放送録画再生装置
【課題】 本編部分と広告部分を分離して再生することが可能であるだけでなく、本来の放送順序にて本編部分と広告部分を再生することの可能な装置を提供する。
【手段】 復元部4によって復元されたコンテンツデータは、分割手段6によって、本編部分であるか広告部分であるかが判断される。本編部分は、記録手段12によって記録部22に記録される。広告部分は、同一広告判断手段8により既に暫定記録部20に記録されている広告部分と同一性のあるものかどうかが判断される。同一性のない広告部分であれば、暫定記録手段10は、これを暫定記録部20に記録する。また、同一性のある広告部分であれば、暫定記録部20への記録は行われない。元順序記録手段14は、復元部によって復元されたコンテンツにおける、本編部分と広告部分の並び順を、元順序として記録部22に記録する。
【手段】 復元部4によって復元されたコンテンツデータは、分割手段6によって、本編部分であるか広告部分であるかが判断される。本編部分は、記録手段12によって記録部22に記録される。広告部分は、同一広告判断手段8により既に暫定記録部20に記録されている広告部分と同一性のあるものかどうかが判断される。同一性のない広告部分であれば、暫定記録手段10は、これを暫定記録部20に記録する。また、同一性のある広告部分であれば、暫定記録部20への記録は行われない。元順序記録手段14は、復元部によって復元されたコンテンツにおける、本編部分と広告部分の並び順を、元順序として記録部22に記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送を録画する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送によって受信したコンテンツを録画する装置として、DVDレコーダやブルーレイディスク・レコーダなどが販売されている。これら放送コンテンツを録画する装置において問題となるのは、本編部分の途中に挿入される広告部分である。
【0003】
特許文献1には、本編部分と広告部分を分離して記録する装置が開示されている。すなわち、本編部分のみをハードディスクに記録し、広告部分はバッファしておいて、番組が修了すると、ハードディスクの本編部分の後に、バッファしておいた広告部分を記録する装置が開示されている。これにより、まず、本編部分を連続して再生することができ、広告部分に達すれば再生を停止することができるという効果があるとしている。
【0004】
また、特許文献2においても、本編部分と広告部分を分離して記録する装置が開示されている。さらに、特許文献2の装置では、ある番組について記録した広告が、既に記録済みの番組の広告と同じである場合には、これを記録しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−287248
【特許文献2】特開2001−275079
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の装置では、本編部分と広告部分を分離して再生をすることが可能であるものの、本来の放送順序にて本編部分と広告部分を再生することはできない。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決して、本編部分と広告部分を分離して再生することが可能であるだけでなく、本来の放送順序にて本編部分と広告部分を再生することの可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)(2)この発明に係る放送録画再生装置は、放送信号を受信する受信部と、受信した放送信号に基づいて、所望のコンテンツを復元する復元部と、復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、第一のモードにおいては、記録部に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生し、第二のモードにおいては、記録部に記録された各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する再生手段とを備えている。
【0009】
したがって、放送された順序に従って本編部分と広告部分を再生したり、本編部分または広告部分を連続して再生したりすることができる。
【0010】
(3)(4)この発明に係る放送録画装置は、放送信号に基づいて復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段とを備えている。
【0011】
したがって、広告部分と本編部分とを分離して記録することができるので、記録されたものに基づき、放送された順序に従って本編部分と広告部分を再生したり、本編部分または広告部分を連続して再生したりすることができる。
【0012】
(5)この発明に係る装置は、分離された広告部分が、既に分離された他の広告部分と同じ内容であるかどうかを判断する同一広告判断手段を設け、前記暫定記録手段は、同一広告判断手段によって同一であると判断された広告部分は、暫定記録部に記録しないことを特徴としている。
【0013】
したがって、同一の広告を重複して記録せず無駄がない。
【0014】
(6)この発明に係る装置は、分割手段が、復元したコンテンツの音声データにおける所定時間の無音部分と、音声データの特徴量に基づいて、広告部分であるか否かを判断することを特徴としている。
【0015】
したがって、確実に広告部分を分離することができる。
【0016】
「分割手段」は、実施形態においては、ステップS4、S5、S6やステップS14、S15、S16がこれに対応する。
【0017】
「元順序記録手段」は、実施形態においては、ステップS6、S16、S25等に基づく判断がこれに対応する。
【0018】
「暫定記録手段」は、実施形態においては、ステップS12、S23がこれに対応する。
【0019】
「記録手段」は、実施形態においては、ステップS1、S29がこれに対応する。
【0020】
「広告記録手段」は、実施形態においては、ステップS30がこれに対応する。
【0021】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施形態による放送録画再生装置の機能ブロック図である。
【図2】放送録画再生装置のハードウエア構成である。
【図3】制御プログラム54のフローチャートである。
【図4】制御プログラム54のフローチャートである。
【図5】制御プログラム54のフローチャートである。
【図6】制御プログラム54のフローチャートである。
【図7】制御プログラム54のフローチャートである。
【図8】制御プログラム54のフローチャートである。
【図9】制御プログラム54のフローチャートである。
【図10】制御プログラム54のフローチャートである。
【図11】放送内容、ハードディスクへの記録内容、バッファへの記録内容を示す図である。
【図12】ハードディスクに記録されたリストを示す図である。
【図13】放送内容、最終的なハードディスクへの記録内容、各モードにおける再生順を示す図である。
【図14】通常再生プレイリストとCM重複削除プレイリストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.放送録画再生装置の機能ブロック図
図1に、この発明の一実施形態による放送録画再生装置の機能ブロック図を示す。受信部2によって受信された放送信号は、復元部4によりコンテンツデータに復元される。復元されたコンテンツデータは、分割手段6によって、本編部分であるか広告部分であるかが判断される。本編部分であると判断された場合には、記録手段12によって記録部22に記録される。
【0024】
一方、広告部分であると判断された場合には、同一広告判断手段8により、既に暫定記録部20に記録されている広告部分と同一性のあるものかどうかが判断される。同一性のない広告部分であれば、暫定記録手段10は、これを暫定記録部20に記録する。また、同一性のある広告部分であれば、暫定記録部20への記録は行われない。
【0025】
元順序記録手段14は、復元部によって復元されたコンテンツにおける、本編部分と広告部分の並び順を、元順序として記録部22に記録する。
【0026】
番組の終了やユーザからの記録終了命令などにより記録すべきコンテンツが終了すると、広告記録手段16は、既に記録されている本編部分に関連づけて、暫定記録部20に記録されている広告部分を記録する。これにより、記録部22には、本編部分と広告部分が分離された状態で記録されることになる。
【0027】
再生手段18は、第一のモードにおいては、記録部22に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生する。また、第二のモードにおいては、各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する。
【0028】
2.ハードウエア構成
図2に、この発明の一実施形態による放送録画再生装置のハードウエア構成を示す。CPU34には、チューナ32、メモリ36、ディスプレイ38、通信回路39、ハードディスク40、ブルーレイディスクドライブ42、キーボード/マウス44、スピーカ46が接続されている。
【0029】
チューナ32は、アンテナ30によって補足した電波から、放送信号を復調し、さらに、特定のサービスのパケットを取り出す。通信回路39は、インターネットを介して、サーバ装置(図示せず)にアクセスするための回路である。
【0030】
ハードディスク40には、WINDOWS(商標)などのオペレーティングシステム50、デコードプログラム52や制御プログラム54が記録されている。これらプログラムは、ブルーレイディスク48に記録されていたものを、BDドライブ42を介して、ハードディスク40にインストールしたものである。
【0031】
デコードプログラム52は、チューナ32によって選択された放送データ(MPEGデータ)をデコードしてコンテンツデータ(映像・音声データ)を復元する。制御プログラム54は、コンテンツデータの本編部分と広告部分を分離して記録・再生する制御などを行うものである。なお、制御プログラム54は、オペレーティングシステム50と協働してその機能を発揮するものである。
【0032】
3.制御プログラムの処理
図3〜図10に、制御プログラム54のフローチャートを示す。CPU34は、デコードプログラム52によってMPEGデコーダからデコードされた映像・音楽データを取得し、本編部分であるかCM部分であるかを判定する(ステップS50)。この判定の詳細については、後述する。
【0033】
ステップS50において、本編部分であると判断すると、CPU34は、チューナ32からのMPEGデータのハードディスク40への記録を開始する(ステップS1)。たとえば、図11Aに示すような放送を録画する場合、まず、本編61のハードディスク40への記録が開始される(図11B参照)。
【0034】
次に、CPU34は、デコードプログラム52によってMPEGデータから
デコードされた映像・音声データを取得する(ステップS3)。なお、デコードプログラム52は、メモリ36に、3分間程度のMPEGデータを一時的に蓄積しながらデコードを行う。
【0035】
CPU34は、デコードされた音声データから無音部分を検出する。CM開始直前、CM終了直後に、この無音部分が挿入されるからである。したがって、無音部分を検出することにより、CM部分を探し出すことができる(ステップS4)。無音部分が検出されるまで、CPU34は、MPEGデータをハードディスク40に記録し続ける。
【0036】
無音部分を見いだすと、CPU34は、無音部分に続く所定長の音声データにつきフィンガープリントを生成する(ステップS5)。フィンガープリントは、音声データ波形をハニングウインドウなどによって複数個オーバーラップして切り出し、各ウインドウごとにフーリエ変換を行い、周波数帯ごとのエネルギーを算出したものである。
【0037】
次に、CPU34は、サーバ装置にアクセスし、生成したフィンガープリントが、サーバ装置に記録されているCMのフィンガープリントのいずれかと合致するかどうかを判断する(ステップS6)。なお、サーバ装置には、現在放送されているCMのフィンガープリントが、常に、最新のものとして記録されている。また、サーバ装置には、CMのフィンガープリントに対応づけて、当該CMの識別IDが記録されている。
【0038】
いずれかのCMのフィンガープリントと合致すれば、CPU34は、識別IDに基づき、当該CMが既にバッファに記録されているか否かを判断する(ステップS7)。記録されていれば、記録済みフラグを立てる(ステップS8)。記録されていなければ、記録済みフラグを降ろす(ステップS9)。
【0039】
次に、CPU34は、前記無音部分以降は、CM部分であると判断してCM中フラグを立てる(ステップS10)。さらに、CPU34は、当該合致したCMの識別IDを取得し、これをメモリに記録する(ステップS11)。続いて、CPU34は、記録済みフラグが降りていれば、無音部分以降のMPEGデータの、バッファへの記録を開始する(ステップS12)。この際、取得した識別IDを付す。なお、バッファとしては、メモリ36を用いてもよいし、ハードディスク40を用いてもよい。
【0040】
たとえば、図11Aに示す放送を録画する場合であれば、CM71の直前の無音部分が検出され、CM71のMPEGデータのバッファへの記録が開始される(図11C参照)。
【0041】
なお、ステップS6において、合致するフィンガープリントが見いだされない場合、本編部分であると判断し、CM中フラグを立てない(ステップS13)。そして、ステップS2以下を繰り返し実行する。
【0042】
次に、CPU34は、前回のフィンガープリント判定から15秒が経過したかどうかを判断する(ステップS14)。15秒が経過すれば、再びフィンガープリント判定を行う。15秒ごととしたのは、CMの長さは、15秒の倍数になっているからである。つまり、CMの長さは、15秒、30秒、45秒・・・のいずれかだからである。
【0043】
15秒が経過すれば、ステップS5、S6と同じようにして、フィンガープリント判定を行う(ステップS15、S16)。ここで、サーバ装置に記録されているいずれかのCMのフィンガープリントと合致すれば、CPU34は、新たなCM部分が開始したと判断する。まず、CPU34は、当該新たに開始したCMが、既にバッファに記録されているか否かを判断する(ステップS17)。記録されていれば記録済みフラグを立て(ステップS18)、記録されていなければ記録済みフラグを降ろす(ステップS19)。
【0044】
続いて、CPU34は、CM中フラグを降ろさずにそのままにする(ステップS20)。CPU34は、当該CMの識別IDをメモリ36に記録する(ステップS21)。また、現在記録中のCMのMPEGデータのファイルを閉じる(ステップS22)。つまり、バッファに記録されているCM71のファイルを閉じる(図11C参照)。続いて、CPU34は、記録済みフラグが降りていれば、フィンガープリント判定を行った以降のMPEGデータの、バッファへの記録を開始する(ステップS23)。この際、取得した識別IDを付す。図11Cに示すように、CM72のバッファへの記録が開始される。
【0045】
CPU34は、ステップS14に戻って、15秒経過後にフィンガープリント判定を行う。たとえば、CM72が30秒の長さのCMであった場合、CM開始から15秒経過後にフィンガープリント判定を行っても、合致するフィンガープリントが見いだされないことになる。サーバ装置に記録されているフィンガープリントは、CMの冒頭部分についてのものだからである。したがって、この場合、ステップS16の判断が「NO」となり、CM部分が継続していると判断して、CM中フラグを立てたままにして(ステップS24)、ステップS14以下を繰り返す。
【0046】
さらに15秒が経過すると、CPU34は、フィンガープリント判定を行う。この時CM73が開始するので(図9A参照)、CPU34は、フィンガープリント判定によってこれを検出することになる。したがって、図11Cに示すように、CM73がバッファに記録される。
【0047】
上記のように、次のCMの開始を検出することにより、現在のCMの終了を判定することができる。ただし、CMから本編に移行する場合には、問題が生じる。たとえば、図11Aに示す、CM74から本編62への移行時である。CM74の次のCMが開始されるまでを、CM74と認識すると、本編62を誤ってCMと認識することになる。
【0048】
そこで、この実施形態では、これを次のようにして判断している。CPU34は、ステップS25において、CMが継続していると判断された部分が、CMの最長時間(たとえば2分)を越えているかどうかを判断する。CMの最長時間を越えて継続していれば、この部分は本編であると判断することができる。
【0049】
CPU34は、まず、現在CMと判断されている部分における無音部分を検出する(ステップS26)。次に、CPU34は、検出した無音部分までをCM部分と判断し、無音部分以降の部分をバッファから削除する(ステップS27)。CMの最後に無音部分があるので、これ以降は、本編部分と判断できるからである。CPU34は、CM中フラグを降ろす(ステップS28)。
【0050】
さらに、CPU34は、無音部分以降の本編のMPEGデータのハードディスク40への記録を開始する(ステップS29)。なお、デコードプログラム52は、3分程度のMPEGデータをメモリ36に一時記録しているので、これを用いて遡って、無音部分以降の本編部分をハードディスク40に記録することができる。
【0051】
これにより、図11Bに示すように、本編61の後に本編62が続けて記録される。なお、本編61と本編62は別ファイルとして記録される。
【0052】
続いて、CPU34は、ステップS2に戻り、ステップS2以下を実行する。上記のような処理を実行することにより、ハードディスク40には、図11Bに示すように本編61、62、63が記録され、バッファにはCM71、CM72、CM73、CM74、CM75、CM76が記録される。
【0053】
なお、上記においては明示していないが、CPU34は、放送された本編部分とCM部分の並び順を、リストとしてハードディスク40に記録している。このリストは、ステップS6、S16、S25等の判断に基づいて、記録することができる。たとえば、図11Aに示すような放送を受信した場合には、ハードディスク40には、図12に示すようなリストが記録されることになる。
【0054】
また、既に、バッファに記録されているCM部分は、バッファには重複して記録しない。ステップS12、S23に示すように、記録済みフラグが降りている場合のみ、CM部分の記録を行うようにしている。たとえば、図11Aの放送を録画する場合、本編62の後のCM71、72、本編63の後のCM73、74は、既にバッファに記録されているので、重複した記録は行わない。
【0055】
ユーザがキーボード/マウス44によって、録画の終了を指示すると(あるいは予め定められた録画終了時間になると)、CPU34は、ハードディスク40の本編部分のMPEGストリームの後ろに、バッファに記録しておいたCM部分のMPEGストリームを記録する(ステップS2、ステップS30)。図13Bに、このようにしてハードディスク40に記録された状態を示す。本編部分のMPEGストリームに続いて、CM部分のMPEGストリームが記録されている。また、放送されたCM部分のMPEGストリームのうち、重複するものは記録されていない。
【0056】
次に、CPU34は、ハードディスク40に記録したリストに基づいて、プレイリストを生成し記録する(ステップS31)。この実施形態では、図14に示すように、通常再生プレイリストと、CM重複削除プレイリストを生成している。通常再生プレイリストは、図12のリストを使用して生成することができる。なお、各部分のハードディスク40における開始・終了位置が併せて記録される。また、CM重複削除プレイリストは、図12のリストのうち、重複するCMを削除することによって生成することができる。以上のようにして、記録を行うことができる。
【0057】
なお、上記においては、録画を開始した時点における本編部分とCM部分の判定(ステップS50)については、説明を省略した。この部分の判定の詳細を、図9、図10に示す。まず、CPU34は、デコードプログラム52によってMPEGデコーダからデコードされた映像・音楽データを取得する(ステップS51)。CPU34は、MPEGデータのハードディスク40への記録を開始する(ステップS52)。この時点では、本編部分であるかCM部分であるかの決定はできないが、とりあえずハードディスク40に記録する。
【0058】
次に、CPU34は、デコードされた映像・音楽データに無音部分があるかどうかを判断する(ステップS53)。無音部分がなければ、ハードディスク40への記録を続ける。
【0059】
無音部分があれば、CPU34は、無音部分に続く所定長の音声データにつきフィンガープリントを生成する(ステップS54)。次に、CPU34は、サーバ装置にアクセスし、生成したフィンガープリントが、サーバ装置に記録されているCMのフィンガープリントのいずれかと合致するかどうかを判断する(ステップS55)。
【0060】
合致した場合、無音部分以降はCM部分であると判定できる(ステップS56)。ただし、無音部分より前の部分が、本編部分であるかCM部分であるかは確定できない。そこで、この実施形態では、既にハードディスクに記録した部分(つまり無音部分より前の部分)が2分を越えている場合には、当該部分を本編部分であると判断することにしている。したがって、CPU34は、既にハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータが2分を越えているかどうかを判断する(ステップS57)。
【0061】
越えていれば、ハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータを、本編部分として保持する(ステップS58)。越えていなければ、本編部分であるかCM部分であるかを特定できないので、ハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータを削除する。
【0062】
ステップS55において、生成したフィンガープリントがサーバに記録されているCMのフィンガープリントと合致しない場合には、CPU34は、当該無音部分より後の部分を本編部分と判断する(ステップS61)。また、ハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータを削除する(ステップS60)。この部分は、CM部分であると確定できるが、CM部分の途中からの録画となっており、CMの識別IDを特定することもできないため、この実施形態では削除するようにしている。
【0063】
以上のようにして、録画の最初の時において、本編部分であるかCM部分であるかを判断することができる。
【0064】
再生を行う際には、ユーザは、キーボード/マウス44を操作して、「通常再生」「CM重複削除再生」「CMカット再生」のいずれかのモードを選択する。
【0065】
「通常再生」モードにおいては、CPU34は、通常再生プレイリストに従ってMPEGストリームを読み出して復元し再生する(図13C参照)。したがって、放送されたものと同じ内容を再生することができる。
【0066】
「CM重複削除再生」モードにおいては、CPU34は、CM重複削除プレイリストに従ってMPEGストリームを読み出して復元し再生する(図13D参照)。したがって、重複したCMを削除して再生することができる。
【0067】
「CMカット再生」モードにおいては、CPU34は、図13Bに示すように記録した順に、本編のみを再生する。
【0068】
4.その他
(1)上記実施形態では、「通常再生」「CM重複削除再生」「CMカット再生」のモードにて再生できるようにしている。しかし、本編に続いてCMを再生するモード、CMのみを再生するモードを設けてもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、無音部分と音声データのフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分を特定している。しかし、無音部分と画像のフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分の特定を行ってもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、無音部分と音声データのフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分を特定している。しかし、無音部分の検出のみによって、CMを特定するようにしてもよい。また、CM部分とCM部分の区切りについても、無音部分のみによって検出するようにしてもよい。この場合には、サーバ装置に各CMのフィンガープリントを記録しておく必要はない。CMと判断し、バッファに記録した部分の冒頭部分について、CPU34がフィンガープリントをその都度生成すればよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、無音部分と音声データのフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分を特定している。しかし、音声がモノラルからステレオに変化したことでCM部分の開始を判断し、ステレオからモノラルに変化したことでCM部分の終了を判断してもよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、CM部分のフィンガープリントをサーバ装置に記録するようにしている。しかし、ハードディスク40に記録するようにしてもよい。
【0073】
(6)上記実施形態では、フィンガープリントを特徴量としてCM部分の特定を行っている。しかし、その他の周波数解析結果データなどを特徴量として、CM部分の特定を行うようにしてもよい。
【0074】
(7)上記実施形態では、放送録画再生装置を例として説明を行った。しかし、再生機能のない放送録画装置としてもよい。
【0075】
(8)上記実施形態では、図13Bに示すように、本編の後に続けてCMを記録するようにしている。しかし、本編に何らかの形式で関連づけてCMを記録するようにしてもよい。
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送を録画する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送によって受信したコンテンツを録画する装置として、DVDレコーダやブルーレイディスク・レコーダなどが販売されている。これら放送コンテンツを録画する装置において問題となるのは、本編部分の途中に挿入される広告部分である。
【0003】
特許文献1には、本編部分と広告部分を分離して記録する装置が開示されている。すなわち、本編部分のみをハードディスクに記録し、広告部分はバッファしておいて、番組が修了すると、ハードディスクの本編部分の後に、バッファしておいた広告部分を記録する装置が開示されている。これにより、まず、本編部分を連続して再生することができ、広告部分に達すれば再生を停止することができるという効果があるとしている。
【0004】
また、特許文献2においても、本編部分と広告部分を分離して記録する装置が開示されている。さらに、特許文献2の装置では、ある番組について記録した広告が、既に記録済みの番組の広告と同じである場合には、これを記録しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−287248
【特許文献2】特開2001−275079
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の装置では、本編部分と広告部分を分離して再生をすることが可能であるものの、本来の放送順序にて本編部分と広告部分を再生することはできない。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決して、本編部分と広告部分を分離して再生することが可能であるだけでなく、本来の放送順序にて本編部分と広告部分を再生することの可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)(2)この発明に係る放送録画再生装置は、放送信号を受信する受信部と、受信した放送信号に基づいて、所望のコンテンツを復元する復元部と、復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、第一のモードにおいては、記録部に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生し、第二のモードにおいては、記録部に記録された各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する再生手段とを備えている。
【0009】
したがって、放送された順序に従って本編部分と広告部分を再生したり、本編部分または広告部分を連続して再生したりすることができる。
【0010】
(3)(4)この発明に係る放送録画装置は、放送信号に基づいて復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段とを備えている。
【0011】
したがって、広告部分と本編部分とを分離して記録することができるので、記録されたものに基づき、放送された順序に従って本編部分と広告部分を再生したり、本編部分または広告部分を連続して再生したりすることができる。
【0012】
(5)この発明に係る装置は、分離された広告部分が、既に分離された他の広告部分と同じ内容であるかどうかを判断する同一広告判断手段を設け、前記暫定記録手段は、同一広告判断手段によって同一であると判断された広告部分は、暫定記録部に記録しないことを特徴としている。
【0013】
したがって、同一の広告を重複して記録せず無駄がない。
【0014】
(6)この発明に係る装置は、分割手段が、復元したコンテンツの音声データにおける所定時間の無音部分と、音声データの特徴量に基づいて、広告部分であるか否かを判断することを特徴としている。
【0015】
したがって、確実に広告部分を分離することができる。
【0016】
「分割手段」は、実施形態においては、ステップS4、S5、S6やステップS14、S15、S16がこれに対応する。
【0017】
「元順序記録手段」は、実施形態においては、ステップS6、S16、S25等に基づく判断がこれに対応する。
【0018】
「暫定記録手段」は、実施形態においては、ステップS12、S23がこれに対応する。
【0019】
「記録手段」は、実施形態においては、ステップS1、S29がこれに対応する。
【0020】
「広告記録手段」は、実施形態においては、ステップS30がこれに対応する。
【0021】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施形態による放送録画再生装置の機能ブロック図である。
【図2】放送録画再生装置のハードウエア構成である。
【図3】制御プログラム54のフローチャートである。
【図4】制御プログラム54のフローチャートである。
【図5】制御プログラム54のフローチャートである。
【図6】制御プログラム54のフローチャートである。
【図7】制御プログラム54のフローチャートである。
【図8】制御プログラム54のフローチャートである。
【図9】制御プログラム54のフローチャートである。
【図10】制御プログラム54のフローチャートである。
【図11】放送内容、ハードディスクへの記録内容、バッファへの記録内容を示す図である。
【図12】ハードディスクに記録されたリストを示す図である。
【図13】放送内容、最終的なハードディスクへの記録内容、各モードにおける再生順を示す図である。
【図14】通常再生プレイリストとCM重複削除プレイリストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.放送録画再生装置の機能ブロック図
図1に、この発明の一実施形態による放送録画再生装置の機能ブロック図を示す。受信部2によって受信された放送信号は、復元部4によりコンテンツデータに復元される。復元されたコンテンツデータは、分割手段6によって、本編部分であるか広告部分であるかが判断される。本編部分であると判断された場合には、記録手段12によって記録部22に記録される。
【0024】
一方、広告部分であると判断された場合には、同一広告判断手段8により、既に暫定記録部20に記録されている広告部分と同一性のあるものかどうかが判断される。同一性のない広告部分であれば、暫定記録手段10は、これを暫定記録部20に記録する。また、同一性のある広告部分であれば、暫定記録部20への記録は行われない。
【0025】
元順序記録手段14は、復元部によって復元されたコンテンツにおける、本編部分と広告部分の並び順を、元順序として記録部22に記録する。
【0026】
番組の終了やユーザからの記録終了命令などにより記録すべきコンテンツが終了すると、広告記録手段16は、既に記録されている本編部分に関連づけて、暫定記録部20に記録されている広告部分を記録する。これにより、記録部22には、本編部分と広告部分が分離された状態で記録されることになる。
【0027】
再生手段18は、第一のモードにおいては、記録部22に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生する。また、第二のモードにおいては、各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する。
【0028】
2.ハードウエア構成
図2に、この発明の一実施形態による放送録画再生装置のハードウエア構成を示す。CPU34には、チューナ32、メモリ36、ディスプレイ38、通信回路39、ハードディスク40、ブルーレイディスクドライブ42、キーボード/マウス44、スピーカ46が接続されている。
【0029】
チューナ32は、アンテナ30によって補足した電波から、放送信号を復調し、さらに、特定のサービスのパケットを取り出す。通信回路39は、インターネットを介して、サーバ装置(図示せず)にアクセスするための回路である。
【0030】
ハードディスク40には、WINDOWS(商標)などのオペレーティングシステム50、デコードプログラム52や制御プログラム54が記録されている。これらプログラムは、ブルーレイディスク48に記録されていたものを、BDドライブ42を介して、ハードディスク40にインストールしたものである。
【0031】
デコードプログラム52は、チューナ32によって選択された放送データ(MPEGデータ)をデコードしてコンテンツデータ(映像・音声データ)を復元する。制御プログラム54は、コンテンツデータの本編部分と広告部分を分離して記録・再生する制御などを行うものである。なお、制御プログラム54は、オペレーティングシステム50と協働してその機能を発揮するものである。
【0032】
3.制御プログラムの処理
図3〜図10に、制御プログラム54のフローチャートを示す。CPU34は、デコードプログラム52によってMPEGデコーダからデコードされた映像・音楽データを取得し、本編部分であるかCM部分であるかを判定する(ステップS50)。この判定の詳細については、後述する。
【0033】
ステップS50において、本編部分であると判断すると、CPU34は、チューナ32からのMPEGデータのハードディスク40への記録を開始する(ステップS1)。たとえば、図11Aに示すような放送を録画する場合、まず、本編61のハードディスク40への記録が開始される(図11B参照)。
【0034】
次に、CPU34は、デコードプログラム52によってMPEGデータから
デコードされた映像・音声データを取得する(ステップS3)。なお、デコードプログラム52は、メモリ36に、3分間程度のMPEGデータを一時的に蓄積しながらデコードを行う。
【0035】
CPU34は、デコードされた音声データから無音部分を検出する。CM開始直前、CM終了直後に、この無音部分が挿入されるからである。したがって、無音部分を検出することにより、CM部分を探し出すことができる(ステップS4)。無音部分が検出されるまで、CPU34は、MPEGデータをハードディスク40に記録し続ける。
【0036】
無音部分を見いだすと、CPU34は、無音部分に続く所定長の音声データにつきフィンガープリントを生成する(ステップS5)。フィンガープリントは、音声データ波形をハニングウインドウなどによって複数個オーバーラップして切り出し、各ウインドウごとにフーリエ変換を行い、周波数帯ごとのエネルギーを算出したものである。
【0037】
次に、CPU34は、サーバ装置にアクセスし、生成したフィンガープリントが、サーバ装置に記録されているCMのフィンガープリントのいずれかと合致するかどうかを判断する(ステップS6)。なお、サーバ装置には、現在放送されているCMのフィンガープリントが、常に、最新のものとして記録されている。また、サーバ装置には、CMのフィンガープリントに対応づけて、当該CMの識別IDが記録されている。
【0038】
いずれかのCMのフィンガープリントと合致すれば、CPU34は、識別IDに基づき、当該CMが既にバッファに記録されているか否かを判断する(ステップS7)。記録されていれば、記録済みフラグを立てる(ステップS8)。記録されていなければ、記録済みフラグを降ろす(ステップS9)。
【0039】
次に、CPU34は、前記無音部分以降は、CM部分であると判断してCM中フラグを立てる(ステップS10)。さらに、CPU34は、当該合致したCMの識別IDを取得し、これをメモリに記録する(ステップS11)。続いて、CPU34は、記録済みフラグが降りていれば、無音部分以降のMPEGデータの、バッファへの記録を開始する(ステップS12)。この際、取得した識別IDを付す。なお、バッファとしては、メモリ36を用いてもよいし、ハードディスク40を用いてもよい。
【0040】
たとえば、図11Aに示す放送を録画する場合であれば、CM71の直前の無音部分が検出され、CM71のMPEGデータのバッファへの記録が開始される(図11C参照)。
【0041】
なお、ステップS6において、合致するフィンガープリントが見いだされない場合、本編部分であると判断し、CM中フラグを立てない(ステップS13)。そして、ステップS2以下を繰り返し実行する。
【0042】
次に、CPU34は、前回のフィンガープリント判定から15秒が経過したかどうかを判断する(ステップS14)。15秒が経過すれば、再びフィンガープリント判定を行う。15秒ごととしたのは、CMの長さは、15秒の倍数になっているからである。つまり、CMの長さは、15秒、30秒、45秒・・・のいずれかだからである。
【0043】
15秒が経過すれば、ステップS5、S6と同じようにして、フィンガープリント判定を行う(ステップS15、S16)。ここで、サーバ装置に記録されているいずれかのCMのフィンガープリントと合致すれば、CPU34は、新たなCM部分が開始したと判断する。まず、CPU34は、当該新たに開始したCMが、既にバッファに記録されているか否かを判断する(ステップS17)。記録されていれば記録済みフラグを立て(ステップS18)、記録されていなければ記録済みフラグを降ろす(ステップS19)。
【0044】
続いて、CPU34は、CM中フラグを降ろさずにそのままにする(ステップS20)。CPU34は、当該CMの識別IDをメモリ36に記録する(ステップS21)。また、現在記録中のCMのMPEGデータのファイルを閉じる(ステップS22)。つまり、バッファに記録されているCM71のファイルを閉じる(図11C参照)。続いて、CPU34は、記録済みフラグが降りていれば、フィンガープリント判定を行った以降のMPEGデータの、バッファへの記録を開始する(ステップS23)。この際、取得した識別IDを付す。図11Cに示すように、CM72のバッファへの記録が開始される。
【0045】
CPU34は、ステップS14に戻って、15秒経過後にフィンガープリント判定を行う。たとえば、CM72が30秒の長さのCMであった場合、CM開始から15秒経過後にフィンガープリント判定を行っても、合致するフィンガープリントが見いだされないことになる。サーバ装置に記録されているフィンガープリントは、CMの冒頭部分についてのものだからである。したがって、この場合、ステップS16の判断が「NO」となり、CM部分が継続していると判断して、CM中フラグを立てたままにして(ステップS24)、ステップS14以下を繰り返す。
【0046】
さらに15秒が経過すると、CPU34は、フィンガープリント判定を行う。この時CM73が開始するので(図9A参照)、CPU34は、フィンガープリント判定によってこれを検出することになる。したがって、図11Cに示すように、CM73がバッファに記録される。
【0047】
上記のように、次のCMの開始を検出することにより、現在のCMの終了を判定することができる。ただし、CMから本編に移行する場合には、問題が生じる。たとえば、図11Aに示す、CM74から本編62への移行時である。CM74の次のCMが開始されるまでを、CM74と認識すると、本編62を誤ってCMと認識することになる。
【0048】
そこで、この実施形態では、これを次のようにして判断している。CPU34は、ステップS25において、CMが継続していると判断された部分が、CMの最長時間(たとえば2分)を越えているかどうかを判断する。CMの最長時間を越えて継続していれば、この部分は本編であると判断することができる。
【0049】
CPU34は、まず、現在CMと判断されている部分における無音部分を検出する(ステップS26)。次に、CPU34は、検出した無音部分までをCM部分と判断し、無音部分以降の部分をバッファから削除する(ステップS27)。CMの最後に無音部分があるので、これ以降は、本編部分と判断できるからである。CPU34は、CM中フラグを降ろす(ステップS28)。
【0050】
さらに、CPU34は、無音部分以降の本編のMPEGデータのハードディスク40への記録を開始する(ステップS29)。なお、デコードプログラム52は、3分程度のMPEGデータをメモリ36に一時記録しているので、これを用いて遡って、無音部分以降の本編部分をハードディスク40に記録することができる。
【0051】
これにより、図11Bに示すように、本編61の後に本編62が続けて記録される。なお、本編61と本編62は別ファイルとして記録される。
【0052】
続いて、CPU34は、ステップS2に戻り、ステップS2以下を実行する。上記のような処理を実行することにより、ハードディスク40には、図11Bに示すように本編61、62、63が記録され、バッファにはCM71、CM72、CM73、CM74、CM75、CM76が記録される。
【0053】
なお、上記においては明示していないが、CPU34は、放送された本編部分とCM部分の並び順を、リストとしてハードディスク40に記録している。このリストは、ステップS6、S16、S25等の判断に基づいて、記録することができる。たとえば、図11Aに示すような放送を受信した場合には、ハードディスク40には、図12に示すようなリストが記録されることになる。
【0054】
また、既に、バッファに記録されているCM部分は、バッファには重複して記録しない。ステップS12、S23に示すように、記録済みフラグが降りている場合のみ、CM部分の記録を行うようにしている。たとえば、図11Aの放送を録画する場合、本編62の後のCM71、72、本編63の後のCM73、74は、既にバッファに記録されているので、重複した記録は行わない。
【0055】
ユーザがキーボード/マウス44によって、録画の終了を指示すると(あるいは予め定められた録画終了時間になると)、CPU34は、ハードディスク40の本編部分のMPEGストリームの後ろに、バッファに記録しておいたCM部分のMPEGストリームを記録する(ステップS2、ステップS30)。図13Bに、このようにしてハードディスク40に記録された状態を示す。本編部分のMPEGストリームに続いて、CM部分のMPEGストリームが記録されている。また、放送されたCM部分のMPEGストリームのうち、重複するものは記録されていない。
【0056】
次に、CPU34は、ハードディスク40に記録したリストに基づいて、プレイリストを生成し記録する(ステップS31)。この実施形態では、図14に示すように、通常再生プレイリストと、CM重複削除プレイリストを生成している。通常再生プレイリストは、図12のリストを使用して生成することができる。なお、各部分のハードディスク40における開始・終了位置が併せて記録される。また、CM重複削除プレイリストは、図12のリストのうち、重複するCMを削除することによって生成することができる。以上のようにして、記録を行うことができる。
【0057】
なお、上記においては、録画を開始した時点における本編部分とCM部分の判定(ステップS50)については、説明を省略した。この部分の判定の詳細を、図9、図10に示す。まず、CPU34は、デコードプログラム52によってMPEGデコーダからデコードされた映像・音楽データを取得する(ステップS51)。CPU34は、MPEGデータのハードディスク40への記録を開始する(ステップS52)。この時点では、本編部分であるかCM部分であるかの決定はできないが、とりあえずハードディスク40に記録する。
【0058】
次に、CPU34は、デコードされた映像・音楽データに無音部分があるかどうかを判断する(ステップS53)。無音部分がなければ、ハードディスク40への記録を続ける。
【0059】
無音部分があれば、CPU34は、無音部分に続く所定長の音声データにつきフィンガープリントを生成する(ステップS54)。次に、CPU34は、サーバ装置にアクセスし、生成したフィンガープリントが、サーバ装置に記録されているCMのフィンガープリントのいずれかと合致するかどうかを判断する(ステップS55)。
【0060】
合致した場合、無音部分以降はCM部分であると判定できる(ステップS56)。ただし、無音部分より前の部分が、本編部分であるかCM部分であるかは確定できない。そこで、この実施形態では、既にハードディスクに記録した部分(つまり無音部分より前の部分)が2分を越えている場合には、当該部分を本編部分であると判断することにしている。したがって、CPU34は、既にハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータが2分を越えているかどうかを判断する(ステップS57)。
【0061】
越えていれば、ハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータを、本編部分として保持する(ステップS58)。越えていなければ、本編部分であるかCM部分であるかを特定できないので、ハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータを削除する。
【0062】
ステップS55において、生成したフィンガープリントがサーバに記録されているCMのフィンガープリントと合致しない場合には、CPU34は、当該無音部分より後の部分を本編部分と判断する(ステップS61)。また、ハードディスク40に記録した無音部分より前のMPEGデータを削除する(ステップS60)。この部分は、CM部分であると確定できるが、CM部分の途中からの録画となっており、CMの識別IDを特定することもできないため、この実施形態では削除するようにしている。
【0063】
以上のようにして、録画の最初の時において、本編部分であるかCM部分であるかを判断することができる。
【0064】
再生を行う際には、ユーザは、キーボード/マウス44を操作して、「通常再生」「CM重複削除再生」「CMカット再生」のいずれかのモードを選択する。
【0065】
「通常再生」モードにおいては、CPU34は、通常再生プレイリストに従ってMPEGストリームを読み出して復元し再生する(図13C参照)。したがって、放送されたものと同じ内容を再生することができる。
【0066】
「CM重複削除再生」モードにおいては、CPU34は、CM重複削除プレイリストに従ってMPEGストリームを読み出して復元し再生する(図13D参照)。したがって、重複したCMを削除して再生することができる。
【0067】
「CMカット再生」モードにおいては、CPU34は、図13Bに示すように記録した順に、本編のみを再生する。
【0068】
4.その他
(1)上記実施形態では、「通常再生」「CM重複削除再生」「CMカット再生」のモードにて再生できるようにしている。しかし、本編に続いてCMを再生するモード、CMのみを再生するモードを設けてもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、無音部分と音声データのフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分を特定している。しかし、無音部分と画像のフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分の特定を行ってもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、無音部分と音声データのフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分を特定している。しかし、無音部分の検出のみによって、CMを特定するようにしてもよい。また、CM部分とCM部分の区切りについても、無音部分のみによって検出するようにしてもよい。この場合には、サーバ装置に各CMのフィンガープリントを記録しておく必要はない。CMと判断し、バッファに記録した部分の冒頭部分について、CPU34がフィンガープリントをその都度生成すればよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、無音部分と音声データのフィンガープリントの組み合わせによって、CM部分を特定している。しかし、音声がモノラルからステレオに変化したことでCM部分の開始を判断し、ステレオからモノラルに変化したことでCM部分の終了を判断してもよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、CM部分のフィンガープリントをサーバ装置に記録するようにしている。しかし、ハードディスク40に記録するようにしてもよい。
【0073】
(6)上記実施形態では、フィンガープリントを特徴量としてCM部分の特定を行っている。しかし、その他の周波数解析結果データなどを特徴量として、CM部分の特定を行うようにしてもよい。
【0074】
(7)上記実施形態では、放送録画再生装置を例として説明を行った。しかし、再生機能のない放送録画装置としてもよい。
【0075】
(8)上記実施形態では、図13Bに示すように、本編の後に続けてCMを記録するようにしている。しかし、本編に何らかの形式で関連づけてCMを記録するようにしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信する受信部と、
受信した放送信号に基づいて、所望のコンテンツを復元する復元部と、
復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
第一のモードにおいては、記録部に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生し、第二のモードにおいては、記録部に記録された各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する再生手段と、
を備えた放送録画再生装置。
【請求項2】
放送信号を受信する受信部と受信した放送信号に基づいて、所望のコンテンツを復元する復元部とを備えた録画再生装置を制御する制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、コンピュータを、
復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
第一のモードにおいては、記録部に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生し、第二のモードにおいては、記録部に記録された各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する再生手段と、
して機能させる制御プログラム。
【請求項3】
放送信号に基づいて復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
を備えた放送録画装置。
【請求項4】
コンピュータによって放送録画装置を制御するための制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、コンピュータを、
復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
して機能させる制御プログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
分離された広告部分が、既に分離された他の広告部分と同じ内容であるかどうかを判断する同一広告判断手段を設け、
前記暫定記録手段は、同一広告判断手段によって同一であると判断された広告部分は、暫定記録部に記録しないことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記分割手段は、復元したコンテンツの音声データにおける所定時間の無音部分と、音声データの特徴量に基づいて、広告部分であるか否かを判断することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項1】
放送信号を受信する受信部と、
受信した放送信号に基づいて、所望のコンテンツを復元する復元部と、
復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
第一のモードにおいては、記録部に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生し、第二のモードにおいては、記録部に記録された各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する再生手段と、
を備えた放送録画再生装置。
【請求項2】
放送信号を受信する受信部と受信した放送信号に基づいて、所望のコンテンツを復元する復元部とを備えた録画再生装置を制御する制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、コンピュータを、
復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
第一のモードにおいては、記録部に記録された元順序に従って、各本編部分および各広告部分を再生し、第二のモードにおいては、記録部に記録された各本編部分を連続して、または各広告部分を連続して再生する再生手段と、
して機能させる制御プログラム。
【請求項3】
放送信号に基づいて復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
を備えた放送録画装置。
【請求項4】
コンピュータによって放送録画装置を制御するための制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、コンピュータを、
復元されたコンテンツを、連続する本編部分および連続する広告部分に分割する分割手段と、
前記分割された各本編部分および各広告部分の、前記コンテンツにおける並び順を元順序として記録部に記録する元順序記録手段と、
分離された各広告部分を暫定記録部に記録する暫定記録手段と、
分離された各本編部分を記録部に記録する記録手段と、
記録すべき本編部分すべての記録が終了すると、当該本編部分に関連づけて、暫定記録部に記録されている各広告部分を記録部に記録する広告記録手段と、
して機能させる制御プログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
分離された広告部分が、既に分離された他の広告部分と同じ内容であるかどうかを判断する同一広告判断手段を設け、
前記暫定記録手段は、同一広告判断手段によって同一であると判断された広告部分は、暫定記録部に記録しないことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記分割手段は、復元したコンテンツの音声データにおける所定時間の無音部分と、音声データの特徴量に基づいて、広告部分であるか否かを判断することを特徴とする装置またはプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−199849(P2012−199849A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63627(P2011−63627)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
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