説明

放射線硬化性組成物

【課題】
帯電防止性に優れた硬化塗膜を得ることができる放射線硬化性組成物を提供することである。
【解決手段】
リチウム塩(A)及び重合性ポリエーテル(B)と、(メタ)アクリレート(C)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)とを含有してなることを特徴とする放射線硬化性組成物を用いる。(A)はBF4-、PF6-、CF3SO3-、ClO4-、N(CF3SO2)2-、C(CF3SO2)3-、C(CH3)(CF3SO2)2-、CH(CF3SO2)2-、CH2(CF3SO2)-、C2F5SO3-、N(C2F5SO2)2-、Cl-、Br-、I-、F-、B(CF3SO2)2-、SbF6-、SCN- 又はAsF6-の化学式で表される陰イオンとリチウムイオンとからなる塩が好ましい。(C)及び(D)の重量に基づいて、(A)の含有量は0.01〜4重量%、(B)の含有量は0.01〜15重量%が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、ポリアルキレンオキシ基を有する変性オルガノポリシロキサン及び電解質塩化合物(過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム等)を含んでなる帯電防止性樹脂組成物が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−48950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の帯電防止性樹脂組成物を用いて得た硬化塗膜は、高温高湿環境下(たとえば、60℃以上及び90%RH以上)での使用や、水やアルコールの接触(ふき取り)により帯電防止性(制電性)が著しく低下するという問題がある。すなわち本発明の目的は、帯電防止性に優れた硬化塗膜を得ることができる放射線硬化性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の放射線硬化性組成物の特徴は、リチウム塩(A)及び重合性ポリエーテル(B)と、(メタ)アクリレート(C)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)とを含有してなることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の放射線硬化性組成物は、帯電防止性に極めて優れた硬化塗膜を得ることができる。このため、本発明の放射線硬化性組成物を用いた硬化塗膜は、高温高湿環境下や、水やアルコールと接触する環境で使用されても優れた帯電防止性を維持することができる。したがって、本発明の放射線硬化性組成物は、テレビや携帯電話の画面等に用いられるホコリ付着防止兼傷つき防止用コーティング剤として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
リチウム塩(A)としては、超強酸又は強酸を構成できるアニオンとリチウムカチオンとからなる塩等が含まれる。
超強酸を構成できるアニオンとしては、BF4-、PF6-、CF3SO3-、ClO4-、N(CF3SO2)2-、C(CF3SO2)3-、C(CH3)(CF3SO■
2)2-、CH(CF3SO2)2-、CH2(CF3SO2)-、C2F5SO3-、N(C2F5SO2)2-、B(CF3SO2)2-、SbF6-、SCN-又はAsF6-の化学式で表される陰イオン等が挙げられる。
強酸を構成できるアニオンとしては、Cl-、Br-、I-又はF-の化学式で表される陰イオン等が挙げられる。
【0008】
これらのリチウム塩(A)のうち、帯電防止性の観点等から、超強酸を構成できるアニオンとリチウムカチオンとからなる塩が好ましく、さらに好ましくはLiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiPF6、LiClO4及びLiBF4、特に好ましくはLiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiClO4及びLiBF4、次に好ましくはLiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiClO4及びLiBF4、最も好ましくはLiN(CF3SO2)2、LiClO4及びLiBF4である。これらのリチウム塩(A)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。2種以上併用する場合、上記の好ましい塩を含むことが好ましい。2種以上併用する場合、上記の好ましい塩の含有量(重量%)は、リチウム塩(A)の合計重量に基づいて、50〜95が好ましく、さらに好ましくは60〜90、特に好ましくは70〜85である。この範囲であると、帯電防止性がさらに良好となる。
【0009】
重合性ポリエーテル(B)としては、分子中に少なくとも一つのエチレン性不飽和二重結合(重合性不飽和結合)を持つ重合性ポリエーテル等が使用でき、ポリエーテル変性シリコーン(B1)、高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B3)及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)等が含まれる。
【0010】
ポリエーテル変性シリコーン(B1)としては、一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物等、すなわち、一般式(1)で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーン(B11)、一般式(2)で表される末端変性型ポリエーテル変性シリコーン(B12)、一般式(3)で表される両末端ブロック型ポリエーテル変性シリコーン(B13)及び一般式(4)で表される片末端ポリエーテル変性シリコーン(B14)等が含まれる。
【0011】
<一般式(1)で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーン(B11)>
【化1】

なお、R1〜R7は、それぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基、Oは酸素原子、Siは珪素原子、Hは水素原子、Cは炭素原子、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Xはウレタン結合、エステル結合又はエーテル結合、Eはエチレン性不飽和二重結合を含む炭素数2〜40の有機基を表し、Eはエーテル結合及びエステル結合を含んでいてもよく、aは1〜25000の整数、b及びcはそれぞれ独立して1〜100の整数、dは0又は1を表す。
【0012】
炭素数1〜6の炭化水素基(R1〜R7)としては、アルキル、アリール、アルケニル及びアリキニル等が含まれる。
アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル及びヘキシル等が挙げられる。
アリールとしては、フェニル、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル及び4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
アルケニルとしては、ビニル、アリル、2−プロペニル、イソプロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、1−エチル−1−エテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、4−ペンテニル、5−ペンテニル、1−ヘキセニル及びシクロヘキセニル等が挙げられる。
アルキニルとしては、エチニル 、2−プロピニル、プロパ−2−イン−1−イル、1−ブチニル、1−ヘキシニル及びシクロヘキシニル等が挙げられる。
これらのうち、帯電防止性の観点等から、アルキルが好ましく、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル及びブチル、特に好ましくはメチル及びエチル、最も好ましくはメチルである。
【0013】
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(AO)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレンが含まれる。
これらのうち、帯電防止性の観点等からオキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレンが好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン及びオキシプロピレン、特に好ましくはオキシエチレンである。
【0014】
エチレン性不飽和二重結合を含む炭素数2〜40の有機基(E)としては、アルケニル、アルカジエニル、アルカトリエニル及び(メタ)アクリロイルオキシエチル等が含まれる。
アルケニルとしては、ビニル、アリル、2−プロペニル、イソプロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、1−エチル−1−エテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、4−ペンテニル、5−ペンテニル、オクタデセニル、ビニルオキシメチル、ビニルオキシエチル、ビニルオキシプロピル、ビニルオキシブチル、ビニルオキシヘキシル及び1−テトラコンタニル等が挙げられる。
アルカジエニルとしては、リノール及びジシクロペンタジエニル等が挙げられる。
アルカトリエニルとしては、リノレン及びシクロペンタトリエニル等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシエチルは、アクリロイルオキシエチル及びメタクロイルオキシエチルを意味する。
これらのうち、アルケニル及び(メタ)アクリロイルオキシエチルが好ましく、さらに好ましくはアリル、イソプロペニル及び(メタ)アクリロイルオキシエチル、特に好ましくはアリル及びイソプロペニルである。
【0015】
Xのうち、ウレタン結合の結合方向は、−NHCOO−でも、−OCONH−でもよいが、有機基(E)が窒素原子に結合する方向{−OCONH−E}が好ましい。また、エステル結合の結合方向は、−OCO−でも、−COO−でもよいが、d=0の場合、有機基(E)が炭素原子に結合する方向{−OCO−E}が好ましく、d=1の場合、有機基(E)が酸素原子に結合する方向{−COO−E}が好ましい。
Xのうち、帯電防止性の観点等から、エステル結合及びエーテル結合が好ましく、さらに好ましくはエステル結合、特に好ましくは有機基(E)が炭素原子に結合する方向{−OCO−E}のエステル結合である。
aは、帯電防止性の観点等から、1〜25000の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜1000の整数、特に好ましくは3〜500の整数、最も好ましくは5〜50の整数である。
b及びcは、帯電防止性の観点等から、それぞれ独立して、1〜100の整数が好ましく、さらに好ましくは3〜60の整数、特に好ましくは4〜50の整数、最も好ましくは5〜40の整数である。
dは、帯電防止性の観点等から、0が好ましい。
【0016】
一般式(1)で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーン(B11)としては、表1に示した変性シリコーン(B111)〜(B119)等が好ましく例示できる。また、以下に例示される変性シリコーンのa〜dの数に分布を生じる場合があり、この場合厳密には複数種類の変性シリコーンの混合物となり、この混合物の中に表1で表される変性シリコーンが含まれるものである(この複数種類の変性シリコーンの混合物の代表例を表1に示すものである)。なお、R1〜R7、AO、X、E、a、b、c及びdは一般式(1)と同様の意味であり、Meはメチル、Etはエチル、Prはプロピル、Hxはヘキシル、Peはペンチル、Phはフェニル、Enはエチニル、OEはオキシエチレン、OPはオキシプロピレン、OBはオキシブチレンを意味する。
【0017】
【表1】

【0018】
<一般式(2)で表される末端変性型ポリエーテル変性シリコーン(B12)>
【化2】

【0019】
なお、R8〜R10は、それぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基、fは1〜2000の整数、eは0〜3の整数、gは1〜4の整数であり、e+g=4である。
c、d、O、Si、H、C、AO、X及びEは一般式(1)と同様である(好ましい範囲も同様)。
炭素数1〜6の炭化水素基(R8〜R10)としては、一般式(1)の炭化水素基(R1〜R7)と同様である(好ましい範囲も同様)。
【0020】
eは、帯電防止性の観点等から、0〜3の整数が好ましく、さらに好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは1〜2、最も好ましくは1である。
gは、帯電防止性の観点等から、1〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは2〜3の整数、最も好ましくは3の整数である。
fは、帯電防止性の観点等から、1〜2000の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜1000の整数、特に好ましくは3〜500の整数、最も好ましくは5〜100の整数である。
【0021】
一般式(2)で表される末端変性型ポリエーテル変性シリコーン(B12)としては表2に示した変性シリコーン(B121)〜(B128)等が好ましく例示できる。また、以下に例示される変性シリコーンのc、e、f、d、gの数等に分布を生じる場合があり、この場合厳密には複数種類の変性シリコーンの混合物となり、この混合物の中に表2で表される変性シリコーンが含まれるものである(この複数種類の変性シリコーンの混合物の代表例を表2に示すものである)。なお、R8〜R10、AO、X、E、e、f、g、c及びdは一般式(2)と同様の意味であり、Meはメチル、Etはエチル、Prはプロピル、Buはブチル、OEはオキシエチレン、OPはオキシプロピレン、OBはオキシブチレンを意味する。
【0022】
【表2】

【0023】
<一般式(3)で表される両末端ブロック型ポリエーテル変性シリコーン(B13)>
【化3】

【0024】
なお、R11〜R14は、それぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基、R15及びR16は炭素数1〜4のアルキレン基、hは0〜5000の整数、jは1〜10の整数、iは1〜100の整数を表す。
c、d、O、Si、H、C、AO、X及びEは一般式(1)と同様である(好ましい範囲も同様)。
炭素数1〜6の炭化水素基(R11〜R14)としては、一般式(1)の炭化水素基(R1〜R7)と同様である(好ましい範囲も同様)。
【0025】
炭素数1〜4のアルキレン基(R15及びR16)としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン及びイソブチレン等が挙げられる。
これらのうち、帯電防止性の観点等から、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンが好ましく、さらに好ましくはエチレン、プロピレン及びブチレン、特に好ましくはエチレン及びプロピレン、最も好ましくはエチレンである。
【0026】
hは、帯電防止性の観点等から、0〜5000の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜1000の整数、特に好ましくは5〜500の整数、最も好ましくは10〜100の整数である。
jは、帯電防止性の観点等から、1〜10の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜8の整数、特に好ましくは3〜7の整数、最も好ましくは4〜6の整数である。
iは、帯電防止性の観点等から、1〜100の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜60の整数、特に好ましくは3〜50の整数、最も好ましくは4〜30の整数である。
【0027】
一般式(3)で表される両末端ブロック型ポリエーテル変性シリコーン(B13)としては、表3に示したブロック型ポリエーテル変性シリコーン(B131)〜(B138)等が好ましく例示できる。また、以下に例示される変性シリコーンのc、d、h、i、jの数等に分布を生じる場合があり、この場合厳密には複数種類の変性シリコーンの混合物となり、この混合物の中に表3で表される変性シリコーンが含まれるものである(この複数種類の変性シリコーンの混合物の代表例を表3に示すものである)。なお、R11〜R16、AO、X、E、c、d、h、i及びjは一般式(3)と同様の意味であり、Meはメチル、Etはエチル、Prはプロピル、Buはブチル、OEはオキシエチレン、OPはオキシプロピレン、OBはオキシブチレンを意味する。
【0028】
【表3】

【0029】
<一般式(4)で表される片末端ポリエーテル変性シリコーン(B14)>
【化4】

【0030】
なお、R17〜R21は、それぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基、R22は炭素数1〜4のアルキレン基、kは0〜5000の整数、mは1〜10の整数を表す。c、d、O、Si、H、C、AO、X及びEは一般式(1)と同様である(好ましい範囲も同様)。
炭素数1〜6の炭化水素基(R17〜R21)としては、一般式(1)の炭化水素基(R1〜R7)と同様である(好ましい範囲も同様)。炭素数1〜4のアルキレン基(R22)としては、一般式(3)のアルキレン基(R15及びR16)と同様である(好ましい範囲も同様)。
【0031】
kは帯電防止性の観点等から、0〜5000の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜1000の整数、特に好ましくは5〜500の整数、最も好ましくは10〜100の整数である。
mは帯電防止性の観点等から、1〜2の整数が好ましい。
【0032】
一般式(4)で表される片末端ポリエーテル変性シリコーン(B14)としては、表4に示した変性シリコーン(B141)〜(B148)等が好ましく例示できる。また、以下に例示される変性シリコーンのc、k、m、dの数等に分布を生じる場合があり、この場合厳密には複数種類の変性シリコーンの混合物となり、この混合物の中に表4で表される変性シリコーンが含まれるものである(この複数種類の変性シリコーンの混合物の代表例を表4に示すものである)。なお、R17〜R22、AO、X、E、c、k、m、dは一般式(4)と同様の意味であり、Meはメチル、Etはエチル、Prはプロピル、Buはブチル、OEはオキシエチレン、OPはオキシプロピレン、OBはオキシブチレンを意味する。
【0033】
【表4】

【0034】
一般式(1)で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーン(B11)、一般式(3)で表される両末端ブロック型ポリエーテル変性シリコーン(B13)及び一般式(4)で表される片末端ポリエーテル変性シリコーン(B14)は、以下のようにして、公知の方法により容易に調製できる。
オルガノシラン(例えばトリメトキシモノメチルシラン等)を加水分解して得られるオルガノポリシロキサンを更に加水分解し得られるシラノール基(≡Si−OH)を有するオルガノポリシロキサン(例えばメチル基の一部がヒドロキシル基に置換されたジメチルポリシロキサン)及び環状シロキサン(例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン等)を、酸(例えばトリフルオロ酢酸等)存在下反応させてシラントリイル基(≡SiH)を有するオルガノポリシロキサン(例えばメチル基の一部が水素原子に置換されたジメチルポリシロキサン)を得た後(たとえば、特開平09−208702号公報)、このシラントリイル基を有するオルガノポリシロキサンと、不飽和二重結合及びポリオキシアルキレン基を有する化合物(例えばポリエチレングリコールアリルエーテル等)とを反応触媒(例えば塩化白金酸等)の存在下でヒドロシリル化反応{たとえば、ブリティッシュ ポリマー ジャーナル20巻、281〜288頁(1988年)}させて、ポリエーテル変性シリコーン{特開2006−045549号公報に記載されたポリエーテル変性シリコーン(分岐型ポリエーテル変性シリコーン及びブロック型ポリエーテル変性シリコーン)等}を得る。そして、得られたポリエーテル変性シリコーンと、エチレン性不飽和二重結合を有するカルボン酸{たとえば、アクリル酸、メタクリル酸等}、エチレン性不飽和二重結合を有するハロゲン化物{たとえば、塩化アリル、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等}、又はエチレン性不飽和二重結合を有するイソシアネート{たとえば、2−アクリロイルエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI等)等}とをエステル化反応、エーテル化反応(ウィリアムソン合成)又はウレタン化反応させて、ウレタン結合、エステル結合又はエーテル結合を介してエチレン性不飽和二重結合(E)を導入することにより、一般式(1)で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーン(B11)、一般式(3)で表される両末端ブロック型ポリエーテル変性シリコーン(B13)及び一般式(4)で表される片末端ポリエーテル変性シリコーン(B14)が得られる。
【0035】
また、一般式(2)で表される末端変性型ポリエーテル変性シリコーン(B12)は、以下のようにして、公知の方法により容易に調製できる。
公知の方法{たとえば、日本化学会編 第4版 実験化学講座28巻、376〜377頁}により、市場より容易に入手可能なポリジメチルシロキサンを加水分解し、シラノール基(≡Si−OH)を有するオルガノポリシロキサン(例えばメチル基の一部がヒドロキシル基に置換されたジメチルポリシロキサン)を得た後、酸性触媒(p−トルエンスルホン酸等)存在下、このオルガノポリシロキサンとポリアルキレングリコール(例えばポリエチレングリコール等)とを反応させて、ポリエーテル変性シリコーンを得る{特開2006−045549号公報に記載されたポリエーテル変性シリコーン(末端変性型ポリエーテル変性シリコーン)等}。ついで、(B11)、(B13)及び(B14)と同様にして、このポリエーテル変性シリコーンと、エチレン性不飽和二重結合を有するカルボン酸、エチレン性不飽和二重結合を有するハロゲン化物、又はエチレン性不飽和二重結合を有するイソシアネートとをエステル化反応、エーテル化反応又はウレタン化反応させて、ウレタン結合、エステル結合又はエーテル結合を介してエチレン性不飽和二重結合(E)を導入することにより、一般式(2)で表される末端変性型ポリエーテル変性シリコーン(B12)を得ることができる。
【0036】
高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)としては、高級アルコールアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステルを使用することができる。高級アルコールアルキレンオキシド付加物としては、特開平05−263362号公報に記載されたポリエーテル等を用いることができる。
【0037】
高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)のうち、帯電防止性の観点等から、高級アルコールエチレンオキシド付加物(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくは炭素数8〜18の直鎖アルコールエチレンオキシド付加物(メタ)アクリレート、特に好ましくはラウリルアルコールエチレンオキシド付加物(メタ)アクリレートである。
【0038】
高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)のアルキレンオキシドの付加モル数は、帯電防止性及び塗膜硬度の観点等から、高級アルコール1モルに対して、2〜100の実数が好ましく、さらに好ましくは5〜75の実数、特に好ましくは10〜25の実数である。
【0039】
高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)としては、表5に示した(メタ)アクリレート(B21)〜(B27)等が好ましく例示できる。また、以下に例示される重合性ポリエーテル(B)のオキシアルキレン基に分布を生じる場合があり、この場合厳密には複数種類の重合性ポリエーテルの混合物となり、この混合物の中に以下に例示される重合性ポリエーテルが含まれるものである(この複数種類の重合性ポリエーテルの混合物の代表例を例示するものである。以下同様)。
【0040】
【表5】

【0041】
高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)は、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品等が挙げられる。
日本油脂株式会社製;ブレンマーPLEシリーズ{ラウリルアルコールエチレンオキシド付加物モノメタクリレート}、ブレンマーALEシリーズ{ラウリルアルコールエチレンオキシド付加物モノアクリレート}、ブレンマーPSEシリーズ{ステアリルアルコールエチレンオキシド付加物モノメタクリレート}、ブレンマーASEシリーズ{ステアリルアルコールエチレンオキシド付加物モノアクリレート}等。
【0042】
アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B3)としては、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステルを使用することができる。アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物としては、特開平06−228530号公報に記載されたポリエーテル等を用いることができる。
【0043】
アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B3)のうち、帯電防止性の観点等から、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくは炭素数18以下のアルキル基を有するアルキルフェノールエチレンオキシド付加物(メタ)アクリレート、特に好ましくはブチルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート、オクチルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート及びノニルフェノールアルキレンオキシド付加物である。(メタ)アクリレートである。
【0044】
アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B3)のアルキレンオキシドの付加モル数は、帯電防止性及び塗膜硬度の観点等から、アルキルフェノール1モルに対して、2〜100の実数が好ましく、さらに好ましくは5〜75の実数、特に好ましくは10〜25の実数である。
【0045】
アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B3)としては、表6に示した重合性ポリエーテル(B31)〜(B37)等が好ましく例示できる。
【0046】
【表6】

【0047】
アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B3)は、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品等が挙げられる。
日本油脂株式会社製;ブレンマーPNEシリーズ{ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート}、ブレンマーANEシリーズ{ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート}、ブレンマーPNPシリーズ{ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート}、ブレンマーANPシリーズ{ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート}等。
【0048】
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)としては、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーと(メタ)アクリル酸とのモノ−又はジ−エステルを使用することができる。ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーとしては、特開2002−309129号公報に記載されたポリエーテル等を用いることができる。
【0049】
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)のうち、塗膜光度の観点等から、ジエステルが好ましい。
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)のオキシプロピレンの含有モル数は、帯電防止性の観点等から、このブロックコポリマー1モル当たり、5〜100の実数が好ましく、さらに好ましくは10〜50の実数、特に好ましくは30〜40の実数である。また同様に、オキシエチレンの含有モル数は、帯電防止性の観点等から、このブロックコポリマー1モル当たり、5〜500の実数が好ましく、さらに好ましくは10〜250の実数、特に好ましくは50〜100の実数である。
【0050】
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)としては、表7に示した重合性ポリエーテル(B41)〜(B48)等が好ましく例示できる。
【表7】

【0051】
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)は、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品等が挙げられる。
日本油脂株式会社製;ブレンマーPDCシリーズ{ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマージメタクリレート}、ブレンマーADCシリーズ{ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマージアクリレート}等。
【0052】
重合性ポリエーテル(B)のうち、帯電防止性の観点等から、ポリエーテル変性シリコーン(B1)、高級アルコールアルキレンオキシド付加物(メタ)アクリレート(B2)及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー(メタ)アクリレート(B4)が好ましく、さらに好ましくは(B1)及び(B2)、特に好ましくは(B1)である。
【0053】
(メタ)アクリレート(C)は、特開2005−154609号公報に記載された単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレート等を用いることができる。また、(メタ)アクリレート(C)は、特に限定されるものではなく、例えば市販の(メタ)アクリレートを使用することが出来る。
これらの(メタ)アクリレート(C)のうち、塗膜硬度の観点等から、(メタ)アクリロイル基を分子中に3〜15個含有する(メタ)アクリレート{特開2005−154609号公報に記載されたヒドロキシル基を含有しない(メタ)アクリレート(b22)}が好ましく、さらに好ましくは脂肪族(メタ)アクリレート(脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル)、特に好ましくはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートである。
【0054】
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)は、特開2005−154609号公報に記載された(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー等を用いることができる。また、(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマーであれば特に限定されるものではなく、市場から入手できる(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー等を使用できる。
これらのうち、塗膜硬度の観点等から、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー{特開2005−154609号公報に記載されたオリゴマー=イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)とを反応させて製造され得るもの(c2)}が好ましく、さらに好ましくはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとしてイソシアネート基を3〜16個有するウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート{特開2005−154609号公報に記載されたヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)}との反応生成物、特に好ましくはヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート{特開2005−154609号公報に記載されたヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)}が脂肪族(メタ)アクリレートである反応生成物である。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の数平均分子量は特に制限されるものではないが、300〜20000が好ましく、さらに好ましくは400〜10000、特に好ましくは500〜5000である。
なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定される。
【0055】
リチウム塩(A)の含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の合計重量に基づいて、0.01〜4が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5、特に好ましくは0.3〜1.2、最も好ましくは0.4〜1である。
不飽和二重結合を有する重合性ポリエーテル(B)の含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の合計重量に基づいて、0.01〜15が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.3〜8、最も好ましくは0.5〜5である。
これらの範囲であると、放射線硬化性ハードコート剤としての性能(硬度、密着性及び耐硬化クラック性等)を悪化させることなく、帯電防止性の耐久性がさらに良好となり好ましい。
(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)を併用する場合、(メタ)アクリレート(C)の含有量(重量%)は、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、10〜95が好ましく、さらに好ましくは15〜90、特に好ましくは20〜85、最も好ましくは25〜80である。また同様に、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の含有量(重量%)は、(C)及び(D)の合計重量に基づいて、5〜90が好ましく、さらに好ましくは10〜85、特に好ましくは15〜80、最も好ましくは20〜75である。これらの範囲であると、帯電防止性に加えて、硬度及び密着性等がさらに良好となる。
【0056】
本発明の放射線硬化性ハードコート剤には、さらに紫外線重合開始剤を含有させることが好ましい。紫外線重合開始剤としては、特開2005−154609号公報に記載された紫外線重合開始剤等を用いることができる。これらの紫外線重合開始剤のうち、ラジカル重合開始剤が好ましく、さらに好ましくはベンゾイル基含有ラジカル重合開始剤、モルフォニル基含有ラジカル重合開始剤及びリン原子含有ラジカル重合開始剤、特に好ましくはモルフォニル基含有ラジカル重合開始剤及びリン原子含有ラジカル重合開始剤である。
【0057】
紫外線重合開始剤を含有する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の合計重量に基づいて、1〜15が好ましく、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜8である。この範囲であると放射線硬化性組成物の硬化性がさらに良好となる。
【0058】
本発明の放射線硬化性ハードコート剤には、紫外線重合開始剤と共に光増感剤を併用してもよい。光増感剤としては、特開2005−154609号公報に記載された光増感剤等を用いることができる。これらの光増感剤のうち、トリアルキリアミン及びジアルキルアミノフェニル光増感剤が好ましく、さらに好ましくはジアルキルアミノフェニル増感剤、特に好ましくは4,4 −ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
【0059】
本発明の放射線硬化性組成物には、塗工適正や擦り傷防止を向上させる目的で必要によりさらにフィラーを含有することができる。フィラーとしてはシリカ等の無機フィラー及びアクリルビーズ等の有機フィラー(特開2005−154609号公報に記載されたフィラー)等を用いることができる。
これらのフィラーのうち、有機フィラーが好ましく、さらに好ましくはアクリルビーズ及びスチレンビーズ、特に好ましくはアクリルビーズである。これらのフィラーは単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
フィラーを含有する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(C)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の合計重量に基づいて、1〜15が好ましく、さらに好ましくは3〜10、特に好ましくは5〜7である。
【0060】
本発明の放射線硬化性組成物にフィラーを含有する場合、さらに分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、公知の界面活性剤(カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤)等が含まれる。
これらの分散剤のうち、両性界面活性剤が好ましく、市場から入手できる両性界面活性剤としては、商品名として、ソルスパース20000(ゼネカ製)、ソルスパース32500(ゼネカ製)及びソルスパース32550(ゼネカ製)等が挙げられる。
分散剤を含有する場合、分散剤の含有量は、フィラーの比表面積(m2)当たりの含有量(mg/m2)として、0.1〜15が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10、特に好ましくは1〜5である。なお、無機フィラーの比表面積は、JIS R1626−1996 ファインセラミック粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法に準拠して測定される{たとえば、流動式比表面積測定装置フローソーブ(Micromeritics 社製)、定容量式ガス吸着法比表面積測定装置BELSORP(日本ベル株式会社製)等によって測定される}。
【0061】
本発明の放射線硬化性組成物には、塗工適性を向上させる目的で必要によりさらに溶剤(F)を含有することができる。溶剤(F)としては、特開2005−154609号公報に記載された溶剤等を用いることができる。また、溶剤であれば特に限定されるものではなく、市場から入手できる溶剤を使用でき、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素等が含まれる。
これらの溶剤(F)のうち、アルコール、ケトン、エステル及びエーテルが好ましく、さらに好ましくはアルコール及びケトン、特に好ましくはアルコールである。
これらの溶剤は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。併用する場合はアルコールとケトンとの併用、及び異なる2種類のアルコールの併用が好ましい。
なお、溶剤(F)を含有する場合、この含有量(重量%)は放射線硬化性ハードコート剤の粘度等によって適宜決定されるが、本発明の放射線硬化性組成物の重量{溶剤(F)の重量を含む}に基づいて、20〜95が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜85である。
【0062】
本発明の放射線硬化性組成物には、特開2005−154609号公報に記載された添加剤{消泡剤、保存安定化剤、着色剤、抗菌剤、増粘剤及び/又は粘弾性調整剤等}等をさらに含有させることができる。
【0063】
本発明の放射線硬化性組成物は、木材、石、ガラス、コンクリート、金属、プラスチック又は金属蒸着プラスチック等用のコーティング剤又は接着剤等として使用することができる。さらに、3次元造形用放射線硬化性組成物として成型体にすることもできる。
これらのうち、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤又は接着剤等として好適であり、特にプラスチックのコーティング剤として好適である。プラスチックのコーティング剤のうち、プラスチック成型体のホコリ付着防止用コーティング剤として最適である。
プラスチックとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−メタクリル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリサルホン、シクロオレフィンポリマー及びポリアクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース及びスチレン−メタクリル樹脂等の透明性の高いプラスチックに好適である。
プラスッチック成型体としては、家電製品用成型体、車両用成型体及び建築材料用成型体等が含まれる。家電製品用成型体としては、テレビ、オーディオ又は携帯電話の外装材、液晶等の保護板、液晶等に用いられる導光板、拡散板、ディスプレー用光学フィルム及びデジタルカメラやコンパクトカメラのレンズやプリズム等が挙げられる。車両用成型体としては、ヘッドランプレンズ、ウインカーレンズ、サンルーフ、メーターカバー、バイクの風防及びヘルメットシールド等が挙げられる。建築材料用成型体としては、高速道路防音壁、間仕切り板及び採光窓等が挙げられる。これらの他に、額縁用プラスチック板、展示用パネル、プラスチック容器及び装飾品等にも適用できる。
【0064】
本発明の放射線硬化性組成物は、公知の塗工方法等によりコーティングでき、ディップ塗工、スプレー塗工、バーコーター塗工、ロールコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工及びスピンコーター塗工等が適用できる。
本発明の放射線硬化性組成物をコーテイングする場合、コーティング層の厚さは、2〜100μm程度が好ましい。また、接着剤として使用する場合、接着剤層の厚さは10〜400μm程度が好ましい。なお、溶剤(F)を用いた場合は、溶剤留去後にこの厚さになることが好ましい。
【実施例】
【0065】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。
なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
本発明の放射線硬化性組成物(実施例1〜24)及び比較用の放射線硬化性組成物(比較例1〜3)について、評価1<表面硬度>、評価2<塗膜密着性>、評価3<曇価>、評価4<初期の帯電防止性>、評価5<高温高湿環境下に置いた後の帯電防止性>、評価6<水浸漬後の帯電防止性>及び、評価7<水ぶき後の帯電防止性>について評価し、評価結果を下表に示した。なお、評価用試料は次のように調製した。また、評価方法は以下の通りである。
<評価用試料の調製>
アクリル樹脂板(アクリサンデー(株)製、アクリサンデー板品番IR−001、厚み1mm)を10cm(縦)×10cm(横)角にアクリルカッターにて切り出し、表面の保護フィルムを剥がし、塗工面をイソプロピルアルコールで脱脂して被塗工板を用意した。
次いで、JIS K5101−1991「顔料試験方法」6.色、6.2B法、(1.2)展色器具に記載されたバーコーターと同等のバーコーターを用いて、サンプル(放射線硬化性組成物)をアクリル樹脂板に縦方向に塗工し、塗工面の縦方向が垂直になるようにして被塗工板を吊るして22℃で10分間放置し、さらに同じ吊した状態で50℃の乾燥機内で10分間放置した後、塗工面に紫外線(高圧水銀灯,500mJ/cm2)を塗工面に対して垂直に照射して、評価用試料を調製した。塗工厚はほぼ5μmであった。
【0066】
<評価1:表面硬度>
JIS K5600−5−4:2002「引っかき強度(鉛筆法)」に準じて鉛筆硬度の試験を行った。
<評価2:塗膜密着性>
JIS K5600−5−6:2002「付着性(クロスカット法)」に準じて塗膜の100目盛り中の剥離した数を測定した。
<評価3:曇価>
JIS K7136:2000「透明材料のヘーズの求め方」に準じて、日本電飾株式会社製ヘーズメーターNDH 2000を用いて曇価の測定を行った。
<評価4:初期の帯電防止性>
JIS C2151−1990「電気用プラスチックフィルム試験方法」10.表面抵抗率に準じて、評価用試料を23±2℃、相対湿度50±5%に空調した部屋に24時間静置した後、東亜ディーケーケー株式会社製極超絶縁計SM−8220及び電極SME−8310を用いて、試験電圧100Vの条件で表面抵抗率を測定した。
<評価5:高温高湿環境下に置いた後の帯電防止性>
評価用試料を60±2℃、相対湿度95±2%に温調した恒温恒湿器に7日間放置した後、評価4と同様の方法で表面抵抗率を測定した。
<評価6:水浸漬後の帯電防止性>
評価用試料を50±2℃に温調したイオン交換水に48時間浸漬した後、評価4と同様の方法で表面抵抗率を測定した。
<評価7:水ぶき後の帯電防止性>
イオン交換水を含ませた不織布(ベンコットM−3 旭化成せんい株式会社製)を評価用試料の硬化塗膜表面に広げ、重さ1.5kg重、直径5mmの円柱状の重りを不織布の上に乗せ、硬化塗膜上を往復させた後、評価4と同様の方法で表面抵抗率を測定した。往復回数は10、30、50回の3水準とした。
【0067】
<合成例1>
(1)ポリメチルハイドロジェンシロキサンの合成
トリエトキシモノメチルシラン(信越化学工業株式会社製、LS−1890)323部、1N塩酸120部及びトルエン1000部を均一混合を行いながら、55℃まで昇温し、1時間攪拌した後、10%アンモニア水で中和し、溶剤を留去し、一般式(5)で表されるポリジメチルシロキサンを得た。引き続き、得られたポリジメチルシロキサンを上記記載の方法により加水分解をして得られた一般式(6)に表される両末端ジヒドロキシポリメチルシロキサン−1を40部、オクタメチルシクロテトラシロキサン(ジーイー東芝シリコーン株式会社製、TSF−404)43部及びトリフルオロ酢酸12部を均一混合を行いながら、60℃にて6時間反応させた後、10%アンモニア水で中和し、溶剤を留去することにより、一般式(7)で表されるポリメチルハイドロジェンシロキサン(318部)を得た。
【0068】
【化5】

【0069】
(2)ポリエチレングリコールジアリルエーテル(ポリエチレングリコール平均重合度;20)の合成
数平均分子量1000のポリエチレングリコール(三洋化成株式会社社製、PEG−1000)200部、アリルクロライド31部、テトラブチルアンモニウムブロマイド10部、及びテトラヒドロフラン500部を均一混合を行いながら、60℃にて2時間反応させた後、溶剤を留去し、析出したテトラブチルアンモニウムブロマイドを濾別除去することにより、ポリエチレングリコールジアリルエーテル{CH2=CH−O(−CH2CH2O)20−CH=CH2;215部}を得た。
【0070】
(3)ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(ポリエチレングリコール平均重合度;20)の合成
数平均分子量1000のポリエチレングリコール(三洋化成株式会社社製、PEG−1000)200部、アリルクロライド16部、テトラブチルアンモニウムブロマイド10部、及びテトラヒドロフラン500部を均一混合し、60℃にて2時間反応させた後、溶剤を留去し、析出したテトラブチルアンモニウムブロマイドを濾別除去することにより、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル{CH2=CH−O(−CH2CH2O)20−H;205部}を得た。
【0071】
(4)重合性ポリエーテル(B138)の合成
一般式(7)で表されるポリメチルハイドロジェンシロキサン152部、ポリエチレングリコールジアリルエーテル(ポリエチレングリコール平均重合度;20)184部、反応触媒(3%−塩化白金酸/イソプロピルアルコール溶液)0.3部及びトルエン300部を、窒素ガスの通気と均一混合とを行いながら、105℃まで昇温し、30分攪拌した後、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(ポリエチレングリコール平均重合度;20)65部及び反応触媒(3%−塩化白金酸/イソプロピルアルコール)0.3部を加えた。引き続き、105℃で30分攪拌した後、反応物を25℃まで冷却し、引き続きヘプタン2000部中に分散させ、沈降した反応触媒を濾別除去した。引き続き濾液中の溶剤を留去し、アクリル酸25部及びトルエン300部を加え、105℃で、2時間エステル化反応させた後、トルエンを留去することにより、B138を含む重合性ポリエーテル(254部)を得た。1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR及び赤外分光スペクトルにより、この重合性ポリエーテル中にB138が53%含まれることを確認した。
【0072】
<実施例1〜6>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート85部、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(根上工業株式会社製、アートレジン3320HA)15部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル350部を40℃にて均一攪拌混合した後、この均一混合物に、合成例1により得られた重合性ポリエーテル(B138)0.5部及び表8に示したリチウム塩0.4部を添加して、均一混合して本発明の放射線硬化性組成物(1)〜(6)を得た。
【0073】
【表8】

【0074】
<合成例2>
(1)ポリメチルハイドロジェンシロキサンの合成
トリエトキシモノメチルシラン(信越化学工業株式会社製、LS−1890)323部、1N塩酸120部及びトルエン1000部を均一混合をし、55℃にて2.5時間の重合反応後、10%アンモニア水で中和し、溶剤を留去することにより、一般式(8)で表されるポリジメチルシロキサンを得た。引き続き、一般式(6)に表される両末端ジヒドロキシポリメチルシロキサン−1を123部、オクタメチルシクロテトラシロキサン(ジーイー東芝シリコーン株式会社製、TSF−404)78部及びトリフルオロ酢酸12部を混合し、60℃にて6時間反応させた後、10%アンモニア水で中和し、溶剤を留去することにより、一般式(9)で表されるポリメチルハイドロジェンシロキサン318部を得た。
【0075】
【化6】

【0076】
(2)重合性ポリエーテル(B119)の合成
一般式(9)に示すポリメチルハイドロジェンシロキサンを19.4部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル{CH2=CH−O(−CH2CH2O)20−H;277部}、反応触媒(3%−塩化白金酸/イソプロピルアルコール)0.5部及びトルエン300部を、窒素ガスの通気下、均一混合し、105℃にて30分間反応後。反応物を25℃まで冷却し、引き続きヘプタン2000部中に分散させて沈降した反応触媒を濾別除去した。濾液中の溶剤を留去した後、アクリル酸25部及びトルエン300部を加え、105℃で、2時間エステル化反応させた後、トルエンを留去することにより、B119を含む重合性ポリエーテル265部を得た。1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR及び赤外分光スペクトルによりB119が62%含まれることを確認した。
【0077】
<合成例3>
(1)両末端ジヒドロキシポリメチルシロキサン−2の合成
一般式(8)で表されるポリジメチルシロキサン300部及び1N水酸化カリウム水溶液100部を均一混合を行いながら、60℃にて2時間反応させた後、1N塩酸で中和し、溶剤を留去することにより、一般式(10)で表される両末端ジヒドロキシポリメチルシロキサン−2を265部得た。
【0078】
【化7】

【0079】
(2)末端モノシラノール型ポリエーテル変性シロキサンの合成
一般式(10)に表される両末端ジヒドロキシポリジメチルシロキサン−2を194部、テトラヒドロフラン300部、p−トルエンスルホン酸10部及び数平均分子量1000のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、PEG−1000)156部を酸素通気下、均一混合し、80℃にて2時間反応させた後、テトラヒドロフランを留去し、アクリル酸27部及びトルエン300部を加え、105℃で、2時間エステル化反応させた後、トルエンを留去することにより、一般式(11)で表される末端モノシラノール型ポリエーテル変性シロキサン195部を得た。得られた末端モノシラノール型ポリエーテル変性シロキサンは1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR及び赤外分光スペクトルにより確認した。
【0080】
【化8】

【0081】
<合成例3>
・重合性ポリエーテル(B128)の合成
一般式(11)で表される末端モノシラノール型ポリエーテル変性シロキサン142部及びテトラヒドロフラン300部を均一混合し、−78℃に温調し、30分攪拌した後、15%−ノルマルブチルリチウム/ヘキサン溶液10部を滴下し60分間反応させた後、トリクロロモノメチルシラン{(CH3)Cl3Si、信越化学工業株式会社製、KA−13}18部を滴下漏斗にて滴下した。滴下後水浴で25℃まで昇温した。
60分攪拌後、ヘプタン1000部中に分散させて、塩化リチウムが沈降させ、濾別除去した。濾液中の溶剤を留去した後、アクリル酸28部及びトルエン300部を加え、105℃にて2時間エステル化反応させた後、トルエンを留去することにより、B128含む重合性ポリエーテル123部を得た。1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR及び赤外分光スペクトルによりB128が44%含まれることを確認した。
【0082】
<合成例4>
(1)末端モノハイドロジェンシロキサン化合物の合成
オクタメチルシクロテトラシロキサン(ジーイー東芝シリコーン株式会社製、TSF−404)を222部及びテトラヒドロフラン300部を均一混合し、−78℃に温調し、30分攪拌した後、15%−ノルマルブチルリチウム/ヘキサン溶液11部を滴下し60分間反応後、ジクロロモノハイドロジェンモノメチルシラン{CH3SiHCl2、信越化学工業株式会社製、KA−12}23.5部を滴下漏斗にて滴下した。滴下後水浴で25℃まで昇温した。
60分攪拌後、ヘプタン2000部中に分散させて沈降した塩化リチウムを濾別除去した。濾液中の溶剤を留去し、一般式(12)で表される末端モノハイドロジェンシロキサン化合物312gを得た。得られたシロキサン化合物は1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR及び赤外分光スペクトルにより確認した。
【0083】
【化9】

【0084】
(2)重合性ポリエーテル(B148)の合成
一般式(12)に示す末端モノハイドロジェンシロキサン化合物を196部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル{CH2=CH−O(−CH2CH2O)20−H;92部}、反応触媒(3%−塩化白金酸/イソプロピルアルコール)0.3部及びトルエン300部を窒素ガスの通気下、均一混合し、105℃にて30分間反応後、反応物を25℃まで冷却し、引き続き反応物をヘプタン2000部中に分散させて沈降した反応触媒を、濾別除去した。濾液中の溶剤を留去し、アクリル酸31部及びトルエン300部を加え、105℃にて2時間エステル化反応させた後、トルエンを留去することにより、重合性ポリエーテルB148含む重合性ポリエーテル275部を得た。1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR及び赤外分光スペクトルによりB148が53%含まれていることを確認した。
【0085】
<実施例7〜8>
重合性ポリエーテル(B138)を、合成例2により得られた、重合性ポリエーテル(B119)、合成例3により得られた、重合性ポリエーテル(B128)、合成例4により得られた、重合性ポリエーテル(B148)、重合性ポリエーテル(B27){日本油脂株式会社製、ブレンマーALE−1000}、重合性ポリエーテル(B37){日本油脂株式会社製、ブレンマーANE−1000}又は重合性ポリエーテル(B48){三洋化成工業株式会社製、ニューポールPE−64のジアクリレート}に変更した以外、実施例2と同様にして、本発明の放射線硬化性組成物(7)〜(12)を得た。
【0086】
【表9】

【0087】
<実施例13〜20>
リチウム塩の使用量0.4部を、表10に示した量に変更した以外は、実施例2と同様にして、本発明の放射線硬化性組成物(13)〜(20)を得た。
【0088】
【表10】

【0089】
<実施例21〜28>
重合性ポリエーテル(B138)の使用量0.5部を、表11に示した量に変更した以外は、実施例2と同様にして、本発明の放射線硬化性組成物(21)〜(28)を得た。
【0090】
【表11】

【0091】
<比較例1〜3>(特許文献1の実施例に基づく例)
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー系ハードコート剤(広栄化学工業株式会社製、コーエイハードM101)125部(オリゴマー分100部、トルエン25部)に、分岐型ポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニング株式会社製、L−7604)及び過塩素酸リチウム(LiClO4)を表12に示す使用量で添加し、40℃で均一撹拌混合して、比較用の放射線硬化性組成物(25)〜(27)を得た。
表中「OVER」は測定限界を超えることを表す。すなわち硬化塗膜の表面抵抗値が1.0×1015Ω以上であることを表す。
【0092】
【表12】

【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の放射線硬化性組成物は、コーティング剤又は接着剤等として使用することができる。さらに、3次元造形用放射線硬化性組成物として成型体にすることもできる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム塩(A)及び重合性ポリエーテル(B)と、
(メタ)アクリレート(C)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)とを含有してなることを特徴とする放射線硬化性組成物。
【請求項2】
リチウム塩(A)が、BF4-、PF6-、CF3SO3-、ClO4-、N(CF3SO2)2-、C(CF3SO2)3-、C(CH3)(CF3SO2)2-、CH(CF3SO2)2-、CH2(CF3SO2)-、C2F5SO3-、N(C2F5SO2)2-、Cl-、Br-、I-、F-、B(CF3SO2)2-、SbF6-、SCN- 又はAsF6-の化学式で表される陰イオンとリチウムイオンとからなる塩である請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項3】
重合性ポリエーテル(B)が一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物からなる請求項1又は2に記載の放射線硬化性組成物。
【化1】

なお、R1〜R14、R17〜R21は、それぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基、R15、R16及びR22は炭素数1〜4のアルキレン基、Oは酸素原子、Siは珪素原子、Cは炭素原子、Hは水素原子、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Xはウレタン結合、エステル結合又はエーテル結合、Eはエチレン性不飽和二重結合を含む炭素数2〜40の有機基を表し、Eはエーテル結合及びエステル結合を含んでいてもよく、aは1〜25000の整数、b、c及びiはそれぞれ独立して1〜100の整数、fは1〜2000の整数、eは0〜3の整数、gは1〜4の整数、e+g=4、h及びkは0〜5000の整数、j及びmは1〜10の整数、dは0又は1を表す。
【請求項4】
リチウム塩(A)の含有量が、(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の重量に基づいて、0.01〜4重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の放射線硬化性組成物。
【請求項5】
重合性ポリエーテル(B)の含有量が、(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(D)の重量に基づいて0.01〜15重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の放射線硬化性組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化性組成物をプラスチックにコーティングしてなるプラスチック成形体。

【公開番号】特開2008−1795(P2008−1795A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172457(P2006−172457)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000106438)サンノプコ株式会社 (124)
【Fターム(参考)】