説明

放射線治療装置の幾何学的形状を分析するためのシステム、ソフトウェア、及び関連する方法

放射線治療装置31の幾何学的形状を分析するためのシステム30、ソフトウェア71、及び方法が提供される。システム30は、回転式アセンブリ51、53、55の予め選択された部分のマーキングするための、回転式アセンブリ51、53、55及び1つ又は複数の追跡可能な本体33を有する装置31を備える。システム30は、追跡可能な参照固定部35も含み、一定の向きの追跡可能な本体36を備えることもできる。デターミナー39は、追跡可能な本体33、追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36の位置及び/又は向きを特定する。デターミナー39は、オペレータによって使用される座標系を分析するために装置31の幾何学的形状を特定する。デターミナー39は、装置の幾何学的形状を分析するためにメモリ69に記憶されたメモリ69及び幾何学的形状分析ソフトウェア71を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療に関する。より詳細には、本発明は、患者治療装置の幾何学的配置を分析するためのシステム、装置、ソフトウェア、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療は、ある種のタイプの癌腫瘍、外傷、又はその他の「標的」に処置を施すのに効果的である可能性がある。このような標的の大部分は、十分な放射線量が腫瘍又は外傷の体積に送られた場合に完全に除去できる。しかし、標的を囲む健康な組織、又は標的の近くに位置するその他の健康な人体器官への損傷のため、必要な効果的な放射線量の使用から問題が生じる可能性がある。原体照射法(conformal radiation therapy)などの様々な放射線手順の目的は、取り囲む健康な組織又は隣接する健康な臓器への放射線の量を最小限に抑えながら、標的の外側表面によって定義される標的体積のみに供給される放射線量を限定することである。効果的な放射線量が患者の体内の適切な位置に供給されないと、深刻な合併症が生じる可能性がある。
【0003】
放射線治療処置は、一般に、例えば標的を処置するために線形加速器又はその他の放射線発生源などの放射線供給装置を使用する。従来の直線加速器は、全体的に水平軸の周りを回転し、治療される標的に向って放射線ビームを方向付けることができる、患者の周りに配置可能な放射線ビーム発生源を有する回転式ガントリーを備える。直線加速器は、全体的に垂直軸の周りを回転し、回転式ガントリーの回転面の中の標的を位置決めできる回転式治療台を備えることもできる。放射線処置ビームが患者の身体を通過し標的に入るとき、放射線治療ビームに対して見た標的の空間的な輪郭を追跡するために放射線ビーム発生源が回転している間、様々なタイプのデバイス(機器)又は装置が放射線治療ビームの形状をさらに適合させることができる。例えば、複数のリーフ(leaf)又は指突起(finger projections)を有するマルチリーフ・コリメータは、放射線ビームを形作るために放射線ビームの経路の中に、又はそこから外に個別に移動するようにプログラムできる。
【0004】
様々なタイプの放射線治療計画システムが放射線治療計画を生成することができ、その放射線治療計画は、実施されると、敏感な周囲の健康な組織又は隣接する健康な器官又は構造に供給される放射線量を制限しながら、標的体積に合致するように形成された特定の放射線量を供給する。一般に、患者は、コンピュータ断層(CT)撮影、磁石共鳴(MR)影像法、又は患者と共に生成された平面のX線である従来のシミュレーション・フィルム(simulation film)を利用した診断的研究に基づいて用意された放射線治療処置計画を有する。この放射線治療処置計画は、患者の腫瘍又は外傷が、放射線治療処置の間に使用される位置にあるように開発された。
【0005】
原体照射法処置又は静的放射治療処置の供給において放射線治療処置計画を開発するための診断的研究の時にどの技術が使用されるかにかかわらず、放射線供給デバイス又は装置に対する標的の位置は非常に重要である。放射線治療の成否は、標的の上の適切な位置に放射ビームを正確に配置することに依存する。したがって、診断的研究の時の標的の位置を、放射線治療処置の時に標的がどのように配置されるかということに関連付けることが必要である。放射線治療の供給の全体を通じて、放射線供給デバイス又は装置と標的との間の位置関係を維持することも重要である。この位置的な関係が正しくない場合、放射線量が患者の体内の正しい位置に供給されない可能性があり、標的の腫瘍又は外傷を満足に治療せず、周囲の健康な組織及び器官を損傷する可能性がある。
【0006】
したがって、適切な放射線治療は、治療される患者に対して放射線ビームを適切な近位に正確に配置することに依存する。これは、放射線ビーム及び患者の位置の両方を放射線供給デバイス又は装置の幾何学的形状によって定義できるアイソセンター座標系(isocenter coordinate system)と呼ばれる座標系に基準を合わせることによって達成できる。線形加速器の例では、ガントリー、治療台、及びコリメータはそれぞれ、アイソセンター座標系の原点であるアイソセンターと呼ばれる、治療室の中間の特定の位置で交わるように設計された回転軸を有する。アイソセンター座標系は通常、名目の上では水平(X軸)、垂直(Z軸)、及びガントリーの回転軸(Y軸)と共直線であるものとして定義される。対象となっているこれらの3つの軸の交差点(アイソセンター)は、標的物を放射線治療計画に対して適応させ、及びそれに続く放射線供給の実行のための基準「点」として定められ、使用される。
【0007】
放射線計画による放射線治療を供給するために、患者の位置は、全体的に標的を線形加速器のアイソセンターに配置するように調整される。すなわち、患者は、治療計画の考案中に使用される位置に適合するように放射線供給デバイス又は装置の治療台上に位置決めされる。治療台は、放射線治療計画に従って、標的の像を線形加速器のコリメータ又はその他の放射線供給デバイスによって想定される像と位置合わせするようにアイソセンターに標的を配置するように回転される。次いで治療台が定位置に固定され、患者は、放射線治療処置が開始できるように、不動にされる。
【0008】
線形加速器の例では、アイソセンターは、放射線ビーム供給源を担持する線形加速器のガントリーが患者内の標的の周りを回転するとき、コリメータからの放射線ビームが交わる点であるとみなすことができる。このアイソセンターの位置を定める様々な方法論がある。例えば、アイソセンターを特定する1つの方法論には、マーキング用具を保持する長いロッドなどのマーキング・デバイスをガントリーに取り付け、マーキング・デバイスに隣接して、紙などの垂直に向けられた受け材料のシートを位置決めすることが含まれる。次いでガントリーは、受け材料の上に弧又は円を形成するために回転される。次いでオペレータは、アイソセンターに関連する弧又は円の始点を定めるために弧又は円を検査することができる。また、例えば、オペレータは、ガントリーの回転中に放射線ビームの方向を測定するために放射線ビームを実際に使用し、それによってアイソセンターの配置を定めることができる。オペレータがアイソセンターのおおよその位置を特定するのを助けるために、その他の物理的な測定も行うことができる。アイソセンターの所定の位置を認識するために、一般に治療室の壁に装着されたレーザがこのアイソセンターを横切るように向けられ、又は方向付けられる。通常、そのようなレーザの位置合わせを行うために治療台に配置された模型(患者の構造シミュレータ)が利用される。
【0009】
しかし、アイソセンターを特定する現在の方法は、困難であり、時間を浪費するものであり、少なくとも線形加速器の例では、適切にコリメータ及び/又は治療台を基準とすることができないので固有の誤差を有することが出願人によって認識されている。同様に、ガントリー、コリメータ、及び治療台を含む機械的なシステムは、不完全であることが知られており、したがって、完全に真の回転円弧を生成しない。例えば、線形加速器の軸受けは真の球面でなく、ガントリーそれ自体は垂下する傾向になる可能性がある。したがって、アイソセンターの位置を特定するように形成された弧又は円は不完全であり、したがって、完全な回転の中心も完全な回転の軸も生成しない。これによって、精密でないアイソセンター位置がもたらされる。最先端技術は、これらの不完全さを無視又は誤解する傾向があり、したがって、固有の不正確なアイソセンター位置を生成する。
【0010】
また、上述したように、レーザは、ずれを生じ又はその他の点で性能を低下させることが知られていることが認識されている。したがって、レーザは、正確な放射線治療を供給するためオペレータによって使用される座標系を適切に定義するために適切である必要があるアイソセンター位置に固有に加えられるさらなる不正確さを生じるおそれがある。したがって、正確な治療を供給するためにオペレータによって使用される座標系を精密に定義するために、(例えば、ガントリー及びコリメータの幾何学的形状から)放射線ビームの位置、及び(例えば治療台の幾何学的形状から)患者の位置を特定するために、放射線治療デバイス又は装置の機械的システムの様々な構成要素の回転を精密に測定することができるシステム、ソフトウェア、及び方法が求められることが認識されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記に照らして、本発明の実施例は、放射線治療中に使用される座標系の原点及び方向を特定するために、放射線治療装置の幾何学的形状を測定し、把握することに関連したシステム、ソフトウェア、及び方法を有利に提供する。有利なことには、本発明の実施例は、放射線治療装置の機械的システムの様々な回転式アセンブリ(組立体)の回転を精密に測定することができるシステム、ソフトウェア、及び方法を含む。この情報は、正確な治療を供給するために、オペレータによって使用されるアイソセンター座標系を精密に定義するために、放射線ビームの位置及び患者の位置決めを特定するのに使用できる。有利なことには、本発明の実施例は、ガントリー、コリメータ、及び線形加速器の治療台などの放射線治療デバイス又は装置の回転式アセンブリの最大の回転の弧又は経路に沿った位置で空間の3次元点を測定することができる追跡可能な本体、ソフトウェア、及びプロセスを含むシステムも提供する。これらの測定値は、計画された放射線治療を適合し、その正確さ及び効率を上昇させるのに使用できる。有利なことには、通常は無視又は誤解される可能性のある放射線治療デバイス又は装置の機械的システムでの誤差及び不完全が分析及び表示できる。
【0012】
本発明の実施例は、治療計画が患者により正確に適用できるように、放射線ビーム及び患者の位置決めを参照するために使用される座標系システムの原点及び向きの位置を特定するための放射線治療装置の幾何学的形状を分析するためのシステムを提供する。本発明の好ましい実施例では、システムは、全体的にアプリケーション・コンピュータからの指令を受ける制御装置によって制御される複数の回転式アセンブリを有する線形加速器の形での治療装置を通常備える。システムは、そこに連結された表示器を有する1つ又は複数の追跡可能な本体を備える。各追跡可能な本体は、治療装置の回転式アセンブリの予め選択された部分の配置をマーキングするために位置決めされる。システムは、回転式アセンブリのうちの1つに連結されるようになされた追跡可能な基準固定部及び一定の向きの追跡可能な本体も備えることができ、それぞれがそこに連結された表示器も有する。検出器は、表示器の位置を検出するために設けられる。検出器と通信するデターミナー(determiner)は、追跡可能な1つ又は複数の本体、追跡可能な基準固定部、及び一定の向きの追跡可能な本体の位置及び/又は向きを特定し、それによって治療装置の幾何学的形状を特定し、したがって、治療者によって使用される(アイソセンター座標系と呼ばれる)座標系を分析する。レーザのアレイが、アイソセンターと呼ばれるアイソセンター座標系の特定された原点をマーキングするために、追跡可能なレーザ・アライメント本体と共に使用もできる。
【0013】
より具体的には、本発明の好ましい実施例において、システムが、患者の標的に放射線を供給する放射線治療装置を備える。放射線治療システムは、複数の回転式アセンブリを備え、それぞれが放射線ビームを患者の標的に向けて貫通させるように機能し、それぞれが別個の平面内の回転経路及び回転軸を有する。各回転式アセンブリの回転軸は、治療装置のアイソセンター座標系のアイソセンター又は原点を定義する実質的に同じ3次元座標で回転式アセンブリの互いの回転軸と全体的に交差する。それぞれが、そこに装着された、好ましくは光学的な再帰反射性球面の形の複数の表示器を有する、複数の好ましくは光学的に追跡可能な本体が、治療装置の複数の回転式アセンブリのうちのそれぞれの予め選択された部分に連結できる。追跡可能な本体は、回転経路に沿って各回転式アセンブリの予め選択された部分の3次元座標位置をサンプリングする能力をシステムに提供することができる。好ましくは光学的な検出器又はカメラのサブシステムが、予め選択された3次元検出器の基準位置で追跡可能な本体から離隔して配置された検出器本体、及び検出器本体に連結された少なくとも1つのただし好ましくは1組の光学式レシーバを有する。各光学式レシーバが、追跡可能な本体のレシーバを参照して各複数の表示器からのエネルギーを受けるように配置されて、複数の表示器の3次元位置を検出し、それによって複数の回転式アセンブリの回転中に、検出器が、複数の回転式アセンブリのうちの各それぞれの1つの予め選択された部分の回転経路に沿って配置された3次元座標位置を表示する複数の位置信号を生成する。
【0014】
複数の追跡可能な本体の機能は、追跡可能な本体を複数の回転式アセンブリのうちの別の1つに連結する前にそれぞれの回転式アセンブリと別々に回転され、光学的に追跡可能な本体を複数の回転式アセンブリのうちの別の1つに連結する前に検出器によって参照される複数の回転式アセンブリのうちの1つの予め選択された部分に順次に連結された単一の追跡可能な本体を使用することによって得ることができることに留意されたい。
【0015】
検出器と通信し、複数の回転式アセンブリのうちの1つの回転中に、検出器によって生成された複数の位置信号に応答するデターミナーが、複数の回転式アセンブリのうちのそれぞれの1つの予め選択された部分に関する3次元座標位置の組を特定し、複数の回転式アセンブリのうちのそれぞれの1つに関する回転軸を特定する。各アセンブリの回転軸は、放射線治療装置のアイソセンターを特定するのに使用することができる。デターミナーの機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実現できるが、本発明の好ましい実施例では、デターミナーは、ほぼ完全にソフトウェアで実現される。それに対応して、デターミナーは、メモリ、及び放射線治療装置の幾何学的形状を分析するためにメモリ内に記憶された幾何学的形状分析ソフトウェアを有する比較的単純なコンピュータの形であることができ、それによって、放射線のアイソセンターを特定することができる。
【0016】
システムは、アイソセンターの特定された3次元座標位置に即座の基準を提供することができる好ましくは最も明確な回転アセンブリの予め選択された部分に連結された追跡可能な基準固定部も備える。システムは、一定の向きの追跡可能な本体を備えることもでき、その本体は、追跡可能な基準固定部の一部分であることができ、又は追跡可能な基準固定部を担持する回転式アセンブリの予め選択された部分に別々に連結できる。一定の向きの追跡可能な本体は、回転式アセンブリの回転角度を特定するためのデターミナーによって使用される基準の向きをさらに提供することができ、それによってデターミナーが、アイソセンター座標系の予め選択された向きと、回転式アセンブリがその最初の基準位置から回転された場合に追跡可能な基準固定部に対して特定されたアイソセンター座標系の向きとの間の角度差を特定できるようになる。したがって、デターミナーは、検出器に対する、追跡可能な基準固定部及び一定の向きの追跡可能な本体の位置及び向きを容易に特定することができる。有利なことには、アイソセンターの正確な基準位置及び向きは、回転式アセンブリの回転から生じる追跡可能な基準固定部の回転的な向きでのどのような変化にもかかわらず、容易に与えられることができる。
【0017】
本発明の実施例は、放射線治療装置に使用することに限定されないが、対象となっている点又は領域で交差する回転式アセンブリを有する任意の装置に使用することができる。例えば、本発明の実施例では、装置の幾何学的形状を分析するためのシステムが、複数の回転式アセンブリを備え、それぞれが別個の平面内の回転経路及び回転軸を有する装置を備える。各回転式アセンブリの回転軸は、装置のアイソセンターを定義する実質的に同じ3次元座標で複数の回転式アセンブリの互いの回転式アセンブリの回転軸と交差する。追跡可能な本体が、装置の複数の回転式アセンブリのうちの1つの予め選択された部分に連結され、そこに装着された複数の表示器を有する。追跡可能な本体から離隔して配置された検出器本体、及び追跡可能な本体の複数の表示器からエネルギーを受けるように配置されたレシーバを有する検出器が、複数の表示器の3次元の表示器の位置を検出し、それによって、複数の回転式アセンブリのうちの1つの回転中に、検出器が複数の表示器の3次元の表示器の位置を表示する複数の位置信号を生成する。検出器と通信し、複数の回転式アセンブリのうちの1つの回転中に、検出器によって生成された複数の位置信号に応答するデターミナーが、複数の回転式アセンブリのうちの1つの予め選択された部分の回転経路に実質的に沿って配置された複数の回転式アセンブリのうちの1つの予め選択された部分に関する1組の3次元座標位置を特定する。これから、デターミナーは、複数の回転式アセンブリのうちの1つに関する回転軸を特定することができる。同じ方法論を利用して、デターミナーは、複数の回転式アセンブリのうちの少なくとも2つのそれぞれに関して予め選択された部分の3次元座標位置の別々の組を特定することができ、それによって、複数の回転式アセンブリの少なくとも2つに関する回転軸、及び複数の回転式アセンブリのうちの少なくとも2つの回転軸の交差点を特定する。この交差点は、実質的に装置のアイソセンターの3次元座標位置を示す。
【0018】
上記に述べたように、本発明の実施例は、例えば上記に述べた装置及び放射線治療装置に関する幾何学的形状などの、複数の回転式アセンブリを有する装置の幾何学的形状を分析するための幾何学的形状分析ソフトウェアを含む。本発明の実施例では、幾何学的形状分析ソフトウェアは位置デターミナーを含み、それは検出器からの複数の位置信号を受け、その位置信号に応答して、少なくとも2組、ただし好ましくは3組の3次元座標位置を特定し又は形成し、それぞれの組は、回転式アセンブリのうちのそれぞれの1つの予め選択された部分の最大の回転の弧又は経路に沿って実質的に配置された3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置を表す。適切なフィルタリング及び平滑化によって、弧デターミナーは、位置デターミナーに応答して、それぞれの回転式アセンブリの3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置の各組に関する別々の弧の適合性(fit)を特定する。各適合された弧は、回転式アセンブリのそれぞれの1つの予め選択された部分の回転経路を示し、通常は互いに嵌合された弧の平面に実質的に垂直な平面に配置される。弧デターミナーに応答して、軸デターミナーが、それぞれの回転式アセンブリの回転軸を示す各適合された弧に関する回転の中心及び法線を特定する。さらに、交差点デターミナーが、軸デターミナーに応答して、回転式アセンブリのうちの少なくとも2つに関する回転軸の交差点を特定し、交差点がアイソセンター座標系のアイソセンターの3次元座標位置を実質的に示す。
【0019】
追跡可能な固定部が回転式アセンブリに固定的に連結された場合、それは、アイソセンターの特定された3次元座標位置に基準を提供することができる。すなわち、幾何学的形状分析ソフトウェアは、放射線治療装置のアイソセンターの特定された3次元座標位置と追跡可能な固定部との間の変換行列を特定するために、アイソセンターの特定された3次元座標位置を利用できる変換デターミナーを含むことができる。これによって、検出器が、アイソセンターの3次元座標位置に対する即座に特定された基準を失うことなく移動できるようになる。しかし、回転式アセンブリに連結された追跡可能な固定部は、その性質上、アイソセンター座標系の軸の向きに対して可変の向きを有する。本発明の1つの実施例では、ソフトウェアは、追跡可能な固定部の位置及び向きを特定するために第1の複数の位置信号を受けることができる位置デターミナーを含む。回転式アセンブリの回転中に一定のままになる向きを有する一定の向きの追跡可能な本体は、追跡可能な固定部が最初の基準位置から回転して生じるアイソセンター座標系の軸の特定された向きにおいての誤差を補償するために、回転式アセンブリに連結することができる。したがって、位置デターミナーは、一定の向きの追跡可能な本体の位置及び向きを特定するために第2の複数の位置信号をさらに受けることができる。回転角度デターミナーは、位置デターミナーに応答して、可変の向きの追跡可能な固定部及び一定の向きの追跡可能な本体の向きの間の角度差を特定することができる。この角度差は、可変の向きの追跡可能な基準固定部の回転角度を示し、したがって回転式アセンブリの回転角度を示す。この回転角度は、アイソセンター位置デターミナーが、検出器に対する、又は治療装置若しくは治療室に対するアイソセンターの位置及び向きを特定できるように、補正係数を公式化するために使用できる。
【0020】
ソフトウェアは、治療装置の幾何学的形状の拡張的な分析を提供することもできる。すなわち、ソフトウェアは、不完全識別器及び不完全分析器を備えることもでき、そのように存在する場合、アイソセンターの特定された3次元位置のそれぞれ1つ又は複数の回転式アセンブリ内の不完全からの影響を識別し分析する。
【0021】
同様に、例えば、本発明の1つの実施例では、システムは、装置の回転式アセンブリに連結された可変の向きの追跡可能な基準固定部の位置及び向きを特定するために、第1の複数の位置信号を受けることができる位置デターミナーを含むことができる幾何学的形状分析ソフトウェアを含む。可変の向きの追跡可能な基準固定部は、回転アセンブリの回転中に変化する向きを有する。位置デターミナーは、装置の回転式アセンブリに連結された一定の向きの追跡可能な本体の位置及び向きを特定するために、第2の複数の位置信号をさらに受けることもできる。一定の向きの追跡可能な本体は、回転式アセンブリの回転中に一定のままになる向きを有する。回転角度デターミナーは、位置デターミナーに応答して、可変の向きの追跡可能な固定部の向きと、一定の向きの追跡可能な本体の向きとの間の角度差を特定する。角度差は、可変の向きの追跡可能な基準固定部の回転角度、及び回転式アセンブリの回転角度を示す。可変の向きの追跡可能な基準固定部と装置の所定のアイソセンターとの間の大きさ、方向及び/又は座標系の回転を表示する所定の変換行列が、記憶媒体に記憶できる。位置デターミナーに応答し、記憶媒体からの所定の変換行列を受けるように配置された、アイソセンター位置デターミナーは、可変の向きの追跡可能な基準固定部からのアイソセンターの相対位置を特定することができる。アイソセンター座標系向きデターミナーは、回転角度デターミナー及びアイソセンター位置デターミナーに応答して、アイソセンター座標系の向きを特定することができる。
【0022】
本発明の実施例は、複数の回転式アセンブリを有する装置の幾何学的形状を分析するためにコンピュータによって読取り可能な、コンピュータ可読媒体も含むことができる。例えば、本発明の実施例では、コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行された場合に、複数の位置信号を受け、装置のそれぞれの少なくとも2つの回転式アセンブリの予め選択された部分の別々の回転経路に沿って実質的に配置された、少なくとも2組、ただし好ましくは3組の3次元座標の位置を特定し、複数の位置信号に応答して各少なくとも2つの組の3次元座標位置の別々の弧の適合を特定するオペレーションをコンピュータに行わせる1組の指令を備える。各適合された弧は、少なくとも2つの回転式アセンブリの1つの予め選択された部分の回転経路を示し、互いの適合された弧の平面に実質的に垂直な平面に配置される。指令は、各少なくとも2つの回転式アセンブリのそれぞれの回転軸を示し、少なくとも2つの回転式アセンブリの回転軸の交差点を特定する、各適合された弧に関する回転の中心及び法線を特定するためのものも含む。指令は、実質的にアイソセンター座標系のアイソセンターの3次元座標位置を示す。
【0023】
同様に、例えば、本発明の実施例では、コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行された場合に、第1の複数の位置信号を受け、装置の回転式アセンブリに連結され、回転式アセンブリの回転中に変化する向きを有する可変の向きの追跡可能な基準固定部の位置及び向きを特定するオペレーションをコンピュータに行わせる1組の指令を備える。指令は、第2の複数の位置信号を受け、装置の回転式アセンブリに連結され、回転式アセンブリの回転中に一定のままになる向きを有する一定の向きの追跡可能な本体の位置及び向きを特定するものも含む。指令は、可変の向きの追跡可能な固定部の向きと、一定の向きの追跡可能な本体の向きとの間の角度差を特定するものもさらに含み、角度差は、可変の向きの追跡可能な基準固定部の回転角、及び回転式アセンブリの回転角を示す。
【0024】
指令は、コンピュータ可読媒体に記憶された所定の変換行列を取り出すオペレーションを行うものも含むことができ、所定の変換行列は、可変の向きの追跡可能な基準固定部と所定の装置のアイソセンターとの間の大きさ、方向、及び/又は回転を示し、可変の向きの追跡可能な本体の所定の位置及び所定の変換行列に応答して、可変の向きの追跡可能な基準固定部からのアイソセンターの相対位置を特定する。指令は、可変の向きの追跡可能な固定部の向き、及び特定された角度差に応答して、アイソセンター座標系の向きを特定するオペレーションを行うためのものも含むことができる。これは、可変の向きの追跡可能な本体の向きと、一定の向きの追跡可能な本体の向きとの間の角度差を特定することによって達成される。
【0025】
本発明の実施例は、複数の回転式アセンブリを備える装置の幾何学的形状を分析するための方法も含み、各回転アセンブリのそれぞれは、各回転式アセンブリの予め選択された部分で回転式アセンブリに順次に又は同時に連結された好ましくは光学的に追跡可能な本体を有することができる。例えば、本発明の実施例では、追跡可能な本体が、少なくとも2つの、ただし好ましくは3つの治療装置の回転式アセンブリに順次に連結される。本発明の別の実施例では、各複数の追跡可能な本体が、同時に参照するために回転式アセンブリのうちのそれぞれの1つに個別に且つ分離して連結できる。選択された実施例にかかわらず、そこに連結された追跡可能な本体を有する各複数の回転式アセンブリは、使用者によって回転し、参照できる。検出器は、回転中に各追跡可能な本体に装着された複数の表示器のサブセットの位置を検出し、検出器に参照される場合、各複数の表示器の位置を示す複数の位置信号を生成する。複数の位置信号は、追跡可能な本体によって回転され、検出器によって参照される各回転式アセンブリの回転経路に実質的に沿った空間に少なくとも2つの組のサンプリングされた3次元座標点又は位置を特定するために、デターミナーによって使用できるデータを提供する。デターミナーは、サンプリングされたデータ点又は位置を3次元座標点又は位置の複数の組に分類し又は形成することができ、各回転式アセンブリに関する別々の1つ又は複数の組が分析される。適切なフィルタリング及び平滑化を用いることによって、各対応する回転式アセンブリに関するサンプリングされた3次元座標点又は位置の各対応する組に別々の弧(真の弧又は円)が適合される。各適合された弧は、少なくとも2つの回転式アセンブリのうちのそれぞれの1つの予め選択された部分の回転経路を表示する。各適合された弧は、各回転式アセンブリのそれぞれに関する回転軸を定義する弧の回転の中心から延びる法線を有する。アイソセンター座標系のアイソセンターの3次元座標位置は、それぞれの弧に関連したそれぞれの回転式アセンブリの回転軸のうちの少なくとも2つ、ただし線形加速器などの装置に関しては好ましくは3つ全ての交差点を特定することによって容易に特定できる。
【0026】
アイソセンターの3次元座標位置が特定された後に、すでに取り付けられていなければ、アイソセンターの特定された3次元座標位置に対する追跡可能な基準固定部の3次元座標位置の較正をもたらすために、好ましくは最も明確な回転式アセンブリの予め選択された部分に、追跡可能な参照固定部を連結し、又は装着することができる。これは、所定の追跡可能な基準固定部の3次元座標位置と、アイソセンターの所定の3次元座標位置との間の変換行列を特定することによって達成できる。この変換行列により、回転式アセンブリの回転経路に実質的に沿って配置された複数の3次元座標位置のうちの1つで追跡可能な固定部の3次元座標位置を特定し、追跡可能な固定部の特定された3次元座標位置に変換行列を適用することによって、追跡可能な基準固定部がアイソセンターの3次元座標位置に相対的な基準を提供できるようになる。有利なことには、特定されたアイソセンターの近くにこの追跡可能な基準固定部を配置することで、検出器/デターミナーのサブシステムの正確さを有利に向上させることができる。
【0027】
同様に、例えば、本発明の実施例では、治療装置の幾何学的形状の不完全も特定することができる。各適合された弧は、それ自体のデータセットを有すると見なすことができる。すなわち、各適合された弧のそれぞれは、それぞれの適合された弧を定義する曲線に沿った状態になる3次元座標点又は位置のそれぞれのデータセットを形成するデータ点(3次元座標位置)からなる。それぞれの適合された弧を定義するデータセットでの3次元座標位置に対するサンプリングされた3次元座標位置のそれぞれの組のうちの1つ又は複数での少なくとも1つ、ただし好ましくは全ての3次元座標位置の間で比較を行うことができる。これらの点は、実質的に一致するとして見なされない、すなわち、それぞれの適合された弧を定義する曲線の状態に点は、それぞれの回転アセンブリの不完全の相対位置を示す。アイソセンターの特定された3次元位置、及びアイソセンター座標系の特定された不完全の影響についての分析を行うことができる。有利なことに、そのような不完全の影響を理解することによって、治療者は、必要に応じて、特定されたアイソセンターを利用する治療計画を適合することができる。
【0028】
本発明の実施例は、追跡可能な基準固定部とアイソセンターの特定された3次元座標位置との間の第1の変換行列が予め定められている回転式アセンブリを有する装置の幾何学的形状を分析する方法も含む。例えば、本発明の実施例では、方法は、基準固定部の向きが回転式アセンブリの回転と共に変化するように、治療装置のアイソセンターに対する基準の3次元座標位置で追跡可能な基準固定部を回転式アセンブリに連結する段階を含む。次いで、カメラのサブシステム又は適切な追跡可能な本体の検出器のサブシステムは、妨害されない位置で配置され、任意で再配置される。追跡可能な基準固定部を参照する検出器を用いると、検出器は追跡可能な基準固定部を検出し、コンピュータ(例えばデターミナー)は、追跡可能な本体の3次元座標位置と追跡可能な基準固定部の3次元座標位置との間の第2の変換行列を特定することができる。デターミナーは、所定の第1の変換行列も受け取ることができ、それによってアイソセンターの3次元座標位置を検出器/カメラ空間に変換する。しかし、追跡可能な基準固定部は、回転式アセンブリに連結されると、一般にその性質上、追跡可能な基準固定部の変化する向きに対して向けられた座標系の軸を有するアイソセンターの3次元座標位置しか提供することができない。
【0029】
アイソセンター座標系の向きを特定又は修正するために、一定の向きの追跡可能な本体が、一方の端部上で追跡可能な基準固定部に旋回可能に連結され、又はそれぞれの回転式アセンブリの予め選択された部分に直接的に分離して連結できる。一定の向きの追跡可能な本体の振り子型動作が基準の向きをもたらし、それによってデターミナーが、追跡可能な基準固定部を参照して特定されたアイソセンターの向きを修正できるようになる。このような向きの不一致は、追跡可能な基準固定部を担持する回転式アセンブリがその最初の基準位置から回転された場合に存在する可能性がある回転的な誤差から生じる。すなわち、有利なことに、使用者は、回転アセンブリを回転させ、それでもアイソセンター座標系の正確な向きを得ることができる。デターミナーは、まず追跡可能な基準固定部及び一定の向きの追跡可能な本体の向きを特定する。次いでデターミナーは、追跡可能な基準固定部の回転角度を特定することができ、それは、最初の基準位置からの回転アセンブリの回転位置に関連する。これは、追跡可能な基準固定部と一定の向きの追跡可能な本体の間の角度差を特定することによって達成できる。アイソセンターの位置及び真の又は選択された向きは、追跡可能な基準固定部と一定の向きの追跡可能な本体との間の角度差に関連付けられた量だけ、追跡可能な基準固定部から特定されるアイソセンターの基準の向きを概念的に回転させることによって特定できる。したがって、有利なことに、追跡可能な基準固定部がそれに対して連結される回転式アセンブリの回転によって変化する可能性のある追跡可能な基準固定部の回転の向きにかかわらず、アイソセンターの正確な基準の位置及び向きがもたらされる。
【0030】
有利なことに、本発明の実施例は、例えば線形加速器などの装置のアイソセンターを特定するための困難な手動の処置に対する必要をなくす。本発明の実施例は、周知のずれ及び不正確な特徴を伴うレーザ及び手動のシステムへの依存を軽減する、非常に正確な追跡システムを使用して、アイソセンターを測定し、特定することができる。有利なことに、本発明の実施例は、アイソセンター表示レーザを治療装置の実際の機械的システムに位置合わせする能力をもたらし、レーザのずれの存在を特定する能力をもたらし、修正及び追加によって治療中にシステムの正確さの連続的な確証をもたらすことができる。有利なことに、本発明の実施例は、放射線治療装置の様々な回転式アセンブリへの即座の取付け、及びそこからの取り外しができるようにする機械的な迅速な切離しを組み込むことができる、光学的な追跡デバイスを備えることができる。
【0031】
本発明の特徴及び利点、並びに明白になるその他のものでの様式が、より詳細に理解できるように、上記に手短に概要を示した本発明のより具体的な説明が、本明細書の一部分を形成する、添付の図面に示されたその実施例を参照して行われる。しかし、図面は本発明の様々な実施例を示すに過ぎず、したがって、本発明は同様にその他の有効な実施例を包含することができるので、本発明の範囲を限定すると見なされないことに留意されたい。
【実施例】
【0032】
次に、本発明の実施例を例示する添付の図面を参照して、本発明を以下により完全に説明する。しかし、本発明は多くの異なる形式で実施することができ、本明細書に明記される例示された実施例に限定されるものとして解釈すべきではない。そうではなく、これらの実施例は、本開示が徹底し完全になり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。同様の番号が全体を通じて同様の要素を指す。主要な符号は、使用される場合、別の実施例での同様な要素を示す。
【0033】
例えば、放射線治療などの治療処置の成否は、放射線ビームを正確に配置し規定するための能力に依存する。放射線ビームの空間的な位置は、放射線治療装置の物理的な幾何学的形状によって規定される。本発明の実施例は、放射線治療装置の座標系を規定するための放射線治療装置の回転式アセンブリの幾何学的形状を分析し、その座標系は、放射線ビームの位置及び患者の位置決めを定めるために治療者によって使用される。図1〜11に示されるように、本発明の実施例は、使用される座標系の原点及び向きを特定するための装置のそのような幾何学的形状を分析するためのシステム、ソフトウェア、及び方法を提供する。原点は、「アイソセンター」と呼ばれ、この座標系は「アイソセンター座標系」と呼ばれている。
【0034】
図1におそらく最もよく示されるように、システム30は全体的に、通常、線形加速器31の形の装置、それぞれが複数の表示器34を含み、治療装置の回転式アセンブリの所定の部分の位置をマーキングするように配置された追跡可能な1つ又は複数の本体33、追跡可能な基準固定部35、及び任意で一定の向きの追跡可能な本体36を備える。システム30は、また、追跡可能な本体33、追跡可能な基準固定部35、及び一定の向きの追跡可能な本体36の位置及び/又は向きを特定するのに使用される複数の表示器34の位置を検出するための検出器37と、並びに治療装置の幾何学的形状を特定し、治療者によって使用される治療装置のアイソセンター座標系を分析するためのデターミナー39とを備える。システム30は、アイソセンター43として参照されるアイソセンター座標系の原点を明確にマーキングするために、追跡可能なレーザ・アライメント本体42と共に使用されるレーザ41(図6)のアレイを備えることもできる。装置が治療機械の形になっている場合、システム30は、装置制御器45、及び治療計画を供給するために指令を装置制御器47に提供するアプリケーション・コンピュータ47も備える。
【0035】
より具体的には、システム30は、患者Pの標的Tに放射線を供給する線形加速器31として示される治療装置を備える。線形加速器31は、回転式ガントリー・アセンブリ51、回転式ビーム・コリメータ・アセンブリ53、及び回転式患者治療台55を備える複数の回転式アセンブリを有する。各回転式アセンブリは、放射線ビームを患者Pの標的Tに方向付けて貫通させるように機能する。各回転式アセンブリは、別個の平面且つ回転軸での回転通路を有する。回転式ガントリー・アセンブリ51は、ガントリーの回転軸G、及びガントリーの回転軸Gに向けて放射線ビームを送るために、ガントリーの回転外周に隣接して配置されたガントリー・ヘッド57を有する。回転式ビーム・コリメータ・アセンブリ53は、ガントリー・ヘッド57に連結されている。回転式ビーム・コリメータ・アセンブリ53は、放射線ビームの輪郭を形成するためにガントリー・ヘッド57によって方向付けられた放射線ビームの中心軸と同軸に配置されたコリメータの回転軸Cを有する。回転式患者用治療台アセンブリ55は、治療台の回転軸TTを有し、治療の前又は治療中に患者Pの標的Tの位置をアイソセンター43に対して移動させるためにガントリー・アセンブリ51に隣接して配置されている。各回転式アセンブリ51、53、55の回転軸G、C、TTは、線形加速器31のアイソセンター43の規定する実質的に同じ3次元座標で回転式アセンブリの互いの回転軸と全体的に交差する。
【0036】
例えば、「System and Tracker for Tracking an Object,and Related Methods」と題した、Smetak等による米国特許出願第10/957,128号に開示されたものなどの、そこに装着された複数の表示器34を有する追跡可能な本体33、又は適切な代替が、各回転アセンブリ51、53、55の予め選択された部分に実質的に連結でき、そのように連結された場合、各回転式アセンブリ51、53、55に回転経路を提供する。追跡可能な本体33は、各回転式アセンブリ51、53、55に関する回転軸G、C、TTを特定するのに使用できる。或いは、各回転式アセンブリ51、53、55は、個別に連結された(図3を参照されたい)別個の追跡可能な本体33を同時に有することができる。本発明の好ましい実施例では、追跡可能な本体33の表示器34は、光学式の再帰反射性球面の形の受動的な表示器である。受動的な表示器は、それらが配線又は光ファイバを必要としない点で追加の利点をもたらす。これによって、追跡可能な本体33を回転式アセンブリ51、53、55のいずれか又は全ての所定の部分に容易に連結し、そこから取り外すことができるようになる。
【0037】
システム30は、1つ又は複数の追跡可能な本体33から離隔して配置された検出器本体61を有する検出器37、及び追跡可能な本体33の複数の表示器34からエネルギーを受け取るように配置された少なくとも1つのただし好ましくは複数のレシーバ63を備える。検出器37は、1つ又は複数の追跡可能な本体33の位置及び/又は向きに移動する表示器34の3次元的な表示器の位置を検出することができる。回転式アセンブリ51に関して図3に示されたように、追跡可能な本体33が回転軸のところ以外に配置された回転式アセンブリ51、53、55の予め選択された部分のいずれにも連結され、それぞれの回転式アセンブリ51、53、55と共に回転される場合、追跡可能な本体33の表示器34の検出された位置は、回転式アセンブリ51に関して例示された位置Sなどのそれぞれの回転式アセンブリ51、53、55に対する1組の3次元座標のサンプリングされたデータの点又は位置にさらに移動する。すなわち、そこに連結された追跡可能な本体33を有する各回転式アセンブリ51、53、55に対して、1つ又は複数のそれぞれの回転式アセンブリ51、53、55の回転中に、検出器37は、検出器37を参照して各追跡可能な本体33の表示器34の位置を示す複数の位置信号を生成する。位置信号から、デターミナー39(後述される)は、回転式アセンブリ51に関する回転経路RPに沿って配置された例示の位置Sなどの、それぞれの回転式アセンブリ51、53、又は55の予め選択された位置の回転経路に沿って配置された1組の3次元座標のサンプリングされた1つ又は複数のデータ点を特定することができる。
【0038】
上記に述べたように、追跡可能な本体33は、再帰反射性球面などの好ましく受動的な表示器34を使用して実現できる。それに対応して、検出器37は、それぞれが視野を備え、視野に配置された場合、複数の表示器34のそれぞれによって放出又は反射される光学的なエネルギーを受けるようになされた一対の光学式レシーバ63を有する、例えば、カナダ国OntarioのNorthern Digital Inc.社によるPolaris(登録商標)として知られるカメラ又は光学電気式動作測定システムなどの好ましくは光学式検出器又はカメラ・ロケータ・サブシステムである。この形式では、レシーバ63は、複数の位置信号を生成するために光学式レシーバ63に両方の視野内に同時に配置される場合、追跡可能な本体33の複数の指示器34のそれぞれの3次元球面位置を検出することができる。複数の表示器34が光学再帰反射球面の形である場合、検出器37は、それぞれの隣接するレシーバ63の視野に配置されたとき、複数の表示器34のそれぞれを選択的に照光するために、レシーバ63のうちの隣接する1つにそれぞれが別々に配置された一対の赤外線照射器65を備えることができる。
【0039】
システム30は、プロセッサ67及びメモリ69を有するデターミナー39も備え、それは1つ又は複数の回転式アセンブリ51、53、55の回転中に検出器37によって生成される複数の位置信号を受け、処理するために検出器37と通信する。デターミナー39は、回転式アセンブリ51に関する回転経路RPに沿って配置された例示の位置Sなどの、それぞれの1つ又は複数の回転式アセンブリ51、53、55の予め選択された部分に関する1つ又は複数の組の3次元座標のサンプリングされた位置を特定する。次いで、これらのそれぞれの組のサンプリングされた位置は、それによってそれぞれの1つ又は複数の回転式アセンブリ51、53、55に関するそれぞれの回転軸G、C、TTを特定するために利用される。例示された実施例(図3)では、デターミナー39が、それぞれの回転軸G、C、TTのうちの少なくとも2つ、ただし好ましくは3つ全ての交差点を特定することによってアイソセンター43を特定することができる。デターミナー39の機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実現できるが、本発明の好ましい実施例では、デターミナー39は、ほぼ完全にソフトウェアで実現される。それに対応して、デターミナー39のメモリ69は、放射線治療装置(線形加速器31)の回転式アセンブリ51、53、55の幾何学的形状を分析するために幾何学的形状分析ソフトウェア71を含むことができる。
【0040】
デターミナー39のメモリ69内に配置されるように述べられたが、幾何学的形状分析ソフトウェア71の全て又は一部分は、検出器37及びデターミナー39の両方に、及び/又は部分的に又は単独で遠隔式コンピュータ(図示せず)に位置付けることができることに留意されたい。実際に、単純にするために、デターミナー39に単独で位置付けられるように示され、説明されたが、本発明の好ましい実施例では、ソフトウェア71は、検出器37に少なくとも部分的に位置付けられる。したがって、検出器37の物理的な実施例は、デターミナー39の物理的及び機能的な実施例の一部分を含むこともできる。この目的のために、検出器37は通常、それ自身のプロセッサ及びメモリ(図示されない)を備えることができる。それにもかかわらず、物理的又は機能的な位置決めに無関係に、デターミナー39は治療装置の機械的なシステム(1つ又は複数の回転式アセンブリ)からアイソセンター43の3次元座標位置を有利に特定し、次いで、その3次元座標位置は、患者の分析、治療計画、及び/又は治療の供給に関する基準点として使用される。
【0041】
システム30は、最も明確な回転アセンブリの予め定められた位置に好ましく連結された追跡可能な基準固定部35を備えることもでき、その回転アセンブリは、線形加速器の例では、回転式ガントリー・アセンブリ51のガントリー・ヘッド57である。検出器37に対して適切に較正された場合、追跡可能な基準固定部35は、アイソセンター43の特定された3次元座標位置及び割り当てられた向きに対して即座の基準を提供する。デターミナー39は、追跡可能な基準固定部35とアイソセンター43の間に矢印として示された変換行列M(図5)を特定することができ、それによって、検出器37の3次元座標位置が変更された後でも、デターミナー39が、アイソセンター43の相対的な3次元座標位置及び向きを特定又は再取得することができるようになる。
【0042】
追跡可能な基準固定部35ではなくカメラの位置が固定された基準をもたらすカメラ又は検出器/デターミナー・システムでは、検出器固定部での極めてわずかな移動がシステムの正確さに重大な影響を与えるおそれがある。検出器37の本体61の3次元座標位置に対する追跡可能な基準固定部35の位置は、デターミナー39によって容易に特定できるので、変換行列Mが特定された後に、検出器37の本体61の3次元座標位置は、高度に安定した位置に保持される必要はない。すなわち、基準固定部の機能を行う検出器37ではなく、追跡可能な基準固定部35がアイソセンター43に対する相対的な固定された基準を提供するので、検出器37はアイソセンター43に対する基準を失うことなく容易に移動できる。さらに、特にアイソセンター43の近くに配置された基準固定部を有することにより、さらなる重要な利点がもたらされる。基準固定部とアイソセンター43の間の距離がより大きいと、システムの正確さがより低くなる。さらに、有利であることに、追跡可能な基準固定部35によって、検出器37がより割り込みの少ない位置に、そうでない場合に求められるよりも取付けの安定性を少なくして配置できるようになる。
【0043】
本発明の実施例では、追跡可能な基準固定部35は、回転アセンブリのうちの少なくとも1つの追跡可能な本体33の代わりに使用できる。線形加速器の例では、この特徴によって、追跡可能な基準固定部35が回転式ガントリー・アセンブリ51のガントリー・ヘッド57に連続的に連結され、その状態を保つことができるようになる。さらに有利なことには、標的Tをアイソセンター43と適切に並置されるように配置するために、治療者が治療台アセンブリ55を回転させるのをデターミナー39が補助できるようにするように、追跡可能な本体33は、治療台アセンブリ55に位置決め又は保持できる。
【0044】
おそらく図8に最も良く示されるように、追跡可能な基準固定部35が回転式ガントリー・アセンブリ51などの回転式アセンブリに連結された場合、変換行列Mが、回転式ガントリー・アセンブリ51の回転と共に回転するように見えるアイソセンター43に対して基準を維持することが直ちに明らかであるべきである。しかし、アイソセンター43及び対応するアイソセンター座標系は静止したままになり、回転式ガントリー・アセンブリ51の回転と共に回転しない。追跡可能な基準固定部35(図示されるような)の一部分又は回転式ガントリー・アセンブリ51の予め選択された部分に別々に連結された一定の向きの追跡可能な本体36は、回転式ガントリー・アセンブリ51がその最初の基準位置IPから離れて回転された場合に、デターミナー39が追跡可能な基準固定部35によってもたらされるアイソセンター43の基準の向きを修正できるようにする基準の向きをもたらすことができる。したがって、回転式ガントリー・アセンブリ51の回転によって、追跡可能な基準固定部35の回転の向きにかかわらず、アイソセンター43の正確な基準位置及び向きをもたらす(特定する)ことができる。図1に示されるように、追跡可能な1つ又は複数の本体33と同様に、一定の向きの追跡可能な本体36は表示器34などの複数の表示器を備え、検出器37などの適切な検出器によって位置検出し、デターミナー39などの適切なデターミナーによって、追跡可能な基準固定部の位置及び向きを特定できるようにする。固定的に装着されるのではなく、一定の向きの追跡可能な本体36は、回転式ガントリー・アセンブリ51などの回転式アセンブリ又は追跡可能な基準固定部35それ自体に旋回式に連結できる、好ましくは、振り子タイプのものである。一定の向きの追跡可能な本体36は、回転式ガントリー・アセンブリ51の回転中に一定の向きを維持するように的確に重量を測定され制動できる。
【0045】
本発明のこの好ましい実施例では、追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36に関する複数の表示器34が、互いの間に固有のセグメント長さを有するように、それぞれ固定部35及び本体36に配置される。これによって、検出器37/デターミナー39が、追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36を検出器37によって観測された場合に一義的に識別できるようになる。したがって、それぞれの追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36の複数の表示器34は、それぞれの追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36に割り当てられ、又は予め選択された座標系の選択された原点に対して配置される。これによって、デターミナー39が、追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36に別々に割り当てられ、又は予め選択された座標系の原点及び各軸の直線方向に対する3次元座標位置を特定することができるようになる。本発明のこの好ましい実施例では、追跡可能な基準固定部35に割り当てられ、又は予め選択された座標系の軸の直線方向は、回転式ガントリー・アセンブリ51の回転中に変化する追跡可能な基準固定部の向きを定義することに留意されたい。しかし、当業者によって周知の向きを定義するその他の方法論は、本発明の範囲内にある。例えば、向きは、追跡可能な基準固定部35の長手方向、側方、又は何か別の実際の又は使用者によって定義された軸として定義することができ、それは回転式ガントリー・アセンブリ51の回転中に比例した量だけ、対応して同じく変化する。
【0046】
おそらく図6に最も良く示されるように、システム30はさらに、レーザ・アレイ41を備えることができる。カメラ・ロケータ・タイプのシステムを放射線治療装置のアイソセンターに対して較正するためのレーザ・アレイが知られ、使用されている。しかし、本発明の実施例では、レーザ・アレイ41は、そのようなカメラ・ロケータのシステム又は検出器37を較正することが要求されない。その代わりに、検出器37/デターミナー39に対する追跡可能な基準固定部35及びアイソセンター43の位置及び/又は向きを識別する所定のオフセット行列Mは、レーザ・アレイ41を位置合わせするために、位置合わせマーキング(図示されない)又は位置合わせ縁部44、及び表示器34などの表示器を有する追跡可能なレーザ・アライメント本体42と共に使用できる。追跡可能なレーザ・アライメント本体42が、オペレータにアイソセンター43の位置の物理的な表示を提供するために検出器37を参照して位置決めされた後、次いで、レーザ・アレイ41を形成するそれぞれのレーザは、位置合わせ縁部44に対して位置合わせできる。その後、レーザ・アレイ41は、アイソセンター43に関する3次元座標位置の視覚的な表示を提供し、それは、患者(標的)の位置決めに関して使用できる。固有の幾何学的な形で示されるが、レーザ・アライメント本体42は、その他の幾何学的な形状の形を取ることができる。すなわち、レーザ・アライメント42は、それには限定されないが、球面形状にされ、円筒形にされ、円錐形にされ、及び立方体形状にすることができる。
【0047】
図2に示され上記に述べられたように、本発明の好ましい実施例では、デターミナー39が線形加速器31として示される放射線治療装置の幾何学的形状を分析するために、幾何学的形状分析ソフトウェア71を含むことができる。幾何学的形状分析ソフトウェア71は、検出器37などの検出器から複数の位置信号を受けるようになされた位置デターミナー73を含む。位置信号は、検出器37(図1)を参照してそれぞれの追跡可能な本体33(図3)ごとの、複数の表示器34の少なくとも1つのサブセットの位置を示す。回線式アセンブリ51(図3)のみに対して例示される線形加速器の実施例では、位置デターミナー73は、回転式アセンブリ51に関する位置Sなどの、少なくとも2組、ただし好ましくは3組の3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置を特定するために位置信号を利用し、各組が、回転式アセンブリ51に関する回転経路RPなどの回転式アセンブリ51、53、55のうちの1つの所定の部分の最大の回転の弧又は経路に好ましくは実質的に沿って配置された3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置を表している。当業者によって周知であり理解された適切なフィルタリング及び平滑化によって、弧デターミナー75は、各回転式アセンブリ51、53、55の3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置Sの各組に関する別々の弧A、A、A(図3及び4)の適合性を特定する。それに対応して、適合された各弧A、A、Aは、回転式アセンブリ51、53、55のそれぞれの1つの予め選択された回転経路RPを示し、互いに適合された弧の平面に実質的に垂直な平面に配置される。通常、回転式アセンブリの全てが360°回転全体を通して正常に回転されるのではないが、それにもかかわらず、適合された弧A、A、Aは、それぞれの回転経路を表す弧Aに関する位置Sなどの3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置の上に重ね合わされた真の弧(A、Aによって図示されるような)として、又は円(Aによって図示されるような)として表されることに留意されたい。
【0048】
弧デターミナー75から機能的に分離されてもされなくてもよい軸デターミナー77が、各適合された弧A、A、Aに関する回転の中心CR及び法線N(図4)を特定することができる。線形加速器の実施例では、各適合された弧A、A、Aの回転の中心CR及び法線Nは、対応して回転式アセンブリ51、53、55のそれぞれの回転軸G、C、TT(図1)を示す。さらに、交差点デターミナー79は、それぞれの回転式アセンブリ51、53、55の回転軸G、C、TTの交差点を示す法線Nの交差点I(図4)を特定する。交差点Iは、実質的にアイソセンター座標系のアイソセンター43の3次元座標位置を示す。交差点Iが2つの法線Nによって形成できるが、各主要な回転式アセンブリ(線形加速器31に関する回転式アセンブリ51、53、55)の回転経路からのサンプリング座標がアイソセンター43のより正確な特定を形作るのに有用な追加のデータを提供するので、上述のように、線形加速器の実施例では、回転式アセンブリ51、53、55のうちの2つのみがサンプリングされる必要がある。また、装置が単一の回転式アセンブリのみを備える場合、中心及び法線がより複雑な数学的なアルゴリズムを必要とし、本発明の範囲内にはあるが、一般に、2つ以上の回転式アセンブリの交差点を特定することによって得られる正確さが得られないことに留意されたい。
【0049】
追跡可能な固定部35が回転式アセンブリに固定的に連結された場合、それは、アイソセンター43の特定された3次元座標位置及び向きに基準を提供することができる。すなわち、幾何学的形状分析ソフトウェア71は、装置(例えば線形加速器31)のアイソセンター43の特定された3次元座標位置と追跡可能な固定部35の間の変換行列Mを特定するためにアイソセンター43の特定された3次元座標位置を利用できる変換行列デターミナー81を含むことができる。これによって、検出器37の本体61がアイソセンター43の3次元座標位置に対する基準を失うことなく有利に移動できるようになる。より具体的には、位置デターミナー73は、追跡可能な基準固定部35などの基準固定部の3次元座標位置及び/又は向きを示す位置信号を受けることもできる。追跡可能な基準固定部35のそのような3次元座標位置及びアイソセンター43の特定された3次元座標位置を有して、変換デターミナー81がアイソセンター43の特定された3次元座標位置と追跡可能な基準固定部35の間の変換行列M(例えば図5を参照されたい)を特定することができる。この変換行列Mによって、検出器37/デターミナー39などのロケータ・システムが追跡可能な基準固定部35を単に参照し、追跡可能な固定部35の位置及び/又は向きを特定することにより、アイソセンター43の相対位置及び/又は向きが容易に特定できるようになる。
【0050】
本発明の1つの実施例では、幾何学的形状ソフトウェア71も同様に不完全識別器83を備える。不完全識別器83は、3次元座標の組のどちらかにある3次元のサンプリングされた座標点又は位置のいずれかが、それぞれの適合された弧A、A、Aを定義するデータセットでの3次元座標点又は位置の外側にあり、又は実質的に一致しないかどうか識別する。回転アセンブリ51(図7)の回転経路RPに関する位置S’として図示された、そうした3次元の座標点又は位置は、そのように決定された場合、それぞれの回転アセンブリ51、53、55における不完全の相対位置を示す。不完全分析器85は、アイソセンター43の特定された3次元位置又はアイソセンター座標系での識別された不完全がある場合の影響を分析するために、もしあれば、そのような不完全を検査する。
【0051】
有利なことに、幾何学的形状分析ソフトウェア71は、追跡可能な基準固定部35などの基準固定部を利用して、アイソセンター43の3次元座標位置及びアイソセンター座標システムの向き、並びに追跡可能な基準固定部35とアイソセンター43の間の大きさ及び方向を示すメモリ69に記憶された所定の変換行列Mを直接的に特定(又は再特定)することができる。例えば、本発明の実施例では、位置特定器73などの位置特定器は、追跡可能な基準固定部35などの追跡可能な基準固定部の複数の表示器34の位置を検出することによって形成される複数の位置信号を受けることができる。すなわち、回転式ガントリー・アセンブリ51(図8)などの追跡可能な基準固定部35が回転式アセンブリのうちの1つに連結された場合、位置特定器73が追跡可能な基準固定部35の位置及び/又は向きを特定するのに利用できる。アイソセンター位置デターミナー89は、検出器37/デターミナー39を治療装置に対して較正するために、追跡可能な基準固定部35に対するアイソセンター43の3次元座標位置及び向きを特定又は再特定するために、追跡可能な基準固定部35及び所定の行列Mの特定された位置を受けることができる。
【0052】
上記に説明したように、その性質によって回転式アセンブリ51などの回転式アセンブリに連結された追跡可能な基準固定部35は、固定された向き(図5及び8を参照されたい)を有するアイソセンター座標系の軸の向きに対して変更可能な向き(図8)を有する。本発明の1つの実施例では、位置デターミナー73は、追跡可能な基準固定部35の位置及び向きを特定するために第1の複数の位置信号を受けることができる。回転式アセンブリ51の回転中に一定のままになる向きを有する一定の向きの追跡可能な本体36は、図8に示されるような最初の規準位置IPから追跡可能な基準固定部35の回転により生じるアイソセンター座標系の軸の特定された向きにおいての誤差を補償するために、回転式アセンブリ51に連結することができる。位置デターミナー73は、一定の向きの追跡可能な本体36の位置及び向きを特定するために第2の複数の位置信号をさらに受けることができる。回転角度デターミナー87は、位置デターミナー73に応答して、追跡可能な基準固定部35の向きと一定の向きの追跡可能な本体の向きとの間の角度差を特定することができ、それは、追跡可能な基準固定部35の回転角度、したがって回転式アセンブリ51の回転角度を示す。次いでこの角度は、アイソセンター座標系の向きのデターミナー91が治療装置、治療室、及び/又は検出器37に対するアイソセンター43の正確な向きを特定できるように、補正係数(角度)を公式化するために、アイソセンター座標系の向きのデターミナー91によって使用される。
【0053】
本発明の実施例は完全に機能的なシステムの文脈で説明されてきたが、当業者は、本発明の機構及び/又はその態様が1つ又は複数のプロセッサなどでの実行に関する様々な形式でのコンピュータが読取り可能な指令の媒体の形で分配することが可能であり、本発明が分配を実際に遂行するために使用される信号を担う媒体の特定のタイプにかかわらず等しく適用されることを理解することに留意することが重要である。コンピュータ可読媒体には、読出し専用メモリ(ROM)又は消去可能な電子的にプログラム可能な読出し専用メモリ(EEPROM)などの不揮発性のハードコードされたタイプの媒体、フロッピー(登録商標)・ディスク、ハード・ディスク・ドライブ、及びCD−ROMなどの記録可能なタイプの媒体、及びデジタル及びアナログ通信リンクなどの伝達タイプの媒体が含まれる。
【0054】
図1〜11に示されるように、本発明の実施例は、例えば図示された線形加速器31などの複数の回転式アセンブリを有する装置の幾何学的形状を分析するためにコンピュータによって読取り可能なコンピュータ読取り可能媒体も含む。例えば、本発明の実施例では、コンピュータ可読媒体は、例えばデターミナー39などのコンピュータによって実行された場合に、複数の位置信号を受け、各回転アセンブリ51、53、及び/又は55それぞれの予め選択された部分の別々の回転経路に沿って実質的に配置された、少なくとも2組、ただし好ましくは3組の3次元座標のサンプリングされた位置(例えば、図7に示された位置S)を特定するオペレーションをコンピュータに行わせる1組の指令を備える。指令は、複数の位置信号に応答して、各それぞれの組の3次元座標位置に対する別々の弧A、A、及び/又はA(図4)の適合性を特定するためのものも含む。適合された各弧A、A、及び/又はAは、回転式アセンブリ51、53、及び/又は55のそれぞれの1つの予め選択された部分の回転経路RPを示し、互いに適合された弧の平面に実質的に垂直な平面に配置される。指令は、分析された各回転式アセンブリ51、53、及び/又は55のそれぞれの回転軸G、C、及び/又はTTを示す各適合された弧A、A、及び/又はAに関する回転の中心CR及び法線N(図4)を特定し、分析された回転式アセンブリ51、53、及び/又は55の回転軸G、C、TT及び/又は交差点Iを特定するためのものも含まれる。交差点Iは、実質的にアイソセンター座標系のアイソセンター43の3次元座標位置を示す。
【0055】
指令は、アイソセンター43の特定された3次元座標位置と回転式アセンブリのうちの1つに連結された追跡可能な基準固定部35などの追跡可能な基準固定部との間に変換マトリクスMを特定するためのものも含むことができる。指令は、それぞれの適合された弧(例えば図7に示された位置S’)を定義するデータセットでの3次元座標位置と実質的に一致しない、3次元座標の組のうちの予め選択された1つでの3次元座標位置を識別するためのものをさらに含むことができる。そのような3次元座標位置は、そのように特定されると、それぞれの回転式アセンブリでの不完全の相対位置を示す。指令は、そのように存在する場合に、アイソセンター43の特定された3次元位置に識別された不完全からの影響を分析するためのものをさらに含むことができる。
【0056】
同じく、例えば、線形加速器の例をさらに参照して、本発明の実施例では、コンピュータ可読媒体は、一組の指令を含むことができ、その指令はコンピュータによって実行されると、コンピュータに、第1の複数の位置信号を受け取り、回転式ガントリー・アセンブリなどの回転式アセンブリ51に連結された変更可能な向きの追跡可能な基準固定部35の位置及び向きを特定し、第2の複数の位置信号を受け取り、好ましくは回転式アセンブリ51に連結された一定の向きの追跡可能な本体36の位置及び向きを特定する動作を行わせる。指令は、変更可能な向きの追跡可能な固定部35の向きと一定の向きの追跡可能な本体36の向きとの間の角度差を特定するためのものも含むことができる。角度差は、変更可能な向きの追跡可能な基準固定部35の回転角度、及び回転式アセンブリ51の回転角度を示す。指令は、記憶媒体(例えばメモリ69)の記憶部から、大きさ、方向、及び変更可能な向きの追跡可能な基準固定部35とアイソセンター43の以前に特定された3次元座標位置との間の回転を示す所定の変換行列Mを取り出し、変更可能な向きの追跡可能な基準固定部35からアイソセンター43の相対的な3次元座標の位置及び向きを特定する動作を行うためのものも含むことができる。指令は、変更可能な向きの追跡可能な固定部35の向き、及び変更可能な向きの追跡可能な固定部35の向きと一定の向きの追跡可能な本体36の向きとの間の特定された角度差に応答して、アイソセンター座標系の向きを特定する動作を行うためのものも含むことができる。
【0057】
図9〜10に示されるように、本発明の実施例は、図示された線形加速器31(図1)などの複数の回転式アセンブリを有する装置の幾何学的形状を分析する方法も含む。おそらく図3及び9に最も良く示されるように、各それぞれの回転アセンブリ51、53、55は、それぞれの回転式アセンブリ51、53、55の予め選択された部分で、各それぞれの回転式アセンブリ51、53、55に順次に又は同時に連結される(ブロック111)追跡可能な本体33などの追跡可能な本体を有することができる。すなわち、本発明の実施例では、追跡可能な本体33は、順次に参照するため、線形加速器31の回転アセンブリ51、53、55のうちの通常、少なくとも2つ、ただし好ましくは3つに順次に連結することができる。
【0058】
本発明の別の実施例では、図3に示されるように、各複数の追跡可能な本体33が、同時に参照するために回転式アセンブリ51、53、55のうちのそれぞれの1つに個別に且つ分離して連結できる。それにもかかわらず、そこに連結された追跡可能な本体33を有する各回転式アセンブリ51、53、55は、使用者によって回転され、(ブロック113)参照できる。検出器37などの検出器は、それぞれの回転式アセンブリ51、53、55の回転中に各追跡可能な本体33に装着された複数の表示器34のサブセットの位置を検出する。検出器37は、検出器37を参照して複数の表示器34の各サブセットの位置を表示する複数の位置信号を生成する。複数の位置信号は、例えば、図3に示される回転式アセンブリ51の回転経路に沿って、サンプリングされた位置Sなどの各それぞれの回転アセンブリ51、53、55の回転経路に沿った空間で複数のサンプリングされた3次元座標点又は位置を特定する(ブロック115)ためにデターミナー39などのデターミナーによって使用することができるデータを提供する。デターミナー39は、検査される各回転式アセンブリ51、53、55の回転経路に沿った別々の1つ又は複数の組の3次元座標点又は位置を分類又は形成する(ブロック117)ために位置信号をさらに検査することができる。
【0059】
適切なフィルタリング及び平滑化を使用することによって、完全円の円周に延長することができる弧A、A、A(図3及び4)は、それぞれ別々に各対応する回転式アセンブリ51、53、55に関するそれぞれの組のサンプリングされたデータ点又は位置Sに適合される(ブロック119)。各弧A、A、Aは、回転の中心CR及び回転の中心CRから延びる法線Nを有する。この法線Nは、各弧A、A、Aに関する回転軸を定義する。したがって、各弧A、A、Aに関する回転軸が容易に特定できる(ブロック121)。それに対応して、本発明の実施例では、アイソセンター43の3次元座標位置は、それぞれの弧A、A、Aに関連したそれぞれの回転式アセンブリ51、53、55の回転軸G、C、TTのうちの少なくとも2つ、好ましくは3つ全ての交差点Iを特定することによって容易に特定できる(ブロック123)。
【0060】
アイソセンター43の3次元座標位置が特定された後、すでに取り付けられていなければ、追跡可能な基準固定部35(図5)が、好ましくは最も明確な回転アセンブリの予め選択された部分、線形加速器31に関する回転式ガントリー・アセンブリ51のガントリー・ヘッド57に連結又は取り付けられる(ブロック125)。次いで、追跡可能な基準固定部35の3次元座標位置は、アイソセンター43の特定された3次元座標位置に対して較正できる(ブロック127)。これは、追跡可能な基準固定部35とアイソセンター43の特定された3次元座標位置及び割り当てられた向きとの間に変換行列Mを特定する(図5)ことによって達成することができる。本発明の好ましい実施例では、デターミナー39は、この機能を前述のソフトウェア71を使用することによって達成する。同様に、上記に述べられたように、変換行列Mが特定された後に、検出器37などの追跡可能な本体のロケータ又は検出器は、高度に安定した位置に保持される必要はない。これによって、現在のカメラ・ロケーティング・システムが壁の振動及びその他の動きに曝される、重要な利点が提供される。追跡可能な本体のロケータ又は検出器に基準固定部の機能を行わせるのではなく、追跡可能な基準固定部35がアイソセンター43に対する相対的な基準を提供する。さらに、基準固定部をアイソレーター43にさらに近づけて配置すると、正確さが一層有利に上昇する。
【0061】
図10に示されるように、本発明の実施例は、装置31の幾何学的形状の不完全を特定し分析する段階を含む、幾何学的形状を分析する方法も含む。例えば、本発明の実施例では、各適合された弧A、A、A(図4)をそれ自身のデータセットを有すると見なすことができる。すなわち、各それぞれの適合された弧A、A、Aは、それらを定義する曲線に沿った状態になるデータ点(3次元座標位置)からなる。それぞれの組の3次元座標のサンプリングされた各データ点又は位置にある3次元座標のサンプリングされたデータ点又は位置(例えばサンプリングされたデータ点S、図7)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての、それぞれの適合された弧A、A、Aを定義するそれぞれのデータセット内の3次元座標位置に対する比較(ブロック131)を行うことができる。これらの点は、実質的に一致するとして見なされない、すなわち、それぞれの適合された弧A、A、A(例えば点S’、図7)を定義する曲線又はデータセットに収まらない点は、それぞれの回転アセンブリ51、53、55の不完全さの相対位置を示す。
【0062】
特定された不完全を表す1つ又は複数の点が発見された後に、アイソセンター43の特定された3次元位置及びアイソセンター座標系の向きに特定された不完全の影響に分析又は特定(ブロック133)を行うことができる。この分析は、追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体36を利用して各特定された不完全の相対的な回転位置を特定することを含むことができる。さらに、この分析は、例えば放射線ビームの供給での予測される誤差を特定する(ブロック135)ことも含むことができる。有利なことに、そのような不完全の影響の知識により、治療者が必要に応じて治療計画(ブロック137)を適合させることができる。線形加速器の例では、これはそのような任意の不完全に関して補償するために計画の放射線ビーム方向又は強度を調整することによって達成できる。
【0063】
おそらく図11に最も良く示されるように、本発明の実施例は、追跡可能な基準固定部35などの追跡可能な基準固定部とアイソセンター43の特定された3次元座標位置及び向きとの間の変換行列M(図5)がすでに所定になった、治療装置31の幾何学的形状を分析する方法も含む。例えば、本発明の実施例では、カメラのサブシステム又は検出器37などの適切な追跡可能な本体の検出器が妨害しない位置に配置され、又は任意で再配置される。すでにそのようにされていなければ、追跡可能な基準固定部35(図5)が装置の回転式アセンブリ(ブロック141)に連結される。図示された線形加速器31に関して、この回転式アセンブリは、回転式ガントリー・アセンブリ51であることが好ましい。追跡可能な基準固定部35は、追跡可能な基準固定部35と特定されたアイソセンター43との間の距離を最小限に抑えるためにガントリー・ヘッド57(図5)に連結されていることが好ましい。この位置決めは、システム30の正確さの向上を補助することができる。
【0064】
しかし、おそらく図8及び11に最も良く示されるように、この構成では、回転式ガントリー・アセンブリ51が回転するので、追跡可能な基準固定部35の向きがガントリー・ヘッド57の回転と共に変化(回転)する。したがって、所定のオフセット行列Mは、線形加速器31、治療室、及び/又は検出器37に対する回転式アセンブリ51の回転と共に回転するアイソセンター43に対する基準を維持する。しかし、アイソセンター43及び対応するアイソセンター座標系は、回転式アセンブリの回転と共に回転しない。したがって、一定の向きの追跡可能な本体36は、一方の端部上で追跡可能な基準固定部35に旋回可能に連結され(ブロック143)、又はそれぞれの回転式アセンブリの予め選択された部分に直接的に分離して連結できる。一定の向きの追跡可能な本体36の振り子型動作により、基準の向きがもたらされ、それによって回転式アセンブリがその最初の基準位置から離れて回転された場合、デターミナー39などのデターミナーが追跡可能な基準固定部35によってもたらされるアイソセンター43の向きを修正できるようになる。すなわち、使用者は、回転アセンブリ51(ブロック145)を意図的に又は非意図的に回転させ、それでもアイソセンター座標系の正確な向きを得ることができる。追跡可能な基準固定部35がアイソセンター43の3次元座標位置に対して固定された基準を提供するので、移行中に起こる可能性のある一時的なものを除いて、検出器37はアイソセンター43に対する即座の基準を失うことなく容易に移動できる。
【0065】
上述の構成によって、アイソセンター43の非常に正確な3次元座標位置及び向きは、検出器37/デターミナー39の電源投入時に、検出器/デターミナー(カメラ)空間に容易に変換できる。検出器37は最初に追跡可能な基準固定部35に対する複数の表示器34を検出する。そこから生成された位置信号によって、次いでデターミナー39は検出器37(例えば検出器位置O)と追跡可能な基準固定部35との間に変換行列V’(図8)を特定する(ブロック147)。検出器37は、検出器本体61の面上に示された予め選択された座標系を有することに留意されたい。予め選択された原点及び向きを有する予め選択された座標系が、検出器位置Oを定義するために検出器37と固定された関係で確立される。しかし、検出器位置Oは、治療装置(例えば線形加速器31)に対する固定された座標の基準位置ではないが、検出器本体61の移動に対応して治療装置に対して移動する。
【0066】
次いで、デターミナー39は、アイソセンター43の相対位置及び向きを得るために所定の変換行列Mを参照する(ブロック149)。検出器37は、一定の向きの追跡可能な本体36の複数の表示器34も検出する。そこから生成された位置信号によって、デターミナー39は、追跡可能な基準固定部35及び一定の向きの追跡可能な本体39の向きを特定する(ブロック151)。次いで検出器39は、追跡可能な基準固定部35の回転角度を特定することができ(ブロック153)、それは、最初の基準位置IPからの回転アセンブリ51の回転位置に関連する(図8)。これは、追跡可能な基準固定部35と一定の向きの追跡可能な本体36の間の角度差を特定することによって達成できる。概念上、デターミナー39は、追跡可能な基準固定部35と一定の向きの追跡可能な本体39との間の角度差に関連付けられた量だけ変換行列Mから得られるアイソセンター43の相対的な向きをコンピュータの計算で回転させることによって(図8を参照されたい)アイソセンター43の向きを特定する(ブロック155)。したがって、追跡可能な基準固定部35が連結される回転式アセンブリの回転によって変化する可能性のある追跡可能な基準固定部35の回転の向きにかかわらず、アイソセンター43の正確な基準位置及び向きをもたらされる。
【0067】
有利なことに、上記に述べられた処置は、例えば検出器37などのカメラ・サブシステム/検出器を較正するために、例えばレーザ・アレイ41(図6)などのレーザ・アレイを使用する必要をなくすことができる。実際に、変換行列Mを特定して(図5)、レーザ・アレイ41はその代わりに検出器37によって位置合わせし、較正することができる。好ましく光学的に追跡可能なレーザ・アライメント本体42は、アイソセンター43に関する3次元座標位置と一致する位置である、追跡可能な基準固定部35の基準位置及び所定の相対的な変換行列Mから特定されるオフセット座標位置に配置できる。次いでレーザ・アレイ41は、レーザ・アレイ41個別のレーザが位置合わせマーキング(図示されない)又は位置合わせ縁部44に位置合わせできるようにし、したがって、アイソセンター43に関する3次元座標位置に位置合わせできるようにするために追跡可能なレーザ・アライメント本体42の上に向けることができる。これによって、患者を位置決めする間、アイソセンター43に関する3次元座標位置のレーザ・マーキングがもたらされる。
【0068】
図面及び明細書には、本発明の典型的な好ましい実施例が開示され、特定の用語が使用されたが、用語は限定の目的のためでなく説明の意味で使用されたに過ぎない。本発明は、これらの例示された実施例を具体的に参照してかなり詳細に説明してきた。しかし、前述の明細書に説明し、添付の特許請求の範囲に定義されたように、本発明の精神及び範囲内で様々な修正及び変更を行うことができることが明らかである。例えば、装置は線形加速器の形で説明された。しかし、本発明は、放射線を生成する装置に限定されず、オペレータによって使用される座標系を特定し分析するための装置の幾何学的形状の分析を必要とする少なくとも1つの回転式アセンブリを有する任意の装置と共に使用できる。また、例えば、デターミナーにインストールされた幾何学的形状分析ソフトウェアが全般的に説明されたが、ソフトウェアは、検出器、デターミナーの両方、遠隔式コンピュータにインストールでき、又はコンパクト・ディスク、ポータブル・ハードドライブ等の携帯記憶媒体に個別に記憶できる。さらに、一定の向きの追跡可能な本体が振り子動作を有するものとして説明された。例えば、ジャイロスコープの実装などの動作のその他の形が本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例による放射線治療装置の幾何学的形状を分析するためのシステムの斜視図である。
【図2】本発明の実施例による放射線治療装置の幾何学的形状を分析するためのソフトウェアの概略図である。
【図3】本発明の実施例による回転式アセンブリの回転経路に沿ったサンプリングされたデータ位置を示す治療装置の斜視図である。
【図4】図3の治療装置に備えられ、本発明の実施例による交差軸を有する3つの弧のグラフ表示である。
【図5】本発明の実施例による、治療装置、及び追跡可能な基準固定部と治療装置のアイソセンターとの間の変換マトリクスの斜視図である。
【図6】本発明の実施例によるレーザ・アレイの斜視図である。
【図7】本発明の実施例による不完全さを有する回転式アセンブリの回転経路を示す、図3に示されたものと同様の治療装置の斜視図である。
【図8】本発明の実施例による治療装置のアイソセンターの特定を示す放射線治療装置の幾何学的形状を分析するためのシステムの斜視図である。
【図9】本発明の実施例による放射線治療装置の幾何学的形状を分析するための方法の流れ図である。
【図10】本発明の実施例による放射線治療装置の幾何学的形状を分析するための方法の流れ図である。
【図11】本発明の実施例による放射線治療装置の幾何学的形状を分析するための方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療計画が患者により正確に適用できるように、放射線ビーム及び患者の位置決めを参照するために使用される座標系システムの原点及び向きの位置を特定するための放射線治療装置(31)の幾何学的形状を分析するためのシステム(30)であって、それぞれが放射線ビームを患者の標的(T)に方向付けて貫通させ、それぞれが別個の平面内の回転経路(RP)及び回転軸(G)、(C)、(TT)を有する複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)を備える放射線治療装置(31)を前記システム(30)が備え、各回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転軸(G)、(C)、(TT)が、前記治療装置(31)のアイソセンター座標系のアイソセンター(43)を定義する実質的に同じ3次元座標で、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の互いの回転軸(G)、(C)、(TT)と交差し、前記システム(30)がさらに、
それぞれが前記治療装置(31)の前記複数の回転アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちのそれぞれの予め選択された部分に連結され、それぞれがそこに装着された複数の光学的な再帰反射性球面(34)を有する、複数の光学的に追跡可能な本体(33)と、
選択された3次元の光学的な検出器参照位置(O)での前記複数の光学的に追跡可能な本体(33)から離隔されて配置された光学的な検出器本体(61)、及び前記光学的な検出器本体(61)に連結された少なくとも1組の別々に離隔された光学式レシーバ(63)を有する光学的な検出器(37)であって、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転中に、前記光学的な検出器(37)が前記複数の光学的な再帰反射性球面(34)に関する3次元的な座標位置を示す複数の位置信号を生成するように、前記複数の再帰反射性球面(34)の3次元球面位置を検出するために、前記少なくとも1組の光学式レシーバ(63)のそれぞれが、前記光学的に追跡可能な本体(33)の前記複数の光学的に再帰反射性球面(34)のサブセットによって反射された光学的なエネルギーを受けるように配置された光学的な検出器(37)と、
前記放射線治療装置(31)の前記アイソセンター(43)を特定するために前記光学的な検出器(37)と通信するデターミナー(39)であって、それと関連付けられたメモリ(69)、及び放射線治療装置の幾何学的形状を分析するために前記メモリ(69)に記憶された幾何学的形状分析ソフトウェア(71)を有するデターミナーとによってさらに特徴付けられ、前記幾何学的形状分析ソフトウェア(71)が、
前記光学的な検出器(37)からの前記複数の位置信号に応答して、各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)に関するそれぞれの組の3次元座標位置を特定する位置デターミナー(73)であって、各組の3次元座標位置が各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれの前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)に実質的に沿って配置された位置デターミナー(73)と、
前記位置デターミナー(73)に応答して別々の弧(A)、(A)、(A)を各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれに関する各組の3次元座標位置への適合を特定する弧デターミナー(75)であって、各適合された弧(A)、(A)、(A)が前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれの前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)を示し、互いに適合された弧(A)、(A)、(A)の平面に実質的に垂直な平面内に配置された弧デターミナー(75)と、
前記弧デターミナー(75)に応答して、各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれの前記回転軸(G)、(C)、(TT)を示す、各適合された弧(A)、(A)、(A)に関する回転の中心及び法線を特定する軸デターミナー(77)と、
前記軸デターミナー(77)に応答して、各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸(G)、(C)、(TT)の交差点を特定する交差点デターミナー(79)であって、前記交差点が前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を実質的に示す交差点デターミナー(79)とを含むシステム(30)。
【請求項2】
光学的に追跡可能な固定部(35)をさらに備え、前記固定部が、
前記アイソセンター(43)の特定された3次元座標位置に対する所定のオフセット位置で前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つに固定的に連結され、
前記デターミナー(39)が前記光学的検出器(37)によって参照された場合、前記光学的に追跡可能な固定部(35)を識別できるように、各前記複数の光学的な表示器(34)の間の固有のセグメント長さを有するそこに取り付けられた複数の光学的な表示器(34)を有し、
前記光学的に追跡可能な基準固定部(35)の前記割り当てられた座標系の前記原点及び前記各軸の直線方向に対する3次元座標位置を特定するために前記光学的に追跡可能な基準固定部(35)に対して予め選択された座標系の原点に対して配置され、
前記光学的に追跡可能な基準固定部(35)の前記予め選択された座標系の各軸の前記直線方向が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの回転中に変化する光学的に追跡可能な固定部の向きを定義する、
請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項3】
前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のそれぞれに関する各組の3次元座標位置が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のそれぞれの実質的に最大の回転の弧(A)、(A)、(A)に関して特定された、請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項4】
前記幾何学的形状分析ソフトウェア(71)が
前記弧デターミナー(75)に応答して、各適合された弧(A)、(A)、(A)それぞれを定義するデータセットでの3次元座標位置と実質的に一致しない3次元座標位置の前記組での3次元座標位置を識別し、そのような3次元座標位置が、そのように特定されると、前記それぞれの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)での不完全の相対位置を表示する不完全識別器(83)と、
前記不完全識別器(83)に応答して、前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元位置、及び前記アイソセンター座標系の特定された向きについて、前記識別された不完全からの影響をそのように存在する場合に、分析する不完全分析器(85)とをさらに備える、請求項3に記載のシステム(30)。
【請求項5】
前記複数の光学的に追跡可能な本体の機能が単一の光学的に追跡可能な本体(33)の使用によって達成され、前記単一の光学的に追跡可能な本体が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つの前記予め選択された部分に順次連結され、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの別の1つに前記光学的な追跡可能な本体(33)を連結する前に、前記それぞれの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)と共に別々に回転され、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの別の1つに前記光学的に追跡可能な本体(33)を連結する前に、前記光学的な検出器(37)によって参照される請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項6】
前記治療装置(31)が、回転式ガントリー・アセンブリ(51)を備える線形加速器を備え、前記回転式ガントリー・アセンブリが、ガントリーの回転軸(G)と、ガントリーの回転外周と、放射線ビームをガントリーの回転軸(G)に向かって送るために前記ガントリーの回転外周に隣接して配置されたガントリー・ヘッド(57)と、前記ガントリー・ヘッドに連結され、前記放射線ビームの輪郭を形成するために前記ガントリー・ヘッド(57)によって方向付けられた前記放射線ビームの中心軸と同軸に配置されたコリメータの回転軸(C)を有する回転式ビーム・コリメータ・アセンブリ(53)と、治療台の回転軸(TT)を有し、治療中に前記患者の前記標的(T)の前記位置を前記アイソセンター(43)に対して移動させるために前記ガントリー・アセンブリ(51)に隣接して配置された回転式患者用治療台(55)とを備える、請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項7】
前記ガントリーの回転外周に隣接し、且つ前記アイソセンターの前記特定された3次元座標位置に対する所定の位置で、前記回転式ガントリー(51)に固定的に連結された光学的に追跡可能な固定部(35)をさらに備え、前記光学的に追跡可能な固定部(35)が前記複数の光学的に追跡可能な本体(33)のうちの1つに適切に取って代わるものである、請求項6に記載のシステム(30)。
【請求項8】
前記回転式ガントリー(51)に連結され、前記デターミナー(39)に基準の向きを提供するために前記回転式ガントリー(51)の回転中に一定のままになる向きを有する一定の向きの光学的に追跡可能な本体(33)をさらに備え、それによって前記回転式ガントリー・アセンブリ(51)の回転角度を特定する、請求項7に記載のシステム(30)。
【請求項9】
前記光学的に追跡可能な固定部(35)からの所定のオフセット位置に配置されるようになされ、前記所定のオフセット位置が前記所定のアイソセンター位置(43)と一致し、前記光学的に追跡可能なレーザ・アライメント本体(42)がレーザ・アライメントを提供するための複数のレーザ・アライメント・マーキング(44)を有する、光学的に追跡可能なレーザ・アライメント本体(42)をさらに備える、請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項10】
前記放射線治療装置(31)に固定された関係で装着されるようになされ、前記光学的に追跡可能なレーザ・アライメント本体(42)に対してレーザが位置合わせできるようにするためにアイソセンター(43)の上に向けられるようになされ、それによって前記特定されたアイソセンター位置(43)のレーザ・マーキングを提供する、レーザ・アレイ(41)をさらに備える、請求項9に記載のシステム(30)。
【請求項11】
装置(31)の幾何学的形状を分析するためのシステム(30)であって、前記システム(30)が、
複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)であって、それぞれが別個の平面内の回転経路(RP)及び回転軸(G)、(C)、(TT)を有し、各前記回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸(G)、(C)、(TT)が、前記装置(31)のアイソセンター(43)を定義する実質的に同じ3次元座標で前記複数の各回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の互いの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸(G)、(C)、(TT)に交差する、回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)と、前記装置(31)の前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つの予め選択された部分に連結され、そこに装着された複数の表示器(34)を有する追跡可能な本体(33)、(35)とを備える装置(31)を備え、前記システム(30)がさらに、
前記追跡可能な本体(33)から離隔して配置された検出器本体(61)、及び前記複数の表示器(34)の3次元の表示器の位置を検出するために、前記追跡可能な本体(33)の前記複数の表示器(34)からエネルギーを受けるように配置されたレシーバ(63)を有し、それによって、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの回転中に、前記検出器(37)が前記複数の表示器(34)の前記3次元の表示器の位置を表示する複数の位置信号を生成する検出器(37)と、
前記検出器(37)と通信し、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの回転中に、前記検出器(37)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つの前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)に実質的に沿って配置された前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの前記予め選択された部分に関する1組の3次元座標位置を特定し、それによって、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つに関する前記回転軸(G)、(C)、(TT)を特定するデターミナー(39)とによって特徴付けられるシステム(30)。
【請求項12】
前記デターミナー(39)が前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの少なくとも2つのそれぞれに関する前記予め選択された部分の3次元座標位置の別々の組を特定し、それによって前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つに関して前記回転軸(G)、(C)、(TT)、及び前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つの前記回転軸(G)、(C)、(TT)の交差点を特定し、前記交差点が実質的に前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を実質的に表示する、請求項11に記載のシステム(30)。
【請求項13】
前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置に対する所定のオフセット位置で前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つに固定的に連結された追跡可能な固定部(35)をさらに備え、前記追跡可能な固定部(35)がそこに装着された複数の表示器(34)を有する、請求項12に記載のシステム(30)。
【請求項14】
そこに装着された複数の表示器(34)を有し、基準の向きを提供するために前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのうちの前記1つの回転中に実質的に一定のままになる向きを有する、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのうちの前記1つに連結され、一定の向きの追跡可能な本体(36)をさらに備える、請求項13に記載のシステム(30)。
【請求項15】
前記追跡可能な本体(33)が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのそれぞれの前記予め選択された部分に関する3次元座標位置の別々の組を特定するための追加の位置信号を前記デターミナー(39)に提供するために、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのうちの別の1つに連結する前に各回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれと共に別々に回転され、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのうちの別の1つに連結する前に前記検出器(37)によって参照される、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのそれぞれの予め選択された部分に順次に連結される、請求項13に記載のシステム(30)。
【請求項16】
前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つが、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの第1の1つであり、前記追跡可能な本体(33)が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記第1の1つの前記予め選択された部分に連結された第1の追跡可能な本体(33)、(35)であり、前記システム(30)が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの第2の1つの前記予め選択された部分に連結され、そこに装着された複数の表示器(34)を有する第2の追跡可能な本体(33)をさらに備え、前記検出器のレシーバ(63)が、前記第2の追跡可能な本体(33)の前記複数の表示器(34)からのエネルギーを受けるために配置されて、前記複数の表示器(34)の3次元表示器の位置を検出し、それによって前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記第2のものの回転中に、前記検出器(37)が前記第2の追跡可能な本体(33)の前記複数の表示器(34)の前記3次元の表示器の位置を表示する複数の位置信号を生成し、前記デターミナー(39)が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記第2のものの前記予め選択された部分に関する3次元座標位置の第2の組を特定し、それによって、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記第2の1つに関する前記回転軸(G)、(C)、(TT)及び前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記第1の1つ及び前記第2の1つの前記回転軸の前記交差点を特定し、前記交差点が実質的に前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を実質的に示す、請求項11に記載のシステム(30)。
【請求項17】
前記デターミナー(39)が、メモリ(69)及び装置の幾何学的形状を分析するために前記メモリ(69)に記憶された幾何学的形状分析ソフトウェア(71)を有し、
前記幾何学的形状分析ソフトウェア(71)がさらに、
前記検出器(37)からの前記複数の位置信号に応答して、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つに関する3次元座標位置の前記それぞれの組を特定する位置デターミナー(73)と、
前記位置デターミナー(73)に応答して、3次元座標位置の各組に対する別々の弧(A)、(A)、(A)の適合性を特定し、各適合された弧(A)、(A)、(A)が前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのうちの1つの前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)を示し、別の適合された弧(A)、(A)、(A)の平面に実質的に垂直な平面内に配置された弧デターミナー(75)とをさらに備える、請求項12に記載のシステム(30)。
【請求項18】
前記幾何学的形状分析ソフトウェア(71)が、
前記弧デターミナー(75)に応答して、各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記少なくとも2つのそれぞれの前記回転軸(G)、(C)、(TT)を別々に表示する、各適合された弧(A)、(A)、(A)に関する回転の中心及び法線を特定する軸デターミナー(77)と、
前記軸デターミナー(77)に応答して、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つの前記回転軸の交差点を特定する交差点デターミナー(79)であって、前記交差点が実質的に前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を実質的に示す交差点デターミナー(79)とをさらに備える、請求項17に記載のシステム(30)。
【請求項19】
前記複数の各1つの前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのうちのそれぞれの1つに関する3次元座標位置の各組が、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記少なくとも2つのそれぞれの実質的に最大の回転の弧(A)、(A)、(A)に関して特定され、
前記幾何学的形状ソフトウェア(71)がさらに、
前記弧デターミナー(75)に応答して、各適合された弧(A)、(A)、(A)それぞれを定義するデータセットでの3次元座標位置と実質的に一致しない3次元座標位置の前記組での3次元座標位置を識別し、そのような3次元座標位置が、そのように特定されると、前記それぞれの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)での不完全の相対位置を表示する不完全識別器(83)と、
前記不完全識別器(83)に応答して、前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元位置について、そのように存在する場合に、前記識別された不完全からの影響を分析する不完全分析器(85)とをさらに備える、請求項18に記載のシステム(30)。
【請求項20】
前記追跡可能な本体(33)、(35)が、前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置に対する所定のオフセット位置で前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つに固定的に連結され、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの回転中に変化する向きを有する、可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)であり、
前記システム(30)が、そこに装着された複数の表示器(34)を有し、基準の向きを提供するために前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの回転中に実質的に一定のままになる向きを有する、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つに連結され、一定の向きの追跡可能な本体(36)をさらに備え、
前記幾何学的形状分析ソフトウェア(71)が、
前記交差点デターミナー(79)に応答して、前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つに固定的に連結された場合、前記装置(31)の前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置と前記追跡可能な固定部(35)の間の変換行列(M)を特定する変換行列デターミナー(81)と、
前記位置デターミナー(73)及び前記変換行列(M)に応答して、前記可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)からの前記アイソセンター(43)の相対位置を特定する、アイソセンター位置デターミナー(89)と、
前記位置デターミナー(73)に応答して、前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の前記向きと前記一定の向きの追跡可能な本体(36)の前記向きとの間の角度差を特定する回転角度デターミナー(87)であって、前記角度差が前記可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)の回転角度、及び前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの前記1つの回転角度を示す、回転角度デターミナー(87)と、
前記回転角度デターミナー(87)及びアイソセンター位置デターミナー(89)に応答して、前記アイソセンター座標系の向きを特定するアイソセンター座標系の向きデターミナー(91)とをさらに含む、請求項18に記載のシステム(30)。
【請求項21】
前記デターミナー(39)が、各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記予め選択された部分に関する3次元座標位置の別々の組を特定し、それによって各前記回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれに関する前記回転軸(G)、(C)、(TT)、及び各前記複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸(G)、(C)、(TT)の交差点を特定し、前記交差点が実質的に前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を実質的に表示し、
前記装置(31)が、ガントリーの回転軸(G)、ガントリー回転外周、及び前記ガントリーの回転軸(G)に向かって放射線ビームを送るために、前記ガントリーの回転外周に隣接して配置されたガントリー・ヘッド(57)を有する回転式ガントリー・アセンブリ(51)と、前記ガントリー・ヘッド(57)に連結され、前記放射線ビームの前記輪郭を形成するために前記ガントリー・ヘッド(57)によって方向付けられた前記放射線ビームの中心軸と同軸に配置されたコリメータの回転軸(C)を有する回転式ビーム・コリメータ・アセンブリ(53)と、治療台の回転軸(TT)を有し、治療中に前記患者の前記標的(T)の前記位置を前記アイソセンター(43)に対して移動させるために前記ガントリー・アセンブリに隣接して配置された回転式患者用治療台(55)とを備える線形加速器を備え、
前記システム(30)が、前記ガントリーの回転外周に隣接し、且つ前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置に対する所定のオフセット位置及び向きで、前記回転式ガントリー(51)に固定的に連結されるようになされた追跡可能な固定部(35)をさらに備え、前記追跡可能な固定部(35)がそこに装着された複数の表示器(34)を有する、請求項11に記載のシステム(30)。
【請求項22】
複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)を有する装置(31)の幾何学的形状を分析するためのコンピュータによって読取り可能な、コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が、1組の指令を有し、その指令は、前記コンピュータによって実行されると複数の位置信号を受けることを含む動作を前記コンピュータに行わせ、前記動作が、
前記複数の位置信号に応答して、前記装置(31)のそれぞれの少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の予め選択された部分の別々の回転経路(RP)に実質的に沿って配置された3次元座標位置の少なくとも2つの組を特定する段階と、
3次元座標位置の各前記少なくとも2つの組に対する別々の弧(A)、(A)、(A)の適合性を特定する段階であって、各適合された弧(A)、(A)、(A)が前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)(55)の前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)を表示し、互いの適合された弧(A)、(A)、(A)の平面に実質的に垂直な平面内に配置される段階と、
各前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記それぞれの回転軸を示す、各適合された弧(A)、(A)、(A)に関する回転の中心(CR)及び法線(N)を特定する段階と、
前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸の交差点を特定する段階であって、前記交差点がアイソセンター座標系の実質的にアイソセンター(43)の3次元座標位置を実質的に示す段階とによってさらに特徴付けられる、コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
1組の指令をさらに備え、その指令が前記コンピュータによって実行されると、以下の、
前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つに固定的に連結された場合、前記装置(31)の前記アイソセンター(43)の特定された3次元座標位置と追跡可能な固定部(33)、(35)との間の変換マトリクス(M)を特定する動作を前記コンピュータに行わせる、請求項22に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項24】
1組の指令をさらに備え、その指令が前記コンピュータによって実行されると、以下の、
前記それぞれの適合された弧(A)、(A)、(A)を定義するデータセットの3次元座標位置と実質的に一致しない、3次元座標の前記少なくとも2つの組のうちの予め選択された1つで3次元座標位置を認識し、そのような3次元座標位置が、そのように特定されると、前記それぞれの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)での不完全さの相対位置を表示し、
前記アイソセンター(43)の特定された3次元位置について、そのように存在する場合に、前記識別された不完全からの影響を分析する動作を前記コンピュータに行わせる、請求項23に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項25】
複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)を有する装置(31)の幾何学的形状を分析するためにコンピュータによって読取り可能な、コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が1組の指令を含み、その指令は前記コンピュータによって実行されると、コンピュータに、第1の複数の位置信号を受け取り、装置(31)の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)に連結された変更可能な向きの追跡可能な基準固定部(35)の位置及び向きを特定する動作を行わせ、前記可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)が、前記回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転中に変化する向きを有し、前記動作が、
第2の複数の位置信号を受け取る段階と、
前記装置(31)の前記回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)に連結された一定の向きの追跡可能な本体(36)の位置及び向きを特定する段階であって、前記一定の向きの追跡可能な本体(36)が前記回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転中に一定のままになる向きを有する段階と、
前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の前記向きと前記一定の向きの追跡可能な本体(36)の前記向きとの間の角度差を特定する段階であって、前記角度差が前記可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)の回転角度、及び前記回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転角度を示す段階とによって、さらに特徴付けられる、コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
1組の指令をさらに備え、その指令は前記コンピュータによって実行されると、以下の、
前記コンピュータ可読媒体に記憶された所定の変換行列(M)を取り出す段階であって、前記所定の変換行列(M)が前記可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)と前記装置(31)の所定のアイソセンター(43)との間の大きさ及び方向を表示する段階と、
前記可変の向きの追跡可能な本体(33)、(35)の前記特定された位置、及び前記所定の変換行列(M)に応答して、前記可変の向きの追跡可能な基準固定部(35)からの前記アイソセンター(43)の相対位置を特定する段階との動作を前記コンピュータに行わせる、請求項25に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
1組の指令をさらに備え、その指令が前記コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに以下の動作、すなわち
前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の向き、及び前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の向きと前記一定の向きの追跡可能な本体(36)の向きとの間の前記特定された角度差に応答して、前記アイソセンター座標系の向きを特定する動作を行わせる、請求項26に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項28】
複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)を備え、それぞれが各回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれの予め選択された部分に連結された、光学的に追跡可能な本体を有する、装置(31)の幾何学的形状を分析するための方法であって、前記方法が、
前記装置(31)の各少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれの前記予め選択された部分の別々の回転経路(RP)の少なくとも一部分に実質的に沿った空間内に3次元座標位置の少なくとも2つの組を特定する段階と、
3次元座標位置の各少なくとも2つの組に対する別々の弧(A)、(A)、(A)の適合性を特定する段階であって、各適合された弧(A)、(A)、(A)が前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つの前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)を表示する段階とによって特徴付けられる方法。
【請求項29】
各前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸(G)、(C)、(TT)を表示する各適合された弧(A)、(A)、(A)に関する回転の中心及び法線を特定する段階と、
前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸の交差点を特定する段階であって、前記交差点がアイソセンター座標系のアイソセンター(43)の3次元座標位置を実質的に表示する段階をさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
追跡可能な固定部(35)を前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つに連結する段階であって、前記固定部が固定された基準距離及び方向を前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置に提供する段階と、
前記装置(31)の前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置と前記追跡可能な固定部(35)の間の変換行列(M)を特定する段階であって、前記変換行列(M)が前記アイソセンター(43)の前記所定の3次元座標位置に基準を提供する段階とをさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
空間内に3次元座標位置の少なくとも2つの組を特定する前記段階が、実質的に最大の回転の弧に関する前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つの3次元座標位置の前記組を特定する段階を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記それぞれが適合された弧(A)、(A)、(A)を定義するデータセットの3次元座標位置と実質的に一致しない、3次元座標の前記少なくとも2つの組のうちの予め選択された1つで3次元座標位置を特定する段階であって、そのような3次元座標位置が、そのように特定されると、前記それぞれの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)での不完全さの相対位置を表示する段階をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
所定の3次元位置及びアイソセンター座標系のアイソセンター(43)の向きへの前記特定された不完全からの影響を分析する段階であって、そのように存在する場合に、それによって前記特定された不完全の前記分析された効果に応答して放射線治療計画を適合する段階をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元位置への影響を分析する前記段階が、各特定された不完全の相対的な回転位置を特定する段階を含み、それによって各特定された不完全の前記特定された相対的な回転位置に応答して、計画された放射線ビームの強度又は方向を変えるために、前記放射線治療計画を適合する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
複数の回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)を含む装置(31)の幾何学的形状を分析する方法であって、前記方法が、
3次元座標位置の少なくとも2つの組を形成する段階であって、各セットが前記放射線治療装置(31)の少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)それぞれの予め選択された部分の別々の回転経路(RP)の少なくとも一部分の複数の3次元空間位置を表示し、各予め選択された部分がそこに連結された追跡可能な本体を有する段階と、
各前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の回転軸(G)、(C)、(TT)を3次元座標位置のそれぞれの少なくとも2つの組から特定する段階と、
前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)の前記回転軸の交差点を特定する段階であって、前記交差点がアイソセンター座標系のアイソセンター(43)の3次元座標位置を実質的に表示する段階とによって特徴付けられる方法。
【請求項36】
追跡可能な基準固定部(35)を前記少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つに連結する段階であって、前記固定部(35)が固定された基準を前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置に提供する段階をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置と前記追跡可能な基準固定部(35)の3次元基準位置との間に変換行列(M)を特定する段階をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記変換行列(M)が第1の変換行列(M)であって前記方法が、
追跡可能な本体位置の検出器の3次元座標位置と追跡可能な基準固定部(35)の前記位置との間に第2の変換行列(M’)を形成するために前記追跡可能な参照固定部(35)の3次元座標位置を特定する段階であって、それによって前記追跡可能な本体位置の検出器の3次元座標位置(O)に対して参照された前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置に対して3次元基準を形成する段階をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも2つの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)のうちの1つに関して、前記それぞれの回転式アセンブリ(51)、(53)、(55)での不完全の相対位置を特定する段階をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置が患者に関する治療計画の考案に使用され、前記方法が、
前記特定された不完全から前記アイソセンター(43)の前記3次元位置への影響を分析する段階であって、そのように存在する場合、それによって前記特定された不完全の前記分析された影響に応じた前記治療計画を適合する段階をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
回転式アセンブリ(51)を有する治療装置(31)の幾何学的形状を分析する方法であって、前記方法が、
可変の向きの追跡可能な固定部(35)を所定の3次元座標位置で前記治療装置(31)の回転式アセンブリ(51)に連結する段階であって、前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)が、回転式アセンブリ(51)の回転中に変化する向き、及び前記回転式アセンブリ(51)の回転中に変化しない前記治療装置(31)のアイソセンター(43)への所定の相対的なオフセット距離及び相対的な方向を有する段階と、
前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の前記3次元座標位置を検出することによって前記アイソセンター(43)の3次元座標位置を特定する段階とによって特徴付けられる方法。
【請求項42】
一定の向きの追跡可能な本体(36)を前記回転式アセンブリ(51)に連結する段階であって、前記一定の向きの追跡可能な本体(36)が前記回転式アセンブリ(51)回転中に実質的に一定のままになる向きを有する段階をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の前記向きと、前記一定の向きの追跡可能な本体(36)の前記向きとの間の角度差を特定する段階であって、前記角度差が前記回転式アセンブリ(51)の相対的な回転位置を表示する段階と、
前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の相対的な向き、及び前記可変の向きの追跡可能な固定部(35)の前記向きと、前記一定の向きの追跡可能な本体(36)の前記向きとの間の前記特定された角度差から前記装置(31)のアイソセンター座標系の向きを特定する段階とをさらに備える、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置に対する、前記追跡可能な基準固定部(35)の3次元座標位置、並びに前記追跡可能な基準固定部(35)の前記所定の相対的なオフセット距離及び相対的な方向から特定された3次元レーザ・アライメントの座標位置で、光学的に追跡可能なレーザ・アライメント本体(42)を位置決めする段階であって、前記3次元レーザ・アライメント座標位置が実質的に前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置と実質的に一致する段階と、
レーザを前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置に位置合わせできるようにするために、前記光学的に追跡可能なレーザ・アライメント本体(42)の上に向けられたレーザ・アレイ(41)を位置決めする段階であって、それによって、前記アイソセンター(43)の前記特定された3次元座標位置のレーザ・マーキングを提供する段階とをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記アイソセンター座標系の前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を特定する前記段階が、
前記追跡可能な固定部(35)の前記所定の3次元座標位置と前記アイソセンター(43)の前記所定の3次元座標位置との間の変換行列(M)を特定する段階と、
前記回転式アセンブリ(51)の回転経路に実質的に沿って配置された複数の3次元座標位置のうちの1つで前記追跡可能な固定部(35)の3次元座標位置を特定し、変換行列(M)を前記追跡可能な固定部(35)の前記特定された3次元座標位置に適用する段階とをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
回転式アセンブリ(51)を備える装置(31)の幾何学的形状を分析するための方法であって、前記回転式アセンブリ(51)がその予め選択された部分で連結された光学的に追跡可能な本体(33)を有し、前記方法が、
前記装置(31)の前記回転式アセンブリ(51)の予め選択された部分の回転経路(RP)の少なくとも一部分に実質的に沿った3次元座標位置の組を特定する段階と、
3次元座標位置の前記組に弧(A)の適合を特定する段階であって、前記適合された弧(A)が前記回転式アセンブリ(51)の前記予め選択された部分の前記回転経路(RP)を表示する段階と、
アイソセンター座標系のアイソセンター(43)の3次元座標位置を実質的に示す適合された弧(A)に関する回転の中心を特定する段階とによって特徴付けられる方法。
【請求項47】
前記光学的に追跡可能な本体(33)が前記回転式アセンブリ(51)の予め選択された部分に連結され、
追跡可能な本体の位置検出器(37)に各前記複数の表示器(34)の別々の3次元座標位置を示すために、それぞれがその上の別々の予め選択された位置で連結された前記光学的に追跡可能な本体(33)が複数の別々の離隔された表示器(34)を有し、
前記3次元座標位置の組を特定する前記段階が、
前記回転式アセンブリ(51)を回転させる段階と、
前記回転式アセンブリ(51)の回転中に表示器位置の複数の組を検出する段階であって、各表示器の位置の組が前記追跡可能な本体の3次元座標位置を示す段階と、
表示器の位置の前記複数の組のサブセットに関して前記追跡可能な本体の3次元座標位置を特定する段階とをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
追跡可能な基準固定部(35)を前記回転式アセンブリ(51)に連結する段階であって、前記追跡可能な基準固定部(35)が固定された基準距離及び基準方向を前記アイソセンターの前記3次元座標位置に提供する段階をさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記回転式アセンブリ(51)の回転経路(RP)に実質的に沿って配置された複数の3次元座標位置のうちの1つに回転的に配置された場合に、追跡可能な本体位置検出器(37)の3次元座標位置と前記追跡可能な固定部(35)の3次元座標位置との間の距離及び方向を特定する段階であって、前記追跡可能な本体位置検出器(37)と前記追跡可能な基準固定部(35)の間の前記距離及び方向が前記追跡可能な基準固定部(35)の相対的な3次元座標位置を定義する段階と、
前記追跡可能な基準固定部(35)の前記相対的な3次元座標位置に所定の変換行列(M)を適合する段階であって、前記所定の変換行列(M)が、前記追跡可能な参照固定部(35)の前記3次元座標位置と前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置との間の前記距離及び前記相対的な方向に実質的に関連する大きさ及び方向を有する段階を行うことによって、前記アイソセンター座標系の前記アイソセンター(43)の前記3次元座標位置を特定する段階とをさらに含み、
前記所定の変換行列(M)を前記追跡可能な基準固定部(35)の前記相対的な3次元位置に適用する場合に、前記追跡可能な本体検出器(37)の固定された基準位置が前記アイソセンター(43)前記3次元座標位置を特定するために必要とされず、それによって、前記アイソセンター(43)の3次元座標位置を特定する、請求項48に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−522733(P2008−522733A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545540(P2007−545540)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/043845
【国際公開番号】WO2006/062872
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507186182)ノモス コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】