放射線遮蔽塗料
【課題】強力な放射線遮蔽力を有し、しかも油性樹脂を用いる必要のない放射線遮蔽塗料を提供する。
【解決手段】タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体の塗料とする。
【解決手段】タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体の塗料とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルファ線(α線)、ベータ線(β線)、ガンマ線(γ線)等に代表される放射線を遮蔽してその透過を抑制する放射線遮蔽塗料に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛やタングステン等の金属が放射線の遮蔽力を有していることは公知であり、放射線の遮蔽が必要な領域に従前より用いられている。これらの金属は板状に成形されて建造物の遮蔽領域に立て掛けられたり、敷き詰められるように配置される。或いは粉体の形態で樹脂中に混練され、この混練樹脂を建造物の床面や天井面、或いは壁面等に塗ることによって遮蔽領域をカバーするように配置されている。この場合、後者の方が取り扱い性が容易であることから多用されている。
【0003】
一方、特許文献1には、酸化タングステン等のタングステン化合物を顔料として電着塗料中に配合することにより有害な鉛を用いることなく防錆力を有した電着膜を形成できることが記載されている。この特許文献1の記載からタングステン粉末をビヒクルに混合することにより一般の塗料を作製できることが示唆される。従って、タングステン粉末をビヒクルに配合することにより放射線遮蔽塗料を製造することは可能であり、これにより鉛を不要とした放射線遮蔽塗料を作製することができる。
【0004】
タングステン粉体を用いた放射線遮蔽塗料においては、タングステン粉体のビヒクル内での安定した分散性及びタングステン粉体の安定性を確保する必要があり、このため油性樹脂をビヒクルとして用いる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−220371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビヒクルを油性樹脂として用いた放射線遮蔽塗料においては、塗料自体の粘度が必要以上に高くなるため、放射線の遮蔽に適した塗膜を形成することが難しい問題がある。又、安定的な分散が可能となるように油性樹脂に対して混合できるタングステン粉体の量が少なく、十分な放射線遮蔽力を保持した塗膜を形成することが難しいものとなる。さらに、油性樹脂をビヒクルとする場合には、溶媒として有機溶剤を用いる必要があるため、塗料の製造や塗膜の形成の際に健康障害の原因となったり、皮膜中の有機溶剤の残留による健康障害の原因となる問題がある。さらには有機溶剤を用いるため、輸送や保管の安全性を確保することが難しいものとなる。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、放射線遮蔽のためにタングステン粉体等を用いる塗料において、ビヒクルとして油性樹脂を用いる必要がなく、油性樹脂に起因した上述の問題点を解消することが可能な放射線遮蔽塗料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の放射線遮蔽塗料は、タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体であることを特徴とする。
【0009】
この場合、前記粉体は、前記バインダによってコーティングされていることが好ましい。
又、前記水の蒸発によって重合したエマルジョンは、メタアクリル酸/エステルエマルジョン、ウレタン/エステルエマルジョン、アクリル酸/アクリルエマルジョン、アクリル酸/酢酸ビニルエマルジョン、アクリル酸/スチレンエマルジョン、エポキシ/エステルエマルジョン又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれか又はその混合であることが好ましい。
又、前記水溶性樹脂は、水溶性アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル又はポリビニルアルコールのいずれか又はその混合であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤を用いるため、放射線遮蔽力を有した粉体が均一且つ良好に分散した状態となる。又、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかをバインダとして用い、分散剤及びバインダが共に水系材料であるため、バインダと分散剤とが良好に混合され、この混合物中に放射線遮蔽力を有した粉体が混合される。このため、放射線遮蔽力を有した粉体の塗料内への配合比を多くすることができ、強力な放射線遮蔽力を有した塗料とすることができる。
【0011】
又、バインダとして、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂を用いるため、塗膜形成に良好な粘度の塗料とすることができ、放射線遮蔽力を十分に保持した塗膜を容易に形成することができる。さらに、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂からなるバインダに加え、分散剤として水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸を用いるため、バインダ及び分散剤が水系材料であり、有機溶剤を用いることがない。このため、塗料の製造や塗膜の形成の際に健康障害の原因となったり、皮膜中の有機溶剤の残留による健康障害の原因となることがない。さらには有機溶剤を用いないため、輸送や保管の安全性を容易に確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の放射線遮蔽塗料は、タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体によって形成される。
【0013】
本発明の放射線遮蔽塗料に用いられる粉体は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)又はこれらの酸化物である。これらの金属又はその酸化物は、ガンマ線、ベータ線、アルファ線等の放射線の遮蔽力を有している。鉛やマンガン或いはこれらの酸化物も放射線遮蔽力を有しているが、これらの金属は健康阻害の原因となるため、本発明の放射線遮蔽塗料から除外するものである。タングステンは環境湿度によって経時的に酸化して酸化タングステンになるが、本発明においては、金属タングステンであっても良く、酸化タングステンであっても良い。モリブデンも同様であり、金属モリブデン、酸化モリブデンのいずれであっても良い。又、本発明においては、タングステン、モリブデン、これらの酸化物の単体を用いても良く、これらを適宜組み合わせて混合使用することも可能である。
【0014】
タングステン、モリブデン、これらの酸化物からなる粉体の粒径は、塗膜形成時における放射線遮蔽力、後述するバインダへの分散性や安定性等を考慮し、0.5〜50μm範囲内で適宜設定される。粒径が0.5μm未満の場合には、放射線遮蔽力が小さく実用に適さない。粒径が50μmを越えると、分散性が低下して製造時における攪拌に支障となると共にバインダ中で沈殿して固まり易く塗料の塗布や散布が難しくなる。
【0015】
本発明におけるタングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の粉体には、これらをコーティングした粉体を含むものである。コーティングは後述するバインダを用い、バインダの皮膜を粉体粒子の外面に付着させた構造とするものである。すなわちバインダとして用いる樹脂としての水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂を粉体にコーティングするものである。このようなバインダの皮膜をコーティングすることにより、粉体がバインダとなじみ易くなり、バインダに対する分散性が向上する。又、粉体自体に安定性が付与されるため、経時的な劣化、変質を抑制することができる。この場合、バインダ皮膜をコーティングした場合における粉体の粒径は、上述した範囲内であることが好ましい。
【0016】
粉体へのバインダのコーティングは、バインダ中に粉体を混入し、加温してバインダの粘度を低下させた状態で攪拌し、冷却することにより行う。そして、得られた固形物を粉砕し、バインダ皮膜がコーティングされた固形物と、バインダだけの固形物とを分離することにより行うことができる。
【0017】
分散剤としては、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸を用いる。アミノ酸としては、ポリグルタミン酸、長鎖型アミノ酸のいずれか又は複数を用いることができる。ポリグルタミン酸はグルタミン酸を高分子化することによりハニカム構造となっており、長鎖型アミノ酸は化学反応によってハニカム構造としたものが用いられる。長鎖型アミノ酸としては、L―バリン、L−フェニルアラニン、L―リシン酸、L−メチオニン、L−アスパラギン酸、L−イソロイシン、L−アラニン、L−アルギニン、L−グルタミン酸とL−リジンとの複合体、L−セリンの内の一又は複数を用いることができる。
【0018】
ハニカム構造のアミノ酸は、予め水と接触させて膨潤した状態で用いる。膨潤したハニカム構造のアミノ酸は、上述した放射線遮蔽力を有する粉体をハニカム構造の内部に取り込んだり、吸着力により吸着する。これにより粉体がバインダの内部で偏って固まることがなく、均等に分散させることができる。そして、粉体が均等に分散することにより、放射線遮蔽力を均等に有した塗膜を形成することができる。これらのアミノ酸の水に対する膨潤は、水1重量部に対し、0.01〜10.0重量部、好ましくは0.01〜1.0重量部程度を混合することにより可能である。又、水によって膨潤したこれらのアミノ酸の塗料全体に対する配合比は、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5.0重量部の範囲で適宜選定される。
【0019】
この場合、ハニカム構造のアミノ酸の膨潤は、有機溶剤と接触させることによっても可能であるが、本発明においては有機溶剤ではなく、水を用いて膨潤させるものである。塗料中に有機溶剤が残留することにより、健康障害の原因となることを防止するためである。
【0020】
バインダとしては、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかを用いる。本発明に用いるバインダは、水の蒸発によって重合するエマルジョンか、それ自体が水溶性である樹脂であり、有機溶剤を含んでいないものである。有機溶剤が塗料中に残存することにより健康障害の原因となるため、これを防止するためである。
【0021】
水の蒸発によって重合するエマルジョンとしては、メタアクリル酸/エステルエマルジョン、ウレタン/エステルエマルジョン、アクリル酸/アクリルエマルジョン、アクリル酸/酢酸ビニルエマルジョン、アクリル酸/スチレンエマルジョン、エポキシ/エステルエマルジョン又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれかを選択できる。又、これらのエマルジョンの混合であっても良い。エマルジョンとして、メタアクリル酸/エステルエマルジョンを用いる場合の配合比は、塗料に対して10〜90重量部の範囲で適宜選択することができる。他のエマルジョンにおいても、メタアクリル酸/エステルエマルジョンと同様な配合比の範囲内で適宜配合することができる。
【0022】
バインダに用いる水溶性樹脂としては、水溶性アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル又はポリビニルアルコール(例えば、商品名「ポバール」:クラレ(社)製)のいずれかを用いることができる。又、これらの混合であっても良い。水溶性樹脂として水溶性アクリルを用いる場合の配合比は、20〜80重量部の範囲で適宜選択することができる。他の水溶性樹脂においても、水溶性アクリルと同様な配合比の範囲内で適宜配合することができる。
【0023】
水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂からなるバインダは、水を必須として含有するため、粘度が比較的に低い特性を有している。粘度が低いことから混合操作がし易く、混合の作業性が向上する。
【0024】
水溶性樹脂を塗料のバインダとして用いた場合、塗料全体の粘度をある程度、高くすることが可能である。このため、水溶性樹脂を用いた場合には、厚膜塗装が容易であり、スクリーン印刷も容易となり、さらには放射線遮蔽力の粉体を多く配合することができる。しかも、水による希釈が可能のため、塗料の粘度調整や濃度調整ができ、使用性が向上する。一方、水の蒸発によって重合するエマルジョンをバインダに用いた場合、水溶性樹脂の場合よりも低粘度とすることができ、薄膜塗装、浸透塗装が容易となる。又、塗膜の乾燥が早くなるため、短時間での施工が可能となる。さらに乾燥皮膜が柔軟性を有しているため、耐摩擦性を有した塗膜とすることができる。
【0025】
本発明の放射線遮蔽塗料の製造は、次のようにして行うことができる。先ず、バインダ及び分散剤を回転数1000〜2000rpmの高速で攪拌して混合する。そして、この混合液中にタングステン、モリブデン、これらの酸化物からなる粉体又はバインダによってコーティングされたこれらの粉体を投入し、回転数300〜600rpmの低速で攪拌する。この攪拌においては、分散剤によって粉体が均等に分散されるため、粉体がバインダ中に均一に混合される。
【0026】
本発明においては、以上の粉体、分散剤、バインダに加えて、ベンガラ、クロムイエロー、チタン白やレーキ顔料等の他の顔料や、酸化ケイ素等の多孔質の無機粉体、その他の材料を添加することが可能である。放射線遮蔽力を有する粉体としてモリブデンを用いる場合、顔料を添加することにより任意の着色塗料とすることができる。又、多孔質の無機粉体を添加することにより分散性が良好となる。
【0027】
以上の本発明の放射線遮蔽塗料は、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤を用いることにより、放射線遮蔽力を有した粉体が均一且つ良好に塗料内に分散する。又、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかをバインダとして用いるため、バインダと分散剤とが共に水酸基を有しており、これらのなじみが良好となり、バインダと分散剤とが良好に混合される。そして、この混合物中に放射線遮蔽力を有した粉体が混合されるため、放射線遮蔽力を有した粉体の塗料内への配合比を多くすることができる。これにより放射線遮蔽力を有した粉体を5〜70重量部の広範囲の配合比で配合できるのに加え、50重量部以上の大量の配合比で配合することができる。これにより放射線の種類や放射線量に対応した放射線遮蔽が可能で、しかも強力な放射線遮蔽力を有した塗料とすることができる。
【0028】
又、バインダとして、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂を用いるため、塗膜形成に良好な粘度の塗料とすることができる。このため、放射線遮蔽力を十分に保持した塗膜を容易に形成することができる。さらに、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂からなるバインダに加え、分散剤として水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸を用いるため、これらがバインダ及び分散剤が水系材料であり、有機溶剤を用いることがない。このため、塗料の製造や塗膜の形成の際に健康障害の原因となったり、皮膜中の有機溶剤の残留による健康障害の原因となることがない。さらには有機溶剤を用いないため、輸送や保管の安全性を容易に確保することができる。
【0029】
本発明の放射線遮蔽塗料は、建造物の外壁や内壁に塗布したり、被塗装物の片面や両面に塗布した後、水分を蒸発させて塗膜とする。塗布手段としては、刷毛塗り、ジェット吹き付け、スクリーン印刷等、対象物に応じて適宜変更することができる。この場合、必要な放射線遮蔽力を備えたものとするため、塗料の濃度を調整したり、重ね塗布を行う。
【0030】
本発明の放射線遮蔽塗料は放射線汚染土壌に適用することができる。放射線汚染土壌に対しては、処理する汚染土壌の深さ、範囲や汚染レベルを確認し、これに基づいて汚染土壌に対する散布量を計算して汚染土壌に対する塗料の散布を行う。塗料の散布は必要に応じて複数繰り返すことができる。この散布により汚染土壌の上に塗料の塗膜を形成し、塗料が乾燥するまで放置する。乾燥の後、汚染土壌を除去し、汚染されていない土壌で被覆する。
【実施例】
【0031】
分散剤としてハニカム構造のポリグルタミン酸0.08重量%と、バインダとして水溶性アクリル59.92重量%とを混合し、常温下、回転数1200rpmで攪拌して混合し、この混合液中に、1〜5μmの範囲の粒径のタングステン粉体40重量%を投入し、常温下、回転数400rpmで攪拌し、十分に混合することにより、この実施例の放射線遮蔽塗料を作製した。そして、作製した塗料を用いてX線の遮蔽力を測定した、
【0032】
測定は、離型紙が貼り付けられているPETフィルムに塗料を表1及び2に示す膜厚となるように印刷塗布して乾燥したサンプルを用い、このサンプルに対してX線を照射し、サンプルを透過したX線の透過線量を計測して行った。測定に際し、離型紙が貼り付けられ、塗料が塗布されていないPETフィルムをブランクサンプルとした。又、測定にあっては、サンプルを重ね合わせることにより塗料の塗膜の厚さを変更した。
【0033】
表1はX線を100KV、12.5mAによって加速電圧し、0.25mm厚のCuフィルタを透過させた後、サンプルに照射した結果を示す。表2はX線を200KV、10.0mAによって加速電圧し、2.50mm厚のCuフィルタを透過させた後、サンプルに照射した結果を示す。
【0034】
表1及び2に示すように、この実施例の塗料は良好なX線の遮蔽力を有している。又、塗膜が厚くなるにつれてX線の遮蔽力が増大している。従って、遮蔽すべき放射線の種類、量、強さ等に応じて塗膜の厚さを調整することにより放射線に合わせた遮蔽を行うことができる。この実施例では、40重量%のタングステン粉体を含有した塗料によるX線遮蔽力を測定したが、タングステン粉体の含有量を増加させることにより、さらに強力な遮蔽力の塗料とすることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルファ線(α線)、ベータ線(β線)、ガンマ線(γ線)等に代表される放射線を遮蔽してその透過を抑制する放射線遮蔽塗料に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛やタングステン等の金属が放射線の遮蔽力を有していることは公知であり、放射線の遮蔽が必要な領域に従前より用いられている。これらの金属は板状に成形されて建造物の遮蔽領域に立て掛けられたり、敷き詰められるように配置される。或いは粉体の形態で樹脂中に混練され、この混練樹脂を建造物の床面や天井面、或いは壁面等に塗ることによって遮蔽領域をカバーするように配置されている。この場合、後者の方が取り扱い性が容易であることから多用されている。
【0003】
一方、特許文献1には、酸化タングステン等のタングステン化合物を顔料として電着塗料中に配合することにより有害な鉛を用いることなく防錆力を有した電着膜を形成できることが記載されている。この特許文献1の記載からタングステン粉末をビヒクルに混合することにより一般の塗料を作製できることが示唆される。従って、タングステン粉末をビヒクルに配合することにより放射線遮蔽塗料を製造することは可能であり、これにより鉛を不要とした放射線遮蔽塗料を作製することができる。
【0004】
タングステン粉体を用いた放射線遮蔽塗料においては、タングステン粉体のビヒクル内での安定した分散性及びタングステン粉体の安定性を確保する必要があり、このため油性樹脂をビヒクルとして用いる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−220371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビヒクルを油性樹脂として用いた放射線遮蔽塗料においては、塗料自体の粘度が必要以上に高くなるため、放射線の遮蔽に適した塗膜を形成することが難しい問題がある。又、安定的な分散が可能となるように油性樹脂に対して混合できるタングステン粉体の量が少なく、十分な放射線遮蔽力を保持した塗膜を形成することが難しいものとなる。さらに、油性樹脂をビヒクルとする場合には、溶媒として有機溶剤を用いる必要があるため、塗料の製造や塗膜の形成の際に健康障害の原因となったり、皮膜中の有機溶剤の残留による健康障害の原因となる問題がある。さらには有機溶剤を用いるため、輸送や保管の安全性を確保することが難しいものとなる。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、放射線遮蔽のためにタングステン粉体等を用いる塗料において、ビヒクルとして油性樹脂を用いる必要がなく、油性樹脂に起因した上述の問題点を解消することが可能な放射線遮蔽塗料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の放射線遮蔽塗料は、タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体であることを特徴とする。
【0009】
この場合、前記粉体は、前記バインダによってコーティングされていることが好ましい。
又、前記水の蒸発によって重合したエマルジョンは、メタアクリル酸/エステルエマルジョン、ウレタン/エステルエマルジョン、アクリル酸/アクリルエマルジョン、アクリル酸/酢酸ビニルエマルジョン、アクリル酸/スチレンエマルジョン、エポキシ/エステルエマルジョン又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれか又はその混合であることが好ましい。
又、前記水溶性樹脂は、水溶性アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル又はポリビニルアルコールのいずれか又はその混合であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤を用いるため、放射線遮蔽力を有した粉体が均一且つ良好に分散した状態となる。又、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかをバインダとして用い、分散剤及びバインダが共に水系材料であるため、バインダと分散剤とが良好に混合され、この混合物中に放射線遮蔽力を有した粉体が混合される。このため、放射線遮蔽力を有した粉体の塗料内への配合比を多くすることができ、強力な放射線遮蔽力を有した塗料とすることができる。
【0011】
又、バインダとして、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂を用いるため、塗膜形成に良好な粘度の塗料とすることができ、放射線遮蔽力を十分に保持した塗膜を容易に形成することができる。さらに、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂からなるバインダに加え、分散剤として水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸を用いるため、バインダ及び分散剤が水系材料であり、有機溶剤を用いることがない。このため、塗料の製造や塗膜の形成の際に健康障害の原因となったり、皮膜中の有機溶剤の残留による健康障害の原因となることがない。さらには有機溶剤を用いないため、輸送や保管の安全性を容易に確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の放射線遮蔽塗料は、タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体によって形成される。
【0013】
本発明の放射線遮蔽塗料に用いられる粉体は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)又はこれらの酸化物である。これらの金属又はその酸化物は、ガンマ線、ベータ線、アルファ線等の放射線の遮蔽力を有している。鉛やマンガン或いはこれらの酸化物も放射線遮蔽力を有しているが、これらの金属は健康阻害の原因となるため、本発明の放射線遮蔽塗料から除外するものである。タングステンは環境湿度によって経時的に酸化して酸化タングステンになるが、本発明においては、金属タングステンであっても良く、酸化タングステンであっても良い。モリブデンも同様であり、金属モリブデン、酸化モリブデンのいずれであっても良い。又、本発明においては、タングステン、モリブデン、これらの酸化物の単体を用いても良く、これらを適宜組み合わせて混合使用することも可能である。
【0014】
タングステン、モリブデン、これらの酸化物からなる粉体の粒径は、塗膜形成時における放射線遮蔽力、後述するバインダへの分散性や安定性等を考慮し、0.5〜50μm範囲内で適宜設定される。粒径が0.5μm未満の場合には、放射線遮蔽力が小さく実用に適さない。粒径が50μmを越えると、分散性が低下して製造時における攪拌に支障となると共にバインダ中で沈殿して固まり易く塗料の塗布や散布が難しくなる。
【0015】
本発明におけるタングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の粉体には、これらをコーティングした粉体を含むものである。コーティングは後述するバインダを用い、バインダの皮膜を粉体粒子の外面に付着させた構造とするものである。すなわちバインダとして用いる樹脂としての水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂を粉体にコーティングするものである。このようなバインダの皮膜をコーティングすることにより、粉体がバインダとなじみ易くなり、バインダに対する分散性が向上する。又、粉体自体に安定性が付与されるため、経時的な劣化、変質を抑制することができる。この場合、バインダ皮膜をコーティングした場合における粉体の粒径は、上述した範囲内であることが好ましい。
【0016】
粉体へのバインダのコーティングは、バインダ中に粉体を混入し、加温してバインダの粘度を低下させた状態で攪拌し、冷却することにより行う。そして、得られた固形物を粉砕し、バインダ皮膜がコーティングされた固形物と、バインダだけの固形物とを分離することにより行うことができる。
【0017】
分散剤としては、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸を用いる。アミノ酸としては、ポリグルタミン酸、長鎖型アミノ酸のいずれか又は複数を用いることができる。ポリグルタミン酸はグルタミン酸を高分子化することによりハニカム構造となっており、長鎖型アミノ酸は化学反応によってハニカム構造としたものが用いられる。長鎖型アミノ酸としては、L―バリン、L−フェニルアラニン、L―リシン酸、L−メチオニン、L−アスパラギン酸、L−イソロイシン、L−アラニン、L−アルギニン、L−グルタミン酸とL−リジンとの複合体、L−セリンの内の一又は複数を用いることができる。
【0018】
ハニカム構造のアミノ酸は、予め水と接触させて膨潤した状態で用いる。膨潤したハニカム構造のアミノ酸は、上述した放射線遮蔽力を有する粉体をハニカム構造の内部に取り込んだり、吸着力により吸着する。これにより粉体がバインダの内部で偏って固まることがなく、均等に分散させることができる。そして、粉体が均等に分散することにより、放射線遮蔽力を均等に有した塗膜を形成することができる。これらのアミノ酸の水に対する膨潤は、水1重量部に対し、0.01〜10.0重量部、好ましくは0.01〜1.0重量部程度を混合することにより可能である。又、水によって膨潤したこれらのアミノ酸の塗料全体に対する配合比は、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5.0重量部の範囲で適宜選定される。
【0019】
この場合、ハニカム構造のアミノ酸の膨潤は、有機溶剤と接触させることによっても可能であるが、本発明においては有機溶剤ではなく、水を用いて膨潤させるものである。塗料中に有機溶剤が残留することにより、健康障害の原因となることを防止するためである。
【0020】
バインダとしては、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかを用いる。本発明に用いるバインダは、水の蒸発によって重合するエマルジョンか、それ自体が水溶性である樹脂であり、有機溶剤を含んでいないものである。有機溶剤が塗料中に残存することにより健康障害の原因となるため、これを防止するためである。
【0021】
水の蒸発によって重合するエマルジョンとしては、メタアクリル酸/エステルエマルジョン、ウレタン/エステルエマルジョン、アクリル酸/アクリルエマルジョン、アクリル酸/酢酸ビニルエマルジョン、アクリル酸/スチレンエマルジョン、エポキシ/エステルエマルジョン又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれかを選択できる。又、これらのエマルジョンの混合であっても良い。エマルジョンとして、メタアクリル酸/エステルエマルジョンを用いる場合の配合比は、塗料に対して10〜90重量部の範囲で適宜選択することができる。他のエマルジョンにおいても、メタアクリル酸/エステルエマルジョンと同様な配合比の範囲内で適宜配合することができる。
【0022】
バインダに用いる水溶性樹脂としては、水溶性アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル又はポリビニルアルコール(例えば、商品名「ポバール」:クラレ(社)製)のいずれかを用いることができる。又、これらの混合であっても良い。水溶性樹脂として水溶性アクリルを用いる場合の配合比は、20〜80重量部の範囲で適宜選択することができる。他の水溶性樹脂においても、水溶性アクリルと同様な配合比の範囲内で適宜配合することができる。
【0023】
水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂からなるバインダは、水を必須として含有するため、粘度が比較的に低い特性を有している。粘度が低いことから混合操作がし易く、混合の作業性が向上する。
【0024】
水溶性樹脂を塗料のバインダとして用いた場合、塗料全体の粘度をある程度、高くすることが可能である。このため、水溶性樹脂を用いた場合には、厚膜塗装が容易であり、スクリーン印刷も容易となり、さらには放射線遮蔽力の粉体を多く配合することができる。しかも、水による希釈が可能のため、塗料の粘度調整や濃度調整ができ、使用性が向上する。一方、水の蒸発によって重合するエマルジョンをバインダに用いた場合、水溶性樹脂の場合よりも低粘度とすることができ、薄膜塗装、浸透塗装が容易となる。又、塗膜の乾燥が早くなるため、短時間での施工が可能となる。さらに乾燥皮膜が柔軟性を有しているため、耐摩擦性を有した塗膜とすることができる。
【0025】
本発明の放射線遮蔽塗料の製造は、次のようにして行うことができる。先ず、バインダ及び分散剤を回転数1000〜2000rpmの高速で攪拌して混合する。そして、この混合液中にタングステン、モリブデン、これらの酸化物からなる粉体又はバインダによってコーティングされたこれらの粉体を投入し、回転数300〜600rpmの低速で攪拌する。この攪拌においては、分散剤によって粉体が均等に分散されるため、粉体がバインダ中に均一に混合される。
【0026】
本発明においては、以上の粉体、分散剤、バインダに加えて、ベンガラ、クロムイエロー、チタン白やレーキ顔料等の他の顔料や、酸化ケイ素等の多孔質の無機粉体、その他の材料を添加することが可能である。放射線遮蔽力を有する粉体としてモリブデンを用いる場合、顔料を添加することにより任意の着色塗料とすることができる。又、多孔質の無機粉体を添加することにより分散性が良好となる。
【0027】
以上の本発明の放射線遮蔽塗料は、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤を用いることにより、放射線遮蔽力を有した粉体が均一且つ良好に塗料内に分散する。又、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかをバインダとして用いるため、バインダと分散剤とが共に水酸基を有しており、これらのなじみが良好となり、バインダと分散剤とが良好に混合される。そして、この混合物中に放射線遮蔽力を有した粉体が混合されるため、放射線遮蔽力を有した粉体の塗料内への配合比を多くすることができる。これにより放射線遮蔽力を有した粉体を5〜70重量部の広範囲の配合比で配合できるのに加え、50重量部以上の大量の配合比で配合することができる。これにより放射線の種類や放射線量に対応した放射線遮蔽が可能で、しかも強力な放射線遮蔽力を有した塗料とすることができる。
【0028】
又、バインダとして、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂を用いるため、塗膜形成に良好な粘度の塗料とすることができる。このため、放射線遮蔽力を十分に保持した塗膜を容易に形成することができる。さらに、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂からなるバインダに加え、分散剤として水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸を用いるため、これらがバインダ及び分散剤が水系材料であり、有機溶剤を用いることがない。このため、塗料の製造や塗膜の形成の際に健康障害の原因となったり、皮膜中の有機溶剤の残留による健康障害の原因となることがない。さらには有機溶剤を用いないため、輸送や保管の安全性を容易に確保することができる。
【0029】
本発明の放射線遮蔽塗料は、建造物の外壁や内壁に塗布したり、被塗装物の片面や両面に塗布した後、水分を蒸発させて塗膜とする。塗布手段としては、刷毛塗り、ジェット吹き付け、スクリーン印刷等、対象物に応じて適宜変更することができる。この場合、必要な放射線遮蔽力を備えたものとするため、塗料の濃度を調整したり、重ね塗布を行う。
【0030】
本発明の放射線遮蔽塗料は放射線汚染土壌に適用することができる。放射線汚染土壌に対しては、処理する汚染土壌の深さ、範囲や汚染レベルを確認し、これに基づいて汚染土壌に対する散布量を計算して汚染土壌に対する塗料の散布を行う。塗料の散布は必要に応じて複数繰り返すことができる。この散布により汚染土壌の上に塗料の塗膜を形成し、塗料が乾燥するまで放置する。乾燥の後、汚染土壌を除去し、汚染されていない土壌で被覆する。
【実施例】
【0031】
分散剤としてハニカム構造のポリグルタミン酸0.08重量%と、バインダとして水溶性アクリル59.92重量%とを混合し、常温下、回転数1200rpmで攪拌して混合し、この混合液中に、1〜5μmの範囲の粒径のタングステン粉体40重量%を投入し、常温下、回転数400rpmで攪拌し、十分に混合することにより、この実施例の放射線遮蔽塗料を作製した。そして、作製した塗料を用いてX線の遮蔽力を測定した、
【0032】
測定は、離型紙が貼り付けられているPETフィルムに塗料を表1及び2に示す膜厚となるように印刷塗布して乾燥したサンプルを用い、このサンプルに対してX線を照射し、サンプルを透過したX線の透過線量を計測して行った。測定に際し、離型紙が貼り付けられ、塗料が塗布されていないPETフィルムをブランクサンプルとした。又、測定にあっては、サンプルを重ね合わせることにより塗料の塗膜の厚さを変更した。
【0033】
表1はX線を100KV、12.5mAによって加速電圧し、0.25mm厚のCuフィルタを透過させた後、サンプルに照射した結果を示す。表2はX線を200KV、10.0mAによって加速電圧し、2.50mm厚のCuフィルタを透過させた後、サンプルに照射した結果を示す。
【0034】
表1及び2に示すように、この実施例の塗料は良好なX線の遮蔽力を有している。又、塗膜が厚くなるにつれてX線の遮蔽力が増大している。従って、遮蔽すべき放射線の種類、量、強さ等に応じて塗膜の厚さを調整することにより放射線に合わせた遮蔽を行うことができる。この実施例では、40重量%のタングステン粉体を含有した塗料によるX線遮蔽力を測定したが、タングステン粉体の含有量を増加させることにより、さらに強力な遮蔽力の塗料とすることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体であることを特徴とする放射線遮蔽塗料。
【請求項2】
前記粉体は、前記バインダによってコーティングされていることを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽塗料。
【請求項3】
前記水の蒸発によって重合したエマルジョンは、メタアクリル酸/エステルエマルジョン、ウレタン/エステルエマルジョン、アクリル酸/アクリルエマルジョン、アクリル酸/酢酸ビニルエマルジョン、アクリル酸/スチレンエマルジョン、エポキシ/エステルエマルジョン又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれか又はその混合であることを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽塗料。
【請求項4】
前記水溶性樹脂は、水溶性アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル又はポリビニルアルコールのいずれか又はその混合であることを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽塗料。
【請求項1】
タングステン、モリブデン又はこれらの酸化物の内の少なくとも1種を主体とした粉体と、水によって膨潤したハニカム構造のアミノ酸からなる分散剤と、水の蒸発によって重合したエマルジョン又は水溶性樹脂のいずれかからなるバインダとの混合体であることを特徴とする放射線遮蔽塗料。
【請求項2】
前記粉体は、前記バインダによってコーティングされていることを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽塗料。
【請求項3】
前記水の蒸発によって重合したエマルジョンは、メタアクリル酸/エステルエマルジョン、ウレタン/エステルエマルジョン、アクリル酸/アクリルエマルジョン、アクリル酸/酢酸ビニルエマルジョン、アクリル酸/スチレンエマルジョン、エポキシ/エステルエマルジョン又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれか又はその混合であることを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽塗料。
【請求項4】
前記水溶性樹脂は、水溶性アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル又はポリビニルアルコールのいずれか又はその混合であることを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽塗料。
【公開番号】特開2013−6988(P2013−6988A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141544(P2011−141544)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(593043967)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(593043967)
【Fターム(参考)】
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