説明

放射線量測定システム

【課題】放射線量データの伝達を簡易な構成かつ安価に行うことができる放射線量測定システムを提供する。
【解決手段】各地区の放射線量を定期的に測定する複数の放射線量測定手段2と、当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する読取処理手段11と、クライアントコンピュータ41と、住民が所持する複数の携帯電話5と、前記各測定情報を収集し、前記各クライアントコンピュータ41別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を関連付け、かつ、前記各携帯電話5別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段に記憶し、各測定情報を、各クライアントコンピュータ41、各携帯電話5に対して個別に、かつ、予め設定した定時に送信する管理サーバ21と、無線データ回線3と、インターネット回線網4と、を有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線量測定システムに関し、詳しくは、原子力関連施設等の周辺地区、遠方地区を問わず各地区の放射線量を測定し、かつ、その測定情報を簡易に、しかも、安価に取得し利用できる放射線量測定システムを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における外国での原子力発電所の事故や、最近における日本国内での原子力発電所の事故に伴い、原子力発電所や原子力に関連する原子力関連施設等における放射能漏れに起因する地域住民の放射線被爆が危惧され、原子力関連施設等の周辺、遠方を問わず地域住民や関係行政機関等に対して簡易な構成で、かつ、安価に希望する地区の放射線量データの伝達を行うことができ、しかも、地域的な利用可能な範囲も広域にわたるようなシステムの構築が緊急の課題になっている。
【0003】
特許文献1には、相互に無線通信のできる親機1と複数の子機2とから構成され、子機2は、放射線を感知しこれを測定信号データに変換するとともに当該測定信号データを含む電気的信号データを送受信でき、しかも親機1からの警報信号を受信することにより警報(危険/安全)の出力表示できるように構成した放射線測定警報システムが提案されている。
【0004】
この特許文献1の放射線測定警報システムの場合、親機1と複数の子機2との間の交信を無線通信により行う構成であるため、その利用可能な地域的な範囲は比較的狭い範囲に限定されるものと推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−272469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、地域住民や関係行政機関等に対して簡易な構成で、かつ、安価に希望する地区の放射線量データの伝達を行うことができ、しかも、地域的な利用可能な範囲も広域にわたるような放射線量測定システムが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る放射線量測定システムは、個々の地区に設置されその位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データと当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する複数の読取処理手段と、各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、複数の読取処理手段からの各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けるとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶した各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の各測定情報を、各クライアントコンピュータ、各携帯電話に対して個別に、かつ、予め設定した定時に送信する管理サーバと、前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間、及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1乃至3記載の発明によれば、行政機関の担当者等はクライアントコンピュータの画面にて希望する地区の放射線量データを定時的に視認確認して、当該地区の地域住民に対する放射能汚染防止対策用として利用することが可能であり、各携帯電話の各所持者自身も、画面にて各々自己が希望する地区の放射線量データを定時的に視認確認して、放射能汚染防止対策用として利用することが可能であり、しかも、利用する地区の狭域、広域を問わず安価な通信使用量にて簡易に希望する地区の放射線量データを取得することができる放射線量測定システムを実現し、提供することができる。
【0009】
請求項4乃至6記載の発明によれば、行政機関の担当者等はクライアントコンピュータの画面にて希望する地区の放射線量データを、放射線量測定手段による定期的な測定の都度速やかに取得し視認確認して、当該地区の地域住民に対する放射能汚染防止対策用として利用することが可能であり、各携帯電話の各所持者自身も、画面にて各々自己が希望する地区の放射線量データを、放射線量測定手段による定期的な測定の都度速やかに取得し視認確認して、放射能汚染防止対策用として利用することが可能であり、しかも、利用する地区の狭域、広域を問わず、安価な通信使用量にて簡易に希望する地区の放射線量データを定期的に取得することができる放射線量測定システムを実現し、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の実施例1の放射線量測定システムを示す概略全体構成図である。
【図2】図2は本実施例1の放射線量測定システムにおける読取処理手段の構成要素を示す概略図である。
【図3】図3は本実施例1の放射線量測定システムのブロック図である。
【図4】図4は本実施例1の放射線量測定システムの放射線量測定及び測定情報の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施例2の放射線量測定システムを示す概略全体構成図である。
【図6】図6は本実施例2の放射線量測定システムのブロック図である。
【図7】図7は本実施例2の放射線量測定システムにおけるクライアントコンピュータ用データベースのフォルダ構成を示す説明図である。
【図8】図8は本実施例2の放射線量測定システムにおける携帯電話用データベースのフォルダ構成を示す説明図である。
【図9】図9は本実施例1の放射線量測定システムの放射線量測定及び測定情報の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、地域住民や関係行政機関等に対して簡易な構成で、かつ、安価に希望する地区の放射線量データの伝達を行うことができ、しかも、地域的な利用可能な範囲も広域にわたる放射線量測定システムを実現し提供するという目的を、個々の地区に設置されその位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する複数の読取処理手段と、各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、複数の読取処理手段からの各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けるとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶した各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の各測定情報に基づき各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の電子メール、携帯電話メールを作成し、これら各電子メール、携帯電話メールを、各クライアントコンピュータ、各携帯電話に対して個別に、かつ、予め設定した定時に送信する管理サーバと、前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間、及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、を有する構成により実現した。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施例に係る放射線量測定システムについて図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施例1)
本実施例1に係る放射線量測定システム1は、図1、図3に示すように、例えば原子力発電所や原子力に関連する原子力関連施設の周辺地区、及びこれらの施設の周辺地区以外の予め定めた各地区に設置され、当該位置の放射線量を定期的(例えば1日所定の時間間隔で3回等)に測定し放射線量データとして出力する複数台(図1には3台示す)の公知のガイガーカウンタのような放射線量測定手段2と、各放射線量測定手段2に各々接続配置した複数の読取処理手段11と、本実施例1に係る放射線量測定システム全体の管理を実行する管理サーバ21と、前記複数の読取処理手段11と前記管理サーバ21との間の情報交信を個別に行う無線データ回線3と、前記周辺地区、前記各地区の町役場、市役所等のような行政機関や各地区の公民館等に設置される複数(図1には2台示す)のクライアントコンピュータ41と、前記周辺地区、前記各地区の任意数の住民が所持する多数(図1には5台示す)の携帯電話5と、前記管理サーバ21、クライアントコンピュータ41間、及び前記管理サーバ21、各携帯電話5間の情報交信を行うインターネット回線網4と、を有している。
【0014】
前記無線データ回線3は、詳細は図示しないが通信事業者が提供する公知のネットワークのホストとユーザとを結ぶ中継装置を含む公衆無線LAN等により構成している。
【0015】
なお、3台構成の放射線量測定手段2及び読取処理手段11を設置した地区を、例えばA地区、B地区及びC地区とし、前記2台構成のクライアントコンピュータ41は、例えばA地区、B地区に設置されているものとし、更に、5台の携帯電話5は各地区の住民a〜eが各々所持しているものとして以下の説明を行う。
【0016】
前記読取処理手段11は、図2に示すように、図示しない通信衛星からのGPS情報(Global Positioning System情報:緯度、経度の情報)を受信するGPSモジュール12と、前記放射線量測定手段2からの当該地区の放射線量測定データを入力し、また、後述するフラッシュメモリー15に記憶した測定情報を定期的に無線データ回線3に送出する通信モジュール13と、前記GPS情報を基に図示しないが予め記憶している緯度、経度と関連させた地図情報を参照し当該放射線量測定手段2及び読取処理手段11が設置されている位置の位置情報を生成し、かつ、通信モジュール13に入力された放射線量測定データと前記位置情報とを関連付けて測定情報とするワンボードマイコン14と、ワンボードマイコン14により求めた測定情報を記憶するフラッシュメモリー15と、停電補償用のバッテリー16と、を有している。前記通信モジュール13は、前記無線データ回線3に対応する仕様としている。
【0017】
また、前記読取処理手段11に対しては、図示していないがAC100V電源により電力供給を行うように構成している。なお、太陽電池を電力供給源として採用することも可能である。
【0018】
次に、図3を参照して、前記管理サーバ21について詳述する。
【0019】
前記管理サーバ21は、本実施例1に係る放射線量測定システム1全体の制御を行う制御部22と、各読取処理手段11から無線データ回線3を経て定期的に送信されてくる各測定情報を受信する受信部23と、受信部23にて受信した各読取処理手段11からの測定情報を記憶する記憶手段29と、各クライアントコンピュータ41のアドレス(電子メールアドレス)及びその所在地の位置情報を記憶したクライアントアドレス記憶部24と、各携帯電話5のアドレス(携帯メールアドレス)及びその所在地の位置情報を記憶した携帯電話ユーザアドレス記憶部25と、本実施例1に係る放射線量測定システム1の動作プログラムと、前記測定情報と、各クライアントコンピュータ41のアドレス及びその位置情報とを基に各クライアントコンピュータ41向けの電子メールを個別に作成し、また、前記測定情報と、各携帯電話5のアドレス及びその位置情報とを基に各携帯電話5向けの携帯メールを個別に作成するためのメール作成プログラムと、作成した個別の電子メール及び携帯メールを前記インターネット回線網4を通じて各々対応するアドレスに定時送信(例えば予め設定した1日3回:9時、12時、18時等)するための定時送信プログラムと、を予め記憶したプログラムメモリ26と、メール作成プログラムにより作成した個別の電子メール及び個別の携帯メールを一時的に記憶するメール情報記憶部27と、前記定時送信プログラムに基づき、各クライアントコンピュータ41向けの電子メール、各携帯電話5向けの携帯メールを前記インターネット回線網4に出力する送信部28と、キーボード30と、表示部31と、を有している。
【0020】
次に、本実施例1に係る放射線量測定システム1の動作について、図4をも参照して説明する。
【0021】
本実施例1に係る放射線量測定システム1において、A地区、B地区及びC地区に配置された各放射線量測定手段2は、その位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして対応する読取処理手段11に出力する。
【0022】
各放射線量測定手段2に各々接続された各読取処理手段11は、それぞれ前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に無線データ回線3を通じて前記管理サーバ21に無線送信する。
【0023】
前記管理サーバ21は、動作プログラムに基づき各読取処理手段11から無線データ回線3を通じて定期的に送信されてくる各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ41別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けるとともに、予め登録した前記各携帯電話5別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段29に記憶する。
【0024】
そして、メール作成プログラムにより、前記測定情報と、各クライアントコンピュータ41別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報とを基に各クライアントコンピュータ41向けの電子メールを個別に作成する。
【0025】
また、メール作成プログラムにより、前記測定情報と、各携帯電話5のアドレス及びその位置情報とを基に各携帯電話5向けの携帯メールを個別に作成する。
【0026】
次に、前記管理サーバ21は、定時送信プログラムにより、作成した個別の電子メール及び携帯メールを、前記インターネット回線網4を通じて各クライアントコンピュータ41、各携帯電話5にインターネット回線網4を通じて定時送信(例えば予め設定した1日3回:9時、12時、18時等)する。
【0027】
これにより、例えば町役場、市役所等のような行政機関や各地区の公民館等に設置される各クライアントコンピュータ41には、希望する地区(例えばA地区に設置されているクライアントコンピュータ41にはA地区の放射線量データを含む測定情報が送信されることになり、市役所等の担当者は当該クライアントコンピュータ41の画面にて希望するA地区の放射線量データを一日3回定時的に視認確認して、当該地区の地域住民に対する放射能汚染防止対策用として利用することが可能となる。
【0028】
また、住民が所持する各携帯電話5にも、例えば希望する地区をA地区とした携帯電話5の所持者にはA地区の放射線量データを含む測定情報が送信され、希望する地区をB地区とした携帯電話5の所持者にはB地区の放射線量データを含む測定情報が送信されることになり、各携帯電話5の画面にて各々自己が希望する地区(A地区、B地区等)の放射線量データを一日3回定時的に視認確認して、各所持者自身の放射能汚染防止対策用として利用することが可能となる。
【0029】
更に、本実施例1によれば、無線データ回線3、インターネット回線網4を利用するものであることから、安価な通信使用量にて上述した希望する地区の放射線量データに関する測定情報を簡略に取得することができ、かつ、インターネット回線網4の利用により利用する地区が広域にわたる場合においても有効に構築可能な放射線量測定システム1を実現することができる。
【0030】
なお、上述した放射線量測定手段2による測定回数、管理サーバ21による定時送信の回数は、上述した例に限定されるものではなく各々任意回数(1回、2回、5回、10回等)とすることが可能である。
【0031】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る放射線量測定システム1Aについて図5乃至図9を参照して説明する。
【0032】
本実施例2に係る放射線量測定システム1Aは、基本的構成は実施例1に係る放射線量測定システム1の場合と略同様であるため、実施例1の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0033】
本実施例2に係る放射線量測定システム1Aは、図5、図6に示すように、実施例1の管理サーバ21に替えて瞬時転送型の管理サーバ21Aを採用したことが特徴である。
【0034】
本実施例2に係る放射線量測定システム1Aは、実施例1の場合と同様、例えば原子力発電所や原子力に関連する原子力関連施設の周辺地区、及びこれらの施設の周辺地区以外の予め定めた各地区に設置され、当該位置の放射線量を定期的(例えば1日所定の時間間隔で3回等)に測定し放射線量データとして定期的に出力する複数台(図1には3台示す)の公知のガイガーカウンタのような放射線量測定手段2と、各放射線量測定手段2に各々接続配置した複数の読取処理手段11と、本実施例2に係る放射線量測定システム全体の管理を実行する管理サーバ21Aと、前記複数の読取処理手段11と前記管理サーバ21Aとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線3と、前記周辺地区、前記各地区の町役場、市役所等のような行政機関や各地区の公民館等に設置される複数(図5には2台示す)のクライアントコンピュータ41と、前記周辺地区、前記各地区の任意数の住民が所持する多数(図5には5台示す)の携帯電話5と、前記管理サーバ21A、クライアントコンピュータ41間、及び前記管理サーバ21、各携帯電話5間の情報交信を行うインターネット回線網4と、を有している。
【0035】
なお、実施例1の場合と同様、3台構成の放射線量測定手段2及び読取処理手段11を設置した地区を、例えばA地区、B地区及びC地区とし、前記2台構成のクライアントコンピュータ41は、例えばA地区、B地区に設置されているものとし、更に、5台の携帯電話5は各地区の住民a〜eが各々所持しているものとして以下の説明を行う。
【0036】
前記管理サーバ21Aは、本実施例2に係る放射線量測定システム1A全体の制御を行う制御部22と、各読取処理手段11から無線データ回線3を経て定期的に送信されてくる各測定情報を受信する受信部23と、個別に指定可能な大量のフォルダ領域を有するフォルダを内蔵するとともに、各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報を個別のフォルダ領域に登録し、対応する地区の測定情報を当該個別のフォルダ領域に書き込み可能に構成した記憶手段であるクライアントコンピュータ用データベース32と、個別に指定可能な大量のフォルダ領域を有するフォルダを内蔵するとともに、各携帯電話5別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報を個別のフォルダ領域に登録し、対応する地区の測定情報を当該個別のフォルダ領域に書き込み可能に構成した記憶手段である携帯電話用データベース33と、本実施例2に係る放射線量測定システム1Aの動作プログラムと、前記各測定情報をクライアントコンピュータ用データベース32の対応する個別のフォルダ領域に記憶する(書き込む)と同時に、対応するアドレスの各クライアントコンピュータに対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を電子メールにより瞬時に、かつ、個別に送信処理するとともに、前記各測定情報を携帯電話用データベース33の対応する個別のフォルダ領域に記憶する(書き込む)と同時に、対応するアドレスの各携帯電話に対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を携帯メールにより瞬時に、かつ、個別に送信処理する瞬時記憶・送信プログラムとを格納したプログラムメモリ34と、各クライアントコンピュータ41向けの電子メール、各携帯電話5向けの携帯メールの各情報を記憶する送信情報データベース35と、各クライアントコンピュータ41向けの電子メール、各携帯電話5向けの携帯メールを前記インターネット回線網4に出力する送信部28と、を有している。
【0037】
前記クライアントコンピュータ用データベース32のフォルダの個別のフォルダ領域の構成例を図7に、前記携帯電話用データベース33のフォルダの個別のフォルダ領域の構成例(住民a〜eが各々所持している5台の携帯電話5に関する構成例)を図8に各々示す。
【0038】
次に、本実施例2に係る放射線量測定システム1Aの動作について、図9をも参照して説明する。
【0039】
本実施例2に係る放射線量測定システム1Aにおいて、A地区、B地区及びC地区に配置された各放射線量測定手段2は、その位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして対応する読取処理手段11に出力する。
【0040】
各放射線量測定手段2に各々接続された各読取処理手段11は、それぞれ前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に無線データ回線3を通じて前記管理サーバ21Aに無線送信する。
【0041】
前記管理サーバ21Aは、動作プログラムに基づき各読取処理手段11から無線データ回線3を通じて定期的に送信されてくる各測定情報を、前記放射線量測定手段2が放射線量を測定し、前記読取処理手段11からの測定情報が送信されてくる都度収集し、次いで前記瞬時記憶・送信プログラムにより、前記各測定情報をクライアントコンピュータ用データベース32の対応する個別のフォルダ領域に記憶すると同時に、対応するアドレスの各クライアントコンピュータ41に対して、個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を電子メールにより前記送信部28、インターネット回線網4を通じて瞬時に、かつ、個別に送信処理する。
【0042】
また、前記瞬時記憶・送信プログラムにより、前記各測定情報を携帯電話用データベース33の対応する個別のフォルダ領域に記憶すると同時に、対応する各アドレスの各携帯電話5に対して、個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を前記送信部28、インターネット回線網4を通じて携帯メールにより瞬時に、かつ、個別に送信処理する。
【0043】
各クライアントコンピュータ41向けの電子メール、各携帯電話5向けの携帯メールの各情報は、前記管理サーバ21Aの送信情報データベース35に記憶保持されていく。
【0044】
これにより、例えば町役場、市役所等のような行政機関や各地区の公民館等に設置される各クライアントコンピュータ41には、前記放射線量測定手段2が放射線量を測定し、前記読取処理手段11からの測定情報が管理サーバ21Aに送信されてくる都度、直ちに希望する地区(例えばA地区に設置されているクライアントコンピュータ41にはA地区の放射線量データを含む測定情報が送信されることになり、市役所等の担当者は、当該クライアントコンピュータ41の画面にて希望するA地区の放射線量データを定期的に視認確認して、当該地区の地域住民に対する放射能汚染防止対策用として利用することが可能となる。
【0045】
また、住民が所持する各携帯電話5にも、前記放射線量測定手段2が放射線量を測定し、前記読取処理手段11からの測定情報が管理サーバ21Aに送信されてくる都度、直ちに例えば希望する地区をA地区とした携帯電話5の所持者にはA地区の放射線量データを含む測定情報が送信され、希望する地区をB地区とした携帯電話5の所持者にはB地区の放射線量データを含む測定情報が送信されることになり、各所持者は、自己の携帯電話5の画面にて各々自己が希望する地区(A地区、B地区等)の放射線量データを定期的に視認確認して、各所持者自身の放射能汚染防止対策用として利用することが可能となる。
【0046】
更に、本実施例2に係る放射線量測定システム1Aによれば、無線データ回線3、インターネット回線網4を利用するものであることから、安価な通信使用量にて上述した希望する地区の放射線量データに関する測定情報を簡略に取得することができ、かつ、インターネット回線網4の利用により利用する地区が広域にわたる場合においても有効に構築可能な放射線量測定システム1Aを実現することができる。
【0047】
なお、上述した放射線量測定手段2による放射線量データの定期的な測定は、例えば、1時間毎、6時間毎、1日1回、2日に1回等、任意に設定することが可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の放射線量測定システムは、原子力発電所や、原子力関連施設等の周辺地区はもとより、当該地区から遠く離れた地区でも、行政機関や地域住民の簡易、かつ、安価な放射線量データの取得システムとして広範に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 放射線量測定システム
1A 放射線量測定システム
2 放射線量測定手段
3 無線データ回線
4 インターネット回線網
5 携帯電話
11 読取処理手段
12 GPSモジュール
13 通信モジュール
14 ワンボードマイコン
15 フラッシュメモリー
16 バッテリー
21 管理サーバ
21A 管理サーバ
22 制御部
23 受信部
24 クライアントアドレス記憶部
25 携帯電話ユーザアドレス記憶部
26 プログラムメモリ
27 メール情報記憶部
28 送信部
29 記憶手段
30 キーボード
31 表示部
32 クライアントコンピュータ用データベース
33 携帯電話用データベース
34 プログラムメモリ
35 送信情報データベース
41 クライアントコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の地区に設置されその位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、
各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データと当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する複数の読取処理手段と、
各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、
各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、
複数の読取処理手段からの各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けるとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶した各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の各測定情報を、各クライアントコンピュータ、各携帯電話に対して個別に、かつ、予め設定した定時に送信する管理サーバと、
前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、
前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、
を有することを特徴とする放射線量測定システム。
【請求項2】
個々の地区に設置されその位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、
各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する複数の読取処理手段と、
各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、
各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、
複数の読取処理手段からの各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けるとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段に記憶して、記憶手段に記憶した各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の各測定情報に基づき各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の電子メール、携帯電話メールを作成し、これら各電子メール、携帯電話メールを、各クライアントコンピュータ、各携帯電話に対して個別に、かつ、予め設定した定時に送信する管理サーバと、
前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、
前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、
を有することを特徴とする放射線量測定システム。
【請求項3】
個々の地区に設置されその位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、
各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する複数の読取処理手段と、
各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、
各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、
動作プログラムと、前記測定情報と、各クライアントコンピュータのアドレス及びその位置情報とを基に各クライアントコンピュータ向けの電子メールを個別に作成し、前記測定情報と、各携帯電話のアドレス及びその位置情報とを基に各携帯電話向けの携帯メールを個別に作成するためのメール作成プログラムと、作成した個別の電子メール及び携帯メールを前記インターネット回線網を通じて各々対応するアドレスに定時送信するための定時送信プログラムと、を予め記憶したプログラムメモリと、制御部と、記憶手段と、を有し、複数の読取処理手段からの各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けるとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段に記憶し、メール作成プログラムにより記憶手段に記憶した各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の各測定情報に基づき各クライアントコンピュータ別、各携帯電話別の電子メール、携帯電話メールを作成し、定時送信プログラムにより前記各電子メール、携帯電話メールを、各クライアントコンピュータ、各携帯電話に対して個別に、かつ、予め設定した定時に送信する管理サーバと、
前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、
前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、
を有することを特徴とする放射線量測定システム。
【請求項4】
個々の地区に設置されその位置の放射線量を定期的に測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、
各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データと当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を定期的に出力する複数の読取処理手段と、
各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、
各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、
複数の読取処理手段からの各測定情報を収集して、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段の個別のフォルダ領域に記憶すると同時に、各クライアントコンピュータに対して対応する測定情報を瞬時に、かつ、個別に送信するとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段の個別のフォルダ領域に記憶すると同時に、各携帯電話に対して対応する測定情報を瞬時に、かつ、個別に送信する管理サーバと、
前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、
前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、
を有することを特徴とする放射線量測定システム。
【請求項5】
個々の地区に設置されその位置の放射線量を測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、
各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を出力する複数の読取処理手段と、
各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、
各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、
複数の読取処理手段からの各測定情報を収集し、予め登録した前記各クライアントコンピュータ別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段の個別のフォルダ領域に記憶すると同時に、各クライアントコンピュータに対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を電子メールにより瞬時に、かつ、個別に送信するとともに、予め登録した前記各携帯電話別のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応する測定情報を個別に関連付けて記憶手段の個別のフォルダ領域に記憶すると同時に、各携帯電話に対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を携帯電話メールにより瞬時に、かつ、個別に送信する管理サーバと、
前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、
前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、
を有することを特徴とする放射線量測定システム。
【請求項6】
個々の地区に設置されその位置の放射線量を測定し放射線量データとして出力する複数の放射線量測定手段と、
各放射線量測定手段に各々接続され前記放射線量データとGPS情報に基づき生成した当該地区の位置情報とを関連付けた測定情報を出力する複数の読取処理手段と、
各地区に設置される複数のクライアントコンピュータと、
各地区の複数の住民が所持する複数の携帯電話と、
制御部と、個別のフォルダ領域を有するフォルダを内蔵した記憶手段と、動作プログラムと、前記各測定情報を記憶手段に対応する個別のフォルダ領域に各クライアントコンピュータのアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応付けて記憶すると同時に、対応するアドレスの各クライアントコンピュータに対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を電子メールにより瞬時に、かつ、個別に送信処理するとともに、前記各測定情報を記憶手段に対応する個別のフォルダ領域に各携帯電話のアドレス及び測定情報の取得を希望する地区の位置情報に対応付けて記憶すると同時に、対応するアドレスの各携帯電話に対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を携帯メールにより瞬時に、かつ、個別に送信処理する瞬時記憶・送信プログラムとを格納したプログラムメモリと、を有し、瞬時記憶・送信プログラムにより、各クライアントコンピュータに対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を電子メールにより瞬時に、かつ、個別に送信するとともに、各携帯電話に対して個別のフォルダ領域に記憶した記憶に対応する測定情報を携帯電話メールにより瞬時に、かつ、個別に送信する管理サーバと、
前記複数の読取処理手段と前記管理サーバとの間の情報交信を個別に行う無線データ回線と、
前記管理サーバ、各クライアントコンピュータ間及び前記管理サーバ、各携帯電話間の情報交信を行うインターネット回線網と、
を有することを特徴とする放射線量測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−79865(P2013−79865A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220078(P2011−220078)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(511219205)
【出願人】(511219216)
【Fターム(参考)】