説明

放射線遮蔽構造体及び放射線遮蔽構造体の施工方法

【課題】放射線遮蔽効果が向上するとともに、遮蔽体を筒体内に効率よく充填できる放射線遮蔽構造体及び放射線遮蔽構造体の施工方法を提供する。
【解決手段】本発明の放射線遮蔽構造体10の施工方法は、まず、スリーブ12内の6本の既設の配管14、14…を避けて第1の仕切り体28を、スリーブ14の入口端12Aから出口端12B側に押し込んで設置する。次に、第1の仕切り体28の手前に鉛毛遮蔽体22を詰め込み、その鉛毛遮蔽体22の手前に第2の仕切り体30を押し込んで設置する。次いで、第2の仕切り体30の手前に固形遮蔽材24、24…を詰め込む。そして、スリーブ12の入口端12Aを蓋88によって閉塞した後、蓋88と第2の仕切り体30との間の隙間に液体遮蔽剤26を注入して硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線遮蔽構造体及び放射線遮蔽構造体の施工方法に係り、特に配管を貫通配置するために開口された原子力プラント構造体の貫通孔に備えられる放射線遮蔽構造体及び放射線遮蔽構造体の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の原子炉格納容器の壁は、厚さが約2mのコンクリートによって構築されており、前記壁の貫通孔には複数本の配管が貫通して配設されている。また、原子炉格納容器内の放射性物質が前記貫通孔を介して外部に漏出しないように、前記貫通孔には放射線を遮蔽する遮蔽材が備えられている。
【0003】
特許文献1には、壁の貫通孔にスリーブを嵌め込み、スリーブと配管との間の隙間に鉛毛遮蔽体を充填し、この後、スリーブの両端位置でフランジ状鋼板を配管等に溶接固定する放射線遮蔽構造体の施工方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献1には、スリーブとそれを貫通する配管との間隙にモルタルを充填して放射線を遮蔽するモルタル充填工法が開示されている。モルタル充填工法は、スリーブの両端部と配管の外周面との間の隙間を閉鎖体で閉鎖し、一方の閉鎖体を貫通してモルタル配管と空気抜き管とを挿入し、モルタル配管からモルタルを前記隙間に充填するとともに前記間隙に存在する空気を前記空気抜き管から外部に排出する工法である。
【0005】
一方、特許文献2には、原子炉設備に設置された配管を修理交換したり撤去したりする際に、前記配管内に流動性遮蔽材を充填して、前記配管内の放射線を遮蔽する遮蔽方法が開示されている。特許文献2は、特許文献1のような壁の貫通孔を遮蔽する遮蔽技術ではなく、配管内に流動性遮蔽材を単に充填する遮蔽技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−181981号公報
【特許文献2】特開2001−4794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、ガンマ線に対して好適な鉛毛遮蔽体が充填された放射線遮蔽構造体と、中性子線に対して好適なコンクリートが充填された放射線遮蔽構造体とが開示されているが、ガンマ線及び中性子線の双方に対して好適な放射線遮蔽構造体は開示されていない。鉛毛遮蔽体とコンクリートとを混合した混合遮蔽体とすることにより、前記双方に対して好適な放射線遮蔽構造体を提供できるが、前記混合遮蔽体をスリーブに隙間なく充填することは困難であった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配管が配設されている筒体内の放射線遮蔽技術において、放射線遮蔽効果が向上する放射線遮蔽構造体、及び遮蔽体を筒体内に効率よく充填することができる放射線遮蔽構造体の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために、筒体と該筒体に挿通された配管との間の隙間を遮蔽する放射線遮蔽構造体において、前記筒体の前記隙間に、鉛毛遮蔽体からなる第1の遮蔽体と、固形遮蔽材及び硬化した液体遮蔽剤からなる第2の遮蔽体とが仕切り部材を介して充填されてなることを特徴とする放射線遮蔽構造体を提供する。
【0010】
本発明によれば、主としてガンマ線を遮蔽する鉛毛遮蔽体と、主として中性子線を遮蔽する固形遮蔽材及び液体遮蔽剤とを混合することなく、仕切り部材を介して各々別個に充填したので、鉛毛遮蔽体と、固形遮蔽材及び液体遮蔽剤とを筒体内に確実に充填できる。これによって、放射線の遮蔽効果が向上する。
【0011】
本発明の前記仕切り部材は、前記筒体に挿通されて該筒体の出口端側に配置されるとともに前記配管を挿通させる孔が備えられ、前記筒体の内周面に外周面が嵌合される第1の仕切り体と、前記筒体に挿通されて該筒体の入口端側に配置されるとともに前記配管が挿通する孔が備えられ、前記筒体の内周面に外周面が嵌合される第2の仕切り体と、を備え、前記第1の仕切り体と前記第2の仕切り体との間の隙間に前記第1の遮蔽体が充填され、前記第2の仕切り体と前記筒体の入口端との間の隙間に前記第2の遮蔽体が充填されることが好ましい。本発明によれば、第1の遮蔽体と第2の遮蔽体とを確実に仕切って筒体内に充填することができる。
【0012】
本発明の前記第1の仕切り体と前記第2の仕切り体とは、前記配管を該配管の軸方向に対して直交する方向から挟持するように分割されるとともに前記配管を逃がすための切欠き状長孔が備えられた第1の板状体と、前記配管を該配管の軸方向に対して直交する方向から挟持するように分割されるとともに前記配管を逃がすための切欠き状長孔が備えられた第2の板状体と、前記第1の板状体と前記第2の板状体とによって挟持され、前記配管を該配管の軸方向に対して直交する方向から挟持するように分割されるとともに前記配管を逃がすための切欠き状長孔が備えられ、前記筒体の内壁面に弾性を持って嵌合される嵌合体と、を備えたことが好ましい。本発明によれば、筒体に配設されている既設配管に第1の仕切り体と第2の仕切り体とを容易に装着できる。
【0013】
本発明によれば、前記嵌合体を挟持した前記第1の板状体と前記第2の板状体とを挟持する、第1の挟持体と第2の挟持体とを備えたことが好ましい。本発明によれば、第1の板状体と第2の板状体とによって嵌合体を確実に挟持することができる。
【0014】
本発明の前記筒体は、原子炉格納容器の壁に備えられた貫通孔に設けられるスリーブであることが好ましい。
【0015】
本発明は、前記目的を達成するために、筒体と該筒体に挿通された配管との間の隙間を遮蔽する放射線遮蔽構造体の施工方法において、前記筒体の入口側から出口側に向けて第1の仕切り体を挿入する第1の工程と、前記筒体の入口側から前記第1の板状体に向けて鉛毛遮蔽体を詰め込む第2の工程と、前記筒体の入口側から前記鉛毛遮蔽体に向けて第2の仕切り体を挿入する第3の工程と、前記筒体の入口側から前記第2の仕切り体に向けて固形遮蔽材を詰め込む第4の工程と、前記筒体の入口を蓋体によって閉塞する第5の工程と、前記蓋体の注入口から前記筒体内に液体遮蔽剤を注入しながら前記蓋体の空気抜き孔から前記筒体内の空気を抜くことによって前記筒体内に前記液体遮蔽剤を充填する第6の工程と、前記液体遮蔽剤の硬化後に前記蓋体を前記筒体から取り外す第7の工程と、を有することを特徴とする放射線遮蔽構造体の施工方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、第1の遮蔽体と第2の遮蔽体とを筒体内に効率よく充填することができる。
【0017】
本発明は、前記第1の工程において、前記第1の仕切り体は、第1の押込部材を介して前記筒体内に挿入され、前記第1の押込部材は、前記第2の工程において、前記筒体の入口側で固定されるとともに前記鉛毛遮蔽体の充填後に、前記第1の仕切り体及び前記筒体から取り外されることが好ましい。本発明によれば、第1の遮蔽体の充填時における、第1の仕切り体の位置を保持することができる。また、本発明によれば、第1の押込部材は取り外されるので、第3の工程で行われる第2の仕切り体の挿入時に第1の押込部材が邪魔になることはない。
【0018】
本発明は、前記第3の工程において、前記第2の仕切り体は、第2の押込部材を介して前記筒体内に挿入され、前記第2の押込部材は、前記第4の工程において、前記筒体の入口側で固定されることが好ましい。本発明によれば、固形遮蔽材と液体遮蔽剤の充填時において、第2の仕切り体の位置を保持することができる。
【0019】
本発明は、前記第4の工程において、前記第2の仕切り体の配管挿通孔と前記配管との間の隙間がシール材によって封止されることが好ましい。本発明によれば、液体遮蔽剤が第2の仕切り体の前記隙間から鉛毛遮蔽体の充填区域に漏出することを防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の放射線遮蔽構造体及び放射線遮蔽構造体の施工方法によれば、放射線遮蔽効果が向上するとともに、遮蔽体を筒体内に効率よく充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態の放射線遮蔽構造体の断面図
【図2】第1及び第2の仕切り体の斜視図
【図3】第1の仕切り体の組み立て斜視図
【図4】第2の仕切り体の組み立て斜視図
【図5】第1の仕切り体と鉛毛遮蔽体が配置されたスリーブの断面図
【図6】第2の仕切り体と固形遮蔽材が配置されたスリーブの断面図
【図7】スリーブの入口端を閉塞する蓋の正面図
【図8】空気抜き管が挿入されたスリーブの断面図
【図9】液体遮蔽剤の注入管が挿入されたスリーブの断面図
【図10】液体遮蔽剤注入完了後のスリーブの断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に従って本発明に係る放射線遮蔽構造体及び放射線遮蔽構造体の施工方法の好ましい実施の形態について説明する。
【0023】
なお、以下に説明する実施の形態は、原子炉格納容器の壁の貫通孔に嵌め込まれたサイズ300A(配管用炭素綱鋼管の寸法:JIS G 3452−73参照)、長さ約2300mmのスリーブ(筒体)に、サイズ20Aの6本の配管が貫通して配設されている構造を基に説明する。すなわち、本発明の放射線遮蔽構造体は、スリーブとスリーブ内に既設されている配管との間の隙間に施工される遮蔽構造体である。また、スリーブのサイズは上記サイズに限定されるものではなく、配管のサイズ、本数も上記サイズ、本数に限定されるものではない。更に、スリーブの形状は、円筒体であっても角筒体であってもよい。更にまた、前記貫通孔は、原子炉格納容器の壁に開口された貫通孔に限定されるものではなく、放射線を遮蔽する原子力プラント構造体の壁に開口された貫通孔であればよい。
【0024】
図1は、実施の形態の放射線遮蔽構造体10の完成品の断面図である。
【0025】
同図に示す放射線遮蔽構造体10は、円筒状のスリーブ12とスリーブ12内に所定の間隔を持って挿通された6本の配管14、14…との間の隙間に備えられており、第1の遮蔽体16と第2の遮蔽体18とが板状の仕切り部材20を介して充填されて構成される。第1の遮蔽体16は、ガンマ線を主として遮蔽する鉛毛遮蔽体22からなり、第2の遮蔽体は、中性子線を主として遮蔽する複数本の固形遮蔽材24と硬化した液体遮蔽剤26とからなる。
【0026】
なお、実施の形態では、図におけるスリーブ12の左端をスリーブ12の入口端12Aと定義し、スリーブ12の右端をスリーブ12の出口端12Bと定義する。また、スリーブ12は、水平軸Lに対して右上がり方向に所定角度θ(0.5°以上)傾斜して原子炉格納容器の壁の貫通孔に設置されている。スリーブ12を傾斜して設置する理由は、液体遮蔽剤26の注入時における空気抜き作業を確実に実施するためである。また、液体遮蔽剤26は、鉛成分を有する主剤と硬化剤とが混合された比重約3.2の二液混合体である。
【0027】
仕切り部材20は、円盤状に構成された第1の仕切り体28と第2の仕切り体30とからなる。
【0028】
第1の仕切り体28は、スリーブ12の入口端12Aから出口端12Bに向けて挿通されてスリーブ12の中央から入口端12A側に配置される。また、図2の如く第1の仕切り体28の表面には、6本の配管14、14…を挿通させる6個の長孔32、32…が備えられている。これらの長孔32、32…は、第1の仕切り体28が所定の位置まで挿入されると、半硬化した液体遮蔽剤33によって閉塞される。また、第1の仕切り体28の外周面がスリーブ12の内周面に嵌合されており、それらの境界部に存在する隙間が半硬化した液体遮蔽剤33によって封止される。
【0029】
図1の如く第2の仕切り体30は、スリーブ12の入口端12Aから出口端12Bに向けて挿通されてスリーブ12の入口端12A側に配置される。また、図2の如く第2の仕切り体30の表面には、6本の配管14、14…が挿通する6個の長孔32、32…が備えられている。これらの長孔32、32…は、第2の仕切り体30が所定の位置まで挿入されると、半硬化した液体遮蔽剤(シール材)33によって閉塞される。また、第2の仕切り体30の外周面がスリーブ12の内周面に嵌合され、それらの境界部に存在する隙間が半硬化した液体遮蔽剤33によって封止される。つまり、第1の仕切り体28と第2の仕切り体30とは同一構造体である。
【0030】
そして、図1の如く第1の仕切り体28と第2の仕切り体30との間の隙間に、第1の遮蔽体16が充填され、第2の仕切り体30とスリーブ12の入口端12Aとの間の隙間に第2の遮蔽体18が充填されている。
【0031】
なお、前述の如く、第1の仕切り体28と第2の仕切り体30とは同一構造体なので、ここでは、図3に示した第1の仕切り体28を説明し、図4に示した第2の仕切り体30については、第1の仕切り体28と同一の符号を付すことにより、その説明は省略する。
【0032】
図3の如く第1の仕切り体28は、第1の板状体34、第2の板状体36、及び嵌合体38を備えている。
【0033】
第1の板状体34は、既設の6本の配管14、14…を上下方向から挟持するように突き合わされる二分割された同一形状の半円体40、42を備えている。半円体40、42には、半円体40、42の直径を辺部とし、この辺部から直角方向に形成された3本の切欠き状の長孔44、44…が備えられている。よって、6本の配管14、14…の上下から6本の配管14、14…の軸方向に対して直交する方向に半円体40、42の各辺部を突き合わせることによって、各長孔44に2本の配管14、14が挿通された形態となる。これにより、スリーブ12に貫通して配設された既設の6本の配管14、14…に第1の板状体34が装着される。また、第1の板状体34は、SUS等の金属によって製造されている。
【0034】
第2の板状体36は、第1の板状体34と略同一形状である。すなわち、第2の板状体36は、6本の配管14、14…を上下方向から挟持するように突き合わされる二分割された同一形状の半円体46、48を備えている。半円体46、48には、半円体46、48の直径を辺部とし、この辺部から直角方向に形成された3本の切欠き状の長孔50、50…が備えられている。よって、6本の配管14、14…の外側から6本の配管14、14…の軸方向に対して直交する方向に半円体46、48の各辺部を突き合わせることによって、各長孔50に2本の配管14、14が挿通された形態となる。これによって、スリーブ12に貫通して配設された既設の6本の配管14、14…に第2の板状体34が装着される。また、第2の板状体36もSUS等の金属によって製造されている。
【0035】
更に、半円体46、48の前記辺部の両端には、前記辺部から直角方向に長孔52、52が備えられている。長孔52、52は、一対の連結棒54、54が挿通される長孔である。連結棒54、54の一端部は、第1の板状体34の半円体40の直径を辺部とした際に、その辺部の両端部に固定される。また、連結棒54、54は半円体40の面に対して直角方向に突設されている。
【0036】
これに対して図4の連結棒54、54は、半円体42の直径を辺部とした際に、その辺部の両端部に固定される。つまり、図4の連結棒54、54と図3の連結棒54、54とは緩衝しないように配置されている。
【0037】
嵌合体38は、第1の板状体34と第2の板状体36と略同一構造であるが、相違点は、嵌合体38の径が第1の板状体34と第2の板状体36と比較して若干大きく、嵌合体38の外周面がスリーブ12の内周面に弾性を持って嵌合される点である。このため、嵌合体38はアクリル等の軟性樹脂によって製造されている。
【0038】
嵌合体38は、6本の配管14、14…を上下方向から挟持するように突き合わされる二分割された同一形状の半円体56、58を備えている。半円体56、58には、半円体56、58の直径を辺部とし、この辺部から直角方向に形成された3本の切欠き状の長孔60、60が備えられている。よって、6本の配管14、14…の外側から6本の配管14、14…の軸方向に対して直交する方向に半円体56、58の各辺部を突き合わせることによって、各長孔60に2本の配管14、14が挿通される形態となる。これによって、スリーブ12に貫通して配設された既設の6本の配管14、14…に嵌合体38が装着される。
【0039】
また、半円体56、58には、前記辺部から直角方向に長孔62、62が備えられている。この長孔62、62は、前述した一対の連結棒54、54が挿通される長孔である。
【0040】
このように構成された嵌合体38は、第1の板状体34と第2の板状体36とによって挟持される。また、第1の仕切り体28は、嵌合体38を挟持した第1の板状体34と第2の板状体36とを挟持する、第1の挟持体64と第2の挟持体66とを備えている。
【0041】
第1の挟持体64と第2の挟持体66は、十字形状の板状体であり、その辺部には6本の配管14、14…を避けるための円弧状凹部68、68…が備えられている。
【0042】
すなわち、第1の仕切り体28は、板状の5枚の部材(第1の挟持体64、第1の板状体34、嵌合体38、第2の板状体36、第2の挟持体66)を重ね合わせることによって構成される。このように重ね合わされた5枚の部材64、34、38、36、66は、第2の挟持体66の側方から各々の部材66、36、38、34の貫通孔70に挿入される複数本のボルト72、72…を、第1の挟持体64のねじ孔74に締結することにより一体化される。
【0043】
なお、第1の挟持体64と第2の挟持体66は必須の構成部材ではない。しかしながら、第1の挟持体64と第2の挟持体66とを設けることによって、長孔44、50、60が重畳された長孔を、図2の長孔32のように小さくできる。長孔32は、第1の仕切り体28、及び第2の仕切り体30がスリーブ12内に設置された後に、半硬化した液体遮蔽剤33によって封止される。よって、第1の挟持体64と第2の挟持体66とによって、前記重畳された長孔のサイズを、長孔32の如く小さくすることができるので、液体遮蔽剤33の使用量を削減できる。なお、前記長孔32は上下に長軸を有しているが、その理由は、勾配のある配管14、14…を挿通させるためである。また、図2の符号76は、長孔52、62が重畳された長孔であり、この長孔76から図3、図4に示した連結棒54が突出される。また、この長孔76も液体遮蔽剤33によって封止される。
【0044】
次に、放射線遮蔽構造体10の施工方法を概説する。
【0045】
まず、スリーブ12内の6本の既設の配管14、14…を避けて第1の仕切り体28を図5の如く、スリーブ14の入口端12Aから出口端12B側に挿入する。次に、第1の仕切り体28の手前側に鉛毛遮蔽体22を図5の如く詰め込む。次いで、図6の如く鉛毛遮蔽体22の手前に第2の仕切り体30を挿入する。そして、第2の仕切り体30の手前側に固形遮蔽材24、24…を詰め込む。そして、スリーブ12の入口端12Aを図7の蓋(蓋体)88によって閉塞し、この後、蓋体と第2の仕切り体30との間の隙間に図10の液体遮蔽剤26を注入して硬化させる。この手順に従って放射線遮蔽構造体10をスリーブ12内に施工する。
【0046】
そこで、上記施工方法を実施する上での問題点、及び課題は、
(a)既設の6本の配管14を避けて図6の第1の仕切り体28、及び第2の仕切り体30をスリーブ12内に設置するには、第1の仕切り体28、及び第2の仕切り体30を如何なる構造にするか。
【0047】
(b)図5の第1の仕切り体28をスリーブ12に対して直角に隙間なく設置した後、鉛毛遮蔽体22を押し込んで充填させる際に、第1の仕切り体28が傾いたり、スリーブ12の奥側に移動したりすることを防止するためには、第1の仕切り体28を如何なる構造で保持するか。
【0048】
(c)図10の液体遮蔽剤26を注入する際、第2の仕切り体30から液体遮蔽剤26が鉛毛遮蔽体22側に漏出するのを防止するためには、第2の仕切り体30をスリーブ12に対して如何なる構造でシールするか。などの問題点、課題がある。以下に説明する実施の形態の施工方法では、このような問題点、課題を解決している。
【0049】
次に、放射線遮蔽構造体10の施工方法を詳説する。
【0050】
(1)まず、スリーブ12の入口端12Aの外側に配設されている図3の既設の6本の配管14、14に対し、第1の挟持体64、及び第2の挟持体66を水平姿勢にして配管14、14間の隙間に通す。次に、第1の挟持体64、及び第2の挟持体66を鉛直方向に姿勢を変えて、第1の挟持体64、及び第2の挟持体66の各々の円弧状凹部68、68…を配管14、14…に接近させ、この状態で第1の挟持体64、及び第2の挟持体66を保持する。これによって、第1の挟持体64、及び第2の挟持体66が配管14、14…を避けて配置される。
【0051】
(2)図3の第1の板状体34、第2の板状体36、及び嵌合体38の各々の上半分の半円体40、46、56を3枚重ねて一体化し、第1の挟持体64と第2の挟持体66との間に挿入する。この時、半円体40、46、56の各々の長孔44、50、60に上側の3本の配管14が挿通される。また、半円体40に固着されている2本の連結棒54、54は、半円体56の長孔62、及び半円体46の長孔52を介して半円体46の外方に突出される。
【0052】
次に、図3の第1の板状体34、第2の板状体36、及び嵌合体38の各々の下半分の半円体42、48、58を3枚重ねて一体化し、第1の挟持体64と第2の挟持体66との間に挿入して手で保持する。この時、半円体42、48、58の各々の長孔44、50、60に下側の3本の配管14が挿通される。
【0053】
(3)図3の第2の挟持体66の側方から各々の部材66、36、38、34の貫通孔70に複数本のボルト72、72…を挿入して第1の挟持体64のねじ孔74に締結する。これによって、スリーブ12の入口端12Aの外側に位置する6本の配管14、14…に、第1の仕切り体28が装着される。
【0054】
(4)次に、図3、図4の如く押込棒(第1の押込部材)78、78の一端部に設けられた螺子筒80を、連結棒54の他端部に刻設された雄ねじ部(不図示)に螺合させて、押込棒78、78を連結棒54、54に連結する。
【0055】
(5)2本の押込棒78、78を用いて、第1の仕切り体28を図5の如くスリーブ12の入口端12Aからスリーブ12内に押し込む(第1の工程)。この時、ウレタン製の嵌合体38は、SUS製の第1、第2の板状体34、36よりも外径が直径で2mm大きいため、嵌合体38をスリーブ12の内周面の抵抗に抗して約700mm押し込む。これによって、第1の仕切り体28をスリーブ12内の所定の位置に挿入配置することができるので、前述した(a)の問題点、及び課題を解決できる。なお、第1の仕切り体28の押し込み作業を容易にするために、連結棒54、54は半円体40の辺部の両端部に取り付けられている。これに対して、第1の仕切り体28の中央に連結棒が取り付けられていると、押込棒からの押し込み力を第1の仕切り体28に安定的に伝えることが困難なので、第1の仕切り体28の押し込み作業が難航する。
【0056】
(6)図3の如く第1の仕切り体28を所定の位置まで挿入すると、図2の如く第1の仕切り体28の長孔32、76を、半硬化した液体遮蔽剤33によって全て閉塞する。また、第1の仕切り体28の外周面とスリーブ12の内周面との境界部にも半硬化状態の液体遮蔽剤33を塗布する。なお、配管14が挿通される第1の仕切り体28の孔は上下方向に長軸を有する長孔32なので、スリーブ12に対して配管14が相対的に上下方向に傾斜していても、配管14と長孔32とが干渉することなく第1の仕切り体28をスリーブ12に挿入することができる。
【0057】
(7)押込棒78、78の他端部を、図5の如くスリーブ12の入口端12Aの端面に取り付けられたブラケット82に仮固定する。押込棒78には、押込棒78の長さを調整するターンバックル84が設けられており、ターンバックル84によって押込棒78の長さを調整することにより、押込棒78、78の他端部をブラケット82に合せることができる。なお、前記(6)の工程と上記(7)の工程とを逆にしてもよい。
【0058】
(8)液体遮蔽剤33の硬化後、図5の如く約30kgfの鉛毛遮蔽体22を、長さ約200mmの空間に詰め込む(第2の工程)。鉛毛遮蔽体22の充填作業は、6本の配管14、14…、及び一対の押込棒78、78を避けて、作業者が鉛毛遮蔽体22を棒によって押し込むことによって行う。この時、第1の仕切り体28は、2本の押込棒78、78を介してスリーブ12の入口端12A側に固定されているので、鉛毛遮蔽体22を押し込んで充填させる際に、第1の仕切り体28が傾いたり、奥側へ移動したりすることを防止できる。よって、前述した(b)の問題点、及び課題を解決できる。
【0059】
(9)鉛毛遮蔽体22の充填後、ブラケット82から押込棒78、78の固定端を取り外し、この後、押込棒78、78を緩める方向に回転させて、押込棒78、78の螺子筒80を、連結棒54から取り外す。そして、押込棒78、78をスリーブ12から抜き出す。これにより、後述する第2の仕切り体30の挿入時に、押込棒78、78は存在しないので、第2の仕切り体30を問題なくスリーブ12に挿通配置できる。
【0060】
(10)図6の如く、第2の仕切り体30を、第1の仕切り体28と同じ要領で鉛毛遮蔽体22の後段に押し込んで挿入する(第3の工程)。但し、押込棒78、78の一端部は図4の如く、半割れの下半分の半円体42に取り付けられた連結棒54に螺子筒80を介して連結される。また、押込棒78、78の他端部を、図6の如くスリーブ12の入口端12Aの端面に取り付けられたブラケット86に仮固定する。この後、図2の如く第2の仕切り体30の長孔32、76を、半硬化した液体遮蔽剤33によって全て閉塞する。また、第2の仕切り体30の外周面とスリーブ12の内周面との境界部にも半硬化状態の液体遮蔽剤33を塗布する。これにより、後述する液体遮蔽剤26の注入時に、液体遮蔽剤26が第2の仕切り体30から鉛毛遮蔽体22側に漏出するのを防止できる。よって、前述した(c)の問題点、課題を解決できる。
【0061】
(11)図6の如く、スリーブ12の入口端12Aと第2の仕切り体30との間の隙間に複数本の固形遮蔽材24、24…を詰め込む(第4の工程)。なお、図6では、1本の固形遮蔽材24のみ示しているが、この固形遮蔽材24は、前記隙間全域に詰め込まれる。
【0062】
(12)図7の如く、スリーブ12の入口端12Aに透明アクリル製の蓋88を取り付けて、入口端12Aを閉塞する(第5の工程)。蓋88は、6本の配管14、14…を避けるため4分割された分割片88A、88B、88C、88Dから構成される。スリーブ12の入口端12Aへの固定時に、隣接する分割片88A〜88Dの端部同士を接着して蓋88を構成する。
【0063】
(13)図8の如く、蓋88の上部に設けられている貫通孔90から空気抜き管92を、蓋88と第2の仕切り体30との間の隙間に挿通し、空気抜き管92の先端開口部93を第2の仕切り体30に近接させる。スリーブ12は、右上がり方向に傾斜しているため、液体遮蔽剤26を注入していくと、先端開口部93の位置が空気溜まりとなる。よって、空気抜き管92の先端開口部93を第2の仕切り体30に近接させることにより、前記隙間の空気を確実に抜くことができる。
【0064】
また、6本の配管14と蓋88との間の隙間も半硬化した液体遮蔽剤(不図示)によって封止する。この後、図9の如く蓋88の貫通孔94から、液体遮蔽剤26を注入する注入管96を前記隙間に挿通し、注入管96から液体遮蔽剤26を図10の如く注入する。すなわち、液体遮蔽剤26を移送ポンプ(不図示)によって注入管96に送り出し、前記隙間内に注入していく。液体遮蔽剤26は前記隙間の左側下部から右側に徐々にせり上がるようにして充填されていくが、その際、前記隙間に存在している空気が空気抜き管92から外部に排出される。そして、空気抜き管92から液体遮蔽剤26が溢れ出したところで移送ポンプを停止し、液体遮蔽剤26の注入を停止する(第6の工程)。これにより、前記隙間の全域に液体遮蔽剤26が充填される。液体遮蔽剤26の注入時に第2の仕切り体30は、2本の押込棒78、78を介してスリーブ12の入口端12Aに固定されているので、倒れたり鉛毛遮蔽体22側に移動したりすることはない。
【0065】
この後、液体遮蔽剤26が半硬化したところで、空気抜き管92、及び注入管96を液体遮蔽剤26から抜き出す。そして、空気抜き管92、及び注入管96を抜き出したことによって液体遮蔽剤26に形成される穴に、半硬化した液体遮蔽剤26を充填する。なお、空気抜き管92、及び注入管96の液体遮蔽剤26との接触面には、液体遮蔽剤26の付着を防止するために、離形剤を予め塗布しておくことが好ましい。
【0066】
(14)液体遮蔽剤26が完全に硬化した後、蓋88を分割片88A〜88D毎にスリーブ12の入口端12Aから取り外す(第7の工程)。
【0067】
(15)その後、スリーブ12の入口端12A側に、図1に示した半割りの鉄製カラー98、98、98を3重に装着し、入口端12Aの遮蔽効果を増大させる。
【0068】
以上の施工手順によって実施の形態の放射線遮蔽構造体10をスリーブ12に施工することができる。
【0069】
実施の形態の放射線遮蔽構造体10によれば、図1の如くガンマ線を遮蔽する鉛毛遮蔽体22と、中性子線を遮蔽する固形遮蔽材24及び液体遮蔽剤26とを混合することなく、仕切り部材20を介して各々別個に充填したので、鉛毛遮蔽体22と、固形遮蔽材24及び液体遮蔽剤26とをスリーブ12に確実に充填できる。これによって、放射線の遮蔽効果が向上する。
【0070】
一方、第1の遮蔽体16と第2の遮蔽体18とを同体積とした場合の、ガンマ線の遮蔽効果(放射線がスリーブ12の入口端12Aから入射する場合)は、
第1の遮蔽体16:第2の遮蔽体18≒30(%):70(%)であり、
中性子線の遮蔽効果は、
第1の遮蔽体16:第2の遮蔽体18≒15(%):85(%)である。
【0071】
また、第1の遮蔽体16と第2の遮蔽体18との体積比を、1:2とした場合のガンマ線の遮蔽効果は、
第1の遮蔽体16:第2の遮蔽体18≒35(%):65(%)であり、
中性子線の遮蔽効果は、
第1の遮蔽体16:第2の遮蔽体18≒43(%):57(%)である。
【0072】
すなわち、第1の遮蔽体16と第2の遮蔽体18の体積比を変えることによって、ガンマ線を中性子線よりも多く遮蔽したい場合と、中性子線をガンマ線よりも多く遮蔽したい場合の用途に対応できる。これは、第1の遮蔽体16と第2の遮蔽体18とを仕切って充填したことによって得られる効果である。
【0073】
〔付記〕
実施の形態の液体遮蔽剤26として、同容量のコンクリートと比較して中性子線の遮蔽率が高い液体遮蔽剤〔製品名:RADLESKRAFTON(登録商標)、研究開発元:株式会社ネオテック理化学研究所、製造元:株式会社フジックス〕を使用した。
【0074】
上記液体遮蔽剤は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂の群から選んだ1種以上の2液混合型硬化樹脂に、Pb, W, Cr, Co, Cu, Fe, Mn, Mo, Ag, Ta, Cd, Dy, Eu, Gd, Au, In, Hg, Re, Sn及びUの元素単体、又は化合物から選んだ1種以上の高密度無機物質を混合し、成形体密度が2.0以上となるようにしたものである。この放射線遮蔽剤によれば、ガンマ線、エックス線及び中性子線の同時遮蔽が可能である。
【0075】
また、放射線遮蔽剤としては、熱に強い熱硬化樹脂を用いるのが望ましく、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を単独、又は複数種を混用する。熱硬化樹脂は充分な強度、優れた成形性、加工性を有し、比較的耐熱性が大で、その選択によっては150℃以上での使用が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10…放射線遮蔽構造体、12…スリーブ、12A…入口端、12B…出口端、14…配管、16…第1の遮蔽体、18…第2の遮蔽体、20…仕切り部材、22…鉛毛遮蔽体、24…固形遮蔽材、26…液体遮蔽剤、28…第1の仕切り体、30…第2の仕切り体、32…長孔、33…液体遮蔽剤、34…第1の板状体、36…第2の板状体、38…嵌合体、40、42…半円体、44…長孔、46、48…半円体、50…長孔、52…長孔、54…連結棒、56、58…半円体、60…長孔、62…長孔、64…第1の挟持体、66…第2の挟持体、68…円弧状凹部、70…貫通孔、72…ボルト、74…ねじ孔、76…長孔、78…押込棒、80…螺子筒、82…ブラケット、84…ターンバックル、86…ブラケット、88…蓋、88A、88B、88C、88D…分割片、90…貫通孔、92…空気抜き管、94…貫通孔、96…注入管、98…カラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体と該筒体に挿通された配管との間の隙間を遮蔽する放射線遮蔽構造体において、
前記筒体の前記隙間に、鉛毛遮蔽体からなる第1の遮蔽体と、固形遮蔽材及び硬化した液体遮蔽剤からなる第2の遮蔽体とが仕切り部材を介して充填されてなることを特徴とする放射線遮蔽構造体。
【請求項2】
前記仕切り部材は、
前記筒体に挿通されて該筒体の出口端側に配置されるとともに前記配管を挿通させる孔が備えられ、前記筒体の内周面に外周面が嵌合される第1の仕切り体と、
前記筒体に挿通されて該筒体の入口端側に配置されるとともに前記配管が挿通する孔が備えられ、前記筒体の内周面に外周面が嵌合される第2の仕切り体と、を備え、
前記第1の仕切り体と前記第2の仕切り体との間の隙間に前記第1の遮蔽体が充填され、前記第2の仕切り体と前記筒体の入口端との間の隙間に前記第2の遮蔽体が充填される請求項1に記載の放射線遮蔽構造体。
【請求項3】
前記第1の仕切り体と前記第2の仕切り体とは、
前記配管を該配管の軸方向に対して直交する方向から挟持するように分割されるとともに前記配管を逃がすための切欠き状長孔が備えられた第1の板状体と、
前記配管を該配管の軸方向に対して直交する方向から挟持するように分割されるとともに前記配管を逃がすための切欠き状長孔が備えられた第2の板状体と、
前記第1の板状体と前記第2の板状体とによって挟持され、前記配管を該配管の軸方向に対して直交する方向から挟持するように分割されるとともに前記配管を逃がすための切欠き状長孔が備えられ、前記筒体の内壁面に弾性を持って嵌合される嵌合体と、
を備えた請求項2に記載の放射線遮蔽構造体。
【請求項4】
前記嵌合体を挟持した前記第1の板状体と前記第2の板状体とを挟持する、第1の挟持体と第2の挟持体とを備えた請求項3に記載の放射線遮蔽構造体。
【請求項5】
前記筒体は、原子炉格納容器の壁に備えられた貫通孔に設けられるスリーブである請求項1から4のいずれかに記載の放射線遮蔽構造体。
【請求項6】
筒体と該筒体に挿通された配管との間の隙間を遮蔽する放射線遮蔽構造体の施工方法において、
前記筒体の入口側から出口側に向けて第1の仕切り体を挿入する第1の工程と、
前記筒体の入口側から前記第1の板状体に向けて鉛毛遮蔽体を詰め込む第2の工程と、
前記筒体の入口側から前記鉛毛遮蔽体に向けて第2の仕切り体を挿入する第3の工程と、
前記筒体の入口側から前記第2の仕切り体に向けて固形遮蔽材を詰め込む第4の工程と、
前記筒体の入口を蓋体によって閉塞する第5の工程と、
前記蓋体の注入口から前記筒体内に液体遮蔽剤を注入しながら前記蓋体の空気抜き孔から前記筒体内の空気を抜くことによって前記筒体内に前記液体遮蔽剤を充填する第6の工程と、
前記液体遮蔽剤の硬化後に前記蓋体を前記筒体から取り外す第7の工程と、
を有することを特徴とする放射線遮蔽構造体の施工方法。
【請求項7】
前記第1の工程において、前記第1の仕切り体は、第1の押込部材を介して前記筒体内に挿入され、
前記第1の押込部材は、前記第2の工程において、前記筒体の入口側で固定されるとともに前記鉛毛遮蔽体の充填後に、前記第1の仕切り体及び前記筒体から取り外される請求項6に記載の放射線遮蔽構造体の施工方法。
【請求項8】
前記第3の工程において、前記第2の仕切り体は、第2の押込部材を介して前記筒体内に挿入され、
前記第2の押込部材は、前記第4の工程において、前記筒体の入口側で固定される請求項6、又は7に記載の放射線遮蔽構造体の施工方法。
【請求項9】
前記第4の工程において、前記第2の仕切り体の配管挿通孔と前記配管との間の隙間がシール材によって封止される請求項6から8のいずれかに記載の放射線遮蔽構造体の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−47652(P2013−47652A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186403(P2011−186403)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)