説明

放射線治療装置

【課題】放射線治療装置において、治療精度を向上すると共に、患者の放射線被爆量を抑える。
【解決手段】放射線治療装置10は、治療用放射線を照射する照射ノズル12と、患者13を乗せて照射ノズル12から照射される治療用放射線15の照射位置にその患者13の患部を位置決めする治療台14と、診断用放射線を照射して患部周辺を撮影する画像取得装置18と、患者の体表面を撮影するテレビカメラ22と、画像取得装置18により撮影した透視画像とテレビカメラ22により経時的に撮影したカメラ画像とを用いて、患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成する画像処理装置と、画像処理装置で作成した合成透視画像を表示するディスプレイとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療装置に係り、特に診断用放射線を照射して患部周辺の透視画像を撮影する画像取得装置を備えた放射線治療装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
放射線治療は、がん等の腫瘍(患部)に治療用放射線を照射して腫瘍を死滅させる治療であり、腫瘍周辺の正常細胞を破壊しないためにも、腫瘍に治療用放射線を高精度に照射することが求められる。
【0003】
そこで、治療用放射線を照射する際には、画像取得装置により診断用放射線を照射して患部周辺を撮影して、その透視画像を基に治療用放射線の照射位置と患部位置が一致するように、治療台を動かして位置決めを行っている(従来技術1)。
【0004】
また、特開平6−246015号公報(特許文献1)に記載されているように、テレビカメラで撮影された患者の体表のマーカを基に治療台の動きを遠隔操作して、患部位置と照射位置の差を修正する医療用放射線照射装置が知られている(従来技術2)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−246015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術1においては、撮影装置により診断用放射線を照射して患部周辺の透視画像を静止画として撮影する方法と、その透視画像を実時間画像(連続撮影画像)として撮影する方法がある。前者の静止画を基に位置決めを行う場合は、撮影してから治療用放射線の照射を行うまでに、患部が動くと照射位置がずれてしまい、腫瘍に治療用放射線を高精度に照射することができない、という課題があった。一方、後者の実時間画像を基に位置決めを行う場合は、位置決めの作業中に診断用放射線を照射し続けることになるので、患者の放射線被爆量が増えてしまう、という課題があった。
【0007】
一方、上記従来技術2(特許文献1)によれば、テレビカメラにより患者の体表に設けたマーカの動きを確認しながら位置決めを行えるものの、透視画像により確認するものでないため、患部に治療用放射線を高精度に照射することができない、という課題があった。なお、体表の動きと患部の動きが一致していない場合には、体表の動きと患部の動きの差の分だけさらに誤差が発生する。
【0008】
本発明の目的は、治療精度を向上すると共に、患者の放射線被爆量を抑えることができる放射線治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するために、本発明は、治療用放射線を照射する照射ノズルと、患者を乗せて前記照射ノズルから照射される治療用放射線の照射位置にその患者の患部を位置決めする治療台と、診断用放射線を照射して前記患部周辺を撮影する画像取得装置と、
前記患者の体表面を撮影するテレビカメラと、前記画像取得装置により撮影した透視画像と前記テレビカメラにより経時的に撮影したカメラ画像とを用いて、前記患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成する画像処理装置と、前記画像処理装置で作成した合成透視画像を表示するディスプレイと、を備えた放射線治療装置にある。
【0010】
係る本発明のより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記画像処理装置で作成した合成透視画像に基づいて、前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置とが一致するように前記照射ノズル及び前記治療台の少なくとも何れかを制御する制御装置を備えたこと。
(2)前記画像取得装置は前記患部の位置を特定するための体表面マーカを含む透視画像を撮影可能であり、前記テレビカメラは前記体表面マーカを含むカメラ画像を経時的に撮影可能であり、前記画像処理装置は、前記透視画像の体表面マーカと前記カメラ画像の体表面マーカとに基づいて、前記患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成すること。
(3)前記画像処理装置は前記合成透視画像を用いて前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置との相対位置を算出し、前記制御装置はこの相対位置が一致するように前記照射ノズル及び前記治療台の少なくとも何れかを制御すること。
(4)前記画像処理装置は前記合成透視画像を用いて前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置との相対位置を算出し、前記制御装置はこの相対位置が所定値を超えている場合に前記照射ノズルから治療用放射線の照射を許可しないように制御すること。
(5)前記画像処理装置は合成透視画像を用いて前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置との相対位置を算出し、前記制御装置はこの相対位置が所定値を超えている場合にその旨を前記ディスプレイに表示するように制御すること。
(6)前記テレビカメラは前記患者を異なった方向から撮影するための移動手段を備えたこと。
(7)前記画像取得装置及び前記テレビカメラをそれぞれ2台以上備えたこと。
(8)前記画像取得装置は、前記患者が数回呼吸する間、診断用放射線を照射して前記患部周辺を体表面マーカと共に経時的に撮影し、前記画像処理装置は、前記画像取得装置により経時的に撮影した透視画像と前記テレビカメラにより経時的に撮影したカメラ画像とを用いて、前記患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成すると共に、前記患部の移動量と前記体表面マーカの移動量の差あるいはそれぞれの移動量を算出すること。
【発明の効果】
【0011】
係る本発明の放射線治療装置によれば、治療精度を向上すると共に、患者の放射線被爆量を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の複数の実施形態の放射線治療装置について図を用いて説明する。各実施形態の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の陽子線治療装置を図1及び図2を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態の陽子線治療装置の構成図、図2はデータの流れと共に示す図1の陽子線治療装置のブロック図である。
【0013】
本実施形態の陽子線治療装置10は、回転ガントリ11と、照射ノズル12と、治療台14と、画像取得装置18、21と、テレビカメラ22、25と、画像処理装置30と、制御装置31と、ディスプレイ32とを備えて構成されている。患者13の患部の位置を特定するために患者13の体表面に体表面マーカ23が付与される。なお、図2における符号33,34,35,36,37,38,39,40は、各構成要素の間の信号・データ伝達経路を示す。
【0014】
回転ガントリ11は、移動台14が侵入可能に環状に形成され、陽子線治療装置10の設置面に対して回転方向24に回転可能に配置されている。
【0015】
照射ノズル12は、回転ガントリ11の内側に取り付けられ、治療台14に乗せられた患者13の患部に治療用の陽子線15を照射するものである。この照射ノズル12は、回転ガントリ11によって、患者13の回りに回転できるので、陽子線15を患者13の全周囲から照射できる。
【0016】
治療台14は、患者13を乗せて照射ノズル12から照射される治療用放射線15の照射位置にその患者13の患部を位置決めするできるように移動可能に設置されている。
【0017】
画像取得装置18、21は、診断用放射線を照射して体表面マーカ23を含む患者13の患部周辺を撮影するものであり、複数(図示例では2つ)の画像取得装置で構成されている。各画像取得装置18、21は、診断用放射線源16、19と、受像装置17、20とから構成されている。
【0018】
テレビカメラ22、25は、CCD撮像素子を有して、体表面マーカ23を含む患者13の体表面を撮影するものであり、複数(図示例では2つ)のテレビカメラで構成されている。画像取得装置18、21とテレビカメラ22、25は、複数台備えることで、異なった方向から患者13を撮影できるので、患部や体表面マーカ23の位置を精度良く算出することができる。
【0019】
画像処理装置30は、マイクロコンピュータで構成され、画像取得装置18、21により撮影した透視画像50、51と、テレビカメラ22、25により経時的に撮影したカメラ画像52、53とを用いて、患者13の患部を含んだ患部周辺の合成透視画像55を経時的に作成する。この際、画像処理装置30は、透視画像50、51の体表面マーカとカメラ画像52、53の体表面マーカとに基づいて、患部を含んだ患部周辺の合成透視画像55を経時的に作成する。この合成透視画像55は制御装置31及びディスプレイ32に出力される。なお、合成透視画像55は、透視画像50、51をカメラ画像52、53と関連付けた画像のことである。さらには、画像処理装置30は、合成透視画像55を用いて陽子線15の照射位置と患部の位置との相対位置を算出し、制御装置31に出力する。
【0020】
制御装置31は、画像処理装置30で作成した合成透視画像55に基づいて、陽子線15の照射位置と患者13の患部の位置とが一致するように照射ノズル12及び治療台14を制御する。また、制御装置31は、画像処理装置30から出力された治療用放射線15の照射位置と患者13の患部との相対位置が所定値を超えている場合に、その旨をディスプレイ32に表示するように制御すると共に、照射ノズル12から陽子線15の照射を許可しないように制御する。
【0021】
ディスプレイ32は、画像処理装置30で作成した合成透視画像55を表示画面に表示する。
【0022】
以下に、係る陽子線治療装置10の動作及び機能を説明する。
【0023】
患者13は治療台14の上に固定され、治療前の診断により決められた治療計画通りとなるように、治療台14を移動させたりしながら患部を陽子線15の照射位置に粗位置決めする。この粗位置決めは、レーザポインタ(図示せず)で患者13の体表に照射したレーザと、あらかじめ患者13の体表に付けた目印を参照して行う。
【0024】
粗位置決めが完了すると、画像取得装置18、21によって、診断用放射線を照射して体表面マーカ23を含む患者13の患部周辺を撮影し、この画像データを画像処理装置30に送る。この撮影した画像を透視画像50、51と称す。画像取得装置18、21の撮影と同時にテレビカメラ22、25による撮影を開始し、テレビカメラ22、25によって患者13の体表面マーカ23周辺を実時間で連続して撮影し、この画像データを画像処理装置30に送る。この撮影した画像をカメラ画像52、53と称す。なお、テレビカメラ22、25による実時間で連続した撮影を、所定間隔で撮影する経時的な撮影に代えても良い。
【0025】
画像処理装置30は、透視画像50、51を受けると、合成透視画像55としてディスプレイ32に出力する。そして、ディスプレイ32は、画像処理装置30から出力されるこの合成透視画像55を表示画面に表示する。
【0026】
また、画像処理装置30は、透視画像50、51及びカメラ画像52、53を受けると、透視画像50、51から患部の位置及び体表面マーカ23の位置を抽出すると共に、カメラ画像52、53から体表面マーカ23の位置を抽出し、それぞれの画像の体表面マーカ23の対応付けを行い、患部の位置や体表面マーカ23の位置を算出する。このときの透視画像50、51、カメラ画像52、53及び合成透視画像55を以降の画像処理のための基準画像とし、患部の位置及び体表面マーカ23の位置を基準位置とする。
【0027】
次いで、画像処理装置30は、その後に実時間で連続して送られてくるテレビ画像52、53から体表面マーカ23の位置を抽出し、先に撮影した体表面マーカ23の基準位置と比較して、患部や体表面マーカ23の移動量を算出する。画像処理装置30は、その移動量を透視画像50、51の移動量に換算し、その分だけ透視画像50、51を上下、左右に動かしたり、回転させたりして、合成透視画像55を実時間で連続して作成し、ディスプレイ32に出力する。この移動量への換算は、テレビカメラ22、25と画像取得装置18、21の位置関係や撮影方向などを用いて行う。
【0028】
そして、ディスプレイ32は、画像処理装置30から出力されるこの合成透視画像53を表示画面に実時間で連続して表示する。なお、画像処理装置30における計算負荷が大きい場合は、所定間隔ごとに経時的に合成透視画像55を作成し、ディスプレイ32に表示するようにしても良い。
【0029】
合成透視画像55を作成するのに用いる画像データ(透視画像50、51及びカメラ画像52、53)について、例えば、患部が胸部周辺で患者13の胸部に体表面マーカ23を付けた場合などは、患者13の呼吸により胸部が動く。そこで、数回程度の呼吸の間、画像取得装置18、21及びテレビカメラ22、25の何れでも動画データを取得し、呼吸による体表面マーカ23と患部、必要であれば骨や臓器などとの相対位置関係の変化を算出し、患部と体表面マーカ23の移動量の違いを合成透視画像55に反映するようにしている。このような患部と体表面マーカ23の動きが異なる場合は、透視画像50、51を上下、左右に動かしたり、回転させたりするだけでは、正確な合成透視画像55を作成することはできないので、透視画像50、51を拡大・縮小させたり、補間計算などを用いたりすれば良い。
【0030】
合成透視画像55を作成するのに用いる画像データ(透視画像50、51)は、患部の位置を正確に合成透視画像55に反映するには動画データとした方が良く、患者13の診断用放射線被爆量を抑えるには静止画データとした方が良い。本実施形態では、患部と体表面マーカ23の動きが異なる場合に動画データを用い、その他の場合に静止画データを用いるようにし、患部に陽子線15を高精度に照射することと、患者の診断用放射線の被爆量を低減することとの両方に配慮している。
【0031】
体表面マーカ23は、患部の位置を精度良く算出するために、3個以上とすると良く、材質は放射線の半透過材質などを用いて、画像取得装置18、21とテレビカメラ22、25で共通に使用できるようにすると良い。これが困難で、画像取得装置18、21とテレビカメラ22、25とで体表面マーカ23が別々になる場合は、それぞれのマーカの相対位置を明確にしておくと、合成透視画像55を作成する際の演算ができる。
【0032】
次いで、術者は、ディスプレイ32に表示された合成透視画像55を基に、治療台14を手動で移動させて陽子線15の照射位置に患部を高精度位置決めを行う。この間、テレビカメラ22、25は常に患者13を撮影して画像データを画像処理装置30に送り続けており、画像処理装置30は送られてきた画像データから合成透視画像55を随時作成して、最新の合成透視画像55をディスプレイ32に表示する。
【0033】
ディスプレイ32には、合成透視画像55と共に、治療計画や各装置の相対位置などから算出した陽子線15の照射位置や、患部位置と陽子線15の照射位置との相対位置(誤差)などを表示すると、術者は位置決めの状況を確認できるため、理解が容易となり、治療精度を向上することができる。
【0034】
合成透視画像55から算出した患部位置と陽子線15の照射位置との相対位置(誤差)は、制御装置31で常に監視しておき、誤差があらかじめ定めた値を超えた場合は、陽子線15の照射を許可しなかったり、ディスプレイ32に表示して術者に知らせたりすると、治療の安全性が向上する。
【0035】
本実施形態では、高精度位置決めを手動と自動とに切替可能となっている。自動の高精度位置決めは、合成透視画像55から算出した患部位置と陽子線15の照射位置との差(誤差)を基に、その誤差を修正するための治療台14や回転ガントリ11の移動量を制御装置31により算出して、治療台14や回転ガントリ11を動かして誤差を補正する。
【0036】
本実施形態では、常に患者13を撮影しているテレビカメラ22、25のカメラ画像から患者13の動きを算出し、画像取得装置18、21の透視画像50、51にその患者13の動きを反映して作成した合成透視画像55を基に行われるため、陽子線15の照射位置に対する患部の位置決め精度を向上させることができ、治療精度を向上することができる。また、高精度位置決めの前の短い時間だけ診断用放射線を照射すれば良いので、患者13の放射線被爆量を抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の放射線治療装置について図3を用いて説明する。図3は本発明の第2実施形態の放射線治療装置の構成図である。この第2実施形態は、次に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
【0037】
この第2実施形態は、テレビカメラ60を1台備え、そのテレビカメラ60を移動機構65に取り付けた例である。移動機構65は、例えば、ガイドレール61と駆動機構62で構成され、図示しない制御装置からの指令信号によってテレビカメラ60をガイドレール61に沿って移動できる。そのため、最初にテレビカメラ位置63で撮影して、次にテレビカメラ位置64で撮影すれば、第1実施形態と同じように異なった方向からの画像が得られるため、精度良く体表面マーカ23の位置を算出できる。
【0038】
但し、基準画像を取得する際に、テレビカメラ60が撮影方向を変えるための移動を行うので、全ての画像を同時に撮像・撮影することができない。そのため、第2実施形態は呼吸などによって患部や体表面マーカ23があまり動かない場合に有効である。
【0039】
テレビカメラ60に移動機構65を設ける構成は、第1実施形態のようにテレビカメラ22、25が2台の場合に用いても良い。陽子線15の照射方向によっては、回転ガントリ11や治療台14、画像取得装置18、21とテレビカメラ22、25が干渉したり、テレビカメラ22、25でマーカを撮影できない場合などが考えられる。このような場合に、移動機構65によってテレビカメラ22、25の撮影方向を変えると良い。
(その他の実施形態)
なお、本発明は陽子線治療装置に限らず、X線や電子線などの他、炭素線などの粒子線を治療に用いた装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態の陽子線治療装置の構成図である。
【図2】図1の陽子線治療装置のブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態の放射線治療装置の構成図である。
【符号の説明】
【0041】
10…陽子線治療装置、11…回転ガントリ、12…照射ノズル、13…患者、14…治療台、15…陽子線、16,19…診断用放射線源、17,20…受像装置、18,21…画像取得装置、22,25,60…テレビカメラ、23…マーカ、24…回転方向、30…画像処理装置、31…制御装置、32…ディスプレイ、33,34,35,36,37,38,39,40…信号・データ伝達経路、50,51…透視画像、52,53…カメラ画像、55…合成透視画像、61…ガイドレール、62…駆動機構、63,64…テレビカメラの停止位置、65…移動機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用放射線を照射する照射ノズルと、
患者を乗せて前記照射ノズルから照射される治療用放射線の照射位置にその患者の患部を位置決めする治療台と、
診断用放射線を照射して前記患部周辺を撮影する画像取得装置と、
前記患者の体表面を撮影するテレビカメラと、
前記画像取得装置により撮影した透視画像と前記テレビカメラにより経時的に撮影したカメラ画像とを用いて、前記患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成する画像処理装置と、
前記画像処理装置で作成した合成透視画像を表示するディスプレイと、を備えた放射線治療装置。
【請求項2】
請求項1において、前記画像処理装置で作成した合成透視画像に基づいて、前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置とが一致するように前記照射ノズル及び前記治療台の少なくとも何れかを制御する制御装置を備えたことを特徴とする放射線治療装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記画像取得装置は前記患部の位置を特定するための体表面マーカを含む透視画像を撮影可能であり、前記テレビカメラは前記体表面マーカを含むカメラ画像を経時的に撮影可能であり、前記画像処理装置は、前記透視画像の体表面マーカと前記カメラ画像の体表面マーカとに基づいて、前記患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成することを特徴とする放射線治療装置。
【請求項4】
請求項2において、前記画像処理装置は前記合成透視画像を用いて前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置との相対位置を算出し、前記制御装置はこの相対位置が一致するように前記照射ノズル及び前記治療台の少なくとも何れかを制御することを特徴とする放射線治療装置。
【請求項5】
請求項2において、前記画像処理装置は前記合成透視画像を用いて前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置との相対位置を算出し、前記制御装置はこの相対位置が所定値を超えている場合に前記照射ノズルから治療用放射線の照射を許可しないように制御することを特徴とする放射線治療装置。
【請求項6】
請求項2において、前記画像処理装置は合成透視画像を用いて前記治療用放射線の照射位置と前記患部の位置との相対位置を算出し、前記制御装置はこの相対位置が所定値を超えている場合にその旨を前記ディスプレイに表示するように制御することを特徴とする放射線治療装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかにおいて、前記テレビカメラは前記患者を異なった方向から撮影するための移動手段を備えたことを特徴とする放射線治療装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れかにおいて、前記画像取得装置及び前記テレビカメラをそれぞれ2台以上備えたことを特徴とする放射線治療装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れかにおいて、前記画像取得装置は、前記患者が数回呼吸する間、診断用放射線を照射して前記患部周辺を体表面マーカと共に経時的に撮影し、前記画像処理装置は、前記画像取得装置により経時的に撮影した透視画像と前記テレビカメラにより経時的に撮影したカメラ画像とを用いて、前記患部を含んだ患部周辺の合成透視画像を経時的に作成すると共に、前記患部の移動量と前記体表面マーカの移動量の差あるいはそれぞれの移動量を算出することを特徴とする放射線治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−104790(P2008−104790A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292576(P2006−292576)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】