説明

放牧赤牛の油脂を用いた化粧品

【課題】特有の臭いや不快感が無く、使用感が良い牛脂を使用した化粧品の提供。
【解決手段】不飽和脂肪酸やカロテン色素を含む放牧によって育成した国産の褐毛和種(あか牛)の油脂を保護クリームとして含む化粧品。また、該牛脂にミント、ラベンダーなどのハーブを入れて煮込み、牛脂を濾して抽出し、さらに蒸気蒸留器によって抽出した天然のハーブエキスを加えることで、独特の臭いや不快感が無く、ハーブの香や成分による癒し効果が期待できる化粧品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、化粧品の成分および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[非特許文献1][0004]によれば放牧牛の牛脂は舎飼い牛のものに比べ、不飽和脂肪酸が多いために融点が低い。また、一般的にエサとして食べる生草中のカロテンなどの色素が脂肪に蓄積している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願平8−139523
【特許文献2】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】 Improving the quality of products from grassland N.D.Scollan,R.J.Dewhurst,A.P.Moloney and J.J.Murphy
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放牧牛と舎飼い牛とでは、牛脂に含まれる脂肪酸の組成や脂肪中に含有される成分(カロテンなど)の含有量が異なるが、化粧品の原料となる動物由来の脂肪は、同じ原料として扱われていた。
次に、牛脂をそのまま製品原料として利用すると不快な臭いが残り、それを除くために多くの香料が使用されるもしくは、精製が行われることもある。香料は人口的に合成されたものや、精製されたものが多く用いられるため、皮膚や毛に悪影響を及ぼす可能性がある。油脂が本来備えている手肌の保護に有効性を発揮するかもしれない成分も精製の過程で除去されていた可能性がある。
ただし、海外では牛の育成段階でホルモン剤が使用されることもあるなど、安全性に問題があり、消費者からは国産材料の使用が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
保護クリームの主成分として、不飽和脂肪酸やカロテン色素を含む放牧によって育成した国産の褐毛和種(以下、あか牛)の油脂含む。
この牛脂にハーブを入れて煮込み、牛脂を濾して抽出し、さらに、図1に示した蒸気蒸留器によって抽出した天然のハーブエキスを加えることで、独特の臭いや不快感が無く、ハーブの香や成分による癒し効果が期待でき、使用感の良い化粧品を提供する。
【発明の効果】
【0007】
一般的な舎飼い牛に比べ、放牧で育ったあか牛の油脂は不飽和脂肪酸を多く含むため、融点が低いことが特徴である。そのため、容易に髪や肌へなじみ、しっとりとした感触を得られ、まんべんなく塗布することができる。そして、牛脂に含まれるカロテンなどの色素には抗酸化作用が期待できる。
また、ハーブ由来の抽出エキスを加えることで、肌への刺激が少なく、人工の香料では再現できない、嫌味のない、穏やかな香りを楽しむことができ、ブレンドされるハーブの種類に応じて、癒しなど様々な効果が期待できる。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料には国産材料の牛脂を使用し、放牧に適した品種である、あか牛の油脂を成分として含むことを特徴とする化粧品。
【請求項2】
牛脂にミント、ラベンダーなどのハーブを入れて煮込み、濾した後に、さらにローズ、ハイビスカス、ラベンダー、カモミール、オレンジ、グレープフルーツ、ドクダミ、ヨモギ、レモングラス、ローズマリー、ミント、ニーム、ユーカリレモン、スイカなど種々のハーブを図1に示した蒸気蒸留器又は同等の効果のある器具によって抽出したエキスを単一もしくは複数種類を配合したものを混合し、特融の臭気を軽減した牛脂を使用することを特徴とする化粧品。
【請求項3】
安定剤として蜜蝋、オリーブオイルなどの天然物由来の油脂類を含むことがある化粧品。