説明

放送通信システムにおけるシグナリングのための方法およびシステム

【課題】セルラ電話システムにおいて、放送サービスを与え、放送サービスと、セルラ電話システムによって与えられるサービスとを完全に統合するシグナリングを与える方法およびシステムを提供する。
【解決手段】シグナリング方法は、アクセスネットワークと加入者局との対話を調整して、加入者局が、放送サービスを復号すること、放送サービスを受信する一方で、ページングメッセージを受信すること、動作状態間を適切に遷移すること、および当業者には分かる他の機能を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条のもとでの優先権の主張
本特許出願は、2003年9月11日に出願された仮出願第60/502,504号(“Method and System for Signaling in Broadcast Communication System”)に対して優先権を主張しており、この文献は、本出願の譲受け人に譲渡され、ここでは参考文献として取り上げている。
【0002】
背景
本発明は、ワイヤーラインまたはワイヤレスの通信システムにおける放送(ブロードキャスト)通信に関し、放送通信は、ポイント ツウ マルチ ポイントとしても知られている。とくに、本発明は、このような放送通信システムにおけるシグナリングのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムは、発信局から、物理的に別個の宛先局への情報信号の伝送を可能にするために開発された。情報信号を発信局から通信チャネル上で伝送するとき、情報信号は、先ず、通信チャネル上で効率的に伝送するのに適した形へ変換される。情報信号の変換、すなわち、変調は、結果の被変調搬送波のスペクトラムが、通信チャネルのバンド幅内に制限されるように、情報信号にしたがって搬送波のパラメータを変更することを含む。宛先局において、通信チャネル上で受信した被変調搬送波から、元の情報信号を再現する。このような再現は、一般に、発信局が用いる変調処理の逆を使用することによって達成される。
【0004】
変調は、多元接続、すなわち、共通の通信チャネル上でのいくつかの信号の同時送信または受信、あるいはこの両者も容易にする。多元接続通信システムは、多くの場合に、複数の加入者装置が、共通の通信チャネルへ連続的にアクセスするのではなく、比較的に短い継続期間の断続的サービスを要求することを含む。この分野では、、時分割多元接続(time division multiple access, TDMA)、周波数分割多元接続(frequency division multiple access, FDMA)、振幅変調多元接続(amplitude modulation multiple-access, AM)のような、いくつかの多元接続技術が知られている。別のタイプの多元接続技術には、“TIA/EIA/IS-95 Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wide-Band Spread Cellular System”(以下では、これをIS−95標準と呼ぶ)にしたがう符号分割多元接続(code division multiple access, CDMA)スペクトラム拡散システムがある。多元接続通信システムにおけるCDMA技術の使用は、米国特許第4,901,307号(“SPREAD SPECTRUM MULTIPLE-ACCESS COMMUNICATION SYSTEM USING SATELLITE OR TERRESTRIAL REPEATERS”)および米国特許第5,103,459号(“SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING WAVEFORMS IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)に開示されており、両文献は、本発明の譲受け人に譲渡されている。
【0005】
多元接続通信システムは、ワイヤレスであっても、ワイヤーラインであってもよく、音声またはデータ、あるいはこの両者を搬送する。音声およびデータの両者を搬送する通信システムには、例えば、通信チャネルでの音声およびデータの伝送を特定するIS−95標準にしたがうシステムがある。固定サイズの符号チャネルフレームでデータを伝送する方法は、米国特許第5,504,773号(“METHOD AND APPARATUS FOR THE FORMATTING OF DATA FOR TRANSMISSION”)に詳しく記載されており、この文献は、本発明の譲受け人に譲渡されている。IS−95標準にしたがうと、データまたは音声は、20ミリ秒幅で、14.4キロビット秒のデータレートの符号チャネルフレームに分割される。音声およびデータの両者を搬送する通信システムの追加の例は、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project, 3GPP)にしたがう通信システムを含み、このような通信システムは、文献番号第3G TS 25.211号、第3G TS 25.212号、第3G TS 25.213号、および第3G TS 25.214号を含む一組の文献(W-CDMA標準)か、または“TR-45.5.Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems”(IS-2000標準)に具体化されている。
【0006】
多元接続無線通信システムでは、ユーザ間の通信は、1つ以上の基地局を介して行われる。1つの無線加入者局上の第1のユーザは、逆方向リンク上で基地局へデータを伝送することによって、第2の無線加入者局上の第2のユーザと通信する。基地局は、データを受信し、データを別の基地局へルート設定する。データは、同じ基地局、または別の基地局から順方向リンク上で第2の加入者局へ伝送される。順方向リンクは、基地局から無線加入者局への伝送を指し、逆方向リンクは、無線加入者局から基地局への伝送を指す。同様に、通信は、無線加入者局上の第1のユーザと、陸線局上の第2のユーザとの間で行うことができる。基地局は、逆方向リンク上で、無線加入者局上の第1のユーザからデータを受信し、そのデータを、公衆交換電話ネットワーク(public switched telephone network, PSTN)を経由して、陸線局上の第2のユーザへルート設定する。多くの通信システム、例えば、IS−95、W−CDMA、IS−2000では、順方向リンクおよび逆方向リンクは、異なる周波数を割り当てられる。
【0007】
上述の無線通信サービスは、ポイント ツウ ポイントの通信サービスの例である。対照的に、放送サービスは、中央局対マルチポイントの通信サービスを与える。放送システムの基本モデルは、例えば、ニュース、映画、スポーツの試合、等の、ある特定の内容をもつ情報をユーザへ伝送する1つ以上の中央局が、放送ネットワークのユーザにサービスすることから成る。各放送ネットワークのユーザの加入者局は、共通の放送の順方向リンク信号を監視する。中央局は内容を固定的に決定するので、ユーザは通常は返信しない。放送サービスの通信システムが一般的に使用されるのは、例えば、TV放送、ラジオ放送、等である。このような通信システムは、一般に、非常に限定された目的のために作られた通信システムである。無線セルラ電話システムにおける最近の発展において、主にポイント ツウ ポイントのセルラ電話システムの既存のインフラストラクチャを放送サービスに使用することに関心がもたれてきた。(ここで使用されているように、“セルラ”システムという用語は、セルラおよびPCS周波数の両者を使用する通信システムを含む)。
【0008】
共通の放送の順方向リンクをセルラ電話システムへ導入するには、放送サービスと、セルラ電話システムによって与えられるサービスとの統合が必要である。加入者局は、放送モードと通信モードとの両者において加入者局が機能するのを可能にする機能を支援できることが必要である。したがって、セルラ電話システムにおいて、放送サービスを与え、加入者局が両者のサービスを達成できるようにするシグナリングのための方法およびシステムが、この分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
ここで開示される実施形態は、加入者局が放送システムに登録する方法であって、第1の周波数を変調するHSBSチャネルを受信することと、HSBSチャネルのタイマの状態を監視することと、タイマの状態が切れると、HSBSチャネルを伝送するセクタに放送サービスの登録を行ない、HSBSチャネルのタイマの状態をイネーブルに設定することと、HSBSチャネルのタイマを始動することとを含む方法を与えることによって上述の必要に対処している。基地局は、セクタにおいて加入者局から放送サービス登録を受信し、ページング識別子を加入者局のページングの組に加え、ページング識別子のタイマを始動する。
【0010】
別の態様にしたがうと、基地局は、ページングの組の状態にしたがって、ページングメッセージを加入者局へ送る。
【0011】
別の態様にしたがうと、放送通信システム内の加入者局を、加入者による登録を必要とすることなく、ページングする方法を与えることによって、上述の必要に対処する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】高速放送サービス通信システムの概念上のブロック図。
【図2】HSBSの物理および論理チャネルの概念を示す図。
【図3】1つの実施形態にしたがうページングの組の保持を示す図。
【詳細な説明】
【0013】
定義
ここでは、“例示的(exemplary)”という用語を使用して、“例(example)、事例(instance)、実例(illustration)として働く”ことを示す。ここに“例示的”に記載されている実施形態は、他の実施形態よりも好ましいまたは優れていると必ずしも解釈されない。
【0014】
ここでは、ポイント ツウ ポイント通信という用語を使用して、専用通信チャネル上での2つの基地局間の通信を示す。
【0015】
ここでは、グループサービス、ポイント ツウ マルチポイント通信、プッシュトーク、またはディスパッチサービスという用語を使用して、通常は1つの加入者局から、複数の加入者局が、受信する通信を示す。
【0016】
ここでは、パケットという用語を使用して、特定のフォーマット内へ構成される、データ(ペイロード)および制御要素を含む1グループのビットを示す。制御要素は、例えば、プリアンブル、品質メトリック、および当業者に知られている他のものを含む。品質メトリックは、例えば、巡回冗長検査(cyclical redundancy check, CRC)、パリティビット、および当業者に知られている他のものを含む。
【0017】
ここでは、アクセスネットワークという用語を使用して、基地局(base station ,BS)および1つ以上の基地局制御装置の集まりを指す。アクセスネットワークは、多数の加入者局間でデータパケットを移送する。アクセスネットワークは、企業内イントラネットまたはインターネットのような、アクセスネットワークの外の追加のネットワークへも接続され、各アクセス端末とこのような外部ネットワークとの間でデータパケットを移送する。
【0018】
ここでは、基地局という用語を使用して、加入者局が通信するハードウエアを示す。セルは、この用語が使用される文脈に依存して、ハードウエアまたは地理的受信可能領域を指す。セクタは、セルの一部分である。セクタは、セルの属性をもつので、セルに関して記載された教示は、直ちにセクタに拡張される。
【0019】
ここでは、加入者局という用語を使用して、アクセスネットワークが通信するハードウエアを示す。加入者局は、移動形であっても、静止形であってもよい。加入者局は、ワイヤレスチャネルを介して、あるいは、例えば光ファイバーまたは同軸ケーブルを使用するワイヤードチャネルを介して通信するデータ装置である。また、加入者局は、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、外部または内部モデム、あるいはワイヤレスまたはワイヤーライン電話を含むが、これらに制限されない多数のタイプの装置である。加入者局が基地局とアクティブなトラヒックチャネルの接続の設定処理中であることを、接続
設定状態中であると言う。基地局とアクティブなトラヒックチャネル接続を設定した加入者局は、アクティブな加入者局と呼ばれ、トラヒック状態中であると言う。
【0020】
ここでは、物理チャネルという用語を使用して、変調特性および符号化に関して示す信号を伝搬する通信ルートを示す。
【0021】
ここでは、論理チャネルという用語を使用して、基地局または加入者局の何れかのプロトコル層内の通信ルートを示す。
【0022】
ここでは、通信チャネル/リンクという用語を使用して、文脈にしたがって、物理チャネルまたは論理チャネルを示す。
【0023】
ここでは、逆方向チャネルリンクという用語を使用して、加入者局が基地局へ信号を送るのに通る通信チャネルを示す。
【0024】
ここでは、順方向チャネル/リンクという用語を使用して、基地局が加入者局へ信号を送るのに通る通信チャネル/リンクを示す。
【0025】
ここでは、ソフトハンドオフという用語を使用して、加入者と、各々が異なるセルに属する2つ以上のセクタとの間の通信を示す。逆方向リンク通信は、両者のセクタによって受信され、順方向リンク通信は、2つ以上のセクタの順方向リンク上で同時に搬送される。
【0026】
ここでは、よりソフトなハンドオフという用語を使用して、加入者局と、各々が同じセルに属している2つ以上のセクタとの通信を示す。逆方向リンク通信は、両者のセクタによって受信され、順方向リンク通信は、2つ以上のセクタの順方向リンクの1つにおいて同時に搬送される。
【0027】
ここでは、消去という用語を使用して、メッセージを認識するのに失敗したことを示す。
【0028】
詳細な説明
既に記載したように、放送システムの基本モデルは、例えば、ニュース、映画、スポーツの試合、等の、ある特定の内容をもつ情報をユーザへ伝送する1つ以上の中央局が、放送ネットワークのユーザにサービスすることを含む。各放送ネットワークのユーザの加入者局は、共通の放送の順方向リンク信号を監視する。図1は、本発明の実施形態にしたがって、高速放送サービス(High Speed Broadcast Service, HSBS)を行うことができる通信システム100の概念上のブロック図を示す。
【0029】
放送内容は、内容サーバ(content server, CS)102において生成される。内容サーバは、通信事業者のネットワーク(図示されていない)または外部のインターネット(IP)104内に位置していてもよい。内容は、パケットの形で、放送パケットデータ供給ノード(Broadcast packet data-serving node, BPDSN)106へ送られる。BPDSNは、通常のPDSN(図示されていない)と物理的に一緒に位置していても、または同一であってもよいが、BPDSNは、通常のPDSNと論理上異なるので、BPDSNという用語を使用する。BPDSN106は、パケットを、パケットの宛先にしたがってパケット制御機能(packet control function, PCF)108へ送る。PCFは、基地局(base station, BS)110の機能をHSBS用に制御する制御エンティティであり、基地局制御装置(Base station controller, BSC)は、標準の音声およびデータサービス用である。HSBSの高レベルの概念と物理的アクセスネットワークとの合成を示すために、図1には、PCFが基地局制御装置(BSC)と物理的に一緒に位置しているか、または、同一ですらあるように示されているが、論理上は、PCFはBSCと異なる。当業者には、これが、単に教育のためであることが分かる。BSC/PCF108は、パケットを基地局110へ与える。
【0030】
通信システム100は、高データレートが可能な順方向放送共用チャネル(forward broadcast shared channel, F-BSCH)112を取り入れ、多数の加入者局114がこれを受信できるようにすることによって、高速放送サービス(HSBS)を可能にしている。ここでは、順方向放送共用チャネルという用語を使用して、放送トラヒックを搬送する1本の順方向リンク物理チャネルを示す。1本のF−BSCHは、1本以上のHSBSチャネルを、1本のF−BSCH内でTDM方式で多重化して、乗せることができる。ここでは、HSBSチャネルという用語を使用して、その放送内容によって定められる1つの論理上のHSBSの放送セッションを示す。各セッションは、時間にしたがって変化する放送内容(例えば、午前7時のニュース−午前9時の天気−映画、等)によって定められる。図2は、HSBSの物理および論理チャネルの検討される概念を示している。
【0031】
図2に示されているように、HSBSは、2本のF−BSCH202上に与えられており、各F−BSCH202は、別々の周波数fx、fy上で伝送される。ここで、例えば、上述のIS−2000の通信システムでは、このような物理チャネルは、例えば、順方向補助チャネル(forward supplemental channel, F-SCH)、順方向放送制御チャネル(forward broadcast control channel, F-BCCH)、順方向共通制御チャネル(forward common control channel, F-CCCH)、他の共通および専用のチャネル、並びにチャネルの組合せを含むことができる。情報の放送に共通および専用チャネルを使用することについては、2001年3月28日に出願された仮米国特許出願第60/279,970号(“METHOD AND APPARATUS FOR GROU
P CALLS USING DEDICATED AND COMMON CHANNELS IN WIRELESS NETWORKS”)に開示されており、この文献は、本発明の譲受け人に譲渡されている。当業者には、他の通信システムが同様の機能をもつチャネルを使用するので、この教示が他の通信システムに適用可能であることが分かる。F−BSCH202は、放送トラヒックを乗せ、放送トラヒックは1つ以
上の放送セッションを含む。F−BSCH202bは、1本のHSBSチャネル204cを乗せ、1本のF−BCCH202a上へは、2本のHSBSチャネル204a、204bが多重化されている。HSBSチャネルの内容は、ペイロード206およびヘッダ208を含むパケットへフォーマットされている。
【0032】
当業者には、図2に示されているHSBS放送サービスの展開が、単に教育のためであることが分かる。したがって、所与のセクタにおいて、特定の通信システムの実行によって支援される特徴にしたがって、いくつかのやり方で、HSBS放送サービスを展開することができる。実行の特徴は、例えば、支援されるHSBSのセッションの数、周波数割当ての数、支援される放送物理チャネルの数、および当業者に知られている他の実行の特徴を含む。したがって、例えば、1つのセクタにおいて、F−BSCHを、3つ以上の周波数において展開してもよい。さらに加えて、3本以上のHSBSチャネルを、1本のF−BSCH上へ多重化してもよい。さらに加えて、1つのセクタ内において、1本のHSBSチャネルを、異なる周波数の3本以上の放送チャネル上へ多重化し、その周波数における加入者にサービスすることもできる。
【0033】
1本以上の異なるHSBSチャネルが、同じF−BSCH物理チャネル上へ多重化されるので、異なるHSBSチャネルを互いに区別しなければならない。したがって、基地局は、個々のHSBSチャネルの各パケットに、放送サービス参照識別子(broadcast service reference identifier, BSR ID)を割り当てて、1本のHSBSチャネルを別のHSBSチャネルと区別する。加入者局のデマルチプレクサは、受信パケット内のBSR IDの値に基づいて、監視しているHSBSチャネルにおいて、何れのパケットを復号器へ送るかを区別する。したがって、BSR IDは、空中(すなわち、加入者局とBSとの間)の意味をもつ。
【0034】
既に記載したように、HSBSチャネルは、HSBSチャネルの放送内容によって定められる1つの論理上のHSBSの放送セッションを示す。したがって、加入者局は、BSR IDによってHSBSチャネルの物理的放送伝送を区別できるが、加入者局が、HSBSチャネルの内容を、HSBSチャネルの物理的放送伝送へマップするには、例えば、加入者局は、映画のHSBSをニュースのHSBSと区別しなければならず、各論理HSBSチャネルの識別子が必要である。したがって、各HSBSチャネルは固有の識別子(HSBS ID)をもち、HSBS IDが、加入者局が加入したHSBSの内容/サービスと、対応する物理的放送伝送とをリンクする。したがって、HSBS IDは、終端間(すなわち、加入者局と内容サーバとの間)の意味をもつ。HSBS IDの値は、外部手段によって分かる。すなわち、加入者局のユーザは、放送内容/サービスに加入するとき、HSBSチャネルに対応するHSBS IDを得る必要がある。例えば、特別なスポーツの試合において、ゲームの全スケジュールは、予め分かっていて、例えば、マスメディア、サービスプロバイダのキャンペーン、等において広告される。その代りに、ニュースは、定期的なスケジュールで放送される。その代りに、外部手段は、例えば、eメール、ショートメッセージシステム(short message system, SMS)の放送、および当業者に分かる他の手段を含む。1つの実施形態では、スケジュールをHSBS放送セッション内で与える。
【0035】
最後に、HSBSチャネルは、F−BSCH物理チャネル上へ多重化されるので、HSBSチャネルがF−BSCHチャネルにどのように乗せられるかについて、種々の可能性があり、加入者局は、何れのHSBSチャネル(HSBS ID/BSR ID)が、何れのF−BSCH(FBSCH ID)上に乗せられるかを知る必要がある。このような情報は、論理対物理のマッピングによって特定される。記載されている実施形態において、論理対物理のマッピングは、組{HSBS ID,BSR ID,FBSCH ID}によって完全に特定される。
【0036】
放送サービスパラメータのシグナリング
基地局が論理対物理のマッピングを行なうので、所与のHSBSチャネルを監視したい加入者局が、何れのF−BSCHを監視すべきであるかを判断できるように、この論理対物理のマッピングの情報を空中を渡って加入者局へ知らせなければならず、したがって、放送物理チャネルパラメータ、放送論理チャネルパラメータ、および論理対物理のマッピングを、空中インターフェイスを渡って加入者局へ知らせる必要がある。
【0037】
1つの実施形態では、通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのためのチャネル上の、存在しているオーバーヘッドメッセージにおいて、放送サービスパラメータを送る。しかしながら、全加入者局がオーバーヘッドメッセージを監視しなければならないので、HSBSに加入していないか、またはHSBSに対応していない加入者局であっても、このメッセージを受信し、かつメッセージの少なくともヘッダを復号しなければならない。1つの実施形態では、ヘッダは、例えば、メッセージの内容が変わったかどうかを加入者局へ知らせる連続番号のような情報を与える。オーバーヘッドパラメータに関係するメッセージ内容のみが変わっても、全加入者局は、メッセージの残りを復号しなければならない。
【0038】
したがって、別の実施形態では、放送サービス別のオーバーヘッドメッセージ内で放送サービスパラメータを送る(BSPM)。HSBSサービスに加入した/関心のある加入者局のみが、このメッセージを監視する必要がある。加入者局は、いつHSBSチャネルを監視し始めてもよいので、セクタの周波数の1つに、1本以上の放送チャネルを構成している各セクタは、放送サービスパラメータのメッセージを連続的に伝送する必要がある。1つの実施形態にしたがうと、放送サービスパラメータメッセージは、通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのためのチャネル上で送られる。IS−2000標準にしたがう通信システムでは、通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのための、このようなチャネルは、例えば、順方向ページングチャネル(forward paging channel, F-PCH)、順方向放送制御チャネル(forward broadcast control channel, F-BCCH)、および通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのための、当業者には分かる他のチャネルを含むことができる。当業者には、他の通信システムが、同様の機能を行うチャネルを使用し、したがって、この教示を他の通信システムに適用できることが分かる。
【0039】
しかしながら、加入者局は、通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのためのチャネルを、アイドル状態のときのみ、監視することができる。したがって、加入者局は、F−BSCHを監視しているとき、別の呼とつながっている間、すなわち、専用モードであるときは、放送パラメータメッセージにアクセスしない。したがって、1つの実施形態では、放送サービスパラメータは、1本以上の専用チャネル上の存在しているメッセージによって、専用モードの加入者局へ送られる。しかしながら、この実施形態では、通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのためのチャネル上でメッセージを1回送る代わりに、専用チャネルを使用しなければらないので、メッセージを各加入者局へ別々に送らなければならない。したがって、別の実施形態では、加入者局は、放送サービスパラメータメッセージにおいて受信したパラメータを使用し続けて、これらのパラメータが古くなったことを知らせる。
【0040】
当業者には、放送サービスパラメータメッセージを使用して、追加の放送に関係する情報を送っても、よいことが分かる。例えば、放送サービスパラメータメッセージは、各物理チャネルごとに、同じ情報を送る近隣のリストも含むので、加入者局は、ハンドオフを行うことができる。ハンドオフ方法およびシステムは、2001年8月20日に出願された、現在審査中の米国特許出願第09/933,607号(“METHOD AND SYSTEM FOR A HANDOFF IN A BROADCAST COMMUNICATION SYSTEM”)に詳しく記載されている。さらに加えて、放送サービスパラメータメッセージは、別途記載する放送サービス登録に関係する情報を含んでもよい。さらに加えて、放送サービスパラメータメッセージは、HSBSスケジュールシグナリングを含んでもよく、これについては別途詳しく記載する。
【0041】
HSBSのスケジュールのシグナリング
加入者局のユーザは、HSBSセッションを監視するのに、HSBSセッションの開始時間を知る必要がある。ユーザは、HSBSセッションの継続期間および終了時間も知る必要がある。一般に、既に記載したように、HSBSサービスに加入したユーザは、HSBSの放送セッションのスケジュールを知るので、HSBSのチャネル内容のスケジュールのシグナリングは、空中インターフェイス/通信システムの技術的範囲外である。しかしながら、ユーザは、外部手段に依存しない利便性を要求し、加入者局を使用して、HSBSのスケジュールを検索できるようにしてもよい。
【0042】
したがって、1つの実施形態では、基地局は、HSBSセッションの開始について、ページングチャネル上でメッセージを送ることによって、加入者局に知らせる。これは、放送ページングメッセージまたは放送ショートメッセージシステム(SMS)の形をとることができる。ページングチャネルを監視している全加入者局は、このメッセージを受信し、このメッセージを受取るように構成された加入者局のみが、加入者局のユーザに知らせる。加入者局のユーザが、HSBSセッションを監視することを選択するとき、加入者局は、適切な周波数に同調して、F−BSCHを監視する。しかしながら、加入者局は、F−BSCHを監視することがプログラムされているときは、ユーザに指示することなく、これを始めることができる。
【0043】
加入者局のユーザは、セッション開始時間後に、HSBSセッションを監視することを決めてもよいので、基地局が、セッションの開始前に、メッセージを加入者局へ1回だけ送るのでは、そのときにページングチャネルを監視していなかった加入者は、このメッセージを受信しないことになるので、不十分である。加入者局は、種々の理由、例えば、電源が切れている、フェード状態である、音声呼中である、および当業者には分かる他の理由のために、ページングチャネルを監視することができないことがある。したがって、HSBSセッションの継続期間を通じて、メッセージを反復する必要がある。メッセージの反復がより頻繁になると、所与の加入者局が実行中のセッションに参加する平均遅延がより短くなる。
【0044】
別の実施形態では、基地局は、通信システムによって与えられる、オーバーヘッドメッセージのためのチャネル上で、放送サービスパラメータメッセージのようなメッセージを送ることによって、HSBSセッションの開始について加入者に知らせる。伝達される情報、とくに開始時間、継続期間、または終了時間は、ページングチャネル上で送られるものと同じである。しかしながら、オーバーヘッドメッセージは反復されるので、情報は連続的に送られる。加入者局が(同じ内容の)同じメッセージを反復的に読み出すのを防ぐために、順序番号をオーバーヘッドメッセージに加える。加入者局は、同じ順序番号を含むメッセージを無視する。このような順序番号の使用は、当業者には、よく知られている。この実施形態では、放送サービスパラメータメッセージを使用するとき、セッションが最初に始まるとき、およびそれが終了するときのような、その内容の一部が変化するときのみ、放送サービスパラメータメッセージの順序番号をインクリメントする。
【0045】
HSBSセッションの終了は、F−BSCH上で送られる特別の終了メッセージによって、F−BSCHを現在監視している加入者に示される。したがって、多重サブレイヤが、何れのフレームが放送データに対応し、何れのフレームがシグナリングデータ(終了メッセージ)に対応するかを知ることが必要である。1つの実施形態では、BSR IDの値、例えば、BSR ID=000は、パケットがシグナリングデータを乗せていることを示す。別の実施形態では、特別のメッセージは不要であり、基地局は、F−BSCH上でナルフレームを送る。さらに別の実施形態では、基地局は、F−BSCHをオフにする。加入者局は、F−BSCH上でエネルギーが送られていないことを検出すると、HSBSセッションが終了したと判断する。
【0046】
また、セッションの開始について示している上述の各実施形態を、セッションの終了について示すものに使用してもよい。1つの実施形態では、セッションの開始を示すメッセージの内容は、セッションの継続期間または終了についての情報を含む。別の実施形態では、明示メッセージを送って、HSBSセッションの終了を示すことができる。
【0047】
別の呼中の加入者局は、同時に、F−BSCHを監視したいので、HSBSセッションの開始を、専用モード中の加入者局にも知らさなければならない。記載されている実施形態にしたがうシグナリング方法は、同様に適用可能である。
【0048】
呼モデル
放送サービスの基本要件は、共通チャネルモードの、すなわち、別の呼につながっていない加入者局が、HSBSサービスを監視できることである。同様に、加入者局は、放送サービスを受信する一方で、呼を受信/発信できるべきである。したがって、加入者局は、F−BSCHを監視している一方で、ページの通知を受信し、呼の発信を送り、登録を行うことができる。
【0049】
加入者局は、動作モードをイネーブルするために、F−BSCHと、オーバーヘッド情報のために与えられたチャネルとを同時に監視できなければならない。このようなチャネルは、IS−2000にしたがう通信システムでは、例えば、順方向共通制御チャネル(F−CCCH)および順方向ページングチャネル(F−PCH)を含む。当業者には、IS−2000の参照が、単に教育のためであり、他の通信標準が、同様の機能をもつチャネルを与えることが分かる。さらに加えて、加入者は、F−BSCHと、オーバーヘッド情報のために与えられたチャネルを同時に監視できなければならない。このようなチャネルは、例えば、IS−2000にしたがう通信システムでは、順方向共通制御チャネル(F−CCCH)、および順方向ページングチャネル(F−PCH)を含み、順方向クイックページングチャネル(forward quick paging channel, F-QPCH)は含まれても、含まれていなくてもよい。さらに加えて、加入者局は、F−BSCHを監視している一方で、ページに応答し、呼発信を行い、登録を行い、MSに宛てられたメッセージに応答し、当業者に知られている他の機能を行なうことができなければならない。したがって、IS−2000にしたがう通信システムは、例えば、逆方向アクセスチャネル(reverse access channel, R-ACH)、逆方向拡張アクセスチャネル(reverse enhanced access channel, R-EACH)、および逆方向共通制御チャネル(reverse common control channel, R-CCCH)を使用する。上述のチャネルは、F−BSCHによって変調される同じ周波数上で使用可能でなければならない。
【0050】
上述で紹介した呼モデルを拡張し、加入者局が、HSBSチャネルを聞くことと、別の呼(例えば、音声呼)に参加することとを同時に行うことができるようにすることができる。このために、加入者局の現在のモデルでは、多数の周波数を同時に監視できないので、F−BSCHと、(音声呼、等に割り当てられる)専用トラヒックチャネルとは、同じ周波数でなければならない。加入者局は、共通チャネルモードまたは専用チャネルモードである一方で、HSBSチャネルを監視することができる。さらに加えて、加入者局は、F−BSCHと、他の呼またはシグナリングトラヒック、あるいはこの両者と関係付けられたトラヒックのチャネルとを同時に監視できなければならない。このようなチャネルは、IS−2000にしたがう通信システムでは、例えば、順方向基礎チャネル(forward fundamental channel, F-FCH)および順方向専用制御チャネル(forward dedicated control channel, F-DCCH)を含む。したがって、加入者局は、F−BSCHを監視している一方で、他の呼またはシグナリングトラヒック、あるいはこの両者と関係付けられているトラヒックのための1本以上のチャネル上で伝送できなければならない。このようなチャネルは、IS−2000にしたがう通信システムでは、例えば、逆方向基礎チャネル(reverse fundamental channel, R-FCH)、逆方向専用制御チャネル(reverse dedicated control channel, R-DCCH)を含む。
【0051】
加入者局は、HSBSチャネルを監視している一方で、別の呼を発信したいときは、HSBSチャネルの監視を止めるか、またはHSBSと別の呼とに同時に参加することが支援されているときは、発信を行う。
【0052】
加入者局は、HSBSチャネルを監視している一方で、ページを受信するとき、到来呼を受け取るのを拒否し、HSBSチャネルを監視し続ける。1つの実施形態にしたがうと、加入者局は、加入者局が到来呼に関心がないことを示すメッセージ、すなわち、潜在的に、加入者局がそのサービスオプションに関心がないことを示すメッセージを、ページング基地局へ送る。別の実施形態にしたがうと、加入者局は、加入者局がこの到来呼に関心がないことを示すページ応答メッセージを、特別のサービスオプションと共に送る。その代りに、加入者局は、専用モードへ移行し、発呼者の識別を受信し、HSBSチャネルを監視し続ける一方で、またはHSBSの監視を一時的に中断する一方で、呼を受取るかどうかを決めてもよい。
【0053】
別の実施形態にしたがうと、加入者局が、HSBSチャネルを監視している一方で、ページを受信するとき、加入者局のチャネルは、到来呼を受取り、HSBSチャネルを監視するのを止める。その代りに、HSBSと別の呼とに同時に参加することが支援されているときは、HSBSチャネルを監視し続ける一方で、到来呼を受取る。
【0054】
1つの実施形態では、専用チャネルモードからHSBSチャネルを監視するのは、より多くのシステム資源を必要とするので、加入者局は、専用チャネルモードからHSBSチャネルを監視することができても、トラヒックチャネル上で通信せずに、共通チャネルモードでHSBSチャネルを監視する。したがって、加入者局は、HSBSチャネルを同時に監視し、トラヒックチャネル上で通信し、通信が終了すると、専用チャネルを解放し、共通チャネルモードへ移行する。
【0055】
周波数ハッシングおよびページング
基地局は、加入者局と通信する要求を受信すると、その加入者局のためのページングメッセージを生成する。次に、基地局は、加入者局が何れのページングチャネルを監視しているかを判断し、そのページングチャネル上でページングメッセージを伝送する。通信システムの基地局は、1つの周波数、または多数の周波数、あるいはこの両者で多数のページングチャネルを支援するので、基地局および加入者局の両者において、加入者局が監視しているのが何れの周波数およびページングチャネルであるかを判断する方法が開発された。IS−2000標準に基づく方法を記載する。当業者は、IS−200標準の選択が、教育上の目的であり、基地局と加入者局との取り決めを保証する方法を容易に置換できることが分かるであろう。
【0056】
電力が入ると、加入者局は、システム判断のサブステートを入力し、捕捉の試みを行うシステムを選択する。1つの実施形態では、システムの判断のためのシステムを選択した後で、加入者局はパイロット捕捉のサブステートへ移行し、加入者局は、システム判断のサブステートにおいて検索された捕捉パラメータに基づいて、パイロット信号の復調を試みる。加入者局は、捕捉パラメータにしたがって、CDMA捕捉パイロット信号を捕捉する試みを行う。加入者局は、所定の閾値よりも高いエネルギーをもつパイロット信号を検出すると、Syncチャネル捕捉のサブステートへ移行し、Syncチャネルの捕捉を試みる。通
常、基地局によって放送されるSyncチャネルは、システム識別(system identification, SID)およびネットワーク識別(network identification, NID)のような基本システム情報を含むが、最も重要なこととして、タイミング情報を加入者局へ与える。加入者局は、Syncチャネル情報にしたがって加入者局のタイミングを調節し、次に、加入者局のアイドル状態へ入る。加入者局は、Syncチャネルメッセージにおいて識別されるオーバーヘッドチャネルを受信することによって、アイドル状態の処理を開始し、加入者局が捕捉した基地局が、多数の周波数を支援するとき、加入者局と基地局の両者は、ハッシュ機能を使用して、通信に使用する周波数を判断する。次に、加入者局および基地局は、ハッシュ機能を使用して、加入者局が監視しているページングチャネルを判断する。1つの実施形態では、ハッシング機能は、例えば、周波数、ページングチャネル、等、および国際加入者局識別子(international subscriber station identifier, IMSI)をハッシュする多数のエンティティを受取って、1つのエンティティを出力する。
【0057】
上述の方法(以下では、現在のハッシング方法と呼ぶ)は、ポイント ツウ ポイント システムにおいて適切に働く。しかしながら、現在のハッシング方法は、図3を参照して示されているような、放送サービスに直接に適用できない。図3は、2本のHSBSチャネル302a、302bが、周波数f上で伝送されるF−BSCHチャネル304a上で多重化され、1本のHSBSチャネル302cが、周波数f上で伝送されるF−BSCHチャネル304b上で多重化されることを示している。周波数f上には、HSBSチャネルはない。ページングチャネル306a、306b、および306cは、各周波数f、f、およびf上で伝送される。図3には、各周波数ごとに、1本のみのページングチャネルが示されているが、加
入者局の個々のページングチャネルにおけるマッピングは、ハッシング機能によって判断されるので、当業者には、これが単に教育のためであることが分かる。加入者局が、3本の全てのHSBSチャネル302に加入したとき、受信を一方のHSBSチャネルから別のHSBSチャネル302へ自由に変えることができる。ここでは、加入という用語を使用して、加入者局が、個々のHSBSチャネルの受信を許可されることを示す。
【0058】
一般性を損うことなく、時間tにおいて、加入者局に電力が入ると仮定する。例えば、上述のハッシング方法を使用して、加入者局は、周波数fに同調し、基地局に登録し、ページングチャネル306cの監視を開始する。基地局は、同じハッシング方法を行って、加入者局が、周波数fのページングチャネル306cを監視していると判断する。時間tにおいて、加入者局は、HSBSチャネル302aを監視することを決める。既に記載したように、HSBSチャネルを受信したい加入者局は、そのHSBSチャネルによって変調されるF−BSCHチャネルを含む周波数を監視しなければならない。したがって、加入者局は、周波数fに同調し、HSBSチャネル302aを受信し始める。加入者局が1つのみの周波数に同調できるように、加入者局が制約されているために、加入者局は、周波数f上のページングチャネル306aを監視する。加入者局は、HSBSチャネルを受信する一方で、ページングメッセージを受信できることを要求されるので、加入者局へのページングメッセージは、周波数fのページングチャネル上で送らなければならない。しかしながら、現在のハッシング方法は、加入者局が周波数を変更するというシナリオについて明細を明らかにしていない。したがって、周波数fのページング周波数306c上で加入者局をハッシュした基地局は、加入者局の再同調に気付かない。したがって、基地局が周波数fのページングチャネル306c上で送ったページメッセージは損われる。したがって、加入者局をページする周波数において基地局を評価する方法およびシステムが必要である。当業者には、周波数が判断されると、現在のページングチャネル判断方法を使用できることが分かる。
【0059】
したがって、本発明の1つの実施形態にしたがうと、加入者局は、基地局に、加入者局が加入し、かつ監視することに関心のある各HSBSチャネルの識別子を登録する。各HSBSチャネルは、特定の周波数上の対応するF−BSCHを変調するので、基地局には、加入者局を見付けることができる周波数の組が分かり、したがって、加入者局を適切にページすることができる。HSBSチャネルの登録は、ハンドオフ中に使用される。ハンドオフの目的は、加入者局を、第1の基地局によって伝送されたHSBSチャネルから、第2の基地局によって伝送されたHSBSチャネルへ転送することである。しかしながら、HSBSチャネルは、第1および第2の基地局において異なる周波数を変調するが、各基地局は、(論理対物理のマッピングによって)所与のHSBS IDが伝送される周波数を知っているので、HSBSが、同じ固有の識別子HSBS IDをもっていても、基地局は加入者を適切にページすることができる。したがって、各HSBSチャネルの識別の登録は、ハンドオフを支援する。別の実施形態にしたがうと、加入者局は、加入者局が加入し、かつ監視することに関心のあるHSBSによって変調された周波数を、基地局に登録する。登録は、個々のHSBSチャネルごとに、タイマの状態にしたがって定期的に行われる。
【0060】
このような登録を可能にするために、加入者局は、加入者局が加入し、かつ監視することに関心のある各HSBSチャネルのタイマの状態を(HSBS TIMER STATUS)保持する。HSBSチャネルは、固有の識別子(HSBS ID)によって識別される。各タイマのHSBS TIMER STATUSは、“イネーブル”(すなわち、タイマ実行中)か、または“時限切れ”(すなわち、タイマ停止中)の何れかである。加入者局は、加入者が監視することに関心のある各HSBSチャネルのためのカウンタ、すなわち、放送サービス登録タイマ(THSBS)も保持する。カウンタは、所定の時間間隔でインクリメントされる。カウンタが所定の値(HSBS REG TIMER)に到達すると、加入者局は、タイマが切れたことを示し、HSBS TIMER STATUSを“時限切れ”に設定する。
【0061】
電力が入ると、加入者局は、全チャネルについて、HSBS TIMER STATUSを“時限切れ”に初期設定する。次に、加入者局は、現在のハッシング方法にしたがう周波数に同調し、周波数を伝送する基地局に登録する。加入者局が、HSBS ID=iによって識別されるHSBSチャネルによって変調される周波数に同調するとき、HSBS TIMER STATUS〔i〕が“時限切れ”に設定されている場合は、加入者局は、HSBSチャネルのために基地局に放送サービス登録を行い、HSBS TIMER STATUS〔i〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS〔I〕を始動する。加入者局がHSBSチャネルiを依然として監視している一方で、カウンタTHSBS〔I〕の時限が切れると、加入者局は、再び、HSBSチャネルiについて基地局に放送サービス登録を行い、HSBS TIMER STATUS〔i〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS〔I〕を始動する。加入者局が、(最初の電力投入登録手続きの結果として、またはHSBSチャネルiの監視の結果として)個々の周波数に同調し、同じ周波数上のHSBSチャネルjを監視したいとき、HSBS TIMER STATUS〔j〕が“時限切れ”に設定されている場合は、加入者局はHSBSチャネルjについて基地局に放送サービス登録を行い、HSBS TIMER STATUS〔j〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS〔j〕を始動する。
【0062】
各基地局は、各加入者局ごとに、ページングの組(PAGE SET)を保持する。i番目の加入者局から電力投入登録を受信すると、加入者局のPAGE SETは、現在のハッシング方法にしたがって、加入者局が同調した周波数、すなわち、PAGE SET={fpower−up}を含むように初期設定される。基地局は、HSBS ID=iによって識別されるHSBSチャネルの放送サービス登録を加入者局から受信すると、そのHSBSチャネルの識別子(HSBS ID)をページングの組PAGE SET={fpower−up}へ加え、カウンタTHSBS〔I〕を始動する。加入者局のためのHSBSチャネルiに対応するカウンタTHSBS〔I〕の時限が切れると、基地局は、ページングの組からHSBS ID=iを取り除く。加入者局への到来呼があるときは、基地局は、論理対物理のマッピングを使用して、ページングの組内の識別子をもつ全HSBSチャネルに対応する周波数を判断する。次に、基地局は、ページングメッセージを、これらの全周波数上の加入者局へ送る。したがって、加入者局のタイマと基地局のタイマとを同期させなければならないか、または加入者局のタイマが切れた後で、基地局のタイマが切れなければならない。加入者局のタイマが切れる前に、基地局のタイマが切れると、基地局は、HSBS ID=iを、加入者局がまだHSBSチャネルであるときに、ページングの組から取り除いてしまう。
【0063】
既に記載したように、カウンタTHSBS〔I〕が、値HSBS REG TIMERによって判断される値、すなわち、基地局によって加入者局へ伝送される構成可能なパラメータに達すると、定期的に登録が行われる。値HSBS REG TIMERは、加入者局の放送サービス登録の結果のシグナリングロードと、加入者局をページする必要のある周波数が不確かである結果のシグナリングロードとの間の最適条件であると判断される。シグナリングロードを低減するために、放送サービス登録は、別のタイプの登録(例えば、時間に基づく登録、距離に基づく登録、領域に基づく登録、および当業者には分かる他の登録タイプ)と組み合わされる。例えば、時間に基づく登録では、基地局は、所定の時間間隔で登録するように加入者局を構成する。加入者局が放送サービス登録を行うとき、基地局は、加入者局の場所について、放送サービス登録から判断するので、加入者局は、その期間中は時間に基づく登録を行う必要はない。
【0064】
再び図3を参照すると、本発明の上述の実施形態にしたがって加入者局と基地局とによって行われる方法が示されている。時間tにおいて、加入者局の電源が入り、現在の手続きを使用して、周波数fに同調し、全HSBSチャネルについてHSBS TIMER STATUSを“時限切れ”に設定し、登録する。基地局は、加入者局のページの組を周波数fに初期設定する。(PAGE SET={fz})。(下付き文字iは、加入者局を識別する)。
【0065】
時間tにおいて、加入者局は、HSBSチャネル302aを監視することを望んでいる。(HSBS ID=1)。加入者局は、周波数fに同調し、HSBSチャネル302aの放送サービス登録を送り、HSBS TIMER STATUS〔1〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS〔1〕を始動する。基地局は、PAGE SET={1,fz}に設定する。
【0066】
時間tにおいて、加入者局は、HSBSチャネル302aを監視することには最早関心がないが、HSBSチャネル302bを監視することを望んでいる。加入者局は、HSBSチャネル302bの放送サービス登録を送り、HSBS TIMER STATUS〔2〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS〔2〕を始動する。基地局は、PAGE SET={2,1,fz}に設定する。
【0067】
時間tにおいて、加入者局は、HSBSチャネル302bを監視することには、最早関心がないが、HSBSチャネル302cを監視することを望んでいる。加入者局は、周波数fyに同調し、HSBSチャネル302cの放送サービス登録を送り、HSBS TIMER STATUS〔3〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS〔3〕を始動する。基地局は、PAGE SET={3,2,1,fz}に設定する。
【0068】
時間tにおいて、カウンタTHSBS[1]は時限が切れ、したがって、加入者局は、HSBS TIMER STATUS〔1〕を“時限切れ”に設定する。加入者局は、HSBSチャネル302aを最早監視していないので、HSBSチャネル302aの放送サービス登録を送る必要はなく、したがって、基地局は、ページングの組からHSBS ID=1を取り除く。このため、PAGE SET={3,2,fz}である。
【0069】
時間tにおいて、カウンタTHSBS[2]は時限が切れ、したがって、加入者局は、HSBS TIMER STATUS〔2〕を“時限切れ”に設定する。加入者局は、HSBSチャネル302bを最早監視していないので、HSBSチャネル302bの放送サービス登録を送る必要はなく、その結果、基地局は、ページングの組からHSBS ID=2を取り除く。したがって、PAGE SET={3,fz}である。
【0070】
時間tにおいて、カウンタTHSBS[3]の時限が切れ、したがって、加入者局は、HSBS TIMER STATUS〔3〕を“時限切れ”に設定する。加入者局は、HSBSチャネル302cを監視しているので、HSBSチャネル302cの放送サービス登録を送り、HSBS TIMER STATUS〔3〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS[3]を再び始動する。基地局は、PAGE SET={3,fz}を維持する。
【0071】
時間tにおいて、加入者局は、HSBSチャネルに最早関心がない。1つの実施形態では、加入者局は、fzに同調し、アイドル状態に入る。PAGE SET={3,fz}は変わらない。別の実施形態では、加入者局は、周波数fに留まる。
【0072】
時間tにおいて、カウンタTHSBS[3]は時限が切れる。加入者局がfzに同調して、アイドル状態に入る実施形態にしたがうと、加入者局は、HSBS TIMER STATUS〔3〕を“時限切れ”に設定する。加入者局は、HSBSチャネル302cを最早監視していないので、HSBSチャネル302cの放送サービス登録を送る必要はなく、したがって、基地局は、ページングの組からHSBS ID=3を取り除く。このため、PAGE SET={fz}である。加入者局がfに留まって、アイドル状態に入る実施形態にしたがうと、加入者局は、HSBSチャネル302cの放送サービス登録を送り、HSBS TIMER STATUS〔3〕を“イネーブル”に設定し、カウンタTHSBS[3]を再び始動する。基地局は、PAGE SET={3,fz}を維持する。
【0073】
別の実施形態では、登録は不要である。1つの実施形態では、HSBSチャネルは、セクタの全周波数上で伝送される。したがって、現在のハッシング方法を使用することができる。ある特定の環境のもとでは、F−BSCHを全周波数上で展開する資源の割当ては、負担が重くなり過ぎるので、この実施形態は実行できない。さらに加えて、HSBSチャネルによって変調されるF−BSCHは、高電力チャネルであるので、干渉源として働く。
【0074】
したがって、別の実施形態では、基地局は、加入者局が、現在のハッシング方法にしたがって最初に同調した周波数のページングチャネルと、HSBSチャネルによって変調された全周波数のページングチャネルとにおいて、ページングメッセージを送る。この実施形態では、現在のハッシング方法を使用して、簡単なページングの決定を交換し、多数の周波数および多数のページングチャネルにおいてページングロードが増加するのと対照して、加入者局のHSBSの加入の詳細を知る必要がない。
【0075】
別の実施形態にしたがうと、ページングロードを低減するために、加入者局を2つのクラスへ分割する。第1のクラスは、HSBSサービスに加入しないか、またはHSBSサービスができない加入者局を含み、第2のクラスは、HSBSサービスに加入した加入者局を含む。基地局は、ページされる加入者局の加入情報を与えられる。加入情報は、例えば、ホームロケーションレジスタ(home location register, HLR)、HSBS内容サーバ、または通信システム内の同様のエンティティから与えられる。HSBSセッションが進行中でないときは、全加入者局は、現在のハッシング方法にしたがって周波数に同調する。したがって、基地局は、適切な周波数およびページングチャネルの加入者局をページする。HSBSサービスが始まると、HSBSセッションに関心のある第2のクラスに属している加入者局は、適切なHSBSチャネルに同調する。基地局は、現在のページング方法にしたがって、第1のクラスに属している加入者局をページする。基地局は、HSBSセッションが進行中であるか、休止中であるか、および第2のクラスに属している各加入者局の加入者の概要について知る。したがって、基地局は、加入者局が最初に同調した周波数上のページングチャネル、および加入者局が加入したHSBSチャネルによって変調される周波数上のページングチャネルにおいて、第2のクラスに属している加入者局へページングメッセージを送る。この実施形態では、小さいページングロードを交換し、現在のハッシング方法を変更する必要はないが、加入者局の加入情報について知る必要はある。
【0076】
加入者局がHSBSによって変調された異なる周波数へ同調するために、加入者局が周波数間で不均等に分散するのを防ぐために、HSBSによって変調されていない周波数のみを、第1のクラスに属している加入者局のハッシュ関数へ入れることによって、上述の実施形態を変更する。さらに加えて、HSBSセッションが進行中であるときは、HSBSによって変調された周波数のみを、第2のクラスに属する加入者局のハッシュ関数へ入れる。当業者には、アクセスネットワークの使用パターンにしたがって、周波数の他の組合せを使用できることが分かる。
【0077】
したがって、別の実施形態では、加入者局は、HSBSチャネルの監視の開始および終了について、基地局に知らせる。このために、加入者局は、最初に、現在のハッシング方法にしたがう周波数に同調する。加入者局は、HSBSチャネルを監視したいとき、HSBSチャネルを監視したいことを示す通知メッセージを基地局へ送り、HSBSチャネルが変調する周波数に同調する。加入者局は、HSBSチャネルの受信に最早関心がなくなると、HSBSチャネルの監視を止めたいことを示す通知メッセージを送り、元の周波数に同調する。この実施形態では、加入者局とアクセスネットワークとの信頼関係を想定している。このような関係が設定されていないときは、基地局は、通知メッセージを受信すると、加入者局が、要求されたHSBSチャネルに加入したことを確認し、要求を承認または否認する。アクセスの承認を受信するときのみ、加入者局は、HSBSチャネルが変調する周波数に同調する。基地局は、加入者局が同調している現在の周波数について明示的に知らされるので、加入者局を適切にページすることができる。この実施形態では、簡単なページングの決定を交換し、現在のハッシング方法を変更する必要はなく、潜在的にバースト状態である、例えば、人気のあるプログラムの開始および終了時の、大きい逆方向リンクのシグナリングロードに対する、加入者局の加入を知る必要はない。
【0078】
逆方向リンクのシグナリングロードを低減するために、別の実施形態では、加入者局は、加入者局が周波数を変更するときのみ、基地局に知らせる。したがって、加入者局は、最初に、現在のハッシング方法にしたがう周波数に同調する。加入者局は、加入者局が監視しているのと異なる周波数を変調するHSBSチャネルを監視したいとき、そのHSBSチャネルを監視したいことを示す通知メッセージを基地局へ送り、そのHSBSチャネルが変調する周波数へ同調する。加入者局は、そのHSBSチャネルの受信に最早関心がなくなると、HSBSの監視を止める。加入者局は周波数を変更しないので、加入者局の一部を処理する必要はない。基地局は、加入者局が同調している現在の周波数について、明示的に知らされるので、加入者局を適切にページすることができる。上述の実施形態では、加入者局とアクセスネットワークとの間に信頼関係が設定されていないので、要求−応答が必要である。この実施形態では、簡単なページングの決定を交換し、現在のハッシング方法を変更する必要はなく、潜在的にバースト状態である、例えば、人気のあるプログラムの開始および終了時の、大きい逆方向リンクのシグナリングロードに対する、加入者局の加入を知る必要はない。
【0079】
当業者には、フローチャートが、圧縮順に逐次に示されているが、実際の実行では、ある特定のステップを並行して行なうことができる。
【0080】
当業者には、種々の異なる技術および技能を使用して、情報および信号が表わされることが分かるであろう。例えば、これまでの記述全体で参照されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁粒、光の界または粒子、あるいはこれらの組み合わせによって表される。
【0081】
当業者には、ここに開示されている実施形態に関係して記載された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子ハードウエア、コンピュータソフトウエア、またはこの両者の組合せとして実行されることも分かるであろう。ハードウエアとソフトウエアとのこの互換性を明らかに示すために、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能に関して上述で概ね記載されている。このような機能が、ハードウエアとして実行されるか、またはソフトウエアとして実行されるかは、個々の応用と、全体的なシステムに課された設計上の制約とに依存する。熟練した技能をもつ者は、各個々の応用ごとに種々のやり方で上述の機能を実行してもよいが、このような実行の決定は、本発明の技術的範囲から逸脱しないと解釈される。
【0082】
ここに開示されている実施形態に関係して記載されている種々の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)または他のプログラマブル論理装置、ディスクリートなゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートなハードウエア構成要素、あるいはここに記載されている機能を実行するように設計された組合せで構成または実行される。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、その代わりに、従来のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、または状態機械であってもよい。プロセッサは、計算機の組合せ、例えば、1つのDSPと1つのマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、1つ以上のマイクロプロセッサと1つのDSPのコアとの組み合わせ、または他のこのような構成としても実行される。
【0083】
ここに開示されている実施形態に関係して記載された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウエアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールにおいて、またはこの2つの組み合わせにおいて直接に具体化される。ソフトウエアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、またはこの分野において知られている他の形態の記憶媒体の中にあってもよい。例示的な記憶媒体をプロセッサに接続すると、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み出し、かつ記憶媒体へ情報を書き込むことができる。その代りに、記憶媒体は、プロセッサと一体構成であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICの中にあってもよい。ASICは、ユーザ端末の中にあってもよい。その代りに、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートな構成要素として、ユーザ端末の中にあってもよい。
【0084】
開示された実施形態のこれまでの記述は、当業者が本発明を作成または使用できるようにするために与えられている。当業者には、これらの実施形態に対する種々の変更は容易に明らかであり、ここに定められている一般的な原理は、本発明の意図または技術的範囲から逸脱しないならば、他の実施形態に適用してもよい。したがって、本発明は、ここに示されている実施形態に制限されることを意図されているのではなく、ここに開示されている原理および新奇な特徴に一致する最も幅広い範囲にしたがうことを意図されている。
【0085】
この特許文献の開示の一部は、著作権の保護を受ける題材を含む。特許文献または特許開示は、特許商標庁のファイルまたは記録に掲載されているが、その他の場合は、一切の無断転載が禁止されているので、著作権保有者は、任意の者によるその複写再生に反対しない。
【0086】
セクタにおいて放送サービスパラメータメッセージを展開する融通の利く方法も必要とされる。
【0087】
アイドル状態のBCMCS設計では、移動局は、現在のcdma2000標準に特定されているように、アイドル状態において周波数のハッシュに入る。同様に、周波数のハッシュの一方で、移動局はページングチャネルのハッシュを監視する。したがって、全移動局は(全移動局がBCMCSを支援するかどうかに関らず)、システムの判断、アイドル状態の周波数の選択、およびアイドル状態のページングチャネルの選択のために同じ手続きにしたがうことを保証する。移動局は、アイドル状態で周波数のハッシュに入ると、ユーザがBCMCS FLOW IDxを要求するとき、移動局は、その周波数(すなわち、移動局の周波数のハッシュおよびページングチャネルのハッシュ)上の放送サービスパラメータメッセージ(Broadcast Service Parameter Message, BSPM)を読み出し、BCMCS FLOW IDxがそのセクタにおいて使用可能であるかどうかを判断する。BCMCS FLOW IDxがそのセクタにおいて使用可能であるときは、移動局は、BSPMから、このサービスを監視するための全必須情報(例えば、伝送されるときの周波数、F−BSCHの構成パラメータ、等)を判断する。次に、移動局は、(周波数のハッシュと異なるときは)適切な周波数に同調し、F−BSCHを監視する。
【0088】
上述の設計は、BCMCSに関心のある移動局は、周波数の1つおよびページングチャネルの1つの上にあるので、セクタの各周波数上の各ページングチャネルにおいてBSPMを送らなければならないことを示す。同じ理由で、これらのBSPMの各々は、そのセクタにおいて全周波数上で使用可能なBCMCS FLOW IDについての情報を乗せなければならない。これは、移動局が希望のBCMCSの内容を監視し始める遅延を最小化するので、移動局の側から見ると、望ましい。セクタにおいて伝送されるBCMCS FLOW IDの数が非常に多いとき、BCMCSのサービスを与えるのに、大量のオーバーヘッド(すなわち、BSPM)が必要とされるので、ネットワークの側から見ると、この方式は効率が悪いと考えられる。これを次の表およびテーブル1に示す。
【表1】

【0089】
オペレータに、BSPMのオーバーヘッド量と、BCMCSの展開においてBCMCSを監視し始める遅延との折り合いに融通性を与えるために、BSPMの展開のための融通の利く機構を提案し、これを次に示す。
【0090】
各周波数上の各ページングチャネルにおいて、そのセクタにおけるBCMCSの使用可能性に関する情報は、4つの可能な方法の1つによって与えられる。
【0091】
1.BCMCSがそのセクタにおいて使用可能でないことを示す。
【0092】
2.BCMCSがそのセクタにおいて使用可能であり、MSがそのセクタにおいて使用可能なBCMCS FLOW IDに関する情報を判断することができる周波数およびページングチャネルを示すことを示す。
【0093】
3.そのセクタにおいて使用可能なBCMCS FLOW IDのリストを与え、特定のBCMCS FLOW IDに関する情報を得ることができる周波数およびページングチャネルを示す。
【0094】
4.そのセクタにおいて使用可能なBCMCS FLOW IDのリストを与え、移動局が特定のBCMCS FLOW IDを監視するのに必要な全必須情報を与える。
【0095】
BCMCSの情報を知らせるこれらの4つの方法は、システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージ&BSPMの次の組合せによって実行される。
【0096】
・システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージ内に、次のように設定される2ビットのフラグ(BCMCS IND)を加える。
【0097】
・BCMCS IND=00→BCMCSサービスはこのセクタにおいて使用可能でない。
【0098】
MSがこのセクタ内であるときは、ユーザは、BCMCSサービスを使用可能でなく、BSPMはこのセクタにおいて伝送されない。
【0099】
・BCMCS IND=01→BCMCSサービスはこのセクタにおいて使用可能であるが、BCMCS FREQ/BCMCS PAGECHへ行き、全必須情報を集める。
【0100】
BSPMは、このページングチャネル上のこの周波数上で伝送されず、BCMCS FREQは、この周波数であり、ページングチャネルのみが異なることに注意すべきである。したがって、BSは、F−BSCHが展開される周波数のみにおいて、BSPMを送り、このためにBSPMのオーバーヘッドを低減することができる。BCMCSに関心がある移動局は、必要なときに情報を得る場所を知っている。
【0101】
・BCMCS IND=10→BCMCSサービスはこのセクタにおいて使用可能であり、この周波数およびこのページングチャネル上のBSPMを読み出して、全必須情報を集める。このBSPMは、融通性を追加する。
【0102】
BCMCS IND=00または01であるとき、BSPMは、現在の周波数上の現在のページングチャネル上で伝送されない。BCMCS IND=10であるとき、BSPMは、現在の周波数上の現在のページングチャネル上で伝送され、BSPM BCMCS INDのフラグによって次に示す融通性を与える。
【0103】
・BSPM BCMCS IND=1→このセクタにおいて使用可能な全てのBCMCS FLOW IDは、このBSPMにリストアップされる。
【0104】
・BSPM BCMCS IND=0→このセクタにおいて使用可能な全てのBCMCS FLOW IDが、このBSPM内にリストアップされるわけではない。このBSPMにリストアップされていないBCMCS FLOW IDについて、周波数およびページングチャネルの情報は、移動局が情報を得ることができるところに与えられる。
【0105】
・BSPM BCMCS INDの何れかの場合において、BSPMにリストアップされている各BCMCS FLOW IDについて、情報を与える方法は2つある。
【0106】
MSが、このBCMCS FLOW IDに関する全必須情報を収集でき、追加情報が与えられないときに、周波数およびページングチャネルを単に示す方法、およびMSが所与のBCMCS FLOW IDを監視できるようにする全必須情報(例えば、F−BSCHのウオルシュ符号、BSR ID、等)を含む方法である。
【0107】
移動局の側から見ると、所与のセクタにおける所与のBCMCS FLOW IDxについて、上述の設計は、移動局の周波数のハッシュおよびページングチャネルのハッシュにおいて次の6つの結果の1つになる。
【0108】
1.システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージ信号のBCMCS IND=00→BCMCS FLOW IDxは、このセクタにおいて監視できない。
【0109】
2.システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージは、BCMCS IND=01を含む→MSは、BCMCS FREQ/BCMCS PAGECHに同調して、BCMCS FLOW IDxが、このセクタにおいて使用可能であるかどうかを判断する必要がある。
【0110】
3.システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージは、BCMCS IND=10を含み;MSは、この周波数上でBSPMを読み出し;BSPMは、BSPM BCMCS IND=0を送り;BSPMは、BCMCS FLOW IDxをリストアップしない→MSは、BCMCS FREQ/BCMCS PAGECHに同調し、BCMCS FLOW IDxがこのセクタにおいて使用可能であるかどうかを判断必要がある。
【0111】
4.システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージは、BCMCS IND=10を含み;MSは、この周波数上でBSPMを読み出し;BSPMは、BSPM BCMCS IND=1を送り;BSPMは、BCMCS FLOW IDxをリストアップしない→BCMCS FLOW IDxは、このセクタにおいて監視できない。
【0112】
5.システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージは、BCMCS IND=10を含み;MSは、この周波数上でBSPMを読み出し;BSPMは、BCMCS FLOW IDxをリストアップするが、BCMCS FLOW IDxに関する情報を収集できるときは、BCMCS FREQのみを示す→BCMCS FLOW IDxはこのセクタにおいて監視できるが、MSは、BCMCS FREQに同調して、BCMCS FLOW IDxをどこで/どのように監視するかを判断しなければならない。
【0113】
6.システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージは、BCMCS IND=10を含み;MSは、この周波数上でBSPMを読み出し;BSPMは、BCMCS FLOW IDxをリストアップし、全ての情報を与える→BCMCS FLOW IDxは、このセクタにおいて監視でき、MSは、BCMCS FLOW IDxをどこで/どのように監視するかを判断するための情報をもつ。
【0114】
ネットワークの側から見ると、次に示す融通の利くオプションが使用可能である。
【0115】
1.各ページングチャネル上の各周波数上で伝送されるBSPMは、このセクタの全周波数上で使用可能なBCMCS FLOW IDに関する情報を含む。
【0116】
2.各周波数上で伝送されるBSPMは、このセクタの全周波数上で使用可能なBCMCS FLOW IDのリストを含み、このBCMCS FLOW IDを監視するための必須情報を収集できる周波数を示す。
【0117】
3.1つのみの周波数が、他の周波数において使用可能なBCMCS FLOW IDに関する全必須情報を含むBSPMを伝送し(注1参照)、他の周波数は、単に、移動局にこの周波数を示して、必須情報を収集する。
【0118】
4.配置に基づく、これらの3つのオプションの種々の組合せは、BCMCSのサービスのタイプを必要とする。
【0119】
これまでに、およびこれから記載し、示すシナリオにおいて、これらのオプションを使用する例を示す。
【表2】

【表3】

【0120】
注1:BCMCS FLOW IDxが周波数xにおいて伝送されるとき、この周波数におけるBSPMは、このBCMCS FLOW IDxに関する全ての情報をリストアップしなければならない。MSが、BSPMの更新を得るのに、別の周波数に同調し続けなければならいときは、MSがBCMCSを受信するときの妨害を避けなければならない(より悪いことに、MSには、別の周波数上でBSPMが伝送されるときについて、全く分からない)。
【0121】
注2:上述の規制は、独立のBCMCSの要求が許可される場合には当てはまらない(すなわち、MSは、オーバーヘッド内に示されていないBCMCS FLOW IDを要求することができる)。BSPMには、これのフラグが既にあり、同様のフラグを加えて(実際には、BCMCS INDの1つの値を使用する)、システムパラメータメッセージ/MC−RRパラメータメッセージにおいて同じことを言わなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムのための方法であって、
BCMCSが、セクタにおいて使用可能でないこと、
BCMCSは、前記セクタにおいて使用可能であり、MSが前記セクタにおいて使用可能なBCMCS FLOW IDに関する情報を判断する周波数およびページングチャネルを示すこと、
前記セクタにおいて使用可能なBCMCS FLOW IDのリストを与え、特定のBCMCS FLOW IDに関する情報が得られる周波数およびページングチャネルを示すこと、および、
前記セクタにおいて使用可能なBCMCS FLOW IDのリストを与え、移動局が特定のBCMCS FLOW IDを監視する情報を与えることの中の少なくとも1つを示すことによって、各ページングチャネル上の各周波数上で、セクタにおけるBCMCSの使用可能性に関する情報を伝送することを含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−34377(P2012−34377A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−187048(P2011−187048)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【分割の表示】特願2010−96040(P2010−96040)の分割
【原出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】