説明

放射線被曝線量を抑制するための化粧料

【課題】
本発明の目的は、放射線被曝線量を抑制するための化粧料であって、安全性に優れた化粧料を提供することである。
【解決手段】
放射線被曝線量を抑制するための化粧料であって、
リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粉体と銀化合物とを混合し焼結して得られる複合粉体(A)と、
多価アルコール及びエステル油からなる群より選ばれる少なくとも1種の液状成分(B)と
を含むことを特徴とする化粧料を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線被曝線量を抑制するための化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の化粧料として、無機粒子の表面に、親水性有機物質により付着されたN−長鎖アシルアミノ酸に、抗菌作用を有する金属が結合している抗菌剤を含有する化粧品が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−305906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の化粧料は、安全性(皮膚刺激性)が不十分であると共に、放射線被曝線量の抑制が不十分である。
【0005】
本発明の目的は、放射線被曝線量を抑制するための化粧料であって、安全性に優れた化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の化粧料の特徴は、放射線被曝線量を抑制するための化粧料であって、
リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粉体と銀化合物とを混合し焼結して得られる複合粉体(A)と、多価アルコール及びエステル油からなる群より選ばれる少なくとも1種の液状成分(B)とを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧料は、放射線被曝線量を抑制でき、安全性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
放射線とは、放射性同位体の崩壊に伴って放出される粒子線を示し、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線の3種やX(エックス)線が含まれる。
なお、X(エックス)線は、ガンマ線と波長領域(エネルギー領域)の一部が重なっており、ガンマ線とエックス線との区別は波長ではなく発生機構によっている。そのため、波長からガンマ線かエックス線かを区別することはできない。正式には、原子核内のエネルギー準位の遷移を起源とするものをガンマ線と呼び、軌道電子の遷移を起源とするものをエックス線と呼ぶ。
【0009】
「放射線被曝線量を抑制する」とは、人体が放射線に被爆するのを抑制することを意味する。そして、放射線被曝線量を抑制するための化粧料とは、人体に適用(塗布等)することによって、人体が放射線に被爆するのを抑制するための化粧料を意味する。
【0010】
無機粉体としては、リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも1種であればよいが、これら以外のセラミックス粉体も使用できる。これらのうち、リン酸三カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及び酸化チタンが好ましい。
【0011】
銀化合物とは、銀及び銀塩{硝酸銀、ハロゲン化銀、酸化銀、硫化銀、硫酸銀、シアン化銀酸カリウム{KAg(CN)2}及び酢酸銀等}が含まれる。
【0012】
複合粉体(A)は、無機粉体と銀化合物とを混合してから、焼結して得られるものであれば制限なく使用できる。
【0013】
無機粉体と銀化合物との混合は、均一混合できれば混合方法に制限はない。
焼結は、空気雰囲気でもよいし、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気でもよい。
焼結温度は、900〜1200℃程度である。
【0014】
複合粉体(A)は、焼結した後、粉砕して得てもよい。粉砕方法は公知の方法が適用できる。
【0015】
複合粉体(A)の体積平均粒子径は、0.2〜1マイクロメートルが好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.8マイクロメートルである。
【0016】
液状成分(B)としては、多価アルコール及びエステル油からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいるものであればよい。
【0017】
多価アルコールとしては、2〜10価のアルコールが含まれ、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘプチルグリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール(数平均分子量50〜1500)、ポリプロピレングリコール(数平均分子量40〜1000)、グリセリン、ジグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビタン、ソルビトール、グリセリンのエチレンオキシド付加体及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0018】
エステル油としては、植物油(やし油、菜種油、オリーブ油、シア脂、ひまわり油及び、ごま油等)及び合成エステル油(トリカプリル酸グリセリル、トリ(2−エチルへキサン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、イソパルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル及び2−エチルヘキサン酸セチル等)が含まれる。
【0019】
液状成分(B)として、多価アルコール及びエステル油を共に含む場合、多価アルコールの含有量は、多価アルコール及びエステル油の重量に対して、8〜60重量%が好ましく、さらに好ましく11〜30重量%である。またこの場合、エステル油の含有量は、多価アルコール及びエステル油の重量に対して、40〜92重量%が好ましく、さらに好ましく70〜89重量%である。
【0020】
複合粉体(A)と液状成分(B)との含有重量比(B/A)としては、2〜10が好ましい。この範囲であると、使用感がさらに良好となる。10を超えると、使用感が悪くなる傾向がある。
【0021】
本発明の化粧料には、さらに水(C)を含むことができる。
水(C)としては、イオン交換水及び逆浸透膜による精製水等が挙げられる。
【0022】
本発明の化粧料には、さらに顔料(D)を含むことができ、顔料(D)には体質顔料や着色顔料等がある。体質顔料としては、上記の無機粉体の他に、有機粉体(セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー及びメチルメタクリレートパウダー等)等も使用できる。着色顔料としては、上記の無機粉体の他に、カーボンブラック、酸化鉄、ウルトラマリン青、紺青等がある。
【0023】
本発明の化粧料には、公知の添加剤(増粘剤、防腐剤、香料、エキス(美容成分)、紫外線防止剤、酸化防止剤、乳化剤、界面活性剤、分散剤、保湿剤、ワックス、撥水剤(シリコーン等)、殺菌剤等)を含むことができる。
【0024】
化粧料の形態として、含有成分などにより以下の様な化粧料が挙げられる。
液状成分(B)のうち、多価アルコールを含むものとしては、複合粉体(A)、多価アルコール、水(C)を含む化粧料(非油性高粘度タイプ等;ジェル、ゲル等)や、複合粉体(A)、多価アルコール、エステル油、水(C)を含む化粧料(エマルションタイプ等;クリーム、乳液等)が含まれる。
一方、液状成分(B)のうち、エステル油を含むものとしては、複合粉体(A)、多価アルコール、エステル油、水(C)を含む化粧料(エマルションタイプ等;クリーム、乳液等)や、複合粉体(A)、エステル油、顔料(D)を含む化粧料(固形タイプ等;ファンデーション、軟膏等)が含まれる。
【0025】
複合粉体(A)の含有量は、化粧料の重量に対して、1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜20重量%である。この範囲であると、放射線被曝線量をさらに抑制でき、また、使用感もさらに良好になる。
【0026】
銀化合物の含有量は、無機粉体の重量に対して、0.1〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10重量%である。この範囲であると、放射線被曝線量をさらに抑制でき、また、使用感もさらに良好になる。
【0027】
水(C)を含む場合、水(C)の含有量は以下の通りである。
化粧料(非油性高粘度タイプ等)の場合、化粧料の重量に対して、30〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは39〜76重量%である。この範囲であると、放射線被曝線量をさらに抑制でき、また、使用感もさらに良好になる。
【0028】
化粧料(エマルションタイプ等)の場合、化粧料の重量に対して、20〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは25〜40重量%である。この範囲であると、放射線被曝線量をさらに抑制でき、また、使用感もさらに良好になる。
【0029】
顔料(D)である体質顔料または着色顔料を含む場合と、体質顔料及び着色顔料を含む場合において、その顔料(D)の含有量は以下の通りである。化粧料(エマルションタイプ等)の場合、化粧料の重量に対して、5〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜20重量%である。この範囲であると、放射線被曝線量をさらに抑制でき、また、使用感もさらに良好になる。
【0030】
化粧料(固形タイプ等)の場合、化粧料の重量に対して、40〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜70重量%である。この範囲であると、放射線被曝線量をさらに抑制でき、また、使用感もさらに良好になる。この場合、成形剤としてのワックスや、撥水剤としてのシリコーンを添加することもできる。
【0031】
本発明の化粧料は、公知の方法で製造でき、たとえば、以下の通りである。
化粧料(非油性高粘度タイプ等)の場合、複合粉体(A)を多価アルコールに分散し、水(C)を加えて均一混合することにより得ることができる。
【0032】
化粧料(エマルションタイプ等)の場合、複合粉体(A)をエステル油に分散し、水(C)及び多価アルコール相を添加し、均一に混合し乳化することにより得られる油中水型、または複合粉体(A)を多価アルコールに分散して水(C)に添加することで水相となし、エステル油を含む油相を均一に混合し乳化することにより得られる水中油型のいずれでもよい。この場合、それぞれの型に適合した乳化剤や潤滑剤を添加することが好ましい。
【0033】
化粧料(固形タイプ等)の場合、複合粉体(A)と顔料(D)の体質顔料のみ、又は体質顔料及び着色顔料とを均一混合(粉砕混合してもよい)し、この混合粉体とエステル油とを均一混合することにより得ることができる。この場合、潤滑剤や界面活性剤を添加することができる。
【実施例】
【0034】
以下、特記しない限り、(部)は重量部を意味し、(%)は重量%を意味する。
【0035】
製造例1
硫酸チタン溶液{試薬、ナカライテスク株式会社}の500mLを90℃、3時間加水分解し、濾過洗浄後、110℃で5時間乾燥し酸化チタンを得た。この試料をTiO2に換算して100g/Lの懸濁液とし、次いで、TiO2 に対して、カリウム(K)が2.0モル%に相当する水酸化カリウムを添加し、乾燥後800℃で1時間焼成した。この懸濁液100g/Lに、水酸化ナトリウム5gを添加し、銀が1重量%に相当する硝酸銀水溶液を添加し、均一にした後、pH7以下に塩酸で調製し、生成物を濾過洗浄後120℃で乾燥し、900℃で焼成した後、粉砕機で粉砕して、複合粉体(a2)を得た。
【実施例1】
【0036】
複合粉体(a1){アパサイダーC、株式会社サンギ、無機粉体:リン酸三カルシウム、体積平均粒子径0.37マイクロメートル}3部、液状成分(b1){1,3−ブチレングリコール、ダイセル化学工業株式会社}6部、液状成分(b2){濃グリセリン、花王株式会社}15部をホモミキサーで均一混合してから、水(c1){イオン交換水}75.2部、増粘剤キサンタンガム{ノムコートZ 、日清オイリオグループ株式会社}0.5部、香料{ラベンダー油、クレイン有限会社}0.2部、防腐剤{サリチル酸、試薬、ナカライテスク株式会社}0.1部を加えて均一混合して、本発明の化粧料(1)を得た。
【実施例2】
【0037】
複合粉体(a1)を3部から20部に変更したこと、液状成分(b1)を6部から10部に変更したこと、液状成分(b2)を15部から30部に変更したこと、水(c1)を75.2部から39.2部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の化粧料(2)を得た。
【実施例3】
【0038】
複合粉体(a2)を3部、液状成分(b1){1,3−ブチレングリコール、ダイセル化学工業株式会社}6部、液状成分(b2){濃グリセリン、花王株式会社}15部をホモミキサーで均一混合してから、水(c1){イオン交換水}75.2部、増粘剤キサンタンガム{ノムコートZ 、日清オイリオグループ株式会社}0.5部、香料{ラベンダー油、クレイン有限会社}0.2部、防腐剤{サリチル酸、試薬、ナカライテスク株式会社}0.1部を加えて均一混合して、本発明の化粧料(3)を得た。
【実施例4】
【0039】
複合粉体(a2)を3部から20部に変更したこと、液状成分(b1)を6部から10部に変更したこと、液状成分(b2)を15部から30部に変更したこと、水(c1)を75.2部から39.2部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の化粧料(4)を得た。
【実施例5】
【0040】
複合粉体(a1){アパサイダーC、株式会社サンギ、無機粉体:リン酸三カルシウム、体積平均粒子径0.37マイクロメートル}を3部、液状成分(b3)ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール{コスモール525 、日清オイリオグループ株式会社}1部および液状成分(b4)紫外線吸収剤メトキシケイヒ酸エチルヘキシル{ノムコートTAB 、日清オイリオグループ株式会社}20部にホモミキサーで均一混合してから、撥水剤シクロペンタシロキサン{SH245Fluid 、東レ・ダウコーニング株式会社}3部、界面活性剤イソステアリン酸ポリグリセリル−2・{コスモール41V 、日清オイリオグループ株式会社}0.5部、界面活性剤ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン {KF−6038 、信越化学工業株式会社}3部、紫外線吸収剤ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル{ユビナールA PlusGlanular、BASFジャパン株式会社}3部、滑剤ナイロン−12・{SP−500 、日興リカ株式会社}2部、界面活性剤ステアリン酸{精製ステアリン酸 750V 、花王株式会社 }1部、酸化防止剤{トコフェロール100 、日清オイリオグループ株式会社 }0.02部を加え70℃に加熱均一にし油相する。
液状成分(b1){1,3−ブチレングリコール、ダイセル化学工業株式会社}6部および、液状成分(b2){グリセリン、花王株式会社}1部に白色顔料(d1)酸化チタン{MT−100SA、テイカ株式会社}5部、増粘剤キサンタンガム{ノムコートZ 、日清オイリオグループ株式会社}0.5部、香料{ラベンダー油、クレイン有限会社}0.2部、防腐剤メチルパラベン{メッキンスM、上野製薬株式会社}0.25部を添加し、ホモミキサーで均一にした後、水(c1){イオン交換水}50.53部を添加均一にし70℃に加熱し水相とする。上記油相をホモミキサーと掻取り撹拌で撹拌しながら上記水相を加え均一に乳化した後、ホモミキサーと掻取り撹拌で撹拌しながら35℃まで冷却して本発明の化粧料(5)を得た。
【実施例6】
【0041】
複合粉体(a1)を3部から20部に変更したこと、液状成分(b3)を1部から20部に変更したこと、撥水剤シクロペンタシロキサンを3部から1部に変更したこと、液状成分(b1)を6部から3部に変更したこと、液状成分(b2)を1部から2部に変更したこと、水(c1)を50.53部から18.73部に変更したこと以外、実施例5と同様にして、本発明の化粧料(6)を得た。
【実施例7】
【0042】
複合粉体(a2)を3部、液状成分(b3)ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール{コスモール525 、日清オイリオグループ株式会社}1部および液状成分(b4)紫外線吸収剤メトキシケイヒ酸エチルヘキシル{ノムコートTAB 、日清オイリオグループ株式会社}20部にホモミキサーで均一混合してから、撥水剤シクロペンタシロキサン{SH245Fluid 、東レ・ダウコーニング株式会社}3部、界面活性剤イソステアリン酸ポリグリセリル−2・{コスモール41V 、日清オイリオグループ株式会社}0.5部、界面活性剤ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン {KF−6038 、信越化学工業株式会社}3部、紫外線吸収剤ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル{ユビナールA PlusGlanular、BASFジャパン株式会社}3部、滑剤ナイロン−12・{SP−500 、日興リカ株式会社}2部、界面活性剤ステアリン酸{精製ステアリン酸 750V 、花王株式会社 }1部、酸化防止剤{トコフェロール100 、日清オイリオグループ株式会社 }0.02部を加え70℃に均一加熱して油相とする。
液状成分(b1){1,3−ブチレングリコール、ダイセル化学工業株式会社}6部および、液状成分(b2){グリセリン、花王株式会社}1部に白色顔料(d1)酸化チタン{MT−100SA、テイカ株式会社}5部、増粘剤キサンタンガム{ノムコートZ 、日清オイリオグループ株式会社}0.5部、香料{ラベンダー油、クレイン有限会社}0.2部、防腐剤メチルパラベン{メッキンスM、上野製薬株式会社}0.25部を添加し、ホモミキサーで均一にした後、水(c1){イオン交換水}50.53部を添加均一にし70℃に加熱し水相とする。上記油相をホモミキサーと掻取り撹拌で撹拌しながら上記水相を加え均一に乳化した後、ホモミキサーと掻取り撹拌で撹拌しながら35℃まで冷却して本発明の化粧料(7)を得た。
【実施例8】
【0043】
複合粉体(a2)を3部から20部に変更したこと、液状成分(b3)を1部から20部に変更したこと、潤滑剤シクロペンタシロキサンを3部から1部に変更したこと、液状成分(b1)を6部から3部に変更したこと、液状成分(b2)を1部から2部に変更したこと、水(c1)を50.53部から18.73部に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の化粧料(8)を得た。
【実施例9】
【0044】
複合粉体(a1)を{アパサイダーC、株式会社サンギ、無機粉体:リン酸三カルシウム、体積平均粒子径0.37マイクロメートル}3部、体質顔料(d2)マイカ{セリサイトDN 、大日本化成株式会社 }35部、体質顔料(d3)タルク{タルクJA−68R、浅田製粉株式会社 }10部、白色顔料(d1)酸化チタン{JR−600A、テイカ株式会社}8部、着色顔料(d4)酸化鉄{ベンガラ、癸巳化成株式会社}0.2部、着色顔料(d5)酸化鉄{黄酸化鉄、癸巳化成株式会社}1部、着色顔料(d6)酸化鉄{黒酸化鉄、癸巳化成株式会社}0.13部、体質顔料(d7)ナイロン−12{SP−500、日興リカ株式会社}12部、をマキノ式リボンミキサーRMM50〜500で混合均一にし、小型ハンマーミルSFL−100/130型アキラ機工(株)を用い粉砕した後、再度マキノ式リボンミキサーに投入する。液状成分(b3)ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール{コスモール525、日清オイリオグループ株式会社}5部と界面活性剤ステアリン酸{精製ステアリン酸 750V 、花王株式会社 }1部、防腐剤メチルパラベン{メッキンスM、上野製薬株式会社}0.25部、酸化防止剤{トコフェロール100 、日清オイリオグループ株式会社 }0.02部、香料{ラベンダー油、クレイン有限会社}0.2部を70℃に加熱溶解し室温後に冷却し、残りの液状成分(b3)ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール{コスモール525、日清オイリオグループ株式会社}19.2部に加えて均一にした後、撥水剤メチルポリシロキサン{1503Fluid、東レ・ダウコーニング株式会社 }5部を加えて均一にした後、前記粉体混合物に散布し均一にする。この混合物を型にプレス成形して本発明の化粧料(9)を得た。
【実施例10】
【0045】
複合粉体(a1)を3部から20部に変更したこと、体質顔料(d2)を35部から32.2部に変更したこと、体質顔料(d3)を10部から0部に変更したこと、液状成分(b3)を24.2部から20部に変更したこと以外、実施例9と同様にして、本発明の化粧料(10)を得た。
【実施例11】
【0046】
複合粉体(a2)を3部、体質顔料(d2)マイカ{セリサイトDN 、大日本化成株式会社 }35部、体質顔料(d3)タルク{タルクJA−68R、浅田製粉株式会社 }10部、白色顔料(d1)酸化チタン{JR−600A、テイカ株式会社}8部、着色顔料(d4)酸化鉄{ベンガラ、癸巳化成株式会社}0.2部、着色顔料(d5)酸化鉄{黄酸化鉄、癸巳化成株式会社}1部、着色顔料(d6)酸化鉄{黒酸化鉄、癸巳化成株式会社}0.13部、滑剤ナイロン−12・{SP−500 、日興リカ株式会社}12部、をマキノ式リボンミキサーRMM50〜500で混合均一にし、小型ハンマーミルSFL−100/130型アキラ機工(株)を用い粉砕した後、再度マキノ式リボンミキサーに投入する。液状成分(b3)ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール{コスモール525、日清オイリオグループ株式会社}5部と界面活性剤ステアリン酸{精製ステアリン酸 750V 、花王株式会社 }1部、防腐剤メチルパラベン{メッキンスM、上野製薬株式会社}0.25部、酸化防止剤{トコフェロール100 、日清オイリオグループ株式会社 }0.02部、香料{ラベンダー油、クレイン有限会社}0.2部を70℃に加熱溶解し室温後に冷却し、残りの液状成分(b3)ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール{コスモール525、日清オイリオグループ株式会社}19.2部に加えて均一にした後、撥水剤メチルポリシロキサン{1503Fluid、東レ・ダウコーニング株式会社 }5部を加えて均一にした後、前記粉体混合物に散布し均一にする。この混合物を型にプレス成形して本発明の化粧料(11)を得た。
【実施例12】
【0047】
複合粉体(a2)を3部から20部に変更したこと、体質顔料(d2)を35部から32.2部に変更したこと、体質顔料(d3)を10部から0部に変更したこと、液状成分(b3)を24.2部から20部に変更したこと以外、実施例11と同様にして、本発明の化粧料(12)を得た。
【0048】
(比較例1)
複合粉体(a1)をリン酸三カルシウム{試薬1級、ナカライテスク株式会社}に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の化粧料(C1)を得た。
【0049】
(比較例2)
複合粉体(a1)をリン酸三カルシウム{試薬1級、ナカライテスク株式会社}に変更したこと以外、実施例5と同様にして、比較用の化粧料(C2)を得た。
【0050】
(比較例3)
複合粉体(a1)をリン酸三カルシウム{試薬1級、ナカライテスク株式会社}に変更したこと以外、実施例9と同様にして、比較用の化粧料(C3)を得た。
【0051】
(比較例4)
複合粉体(a2)を白色顔料酸化チタン{JR−600A、テイカ株式会社}に変更したこと以外、実施例3と同様にして、比較用の化粧料(C4)を得た。
【0052】
(比較例5)
複合粉体(a2)を白色顔料酸化チタン{JR−600A、テイカ株式会社}に変更したこと以外、実施例7と同様にして、比較用の化粧料(C5)を得た。
【0053】
(比較例6)
複合粉体(a2)を白色顔料酸化チタン{JR−600A、テイカ株式会社}に変更したこと以外、実施例11と同様にして、比較用の化粧料(C6)を得た。
【0054】
実施例及び比較例で得た化粧料について、放射線被曝線量の抑制効果、使用感及び安全性について評価した。
【0055】
<放射線被曝線量の抑制効果>
阪神デンタル歯科フィルムに、厚み約2mm、直径1cmで塗布した後、X線レントゲン装置{TOSHIBA KCD−10L−5、距離75cm、2mAs、80kV}で、レントゲン写真を撮影し、目視で、以下の基準で放射線被曝線量の抑制効果を評価した。
ブランクとして、1円硬貨とアルミニウム箔20枚重ねた物を同様に撮影して評価した。
【0056】
○ 塗布した箇所がはっきりと判別できる
△ 塗布した箇所がなんとか判別できる
× 塗布した箇所が判別できない
【0057】
<使用感>
パネラー男女各10人の顔や身体に塗布使用してもらい、以下の基準で評価した。
【0058】
○ 滑らかに塗布できる
△ わずかにざらつきが感じられる
× ざらつきがひどく、
【0059】
<安全性>
皮膚刺激試験としてヒトによるパッチテストを実施した(被験者20名の背部にて)。
【0060】
日本皮膚科学会本邦基準にしたがい皮膚刺激性の評価をした。
○ 皮膚刺激反応がない。
△ 被験者20名中に1名以上の疑陽性反応(±)がある。
× 被験者20名中に1名以上の陽性反応(+)がある。
【0061】
【表1】

【0062】
本発明の化粧料は、比較例の化粧料に較べて、放射線被曝線量を著しく抑制できた。また、本発明の化粧料は、使用感及び安全性に優れていた。
以上のX線遮蔽効果から、ガンマ線等にも有効であると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線被曝線量を抑制するための化粧料であって、
リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粉体と銀化合物とを混合し焼結して得られる複合粉体(A)と、
多価アルコール及びエステル油からなる群より選ばれる少なくとも1種の液状成分(B)と
を含むことを特徴とする化粧料。
【請求項2】
複合粉体(A)と液状成分(B)との含有重量比(B/A)が2〜10である請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
複合粉体(A)の含有量が化粧料の重量に対して1〜30重量%である請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
銀化合物の含有量が、無機粉体の重量に対して0.1〜15重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料。
【請求項5】
さらに水(C)及び/又は顔料(D)を含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。

【公開番号】特開2012−240964(P2012−240964A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112689(P2011−112689)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(595000254)
【Fターム(参考)】