説明

放射線測定装置

【課題】本発明は、放射線測定装置に係り、特にラドン及びトロンと、その崩壊によって生成する放射性核種をより正確にリアルタイムでしかも簡便に測定することが可能な放射線測定装置を提供する。
【解決手段】筒状の被測定空気導入タンク1の周囲に外周電極2を配し、前記被測定空気導入タンクの一端11にフィルター3を介した被測定空気導入孔4を配し、前記被測定空気導入タンク1の他端13に半導体検出器5と被測定空気排出孔6を配し、前記半導体検出器5のP層71がマイナス電位に、前記外周電極2がプラス電位になるように前記P層71と外周電極2との間に捕集電圧を印加しておくことによって、前記タンク1内に導入された被測定空気中の放射性元素の崩壊に伴いプラスイオン化した娘核種を前記P層71に捕集し、前記娘核種の崩壊に伴うα線を前記半導体検出器5により信号として検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線測定装置に係り、特にラドン及びトロンと、その崩壊によって得られる放射性元素から成る放射性核種の測定に用いるのに好適な放射線測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大気中にはラドン及びトロンと、その崩壊によって作られる放射性核種が含まれ、さらに地中などからラドン及びトロンが常時供給されており、特にビル・地下街などでその濃度が高い可能性があり、呼吸によって体内に取りこまれ、内部被ばくの最も大きな要因となっている。
またウラン238及びトリウム232を、特に高濃度に含有するとされている光学ガラス・義歯・ウランガラス・ある種の健康器具・TIG溶接の電極棒・電子レンジ・ネックレス・温泉浴素・古いタイプの石膏ボードなど多方面において使われており、さらに、それらの廃棄物からもラドン・トロンが発生し、その面からの被ばくの可能性も考えられる。
【0003】
このように人間が活動する環境中にはラドンやトロンが、常に存在するにもかかわらず、体内に取り込まれたラドンやその娘核種などの挙動、およびこれらに由来する被曝の人体への影響については良く知られていない面も多い。
さらにトロンに関しては、それ以上に研究が進展していない。
そのためラドン及びトロン、それぞれに由来する娘核種の挙動などに関し、人体への影響や安全確認のための基礎的な測定が必要とされる。
【0004】
これらの放射性核種の大部分は正に帯電している。すなわち大気中には放射性のプラスイオンが含まれている。従って大気中でのこれらの放射性のプラスイオンの濃度を測定するために、従来は負の高電圧を印加した捕集板によってこれらの放射性のプラスイオンを静電的に捕集し、これらの核種から放出されるα線を専用の放射線検出器によって検出し、これによって大気中でのラドン及びトロン濃度の測定を行なっている。
【0005】
この測定のための装置としては、たとえば被測定空気が内部に導入される空気導入室と、一対の測定部すなわちα線入射窓を望ませて配置された電離箱と、α線入射窓に近接して配置された電極と、2つの電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を含むラドン及びトロン測定用放射線測定装置が提案された(特許文献1参照)。
【0006】
また、検出容器本体の内部に設けられ検出容器本体内部のラドンを検出する検出手段を備えたラドン検出器であって、前記検出容器本体の内面は曲面状かつ鏡面状に形成されて精度を高めたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
また、容器内に電場捕集用電極として導電性の薄膜を配設し、この薄膜にマイナスの電圧を印可する高電圧装置を設け、この薄膜に電場捕集作用によって捕集されるラドンの娘核種からのα線を検出する放射線検出器を前記薄膜に近接配設したラドン濃度測定装置が提案された(特許文献3参照)。
【0008】
さらに、検出する放射性イオンとは逆極性の電圧が印加された捕集電極を放射線の入射部に設けた放射性イオン検出器であって、シリコン半導体検出器から構成され、該半導体検出器が半導体素子から成り、その一方の電極が直接捕集電極を構成し、該捕集電極に負のバイアス電源が接続されてマイナス電位が印加され、前記捕集電極を構成する一方の電極とは反対側の他方の電極がアース電位にされ、検出に伴う電流を前記一方の電極を通して取出すことを特徴とする放射性イオン検出器が提案されている(特許文献4参照)。
【0009】
【特許文献1】特許第3534456号
【特許文献2】特許第3673832号
【特許文献3】特開平10―186036号
【特許文献4】特許第4136301号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、放射線測定装置に係り、特にラドン及びトロンと、その崩壊によって生成する放射性核種をより正確にリアルタイムでしかも簡便に測定することが可能な放射線測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の放射線測定装置は、筒状の被測定空気導入タンクの周囲に外周電極を配し、前記被測定空気導入タンクの一端にフィルターを介した被測定空気導入孔を配し、前記被測定空気導入タンクの他端に半導体検出器と被測定空気排出孔を配し、前記半導体検出器のP層がマイナス電位に、前記外周電極がプラス電位になるように前記P層と外周電極との間に捕集電圧を印加しておくことによって、前記タンク内に導入された被測定空気中の放射性元素の崩壊に伴いプラスイオン化した娘核種を前記P層に捕集し、前期娘核種の崩壊に伴うα線を前記半導体検出器により信号として検出することを特徴とするものである。
【0012】
また、被測定空気排出孔から排出される被測定空気の絶対湿度を測定して、前記検出された信号に湿度補正を加え、さらに内蔵するコンピュータと専用ソフトウエアによって、減衰補正、空気中濃度算出までを自動的に算出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
このような放射線測定装置によれば、筒状の被測定空気導入タンクの周囲に外周電極を配し、前記被測定空気導入タンクの一端にフィルターを介した被測定空気導入孔を配し、前記被測定空気導入タンクの他端に半導体検出器と被測定空気排出孔を配し、前記半導体検出器のP層がマイナス電位に、前記外周電極がプラス電位になるように前記P層と外周電極との間に捕集電圧を印加しておくことによって、前記タンク内に導入された被測定空気中の放射性元素の崩壊に伴いプラスイオン化した娘核種を前記P層に捕集し、前期娘核種の崩壊に伴うα線を前記半導体検出器により信号として検出することを特徴とするものであるため、既発表の放射線検出器と類似の構造としながら、その放射線の入射部に設けられた捕集電極によって正に帯電している、すなわちプラスイオン化した娘核種を静電捕集することができる。そして捕集電極に捕捉された娘核種の崩壊よって放出されるα線をこの検出器によって直接的に直ちに測定することが可能になり、リアルタイムでの娘核種の検出が可能になる。
【0014】
また、放射線測定回路に接続してそのα線に基づくパルス波高を観測することによって、ラドンとトロン濃度の分別モニタ等が可能になる。フィルターによってタンク内にクリーンルーム様の環境を作り出すことにより、フォトダイオード本来の性能を発揮させる事ができる。さらに本タンクの内容積が空気流量の安定化につながり、遮光容器を兼ね外来ノイズのシールドにも役立ち、結果的に測定の高精度化にもつながる。
【0015】
さらに、被測定空気排出孔から排出される被測定空気の絶対湿度を測定して、測定対象であるプラスイオン化された娘核種の正の電荷が、空気中に存在する水蒸気によって電気的に中和されて捕集効率が低下してしまう点を、前記検出された信号に湿度補正を加えることにより、測定環境の雰囲気に左右されずに安定した測定値が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の放射線測定装置の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る放射線測定装置を示している。
筒状の被測定空気導入タンク1の周囲に外周電極2を配し、前記被測定空気導入タンクの一端11にフィルター3を介した被測定空気導入孔4を配し、前記被測定空気導入タンク1の他端13に半導体検出器5と被測定空気排出孔6を配し、前記半導体検出器5のP層71がマイナス電位に、前記外周電極2がプラス電位になるように前記P層71と外周電極2との間に捕集電圧を印加しておくことによって、前記タンク1内に導入された被測定空気中の放射性元素の崩壊に伴いプラスイオン化した娘核種を前記P層71に捕集し、前記娘核種の崩壊に伴うα線を前記半導体検出器5により信号として検出することを特徴とする。
【0017】
前記被測定空気導入タンク1の一端11を前板で塞ぎ、一端にフィルター3を介した被測定空気導入孔4を設け、他端13の後板に半導体検出器5と被測定空気排出孔6を設ける。
筒状の被測定空気導入タンク1の一端11を構成する合成樹脂板と内筒12はいずれも、静電気防止効果のある導電性の合成樹脂から作成してあるので、タンク内壁にプラスの高電位を印加することにより、タンク内部でラドンなどが崩壊するのに伴って正の電荷を有する放射性の娘核種などを、電気的反発力により吸着を妨げて半導体検出器5のほうに誘導することができる。
導電性の合成樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ナイロンなどにカーボンブラックなどを混練して成形したもので、体積抵抗が103〜105程度のものであれば好適に使用できる。
【0018】
被測定空気導入タンク1の他端13を構成する後板は、黒色の絶縁性合成樹脂により製造され、タンク内壁のプラスの高電位を印加された部分と後板の中央に取り付けられた半導体検出器5とを電気的に分離してある。
【0019】
このように被測定空気導入タンク1の内面は、全面的に合成樹脂により覆われているので金属性のものに比べて、ウラン・トリウムなどに由来する成分や放射性物質が混入する程度が非常に少ないため極めて低バックグランド化することができ、さらに軽量化・低コスト化に役立つ。そして、アルミ箔や合成樹脂の黒色化によって高度に遮光してあるので光漏れによるフォトダイオードのノイズを防ぐようにしてある。
【0020】
フィルター3を介した被測定空気導入孔4は、一端11を構成する前板のほぼ中央に取り付けられ、被測定空気排出孔6からの吸引に伴って測定すべき環境の空気などの空気を導入できるようになっている。
フィルター3は硝酸セルロースと酢酸セルロース混合物あるいは、高密度ポリエチレンでラミネートされたポリテトラフルオロエチレン製などのものを好適に使用できる。
ラドンやトロンなどの空気は透過するが、空気中の塵、埃などは遮断することができ、被測定空気導入タンク1内を清浄に保つことができるのでフォトダイオードの性能を長期間発揮させることができる。
【0021】
前記半導体検出器5は導電性の合成樹脂で覆ったフォトダイオード7とプリアンプ8から構成され、前記半導体検出器5のフォトダイオード7のP層71に電源が接続されてマイナス電位が印加され、一方、前記外周電極2にはプラス電位とされ、両極間に高電圧のいわゆる捕集用電圧が印加されている。
このことにより、ラドンやトロンの崩壊に伴いプラスイオン化した娘核種が、電気的にフォトダイオード7のP層71に吸引され効率よく捕集される。
崩壊に伴って放出されるα線などをフォトダイオード7により検出してプリアンプ8を介して信号として出力される。フォトダイオード7にはバイアス電圧を印加して、検出精度を向上させることもできる。
前記外周電極2の外周囲側は高電圧が加わるので、エアキャップなどの絶縁性の合成樹脂からなる絶縁保護材14で覆うことにより、取扱い時の安全性を図ることができる。
また、アルミ箔21を外周電極2で巻きつけることにより、導電性合成樹脂からなる内筒12との接触を均一にすることができる。
【0022】
図2は、本発明の放射線測定装置の半導体検出器5の具体的な回路構成を示している。
前記半導体検出器5は図1に示すフォトダイオード7から成る半導体素子の入射部を構成するアノードに抵抗を介して負バイアス電源が接続されている。
またアノードは半導体などから成るプリアンプ8を介してリニアアンプ9に接続され、このリニアアンプ9の出力側が図2に示すマイクロコンピュータ110に接続されている。
前記マイクロコンピュータ110には気圧計111、電波時計112が接続され、それぞれ気圧及び実時間を記録できるようになっているし、その他にLCD表示、PC、プリンター等がマイコン110に接続されている。
【0023】
クリーンルームを形成できるようなフィルター3を設けた被測定空気導入孔4から被測定空気導入タンク1に被測定空気を導入し、前記被測定空気排出孔6の直後に絶対湿度計113を配置し、下流に定流量ポンプ114を設けて前記被測定空気排出孔6から被測定空気を排気する。
フォトダイオード7の構造上周辺電極部に空気中のイオン性の塵が付着し、暗電流が増加して短い期間で測定不能になるという問題が発生する危険があるが、このフィルター3によって清浄な空気を導入することにより、フォトダイオード7の劣化が起きにくくα線の効率的測定が長期間にわたって測定可能となるものである。
【0024】
本発明の放射線測定装置の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1に示す放射線測定装置の外周電極2とフォトダイオード7間に数百ボルトの高電圧を印加する。
半導体検出器5は、フォトダイオード7の入射部に負のバイアス電圧を印加し、放射性イオン核種を直接入射部で捕集し、捕集されたイオンから放出されるα線のエネルギ信号を直接計測するようにしている。
すなわち半導体検出器5の表面に静電捕集された放射性イオンはそこで崩壊しα線を放出する。このエネルギ信号をこの検出器5が直接測定することになる。
【0025】
前記半導体検出器5の電極には負のバイアス電源によってフォトダイオード7の入射部を構成するアノード(陰極)が例えばマイナス100Vの電圧を印加される。従って大気中に正イオンから成る放射性イオンが存在する場合には、このイオンがアノードによって捕捉される。
そしてアノードに捕捉された放射性イオンからα線あるいはγ線が放出される。α線粒子によって、フォトダイオード7内において電子と正孔の対が生成され、これらが電界によってアノードおよびカソードにそれぞれ移動する。
正孔の移動によってアノードに電流が流れ、抵抗の両端パルス電圧が生じる。
この電圧信号がプリアンプ8およびリニアアンプ9によって増幅され、マイクロコンピュータ110によってそれぞれのα線のエネルギが分析される。
【0026】
定流量エアポンプ114のスイッチを入れ、被測定空気を被測定空気導入タンク1内に導入開始すると同時に開始時刻を自動記録する。
前記半導体検出器5は、フォトダイオード7の入射部を構成するアノードたるP層71の表面に放射性イオンを静電捕集することができる点が極めて大きな特徴である。
また通常の放射線測定回路に接続してその計数率をリアルタイムで観測することによって、ラドン濃度のモニタとして使用できる。
【0027】
フォトダイオード7からの信号はプリアンプ8を介して、更にリニアアンプ9により増幅しマイクロコンピュータ110のADCポートから取り込む。
核種ごとにデータを蓄積しつつ、同時に一定時間ごとに絶対湿度計113、気圧計111から絶対湿度・気圧のデータを取り込む。
【0028】
このパルス信号を、マイクロコンピュータ110内でアナログからデジタルに変換を行って、その最大波高値からラドンとトロンを弁別し、さらにそれらの強度(=頻度)から、それぞれの空気中濃度を算出することができる。
所定時間、例えば1秒間に放射性イオンが崩壊する確率は、そのときに存在する放射性イオン元素の個数に比例する。従って例えば放射性崩壊する際にα粒子が放出されるとすると、このα粒子の個数を測定することによって放射性元素の濃度に関する情報が得られる。
すなわち放射性元素の濃度変化のモニタが可能になる。
【0029】
このようなモニタの応用例は、例えば大気中に含まれるラドンあるいはトロンの濃度の測定である。経過時間から通過した空気量を計算し、絶対湿度を補正後、空気中のラドン・トロン濃度に換算する。これらデータをメモリーに蓄積する。
一定時間後、高電圧を切って終了時刻を記録し、エアポンプを停止する。
ここで、絶対湿度を補正するためにあらかじめ、絶乾状態及び相対湿度が100%とした時の絶対湿度における測定により校正を行って補正のプログラムを準備しておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、筒状の被測定空気導入タンクの周囲に外周電極を配し、前記被測定空気導入タンクの一端にフィルターを介した被測定空気導入孔を配し、前記被測定空気導入タンクの他端に半導体検出器と被測定空気排出孔を配し、前記半導体検出器のP層がマイナス電位に、前記外周電極がプラス電位になるように前記P層と外周電極との間に捕集電圧を印加しておくことによって、前記タンク内に導入された被測定空気中の放射性元素の崩壊に伴いプラスイオン化した娘核種を前記P層に捕集し、前期娘核種の崩壊に伴うα線を前記半導体検出器により信号として検出することを特徴とする放射線測定装置である。
これらのことから、
・放射線、およびその測定技術に関する専門知識は全く不要で、全自動で運転することができる。
・バッテリー駆動による、完全ポータブルな自動測定器である。
【0031】
従って、本発明の放射線測定装置によれば、捕集電極に捕集された放射性イオンが発生するα線等の放射線を直接的にかつリアルタイムで測定することが可能になる。
この特徴によって、
・人体への、ラドンやトロンの影響の有無を研究する場合に、人間が活動する環境のラドンやトロンの濃度を簡易に測定することによって、多くの基礎となるデータを集積することが可能となる。
・温泉や地下室など、特にラドン濃度が大きくなる可能性の高い施設についてその監視を行って、原因物質などの特定や人体への影響を検証するためのデータを集積することが可能となる。
【0032】
・ラドンやトロンの崩壊に伴って発生するα線が、種々の科学施設における高感度放射線測定機器に与える影響について解析するための基礎となるデータを集積することが可能となる。
・半導体製造時にα線によるダメージを受けやすい工程において、環境のラドン濃度を監視することができる。
・大地震の際にラドンの濃度変化が観測されていることから、簡易な測定装置により時間的にも地理的にも広範囲で膨大な基礎データを蓄積することにより、ラドンの濃度変化と、さらにトロンの濃度変化と両者の比なども、あわせて地震予知に応用できないか検討することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】放射線測定装置の概略の断面図である。
【図2】同検出器の概略の回路図である。
【符号の説明】
【0034】
1 被測定空気導入タンク
11 一端
12 内筒
13 他端
14 絶縁保護材
2 外周電極
3 フィルター
4 被測定空気導入孔
5 半導体検出器
6 被測定空気排出孔
7 フォトダイオード
71 P層
8 プリアンプ
9 リニアアンプ
110 マイクロコンピュータ
111 気圧計
112 電波時計
113 絶対湿度計
114 定流量ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の被測定空気導入タンクの周囲に外周電極を配し、前記被測定空気導入タンクの一端にフィルターを介した被測定空気導入孔を配し、前記被測定空気導入タンクの他端に半導体検出器と被測定空気排出孔を配し、前記半導体検出器のP層がマイナス電位に、前記外周電極がプラス電位になるように前記P層と外周電極との間に捕集電圧を印加しておくことによって、前記タンク内に導入された被測定空気中の放射性元素の崩壊によって放出されるプラスイオン化した娘核種を前記P層に捕集し、前記娘核種の崩壊によって放出されるα線を前記半導体検出器により信号として検出することを特徴とする放射線測定装置。
【請求項2】
被測定空気排出孔から排出される被測定空気の絶対湿度を測定して、前記検出された信号に湿度補正を加えることを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項3】
前記湿度補正を加えた信号に捕集・測定中の放射性崩壊による減衰を自動補正し、空気中濃度を自動的に算出する機能を持ったことを特徴とする請求項2記載の放射線測定装置。

【図1】
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【図2】
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