説明

放射線画像検出装置及び放射線撮影システム

【課題】ダーク画像データ取得に影響を与えることなく、かつ、画質を低下させることなく、プレビュー画像の迅速な表示を可能とする放射線画像検出装置および放射線撮影システムを提供する。
【解決手段】放射線撮影システムは、撮像された画像データを外部へ転送する無線通信部と、前記無線通信部の通信速度をモニタする通信速度検出部とを備え、S03とS04過程にて露光時の放射線画像データを取得及び記憶し、S09過程にてその蓄積電荷をリセットした後、S10とS11過程にて非露光時のダーク画像データを取得する。その際、S06過程にてプレビュー用の縮小画像データを転送するが、少なくとも、S11過程である前記ダーク画像データの電荷読み出し前に、前記縮小画像データの転送が完了するよう前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいてリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像検出装置及び放射線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線を用いた撮影は、医療診断や非破壊検査などの分野において広く普及している。一般的なX線撮影においては、被写体にX線を照射し、被写体の各部において減衰を受けて該被写体を透過したX線を検出し、その強度分布に基づいて被写体のX線画像を得ている。
【0003】
X線を検出する検出媒体として、近年では、X線を受光して電荷信号に変換する画素のアレイを有し、画素アレイから出力される電荷信号に基づいて画像データを生成するフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)が用いられている。
【0004】
一般に、FPDによって取得される被写体の画像データに対しては種々の補正処理が行われ、補正された画像データに基づく画像が被写体のX線画像として提示される。そのような補正処理として、例えばオフセット補正が挙げられる。
【0005】
オフセット補正は、FPDの各画素の暗電流ノイズを除去するものであり、暗電流は、X線非露光時に各画素から出力される電荷信号として測定される。オフセット補正は、X線露光時に生成されるX線画像データから、X線非露光時に生成されるダーク画像データを差し引くことで、画素毎に異なる暗電流ノイズを除去する。ダーク画像データは、X線画像データを取得する一連の撮影シーケンスにおいて取得され、例えば、X線画像データ取得後に取得される。
【0006】
X線撮影には、上記のFPDが可搬型の筐体に収納されて構成された、いわゆる電子カセッも広く用いられており、電子カセッテによって取得された画像データは、撮影条件の設定や撮影指示などの操作がなされるコンソールに、無線通信又は有線通信によって送出され、コンソールにおいて画像表示される。
【0007】
そして、撮影結果を早期に確認して再撮影の必要性などを早急に判定することができれば、診断や検査などのワークフローを円滑に進行させることができる。かかる観点から、電子カセッテにおいてX線画像データから縮小画像データを生成し、この縮小画像データをX線画像データやダーク画像データに先んじてコンソールに送出し、コンソールにおいてプレビュー画像を表示するように構成された撮影システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−26083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された撮影システムにおいて、電子カセッテからコンソールへの縮小画像データの送出は、X線画像データ取得後に直ちに開始されるが、データサイズと通信速度との関係によっては、ダーク画像データの取得期間に及ぶ場合がある。
【0010】
縮小画像データの送出が、ダーク画像データの取得の際における各画素から電荷信号の読み出し期間に及ぶと、例えば、各画素から読み出される電荷信号を増幅するアンプにおいて、通信に伴う電磁波ノイズが電荷信号に重畳される。各画素の暗電流は非常に微弱であり、電磁波ノイズが重畳された電荷信号に基づいて生成されたダーク画像データを用いて上記の補正処理を行ったのでは、X線画像データに被写体のX線画像の画質を低下させる虞がある。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、その目的は、被写体のX線画像の画質を低下させることなく、プレビュー画像の迅速な表示を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 放射線を受光して電荷を蓄積する画素のアレイを有する受像部、および前記受像部から出力される電荷信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部を有する撮像部と、前記撮像部によって取得された前記画像データを外部機器へ送出する通信部と、前記通信部の通信速度をモニタする通信速度検出部と、放射線露光時に放射線画像データを取得し、前記放射線画像データの取得後に前記受像部をリセットし、リセット後の放射線非露光時にダーク画像データを取得するように前記撮像部を駆動する制御部と、を備え、前記画像データ生成部は、前記放射線画像データから、その縮小画像データを生成し、前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像取得の際の前記受像部からの電荷信号の読み出し前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置。
(2) 上記(1)の放射線画像検出装置と、前記放射線画像検出装置から送出された画像データを受信する外部機器と、を備え、前記外部機器が、前記縮小画像データに基づいてプレビュー画像データを生成する画像処理部と、前記画像処理部によって生成された前記プレビュー画像データに基づく画像を表示する表示部と、を備える放射線撮影システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、受像部から出力される電荷信号に基づいて画像データ生成部が画像データを生成する際に、外部機器への縮小画像データの送信に伴う電磁波ノイズがこの電荷信号に重畳されることを防ぐことができるので、被検者の放射線画像の画質を低下させることなく、プレビュー画像の迅速な表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係るX線撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るX線撮影システムを構成する各装置の放射線撮影室内における配置例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るX線撮影システム電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す画像データ生成部の構成の一例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るX線撮影システムの撮影シーケンスを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係るX線撮影システムを構成する電子カセッテの撮像部と無線通信部の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係るX線撮影システムの撮影シーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3に係るX線撮影システムを構成する電子カセッテの撮像部と無線通信部の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。ここでは、本発明を、病院内におけるX線撮影室に設置されたX線撮影システムに適用した形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの構成を示す図である。
【0017】
X線撮影システム100は、被検者(患者)にX線を照射するX線発生装置101と、被検者の撮影対象部位を透過したX線を受光して電荷を発生し、発生した電荷信号に基づいてX線画像データを生成する電子カセッテ(X線画像検出装置)102と、電子カセッテ102に内蔵されたバッテリを充電するクレードル103と、電子カセッテ102で生成したX線画像データを受信して画像を表示したり、X線発生装置101および電子カセッテ102の制御を行ったりするコンソール(外部機器)104とを備えている。
【0018】
上記X線撮影システム100は、例えば、病院の内部におけるX線撮影室150に設置されており、無線LAN(Local Area Network)等からなる病院内ネットワーク200を介してサーバ201に接続されている。サーバ201は、X線撮影システム100におけるX線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、被検者(患者)に関する情報、電子カセッテ102に関する情報、電子カセッテ102を使用する環境(X線撮影室)に関する情報等が格納されたデータベース202を備えている。医師や放射線技師は、このサーバ201からの指示に応じてX線撮影室のX線撮影システム100を操作し、X線画像の撮影等を行う。
【0019】
図2は、上記X線撮影システム100を構成する各装置のX線撮影室内における配置例を示す図である。
【0020】
図2に示すように、X線撮影室150には、立位でのX線撮影を行う際に用いられる立位台151と、臥位でのX線撮影を行う際に用いられる臥位台152とが設置されている。立位台151の前方空間は、立位でのX線撮影を行う際の被検者153の撮影位置となっており、臥位台152の上方空間は、臥位でのX線撮影を行う際の被検者153の撮影位置となっている。
【0021】
立位台151には、電子カセッテ102を保持する保持部154が設けられており、立位でのX線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ102が保持部154に保持される。同様に、臥位台152には、電子カセッテ102を保持する保持部155が設けられており、臥位でのX線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ102が保持部155に保持される。
【0022】
また、X線撮影室150には、単一のX線源110からのX線によって立位でのX線撮影も臥位でのX線撮影も可能となるよう、X線源110を水平な軸回り(図2の矢印a方向)に回動可能で、垂直方向(図2の矢印b方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印c方向)に移動可能に支持する支持移動機構157が設けられている。図示は省略するが、支持移動機構157は、X線源110を水平な軸回りに回動させる駆動源と、垂直方向に移動させる駆動源と、水平方向に移動させる駆動源とを備えている。
【0023】
未使用時の電子カセッテ102は、クレードル103に収納され、内蔵のバッテリ(充電可能な二次電池)に充電が行われる。X線画像の撮影時には、電子カセッテ102がクレードル103から取り出され、立位台151の保持部154あるいは臥位台152の保持部155に保持される。
【0024】
図3は、上記X線撮影システム100の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0025】
X線撮影システム100は、X線発生装置101とコンソール104との間、および電子カセッテ102とコンソール104との間で、無線通信による各種情報の送受信を行う構成になっている。
【0026】
図3に示すように、電子カセッテ102は、受像部10と画像データ生成部20とを有する撮像部30、画像メモリ40、カセッテ制御部50、無線通信部60、通信速度検出部70、および電源部90を備えている。
【0027】
受像部10は、被検者の撮影対象部位を透過したX線を受光して電荷を蓄積する複数の画素11を図の行方向および列方向に配置したアレイ構成を有しており、各画素11は、センサ部12、コンデンサ13および薄膜トランジスタ(TFT)14を含んで構成されている。
【0028】
上記複数の画素11は、図の行方向に延在し、薄膜トランジスタ14をオン/オフさせるための複数のゲート配線15と、図の列方向に延在し、オン状態の薄膜トランジスタ14を介して電荷を読み出すための複数のデータ配線16との交点に配置されている。また、複数のゲート配線15のそれぞれの一端はゲート線ドライバ17に接続され、複数のデータ配線16のそれぞれの一端は画像データ生成部20に接続されている。
【0029】
各画素11の薄膜トランジスタ14は、ゲート線ドライバ17からゲート配線15を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、オン状態とされた薄膜トランジスタ14によって読み出された電荷は、電荷信号としてデータ配線に流れ出し、画像データ生成部20に入力される。これにより、画素11に蓄積された電荷は行単位で順に読み出され、二次元状のX線画像が取得可能となる。
【0030】
図4は、上記画像データ生成部20の構成の一例を示す回路図である。
【0031】
図4に示すように、画像データ生成部20は、データ配線16のそれぞれに対応して、可変ゲインプリアンプ82とサンプルホールド回路84とを備えている。サンプルホールド回路84のそれぞれは、マルチプレクサ86に設けられたスイッチ86Aを介してA/D(アナログ/ディジタル)変換器88に接続されている。
【0032】
可変ゲインプリアンプ82は、正入力側が接地されたオペアンプ82Aと、オペアンプ82Aの負入力側と出力側との間にそれぞれ並列に接続されたコンデンサ82Bと、リセットスイッチ82Cとを含んで構成されており、リセットスイッチ82Cは、カセッテ制御部50によって切り換えられる。データ配線16を通じて画像データ生成部20に入力された電荷信号は、可変ゲインプリアンプ82のコンデンサ82Bに蓄積される。
【0033】
X線画像を検出する際、カセッテ制御部50は、まず、可変ゲインプリアンプ82のリセットスイッチ82Cを所定期間オン状態とすることにより、コンデンサ82Bに蓄積されていた電荷を放電する。続いて、カセッテ制御部50は、サンプルホールド回路84を所定期間駆動させることにより、可変ゲインプリアンプ82によって増幅された電荷信号の信号レベルをサンプルホールド回路84に保持させる。
【0034】
そして、各サンプルホールド回路84に保持された信号レベルは、カセッテ制御部50による制御に応じてマルチプレクサ86により順次選択され、A/D変換器88によってA/D変換されることにより、撮影されたX線画像を示す画像データが生成される。
【0035】
上記画像データ生成部20には、撮像部30に駆動用の電力を供給する電源20Aと、画像データ生成部20で生成された画像データを記憶する画像メモリ40とが接続されている。
【0036】
電源20Aは、その電力入力端が電源部90に接続されたDC−DCコンバータによって構成されている。このDC−DCコンバータの出力端は、画像データ生成部20の可変ゲインプリアンプ82、サンプルホールド回路84、マルチプレクサ86、およびA/D変換器88に接続されている。また、電源20Aの制御入力端にはカセッテ制御部50が接続されており、電源20Aからの電力供給開始および電力供給停止は、カセッテ制御部50によって制御される。
【0037】
画像メモリ40は、所定枚数分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、X線画像の撮影が行われる毎に、画像データ生成部20のA/D変換器88から出力された画像データを順に記憶する。また、画像メモリ40にはカセッテ制御部50が接続されており、画像メモリ40への画像データの書き込み、読み出し、消去等の動作は、カセッテ制御部50によって制御される。
【0038】
カセッテ制御部50は、マイクロコンピュータを含んで構成され、CPU(中央処理装置)51、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ52、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部53を備えており、電子カセッテ102の全体の動作を制御する。
【0039】
上記カセッテ制御部50には、無線通信部60が接続されている。無線通信部60は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN規格に対応しており、カセッテ制御部50からの指示に基づき、X線発生装置101およびコンソール104との間で無線通信による各種情報の送受信を行う。
【0040】
上記無線通信部60には、通信速度検出部70が接続されている。通信速度検出部70は、カセッテ制御部50からの指示に基づき、X線発生装置101およびコンソール104との間で行われる無線通信の通信速度をモニタする。
【0041】
上述した各種回路や各種素子(ゲート線ドライバ17、画像データ生成部20、カセッテ制御部50、画像メモリ40、無線通信部60、通信速度検出部70等)は、電源部90から供給される電力によって作動する。電源部90は、電子カセッテ102の可搬性を損なわないように、バッテリを内蔵しており、前述したクレードル103(図2参照)で充電されたバッテリから各種回路や各種素子に電力を供給する。なお、図3では、電源部90と各種回路や各種素子とを接続する配線を省略している。
【0042】
電子カセッテ102の外部のX線発生装置101は、X線源110とコンソール104との間でX線の曝射条件等の各種情報を送受信する無線通信部112と、コンソール104から受信した曝射条件に基づいてX線源110を制御し、X線源110からX線を照射させる線源制御部111とを備えている。
【0043】
コンソール104は、全体の動作を司るCPU113と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM114と、各種データを一時的に記憶するRAM115と、各種データを記憶して保持するHDD(ハードディスクドライブ)116と、ディスプレイ(表示部)121への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ117と、操作パネル122に対する操作状態を検出する操作入力検出部118と、電子カセッテ102から転送される縮小画像データに基づいてプレビュー画像データを生成したり、X線画像データおよびダーク画像データに基づいてオフセット補正を行ったりする画像処理部123とを備えている。
【0044】
また、コンソール104は、無線通信により、X線発生装置101との間で曝射条件等の各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ102との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部119を備えている。
【0045】
上記CPU113、ROM114、RAM115、HDD116、ディスプレイドライバ117、および無線通信部119は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU113は、ROM114、RAM115、HDD116へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ117を介したディスプレイ121への各種情報の表示の制御や、無線通信部119を介したX線発生装置101および電子カセッテ102との各種情報の送受信の制御を行うことができる。また、CPU113は、操作入力検出部118を介して操作パネル122に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0046】
次に、X線撮影システム100の撮影シーケンスについて説明する。
【0047】
図5は、X線撮影システム100の撮影シーケンスのフローチャートであり、図6は、電子カセッテ102の撮像部と無線通信部の動作を示すタイミングチャートである。
【0048】
まず、X線撮影の開始に先立って、電子カセッテ102の電源部90がオン状態とされる。このとき、カセッテ制御部50は、電源20Aから撮像部30に駆動用の電力を供給するように、電源20Aを制御する(ステップ01)。
【0049】
次に、図2に示すX線撮影室150においてX線撮影の準備が完了すると、電子カセッテ102の受像部10に形成された画素11のリセット(初期化)が行われる(ステップ02)。このとき、カセッテ制御部50は、受像部10のゲート線ドライバ17を駆動して各ゲート配線15に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、受像部10に形成された画素11のコンデンサ13に残留している電荷をデータ配線16に放電させる。
【0050】
次に、X線撮影が開始され、被検者の撮影対象部位を透過したX線が受像部10に入射すると、受像部10に形成された各画素11において、入射したX線の強度に応じた電荷が発生し、この電荷が各画素11のコンデンサ13に蓄積される(ステップ03)。
【0051】
次に、X線撮影が終了し、受像部10へのX線の入射が停止すると、受像部10の画素11に蓄積された電荷の読み出しが開始される。このとき、カセッテ制御部50は、受像部10のゲート線ドライバ17を駆動して各ゲート配線15に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、各ゲート配線15に接続された画素11の薄膜トランジスタ14を1ラインずつ順にオンさせる。
【0052】
これにより、薄膜トランジスタ14がオンとなった画素11において、コンデンサ13に蓄積された電荷が電荷信号としてデータ配線16に流れ出し、データ配線16に接続された画像データ生成部20に入力される。画像データ生成部20は、この電荷信号を可変ゲインプリアンプ82で増幅した後、A/D変換器88でA/D変換することにより、撮影されたX線画像に対応するディジタル画像データを生成し(ステップ04)、このX線画像データを画像メモリ40に記憶させる。
【0053】
次に、カセッテ制御部50は、画像メモリ40に記憶された上記X線画像データに基づいて低解像度のプレビュー用縮小画像データを生成するように、画像データ生成部20を駆動する(ステップ05)。X線画像データから縮小画像データを生成するには、例えば、受像部10に形成されたn×n(nは自然数)個の画素11の正方領域を構成する画素群のうち、一群を抽出し、抽出した画素群に対して演算処理を施すことにより、上記n×n個の画素11の正方領域を表現する縮小画像データの1画素を生成する周知の間引き法やビニング法等が用いられる。
【0054】
画像データ生成部20が縮小画像データを生成すると、カセッテ制御部50は、無線通信部60を駆動し、この縮小画像データを無線通信によってコンソール104に転送させる(ステップ06)。このとき、無線通信部60に接続された通信速度検出部70は、無線通信部60からコンソール104に転送される縮小画像データの通信速度をモニタする。そして、カセッテ制御部50は、通信速度検出部70によってモニタされた上記通信速度を検出し(ステップ07)、これを記憶部53に記憶させる。
【0055】
次に、カセッテ制御部50は、検出した通信速度に基づいてリセット時間(T)を設定し(ステップ08)、続いて、受像部10を駆動して各画素11のリセット(初期化)を行う(ステップ09)。すなわち、カセッテ制御部50は、受像部10のゲート線ドライバ17を駆動して各ゲート配線15に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、各画素11のコンデンサ13に残留している微少な電荷をデータ配線16に放電させる。
【0056】
次に、カセッテ制御部50は受像部10を駆動し、X線が未照射の状態でX線撮影時と同一の動作をX線撮影時と同一の時間だけ再現することにより、受像部10の各画素11に電荷を蓄積させ(ステップ10)、続いて、ステップ04での電荷の読み出しと同一の手順により、各画素11に蓄積された電荷の読み出しを行う。そして、各画素11から読み出された電荷信号がデータ配線16を通じて画像データ生成部20に入力されると、画像データ生成部20は、この電荷信号からダーク画像データを生成し(ステップ11)、このダーク画像データを画像メモリ40に記憶させる。
【0057】
ところで、受像部10において、電荷の蓄積(ステップ10)が行われている間、無線通信部60では、画像データ生成部20で生成されたプレビュー用の縮小画像データが無線通信によってコンソール104に転送されている(ステップ06)。
【0058】
このステップ06における縮小画像データの転送期間がステップ10における電荷の読み出し期間に及ぶと、ステップ11で画像データ生成部20がダーク画像データを生成する際、縮小画像データの無線送信に伴う電磁波が、例えば画像データ生成部20の可変ゲインプリアンプ82に影響を及ぼし、読み出される電荷信号にノイズが重畳され、このダーク画像データを用いて行われるオフセット補正の精度を低下させる恐れがある。
【0059】
そこで、本X線撮影システム100においては、ステップ10に続く電荷の読み出しが開始される前、すなわちX線が未照射の状態で受像部10の各画素11に電荷が蓄積されている期間内に、無線通信部60からコンソール104への縮小画像データの転送が完了するように、カセッテ制御部50がステップ09におけるリセット時間(T)を変更する。
【0060】
すなわち、ステップ09で行なうリセットに要する最小時間をt、ステップ07で検出した通信速度とステップ05で生成した縮小画像データの容量とから算出した縮小画像データの転送時間(=縮小画像データ容量/通信速度)をtとしたとき、t>tであれば、ステップ08において、リセット時間(T)をT=t(あるいはtより大きい値)に設定し、t≦tであれば、リセット時間(T)をT=tに設定する。
【0061】
このようにして、ステップ06で縮小画像データが電子カセッテ102からコンソール104へ転送されると、コンソール104の画像処理部123は、この縮小画像データと、予めHDD116に記憶させておいた前回撮影時のダーク画像データとを用いてオフセット補正を行い(ステップ12)、このオフセット補正により得られた縮小画像データに基づいてプレビュー画像データを生成する。
【0062】
次に、画像処理部123で生成されたプレビュー画像データは、システムバスBUSおよびディスプレイドライバ117を介してディスプレイ121に転送され、プレビュー用画像として表示される(ステップ13)。
【0063】
なお、上記ステップ13では、コンソール104へ転送された縮小画像データから直接プレビュー用画像データを生成してもよいが、オフセット補正により得られた縮小画像データに基づいてプレビュー画像データを生成した場合は、縮小画像データから直接プレビュー画像データを生成する場合に比べて、ディスプレイ121に表示されるプレビュー画像の画質を向上させることができる。
【0064】
ディスプレイ121にプレビュー画像が表示されると、医師や放射線技師は、このプレビュー画像を観察し、被検者の撮影対象部位が適切に表示されているか否か等を確認し、再撮影の要否を判定する(ステップ14)。判定結果は、コンソール104において入力され、入力された判定結果情報は、コンソール104から電子カセッテ102に送信される。
【0065】
再撮影が不要と判定された場合は、カセッテ制御部50の制御により、画像メモリ40に記憶された画像データおよびダーク画像データが無線通信部60を通じてコンソール104に送出され(ステップ15)、撮像部30の電源20Aがオフ状態とされる(ステップ16)。この際、ステップ6で転送された縮小画像が、間引きデータである場合、このステップ15で転送される画像データは、ステップ6で転送された間引き画像の残りの画像データでもよい。フル画像ではなく、間引き画像の残りの画像とすれば、転送時間はより短くなるというメリットがある。
【0066】
X線画像データおよびダーク画像データがコンソール104に送出されると、画像処理部123は、まず、ダーク画像データをHDD116に記憶させ(ステップ17)、続いて、このダーク画像データを用いてX線画像データのオフセット補正を行う(ステップ18)。その後、オフセット補正されたX線画像データに対してゲイン補正、欠陥補正等の処理が施されることにより、被検者の診断、検査用X線画像がディスプレイ121に表示される(ステップ19)。
【0067】
一方、ステップ14において再撮影が必要と判定された場合は、カセッテ制御部50の制御により、撮像部30への電力の供給が継続され、ステップ02以降の処理が反復される。
【0068】
なお、医師や放射線技師が再撮影の要否を判定するものとしたが、例えば、プレビュー画像データに対する画像処理によって、プレビュー画像データのコントラストを解析して撮影時のX線量適否を判定するなどして、コンソール104の画像処理部123等に再撮影の要否を自動判定させることもできる。そして、再撮影が不要と判定された場合は、コンソール104からカセッテ制御部50に対して、前述のステップ15、16を実行するよう指示がなされる。また、再撮影が必要と判定された場合は、撮像部30への電力の供給を継続すると共にステップ02以降の処理を反復するよう指示がなされる。
【0069】
このように、本X線撮影システム100においては、画像データ生成部20で生成されたプレビュー用の縮小画像データを無線通信でコンソール104に転送する際、カセッテ制御部50は、ダーク画像取得のための電荷信号の読み出しが開始される前にコンソール104への縮小画像データの転送が完了するように、通信速度検出部70によって検出される通信速度に基づいて受像部10のリセット時間(T)を変更する。
【0070】
これにより、画像データ生成部20がダーク画像データを生成する際、縮小画像データの無線送信に伴う電磁波に起因して読み出される電荷信号にノイズが重畳されることを防ぐことができる。従って、被検者のX線画像の画質を低下させることなく、プレビュー画像の迅速な表示を行うことが可能となる。
【0071】
図7は、X線撮影システム100の撮影シーケンスのフローチャートの他の例である。
【0072】
図5に示す例においては、画像データ生成部20で生成されたプレビュー用の縮小画像データを無線通信でコンソール104に転送する際、カセッテ制御部50は、ダーク画像取得のための電荷信号の読み出しが開始される前にコンソール104への縮小画像データの転送が完了するように、通信速度検出部70によって検出される通信速度に基づいて受像部10のリセット時間(T)を変更した。
【0073】
これに対し、本例においては、図7に示すように、通信速度検出部70によって検出される通信速度に基づいて縮小画像データの縮小率を変更することによって、ダーク画像取得のための電荷信号の読み出しが開始される前にコンソール104への縮小画像データの転送を完了させる。縮小画像データの生成に上述した間引き法を用いる場合には、間引き率、即ち、縮小画像データにおいて1画素となるX線画像データにおけるn×n画素の正方領域の大きさを調整することにより、縮小画像データの縮小率を適宜変更することができる。
【0074】
まず、前述したステップ01〜ステップ04に従ってX線画像データを生成し、この画像データを画像メモリ40に記憶させる。
【0075】
次に、カセッテ制御部50は、受像部10を駆動して各画素11のリセット(初期化)を行う(ステップ09)と共に、通信速度検出部70によってモニタされた通信速度を検出する(ステップ07a)。
【0076】
次に、カセッテ制御部50は、ステップ07aで検出した通信速度と、初期設定されたリセット時間tとから、転送可能な画像データ容量S(=通信速度×リセット時間t)を算出する。
【0077】
そして、縮小画像データの容量が、転送可能な画像データ容量S以下となるように、縮小画像データの縮小率を設定し、縮小画像データを生成し(ステップ05)、続いて、この縮小画像データを、無線通信部60を通じてコンソール104に転送する(ステップ06)。
【0078】
その後のフロー(ステップ10〜ステップ19)は、図5に示す例と同一であるため、その説明は省略する。
【0079】
このように、画像データ生成部20がダーク画像データを生成する際、縮小画像データの無線送信に伴う電磁波に起因して読み出される電荷信号にノイズが重畳されることを防ぐことができる。従って、被検者のX線画像の画質を低下させることなく、プレビュー画像の迅速な表示を行うことが可能となる。
【0080】
図8は、電子カセッテ102の撮像部と無線通信部の動作を示すタイミングチャートの他の例を示す。
【0081】
以上の例では、ダーク画像取得のための電荷の読み出しが開始される前に、無線通信部60からコンソール104への縮小画像データの転送(ステップ06)が完了するように、カセッテ制御部50がリセット時間の変更、又は縮小画像データの縮小率の変更を行った。
【0082】
これに対し、本例では、図8に示すように、ダーク画像取得のための電荷の蓄積(ステップ10)が開始される前に、無線通信部60からコンソール104への縮小画像データの転送(ステップ06)が完了するように、ステップ08におけるリセット時間の変更を行う。あるいは、リセット時間を変更する手段に代えて、縮小画像データの縮小率を変更してもよい。これによれば、各画素11における電荷の蓄積が、縮小画像データの無線送信に伴う電磁波の影響を受けることを防止することが可能となる。
【0083】
以上の説明においては、ダーク画像取得のための電荷の蓄積が開始される前に無線通信部60からコンソール104への縮小画像データの転送が完了するように、リセット時間の変更または縮小画像データの縮小率の変更を行ったが、リセット時間および縮小画像データの縮小率を共に変更してもよい。
【0084】
また、以上の説明においては、無線によって画像データを外部機器に送出するX線画像検出装置およびX線撮影システムについて説明したが、本発明は、有線によって画像データを外部機器に送出するX線画像検出装置およびX線撮影システムに適用することもできる。
【0085】
また、以上の説明においては、放射線として一般的なX線を用いる場合について説明したが、本発明はX線に限られるものではなく、α線、γ線等のX線以外の放射線を用いることも可能である。
【0086】
以上、説明したように、本明細書には、下記(1)〜(4)の放射線画像検出装置、下記(5)〜(7)の放射線撮影システム、下記(8)及び(9)の放射線画像検出装置の制御方法が開示されている。
【0087】
(1) 放射線を受光して電荷を蓄積する画素のアレイを有する受像部、および前記受像部から出力される電荷信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部を有する撮像部と、前記撮像部によって取得された前記画像データを外部機器へ送出する通信部と、前記通信部の通信速度をモニタする通信速度検出部と、放射線露光時に放射線画像データを取得し、前記放射線画像データの取得後に前記受像部をリセットし、リセット後の放射線非露光時にダーク画像データを取得するように前記撮像部を駆動する制御部と、を備え、前記画像データ生成部は、前記放射線画像データから、その縮小画像データを生成し、前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部からの電荷信号の読み出し前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置。
(2) 上記(1)の放射線画像検出装置であって、前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部における電荷の蓄積前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置。
(3) 上記(1)又は(2)の放射線画像検出装置であって、前記制御部は、前記ダーク画像データ取得後に、前記外部機器からの制御信号に基づいて、前記撮像部への電力の供給を停止または継続する放射線画像検出装置。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか一つの放射線画像検出装置であって、前記通信部は、無線通信によって前記画像データを前記外部機器に送出する放射線画像検出装置。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか一つの放射線画像検出装置と、前記放射線画像検出装置から送出された画像データを受信する外部機器と、を備え、前記外部機器が、前記縮小画像データに基づいてプレビュー画像データを生成する画像処理部と、前記画像処理部によって生成された前記プレビュー画像データに基づく画像を表示する表示部と、を備える放射線撮影システム。
(6) 上記(5)の放射線撮影システムであって、前記外部機器は、前記ダーク画像データを記憶する記憶部をさらに備え、前記画像処理部は、前記縮小画像データに対し、前記記憶部に記憶された以前のダーク画像データを用いて補正処理を行うことにより、前記プレビュー画像データを生成する放射線撮影システム。
(7) 上記(5)又は(6)に記載の放射線撮影システムであって、前記外部機器は、前記プレビュー画像データに基づいて、前記プレビュー画像データの元となった縮小画像データが取得された際の撮影の適否を判定する判定部をさらに備え、前記制御部は、前記判定部による判定結果が適当である場合には、前記ダーク画像データの取得後に、前記撮像部への電力の供給を遮断し、前記判定部による判定結果が不適である場合には、前記ダーク画像データの取得後に、前記撮像部への電力の供給を継続する放射線撮影システム。
(8) 放射線を受光して電荷を蓄積する画素のアレイを有する受像部、および前記受像部から出力される電荷信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部を有する撮像部と、前記撮像部によって取得された前記画像データを外部機器へ送出する通信部と、前記通信部の通信速度をモニタする通信速度検出部と、放射線露光時に放射線画像データを取得し、前記放射線画像データの取得後に前記受像部をリセットし、リセット後の放射線非露光時にダーク画像データを取得するように前記撮像部を駆動する制御部と、を備える放射線画像検出装置の制御方法であって、前記制御部は、前記放射線画像データから、その縮小画像データを生成するように前記画像データ生成部を制御し、且つ、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部からの電荷信号の読み出し前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置の制御方法。
(9) 上記(8)の放射線画像検出装置の制御方法であって、前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部における電荷の蓄積前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置の制御方法。
【符号の説明】
【0088】
10 受像部
11 画素
12 センサ部
13 コンデンサ
14 薄膜トランジスタ
15 ゲート配線
16 データ配線
17 ゲート線ドライバ
20 画像データ生成部
20A 電源
30 撮像部
40 画像メモリ
50 カセッテ制御部
52 メモリ
53 記憶部
60 無線通信部
70 通信速度検出部
82 可変ゲインプリアンプ
82A オペアンプ
82B コンデンサ
82C リセットスイッチ
84 サンプルホールド回路
86 マルチプレクサ
86A スイッチ
88 A/D変換器
90 電源部
100 X線撮影システム
101 X線発生装置
102 電子カセッテ
103 クレードル
104 コンソール
110 線源
111 X線源制御部
112 無線通信部
117 ディスプレイドライバ
118 操作入力検出部
119 無線通信部
121 ディスプレイ
122 操作パネル
123 画像処理部
150 X線撮影室
151 立位台
152 臥位台
153 被検者
154 保持部
155 保持部
157 支持移動機構
200 病院内ネットワーク
201 サーバ
202 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を受光して電荷を蓄積する画素のアレイを有する受像部、および前記受像部から出力される電荷信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部を有する撮像部と、
前記撮像部によって取得された前記画像データを外部機器へ送出する通信部と、
前記通信部の通信速度をモニタする通信速度検出部と、
放射線露光時に放射線画像データを取得し、前記放射線画像データの取得後に前記受像部をリセットし、リセット後の放射線非露光時にダーク画像データを取得するように前記撮像部を駆動する制御部と、
を備え、
前記画像データ生成部は、前記放射線画像データから、その縮小画像データを生成し、
前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部からの電荷信号の読み出し前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線画像検出装置であって、
前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部における電荷の蓄積前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の放射線画像検出装置であって、
前記制御部は、前記ダーク画像データ取得後に、前記外部機器からの制御信号に基づいて、前記撮像部への電力の供給を停止または継続する放射線画像検出装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
前記通信部は、無線通信によって前記画像データを前記外部機器に送出する放射線画像検出装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置と、
前記放射線画像検出装置から送出された画像データを受信する外部機器と、
を備え、
前記外部機器が、
前記縮小画像データに基づいてプレビュー画像データを生成する画像処理部と、
前記画像処理部によって生成された前記プレビュー画像データに基づく画像を表示する表示部と、
を備える放射線撮影システム。
【請求項6】
請求項5に記載の放射線撮影システムであって、
前記外部機器は、前記ダーク画像データを記憶する記憶部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記縮小画像データに対し、前記記憶部に記憶された以前のダーク画像データを用いて補正処理を行うことにより、前記プレビュー画像データを生成する放射線撮影システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の放射線撮影システムであって、
前記外部機器は、前記プレビュー画像データに基づいて、前記プレビュー画像データの元となった縮小画像データが取得された際の撮影の適否を判定する判定部をさらに備え、
前記制御部は、前記判定部による判定結果が適当である場合には、前記ダーク画像データの取得後に、前記撮像部への電力の供給を遮断し、前記判定部による判定結果が不適である場合には、前記ダーク画像データの取得後に、前記撮像部への電力の供給を継続する放射線撮影システム。
【請求項8】
放射線を受光して電荷を蓄積する画素のアレイを有する受像部、および前記受像部から出力される電荷信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部を有する撮像部と、前記撮像部によって取得された前記画像データを外部機器へ送出する通信部と、前記通信部の通信速度をモニタする通信速度検出部と、放射線露光時に放射線画像データを取得し、前記放射線画像データの取得後に前記受像部をリセットし、リセット後の放射線非露光時にダーク画像データを取得するように前記撮像部を駆動する制御部と、を備える放射線画像検出装置の制御方法であって、
前記制御部は、前記放射線画像データから、その縮小画像データを生成するように前記画像データ生成部を制御し、且つ、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部からの電荷信号の読み出し前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の放射線画像検出装置の制御方法であって、
前記制御部は、少なくとも前記ダーク画像データ取得の際の前記受像部における電荷の蓄積前に前記通信部による前記縮小画像データの送出が完了するように、前記通信速度検出部によって検出される通信速度に基づいて前記受像部のリセット時間および前記縮小画像データの縮小率の少なくともいずれか一方を変更する放射線画像検出装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−104826(P2013−104826A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250088(P2011−250088)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】