説明

放射線計測器

【課題】簡単な構成で、所定地点の単位時間当りの空間放射線量を基準値とし、その基準値と他の地点の単位時間当りの空間放射線量との比較値を、簡単な操作で表示可能な放射線計測器を提供する
【解決手段】放射線計測器1は、放射線センサ2、増幅器3、比較器4、及び、分別電圧器5を備える放射線検出部と、表示部8と、放射線検出部からの信号を基にサンプリング時間毎の平均計測値を算出するとともに平均計測値に応じてサンプリング時間よりも長い規定時間当りの放射線量を算出し、それを表示部8に表示させる処理を行う制御部9と、操作部6とを有し、制御部9は、操作部6による操作を検出した場合、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部7に記憶し、操作部6による操作検出後に放射線検出部で出力された信号を基に算出された規定時間当りの放射線量と記憶部7に記憶された基準値との比較値を表示部8に表示させる処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線計測器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
東日本大震災がもたらした甚大な被害は、被災地の災害にのみらず原子力発電所の大事故発生という未曾有の事態に発展した。この事故により周辺各地及び各県に放射性物質が飛散する結果となった。この飛散した放射性物質は時としてまったく予想出来ない所にホットスポットと呼ばれる高放射線域を作ってしまった。各自治体や多くの人々が高放射線域の特定作業を行っているが、高放射線域の特定には比較的長い時間を要する。この高放射線域の特定を遅らせている原因としては、計測対象の領域が広い、計測によるデータ収集に比較的長い時間を要する、飛散した放射性物質の性質として気候の変動により高放射線域が移動する等を挙げることができる。
【0003】
空間放射線量を計測する放射線測定装置として、各種装置が提案されている。特許文献1には、放射線計測器と、アンプ回路と、コンパレータ回路と、パルス信号を計数して放射線計測値を放射線単位に変換するCPUとを備え、放射線のエネルギー状態に応じて、飽和現象を補正する手段を備えた放射線測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−249580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の放射線測定装置などを用いて空間放射線量を計測して高放射線域を探索する場合、自然放射線と人口放射線とを同時に計測し、計測者が各測定地点での計測値を記入しながら、高放射線域を探索するという煩雑な作業を行うことを要する。また、計測値の記録機能を有する計測器は、複雑な構造で高価であるという問題がある。
特に高い空間放射線量が検出される領域で長時間計測を行うと、計測者の吸収線量が大きくなる場合がある。このため、短時間で高放射線域を特定可能な放射線計測器が望まれている。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、所定地点の単位時間当りの空間放射線量を基準値とし、その基準値と他の地点の単位時間当りの空間放射線量との比較値を、簡単な操作で表示可能な放射線計測器を提供することを目的とする。また、簡単な操作で高い空間放射線量の地点を短時間で探索可能な放射線計測器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の放射線計測器は、入射する放射線に応じたパルス信号を出力する放射線検出部と、表示部と、前記パルス信号に基いてサンプリング時間毎の平均計測値を算出するとともに前記平均計測値に応じて前記サンプリング時間より長い規定時間当りの放射線量を算出し、前記表示部に前記規定時間当りの放射線量を表示させる処理を行う制御部と、を有する放射線計測器であって、操作に応じた信号を出力する操作部を有し、前記制御部は、前記操作部による操作を検出した場合、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部に記憶し、前記操作部による前記操作の検出後に前記放射線検出部から出力された信号を基に算出された規定時間当りの放射線量と前記記憶部に記憶された基準値との比較値を、前記表示部に表示させる処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定地点の単位時間当りの空間放射線量を基準値とし、その基準値と他の地点の単位時間当りの空間放射線量との比較値を、簡単な操作で表示可能な放射線計測器を提供することができる。また、簡単な操作で高い空間放射線量の地点を短時間で探索可能な放射線計測器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る放射線計測器の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る放射線計測器の外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る放射線計測器の制御部による機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る放射線計測器の表示部による表示の一例を示す図であり、(a)は1時間当りの放射線量(線量当量率)の表示の一例、(b)は1年間当りの線量当量率の表示の一例、(c)は基準値比較表示モード設定時の表示の一例、(d)は基準値比較表示モード時の比較値表示の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る放射線計測器の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る放射線計測器1の機能ブロック図である。図2は放射線計測器1の外観図であり、詳細には図2(a)は放射線計測器1の正面図、図2(b)は放射線計測器1の背面図である。
【0011】
本発明の実施形態に係る放射線計測器1は、通常表示モード(第1の表示モード)と基準値比較表示モード(第2の表示モード)とを有する。放射線計測器1は、通常表示モードに設定された場合、空間放射線量を計測して、単位時間当りの放射線量(線量当量率:単位μSv/h)を表示し、操作部が操作されて基準値比較表示モードに設定された場合、その計測時、計測場所で計測された単位時間当りの放射線量を基準値として記憶し、操作部による操作後に検出された現在の単位時間当りの放射線量と基準値との比較値を表示する。
【0012】
本実施形態に係る放射線計測器1は、図1に示したように、放射線センサ2と、増幅器3と、比較器4と、分別電圧器5と、操作部6と、記憶部7と、表示部8と、制御部9と、を有する。また、放射線計測器1は、時間の計時を行う計時部(不図示)を有する。放射線計測器1の各構成要素は、電池等の電源(不図示)から供給される電力により動作するように構成されている。この放射線センサ2、増幅器3、比較器4、及び、分別電圧器5は、放射線検出部の一実施形態に相当する。次に、放射線計測器1の各構成要素について説明する。
【0013】
放射線センサ2は、入射した放射線に応じた信号を出力する。放射線センサ2としては、シンチレーション検出器、ガイガー=ミュラー計数管、半導体検出器等を採用することができる。本実施形態に係る放射線センサ2として、γ線を検出可能なシンチレーション検出器を採用する。シンチレーション検出器は、放射線が入射すると発光するシンチレータと、シンチレータからの光を検出する受光素子等の光検出部と、を有する。シンチレータとしては、NaI(Tl)シンチレータ、Cs(Tl)シンチレータ、LaBr3、CdTe(CdZnTe)シンチレータなどを挙げることができる。光検出部は、検出された光の大きさに応じた振幅の信号を出力する。
【0014】
増幅器3は、放射線センサ2から出力される信号の振幅を増幅し、比較器4に出力する。
【0015】
比較器4は、分別電圧器5により規定されたノイズカット用の閾値電圧と、増幅器3から出力される信号の電圧とを比較し、閾値電圧より低い場合にローレベル、閾値電圧以上の場合にハイレベルとなるパルス信号としてのデジタル信号を出力する。本実施形態では、放射線検出部としての放射線センサ2、増幅器3、比較器4、及び、分別電圧器5は、入射する放射線に応じたパルス信号を制御部9に出力するように構成されている。
【0016】
操作部6は、ユーザにより操作されるスイッチであり、その操作に応じた信号を制御部9に出力する。詳細には、操作部6は、放射線計測器1の表示モードである通常表示モードや基準値比較表示モードを切替えるとき、電源オン状態または電源オフ状態に設定するとき、1時間当りの放射線量(μSv/h)表示と年間放射線量(mSv/y)表示とを切り替えるとき、などにユーザにより操作され、その操作に応じた信号を制御部9に出力する。
【0017】
本実施形態では、図2(a)、図2(b)に示したように、操作部6として複合操作スイッチを採用している。詳細には、操作部6は、可動接点部を備えた可動操作部材6aを有し、可動操作部材6aが図2(a)、図2(b)に示す左右方向への揺動操作による移動、上下方向への押下操作による移動に伴って、筐体10に固定された複数の固定接点(不図示)のうち少なくとも一つに、上記可動接点部が電気的に接触するように構成されている。固定接点は制御部9に電気的に接続されており、可動操作部材6aの操作による移動を制御部9が検出可能に構成されている。このように、複合操作スイッチは、複数のスイッチを兼ね備えた構造を有する。
【0018】
制御部9は、図2(a)、図2(b)に示したように、可動操作部材6aが下方向(矢印A)に押下操作により移動したことを検出すると、電源オン状態または電源オフ状態に設定する。
【0019】
制御部9は、通常表示モード時、可動操作部材6aが図2(a)に示した左方向(矢印B)に揺動操作により移動したことを検出すると、基準値比較表示モードに設定する処理を行う。
【0020】
制御部9は、通常表示モード時、可動操作部材6aが図2(a)に示した右方向(矢印C)に揺動操作により移動したことを検出すると、1時間当りの放射線量(μSv/h)表示と年間放射線量(mSv/y)表示とを切替える処理を行う。
【0021】
また、制御部9は、基準値比較表示モード時、可動操作部材6aが図2(a)に示した右方向(矢印C)に揺動操作移動されると、通常表示モードに設定する処理を行う。
【0022】
記憶部7は、RAM、EEPROM、可搬型メモリなどの記憶装置で構成されており、制御部9の作業用メモリとして用いられる。詳細には、記憶部7は、プログラム70を記憶し、さらに、1時間当りの放射線量(線量当量率)71、年間放射線量72、瞬間放射線量73、基準値74、及び、比較値75等のデータを記憶する。制御部9は上記各種データを記憶部7に書き込み、記憶部7から必要に応じて各種データを読み出して所定処理を行う。上記プログラム70は、制御部9により実行され、本発明に係る機能をコンピュータとしての放射線計測器1に実現させる。
【0023】
表示部8は、制御部9により表示制御が行われ、本発明に係る各種データなどの表示を行う。表示部8の詳細な動作については後述する。
【0024】
制御部9は、放射線計測器1の各種構成要素を統括的に制御する。また、制御部9は、記憶部7に記憶されたプログラム70を実行することにより、本発明に係る機能をコンピュータとしての放射線計測器1に実現させる。
【0025】
制御部9は、放射線検出部の比較器4から出力されたパルス信号としてのデジタル信号を受信すると、規定時間毎、例えば60秒のサンプリング時間で、信号のハイレベルをカウントし、その移動平均値を算出する。
【0026】
制御部9は、操作部6からの信号を基に基準値比較表示モードを選択する操作を検出したとき、そのときの平均計測値に応じて算出されたサンプリング時間より長い規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部7に記憶し、操作部6による操作の検出後に放射線検出部から出力された信号を基に算出された規定時間当りの放射線量と記憶部7に記憶された基準値との比較値を、表示部8に表示させる処理を行う。制御部9の詳細な動作については後述する。
【0027】
図2(a)に示したように、本発明の実施形態に係る放射線計測器1は、比較的小型の筐体10を有し、携帯型の放射線計測器としても用いられる。この筐体10の略中央部には表示部8が設けられている。表示部8には、電池残量表示部81、比較値表示部82、基準値比較表示モード表示部83、及び、瞬間値放射線強度表示部84などが、制御部9の制御により必要に応じて表示される。
【0028】
電池残量表示部81は、筐体10内に収容されている電池の残量を示す。比較値表示部82は、比較値を所定単位(μSv/h)で示す。比較値が基準値よりも低い場合、比較値表示部82には、−(マイナス)符号付きで比較値が表示される。基準値比較表示モード表示部83には、(−BG)などの基準値比較表示モードを示す所定のマークが、基準値比較表示モード時に表示される。瞬間値放射線強度表示部84には、瞬間放射線量73の大きさに応じたレベルバー表示で、瞬間放射線量が表示される。本実施形態の放射線計測器1では、1個のバーが0.02μSv/hを示し、1ブロックが5個のバーにより構成され、1ブロックが0.1μSv/hであり、最大1.6μSv/hまで表示部8に表示可能となるように構成されている。
【0029】
図2(a)に示したように、放射線計測器1は、筐体10の上端に操作部6が設けられている。詳細には、操作部6の可動操作部材6aが筐体10の上端部よりも突出するように配置され、可動操作部材6aの突起部が、左右方向(図2(a)に示す矢印B、矢印C)に揺動操作により移動自在、且つ、上下方向(図2(a)に示す矢印A)に押下操作により移動自在に構成されている。
【0030】
筐体10の図2(a)に示した左側端部付近には、ストラップなどの保持部材を取り付けるための取付孔10aが形成され、筐体10内の右側端部付近には、放射線センサ2が設けられている。
【0031】
図2(b)に示したように、筐体10の背面には、放射線センサ2の配置位置の近傍に、放射線の検出方向を示すマーク10bが設けられている。また、筐体10の背面には、操作部6の配置位置近傍に、操作部6の操作説明を示すマーク10cなどが設けられている。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係る放射線計測器1の制御部9による機能ブロック図である。制御部9は、図3に示すように、単位時間当り放射線量処理部91、年間放射線量処理部92、瞬間放射線量処理部93、基準値処理部94、比較値処理部95、計測上限値超処理部96、及び、自動電源オフ処理部97などの機能を有する。
【0033】
単位時間当り放射線量処理部91は、比較器4から出力されたパルス信号としてのデジタル信号に基いて、60秒などのサンプリング時間で、信号のハイレベルの個数をカウントし、その移動平均値に検出核種に応じた係数を乗算する演算などを行い、表示用に、1時間当りの放射線量(線量当量率、μSv/h)を算出する。また、単位時間当り放射線量処理部91は、算出した1時間当りの線量当量率(μSv/h)を表示部8に表示させる処理を行う。また、単位時間当り放射線量処理部91は、10秒などの規定時間で、1時間当りの線量当量率(μSv/h)を更新し、更新した値を表示部8に表示させる処理を行う。
【0034】
年間放射線量処理部92は、1時間当りの線量当量率(μSv/h)に基いて演算により年間放射線量(mSv/y)を算出する。詳細には、年間放射線量処理部92は、単位時間当り放射線量処理部91で算出された1時間当りの線量当量率(μSv/h)に所定係数、具体的には24(時間)×365(日)を乗算することで、予測される年間線量当量率を算出する。また、年間放射線量処理部92は、算出した年間線量当量率(mSv/y)を表示部8に表示させる処理を行う。
【0035】
瞬間放射線量処理部93は、例えば10秒等の短時間のサンプリング時間で、比較器4からのデジタル信号のハイレベルの個数の移動平均値を演算することで、瞬間放射線強度を算出し、瞬間放射線強度に応じたレベルバー表示を表示部8に表示させる処理を行う。この際、制御部9は、後述する比較値の更新時間よりも短い時間で、レベルバー表示の更新処理を行う。
【0036】
基準値処理部94は、操作部6からの信号に基いて、操作部6により基準値比較表示モードを設定する操作を検出したとき、そのときの平均計測値に応じた1時間当りの放射線量(線量当量率)を基準値74として記憶部7に記憶する処理を行う。
また、基準値処理部94は、操作部6により基準値比較表示モードを設定する操作を検出したとき、電源オン後、放射線検出部による計測開始からの経過時間が、第1の表示モード(通常表示モード)から第2の表示モード(基準値比較表示モード)への移行待機時間(例えば3分)よりも長いことを条件に、そのときの1時間当りの放射線量(線量当量率)を基準値74として記憶部7に記憶する処理を行ってもよい。こうすることで、電源オン後、計測開始初期のばらつきの大きい基準値を取り除くことができ、高い信頼性の基準値74を採用することができる。
【0037】
比較値処理部95は、基準値比較表示モード時、操作部6による操作の検出後に放射線検出部から出力された信号を基に算出された現在の規定時間当りの放射線量と記憶部7に記憶された基準値との比較値を、表示部8に表示させる処理を行う。
【0038】
計測上限値超処理部96は、計測により1時間当りの線量当量率が計測上限値、例えば20.00μSv/hを超えた場合、表示部8に、20.00μSv/hなどを点滅表示させる処理を行う。このように放射線計測器1は、表示部8に所定文字やマークを点滅表示させることで、計測により1時間当りの線量当量率が計測上限値よりも超えていることを、ユーザに報知することができる。
【0039】
自動電源オフ処理部97は、電源オン状態開始時から1時間後など所定時間経過後に、自動的に電源オフ状態とする処理を行う。
【0040】
次に、本発明の実施形態に係る放射線計測器1の動作の一例を説明する。
【0041】
図1に示したように、放射線が放射線センサ2に入射すると、放射線センサ2から微弱な電気信号が出力される。詳細には、放射線が放射線センサ2のシンチレータに入射すると、シンチレーション現象により発光し、光検出部でその光を検出して電気信号として出力する。増幅器3は放射線センサ2から出力された微弱な信号を充分に増幅し、比較器4に出力する。比較器4は、分別電圧器5により規定された閾値電圧と、増幅器3から出力された信号の電圧とを比較し、閾値電圧より低い場合にローレベル、閾値電圧以上の場合にハイレベルとなるデジタル信号を制御部9に出力する。
【0042】
制御部9は、比較器4からのデジタル信号に基いて、例えば規定のサンプリング時間でハイレベルの個数の移動平均値を算出し、その移動平均値に検出核種の係数を乗算するなどの演算を行い、表示部8に1時間当りの放射線量(μSv/h)を表示する処理を行う。
【0043】
また、制御部9は、操作部6からの信号を基に、操作部6による操作を検出したとき、そのときの平均計測値に応じて算出された1時間当りの放射線量(μSv/h)を基準値74として記憶部7に記憶し、現在の放射線計測部による計測に応じた規定時間毎の平均測定値と記憶部7に記憶された基準値74との比較値75を、表示部8に表示させる処理を行う。
【0044】
ユーザは、放射線計測器1を用いて第1の地点で計測し、操作部6を操作することにより、その時点の1時間当りの放射線量71を基準値74として記憶部7に記憶させる。そして、第1の地点と異なる第2の地点で計測を行うと、第1の地点の1時間当りの放射線量71を基準値とした比較値75が表示部8に表示されるので、第1の地点と第2の地点での1時間当りの放射線量を簡単に比較することができる。基準値比較表示モードで放射線計測器1を用いて、異なる地点で繰り返し放射線計測を行うことで、高放射線域を比較的短時間に探索特定することができる。
【0045】
次に、本発明の実施形態に係る放射線計測器1の動作の他の例を、図面を参照しながら説明する。
【0046】
図4は、本発明の実施形態に係る放射線計測器の表示部による表示の一例を示す図であり、図4(a)は1時間当りの放射線量(線量当量率)の表示の一例、図4(b)は1年間当りの線量当量率の表示の一例、図4(c)は基準値比較表示モード設定時の表示の一例、図4(d)は基準値比較表示モード時の比較値表示の一例を示す図である。図5は本発明の実施形態に係る放射線計測器の動作の一例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS10において、制御部9は、電源スイッチが操作されたか否かを判別する。詳細には、制御部9は、操作部6からの信号に基いて、図2(a)、図2(b)に示したように、操作部6の可動操作部材6aが下方向(矢印A)に押下操作により移動したことを検出すると、電源オン状態に設定する。
【0048】
ステップS11において、制御部9は、初期表示画面の表示処理などの初期処理を行う。詳細には、制御部9は、初期処理として、放射線センサ2、増幅器3、比較器4、分別電圧器5、制御部9などの回路の動作の安定化、1時間当りの放射線量(線量当量率:単位μSv/h)を算出するために必要な放射線計測時間の確保などのため、電源オン状態開始時から所定時間(例えば35秒)だけ、操作部6からの操作指示に応じた動作を抑止するとともに、表示部8に35秒から毎秒カウントダウン表示を行う。
【0049】
ステップS12において、制御部9は、35秒など所定時間経過したか否かを判別し、所定時間経過していない場合にステップS11の処理に進み、所定時間経過している場合にステップS13の処理に進む。
【0050】
ステップS13において、制御部9は、表示部8に1時間当りの放射線量を表示する処理を行う。詳細には、制御部9は、放射線センサ2、増幅器3、比較器4、分別電圧器5などの放射線検出部から出力されたパルス信号としてのデジタル信号を基に、規定のサンプリング時間でハイレベルの個数の移動平均値を算出し、その移動平均値に検出核種の係数を乗算するなどの演算を行い、1時間当りの放射線量71(線量当量率)を表示部8に表示する処理を行う。図4(a)に示したように、制御部9は、表示部8の画面右上付近の電池残量表示部81に電池残量を示す画像を表示し、画面中央部の放射線量表示部85に1時間当りの線量当量率(μSv/h)を表示し、画面下端部付近の瞬間値放射線強度表示部84に、瞬間放射線量を表示する処理を行う。
【0051】
ステップS14において、制御部9は、年/時の表示切替を示す操作が行われた否かを判別する。詳細には、制御部9は、通常表示モード時に、操作部6の可動操作部材6aが、図2(a)に示した右方向(矢印C)に揺動操作により移動したことを検出したか否かを判別し、それを検出した場合にステップS15の処理に進み、検出しない場合にステップS17の処理に進む。
【0052】
ステップS15において、制御部9は、年間放射線量を表示する処理を行う。詳細には、制御部9は、1時間当りの線量当量率(μSv/h)を基に演算により、予測される年間放射線量(年間線量当量率、mSv/y)を算出し、それを表示部8に表示させる処理を行う。図4(b)に示すように、制御部9は、表示部8の画面中央部の年間放射線量表示部86に、年間線量当量率(mSv/y)を表示する処理を行う。
【0053】
ステップS16において、制御部9は、操作部6からの信号に基いて、年/時の表示切替を示す操作が行われた否かを判別し、それを検出した場合にステップS13の処理に進み、検出しない場合にステップS15の処理に進む。
【0054】
ステップS17において、制御部9は、電源スイッチが操作されたか否かを判別する。詳細には、制御部9は、操作部6からの信号に基いて、図2(a)、図2(b)に示したように、操作部6の可動操作部材6aが下方向(矢印A)に押下操作により移動したか否かを判別し、操作部6の可動操作部材6aが下方向(矢印A)への移動を検出しない場合にステップS19の処理に進み、可動操作部材6aが下方向(矢印A)へ移動したことを検出した場合に所定の終了処理(ステップS18)を行い、一連の処理を終了する。
【0055】
ステップS19において、制御部9は、操作部6により基準値比較モードへの切替え操作を検出したか否かを判別する。詳細には、制御部9は、操作部6からの信号を基に、可動操作部材6aが図2(a)に示した左方向(矢印B)に揺動操作による移動を検出したか否かを判別し、検出していない場合にステップS13の処理に進み、検出している場合に、ステップS20の処理に進む。
【0056】
ステップS20において、制御部9は、電源オン後、計測開始からの経過時間が、基準値比較表示モードへの移行待機時間(例えば3分)より長いか否かを判別する。3分経過していない場合に、制御部9は、基準値比較表示モードに移行せずに、ステップS13の処理に進む。3分経過していると判断した場合には、制御部9は、ステップS21の処理に進む。
【0057】
ステップS21において、制御部9は、表示部8に表示している平均計測値である1時間当りの放射線量(線量当量率)を基準値74として記憶部7に記憶する処理を行う。上述したように、制御部9が、操作部6により基準値比較表示モードを設定する操作を検出したとき、電源オン後、計測開始から3分など所定時間が経過したことを条件として基準値比較表示モードに移行するように処理を行うことで、高い信頼性の基準値74を採用することができる。
【0058】
ステップS22において、制御部9は、基準値比較表示モード時、記憶部7に記憶された基準値74と、現在の検出結果に応じた規定時間毎の放射線量との比較値を、表示部8に表示させる処理を行う。図4(c)、図4(d)に示したように、表示部8の画面中央部の比較値表示部82に比較値(μSv/h)を表示させ、比較値に並べて基準値比較表示モード表示部83に、基準値比較表示モードに設定されていることを示すマーク(−BG)を表示する処理を行う。
【0059】
ステップS23において、制御部9は、基準値比較表示モード時、図4(d)に示したように、表示部8の下端に位置する瞬間値放射線強度表示部84に瞬間放射線量を表示する処理を行う。
【0060】
ステップS24において、制御部9は、操作部6により基準値比較操作を検出したか否かを判別する。詳細には、制御部9は、可動操作部材6aが図2(a)に示した左方向(矢印B)に揺動操作による移動を検出したか否かを判別し、それを検出した場合には、ステップS21の処理に進み、再度、現在の1時間当りの放射線量(線量当量率)を基準値として記憶部7に記憶する処理を行い、それを検出していない場合には、ステップS25の処理に進む。
【0061】
ステップS25において、制御部9は、操作部6により通常表示モード(放射線量表示モード)への切替え操作を検出したか否かを判別する。詳細には、制御部9は、操作部6からの信号を基に、可動操作部材6aが図2(a)に示した右方向(矢印C)に揺動操作による移動を検出したか否かを判別し、検出していない場合にステップS22の処理に進み、検出している場合にステップS13の処理に進む。
【0062】
尚、制御部9は、上述した一連の処理を実行中に、電源オン状態開始時から1時間後など所定時間経過したとき、自動的に電源オフ状態とする終了処理を行う。こうすることで、放射線計測器1の筐体内に収容されている電源としての電池の消費量を低減することができる。
【0063】
また、制御部9は、上述した一連の処理を実行中に、計測により1時間当りの線量当量率が計測上限値、例えば20.00μSv/hを超えた場合、表示部8に、20.00μSv/hなどを点滅表示させる処理を行い、ユーザに計測上限値が超えていることを報知する。
【0064】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る放射線計測器1は、小型の筐体10に、放射線センサ2、増幅器3、比較器4、分別電圧器5、操作部6、記憶部7、表示部8、及び、制御部9等を有するので、簡単な構造で軽量の携帯型の放射線計測器1を提供することができる。
【0065】
また、本発明の実施形態では、制御部9は、通常表示モードでは、放射線センサ2、増幅器3、比較器4等からのパルス信号としてのデジタル信号に基いて、サンプリング時間毎の平均計測値を算出するとともに平均計測値に応じた規定時間当りの放射線量(線量当量率)を算出し、表示部8に規定時間当りの放射線量を表示させる処理を行うので、簡単な構成で、単位時間当りの放射線量(線量当量率)を表示部8に表示可能な放射線計測器1を提供することができる。
【0066】
また、本発明の実施形態では、操作に応じた信号を出力する操作部6を有し、制御部9は、操作部6からの信号に基いて、基準値比較表示モードへの移行を指示する操作を検出した場合、基準値比較表示モードに設定し、そのときの1時間当りの放射線量(1時間当りの線量当量率)を基準値74として記憶部7に記憶し、操作部6により基準値比較表示モードの設定検出後、放射線検出部から出力された信号に応じて算出された1時間当りの放射線量と記憶部7に記憶された基準値との比較値を表示部8に表示させる処理を行う。
このため、所定地点の単位時間当りの空間放射線量(線量当量率)を基準値とし、その基準値と他の地点の単位時間当りの空間放射線量(線量当量率)との比較値を、簡単な操作で表示部8に表示可能な簡単な構成の放射線計測器1を提供することができる。つまり、現在の空間放射線量からバックグランド値を差し引いた値を簡単に表示可能な放射線計測器1を提供することができる。
【0067】
また、簡単な操作により基準値を設定可能とし、基準値に対する比較値を表示して、高い空間放射線量の地点を短時間で探索可能な放射線計測器1提供することができる。
【0068】
また、本発明の実施形態によれば、規定時間当りの放射線量を表示する第1の表示モードとしての通常表示モードと、比較値75を表示する第2の表示モードとしての基準値比較表示モードとを有し、制御部9は、操作部6により通常表示モードから基準値比較表示モードへの設定操作を検出し、且つ、電源オン後、放射線検出部による測定開始からの経過時間が、第2の表示モードへの移行待機時間よりも長いことを条件に、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値74として記憶部7に記憶し、基準値比較表示モードに設定する処理を行い、測定開始から所定時間経過していない場合には、基準値比較表示モードに設定することを抑止するので、電源オン後、計測開始初期のばらつきの大きい基準値74を取り除き、高い信頼性の基準値74を採用することで、高精度の比較値を表示部8に表示することができる放射線計測器1を提供することができる。
【0069】
また、本発明の実施形態によれば、制御部9は、表示部8に比較値75を表示するとともに、サンプリング時間毎の規定時間当りの放射線量に応じたレベルバー表示を行い、且つ、比較値75の更新時間よりも短い時間で、レベルバー表示の更新処理を行う。
つまり、表示部8で瞬間放射線量73の大きさに応じたレベルバー表示を行うので、高放射線源を探索する際に、そのレベルバー表示を利用することで、短時間に高放射線源を特定することが可能な放射線計測器1を提供することができる。
【0070】
また、本発明の実施形態によれば、操作部6は、押下操作による移動および揺動操作による移動が可能な可動操作部材6aを有する。制御部9は、可動操作部材6aの押下操作による移動を検出した場合に、電源オン状態と電源オフ状態とを切り替える処理を行い、通常表示モード(第1の表示モード)時に、可動操作部材6aの第1の方向への揺動操作を検出したとき、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部7に記憶して、基準値比較表示モード(第2の表示モード)に設定し、基準値比較表示モード時に、可動操作部材6aの第1の方向(図2(a)に示す矢印C)への揺動操作を検出したとき、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部7に記憶し、基準値比較表示モード時に、第1の方向とは異なる第2の方向(図2(a)に示す矢印B)への可動操作部材6aの揺動操作を検出したとき、通常表示モード(第1の表示モード)に設定し、通常表示モード(第1の表示モード)時に、可動操作部材6aの第2の方向への揺動操作を検出したとき、1時間当りの放射線量(μSv/h)表示と年間放射線量(mSv/y)表示とを切り替える処理を行う。
このように、操作部6に複合操作スイッチを採用し、揺動操作による移動や押圧操作による移動に応じて、上記処理を行うので、簡単な操作により各表示モードを切り替えることができると共に、基準値の再設定を容易に行うことができる放射線計測器1を提供することができる。
【0071】
また、本発明の実施形態によれば、制御部9は、基準値比較表示モード(第2の表示モード)の場合、比較値75の近傍に、基準値比較表示モード(第2の表示モード)を示すマーク(−BG)を表示部8に表示させる処理を行い、通常表示モード(第1の表示モード)の場合、第2の表示モードを示すマーク(−BG)の表示を行わない処理をするので、通常表示モードと、基準値比較表示モードと、容易に区別可能な表示を行うことができる放射線計測器1を提供することができる。
【0072】
本発明に係る放射線計測器1は、上述した実施形態に限られるものではない。例えば、放射線計測器1は、記憶部7に一つの基準値を記憶していたが、複数の基準値を記憶するように構成されていてもよい。
【0073】
また、例えば、計時部を備え、制御部9は、操作部6が操作されたときに、放射線検出部による信号に応じて算出された単位時間当たりの放射線量を基準値として記憶部7に記憶するとともに、計時部による時刻情報を基準値と関連付けて記憶部7に記憶し、基準値比較モードでは、表示部8に、時刻情報と基準値と上記比較値とを表示部8に表示させる処理を行うように放射線計測器が構成されていてもよい。この放射線計測器によれば、時刻情報、基準値、比較値とが表示部8に表示されるので、基準値を測定した時刻を容易に確認することができる。
【0074】
また、放射線計測器1は、予め基準値として、国、地方自治体、所定団体などで定められている、安全性を示す空間放射線量基準値を基準値として記憶部7に記憶しておき、現在、放射線検出部による検出信号に応じた単位時間当たりの放射線量(線量当量率)と記憶部7に記憶された基準値との比較値を表示部8に表示してもよい。その際、制御部9は、操作部6を操作することにより、記憶部7に記憶されている複数の基準値のうち、いずれかの基準値を選択する処理を行ってもよい。
【0075】
また、放射線計測器1は、基準値と比較値とを表示部8の同じ画面上で表示してもよい。こうすることで、ユーザは、表示部8の表示を見ることで、基準値と比較値とを容易に把握することができる。
【0076】
また、本発明に係る放射線計測器1によれば、操作部6が操作されて基準値比較モードに設定された場合、そのときの自然放射線量を擬似的にゼロとすることで、次の測定地点で、基準値を設定した地点より放射線量が高いか、若しくは低いかを直感的に計測者が認識することができる。
【0077】
また、本発明に係る放射線計測器1によれば、高放射性物質による高放射性源の迅速な位置特定を行うことが可能であり、地域住民の放射線による被爆、及び、計測者の被爆を減少し、迅速な非難や除染に取り込む事ができる。
【符号の説明】
【0078】
1 放射線計測器
2 放射線センサ
3 増幅器
4 比較器
5 分別電圧器
6 操作部
6a 可動操作部材
7 記憶部
8 表示部
9 制御部
10 筐体
10a 取付孔
10b マーク(検出方向指示表示部)
10c マーク(操作説明表示部)
70 プログラム
71 1時間当りの放射線量(線量当量率)
72 年間放射線量
73 瞬間放射線量
74 基準値
75 比較値
81 電池残量表示部
82 比較値表示部
83 比較モード表示部
84 瞬間値放射線強度表示部
85 放射線量表示部
86 年間放射線量表示部
91 単位時間当り放射線量処理部
92 年間放射線量処理部
93 瞬間放射線量処理部
94 基準値処理部
95 比較値処理部
96 計測上限値超処理部
97 自動電源オフ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する放射線に応じたパルス信号を出力する放射線検出部と、表示部と、前記パルス信号に基いてサンプリング時間毎の平均計測値を算出するとともに前記平均計測値に応じて前記サンプリング時間より長い規定時間当りの放射線量を算出し、前記表示部に前記規定時間当りの放射線量を表示させる処理を行う制御部と、を有する放射線計測器であって、
操作に応じた信号を出力する操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部による操作を検出した場合、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部に記憶し、前記操作部による前記操作の検出後に前記放射線検出部から出力された信号を基に算出された規定時間当りの放射線量と前記記憶部に記憶された基準値との比較値を、前記表示部に表示させる処理を行うことを特徴とする放射線計測器。
【請求項2】
前記規定時間当りの放射線量を表示する第1の表示モードと、前記比較値を表示する第2の表示モードと、を有し、
前記制御部は、前記操作部による前記第1の表示モードから前記第2の表示モードへの設定操作を検出し、且つ、電源オン後、前記放射線検出部による測定開始からの経過時間が、前記第2の表示モードへの移行待機時間よりも長いことを条件に、そのときの規定時間当りの放射線量を基準値として記憶部に記憶し、前記第2の表示モードに設定する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の放射線計測器。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に、前記比較値を表示するとともに前記規定時間当りの放射線量に応じたレベルバー表示を行い、且つ、前記比較値の更新時間よりも短い時間で、前記レベルバー表示の更新処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線計測器。
【請求項4】
前記操作部は、押下操作による移動および揺動操作による移動が可能な可動操作部材を有し、
前記制御部は、前記可動操作部材の押下操作による移動を検出した場合に、電源オン状態と電源オフ状態とを切り替える処理を行い、
前記第1の表示モード時に、前記可動操作部材の第1の方向への操作を検出したとき、そのときの前記規定時間当りの放射線量を基準値として前記記憶部に記憶して、前記第2の表示モードに設定し、
前記第2の表示モード時に、前記可動操作部材の第1の方向への操作を検出したとき、そのときの前記規定時間当りの放射線量を基準値として前記記憶部に記憶し、
前記第2の表示モード時に、前記第1の方向とは異なる第2の方向への前記可動操作部材の操作を検出したとき、前記第1の表示モードに設定する処理を行うことを特徴とする請求項2から請求項3のいずれかに記載の放射線計測器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の表示モード時に、前記可動操作部材の前記第2の方向への操作を検出したとき、1時間当たりの放射線量表示と、年間放射線量表示とを切り替える処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の放射線計測器。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の表示モードの場合、前記第2の表示モードを示すマークを前記比較値の近傍に表示させる処理を行い、前記第1の表示モードの場合、前記第2の表示モードを示す前記マークの表示を行わないことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の放射線計測器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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