説明

放送受信装置

【課題】 効率的に空間ダイバーシチ効果を得ることで受信特性を向上させた放送受信装置を提供する。
【解決手段】 異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波(サイマル放送)を複数のアンテナ系統12で受信してダイバーシチ処理を施す。そして、この処理に際しては、利用する利用放送波を、車両の位置に基づいてその位置に対応したものへ切り替える。この際、アンテナ系統12ごとに、受信状態の最良の放送波を利用放送波として設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置に係り、特に、異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波あるいは単一周波数での放送波を受信してダイバーシチ処理を施すうえで好適な放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等の移動体などに搭載され、放送局から放送された放送波の品質が劣化する状況でも良好な受信状況を得るべくダイバーシチ受信を行う放送受信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この放送受信装置は、複数のチューナを備えており、チューナからの出力信号をダイバーシチ処理を施して復調する受信対象を複数のチューナとするか単一のチューナとするかで切り替えることとしている。
【特許文献1】特開2004−120144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、放送局からは異なる周波数を用いて同一内容の放送を同時に行うサイマル放送が行われることがある。サイマル放送されている複数の放送波を用いれば、空間ダイバーシチによる効果を効率的に得ることが可能である。しかしながら一方、上記従来の放送受信装置において、ダイバーシチ処理される放送波は、予め定めた単一の放送チャンネルに係る周波数のものである。このため、かかる放送受信装置では、単一の放送波を用いているためにダイバーシチ効果を得るには限界があり、ダイバーシチ効果を十分に得ることは極めて困難であった。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、効率的に空間ダイバーシチ効果を得ることで受信特性を向上させた放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波を複数のアンテナ系統で受信してダイバーシチ処理を施す放送受信装置であって、所定パラメータに基づいて前記ダイバーシチ処理に利用する利用放送波を切り替える利用放送波切替手段を備える放送受信装置により達成される。
【0006】
この態様において、ダイバーシチ処理に利用される利用放送波は、異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波のうちで切り替わる。このため、単一周波数の放送波を利用する場合に比べて、サイマル放送を利用して空間ダイバーシチを効率的に得ることができ、これにより、受信特性の更なる向上を図ることが可能となる。
【0007】
この場合、前記利用放送波切替手段は、搭載される移動体の位置・場所に基づいて前記利用放送波を該位置・場所に対応したものへ切り替えることとしてもよい。
【0008】
尚、この際、前記アンテナ系統ごとに、前記位置・場所に対応した前記利用放送波のうちから受信状態の最良のものを前記利用放送波として設定する受信チャンネル設定手段を備えることとすればよい。
【0009】
また、上記の目的は、異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波あるいは単一周波数での放送波を複数のアンテナ系統で受信してダイバーシチ処理を施す放送受信装置であって、所定パラメータに基づいて前記ダイバーシチ処理の処理構成を変更するダイバーシチ処理構成変更手段を備える放送受信装置により達成される。
【0010】
この態様において、異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波あるいは単一周波数での放送波について施されるダイバーシチ処理は、その処理構成が所定パラメータに基づいて変更されることとなっている。このため、ダイバーシチ処理における複数放送波の合成処理部位を受信状態等に対応させて可変にできるので、これにより、受信特性の更なる向上を図ることが可能となる。
【0011】
この場合、前記ダイバーシチ処理構成変更手段は、放送波の受信状態に基づいて前記ダイバーシチ処理による前記アンテナ系統ごとの放送波の合成処理部位を変更することとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ダイバーシチ受信により更なる受信特性の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施例である放送受信装置10のシステム構成図を示す。本実施例の放送受信装置10は、移動体である例えば車両に搭載されており、各放送局から中継局等を介して送信される地上波デジタルテレビジョン(TV)放送などの放送を受信するための装置である。この受信装置10は、異なる周波数で同時放送される同一内容の放送(サイマル放送)や単一周波数で放送される放送をダイバーシチ受信することが可能である。
【0014】
放送受信装置10は、複数(本実施例では図1に示す如く4つ)のアンテナ系統12を備えている。各アンテナ系統12はそれぞれ、アンテナ14と、アンテナ14に接続するIF部16と、IF部16に接続するリサンプル部18と、リサンプル部18に接続する等化器20と、等化器20に接続する誤り訂正部(forward error correction;FEC)22と、を有している。
【0015】
各アンテナ系統12において、IF部16は、アンテナ14に受信された放送波信号を最適レベルに増幅すると共に、その後ローカル信号を混合して予め定められた中間周波数のIF信号にダウンコンバートする機能を有している。かかるIF部16による処理においては、ローカル信号が指定チャンネルに応じた周波数に設定されることにより指定チャンネルが選局される。リサンプル部18は、IF部16でダウンコンバートにより生成されたIF信号をオーバサンプリングする機能を有している。
【0016】
等化器20は、リサンプル部18でサンプリングされたデータを等化処理することにより、放送伝送によって生じた振幅や位相の周波数特性のひずみを補償する機能を有している。また、誤り訂正部22は、等化器20により等化された信号の誤りを訂正する機能を有している。
【0017】
放送受信装置10は、複数のアンテナ14で受信した放送波を合成するダイバーシチ処理における合成処理部位を複数有している。この合成処理部位は、ソフトウェアにより構成される。すなわち、各IF部16にはIF合成部30が、各リサンプル部18にはサンプリングデータ切替/合成部32が、各等化器20には等化後多重化部34が、また、各誤り訂正部22には全復調処理多重化部36が、それぞれソフトウェア的に接続されている。IF合成部30は、各アンテナ系統12のIF部16においてそれぞれ生成されたIF信号を合成する。サンプリングデータ切替/合成部32は、各アンテナ系統12のリサンプル部18においてそれぞれサンプリングされたデータを合成する。等化後多重化部34は、各アンテナ系統12の等化器20においてそれぞれ等化された信号を合成する。また、全復調処理多重化部36は、各アンテナ系統12の誤り訂正部22においてそれぞれ誤り訂正された信号を合成する。
【0018】
IF合成部30には、リサンプル部40が接続されている。リサンプル部40は、IF合成部30で合成されることにより生成されたIF信号をオーバサンプリングする機能を有している。リサンプル部40及びサンプリングデータ切替/合成部32には、等化器42が接続されている。等化器42は、リサンプル部40でサンプリングされたデータ及びサンプリングデータ切替/合成部32で合成されることにより生成されたデータの何れかを適宜等化処理する機能を有している。また、等化器42及び等化後多重化部34には、誤り訂正部44が接続されている。誤り訂正部44は、等化器42で等化された信号および等化後多重化部34で合成されることにより生成された信号の何れかを適宜誤り訂正する機能を有している。
【0019】
全復調処理多重化部36及び誤り訂正部44には、デコード部48が接続されている。デコード部48は、誤り訂正されて復調された信号を多重分離して、映像データ、音声データ、及び文字データ等の各種デジタル信号をそれぞれ復号する。そして、これらの復号化された信号は、映像・音声信号としてディスプレイやスピーカから出力される。
【0020】
放送受信装置10は、また、上記した各アンテナ系統12の各部において得られる情報及び装置外部から入力される情報に基づいてチャンネル選択やダイバーシチの合成処理部位等に関する判断を行う制御部50と、この制御部50における判断処理に必要なデータを記憶するメモリ52と、を備えている。具体的には、制御部50には、アンテナ系統12各部から受信対象となる放送波に関する情報(特に、合成部等30〜36による処理が行われた際の単位時間当たりにおける音声・映像を正常に出力する期間(或いはその累計)の割合(受信率)或いは誤り訂正前後のビットエラー率など)やその放送波に含まれる情報(特に、サイマル放送の有無)が供給されると共に、装置外部から本装置10の搭載される車両が存在する位置や場所に関する情報が供給される。また、メモリ52には、特に図2に示す如き位置と視聴可能な放送チャンネル(サイマル放送の有無を含む)との関係を表したマップが格納されている。
【0021】
次に、本実施例の放送受信装置10の動作について説明する。放送受信装置10は、制御部50による制御に従って動作する。図3は、本実施例の放送受信装置10において制御部50が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
【0022】
本実施例において、車両乗員等により視聴を希望する放送チャンネルが指定・変更されると、制御部50は、まず、その指定チャンネルにおいて放送される放送内容と同一内容の放送が同時に行われているか否か、すなわち、その指定チャンネルに関しサイマル放送が行われているか否かを判別する(ステップ100)。この判別は、放送波に含まれるサイマル放送の有無情報に基づいて或いはメモリ52のマップを参照して車両の現在位置に基づいて行うこととすればよい。
【0023】
制御部50は、指定されたチャンネルについてサイマル放送が行われていないと判別した場合(ステップ100での否定判定時)は、上記の如く指定された指定チャンネル以外のチャンネルを選局する必要はないので、すべてのアンテナ系統12のIF部16においてその指定チャンネルのみを選局して(ステップ102)、その指定チャンネルの周波数に対応したダウンコンバートを実行する。そして、その状態で各アンテナ14に受信された放送波をダイバーシチ処理の各合成処理部位でそれぞれ合成する。この際、制御部50は、ダイバーシチ処理の合成処理部位を順次切り替えながら繰り返し、各合成処理部位で合成された放送波の受信状況(具体的には、受信率など)を測定する(ステップ104)。そして、各合成処理部位での受信状況のうちで最も受信率のよい或いは最もエラーレートの低い合成処理部位を特定し、その後その特定した合成処理部位でダイバーシチ処理が行われるように設定する(ステップ106)。
【0024】
また、制御部50は、指定されたチャンネルについてサイマル放送が行われていると判別した場合(ステップ100での肯定判定時)は、その時点での車両位置とメモリ52に格納されたマップとに基づいてその車両位置で視聴可能なサイマル放送されている放送チャンネルのすべてを抽出する(ステップ108)。そして、その抽出した放送チャンネルすべてについて各アンテナ系統12での選局を一つずつ切り替えながら(ステップ110)、ダイバーシチ処理の各合成処理部位でそれぞれ合成する。この際、制御部50は、各アンテナ系統12での選局組み合わせ一つに対して、ダイバーシチ処理の合成処理部位を順次切り替えながら繰り返し、各合成処理部位で合成された放送波の受信状況(具体的には、受信率など)を測定する(ステップ112)。
【0025】
例えば、車両が図2に示すWエリアに位置するときはAチャンネルのみを、車両がXエリアに位置するときはAチャンネル及びBチャンネルを、また、車両がYエリアに位置するときはAチャンネル及びCチャンネルを、車両がZエリアに位置するときはCチャンネルのみを、それぞれ抽出する。そして、仮に車両がXエリアに位置するときは、4つのアンテナ系統12での選局組み合わせを(A,A,A,A)、(A,A,A,B)、・・・(B,B,B,A)、(B,B,B,B)と一つずつ切り替えながら、それらの選局組み合わせ一つずつに対して、ダイバーシチ処理の合成処理部位を順次切り替えながら繰り返して、各合成処理部位で合成された放送波の受信状況(具体的には、受信率など)を測定する。また、車両がYエリアに位置するときは、4つのアンテナ系統12での選局組み合わせを(A,A,A,A)、(A,A,A,C)、・・・(C,C,C,A)、(C,C,C,C)と一つずつ切り替えながら、上述した処理と同じ処理を実行する。
【0026】
そして、各アンテナ系統12での選局組み合わせすべての各受信状況のうちで最も受信率のよい或いは最もエラーレートの低い選局組み合わせ及び合成処理部位を特定し、その後その特定した選局組み合わせ及び合成処理部位でダイバーシチ処理が行われるように設定処理を行う(ステップ106)。
【0027】
また、制御部50は、上記の如くサイマル放送が行われる状況で合成処置位置の特定されたダイバーシチ処理を実行開始した後において、車両の現在位置でサイマル放送が行われなくなったと判別した場合は、上記したステップ102以降の処理を実行する。一方逆に、サイマル放送が行われていない状況でダイバーシチ処理を実行開始した後において、車両の現在位置でサイマル放送が行われることとなったと判別した場合は、上記したステップ108以降の処理を実行する。
【0028】
また、制御部50は、車両の現在位置でサイマル放送が行われていると判別しているが、特定されている選局組み合わせ及び合成処理部位での受信処理中の放送波の受信状況(例えば受信率)が所定値(例えば、初期受信率の1割減の値や90%などの絶対的な値など)以下に低下してきた場合は、再び上記したステップ108以降の処理を実行して、最適な選局組み合わせ及び合成処理部位を特定し、その後その特定した選局組み合わせ及び合成処理部位でダイバーシチ処理が行われるように設定する(ステップ106)。
【0029】
尚、アンテナ系統12でのチャンネル選局の変更に際しては、変更直後の不安定期間を考慮して、その選局変更が施されるアンテナ系統12をダイバーシチ処理の合成処理対象から除外することとするのがよい。かかる処理によれば、放送出力を行うメインの受信処理にその選局変更による影響が及ばないので、比較的安定した放送出力を実現することが可能となる。
【0030】
更に、制御部50は、合成処理部位の特定されたダイバーシチ処理を行う放送波の受信処理中(すなわち、放送の車両乗員等への出力処理中)において、そのメインのダイバーシチ処理と並列にバックグラウンドでソフトウェア的にダイバーシチ処理の合成処理部位を変更した際の各受信状況を測定する。そして、各受信状況のうちで最も受信率のよい或いは最もエラーレートの低い合成処理部位を特定し、その後その特定した合成処理部位でダイバーシチ処理が行われるように合成処理部位の変更を行う。
【0031】
かかる構成においては、仮に指定チャンネルが同じであっても車両位置ごとに、複数のアンテナ系統12を用いたダイバーシチ処理に利用される利用放送波を切り替えることができる。そして、指定チャンネルについて異なる周波数(チャンネル)でも同一内容のものを同時放送するサイマル放送が行われるエリア内においては、複数のアンテナ系統12を用いたダイバーシチ処理に利用される利用放送波を、その指定チャンネルに係る単一の周波数の放送波だけでなく、サイマル放送されている複数の周波数の放送波とすることができる。このため、本実施例の放送受信装置10によれば、ダイバーシチ処理に単一の周波数の放送波を用いる構成に比べて、空間ダイバーシチを効率的に利用することができ、これにより、受信特性の向上を実現することが可能となっている。
【0032】
また、上記の構成においては、サイマル放送波の受信処理中においてその受信状況が低下したとき、各アンテナ系統12でのダイバーシチ処理に利用される利用放送波(すなわち、その選局チャンネル)としてそれぞれ最適のものを設定することができると共に、ダイバーシチ処理の合成処理部位として最適のものを設定することができる。また、サイマル放送の受信有無にかかわらず放送波の受信処理中において随時、ダイバーシチ処理の合成処理部位を最適なものへ変更することができる。このため、本実施例の放送受信装置10によれば、放送の乗員への出力中においても、各アンテナ系統12でのチャンネル選択やダイバーシチ処理構成の変更により指定チャンネルの放送と同一放送内容の放送について受信特性を向上させることができ、放送出力を視聴者である車両乗員にとって最良なものとすることができる。
【0033】
尚、上記の如くダイバーシチ処理の合成処理部位を動的に切り替える構成においては、受信電界強度(アンテナ14に受信される放送波のレベル変化)が高いがフェージングの影響を受けてヌル点通過等に起因して瞬断が生じ易いときには、処理量が増えるが受信特性を上げ易い全復調処理多重化方式で合成処理を行い、一方、受信電界強度が低いときには、受信信号のS/Nが向上し易いIF合成方式で合成処理を行うことが期待されるので、従って、本実施例によれば、時々の受信状況に適した合成処理によって常に最良の受信特性を得ることが可能となっている。
【0034】
ところで、上記の実施例においては、放送受信装置10の制御部50が、指定チャンネルが同じであっても車両位置ごとに複数のアンテナ系統12を用いたダイバーシチ処理に利用される利用放送波を切り替えることにより特許請求の範囲に記載した「利用放送波切替手段」が、図3に示すルーチン中ステップ106の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「受信チャンネル設定手段」が、放送波の受信処理中に各合成処理部位ごとの受信状態に基づいてその合成処理部位を変更することにより特許請求の範囲に記載した「ダイバーシチ処理構成変更手段」が、それぞれ実現されている。
【0035】
尚、上記の実施例においては、アンテナ14に受信される放送波の復調処理を図1に示す如き構成で実現することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成で実現するものであってもよい。
【0036】
また、上記の実施例においては、放送受信装置10においてダイバーシチ処理を施す合成処理部位をソフトウェア的に構成することとした。このソフトウェア的な構成によれば、ダイバーシチ処理を施すハード構成を複数保持する必要がなく合成処理部位の変更を容易に実現するのに効果的であるという利点があって望ましいのであるが、しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ダイバーシチ処理を施す合成処理部位のすべて又はその一部をハードウェアで構成して、何れの合成処理部位を利用するかを接続切り替えを行うハードスイッチにて切り替えることとしてもよい。
【0037】
また、上記の実施例においては、放送波の受信処理中においてその受信状況が低下しない限り、各アンテナ系統12でのダイバーシチ処理に利用される利用放送波(選局チャンネル)をそれぞれ最適のものへ変更しないが、その受信処理中において随時、4つのアンテナ系統12の利用放送波を一つずつ切り替えながらその際に測定される受信率に基づいて、より高い受信率の利用放送波へ変更することとしてもよい。かかる構成によれば、放送波の受信処理中に受信率の改善を図ることが可能となり、より受信状況に適したダイバーシチ処理を実現することが可能となる。
【0038】
更に、上記の実施例においては、放送受信装置を搭載する移動体として車両を用いることとしたが、携帯電話,PDA等の携帯端末を移動体として適用することとしてもよい。この場合には、移動体としての携帯端末にその絶対位置を検知可能なGPS機能を搭載し、或いは、携帯端末に発信機能を持たせたうえで外部サーバに携帯端末からの発信状態に基づいてその位置を検知させ、その外部サーバの検知した位置を携帯端末に送信することにより、携帯端末にその絶対位置の時間変化から移動体の移動状態を検出させることとすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例である放送受信装置のシステム構成図である。
【図2】位置と視聴可能な放送チャンネルとの関係を表した図である。
【図3】本実施例の放送受信装置において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
10 放送受信装置
12 アンテナ系統
14 アンテナ
16 IF部
18,40 リサンプル部
20,42 等化器
22,44 誤り訂正部
30 IF合成部
32 サンプリングデータ切替/合成部
34 等化後多重化部
36 全復調処理多重化部
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波を複数のアンテナ系統で受信してダイバーシチ処理を施す放送受信装置であって、
所定パラメータに基づいて前記ダイバーシチ処理に利用する利用放送波を切り替える利用放送波切替手段を備えることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記利用放送波切替手段は、搭載される移動体の位置・場所に基づいて前記利用放送波を該位置・場所に対応したものへ切り替えることを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記アンテナ系統ごとに、前記位置・場所に対応した前記利用放送波のうちから受信状態の最良のものを前記利用放送波として設定する受信チャンネル設定手段を備えることを特徴とする請求項2記載の放送受信装置。
【請求項4】
異なる周波数で同時放送された同一内容の放送波あるいは単一周波数での放送波を複数のアンテナ系統で受信してダイバーシチ処理を施す放送受信装置であって、
所定パラメータに基づいて前記ダイバーシチ処理の処理構成を変更するダイバーシチ処理構成変更手段を備えることを特徴とする放送受信装置。
【請求項5】
前記ダイバーシチ処理構成変更手段は、放送波の受信状態に基づいて前記ダイバーシチ処理による前記アンテナ系統ごとの放送波の合成処理部位を変更することを特徴とする請求項4記載の放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−229414(P2006−229414A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38851(P2005−38851)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【Fターム(参考)】