説明

放射線監視装置

【課題】テスト時間を大幅に削減し、テストパルスの周波数を自動で逐次最適化してテスト項目を臨機応変に変更可能な放射線監視装置を得る。
【解決手段】検出パルスを入力して計数率nを測定する測定部12を、検出パルスを入力して増幅するパルス増幅器11、増幅した検出パルスの電圧が所定範囲にある場合にデジタルパルスを出力する波高弁別器122、上記デジタルパルスを加算入力部123aに入力すると共に、フィードバックパルスを減算入力部123bに入力し、両者の差を積算した積算値Mを出力するカウンタ123、積算値Mを入力して上記フィードバックパルスを生成する周波数合成回路124、カウンタ123が計数する時の重み付けをする積算制御回路125、積算値Mを入力して計数率nを求める演算器126、パルス増幅器121の入力を切換える切換スイッチ128、カウンタ123の減算入力を切換える切換スイッチ129で構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子炉施設、使用済燃料再処理施設等での放射性物質の放出管理あるいは放射線管理に用いられる放射線監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子炉施設、使用済燃料再処理施設等で使用される従来の放射線監視装置は、放射線を検出して検出信号パルスを出力する検出器と、検出信号パルスを入力して計数率を測定する測定部を備えた複数チャンネルの放射線モニタと、個々の放射線モニタにテスト信号パルスを入力するテスト信号発生部と、テスト信号発生部のテスト信号パルスの周波数を制御すると共に、放射線モニタにおける検出信号パルスとテスト信号パルスの入力切換えを行う制御部とを備え、制御部は測定部の入力切換えスイッチを操作して検出信号パルスからテスト信号パルスに入力を切換え、入出力応答テスト、警報テストを行って個々の放射線モニタの健全性を確認している。
【0003】
各放射線モニタは、測定した計数率を工学値に変換して放射線量を求め、通常のバックグラウンドレベルより高い放射線量レベルに高警報が設定され、上記施設の管理エリアの放射線量率またはプロセス系統の放射能の異常に対して高警報を発信して運転員に報知すると共に、自動で必要な系統隔離を行うシステムになっている。また、通常のバックグラウンドレベルより低い放射線量レベルに低警報が設定され、放射線モニタの故障による検出器信号喪失あるいは検出器信号の計数率の低下に対して低警報を発信して運転員に報知するようにしている。
【0004】
上記放射線モニタの指示応答の精度及び警報動作の精度の確認は、測定部にテストパルスを入力することにより実施されており、制御部は、テスト項目に応じてテスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をステップ状あるいはランプ状に変化させる。なお、テスト期間中は、放射線監視装置から外部へ上記の高警報及び低警報が出力されないように、テスト開始前に警報をブロックし、テスト終了後はブロックを解除する。これらの操作は手動で行われ、警報をブロックしている期間はテスト中警報を出力する。
【0005】
一方、放射線モニタで測定された放射線量は統計的に変動するため、標準偏差が一定となるように計数率に応じて自動的に時定数を制御することで所定の測定精度を維持している。また、測定部は、計数率が10cpm程度から10cpm程度までの広いレンジをカバーして測定することが求められ、レンジ切換えに伴う不連続性をなくすために、広いレンジをレンジ切換えなしで、高速で動作するアップダウンカウンタを用いた計数率測定が行われている。
【0006】
このアップダウンカウンタを用いた計数率測定は、加算入力と減算入力の差分の積算値を一定周期で読み取って計数率を演算するもので、加算入力は、検出器から測定部に入力された検出信号パルスを増幅して所定の波高値を満たすものを波高弁別したデジタルパルスであり、減算入力は、積算値に基づき水晶発信器のクロックパルスを分周し、周波数合成して生成されたデジタルパルスであって、特に高計数率まで精度よく測定できることが特徴である。
【0007】
上記アップダウンカウンタを用いた計数率測定は、計数率が時定数で応答するため、テストパルスをデカード毎に入力して出力精度を確認する入出力応答テスト、及びテストパルスを入力して警報動作を確認する警報テストに時間がかかるため、テスト項目毎にテストパルスをステップ状に変化させるものとランプ状に変化させるものとを組み合わせてス
テップの変化の大きさとステップの継続時間とを最適化している。そして、ランプの傾きと継続時間を最適化し、シーケンシャルに入力するように予め設定しておくことにより、テストパルス入力に対する計数率の応答時間を短縮する工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−260262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に開示された測定方法は、定型的なテスト入力について、過大ステップ入力とそれに続くランプ入力のパターンを予め設定しておいて、入力パターンに従って自動的にテストパルスを入力するようにしたものである。しかし、この方法を用いても、テストパルスの繰り返し周波数の目標値が現状値より高い場合はそれなりにテスト時間が短縮されるが、テストパルスの繰り返し周波数の目標値が現状値より低い場合は依然として長時間を必要とする。例えば、標準偏差が2.6%、測定レンジの下限が10cpm、バックグラウンドが50cpmの時に、テストパルス入力をステップ状に1cpmにして10cpmに近接させるのに、概ね40分かかり、テストパルス入力を0cpmとしても大幅に改善することはない。
【0010】
従来の放射線監視装置は上記のように、テストパルス入力の仕方を工夫することによりテスト時間を短縮しているが、アップダウンカウンタの積算値において、テストパルスは加算入力のみに寄与し、減算入力に寄与しないため、また、加算入力と減算入力が機能した状態でテストパルスが入力されるため、積算値を短時間で目標値に到達させる緻密なテストパルスの制御が難しい。このため、施設稼働中は殆どのチャンネルが連続測定の状態にあり、施設点検期間中でも連続運転を要求されるチャンネルがあり、欠測を最短にするためのテスト時間短縮の要求に対して更なる改善が求められている。特に、低計数率のテスト項目は、時定数が計数率に反比例し、かつ積算値が時定数で低下するのを待つだけという状況のため、テストに長時間を要するという問題があった。
【0011】
また、計画したテスト項目を途中で変更する場合、指示値と変更後のテスト項目に合わせてテスト入力パターンを設定する必要があり、即応性に問題があった。
【0012】
この発明は上記の課題を解消するためになされたもので、テスト時間を大幅に削減し、テストパルスの周波数を自動で逐次最適化してテスト項目を臨機応変に変更可能な放射線監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る放射線監視装置は、放射線を検出して検出信号パルスを出力する放射線検出器と、上記検出信号パルスを入力して計数率を測定する測定部と、テストパルスを発生するテスト信号発生部と、上記テスト信号発生部から出力されるテストパルスの発信周波数を制御すると共に、上記測定部の入力を切換制御する制御部と、を備え、上記測定部は、上記検出信号パルスを入力して増幅するパルス増幅器と、上記増幅した検出信号パルスの電圧が所定の範囲にある場合にデジタルパルスを出力する波高弁別器と、加算入力部と減算入力部を有し、上記デジタルパルスを上記加算入力部に入力すると共に、フィードバックパルスを上記減算入力部に入力し、両者の差を積算した積算値を出力するアップダウンカウンタと、上記積算値を入力して上記フィードバックパルスを生成する周波数合成回路と、上記アップダウンカウンタが計数する時の重み付けをする積算制御回路と、上記積算値を入力して上記計数率を求める演算手段と、上記パルス増幅器の入力を切換える第
1の切換手段と、上記アップダウンカウンタの減算入力を切換える第2の切換手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る放射線監視装置によれば、制御部が、アップダウンカウンタの積算値の今回値と目標値から判断し、加算入力または減算入力のどちらかで動作するようにテストパルスの入力を切換え制御するので、短時間で正確に目標値に到達させる緻密な制御が可能となり、テストパルスの周波数を自動で逐次最適化する制御が可能となる。このため、テスト時間を大幅に削減できると共に、臨機応変にテスト項目が変更可能な放射線監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1に係る放射線監視装置のブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係る放射線監視装置のテストパルス周波数変化と計数率応答を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態3に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態4に係る放射線監視装置の測定部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態5に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態6に係る放射線監視装置のブロック構成図である。
【図9】この発明の実施の形態7に係る放射線監視装置のブロック構成図である。
【図10】この発明の実施の形態8に係る放射線監視装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る放射線監視装置について好適な実施の形態を説明する。なお、この実施の形態により発明が限定されるものではなく、諸種の設計的変更をも包摂するものである。
【0017】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る放射線監視装置を示すブロック構成図である。放射線モニタ1は、放射線を検出した検出信号パルスを出力する放射線検出器11と、放射線検出器11からの検出信号パルスを入力して計数率を測定する測定部12を備え、テスト時にはテスト信号発生部2からテストパルスを測定部12へ入力する。制御部3は、テスト信号発生部2が発生するテストパルスの発信周波数を制御すると共に、測定部12に入力される検出信号パルスとテストパルスの切換えを制御する。
【0018】
測定部12において、パルス増幅器121は、放射線検出器11からの検出信号パルスを入力して増幅し、波高弁別器122は、増幅された検出信号パルスの電圧が所定の範囲にある場合にデジタルパルスを出力することによりノイズを除去する。
【0019】
アップダウンカウンタ123は、波高弁別器122から出力されたデジタルパルスを加算入力部123aに入力すると共に、後述のフィードバックパルスを減算入力部123bに入力し、両者の差を積算した積算値Mを出力する。周波数合成回路124は、アップダウンカウンタ123から出力される積算値Mを入力して上記のフィードバックパルスを生
成する。
【0020】
また、積算制御回路125は、アップダウンカウンタ123が計数する時の重み付けを行い、演算手段である演算器126は、アップダウンカウンタ123から出力される積算値Mを入力して計数率を演算すると共に警報判定を行い、表示器127に計数率と警報を表示する。
【0021】
第1の切換手段である第1の切換えスイッチ128は、パルス増幅器121への入力の切換えを行い、第2の切換手段である第2の切換えスイッチ129は、アップダウンカウンタ123の減算入力部123bへの入力の切換えを行う。なお、計数率は、演算器126で最終的に工学値に変換されて放射線量として出力してもよいのは言うまでもない。
【0022】
測定部12の第1の切換えスイッチ128及び第2の切換えスイッチ129のそれぞれには、動作速度の速い、例えば半導体スイッチが用いられ、測定ポジション、入力遮断ポジション、テスト入力ポジションの3つのポジションを有している。
【0023】
制御部3は、ノーマルモード時には第1の切換えスイッチ128を測定ポジションにして検出信号パルスを通し、第2の切換えスイッチ129を測定ポジションにしてフィードバックパルスを通す。また、テストモード時には、目標計数率と最新計数率、及びアップダウンカウンタ123が計数する時の重み付け定数に基づき最適なテストパルスの周波数を決定する。そして、第1の切換えスイッチ128及び第2の切換えスイッチ129のポジションを決定し、テスト信号発生部2のテストパルスの発信周波数を制御すると共に、測定部12の第1の切換えスイッチ128及び第2の切換えスイッチ129のポジションを切換えて測定部12にテストパルスを入力する。
【0024】
なお、測定部12は、テスト期間及びテストを終了して計数率がテストモード直前のバックグラウンドレベルに復帰するまでの期間について、表示器127及び必要に応じて他の設備にテスト中警報を出力する。
【0025】
制御部3は、テストモードにおいて、第1の切換えスイッチ128をテスト入力ポジションとし、第2の切換えスイッチ129を入力遮断ポジションとするAモード、第1の切換えスイッチ128をテスト入力ポジションとし、第2の切換えスイッチ129を測定ポジションとするBモード、第1の切換えスイッチ128を入力遮断ポジションとし、第2の切換えスイッチ129をテスト入力ポジションとするCモード、第1の切換えスイッチ128及び第2の切換えスイッチ129を入力遮断ポジションとするDモードの4つの切換え制御モードを有する。また、制御部3は、演算して求めた最適なテストパルスの周波数と最適な切換え制御モードに基づきテストパルスを入力する。
【0026】
実施の形態1に係る放射線監視装置は上記のように構成されており、次にその動作について説明する。
放射線の計数率は統計的に変動するため、所定の精度で測定するには、次式のように標準偏差σが一定となるように計数率nに基づき時定数τを制御して測定する。
σ=1/(2nτ)1/2 ・・・・・(1)
τ=1/(2nσ) ・・・・・・(2)
【0027】
ノーマルモードにおいて、アップダウンカウンタ123の加算入力部123aには、波高弁別器122で検出信号パルス入力からノイズを弁別除去して出力されたデジタルパルスが入力され、減算入力部123bには、周波数合成回路124において積算値Mに基づき演算器126のクロックパルスから分周、周波数合成されたデジタルパルスが入力される。
【0028】
平衡状態において、アップダウンカウンタ123の加算入力部123aに入力されるデジタルパルスの周波数FINは、演算器126で求めた計数率n、及び減算入力部123bの周波数F(M)に等しくなり、標準偏差σと積算値Mに基づいて次式のように演算され、F(M)及びnは、次式のようにFINに平衡するように時定数τの一次遅れで追従して応答する。
IN=F(M)=n=eγM=2γM/ln2 ・・・・・(3)
γ=2σ=1/(nτ)=2−λ・ln2 ・・・・・(4)
β=11−λ ・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
【0029】
上記(4)式において、λを例えば11、9、7、5とすると、標準偏差σはそれぞれ1.3%、2.6%、5.2%、10.4%となる。λが11の時を基準にすると、λが9、7、5の時、γはそれぞれ2倍、2倍、2倍となり、標準偏差σはそれぞれ2倍、2倍、2倍となり、上記(2)式のように時定数τはそれぞれ2−2倍、2−4倍、2−6倍となる。
【0030】
上記(3)式に示すように、計数率nが一定の状態でγを2β倍にすると、積算値Mは2−β倍の応答時間で平衡する。計数率nが一定の状態において、γを変えても見掛けの積算値Mが変化しないようにするには、γを2β倍にしたらアップダウンカウンタ123は1パルスの重み付けを2β倍にして計数すればよい。即ち、アップダウンカウンタ123の加算入力部123aに波高弁別器122から出力されたデジタルパルスが1個入力されると、積算値Mは2βだけ加算計数されるようにする。一方、アップダウンカウンタ123の減算入力部123bに周波数合成回路124から出力されるデジタルパルスが1個入力されると、積算値Mは2βだけ減算計数されるようにする。結果として積算値Mは、加算計数と減算計数の差の積算値Nに2βを掛け算した値になる。
【0031】
ここで、βは0または正の整数で、上記(5)式のようにλが11、9、7、5の時、βとしてそれぞれ0、2、4、6が与えられる。例えば、λが11の時は1パルスの入力に対して1個として加算または減算され、MとNは等しくなる。λが9の時は1パルスの入力に対して4個として加算または減算される。即ち、σが1.3%、2.6%、5.2%、10.4%の時、アップダウンカウンタ123は、積算制御回路125により1パルス当たりそれぞれ1、4、16、64で重み付けして計数する。従って、上記(3)式においてγを2β倍することは、計数の重み付けを2β倍に変えることと同等であり、計数率nは、2β倍に重み付けされた結果の見掛けの積算値Mと基準のβ=0(λ=11)に対応するγに基づき(3)式により求められる。このように、積算制御回路125がアップダウンカウンタ123の計数の重み付けを制御することにより、計数率nが一定の状態においてγの設定を変更しても、見掛けの積算値Mがそのまま使用してできるので、設定変更による計数率nの突然の変化が発生しない。
【0032】
テストの目標計数率をn(目標)、n(目標)に対応した積算値をM(目標)、今回演算周期における計数率をn(今回)、n(今回)に対応した積算値をM(今回)、テストパルスの周波数をm(テスト)、測定部12の演算器126の演算周期を△T1、制御部3の制御周期を△T2、アップダウンカウンタ123が計数する時の重みをα=2βとし、制御部3は、制御周期△T2毎にn(今回)、M(今回)、高警報設定値、低警報設定値、γ、α等の必要なデータを測定部12から受け取る。jは2〜5の整数とし、△T1<△T2の条件のもとに、kは(△T1+△T2)/△T2〜2の整数とし、図2に基づき入出力応答テストの場合における制御部3の動作を説明する。
【0033】
先ず、測定部12のテスト入力ポジションをDモードにし(ステップS101)、次に、n(目標)を制御部3のメモリー(図示せず)から読み込む(ステップS102)。そ
の後、n(目標)に基づきM(目標)=(1/γ)・ln{n(目標)}を求める(ステップS103)。
【0034】
次に、M(今回)を制御部3のメモリーから読み込み(ステップS104)、{M(目
標)−M(今回)}≧jαの判定を行い(ステップS105)、YESの場合は、テスト
パルスの周波数m(テスト)をm(テスト)={M(目標)−M(今回)−jα}÷k・△T2に制御し(ステップS106)、測定部12のテスト入力ポジションをAモードにし(ステップS107)、ステップS104に戻る。
【0035】
ステップS105でNOの場合は、{M(今回)−M(目標)}≧jαの判定を行い(ステッ
プS108)、ステップS108での判定結果がYESの場合は、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)={M(今回)−M(目標)+jα}÷k・△T2に制御し(ステップS109)、測定部のテスト入力ポジションをCモードにし(ステップS110)、ステップS104に戻る。
【0036】
ステップS108での判定結果がNOの場合は、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)=n(目標)に制御し(ステップS111)、測定部12のテスト入力ポジションをBモードにする(ステップS112)。そして、Bモードで所定の定周期数が経過したかを判定し(ステップS113)、ステップS113での判定結果がNOの場合は、ステップS111に戻る。ステップS113での判定結果がYESの場合は、最終のm(テスト)、n(今回)のデータを制御部3のメモリーに格納し(ステップS114)、入出力応答テストを終了する。
【0037】
図3(a)は、例えば、k・△T2を約1秒とし、n(今回)=10cpmからn(目標)=10cpmへ上昇させて指示誤差を測定する入出力応答テストにおいて、テストパルスの周波数m(テスト)の変化と計数率n(今回)の応答を示すもので、テストポジションをAモードとし、k・△T2の期間毎に、計数率n(今回)を例えば目標の1/2程度接近させ、計数率n(今回)がn(目標)に対して分解能範囲までに近接したら、テストポジションをBモードとし、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)=n(目標)に制御する。
【0038】
図3(b)は、例えば、n(今回)=100cpmからn(目標)=10cpmへ降下させて指示誤差を測定する入出力応答テストにおいて、テストパルスの周波数m(テスト)の変化と計数率n(今回)の応答を示すもので、テストポジションをCモードとし、k・△T2の期間毎に計数率n(今回)を例えば目標の1/2程度接近させ、計数率n(今回)がn(目標)に対して分解能範囲までに近接したら、テストポジションをBモードとし、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)=n(目標)に制御する。
【0039】
以上のように、実施の形態1に係る放射線監視装置によれば、制御部3がアップダウンカウンタ123の積算値Mの今回値と目標値から加算入力または減算入力のどちらにテストパルスを入力するかを判断して測定部12のテストパルスの入力を切換え制御するので、短時間で正確に目標値に到達させることができる。また、テストパルスの周波数を自動で逐次最適化するため、テスト時間を大幅に削減できると共に、臨機応変にテスト項目が変更可能な放射線監視装置を提供することができる。なお、実施の形態1に係る放射線監視装置のテスト入力方法は、警報設定値をm(目標)として警報テストに適用しても同様の効果が得られる。
【0040】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態2に係る放射線監視装置は、実施の形態1と同様の構成であるため、その説明を省略し、次
に動作について説明する。
【0041】
図4は、実施の形態2に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。実施の形態2に係る放射線監視装置の制御部3は、バックグラウンド計数率より高いレベルに設定された高警報動作を確認する高警報テストにおいて、Aモードのテストパルスの周波数m(テスト)をより木目細かく制御するようにしたもので、図4に基づき制御部3の動作を説明する。なお、高警報テストでは警報設定値がn(目標)となる。また高警報テストのスタートの前提条件はM(目標)>M(今回)なので、本条件が成立していない場合は、実施の形態1で説明した図3における入出力応答テストで条件整備するものとする。
【0042】
図4に示すように、先ず、測定部12のテスト入力ポジションをDモードにし(ステップS201)、次に、n(目標)を制御部3のメモリー(図示せず)から読み込む(ステップS202)。その後、n(目標)に基づきM(目標)=(1/γ)・ln{n(目標
)}を求める(ステップS203)。
【0043】
次に、M(今回)を制御部3のメモリーから読み込み(ステップS204)、{M(目
標)−M(今回)}≧jαの判定を行い(ステップS205)、YESの場合は、テスト
パルスの周波数m(テスト)をm(テスト)={M(目標)−M(今回)−jα}÷k・△
T2に制御し(ステップS206)、測定部12のテスト入力ポジションをAモードにし(ステップS207)、ステップS204に戻る。
【0044】
ステップS205でNOの場合は、高警報発信ありを判定し(ステップS208)、ステップS208での判定結果がNOの場合は、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テ
スト)=exp[γ{M(今回)+α}]に制御し(ステップS209)、測定部12のテ
スト入力ポジションをAモードにし(ステップS210)、ステップS204に戻る。
【0045】
ステップS208での判定結果がYESの場合は、m(テスト)をホールドし(ステップS211)、高警報発信時のm(テスト)、n(今回)をメモリーに格納し(ステップS212)、高警報テストを終了する。なお、警報発信時のm(テスト)のホールドは、制御部3でリセットすることにより解除する。
【0046】
以上のように、実施の形態2に係る放射線監視装置によれば、制御部3が高警報テストにおいて、Aモードのテストパルスの周波数m(テスト)を木目細かく自動で逐次最適化して制御するようにしたので、高警報テストを短時間で効率よく実施できると共に、高警報動作点を高精度で確認できる。また、高警報発信時にテストパルスの周波数をホールドするようにしたので、アップダウンカウンタ123の不用意なオーバーランを抑制して次のテストに効率良く移行できる効果を奏する。
【0047】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態3に係る放射線監視装置は、実施の形態1と同様の構成であるため、その説明を省略し、次に動作について説明する。
【0048】
図5は、実施の形態3に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。実施の形態3に係る放射線監視装置の制御部3は、バックグラウンド計数率より低いレベルに設定された低警報動作を確認する警報テストにおいて、Cモードのテストパルスの周波数m(テスト)をより木目細かく制御するようにしたものであり、図5に基づき制御部3の動作を説明する。なお、低警報テストでは警報設定値がn(目標)となる。また低警報テストのスタートの前提条件はM(今回)>M(目標)なので、本条件が成立
していない場合は、実施の形態1で説明した図3における入出力応答テストで条件整備するものとする。
【0049】
図5に示すように、先ず、測定部12のテスト入力ポジションをDモードにし(ステップS301)、次に、n(目標)を制御部3のメモリー(図示せず)から読み込む(ステップS302)。その後、n(目標)に基づきM(目標)=(1/γ)・ln{n(目標
)}を求める(ステップS303)。
【0050】
次に、M(今回)を制御部3のメモリーから読み込み(ステップS304)、{M(今
回)−M(目標)}≧jαの判定を行い(S305)、YESの場合は、テストパルスの
周波数m(テスト)をm(テスト)={M(今回)−M(目標)+jα}÷k・△T2に制御し(ステップS306)、測定部12のテスト入力ポジションをCモードにし(ステップS307)、ステップS304に戻る。
【0051】
ステップS305でNOの場合は、低警報発信ありを判定し(ステップS308)、ステップS308での判定結果がNOの場合は、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)=exp[γ{M(今回)−α}]に制御し(ステップS309)、測定部12のテスト入力ポジションをCモードにし(ステップS310)、ステップS304に戻る。
【0052】
ステップS308での判定結果がYESの場合は、m(今回)をホールドし(ステップS311)、低警報発信時のm(テスト)、n(今回)をメモリーに格納し(ステップS312)、低警報テストを終了する。なお、警報発信時のm(テスト)のホールドは、制
御部3でリセットすることにより解除する。
【0053】
以上のように、実施の形態3に係る放射線監視装置によれば、制御部3が低警報テストにおいて、Cモードのテストパルスの周波数m(テスト)を木目細かく自動で逐次最適化して制御するようにしたので、低警報テストを短時間で効率よく実施できると共に、低警報動作点を高精度で確認できる。また、低警報発信時にテストパルスの周波数をホールドするようにしたので、アップダウンカウンタ123の不用意なオーバーランを抑制して次のテストに効率良く移行できる効果を奏する。
【0054】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態4に係る放射線監視装置は、実施の形態1と同様の構成であるため、その説明を省略し、次に動作について説明する。
【0055】
図6は、実施の形態4に係る放射線監視装置の測定部の動作を説明するフローチャートである。実施の形態4に係る放射線監視装置は、図6に示すように、警報テストの警報判定演算において、測定部12が警報を発信した場合に、警報発信の計数率をホールドして動作点の確認を容易にしたものであり、図6に基づき測定部12の動作を説明する。
【0056】
図6に示すように、先ず、メモリー(図示せず)からM(今回)を読み込み(ステップS401)、n(今回)=exp{γM(今回)}を求める(ステップS402)。
【0057】
その後、n(今回)≧n(高警報設定値)を判定し(ステップS403)、NOの場合は、n(今回)≦n(低警報設定値)を判定し(ステップS404)、ステップS404での判定結果がNOの場合はn(今回)を出力し(ステップS405)、ステップS401に戻る。
【0058】
ステップS403での判定結果がYESの場合は、高警報を発信してその計数率のn(
高警報発信)をホールドし(ステップS406)、高警報発信時のn(今回)を出力してメモリーに格納し(ステップS407)、警報テストを終了する。
【0059】
ステップS404での判定結果がYESの場合は、低警報を発信してその計数率のn(低警報発信)をホールドし(ステップS408)、低警報とホールドした計数率を出力すると共に、メモリーに格納し(ステップS409)、警報テストを終了する。なお、高警報及び低警報は測定部12でリセットすることにより解除する。
【0060】
以上のように、実施の形態4に係る放射線監視装置によれば、警報テストの警報判定演算において、測定部12は、警報が発信したら計数率をホールドするようにしたので、警報動作点の確認を容易にすると共に、アップダウンカウンタ123の不用意なオーバーランを抑制して次のテストに効率良く移行できる効果を奏する。
【0061】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態5に係る放射線監視装置は、実施の形態1と同様の構成であるため、その説明を省略し、次に動作について説明する。
【0062】
図7は、実施の形態5に係る放射線監視装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。実施の形態5に係る放射線監視装置は、テストモードからノーマルモードへ戻すとき、計数率がテスト直前のバックグラウンド計数率n(BG)近傍に復帰するのを促進するためにテストパルスを活用するようにしたもので、図7に基づき制御部3の動作を説明する。
【0063】
制御部3は、測定部12をテストモードからノーマルモードに切り換えたら(ステップS501)、測定部12のテスト入力ポジションをDモードにし(ステップS502)、n(BG)をメモリー(図示せず)から読み込む(ステップS503)。
【0064】
次に、n(BG)に基づきM(BG)=(1/γ)・ln{n(BG)}を求め(ステップS504)、M(今回)を制御部3のメモリーから読み込み(ステップS505)、{
M(BG)−M(今回)}≧jαの判定を行う(ステップS506)。
【0065】
ステップS506でYESの場合は、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)={M(BG)−M(今回)−jα}÷k・△T2に制御し(ステップS507)、測定部12のテスト入力ポジションをAモードにし(ステップS508)、ステップS505に戻る。
【0066】
ステップS506でNOの場合は、{M(今回)−M(BG)}≧jαの判定を行い(ステップS509)、ステップS509での判定結果がYESの場合は、テストパルスの周波数m(テスト)をm(テスト)={M(今回)−M(BG)+jα}÷k・△T2に制御し(ステップS501)、測定部12のテスト入力ポジションをCモードにし(ステップS511)、ステップS505に戻る。
【0067】
ステップS509での判定結果がNOの場合は、第1の切換スイッチ127及び第2の切換スイッチ128を測定ポジションに戻し(ステップS512)、測定部12にノーマルモード復帰を通告する(ステップS513)。なお、制御部3は、測定部12をノーマルモードからテストモードに切り換えたら、直前のノーマルモード時のバックグラウンド計数率をメモリーにn(BG)として記憶している。また、表示器129は、測定部12がノーマルモードなのかテストモードなのかがわかるように状態表示すると共に、テスト時は外部にテスト中警報を出力している。
【0068】
以上のように、実施の形態5に係る放射線監視装置によれば、制御部3がアップダウンカウンタ123のM(今回)とM(BG)から、加算入力または減算入力のどちらにテストパルスを入力するかを判断して測定部12のテストパルスの入力を切換制御するので、テストモード直前のバックグラウンド計数率に短時間で正確に到達させることができる。
【0069】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態6に係る放射線監視装置は、図8に示すように、第1の切換えスイッチ128の前段に、テストパルスの波形を検出器信号パルスに近似させる波形整形回路130を設けて測定部12を構成したものである。なお、その他の構成については、実施の形態1と同一、もしくは相当し、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0070】
この構成によれば、パルス増幅器121の周波数特性を含めた健全性を確認できる効果を奏する。
【0071】
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態7に係る放射線監視装置は、図9に示すように、実施の形態1〜5で説明した放射線監視装置の測定部12を構成する波高弁別器122に代えて、検出器信号パルスの波形を弁別して所定の条件を満たす場合にデジタルパルスを出力する波形弁別器131を備えたものである。なお、その他の構成については、実施の形態1と同一、もしくは相当し、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0072】
この構成によれば、ノーマルモード及びテストモードにかかわらず、特にノーマルモードとノーマルモードの切り換わりで万一ノイズが発生しても、ノイズパルスを除去して測定できるので、高信頼の放射線監視装置を提供できる。
【0073】
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8に係る放射線監視装置について説明する。実施の形態8に係る放射線監視装置は、図10に示すように、放射線モニタ1a、1b、・・・1nと複数チャンネルを備え、制御部3及びテスト信号発生部2は同時に複数チャンネルのテストを行うようにしたのである。なお、放射線モニタ1a、1b、・・・1n、制御部3、及びテスト信号発生部2については、実施の形態1〜7で説明したものと同様であり、詳細説明を省略する。
【0074】
この構成によれば、制御部3及びテスト信号発生部2を共用化することによりコストを大幅に低減できる効果を奏する。
【符号の説明】
【0075】
1、1a、1b、1n 放射線モニタ
2 テスト信号発生部
3 制御部
11 放射線検出器
12 測定部
121 パルス増幅器
122 波高弁別器
123 アップダウンカウンタ
123a 加算入力部
123b 減算入力部
124 周波数合成回路
125 積算制御回路
126 演算器
127 表示器
128 第1の切換えスイッチ
129 第2の切換えスイッチ
130 波形整形回路
131 波形弁別器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出して検出信号パルスを出力する放射線検出器と、上記検出信号パルスを入力して計数率を測定する測定部と、テストパルスを発生するテスト信号発生部と、上記テスト信号発生部から出力されるテストパルスの発信周波数を制御すると共に、上記測定部の入力を切換制御する制御部と、を備え、
上記測定部は、
上記検出信号パルスを入力して増幅するパルス増幅器と、
上記増幅した検出信号パルスの電圧が所定の範囲にある場合にデジタルパルスを出力する波高弁別器と、
加算入力部と減算入力部を有し、上記デジタルパルスを上記加算入力部に入力すると共に、フィードバックパルスを上記減算入力部に入力し、両者の差を積算した積算値を出力するアップダウンカウンタと、
上記積算値を入力して上記フィードバックパルスを生成する周波数合成回路と、
上記アップダウンカウンタが計数する時の重み付けをする積算制御回路と、
上記積算値を入力して上記計数率を求める演算手段と、
上記パルス増幅器の入力を切換える第1の切換手段と、
上記アップダウンカウンタの減算入力を切換える第2の切換手段と、
を備えたことを特徴とする放射線監視装置。
【請求項2】
上記測定部の上記第1の切換手段及び上記第2の切換手段は、それぞれ測定ポジション、入力遮断ポジション、テスト入力ポジションの3つのポジションを有し、
上記制御部は、
ノーマルモード時には上記第1の切換手段を測定ポジションにして検出信号パルスを通すと共に、上記第2の切換手段を測定ポジションにしてフィードバックパルスを通し、
テストモード時には、目標計数率と最新計数率、及び上記アップダウンカウンタが計数する時の重み付け定数に基づき最適なテストパルスの周波数を決定し、上記第1の切換手段及び上記第2の切換手段のポジションを決定し、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数を制御すると共に、上記第1の切換手段及び上記第2の切換手段のポジションを切換えて上記測定部にテストパルスを入力するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の放射線監視装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記テストモードにおいて、上記第1の切換手段を上記テスト入力ポジションとし、上記第2の切換手段を上記入力遮断ポジションとするAモード、上記第1の切換手段を上記テスト入力ポジションとし、上記第2の切換手段を上記測定ポジションとするBモード、上記第1の切換手段を上記入力遮断ポジションとし、上記第2の切換手段を上記テスト入力ポジションとするCモード、上記第1の切換手段及び上記第2の切換手段を上記入力遮断ポジションとするDモードの4つの切換制御モードを有し、
演算して求めた最適なテストパルスの周波数と最適な切換制御モードに基づき上記テストパルスを入力するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の放射線監視装置。
【請求項4】
上記制御部は、目標計数率をn(目標)、n(目標)に対応した積算値をM(目標)、
今回演算周期における計数率をn(今回)、n(今回)に対応した積算値をM(今回)、テストパルスの周波数をm(テスト)、上記測定部の演算周期を△T1、上記制御部の制
御周期を△T2、上記アップダウンカウンタが計数する時の重みをαとしたときに、
△T1<△T2の条件のもとに、n(目標)に基づきM(目標)=(1/γ)・ln{n(目標)}を求め、上記Dモードで{M(目標)−M(今回)}>jα(jは2〜5の整数)、及び{M(今回)−M(目標)}>jαの判定を行い、
{M(目標)−M(今回)}>jαの条件が成立する期間は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)={M(目標)−M(今回)−jα}÷k・△T
2(kは(△T1+△T2)/△T2〜2の整数)に制御すると共に、上記測定部に上記Aモードでテストパルスを入力し、
{M(今回)−M(目標)}>jαの条件が成立する期間は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)={M(今回)−M(目標)+jα}÷k・△T2に制御すると共に、上記測定部に上記Cモードでテストパルスを入力し、
その他の場合は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)=n(目標)に制御すると共に、所定の期間について上記測定部にBモードでテストパルスを入力するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の放射線監視装置。
【請求項5】
上記制御部は、バックグラウンド計数率より高いレベルに設定された高警報動作を確認する警報テストにおいて、M(目標)>M(今回)の状態からスタートするときに、{M(目標)−M(今回)}>jαの条件が成立する期間は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)={M(目標)−M(今回)−jα}÷k・△T2に制御すると共に、上記測定部に上記Aモードでテストパルスを入力し、
上記条件が成立しない場合は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)=exp[γ{M(今回)+α}]に制御すると共に、上記測定部に上記Aモードでテストパルスを入力し、
警報が発生したら上記テストパルスの周波数をホールドするようにしたことを特徴とする請求項4に記載の放射線監視装置。
【請求項6】
上記制御部は、バックグラウンド計数率より低いレベルに設定された低警報動作を確認する警報テストにおいて、M(目標)<M(今回)の状態からスタートするときに、{M(今回)−M(目標)}>jαの条件が成立する期間は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)={M(今回)−M(目標)+jα}÷k・△T2に制御すると共に、上記測定部に上記Cモードでテストパルスを入力し、
上記条件が成立しない場合は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)=exp[γ{M(今回)−α}]に制御すると共に、上記測定部に上記Cモードでテストパルスを入力し、
警報が発生したら上記テストパルスの周波数をホールドするようにしたことを特徴とする請求項4に記載の放射線監視装置。
【請求項7】
警報テストにおいて、上記測定部は警報が発信したら上記計数率をホールドするようにしたことを特徴とする請求項5及び6に記載の放射線監視装置。
【請求項8】
上記測定部は、テストモード開始直前のノーマルモード時のバックグラウンド計数率n(BG)を記憶しておき、上記測定部を上記テストモードから上記ノーマルモードに切換えたら、n(BG)に基づきM(BG)=(1/γ)・ln{n(BG)}を求め、Dモードで{M(BG)−M(今回)}>jα(jは2〜5の整数)、及び{M(今回)−M(BG)}>jαの判定を行い、
{M(BG)−M(今回)}>jαの条件が成立する期間は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)={M(BG)−M(今回)−jα}÷k・△T2(kは(△T1+△T2)/△T2〜2の整数)に制御すると共に、上記測定部に上記Aモードでテストパルスを入力し、
{M(今回)−M(BG)}>jαの条件が成立する期間は、上記テスト信号発生部のテストパルスの発信周波数をm(テスト)={M(今回)−M(BG)+jα}÷k・△T2に制御すると共に、上記測定部に上記Cモードでテストパルスを入力し、
その他の場合は、上記第1の切換手段及び上記第2の切換手段を測定ポジションに戻し、上記測定部にノーマルモード復帰を通告し、上記測定部は、テストモードの期間及びテストモードを終了して上記計数率がテストモード直前のノーマルモードのバックグラウンドレベルに復帰するまでの期間について、テスト中であることを報知するテスト中警告を
自動で発信するようにしたことを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の放射線監視装置。
【請求項9】
上記測定部は、上記第1の切換手段の前段に、上記テストパルスの波形を上記検出器信号パルスに近似させる波形整形回路を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の放射線監視装置。
【請求項10】
上記測定部は、上記波高弁別器の代わりに上記検出器信号パルスの波形を弁別して所定の条件を満たす場合にデジタルパルスを出力する波形弁別器を備えたことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の放射線監視装置。
【請求項11】
上記放射線モニタを複数チャンネル備え、上記制御部及び上記テスト信号発生部は、同時に複数チャンネルのテストを行うようにしたことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の放射線監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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