制御用装置のような外部トリガ機構(噴門制御ソース)のいずれかにより同期されるのが好ましい。前者の場合については、好ましい実施形態は、1)X線ソース402により生成されるX線パルス、2)ガントリー回転(例えば、〜1°から〜360°の増分の)、および、3)平坦パネル画像器読出し(例えば、X線管出力およびガントリー回転の制約と一致した読出し速度の)といったコンピュータ制御を含んでいる。後者の場合については、好ましい実施形態は、噴門制御ソースがX線の生成、ガントリー回転、および、平坦パネル画像器読出しを患者441の解剖学的構造の運動と同期した態様で誘発し、画像の再構築において器官モーションの身体に有害な効果を低減するようにしている。
【0093】
好ましい実施形態は、高速のコーンビームコンピュータ断層撮像画像再構築用の機構(再構築エンジン)を備えている。複数の2D投影図がまず、暗色場またはフラッド場の補正により処理され、軌跡の非理想化性(後段)、管出力の変動、および、ガントリー回転のそれぞれの測定値を処理済みの2D投影図と一緒に利用して、患者441の3Dコーンビームコンピュータ断層撮像再構築画像を形成する。多様なコーンビーム再構築技術が当該技術で公知であり、その中には、コーンビームフィルタ処理逆投射が含まれる。ここでは、コーンビームコンピュータ断層撮像画像が、オンライン処理プラニング用のシステムに対して利用可能とされる。
【0094】
2D画像取得と病巣位置探知誤差の補正との間で暫時、患者441は1種以上のガントリー角度で平坦パネル画像器を用いて得られる周期的放射線写真により監視されるのが好ましい。好ましい実施形態では、これらのモニタ用放射線写真は、患者441の期分内モーションをチェックするために分析される(例えば、異なる画像の計算により)。
【0095】
好ましい実施形態は、病巣位置探知誤差の補正のためのコンピュータ制御された治療台443を備えている。治療台443は、X軸を中心とした回転はもとより、X方向、Y方向、Z方向それぞれの患者441の並進をも可能にするのが好ましい。Y軸(傾斜)およびZ軸(回転)を中心とした回転は、かかる運動により補正されるが(条件付きのプランセットから適切なRTTPを選択することにより、そのような誤差を補正するのとは対照的に)、但しこれは、重力効果のせいでかかる運動が病巣444および/またはその周囲の構造体の位置および配向に不確定性を生じないのであればという条件のもとでのことである。更に、治療台443は放射線透過性材から構成されて、コーンビームコンピュータ断層撮像画像の取得に著しく干渉することがないようにするのが好ましい。
【0096】
好ましい実施形態は、放射線療法源409、マルチ−リーフコリメータようなコリメート構造体、及びイメージャを含む放射線療法装置を使用して行われる放射線療法送出装置の較正方法を含む。イメージャ446は放射線療法ガントリー406に取り付けられた支持アームの放射線療法源409と対向して置かれており、好ましい実施形態では、高エネルギービーム411の画像用に設計された平らなパネルイメージャ404である。較正方法は、好ましくはルーサイトキューブに埋設され、且つ図25に示すようにガントリーの回転の等中心430に関して既知の位置に置かれた基準BB448を採用する。キューブ450は正確に水平に置かれ、そしてキューブ面上のマークがキューブ内の等中心の位置を投射する。基準BB448は、ガントリー406が好ましくは時計回りに及び反時計周りに360°回転するとき、放射線療法源409及びイメージャ446を使用して角度の増分で画像形成される。各画像では、基準BB448は、好ましくは自動質量中心計算によって位置決めされ、マルチ−リーフコリメータの各リーフの縁及びコリメータの縁は最大信号勾配の計算によって位置決めされる。測定された反射から特定の振幅のシヌソイドを減算した後、余りはリーフ位置の不完全さを表す。これらの余りは、マルチ−リーフコリメータのコントローラに取り込まれて算出される。別のやり方は「修正された」リーフ位置を発生させるようにプラニング装置を修正することにある。較正後、治療室内の患者位置決め用レーザを、ルーサイトキューブに位置した一組のレーザ整合マークに調整する。
【0097】
好ましい実施形態は、更に、放射線療法源409のジオグラフィに対してコーンビームコンピュータ断層撮影画像ジオグラフィを較正する較正器を含む。コーンビーム較正断層撮影ジオグラフィの較正は好ましくは、基準BB448を移動させないでマルチ−リーフコリメータリーフ較正にすぐ続いて行われる。同じ手順がX−線源402及び平らなパネルイメージャ404を使用して行われるが、この場合には、余りが再構成処理の背景映写軌道を調整するのに使用される。基準BB448の画像は好ましくは、3−D質量中心アルゴリズムを使用して分析され、等中心430の位置は質量中心からの単純なオフセットとして計算される。かくして、等中心430をコーンビームコンピュータ断層撮影画像の3−Dマトリックス内に明快に認識することができる。
【0098】
好ましい実施形態では、コーンビームコンピュータ断層撮影画像装置400及び放射線療法装置の相互較正を総合ジオメトリー及び線量測定用の機構(模型)でテストする事ができる。模型は好ましくは、満水又は水当量体積を含み、この中に線量測定インサートを種々の位置にしっかりと入れる。線量測定インサートは好ましくは、1)電子線量計の検出器マトリックスか、2)放射線敏感性ゲル線量計の体積のいずれかを含む。前者の場合には、線量計は水当量インサート内に埋設され且つコンピュータ断層撮影画像の明白な識別を可能にするように非対称に置かれる。その上、各線量計は、他の検出器の線量測定に読み取り影響を及ぼすほど小さい。線量計マトリックスからの電子信号は好ましくは2つの方法のいずれかで使用される。すなわち1)完全な送出の線量測定をすべての検出器からの信号を記録し、且つ計算値と比較することによってテストすることができ、それによって送出の点線量検査並びに日常の予備治療質の確保をもたらし、及び又は2)複合画像装置及び送出装置の正確さ及び精密さを検出器に線量を記録することによって判断することができる。と言うのは、リーフの幾何学的縁を推論してプラニング装置の線量計算と比較することができるからである。このテストは好ましくは、体積内で線量測定インサートを移動させることによって装置のリーフのすべてについて行われる。放射線敏感性ゲル線量計の場合には、与えられた治療スキームによって送出される3−D線量分布の測定を量的に評価することができる。
【0099】
好ましい実施形態は、更に、治療位置で治療テーブル443に載った患者441のコーンビームコンピュータ断層撮影画像の獲得にすぐ続いて物標体積を描くことを含む。物標体積/病変444及び又はそれを取り囲む組織の位置測定を、例えば、トランス軸上、矢状、冠状、及び又は斜めスライスのある組み合わせで組織の輪郭によって手で行う事ができる。変形例として、物標体積/病変444及び又はそれを取り囲む組織を当該技術で認識されているように、自動位置測定アルゴリズムによって描く事ができる。このやりかたでは、プラニング画像に定められた物標体積/病変444は所定のオンラインコーンビームコンピュータ断層撮影画像に重ねられ、画像を、プラニング画像と比較される画素値の標準偏差を最小にするような方法で基準物標輪郭を移動させたり回転させたりして合わせる。プラニング画像では、骨組織が定められ、プラニング画像と骨組織のオンラインコーンビームコンピュータ断層撮影画像との(較正された等中心位置との)合致は骨の解剖的組織の設定誤差(回転及び移動)を決定する。骨組織に対する軟組織物標の運動は、均質な領域をカバーするまで物標体積を移動させたり回転させたりして量が計られる(すなわち画素値の差の標準偏差を最小にする)。
【0100】
今回の会議のための治療プランを、RTTPの再計算、前に計算した一組のプランからの修正されたRTTPの選択、及び又は患者の移動、回転及び又は傾斜を含む、多数の方法又はその組み合わせによってコーンビームコンピュータ断層撮影画像データに基づいて修正することができる。選ばれた方法は、線量が病変の位置/向きの不確実さを生ぜしめないように今回の治療会議のための修正されたプランを提供し、従って、この方法は、断片内組織運動作用を最小にするために短時間枠内で完了させなければならず、そして患者の解剖的組織を著しくゆがめるべきではない。コーンビームコンピュータ断層撮影画像データに基づいたRTTPの再計算はこのような時間の制約で一貫していなければならない。同様に、患者の移動、回転及び又は傾斜は、例えば重力の作用により、コーンビームコンピュータ断層撮影画像で測定されたものと比較される患者の解剖学的組織を混乱させるべきではない。
【0101】
好ましい実施形態は、迅速な病巣位置探知、適切なRTTPの選択、線量測定の再調査、処方箋の放射線治療配給システムへの転送についての簡素化されたプロセスを必要とする。放射線治療処置手順のオンラインコーンビームコンピュータ断層撮像ガイダンスのプロセスが図26に例示されており、これは、概念的にシステムを1)オフライン治療プロセス、2)オンライン選択およびオンライン補正の事前実施事項、および、3)オンライン画像化および治療プロセスへと分離する。
【0102】
好ましい実施形態におけるオフライン治療プロセスはプラニング画像で始まり、この画像に基づいて、目標量とその周囲の構造体の外形が画定され、目標変形、配給精度、および、輪郭形成精度が適用される。目標線量の均一性や正常な組織の容量の拘束が処方箋と一致している状態で、多様な角度から患者441に向けられる多数の放射線治療ビーム411のような所与の治療部位の放射線治療に必要な所与のプロトコルに従って、逆プラニングが実施される。この基準プランに加えて、複数の追加プラン(条件付プランセット)が目標量の多様な並進および/または回転の関数として生成される。プランは、可能な並進および/または回転ごと(例えば、Y軸を中心とした目標量の回転)わずかに増分して生成されるのが好ましい。
【0103】
病巣位置探知誤差のオンラインプラン選択およびオンライン補正の好ましい実施形態では、目標量/病巣444、および、この病巣とプラニング画像における骨の構造との関係は事前実施事項として使用され、条件付プランセットは放射線治療システムに転送されて、オンライン処置手順の前に配給可能性を検証する。オンライン治療プロセスでは、患者441は治療台443上で治療位置に配置され、コーンビームコンピュータ断層撮像画像が上述のように取得される。目標量/病巣444および又はその周囲の構造は、コーンビームコンピュータ断層撮像データの形式で識別され、それにより、プラニング画像における位置と配向に関する目標量/病巣444の並進および/または回転を識別する。上述のように、並進はコンピュータ制御された治療台443の並進により補正することができ、回転は条件付プランセットから適切なプランを選択することにより補正することができる。プラニング画像に関するコーンビームコンピュータ断層撮像画像で観察される病巣444の並進は治療台443上の患者のY方向および/またはZ方向への並進により、かつ/または、X軸を中心とした回転により、補正される。病巣444の配向(すなわち、Y軸および/またはZ軸を中心とした回転)は、病巣444の測定された回転に最も緊密に対応する修正されたRTTPを先に計算した条件付プランセットから選択することにより、補正される。一方で、患者441の放射線監視処理を利用して、患者441の期分内モーションをチェックすることもできる。更に、治療処置手順の直前、その最中、または、その直後に得られるコーンビームコンピュータ断層撮像画像は、治療配給の最中に患者の解剖学的構造の位置を正確に表示するために得ることができるが、その位置は、オフライン再調査、評価、および、その後の治療期間の修正のために記憶させることができる。配給システムに処方箋を転送した後で、患者のセットアップおよびコーンビームコンピュータ断層撮像画像から決定された治療プランに従って、治療プランが実行される。要するに、コーンビームコンピュータ断層撮像画像を使用することによって、放射線源によって放射された放射線ビームの経路と患者との相対位置をほぼリアルタイムに調整することができる。
【0104】
先の説明は本発明の具体的な実施形態を単に開示し、説明しているにすぎない。当業者なら、そのような説明から、また、添付の図面および前掲の特許請求の範囲に基づいて、前掲の特許請求の範囲で限定されているような本発明の精神および範囲から逸脱せずに、上述の実施形態に多様な変更、修正、および、改正を行うことができることを認識するだろう。例えば、コーンビームコンピュータ断層撮像システムは、動物実験識別、非観血性で非破壊性の成分構造試験を実施するのに適するようにされてもよい。
【0105】
本発明に関連する好ましい態様として、例えば、以下のものをあげることができる。
〔態様1〕放射線治療システムであって、
経路を移動し且つ対象物に向かって放射線ビームを差し向ける放射線源と、
コーンビームコンピュータ断層撮像システムであって、該コーンビームコンピュータ断層撮像システムが、コーンビーム形態のX線を前記対象物に向けて放射するX線源と、前記X線が前記対象物を透過したあと該X線を受け該対象物の画像を生成するアモルファスシリコン平坦パネル画像器とを備えたコーンビームコンピュータ断層撮像システムと、
コンピュータであって、前記放射線源と前記コーンビームコンピュータ断層撮像システムとに接続されたコンピュータと、を備え、
前記コンピュータが、前記対象物の画像を受け、該画像に基づいて、放射線源に該放射線源の経路を制御する信号を送る、ことを特徴する放射線治療システム。
〔態様2〕前記X線源が、kV−X線源を備えている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様3〕前記kV−X線源が、エネルギが約100kVのX線を照射する、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様4〕前記X線源が、直線加速器を備えている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様5〕前記対象物を、前記X線源および前記アモルファス平坦パネル画像器に対して、移動させるステージを備えている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様6〕前記ステージが、回転軸を中心に、前記対象物を、前記X線源およびアモルファスシリコン平坦パネル画像器に対して回転させる、上記態様5に記載の放射線治療システム。
〔態様7〕前記対象物を、前記X線源と前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器とに対して、移動させるステージを備えている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様8〕前記ステージが、回転軸を中心に、前記対象物を、前記X線源およびアモルファスシリコン平坦パネル画像器に対して回転させる、上記態様7に記載の放射線治療システム。
〔態様9〕前記対象物を、前記X線源と前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器とに対して、移動させるステージを備えている、上記態様4に記載の放射線治療システム。
〔態様10〕前記ステージが、回転軸を中心に、前記対象物を、前記X線源およびアモルファスシリコン平坦パネル画像器に対して回転させる、上記態様9に記載の放射線治療システム。
〔態様11〕前記X線源の前記X線が、源平面に沿って、照射される、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様12〕前記X線源の前記X線が、前記回転軸に直交する源平面に沿って、照射される、上記態様6に記載の放射線治療システム。
〔態様13〕前記回転軸と源平面を可視化させる整列レーザ装置を備えている、上記態様10に記載の放射線治療システム。
〔態様14〕前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器が、独立した検出素子のアレイを備えている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様15〕前記アレイが、二次元アレイである、上記態様14に記載の放射線治療システム。
〔態様16〕前記独立した検出素子の各々が、a−Si:Hフォトダイオードを備えている、上記態様14に記載の放射線治療システム。
〔態様17〕前記独立した検出素子の各々が、a−Si:Hフォトダイオードに接続されたトランジスタを備えている、上記態様14に記載の放射線治療システム。
〔態様18〕前記コンピュータが、前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器からの画像を受け、受けた画像に基づいて前記対象物のコンピュータ断層撮影画像を生成する、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様19〕前記画像が、二次元投影画像である、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様20〕前記コンピュータが、前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器から二次元投影画像を受け、該二次元投影画像に基づいて前記対象物のコンピュータ断層撮影画像を生成する、上記態様19に記載の放射線治療システム。
〔態様21〕第1アームと第2アームとを備えたガントリを備え、
前記X線源が前記第1アームに取付けられ、前記アモルファスシリコン平坦パネル画像機が前記第2アームに取付けられている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様22〕前記ガントリが回転軸を中心に回転する、上記態様21に記載の放射線治療システム。
〔態様23〕前記ガントリが前記第2回転軸を中心に回転する、上記態様22に記載の放射線治療システム。
〔態様24〕前記ガントリが部屋の壁に取付けられている、上記態様21に記載の放射線治療システム。
〔態様25〕前記ガントリが部屋の壁に取付けられている、上記態様23に記載の放射線治療システム。
〔態様26〕前記ガントリが、部屋の床を並進移動できる可動プラットフォームに取付けられている、上記態様22に記載の放射線治療システム。
〔態様27〕前記ガントリが、部屋の床を並進移動できる可動プラットフォームに取付けられている、上記態様23に記載の放射線治療システム。
〔態様28〕前記放射線源が前記X線源のパワーレベルより高いパワーレベルで作動し、
前記放射が、前記対象物の領域の放射処置に効果的な強度およびエネルギのものである、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様29〕前記放射線源が前記X線源のパワーレベルより高いパワーレベルで作動し、
前記放射が、前記対象物の領域の放射処置に効果的な強度およびエネルギのものである、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様30〕前記X線源が、前記放射源と一致する、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様31〕前記X線源が、前記放射源に対して置換されている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様32〕前記コーンビームコンピュータ断層撮像システムの作動が、外部トリガとともに、前記対象物が配置されている患者の生物学的プロセスを制御する、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様33〕前記外部トリガが、能動呼吸制御機構を備えている、上記態様32に記載の放射線治療システム。
〔態様34〕前記外部トリガが、心臓ゲーティング機構を備えている、上記態様32に記載の放射線治療システム。
〔態様35〕前記放射源の反対に位置決めされ、前記放射源から前記対象物を透過した放射に基づいて前記対象物の画像を生成する、画像装置を備えている、上記態様1に記載の放射線治療システム。
〔態様36〕画像システムであって、
対象物に向かってX線を照射するX線源と、
前記照射されたX線に基づいて前記対象物からX線を受け、前記対象物の画像を形成する画像器と、
前記画像器を支持構造体に支持する画像器支持システムであって、前記画像器に取付けられた一端と前記支持構造体に取付けられた他端とを有する第1アームと、前記画像器に取付けられた一端と前記支持構造体に取付けられた他端とを有する第2アームとを備えた画像器支持システムとを、備えている、
ことを特徴とする画像システム。
〔態様37〕前記画像器支持システムが、前記画像器に取付けられた一端と前記支持構造体に取付けられた他端とを有する第3アームを更に備えている、上記態様36に記載の画像システム。
〔態様38〕前記第3アームが、前記第1および第2アームの一端が接合しているラインセグメントを二等分する平面内にある、上記態様37に記載の画像システム。
〔態様39〕前記画像器が前記平面に対して対称的に位置決めされている、上記態様38に記載の画像システム。
〔態様40〕前記画像器が前記平面に対して対称的に位置決めされている、上記態様38に記載の画像システム。
〔態様41〕前記画像器を、該画像器が前記平面に対して対称に位置決めされている位置から、該画像器が前記平面に対して非対称に位置決めされている位置に動かす、モータシステムを備えている、上記態様38に記載の画像システム。
〔態様42〕前記第1、第2および第3アームの前記他端のそれぞれが、前記支持構造体に取付けられたピボットに取付けられている、上記態様37に記載の画像システム。
〔態様43〕前記支持構造体が、ガントリの回転ドラムを備えている、上記態様36に記載の画像システム。
〔態様44〕前記X線源が、前記回転ドラムに取付けられている、上記態様43に記載の画像システム。
〔態様45〕前記X線源が、前記ドラムの回転軸に平行な方向に並進移動する、上記態様44に記載の画像システム。
〔態様46〕前記X線源が前記回転ドラムに取付けられている、上記態様43に記載の画像システム。
〔態様47〕前記X線源からのX線が、コーンビーム形態で照射される、上記態様36に記載の画像システム。
〔態様48〕前記画像器が、アモルファスシリコン平坦パネル画像器を備えている、上記態様36に記載の画像システム。
〔態様49〕画像システムであって、
対象物に向けてX線を照射するX線源と
前記対象物から前記照射されたX線に基づいたX線を受け前記対象物の画像を形成する画像器と、
前記画像器を支持構造体に取付ける画像器支持システムであって、前記支持構造体に取付けられた一端と前記画像器に取付けられた他端とを有する回動アームを備えた画像器支持システムと、を備えている、
ことを特徴とする画像システム。
〔態様50〕前記支持構造体がガントリの回転ドラムを備えている、上記態様49に記載の画像システム。
〔態様51〕前記X線源が、前記回転ドラムに取付けられている、上記態様50に記載の画像システム。
〔態様52〕前記X線源が、前記ドラムの回転軸に平行な方向に並進移動する、上記態様51に記載の画像システム。
〔態様53〕前記回転ドラムに取付けられた前記放射線源をさらに備えている、上記態様50に記載の画像システム。
〔態様54〕前記X線源からのX線が、コーンビーム形態で照射される、上記態様49に記載の画像システム。
〔態様55〕前記画像器が、アモルファスシリコン平坦パネル画像器を備えている、上記態様49に記載の画像システム。
〔態様56〕画像システムであって、
対象物に向けてX線を照射するX線源と
前記照射されたX線に基づいて前記対象物からX線を受け前記対象物の画像を形成する画像器と、
前記画像器を支持構造体に取付ける画像器支持システムであって、支持構造に取付けられ一端に画像器が取付けられるC型アームを備えている画像器支持システムと、を備えている、ことを特徴とする画像システム。
〔態様57〕前記C型アームが円弧に沿って動く、上記態様56に記載の画像システム。
〔態様58〕前記支持構造体がガントリの回転ドラムを備えている、上記態様56に記載の画像システム。
〔態様59〕前記X線源が、前記C型アームの他端に取付けられている、上記態様58に記載の画像システム。
〔態様60〕前記回転ドラムに取付けられた放射線源を備えている、上記態様58に記載の画像システム。
〔態様61〕前記X線源からのX線が、コーンビーム形態で照射される、上記態様56に記載の画像システム。
〔態様62〕前記画像器が、アモルファスシリコン平坦パネル画像器を備えている、上記態様56に記載の画像システム。
〔態様63〕放射線で対象物を処置する方法であって、
放射線源を経路に沿って移動させる工程と、
前記放射線源から対象物に向けて放射線ビームを差し向ける工程と、
対象物に向け、コーンビーム形態のX線ビームを照射する工程と、
前記X線ビームの照射によって前記対象物を透過したX線をアモルファスシリ
コン平坦パネル画像器で検出する工程と、
前記検出されたX線から前記対象物の画像を生成する工程と、
前記画像に基づいて前記照射源の経路を制御する工程と、を備えている、
ことと特徴とする方法。
〔態様64〕前記X線ビームが約100kVのエネルギを有する、上記態様63に記載の方法。
〔態様65〕回転軸を中心に、前記対象物を、前記X線源およびアモルファスシリコン平坦パネル画像器に対して、回転させる工程を備えている、
上記態様63に記載の方法。
〔態様66〕前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器が独立した検出素子のアレイを備えている、上記態様63に記載の方法。
〔態様67〕前記アレイが二次元アレイである、上記態様66に記載の方法。
〔態様68〕前記独立した検出素子の各々がa−Siフォトダイオードを備えている、上記態様66に記載の方法。
〔態様69〕前記生成工程が、前記検出したX線に基づいて前記対象物のコンピュータ断層撮影画像を形成する工程を備えている、上記態様66に記載の方法。
〔態様70〕前記対象物を、第2の回転軸を中心に前記X線源および前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器に対して、回転させる工程を備えている、上記態様65に記載の方法。
〔態様71〕前記X線源から照射されたX線とは別の、前記身体領域を処置する効果がある強度及びエネルギを有する第2組目のX線を照射する固定を備えている、上記態様63に記載の方法。
〔態様72〕前記第2組目のX線画像、前記X線源からのX線より大きな強度およびエネルギを有している、上記態様71に記載の方法。
〔態様73〕前記生成工程に先立って、オフセット及びゲインを修正する工程を備えている、上記態様69に記載の方法。
〔態様74〕前記対象物が動物である、上記態様63に記載の方法。
〔態様75〕前記画像が前記動物内の軟組織の輪郭を描く、上記態様63に記載の方法。
〔態様76〕前記軟組織が、脂肪、筋肉、腎臓、胃、腸および肝臓からなる群から選択されている、上記態様75に記載の方法。
〔態様77〕前記画像が、前記身体が前記X線源およびアモルファスシリコン平坦パネル画像器に対して一回転した後、形成される、上記態様65に記載の方法。
〔態様78〕前記X線ビームが、前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器と独立して動き、X線源によって生成され、
前記X線源は、円筒面にされた正弦または鋸歯状経路を移動し、前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器が円筒面上の環状経路を動く、上記態様63に記載の方法。
〔態様79〕リアルタイムで、コリメータを調整し、前記X線ビームの形状を調整して前記X線ビームの形状が前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器の有効領域に制限されるようにする工程をさらに備えている、上記態様78に記載の方法。
〔態様80〕前記X線ビームが前記アモルファスシリコン平坦パネル画像器に従属して動くX線源によって生成され、該X線源及びアモルファスシリコン平坦パネル画像器が、球面上の正弦軌道上を動く、上記態様63に記載の方法。
〔態様81〕現存の放射線治療システムに対する補助画像システムを追加する方法であって、
支持構造対象物に支持された放射線源を備えた現存の放射線治療システムを準備する工程と、
前記構造体に前記放射線源を直接的に向けていない画像器を取付ける工程と、を備えている、
ことを特徴とする方法。
〔態様82〕前記取付け工程が、
前記画像器を画像器支持システムに取付ける工程と、
前記支持構造体に開口を形成する工程と、
前記画像器支持システムに形成された開口と前記支持構造体に形成された開口に雄部材を挿入する工程と、
前記挿入された雄部材を、前記支持構造体と前記画像器支持システムに取付ける工程と、を備えている、上記態様82に記載の方法。
〔態様83〕挿入された雄部材を取付ける工程が、ナットを前記雄部材上に締める工程を備えている、上記態様82に記載の方法。
〔態様84〕前記支持構造体が、回転ドラムを備えている、上記態様81に記載の方法。
〔態様85〕前記支持構造体が回転ドラムを備えている、上記態様82に記載の方法。
〔態様86〕X線源を前記支持構造体に取付ける工程をさらに備えている、上記態様81に記載の方法。
〔態様87〕X線源を前記回転ドラムに取付ける工程をさらに備えている、上記態様84に記載の方法。
〔態様88〕X線源を前記回転ドラムに取付ける工程をさらに備えている、上記態様85に記載の方法。
〔態様89〕身体内に位置しコンピュータ断層撮影画像で示された標的領域の輪郭を描く方法であって、
身体内の標的領域のコンピュータ断層撮影画像を形成する工程と、
前記コンピュータ断層撮影画像の切片の中で前記標的領域を手動で局部化する工程と、を備えている、
ことを特徴とする方法。
〔態様90〕前記手動で局部化する工程が、前記切片内の構造の輪郭を取る工程を備えている、上記態様89に記載の方法。
〔態様91〕前記手動で局部化する工程が、前記コンピュータ断層撮影画像内の1または2以上の異なった切片との組み合わせで、前記切片内の構造の輪郭を取る工程を備えている、上記態様89に記載の方法。
〔態様92〕身体内に位置しコンピュータ断層撮影画像で示された標的領域の輪郭を描く方法であって、
身体内の標的領域のコンピュータ断層撮影画像を形成する工程と、
前記標的領域を検出する工程と、
前記理想画像の位置及び回転に対する前記標的領域の並進及び回転を特定する工程と、
前記標的領域の位置及び向きを調整する工程と、
予め形成された放射線治療計画から、前記標的領域の検出された位置及び回転と関連して、一つの放射線治療計画を選択する工程とを備えている、
ことを特徴とする方法。
〔態様93〕身体内に位置しコンピュータ断層撮影画像で示された標的領域の輪郭を描く方法であって、
身体内の標的領域のコンピュータ断層撮影画像を形成する工程と、
前記理想画像の位置及び回転に対する、前記標的領域の並進及び回転を特定する工程と、
前記標的領域の位置及び向きを調整する工程と、
前記標的領域の調整された位置および向きに基づいて、放射線治療計画を算出する工程とを備えている、
ことを特徴とする方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療システムを較正する方法であって、上記放射線治療システムが、
平坦パネル画像器と、この平坦パネル画像器に向けてコーンビーム形態のX線ビームを生成するkV−X線源と、を備えたコーンビームコンピュータ断層画像システムと、
治療用放射線を生成する放射線治療源と、コリメート構造体と、上記放射線治療源に対向して配置されたイメージャと、を備えた放射線治療源システムと、を有し、
上記方法は、上記放射線治療源システムを較正する工程を有し、この工程は、上記放射線治療源及び上記イメージャの回転の中心に対して予め定められた位置に置かれた対象物に埋設された基準マーカーを準備する工程と、上記治療用放射線を上記対象物及び上記イメージャに差し向ける工程と、上記放射線治療源及び上記イメージャの位置の角度増分で上記治療用放射線によって上記基準マーカーの画像を生成する工程と、を備え、
上記方法は、更に、上記コーンビームコンピュータ断層画像システムを較正する工程を有し、この工程は、上記X線ビームを上記対象物及び上記平坦パネル画像器に差し向ける工程と、上記kV−X線源と上記平坦パネル画像器の位置の角度増分で上記X線ビームによって上記基準マーカーの画像を生成する工程と、この生成された画像に基づく余りを決定する工程と、次の対象物のコーンビームコンピュータ画像を生成する工程と、を備え、この生成されたコーンビームコンピュータ画像は、このコーンビームコンピュータ画像を含む再構成処理の背景映写軌道を較正することにより生成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
上記コーンビームコンピュータ断層画像システムを較正する工程は、上記放射線治療源システムを較正する工程を実行した後に実行される請求項1記載の方法。
【請求項3】
上記コリメート構造体は、マルチ−リーフコリメータを備え、このマルチ−リーフコリメータの各リーフの縁は、最大信号勾配の計算によって位置決めされ、上記方法は、更に、各リーフの測定された反射から特定の振幅のシヌソイドを減算することにより、リーフ位置の不完全さを表す余りを算出する工程と、上記余りを較正することによって各リーフを調整する工程と、を備えている請求項1記載の方法。
【請求項4】
上記基準マーカーは、BBである請求項1記載の方法。
【請求項5】
上記放射線治療源は、MV放射線治療源である請求項1記載の方法。
【請求項6】
放射線治療手順のオンラインコーンビームコンピュータ断層撮像ガイダンスの方法であって、上記放射線治療手順が、
平坦パネル画像器と、この平坦パネル画像器に向けてコーンビーム形態のX線ビームを生成するkV−X線源と、を備えたコーンビームコンピュータ断層画像システムと、
治療用放射線を生成する放射線治療源と、コリメート構造体と、上記放射線治療源に対向して配置されたイメージャと、を備えた放射線治療源システムと、を有し、
上記方法は、オフライン治療プロセスを実施する工程を有し、この工程は、治療すべき対象物の目標量とその周囲の構造体の外形が画定されるプラニング画像を準備する工程と、上記対象物の放射線治療に必要な所定のプロトコルに従って基準プランを生成するように逆プラニングを実施する工程と、上記目標量の並進及び/又は回転の関数として複数の追加プランを生成する工程と、を備え、
上記方法は、更に、オンライン治療プロセスを実施する工程を有し、この工程は、上記対象物を治療台に位置決めする工程と、上記治療台の対象物のコーンビームコンピュータ断層撮像画像を取得する工程と、上記プラニング画像における位置と配向に関する上記目標量の並進及び/又は回転を識別することができるように、上記目標量及びその周囲の構造を上記コーンビームコンピュータ断層撮像画像で輪郭形成する工程と、Y方向及び/又はZ方向への上記治療台の上記対象物の並進により、且つ/又は、X軸を中心とした回転により、上記プラニング画像に関する上記コーンビームコンピュータ断層撮像画像で観察される上記対象物の並進を補正する工程と、上記目標量の測定された回転に最も緊密に対応する修正された放射線治療プランを上記基準プラン及び上記複数の追加プランから選択することにより上記目標量の配向を補正する工程と、を備えていることを特徴とする方法。
【請求項7】
更に、上記対象物の期分内モーションをチェックするために上記対象物の放射線監視処理を実行する工程を有する請求項6記載の方法。
【請求項8】
上記目標量を輪郭形成する工程は、トランス軸上、矢状、冠状、及び又は斜めスライスの組み合わせで組織の輪郭によって手で行われる請求項6記載の方法。
【請求項9】
上記目標量を輪郭形成する工程は、上記プラニング画像に定められた上記目標量を所定のコーンビームコンピュータ断層撮像画像に重ね、この画像を、上記プラニング画像と比較される画素値の標準偏差を最小にするような方法で上記プラニング画像の上記目標量の輪郭を移動させたり回転させたりすることにより合わせる自動位置測定アルゴリズムによって実行される請求項6記載の方法。
【請求項10】
上記放射線治療源は、MV放射線治療源である請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【図7(d)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図8(d)】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図10(c)】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13】
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【図14】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図16】
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【図17(a)】
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【図17(b)】
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【図17(c)】
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【図17(d)】
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【図17(e)】
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【図18】
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【図19(a)】
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【図19(b)】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−72818(P2011−72818A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−718(P2011−718)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【分割の表示】特願2001−559337(P2001−559337)の分割
【原出願日】平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願人】(596047609)
【氏名又は名称原語表記】WILLIAM BEAUMONT HOSPITAL
【住所又は居所原語表記】3601 WEST THIRTEEN MILE ROAD, ROYAL OAK, MICHIGAN 48072,UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】