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放射線硬化可能な粉体組成物
説明

放射線硬化可能な粉体組成物

【課題】融解に際し、照射により硬化可能であり、硬化の結果、たとえ溶剤で飽和されても優れた耐溶剤性を示す塗膜を形成可能な粉体塗料組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、
成分a)、b)及びc)の全重量に基づいて、それぞれ、:
a)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル、10〜90重量%;
b)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂、10〜60重量%;そして、
c)エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステル、0〜30重量%
を含んでいる、放射線硬化可能な粉体組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料、またはワニス、これら粉体組成物に含まれる特殊非結晶ポリエステルの調製に有用な放射線硬化可能な粉体組成物、製品及び本発明の硬化された塗料又はワニスで被覆された製品を被覆するための粉体組成物を含む塗料、ワニスの使用に関する。本発明の粉体組成物は、低温で溶融し、放射線で硬化し、さらに流動性、すぐれた耐溶剤性を併せ持つフィルム硬さなどの一連の特性を持つことから、特に金属および熱敏感な基材、およびそれらの組み合わせ物を塗装する塗料に適している。
【背景技術】
【0002】
室温で、乾燥し、よく分割され、自由流動性で、かつ固体の素材である粉体塗料は、近年、液体塗料よりもかなり良い人気を得ている。それらの多くの利点にもかかわらず、現状の熱硬化性粉体塗料は、一般には、少なくとも150℃の温度で硬化処理され、この推奨温度以下では塗料は貧弱な外観並びに物理的及び化学的性質を示す。この制約の結果として、一般には、粉体塗料は、木およびプラスチック、または熱敏感部品を含む組み立て金属パーツなどの熱敏感基材の被覆には使用されない。熱敏感な基材又は部品は両方とも低い硬化温度、好ましくは、顕著な変質および/または変形を避ける140℃以下の温度が必要とする。最近では、低温度でUV−硬化可能な粉体がこの問題の解決策として提起されている。放射線硬化可能な粉体塗料の結合剤として、実質的には不飽和オリゴマーと組み合わされた、不飽和樹脂の使用が当先行技術分野においてすでに開示されている。具体的には、とりわけ、ポリエステル、ポリエステルウレタンまたはエポキシ樹脂を含むエチレン性不飽和基から誘導されたUV硬化可能な粉体塗料組成物が説明されている。
【0003】
WO 98/18862は、メタクリロイル基を含む少なくとも一種の半結晶性ポリエステルの混合物及びメタクリロイル基を含む少なくとも一種の非晶質ポリエステルの混合物、グリシジルメタクリレートとカルボキシル基を含む半結晶性又は非晶質ポリエステルの反応生成物を含む、塗料又はワニスとして使用可能な放射線硬化可能な粉体組成物に関する。
【0004】
EP−A−0 702 040には、ジイソシアネートをヒドロキシアルキル(メタ))アクリレート及びヒドロキシ基含有ポリエステルを反応させて得られる固体の不飽和ポリエステルウレタンアクリレートを含む粉体塗料用結合剤が開示されている。
【0005】
米国特許第5,565,246号では、サーモグラフィック放射線硬化性粉体を使用した耐熱性が向上した基材上印刷物の形成方法が開示されている。この放射線硬化可能な粉体には、アクリル又はメタクリル酸とビスフェノールA−エピクロロヒドリンエホキシ樹脂との反能で調製可能なアクリル化エポキシドが含まれている。さらに、その組成物には、トルエンジイソシアネートとポリオール、アクリル酸、またはヒドロキシエチルメタクリル酸との反応で調製された最高20%のアクリル化ウレタン類を含ませることができる。
【0006】
EP−A−0 286 594中で、例えば、グラバノレジスト(glavano resist)として使用する放射線硬化可能な粉体塗料が開示されており、この明細書中、実施例4でビスフェノールA系エポキシ樹脂とアクリル酸から誘導されたアクリル化エポキシ樹脂の合成が例示されている。
【0007】
米国特許第4,129,488号には、エチレン性不飽和重合体を特異的に空間配置させることを含む紫外線硬化に適した粉体塗料被覆が開示されている。この不飽和重合体は、最低約1000の分子量を持ち、自由流動性粉体に適当な結晶化度を提供している特定エポキシ−ポリエステル重合体である。実施例4において、比較により、アクリル化エポキシ樹脂と融点120℃の半結晶性アクリル化ポリエステル樹脂のブレンドに基づく粉体が説明されている。このブレンドは、貧弱な流動性とみかん膚を持つ、貧弱な表面フィルム効果を示してた。
【0008】
既知の放射線硬化可能な粉体塗料、特に、顕著な柔軟性が必要とされる用途用に開発された粉体塗料は、メチルエチルケトン摩擦テストで測定される耐溶剤性要件に合致しなければならないが、溶媒で飽和した塗料フィルムが評価される以下に述べるような試験に対して、依然として光沢減少と膨れが起こり、不十分である。これらの短所が、家具産業においてUV硬化性塗料を使用する妨げとなっている。このような試験の典型的例として「MEK含浸試験」がある。この試験は、10×10×5mmのフェルトパッドにメチルエチルケトン(MEK)を十分にしみ込ませ、それを厚さ50〜60μmの塗料表面に置き、カバーガラス又はペトリ皿で接触しないように被覆し、フェルトパッドを塗料表面に接触させた状態で1時間保ち、1時間後に塗料表面の肉視評価及びASTM D523に従って測定した光沢を、初期のそれらの値と比較して評価することでなされる。
【0009】
溶剤で飽和した塗料フイルムの耐溶剤性の定量測定を可能とする他の試験は、十分にアセトンを含浸させた直径55mmの木綿を塗料表面に置き、それを時計皿又はペトリ皿で覆い、20秒の接触時間後、木綿を取り除き、パネルを空気排気式オーブン中、50℃、30秒間で乾燥させ、次いで、ASTM D3363−92Aによるパネル硬度を測定し、初期硬度と比較する方法である(アセトン試験と呼ばれる)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(発明の開示)
従って、本発明は、融解に際し、照射により硬化可能で、上述してきた問題を示す塗膜を結果としてもたらさない粉体塗料組成物の提供を目的としている。具体的には、本発明の粉体塗料は硬化の結果、たとえ溶剤で飽和されても、優れた耐溶剤性を示す塗膜を提供する。さらに、粉体塗料組成物の硬化による塗膜は、柔軟性、屈曲性、硬度及び耐黄変性などの物理的性質の優れた組み合わせを示す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、少なくとも一種の特定不飽和非晶質ポリエステルと少なくとも一種の特定不飽和ポリフェノキシ樹脂との特定混合物を含む結合剤に基づく放射線硬化可能な粉体塗料組成物が、硬化により、滑らかさ、屈曲性、耐黄変性などの優れた物理的特性の組み合わせを示し、とりわけMEK含浸試験並びにアセトン試験で顕著な耐性を示すことを見いだした。
【0012】
本発明は、a)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルを10〜90重量;b)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂を10〜60重量%;c)エチレン性不飽和オリゴマー、及び/又は、少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルを0〜30重量%(ここで、各成分の重量%は、成分a)、b)及びc)の全重量基準)を含む、放射線硬化可能な粉体塗料組成物を提供するものである。前記した(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルa)は、例えば、ジ−イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基含有ポリエステルとの反応、又はグリシジル(メタ)アクリレートと、好ましくは少なくとも40モル%のテレフタル酸又はイソフタル酸の単独又は混合物からなるポリ酸成分と、少なくとも20モル%のネオペンチルグリコールを含むポリオール成分からなる、カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるものである。
【0013】
上記反応で、ジ−イソシアネートとの反応に用いられる前記したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−、3−及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどから選択される。
【0014】
上述した反応でヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基含有ポリエステルとの反応に用いられる前記したジ−イソシアネートは、好ましくは、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(イソホロンジ−イソシアネート、IPDI)、テトラメチル−キシレンジ−イソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジ−イソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジ−イソシアネート、4,4’−ジ−イソシアナトジ−シクロヘキシルメタン、4,4’−ジ−イソシアナトジフェニルメタン、これらの2,4−ジ−イソシアナトジフェニルメタンとのテクニカル混合物、上述ジ−イソシアネート類の高級同族体、2,4−ジ−イソシアナトトルエン、及び2,4−ジ−イソシアナトトルエンとそれらのテクニカル混合物、並びにα,α′−ジメチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート(TMI)の共重合生成物から選択される。
【0015】
上述した反応でのヒドロキシル基含有ポリエステルは、好ましくは、
1. 単独又は混合物としての、50〜100モル%のテレフタル酸又はイソフタル酸と、0〜50モル%のフタル酸無水物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼアリン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、その他又は対応する酸無水物などの、少なくとも一種類の他の飽和脂肪族、脂環式又は芳香族ジ−又はポリカルボン酸を含む酸成分と、
2. 酸成分基準で、化学量論的に過剰な、20〜100モル%のネオペンチルグリコール及び0〜80モル%のエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ−エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、水素化ビスフエノールA、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバレート、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、その他などの少なくとも一種類の他の脂肪族、脂環式ジ−又はポリオールを含むアルコール成分(エチレングリコールが特に好ましい)
との反応生成物である。
【0016】
ヒドロキシル基含有ポリエステルのアルコール成分は、20〜100モル%のネオペンチルグリコールと、0〜80モル%のエチレングリコールを含むことが好ましい。また、ヒドロキシル基含有ポリエステルは、さらに、ヒドロキシル数(OHN)10〜100mg KOH/g、特に好ましくは、25〜100mg KOH/gの範囲、数平均分子量(Mn)は800〜14,000、特に好ましくは、1,000〜8,000、ASTM D4287−88に従う200℃のICIコーン/プレート粘度が、5〜50,000mPa.sで特徴付けられるものが好ましい。
【0017】
別法として、本発明の粉体組成物中の(メタ)アクリル酸含有非晶質ポリエステルa)を、グリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ポリエステルから調製するとき、この酸官能化ポリエステルは、上記特定に従うヒドロキシル基含有ポリエステルのポリ酸を用いたカルボキシル化と鎖長延長で得ることが望ましい。使用に好ましいポリ酸は、アジピン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、及びトリメリット酸から選択される。このようにして得られたカルボキシル基含有ポリエステルは、さらに、酸価(AN)10〜80mg KOH/g、特に好ましくは20〜70mg KOH/g、数平均分子量(Mn)が800〜15,000、特に好ましくは1,000〜8,500、及びASTM D4287−88に従う200℃でのICIコーン/プレート粘度が10〜50,000mPa.s.で特徴付けられるものが好ましい。
【0018】
本発明の組成物中に取り込まれる(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルa)は、ポリエステル1g当たり0.15〜1.80、特に0.35〜1.25ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を示すことが好ましく、特に好ましい実施例では、さらに以下の特徴を持つ。
− ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が1,100〜16,000、好ましくは1,300〜8,500の間であり;
− ASTM D3418−82に従う示差走査熱量測計(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)が35〜80℃;及び
− ASTM D3418−82による、コーン/プレート粘度計を用いて200℃で測定した溶融状態の粘度(ICI粘度の名前で既知)が1〜20,000mPa.s。
【0019】
ヒドロキシル及び/又はカルボキシル基含有の非晶質ポリエステルの製造に、従来の攪拌機、不活性ガス(窒素)入口、水冷凝縮器に接続した蒸留カラム及び温度調節器に接続した温度計を備えた反応器を利用できる。これらポリエステルの調製に使用するエステル化条件は従来通りのもので、通常の、例えばジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート又はn−ジブチル錫トリオクテートなどの錫から誘導されたエステル化触媒、又はテトラブチルチタナートなどのチタンから誘導されたエステル化触媒を、例えば反応基質に対して0〜1重量%使用することができ、場合により、フェノール化合物のイルガノックス1010(Ciba)またはIonol CP(Shell)などの抗酸化剤、または亜ホスホン酸エステル、トリブチルホスファイト又はトリフェニルホスファイトなどのホスファイト型安定化剤を、例えば、反応基質の0〜1重量%の割合で添加できる。
【0020】
ポリエステル化は、一般に、130℃から約180〜250℃にだんだんと上昇する温度で、最初は常圧、次いでプロセスの各段階の終了時には減圧下で行い、これらの条件は所望のヒドロキシル及び/または酸価数を示すポリエステルが得られるまで保持される。エステル化度は反応期間中に生成する水量及び得られるポリエステルの性質、例えば、ヒドロキシル価、酸価、分子量及び/又は粘度の測定により監視できる。
【0021】
(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルa)は次の方法のうちの1つで調製できる。:上記ポリ縮合の完結に際し、反応器中の溶融状態のヒドロキシル又はカルボキシル官能基含有非晶質ポリエステルを、100℃〜160℃の間に冷却し、フェノチアジン又はハイドロキノン型禁止剤などのラジカル重合禁止剤を、例えば、ポリエステル重量の0.01〜1%の割合で添加し、窒素は酸素入り口と置換した。ヒドロキシル基含有ポリエステルから出発する時には、そこに実質上当量のヒドロキシル(メタ)アクリレートを添加し、すべてのヒドロキシ(メタ)アクリレートを添加したら、当量のジ−イソシアネート混合物をゆっくり添加する。ヒドロキシル基/イソシアネート反応用の触媒は任意で使用できる。そのような触媒例として、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫オキシド、オクタン酸錫、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチル−ジスタノキサン)などの有機錫化合物が挙げられ、これらの触媒はポリエステル重量について、好ましくは、0〜1%の量で使用される。
【0022】
別法として、カルボキシル基含有ポリエステルから出発する時には、実質上当量のグリシジル(メタ)アクリレートが添加される。酸/エポキシ樹脂反応用の触媒をオプションで使用できる。そのような触媒の例には、アミン(例えば、2−フェニルイミダゾリン)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)、アンモニウム塩(例えば、臭化テトラブチルアンモニウムまたは塩化テトラプロピルアンモニウム)、ホスホニウム塩(例えば、臭化エチルトリフエニルホスホニウムまたは塩化テトラプロピルホスホニウム)が含まれる。これらの触媒は、ポリエステルの重量基準で、好ましくは0.05〜1%の量で使用される。反応の進行程度は、得られたポリエステルの諸性質、例えば、ヒドロキシル価、酸価、不飽和程度および/または遊離グリシジル−(メタ)アクリレートまたはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート含量の定量により監視できる。
【0023】
本発明の組成物中の(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂b)は、(メタ)アクリル酸と、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、フェノール、クレゾールエポキシ樹脂ノボラックなどの、グリシジル基含有ポリフェノキシ樹脂との反応で入手可能である。ビスフェノールA系エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応から調製でき、ここでは過剰のエピクロロヒドリンがエポキシ樹脂の数平均分子量を決定する(W.G.Potter:エポキシド樹脂、Springer−Verlag、ニューヨーク1970;Y.田中など(eds.):エポキシ樹脂化学とテクノロジー、Marcel Dekker、ニューヨーク1973、2章、ページ9−134)。フェノール及びクレゾールエポキシノボラックは、酸触媒によるホルムアルデヒドとフェノールまたはクレゾールとの縮合反応で調製できる。エピクロロヒドリンを用いるノボラックのエポキシ化でエポキシノボラックが供給される。商業的に利用可能なエポキシ樹脂、例えばShell社製Epikote 1055、Ciba社製のAraldite GT7004またはAraldite ECN9699、Dow、その他からのD.E.R.664などは、典型的なグリシジル基含有ポリフェノキシ樹脂であり、(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂b)の調製に利用できる。
【0024】
(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂b)の調製のために、一般に、攪拌機、酸素入口、(メタ)アクリル酸入口、温度調節器に接続している温度計を装備した従来の反応器を利用する。温度100〜150℃を示すエポキシ樹脂に、エポキシ樹脂の重量基準で、例えば、0.01〜1%の割合のラジカル重合阻害剤を添加する。次いで、実質上当量の(メタ)アクリル酸を、融解しているエポキシ樹脂に、ゆっくり添加する。酸/エポキシ反応用の触媒をオプションで使用できる。そのような触媒例には、アミン(例えば、2−フェニルイミダゾリン)、ホスフィン(例えば、トリフエニルホスフィン)、アンモニウム塩(例えば、臭化テトラブチルアンモニウムまたは塩化テトラプロピルアンモニウム)、ホスホニウム塩(例えば、臭化エチルトリフエニルホスホニウムまたは塩化テトラプロピルホスホニウム)が含まれる。これらの触媒は、エポキシ樹脂重量基準で、好ましくは、0.05〜1%の量で使用される。反応の進行程度は、得られる(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂の酸価、ヒドロキシル価及び不飽和度などの諸性質の定量で監視する。
【0025】
本発明に従って組成物に組み入れられた、(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂b)は、好ましくは、不飽和度0.2〜6.0、特に好ましく0.5〜4.5ミリ当量二重結合/樹脂gを示し、および付加的に、特に好ましい実施態様では以下の特性:
− ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が、500〜5,000、好ましくは、650〜3,500;
− ASTM D3418−82に従って、示差走査熱量計(DSC)により決定したガラス転移温度(Tg)が、30〜80℃;そして
− ASTM D42S7−88に従って円錐/プレート粘度計で、200℃で測定した融解状態の粘度(ICI粘度の名称で知られている)が、1〜25000 mPa.s、を示す。
【0026】
発明の好ましい実施態様によると、本発明の放射線硬化可能な粉体組成物は、さらに、エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または少なくとも一種類の(メタ)アクリル基含有半結晶性ポリエステルc)を含む。これらのエチレン性不飽和オリゴマーの例として、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートおよびトリ(メタ)アクリレート、エポキシ化合物(例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)とアクリルまたはメタクリル酸との反応により形成されるエポキシアクリレートおよびメタアクリレート、有機ジ−またはポリイソシアネートとヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタアクリレートおよびオプションでモノ−および/またはポリヒドロキシル化アルコール(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとトルエンジ−イソシアネートまたはイソホロンジ−イソシアネートの反応生成物)との反応により形成されるウレタンアクリレートとメタクリレート、例えばn−ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、及び同類のアクリルモノマーの共重合で得られるグリシジル基含有共重合体と(メタ)アクリル酸との反応生成物などの、アクリルアクリレートまたはメタアクリレートが例示される。
【0027】
本発明の放射線硬化可能な粉体組成物に追加できる半結晶性ポリエステルは、上に説明した非結晶不飽和ポリエステルについての処理操作に準じて、ジ−イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基含有半結晶性ポリエステルとの反応、または、グリシジル(メタ)アクリレートと半結晶性カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により、入手可能である。前記半結晶性ヒドロキシル又はカルボキシル基含有ポリエステルは、好ましくは、75〜100mol%のテレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又は炭素原子数4〜14個の飽和直鎖脂肪族ジカルボン酸及び0〜25mol%の少なくとも一種の他の脂肪族、脂環式又は芳香族ジ−又はポリカルボン酸を含む酸性分と、75〜100mol%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール又は炭素原子数2〜12個の飽和直鎖脂肪族ジオール、及び0〜25mol%の少なくとも一種の他の脂肪族又は脂環式ジ−又はポリオールを含むグリコール成分との反応生成物である。
【0028】
本発明に従う組成物中にオプションで含まれる(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルは、ポリエステル1g当たり0.18〜1.80、特に0.35〜1.25ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を示すことが好ましい。特に好ましい実施態様では、本発明に従う組成物中にオプションで組み込まれる(メタアクリロイル基含有半−結晶性ポリエステルは、さらに以下の特性を示す:
− ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が、1,000から21,000、好ましくは、1,300から9,000;
− ASTM D3418−82に従って、示差操作熱量測定(DSC)で測定した明確な融点が、約60℃から150℃;そして
− ASTM D42S7−88に従って、円錐/プレート粘度計により175℃で測定した溶融状態の粘度(ICI粘度という名で知られている)が、10,000mPa.s未満。
【0029】
これらのエチレン性不飽和オリゴマー及び半結晶性ポリエステルは重合可能な二重結合を含んでいるので、それらはまた、放射線硬化に関与し、その結果、改善された流れおよびさらに増大した表面硬さを持つ塗膜を提供できる。考察した用途に依り、本発明による組成物は、本発明による組成物の化合物a)、b)及びc)の100重量部あたり、0〜20または2〜10重量部のエチレン性不飽和オリゴマー、及び/又は、0〜30、又は5〜20重量部の少なくとも一種の半結晶性ポリエステルを含むことができる。
【0030】
上述した全ての、(メタ)アクリロイル基を含有する前記非晶質ポリエステルa)とポリフェノキシ樹脂b)、場合により使用される(メタ)アクリロイル基含有エチレン性不飽和オリゴマー及び/又は半結晶性ポリエステルは、UV照射又は加速電子ビームにより硬化可能な粉体組成物の調製において、結合剤として使用することを意図するものであり、前記した組成物はワニスや塗料として使用でき、特に摩擦電気又は静電スプレーガンによる沈着法又は流動床中での沈着法への応用に役立つ。
【0031】
本発明の放射線硬化可能な粉体組成物は、このようにワニスまたは塗料として使用できるが、必要に応じて、粉体ワニスと塗料の調製で慣例的に使われているさらなる構成成分を、ワニスまたは塗料調製に追加使用できる。従って、本発明は、また、これらの組成物を使って得られる粉体ワニスまたは塗料とも関連する。
【0032】
最後に、本発明はまた、本発明に従う放射線硬化可能な粉体組成物を、摩擦電気又は静電スプレーガンを用いる噴霧沈着又は流動床中での沈着などにより、製品へ塗布し、次いで、このようにして得られた塗膜を、80℃〜150℃で、例えば約0.5〜10分加熱して溶融し、この溶融状態の塗膜をUV照射又は加速電子ビーム照射で硬化することからなる製品塗装法にも関する。
【0033】
加速電子ビームを用いる本発明に従う粉体組成物の放射線硬化では、このタイプの照射により、硬化を極めて迅速に行うに十分な高度の遊離ラジカル生成が自然に起こるため、光開始剤を使う必要はない。それとは対照的に、波長200nm〜600nmの照射(UV照射)で本発明に従う粉体組成物を光硬化する場合には、少なくとも一種類の光開始剤の存在が必須である。本発明に従って使用可能な光開始剤は、一般的にこの目的のために使われる光開始剤から選ばれる。使用可能で、適切な光開始剤はベンゾフェノン、そのアルキル化又はハロゲン化誘導体、アントラキノン、その誘導体、チオキサントン、その誘導体、ベンゾインエーテル類、芳香族性、非芳香族性アルファジオン類、ベンジルジアルキルアセタール、アセトフェノン誘導体などの芳香族カルボニル化合物または、ホスフィンオキシド類である。
【0034】
適切と考えられる開始剤には、例えば、2,2’−ジエトキシアセトフエノン、2−、3−、または4−ブロモアセトフエノン、2,3−ペンタンジオン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンズアルデヒド、ベンゾイン、ベンゾフェノン、9,10−ジブロモアントラセン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンジル)ホスフィンオキシド及びそれらの同類がある。トリブチルアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、トリベンジルアミンなど、又は、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン及びそれらの同類などの第二アミンと、トリメチロールプロパンや1,6−ヘキサンジオールのジアクリレート、及びその同類などのポリオールポリアクリレートとの付加生成物などのアミノアクリレート光開始剤を場合により使用することは有利である。
【0035】
本発明による粉体組成物は、本発明による組成物中の結合剤100重量部当たり、0〜15、好ましくは0.5〜8重量部の光開始剤を含むことができる。本発明による放射線硬化可能な粉体組成物と粉体ワニス及び塗料は、それぞれ、粉体塗料及びワニスにおいて従来から使用されてきた種々の物質をさらに含むことも可能である。本発明による放射線硬化可能な粉体組成物に、例えば粉体ワニス又は塗料を調製するために、場合によりさらに添加される物質は、とりわけ、Tinuvin 900(Ciba)などのUV照射を吸収する化合物、立体遮蔽性アミン系光安定化剤(例えばTinuvin144(Ciba))、Resiflow PV5(Worlee)、Modaflow(Monsanto)、Acronal 4F(BASF)又はCrylcoat 109(UCB)などの流動性調節剤、ベンゾイン及びその同類などの脱気剤である。
【0036】
本発明による放射線硬化可能な粉体組成物へは、さらに多種多様な塗膜性能改質物質、例えば、ポリテトラフルオロエチレン改質ポリエチレンワックス(例えば、Lanco Wax TF1830(Lubrizol社製))、ポリエチレンワックス(例えば、Ceraflour 961(BYK Chemie社製))、ポリプロピレンワックス類(例えば、Lanco Wax PP1362(Lubrizol社製))、ポリアミドワックス(例えば、Orgasol 3202DNAT(ELF Atochem社製))、有機シリコーン類(例えば、Moderez S304P(Protex社製))、その他、又はそれらのブレンドを添加できる。これらの改質剤は、場合により、本発明による組成物中の結合剤100重量部に対して、0〜10重量部添加される。
【0037】
また、この発明の放射線硬化可能な粉体組成物に、種々の顔料や無機充填剤も添加できる。顔料や無機充填剤の例として、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、及びその同類などの金属酸化物、金属水酸化物、金属粉、スルフイドスルフェート、炭酸塩、けい酸アルミニウムなどのけい酸塩、カーボンブラック、タルク、カオリン、バライト、鉄ブルー、鉛ブルー、オーガニックレッド、オーガニックマルーン、その他が挙げられる。これらの追加的物質は、通常量使用されるが、もし本発明の放射線硬化可能な粉体組成物を、ワニスとして使用するならば、隠蔽性を持つ追加物質の添加は省略されるべきものと理解される。
【0038】
放射線硬化可能な粉体組成物を調製するために、(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルa)、(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂b)、エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルc)、もし存在するならば、場合により、光開始剤、粉体塗料及びワニス製造用に慣例的に使用されている種々の添加物質、及び場合により、塗膜性質を修飾するための物質が、例えば、タンブリングミキサーでドライブレンドされる。この混合物は、Buss Ko−Kneter単軸スクリュー押出機またはWerner−fleiderer、APV−Baker又はPrism型二軸スクリュー押出機などの押出機で、温度範囲60〜150℃で均一化される。次いで、押出物は冷却され、細かくすりつぶされ、好ましくは10〜150μmの粒子サイズの粉体を得るために、篩にかけられる。
【0039】
また、上記方法の代わりに、本発明の結合剤系の種々の不飽和構成要素、及び、場合により、光開始剤及び様々な添加物質を、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解/懸濁し、約30重量%の固体物質を含んだ均質な懸濁液を得るように粉砕し、引き続いて、既知方法、例えば約50℃の温度で噴霧乾燥する方法で溶媒を蒸発させることが可能である。かくして得られた粉体塗料及びワニスは、被塗装製品への従来のテクニック、すなわち良く知られたテクニック、例えば流動床沈着、または摩擦電気または静電スプレーガンによる塗布に、完全に適している。
【0040】
塗装対象製品に塗布後に、沈着した塗膜粉体粒子が前記製品表面でスムーズ、かつ均一で、連続した塗膜として溶融及び展着するように、例えば、強制循環オーブン中、または赤外線ランプによって、80から150℃の温度で、約0.5分から10分間加熱される。溶融塗膜は、次いで、例えば、好ましくは80〜250W/リニアcmの中圧水銀蒸気UV発光器、又はこの技術分野で良く知られた他の光源から発せられるUV光により、約5cm〜20cmまでの距離で、硬化するに十分な時間、例えば1秒から60秒間、照射され、硬化される。溶融塗膜はまた、好ましくは少なくとも150keVで、その装置で採用する電力が重合により硬化される組成物層の厚さの直接的関数となっている、加速電子ビームでも硬化可能である。
【0041】
本発明はまた、これら塗装プロセスにより一部又は完全に塗装された製品(物品)にも関する。本発明による放射線硬化可能な粉体組成物は、例えば、紙、厚紙 木材、ファイバーボード、織物、様々な性質を持つ金属、ポリカーボネート類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリオレフィン、ポリスチレン類、ポリ(ビニルクロリド)類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)や酢酸セルロースブチレートなどの共重合体などのプラスチック製品、などの多様な基材の大部分に施すことができる。
【0042】
以下に続く実施例は、本発明を制約することなく本発明を説明するものである。別様に指示しない限り、詳細な説明及び実施例を通して述べられる部は重量部を意味する。
実施例1
ステップ1
369.7部のneopentylグリコール、10.2部のトリメチロールプロパン及び2.1部のn−ブチル錫トリオクトエート触媒の混合物を、従来の四つ口丸底フラスコに仕込んだ。フラスコ内容物を、窒素雰囲気下、撹拌しながら、およそ140℃の温度に加熱した。そこで、撹拌を継続する一方、27.8部のアジピン酸と共に、528.7部のテレフタル酸を添加し、その混合物を230℃の温度に徐々に加熱した。蒸留は約190℃から始まった。水の理論量の約95%が蒸留され、透明なプレポリマーが得られた後に、混合物を200℃まで冷却した。
かくして得られたヒドロキシル官能化プレポリマーは:
AN=10mg KOH/g
OHN=51mg KOH/g
とキャラクタライズされた。
ステップ2
200℃を示す最初のステップのプレポリマーに、96.5部のイソフタル酸を追加した。そこで、混合物を225℃に徐々に加熱した。225℃で2時間保ち、反応混合物が透明になった時に、0.8部のトリブチルホスファイトを添加して、50mmHgの真空を徐々に適用した。225℃および50mmHgで3時間反応後に、以下の特性値を得た:
AN =37mg KOH/g
OHN =2mg KOH/g
ICI(200℃) =5400mPa.s
ステップ3
このカルボキシル官能化ポリエステルを150℃に冷却し、0.9部のジ−t−ブチルヒドロキノンを4.6部の臭化エチルトリフェニルホスホニウムと共に、添加した。引き続いて、酸素雰囲気下、撹拌しながら、77.3部のグリシジルメタクリレートをゆっくり(30分)添加した。添加終了後、一時間たったところで、以下の特性値を持つメタクリロイル不飽和ポリエステルを得た:
AN =5mg KOH/g
OHN =39mg KOH/g
不飽和度 =1.0meq/g
ICI(200℃) =3,800mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分) =56℃
Mn(GPC) =4,000
【0043】
実施例2
ステップ1
317.3部のネオペンチルグリコール、35.3部のエチレングリコールおよび10.3部のトリメチロールプロパン並びに1.9部のn−ブチル錫トリオクトエート触媒からなる混合物を、実施例1と同様に、従来の四つ口丸底フラスコに仕込んだ。フラスコ内容物を撹拌しつつ、窒素雰囲気下、おおよそ140℃の温度へ加熱した。そこで、撹拌しながら、25.2部のアジピン酸と共に478.0部のテレフタル酸を添加し、得られた混合物を230℃の温度に徐々に加熱した。蒸留は約185℃から始まった。水の理論量の約95%が蒸留され、透明なプレポリマーが得られた後に、その混合物を200℃まで冷却した。このようにして得られたヒドロキシル官能化プレポリマーは、以下の:
AN =2mg KOH/g
OHN=88mg KOH/g
でキャラクタライズされた。
ステップ2
200℃を示す最初のステップのプレポリマーに、159.3部のイソフタル酸を添加した。そこで、混合物を225℃に徐々に加熱した。225℃で2時間後の、反応混合物が透明になった時に、0.8部のトリブチルホスファイトを添加し、50mmHgの真空を徐々に適用した。225℃および50mmHgで3時間後に、以下の特性値が得られた:
AN =47mg KOH/g
OHN =2.5mg KOH/g
ICI(200℃) =2,700mPa.s
ステップ3
前記カルボキシル官能化ポリエステルを150℃に冷却し、4.4部の臭化エチルトリフェニルホスホニウムとともに、1.3部のジ−t−ブチルヒドロキノンを添加した。引き続いて、酸素雰囲気下、撹拌しつつ、106.8部のグリシジルメタクリレートをゆっくり(30分)添加した。添加終了後、1時間たった後に以下の特性を持つメタクリロイル不飽和ポリエステルを得た:
AN =1mg KOH/g
OHN =50mg KOH/g
不飽和度 =0.9meq/g
ICI(200℃) =800mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分) =37℃
Mn(GPC) =2,300
【0044】
実施例3
ステップ1
154.3部のネオペンチルグリコール、154.3部のエチレングリコール、10.1部のトリメチロールプロパン並びに2.0部のn−ブチル錫トリオクテート触媒の混合物を、実施例1の、従来の四つ口丸底フラスコに仕込んだ。フラスコ内容物を、窒素雰囲気下、撹拌しつつ、おおよそ140℃の温度に加熱した。そこで、攪拌しながら、629.9部のテレフタル酸を添加し、得られた混合物を230℃の温度に徐々に加熱した。蒸留は約190℃から始まった。水の理論量の約95%が蒸留され、透明なプレポリマーが得られた後に、混合物を200℃まで冷却した。このようにして得たヒドロキシル官能化プレポリマーは:
AN =9mg KOH/g
OHN =48mg KOH/g
とキャラクタライズされた。
ステップ2
200℃を示す最初のステップのプレポリマーに、94.5部のイソフタル酸を添加した。そこで、得られた混合物を225℃に徐々に加熱した。225℃で2時間後の、反応混合物が透明になった時に、0.8部のトリブチルホスファイトを添加し、50mmHgの真空を徐々に適用した。225℃および50mmHgで3時間保った後に、以下の特性が得られた:
AN =35mg KOH/g
OHN =2mg KOH/g
ICI(200℃) =8,300mPa.s
ステップ3
前ステップのカルボキシル官能化ポリエステルを160℃に冷却し、0.9部のジ−t−ブチルヒドロキノンを4.5部の臭化エチルトリフェニルホスホニウムとともに、添加した。引き続いて、酸素雰囲気下で、撹拌しながら、75.7部のグリシジルメタクリレートをゆっくり(30分)添加した。添加終了後、1時間たった後に以下の特性を持つメタクリロイル不飽和ポリエステルを得た:
AN =5mg KOH/g
OHN =39mg KOH/g
不飽和度 =0.6meq/g
ICI(200℃) =4,500mPa.s
Tgクエンチ済み(DSC 20°/分)=60℃
Mn(GPC) =4,100
ステップ4
引き続いて、メタクリロイル基含有ポリエステルを170℃に加熱した。この温度で、撹拌しながら、20.0部のLanco(商標)Wax TF 1830を添加した。添加終了後、30分後に、攪拌を継続しつつ、反応器を空にした。
【0045】
実施例4
ステップ1
1.9部のn−ブチル錫トリオクトエート触媒と369.5部のネオペンチルグリコールの混合物を、実施例1の従来の四つ口丸底フラスコに仕込んだ。フラスコ内容物を、窒素雰囲気下、撹拌しながら、おおよそ140℃の温度に加熱した。そこで、撹拌しながら、531.3部のテレフタル酸を添加し、得られた混合物を230℃の温度に徐々に加熱した。蒸留は約190℃から始まった。水の理論量の約95%が蒸留され、透明なプレポリマーが得られた後に、混合物を150℃まで冷却した。このようにして得たヒドロキシル官能化プレポリマーは:
AN =6mg KOH/g
OHN =53mg KOH/g
とキャラクタライズされた。
ステップ2
ヒドロキシル官能化ポリエステルプレポリマーを150℃まで冷却し、1.1部のジ−t−ブチルヒドロキノンを添加した。引き続いて、酸素雰囲気下、撹拌しながら、91.3部のヒドロキシエチルアクリレートを、ゆっくり(10分)添加した。ひとたび添加が終了した後、温度を150℃に保ち、撹拌しながら、120.0部のトルエンジ−イソシアネートをゆっくり添加した。添加終了後、1時間たった後に以下の特性を持つアクリロイル不飽和ポリエステルウレタンを得た:
AN =1mg KOH/g
OHN =3mg KOH/g
不飽和度 =0.9meq/g
ICI(200℃) =5,800mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分)=53℃
Mn(GPC) =2,240
【0046】
実施例5
攪拌機、酸素入口、(メタ)アクリル酸入口及び温度調節器に付属した熱電対を装備した従来の四つ口丸底フラスコに、酸素雰囲気下で、910部のAraldite GT7004(EEWが715〜750および軟化点が95〜101℃のビスフェノール−A−ポリフェノキシ樹脂)を、140℃の温度に加熱した。引き続いて、0.8部の臭化エチルトリフェニルホスホニウムを添加し、0.2部のジ−t−ブチルヒドロキノンを含んでいる90部のアクリル酸の添加を開始した。アクリル酸添加は3時間で終了した。アクリル酸添加終了後、1時間半後に、以下の特性を持つ樹脂が得られた:
AN =7mg KOH/g
不飽和度 =1.24meq/g
ICI(200℃) =700mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分)=49℃
Mn(GPC) =1,650
【0047】
実施例6
実施例5と同様に、957部のAraldite GT7077(EEWが1515〜1665および軟化点が125〜135℃のビスフェノール−A−ポリフェノキシ樹脂)を、43部の、0.2部のジ−t−ブチルヒドロキノンを含んだアクリル酸と反応させ、開始させた。反応は0.8部の臭化エチルトリフエニルホスホニウムの添加により触媒作用を受けた。以下の特性を持つ樹脂が得られた:
AN =5mg KOH/g
不飽和度 =0.63meq/g
ICI(200℃) =2,700mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分)=55℃
Mn(GPC) =3,320
【0048】
実施例7
メタクリロイル基含有半結晶性ポリエステルの合成
ステップ1
502.3部の1,4−シクロヘキサンジメタノール、545.0部のアジピン酸及び4.5部の、触媒としての、ジブチル錫オキシドを、実施例1のような四つ口丸底フラスコに導入した。この混合物を、窒素雰囲気中で、撹拌しながら、約140℃に加熱した。この温度で生成した水が蒸留し始めた。次いで、反応混合物が徐々に220℃の温度に達するまで、加熱を継続した。大気圧下での蒸留が停止する時に、50mmHgの真空に徐々に持っていった。次いで、50mmHgの圧力下、220℃で、3時間反応を継続した。このようにして得たカルボキシル基含有半結晶性ポリエステルは以下の特性を示した:
AN =30.5mg KOH/g
OHN =2mg KOH/g
ICI(175℃) =3,500mPa.s
ステップ2
最初のステップで得たカルボキシル基含有ポリエステルを、前もって140℃の温度に冷却してから、4.6部のエチルトリフエニルホスホニウムとともに0.9部のジ−t−ブチルヒドロキノンを添加した。引き続いて、酸素雰囲気下、撹拌しながら、70部のグリシジルメタクリレートをゆっくり添加した。以下の特性を示すメタクリロイル基含有半結晶性ポリエステルを得た:
AN =1.7mg KOH/g
OHN =31mg KOH/g
不飽和度 =0.5meq/g
ICI(175℃) =3,600mPa.s
Tm(クエンチ済み)(DSC 20°/分)=80℃
Mn(GPC) =4,025
【0049】
実施例8
ウレタンメタクリレートオリゴマーの合成
攪拌機、酸素入口、ヒドロキシエチルメタクリレート入口及び温度調節器に付属した熱電対を装備した従来の四つ口丸底フラスコ中で、酸素雰囲気下、391部のヘキサメチレンジ−イソシアネートと0.15部のジブチル錫ジラウレートを70℃に加熱した。引き続いて、0.2部のジ−t−ブチルヒドロキノンを含んだ606部のヒドロキシエチルメタクリレートを約4時間かけて、ゆっくり添加した。添加終了時に、温度を90℃に上げ、別の0.2部のジ−t−ブチルヒドロキノンを追加した。さらに、1時間撹拌を行い、以下の特性を持つ白色結晶性オリゴマーを得た:
OHN =6mg KOH/g
不飽和度 =4.7meq/g
ICI(100℃) =130mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分)=66℃
Mn(GPC) =428
【0050】
実施例9
放射線硬化可能な粉体塗料組成物の調製
本発明に従って、静電スプレーガンによる噴霧で塗膜を製造するのに使用可能な一連の白色粉体を、任意的にエチレン性不飽和オリゴマー及び/または(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルと組み合わせて、(メタ)アクリロイル基含有の非晶性ポリエステルとエポキシ樹脂のブレンドから調製した。また、このようにして使用される(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル又はアクリロイル基含有エポキシ樹脂との比較として、これら粉体を以下のように処方調合した:
結合剤 750.0部
二酸化チタン(Kronos 2310(Kronos)) 250.0部
α−ヒドロキシケトン(Irgacure 2959(Ciba))12.5部
ビスアシルホスフィンオキシド(Irgacure 819(Ciba))
12.5部
流動度調節剤(Resiflow PV5、(Worlee Chemie))
10.0部
これらの粉体組成物は、(メタ)アクリロイル基含有樹脂類、光開始剤および、エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または、存在するならば、(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルを、粉体塗料及びワニスの製造で慣例的に使用される様々な添加物質とをドライブレンドして調製した。得られた混合物をPrism 16mm(L/D=15/1)二軸押出機(Prism社製)を用いて、約70〜140℃の温度で均一化し、押出物をAlpaine 100UPZ粉砕機(Alpine社製)で粉砕した。完成品の10〜110μmの粒子サイズの粒子を得るため、粉体を篩にかけた。
【0051】
実施齢10
塗料の特徴
実施例9で述べたように、本発明に従って(メタ)アクリロイル基含有樹脂類のブレンドで調合した粉体と、比較として与えられた結合材系で調合された粉体を、60kVの静電スプレーガンで、中密度ファイバーボード(MDF)パネル上に、膜厚さ40〜100μmで塗布した。また、粉体をMDFパネルに沈着させるため、噴霧中、地面に接続された銅板をパネル背面に置いた。次いで、沈着した塗料を中波長赤外線/対流オーブン(Triab)中で、140℃の温度で、3分間加熱して溶融させ、次いで、160W/cm中圧水銀蒸気UV電球(Fusion UVシステム社製)追随160W/cmガリウムドープで発光する紫外線光を用い、全UV照射量4000mJ/cm2で照射した。このようにして得られた硬化塗膜を従来の試験法で試験した。 得られた結果を表1に示した。
【0052】
ここで、表1中:
縦列1 :調合実施例番号
縦列2 :不飽和非晶質ポリエステルの調製実施例番号と結合剤全体中のそれの重量%
縦列3 :不飽和エポキシ樹脂の調製実施例番号と結合剤全体中のそれの重量%
縦列4 :付加的成分(不飽和オリゴマー及び/又は不飽和半結晶性ポリエステ
ル)と結合剤全体中のそれの重量%
縦列5 :ASTM D2795による直接衝撃抵抗値(DI)(kg.cm)
と、ASTM D2795による逆衝撃値(RI) (kg.cm)
。逆及び直接衝撃に対する抵抗は、未処理冷間圧延鋼パネルに噴霧さ
れ、MDFパネル用のような硬化スケジュール従って硬化させた塗膜
について測定した;
縦列6 :硬化塗膜表面外観に有害な影響を及ぼさないMEK含浸木綿パッドに
よる二回こすり運動(往復)数に相当する、MEKに対する抵抗;
縦列7 :MEK含浸試験:初期肉視評価−初期60°光沢対MEK含浸塗膜の
肉視評価−MEK含浸塗膜の60°光沢の比較、ここで・塗膜の肉視
評価で、良好(g)は硬化塗膜が滑らかで光沢ある外観を有し、クレ
ーター、ピンホールなどの明らかな欠陥を持たないことを意味する。
普通(m)は、硬化塗膜がわずかにオレンジピールを示すがクレータ
ー、ピンホールなどの明らかな欠陥を持たないことを意味し、貧弱(
p)は、硬化塗膜が著しいオレンジピールを示し、さらに、主に膨れ
であるが、明らかな欠陥を示すことを意味し、風合い(t)は、仕上
げが証明する台所/浴室家具への適用で典型的な構造外観を意味し、
・60°光沢はASTM D523に従って測定したものである;
縦列8 :アセトン試験:初期塗料フィルムのASTM D3363−92Aに
よる、7.5Nの力を加え、45°角でで測定した鉛筆硬度値を、ア
セトンで20秒間飽和させた(アセトン試験)後のASTM D33
63−92Aによる、7.5Nの力を加え、45°角でで測定した鉛
筆硬度値と比較する;
縦列9 :C2−光源と10°オブザーバを持つ分光計を用いて、ASTM E
313に従って測定した黄色指数(YIE)。2より大きい黄色指数
値は、白色仕上げが黄色っぽいから黄色の外観が認められる。黄色指
数値が大きいほど、より顕著な黄色っぽさの認知を意味する。
【0053】

【0054】
表1で要約された結果から、本発明によるメタクリロイル基含有非晶質ポリエステルとポリフェノキシ樹脂に基づいた本発明による粉体組成物(11〜19の粉体)が、現状技術の組成物から得られた対応した塗料(粉体20〜23)のそれらより著しく優れている、有利な特性を有する塗料とワニスを与えることがはっきりと分かる。実際に、非晶質ポリエステル(粉体20=比較例)に基づいた現状技術による組成物で、特にアセトンテスト(Hから3Bまで鉛筆硬度が低下)およびMEK含浸テスト(肉視評価で著しい膨れが認められ、60°光沢が88から53へ減少を示す)で、弱い結果が得られた。粉体21(=比較例)から、アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂に基づくUV−硬化可能な粉末塗料組成物からよい耐溶剤性が得られることがうかがわれたが、白色塗料の増大した黄変(YIE=5.6)と流動性の不十分さが、それらの商業目的への利用を不適にしているように思われる。粉体22(=比較例)から、半結晶性ポリエステルから得られた紫外線硬化可能な粉体塗料は、初期肉視評価は満足するが、初期鉛筆硬度(2B)並びにアセトン試験(鉛筆硬度が2Bから4Bへ低下)及びMEK含浸試験(肉視評価で膨れ形成が認められ、60°光沢が90から68へと低下)が不十分であることが明らかである。粉体23(=比較例)から、不飽和半結晶性ポリエステルおよび不飽和ポリフェノキシ樹脂のブレンドから成る組成物から申し分ない耐溶剤性が得られることが見いだされるが、依然として不満足な初期鉛筆硬度(B)並びに初期流れの不十分さを伴った塗膜が観察される。比較例粉体21、22、及び23は、原則として、それぞれ、米国特許第4,129,488号の実施例1、3及び4に対応するものである。これら結果は、現状技術組成物に対する本発明の粉体組成物の優越性を如実に示している。
【0055】
実施例11
ステップ1
329.0部のネオペンチルグリコールと2.0部のn−ブチル錫トリオクトエート触媒の混合物を、実施例1の従来の四つ口丸底フラスコに仕込んだ。フラスコ内容物を、撹拌しながら窒素雰囲気下で、おおよそ140℃の温度に加熱した。そこで、攪拌をしながら571.3部のイソフタル酸を添加し、得られた混合物を225Cの温度に徐々に加熱した。蒸留は約190℃から始まった。225℃で2時間後、反応混合物が透明になった時に、0.7部のトリブチルホスファイトを追加し、50mmHgの真空を徐々に適用した。225℃、50mmHgの条件下で3時間後に、以下の特性が得られた:
AN =46mg KOH/g
OHN =4mg KOH/g
ICI(175℃) =5,700mPa.s
ステップ2
前記カルボキシル官能化ポリエステルを150℃まで冷却し、それに1.1部のジ−t−ブチルヒドロキノンを3.9部の臭化エチルトリフエニルホスホニウムとともに添加した。引き続いて、酸素雰囲気下、撹拌しながら、92.3部のグリシジルメタクリレートをゆっくり添加(30分)した。添加終了後、1時間後に、以下の特性を持つメタクリル不飽和ポリエステルを得た:
AN =3mg KOH/g
OHN =39mg KOH/g
不飽和度 =0.65meq/g
ICI(175℃) =1,800mPa.s
Tg(クエンチ済み)(DSC 20°/分)=42℃
Mn(GPC) =3,100
このようにして得たポリエステルを、実施例9のように、粉体n°24に調合し、塗装し、それらを用いて、実施例10のように、試験した。その結果を表1に示した。
【0056】
本願による発明の諸態様は、以下のようにまとめられる。
[1].成分a)、b)及びc)の全重量に基づいて、それぞれ、:
a)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル、10〜90重量%;
b)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂、10〜60重量%;そして、
c)エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステル、0〜30重量%
を含んでいる、放射線硬化可能な粉体組成物。
[2].(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルが、少なくとも40モル%のテレフタル酸またはイソフタル酸を、単独または混合物として含んだポリ酸成分、および少なくとも20モル%のネオペンチルグリコールを含んだポリオール成分からなる、前記[1]項に記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[3].前記(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルが、ジ−イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基含有ポリエステルとの反応から、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ポリエステルとの反応から入手可能である、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[4].ヒドロキシル基含有ポリエステルが、
a)50〜100モル%のテレフタル酸またはイソフタル酸を、単独又は混合物として含み、0〜50モル%の少なくとも一種類の他の飽和脂肪族、脂環式又は芳香族ジ−又はポリカルボン酸を含む酸成分と、
b)酸成分基準で化学量論的過剰の、20〜100モル%のネオペンチルグリコール、及び0〜80モル%の少なくとも一種類の他の脂肪族又は脂環式ジ−又はポリオールを含むアルコール成分
との反応生成物であり、
カルボキシル基含有ポリエステルが前述のヒドロキシル基含有ポリエステルとポリ酸との反応生成物である、前記[3]項に記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[5].(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルが、ポリエステル1g当たり0.15〜1.80、好ましくは0.35〜1.25ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を持ち、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量が、1,100〜16,000、好ましくは1,300〜8,500の間にあり、ASTM D3418−82に従って示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度が、35〜80℃であり、ASTM D4287−88によるコーン/プレート粘度計で200℃で測定した溶融状態粘度が、1〜20,000mPa.sである、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[6].(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂が、(メタ)アクリル酸とグリシジル基含有ポリフェノキシ樹脂との反応生成物である、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[7].(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂が、樹脂1g当たり0.5〜6.0、好ましくは0.5〜4.5ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を持ち、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量が、500〜5,000、好ましくは650〜3,500の間にあり、ASTM D3418−82に従って示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度が、30〜80℃であり、ASTM D4287−88によるコーン/プレート粘度計で200℃で測定した溶融状態粘度が、1〜25,000mPa.sである、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[8].エチレン性不飽和オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、またはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレートである、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[9].成分a)、b)、およびc)の全重量に基づいて、エチレン性不飽和オリゴマーを0〜20重量%含む、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[10].(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルが、ポリエステル1g当たり0.18〜1.80、好ましくは0.35〜1.25ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を持ち、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量が、1,000〜21,000、好ましくは1,300〜9,000の間にあり、ASTM D3418−82に従って示差走査熱量測定(DSC)で測定した明確な融点を60〜150℃に持ち、ASTM D4287−88によるコーン/プレート粘度計で175℃で測定した溶融状態粘度が10,000mPa.s未満である、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[11].前記成分a)、b)及びc)の全重量に基づいて、(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルを0〜30重量%含む、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[12].前記非晶質ポリエステルa)、前記ポリフェノキシ樹脂b)および前記エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または前記半結晶性ポリエステルc)、および場合により光活性化剤の合計100重量部に対して、15重量部まで、好ましくは0.5〜8重量部の光開始剤を更に含む、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[13].前記非晶質ポリエステルa)、前記ポリフェノキシ樹脂b)および前記エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または前記半結晶性ポリエステルc)の合計100重量部に対して、少なくとも一種類の塗料性能改質物質0〜10重量部をさらに含む、前記各項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
[14].前記[1]〜[13]項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物を含む、粉体ワニスまたは粉体塗料。
[15].前記[1]〜[13]項のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物または前記[14]項に記載の粉体ワニスまたは粉体塗料を物品に沈着させ、次いで、このようにして得た塗膜(被覆物)を溶融させ、および溶融状態にある該塗膜を放射線硬化する、物品の塗装法。
[16].塗膜を80〜150℃で、好ましくは0.5〜10分間、加熱することにより塗膜の溶融が達成され、及び/又は、溶融状態にある塗膜の硬化が、硬化塗膜が形成されるに十分な時間、その塗膜をUV照射又は加速電子ビームに曝すことにより達成される、前記[15]項に記載の方法。
[17].前記[15]又は[16]項のいずれかの方法により、部分的に、または完全に塗装された物品。
[18].ジ−イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル含有ポリエステルとの反応で入手が可能であり、又はヒドロキシル含有ポリエステルとポリ酸との反応で入手可能なカルボキシル基含有ポリエステルとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応で入手が可能である(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルであって、
前記のヒドロキシル基含有ポリエステルが、
a)50〜100モル%のテレフタル酸又はイソフタル酸を単独又は混合物として含み、0〜50モル%の少なくとも一種類の他の飽和脂肪族、脂環式又は芳香族ジ−又はポリカルボン酸を含む酸成分と、
b)酸成分基準で化学量論的に過剰な、20〜100モル%のネオペンチルグリコールと0〜80モル%の少なくとも一種類の他の脂肪族又は脂環式ジ−又はポリオールを含むアルコール成分
との反応生成物である
ことを特徴とする、(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル。
[19].前記ヒドロキシル基含有非晶質ポリエステルの調製における前記アルコール成分が、20〜100モル%のネオペンチルグリコールおよび0〜80モル%のエチレングリコールを含んでいる、前記[18]項に記載の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル。
[20].前記ヒドロキシル基含有ポリエステルのヒドロキシル価が10〜100mg KOH/g、好ましくは、25〜100mg KOH/g;数平均分子量が800〜14,000、好ましくは1,000〜8,000;そして、ASTM D4287−88による、コーン/プレート粘度計で200℃で測定した溶融状態粘度が、5〜50,000mPa.sである、前記[18]または[19]項に記載の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分a)、b)及びc)の全重量に基づいて、それぞれ、:
a)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル、10〜90重量%;
b)少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂、10〜60重量%;そして、
c)エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または少なくとも一種類の(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステル、0〜30重量%
を含んでいる、放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項2】
(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルが、少なくとも40モル%のテレフタル酸またはイソフタル酸を、単独または混合物として含んだポリ酸成分、および少なくとも20モル%のネオペンチルグリコールを含んだポリオール成分からなる、請求項1に記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルが、ジ−イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基含有ポリエステルとの反応から、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ポリエステルとの反応から入手可能である、請求項1又は2に記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項4】
ヒドロキシル基含有ポリエステルが、
a)50〜100モル%のテレフタル酸またはイソフタル酸を、単独又は混合物として含み、0〜50モル%の少なくとも一種類の他の飽和脂肪族、脂環式又は芳香族ジ−又はポリカルボン酸を含む酸成分と、
b)酸成分基準で化学量論的過剰の、20〜100モル%のネオペンチルグリコール、及び0〜80モル%の少なくとも一種類の他の脂肪族又は脂環式ジ−又はポリオールを含むアルコール成分
との反応生成物であり、
カルボキシル基含有ポリエステルが前述のヒドロキシル基含有ポリエステルとポリ酸との反応生成物である、請求項3に記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項5】
(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルが、ポリエステル1g当たり0.15〜1.80、好ましくは0.35〜1.25ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を持ち、ASTM D3418−82に従って示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度が、35〜80℃であり、ASTM D4287−88によるコーン/プレート粘度計で200℃で測定した溶融状態粘度が、1〜20,000mPa.sである、請求項1〜4のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項6】
(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂が、(メタ)アクリル酸とグリシジル基含有ポリフェノキシ樹脂との反応生成物である、請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項7】
(メタ)アクリロイル基含有ポリフェノキシ樹脂が、樹脂1g当たり0.5〜6.0、好ましくは0.5〜4.5ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を持ち、ASTM D3418−82に従って示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度が、30〜80℃であり、ASTM D4287−88によるコーン/プレート粘度計で200℃で測定した溶融状態粘度が、1〜25,000mPa.sである、請求項1〜6のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項8】
エチレン性不飽和オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート 、アクリル(メタ)アクリレート、またはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレートである、請求項1〜7のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項9】
成分a)、b)、およびc)の全重量に基づいて、エチレン性不飽和オリゴマーを0〜20重量%含む、請求項1〜8のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項10】
(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルが、ポリエステル1g当たり0.18〜1.80、好ましくは0.35〜1.25ミリ当量の二重結合を有する不飽和度を持ち、ASTM D3418−82に従って示差走査熱量測定(DSC)で測定した明確な融点を60〜150℃に持ち、ASTM D4287−88によるコーン/プレート粘度計で175℃で測定した溶融状態粘度が10,000mPa.s未満である、請求項1〜9のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項11】
前記成分a)、b)及びc)の全重量に基づいて、前記(メタ)アクリロイル基含有半結晶性ポリエステルを0〜30重量%含む、請求項1〜10のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項12】
前記非晶質ポリエステルa)、前記ポリフェノキシ樹脂b)および前記エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または前記半結晶性ポリエステルc)、および場合により光活性化剤の合計100重量部に対して、15重量部まで、好ましくは0.5〜8重量部の光開始剤を更に含む、請求項1〜11のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項13】
前記非晶質ポリエステルa)、前記ポリフェノキシ樹脂b)および前記エチレン性不飽和オリゴマーおよび/または前記半結晶性ポリエステルc)の合計100重量部に対して、少なくとも一種類の塗料性能改質物質0〜10重量部をさらに含む、請求項1〜12のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物を含む、粉体ワニスまたは粉体塗料。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれかに記載の放射線硬化可能な粉体組成物または請求項14に記載の粉体ワニスまたは粉体塗料を物品に沈着させ、次いで、このようにして得た塗膜(被覆物)を溶融させ、そして溶融状態にある該塗膜を放射線硬化する、物品の塗装法。
【請求項16】
塗膜を80〜150℃で、好ましくは0.5〜10分間、加熱することにより塗膜の溶融が達成され、及び/又は、溶融状態にある塗膜の硬化が、硬化塗膜が形成されるに十分な時間、その塗膜をUV照射又は加速電子ビームに曝すことにより達成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項15または16のいずれかの方法により、部分的に、または完全に塗装された物品。
【請求項18】
ジ−イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基含有ポリエステルとの反応から、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ポリエステルとの反応から得られる(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステルであって、
ヒドロキシル基含有ポリエステルが、a)50〜100モル%のテレフタル酸またはイソフタル酸を、単独又は混合物として含み、0〜50モル%の少なくとも一種類の他の飽和脂肪族、脂環式又は芳香族ジ−又はポリカルボン酸を含む酸成分と、b)酸成分基準で化学量論的過剰の、20〜100モル%のネオペンチルグリコール、及び0〜80モル%の少なくとも一種類の他の脂肪族又は脂環式ジ−又はポリオールを含むアルコール成分との反応生成物であることを特徴とする、(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル。
【請求項19】
ヒドロキシル基含有ポリエステルの調製におけるアルコール成分が、20〜100モル%のネオペンチルグリコール及び0〜80モル%のエチレングリコールを含む、請求項18に記載の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル。
【請求項20】
ヒドロキシル基含有ポリエステルが、10〜100mg KOH/g、好ましくは、25〜100mg KOH/gのヒドロキシル価;800〜14,000、好ましくは1,000〜8,000の数平均分子量;及び、5〜50,000mPa.sの、ASTM D4287−88による、コーン/プレート粘度計で200℃で測定した溶融状態粘度を有する、請求項18又は19に記載の(メタ)アクリロイル基含有非晶質ポリエステル。

【公開番号】特開2013−91800(P2013−91800A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−279764(P2012−279764)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2001−558162(P2001−558162)の分割
【原出願日】平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願人】(598109246)ユセベ,ソシエテ アノニム (4)
【Fターム(参考)】