説明

放射線治療用動体追跡装置

【課題】ガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段あるいは移動制御手段が把握することができる放射線治療用動体追跡装置を提供することを目的とする。
【解決手段】放射線治療装置1と、動体追跡処理部5とを通信可能に構成し、動体追跡処理部5と映像系2の移動を制御するシーケンス制御装置6とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とを通信可能に構成する。したがって、放射線治療装置1および動体追跡処理部5の双方が情報を共有することができる。その結果、放射線治療装置1および動体追跡処理部5の双方、動体追跡処理部5を介して放射線治療装置1およびシーケンス制御装置6の双方が互いの情報の状況を把握し、放射線治療装置1のガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理部5およびシーケンス制御装置6が把握することができ、映像系2を最適な位置に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、治療部位に放射線を照射するために、治療部位に関する動体をX線透視により追跡する放射線治療用動体追跡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動かない頭部を対象とした頭部の定位放射線治療が先ず開発され、次に、全身を対象として体幹部を固定した状態で治療部位の腫瘍も動かないと見なして放射線治療を行う体幹部の定位放射線治療が開発されてきた。しかし、全身を対象として体幹部を固定した状態で放射線治療を行う場合には、被検体に対して肉体的苦痛や精神的苦痛を強いることになる。また、体幹部を固定したとしても、治療部位の腫瘍が実際に動かずに定位置にあるとは限らない。
【0003】
そこで、被検体の体表面にマーカを置いて、被検体の呼吸同期を利用して体表面に置かれたマーカを追跡して、呼吸により所定位置に来たとき(例えば呼期)に治療部位に放射線を照射して放射線治療を行う定位放射線治療が近年開発されてきている。しかし、体表面に置かれたマーカの動きと体内の腫瘍の動きとが必ずしも一致しない。
【0004】
そこで、体内の腫瘍の近くにマーカを埋め込んで、そのマーカをX線透視により追跡することにより、治療部位の腫瘍も追跡する放射線治療用動体追跡装置が近年開発されてきている。この放射線治療用動体追跡装置では、マーカが所定位置に来たときに治療部位に放射線を照射して放射線治療を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
従来の放射線治療用動体追跡装置では、動体追跡を行うためのX線透視として映像系を備え、映像系は、X線を照射するX線管およびそのX線を検出するX線検出器(例えばイメージインテンシファイアまたはフラットパネル型X線検出器)からなる。映像系を動かして所望の位置でX線透視を行う場合には、レールを敷設して、そのレールに沿って映像系を移動させる方式の他に、映像系を円形の可動台座に載せて移動させる方式がある。
【0006】
可動台座を司るシーケンス制御装置は、映像系の位置設定(セットアップ)情報に基づいて映像系の移動を制御して、可動台座自身が可動して映像系を移動させる。一方、放射線治療用動体追跡装置は、操作室と治療室とに区分される。操作室には、動体追跡を処理する動体追跡処理部を配置しており、専用のコンソールからなる。そして、映像系によるX線透視によって得られたX線画像に対するパターン認識や腫瘍の座標位置の計算などのような処理を動体追跡処理部が行う。このような専用のコンソールからなる動体追跡処理部の他に、操作室には、動体追跡処理部にコマンドや命令等を入力する操作卓(入力部)などを配置している。また、治療室には、映像系や可動台座の他に、治療部位に放射線を照射する放射線治療装置(例えばリニアック)などを配置している。
【0007】
透視用のX線が、放射線治療装置のガントリやベッドに遮られないようにするために、動体追跡を行う前に可動台座を動かして映像系の位置設定(セットアップ)を行う。一方、動体追跡処理部側には、映像系の位置によって変更されるパラメータがある。これは、X線管やX線検出器が有する3次元の位置情報(3次元位置計算用パラメータ)である。
【0008】
また、放射線治療装置側には、治療に関する位置情報として、ガントリ位置やベッド位置がある。オペレータ(操作者)は、治療室内で放射線治療装置のガントリやベッドを動かして治療に関する位置設定(セットアップ)を行う。その後に、放射線治療装置のガントリやベッドに遮られないような位置に映像系が配置されるように可動台座を動かして映像系の位置設定(セットアップ)を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3053389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来では、治療室に配置された可動台座と、同じ治療室に配置された放射線治療装置とが連動していない。したがって、治療室内で放射線治療装置のガントリやベッド等を動かすとき、ガントリやベッドなどに遮られないように映像系の位置設定(セットアップ)を行うためには、オペレータ自身が放射線治療装置の位置設定(セットアップ)状況を把握した上で、別途、可動台座(X線透視装置)の位置を設定する必要がある。また、設定した後に映像系によってX線透視を行ってみた場合、実際には透視が放射線治療装置(のガントリやベッド等)によって遮られている可能性もある。
【0011】
また、操作室に配置された動体追跡処理部と、治療室に配置された放射線治療装置とも連動していない。なお、動体追跡処理部は腫瘍の座標を求め、腫瘍の座標が所定位置に来たとき(例えば呼期)に、放射線治療装置の放射線源から放射線を治療部位の腫瘍に照射するコマンドを、動体追跡処理部から放射線治療装置に送り込むが、照射タイミングに照射指令(コマンド)を送るのみに過ぎず、動体追跡処理部にて放射線治療装置の位置設定(セットアップ)状況を把握することはできない。
【0012】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段あるいは移動制御手段が把握することができる放射線治療用動体追跡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る放射線治療用動体追跡装置は、治療部位に放射線を照射するために、前記治療部位に関する動体をX線透視により追跡する放射線治療用動体追跡装置であって、動体追跡を処理する動体追跡処理手段と、前記X線透視を行うためにX線を照射するX線管、および前記X線透視を行うために前記X線を検出するX線検出手段からなる映像系と、前記映像系の移動を制御する移動制御手段と、前記治療部位に放射線を照射する放射線照射手段とを備え、前記放射線照射手段と前記動体追跡処理手段とを通信可能に、あるいは前記放射線照射手段と前記移動制御手段とを通信可能に構成することを特徴とするものである。
【0014】
[作用・効果]この発明に係る放射線治療用動体追跡装置によれば、治療部位に放射線を照射する放射線照射手段と、動体追跡を処理する動体追跡処理手段とを通信可能に、あるいは当該放射線照射手段と、映像系の移動を制御する移動制御手段とを通信可能に構成することで、放射線照射手段および動体追跡処理手段の双方あるいは放射線照射手段および移動制御手段の双方が情報を共有することができる。その結果、放射線照射手段および動体追跡処理手段の双方あるいは放射線照射手段および移動制御手段の双方が互いの情報の状況を把握することができ、放射線照射手段が有するガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段あるいは移動制御手段が把握することができる。これにより、操作者の負担を軽減することができる。
【0015】
上述した発明の一例は、放射線照射手段と動体追跡処理手段とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理手段と移動制御手段とを通信可能に構成することで、放射線照射手段と移動制御手段とを通信可能に構成する。動体追跡処理手段を介して放射線照射手段および移動制御手段の双方が互いの情報の状況を把握することができ、放射線照射手段および動体追跡処理手段の双方、動体追跡処理手段および移動制御手段の双方が互いの情報を把握することもできる。
【0016】
上述したこれらの発明において、放射線照射手段と動体追跡処理手段とを通信可能に構成し、放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段が受信するのが好ましい。放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段が受信して、動体追跡処理手段が当該情報を把握することができるので、当該情報を操作者が自ら判断する必要がなく動体追跡を行うことができる。
【0017】
上述したこれらの発明において、放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報に応じて映像系に関する最適位置を判断する最適位置判断手段を備えるのが好ましい。放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報に応じて映像系に関する最適位置を自動的に判断するので、操作者が自ら映像系の位置を設定する必要がなく、映像系によるX線透視を正確に行うことができる。
【0018】
最適位置判断手段を備えた場合において、下記のように判断するのがより好ましい。すなわち、放射線照射手段が遮らないような映像系の位置と放射線照射手段の位置との関係を記憶する記憶手段を備え、最適位置判断手段は、記憶手段に記憶された映像系の位置と放射線照射手段の位置との関係を参照して、放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報に基づいて映像系に関する最適位置を自動的に判断するので、操作者が自ら(放射線照射手段が遮らないような)映像系の位置を設定する必要がなく、放射線照射手段が遮らないような位置で映像系によるX線透視を正確に行うことができる。
【0019】
最適位置判断手段を備えた一例は、動体追跡処理手段を介して放射線照射手段から移動制御手段に各情報を送信する。すなわち、上述したように、放射線照射手段と動体追跡処理手段とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理手段と移動制御手段とを通信可能に構成することで、放射線照射手段と移動制御手段とを通信可能に構成する。そして、放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段が受信し、受信された放射線照射手段のガントリやベッド等に関する位置情報に応じて映像系に関する最適位置を最適位置判断手段が判断する。さらに、最適位置判断手段で判断された映像系に関する最適位置を移動制御手段に送信して、その位置情報に基づいて映像系を移動させる。このように、動体追跡処理手段を介して放射線照射手段から移動制御手段に各情報を送信するので、操作者が自ら映像系の位置を設定する必要がなく、映像系によるX線透視を正確に行うことができる。
【0020】
上述したこれらの発明において、移動制御手段の一例は、映像系を支持して自身が可動する可動台座である。この一例の場合には、放射線照射手段と可動台座とを通信可能に構成するので、放射線照射手段および可動台座の双方が情報を共有することができる。その結果、放射線照射手段および可動台座の双方が互いの情報の状況を把握することができ、放射線照射手段が有するガントリやベッド等に関する位置情報を可動台座が把握することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係る放射線治療用動体追跡装置によれば、治療部位に放射線を照射する放射線照射手段と、動体追跡を処理する動体追跡処理手段とを通信可能に、あるいは当該放射線照射手段と、映像系の移動を制御する移動制御手段とを通信可能に構成することで、放射線照射手段および動体追跡処理手段の双方あるいは放射線照射手段および移動制御手段の双方が情報を共有し、互いの情報の状況を把握することができ、放射線照射手段が有するガントリやベッド等に関する位置情報を動体追跡処理手段あるいは移動制御手段が把握することができ、映像系を最適な位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1、2に係る放射線治療用動体追跡装置の概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図2】実施例1に係る放射線治療用動体追跡装置のブロック図である。
【図3】実施例2に係る放射線治療用動体追跡装置のブロック図である。
【図4】実施例1の変形例に係る放射線治療用動体追跡装置のブロック図である。
【図5】実施例2の変形例に係る放射線治療用動体追跡装置のブロック図である。
【実施例1】
【0023】
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1、2に係る放射線治療用動体追跡装置の概略図であり、図2は、実施例1に係る放射線治療用動体追跡装置のブロック図である。
【0024】
図1に示すように、放射線治療用動体追跡装置は、映像系2(図1(a)の平面図を参照)を備え、放射線治療装置1と組み合わせて使用される。放射線治療装置1は、リニアックあるいはライナックと呼称される直線加速器タイプや、陽子線や炭素線などの粒子線装置タイプであり、X線や粒子線などの放射線を治療部位に照射する放射線源11と、その放射線源11を内部に有して図1(c)に示すy軸心周りに図1(b)に示す方向に回転可能なガントリ12と、そのガントリ12を支持して床面や壁面に配置される基台13と、治療の対象となる被検体(図示省略)を載置するベッド14とを備えている。ベッド14は、鉛直方向に昇降可能な昇降台14Aと、その昇降台14Aに対して水平方向にスライド可能で、被検体を載置する天板14Bとを備えている。放射線治療装置1は、この発明における放射線照射手段に相当し、映像系2は、この発明における映像系に相当する。
【0025】
図1(a)の平面図に示すように、映像系2は、X線透視を行うためにX線を照射するX線管21と、X線透視を行うためにX線を検出するX線検出器22とを備えている。図1に示すように、X線管21は、治療のアイソセンターに相当する腫瘍中心に向けてX線を照射し、X線検出器22は、アイソセンターから通ったX線を検出する。なお、X線検出器22については、イメージインテンシファイアやフラットパネル型X線検出器などに例示されるように、通常において用いられる検出器であれば、特に限定されない。X線管21は、この発明におけるX線管に相当し、X線検出器22は、この発明におけるX線検出手段に相当する。
【0026】
図1では、映像系2(図1(a)の平面図を参照)を2セット分備えている。具体的には、2つのX線管21を備えるとともに、2つのX線検出器22を備えている。映像系2のセット数については特に限定されない。
【0027】
その他に、放射線治療用動体追跡装置は、床面に配置された円形(図1(a)の平面図を参照)の可動台座31を備えている。X線管21を可動台座31に載せて移動させる。また、放射線治療用動体追跡装置は、天井面に配置された円形(図1(a)の平面図を参照)の可動台座41を備えている。X線検出器22を可動台座41に載せて移動させる。
【0028】
その他に、図2に示すように、放射線治療動体追跡装置は、動体追跡を処理する動体追跡処理部5を備えている。動体追跡処理部5は、画像収集部とパターン認識部と腫瘍座標計算部と照射可能位置判断部と照射指示部とを備えている(いずれも図示省略)。動体追跡処理部5は、この発明における動体追跡処理手段に相当する。
【0029】
その他に、図2に示すように、放射線治療動体追跡装置は、映像系2を制御するシーケンス制御装置6を備えている。上述した動体追跡処理部5やシーケンス制御装置6は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、上述した可動台座31,41はCPUを搭載している。後述する実施例2も含めて、本実施例1では、シーケンス制御装置6は可動台座31,41の移動を同期させつつ制御する。このように制御することで、可動台座31,41を介してシーケンス制御装置6は映像系2の移動を制御する。したがって、シーケンス制御装置6は、この発明における移動制御手段に相当する。
【0030】
動体追跡処理部5の画像収集部は、映像系2のX線管21から照射されてX線検出器22で検出されたX線に基づくX線透視によって得られたX線画像を収集する。動体追跡処理部5のパターン認識部は、予め撮影されたマーカの画像情報と対象となるX線画像とのマッチングを行って、マッチング結果に基づいて当該対象となるX線画像にマーカが映り込んでいるか否かのパターン認識を行う。動体追跡処理部5の腫瘍座標計算部は、埋め込まれたマーカと腫瘍との位置関係に基づいて腫瘍の座標を演算により求める。動体追跡処理部5の照射可能位置判断部は、腫瘍の座標が所定位置(例えば呼期の位置)にあるか否かで照射可能位置を判断する。動体追跡処理部5の照射指示部は、腫瘍の座標が所定位置に来たとき(例えば呼期)に、放射線治療装置1の放射線源11(図1を参照)から放射線を照射するコマンドを、放射線治療装置1に送り込む。
【0031】
また、放射線治療動体追跡装置は、動体追跡処理部5にコマンドや命令等を入力する入力部7を備えている。入力部7は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成され、後述する実施例2も含めて、本実施例1では操作卓からなる。また、本実施例1では、操作卓は、例えば「治療位置情報取得ボタン」や「X線透視装置設定ボタン」などを設けている。これらのボタンについては詳しく後述する。
【0032】
後述する実施例2も含めて、本実施例1では、放射線治療動体追跡装置は、テーブル情報8を備えている。テーブル情報8は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random
Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されており、本実施例1では動体追跡処理部5に備えられている。もちろん、動体追跡処理部5とテーブル情報8とを互いに分離して構成してもよい。放射線治療装置1のガントリ12(図1を参照)やベッド14(図1を参照)が遮らないような映像系2の位置と放射線治療装置1(のガントリ12やベッド14)の位置との関係をテーブル情報8に予め書き込んで記憶している。ここで、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14が遮らないような映像系2の位置と放射線治療装置1(のガントリ12やベッド14)の位置との関係とは、映像系2のX線管21とX線検出器22とを結ぶX線の照射軸上に放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等が位置しないような関係を示す。テーブル情報8は、この発明における記憶手段に相当する。
【0033】
また、本実施例1では、動体追跡処理部5(のCPU)は、放射線治療装置1に関する位置情報に応じて映像系2に関する最適位置を判断する最適位置判断の機能を有している。上述したように、放射線治療装置1に関する位置情報として、ガントリ位置やベッド位置がある。本実施例1の動体追跡処理部5は、この発明における最適位置判断手段にも相当する。
【0034】
また、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理部5と可動台座31,41を司るシーケンス制御装置6とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とを通信可能に構成する。ケーブルによって放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを電気的に接続することによって、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成する。同様に、ケーブルによって動体追跡処理部5とシーケンス制御装置6とを電気的に接続することによって、動体追跡処理部5とシーケンス制御装置6とを通信可能に構成する。もちろん、有線のケーブル以外に無線により、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理部5とシーケンス制御装置6とを通信可能に構成してもよいし、有線と無線とを組み合わせてもよい。
【0035】
続いて、「治療位置情報取得ボタン」や「X線透視装置設定ボタン」の具体的なセットアップについて説明する。
【0036】
[治療位置情報取得ボタン]
先ず、オペレータ(操作者)は、治療室内で放射線治療装置1のガントリ12やベッド14をそれぞれ動かして治療に関する位置設定(セットアップ)を行う。
【0037】
次に、オペレータは操作室へ移動し、入力部7によりコマンドを入力して動体追跡処理部5に送り込むことにより、動体追跡処理部5を操作する。例えば「治療位置情報取得ボタン」を押下する。
【0038】
「治療位置情報取得ボタン」を押下することにより、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とがそれぞれ互いに通信する。そして、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等の位置設定(セットアップ)情報を動体追跡処理部5が受信する。
【0039】
動体追跡処理部5は、テーブル情報8を参照して、受信された放射線治療装置1のセットアップ情報(ガントリ12やベッド14等に関する位置情報)に基づいて、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14が遮らないような映像系2の位置を求め、ひいては可動台座31,41の位置も求める。
【0040】
したがって、従来のようにオペレータ自身が放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等の位置設定(セットアップ)状況を把握する必要がなく、受信によって放射線治療装置1のセットアップ情報(ガントリ12やベッド14等に関する位置情報)を自動的に把握することができる。また、別途、可動台座31,41(X線透視装置)の位置を設定する必要もなく、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14が遮らないような映像系2の位置を自動的に判断し、ひいては可動台座31,41の位置をも自動的に判断することができる。
【0041】
[X線透視装置設定ボタン]
オペレータは、操作室内で入力部7によりコマンドを入力して動体追跡処理部5に送り込むことにより、動体追跡処理部5を操作する。例えば「X線透視装置設定ボタン」を押下する。
【0042】
「X線透視装置設定ボタン」を押下することにより、動体追跡処理部5とシーケンス制御装置6とがそれぞれ互いに通信する。そして、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14が遮らないような映像系2の位置を動体追跡処理部5がシーケンス制御装置6を介して可動台座31,41にそれぞれ送信する。送信と同時に、動体追跡処理部5側で映像系2の位置を3次元位置計算用パラメータとして内部で自動的に設定する。
【0043】
可動台座31,41を司るシーケンス制御装置6は、動体追跡処理部5から送信された映像系2の位置に基づいて映像系2の移動を制御する。もし、可動台座31,41で設定された位置設定情報と、動体追跡処理部5から送信された映像系2の位置とが違えば、動体追跡処理部5から送信された映像系2の位置に基づいて映像系2の移動を制御することで、映像系2の位置変更を、動体追跡処理部5が配置された操作室から遠隔操作することができる。
【0044】
上述の構成を備えた本実施例1に係る放射線治療用動体追跡装置によれば、治療部位に放射線を照射する放射線治療装置1と、動体追跡を処理する動体追跡処理部5とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1および動体追跡処理部5の双方が情報を共有することができる。その結果、放射線治療装置1および動体追跡処理部5の双方が互いの情報の状況を把握することができ、放射線治療装置1が有するガントリ12やベッド14等に関する位置情報を動体追跡処理部5が把握することができる。これにより、オペレータ(操作者)の負担を軽減することができる。
【0045】
本実施例1では、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理部5と移動制御手段(本実施例1ではシーケンス制御装置6)とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1と移動制御手段とを通信可能に構成している。動体追跡処理部5を介して放射線治療装置1および移動制御手段の双方が互いの情報の状況を把握することができ、放射線治療装置1および動体追跡処理部5の双方、動体追跡処理部5および移動制御手段の双方が互いの情報を把握することもできる。このように、映像系2を最適な位置に配置することができる。
【0046】
本実施例1では、好ましくは、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成し、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報を動体追跡処理部5が受信している。放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報を動体追跡処理部5が受信して、動体追跡処理部5が当該情報を把握することができるので、当該情報をオペレータ(操作者)が自ら判断する必要がなく動体追跡を行うことができる。
【0047】
本実施例1では、好ましくは、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報に応じて映像系2に関する最適位置を判断する最適位置判断の機能を備えている。放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報に応じて映像系2に関する最適位置を自動的に判断するので、オペレータ(操作者)が自ら映像系2の位置を設定する必要がなく、映像系2によるX線透視を正確に行うことができる。
【0048】
最適位置判断の機能を備えた場合において、好ましくは、下記のように判断する。すなわち、放射線治療装置1が遮らないような映像系2の位置と放射線治療装置1の位置との関係を記憶するテーブル情報8を備え、最適位置判断の機能は、テーブル情報8に記憶された映像系2の位置と放射線治療装置1の位置との関係を参照して、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報に基づいて映像系2に関する最適位置を自動的に判断するので、オペレータ(操作者)が自ら(放射線治療装置1が遮らないような)映像系2の位置を設定する必要がなく、放射線治療装置1が遮らないような位置で映像系2によるX線透視を正確に行うことができる。
【0049】
本実施例1のように最適位置判断の機能を備えた場合には、動体追跡処理部5を介して放射線治療装置1から移動制御手段(本実施例1ではシーケンス制御装置6)に各情報を送信する。すなわち、上述したように、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理部5と移動制御手段とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1とを通信可能に構成している。そして、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報を動体追跡処理部5が受信し、受信された放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報に応じて映像系2に関する最適位置を最適位置判断の機能が判断する。さらに、最適位置判断の機能で判断された映像系2に関する最適位置を移動制御手段に送信して、その位置情報に基づいて映像系2を移動させる。このように、動体追跡処理部5を介して放射線治療装置1に各情報を送信するので、オペレータ(操作者)が自ら映像系2の位置を設定する必要がなく、映像系2によるX線透視を正確に行うことができる。
【実施例2】
【0050】
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図3は、実施例2に係る放射線治療用動体追跡装置のブロック図である。上述した実施例1と共通する箇所については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0051】
本実施例2においても、図1に示すように、放射線治療用動体追跡装置は、映像系2を備え、放射線治療装置1と組み合わせて使用される。上述した実施例1と同様に、放射線治療装置1は、放射線源11とガントリ12と基台13とベッド14とを備えている。放射線治療装置1は、この発明における放射線照射手段に相当し、映像系2は、この発明における映像系に相当する。
【0052】
上述した実施例1と同様に、映像系2は、X線管21とX線検出器22とを備えている。上述した実施例1と同様に、放射線治療用動体追跡装置は、可動台座31,41を備えている。X線管21は、この発明におけるX線管に相当し、X線検出器22は、この発明におけるX線検出手段に相当する。
【0053】
その他に、上述した実施例1と同様に、図3に示すように、放射線治療装置は、動体追跡処理部5とシーケンス制御装置6と入力部7とテーブル情報8とを備えている。動体追跡処理部5は、この発明における動体追跡処理手段に相当し、シーケンス制御装置6は、この発明における移動制御手段に相当し、テーブル情報8は、この発明における記憶手段に相当する。
【0054】
本実施例2では、上述した実施例1と相違して、通信については動体追跡処理部5を省き、放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とを直接に通信可能に構成する。そして、テーブル情報8はシーケンス制御装置6に備えられている。もちろん、シーケンス制御装置6とテーブル情報8とを互いに分離して構成してもよい。
【0055】
したがって、本実施例2では、シーケンス制御装置6(のCPU)が、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報に応じて映像系2に関する最適位置を判断する最適位置判断の機能を有している。特に、最適位置判断の機能は、上述のテーブル情報8に記憶された映像系2の位置と放射線治療装置1(のガントリ12やベッド14)の位置との関係を参照して、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報に基づいて映像系2に関する最適位置を判断する。本実施例2のシーケンス制御装置6は、この発明における最適位置判断手段にも相当する。
【0056】
本実施例2においても、先ず、オペレータ(操作者)は、治療室内で放射線治療装置1のガントリ12やベッド14をそれぞれ動かして治療に関する位置設定(セットアップ)を行う。
【0057】
次に、オペレータは同じ治療室内で、入力部7によりコマンドを入力してシーケンス制御装置6に送り込むことにより、シーケンス制御装置6を操作する。例えば「治療位置情報取得ボタン」を押下する。
【0058】
「治療位置情報取得ボタン」を押下することにより、放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とがそれぞれ互いに通信する。そして、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置設定(セットアップ)情報をシーケンス制御装置6が受信する。
【0059】
シーケンス制御装置6は、テーブル情報8を参照して、受信された放射線治療装置1のセットアップ情報(ガントリ12やベッド14等に関する位置情報)に基づいて、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14が遮らないような映像系2の位置を求め、ひいては可動台座31,41の位置も求める。そして、シーケンス制御装置6から映像系2の移動を制御する。
【0060】
各実施例のように、操作室に動体追跡処理部5を配置し、治療室に放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とを配置したときにおいて、本実施例2のように、通信については動体追跡処理部5を省き、放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とを直接に通信可能に構成した場合には、以下のような効果をも奏する。
【0061】
すなわち、通信については動体追跡処理部5を省き、放射線治療装置1とシーケンス制御装置6とを直接に通信するので、動体追跡処理部5を介することなく、治療室内で放射線治療装置1を操作し、引き続き同じ治療室内でシーケンス制御装置6を操作して、放射線治療装置1の位置設定(セットアップ)情報をシーケンス制御装置6が受信して、それに基づいて映像系2の移動を制御する。したがって、実施例1のように、セットアップ情報を受信するために動体追跡処理部5が配置された操作室にオペレータが移動する必要がなく、同じ治療室内でシーケンス制御装置6を操作することで、動体追跡処理部5を介さずにセットアップ情報を直接に受信することができる。また、実施例1のように、動体追跡処理部5からシーケンス制御装置6に(放射線治療装置1が遮らないような)映像系2の位置を送信する必要がないので、例えば実施例1のような「X線透視装置設定ボタン」のようなボタンを省略することもできる。
【0062】
上述の構成を備えた本実施例2に係る放射線治療用動体追跡装置によれば、治療部位に放射線を照射する放射線治療装置1と、映像系2の移動を制御する移動制御手段(本実施例ではシーケンス制御装置6)とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1および移動制御手段の双方が情報を共有することができる。その結果、放射線治療装置1および移動制御手段の双方が互いの情報の状況を把握することができ、放射線治療装置1が有するガントリ12やベッド14等に関する位置情報を移動制御手段が把握することができる。これにより、オペレータ(操作者)の負担を軽減することができる。
【0063】
最適位置判断の機能の作用・効果については、最適位置判断の機能を本実施例2ではシーケンス制御装置6に備えた点を除けば、上述した実施例1と同じであるので、その説明を省略する。
【0064】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0065】
(1)上述した実施例1では、移動制御手段は、シーケンス制御装置6であり、移動制御手段の機能と可動台座とを互いに分離させて構成したが、可動台座がCPUを搭載して、可動台座が、映像系の移動を制御する移動制御手段の機能をも搭載してもよい。例えば、図4に示すように、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理部5と可動台座31,41とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1と可動台座31,41とを通信可能に構成してもよい。この変形例(1)の場合には、可動台座31,41は、この発明における可動台座に相当し、この発明における移動制御手段にも相当する。なお、図4では、シーケンス制御装置6を可動台座31,41からそれぞれ独立分離して構成したが、シーケンス制御装置6の機能をも可動台座31,41が搭載してもよい。
【0066】
(2)上述した実施例2でも、移動制御手段は、シーケンス制御装置6であり、移動制御手段の機能と可動台座とを互いに分離させて構成したが、上述した変形例(1)と同様に可動台座がCPUを搭載して、可動台座が、映像系の移動を制御する移動制御手段の機能をも搭載してもよい。例えば、図5に示すように、放射線治療装置1と可動台座31,41とを通信可能に構成してもよい。この変形例(2)の場合でも、可動台座31,41は、この発明における可動台座に相当し、この発明における移動制御手段にも相当する。なお、図5では、シーケンス制御装置6を可動台座31,41からそれぞれ独立分離して構成したが、上述した変形例(1)でも述べたようにシーケンス制御装置6の機能をも可動台座31,41が搭載してもよい。
【0067】
(3)上述した各実施例では、可動台座31,41をX線管21用およびX線検出器22用とに分けたが、X線管21およびX線検出器22を一体的に動かすために、可動台座31,41を一体化させてもよい。その場合において、上述した各実施例のように、移動制御手段の機能と可動台座とを互いに分離させて構成してもよい。
【0068】
(4)上述した実施例1では、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報を動体追跡処理部5が受信し、上述した実施例2では、放射線治療装置1のガントリ12やベッド14等に関する位置情報を移動制御手段(実施例2ではシーケンス制御装置6)が受信したが、動体追跡処理部5が有する情報(例えば3次元位置計算用パラメータ)あるいは移動制御手段が有する情報(例えば映像系2や可動台座31,41の位置)を放射線治療装置1に送信してもよい。このように、放射線治療装置1および動体追跡処理部5の双方あるいは放射線治療装置1および移動制御手段の双方が共有する情報については、特に限定されない。
【0069】
(5)上述した実施例1では、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するとともに、動体追跡処理部5と移動制御手段(実施例1ではシーケンス制御装置6)とを通信可能に構成することで、放射線治療装置1と移動制御手段とを通信可能に構成し、上述した実施例2では、通信については動体追跡処理部5を省き、放射線治療装置1と移動制御手段(実施例2ではシーケンス制御装置6)とを通信可能に構成したが、逆に通信について移動制御手段を省き、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成してもよい。例えば、上述した変形例(4)のように、動体追跡処理部5が有する3次元位置計算用パラメータを放射線治療装置1に送信するときには、放射線治療装置1と動体追跡処理部5とを通信可能に構成するだけでよい。
【0070】
(6)上述した各実施例では、映像系2に関する最適位置として、放射線治療装置1が遮らないような映像系2の位置を例に採って説明したが、映像系2に関する最適位置については、放射線治療装置1が遮らないような映像系2の位置に限定されない。例えば、特定の方向(例えば正面方向、側面方向)に位置されたX線管21およびX線検出器22を、映像系2の最適位置としてもよい。
【0071】
(7)上述した各実施例では、X線管21やX線検出器22を動かすのに可動台座を用いたが、X線管、X線検出器の少なくともいずれか一方を可動台座以外の移動手段(例えばレール)を用いて動かしてもよい。例えばX線管を移動させるのにレールを用いて、そのレールに沿ってX線管を移動させてもよいし、X線検出器を移動させるのにレールを用いて、そのレールに沿ってX線検出器を移動させてもよい。また、X線管またはX線検出器のいずれか一方を動かすのに可動台座を用いて、他方を動かすのに可動台座以外の移動手段(例えばレール)を用いて、可動台座とそれ以外の移動手段とを組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 … 放射線治療装置
2 … 映像系
21 … X線管
22 … X線検出器
31,41 … 可動台座
5 … 動体追跡処理部
6 … シーケンス制御装置
8 … テーブル情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療部位に放射線を照射するために、前記治療部位に関する動体をX線透視により追跡する放射線治療用動体追跡装置であって、
動体追跡を処理する動体追跡処理手段と、
前記X線透視を行うためにX線を照射するX線管、および前記X線透視を行うために前記X線を検出するX線検出手段からなる映像系と、
前記映像系の移動を制御する移動制御手段と、
前記治療部位に放射線を照射する放射線照射手段と
を備え、
前記放射線照射手段と前記動体追跡処理手段とを通信可能に、あるいは前記放射線照射手段と前記移動制御手段とを通信可能に構成することを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線治療用動体追跡装置において、
前記放射線照射手段と前記動体追跡処理手段とを通信可能に構成するとともに、
前記動体追跡処理手段と前記移動制御手段とを通信可能に構成することで、
前記放射線照射手段と前記移動制御手段とを通信可能に構成することを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の放射線治療用動体追跡装置において、
前記放射線照射手段と前記動体追跡処理手段とを通信可能に構成し、
前記放射線照射手段の位置情報を前記動体追跡処理手段が受信することを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線治療用動体追跡装置において、
前記放射線照射手段に関する位置情報に応じて前記映像系に関する最適位置を判断する最適位置判断手段を備えることを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線治療用動体追跡装置において、
前記放射線照射手段が遮らないような前記映像系の位置と前記放射線照射手段の位置との関係を記憶する記憶手段を備え、
前記最適位置判断手段は、前記記憶手段に記憶された前記映像系の位置と前記放射線照射手段の位置との関係を参照して、前記映像系に関する最適位置を判断することを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の放射線治療用動体追跡装置において、
前記放射線照射手段と前記動体追跡処理手段とを通信可能に構成するとともに、
前記動体追跡処理手段と前記移動制御手段とを通信可能に構成することで、
前記放射線照射手段と前記移動制御手段とを通信可能に構成し、
前記放射線照射手段に関する位置情報を前記動体追跡処理手段が受信し、
受信された前記放射線照射手段に関する位置情報に応じて前記映像系に関する最適位置を前記最適位置判断手段が判断し、
前記最適位置判断手段で判断された前記映像系に関する最適位置を前記移動制御手段に送信して、その位置情報に基づいて前記映像系を移動させることを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の放射線治療用動体追跡装置において、
前記移動制御手段は、前記映像系を支持して自身が可動する可動台座であることを特徴とする放射線治療用動体追跡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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