説明

放射線治療薬および放射線治療と併用した、活性ビタミンD化合物による癌の治療法

本発明は、放射線治療薬または放射線治療と併用した、活性ビタミンD化合物の動物への投与により動物の癌を治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、放射線治療薬または放射線治療と併用して、活性ビタミンD化合物を動物に投与することによって、動物の癌を治療または改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術
ビタミンDは、カルシウム恒常性の正の調節因子として不可欠な脂溶性ビタミンである(Harrison's Principles of Internal Medicine:Part Thirteen、「Disorders of Bone and Mineral Metabolism」、Chapter 353、pp.2214〜2226、A.S.Fauciら(編)、McGraw-Hill、New York(1998)を参照)。ビタミンDの活性型は、カルシトリオールとしても知られる1α,25-ジヒドロキシビタミンD3である。活性型ビタミンD化合物に対する特異的な核受容体は、カルシウム恒常性に関与しない多様な臓器の細胞で発見されている(Millerら、Cencer Res. 52:515-520(1992))。カルシウム恒常性に影響を及ぼすことに加えて、活性型ビタミンD化合物は、骨形成、免疫応答の調節、脾臓B細胞によるインスリン分泌過程の調節、筋肉細胞の機能、ならびに上皮組織および造血組織の分化および成長と関連づけられている。
【0003】
また、過増殖疾患(例えば癌、乾癬)の治療における活性型ビタミンD化合物の有用性を示す、いくつかの報告がある。例えば、一部のビタミンD化合物および類似体が、悪性細胞(具体的には白血病細胞)の非悪性マクロファージ(単球)への分化を誘導することによる強力な抗白血病活性を有し、かつ白血病の治療に有用であることが報告されている(Sudaら、米国特許第4,391,802号;Partridgeら、米国特許第4,594,340号)。カルシトリオールおよび他のビタミンD3類似体の抗増殖作用および分化作用は前立腺癌の治療についても報告されている(Bishopら、米国特許第5,795,882号)。活性型ビタミンD化合物は、皮膚癌(Chidaら、Cancer Research 45:5426-5430(1985))、大腸癌(Dismanら、Cancer Research 47:21-25(1987))、および肺癌(Satoら、Tohoku J.Exp.Med. 138:445-446(1982))の治療にも関連づけられている。活性型ビタミンD化合物の治療用途が重要な役割を果たすことを示唆する他の報告は、Rodriguezら、米国特許第6,034,074号にまとめられている。
【0004】
活性ビタミンD化合物は、過増殖疾患治療用の他の薬剤、特に細胞毒性剤を併用して投与されてもいる。例えば、活性ビタミンD化合物による過増殖細胞の前治療と、続く細胞毒性剤による治療は、細胞毒性剤の有効性を高めることがわかっている(米国特許第6,087,350号;WO 01/64251)。
【0005】
活性型ビタミンD化合物の投与は実質的な治療上の利益をもたらす可能性があるが、このような化合物を使用した過増殖疾患の治療は、これらの化合物がカルシウム代謝に影響を及ぼすために制限されている。抗増殖剤としての効果的な使用のためにインビボで必要とされるレベルでは、活性型ビタミンD化合物は、固有のカルシウム血症作用によって、著しく高値で危険性を秘めた血中カルシウム濃度を招く場合がある。すなわち、抗増殖剤としてのカルシトリオールおよび他の活性型ビタミンD化合物の臨床使用は、高カルシウム血症のリスクをふまえて極めて限られている。
【0006】
抗増殖作用を維持しつつもカルシウム代謝に対する作用が低い、ビタミンDの類似体および誘導体を同定すべく多くの研究が行われている。高カルシウム血作用の低いものが多い数百種類の化合物が作製されているが、高カルシウム血作用が完全に除去された一方で抗増殖活性が保たれた化合物は発見されていない。
【0007】
全身性の高カルシウム血症の問題が、重度の高カルシウム血症の発症を避けつつ抗増殖作用が認められるような、十分な用量の活性型ビタミンD化合物の「パルス投与」によって克服可能であることが報告されている。米国特許第6,521,608号によれば、活性型ビタミンD化合物は、3日に1回以下、例えば週に1回の少なくとも0.12 μg/kg/日(体重70 kgの場合、8.4 μg)の用量で投与可能である。第6,521,608号に記載されたパルス投与治療プログラムに使用される薬学的組成物は、5〜100 μgの活性型ビタミンD化合物を含み、経口、静脈内、筋肉内、局所、経皮、舌下、経鼻、腫瘍内投与の剤形、または他の調製物の状態で投与可能である。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明の1つの局面は、放射線治療薬または放射線治療と併用して、活性ビタミンD化合物を動物に投与する段階を含む、動物の癌を治療または改善する方法である。本発明の好ましい局面は、活性ビタミンD化合物を動物に投与する段階と、これに続く放射線治療薬を投与したり放射線治療を行ったりする段階を含む、動物の癌を治療または改善する方法である。本発明の別の好ましい局面では、活性ビタミンD化合物は高カルシウム血作用が低く、高カルシウム血症を引き起こすことなくより高い用量の化合物の動物への投与が可能となる。本発明の別の好ましい局面では、高カルシウム血症を引き起こすことなく、極めて高用量の活性ビタミンD化合物の動物への投与を可能とするように、活性ビタミンD化合物がパルス投与様式で投与される。
【0009】
本発明の好ましい態様では、放射線治療薬または放射線治療は、体外照射放射線療法、近接照射療法、温熱療法、放射線手術、荷電粒子放射線療法、中性子放射線療法、光力学療法、または放射性核種療法などの場合がある。本発明のある態様では、ビタミンDの投与は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の間、および投与または実施の後に継続することができる。本発明の別の態様では、放射線治療薬または放射線治療と併用して活性ビタミンD化合物を投与する方法を複数回繰り返し行う。
【0010】
活性ビタミンD化合物と、本発明の放射線治療薬または放射線治療の併用は、相加的な有効性または相加的な治療効果をもたらす場合がある。本発明は、治療効果が相加的より大きい、相乗的な併用も含む。好ましくは、このような併用は、望ましくない作用、すなわち有害作用を低下させたり回避したりもする。ある態様では、本発明に含まれる併用療法は、活性ビタミンD化合物または任意の放射線治療薬または放射線治療の単独投与の場合と比較して、全体的な療法の改善をもたらす。ある態様では、既存または実験用の放射線治療薬または放射線治療の用量・線量を低減させることができるほか、患者のコンプライアンスを高めるように低頻度で実施することで、治療を改善し、望ましくない作用または有害作用を抑えることができる。
【0011】
さらに本発明の方法は、過去に治療を受けた患者にとって有用なだけでなく、放射線療法、化学療法、および/または外科手術を含むがこれらに限定されない、現行の標準的および/または実験的な癌の治療に部分的もしくは完全に耐性を示す患者の治療にも有用である。好ましい態様では、本発明は、他の治療法に耐性を示した癌か、もしくは耐性を示す可能性のある癌、または他の治療法に反応しない癌を治療もしくは改善する方法を提供する。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明の1つの局面は、放射線治療薬または放射線治療と併用して、活性ビタミンD化合物を動物に投与する段階を含む、動物の癌を治療したり改善したりする方法である。
【0013】
任意の特定の理論に束縛されることは意図しないが、癌の治療において放射線治療薬または放射線治療とともにビタミンD化合物を相加的または相乗的に作用させる能力の基礎となると考えられる、2つの異なる相互に関連する可能性のある分子機構が存在すると考えられている。第1の機構は、活性ビタミンD化合物が有する、おそらく細胞周期依存性キナーゼの阻害、およびこのようなキナーゼの調節因子の調節によって、細胞を細胞周期のG0/G1期で停止させる能力である。第2の機構は、活性ビタミンD化合物が有する、アポトーシスを制御する複数の重要な調節分子(例えばbcl-2、IAP群、Bax)を調節して、有意に高められたアポトーシス能力(アポトーシス促進変化)を細胞に生じさせる能力である。活性ビタミンD化合物に曝露されると、放射線治療薬および放射線治療によるアポトーシス誘導に対する細胞の感受性は高くなる。
【0014】
本明細書で用いる「放射線治療薬または放射線治療と併用した活性ビタミンD化合物」という表現は、活性ビタミンD化合物の投与と放射線治療薬または放射線治療の投与または実施を併用することを意味する(活性ビタミンD化合物の投与は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前に、投与または実施と同時に、または投与または実施の後に可能である)。活性ビタミンD化合物は、放射線治療薬の投与または放射線治療の実施の最大3か月前または3か月後に投与することが可能であり、この場合でも、併用療法であるとみなされる。
【0015】
本明細書で用いる「癌」という表現は既知の任意の癌を意味し、また以下の疾患を含む場合があるが、これらに限らない:急性白血病、急性リンパ性白血病などの白血病、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性などの急性骨髄性白血病、および赤白血病、ならびに骨髄異形成症候群;慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病、および有毛細胞白血病などの慢性白血病;真性多血症;ホジキン病や非ホジキン病などのリンパ腫;くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌型骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞白血病、孤立性形質細胞腫、および骨髄外形質細胞腫などの多発性骨髄腫;ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症;意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症;良性単クローン性免疫グロブリン血症;H鎖病;骨の肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、ならびに滑膜肉腫などの骨および結合組織の肉腫;神経膠腫、星細胞腫、脳幹神経膠腫、脳室上衣腫、希突起グリオーマ、非グリア性腫瘍、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、および原発性脳リンパ腫などの脳腫瘍;腺癌、小葉(小細胞)癌、乳管内癌、髄様乳癌、粘液性乳癌、管状乳癌、乳頭状乳癌、乳房のパジェット病、ならびに炎症性乳癌などの乳癌;褐色細胞腫や副腎皮質癌などの副腎癌;乳頭癌または濾胞癌の甲状腺癌、甲状腺髄様癌、および未分化甲状腺癌などの甲状腺癌;膵島細胞腺腫、ガストリン産生腫瘍、グルカゴノーマ、ヴィポーマ、ソマトスタチン放出腫瘍、およびカルチノイド、または膵島細胞腫瘍などの膵臓癌;プロラクチン産生腫瘍や末端肥大症などの下垂体癌;眼の黒色腫、虹彩の黒色腫、脈絡膜黒色腫、および毛様体の黒色腫、および網膜芽腫などの眼の癌;扁平上皮癌、腺癌、および黒色腫などの膣癌;扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、および性器のパジェット病などの外陰癌;扁平上皮癌や腺癌などの子宮頚部癌;子宮内膜癌や子宮肉腫などの子宮癌;卵巣上皮癌、卵巣上皮の境界型腫瘍、生殖細胞腫瘍、および間質腫瘍などの卵巣癌;扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘膜表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、疣贅癌、および燕麦細胞(小細胞)癌などの食道癌;腺癌、きのこ状(倍数体)、潰瘍性、表在性拡大型、びまん性の悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および癌肉腫などの胃癌;結腸癌;直腸癌;肝細胞癌や肝芽腫などの肝臓癌;腺癌などの胆嚢癌;乳頭状、管状、およびびまん型などの胆管癌;非小細胞性肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、および小細胞性肺癌などの肺癌;胚の腫瘍、精上皮腫、未分化型、従来型(定型)の精母細胞の非精上皮腫、胚性癌、および奇形腫癌、および絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)などの精巣癌;腺癌、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫などの前立腺癌;陰茎癌;扁平細胞癌などの口腔癌;基底癌;腺癌、粘膜表皮癌、および腺様嚢胞癌などの唾液腺癌;扁平細胞癌や疣贅癌などの咽頭癌;基底細胞癌、扁平上皮癌、および黒色腫、表在性拡大型黒色腫、結節性黒色腫、黒子性悪性黒色腫、末端性黒子性黒色腫などの皮膚癌;頭頸部癌;腎細胞癌、腺癌、副腎癌、線維肉腫、移行上皮癌(腎盂および/または輸尿管)などの腎臓癌;ウィルムス腫瘍;ならびに、移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、および癌肉腫などの膀胱癌。また、本発明の方法および組成物によって治療可能な癌には、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管血管内皮肉腫、中皮腫、骨膜腫、血管芽腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、および乳頭腺癌などがある。これらの障害の総説については、Fishman et al., 1985, Medicine, 2d Ed., J.B. Lippincott Co., Philadelphia, PA and Murphy et al., 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, New York, NYを参照されたい。
【0016】
本明細書で用いる「活性ビタミンD化合物」という用語は、被験対象に投与時に、または細胞に接触時における、生物学的に活性のあるビタミンD化合物を意味する。化合物の生物学的活性は、被験対象への投与後に化合物の代謝によって出現させたり高めたりすることができる。ビタミンD化合物の生物学的活性は、例えば、ビタミンDの調節を受ける遺伝子の発現を測定する免疫アッセイ法などの、当業者に周知のアッセイ法によって評価することができる。ビタミンD化合物は、身体における活性のレベルが異なる複数の形状で存在する。例えばビタミンD化合物は、最初に肝臓で炭素25位が水酸化を受けて部分的に活性化される場合があり、次に腎臓で炭素1位におけるさらなる水酸化を受けて完全に活性化される場合がある。プロトタイプの活性ビタミンD化合物は、1α,25-ヒドロキシビタミンD3(カルシトリオールとも呼ばれる)である。他の多くの活性ビタミンD化合物の存在が知られており、本発明の実施に使用可能である。本発明の活性ビタミンD化合物は、それぞれが参照により組み入れられる、以下の特許に記載されたビタミンD化合物の類似体、ホモログ、および誘導体を含むがこれらに限定されない:米国特許第4,391,802号(1α-ヒドロキシビタミンD誘導体);第4,717,721号(コレステロールまたはエルゴステロールの側鎖より側鎖が17残基長い1α-ヒドロキシ誘導体);第4,851,401号(シクロペンタノ-ビタミンD類似体);第4,866,048号および第5,145,846号(アルキニル側鎖、アルケニル側鎖、およびアルカニル側鎖を有するビタミンD3類似体);第5,120,722号(トリヒドロキシカルシフェロール);第5,547,947号(フルオロ-コレカルシフェロール化合物);第5,446,035号(メチル置換ビタミンD);第5,411,949号(23-オキサ-誘導体);第5,237,110号(19-ノル-ビタミンD化合物);第4,857,518号(水酸化24-ホモ-ビタミンD誘導体)。具体例には、ROCALTROL(Roche Laboratories社);CALCIJEX注射用カルシトリオール;EB 1089(24a,26a,27a-トリホモ-22,24-ジエン-1αa,25-(OH)2-D3、KH 1060(20-エピ-22-オキサ-24a,26a,27a-トリホモ-1α,25-(OH)2-D3)、MC 1288(1,25-(OH)2-20-エピ-D3)、およびMC 903(カルシポトリオール、1α24s-(OH)2-22-エン-26,27-デヒドロ-D3)を含むLeo Pharmaceuticals社の治験薬;1,25-(OH)2-16-エン-D3、1,25-(OH)2-16-エン-23-イン-D3、および25-(OH)2-16-エン-23-イン-D3を含むRoche Pharmaceuticals社の薬剤;中外製薬の22-オキサカルシトリオール(22-oxa-1α,25-(OH)2-D3);イリノイ大学の1α-(OH)-D5;ならびにZK 161422(20-メチル-1,25-(OH)2-D3)、およびZK 157202(20-メチル-23-エン-1,25-(OH)2-D3)を含むInstitute of Medical Chemistry-Schering AG社の薬剤;1α-(OH)-D2;1α-(OH)-D3および1α-(OH)-D4が含まれる。他の例には、

などがある。他の例については米国特許第6,521,608号に記載されている。例えば

も参照されたい。
【0017】
本発明の好ましい態様では、活性ビタミンD化合物はビタミンDと比較して高カルシウム血作用が低いので、高用量の化合物を、高カルシウム血症を引き起こすことなく動物に投与することができる。低い高カルシウム血作用は、等量の1α,25-ヒドロキシビタミンD3(カルシトリオール)の投与によって誘導される高カルシウム血作用に満たない作用であると定義される。一例としてEB 1089は、カルシトリオールの高カルシウム血作用の50%の高カルシウム血作用を有する。低い高カルシウム血作用を有する他の活性ビタミンD化合物には、Hoffman La Roche社から入手可能なRo23-7553やRo24-5531などがある。高カルシウム血作用が低い活性ビタミンD化合物の他の例は、米国特許第4,717,721号に記載されている。活性ビタミンD化合物の高カルシウム血作用を決定することは、当技術分野でごく一般に行われており、またHansen et al., Curr. Pharm. Des. 6: 803-828 (2000)に記載された手順で実施することができる。
【0018】
本明細書で用いる「放射線治療薬」という用語は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意の放射線治療薬を意味するが、これらに限定されない。例えば放射線治療薬は、近接照射療法または放射性核種療法で投与される薬剤などの場合がある。このような方法は任意選択で、化学療法、外科手術、および/または他の放射線療法などを含むがこれらに限定されない、1つもしくは複数の他の癌療法の実施をさらに含む場合がある。
【0019】
放射線治療薬を含む、ある態様では、本発明は、治療的に有効な線量の近接照射療法を含む治療と併用して活性ビタミンD化合物の投与を含む治療法または治療プロトコルを提供する。近接照射療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、線量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。一般に近接照射療法は、好ましくは健康組織の被曝を最小限に抑えながらも腫瘍が放射線源に最大限曝露されるような、癌の治療対象となる被験対象の身体内、好ましくは腫瘍そのものの内部への放射線源の挿入を含む。
【0020】
ある態様では、近接照射療法は、腔内近接照射療法の場合がある。他の態様では、近接照射療法は、間質内近接照射療法の場合がある。近接照射療法が、腔内近接照射療法または間質内近接照射療法のいずれであるにせよ、近接照射療法は、高線量率、連続低線量率、またはパルス線量率で実施することができる。例えば、制限する意図はないものの、高線量率近接照射療法では、6日以上に及ぶ10分割を対象とした60 Gyの線量とすることが可能な一方で、連続低線量率近接照射療法では約65 Gyとすることができる(1時間あたり約40〜50 cGyの連続総線量)。高線量率、連続低線量率、およびパルス線量率の近接照射療法の他の例は、当技術分野で周知である。これについては例えば、Mazeron et al., Sem. Rad. One. 12: 95-108(2002)を参照されたい。
【0021】
上記の任意の近接照射療法で投与可能な代表的な放射性同位元素には、リン32、コバルト60、パラジウム103、ルテニウム106、ヨウ素125、セシウム137、イリジウム192、キセノン133、ラジウム226、カリホルニウム252、または金198などがあるがこれらに限定されない。他の放射性同位元素を、これらの放射性同位元素の望ましい物理的特性に従って、近接照射療法用に選択することができる。多くの特性が、放射性同位元素の半減期、放出放射線が周辺組織を透過する程度、放出放射線のエネルギー、放射性同位元素を適切に遮蔽することの容易さまたは困難さ、放射性同位元素の利用可能性、および放射性同位元素の形状を投与前に変化させることの容易さまたは困難さを含むがこれらに限定されない、近接照射療法に使用時の放射性同位元素の適切性に影響することを、当業者であれば容易に認識できると思われる。
【0022】
近接照射療法に有用な、他の投与法ならびに装置および組成物は、それぞれが参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第6,319,189号、第6,179,766号、第6,168,777号、第6,149,889号、および第5,611,767号に記載されている。
【0023】
ある態様では、本発明は、治療的に有効な線量の放射性核種を含む薬剤と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。放射性核種療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、用量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。一般に放射性核種療法は、癌細胞内に選択的に蓄積するか、または癌細胞表面に結合する放射性同位元素の全身投与を含む。放射性核種の選択的な蓄積には、増殖速度の速い細胞中への放射性核種の取り込み、特異的な標的化のない、癌組織による放射性核種の特異的な蓄積(例えば甲状腺癌へのヨウ素131の蓄積)、または放射性核種と、新生物に特異的な生体分子との結合を含むがこれらに限定されない、いくつかの機構が介在する場合がある。
【0024】
放射性核種療法で投与可能な代表的な放射性同位元素には、リン32、イットリウム90、ジスプロシウム165、インジウム111、ストロンチウム89、サマリウム153、レニウム186、ヨウ素131、ヨウ素125、ルテチウム177、およびビスマス213などがあるがこれらに限定されない。これらの放射性同位元素はいずれも生体分子と結合して、特異的な標的化をもたらす可能性がある一方で、ヨウ素131、インジウム111、リン32、サマリウム153、およびレニウム186を、このような結合なしに全身投与することができる。当業者であれば、対象新生物上に存在する細胞表面分子を元に、放射性核種療法用の特定の新生物の標的化に使用される特定の生体分子を選択することができる。例えば肝臓癌は、このような腫瘍で高頻度で過剰発現されている、フェリチンに特異的な抗体によって、特異的に標的化することができる。癌の治療に用いられる、抗体標的化放射性同位元素の例には、ZEVALIN(イブリツマブ・ティウキセタン)、およびBEXXAR(トシツモマブ)などがある。いずれも、B細胞抗原CD20に特異的な抗体を含み、非ホジキンリンパ腫の治療に使用されている。
【0025】
特定の細胞に対する特異性をもたらす生体分子の他の例は、参照により全体が本明細書に組み入れられる、Thomas, Cancer Biother. Radiopharm. 17: 71-82 (2002)にまとめられている。また、放射性核種療法に有用な投与法および組成物は、それぞれが参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第6,426,400号、第6,358,194号、第5,766,571号、および第5,563,250号に記載されている。
【0026】
本明細書で用いる「放射線療法的処置」という用語は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意の放射線療法を意味するがこれらに限定されない。例えば、放射線療法的処置は、外部照射放射線療法、温熱療法、放射線手術、荷電粒子放射線療法、中性子放射線療法、または光力学療法などの場合がある。このような方法は任意選択で、化学療法、外科手術、および/または他の放射線療法を含むがこれらに限定されない1つもしくは複数の他の癌療法の実施をさらに含む場合がある。
【0027】
放射線療法的処置を含む、ある態様では、本発明は、治療的に有効な線量の外部照射放射線療法を含む治療法と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。外部照射放射線療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、線量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。一般に外部照射放射線療法は、被験対象の体内の一定体積に高エネルギービームを照射することで、対象領域内に細胞死を引き起こす段階を含む。照射体積は好ましくは、治療対象となる癌全体を含み、また好ましくは可能な限りわずかな健康組織を含む。
【0028】
ある態様では、外部照射放射線療法は3次元等角放射線療法の場合がある。他の態様では、外部照射放射線療法は連続多分割放射線療法の場合がある。さらに他の態様では、外部照射放射線療法は強度変調放射線療法の場合がある。さらに他の態様では、外部照射放射線療法はヘリカルトモセラピーの場合がある。さらに他の態様では、外部照射放射線療法は線量増加型の3次元原体放射線療法の場合がある。さらに他の態様では、外部照射放射線療法は、単一分割定位放射線療法、分割定位放射線療法、および分割定位(stereotactically guided)原体放射線療法を含むがこれらに限定されない定位放射線療法の場合がある。
【0029】
外部照射放射線療法は、当業者に周知の任意の手段で発生または操作することができる。例えば、外部照射放射線療法用の光子ビームは、マルチリーフコリメータで調整することができる。外部照射放射線療法用の光子ビームを発生させる適切な装置の他の例には、ガンマナイフ、およびlinac型定位装置などがある。ある態様では、外部照射放射線療法の実施は、治療位置にある患者の3次元モデルに従って、コンピュータによって制御される。このようなモデルは例えば、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、および陽電子発光断層撮影(PET)によって構築することができる。このような視覚化法の使用は、処置対象となる健康組織の体積を有利に最小化することで、患者への高い総線量の照射を可能とすることができる。
【0030】
また健康組織を任意選択で、例えば鉛シールドなどの遮蔽装置を、保護が必要な位置に設置することで、外部照射放射線療法の作用から保護することができる。あるいは、または加えて、治療対象の癌組織への照射に集中させ、また健康組織を保護する目的で、光子ビームを反射させるために、金属製の反射シールドを任意選択で配することができる。いずれかのシールドの配置は、当業者の知識の範囲内である。
【0031】
外部照射放射線療法に有用な投与法ならびに装置および組成物は、それぞれが参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第6,449,336号、第6,398,710号、第6,393,096号、第6,335,961号、第6,307,914号、第6,256,591号、第6,245,005号、第6,038,283号、第6,001,054号、第5,802,136号、第5,596,619号、および第5,528,652号に記載されている。
【0032】
ある態様では、本発明は、治療的に有効な量の温熱療法を含む治療法と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。温熱療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、用量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。ある態様では、温熱療法は凍結切除術の場合がある。他の態様では、温熱療法は温熱療法の場合がある。さらに他の態様では、温熱療法は、腫瘍の温度を温熱療法の場合より高く上昇させる治療法の場合がある。
【0033】
凍結切除術は、新生物腫瘤を凍結させて、細胞内および細胞外における氷晶の蓄積;細胞膜、タンパク質、および細胞小器官の破壊;ならびに高浸透圧性の環境の誘導によって細胞死を引き起こす段階を含む。凍結切除術は、1回、2回、またはこれ以上の凍結-溶解サイクルで実施することが可能であり、また当業者であれば、凍結および溶解の期間を、腫瘍細胞死を最大とするように調節することができる。凍結切除術に使用可能な1つの例示的な装置は、液体窒素を含む魔法瓶を組み入れた冷凍器である。これについては例えば、Murphy et al., Sem. Urol. Oncol. 19: 133-140 (2001)を参照されたい。ただし、局所温度を約-180℃〜約-195℃にすることが可能な任意の装置であれば凍結切除術に使用することができる。凍結切除療法に有用な方法および装置は、それぞれが参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第6,383,181号、第6,383,180号、第5,993,444号、第5,654,279号、第5,437,673号、および第5,147,355号に記載されている。
【0034】
温熱療法は典型的に、新生物腫瘤の温度を約42℃〜約44℃の範囲に上昇させる段階を含む。癌の温度は、この範囲以上にさらに上昇させることができるが、このような温度は、治療対象となる腫瘍内の細胞死の増加を引き起こさない一方で、周囲の健常組織の損傷度を高める恐れがある。腫瘍は、当業者に既知の任意の手段で温熱療法で加熱することができるが、これらに限定されない。例えば腫瘍は、マイクロ波、高強度集束超音波、強磁性熱源、局所電場、赤外線照射、ウェット型またはドライ型のラジオ波焼灼療法、レーザー光凝固術、レーザー組織内温度療法、および電気焼灼器によって加熱することができるが、これらの方法に限定されない。マイクロ波および電波は、導波管形アプリケータ、ホーン、スパイラル、カレントシート(current sheet)、およびコンパクトアプリケータによって発生させることができる。
【0035】
腫瘍の温度を上げるための他の方法、ならびに装置および組成物は、Wust et al., Lancet Oncol. 3: 487-97 (2002)の総説に記載されており、また米国特許第6,470,217号、第6,379,347号、第6,165,440号、第6,163,726号、第6,099,554号、第6,009,351号、第5,776,175号、第5,707,401号、第5,658,234号、第5,620,479号、第5,549,639号、ならびに第5,523,058号に記載され、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0036】
ある態様では、本発明は、治療的に有効な線量の放射線手術を含む治療と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。放射線手術は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、線量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。一般に放射線手術は、被験対象の体内の一定体積を、マニュアルで位置決めした放射線源に曝露させることで、対象体積内において細胞死を引き起こす段階を含む。照射体積は好ましくは、治療対象となる癌全体を含み、また好ましくは可能な限りわずかな健常組織を含む。典型的には、治療対象となる組織は最初に、従来の外科的手法で露出され、次に放射線源が対象体積に、外科医によってマニュアルで位置決めされる。あるいは放射線源は、例えば腹腔鏡を使用して照射対象組織の近傍に配置することができる。放射線手術に有用な方法および装置は、Valentini et al., Eur. J. Surg. Oncol. 28: 180-185 (2002)、ならびに米国特許第6,421,416号、第6,248,056号、および第5,547,454号に詳しく記載されており、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0037】
ある態様では、本発明は、治療的に有効な線量の荷電粒子放射線療法を含む治療と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。荷電粒子放射線療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、線量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。ある態様では、荷電粒子放射線療法は陽子ビーム放射線療法の場合がある。他の態様では、荷電粒子放射線療法はヘリウムイオン放射線療法の場合がある。一般に荷電粒子放射線療法は、被験対象の体内の一定体積に荷電粒子ビームを照射することで、対象体積内に細胞死を引き起こす段階を含む。照射体積は好ましくは、処置対象となる癌全体を含み、また好ましくは可能な限りわずかな健康組織を含む。荷電粒子放射線療法を実施する方法は、参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第5,668,371号に記載されている。
【0038】
ある態様では、本発明は、治療的に有効な線量の中性子放射線療法を含む治療と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。中性子放射線療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、線量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。
【0039】
ある態様では、中性子放射線療法は中性子捕捉療法の場合がある。このような態様では、中性子の衝突時に放射線を放出し、新生物腫瘤に選択的に蓄積する化合物が被験対象に投与される。続いて低エネルギーの中性子ビームを腫瘍に照射し、化合物を活性化し、癌細胞を死滅させる崩壊産物を放出させる。このような化合物は、典型的にはホウ素含有化合物であるが、中性子捕捉横断面が通常の身体より有意に大きな任意の化合物を使用することができる。このような治療法で使用される中性子は典型的には、約0.5 eV未満のエネルギーを有する比較的低エネルギーの中性子である。活性化される化合物の標的組織への選択的な蓄積は、放射性核種の標的化に有用な任意の方法、後述する方法、またはそれぞれが参照により全体が本明細書に組み入れられる、Laramore, Semin. Oncol. 24: 672-685 (1997)、および米国特許第6,400,796号、第5,877,165号、第5,872,107号、および第5,653,957号に記載された方法で引き起される場合がある。
【0040】
他の態様では、中性子放射線療法は、高速中性子放射線療法の場合がある。一般に高速中性子放射線療法は、被験対象の体内の一定体積に中性子ビームを照射することで、対象体積における細胞死を引き起こす段階を含む。照射領域は好ましくは、治療対象となる癌全体を含み、また好ましくは可能な限りわずかな健康組織を含む。一般に高エネルギーの中性子は、このような治療法では、約10〜約100百万eVの範囲のエネルギーで照射される。任意選択で高速中性子放射線療法は、陽子-中性子混合放射線療法の実施において、荷電粒子放射線療法と併用することができる。
【0041】
ある態様では、本発明は、治療的に有効な量の光力学療法を含む治療と併用した、活性ビタミンD化合物の投与を含む治療の方法またはプロトコルを提供する。光力学療法は、癌の治療または改善に有効な、当業者に既知の任意のスケジュール、線量、または方法で実施できるがこれらに限定されない。一般に光力学療法は、新生物腫瘤に選択的に蓄積する光感受性薬剤を投与し、新生物を光に感作させた後に、適切な波長の光に腫瘍を曝露させる段階を含む。このような曝露によって光感受性薬剤は、癌細胞を死滅させる細胞毒性物質(例えば一重項酸素)の産生を触媒する。
【0042】
光力学療法に使用可能な代表的な光感受性薬剤には、ポルフィルマーナトリウム、5-アミノラエブラニック酸(5-aminolaevulanic acid)およびベルテポルフィンなどのポルフィリン;テモポルフィンなどのクロリン;ルテチウム・テキセフィリンなどのテキセフィリン(texaphyrin);スズエチオプルプリンなどのプルプリン;フタロシアニン;ならびに二酸化チタンなどがあるがこれらに限定されない。光感受性薬剤を活性化するために使用される光の波長は、皮下の腫瘍の深度や、投与される光感受性薬剤の吸収スペクトルを含む複数の因子を考慮して選択することができる。光への曝露時間も、光感受性薬剤による光の吸収効率によって、また細胞毒性物質へのエネルギー移動効率によって変動する場合がある。このような判断は当技術分野で周知である。
【0043】
光力学療法に有用な投与法ならびに装置および組成物は、Hopper, Cancel Oncol. 1: 212-219 (2000)、および米国特許第6,283,957号、第6,071,908号、第6,011,563号、第5,855,595号、第5,716,595号、ならびに第5,707,401号に記載されている。
【0044】
作用の任意の特定の理論に束縛することを意図しないが、活性ビタミンD化合物は、放射線療法に対する癌細胞の感受性を高めることが可能であり、また、このような感受性の亢進は、アポトーシスおよび/または細胞周期を調節する細胞機構の変化に起因すると考えられている。活性ビタミンD化合物の投与は、現行の放射線療法には反応しないであろう癌の治療または改善における放射線療法の応用性を高めるだけでなく、同応用性を拡大する可能性もある。放射線療法に通常、良好に反応しない過増殖障害の例には、口腔の黒色腫、血管周囲細胞腫、線維肉腫、および骨肉腫などがあるがこれらに限定されない。さらに、細胞を治療に感作させることによって、放射線療法に伴う副作用を減じる低線量の放射線療法の使用が可能である。
【0045】
放射線療法は、腫瘍細胞を破壊するために、外科手術の前もしくは後に、化学療法の前もしくは後に、また時には化学療法中に実施することができる。放射線療法は、癌の症状を緩和するために、例えば疼痛を和らげるための待期的な理由でも実施されうる。白血病の被験者を対象に実施される処置である骨髄移植を受けている患者を対象に全身放射線療法を実施することができる。骨髄移植の場合は大きな単回線量、または6〜8回のより小さい線量の放射線を全身に照射して、移植用調製物中の骨髄細胞を破壊する。放射線療法で治療可能な腫瘍のなかには、完全には切除不可能な局所的な腫瘍や転移巣、および完全な切除が、受け入れられない機能上または美容上の損傷を引き起こすか、または受け入れられない外科的リスクに関連する腫瘍がある。
【0046】
癌の治療に使用される特定の放射線量、および投与法はいずれも、さまざまな因子に依存することを理解されたい。したがって、本発明の方法で使用可能な放射線量は、各状況の特定の要件によって決定される。線量は、腫瘍の大きさ、腫瘍の部位、患者の年齢および性別、照射頻度、他の腫瘍の存在、転移の有無などの因子に依存する。放射線療法の当業者であれば、Hall, E. J., Radiobiology for the Radiobiologist, 5th edition, Lippincott Williams & Wilkins Publishers, Philadelphia, PA, 2000; Gunderson, L. L. and Tepper J. E., eds., Clinical Radiation Oncology, Churchill Livingstone, London, England, 2000;およびGrosch, D. S., Biological Effects of Radiation, 2nd edition, Academic Press, San Francisco, CA, 1980を参照することで、任意の特定の腫瘍に対する線量および実施方法を容易に確認することができ、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0047】
活性ビタミンD化合物は好ましくは、約1μg〜約285μg、より好ましくは約15μg〜約200μgの用量で投与される。特定の態様では、有効量の活性ビタミンD化合物は、3μg、4μg、5μg、10μg、15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、40μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、もしくは285μg、またはこれ以上である。ある態様では、有効量の活性ビタミンD化合物は、約1μg〜約285μgであり、より好ましくは約15μg〜約250μgであり、より好ましくは約15μg〜約200μgであり、より好ましくは約15μg〜約105μgであり、より好ましくは約20μg〜約80μgであり、より好ましくは約30μg〜約60μgであり、またさらにより好ましくは約45μgである。ある態様では、本発明の方法は、活性ビタミンD化合物を、約0.12 μg/kg体重〜約3 μg/kg体重の用量で投与する段階を含む。このような化合物は、経口、筋肉内、静脈内、腸管外、直腸内、鼻内、局所的、または経皮的な経路を含む任意の経路で投与することができる。
【0048】
仮に化合物が毎日投与される場合は、高カルシウム血症の誘導を避けるか、または抑えるために、用量は低く(例えば約0.5μg〜約5μgに)維持することができる。仮に、活性ビタミンD化合物が、低い高カルシウム血作用を有する場合は、高カルシウム血症を発症させることなく、高い1日量(例えば約10μg〜約20μgまたはこれ以上;最大約50μg〜約100μg)を投与することができる。
【0049】
本発明の好ましい態様では、活性ビタミンD化合物はパルス投与法で投与されることで、高用量の活性ビタミンD化合物を、高カルシウム血症を誘導することなく投与することができる。パルス投与とは、活性ビタミンD化合物を、連続的な間欠的投与スケジュールか、または非連続的な間欠的投与スケジュールのいずれかによって間欠的に投与することを意味する。高用量の活性ビタミンD化合物は、上記セクションで述べたように、約3μgを上回る用量を含む。したがって、本発明のある態様では、癌の治療または改善の方法は、高用量の活性ビタミンD化合物を間欠的に投与する段階を含む。パルス投与による投与の頻度は、化合物または剤形の薬物動態学的パラメータ、および動物に対する活性ビタミンD化合物の薬力学的作用を含むがこれらに限定されない諸因子によって制限される場合がある。例えば、腎機能が損なわれた癌を有する動物はカルシウム排出能力が低いために、それほど高頻度ではない活性ビタミンD化合物の投与が必要となる場合がある。
【0050】
以下の記述は例示的に示すだけであり、「パルス投与」という用語が、当業者によって指定される任意の不連続投与法を含む場合があることを説明するに過ぎない。
【0051】
1つの例では、活性ビタミンD化合物は、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、7日毎、8日毎、9日毎、10日毎に1回まで投与することができる。投与は、1週間、2週間、3週間、もしくは4週間、または1か月間、2か月間、もしくは3か月間、もしくはこれ以上の期間、継続することができる。任意選択で、安静期間を設けた後に、活性ビタミンD化合物を、同じか、または異なるスケジュールで投与することができる。安静期間は、動物における活性ビタミンD化合物の薬力学的作用に従って、1週間、2週間、3週間、または4週間、またはこれ以上の期間とすることができる。
【0052】
別の例では、活性ビタミンD化合物を週に1回、3か月間にわたって投与することができる。
【0053】
好ましい態様では、活性ビタミンD化合物を週に1回、4週間のサイクルの3週間にわたって投与することができる。1週間の安静期間後に、活性ビタミンD化合物を、同じか、または異なるスケジュールで投与することができる。
【0054】
本発明の方法に使用可能な投与スケジュールの他の例は、全体が参照により組み入れられる米国特許第6,521,608号に記載されている。
【0055】
上記の投与スケジュールは、説明目的でのみ提供されるものであり、制限する意図はないと解釈されるべきである。当業者であれば、あらゆる活性ビタミンD化合物が本発明の範囲内にあること、また活性ビタミンD化合物の正確な用量および投与スケジュールが多くの因子によって変動する場合があることを容易に理解すると思われる。
【0056】
疾患または障害の急性疾患または慢性疾患としての管理における治療的有効量の薬物量は、治療対象の疾患または障害、薬剤の種類、および投与経路を含むがこれらに限定されない諸因子に依存して異なる場合がある。本発明の方法では、有効量の活性ビタミンD化合物は、癌の治療もしくは改善に有効な任意の用量の化合物である。高用量の活性ビタミンD化合物の用量は、約3μg〜約285μgである場合があるほか、上述した範囲内の任意の用量の場合がある。用量、投与頻度、期間、またはこれらの任意の組み合わせも、動物の年齢、体重、反応、および病歴、ならびに薬剤の投与経路、薬物動態、および薬力学的作用によって変化する場合がある。これらの因子は、当業者によってルーチンに考慮される。
【0057】
ビタミンD化合物の吸収およびクリアランスの速度は、当業者に既知のさまざまな因子の影響を受ける。上述したように、活性ビタミンD化合物の薬物動態学的特性は、高カルシウム血症の発症を誘導することなく、血液中に取り込まれうるビタミンD化合物のピーク濃度を制限する。活性ビタミンD化合物の組織における吸収、分布、結合、または局在の速度および規模、生物学的変換、ならびに排出はいずれも、薬剤を投与可能な頻度に影響する可能性がある。ある態様では、活性ビタミンD化合物は、癌を治療または改善する方法として、上述の投与スケジュールに従ってパルス投与法によって高用量が投与される。
【0058】
本発明のある態様では、活性ビタミンD化合物は、約0.1 nM〜約20 nMの活性ビタミンD化合物のピーク血漿濃度を十分達成する用量で投与される。ある態様では、本発明の方法は、活性ビタミンD化合物を0.1 nM、0.2 nM、0.3 nM、0.4 nM、0.5 nM、0.6 nM、0.7 nM、0.8 nM、0.9 nM、1 nM、2 nM、3 nM、4 nM、5 nM、6 nM、7 nM、8 nM、9 nM、10 nM、12 .5nM、15 nM、17.5 nM、もしくは20 nM、またはこれらの任意の範囲の濃度のピーク血漿濃度を達成する用量で投与する段階を含む。他の態様では、活性ビタミンD化合物は、約0.5 nMを超える、好ましくは約0.5 nM〜約20 nM、より好ましくは約1 nM〜約10 nM、より好ましくは約1 nM〜約7 nM、およびさらにより好ましくは約3 nM〜約5 nMの活性ビタミンD化合物のピーク血漿濃度を達成する用量で投与される。
【0059】
別の好ましい態様では、活性ビタミンD化合物は、少なくとも約0.12μg/kg体重の用量で、より好ましくは少なくとも約0.5μg/kg体重の用量で投与される。
【0060】
当業者であれば、このような標準的な用量が、約70 kgの平均サイズの成体に対するものであること、また上述のようにルーチンに考慮される因子に鑑みて調節可能なことを理解すると思われる。
【0061】
ある態様では、本発明の方法は、ピーク血漿濃度に速やかに(例えば4時間以内に)達する用量の活性ビタミンD化合物を投与する段階をさらに含む。別の態様では、本発明の方法は、迅速に除去される用量(例えば、除去半減期が12時間未満)の活性ビタミンD化合物を投与する段階を含む。
【0062】
高濃度の活性ビタミンD化合物が得られることが有益な一方で、臨床上の安全性(例えば高カルシウム血症)とのバランスをとらなければならない。したがって、本発明の1つの局面では、本発明の方法は、高用量の活性ビタミンD化合物を、癌を有する被験対象に間欠的に投与する段階、および高カルシウム血症関連症状に関して被験対象をモニタリングする段階を含む。このような症状には、軟部組織(例えば心臓組織)の石灰化、骨密度の上昇、および高カルシウム血漿性腎症などがある。さらに別の態様では、本発明の方法は、高用量の活性ビタミンD化合物を、癌を有する被験対象に間欠的に投与する段階、および血漿カルシウム濃度を約10.2 mg/dL未満に確実に抑えるために、被験対象の血漿カルシウム濃度をモニタリングする段階を含む。
【0063】
ある態様では、高血中レベルのビタミンD化合物を、血液へのカルシウム輸送を減じながら安全に得ることができる。ある態様では、低カルシウム食とともに投与した場合に、より高い活性ビタミンD化合物濃度を高カルシウム血症を発症させることなく安全に得ることができる。1つの例では、カルシウムは、小腸を介して血液中に輸送されない吸着剤、吸収剤、リガンド、キレート、または他の結合部分に捕捉される場合がある。別の例では、溶骨細胞の活性化の速度は、ビスホスホネート(例えばゾレドロン酸、パミドロン酸、またはアレンドロン酸など)を活性ビタミンD化合物と併用投与することで抑えられる場合がある。
【0064】
ある態様では、高血中レベルの活性ビタミンD化合物は、カルシウムのクリアランス速度を最大化するとともに安全に得られる。1つの例では、カルシウムの排出は、適切な水分補給および塩分摂取を確実に行うことで高めることができる。別の例では、利尿療法でカルシウムの排出を高めることができる。
【0065】
放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前、投与または実施の間、または投与または実施の後に、活性ビタミンD化合物を用いる治療の任意の期間を本発明では設けることができる。活性ビタミンD化合物を用いる治療の正確な期間は、使用される活性ビタミンD化合物、癌、患者、および他の関連因子に応じて変動する。活性ビタミンD化合物は、12時間の短期、また3か月の長期にわたって、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前、または投与または実施の後に投与することができる。仮に、活性ビタミンD化合物を毎日投与する場合は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前、または投与または実施の後に約1日〜約10日間にわたって投与することができる。ある態様では、本発明の方法は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前、もしくは投与または実施の後に1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、または10日間にわたって、活性ビタミンD化合物を毎日投与する段階を含む。仮に活性ビタミンD化合物がパルス投与様式で投与される場合は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前後の少なくとも1日に、また放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前後の3か月間の長期にわたって投与することができる。ある態様では、本発明の方法は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の前または後に、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、7日毎、8日毎、9日毎、または10日毎に1回、3日〜60日間にわたって活性ビタミンD化合物を投与する段階を含む。
【0066】
毎日か、またはパルス投与のいずれかによる活性ビタミンD化合物の投与は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施とともに継続することができる。また活性ビタミンD化合物の投与は、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の後も継続することができる。
【0067】
本発明のある態様では、放射線治療薬または放射線治療と併用した活性ビタミンD化合物を投与する方法を少なくとも1回繰返すことができる。この方法は、治療効果を達成または維持するために、必要に応じて数回(例えば1回〜約10回)繰返すことができる。方法の各反復では、活性ビタミンD化合物および放射線治療薬または放射線治療は、過去の回において用いられた方法と同一であるかまたは異なっていてもよい。また、活性ビタミンD化合物の投与期間、および投与様式(毎日か、またはパルス投与か)は、反復毎に変わる場合がある。
【0068】
活性ビタミンD化合物は、薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物の一部として投与することができる(活性ビタミンD化合物は、意図した目的、すなわち抗増殖作用の発揮を達成するのに有効な量で存在する)。薬学的組成物は、1種類もしくは複数の賦形剤、希釈剤、または当業者に既知の、また本発明の製剤化方法に関する他の任意の成分をさらに含む場合がある。薬学的組成物は、癌療法で典型的にはアジュバントとして使用される他の化合物(例えば、制吐剤、ステロイド)を追加的に含む場合がある。
【0069】
薬学的組成物は1つの単位剤形として調製することができる。このような投与剤形は、経口投与、粘膜(鼻内、舌下、膣内、頬内、直腸内)投与、非経口(静脈内、筋肉内、動脈内)投与、または局所投与に適している。本発明の好ましい投与剤形には、経口投与剤形および静脈内投与剤形などがある。
【0070】
静脈内剤形には、ボーラス注射および点滴注射などがあるがこれらに限定されない。好ましい態様では、静脈内投与剤形は無菌的であるか、または被験対象への投与前に無菌的にすることができる(典型的には、汚染に対して被験対象が備える天然の防御を迂回するため)。静脈内投与剤形の例には、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウムの注射液、および乳酸加リンゲル注射液を含むがこれらに限定されない水性溶媒;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールを含むがこれらに限定されない水混和性溶媒;ならびにコーンオイル、綿実油、ピーナッツオイル、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルを含むがこれらに限定されない非水性溶媒などがあるがこれらに限定されない。
【0071】
本発明の好ましい態様では、活性ビタミンD化合物を含む薬学的組成物は、乳濁液の事前濃縮製剤である。本発明の組成物は、患者への投与時における、化合物の望ましくない薬物動態パラメータを特に含む、当技術分野で遭遇する活性ビタミンD化合物療法に付随する問題に対処するか、またはこの問題を実質的に減少させる。
【0072】
本発明の1つの局面により、(a)親油相成分、(b)1種または複数種の界面活性物質、(c)活性型ビタミンD化合物を含む薬学的組成物を提供する(組成物はエマルジョン前濃縮物であり、組成物に対する比が約1:1またはそれ以上の水で希釈時に、400 nmにおける吸光度が0.3を上回るエマルジョンを生成する)。本発明の薬学的組成物は、親水相成分をさらに含む場合がある。
【0073】
本発明の別の局面では、水(または他の水溶液)、およびエマルジョン前濃縮物を含む薬学的エマルジョン組成物を提供する。
【0074】
本明細書で用いる「エマルジョン前濃縮物」という用語は、例えば水と接触時にエマルジョンを提供可能な系を意味することを意図する。本明細書で用いる「エマルジョン」という用語は、水と、疎水性(親油性)有機成分を含む有機成分を含むコロイド分散体を意味することを意図する。「エマルジョン」という用語は、当業者によって理解される従来のエマルジョン、ならびに以下に定義する「サブミクロン液滴エマルジョン」の両方を含むことを意図する。
【0075】
本明細書で用いる「サブミクロン液滴エマルジョン」という用語は、水と、疎水性(親油性)有機成分を含む有機成分を含む分散体を意味することを意図する(有機成分から生成する液滴または粒子の平均最大径は約1000 nm未満である)。
【0076】
サブミクロン液滴エマルジョンは、以下の1種または複数種の特性を有するものとして同定可能である。これらは、その成分が接触する際に自然に、または実質的に自然に生成する、すなわち、実質的なエネルギー供給なしに、例えば加熱せずに、高剪断装置(high shear equipment)を使用せずに、または他の実質的な攪拌を行わずに、生成する。これらは熱力学的な安定性を示し、かつ単相性である。
【0077】
サブミクロン液滴エマルジョンの粒子は球状の場合があるが、層状、六方晶系、または等方対称の液晶などの他の構造もとりうる。一般に、サブミクロン液滴エマルジョンは、最大径(例えば平均径)が約50 nm〜約1000 nm、また好ましくは約200 nm〜約300 nmの液滴または粒子を含む。
【0078】
本明細書で用いる「薬学的組成物」という用語は、個々の成分または内容物そのものが、薬学的に許容される特定の組成物であると理解される(例えば、経口投与が推定される場合は経口使用が許容され、また局所使用が推定される場合は局所使用が許容される)。
【0079】
本発明の薬学的組成物は一般に、水で希釈されるとエマルジョンを生成する。このエマルジョンは、エマルジョン前濃縮物を、組成物に対する比が約1:1またはそれ以上の水で希釈時に、本発明にしたがって生成する。本発明にしたがって、水と組成物の比は例えば1:1〜5000:1の間とすることができる。例えば、水と組成物の比は約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、200:1、300:1、500:1、1000:1、または5000:1とすることができる。当業者は、任意の状況または環境に適した、水と組成物の特定の比を容易に確認することができる。
【0080】
本発明によれば、エマルジョン前濃縮物を水で希釈時に、400 nmにおける吸光度が0.3を上回るエマルジョンを生成する。本発明のエマルジョン前濃縮物を1:100で希釈時に生成するエマルジョンの、400 nmにおける吸光度は例えば0.3〜4.0の間でありうる。例えば、400 nmにおける吸光度は、例えば約0.4、0.5、0.6、1.0、1.2、1.6、2.0、2.2、2.4、2.5、3.0、または4.0の場合がある。溶液の吸光度を決定する方法は当業者に周知である。当業者であれば、水で希釈時に、本発明の範囲に含まれる任意の特定の吸光度を有するエマルジョンを得るために、本発明のエマルジョン前濃縮物の内容物の相対的な割合を確認して調整することができる。
【0081】
本発明の薬学的組成物は、例えば半固体状製剤、または液体状製剤の場合がある。本発明の半固体状製剤は、例えばゲル、ペースト、クリーム、および軟膏を含む、当技術分野で周知の任意の半固体状製剤の場合がある。
【0082】
本発明の薬学的組成物は親油相成分を含む。親油相成分としての使用に適した成分は、水と非混和性の任意の薬学的に許容される溶媒を含む。このような溶媒は、適切には界面活性物質の機能を含まないか、または実質的に含まない。
【0083】
親油相成分は、モノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドを含む場合がある。本発明の範囲内で使用可能なモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドは、C6、C8、C10、C12、C14、C16、C18、C20、およびC22の脂肪酸に由来する化合物を含む。例示的なジグリセリドは、特にジオレイン、ジパルミトレイン(dipalmitolein)、およびカプリリン-カプリン(caprylin-caprin)混合型ジグリセリドを含む。好ましいトリグリセリドは、植物油、魚油、動物性脂肪、水素添加植物油、部分的水素添加植物油、合成トリグリセリド、改変トリグリセリド、分画したトリグリセリド、中鎖および長鎖のトリグリセリド、構造トリグリセリド、およびこれらの混合物を含む。
【0084】
上述のトリグリセリドのなかで、好ましいトリグリセリドは以下を含む:アーモンド油;ババス油;ルリヂサ油;ブラックカラント種子油;キャノラ油;ヒマシ油;ココナッツ油;コーン油;綿実油;メマツヨイグサ油;グレープシード油;ラッカセイ油;カラシ種子油;オリーブ油;パーム油;パーム核油;ピーナッツ油;ナタネ油;ベニバナ油;ゴマ油;鮫肝油;ダイズ油;ヒマワリ油;水素添加ヒマシ油;水素添加ココナッツ油;水素添加パーム油;水素添加ダイズ油;水素添加植物油;水素添加綿実油およびヒマシ油;部分的水素添加ダイズ油;部分的ダイズ油および綿実油;トリカプロン酸グリセリル;トリカプリル酸グリセリル;トリカプリン酸グリセリル;トリウンデカン酸グリセリル;トリラウリン酸グリセリル;トリオレイン酸グリセリル;トリリノール酸グリセリル;トリリノレン酸グリセリル;トリカプリル酸/カプリン酸グリセリル;トリカプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸グリセリル;トリカプリル酸/カプリン酸/リノール酸グリセリル;ならびにトリカプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸グリセリル。
【0085】
好ましいトリグリセリドは、商品名LABRAFAC CCとして入手可能な中鎖トリグリセリドである。他の好ましいトリグリセリドは、中性油、例えば中性植物油、特に製品:MIGLYOL 810;MIGLYOL 812;MIGLYOL 818;およびCAPTEX 355を含む、商品名MIGLYOLとして既知の、かつ市販されているような、分画したココナッツ油を含む。
【0086】
製品MYRITOL 813を含む、商品名MYRITOLとして既知の、かつ市販のカプリル酸-カプリン酸トリグリセリドなども適している。このクラスのさらに適切な製品は、CAPMUL MCT、CAPTEX 200、CAPTEX 300、CAPTEX 800、NEOBEE M5、およびMAZOL 1400である。
【0087】
親油相成分として、特に製品MIGLYOL 812(米国特許第5,342,625号を参照)が好ましい。
【0088】
本発明の薬学的組成物は、親水相成分をさらに含む場合がある。親水相成分は、例えば薬学的に許容される、低分子量のモノ-もしくはポリ-オキシ-アルカンジオールの、C1-5アルキルもしくはテトラヒドロフルフリルジエーテル、または部分エーテルを含む場合がある。適切な親水相成分は、例えばモノ-もしくはポリ-オキシ-アルカンジオール、特にモノ-もしくはジ-オキシ-アルカンジオール(2〜12個(特に4個)の炭素原子を含む)の、ジエーテルまたは部分エーテル(特に部分エーテル)を含む。好ましくは、モノ-もしくはポリ-オキシ-アルカンジオール部分は直鎖状である。本発明に関連して使用される例示的な親水相成分は、TRANSCUTOLおよびCOLYCOFUROL(米国特許第5,342,625号を参照)の商品名で知られており、かつ市販されている。
【0089】
特に好ましい態様では、親水相成分は、1,2-プロピレングリコールを含む。
【0090】
本発明の親水相成分は、1種または複数種の追加内容物を追加的に含む場合も当然ある。しかし好ましくは、任意の追加内容物は、活性型ビタミンD化合物担体溶媒としての親水性相の効力が物質的に損なわれないように、活性型ビタミンD化合物が十分可溶性である材料を含む。可能な追加的な親水相成分の例には、低級(例えばC1-5)アルカノール(特にエタノール)などがある。
【0091】
本発明の薬学的組成物は、1種または複数種の界面活性物質も含む。本発明と併せて使用可能な界面活性物質は、親水性または親油性の界面活性物質、またはこれらの混合物を含む。特に、非イオン性の親水性界面活性物質、および非イオン性の親油性界面活性物質が好ましい。
【0092】
適切な親水性界面活性物質には、天然植物油または水素添加植物油とエチレングリコールとの反応産物(例えば、ポリオキシエチレングリコール化された天然植物油または水素添加植物油(例えばポリオキシエチレングリコール化された天然ヒマシ油または水素添加ヒマシ油)などがある。このような産物は、既知の手順で、例えば天然ヒマシ油または水素添加ヒマシ油、またはこの分画をエチレンオキシドと、例えば約1:35〜約1:60のモル比で反応させ、この産物から遊離のポリエチレングリコール成分を、例えばGerman Auslegeschriften 第1,182,388号および第1,518,819号に記載された方法で任意選択で除去することで、得られる場合がある。
【0093】
本発明の薬学的化合物に使用される適切な親水性界面活性物質は、例えば以下の製品を含む、既知の、かつ商品名TWEENで市販されているタイプのポリオキシエチレン-ソルビタン-脂肪酸エステル、例えばモノ-およびトリラウリルエステル、パルミチルエステル、ステアリルエステル、およびオレイルエステルも含む:
TWEEN 20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、
TWEEN 40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、
TWEEN 60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)、
TWEEN 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、
TWEEN 65(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート)、
TWEEN 85(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート)、
TWEEN 21(ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレート)、
TWEEN 61(ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート)、および
TWEEN 81(ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート)。
【0094】
本発明の組成物に使用される、このクラスの特に好ましい産物は、上記の製品TWEEN 40およびTWEEN 80(Hauerら、米国特許第5,342,625号を参照)である。
【0095】
本発明の薬学的化合物に使用される親水性界面活性物質としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン水素添加植物油;ポリオールと、例えば脂肪酸、グリセリド、植物油、水素添加植物油、およびステロールとの反応混合物;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;コハク酸ジオクチル、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ジ-[2-エチルヘキシル]-コハク酸、またはラウリル硫酸ナトリウム;リン脂質(特に、例えばダイズレシチンなどのレシチン);プロピレングリコールのモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステル(例えば、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、リシノレイン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、および特に好ましくはカプリル酸-カプリン酸プロピレングリコールジエステル、ならびに胆汁酸塩(例えばタウロコール酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩)も適している。
【0096】
適切な親油性界面活性物質には、アルコール;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;脂肪酸;胆汁酸;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;モノ/ジグリセリドの乳酸エステル;プロピレングリコールジグリセリド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;トランスエステル化植物油;ステロール;糖エステル;糖エーテル;スクログリセリド;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン水素添加植物油;ポリオールと、脂肪酸、グリセリド、植物油、水素添加植物油、およびステロールからなる群の少なくとも1つの要素(member)との反応混合物;ならびにこれらの混合物などがある。
【0097】
本発明の薬学的化合物に使用される、適切な親油性界面活性物質は、天然の植物油トリグリセリドとポリアルキレンポリオールのトランスエステル化産物も含む。このようなトランスエステル化産物は当技術分野で周知であり、例えば米国特許第3,288,824号に記載された一般的な手順で得られる。これには、さまざまな天然(例えば非水素添加)の植物油(例えば、トウモロコシ油、核油、アーモンド油、すり潰したナッツ油、オリーブ油、およびパーム油、およびこれらの混合物)と、ポリエチレングリコール(特に、平均分子量が200〜800のポリエチレングリコール)のトランスエステル化産物が含まれる。2モルの天然の植物油トリグリセリドと、1モルのポリエチレングリコール(例えば平均分子量が200〜800)のトランスエステル化によって得られる産物が好ましい。特定のクラスのさまざまな状態のトランスエステル化産物は既知であり、商品名LABRAFILとして市販されている。
【0098】
本発明の薬学的組成物との併用に適した他の親油性界面活性物質には、脂溶性ビタミン誘導体、例えばコハク酸トコフェロールPEG-1000(「ビタミンE TPGS」)などがある。
【0099】
本発明の薬学的化合物中に使用する親油性界面活性物質として、モノグリセリド、ジグリセリド、およびモノ/ジグリセリド、特にカプリル酸またはカプリン酸とグリセロールのエステル化産物;ソルビタン脂肪酸エステル;ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、およびポリアルキレングリコールエーテル、例えばペンタエリトリット-ジオレエート、-ジステアレート、-モノラウレート、-ポリグリコールエーテル、および-モノステアレート、ならびにペンタエリトリット脂肪酸エステル;モノグリセリド(例えば、モノオレイン酸グリセロール、モノパルミチン酸グリセロール、およびモノステアリン酸グリセロール;トリ酢酸グリセロール、または(1,2,3)-トリアセチン;ならびにステロールおよびそれらの誘導体(例えば、コレステロール、およびこの誘導体、特にフィトステロール(例えば、シトステロール、カンペステロール、またはスチグマステロール))、およびこのエチレンオキサイド付加物(例えばダイズステロール、およびこの誘導体)を含む産物も適している。
【0100】
複数の市販の界面活性物質組成物が、典型的には、例えばトランスエステル化反応におけるトリグリセリド出発材料の不完全な反応の結果として、少量〜中程度の量のトリグリセリドを含むことが当業者に理解される。したがって、本発明の薬学的組成物における使用に適した界面活性物質には、トリグリセリドを含むこのような界面活性物質などがある。トリグリセリドを含む市販の界面活性物質組成物の例には、界面活性物質ファミリーGELUCIRES、MAISINES、およびIMWITORSの一部の物質などがある。このような化合物の具体例は、GELUCIRE 44/14(飽和ポリグリコール化グリセリド);GELUCIRE 50/13(飽和ポリグリコール化グリセリド);GELUCIRE 53/10(飽和ポリグリコール化グリセリド);GELUCIRE 33/01(C8〜C18飽和脂肪酸の半合成トリグリセリド);GELUCIRE 39/01(半合成グリセリド);他のGELUCIRE(37/06、43/01、35/10、37/02、46/07、48/09、50/02、62/05など);MAISINE 35-I(リノール酸グリセリド);ならびにIMWITOR 742(カプリル酸/カプリン酸グリセリド)(米国特許第6,267,985号を参照)である。
【0101】
有意なトリグリセリド量を有する、さらに他の市販の界面活性物質組成物は当技術分野で周知である。トリグリセリドならびに界面活性物質を含む、このような組成物が、本発明の親油相成分の全体または一部、ならびに界面活性物質の全体または一部を提供するために適していることが理解されるはずである。
【0102】
本発明の組成物中の内容物の相対的な割合が、対象となる特定の種類の組成物に依存して相当変動することは言うまでもない。相対的な割合は、組成物中の内容物の特定の機能に依存しても変動する。相対的な割合はまた、使用される特定の内容物、および産物組成物の所望の物理的特性に依存しても変動する(例えば、局所使用に用いる組成物の場合であれば、これが流動性の液体か、またはペーストであるかによって変動する)。任意の特定の状況における実行可能な割合の決定は通常、当業者の能力の範囲内にある。したがって、後述する指定の割合および相対重量範囲はいずれも、好ましい発明の教示を示すか、または個別に発明の教示を示すに過ぎず、最も広い局面において本発明を制限しないと理解される。
【0103】
本発明の親油相成分は、適切には、組成物の総重量に対して約30重量%〜約90重量%の量で存在する。好ましくは、親油相成分は、適切には、組成物の総重量に対して約50重量%〜約85重量%の量で存在する。
【0104】
本発明の界面活性物質(1種類または複数)は、適切には、組成物の総重量に対して約1重量%〜50重量%の量で存在する。好ましくは、界面活性物質(1種類または複数)は、組成物の総重量に対して約5重量%〜約40重量%の量で存在する。
【0105】
本発明の組成物中の活性型ビタミンD化合物の量が、例えば意図された投与経路、および他の成分が存在する規模に依存して変動することは言うまでもない。しかし一般に、本発明の活性型ビタミンD化合物は、適切には、組成物の総重量に対して約0.005重量%〜20重量%の量で存在する。好ましくは、活性型ビタミンD化合物は、組成物の総重量に対して約0.01重量%〜15重量%の量で存在する。
【0106】
本発明の親水相成分は、適切には、組成物の総重量に対して約2重量%〜約20重量%の量で存在する。好ましくは、親水相成分は、組成物の総重量に対して約5重量%〜15重量%の量で存在する。
【0107】
本発明の薬学的組成物は半固体状製剤の場合がある。本発明の範囲に含まれる半固体状製剤は、例えば、組成物の総重量に対して約60重量%〜約80重量%の量で存在する親油相成分、組成物の総重量に対して約5重量%〜約35重量%の量で存在する界面活性物質、および組成物の総重量に対して約0.01重量%〜約15重量%の量で存在する活性型ビタミンD化合物を含む場合がある。
【0108】
本発明の薬学的組成物は液体状製剤の場合がある。本発明の範囲内の液体状製剤は例えば、組成物の総重量に対して約50重量%〜約60重量%の量で存在する親油相成分、組成物の総重量に対して約4重量%〜約25重量%の量で存在する界面活性物質、組成物の総重量に対して約0.01重量%〜約15重量%の量で存在する活性型ビタミンD化合物、ならびに組成物の総重量に対して約5重量%〜約10重量%の量で存在する親水相成分を含む場合がある。
【0109】
使用可能な他の組成物には、以下のようなものがある(各成分のパーセンテージは、活性ビタミンD化合物を除く組成物の総重量に基づく重量パーセント):
a. Gelucire 44/14 約50%
MIGLYOL 812 約50%;
b. Gelucire 44/14 約50%
ビタミンE TPGS 約10%
MIGLYOL 812 約40%;
c. Gelucire 44/14 約50%
ビタミンE TPGS 約20%
MIGLYOL 812 約30%;
d. Gelucire 44/14 約40%
ビタミンE TPGS 約30%
MIGLYOL 812 約30%;
e. Gelucire 44/14 約40%
ビタミンE TPGS 約20%
MIGLYOL 812 約40%;
f. Gelucire 44/14 約30%
ビタミンE TPGS 約30%
MIGLYOL 812 約40%;
g. Gelucire 44/14 約20%
ビタミンE TPGS 約30%
MIGLYOL 812 約50%;
h. ビタミンE TPGS 約50%
MIGLYOL 812 約50%;
i. Gelucire 44/14 約60%
ビタミンE TPGS 約25%
MIGLYOL 812 約15%;
j. Gelucire 50/13 約30%
ビタミンE TPGS 約5%
MIGLYOL 812 約65%;
k. Gelucire 50/13 約50%
MIGLYOL 812 約50%;
l. Gelucire 50/13 約50%
ビタミンE TPGS 約10%
MIGLYOL 812 約40%;
m. Gelucire 50/13 約50%
ビタミンE TPGS 約20%
MIGLYOL 812 約30%;
n. Gelucire 50/13 約40%
ビタミンE TPGS 約30%
MIGLYOL 812 約30%;
o. Gelucire 50/13 約40%
ビタミンE TPGS 約20%
MIGLYOL 812 約40%;
p. Gelucire 50/13 約30%
ビタミンE TPGS 約30%
MIGLYOL 812 約40%;
q. Gelucire 50/13 約20%
ビタミンE TPGS 約30%
MIGLYOL 812 約50%;
r. Gelucire 50/13 約60%
ビタミンE TPGS 約25%
MIGLYOL 812 約15%;
s. Gelucire 44/14 約50%
PEG 4000 約50%;
t. Gelucire 50/13 約50%
PEG 4000 約50%;
u. ビタミンE TPGS 約50%
PEG 4000 約40%;
v. Gelucire 44/14 約33.3%
ビタミンE TPGS 約33.3%
PEG 4000 約33.3%;
w. Gelucire 50/13 約33.3%
ビタミンE TPGS 約33.3%
PEG 4000 約33.3%;
x. Gelucire 44/14 約50%
ビタミンE TPGS 約50%;
y. Gelucire 50/13 約50%
ビタミンE TPGS 約50%;
z. ビタミンE TPGS 約5%
MIGLYOL 812 約95%;
aa. ビタミンE TPGS 約5%
MIGLYOL 812 約65%
PEG 4000 約30%;
ab. ビタミンE TPGS 約10%
MIGLYOL 812 約90%;
ac. ビタミンE TPGS 約5%
MIGLYOL 812 約85%
PEG 4000 約10%;および
ad. ビタミンE TPGS 約10%
MIGLYOL 812 約80%
PEG 4000 約10%。
【0110】
本発明のある態様では、薬学的組成物は、活性ビタミンD化合物、親油性成分、および界面活性物質を含む。親油性成分は、約1%〜約100%の任意のパーセンテージで存在する場合がある。親油性成分は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%で存在する場合がある。界面活性物質は、約1%〜約100%の任意のパーセンテージで存在する場合がある。界面活性物質は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%で存在する場合がある。ある態様では、親油性成分はMIGLYOL 812であり、また界面活性物質はビタミンE TPGSである。好ましい態様では、薬学的組成物は、50%のMIGLYOL 812と50%のビタミンE TPGS、90%のMIGLYOL 812、および10%のビタミンE TPGS、または95%のMIGLYOL 812および5%のビタミンE TPGSを含む。
【0111】
本発明の別の態様では、薬学的組成物は、活性ビタミンD化合物および親油性成分、例えば約100%のMIGLYOL 812を含む。
【0112】
好ましい態様では、薬学的組成物は、50%のMIGLYOL 812、50%のビタミンE TPGS、ならびに少量のBHAおよびBHTを含む。この剤形は、化学的かつ物理的に意外なほど安定なことがわかっている(実施例3参照)。安定性が高くなることで、組成物の有効期間はより長くなる。重要な点として、安定性は、組成物の室温保存も可能とすることで、冷蔵保存時の煩雑さの回避および費用の節約につながる。加えて同組成物は経口投与に適しており、また高用量の活性ビタミンD化合物を可溶化可能なために、過増殖疾患および他の障害の治療のための、活性ビタミンD化合物の高用量パルス投与が可能なことがわかっている。
【0113】
本発明の活性ビタミンD化合物を含む薬学的組成物は、1種または複数種の添加物をさらに含む場合がある。当技術分野で周知の添加物は、例えば減粘剤(detackifier)、消泡剤(antifoaming agent)、緩衝剤、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、およびトコフェロール(例えばα-トコフェロール(ビタミンE))、保存剤、キレート剤、粘性調整剤(viscomodulator)、等張剤(tonicifier)、香味剤(flavorant)、着色剤、着臭剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびこれらの混合物を含む。これら添加物の量は、当業者であれば、所望の特定の特性にしたがって容易に決定することができる。例えば、抗酸化剤は組成物の総重量に基づいて約0.05重量%〜約0.35重量%の量で存在してもよい。
【0114】
添加物には濃化剤(thickening agent)を含めることもできる。適切な濃化剤は、例えば薬学的に許容されるポリマー材料、および無機濃化剤を含む、当技術分野で公知であり、かつ使用されている化合物の場合がある。本発明の薬学的組成物に使用される例示的な濃化剤には、ポリアクリレート、およびポリアクリレートコポリマー樹脂(例えばポリアクリル酸、およびポリアクリル酸/メタクリル酸樹脂);アルキルセルロース(例えばメチルセルロース、エチルセルロース、およびプロピルセルロース)を含むセルロースおよびセルロース誘導体;ヒドロキシアルキルセルロース(例えばヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシプロピルアルキルセルロース);アシル化セルロース(例えば酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、およびフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース);ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの、これらの塩;ポリビニルピロリドン(例えばポリ-N-ビニルピロリドンを含む)、およびビニルピロリドンコポリマー(ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーなど);例えば、ポリビニル樹脂(例えばポリ酢酸ビニルおよびアルコールを含む)、ならびに他のポリマー材料(トラガカントガム、アラビアゴム、アルギン酸塩(例えばアルギン酸、および例えばアルギン酸ナトリウムなどの、この塩)を含む);ならびにアタパルジャイト(atapulgite)、ベントナイト(bentonite)、およびケイ酸塩(親水性二酸化ケイ素産物、例えばアルキル化(例えばメチル化)シリカゲル、特にコロイド状二酸化ケイ素産物を含む)などの無機濃化剤が含まれる。
【0115】
上記のような濃化剤は、例えば徐放性効果をもたらすことを目的として含めることができる。しかし、経口投与が意図される場合は、上述の濃化剤の使用は通常必要とされず、一般にはそれほど好まれない。濃化剤の使用は一方で、例えば局所塗布が推定される場合に指示される。
【0116】
本発明による組成物は、任意の適切な手段での投与に使用することができる。例えば、例として単位投与剤形(例えば溶液中、ゼラチンに包まれた状態を含む硬カプセルもしくは軟カプセル状)での経口投与、例えは静脈内への非経口投与、または例としてクリーム、ペースト、ローション、ゲル、軟膏、湿布剤、パップ剤、膏薬、経皮パッチの形態による皮膚などへの局所投与に使用してもよい。または眼科的使用の場合は、例えば点眼剤(液体、ローション、またはゲル)の状態で行う。容易に流動可能な形状(例えば溶液およびエマルジョン)を、例えば病巣内への注入に使用することもできるほか、例えば浣腸として直腸から投与することができる。
【0117】
本発明の組成物を単位投与剤形に製剤化する場合は、活性型ビタミンD化合物の量は、好ましくは単位用量あたり1〜200μgとする。より好ましくは、単位用量あたりの活性型ビタミンD化合物の量は約1μg、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、7μg、8μg、9μg、10μg、15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、40μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、または200μg、またはこれらの中間の任意の量である。好ましい態様では、単位剤形当たりの活性ビタミンD化合物の量は、約5μg〜約180μg、より好ましくは約10μg〜約135μg、より好ましくは約45μgである。ある態様では、単位剤形は45μg、90μg、135μg、または180μgのカルシトリオールを含む。
【0118】
組成物の単位剤形がカプセルの場合、カプセル中に存在する内容物の総量は、好ましくは約10〜1000μLである。より好ましくは、カプセル中に存在する内容物の総量は約100〜300μLである。別の態様では、カプセル中に存在する内容物の総量は、好ましくは約10〜1500 mgであり、好ましくは約100〜1000 mgである。ある態様では、総量は約225 mg、約450 mg、約675 mg、または約900 mgである。ある態様では、単位剤形は45μg、90μg、135μg、または180μgのカルシトリオールを含むカプセルである。
【0119】
本発明による治療対象となる可能性のある動物には、本発明の化合物の投与によって利益を得る可能性のある、あらゆる動物が含まれる。このような動物は、ヒト、ペット(イヌやネコなど)、ならびに家畜(ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)が含まれる。
【0120】
実施例1
半固体状カルシトリオール製剤
表1に記載された内容物を含む5種類の半固体状カルシトリオール製剤(SS1〜SS5)を調製した。最終製剤は、半固体状製剤1 gあたり0.208 mgのカルシトリオールを含む。
【0121】
(表1)半固体状カルシトリオール製剤の組成

量はグラムで示す。
【0122】
1.溶媒の調製
表1に記載された、100グラムの5種類の半固体状カルシトリオール製剤(SS1〜SS5)量を以下の手順で調製した。
【0123】
記載された内容物(カルシトリオールを除く)を、適切なガラス容器内で混合し、均一になるまで混ぜた。ビタミンE TPGSおよびGELUCIRE 44/14を60℃で加熱してホモジナイズした後に、秤量して製剤に添加した。
【0124】
2.活性製剤の調製
半固体状溶媒を60℃以下で加熱してホモジナイズした。弱い光の下で、12±1 mgのカルシトリオールの重量を、スクリューキャップ付きの別のガラスボトル内で、各製剤について1本のボトルに入れて測定した(カルシトリオールは光感受性なので、カルシトリオール/カルシトリオール製剤を扱う際は、弱い光/赤色光を使用すべきである。正確な重量を0.1 mg単位まで測定した。カルシトリオールがボトル内に収まったら、直ちにボトルのキャップを締めた。次に、0.208 mg/gの濃度にするために必要な各溶媒の量を以下の公式から算出した:
Cw/0.208=溶媒の必要重量
上式で、Cw=カルシトリオールの重量(mg)、ならびに
0.1208=カルシトリオールの最終濃度(mg/g)。
【0125】
最後に適量の各溶媒を、カルシトリオールを含む各ボトルに添加した。この製剤を、カルシトリオールを溶解させるために混合しながら加熱した(≦60℃)。
【0126】
実施例2
他の製剤の調製
実施例1の方法に続いて、表2に挙げた内容物を含む、カルシトリオールの12種類の異なる製剤を調製した。
【0127】
(表2)組成物の剤形

量はパーセンテージで示す。
【0128】
実施例3
安定な単位剤形
カルシトリオールの剤形を調製して得られた組成物を表3に示す。ビタミンE TPGSを約50℃に加熱し、MIGLYOL 812と適切な比で混合した。BHAおよびBHTを各剤形に添加し、最終調製物中における割合をそれぞれ0.35%(w/w)とした。
【0129】
(表3)カルシトリオールの剤形

【0130】
製剤の調製後に、製剤2〜4を約50℃に加熱し、カルシトリオールと混合して、0.1μgカルシトリオール/mg全製剤を得た。次に、カルシトリオールを含む製剤を25 mL容のメスフラスコに添加し(約250μL)、脱イオン水を25 mLの目盛りまで加えた。次に同溶液をボルテックスミキサーで攪拌し、混合直後と、混合後の最長10分間まで、400 nmにおける各剤形の吸光度(初期)を測定した。表4に示すように、全3種類の剤形について、水の混合時に乳白色の溶液が得られた。剤形4については、10分後の時点において400 nmにおける吸光度に観察可能な変化が見られず、安定な懸濁物を生成したように見受けられた。
【0131】
(表4)水に懸濁した製剤の吸光度

【0132】
カルシトリオールの製剤をさらに評価するために、溶解性試験を実施して、各製剤に溶解するカルシトリオールの量を評価した。0.1〜0.6μgカルシトリオール/mg製剤のカルシトリオール濃度を、製剤を50℃に加熱後に適切な重量のカルシトリオールを添加することで調製した。次に同製剤を室温まで冷却し、不溶性のカルシトリオールの存在を光学顕微鏡で確認した(必要に応じて偏光を使用)。各製剤について、カルシトリオールは、検討した最高濃度(0.6μgカルシトリオール/mg製剤)において可溶性であった。
【0133】
進行中の第2相ヒト臨床試験では、45μgのカルシトリオール用量が使用されている。この投与量のカプセルを作製するために、0.2μgカルシトリオール/mg製剤と、各0.35%(w/w)のBHAおよびBHTの各製剤を調製した。バルクの製剤混合物をサイズ3の硬ゼラチンカプセルに225 mgの重量(カルシトリオールとして45μg)となるように充填した。次に同カプセルの5℃、25℃/60%相対湿度(RH)、30℃/65% RH、および40℃/75% RHにおける安定性を解析した。適切な時点で、安定性試料を対象に、完全なカルシトリオールの含量およびカプセルの溶解を解析した。カプセルのカルシトリオール含量を、3個の開いたカプセルを5 mLのメタノールに溶解し、解析まで5℃で維持することで決定した。次に、溶解した試料を逆相HPLCで解析した。Phemonex Hypersil BDS C18カラム(30℃)を、アセトニトリル勾配(55%アセトニトリル〜95%アセトニトリル;溶媒は水)で使用した(溶出時の流速は1.0 mL/分)。ピークが265 nmで検出され、25μLの試料を各実験用に注入した。試料のピーク面積を標準と比較することで、カルシトリオール量を算出した(表5)。1個のカプセルを、0.5%ドデシル硫酸ナトリウムを含む50 mLの脱イオン水を入れた6つの低容量溶解試験用容器のそれぞれに収容して溶解試験を行った。試料を75 rpmで37℃で混合した30分後、60分後、および90分後に採取した。100μLの試料を、30℃で1 mL/分で操作したBetasil C18カラム(移動相は50:40:10のアセトニトリル:水:テトラヒドロフラン)に注入することで、試料のカルシトリオール含量を決定した(ピーク検出波長265 nm)。6個のカプセルを対象とした90分の溶解試験の結果の平均値を得た(表6)。
【0134】
(表5)硬ゼラチンカプセル中におけるカルシトリオール製剤の化学的安定性(1カプセル当たりの総重量225 mg、カルシトリオールは45μg)

a.アッセイ法の結果は、1カプセル当たり45μgの含量に基づく期待値に対するカルシトリオールの割合(%)を示す。値は、カルシトリオールの活性異性体であるプレカルシトリオールを含む。
【0135】
(表6)硬ゼラチンカプセル中におけるカルシトリオール製剤の物理的安定性(1カプセル当たりの総重量225 mg、カルシトリオールは45μg)

a.記載の手順でカプセルの溶解を行い、カルシトリオールの割合(%)を、1カプセル当たり45μgのカルシトリオールの標準量および予想含量を元に算出する。活性異性体であるプレカルシトリオールは、溶解したカルシトリオールの割合(%)の計算に含まれない。報告値は90分時点の試料についての値。
【0136】
化学的安定性試験の結果から、表5に示すように、MIGLYOL 812含量の減少と、これに伴うビタミンE TPGS含量の増加が、完全なカルシトリオールの回収率の促進につながることがわかった。剤形4(50:50 MIGLYOL 812/ビタミンE TPGS)が、化学的に最も安定な剤形であり、25℃/60% RHで3か月後の時点における完全なカルシトリオールの回収率は、わずかに低下しただけであり、室温での保存が可能となる。
【0137】
剤形の物理的安定性は、各安定性条件での保存後におけるカプセルの溶解性によって評価した。化学的安定性に関しては、MIGLYOL 812含量の減少とビタミンE TPGS含量の増加は、製剤の溶解性を改善した(表6)。剤形4(50:50 MIGLYOL 812/ビタミンE TPGS)が、室温保存で適切な安定性を示し、最良の溶解性を示した。
【0138】
本発明について十分説明したが、本発明が、広範囲かつ等価な条件、製剤、および他のパラメータの範囲で、本発明の範囲または本発明の任意の態様に影響することなく実施可能なことが当業者には理解される。本明細書に引用された、すべての特許、特許出願、および刊行物は、全体が参照として本明細書に完全に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療薬または放射線治療と併用して、有効量の活性ビタミンD化合物を動物に投与する段階を含む、動物の癌を治療または改善する方法。
【請求項2】
放射線治療薬または放射線治療が、外部照射放射線療法、近接照射療法、温熱療法、放射線手術、荷電粒子放射線療法、中性子放射線療法、光力学療法、または放射性核種療法で投与または実施される薬剤または治療である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施と同時に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施前に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の少なくとも12時間前に投与される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施前に少なくとも1日1回、1日〜約10日間にわたって投与される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施前に、パルス投与様式で1日〜約3か月間にわたって投与される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施後に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施の少なくとも12時間後に投与される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施後に、1日〜約10日間にわたって毎日投与される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
活性ビタミンD化合物が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施後に、パルス投与様式で1日〜約3か月間にわたって投与される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
活性ビタミンD化合物の投与が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施とともに継続される、請求項4記載の方法。
【請求項13】
活性ビタミンD化合物の投与が、放射線治療薬または放射線治療の投与または実施以降も継続される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
方法が少なくとも1回繰返される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
方法が1回〜約10回繰返される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
活性ビタミンD化合物が各反復で同一であるかまたは異なっていてもよく、放射線治療薬もしくは放射線治療が各反復で同一であるかまたは異なっていてもよい、請求項14記載の方法。
【請求項17】
活性ビタミンD化合物の投与期間が各反復で同一であるかまたは異なっていてもよい、請求項14記載の方法。
【請求項18】
活性ビタミンD化合物がカルシトリオールである、請求項1記載の方法。
【請求項19】
活性ビタミンD化合物が低い高カルシウム血作用を有する、請求項1記載の方法。
【請求項20】
活性ビタミンD化合物が、EB 1089、Ro23-7553、およびRo24-5531からなる群より選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
活性ビタミンD化合物が約15μg〜約285μgの用量で投与される、請求項1記載の方法。
【請求項22】
活性ビタミンD化合物が約0.5μg〜約5μgの用量で毎日投与される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
活性ビタミンD化合物がパルス投与様式で投与され、各パルス投与量が、抗増殖作用を有する十分な量である、請求項1記載の方法。
【請求項24】
パルス投与が3日に1回以下の頻度で実施される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
パルス投与が4日に1回以下の頻度で実施される、請求項23記載の方法。
【請求項26】
パルス投与が1週間に1回以下の頻度で実施される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
活性ビタミンD化合物が約1μg〜約285μgの用量で投与される、請求項23記載の方法。
【請求項28】
活性ビタミンD化合物が約15μg〜約200μgの用量で投与される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
活性ビタミンD化合物が約15μg〜約105μgの用量で投与される、請求項28記載の方法。
【請求項30】
活性ビタミンD化合物が約30μg〜約60μgの用量で投与される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
活性ビタミンD化合物が約45μgの用量で投与される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
少なくとも0.5 nMの活性ビタミンD化合物の最高血漿濃度を得るために十分な用量で活性ビタミンD化合物が投与される、請求項23記載の方法。
【請求項33】
活性ビタミンD化合物が、経口的、静脈内、非経口的、直腸、局所的、鼻内、または経皮的に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項34】
活性ビタミンD化合物が経口投与される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
活性ビタミンD化合物が静脈内投与される、請求項33記載の方法。
【請求項36】
動物の血液中のカルシウムレベルを低下させる段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項37】
低下させる段階が、低カルシウム食を摂取させる段階、小腸を介して血液中に輸送されない吸着剤、吸収剤、リガンド、キレート、または他のカルシウム結合成分によってカルシウムを捕捉する段階、ビスホスホネートを投与する段階、水分補給および塩分摂取を増加させる段階、または利尿療法を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
活性ビタミンD化合物が、約10μg〜約75μgのカルシトリオール、約50%のMIGLYOL 812、および約50%のトコフェロールPEG-1000コハク酸塩(ビタミンE TPGS)を含む単位剤形として投与される、請求項1記載の方法。
【請求項39】
単位剤形が約45μgのカルシトリオールを含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
単位剤形が、抗酸化剤、緩衝剤、消泡剤、デタッキファー(detackifier)、保存剤、キレート剤、粘性調節剤、等張剤(tonieifer)、香味剤(flavorant)、着色剤、着臭剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、濃化剤、潤滑剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の添加剤をさらに含む、請求項38記載の方法。
【請求項41】
添加剤の1つが抗酸化剤である、請求項40記載の方法。
【請求項42】
抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)からなる群より選択される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
単位剤形がBHAおよびBHTを含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
単位剤形がカプセルである、請求項38記載の方法。
【請求項45】
カプセルがゼラチンカプセルである、請求項44記載の方法。
【請求項46】
カプセル中の内容物の総容量が10〜1000μlである、請求項44記載の方法。
【請求項47】
単位剤形が、約45μgのカルシトリオール、約50%のMIGLYOL 812、約50%のビタミンE TPGS、BHA、およびBHTを含む、請求項38記載の方法。

【公表番号】特表2007−501865(P2007−501865A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533616(P2006−533616)
【出願日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/018186
【国際公開番号】WO2004/110151
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505458234)ノバセア インコーポレイティッド (7)
【Fターム(参考)】