説明

放熱性塗布膜

【課題】熱伝導性フィラーを添加することなく、高い熱伝導性を有し、かつ成形性や密着性に優れた放熱性塗布膜を提供する。
【解決手段】放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物は、ボラジン環を含み、ボラジン構造単位に加えてまたはボラジン骨格を有しない構造単位のいずれかからなる基本単位が結合手を介して連結した化合物であり、有機溶媒への溶解性に優れており、ボラジン化合物と有機溶媒とからなる組成物を塗布して100〜300℃で加熱(焼成)して放熱性塗布膜を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性塗布膜に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子機器の各種素子は、高性能化・高発熱化の傾向にある。そこで、こうした素子における放熱手段の1つとして、可撓性を有する固体状の熱伝導性シート等の必要性が高まっている。従来の熱伝導性シート等には、柔軟性及び熱伝導性に優れたシリコンポリマー(オルガノポリシロキサン)を基材として、その基材中に熱伝導性フィラーを分散させてなる熱伝導材が利用されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開昭58−214209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、樹脂中に無機セラミックスなどの高熱伝導性フィラーを添加する方法では、熱伝導性を得ようとしてフィラーの充填量を増やせば、放熱材料に求められる柔軟性や成形性、密着性といった樹脂の特徴が失われるため、十分な熱伝導性を得ることが困難であった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、熱伝導性フィラーを添加することなく高い熱伝導性を有し、成形性や密着性に優れた放熱性塗布膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明は、ボラジン化合物を含む、放熱性塗布膜である。
【0006】
また、上記目的を達成するための本発明の放熱性塗布膜は、アモルファス構造を有する。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の放熱性塗布膜の熱伝導率は、0.5Wm−1−1以上である。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明の放熱性塗布膜の厚さは、50〜1,000nmである。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明は、前記ボラジン化合物からなる放熱性塗布膜用材料と、有機溶媒とからなる組成物を塗布し、加熱することを含む、放熱性塗布膜の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、熱伝導性が高く、かつ絶縁性に優れた放熱性塗布膜が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ボラジン化合物を含む放熱性塗布膜である。そこで、まず、本発明による放熱性塗布膜用材料について詳説する。
【0012】
[ボラジン化合物]
本発明による放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物とは、ボラジン環を含み、また、ボラジン骨格を構成するホウ素原子及び窒素原子と結合している水素原子の一部若しくは全部が置換されたボラジン化合物(ボラジン環からなる単環構造)、あるいはボラジン骨格を構成するホウ素原子及び窒素原子と結合している水素原子、ハロゲン原子または置換基の一部若しくは全部が結合基(結合手)に置換されたボラジン構造単位を有する化合物を意味し、ボラジン構造単位に加えてまたはボラジン骨格を有しない構造単位のいずれかからなる基本単位が結合手を介して連結した化合物をさらに有していてもよい。
【0013】
詳細にいえば、前記ボラジン化合物は、
(1)ボラジン環の単環化合物(モノマー)(第一態様)、
(2)上記(1)のモノマー(ボラジン構造単位)が結合手を介して重合したホモポリマー(第二態様)、
(3)上記(1)のボラジン構造単位(モノマー)と、ボラジン骨格を有しない構造単位(モノマー)とのコポリマー(第三態様)、
(4)上記(1)の単環を縮合環に置き換えた化合物(モノマー)、前記化合物を構造単位とし、前記構造単位からなるホモポリマー、及び前記構造単位と、ボラジン骨格を有しない構造単位(モノマー)とのコポリマー(第四態様)、
といった態様に類別することができる。なお、本明細書における「ポリマー」は、重合度の低いポリマー、すなわちオリゴマーも含む。
【0014】
ボラジン化合物に含まれるボラジン環は、環上に窒素及びホウ素という異なる原子を有していることから、部分的なイオン性を示すが、全体として共鳴構造であることに起因して低誘電率性を示す。また、ボラジン環は、ベンゼンと比較して有意に高い耐熱性を有し、さらには機械強度にも優れている。
【0015】
すなわち、本発明によるボラジン化合物のうちポリマーは、ボラジン構造単位が結合手を介して連結した化合物(ボラジンポリマー)、さらには、本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない程度に、ボラジン構造単位だけでなくボラジン骨格を有しない構造単位も構造単位として含みうる。本願において、「ボラジン骨格を有しない構造単位」とは、単なる置換基ではなく、比率の異なるコポリマーとしてボラジン骨格を有さないモノマー単位を構成可能なものをいう。
【0016】
本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない程度の「ボラジン骨格を有しない構造単位」としては、特に制限されることはないが、ボラジン構造単位と反応することなく有機成分(有機溶媒)等によって混在させた(分散させた)形であってもよいし、ボラジン構造単位とボラジン骨格を有しない構造単位とが、コポリマーとして反応可能な状態で、または反応した状態で、あるいはそれらの混在状態で存在するものを含むものであってもよい。前記「ボラジン骨格を有しない構造単位」を例示するならば、下記化学式2で示されるような、ビニル基と置換基R13とが結合した化合物が挙げられる。
【0017】
【化1】

【0018】
13が採り得る具体的な置換基として、特に制限されることはないが、例えば、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
【0019】
また、前記ボラジン化合物としては、特に制限されるべきものではなく、ボラジン(−BH−と−NH−が交互に並んだ平面形六員環化合物;B)及び前記ボラジンのうち1以上の水素原子を置換基で置換したボラジン誘導体、並びにこれらのプレポリマーなど、ボラジン環を含む化合物であればいずれも前記ボラジン化合物の構成要素として使用可能である。ここで前記ボラジンのうち1以上の水素原子を置換し得る置換基としては、本発明の作用効果(特に、熱伝導性及び絶縁性を発現する効果)を損なわない範囲であれば特に制限されるべきことはなく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
【0020】
しかし、前記構成要素としては、前記ボラジンのような無置換ボラジンと比較すると、ボラジン誘導体(無置換ボラジンの水素原子のうち一以上が置換されているもの)のような置換ボラジンの方が好ましい。なぜなら、置換ボラジンは、無置換ボラジンに比べて耐水性が高いためである。すなわち、非有機ポリマー(ホモポリマー、コポリマー)よりも有機ポリマーの方が好ましい。なお、ボラジンに2個以上の置換基が導入される場合、これらの置換基は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0021】
本発明による放熱性塗布膜用材料の熱伝導率は、0.1Wm−1−1以上であることが好ましく、0.5Wm−1−1以上であることがより好ましく、1.0Wm−1−1以上であることが特に好ましい。
【0022】
このように、本発明の放熱性塗布膜は、絶縁性に優れつつも、さらに熱伝導性に優れたボラジン化合物を含む放熱性塗布膜用材料を塗布して形成されることを特徴とする。従来、放熱材料用化合物として使用されてきたものは、シリコン系か、またはアクリル樹脂若しくはエポキシ樹脂等を主成分とする非シリコン系かのいずれかであり、熱伝導性を付与するために無機セラミックスなどの高熱伝導性フィラーを添加する必要があった。しかしながら、成形性や強度、密着性といった観点から添加量には制限があるため、十分な熱伝導性を得るのは困難であった。また、熱伝導フィラーを用いると、薄膜を作製するのが困難であった。これに対し、本発明のボラジン環を主成分とする放熱性塗布膜は、それ自体優れた熱伝導性を有しているため、添加剤を必要としない。したがって、熱伝導性、可とう性に優れた薄膜状の放熱膜を提供しうる。また、ボラジン化合物の特徴である耐熱性や機械的強度を併有する放熱膜を提供しうる。
【0023】
本発明による放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物の好ましい例について、より具体的には、以下のように表される。
【0024】
<ボラジン化合物の第一態様>
第一態様に該当する化合物としては、ボラジン環が単環構造を有しており、かつポリマーでない限り、特に制限されることはないが、好ましい形態として以下のように表すことができる。
【0025】
【化2】

【0026】
式中、R、R、R、R、R及びRは、特に制限されることはないが、例えば、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、チオシアナート基、シアナート基、アシル基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換または非置換の炭素数6〜18のアリールチオ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、あるいは置換または非置換の炭素数7〜20のアリールカルボニルアミノ基などが挙げられる。また、隣り合う2個の置換基が連結基を介して繋がっていてもよい。なお、第一態様に該当する化合物は、R、R、R、R、R及びRが全て水素原子である、無置換型のボラジン(以下、単に「無置換ボラジン」と称す)であってもよい。
【0027】
<ボラジン化合物の第二態様、第三態様>
また、ボラジン環からなる単環化合物以外にも、本発明による放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物は、
化学式1:
【0028】
【化3】

【0029】
式中、R、R、R、R、R及びRのうち1〜6個は、それぞれ独立して、単結合、O、NH、NR、BH、BR、S、O−R−O、NH−R10−NH、BH−R11−BH、S−R12−S、−CH−若しくはCH−CH、またはN、B、N−R10−NH、N−R10−N、B−R11−BH、B−R11−B、CH−CH、CH−CH、C−CH若しくはC−Cから選択される結合手(以下、「結合手(結合基)X」または単に「X」とも称する)であり、
残りのR、R、R、R、R及びR、並びにR及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、チオシアナート基、シアナート基、アシル基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールチオ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、あるいは置換または非置換の炭素数7〜20のアリールカルボニルアミノ基であり、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキレン基である、で表される少なくとも一のボラジン構造単位(前記化学式1中のボラジン骨格は単環でも縮合環でもよい)を有しうる。
【0030】
また、前記ボラジン化合物は縮合環構造を有していてもよい。なお、2つのボラジン骨格を結ぶR、R、R、R、RまたはRが共に結合手(結合基)である場合、−X−X−と表せるが、−X−X−の場合、各Xは、同一の結合基であっても異なる結合基であってもよい。また、以下で「−X−」と表す場合、−X−X−のうち少なくとも一方のXが単結合であることを意味する。さらに、2個のボラジン骨格のホウ素原子同士、窒素原子同士、及びホウ素原子と窒素原子とが直接結合しているような場合には、かかる直接結合は単結合(結合子)に相当し、−X−X−中の2つのXは共に単結合である。すなわち、本明細書において、「単結合」(結合子)とは、隣り合う原子同士の直接結合を意味する。
【0031】
結合様式が上記(2)の場合、得られるポリマーは、ボラジン構造単位を唯一のモノマー単位とする(ホモ)ポリマーであり、場合によってはボラジン環が主鎖を構成しうる(第二態様)。また、結合様式が上記(3)の場合、得られるポリマーは、ボラジン構造単位とボラジン骨格を有しない構造単位とをモノマー単位とするコポリマーであり、場合によってはボラジン環が主鎖を構成しうる(第三態様)。
【0032】
(第二態様)
まず、上記ボラジン構造のみを有する場合として、ボラジン構造単位(モノマー)が連結してなりボラジン環が主鎖を構成してもよい(ホモ)ポリマー、すなわちボラジン骨格同士が直接、または結合手(結合基)を介して間接に結合してなる(ホモ)ポリマーについて説明する。
【0033】
、R、R、R、R及びRのうち1〜6個(好ましくは1〜3個)は、特に制限されることはないが、それぞれ独立して、単結合、O、NH、NR、BH、BR、S、O−R−O、NH−R10−NH、BH−R11−BH、S−R12−S、−CH−若しくはCH−CH、またはN、B、N−R10−NH、N−R10−N、B−R11−BH、B−R11−B、CH−CH、CH−CH、C−CH若しくはC−Cであることが好ましい。
【0034】
また、ボラジン骨格同士が結合手(結合基)を介して直接または間接に結合する場合、−X−X−と表せるが、−X−X−の場合、各Xは、同一の結合基であっても異なる結合基であってもよい。なお、以下で「−X−」と表す場合、−X−X−のうち少なくとも一方のXが単結合であることを意味する。
【0035】
さらに、ボラジン骨格同士が結合手(結合基)「−X−X−」を介して間接に結合する場合、ボラジン骨格ではなく前記結合基が主鎖となる場合がある。例えば、−X−X−の各Xが共にCH−CHの場合、「CH」の炭素原子から伸びる二本の手のうち一方を介して、主鎖を炭素鎖とするポリマーを構成する。そのため、かような場合、ボラジン環は一部または全体において主鎖を構成しないこととなる。換言すれば、結合手を構成する結合基から更に手が伸びて、結合基が主鎖を構成する場合がある。
【0036】
「X以外の、化学式1中に示されたR、R、R、R、R及びR」、並びに「上記したR及びR」は、特に制限されることはないが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、チオシアナート基、シアナート基、アシル基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールチオ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、あるいは置換または非置換の炭素数7〜20のアリールカルボニルアミノ基が挙げられる。また、なかでも好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜20のアリール基、または置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換若しくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。R、R、R、R、R及びRは、互いに同一であっても異なってもよい。
【0037】
また、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
【0038】
以下、R、R、R、R、R及びR、並びにR及びR、さらに場合によってはR、R10、R11及びR12が取り得る原子や基について、より具体的に例示する。
【0039】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、アシル基としては、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、p−tert−ブチルベンゾイル基などが挙げられる。
【0040】
置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基の例としては、特に制限されることはないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、等の炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状の炭化水素基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、ジメトキシエチル基、ジエトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基等のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜20のアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルキルアミノカルボニルアルキル基、アルコキシスルホニルアルキル基などが挙げられる。
【0041】
また、置換または非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基の例としては、特に制限されることはないが、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、メチルシクロペンチル基、n−プロピルシクロペンチル基、イソプロピルシクロペンチル基、n−ブチルシクロペンチル基、イソブチルシクロペンチル基、tert−ブチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、n−プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、n−ブチルシクロヘキシル基、イソブチルシクロヘキシル基、tert−ブチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、n−プロピルシクロヘプチル基、イソプロピルシクロヘプチル基、n−ブチルシクロヘプチル基、イソブチルシクロヘプチル基、tert−ブチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、n−プロピルシクロオクチル基、イソプロピルシクロオクチル基、n−ブチルシクロオクチル基、イソブチルシクロオクチル基、tert−ブチルシクロオクチル基などが挙げられる。
【0042】
また、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基の例としては、特に制限されることはないが、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,2−ジメチル−プロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、1−イソプロピルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2−メチル−1−イソプロピルプロピルオキシ基、1−エチル−3−メチルブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−メチル-1−イソプロピルブチルオキシ基、2−メチル−1−イソプロピルオキシ基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピルオキシ基、n−ノニルオキシ基などの炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−エトキシプロピルオキシ基、ジメトキシメトキシ基、ジエトキシメトキシ基、ジメトキシエトキシ基、ジエトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、ブチルオキシエトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシアルコキシ基、クロロメトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ基などのハロゲン化アルコキシ基、ジメチルアミノエトキシ基、ジエチルアミノエトキシ基などのアルキルアミノアルコキシ基、ジアルキルアミノアルコキシ基などが挙げられる。
【0043】
置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、フロロフェニル基、ペンタフロロフェニル基、ヨウ化フェニル基等のハロゲン化フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、ジメチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−ブチルメチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、トリフロロメチルフェニル基などのアルキル誘導体置換フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシフェニル基、メチルエトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、1−エトキシ−4−メトキシフェニル基、クロロメトキシフェニル基、エトキシエトキシフェニル基、エトキシエトキシエトキシフェニル基などのアルコキシ基置換フェニル基、メチルチオフェニル基、エチルチオフェニル基、tert−ブチルチオフェニル基、ジ−tert−ブチルチオフェニル基、2−メチル−1−エチルチオフェニル基、2−ブチル−1−メチルチオフェニル基などのアルキルチオ基置換フェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、N,N−ジアミルアミノフェニル基、N,N−ジヘキシルアミノフェニル基、N−メチル−N−エチルアミノフェニル基、N−ブチル−N−エチルアミノフェニル基、N−ヘキシル−N−エチルアミノフェニル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルフェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−メチルフェニル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルフェニル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルフェニル基などのアルキルアミノフェニル基、ナフチル基、クロロナフチル基、ジクロロナフチル基、トリクロロナフチル基、ブロモナフチル基、フロロナフチル基、ペンタフロロナフチル基、ヨウ化ナフチル基などのハロゲン化ナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルエチルナフチル基、イソプロピルナフチル基、tert−ブチルナフチル基、tert−ブチルメチルナフチル基、オクチルナフチル基、ノニルナフチル基、トリフロロメチルナフチル基などのアルキル誘導体置換ナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロポキシナフチル基、ヘキシルオキシナフチル基、シクロヘキシルオキシナフチル基、オクチルオキシナフチル基、2−エチルヘキシルオキシナフチル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシナフチル基、メチルエトキシナフチル基、ジメトキシナフチル基、クロロメトキシナフチル基、エトキシエトキシナフチル基、エトキシエトキシエトキシナフチル基などのアルコキシ基置換ナフチル基、メチルチオナフチル基、エチルチオナフチル基、tert−ブチルチオナフチル基、メチルエチルチオナフチル基、ブチルメチルチナフチル基などのアルキルチオ基置換ナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、N,N−ジブチルアミノナフチル基、N,N−ジアミルアミノナフチル基、N,N−ジヘキシルアミノナフチル基、N−メチル−N−エチルアミノナフチル基、N−ブチル−N−エチルアミノナフチル基、N−ヘキシル−N−エチルアミノナフチル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルナフチル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−メチルナフチル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルナフチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルナフチル基などのアルキルアミノナフチル基、ピリジル基、ピペリジル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、ピローリジル基、フリル基などが挙げられる。また、置換または非置換のアリールオキシ基の例としては、特に制限されることはないが、フェノキシ基、ナフトキシ基、アルキルフェノキシ基などが挙げられる。
【0044】
置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、特に制限されることはないが、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、1,3−ジメチルブチルチオ基、1−イソプロピルプロピルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、n−ヘプチルチオ基、1,4−ジメチルペンチルチオ基、2−メチル−1−イソプロピルプロピルチオ基、1−エチル−3−メチルブチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3−メチル−1−イソプロピルブチルチオ基、2−メチル−1−イソプロピルチオ基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピルチオ基、n−ノニルチオ基などの炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキルチオ基、メトキシメチルチオ基、メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、プロポキシエチルチオ基、ブトキシエチルチオ基、3−メトキシプロピルチオ基、3−エトキシプロピルチオ基、メトキシエトキシエチルチオ基、エトキシエトキシエチルチオ基、ジメトキシメチルチオ基、ジエトキシメチルチオ基、ジメトキシエチルチオ基、ジエトキシエチルチオ基などのアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキルチオ基、クロロメチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルチオ基などのハロゲン化アルキルチオ基、ジメチルアミノエチルチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基などのアルキルアミノアルキルチオ基、ジアルキルアミノアルキルチオ基などが挙げられる。置換または非置換のアリールチオ基の例としては、特に制限されることはないが、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アルキルフェニルチオ基などが挙げられる。
【0045】
置換または非置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基の例としては、特に制限されることはないが、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、1,2−ジメチル−プロピルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、1,3−ジメチル−ブチルオキシカルボニル基、1−イソプロピルプロピルオキシカルボニル基、1,2−ジメチルブチルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、1,4−ジメチルペンチルオキシカルボニル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピルオキシカルボニル基、1−エチル−3−メチルブチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、3−メチル−1−イソプロピルブチルオキシカルボニル基、2−メチル−1−イソプロピルオキシカルボニル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基などの炭素数2〜20の直鎖または分岐のアルキルオキシカルボニル基、メトキシメトキシカルボニル基、メトキシエトキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、プロポキシエトキシカルボニル基、ブトキシエトキシカルボニル基、γ−メトキシプロポキシカルボニル基、γ−エトキシプロポキシカルボニル基、メトキシエトキシエトキシカルボニル基、エトキシエトキシエトキシカルボニル基、ジメトキシメトキシカルボニル基、ジエトキシメトキシカルボニル基、ジメトキシエトキシカルボニル基、ジエトキシエトキシカルボニル基等のアルコキシアルコキシカルボニル基、アルコキシアルコキシアルコキシカルボニル基、アルコキシアルコキシアルコキシアルコキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシカルボニル基などのハロゲン化アルキルオキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキルオキシカルボニル基、ジアルキルアミノアルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニルアルキルオキシカルボニル基、アルコキシスルホニルアルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0046】
炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基の例としては、特に制限されることはないが、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、キシリルオキシカルボニル基、クロロフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0047】
炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基の例としては、特に制限されることはないが、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、sec−ブチルアミノカルボニル基、n−ペンチルアミノカルボニル基、n−ヘキシルアミノカルボニル基、n−ヘプチルアミノカルボニル基、n−オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ−n−プロピルアミノカルボニル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニル基、ジ−sec−ブチルアミノカルボニル基、ジ−n−ペンチルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘキシルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘプチルアミノカルボニル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
【0048】
置換または非置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ基としては、特に制限されることはないが、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−ヘプチルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基などが挙げられる。置換または非置換のアリールアミノ基としては、特に制限されることはないが、フェニルアミノ基、p−メチルフェニルアミノ基、p−tert−ブチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ−p−メチルフェニルアミノ基、ジ−p−tert−ブチルフェニルアミノ基などが挙げられる。
【0049】
置換または非置換の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基としては、特に制限されることはないが、アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基、n−ブチルカルボニルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基、sec−ブチルカルボニルアミノ基、tert−ブチルカルボニルアミノ基、n−ペンチルカルボニルアミノ基、n−ヘキシルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、n−ヘプチルカルボニルアミノ基、3−ヘプチルカルボニルアミノ基、n−オクチルカルボニルアミノ基などが挙げられる。置換または非置換のアリールカルボニルアミノ基としては、特に制限されることはないが、ベンゾイルアミノ基、p−クロロベンゾイルアミノ基、p−メトキシベンゾイルアミノ基、p−tert−ブチルベンゾイルアミノ基、p−トリフロロメチルベンゾイルアミノ基、m−トリフロロメチルベンゾイルアミノ基などが挙げられる。
【0050】
また、合成反応の収率や取り扱いの容易性の観点から、
・R、R及びRの一以上が、それぞれ独立して結合手を有し、R、R及びRが、それぞれ独立して、結合手以外の上記した原子または基を有すること、
・R、R及びRの一以上が、それぞれ独立して結合手を有し、R、R及びRが、それぞれ独立して、結合手以外の上記した原子または基を有すること、
が好ましい。
【0051】
なお、R、R、R、R、R及びRが取り得る、結合手以外の上記した原子や基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、合成反応の収率や取り扱いの容易性を考慮すると、同一の原子ないし基である方が好ましい。
【0052】
また、R〜R12が採る、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキレン基の例としては、特に制限されることはないが、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、n−ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、1,3−ジメチルブチレン基、1−イソプロピルプロピレン基、1,2−ジメチルブチレン基、n−ヘプチレン基、1,4−ジメチルペンチレン基、2−メチル−1−イソプロピルプロピレン基、1−エチル−3−メチルブチレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、3−メチル−1−イソプロピルブチレン基、2−メチル−1−イソプロピレン基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピレン基、n−ノニレン基、3,5,5−トリメチルヘキシレン基、等の炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状の炭化水素基、メトキシメチレン基、メトキシエチレン基、エトキシエチレン基、プロポキシエチレン基、ブトキシエチレン基、3−メトキシプロピレン基、3−エトキシプロピレン基、メトキシエトキシエチレン基、エトキシエトキシエチレン基、ジメトキシメチレン基、ジエトキシメチレン基、ジメトキシエチレン基、ジエトキシエチレン基等のアルコキシアルキレン基、アルコキシアルコキシアルキレン基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキレン基、クロロメチレン基、2,2,2−トリクロロエチレン基、トリフルオロメチレン基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピレン基等のハロゲン化アルキレン基、炭素数2〜20のアルキルアミノアルキレン基、ジアルキルアミノアルキレン基、アルコキシカルボニルアルキレン基、アルキルアミノカルボニルアルキレン基、アルコキシスルホニルアルキレン基などが挙げられる。
【0053】
さらに、得られるポリマーは、直鎖、分岐鎖の双方がありうる。
【0054】
本態様により得られる、上記(1)を満たすポリマーは、例えば、化学式3〜5のように表すことができる。
【0055】
【化4】

【0056】
【化5】

【0057】
【化6】

【0058】
化学式3は、主鎖骨格中にボラジン環を含むモノマー単位からなる直鎖ポリマーである。なお、一のボラジン構造単位中に結合手は2個存在する。
【0059】
化学式4は、主鎖骨格中にボラジン環を含むモノマー単位からなる分岐鎖ポリマーである。化学式4に示されたモノマー単位中の2つのXは、互いに同一であっても異なってもよい。また、上記の例ではいずれもボラジンのホウ素原子とXとが結合しているが、ボラジンの窒素原子とXとが結合してなる化合物も本発明に含まれることはいうまでもない。なお、一のボラジン構造単位中に結合手は3個存在する。
【0060】
化学式5は、主鎖骨格が炭素からなり、ボラジン環は炭素鎖の置換基として含まれるモノマー単位からなる直鎖ポリマーである。化学式5中のCH−CHはXに相当する。また、式としては示していないが、主鎖骨格が炭素からなり、ボラジン環は炭素鎖の置換基として含まれるモノマー単位からなる分岐鎖ポリマーであってもよい。なお、一のボラジン構造単位中に結合手は1個存在する。
【0061】
モノマーの繰り返し単位数nは、ポリマーの重量平均分子量が300〜50,000となるような整数であることが好ましく、300〜30,000となるような整数であることがより好ましく、300〜10,000となるような整数であることが特に好ましい。上記範囲内の場合、溶媒に対する優れた溶解性が得られ、塗布膜を製造する際に有利となる。
【0062】
なお、本明細書中、重量平均分子量はGPCで測定できる。
【0063】
上記(2)を満たすオリゴマーについて、より具体的な例を以下に挙げる(化学式6、7)。
【0064】
【化7】

【0065】
【化8】

【0066】
前記オリゴマー中のボラジン環(ボラジン構造単位)の数は、2〜20個であることが好ましく2〜10個であることがより好ましく、2〜5個であることが特に好ましい。上記範囲内の場合、有機溶媒への溶解性に優れる。
【0067】
(第三態様)
次に、上記(3)の結合様式のみを有する場合、並びに(2)及び(3)の結合様式を共に有する場合として、ボラジン構造単位(モノマー)とボラジン骨格を有しない構造単位(モノマー)が連結してなりボラジン環が主鎖を構成してもよいコポリマーについて説明する。本態様のボラジン化合物のうちポリマーは、上記したボラジン構造単位を唯一のモノマー単位とする(ホモ)ポリマー(上記(2)の場合)ではなく、ボラジン環とその他の一種以上の化合物とをモノマー単位とするコポリマー(上記(3)の場合)でありうる。ボラジン骨格を有しない構造単位の例については上述の通りである。本態様のコポリマーの一例を下記化学式8、9に示す。
【0068】
【化9】

【0069】
【化10】

【0070】
化学式9は、主鎖骨格が炭素からなり、ボラジン環は炭素鎖の置換基として含まれるモノマー単位からなる直鎖コポリマーである。化学式9のうち主鎖を構成するCH−CHはXに相当する。また、式中、R13は上記で説明した通りである。
【0071】
モノマーの繰り返し単位数p及びqは、p/q(モル比)=0.1〜1,000であることが好ましく、p/q=1〜100であることがより好ましい。上記範囲内の場合、溶解性が高くなる。ボラジン化合物がボラジン構造単位と、ボラジン骨格を有しない構造単位とを有する場合、ボラジン化合物がボラジン構造単位と、ボラジン骨格を有しない構造単位とは、ブロック状に付加されても、ランダム状に付加されてもよい。
【0072】
また、式としては示していないが、主鎖骨格が炭素からなり、ボラジン環は炭素鎖の置換基として含まれるモノマー単位からなる分岐鎖ポリマーであってもよい。
【0073】
さらに、上記(3)の結合様式のみを有する場合は、下記式のように表すことができる。
【0074】
【化11】

【0075】
化学式10で表されるモノマーの繰り返し単位数nは、2以上であれば特に制限されない。
【0076】
<ボラジン化合物の第四態様>
第四態様によるボラジン化合物は、上記(1)の単環を縮合環に置き換えた化合物(モノマー)、前記化合物を構造単位とし、前記構造単位からなるホモポリマー、及び前記構造単位と、ボラジン骨格を有しない構造単位(モノマー)とのコポリマーである。
縮合環化合物の一単位に含まれるボラジン環の数は、2〜20であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜5であることが特に好ましい。上記範囲内の場合、有機溶媒に対する溶解性が向上する。
【0077】
上記第一〜第三態様は、いずれも単環のボラジン環を用いる一方、本態様は縮合環のボラジン環を用いる点に特徴がある。
【0078】
したがって、上記第二態様及び第三態様によるポリマー(ホモポリマー、コポリマー)は、ボラジン構造単位を単環から縮合環へと置き換えることにより、本態様に引用されうる。
【0079】
以下、化学式11としてボラジン環の縮合環化合物の例を示す。また、化学式11として該縮合環を唯一のモノマー単位とするポリマーを例示する。なお、化学式では示していないが、該縮合環とその他の構造単位をモノマー単位とするポリマーもありうる。
【0080】
【化12】

【0081】
【化13】

【0082】
このように、各種態様の放熱性塗布膜用材料を示してきたが、本発明は各種態様ごとのボラジン化合物のみを一種含む形態には限られず、組成物の形態もありうる。放熱材料形成用組成物の例として、いずれかの態様に属するボラジン化合物を二種以上含む組成物、及び第一〜第四態様のうち二以上の態様から選択される二種以上のボラジン化合物を含む組成物が挙げられる。
【0083】
なお、本発明の放熱材料用化合物に、溶媒を添加して組成物としてもよい。前記溶媒の例として、テトラヒドロフラン、モノエチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノンから選択される一種以上が挙げられる。
【0084】
[放熱性塗布膜用材料の合成方法]
<第一態様>
本態様は、上述の「ボラジン化合物の第二態様」に対応した合成方法である。
【0085】
第一態様によれば、ボラジン環同士が結合基(X)として、単結合、酸素原子(O)、窒素原子(N)、ホウ素原子(B)または硫黄原子(S)を介して直接または間接に結合してなる化合物である。より具体的には、前記結合基として、単結合、O、NH、NR、BH、BR、S、O−R−O、NH−R10−NH、BH−R11−BH、S−R12−S、−CH−若しくはCH−CH、またはN、B、N−R10−NH、N−R10−N、B−R11−BH、B−R11−B、CH−CH、CH−CH、C−CH若しくはC−Cが挙げられ、R、R、R、R10、R11及びR12の例示は上述の通りであるのでここでは省略する。
【0086】
本態様における合成方法としては、特に制限されることはないが、例えば加熱による縮合反応が挙げられる。脱水縮合反応や縮重合反応等の縮合反応の条件等は従来公知の条件により行うことができる。また、かかる縮合反応の一例を後述の実施例に示している。
【0087】
下記に、前記放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物の反応式(1〜5)を示す。
【0088】
【化14】

【0089】
反応式1は、アミノボラジンの縮合反応であって、置換基「−NHR」同士の縮合による。また、式中の置換基「−NHR」は−NHや−NRR’であってもよい(式は示さない)。−NRR’同士を縮合させる場合には、NH及びRNHを加熱の際に添加しておくのが好ましい。
【0090】
なお、以降の反応式中、RはX以外のR、RまたはRのいずれかを示し、R’はR、RまたはRのいずれかを示す。
【0091】
【化15】

【0092】
【化16】

【0093】
反応式2、3は、それぞれN、Bを結合手としてボラジン骨格を結合させてオリゴマー化合物を合成する系である。なお、反応式2はB−モノクロロボラジンとアンモニアとの反応式であり、反応式3はN−ジアルキルボラジンと三塩化ホウ素との反応式である。
【0094】
【化17】

【0095】
反応式4は、NHを結合手としてボラジン骨格を結合させてオリゴマーを合成する系である。なお、反応式4は、B−クロロボラジンとヘキサメチルシラザンとの反応式である。
【0096】
【化18】

【0097】
反応式5は、一のボラジン骨格中のNと、他のボラジン骨格中のBとを単結合により結合させてなるポリマーを合成する系である。なお、反応式5は、N−リチオボラジンとB−クロロボラジンとの反応式である。
【0098】
【化19】

【0099】
反応式6は、ボラジン構造単位と2官能性化合物との反応である。なお、式中の2官能性基(NH−CH−CH−NH)はXの一選択肢である。
【0100】
【化20】

【0101】
反応式7は、主鎖骨格が炭素からなり、ボラジン環は炭素鎖の置換基として含まれるモノマー単位からなる直鎖ポリマーである。反応式7において、反応材料にはボラジン環にビニル基が結合したものを使用し、得られたポリマーを構成するモノマー中のCH−CHはXに相当する。本反応系の合成方法としては、特に制限されることはないが、例えばラジカル重合反応が挙げられる。ラジカル重合反応の条件等は従来公知の条件により行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、特に制限されず従来公知のものを使用可能であるが、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。以下に、前記放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物の反応式を示す。
【0102】
<第二態様>
本態様は、上述の「ボラジン化合物の第三態様」に対応した合成方法である。
【0103】
第二態様によれば、ボラジン構造単位(モノマー)とボラジン骨格を有しない構造単位(モノマー)とからなりボラジン環が主鎖を構成してもよいコポリマー(オリゴマーも含む)である。下記に、前記放熱性塗布膜用材料に含まれるボラジン化合物の反応式(8)を示す。
【0104】
【化21】

【0105】
反応式8は、主鎖骨格が炭素からなり、ボラジン環は炭素鎖の置換基として含まれるボラジン構造単位、すなわちビニルボラジンと、ボラジン骨格を有しない構造単位、すなわちビニルベンゼンとをモノマー単位とする直鎖ポリマーである。本反応系の合成方法としては、特に制限されることはないが、例えば上記反応式7と同様にラジカル重合反応が挙げられる。
【0106】
<第三態様>
本態様は、上述の「ボラジン化合物の第四態様」に対応した合成方法である。
【0107】
第三態様によれば、ボラジン環が縮合環構造を有しているか、またはその重合物である放熱性塗布膜用材料である。すなわち、下記化学式13で示される化合物を加熱することにより、上記化学式11に示すような様々なタイプの縮合環構造を含むオリゴマー系ボラジン化合物が得られる。さらに、上記化学式11で示されるボラジン構造単位を加熱することにより、上記化学式12に示すような様々なタイプの縮合環構造を含むポリマー系ボラジン化合物が得られる。
【0108】
【化22】

【0109】
[放熱性塗布膜]
本発明は、上記放熱性塗布膜用材料を用いて得られる放熱性塗布膜を提供するものである。本発明の放熱性塗布膜用材料であればいずれも十分な放熱性を発揮する放熱性塗布膜を提供することができる。好ましくは上記ボラジン化合物の第一〜第四態様による化合物から得られる放熱性塗布膜である。
【0110】
前記放熱性塗布膜は、特に制限されないが、可撓性を有する固体状の放熱シート等の放熱体等を得るための原料として用いられうる。このような放熱体は、熱抵抗を低減し、発熱体からの熱の放散を促進することができ、電子・電気部品等に応用できる。
【0111】
詳述すれば、本発明の放熱性塗布膜は、ボラジン化合物を使用しているが故に、薄膜化が容易に可能であるという特徴を有する。これにより、膜厚が、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm以下という優れた放熱性塗布膜が得られる。電子機器等の高性能化に伴い、電子・電気部品等には、熱伝導性、絶縁性、柔軟性や難燃性等に優れた放熱性塗布膜が要求される。前記放熱性塗布膜を得るための前記放熱性塗布膜用材料は、上記した通り、ボラジン化合物特有の性質として熱伝導性、絶縁性や耐熱性に優れており、さらに、上述の通り、ボラジン系ポリマー(ボラジン化合物)を構成するモノマー同士の間の結合基(O、NH、NR、BH、BR、S、O−R−O、NH−R10−NH、BH−R11−BHまたはS−R12−S、−CH−若しくはCH−CH、またはN、B、N−R10−NH、N−R10−N、B−R11−BH、B−R11−B、CH−CH、CH−CH、C−CH若しくはC−C)の存在比率が増加する程、得られるポリマーの柔軟性や熱可塑性が向上し、薄膜形成に一層有利となるのである。
【0112】
本発明の放熱性塗布膜の熱伝導率は、0.1Wm−1−1以上であることが好ましく、0.5Wm−1−1以上であることがより好ましく、1.0Wm−1−1以上であることが特に好ましい。
【0113】
前記放熱性塗布膜の厚さは、10μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることが特に好ましい。上記範囲内の場合、前記塗布膜は可とう性に優れるため、可とう性フィルムが得られる。さらに、電子機器における軽薄短小化の要求に応える材料として有用となる。なお、本願における熱伝導率の測定は、アルバック理工株式会社製の2ω法ナノ薄膜熱伝導率計(TCN−2ω)を用いて行った。
【0114】
また、クラックが生じにくくなる等、基板への密着性及び機械的特性に優れる点で、前記放熱性塗布膜がアモルファス構造を有することが好ましい。
【0115】
前記放熱性塗布膜は、本発明によるボラジン化合物に起因する優れた放熱性を抑制しない程度において、他の成分を含んでいてもよい。例えば、ボラジン化合物以外の高熱伝導性絶縁物質(オルガノポリシロキサン)等が挙げられる。
【0116】
[成膜方法]
本発明はまた、上記したボラジン化合物からなる放熱性塗布膜用材料と、有機溶媒とからなる組成物を塗布し、加熱することを含む、放熱性塗布膜の製造方法を提供する。塗布方法として、例えばスプレー法、浸漬法、ハケ塗り法、スピンコーティング法等が挙げられる。前記部位の例として、ガラス基板が挙げられる。前記有機溶媒としては従来公知のものを使用できるが、例えばキシレン、トルエン、エーテル、モノグライム等が挙げられる。
【0117】
放熱性塗布膜用材料を塗布した後、乾燥し、さらに加熱(焼成)する。前記加熱(焼成)の際の温度は100〜600℃であることが好ましく、100〜300℃であることがより好ましい。
【0118】
[放熱性塗布膜の用途]
本発明による熱伝導性及び絶縁性に優れた放熱性塗布膜は、放熱目的に使用されるのであれば特に制限されることはなく、例えば、電子機器の各種素子、デバイス用基板等に応用することができる。電子機器の素子の例として、以下に制限されることはないが、パワートランジスター、ダイオード、サイリスタ、CPU等の発熱部品に使用される素子(電子・電気部品)が挙げられる。また、デバイス用基板の例として、以下に制限されることはないが、半導体やマザーボード等の各種実装基板、LED(LCD、照明)実装用の高放熱基板、封止材料等が挙げられる。
【実施例】
【0119】
<合成例>
合成の反応式は以下の通りである。
【0120】
【化23】

【0121】
反応器に、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジン16gと、脱水トルエン100mlとを仕込み、氷浴下で、n−プロプルアミン14.3gとトリエチルアミン70gの混合溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を60℃まで加熱し、60℃に恒温して3時間攪拌した。生成したアミン塩を濾過により除去した後、溶媒及び未反応のアミンをエバポレーターによって留去して、B,B’,B”−トリス(プロピルアミノ)−N,N’,N”−トリメチルボラジンの黄色液体20.7gを得た。得られた化合物を、さらにトルエン中で110℃にて3時間攪拌することにより、重縮合反応を進行させた。該反応後、溶媒をエバポレーターによって減圧留去して、ボラジン環含有化合物1を得た。
【0122】
<実施例>
ボラジン環含有化合物1を、乾燥させたキシレンに溶解させて、10質量%の溶液とした。この溶液を、スピンコーターを用いて3000rpmでシリコン基板に塗布し、120℃で2分間乾燥させることで放熱性塗布膜を得た。この放熱性塗布膜を窒素雰囲気下において300℃で2時間加熱したところ、透明で均一な放熱性塗布膜を得た。放熱性塗布膜の膜厚を測定したところ、255nmであった。得られた放熱性塗布膜の熱伝導率を測定したところ、6.29±0.13Wm−1−1であった。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、各種電子部品やデバイス用実装基板等に好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボラジン化合物を含む、放熱性塗布膜。
【請求項2】
アモルファス構造を有する、請求項1に記載の放熱性塗布膜。
【請求項3】
前記放熱性塗布膜の熱伝導率は、0.5Wm−1−1以上である、請求項1または2に記載の放熱性塗布膜。
【請求項4】
前記放熱性塗布膜の厚さは、50〜1,000nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放熱性塗布膜。
【請求項5】
請求項1に記載のボラジン化合物からなる放熱性塗布膜用材料と、有機溶媒とからなる組成物を塗布し、加熱することを含む、放熱性塗布膜の製造方法。

【公開番号】特開2009−102462(P2009−102462A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273233(P2007−273233)
【出願日】平成19年10月20日(2007.10.20)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】