説明

放送送受信システム、受信装置及び再視聴制御方法

【課題】仮に、視聴者が見逃したコンテンツを視聴するときに対価が必要な場合でも、視聴者が対価を支払うことなく、コンテンツを視聴可能とする放送送受信システム、受信装置及び再視聴制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる放送送受信システムは、放送信号を送信する送信装置と、送信装置から送信された放送信号を受信する受信装置とを備えた放送送受信システムである。送信装置は、放送信号に、放送信号に含まれるコンテンツ情報に対応し、コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報を含めて送信する送信部を有する。受信装置は、放送信号を受信する受信部と、放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されたか否かを判定する正常受信判定部と、コンテンツ情報が正常受信されなかったと判定した場合に、コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化する再視聴権利情報制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送送受信システム、受信装置及び再視聴制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2011年のアナログ放送終了に伴い、アナログ放送からデジタル放送へインフラの移行が進んでいる。また、デジタル化の恩恵によってインターネットなどの他のデジタルインフラとの融合がテレビ受信機などで進んできている。
【0003】
そのような中、デジタル放送においては、降雨時などのC/N(Carrier/Noise)比が低下した状態ではアナログ放送とは異なり、映像や音声の視聴が困難となってしまう場合がある。このため、デジタル放送ではC/N比が低下した状態でのさまざまな仕組みが組み込まれている。しかし、豪雨などによって電波が届きにくい状態の場合には、番組の視聴はより困難となり、視聴者はその番組を見逃してしまう。また、突然の重大ニュースの発生などによって、番組自体が途中で予定と変わってしまい、番組の最後の方だけ見逃してしまうこともある。
【0004】
このような不測の事態によって見逃してしまった番組の再視聴を可能とするアクトビラなどの商用のVOD(Video On Demand)サービスがある。しかし、視聴者が見逃してしまった番組をVODサービスによって視聴する場合、別途契約をして有料で再配信番組を視聴する必要がある。また、視聴者が見逃してしまった番組を、その番組が収録されたDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクによって視聴する場合も、光ディスクを購入する必要がある。このように、視聴者が番組を見逃してしまうと、視聴者に意図しない損失が発生してしまう。つまり、視聴者は、見逃してしまったコンテンツを再視聴するための対価を支払う必要がでてしまう。
【0005】
また、視聴者が番組を見逃してしまうということは、その番組において放送されるCM(Commercial Message)も視聴者が見逃してしまうことになる。つまり、コンテンツ作成者にとっても、視聴者にCMを視聴してもらえないという意図しない損失が発生してしまうことになる。
【0006】
特許文献1には、降雨時の低C/N比時にも画像表示を行うことができるテレビジョン放送送受信システムが開示されている。このテレビジョン放送送受信システムの送信装置は、高階層情報として放送する放送番組本体のデータと、複数の番組本体の映像コンテンツを所定の順序で1画面に圧縮配置した映像を低階層情報として伝送するモザイクコンポーネントと、を多重化して階層化伝送信号として送出する。このテレビジョン放送送受信システムの受信装置は、送信装置から受信した階層化伝送信号のC/N比が一定値以下の場合、オペレータが選択した番組を低階層情報のモザイクコンポーネント内から切り出して復号/拡大して表示する。
【0007】
しかし、特許文献1に開示のテレビジョン放送送受信システムは、一度圧縮した番組を復号/拡大して表示するようにしているため、映像が劣化してしまうという問題がある。また、豪雨などによる影響が低階層情報にまで及ぶことがあるため、番組の見逃しを完全になくすことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−136645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
背景技術として説明したように、降雨等の不測の事態によって見逃してしまったコンテンツを視聴者が視聴する場合に、その視聴に対して視聴者が対価を支払う必要がでてしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかる放送送受信システムは、コンテンツ情報を含む放送信号を送信する送信装置と、前記送信装置から送信された放送信号を受信する受信装置と、を備えた放送送受信システムであって、前記送信装置は、前記放送信号に、当該放送信号に含まれるコンテンツ情報に対応し、当該コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報を含めて送信する送信部を有し、前記受信装置は、前記送信装置の送信部より送信された放送信号を受信する受信部と、前記受信部により受信された放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されたか否かを判定する正常受信判定部と、前記正常受信判定部によりコンテンツ情報が正常受信されなかったと判定された場合に、当該コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化する再視聴権利情報制御部と、を有するものである。
【0011】
本発明の第2の態様にかかる受信装置は、コンテンツ情報と、当該コンテンツ情報に対応し、当該コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報と、を含む放送信号を受信する受信部と、前記受信部により受信された放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されたか否かを判定する正常受信判定部と、前記正常受信判定部によりコンテンツ情報が正常受信されなかったと判定された場合に、当該コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化する再視聴権利情報制御部と、を有するものである。
【0012】
本発明の第3の態様にかかる再視聴制御方法は、コンテンツ情報を含む放送信号に、当該放送信号に含まれるコンテンツ情報に対応し、当該コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報を含めて送信し、前記送信された放送信号を受信し、前記受信した放送信号に含まれるコンテンツ情報を正常受信したか否かを判定し、前記受信した放送信号に含まれるコンテンツ情報を正常受信しなかったと判定した場合に、当該コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化するものである。
【0013】
上述した各態様によれば、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、受信装置は、有効化したチケットを使用して、視聴者が見逃してしまったコンテンツを再生することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上述した各態様によれば、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、視聴者が対価を支払うことなく、見逃してしまったコンテンツの視聴を可能とする放送送受信システム、受信装置及び再視聴制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる放送送受信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる送信装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるチケットが付加されたトランスポートストリームの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかるチケットの内容の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる受信装置の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかる受信装置のデジタル放送信号受信処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1にかかる放送送受信システムの再視聴処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる放送送受信システムの構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかる受信装置3の構成図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかる記録再生装置6の構成図である。
【図11】本発明の実施の形態3にかかる放送送受信システムの構成図である。
【図12】本発明の実施の形態3にかかる記録再生装置6の構成図である。
【図13】本発明の実施の形態3にかかる放送送受信システムの再視聴コンテンツ記録処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態4にかかる放送送受信システムの構成図である。
【図15】本発明の実施の形態4にかかる記録再生装置6の構成図である。
【図16】本発明の実施の形態4にかかる携帯端末装置7の構成図である。
【図17】本発明の実施の形態4にかかる放送送受信システムの再視聴コンテンツ記録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態1.
図1を参照して、本発明の実施の形態1にかかる放送送受信システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる放送送受信システムの構成図である。
【0017】
放送送受信システム1は、送信装置2及び受信装置3を備える。受信装置3は、セットトップボックス4と接続されている。セットトップボックス4は、インターネット、電話回線網等のネットワークを介して、VOD(Video On Demand)サーバ5と接続されている。
【0018】
送信装置2は、デジタル放送信号を受信装置3に送信する。デジタル放送信号は、映像及び音声等から構成されるコンテンツを示すコンテンツ情報を含む。送信装置2は、例えば、放送局である。また、デジタル放送信号は、例えば、地上波デジタル放送信号、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送信号、CS(Communications Satellite)デジタル放送信号、ワンセグ放送信号、又は、地上デジタル音声放送信号等である。
受信装置3は、送信装置2から送信されたデジタル放送信号を受信する。受信装置3は、受信したデジテル放送信号に含まれるコンテンツ情報に基づいて、コンテンツを再生する。また、受信装置3は、VODサーバ5に対する要求信号をセットトップボックス4に送信する。受信装置3は、例えば、テレビ受像機である。
【0019】
セットトップボックス4は、コンテンツを示すコンテンツ信号を、VODサーバ5から受信する。セットトップボックス4は、受信したコンテンツ信号を受信装置3で再生可能な信号に変換して受信装置3に送信する。また、セットトップボックス4は、受信装置3から送信された要求信号を、VODサーバ5が解釈できるような形式に変換してVODサーバ5に送信する。
VODサーバ5は、受信装置3に対してビデオオンデマンドサービスを提供する。VODサーバ5は、ビデオオンデマンドサービスとして提供するコンテンツを示すコンテンツ信号をセットトップボックス4に送信する。
【0020】
続いて、図2を参照して、本発明の実施の形態1にかかる送信装置2について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる送信装置2の構成図である。
【0021】
送信装置2は、多重化部21及び伝送送信部22を有する。
多重化部21は、トランスポートストリーム81〜84のスクランブル及び多重化を行うことによって、デジタル放送信号を生成する。トランスポートストリーム81〜84は、1つ又は複数の番組を示す情報である。例えば、トランスポートストリーム81は、事業者Aの番組1を含み、トランスポートストリーム82は、事業者Aの番組2を含み、トランスポートストリーム83は、事業者Bの番組1を含み、トランスポートストリーム84は、事業者Bの番組2を含む。
【0022】
多重化部21は、トランスポートストリーム81〜84を多重化する際に、トランスポートストリーム81〜84に含まれるコンテンツ情報のそれぞれにチケットを対応付けて付加する。ここで、チケットとは、視聴者が見逃してしまったコンテンツを再視聴する権利を示す情報である。多重化部21は、生成したデジタル放送信号を伝送送信部22に出力する。多重化部21が生成するデジタル放送信号は、例えば、高階層情報と低階層情報とを含む階層化伝送信号である。好ましくは、チケットを低階層情報としてトランスポートストリーム81〜84に付加するとよい。そのようにすることで、降雨等の影響によってチケットの内容が破壊される可能性を低減することができる。
【0023】
伝送送信部22は、多重化部21から出力されたデジタル放送信号を取得する。伝送送信部22は、取得したデジタル放送信号を受信装置3に送信する。すなわち、多重化部及び伝送送信部は、受信装置3に対する送信部として機能する。
トランスポートストリーム81〜84及びチケットは、例えば、送信装置2が有する記憶装置(図示せず)に予め格納されている。多重化部21は、記憶装置に格納されるトランスポートストリーム81〜84及びチケットを取得して、トランスポートストリーム81〜84の多重化及びチケットの付加を行う。記憶装置は、例えば、メモリ又はハードディスク等である。
【0024】
続いて、図3を参照して、本発明の実施の形態1にかかるトランスポートストリームにチケットを付加する処理について説明する。図3は、チケットが付加されたトランスポートストリームの一例を示す図である。
【0025】
トランスポートストリームは、複数の番組101〜10mを含む。番組101〜10mは、それぞれ複数の場面111〜11nを含む。n及びmは、任意の正整数である。ここで、場面とは、番組を任意の区間毎に区切った単位である。例えば、場面は、番組をCMで区切った単位としてもよい。つまり、トランスポートストリームは、番組を再生する番組情報を複数含んだ情報であるとも言える。また、番組情報は、場面を再生する場面情報を複数含んだ情報であるとも言える。また、図3では、番組102に含まれる場面111〜11nについて例示している。なお、番組101、103〜10mに含まれる場面は、番組102と同様であるため、場面の図示及び説明を省略する。
【0026】
多重化部21は、トランスポートストリームに含まれる情報を先頭から順に確認して、場面の区切りを検出する。例えば、トランスポートストリームに含まれるSI(Service Information)情報にCMであることを示す情報を予め含めておくようにすることで、場面の区切りの検出を可能とする。
多重化部21は、場面の区切りを検出した場合、その場面の区切り毎にチケットをトランスポートストリームに含める。例えば、チケット121〜12nは、場面111〜11nのそれぞれに対応するように予め用意しておく。つまり、多重化部21は、場面毎にチケットを付加する。言い換えると、本実施の形態1では、コンテンツ情報が場面情報であり、コンテンツ情報によって再生されるコンテンツが場面である場合について例示している。
【0027】
以上に説明したように、送信装置2は、場面毎にチケットを対応付けて付加する。受信装置3は、視聴者がいずれかの場面を見逃してしまうような状況が発生した場合、後述するように、その場面に対応するチケットを使用して、見逃してしまった場面を再視聴することができるようにする。
【0028】
続いて、図4を参照して、本発明の実施の形態1にかかるチケットの内容について説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかるチケットの内容の一例を示す図である。
【0029】
チケットは、番組情報201、チケット情報202、再視聴手段情報211〜21k、再視聴手段パラメータ情報221〜22k及び署名情報を含む。kは、任意の正整数である。
番組情報201は、チケットに対応する番組を示す情報である。番組情報201は、例えば、番組名や、番組を一意に特定する番号又は文字列等の情報である。
チケット情報202は、チケットを一意に特定する情報である。チケット情報202は、例えば、チケットを一意に特定する番号又は文字列等を含む。本実施の形態1では、チケットが場面毎に付加されるため、チケット情報202は、場面を一意に特定する情報とも言える。チケット情報202は、チケットのデジタル署名を含めるようにしてもよい。チケット情報202は、例えば、再視聴するときの認証又は照合等に使用される情報である。
【0030】
再視聴手段情報211〜21kは、チケットに対応する場面を視聴者が見逃してしまった場合に、その場面を再視聴する手段を示す情報である。再視聴手段情報211〜21kは、例えば、再視聴する手段を特定する番号又は文字列等の情報である。例えば、視聴者が見逃してしまった場面を再視聴する手段としてVODが提供されている場合、再視聴手段情報211〜21kのいずれかに、再視聴をする手段が"VOD"であることを示す固有の番号又は文字列が含まれる。その他の再視聴手段がある場合、それらの再視聴手段を特定する固有の番号が、他の再視聴情報に格納される。
【0031】
再視聴手段パラメータ情報221〜22kは、再視聴手段情報211〜21kが示す再視聴手段によって、見逃してしまった場面を再視聴する場合に使用する情報を示す。言い換えると、再視聴手段パラメータ情報は、対応する再視聴手段情報が示す再視聴手段から、見逃してしまった場面を示すコンテンツ情報を取得するときに使用する情報である。例えば、再視聴手段情報211が"VOD"であることを示している場合、それに対応する再視聴手段パラメータ情報221は、VODサーバ5からコンテンツ情報を取得するために、VODサーバ5に対して送信が必要な情報となる。
【0032】
例えば、ID及びパスワード等のアクセスコード、VODにおいてチケットと対応付けられた場面を再視聴できるURL(Uniform Resource Locator)又はVODにおいてチケットと対応付けられた場面が放送されるチャンネル及び放送日時、及び、VODによる再視聴にかかる対価が視聴者に代わって支払われるクレジットカード番号、等を示す情報である。例えば、番組及び場面を放送するチャンネル及び放送日時が決まっているVODサービスを再視聴手段とする場合に、再視聴手段パラメータ情報221に、チケットと対応付けられた場面が放送されるチャンネル及び放送日時が含まれる。
【0033】
署名情報203は、チケットのデジタル署名である。つまり、署名情報203の値を確認することによって、チケットの内容が破壊及び改ざん等されていなかどうかを確認することができる。署名情報203は、暗号化せずに、単なるハッシュ値としてもよい。これによれば、チケットの内容が破壊されていることを確認することができる。
【0034】
続いて、図5を参照して、本発明の実施の形態1にかかる受信装置3について説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかる受信装置3の構成図である。
【0035】
受信装置3は、アンテナ30、チューナ31、デジタル復調回路32、誤り訂正・デスクランブル回路33、多重分離回路34、MPEGデコーダ35、フレームバッファ回路36、受信状態判定回路37、制御回路38、チケット記憶部39及びインタフェース部40を有する。
【0036】
アンテナ30は、送信装置2から送信されたデジタル放送信号を受信して、受信したデジタル放送信号をチューナ31に出力する。アンテナ30は、受信部として機能する。
チューナ31は、アンテナ30から出力されたデジタル放送信号から選局された放送チャンネルのトランスポートストリームを抽出する。チューナ31は、抽出したトランスポートストリームをデジタル復調回路32に出力する。
【0037】
デジタル復調回路32は、チューナ31から出力されたトランスポートストリームをデジタル復調する。デジタル復調回路32は、デジタル復調したトランスポートストリームを誤り訂正・デスクランブル回路33及び受信状態判定回路37に出力する。
誤り訂正・デスクランブル回路33は、デジタル復調回路32から出力されたトランスポートストリームの誤り訂正及びデスクランブルを行う。誤り訂正・デスクランブル回路33は、誤り訂正及びデスクランブルしたデスクランブルトランスポートストリームを多重分離回路34に出力する。
【0038】
多重分離回路34は、誤り訂正・デスクランブル回路33から出力されたデスクランブルトランスポートストリームから、映像を示す映像情報、音声を示す音声情報、SI情報等の付帯情報及びチケット等を分離する。多重分離回路34は、デスクランブルトランスポートストリームを分離して得られた映像情報及び音声情報をMPEGデコーダ35に出力する。また、多重分離回路34は、デスクランブルトランスポートストリームを分離して得られたチケットを制御回路38に出力する。
MPEGデコーダ35は、多重分離回路34から出力された映像情報及び音声情報をMPEGデコードする。MPEGデコーダ35は、MPEGデコードした映像情報及び音声情報をフレームバッファ回路36に出力する。
【0039】
フレームバッファ回路36は、MPEGデコーダ35から出力された映像情報及び音声情報に基づいて、フレーム毎の映像情報及び音声情報を生成する。フレームバッファ回路36は、生成した映像情報をディスプレイ(図示せず)に出力して、ディスプレイに映像を表示する。また、フレームバッファ回路36は、生成した音声情報をスピーカ(図示せず)に出力して、スピーカから音声を出力する。ディスプレイは、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等の表示装置である。
【0040】
受信状態判定回路37は、デジタル復調回路32から出力されたトランスポートストリームに基づいて、C/N比を算出する。受信状態判定回路37は、算出したC/N比が所定の閾値未満か否かを判定する。なお、受信状態判定回路37は、トランスポートストリームに含まれる場面毎にC/N比の判定を行う。また、トランスポートストリームに含まれる場面の区切りは、例えば、上述したようにSI情報に基づいて判定する。閾値には、視聴者が場面を見逃してしまう程、場面の視聴が困難となるC/N比を予め定める。受信状態判定回路37は、C/N判定結果を示すC/N判定結果情報を制御回路38に出力する。
【0041】
制御回路38は、受信状態判定回路37から出力されたC/N判定結果情報に基づいて、多重分離回路34から出力されたチケットを保存しておくべきか否かを判定する。具体的には、制御回路38は、受信状態判定回路37によって、ある場面におけるC/N比が所定の閾値未満と判定された場合、その場面に対応するチケットをチケット記憶部39に保存する。このように、制御回路38は、ある場面におけるC/N比が、視聴が困難なC/N比未満となってしまった場合に、視聴者がいずれかのその場面を見逃してしまったと判定して、その場面に対応するチケットをチケット記憶部39に保存する。これによって、視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴する権利を示すチケットを使用して、見逃してしまった場面を再視聴することができるようになる。また、制御回路38は、チケットに対応する場面を示すコンテンツ情報の送信を要求する要求信号を、インタフェース部40を介してVODサーバ5に出力する。制御回路38は、正常受信判定部及び再視聴権利情報制御部として機能する。
【0042】
チケット記憶部39は、チケットを格納する。チケット記憶部39は、例えば、メモリやハードディスク等の記憶装置である。
インタフェース部40は、セットトップボックス4から送信されたコンテンツ信号を受信して、受信したコンテンツ信号を制御回路38に出力する。インタフェース部40は、制御回路38から出力された要求信号をセットトップボックス4に送信する。インタフェース部40は、例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)インタフェースによってセットトップボックス4と接続される。
【0043】
続いて、図6を参照して、本発明の実施の形態1にかかる受信装置3のデジタル放送信号受信処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態1にかかる受信装置3のデジタル放送信号受信処理のフローチャートである。
【0044】
デジタル放送信号を受信すると(S101)、制御回路38は、多重分離回路34から出力されたチケットを取得する。制御回路38は、取得したチケットが最終チケットの次に取得した先頭チケットであるか否かを判定する(S102)。具体的には、前回取得したチケットが、ある番組の最終チケットを取得しており、今回取得したチケットが、その場面の次の番組の先頭チケットを取得したか否かを判定する。ここで、先頭チケット又は最終チケットか否かは、例えば、番組情報201又はチケット情報202に、先頭チケット又は最終チケットか否かを識別することができる情報を含めることによって判定可能とする。また、前回取得したチケットは、後述するように一時的に保持しておくことによって、参照可能とする。
【0045】
取得したチケットが最終チケットの次に取得した先頭チケットである場合(S102:Yes)、制御回路38は、一時的に保持中のチケットを破棄する(S103)。
取得したチケットが最終チケットの次に取得した先頭チケットでない場合(S102:No)、制御回路38は、一時的に保持中のチケットを破棄は行わない。
【0046】
制御回路38は、チケットが正常に取得できているか否かを判定する(S104)。具体的には、制御回路38は、例えば、チケットから生成したハッシュ値と、署名情報203を復号したハッシュ値とを比較する。制御回路38は、ハッシュ値を比較した結果が一致する場合は、チケットが正常に取得できたと判定し、一致しない場合は、チケットが正常に取得できていないと判定する。
【0047】
チケットが正常に取得できたと判定した場合(S104:Yes)、制御回路38は、チケットの保持及び一時的に保持中のチケットの更新を行う(S105)。具体的には、チケットは、前回取得したチケットと、今回取得したチケットとを一時的に保持するようにしている。そのため、制御回路38は、新たにチケットを取得した場合、今回取得したチケットとして保持していたチケットを、前回取得したチケットとして保持し、新たに取得したチケットを今回取得したチケットとして保持する。このように、一時的に保持するチケットは、例えば、受信装置3が有するメモリ又はハードディスク等の任意の記憶装置に格納することによって一時的に保持する。
チケットが正常に取得できなかったと判定した場合(S104:No)、制御回路38は、チケットの保持及び一時的に保持中のチケットの更新は行わない。
【0048】
制御回路38は、C/N比が低下しているか否かを判定する(S106)。具体的には、制御回路38は、受信状態判定回路37から出力されたC/N判定結果情報が、C/N比が閾値未満であることを示しているか否かを判定する。
C/Nが低下していない場合(S106:No)、制御回路38は、チケット抜けが発生しているか否かを判定する(S107)。ここで、チケット抜けとは、デジタル放送信号の受信状態が非常に悪く、チケットそのものが1つ以上取得できないことである。例えば、チケットに含まれるいずれかの情報を、チケットの送信順に規則的に変化するようにすることによって、チケット抜けを検出できるようにする。
【0049】
チケット抜けが発生していない場合(S107:No)、C/N比も低下しておらず、チケットも取得できるため、デジタル放送信号の受信状態は良好である。よって、視聴者が場面を見逃すような不測の事態は発生していないことになるため、制御回路38は、ステップS101に戻って処理を継続する。
【0050】
C/Nが低下している場合(S106:Yes)、又は、チケット抜けが発生している場合(S107:No)、デジタル放送信号の受信状態が悪いことになる。つまり、そのチケットに対応するコンテンツ情報も受信できておらず、視聴者が場面を見逃すような不測の事態が発生していると考えられる。そのため、制御回路38は、チケットの情報のOSD(On Screen Display)での表示(S108)と、チケットの保存を行う(S109)。
具体的には、チケットの保存は、C/N比が低下している場合、今回取得したチケットをチケット記憶部39に格納する。また、チケット抜けが発生している場合、前回取得したチケットの内容又は今回取得したチケットの内容から、抜けているチケットの内容を補間して生成し、生成したチケットをチケット記憶部39に格納する。
【0051】
例えば、チケットに含まれる情報を、チケットの送信順に規則的に変化するようにすることによって、チケットの内容を補間できるようにする。例えば、図3に示すように、チケットがチケット121、チケット122、チケット123、・・・の順に送信され、チケット121のチケット情報を"100121"とし、チケット122のチケット情報を"100122"とし、チケット123のチケット情報を"100123"とした場合を例として説明する。つまり、チケットの送信順にチケット情報が+1されていく場合を例として説明する。
【0052】
このような場合において、前回取得したチケット121のチケット情報が"100121"であり、今回取得したチケット123のチケット情報が"100123"であるときは、チケットのチケット情報が取得した順に+1されていない。これによって、チケット情報が"100122"のチケット122が抜けていることを検出できる。つまり、前記取得したチケット121の内容に対して、今回取得したチケット123の内容が規則的に変化していない場合、チケット抜けが発生したと判定することができる。この場合、制御回路38は、チケット121のチケット情報の"100121"と、チケット123のチケット情報の"100123"とから補間して、チケット122のチケット情報が"100122"を生成する。
【0053】
また、前回取得したチケット121又は今回取得したチケット123のいずれかから補間して、チケット122を生成するようにしてもよい。例えば、上述した例の場合、チケット121のチケット情報の"100121"から+1した"100122"又はチケット123のチケット情報の"100123"から−1した"100122"がチケット122のチケット情報として算出できる。
【0054】
このように、ある場面を示すコンテンツ情報が正常受信できなかった場合に、その場面に対応するチケットをチケット記憶部39に格納することによって残して、後に使用できるようにしている。つまり、ある場面を含んだデジタル放送信号が正常受信できなかった場合に、その場面に対応するチケットを有効化するようにしている。これによって、有効化したチケットを使用することによって、視聴者が見逃してしまった場面の再視聴を可能としている。なお、チケットを使用して見逃してしまった場面を再視聴する処理については、後述する。
【0055】
ここで、チケットの内容をOSDで表示する場合、制御回路38が保存するチケットの内容をフレームバッファ回路36に出力する。フレームバッファ回路36は、制御回路38から出力されたチケットの内容を、OSDによってディスプレイに表示する。例えば、再視聴手段情報211〜21k及び再視聴手段パラメータ情報221〜22kの内容を表示する。これによって、視聴者は、見逃してしまった場面がチケットによって再視聴可能になったこと、及び、どのような再視聴手段によって再視聴が可能かを認識することができる。
【0056】
また、制御回路38は、ステップS106において、署名情報203に基づいて、チケットの内容が破壊又は改ざんされているか否かを判定して、その判定結果に基づいてチケットを保存するか否かを判定してもよい。例えば、署名情報203によって、取得したチケットの内容が破壊されていると判定できる場合、デジタル放送信号の受信状態が悪くなったことによって、チケットの内容が破壊されたものと考えられる。そのため、制御回路38は、このように判定した場合、前回取得したチケットの内容から、今回取得したチケットの内容を補間して生成し、生成したチケットをチケット記憶部39に格納するようにしてもよい。また、署名情報203によって、今回取得したチケットの内容が改ざんされていると判定できる場合、チケットは不正なものとも考えられる。そのため、制御回路38は、このように判定した場合、前回取得したチケットの内容から、今回取得したチケットの内容を補間して生成しないようにしてもよい。
【0057】
また、突然の重大ニュースの発生などによって、番組自体が途中で変わってしまった場合にも、視聴者はそれ以降の場面を見逃してしまうことになる。さらに、地震や津波等の速報ニュースによって映像に、通常の放送とはことなる画像や文字が表示されてしまった場合にも、それらの画像や文字によって場面の映像が縮小又は隠されてしまい、視聴者が場面を見逃してしまったのと同等な程度に十分な視聴をできない場合がある。そのため、制御回路38は、それらのような状態になっていると判定した場合にも、チケットをチケット記憶部39に格納してもよい。
【0058】
ここで、番組自体が途中で変わってしまったか否かは、SI情報に突然の重大ニュースの発生によって切り替わった緊急の番組であることを示す情報を含めることによって判定可能としてもよく、チケットの番組情報201に緊急の番組であることを特定する情報を含めることによって判定可能としてもよい。例えば、速報ニュースが表示されているか否かは、SI情報に速報ニュースを表示する情報が含まれているか否かを確認することによって判定する。
【0059】
以上に説明したように、コンテンツ情報が正常受信できなかった場合には、C/N比が低下している場合や、チケット抜けが発生した場合の他に、チケットの内容が破壊されている場合、番組自体が途中で変わってしまった場合、及び、速報ニュースが表示されてしまった場合等も含めても良い。つまり、視聴者が場面を見逃してしまった場合や、十分な視聴ができなかった場合等も、コンテンツ情報が正常に受信できなかったと判定して、チケットを有効化するようにしてもよい。
【0060】
続いて、図7を参照して、本発明の実施の形態1にかかる放送送受信システム1の再視聴処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態1にかかる放送送受信システム1の再視聴処理のフローチャートである。
【0061】
視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴する場合、有効化したチケットに含まれる再視聴手段から、再視聴手段を選択する(S201)。例えば、視聴者は、受信装置3を制御するリモートコントローラ(以下、「リモコン」とする)を操作することによって、再視聴手段を選択する。
具体的には、制御回路38は、OSDによって再視聴手段情報211〜21k及び再視聴手段パラメータ情報221〜22kの内容をディスプレイに表示する。ここで、ディスプレイに表示する内容は、再視聴手段情報211〜21kが示す再視聴手段と、再視聴手段パラメータ情報221〜22kが示す内容が特定可能な情報であれば、どのような形式に変換して表示してもよい。例えば、再視聴手段情報が再視聴手段が"VOD"であることを示す固有の番号を示している場合、再視聴手段としてVODがあることを示す文字を表示するようにしてもよい。
【0062】
受信装置3が有するリモコン受光部(図示せず)は、視聴者が操作したリモコンから出力された操作信号に受信して、受信した操作信号を制御回路38に出力する。操作信号は、視聴者が操作した内容を示す信号である。制御回路38は、リモコン受光部から出力された操作信号に基づいて、視聴者が選択した再視聴手段を特定する。なお、受信装置3に操作ボタン等の操作部(図示せず)を備えるようにし、視聴者が操作部に対する入力を行うことで、視聴者に再視聴手段を選択させるようにしてもよい。リモコン受光部及び操作部は、入力部として機能する。以降、本実施の形態1では、視聴者によって、再視聴手段として"VOD"が選択された場合について説明する。
【0063】
なお、このように、ディスプレイの表示に従って、視聴者が再視聴手段を選択しないようにしてもよい。例えば、デジタル放送信号受信処理のステップS108において表示された内容に従って、視聴者がリモコン又は操作ボタンから、アクセスコードやURL等のVODに接続する情報を受信装置3に対して直接入力するようにしてもよい。例えば、再視聴手段パラメータ情報がVODにおいてチケットと対応付けられた場面が放送されるチャンネル及び放送日時を示していた場合に、視聴者がその放送日時にVODに接続する情報を受信装置3に対して直接入力する。
【0064】
制御回路38は、視聴者が選択した再視聴手段によって再視聴が可能か否かを判定する(S202)。具体的には、制御回路38は、受信装置3とVODサーバ5とがネットワークによって接続されており、VODサービスが利用可能な状態か否かを判定する。制御回路38は、ネットワークが接続されており、VODサービスが利用可能であれば、再視聴可能と判定し、ネットワークが接続されておらず、VODサービスが利用可能でなければ、再視聴可能でないと判定する。
【0065】
例えば、制御回路38は、インタフェース部40を介して、VODサーバ5とネットワークによって接続されているか否かを確認する信号をセットトップボックス4又はVODサーバ5に送信する。制御回路38は、その信号に応じてセットトップボックス4又はVODサーバ5が出力した信号に基づいてVODサービスが利用可能な状態か否かを判定する。
【0066】
再視聴が可能でないと判定した場合(S202:No)、制御回路38は、ステップS201から処理を再開する。例えば、制御回路38は、視聴者が選択した再視聴手段によって再視聴が可能でなく、他の再視聴手段を選択するように促すメッセージを、OSDによってディスプレイに表示する。
【0067】
再視聴が可能であると判定した場合(S202:Yes)、制御回路38は、チケットを使用して場面の再視聴を行う(S203)。具体的には、制御回路38は、チケットに対応する場面を示す映像情報及び音声情報の送信を要求する要求信号を、インタフェース部40を介して、VODサーバ5に送信する。この要求信号には、チケット情報202、及び、視聴者が選択した再視聴手段に対応する再視聴手段情報が含まれる。例えば、制御回路38は、視聴者が選択した再視聴手段に対応する再視聴手段情報に含まれるURLをVODサーバ5に送信する。この際に、ID、パスワード及びクレジットカード番号が必要な場合、制御回路38は、再視聴手段情報に含まれるID、パスワード及びクレジットカード番号を示す信号も同時に送信する。なお、セキュリティ上の問題から、クレジットカード番号は、上述したようにディスプレイには表示せずに、このタイミングで制御回路38が送信するのみとしてもよい。
【0068】
VODサーバ5は、受信装置3から送信された要求信号に含まれるチケット情報202に基づいて認証を行う。具体的には、VODサーバ5は、チケット情報202の正当性を確認することによって、正規のチケットに基づいた要求であるか否かを判定する。VODサーバ5は、チケット情報202が正当であると判断した場合、受信装置3から送信された要求信号に含まれるURLに対応する場面を示す映像情報及び音声情報を含むコンテンツ信号を、セットトップボックス4を介して受信装置3に対して送信する。この場面を示す映像情報及び音声情報は、コンテンツ情報に相当する。
【0069】
この際、セットトップボックス4は、コンテンツ信号に含まれる映像情報及び音声情報をMPEGデコードして受信装置3に送信する。制御回路38は、セットトップボックス4から送信された映像情報及び音声情報を取得する。制御回路38は、取得した映像情報及び音声情報を、フレームバッファ回路36に出力する。フレームバッファ回路36は、制御回路38から出力された映像情報及び音声情報に基づいて、場面をディスプレイ及びスピーカから再生する。これによって、視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴することができる。
【0070】
制御回路38は、場面の再視聴が終了したか否かを判定する(S204)。つまり、制御回路38は、場面の再生が終了したか否かを判定する。
場面の再視聴が終了していない場合(S204:No)、制御回路38は、映像情報及び音声情報の取得と、取得した映像情報及び音声情報のフレームバッファ回路36への出力を継続する。
場面の再視聴が終了した場合(S204:Yes)、制御回路38は、再視聴した場面に対応するチケットを破棄する(S205)。具体的には、制御回路38は、チケット記憶部39から、再視聴した場面に対応するチケットを削除する。このように、チケットを削除することによって、チケットの再使用を防ぐ。つまり、チケットを削除することによって、チケットを無効化する。
【0071】
以上に説明したように、本実施の形態1によれば、送信装置は、デジタル放送信号に含まれるコンテンツ情報に対応し、コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示すチケットを含めて送信するようにしている。受信装置は、送信装置から受信したデジタル放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されたか否かを判定する。そして、受信装置は、コンテンツ情報が正常受信されなかったと判定した場合、コンテンツ情報に対応するチケットを有効化するようにしている。
【0072】
これによれば、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、受信装置は、有効化したチケットを使用して、視聴者が見逃してしまったコンテンツを再生することができる。具体的に例えると、一般的に有料であるVODサービスによって、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときには対価が必要である。しかし、本実施の形態1によれば、チケットを使用することによって、VODサービスによって、見逃してしまった場面を無料で再視聴することができる。したがって、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、視聴者が対価を支払うことなく、見逃してしまったコンテンツの視聴を可能とする。
【0073】
本発明の実施の形態2.
図8を参照して、本発明の実施の形態2にかかる放送送受信システムについて説明する。図8は、本発明の実施の形態2にかかる放送送受信システムの構成図である。
【0074】
本実施の形態2にかかる放送送受信システム1は、実施の形態1にかかる放送送受信システム1にさらに記録再生装置6を備える。記録再生装置6は、受信装置3と接続されている。なお、実施の形態1と同様の構成要素については説明を省略する。
【0075】
記録再生装置6は、視聴者が見逃してしまった場面を示す映像情報及び音声情報を記録した光ディスクを再生する。この場面を示す映像情報及び音声情報は、コンテンツ情報に相当する。記録再生装置6は、光ディスクから読み出した映像情報及び音声情報を受信装置3に送信する。記録再生装置6は、受信装置3から出力された映像情報及び音声情報を記憶する。記録再生装置6は、例えば、ハードディスク内蔵光ディスクレコーダである。なお、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、チケットが対応付けられて付加されるコンテンツ情報によって再生されるコンテンツが場面である場合について例示する。
【0076】
続いて、図9を参照して、本発明の実施の形態2にかかる受信装置3について説明する。図9は、本発明の実施の形態2にかかる受信装置3の構成図である。
【0077】
本実施の形態2にかかる受信装置3は、実施の形態1にかかる受信装置3の制御回路38及びインタフェース部40に代えて、制御回路41及びインタフェース部42を有する。なお、実施の形態1と同様となる説明については省略する。
【0078】
制御回路41は、視聴者が見逃してしまった場面を光ディスクから再生して再視聴する場合、見逃してしまった場面に対応するチケットを、インタフェース部42を介して記録再生装置6に送信する。制御回路41は、インタフェース部42を介して、記録再生装置6から送信された映像情報及び音声情報をフレームバッファ回路36に出力することによって、この映像情報及び音声情報が示す場面を再生する。また、制御回路41は、再生中の場面を記録再生装置6によって記録する場合、フレームバッファ回路36から映像情報及び音声情報を取得して、インタフェース部42を介して、記録再生装置6に送信する。
【0079】
インタフェース部42は、セットトップボックス4の他に、さらに記録再生装置6とのインタフェースとして機能する。インタフェース部42は、制御回路41から出力された映像情報及び音声情報、又は、チケットを記録再生装置6に送信する。インタフェース部42は、記録再生装置6から送信された映像情報及び音声情報を制御回路41に出力する。インタフェース部42は、例えば、HDMIインタフェースによって記録再生装置6と接続される。
【0080】
続いて、図10を参照して、本発明の実施の形態2にかかるに記録再生装置6について説明する。図10は、本発明の実施の形態2にかかる記録再生装置6の構成図である。
【0081】
記録再生装置6は、光ディスクドライブ61、記憶部62、制御回路63、MPEGデコーダ64及びインタフェース部65を有する。記録再生装置6は、光ディスク60を着脱可能である。
【0082】
光ディスク60は、デジタル放送信号によって放送された番組に含まれる場面が暗号化されて記憶されている。この暗号化は、DRM(Digital Rights Management)等の任意の暗号化アルゴリズムで行ってよい。光ディスク60は、例えば、DVD、Blu−ray Disc(登録商標)等である。
光ディスクドライブ61は、光ディスク60に記録されている映像情報及び音声情報を読み出して、読み出した映像情報及び音声情報を制御回路63に出力する。光ディスクドライブ61は、制御回路63から出力された映像情報及び音声情報を、光ディスク60に書き込む。
記憶部62は、映像情報及び音声情報が記憶される。
【0083】
制御回路63は、インタフェース部65を介して、受信装置3から送信されたチケットを取得する。制御回路63は、取得したチケットを使用して、そのチケットに対応する場面を示す映像情報及び音声情報を光ディスク60から取得する。このように、視聴者が見逃してしまった場面を再視聴する手段として、光ディスク60が提供されている場合、チケットの再視聴手段情報211〜21kのいずれかに、再視聴する手段が"光ディスク"であることを示す固有の番号又は文字列等が含まれる。また、その場合、その再視聴手段情報に対応する再視聴手段パラメータ情報は、コンテンツを復号化する復号化鍵となる。
【0084】
つまり、制御回路63は、受信装置3から送信されたチケットを取得した場合、光ディスク60に格納される映像情報及び音声情報を、光ディスクドライブ61を介して取得して、取得した映像情報及び音声情報をチケットに含まれる復号化鍵を用いて復号化する。ここで、光ディスク60に、場面を示す映像情報及び音声情報と、チケット情報202とを対応付けて格納しておくことによって、制御回路63がチケットに対応する映像情報及び音声情報を特定可能とする。そして、制御回路63は、復号化した映像情報及び音声情報をMPEGデコーダ64に出力する。
【0085】
また、制御回路63は、インタフェース部65を介して、受信装置3から受信した映像情報及び音声情報を、MPEGエンコーダ(図示せず)によってMPEGエンコードして、光ディスクドライブ61に出力又は記憶部62に記憶する。
【0086】
MPEGデコーダ64は、制御回路63から出力された映像情報及び音声情報を、MPEGデコードしてインタフェース部65に出力する。
インタフェース部65は、MPEGデコーダ64から出力された映像情報及び音声情報を受信装置3に送信する。インタフェース部65は、受信装置3から送信された映像情報及び音声情報を制御回路63に出力する。
【0087】
なお、上述したように、暗号化された映像情報及び音声情報が含まれる光ディスク60は、例えば、フリーペーパーのように書店や量販店の店頭において無料で配布するようにしてもよい。または、上述した光ディスク60は、駅や店頭等において無料で配布されている雑誌の付録として配布するようにしてもよい。または、上述した光ディスク60は、ネットワークと接続された光ディスクライタを書店や量販店に設置することで、光ディスクライタによって無料で暗号化された映像情報及び音声情報をダウンロードして、視聴者が持参した光ディスクに書き込んで持ち帰ることができるようにするようにしてもよい。または、上述した光ディスク60は、メディア図書館からレンタル可能としてもよい。
【0088】
このように、チケットによって復号化することができる映像情報及び音声情報が含まれる光ディスク60を無料で配布することによって、視聴者が対価を支払うことなく、見逃してしまった場面の視聴が可能となる。
【0089】
続いて、図7を参照して、本発明の実施の形態2にかかる受信装置3及び記録再生装置6の再視聴処理について説明する。なお、本発明の実施の形態2にかかるデジタル放送信号受信処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴する場合、有効化したチケットに含まれる再視聴手段から、再視聴手段を選択する(S201)。以降、本実施の形態2では、視聴者によって、再視聴手段として、"光ディスク"が選択された場合について説明する。
制御回路41は、視聴者が選択した再視聴手段によって再視聴が可能か否かを判定する(S202)が、再視聴手段が光ディスクの場合は、特に判定を行わない。このように、再視聴手段によっては、ステップS202を実行しなくてもよい。
【0091】
制御回路41は、チケットを使用して場面の再視聴を行う(S203)。具体的には、制御回路41は、インタフェース部42を介して、チケットを記録再生装置6に送信する。制御回路63は、インタフェース部65を介して、受信装置3から送信されたチケットを取得する。制御回路63は、光ディスクドライブ61を介して、光ディスク60からチケットに対応する場面を示す映像情報及び音声情報を取得する。制御回路63は、取得した映像情報及び音声情報を、チケットに含まれる暗号化鍵によって復号化してMPEGデコーダ64に出力する。MPEGデコーダ64は、制御回路63から出力された映像情報及び音声情報をMPEGデコードしてインタフェース部65を介して受信装置3に送信する。
【0092】
制御回路41はインタフェース部42を介して、記録再生装置6から送信された映像情報及び音声情報を取得する。制御回路41は、取得した映像情報及び音声情報を、フレームバッファ回路36に出力する。フレームバッファ回路36は、制御回路41から出力された映像情報及び音声情報に基づいて、場面をディスプレイ及びスピーカから再生する。これによって、視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴することができる。
【0093】
以上に説明したように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、視聴者が対価を支払うことなく、見逃してしまったコンテンツの視聴を可能とする。
【0094】
また、本実施の形態2によれば、光ディスクからの再視聴が可能となるため、ネットワークとの接続環境がなくても、視聴者が見逃してしまった場面を再視聴することが可能となる。よって、デジタル製品の扱いが苦手であり、ネットワーク環境の構築が困難な者であっても、容易に見逃してしまったコンテンツの視聴を行うことができる。
【0095】
本発明の実施の形態3.
図11を参照して、本発明の実施の形態3にかかる放送送受信システムについて説明する。図11は、本発明の実施の形態3にかかる放送送受信システムの構成図である。
【0096】
本実施の形態3にかかる放送送受信システム1は、VODサーバ5と記録再生装置6とがネットワークを介して接続されている点が、実施の形態1にかかる放送送受信システム1と異なる。
【0097】
本実施の形態3にかかる受信装置3の構成は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。ただし、本実施の形態3にかかる受信装置3の制御回路41は、さらに視聴者が見逃してしまった場面を記録再生装置6によって記録してから再視聴する場合にも、視聴者が見逃してしまった場面に対応するチケットを、インタフェース部42を介して記録再生装置6に送信する。
【0098】
続いて、図12を参照して、本発明の実施の形態3にかかるに記録再生装置6について説明する。図12は、本発明の実施の形態3にかかる記録再生装置6の構成図である。
【0099】
本実施の形態3にかかる記録再生装置6は、実施の形態2にかかる光ディスク60及び制御回路63に代えて、光ディスク66及び制御回路67を有する。また、本実施の形態3にかかる記録再生装置6は、実施の形態2にかかる記録再生装置6にさらにネットワークインタフェース部68を有する。なお、実施の形態2と同様となる説明については省略する。
【0100】
光ディスク66は、データを書き込み可能なブランクの光ディスクである。
制御回路67は、さらに視聴者が見逃してしまった場面を、記録再生装置6によって記録してから再視聴する場合に、受信装置3からチケットが送信されたチケットも取得する。このように、視聴者が見逃してしまった場面を再視聴する手段として、記録してから再視聴する再視聴手段が提供されている場合、チケットの再視聴手段情報211〜21kのいずれかに、再視聴する手段が"VODを記録してからの再視聴"であることを示す固有の番号又は文字列等が含まれる。また、その場合、その再視聴手段情報に対応する再視聴手段パラメータ情報は、再視聴手段が"VOD"である場合と同様である。
【0101】
制御回路67は、取得したチケットを使用して、そのチケットに対応する場面を示す映像情報及び音声情報を含むコンテンツ信号をVODサーバ5から取得する。なお、制御回路67は、チケットに対応する場面を示す映像情報及び音声情報の送信を要求する要求信号を、ネットワークインタフェース部68を介してVODサーバ5に出力することによって、VODサーバ5から映像情報及び音声情報を含むコンテンツ信号を取得する。そして、制御回路67は、取得したコンテンツ信号に含まれる映像情報及び音声情報を、光ディスクドライブ61を介して光ディスク66に記録する。
【0102】
ネットワークインタフェース部68は、VODサーバ5から送信されたコンテンツ信号を受信して、受信したコンテンツ信号を制御回路63に出力する。また、ネットワークインタフェース部68は、制御回路63から出力された要求信号をVODサーバ5に送信する。
【0103】
続いて、図13を参照して、本発明の実施の形態3にかかる放送送受信システム1の再視聴コンテンツ記録処理について説明する。図13は、本発明の実施の形態3にかかる放送送受信システム1の再視聴コンテンツ記録処理を示すフローチャートである。なお、本発明の実施の形態3にかかるデジタル放送信号受信処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0104】
視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴する場合、有効化したチケットに含まれる再視聴手段から、再視聴手段を選択する(S301)。以降、本実施の形態3では、視聴者によって、再視聴手段として、"VODを記録してからの再視聴"が選択された場合について説明する。
制御回路41は、チケットを使用して再視聴するコンテンツである場面の記録を行う(S302)。具体的には、制御回路41は、インタフェース部42を介して、チケットを記録再生装置6に送信する。このとき、制御回路41は、チケット記憶部39から、記録再生装置6に送信したチケットを削除する。制御回路67は、インタフェース部65を介して、受信装置3から送信されたチケットを取得する。
【0105】
ここで、制御回路67がチケットを取得した場合に、取得したチケットにおいて選択された再視聴手段が"光ディスク"又は"VODを記録してからの再視聴"等のいずれであるかの判定は、制御回路41によってチケットにいずれが選択されたかを識別することができる情報を含めることによって判定可能としてもよく、制御回路41がチケットと共に選択された再視聴手段を示す情報を記録再生装置6に出力することによって判定可能としてもよい。
【0106】
制御回路67は、取得したチケットに対応する場面を示す映像情報及び音声情報の送信を要求する要求信号を、ネットワークインタフェース部68を介して、VODサーバ5に送信する。なお、この要求信号に含める情報は、実施の形態1と同様である。VODサーバ5は、記録再生装置6から送信された要求に対応する場面を示す映像情報及び音声情報を含むコンテンツ信号を、記録再生装置6に対して送信する。制御回路67は、VODサーバ5から送信されたコンテンツ信号を、ネットワークインタフェース部68を介して取得する。制御回路67は、取得したコンテンツ信号に含まれる映像情報及び音声情報を光ディスク66又は記憶部62へ順次記録していく。
【0107】
制御回路67は、場面を示す映像情報及び音声情報の記録が終了したか否かを判定する(S303)。具体的には、制御回路67は、VODサーバ5からの映像情報及び音声情報の送信が終了したか否かを判定する。
映像情報及び音声情報の記録が終了していない場合(S303:No)、制御回路67は、映像情報及び音声情報の取得と、取得した映像情報及び音声情報の光ディスク66又は記憶部62への記録を継続する。
【0108】
映像情報及び音声情報の記録が終了した場合(S303:Yes)、制御回路67は、再視聴した場面に対応するチケットを破棄する(S304)。
なお、番組及び場面のチャンネル及び放送日時が決まっているVODサービスによって再視聴を可能とする場合、ステップS303における終了の判定は行わずに、ステップS302において、映像情報及び音声情報の記録の予約のみを行うようにしてもよい。
【0109】
以上に説明したように、本実施の形態3によれば、視聴者が見逃してしまったコンテンツを、チケットを使用して、視聴者が見逃してしまったコンテンツを記録再生装置6又は光ディスク66に記録することができる。つまり、視聴者は、視聴者が見逃してしまったコンテンツを記録した記録再生装置6又は光ディスク66から、見逃してしまったコンテンツを再生して視聴することができる。したがって、本実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、視聴者が対価を支払うことなく、見逃してしまったコンテンツの視聴を可能とする。
【0110】
本発明の実施の形態4.
図14を参照して、本発明の実施の形態4にかかる放送送受信システムについて説明する。図14は、本発明の実施の形態4にかかる放送送受信システムの構成図である。
【0111】
本実施の形態4にかかる放送送受信システム1は、実施の形態3にかかる放送送受信システム1にさらに携帯端末装置7を備える。なお、実施の形態1と同様の構成要素については説明を省略する。
【0112】
本実施の形態4にかかる受信装置3は、OSDによって再視聴手段情報211〜21k及び再視聴手段パラメータ情報221〜22kの内容をディスプレイに表示する場合に、同時にチケットの内容を示す3次元バーコードも表示する。
携帯端末装置7は、撮影機能及び無線通信機能を有する。携帯端末装置7は、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)又は携帯ゲーム機等である。携帯端末装置7は、例えば、Bluetooth(登録商標)又は赤外線等の無線通信手段によって、記録再生装置6と通信可能である。携帯端末装置7は、受信装置3のディスプレイに表示された3次元バーコードを撮影することによって、3次元バーコードを示す3次元バーコード情報を取得する。携帯端末装置7は、3次元バーコード情報を無線通信手段によって、記録再生装置6に送信する。
【0113】
本実施の形態4にかかる受信装置3の構成は、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。ただし、本実施の形態4にかかる受信装置3の制御回路41は、上述したように、さらにOSDによって再視聴手段情報211〜21k及び再視聴手段パラメータ情報221〜22kの内容をディスプレイに表示する場合に、同時にチケットの内容に基づいて、チケットの内容を示す3次元バーコードを生成して、生成した3次元バーコードをディスプレイに表示する。
【0114】
続いて、図15を参照して、本発明の実施の形態4にかかるに記録再生装置6について説明する。図15は、本発明の実施の形態4にかかる記録再生装置6の構成図である。
【0115】
本実施の形態4にかかる記録再生装置6は、実施の形態3にかかる制御回路67に代えて、制御回路70を有する。本発明の形態4にかかる記録再生装置6は、実施の形態3にかかる記録再生装置6にさらに無線通信部69を有する。なお、実施の形態3と同様となる説明については省略する。
【0116】
無線通信部69は、携帯端末装置7から送信された3次元バーコード情報を示す無線通信信号を、制御回路67が扱うことのできる形式に変換する。無線通信部69は、変換した3次元バーコード情報を制御回路67に出力する。
制御回路70は、制御回路67から出力された3次元バーコード情報に基づいて、チケットを生成する。この場合、制御回路70は、視聴者によって選択された再視聴手段が"VODを記録してからの再視聴"であるものとして処理を実行する。
【0117】
続いて、図16を参照して、本発明の実施の形態4にかかるに携帯端末装置7について説明する。図16は、本発明の実施の形態4にかかる携帯端末装置7の構成図である。
【0118】
カメラ部71は、受信装置3のディスプレイに表示された3次元バーコードを撮影する。カメラ部71は、撮影した3次元バーコードの内容を示す3次元バーコード情報を生成する。カメラ部71は、生成した3次元バーコード情報を制御回路76に出力する。
表示部72は、制御回路76から出力された信号に基づいて、任意の映像を表示する。
【0119】
入力部73は、携帯端末装置7の使用者からの入力を受ける。入力部73は、入力された内容を示す入力信号を制御回路76に出力する。入力部73は、例えば、操作ボタン及びニューロポインター(登録商標)等である。
無線通信部74は、制御回路76から出力された3次元バーコード情報を、無線通信信号に変換して記録再生装置6に送信する。
記憶部75は、3次元バーコード情報が格納される。記憶部75は、例えば、メモリ又はハードディスク等の記憶装置である。
【0120】
制御回路76は、携帯端末装置7を制御する。制御回路76は、携帯端末装置7の使用者からの撮影を行うことを指示する入力に応じて、カメラ部71によって撮影を要求する信号をカメラ部71に出力する。制御回路76は、カメラ部71から出力された3次元バーコード情報を記憶部75に格納する。また、制御回路76は、携帯端末装置7の使用者からの3次元バーコードの送信を指示する入力に応じて、記憶部75に格納された3次元バーコード情報を無線通信部74に出力する。この際に、制御回路76は、記憶部75から無線通信部74に出力した3次元バーコード情報を削除する。
【0121】
続いて、図17を参照して、本発明の実施の形態4にかかる放送送受信システム1の再視聴コンテンツ記録処理について説明する。図17は、本発明の実施の形態4にかかる放送送受信システム1の再視聴コンテンツ記録処理を示すフローチャートである。なお、本発明の実施の形態4にかかるデジタル放送信号受信処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0122】
視聴者は、見逃してしまった場面を再視聴する場合、有効化したチケットに含まれる再視聴手段から、再視聴手段を選択する(S305)。以降、本実施の形態4では、視聴者によって、再視聴手段として、"VODを記録してからの再視聴"が選択された場合について説明する。
【0123】
ここで、さらに視聴者がリモコンを操作することによって、3次元バーコードを表示する指示が入力された場合、制御回路41は、ステップS305において再視聴手段が選択されたチケットの内容を示す3次元バーコードの3次元バーコード情報を生成する。具体的には、リモコン受光部(図示せず)は、視聴者が操作したリモコンから出力された操作信号に受信して、受信した操作信号を制御回路41に出力する。制御回路41は、リモコン受光部から出力された操作信号に基づいて、視聴者が3次元バーコードの表示を指示したことを特定する。なお、3次元バーコード情報は、制御回路41が記憶装置に格納された変換式を利用して算出する等、どのような手法によって生成してもよい。制御回路41は、生成した3次元バーコード情報に基づいて、OSDによって3次元バーコードをディスプレイに表示する(S306)。このときに、制御回路41は、チケット記憶部39から、3次元バーコードを生成して表示したチケットを削除する。これによって、このチケットによって不正に複数回再視聴が行われることを防ぐ。
【0124】
携帯端末装置7の入力部73は、視聴者から3次元バーコードを撮影することを指示する入力があると、その入力内容を示す入力信号を制御回路76に出力する。制御回路76は、入力部73からの入力信号に応じて、撮影を要求する信号をカメラ部71に出力する。カメラ部71は、制御回路76から出力された信号に応じて、3次元バーコードを撮影して、撮影した3次元バーコードを示す3次元バーコード情報を制御回路76に出力する(S307)。制御回路76は、カメラ部71から出力された3次元バーコード情報を記憶部75に格納する。
【0125】
入力部73は、視聴者から3次元バーコードの送信を指示する入力があると、その入力内容を示す入力信号を制御回路76に出力する。制御回路76は、入力部73から入力信号に応じて、記憶部75に格納された3次元バーコード情報を無線通信部74に出力する。無線通信部74は、制御回路76から出力された3次元バーコード情報を無線通信信号に変換して記録再生装置6に送信する(S308)。
【0126】
記録再生装置6の無線通信部69は、携帯端末装置7から送信された3次元バーコード情報を示す無線通信信号を、制御回路67が扱うことのできる形式に変換する。無線通信部69は、変換した3次元バーコード情報を制御回路67に出力する。制御回路70は、制御回路67から出力された3次元バーコード情報に基づいて、チケットを生成する。なお、チケットは、制御回路41が有するメモリ又はハードディスク等の記憶装置(図示せず)に格納された変換式を利用して算出する等、どのような手法によって生成してもよい。以降、制御回路41は、生成したチケットを使用して再視聴するコンテンツである場面の記録を行う(ステップS302〜304)が、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。
【0127】
以上に説明したように、本実施の形態4によれば、実施の形態3と同様に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを記録再生装置6又は光ディスク66に記録して、記録したコンテンツを再生して視聴することができる。したがって、本実施の形態4によれば、実施の形態1と同様に、仮に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを視聴するときに対価が必要とされている場合であっても、視聴者が対価を支払うことなく、見逃してしまったコンテンツの視聴を可能とする。
【0128】
また、本実施の形態1乃至4によれば、コンテンツ配信側において、新たな配信サービスを提供しなくても、既存のVODサービスや、雑誌の付録等の再視聴用コンテンツ発布によって安価に、視聴者が見逃してしまったコンテンツを再視聴可能とするサービスが実現できる。つまり、既存のインフラ以外に大きな投資を行うことなく、見逃したコンテンツを再視聴可能とするサービスを提供することができる。
【0129】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0130】
本実施の形態では、チケットを対応付けて付加するコンテンツを場面とした場合について例示したが、これに限られない。例えば、チケットを対応付けて付加するコンテンツを番組としてもよい。
【0131】
また、本実施の形態では、場面にチケットを対応付けて付加して、チケットを使用してその場面を再視聴することができるようにしている。しかし、チケットを使用して再視聴することができる範囲を、チケットを対応付けた範囲に限定しなくても良い。例えば、場面にチケットを対応付けて付加した場合であっても、チケットを使用して、その場面を含む番組全体を再視聴することができるようにしてもよい。例えば、番組に含まれるチケットのうち、所定の割合以上のチケットのチケット抜けが発生した場合に、制御回路がチケット情報を変更して、そのチケットによって番組全体を再視聴することができるようにしてもよい。
【0132】
また、本実施の形態では、チケット記憶部に格納することによってチケットを有効化しているが、チケットを有効化する方法は、これに限られない。例えば、制御回路が受信したチケットを順次チケット記憶部に格納するようにしてもよい。その際に、チケットと、チケットの有効無効を示すチケット有効無効情報とを対応付けて格納する。そして、チケット有効無効情報を更新することによって、チケットを有効化又は無効化するようにしてもよい。
【0133】
また、本実施の形態4では、3次元バーコードを使用する場合について例示したが、これに限られない。例えば、3次元バーコードの他に、QRコード(登録商標)等の2次元バーコードのような他のバーコードを使用してもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 放送送受信システム
2 送信装置
3 受信装置
4 セットトップボックス
5 VODサーバ
7 携帯端末装置
6 記録再生装置
21 多重化部
22 伝送送信部
30 アンテナ
31 チューナ
32 デジタル復調回路
33 誤り訂正・デスクランブル回路
34 多重分離回路
35 MPEGデコーダ
36 フレームバッファ回路
37 受信状態判定回路
38、41 制御回路
39 チケット記憶部
40、42 インタフェース部
60、66 光ディスク
61 光ディスクドライブ
62 記憶部
63、67、70 制御回路
64 MPEGデコーダ
65 インタフェース部
68 ネットワークインタフェース部
69 無線通信部
71 カメラ部
72 表示部
73 入力部
74 無線通信部
75 記憶部
81、82、83、84 トランスポートストリーム
101、102、103、10m 番組
111、112、11n 場面
121、122、12n チケット
201 番組情報
202 チケット情報
203 署名情報
211、212、21n 再視聴手段
221、222、22n 再視聴手段パラメータ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報を含む放送信号を送信する送信装置と、前記送信装置から送信された放送信号を受信する受信装置と、を備えた放送送受信システムであって、
前記送信装置は、
前記放送信号に、当該放送信号に含まれるコンテンツ情報に対応し、当該コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報を含めて送信する送信部を有し、
前記受信装置は、
前記送信装置の送信部より送信された放送信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されたか否かを判定する正常受信判定部と、
前記正常受信判定部によりコンテンツ情報が正常受信されなかったと判定された場合に、当該コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化する再視聴権利情報制御部と、を有する
放送送受信システム。
【請求項2】
前記再視聴権利情報制御部は、前記有効化した再視聴権利情報を使用することによって、任意の再視聴手段から当該有効化した再視聴権利情報に対応するコンテンツ情報を取得し、取得したコンテンツ情報に基づいてコンテンツを再生する請求項1に記載の放送送受信システム。
【請求項3】
前記再視聴権利情報は、前記コンテンツ情報を提供するコンテンツ情報提供装置から、前記有効化した再視聴権利情報に対応するコンテンツ情報を取得する場合に、当該コンテンツ情報提供装置に対して送信が必要な再視聴時使用情報を含み、
前記再視聴権利情報制御部は、前記有効化した再視聴権利情報に含まれる再視聴時使用情報を前記コンテンツ情報提供装置に送信し、前記コンテンツ情報提供装置が前記再視聴権利情報制御部からの再視聴時使用情報に応じて送信したコンテンツ情報を取得する請求項2に記載の放送送受信システム。
【請求項4】
前記再視聴権利情報は、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するときに使用する復号化鍵を示す再視聴時使用情報を含み、
前記放送送受信システムは、前記暗号化されたコンテンツ情報を格納する光ディスクを再生する光ディスク再生装置をさらに備え、
前記再視聴権利情報制御部は、前記有効化した再視聴権利情報を前記光ディスク再生装置に送信し、
前記光ディスク再生装置は、前記光ディスクから前記再視聴権利情報制御部から送信された再視聴権利情報に対応するコンテンツ情報を取得し、前記再視聴権利情報制御部から送信された再視聴権利情報に含まれる再視聴時使用情報に基づいて、取得したコンテンツ情報を復号化して前記再視聴権利情報制御部に送信する請求項2に記載の放送送受信システム。
【請求項5】
前記再視聴権利情報は、前記コンテンツ情報を提供するコンテンツ情報提供装置から、前記有効化した再視聴権利情報に対応するコンテンツ情報を取得する場合に、当該コンテンツ情報提供装置に対して送信が必要な再視聴時使用情報を含み、
前記放送送受信システムは、前記再視聴権利情報制御部が有効化した再視聴権利情報を取得して、取得した再視聴権利情報に含まれる再視聴時使用情報を前記コンテンツ情報提供装置に送信することによって、当該取得した再視聴権利情報に対応し、当該送信した再視聴時使用情報に応じて前記コンテンツ情報提供装置が送信したコンテンツ情報を取得してコンテンツ情報格納部に格納するコンテンツ情報記録装置をさらに備えた請求項1に記載の放送送受信システム。
【請求項6】
前記再視聴権利情報制御部は、前記有効化した再視聴権利情報を前記コンテンツ情報記録装置に送信し、
前記コンテンツ情報記録装置は、前記再視聴権利情報制御部から送信された再視聴権利情報を取得する請求項5に記載の放送送受信システム。
【請求項7】
前記再視聴権利情報制御部は、前記有効化した再視聴権利情報を示すバーコードを表示装置に表示し、
前記放送送受信システムは、前記表示装置に表示されたバーコードを撮影して、撮影したバーコードを示すバーコード情報を生成する撮影部と、前記撮影部が生成したバーコード情報を無線通信手段によって前記コンテンツ情報記録装置に送信する無線通信部と、を有する携帯端末装置をさらに備え、
前記コンテンツ情報記録装置は、前記無線通信部から送信されたバーコード情報に基づいて、前記再視聴権利情報制御部が有効化した再視聴権利情報を生成し、生成した再視聴権利情報を取得する請求項5に記載の放送送受信システム。
【請求項8】
前記コンテンツ情報格納部は、光ディスク又は記憶装置である請求項5乃至7のいずれか1項に記載の放送送受信システム。
【請求項9】
前記コンテンツ情報提供装置は、VOD(Video On Demand)サービスを提供するVODサービス提供装置であり、
前記再視聴時使用情報は、前記VODサービス提供装置に送信するアクセスコード、URL(Uniform Resource Locator)又はクレジットカード番号を含む請求項3、5乃至8のいずれか1項に記載の放送送受信システム。
【請求項10】
前記再視聴権利情報は、前記正常受信されなかったコンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツの再視聴手段を示す再視聴手段情報と、当該再視聴手段情報が示す再視聴手段によってコンテンツを再視聴する場合に使用される前記再使用時使用情報と、を対応付けて複数含み、
前記再視聴権利情報制御部は、前記有効化した再視聴権利情報に含まれる再視聴手段情報に基づいて、再視聴手段を表示装置に表示し、
前記受信装置は、前記表示装置に表示された再視聴手段から視聴者が前記コンテンツを再視聴する再視聴手段を選択する入力を受け、当該入力内容を示す入力内容情報を前記再視聴権利情報制御部に出力する入力部をさらに有し、
前記再視聴権利情報制御部は、前記入力部から出力された入力内容情報に基づいて、前記視聴者が選択した再視聴手段を特定し、特定した再視聴手段から前記有効化した再視聴権利情報に対応するコンテンツ情報を取得する請求項3又は4に記載の放送送受信システム。
【請求項11】
前記正常受信判定部は、前記受信部により受信された放送信号に基づいて、C/N(Carrier/Noise)比を検出し、検出したC/N比が所定の閾値未満の場合に、当該放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されなかったと判定する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放送送受信システム。
【請求項12】
前記放送信号は、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報に対応する前記再視聴権利情報を複数含み、
前記再視聴権利情報の内容は、前記送信部が送信する順に規則的に変化し、
前記受信装置は、前回受信した第1の再視聴権利情報を格納する記憶部をさらに有し、
前記正常受信判定部は、前記第1の再視聴権利情報の内容に対して、当該第1の再視聴情報の次に受信した第2の再視聴情報の内容が規則的に変化していない場合に、前記コンテンツ情報の受信抜けが発生したと判定し、
前記再視聴権利情報制御部は、前記受信部よって第1の再視聴権利情報が受信された場合に、当該第1の再視聴権利情報を前記記憶部に格納するとともに、前記正常受信判定部が前記コンテンツ情報の受信抜けが発生したと判定した場合に、前記記憶部に格納された第1の再視聴権利情報又は第2の再視聴権利情報に基づいて、前記受信抜けのコンテンツ情報に対応する第3の再視聴権利情報を生成して、生成した第3の再視聴権利情報を有効化する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放送送受信システム。
【請求項13】
前記再視聴権利情報は、当該再視聴権利情報に含まれる情報に基づいて生成したハッシュ値又はデジタル署名を示す署名情報を含み、
前記再視聴権利情報制御部は、前記再視聴権利情報に含まれる署名情報に基づいて、当該再視聴権利情報が破壊又は改ざんされたか否かを判定し、当該判定結果に基づいて再視聴権利情報を有効化するか否かを判定する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放送送受信システム。
【請求項14】
前記コンテンツ情報は、番組、又は、番組に含まれる場面を再生する情報である請求項1乃至13のいずれか1項に記載の放送送受信システム。
【請求項15】
コンテンツ情報と、当該コンテンツ情報に対応し、当該コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報と、を含む放送信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された放送信号に含まれるコンテンツ情報が正常受信されたか否かを判定する正常受信判定部と、
前記正常受信判定部によりコンテンツ情報が正常受信されなかったと判定された場合に、当該コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化する再視聴権利情報制御部と、を有する
受信装置。
【請求項16】
コンテンツ情報を含む放送信号に、当該放送信号に含まれるコンテンツ情報に対応し、当該コンテンツ情報に基づいて再生されるコンテンツを再視聴する権利を示す再視聴権利情報を含めて送信し、
前記送信された放送信号を受信し、
前記受信した放送信号に含まれるコンテンツ情報を正常受信したか否かを判定し、
前記受信した放送信号に含まれるコンテンツ情報を正常受信しなかったと判定した場合に、当該コンテンツ情報に対応する再視聴権利情報を有効化する
再視聴制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−259220(P2011−259220A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132036(P2010−132036)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】