説明

放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法

【課題】患者の患部に治療用放射線をより高精度に曝射すること。
【解決手段】時刻tの三次元位置Pは、時刻ti−1の第1予測二次元位置Qi−1と時刻ti+1の第1予測二次元位置Qi+1と時刻tの第2予測二次元位置Qとに基づいて算出される。第1予測二次元位置Qi−1と第2予測二次元位置Qi+1とは、第1イメージャにより撮影された複数の第1画像から算出された複数の二次元位置に基づいて予測される。第2予測二次元位置Qは、その複数の第2画像から算出された複数の二次元位置に基づいて予測される。このような放射線治療装置制御方法は、その複数の第1画像から算出された2つの二次元位置とその複数の第1画像から算出された1つの二次元位置とに基づいて測定三次元位置を算出し、その測定三次元位置に基づいて未来の三次元位置を予測する他の方法に比較して、三次元位置をより高精度に予測することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置に関し、特に、患部に放射線を照射することにより患者を治療するときに利用される放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍患部に治療用放射線を曝射することにより患者を治療する放射線治療が知られている。その放射線治療を実行する放射線治療装置は、その治療用放射線を曝射する治療用放射線照射装置と、その患者の透視画像を撮影するイメージャシステムと、その透視画像に基づいて予測された患部位置にその治療用放射線が照射されるようにその治療用放射線照射装置を移動させる駆動装置とを備えている。このような放射線治療装置によれば、その患者の呼吸等に伴ってその患部が動く場合でも、その患部に治療用放射線を照射することができる。このような放射線治療では、その患部の細胞に曝射される放射線の線量に比較して、正常な細胞に曝射される放射線の線量がより小さいことが望まれ、その治療用放射線をより高精度にその患部に曝射することが望まれ、その患部位置をより高精度に予測することが望まれている。このような放射線治療では、さらに、その患部位置をより安定して予測することが望まれている。
【0003】
特許第3785136号公報には、被検体に対して放射線治療がなされた後の治療計画を容易にすることのできる放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、治療用放射線を照射する放射線照射ヘッドと、前記放射線照射ヘッドからの前記治療用放射線が照射される被検体の患部の画像を生成する画像処理部と、前記画像の生成と前記治療用放射線の照射を含む周期を繰り返すように、また、第1周期の前記治療用放射線の照射前に、前記第1周期の次の第2周期における診断用X線を用いる前記画像の撮像が終了し、第1周期の前記治療用放射線の照射の間に前記撮像された画像の処理を終了して前記患部の画像が生成されるように、前記放射線照射ヘッドと前記画像処理部とを制御する制御部とを具備する。
【0004】
米国特許第7400700号明細書には、異なる時間・方向から撮影された複数のX線画像に基づいて三次元位置を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3785136号公報
【特許文献2】米国特許第7400700号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、治療用放射線をより高精度に患者の患部に曝射する放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、患者の患部の位置をより高精度に予測する放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明による放射線治療装置制御装置(10)は、第1撮影部(43)と第2撮影部(44)と第1二次元位置算出部(45)と第2二次元位置算出部(46)と第1二次元位置予測部(47)と第2二次元位置予測部(48)と三次元位置算出部(49)とジンバル駆動部(50)とを備えている。
【0009】
第1撮影部(43)は、第1イメージャ(25,27)を用いて複数の第1画像を複数の第1撮影時刻にそれぞれ撮影する。第2撮影部(44)は、第2イメージャ(26,28)を用いて複数の第2画像を複数の第2撮影時刻にそれぞれ撮影する。その複数の第1撮影時刻は、その複数の第2撮影時刻のうちの任意の2つの時刻撮影の間に配置される撮影時刻を含んでいる。その複数の第2撮影時刻は、その複数の第1撮影時刻のうちの任意の2つの時刻撮影の間に配置される撮影時刻を含んでいる。
【0010】
第1二次元位置算出部(45)は、その複数の第1撮影時刻に対応する複数の第1測定二次元位置を算出する。その複数の第1測定二次元位置のうちの任意の第1撮影時刻に対応する第1測定二次元位置は、その複数の第1画像のうちのその任意の第1撮影時刻に撮影された対応する第1画像に所定の像が映し出される位置を示している。第2二次元位置算出部(46)は、その複数の第2撮影時刻に対応する複数の第2測定二次元位置を算出する。その複数の第2測定二次元位置のうちの任意の第2撮影時刻に対応する第2測定二次元位置は、その複数の第2画像のうちのその任意の第2撮影時刻に撮影された対応する第2画像にその所定の像が映し出される位置を示している。
【0011】
第1二次元位置予測部(47)は、複数の第1二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第1予測二次元位置を算出する。第2二次元位置予測部(48)は、複数の第2二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第2予測二次元位置を算出する。その複数の第1二次元位置予測対象時刻は、その複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第2二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含んでいる。その複数の第2二次元位置予測対象時刻は、その複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第1二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含んでいる。
【0012】
三次元位置算出部(49)は、複数の三次元位置予測対象時刻に対応する複数の三次元位置を算出する。ジンバル駆動部(50)は、その複数の三次元位置予測対象時刻のうちの任意の時刻にその複数の三次元位置のうちのその任意の時刻に対応する三次元位置に照射装置(6)を向けるための制御量を算出する。
【0013】
その複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置予測対象時刻がその複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)とその複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置算出用時刻(ti+1)との間に配置される場合で、その複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第3三次元位置算出用時刻(t)が第1三次元位置算出用時刻(ti−1)と第2三次元位置算出用時刻(ti+1)との間に配置されるときに、その複数の三次元位置のうちの第1三次元位置予測対象時刻に対応する第1三次元位置(P)は、その複数の第1予測二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)に対応する第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)と、その複数の第1予測二次元位置のうちの第2三次元位置算出用時刻(ti+1)に対応する第2三次元位置算出用二次元位置(Qi+1)と、その複数の第2予測二次元位置のうちの第3三次元位置算出用時刻(t)に対応する第3三次元位置算出用二次元位置(Q)とに基づいて算出される。第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)は、その複数の第1測定二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)より前の複数の第1二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第1二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。第2三次元位置算出用二次元位置(Qi+1)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置と第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)とに基づいて算出される。第3三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第2測定二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)より前の複数の第2二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第2二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。
【0014】
このような放射線治療装置制御装置(10)は、その複数の第1測定二次元位置のうちの2つの第1測定二次元位置とその複数の第2測定二次元位置のうちの1つの第2測定二次元位置とに基づいて測定三次元位置を算出し、その測定三次元位置に基づいて未来の三次元位置を予測することに比較して、三次元位置をより高精度に予測することができる。このため、このような放射線治療装置制御装置(10)は、放射線治療に適用されることにより、治療用放射線(24)をより高精度に所定の位置に曝射することができる。
【0015】
第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第1撮影時刻に対応する失敗第1測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第1測定二次元位置を除く正常第1二次元位置予測用二次元位置とその複数の第1予測二次元位置のうちのその失敗第1撮影時刻に対応する補助第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)とに基づいて算出される。第2三次元位置算出用二次元位置(Qi+1)は、その失敗第1測定二次元位置が算出されなかったときに、その正常第1二次元位置予測用二次元位置とその補助第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)と第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)とに基づいて算出される。このような放射線治療装置制御装置(10)は、その失敗第1測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、第1三次元位置(P)を算出することができる。
【0016】
第3三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第2撮影時刻に対応する失敗第2測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第2測定二次元位置を除く正常第2二次元位置予測用二次元位置とその複数の第2予測二次元位置のうちのその失敗第2撮影時刻に対応する補助第2三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される。このような放射線治療装置制御装置(10)は、その失敗第2測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、第1三次元位置(P)を算出することができる。
【0017】
ジンバル駆動部(50)は、さらに、その任意の時刻にその三次元位置に照射装置(6)が向くように、照射装置(6)を移動させるジンバル装置(23)を制御することが好ましい。
【0018】
本発明による放射線治療装置制御装置(10)は、その任意の時刻にその三次元位置に照射装置(6)が向くときに、その任意の時刻に治療用放射線(24)が発射されるように照射装置(6)を制御する照射部(51)をさらに備えていることが好ましい。
【0019】
照射部(51)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第1撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかった場合で、その所定数の失敗撮影時刻がその複数の第1二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるときに、第1三次元位置予測対象時刻に治療用放射線(24)が発射されないように照射装置(6)を制御する。その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第2撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかった場合で、その所定数の失敗撮影時刻がその複数の第2二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるときに、第2三次元位置予測対象時刻に治療用放射線(24)が発射されないように照射装置(6)を制御する。その複数の三次元位置は、二次元位置が所定数回連続して算出されないときに、十分に高精度に予測されないことがある。このような放射線治療装置制御装置(10)は、その複数の三次元位置が十分に高精度に予測されないときに、治療用放射線(24)が曝射されることを防止することができる。
【0020】
その複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置予測対象時刻がその複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)とその複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第5三次元位置算出用時刻(tj+1)との間に配置される場合で、その複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第6三次元位置算出用時刻(t)が第4三次元位置算出用時刻(tj−1)と第5三次元位置算出用時刻(tj+1)との間に配置されるときに、その複数の三次元位置のうちの第2三次元位置予測対象時刻に対応する第2三次元位置(P)は、その複数の第2予測二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)に対応する第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)と、その複数の第2予測二次元位置のうちの第5三次元位置算出用時刻(tj+1)に対応する第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)と、その複数の第1予測二次元位置のうちの第6三次元位置算出用時刻(t)に対応する第6三次元位置算出用二次元位置(Q)とに基づいて算出されることが好ましい。第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)は、その複数の第2測定二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)より前の複数の第3二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第3二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)は、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置と第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)とに基づいて算出される。第6三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第1測定二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)より前の複数の第4二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第4二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。
【0021】
第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第3撮影時刻に対応する失敗第3測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第3測定二次元位置を除く正常第3二次元位置予測用二次元位置とその複数の第1予測二次元位置のうちのその失敗第3撮影時刻に対応する補助第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)とに基づいて算出される。第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)は、その失敗第3測定二次元位置が算出されなかったときに、その正常第3二次元位置予測用二次元位置とその補助第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)と第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)とに基づいて算出される。第6三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第4撮影時刻に対応する失敗第4測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第4測定二次元位置を除く正常第4二次元位置予測用二次元位置とその複数の第2予測二次元位置のうちのその失敗第4撮影時刻に対応する補助第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)とに基づいて算出される。このような放射線治療装置制御装置(10)は、その失敗第3測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、その失敗第4測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、第2三次元位置(P)を算出することができる。
【0022】
本発明による放射線治療装置制御方法は、第1イメージャ(25,27)を用いて複数の第1撮影時刻にそれぞれ撮影された複数の第1撮影時刻に対応する複数の第1測定二次元位置を算出するステップと、第2イメージャ(26,28)を用いて複数の第2撮影時刻にそれぞれ撮影された複数の第2撮影時刻に対応する複数の第2測定二次元位置を算出するステップと、複数の第1二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第1予測二次元位置を算出するステップと、複数の第2二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第2予測二次元位置を算出するステップと、複数の三次元位置予測対象時刻に対応する複数の三次元位置を算出するステップと、その複数の三次元位置予測対象時刻のうちの任意の時刻にその複数の三次元位置のうちのその任意の時刻に対応する三次元位置に照射装置(6)を向けるための制御量を算出するステップとを備えている。
【0023】
その複数の第1測定二次元位置のうちの任意の第1撮影時刻に対応する第1測定二次元位置は、その複数の第1画像のうちのその任意の第1撮影時刻に撮影された対応する第1画像に所定の像が映し出される位置を示している。その複数の第2測定二次元位置のうちの任意の第2撮影時刻に対応する第2測定二次元位置は、その複数の第2画像のうちのその任意の第2撮影時刻に撮影された対応する第2画像にその所定の像が映し出される位置を示している。その複数の第1二次元位置予測対象時刻は、その複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第2二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含んでいる。その複数の第2二次元位置予測対象時刻は、その複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第1二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含んでいる。
【0024】
その複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置予測対象時刻がその複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)とその複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置算出用時刻(ti+1)との間に配置される場合で、その複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第3三次元位置算出用時刻(t)が第1三次元位置算出用時刻(ti−1)と第2三次元位置算出用時刻(ti+1)との間に配置されるときに、その複数の三次元位置のうちの第1三次元位置予測対象時刻に対応する第1三次元位置(P)は、その複数の第1予測二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)に対応する第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)と、その複数の第1予測二次元位置のうちの第2三次元位置算出用時刻(ti+1)に対応する第2三次元位置算出用二次元位置(Qi+1)と、その複数の第2予測二次元位置のうちの第3三次元位置算出用時刻(t)に対応する第3三次元位置算出用二次元位置(Q)とに基づいて算出される。
【0025】
第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)は、その複数の第1測定二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)より前の複数の第1二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第1二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。第2三次元位置算出用二次元位置(Qi+1)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置と第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)とに基づいて算出される。第3三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第2測定二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻(ti−1)より前の複数の第2二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第2二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。
【0026】
このような放射線治療装置制御方法は、その複数の第1測定二次元位置のうちの2つの第1測定二次元位置とその複数の第2測定二次元位置のうちの1つの第2測定二次元位置とに基づいて測定三次元位置を算出し、その測定三次元位置に基づいて未来の三次元位置を予測する他の方法に比較して、三次元位置をより高精度に予測することができる。このため、このような放射線治療装置制御方法は、放射線治療に適用されることにより、治療用放射線(24)をより高精度に所定の位置に曝射することができる。
【0027】
第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第1撮影時刻に対応する失敗第1測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第1測定二次元位置を除く正常第1二次元位置予測用二次元位置とその複数の第1予測二次元位置のうちのその失敗第1撮影時刻に対応する補助第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)とに基づいて算出される。第2三次元位置算出用二次元位置(Qi+1)は、その失敗第1測定二次元位置が算出されなかったときに、その正常第1二次元位置予測用二次元位置とその補助第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)と第1三次元位置算出用二次元位置(Qi−1)とに基づいて算出される。このような放射線治療装置制御方法は、その失敗第1測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、第1三次元位置(P)を算出することができる。
【0028】
第3三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第2撮影時刻に対応する失敗第2測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第2測定二次元位置を除く正常第2二次元位置予測用二次元位置とその複数の第2予測二次元位置のうちのその失敗第2撮影時刻に対応する補助第2三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される。このような放射線治療装置制御方法は、その失敗第2測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、第1三次元位置(P)を算出することができる。
【0029】
本発明による放射線治療装置制御方法は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第1撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかったときに、その所定数の失敗撮影時刻がその複数の第1二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるかどうかを判別するステップと、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第2撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかったときに、その所定数の失敗撮影時刻がその複数の第2二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるかどうかを判別するステップとをさらに備えている。その複数の三次元位置は、二次元位置が所定数回連続して算出されないときに、十分に高精度に予測されないことがある。このような放射線治療装置制御方法は、その複数の三次元位置が十分に高精度に予測されないときに、治療用放射線(24)が曝射されることを防止することができる。
【0030】
その複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置予測対象時刻がその複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)とその複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第5三次元位置算出用時刻(tj+1)との間に配置される場合で、その複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第6三次元位置算出用時刻(t)が第4三次元位置算出用時刻(tj−1)と第5三次元位置算出用時刻(tj+1)との間に配置されるときに、その複数の三次元位置のうちの第2三次元位置予測対象時刻に対応する第2三次元位置(P)は、その複数の第2予測二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)に対応する第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)と、その複数の第2予測二次元位置のうちの第5三次元位置算出用時刻(tj+1)に対応する第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)と、その複数の第1予測二次元位置のうちの第6三次元位置算出用時刻(t)に対応する第6三次元位置算出用二次元位置(Q)とに基づいて算出されることが好ましい。第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)は、その複数の第2測定二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)より前の複数の第3二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第3二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)は、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置と第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)とに基づいて算出される。第6三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第1測定二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻(tj−1)より前の複数の第4二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第4二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される。
【0031】
第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)は、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第3撮影時刻に対応する失敗第3測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第3測定二次元位置を除く正常第3二次元位置予測用二次元位置とその複数の第1予測二次元位置のうちのその失敗第3撮影時刻に対応する補助第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)とに基づいて算出される。第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)は、その失敗第3測定二次元位置が算出されなかったときに、その正常第3二次元位置予測用二次元位置とその補助第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)と第4三次元位置算出用二次元位置(Qj−1)とに基づいて算出される。第6三次元位置算出用二次元位置(Q)は、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第4撮影時刻に対応する失敗第4測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちのその失敗第4測定二次元位置を除く正常第4二次元位置予測用二次元位置とその複数の第2予測二次元位置のうちのその失敗第4撮影時刻に対応する補助第5三次元位置算出用二次元位置(Qj+1)とに基づいて算出される。このような放射線治療装置制御装置(10)は、その失敗第3測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、その失敗第4測定二次元位置が正常に算出されなかったときにも、第2三次元位置(P)を算出することができる。
【0032】
本発明によるコンピュータプログラムは、本発明による放射線治療装置制御方法をコンピュータ(10)に実行させることが好ましい。
【発明の効果】
【0033】
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法は、所定の部位が所定の時刻に配置される三次元位置をより高精度に予測することができる。このため、本発明による放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法は、放射線治療に適用されることにより、治療用放射線をより高精度に所定の位置に曝射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、放射線治療システムを示すブロック図である。
【図2】図2は、放射線治療装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、放射線治療装置制御装置を示すブロック図である。
【図4】図4は、患者を位置合わせする動作透視画像を撮影するタイミングとその透視画像を画像処理するタイミングとを示すグラフである。
【図5】図5は、二次元位置を予測するときに利用される複数の二次元位置を示すグラフである。
【図6】図6は、三次元位置を算出するときに利用される複数の予測二次元位置を示すグラフである。
【図7】図7は、複数の二次元位置に基づいて三次元位置を予測する比較例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面を参照して、本発明による放射線治療装置制御装置の実施の形態を記載する。その放射線治療装置制御装置10は、図1に示されているように、放射線治療システムに適用されている。その放射線治療システムは、放射線治療装置1と放射線治療装置制御装置10とコンピュータ断層撮影装置20とを備えている。放射線治療装置制御装置10は、双方向に情報を伝送することができるように、放射線治療装置1とコンピュータ断層撮影装置20とに接続されている。
【0036】
コンピュータ断層撮影装置20は、複数の方向から被写体にX線をそれぞれ曝射することにより複数の透視画像をそれぞれ撮影する。コンピュータ断層撮影装置20は、その複数の透視画像をコンピュータで画像処理することにより、その被写体の内部の状態を示す三次元データを生成する。その三次元データは、複数のボクセルを複数のCT値(Computed Tomography number)に対応づけている。その複数のボクセルは、それぞれ、その被写体が配置される空間に隙間なく充填される複数の領域に対応している。たとえば、その複数の領域は、それぞれ、直方体に形成されている。その複数のCT値のうちの任意のボクセルに対応する1つのCT値は、その複数の領域のうちのその任意のボクセルに対応する領域の透過係数(X線吸収係数)に対応している。すなわち、その領域を透過したX線の強度Iは、その透過係数λを用いて、次式:
=I−λx
により表現される。ここで、Iは、そのX線がその領域に入射する前の強度を示している。変数xは、そのX線がその領域を透過した厚さを示している。
【0037】
放射線治療装置1は、図2に示されているように、Oリング2と走行ガントリ3と治療用放射線照射装置6とを備えている。Oリング2は、リング状に形成され、リング回転軸11を中心に回転することができるように基礎に支持されている。リング回転軸11は、鉛直方向に平行である。走行ガントリ3は、リング状に形成されている。走行ガントリ3は、Oリング2の内側に配置され、ガントリ回転軸12を中心に回転することができるようにOリング2に支持されている。ガントリ回転軸12は、鉛直方向に垂直であり、アイソセンタ14でリング回転軸11と交差している。ガントリ回転軸12は、Oリング2に対して固定され、すなわち、Oリング2とともにリング回転軸11を中心に回転する。
【0038】
治療用放射線照射装置6は、走行ガントリ3のリングの内側に配置されている。治療用放射線照射装置6は、チルト軸16を中心に回転することができるように、かつ、パン軸17を中心に回転することができるように、走行ガントリ3に支持されている。チルト軸16は、パン軸17に直交している。チルト軸16とパン軸17との交点は、アイソセンタ14から1mだけ離れている。チルト軸16とパン軸17とは、それぞれ、その交点とアイソセンタ14とを結ぶ直線に垂直である。治療用放射線照射装置6は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、照射野が制御された治療用放射線24を発射する。治療用放射線24は、治療用放射線照射装置6が有する仮想的点線源から放射され、その仮想的点線源を頂点とする円錐状のコーンビームである。その仮想的点線源は、チルト軸16とパン軸17との交点に配置され、走行ガントリ3に固定されている。
【0039】
放射線治療装置1は、さらに、リング駆動装置21とジンバル装置23とを備え、図示されていないガントリ駆動装置を備えている。リング駆動装置21は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、リング回転軸11を中心にOリング2を回転させる。リング駆動装置21は、さらに、基礎に対してOリング2が配置されるリング角度を測定し、そのリング角度を放射線治療装置制御装置10に出力する。そのガントリ駆動装置は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、ガントリ回転軸12を中心に走行ガントリ3を回転させる。そのガントリ駆動装置は、さらに、Oリング2に対して走行ガントリ3が配置されるガントリ角度を測定し、そのガントリ角度を放射線治療装置制御装置10に出力する。
【0040】
ジンバル装置23は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、チルト軸16を中心に治療用放射線照射装置6を回転させ、パン軸17を中心に治療用放射線照射装置6を回転させる。ジンバル装置23は、さらに、チルト軸16を中心に走行ガントリ3に対して治療用放射線照射装置6が回転するチルト角度を測定し、そのチルト角度を放射線治療装置制御装置10に出力する。ジンバル装置23は、さらに、パン軸17を中心に走行ガントリ3に対して治療用放射線照射装置6が回転するパン角度を測定し、そのパン角度を放射線治療装置制御装置10に出力する。
【0041】
放射線治療装置1は、基礎に対して治療用放射線照射装置6をこのように支持することにより、アイソセンタ14に治療用放射線24を任意の方向から曝射することができる。放射線治療装置1は、さらに、治療用放射線照射装置6がアイソセンタ14に向くように走行ガントリ3に固定されているときに、Oリング2がリング回転軸11を中心に回転しても、または、走行ガントリ3がガントリ回転軸12を中心に回転しても、治療用放射線24をアイソセンタ14に常に曝射することができる。
【0042】
放射線治療装置1は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置1は、第1診断用放射線照射装置25と第2診断用放射線照射装置26と第1撮像装置27と第2撮像装置28とを備えている。第1診断用放射線照射装置25は、走行ガントリ3に支持され、アイソセンタ14から第1診断用放射線照射装置25を結ぶ線分とアイソセンタ14から治療用放射線照射装置6を結ぶ線分とのなす角が鋭角になるように、走行ガントリ3のリングの内側に配置されている。第2診断用放射線照射装置26は、走行ガントリ3に支持され、アイソセンタ14から第2診断用放射線照射装置26を結ぶ線分とアイソセンタ14から治療用放射線照射装置6を結ぶ線分とのなす角が鋭角になるように、走行ガントリ3のリングの内側に配置されている。第2診断用放射線照射装置26は、さらに、アイソセンタ14から第1診断用放射線照射装置25を結ぶ線分とアイソセンタ14から第2診断用放射線照射装置26を結ぶ線分とのなす角が直角(90度)になるように、配置されている。
【0043】
第1診断用放射線照射装置25は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、所定のタイミングで第1診断用放射線31をアイソセンタ14に向けて発射する。第1診断用放射線31は、第1診断用放射線照射装置25が有する仮想的点線源から放射され、その仮想的点線源を頂点とする円錐状のコーンビームである。第2診断用放射線照射装置26は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、所定のタイミングで第2診断用放射線32をアイソセンタ14に向けて発射する。第2診断用放射線32は、第2診断用放射線照射装置26が有する仮想的点線源から放射され、その仮想的点線源を頂点とする円錐状のコーンビームである。
【0044】
第1撮像装置27は、受光部を備えている。第1撮像装置27は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、所定の期間にその受光部に受光されるX線に基づいて第1透視画像を撮像する。その第1透視画像は、複数のピクセルを複数の輝度に対応づけている。その複数のピクセルは、その第1透視画像上にマトリクス状に配置され、その受光部にマトリクス状に充填される複数の領域に対応している。その複数の輝度のうちの任意のピクセルに対応する輝度は、その複数の領域のうちのその任意のピクセルに対応する領域と第1診断用放射線31が放射される仮想的点線源とを結ぶ線分上に配置される物体をX線が透過する透過率に対応している。第1撮像装置27としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。第1撮像装置27は、走行ガントリ3に支持され、アイソセンタ14がその第1透視画像の中央に映し出されるように、配置されている。すなわち、第1撮像装置27は、第1撮像装置27の受光部の中央と第1診断用放射線31が放射される仮想的点線源とアイソセンタ14とが直線上に配置されるように、配置されている。
【0045】
第2撮像装置28は、受光部を備えている。第2撮像装置28は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、所定の期間にその受光部に受光されるX線に基づいて第2透視画像を撮像する。その第2透視画像は、複数のピクセルを複数の輝度に対応づけている。その複数のピクセルは、その第2透視画像上にマトリクス状に配置され、その受光部にマトリクス状に充填される複数の領域に対応している。その複数の輝度のうちの任意のピクセルに対応する輝度は、その複数の領域のうちのその任意のピクセルに対応する領域と第2診断用放射線32が放射される仮想的点線源とを結ぶ線分上に配置される物体をX線が透過する透過率に対応している。第2撮像装置28としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。第2撮像装置28は、走行ガントリ3に支持され、アイソセンタ14がその第2透視画像の中央に映し出されるように、配置されている。すなわち、第2撮像装置28は、第2撮像装置28の受光部の中央と第2診断用放射線32が放射される仮想的点線源とアイソセンタ14とが直線上に配置されるように、配置されている。
【0046】
放射線治療装置1は、さらに、カウチ33とカウチ駆動装置34とを備えている。カウチ33は、X軸とY軸とZ軸とに平行に平行移動することができるように、かつ、そのX軸を中心に回転移動することができるように、基礎に支持されている。そのX軸とY軸とZ軸とは、互いに直交している。カウチ33は、その放射線治療システムにより治療される患者35が横臥することに利用される。カウチ33は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、患者35が動かないように、患者35をカウチ33に固定する。カウチ駆動装置34は、放射線治療装置制御装置10により制御されることにより、カウチ33を回転移動させ、カウチ33を平行移動させる。
【0047】
図3は、放射線治療装置制御装置10を示している。放射線治療装置制御装置10は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置とリムーバルメモリドライブと通信装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、放射線治療装置制御装置10にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置とリムーバルメモリドライブと通信装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録する。その記憶装置は、さらに、そのCPUにより利用される情報を記録する。そのリムーバルメモリドライブは、コンピュータプログラムが記録されている記録媒体が挿入されたときに、そのコンピュータプログラムを放射線治療装置制御装置10にインストールするときに利用される。その通信装置は、通信回線網を介して放射線治療装置制御装置10に接続される他のコンピュータからコンピュータプログラムを放射線治療装置制御装置10にダウンロードし、そのコンピュータプログラムを放射線治療装置制御装置10にインストールするときに利用される。その入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボード、マウスが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識されることができるように出力する。その出力装置としては、そのCPUにより生成された画像を表示するディスプレイが例示される。
【0048】
そのインターフェースは、放射線治療装置制御装置10に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、コンピュータ断層撮影装置20と治療用放射線照射装置6とリング駆動装置21とガントリ駆動装置とジンバル装置23と第1診断用放射線照射装置25と第2診断用放射線照射装置26と第1撮像装置27と第2撮像装置28とカウチ駆動装置34とを含んでいる。
【0049】
放射線治療装置制御装置10にインストールされるコンピュータプログラムは、放射線治療装置制御装置10に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、治療計画収集部41と患者位置合わせ部42と第1撮影部43と第2撮影部44と第1二次元位置算出部45と第2二次元位置算出部46と第1二次元位置予測部47と第2二次元位置予測部48と三次元位置算出部49とジンバル駆動部50と照射部51とを含んでいる。
【0050】
治療計画収集部41は、入力装置から治療計画を収集する。その治療計画は、コンピュータ断層撮影装置20により撮影された患者35の三次元データに基づいて作成され、曝射方向と線量とを示している。その曝射方向は、患者35に対して治療用放射線照射装置6が配置される方向を示し、治療時リング角度と治療時ガントリ角度とを示している。その治療時リング角度は、基礎に対してOリング2が配置される位置を示している。その治療時ガントリ角度は、Oリング2に対して走行ガントリ3が配置される位置を示している。その線量は、その曝射方向から患者35に曝射される治療用放射線24の線量を示している。
【0051】
治療計画収集部41は、さらに、その治療計画を作成するときに利用された三次元データをコンピュータ断層撮影装置20から収集する。その三次元データは、複数のボクセルに複数のCT値を対応付けている。治療計画収集部41は、その三次元データに基づいて計画時位置を算出する。その計画時位置は、その三次元データを再構成する際にコンピュータ断層撮影装置20により複数の透視画像が撮影された時に患者35が配置された位置と向きとを示している。このとき、その治療計画が示す曝射方向は、その計画時位置に配置された患者35に治療用放射線24を曝射する方向を示している。
【0052】
患者位置合わせ部42は、カウチ33に横臥した患者35を映す位置合わせ時第1透視画像と位置合わせ時第2透視画像とが撮影されるように、放射線治療装置1を制御する。すなわち、患者位置合わせ部42は、患者35がカウチ33に固定されているときに、基礎に対してカウチ33が適当な位置に配置されるように、カウチ駆動装置34を制御する。患者位置合わせ部42は、さらに、基礎に対してOリング2が適当なリング角度に配置されるように、リング駆動装置21を制御する。患者位置合わせ部42は、さらに、Oリング2に対して走行ガントリ3が適当なガントリ角度に配置されるように、放射線治療装置1のガントリ駆動装置を制御する。
【0053】
患者位置合わせ部42は、さらに、Oリング2と走行ガントリ3とがその適当な位置にそれぞれ配置されているときに、第1診断用放射線31が曝射されるように、第1診断用放射線照射装置25を制御する。患者位置合わせ部42は、さらに、第1診断用放射線31が患者35に曝射されたときに、患者35を透過したX線に基づいて位置合わせ時第1透視画像が撮像されるように、第1撮像装置27を制御する。
【0054】
患者位置合わせ部42は、さらに、Oリング2と走行ガントリ3とがその適当な位置にそれぞれ配置されているときに、第2診断用放射線32が曝射されるように、第2診断用放射線照射装置26を制御する。患者位置合わせ部42は、さらに、第2診断用放射線32が患者35に曝射されたときに、患者35を透過したX線に基づいて位置合わせ時第2透視画像が撮像されるように、第2撮像装置28を制御する。
【0055】
患者位置合わせ部42は、さらに、その位置合わせ時第1透視画像とその位置合わせ時第2透視画像とに基づいて位置合わせ時位置を算出する。その位置合わせ位置は、その位置合わせ時第1透視画像とその位置合わせ時第2透視画像とが撮影された時に患者35が配置された位置と向きとを示している。患者位置合わせ部42は、その位置合わせ時位置に配置された患者35が治療計画収集部41により算出された計画時位置に移動するように、その位置合わせ時位置に基づいてカウチ駆動装置34を制御する。
【0056】
患者位置合わせ部42は、さらに、治療計画収集部41により収集された治療計画が示す曝射方向に基づいて、放射線治療装置1を制御する。すなわち、患者位置合わせ部42は、さらに、その曝射方向が示す治療時リング角度にOリング2が配置されるように、リング駆動装置21を制御する。患者位置合わせ部42は、さらに、その曝射方向が示す治療時ガントリ角度に走行ガントリ3が配置されるように、放射線治療装置1のガントリ駆動装置を制御する。
【0057】
第1撮影部43は、治療計画収集部41により収集された治療計画の曝射方向が示す治療時リング角度にOリング2が配置されているときに、かつ、その曝射方向が示す治療時ガントリ角度に走行ガントリ3が配置されているときに、複数の第1撮影タイミングに複数の第1透視画像がそれぞれ撮影されるように、放射線治療装置1を制御する。すなわち、第1撮影部43は、その複数の第1撮影タイミングに第1診断用放射線31がアイソセンタ14に向けて発射されるように、第1診断用放射線照射装置25を制御する。第1撮影部43は、その複数の第1撮影タイミングに患者35を透過したX線に基づいて複数の第1透視画像がそれぞれ撮像されるように、第1撮像装置27を制御する。
【0058】
第2撮影部44は、治療計画収集部41により収集された治療計画の曝射方向が示す治療時リング角度にOリング2が配置されているときに、かつ、その曝射方向が示す治療時ガントリ角度に走行ガントリ3が配置されているときに、複数の第2撮影タイミングに複数の第2透視画像がそれぞれ撮影されるように、放射線治療装置1を制御する。すなわち、第2撮影部44は、その複数の第2撮影タイミングに第2診断用放射線32がアイソセンタ14に向けて発射されるように、第2診断用放射線照射装置26を制御する。第2撮影部44は、その複数の第2撮影タイミングに患者35を透過したX線に基づいて複数の第2透視画像がそれぞれ撮像されるように、第2撮像装置28を制御する。
【0059】
第1二次元位置算出部45は、第1撮影部43により撮影された複数の第1透視画像の各々が正常に撮影されたかどうかを判別する。第1二次元位置算出部45は、第1撮影部43により第1透視画像が正常に撮影されたときに、その第1透視画像に基づいて第1測定二次元位置を算出する。その第1測定二次元位置は、その第1透視画像に患者35の患部が映し出されている位置を示している。第1二次元位置算出部45は、さらに、その複数の第1測定二次元位置を記憶装置に記録する。
【0060】
第2二次元位置算出部46は、第2撮影部44により撮影された複数の第2透視画像の各々が正常に撮影されたかどうかを判別する。第2二次元位置算出部46は、第2撮影部44により第2透視画像が正常に撮影されたときに、その第2透視画像に基づいて第2測定二次元位置を算出する。その第2測定二次元位置は、その第2透視画像に患者35の患部が映し出されている位置を示している。第2二次元位置算出部46は、さらに、その複数の第2測定二次元位置を記憶装置に記録する。
【0061】
第1二次元位置予測部47は、第1二次元位置算出部45により算出された複数の第1測定二次元位置に基づいて、複数の第1時刻に対応する複数の第1予測二次元位置を算出する。第1二次元位置予測部47は、さらに、その複数の第1予測二次元位置を記憶装置に記録する。
【0062】
第2二次元位置予測部48は、第2二次元位置算出部46により算出された複数の第2測定二次元位置に基づいて、複数の第2時刻に対応する複数の第2予測二次元位置を算出する。第2二次元位置予測部48は、さらに、その複数の第2予測二次元位置を記憶装置に記録する。
【0063】
三次元位置算出部49は、第1二次元位置予測部47により算出された複数の第1予測二次元位置と第2二次元位置予測部48により算出された複数の第2予測二次元位置とに基づいて、複数の予測対象時刻に対応する複数の三次元位置を算出する。
【0064】
ジンバル駆動部50は、三次元位置算出部49により算出された複数の三次元位置に基づいて制御量を算出する。その制御量は、治療用放射線照射装置6が所定の時刻に所定の三次元位置に向くようにジンバル装置23を制御するときに利用される情報を示している。その制御量は、その複数の予測対象時刻のうちの任意の予測対象時刻にその複数の三次元位置のうちのその任意の予測対象時刻に対応する三次元位置に治療用放射線照射装置6が向くように、算出される。ジンバル駆動部50は、さらに、その制御量に基づいて、その任意の予測対象時刻にその三次元位置に治療用放射線照射装置6が向くように、ジンバル装置23を制御する。
【0065】
照射部51は、第1撮影部43により撮影された複数の第1透視画像と第2撮影部44により撮影された複数の第1透視画像とに基づいて、その複数の予測対象時刻に対応する複数の形状を算出する。その複数の形状のうちの任意の予測対象時刻に対応する形状は、その任意の予測対象時刻での患者35の患部の形状を示している。照射部51は、その複数の予測対象時刻のうちの任意の予測対象時刻に、その複数の形状のうちのその任意の予測対象時刻に対応する形状に治療用放射線24の照射野の形状が対応するように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0066】
照射部51は、さらに、三次元位置算出部49により複数の三次元位置の各々が正常に算出されたかどうかを判別する。照射部51は、三次元位置算出部49により三次元位置が正常に算出されたときに、その複数の予測対象時刻のうちのその正常である三次元位置に対応する予測対象時刻に治療用放射線24が発射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。照射部51は、三次元位置算出部49により三次元位置が正常に算出されなかったときに、その複数の予測対象時刻のうちのその正常でない三次元位置に対応する予測対象時刻に治療用放射線24が発射されないように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0067】
図4は、第1撮影部43により複数の第1透視画像がそれぞれ撮影される複数の第1撮影タイミングを示している。複数の第1撮影タイミング53は、第1撮影部43が周期54ごとに第1透視画像を繰り返し撮影することを示している。周期54としては、100m秒が例示される。図4は、さらに、第2撮影部44により複数の第2透視画像がそれぞれ撮影される複数の第2撮影タイミングを示している。複数の第2撮影タイミング55は、第2撮影部44が周期56ごとに第2透視画像を繰り返し撮影することを示している。周期56は、周期54と等しい。このとき、複数の第1撮影タイミング53は、複数の第2撮影タイミング55のうちの任意の2つの時刻撮影の間に配置される撮影時刻を含むように、設計されている。さらに、複数の第2撮影タイミング55は、複数の第1撮影タイミング53のうちの任意の2つの時刻撮影の間に配置される撮影時刻を含むように、設計されている。すなわち、複数の第1撮影タイミング53と複数の第2撮影タイミング55とは、その第1透視画像とその第2透視画像とが交互に撮影されることを示している。
【0068】
複数の第1撮影タイミング53と複数の第2撮影タイミング55とは、第1撮影部43が第1透視画像を撮影してから期間57が経過した後に、第2撮影部44が第2透視画像を撮影することを示している。複数の第1撮影タイミング53と複数の第2撮影タイミング55とは、さらに、第2撮影部44が第2透視画像を撮影してから期間58が経過した後に、第1撮影部43が第1透視画像を撮影することを示している。期間58は、期間57と等しい。すなわち、複数の第1撮影タイミング53と複数の第2撮影タイミング55とは、その第1透視画像またはその第2透視画像が周期的に撮影されることを示している。その第1透視画像とその第2透視画像とが撮影される周期は、期間58に等しく、期間57に等しく、すなわち、周期54の半分に等しく、周期56の半分に等しい。
【0069】
図4は、さらに、放射線治療装置制御装置10によりその複数の第1透視画像がそれぞれ画像処理される複数の第1画像処理タイミングを示している。その複数の第1画像処理タイミング59は、複数の第1撮影タイミング53に対応している。複数の第1画像処理タイミング59のうちの任意の第1画像処理タイミングは、複数の第1撮影タイミング53のうちのその任意の第1画像処理タイミングに対応する第1撮影タイミングから所定の期間60だけ経過した後のタイミングである。すなわち、複数の第1画像処理タイミング59は、第1診断用放射線照射装置25が第1診断用放射線31を発射してから所定の期間60だけ経過した後に、第1撮像装置27が撮像した1枚の第1透視画像が放射線治療装置制御装置10に伝達されることを示している。期間60としては、60m秒が例示される。複数の第1画像処理タイミング59は、さらに、複数の第1撮影タイミング53のうちの任意の第1撮影タイミングに撮影された第1透視画像が、複数の第1画像処理タイミング59のうちのその任意の第1画像処理タイミングに対応する第1画像処理タイミングに、放射線治療装置制御装置10により画像処理されることを示している。
【0070】
図4は、さらに、放射線治療装置制御装置10によりその複数の第2透視画像がそれぞれ画像処理される複数の第2画像処理タイミングを示している。その複数の第2画像処理タイミング61は、複数の第2撮影タイミング55に対応している。複数の第2画像処理タイミング61のうちの任意の第2画像処理タイミングは、複数の第2撮影タイミング55のうちのその任意の第2画像処理タイミングに対応する第2撮影タイミングから所定の期間62だけ経過した後のタイミングである。すなわち、複数の第2画像処理タイミング61は、第2診断用放射線照射装置26が第2診断用放射線32を発射してから所定の期間62だけ経過した後に、第2撮像装置28が撮像した1枚の第2透視画像が放射線治療装置制御装置10に伝達されることを示している。期間62は、期間60に等しい。複数の第2画像処理タイミング61は、さらに、複数の第2撮影タイミング55のうちの任意の第2撮影タイミングに撮影された第2透視画像が、複数の第2画像処理タイミング61のうちのその任意の第2画像処理タイミングに対応する第2画像処理タイミングに、放射線治療装置制御装置10により画像処理されることを示している。
【0071】
複数の第1画像処理タイミング59と複数の第2画像処理タイミング61とは、その第1測定二次元位置とその第2測定二次元位置とが交互に算出されることを示している。複数の第1画像処理タイミング59と複数の第2画像処理タイミング61とは、さらに、その第1測定二次元位置とその第2測定二次元位置とが周期的に算出されることを示している。その第1測定二次元位置とその第2測定二次元位置とが算出される周期は、期間58に等しく、期間57に等しく、すなわち、周期54の半分に等しく、周期56の半分に等しい。
【0072】
図4は、さらに、ジンバル駆動部50により制御量が算出される複数の送信タイミングを示している。その複数の送信タイミング63は、ジンバル駆動部50が周期64ごとに制御量を算出することを示している。周期64は、期間58に等しく、期間57に等しく、すなわち、周期54の半分に等しく、周期56の半分に等しい。複数の送信タイミング63の各々は、複数の第1画像処理タイミング59と複数の第2画像処理タイミング61とのうちのいずれか1つの画像処理タイミングに対応している。すなわち、複数の送信タイミング63のうちの任意の送信タイミングは、その送信タイミングが複数の第1画像処理タイミング59に対応しているときに、複数の第1画像処理タイミング59のうちのその送信タイミングに対応する第1画像処理タイミングの直後であり、その送信タイミングが複数の第2画像処理タイミング61に対応しているときに、複数の第2画像処理タイミング61のうちのその送信タイミングに対応する第2画像処理タイミングの直後である。
【0073】
図5は、第1二次元位置算出部45により記憶装置に記録された複数の第1測定二次元位置を示している。その複数の第1測定二次元位置71は、複数の第1撮影時刻に対応づけられている。その複数の第1撮影時刻は、複数の第1撮影タイミング53に一致している。複数の第1測定二次元位置71のうちの任意の時刻t(kは、奇数である。)に対応する第1測定二次元位置Pは、その複数の第1透視画像のうちの時刻tに撮影された第1透視画像に患者35の患部が映し出されている位置を示している。その複数の第1撮影時刻のうちの時刻tk−2は、時刻tより前にその第1透視画像が撮影された第1撮影タイミング53のうちの最後の第1撮影タイミングを示している。第1測定二次元位置Pは、複数の第1画像処理タイミング59のうちの第1撮影タイミングである時刻tに対応する第1画像処理タイミングに算出される。
【0074】
図5は、さらに、第1二次元位置予測部47により記憶装置に記録された複数の第1予測二次元位置を示している。その複数の第1予測二次元位置72は、複数の第1時刻に対応づけられている。その複数の第1時刻は、複数の第1撮影時刻に一致している。その複数の第1予測二次元位置のうちの時刻tに対応する第1予測二次元位置Qは、患者35の患部が時刻tに配置されると予想される位置を示している。
【0075】
第1二次元位置予測部47は、図5に示されているように、複数の第1画像処理タイミング59のうちの時刻tに対応する第1画像処理タイミングに、複数の第1測定二次元位置71に基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。複数の第1測定二次元位置71は、第1測定二次元位置Pと第1測定二次元位置Pk−2と第1測定二次元位置Pk−4と第1測定二次元位置Pk−6と第1測定二次元位置Pk−8と第1測定二次元位置Pk−10とから形成されている。第1測定二次元位置Pは、時刻tに対応している。第1測定二次元位置Pk−2は、時刻tk−2に対応している。第1測定二次元位置Pk−4は、時刻tk−4に対応している。第1測定二次元位置Pk−6は、時刻tk−6に対応している。第1測定二次元位置Pk−8は、時刻tk−8に対応している。第1測定二次元位置Pk−10は、時刻tk−10に対応している。複数の第1予測二次元位置73は、第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とから形成されている。第1予測二次元位置Qk+2は、時刻tk+2に対応している。第1予測二次元位置Qk+4は、時刻tk+2に対応している。
【0076】
詳細には、第1予測二次元位置Qk+2は、第1測定二次元位置Pと第1測定二次元位置Pk−2と第1測定二次元位置Pk−4と第1測定二次元位置Pk−6と第1測定二次元位置Pk−8と第1測定二次元位置Pk−10とに基づいて算出される。第1予測二次元位置Qk+4は、第1予測二次元位置Qk+2と第1測定二次元位置Pと第1測定二次元位置Pk−2と第1測定二次元位置Pk−4と第1測定二次元位置Pk−6と第1測定二次元位置Pk−8とに基づいて算出される。このように過去の二次元位置から未来の二次元位置を予測するアルゴリズムとしては、線形予測モデル、Levinson−Durbinアルゴリズムが例示される。
【0077】
このとき、第1二次元位置予測部47は、第1予測二次元位置Qk+2を記憶装置に記録する。
【0078】
第1測定二次元位置Pは、時刻tに第1透視画像が正常に撮影されないときに、正常に算出されないことがある。たとえば、第1測定二次元位置Pは、時刻tに第1診断用放射線照射装置25により第1診断用放射線31が正常に曝射されなかったときに、時刻tに第1撮像装置27により第1透視画像が正常に放射線治療装置制御装置10に送信されなかったときに、正常に算出されない。第1二次元位置予測部47は、第1測定二次元位置Pが正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pに置換して第1予測二次元位置Qに基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。第1二次元位置予測部47は、第1測定二次元位置Pk−2が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−2に置換して第1予測二次元位置Qk−2に基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。第1二次元位置予測部47は、第1測定二次元位置Pk−4が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−4に置換して第1予測二次元位置Qk−4に基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。第1二次元位置予測部47は、第1測定二次元位置Pk−6が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−6に置換して第1予測二次元位置Qk−6に基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。第1二次元位置予測部47は、第1測定二次元位置Pk−8が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−8に置換して第1予測二次元位置Qk−8に基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。第1二次元位置予測部47は、第1測定二次元位置Pk−10が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−10に置換して第1予測二次元位置Qk−10に基づいて複数の第1予測二次元位置73を算出する。
【0079】
第2二次元位置算出部46は、第1二次元位置算出部45と同様にして、第2二次元位置を算出する。すなわち、第2二次元位置算出部46は、第2画像処理タイミング61のうちの時刻tk+1に対応する第2画像処理タイミングに、時刻tk+1に撮影された第2透視画像に基づいて第2測定二次元位置Pk+1を算出する。
【0080】
第2二次元位置予測部48は、第1二次元位置予測部47と同様にして、第2予測二次元位置を算出する。すなわち、第2二次元位置予測部48は、第2画像処理タイミング61のうちの時刻tk+1に対応する第2画像処理タイミングに、第2測定二次元位置Pk+1と第2測定二次元位置Pk−1と第2測定二次元位置Pk−3と第2測定二次元位置Pk−5と第2測定二次元位置Pk−7と第2測定二次元位置Pk−9とに基づいて第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。
【0081】
第2二次元位置予測部48は、第2測定二次元位置Pk+1が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk+1に置換して第2予測二次元位置Qk+1に基づいて、第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。第2二次元位置予測部48は、第2測定二次元位置Pk−1が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−1に置換して第2予測二次元位置Qk−1に基づいて、第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。第2二次元位置予測部48は、第2測定二次元位置Pk−3が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−3に置換して第2予測二次元位置Qk−3に基づいて、第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。第2二次元位置予測部48は、第2測定二次元位置Pk−5が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−5に置換して第2予測二次元位置Qk−5に基づいて、第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。第2二次元位置予測部48は、第2測定二次元位置Pk−7が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−7に置換して第2予測二次元位置Qk−7に基づいて、第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。第2二次元位置予測部48は、第2測定二次元位置Pk−9が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−9に置換して第2予測二次元位置Qk−9に基づいて、第1予測二次元位置Qk+3と第1予測二次元位置Qk+5とを算出する。
【0082】
図6は、三次元位置算出部49により算出される複数の三次元位置を示している。その複数の三次元位置81は、複数の予測対象時刻に対応している。その複数の予測対象時刻の各々は、その複数の第1時刻とその複数の第2時刻とのうちのいずれか1つの時刻に対応している。
【0083】
複数の三次元位置81のうちの時刻t(iは、偶数)に対応する三次元位置pは、第1予測二次元位置Qi−1と第1予測二次元位置Qi+1と第2予測二次元位置Qとに基づいて算出される。第1予測二次元位置Qi−1は、時刻ti−3に対応する第1画像処理タイミングに第1二次元位置予測部47により算出された第1予測二次元位置のうちの時刻ti−1に対応する第1予測二次元位置を示している。第1予測二次元位置Qi+1は、時刻ti−3に対応する第1画像処理タイミングに第1二次元位置予測部47により算出された第1予測二次元位置のうちの時刻ti+1に対応する第1予測二次元位置を示している。第2予測二次元位置Qは、時刻ti−4に対応する第2画像処理タイミングに第2二次元位置予測部48により算出された第2予測二次元位置のうちの時刻tに対応する第1予測二次元位置を示している。
【0084】
三次元位置pは、第1画像処理タイミング59のうちの時刻ti−3に対応する第1画像処理タイミングに算出される。
【0085】
ジンバル駆動部50は、複数の送信タイミング63のうちの三次元位置pが算出された第1画像処理タイミングの直後の送信タイミングに、三次元位置pに基づいて制御量を算出する。その制御量は、時刻tに三次元位置p治療用放射線照射装置6が向くように、時刻ti−1から時刻tまでの期間に治療用放射線照射装置6が回転移動する経路を示している。ジンバル駆動部50は、時刻ti−1から時刻tまでの期間にその経路どおりに回転移動して時刻tに三次元位置p治療用放射線照射装置6が向くように、ジンバル装置23を制御する。
【0086】
照射部51は、第1予測二次元位置Qi−1と第1予測二次元位置Qi+1と第2予測二次元位置Qとが算出されるときに利用された複数の二次元位置に基づいて、三次元位置pが正常に算出されたかどうかを判別する。すなわち、三次元位置pは、第1予測二次元位置Qi−1と第1予測二次元位置Qi+1とが、第1測定二次元位置Pi−3と第1測定二次元位置Pi−5とに置換して第1予測二次元位置Qi−3と第1予測二次元位置Qi−5とに基づいて算出されたときに、正常に算出されなかったと判別される。三次元位置pは、第2予測二次元位置Qが、第2測定二次元位置Pi−4と第2測定二次元位置Pi−6とに置換して第2予測二次元位置Qi−4と第2予測二次元位置Qi−6とに基づいて算出されたときに、正常に算出されなかったと判別される。
【0087】
照射部51は、三次元位置pが正常に算出されたときに、時刻tに治療用放射線24が発射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。照射部51は、三次元位置pが正常に算出されなかったときに、時刻tに治療用放射線24が発射されないように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0088】
複数の三次元位置81のうちの時刻t(jは、奇数である。)に対応する三次元位置pは、第2予測二次元位置Qj−1と第2予測二次元位置Qj+1と第1予測二次元位置Qとに基づいて算出される。第2予測二次元位置Qj−1は、時刻tj−3に対応する第2画像処理タイミングに第2二次元位置予測部48により算出された第2予測二次元位置のうちの時刻tj−1に対応する第2予測二次元位置を示している。第2予測二次元位置Qj+1は、時刻tj−3に対応する第2画像処理タイミングに第2二次元位置予測部48により算出された第2予測二次元位置のうちの時刻tj+1に対応する第2予測二次元位置を示している。第1予測二次元位置Qは、時刻tj−4に対応する第1画像処理タイミングに第1二次元位置予測部47により算出された第1予測二次元位置のうちの時刻tに対応する第2予測二次元位置を示している。
【0089】
三次元位置pは、第2画像処理タイミング61のうちの時刻tj−3に対応する第2画像処理タイミングに算出される。
【0090】
ジンバル駆動部50は、複数の送信タイミング63のうちの三次元位置pが算出された第1画像処理タイミングの直後の送信タイミングに、三次元位置pに基づいて制御量を算出する。その制御量は、時刻tに三次元位置p治療用放射線照射装置6が向くように、時刻tj−1から時刻tまでの期間に治療用放射線照射装置6が回転移動する経路を示している。ジンバル駆動部50は、時刻tj−1から時刻tまでの期間にその経路どおりに回転移動して時刻tに三次元位置p治療用放射線照射装置6が向くように、ジンバル装置23を制御する。
【0091】
照射部51は、第2予測二次元位置Qj−1と第2予測二次元位置Qj+1と第1予測二次元位置Qとが算出されるときに利用された複数の二次元位置に基づいて、三次元位置pが正常に算出されたかどうかを判別する。すなわち、三次元位置pは、第2予測二次元位置Qj−1と第2予測二次元位置Qj+1とが、第2測定二次元位置Pj−3と第2測定二次元位置Pj−5とに置換して第2予測二次元位置Qj−3と第2予測二次元位置Qj−5とに基づいて算出されたときに、正常に算出されなかったと判別される。三次元位置pは、第1予測二次元位置Qが、第1測定二次元位置Pj−4と第1測定二次元位置Pj−6とに置換して第1予測二次元位置Qj−4と第1予測二次元位置Qj−6とに基づいて算出されたときに、正常に算出されなかったと判別される。
【0092】
照射部51は、三次元位置pが正常に算出されたときに、時刻tに治療用放射線24が発射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。照射部51は、三次元位置pが正常に算出されなかったときに、時刻tに治療用放射線24が発射されないように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0093】
本発明による放射線治療装置制御方法の実施の形態は、放射線治療装置制御装置10により実行され、治療計画収集動作と患者位置合わせ動作と放射線治療動作とを備えている。
【0094】
その治療計画収集動作では、ユーザは、まず、入力装置を介して、事前に作成された治療計画を放射線治療装置制御装置10に入力する。その治療計画は、曝射方向と線量とを示している。その曝射方向は、患者35に対して治療用放射線照射装置6が配置される方向を示し、治療時リング角度と治療時ガントリ角度とを示している。その治療時リング角度は、基礎に対してOリング2が配置される位置を示している。その治療時ガントリ角度は、Oリング2に対して走行ガントリ3が配置される位置を示している。その線量は、その曝射方向から患者35に曝射される治療用放射線24の線量を示している。放射線治療装置制御装置10は、さらに、その治療計画を作成するときに利用された三次元データをコンピュータ断層撮影装置20から収集する。放射線治療装置制御装置10は、さらに、その三次元データをコンピュータ断層撮影装置20から収集する。その三次元データは、複数のボクセルに複数のCT値を対応付けている。放射線治療装置制御装置10は、その三次元データに基づいて計画時位置を算出する。その計画時位置は、その三次元データを再構成する際にコンピュータ断層撮影装置20により複数の透視画像が撮影された時に患者35が配置された位置と向きとを示している。このとき、その治療計画が示す曝射方向は、その計画時位置に配置された患者35に治療用放射線24を曝射する方向を示している。
【0095】
その患者位置合わせ動作では、ユーザは、患者35をカウチ33に横臥させた後に、固定具を用いて患者35をカウチ33に固定する。放射線治療装置制御装置10は、患者35がカウチ33に固定されているときに、基礎に対してカウチ33が適当な位置に配置されるように、カウチ駆動装置34を制御する。放射線治療装置制御装置10は、さらに、基礎に対してOリング2が適当なリング角度に配置されるように、リング駆動装置21を制御する。放射線治療装置制御装置10は、さらに、Oリング2に対して走行ガントリ3が適当なガントリ角度に配置されるように、放射線治療装置1のガントリ駆動装置を制御する。
【0096】
放射線治療装置制御装置10は、患者35を映す位置合わせ時第1透視画像と位置合わせ時第2透視画像とが撮影されるように、放射線治療装置1を制御する。すなわち、放射線治療装置制御装置10は、第1診断用放射線31が曝射されるように、第1診断用放射線照射装置25を制御する。放射線治療装置制御装置10は、第1診断用放射線31が患者35に曝射されたときに、患者35を透過したX線に基づいて位置合わせ時第1透視画像が撮像されるように、第1撮像装置27を制御する。放射線治療装置制御装置10は、第2診断用放射線32が曝射されるように、第2診断用放射線照射装置26を制御する。放射線治療装置制御装置10は、第2診断用放射線32が患者35に曝射されたときに、患者35を透過したX線に基づいて位置合わせ時第2透視画像が撮像されるように、第2撮像装置28を制御する。
【0097】
放射線治療装置制御装置10は、さらに、その位置合わせ時第1透視画像とその位置合わせ時第2透視画像とに基づいて位置合わせ時位置を算出する。その位置合わせ位置は、その位置合わせ時第1透視画像とその位置合わせ時第2透視画像とが撮影された時に患者35が配置された位置と向きとを示している。
【0098】
放射線治療装置制御装置10は、その位置合わせ位置とその計画時位置との差が所定の程度より大きいときに、その位置合わせ時位置に配置された患者35がその計画時位置に移動するように、その位置合わせ時位置に基づいてカウチ駆動装置34を制御する。放射線治療装置制御装置10は、カウチ駆動装置34を制御した後に、その位置合わせ時第1透視画像とその位置合わせ時第2透視画像とを再度撮影し、その位置合わせ時第1透視画像とその位置合わせ時第2透視画像とに基づいて位置合わせ時位置を再度算出する。
【0099】
放射線治療装置制御装置10は、その位置合わせ位置とその計画時位置との差が所定の程度より小さいときに、その治療計画が示す曝射方向に基づいて、放射線治療装置1を制御する。すなわち、放射線治療装置制御装置10は、さらに、その曝射方向が示す治療時リング角度にOリング2が配置されるように、リング駆動装置21を制御する。放射線治療装置制御装置10は、さらに、その曝射方向が示す治療時ガントリ角度に走行ガントリ3が配置されるように、放射線治療装置1のガントリ駆動装置を制御する。
【0100】
その放射線治療動作は、その患者位置合わせ動作が実行された直後に実行される。放射線治療装置制御装置10は、まず、複数の第1透視画像と複数の第2透視画像とがそれぞれ撮影されるように、放射線治療装置1を制御する。すなわち、放射線治療装置制御装置10は、複数の第1撮影タイミング53に第1診断用放射線31が発射されるように、第1診断用放射線照射装置25を制御する。放射線治療装置制御装置10は、複数の第1撮影タイミング53に複数の第1透視画像がそれぞれ撮像されるように、第1撮像装置27を制御する。放射線治療装置制御装置10は、複数の第2撮影タイミング55に第2診断用放射線32が発射されるように、第2診断用放射線照射装置26を制御する。放射線治療装置制御装置10は、複数の第2撮影タイミング55に複数の第2透視画像がそれぞれ撮像されるように、第2撮像装置28を制御する。
【0101】
放射線治療装置制御装置10は、第1画像処理タイミング59のうちの時刻tに対応する第1画像処理タイミングに、時刻tに撮影された第1透視画像が正常に撮影されたかどうかを判別する。放射線治療装置制御装置10は、その第1透視画像が正常に撮影されたときに、その第1透視画像に基づいて第1測定二次元位置Pを算出し、第1測定二次元位置Pを記憶装置に記録する。第1測定二次元位置Pは、その第1透視画像に患者35の患部が映し出されている位置を示している。
【0102】
放射線治療装置制御装置10は、第1画像処理タイミングに、さらに、記憶装置に記録された第1測定二次元位置Pと第1測定二次元位置Pk−2と第1測定二次元位置Pk−4と第1測定二次元位置Pk−6と第1測定二次元位置Pk−8と第1測定二次元位置Pk−10とに基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出し、第1予測二次元位置Qk+2を記憶装置に記録する。第1予測二次元位置Qk+2は、時刻tk+2に撮影される第1透視画像に患者35の患部が映し出されると予想される位置を示している。第1予測二次元位置Qk+4は、時刻tk+4に撮影される第1透視画像に患者35の患部が映し出されると予想される位置を示している。
【0103】
放射線治療装置制御装置10は、第1測定二次元位置Pが正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pに置換して第1予測二次元位置Qに基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第1測定二次元位置Pk−2が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−2に置換して第1予測二次元位置Qk−2に基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第1測定二次元位置Pk−4が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−4に置換して第1予測二次元位置Qk−4に基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第1測定二次元位置Pk−6が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−6に置換して第1予測二次元位置Qk−6に基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第1測定二次元位置Pk−8が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−8に置換して第1予測二次元位置Qk−8に基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第1測定二次元位置Pk−10が正常に算出されなかったときに、第1測定二次元位置Pk−10に置換して第1予測二次元位置Qk−10に基づいて第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とを算出する。
【0104】
放射線治療装置制御装置10は、第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4と過去に記憶装置に記録された第2予測二次元位置Qk+3とに基づいて三次元位置pk+3を算出する。三次元位置pk+3は、時刻tk+3に患者35の患部が配置されると予想される位置を示している。
【0105】
放射線治療装置制御装置10は、複数の送信タイミング63のうちの三次元位置pk+3が算出された第1画像処理タイミングの直後の送信タイミングに、三次元位置pk+3に基づいて制御量を算出する。その制御量は、時刻tk+3に三次元位置pk+3に治療用放射線照射装置6が向くように、時刻tk+2から時刻tk+3までの期間に治療用放射線照射装置6が回転移動する経路を示している。放射線治療装置制御装置10は、時刻tk+2から時刻tk+3までの期間にその経路どおりに回転移動して時刻tk+3に三次元位置pk+3に治療用放射線照射装置6が向くように、ジンバル装置23を制御する。
【0106】
放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+3が正常に算出されたかどうかを判別する。すなわち、放射線治療装置制御装置10は、第1予測二次元位置Qk+2と第1予測二次元位置Qk+4とが、第1測定二次元位置Pと第1測定二次元位置Pk−2とに置換して第1予測二次元位置Qと第1予測二次元位置Qk−2とに基づいて算出されたときに、三次元位置pk+3が正常に算出されなかったと判別する。放射線治療装置制御装置10は、さらに、第2予測二次元位置Qk+3が、第2測定二次元位置Pk−1と第2測定二次元位置Pk−3とに置換して第2予測二次元位置Qk−1と第2予測二次元位置Qk−3とに基づいて算出されたときに、三次元位置pk+3が正常に算出されなかったと判別する。
【0107】
放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+3が正常に算出されたときに、時刻tk+2から時刻tk+3までの期間に治療用放射線24が発射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+3が正常に算出されなかったときに、時刻tk+2から時刻tk+3まで治療用放射線24が発射されないように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0108】
放射線治療装置制御装置10は、さらに、第2画像処理タイミング61のうちの時刻tk+1に対応する第2画像処理タイミングに、時刻tk+1に撮影された第2透視画像が正常に撮影されたかどうかを判別する。放射線治療装置制御装置10は、その第2透視画像が正常に撮影されたときに、その第2透視画像に基づいて第2測定二次元位置Pk+1を算出し、第2測定二次元位置Pk+1を記憶装置に記録する。第2測定二次元位置Pk+1は、その第2透視画像に患者35の患部が映し出されている位置を示している。
【0109】
放射線治療装置制御装置10は、第2画像処理タイミングに、さらに、記憶装置に記録された第2測定二次元位置Pk+1と第2測定二次元位置Pk−1と第2測定二次元位置Pk−3と第2測定二次元位置Pk−5と第2測定二次元位置Pk−7と第2測定二次元位置Pk−9とに基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出し、第2予測二次元位置Qk+3を記憶装置に記録する。第2予測二次元位置Qk+3は、時刻tk+3に撮影される第2透視画像に患者35の患部が映し出されると予想される位置を示している。第2予測二次元位置Qk+5は、時刻tk+5に撮影される第2透視画像に患者35の患部が映し出されると予想される位置を示している。
【0110】
放射線治療装置制御装置10は、第2測定二次元位置Pk+1が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk+1に置換して第2予測二次元位置Qk+1に基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第2測定二次元位置Pk−1が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−1に置換して第2予測二次元位置Qk−1に基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第2測定二次元位置Pk−3が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−3に置換して第2予測二次元位置Qk−3に基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第2測定二次元位置Pk−5が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−5に置換して第2予測二次元位置Qk−5に基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第2測定二次元位置Pk−7が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−7に置換して第2予測二次元位置Qk−7に基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出する。放射線治療装置制御装置10は、第2測定二次元位置Pk−9が正常に算出されなかったときに、第2測定二次元位置Pk−9に置換して第2予測二次元位置Qk−9に基づいて第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とを算出する。
【0111】
放射線治療装置制御装置10は、第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5と過去に記憶装置に記録された第1予測二次元位置Qk+4とに基づいて三次元位置pk+4を算出する。三次元位置pk+4は、時刻tk+4に患者35の患部が配置されると予想される位置を示している。
【0112】
放射線治療装置制御装置10は、複数の送信タイミング65のうちの三次元位置pk+4が算出された第2画像処理タイミングの直後の送信タイミングに、三次元位置pk+4に基づいて制御量を算出する。その制御量は、時刻tk+4に三次元位置pk+4に治療用放射線照射装置6が向くように、時刻tk+3から時刻tk+4までの期間に治療用放射線照射装置6が回転移動する経路を示している。放射線治療装置制御装置10は、時刻tk+3から時刻tk+4までの期間にその経路どおりに回転移動して時刻tk+4に三次元位置pk+4に治療用放射線照射装置6が向くように、ジンバル装置23を制御する。
【0113】
放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+4が正常に算出されたかどうかを判別する。すなわち、放射線治療装置制御装置10は、第2予測二次元位置Qk+3と第2予測二次元位置Qk+5とが、第2測定二次元位置Pk+1と第2測定二次元位置Pk−1とに置換して第2予測二次元位置Qk+1と第2予測二次元位置Qk−1とに基づいて算出されたときに、三次元位置pk+4が正常に算出されなかったと判別する。放射線治療装置制御装置10は、さらに、第1予測二次元位置Qk+4が、第1測定二次元位置Pと第1測定二次元位置Pk−2とに置換して第1予測二次元位置Qと第1予測二次元位置Qk−2とに基づいて算出されたときに、三次元位置pk+4が正常に算出されなかったと判別する。
【0114】
放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+4が正常に算出されたときに、時刻tk+3から時刻tk+4までの期間に治療用放射線24が発射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+4が正常に算出されなかったときに、時刻tk+3から時刻tk+4まで治療用放射線24が発射されないように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0115】
放射線治療装置制御装置10は、さらに、その治療計画が示す線量の治療用放射線24が患者35の患部に曝射されるまで、このような動作を繰り返して実行する。なお、放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+3が正常に算出されなかったときに、時刻tk+3以降に治療用放射線24が発射されないように治療用放射線照射装置6を制御し、この放射線利用動作を中断することもできる。放射線治療装置制御装置10は、三次元位置pk+4が正常に算出されなかったときに、時刻tk+4以降に治療用放射線24が発射されないように、治療用放射線照射装置6を制御し、この放射線利用動作を中断することもできる。
【0116】
このような放射線治療動作によれば、周期54の反周期ごとに同時に撮影する第1透視画像と第2透視画像とに基づいて患者35の患部の三次元位置を算出することに比較して、患者35が被曝する第1診断用放射線31の線量と第2診断用放射線32の線量とをより低減することができる。
【0117】
図7は、本発明による放射線治療装置制御方法の比較例を示している。その比較例を実行する放射線治療装置制御装置は、既述の実施の形態における放射線治療装置制御装置10と同様にして、複数の第1測定二次元位置と複数の第2測定二次元位置とを算出する。
【0118】
比較例の放射線治療装置制御装置は、その第1測定二次元位置のうちの時刻ti−5に対応する第1測定二次元位置Pi−5とその第1測定二次元位置のうちの時刻ti−3に対応する第1測定二次元位置Pi−3とその第2測定二次元位置のうちの時刻ti−4に対応する第2測定二次元位置Pi−4とに基づいて三次元位置qi−4を算出し、三次元位置qi−4を記憶装置に記録する。三次元位置qi−4は、時刻ti−4に患者35の患部が配置されている位置を示している。
【0119】
比較例の放射線治療装置制御装置は、三次元位置qi−4と時刻ti−4より前の時刻に対応する複数の三次元位置(たとえば、三次元位置qi−5、三次元位置qi−6)に基づいて、予測三次元位置rを算出する。比較例の放射線治療装置制御装置は、時刻tに治療用放射線照射装置6が予測三次元位置rに向くように、ジンバル装置23を制御し、時刻tに予測三次元位置rに治療用放射線24が曝射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0120】
比較例の放射線治療装置制御装置は、その第2測定二次元位置のうちの時刻ti−4に対応する第2測定二次元位置Pi−4とその第2測定二次元位置のうちの時刻ti−2に対応する第2測定二次元位置Pi−2とその第1測定二次元位置のうちの時刻ti−3に対応する第1測定二次元位置Pi−3とに基づいて三次元位置qi−3を算出し、三次元位置qi−3を記憶装置に記録する。三次元位置qi−3は、時刻ti−3に患者35の患部が配置されている位置を示している。
【0121】
比較例の放射線治療装置制御装置は、三次元位置qi−3と時刻ti−3より前の時刻に対応する複数の三次元位置に基づいて、予測三次元位置ri+1を算出する。比較例の放射線治療装置制御装置は、時刻ti+1に治療用放射線照射装置6が予測三次元位置ri+1に向くように、ジンバル装置23を制御し、時刻ti+1に予測三次元位置ri+1に治療用放射線24が曝射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0122】
比較例の放射線治療装置制御装置は、その第1測定二次元位置のうちの時刻ti−3に対応する第1測定二次元位置Pi−3とその第1測定二次元位置のうちの時刻ti−1に対応する第1測定二次元位置Pi−1とその第2測定二次元位置のうちの時刻ti−2に対応する第2測定二次元位置Pi−2とに基づいて三次元位置qi−2を算出し、三次元位置qi−2を記憶装置に記録する。三次元位置qi−2は、時刻ti−2に患者35の患部が配置されている位置を示している。
【0123】
比較例の放射線治療装置制御装置は、三次元位置qi−2と時刻ti−2より前の時刻に対応する複数の三次元位置に基づいて、予測三次元位置ri+2を算出する。比較例の放射線治療装置制御装置は、時刻ti+2に治療用放射線照射装置6が予測三次元位置ri+2に向くように、ジンバル装置23を制御し、時刻ti+2に予測三次元位置ri+2に治療用放射線24が曝射されるように、治療用放射線照射装置6を制御する。
【0124】
このような比較例によれば、既述の実施の形態における放射線治療動作と同様にして、患者35が被曝する第1診断用放射線31の線量と第2診断用放射線32の線量とをより低減することができる。
【0125】
過去の二次元位置から未来の二次元位置を予測する計算は、一般的に、過去の三次元位置から未来の三次元位置を予測する計算に比較して、より高精度である。このため、本発明による放射線治療装置制御方法は、このような比較例に比較して、患者35の患部の位置をより高精度に予測することができ、このため、患者35の患部に治療用放射線24をより高精度に曝射することができ、より高精度な放射線治療を実現することができる。
【0126】
三次元位置qi−4と三次元位置qi−3と三次元位置qi−2とには、複数の二次元位置から三次元位置を算出する三次元化計算による三次元位置算出誤差が含まれている。その三次元位置算出誤差は、三次元位置qi−4から予測三次元位置rを予測する予測計算により増大し、予測三次元位置rを真の値から大きく異ならせるおそれがある。
【0127】
本発明による放射線治療装置制御方法によれば、複数の測定二次元位置から予測二次元位置を予測する予測計算の後にその三次元化計算が実行されているために、このような三次元位置算出誤差は、増大しないで、三次元位置pをより高精度に予測することができる。このため、本発明による放射線治療装置制御方法は、患者35の患部に治療用放射線24をより高精度に曝射することができ、より高精度な放射線治療を実現することができる。
【0128】
このような比較例によれば、たとえば、第1測定二次元位置Pi−3が算出されなかったときに、三次元位置qi−4と三次元位置qi−3と三次元位置qi−2とが正常に算出されることができない。このため、このような比較例は、測定二次元位置が1つでも算出されないときに、放射線治療を正常に継続することができなくなることがある。本発明による放射線治療装置制御方法は、複数の第1測定二次元位置71のうちの1つが正常に算出されないときでも、同様に複数の第2測定二次元位置のうちの1つが正常に算出されないときでも、三次元位置をより高精度に算出することができ、より安定して放射線治療を継続することができる。
【0129】
なお、複数の第1予測二次元位置72に対応する複数の第1時刻は、複数の第1測定二次元位置71に対応する複数の第1撮影時刻に一致する必要がなく、その複数の第1時刻の各々がその複数の第1撮影時刻の各々から少しずれた時刻を示すこともできる。その複数の第2時刻も、その複数の第1時刻と同様にして、その複数の第2撮影時刻に一致する必要がなく、その複数の第2時刻の各々がその複数の第2撮影時刻の各々から少しずれた時刻を示すこともできる。このような場合も同様にして、本発明による放射線治療装置制御方法は、三次元位置pをより高精度に予測することができ、より高精度な放射線治療を実現することができる。
【0130】
なお、放射線治療装置制御装置10は、複数の第1測定二次元位置71のうちの最後のその所定回が正常に算出されない場合でも、複数の第1予測二次元位置73を十分に高精度に算出することができるときに、複数の第1予測二次元位置73を用いて算出された三次元位置を用いてジンバル装置23を制御することもできる。その所定回としては、3回が例示される。このような方法によれば、既述の実施の形態における放射線治療装置制御方法に比較して、より安定して放射線治療を継続することができる。
【0131】
なお、放射線治療装置制御装置10は、3次元位置pを用いないで、3次元位置pのみを用いてジンバル装置23を制御することもできる。放射線治療装置制御装置10は、さらに、複数の第1予測二次元位置73を算出するときに利用される複数の第1測定二次元位置71の個数を6以外の所定個数に置換することもできる。その所定個数としては、7個、8個が例示される。
【符号の説明】
【0132】
1 :放射線治療装置
10:放射線治療装置制御装置
20:コンピュータ断層撮影装置
2 :Oリング
3 :走行ガントリ
6 :治療用放射線照射装置
11:リング回転軸
12:ガントリ回転軸
14:アイソセンタ
16:チルト軸
17:パン軸
21:リング駆動装置
23:ジンバル装置
24:治療用放射線
25:第1診断用放射線照射装置
26:第2診断用放射線照射装置
27:第1撮像装置
28:第2撮像装置
31:第1診断用放射線
32:第2診断用放射線
33:カウチ
34:カウチ駆動装置
35:患者
41:治療計画収集部
42:患者位置合わせ部
43:第1撮影部
44:第2撮影部
45:第1二次元位置算出部
46:第2二次元位置算出部
47:第1二次元位置予測部
48:第2二次元位置予測部
49:三次元位置算出部
50:ジンバル駆動部
51:照射部
53:複数の第1撮影タイミング
54:周期
55:複数の第2撮影タイミング
56:周期
57:期間
58:期間
59:複数の第1画像処理タイミング
60:期間
61:複数の第2画像処理タイミング
62:期間
63:複数の送信タイミング
64:周期
71:複数の第1測定二次元位置
72:複数の第1予測二次元位置
73:複数の第1予測二次元位置
81:複数の三次元位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1イメージャを用いて複数の第1画像を複数の第1撮影時刻にそれぞれ撮影する第1撮影部と、
第2イメージャを用いて複数の第2画像を複数の第2撮影時刻にそれぞれ撮影する第2撮影部と、
前記複数の第1撮影時刻に対応する複数の第1測定二次元位置を算出する第1二次元位置算出部と、
前記複数の第2撮影時刻に対応する複数の第2測定二次元位置を算出する第2二次元位置算出部と、
複数の第1二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第1予測二次元位置を算出する第1二次元位置予測部と、
複数の第2二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第2予測二次元位置を算出する第2二次元位置予測部と、
複数の三次元位置予測対象時刻に対応する複数の三次元位置を算出する三次元位置算出部と、
前記複数の三次元位置予測対象時刻のうちの任意の時刻に前記複数の三次元位置のうちの前記任意の時刻に対応する三次元位置に照射装置を向けるための制御量を算出するジンバル駆動部とを具備し、
前記複数の第1測定二次元位置のうちの任意の第1撮影時刻に対応する第1測定二次元位置は、前記複数の第1画像のうちの前記任意の第1撮影時刻に撮影された対応する第1画像に所定の像が映し出される位置を示し、
前記複数の第2測定二次元位置のうちの任意の第2撮影時刻に対応する第2測定二次元位置は、前記複数の第2画像のうちの前記任意の第2撮影時刻に撮影された対応する第2画像に前記所定の像が映し出される位置を示し、
前記複数の第1二次元位置予測対象時刻は、前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第2二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含み、
前記複数の第2二次元位置予測対象時刻は、前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第1二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含み、
前記複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置予測対象時刻が前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置算出用時刻と前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置算出用時刻との間に配置される場合で、前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第3三次元位置算出用時刻が前記第1三次元位置算出用時刻と前記第2三次元位置算出用時刻との間に配置されるときに、前記複数の三次元位置のうちの前記第1三次元位置予測対象時刻に対応する第1三次元位置は、
前記複数の第1予測二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻に対応する第1三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第1予測二次元位置のうちの第2三次元位置算出用時刻に対応する第2三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第2予測二次元位置のうちの第3三次元位置算出用時刻に対応する第3三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第1三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1測定二次元位置のうちの前記第1三次元位置算出用時刻より前の複数の第1二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第1二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出され、
前記第2三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置と前記第1三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第3三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2測定二次元位置のうちの前記第1三次元位置算出用時刻より前の複数の第2二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第2二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される
放射線治療装置制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第1撮影時刻に対応する失敗第1測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第1測定二次元位置を除く正常第1二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第1予測二次元位置のうちの前記失敗第1撮影時刻に対応する補助第1三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第2三次元位置算出用二次元位置は、前記失敗第1測定二次元位置が算出されなかったときに、前記正常第1二次元位置予測用二次元位置と前記補助第1三次元位置算出用二次元位置と前記第1三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される
放射線治療装置制御装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第3三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第2撮影時刻に対応する失敗第2測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第2測定二次元位置を除く正常第2二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第2予測二次元位置のうちの前記失敗第2撮影時刻に対応する補助第2三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される
放射線治療装置制御装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記ジンバル駆動部は、さらに、前記任意の時刻に前記三次元位置に前記照射装置が向くように、前記照射装置を移動させるジンバル装置を制御する
放射線治療装置制御装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記任意の時刻に前記三次元位置に前記照射装置が向くときに、前記任意の時刻に治療用放射線が発射されるように前記照射装置を制御する照射部
をさらに具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記照射部は、
前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第1撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかった場合で、
前記所定数の失敗撮影時刻が前記複数の第1二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるときに、
前記第1三次元位置予測対象時刻に前記治療用放射線が発射されないように前記照射装置を制御し、
前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第2撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかった場合で、
前記所定数の失敗撮影時刻が前記複数の第2二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるときに、
前記第2三次元位置予測対象時刻に前記治療用放射線が発射されないように前記照射装置を制御する
放射線治療装置制御装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置予測対象時刻が前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第4三次元位置算出用時刻と前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第5三次元位置算出用時刻との間に配置される場合で、前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第6三次元位置算出用時刻が前記第4三次元位置算出用時刻と前記第5三次元位置算出用時刻との間に配置されるときに、前記複数の三次元位置のうちの前記第2三次元位置予測対象時刻に対応する第2三次元位置は、
前記複数の第2予測二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻に対応する第4三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第2予測二次元位置のうちの第5三次元位置算出用時刻に対応する第5三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第1予測二次元位置のうちの第6三次元位置算出用時刻に対応する第6三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第4三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2測定二次元位置のうちの前記第4三次元位置算出用時刻より前の複数の第3二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第3二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出され、
前記第5三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置と前記第4三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第6三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1測定二次元位置のうちの前記第4三次元位置算出用時刻より前の複数の第4二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第4二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される
放射線治療装置制御装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第4三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第3撮影時刻に対応する失敗第3測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第3測定二次元位置を除く正常第3二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第1予測二次元位置のうちの前記失敗第3撮影時刻に対応する補助第4三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第5三次元位置算出用二次元位置は、前記失敗第3測定二次元位置が算出されなかったときに、前記正常第3二次元位置予測用二次元位置と前記補助第4三次元位置算出用二次元位置と前記第4三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第6三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第4撮影時刻に対応する失敗第4測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第4測定二次元位置を除く正常第4二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第2予測二次元位置のうちの前記失敗第4撮影時刻に対応する補助第5三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される
放射線治療装置制御装置。
【請求項9】
第1イメージャを用いて複数の第1撮影時刻にそれぞれ撮影された複数の第1撮影時刻に対応する複数の第1測定二次元位置を算出するステップと、
第2イメージャを用いて複数の第2撮影時刻にそれぞれ撮影された複数の第2撮影時刻に対応する複数の第2測定二次元位置を算出するステップと、
複数の第1二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第1予測二次元位置を算出するステップと、
複数の第2二次元位置予測対象時刻に対応する複数の第2予測二次元位置を算出するステップと、
複数の三次元位置予測対象時刻に対応する複数の三次元位置を算出するステップと、
前記複数の三次元位置予測対象時刻のうちの任意の時刻に前記複数の三次元位置のうちの前記任意の時刻に対応する三次元位置に照射装置を向けるための制御量を算出するステップとを具備し、
前記複数の第1測定二次元位置のうちの任意の第1撮影時刻に対応する第1測定二次元位置は、前記複数の第1画像のうちの前記任意の第1撮影時刻に撮影された対応する第1画像に所定の像が映し出される位置を示し、
前記複数の第2測定二次元位置のうちの任意の第2撮影時刻に対応する第2測定二次元位置は、前記複数の第2画像のうちの前記任意の第2撮影時刻に撮影された対応する第2画像に前記所定の像が映し出される位置を示し、
前記複数の第1二次元位置予測対象時刻は、前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第2二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含み、
前記複数の第2二次元位置予測対象時刻は、前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの任意の2つの第1二次元位置予測対象時刻の間に配置される時刻を含み、
前記複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置予測対象時刻が前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第1三次元位置算出用時刻と前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置算出用時刻との間に配置される場合で、前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第3三次元位置算出用時刻が前記第1三次元位置算出用時刻と前記第2三次元位置算出用時刻との間に配置されるときに、前記複数の三次元位置のうちの前記第1三次元位置予測対象時刻に対応する第1三次元位置は、
前記複数の第1予測二次元位置のうちの第1三次元位置算出用時刻に対応する第1三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第1予測二次元位置のうちの第2三次元位置算出用時刻に対応する第2三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第2予測二次元位置のうちの第3三次元位置算出用時刻に対応する第3三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第1三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1測定二次元位置のうちの前記第1三次元位置算出用時刻より前の複数の第1二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第1二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出され、
前記第2三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置と前記第1三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第3三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2測定二次元位置のうちの前記第1三次元位置算出用時刻より前の複数の第2二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第2二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される
放射線治療装置制御方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記第1三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第1撮影時刻に対応する失敗第1測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第1測定二次元位置を除く正常第1二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第1予測二次元位置のうちの前記失敗第1撮影時刻に対応する補助第1三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第2三次元位置算出用二次元位置は、前記失敗第1測定二次元位置が算出されなかったときに、前記正常第1二次元位置予測用二次元位置と前記補助第1三次元位置算出用二次元位置と前記第1三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される
放射線治療装置制御方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記第3三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第2撮影時刻に対応する失敗第2測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第2測定二次元位置を除く正常第2二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第2予測二次元位置のうちの前記失敗第2撮影時刻に対応する補助第2三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される
放射線治療装置制御方法。
【請求項12】
請求項9〜請求項11のいずれかにおいて、
前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第1撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記所定数の失敗撮影時刻が前記複数の第1二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるかどうかを判別するステップと、
前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの所定数の失敗第2撮影時刻に対応する所定数の失敗二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記所定数の失敗撮影時刻が前記複数の第2二次元位置予測用撮影時刻のうちの最も後の所定数の時刻であるかどうかを判別するステップ
とをさらに具備する放射線治療装置制御方法。
【請求項13】
請求項9〜請求項12のいずれかにおいて、
前記複数の三次元位置予測対象時刻のうちの第2三次元位置予測対象時刻が前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第4三次元位置算出用時刻と前記複数の第2二次元位置予測対象時刻のうちの第5三次元位置算出用時刻との間に配置される場合で、前記複数の第1二次元位置予測対象時刻のうちの第6三次元位置算出用時刻が前記第4三次元位置算出用時刻と前記第5三次元位置算出用時刻との間に配置されるときに、前記複数の三次元位置のうちの前記第2三次元位置予測対象時刻に対応する第2三次元位置は、
前記複数の第2予測二次元位置のうちの第4三次元位置算出用時刻に対応する第4三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第2予測二次元位置のうちの第5三次元位置算出用時刻に対応する第5三次元位置算出用二次元位置と、
前記複数の第1予測二次元位置のうちの第6三次元位置算出用時刻に対応する第6三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第4三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2測定二次元位置のうちの前記第4三次元位置算出用時刻より前の複数の第3二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第3二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出され、
前記第5三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置と前記第4三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第6三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1測定二次元位置のうちの前記第4三次元位置算出用時刻より前の複数の第4二次元位置予測用撮影時刻に対応する複数の第4二次元位置予測用二次元位置に基づいて算出される
放射線治療装置制御方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記第4三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第3撮影時刻に対応する失敗第3測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第1二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第3測定二次元位置を除く正常第3二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第1予測二次元位置のうちの前記失敗第3撮影時刻に対応する補助第4三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第5三次元位置算出用二次元位置は、前記失敗第3測定二次元位置が算出されなかったときに、前記正常第3二次元位置予測用二次元位置と前記補助第4三次元位置算出用二次元位置と前記第4三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出され、
前記第6三次元位置算出用二次元位置は、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの失敗第4撮影時刻に対応する失敗第4測定二次元位置が正常に算出されなかったときに、前記複数の第2二次元位置予測用二次元位置のうちの前記失敗第4測定二次元位置を除く正常第4二次元位置予測用二次元位置と前記複数の第2予測二次元位置のうちの前記失敗第4撮影時刻に対応する補助第5三次元位置算出用二次元位置とに基づいて算出される
放射線治療装置制御方法。
【請求項15】
請求項9〜請求項14のいずれかに記載される放射線治療装置制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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