放電ランプおよび放電ランプ制御システム
【課題】 高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることの可能な構造を有する放電ランプを提供する。
【解決手段】 バルブ1の両端部の各々に封止部としてのステム4が設けられ、該ステム4は、高温時融点材料で形成されたステム本体5と、ステム本体6内を貫通する一対のリード線6,6と、バルブ内部の側において一対のリード線6,6の先端に設けられたフィラメント電極7とを有し、さらに、バルブ1の両端部の各々に設けられたステム4のうち少なくとも一方の端部のステムが、該ステムの高温状態を検知するための検知電線8を一対のリード線6,6間に有している。
【解決手段】 バルブ1の両端部の各々に封止部としてのステム4が設けられ、該ステム4は、高温時融点材料で形成されたステム本体5と、ステム本体6内を貫通する一対のリード線6,6と、バルブ内部の側において一対のリード線6,6の先端に設けられたフィラメント電極7とを有し、さらに、バルブ1の両端部の各々に設けられたステム4のうち少なくとも一方の端部のステムが、該ステムの高温状態を検知するための検知電線8を一対のリード線6,6間に有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ(熱陰極蛍光ランプ)などの放電ランプおよび放電ランプ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、管形外囲器の両端部にフィラメント電極を封装してなる低圧水銀蒸気放電灯において、少なくとも一方のフィラメント電極近傍の外囲器に外気導入孔を設けて、この外気導入孔を上記フィラメント電極が正常動作温度より高温になったとき溶融する閉塞材で気密閉塞した放電灯が示されている。
【0003】
特許文献1の低圧水銀蒸気放電灯では、少なくとも一方のフィラメント電極近傍の外囲器に外気導入孔を設けて、この外気導入孔を上記フィラメント電極が正常動作温度より高温になったとき溶融する閉塞材で気密閉塞したので、寿命末期などの理由でフィラメント電極の温度が異常に上昇したとき閉塞材が溶融して外気圧を外囲器内に導入し、放電不能になって放電灯が自動的に消灯する。これにより、過熱による不測の事態を回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−64848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の放電灯(放電ランプ)では、高温になった際に、ランプの気密を破壊することで点灯を止めるため、水銀蒸気が外部に漏れてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることの可能な構造を有する放電ランプおよび放電ランプ制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、バルブの両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融解材料で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムは、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有していることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線は、ステム本体のフィラメント電極側の表面が所定の深さだけ溶融するときに前記検知電線の一方の端部がステム本体から露出するように、初期状態ではステム本体内に埋め込まれていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線の一方の端部は、フィラメント電極側においてステム本体から露出し、ステム本体に用いられる材料よりも融点の低い材料の層で覆われていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプにおいて、前記ステム本体には、ハットステム型のものが用いられることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の放電ランプを制御する放電ランプ制御システムであって、前記放電ランプに設けられている検知電線に電流が流れたか否かを検知する検知手段と、前記検知手段で検知電線に電流が流れたことを検知したときに、前記放電ランプの放電を停止させる停止手段とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至請求項5記載の発明によれば、バルブの両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融点材料で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムは、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有しており、該検知電線に電流が流れたことによってステムの高温状態を検知したときに、前記放電ランプの放電を停止させることができるので、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることができ、水銀蒸気が外部に漏れてしまう事態を防止できる。
【0013】
特に、請求項4記載の発明によれば、ステム本体には、ハットステム型のものが用いられるので、ランプ製造工程における封止の際、ステム本体内の検知電線の位置にバーナーが直接当たらず、検知電線の位置がずれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の放電ランプの構成例を示す図(断面図)である。
【図2】図1の放電ランプに用いられるステム本体を示す図である。
【図3】図1の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図4】図1の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図5】図1の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図6】図1に示すような放電ランプの放電制御を行う放電ランプ制御システムの一例を示す図である。
【図7】図1の放電ランプの検知電線の機能を説明するための図である。
【図8】電流検知部の構成例を示す図である。
【図9】本発明の放電ランプの他の構成例を示す図(断面図)である。
【図10】図9の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図11】図9の放電ランプの検知電線の機能を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
本発明の放電ランプは、バルブ(ガラス管)の両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融点材料(例えばBKUガラス)で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムが、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有していることを特徴としている。
【0017】
図1は本発明の放電ランプの構成例を示す図(断面図)である。なお、図1では、放電ランプの一方の端部だけが部分的に示されている。
【0018】
図1において、符号1はバルブ(ガラス管(材質は例えばBKUガラス))、符号2はバルブ(ガラス管)1の内壁に塗布されている蛍光体(例えばNN蛍光体)、符号3はバルブ内部、符号4は封止部としてのステム、符号5はステム本体(材質は例えばBKUガラス)、符号6はステム本体5内を貫通する一対のリード線、符号7はバルブ内部3の側において一対のリード線6の先端に設けられたフィラメント電極、符号8はステム4の高温状態を検知するための検知電線である。
【0019】
ここで、バルブ(ガラス管)1の外径・内径はそれぞれ例えば6mm・5mmであり、バルブ(ガラス管)1内(すなわちバルブ内部3)には、例えば、水銀が3.5mg、バッファガスとしてArが8torr封入されている。また、フィラメント電極7には、電子放射性物質(エミッタ(例えば、Ba,Ca,St))が塗布(充填)されている。また、検知電線8は、一対のリード線6,6間に位置決めされている。特に、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされているのが好ましい。すなわち、検知電線8が一対のリード線6,6間に位置決めされていると(特に、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされていると)、後述のように(図7(a),(b),(c)で説明するように)、フィラメント電極7からのスパッタ物の堆積による一対のリード線6,6の導通によって(堆積したスパッタ物に一対のリード線6,6からの電流が流れるようになることにより発生する熱によって)、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが溶融して検知電線8の一方の端部8aを露出させることができ、スパッタ物からの電流が検知電線8にも流れるようにすることができるためである。
【0020】
より詳細には、スパッタ物は、リード線6付近に堆積する傾向があり、例えば、ステム本体5内のリード線6,6のうちの一方のリード線6に偏って堆積してしまう場合もある。そのため、検知電線8が一対のリード線6,6間であっても、いずれか一方のリード線6に近づけて配置されるときには、スパッタ物が検知電線8の近くのリード線6に偏って堆積してしまう場合があり、このときには、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aの溶融もこのリード線6の近傍に偏り、この結果、検知電線8は、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合よりも早く電流を検知してしまい、放電の点灯期間を縮めてしまうことになる。
【0021】
一方、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合は、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aの中心付近が溶融することで電流を検知するため、スパッタ物の堆積の偏りがあったとしても放電ランプの停止時期が一定となり、スパッタ物の堆積の偏りと電流検知時のバラツキがなくなる。従って、好適には、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置されるのが良い。
【0022】
また、図1の例では、検知電線8は、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが所定の深さだけ溶融するときに検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出するように、初期状態では図1のようにステム本体5内に埋め込まれている。なお、上述したように、検知電線8は、放電ランプの他方の端部のステムにも設けられても良いし、放電ランプの他方の端部のステムには設けられなくても良い。
【0023】
また、図1の例では、ステム本体5には、図2に示すようなハットステム型のものが用いられている。
【0024】
図1に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)は、基本的には、本願出願人の先願である特願2009−074816の段落0035〜0050に記載されているのと同様な仕方で製造することができる。ただ、図1の放電ランプ(蛍光ランプ)では、ステム4を製造する工程で、ステム本体5内に検知電線8を埋め込む必要がある。
【0025】
図3(a),(b)、図4、図5は図1の放電ランプ(蛍光ランプ)におけるステム4の製造方法を説明するための図である。図1の放電ランプ(蛍光ランプ)のステム4を製造するには、図3(a),(b)のように内径および外径が所定の大きさのガラス管を所定の長さに切断した形状のカットガラス(ガラスビーズ)51を用意し、内部に一対のリード線6と検知電線8とを所定の間隔で平行に配置する。配置方法としては、一対のリード線6、検知電線8の一端を治具などで固定することにより所定の間隔で平行に位置決めし、反対側の端部からガラスビーズ51を差し込む。治具を用いてガラスビーズ51を一対のリード線6、検知電線8の長手方向の所定位置に支持する。しかる後、図3(b)に示すように、ガラスビーズ51を周囲からガスバーナー52等で加熱する。この際、ガラスビーズ51および一対のリード線6、検知電線8を一体に回転させてもよい。
【0026】
加熱によって、ガラスビーズ51が軟化すると、図4のような球状に変形する。このような状態になるまで十分に加熱したならば、ハットステム型にするための成形型53で上下から挟み込むことにより、図2のステム本体5の形状(ハットステム型)に成型する。この段階で、検知電線8は、ステム本体5内に埋め込まれる。これにより、ステム4が製造される。
【0027】
次いで、製造したステム4の一対のリード線6の先端にフィラメント電極7を継線し、フィラメント電極7にエミッタを塗布する。なお、一対のリード線6とフィラメント電極7との接合方法は、かしめることによって機械的に接合する方法や、溶接などで接合する方法を用いることができる。
【0028】
次に、図5に示すように、蛍光体2が予め形成されたバルブ(ガラス管)1の一方の端部にステム4を挿入し、ステム本体5とバルブ(ガラス管)1との接合部分(いまの例では、ハットステム型のステム本体5の縁部分)をガスバーナー56等で加熱し、この部分のバルブ(ガラス管)1を軟化させる。表面張力によってバルブ(ガラス管)1は焼き縮み、ステム本体5の縁部分にまとわりつくようになる。さらに加熱を進めるとバルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分は溶融し、バルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分とが一体化することによって接合する。これにより、バルブ(ガラス管)1の一方の端部の気密が確保される。
【0029】
図6は図1に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)の放電制御を行う放電ランプ制御システムの一例を示す図である。図6の例では、図1に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)30には、その一方の端部のステム4だけに検知電線8が設けられているものが用いられている。図6を参照すると、この放電ランプ制御システムは、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4の一対のリード線6に電流Iを流して、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのフィラメント電極7を熱するための(フィラメント電極7からエミッタを放出させ易くするための)フィラメント用電源31と、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4のリード線6間に電圧を印加し、主放電を起こすための主放電用電源32と、放電ランプ(蛍光ランプ)30の一方の端部のステム4に設けられた検知電線8に電流が流れたかを検知し、検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、放電ランプの放電(主放電)を停止させる(主放電用電源32を落とす)電流検知部33とを有している。
【0030】
図7(a),(b),(c)は、図6の放電ランプ制御システムにおいて主放電用電源32によって図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4のリード線6間に電圧を印加し、主放電が起こっているときの(図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期における)放電ランプ(蛍光ランプ)30の検知電線8の機能を説明するための図である。
【0031】
図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期には、フィラメント電極7に塗布されたエミッタが枯渇し、フィラメント電極7のスパッタが激しくなり、図7(a)に示すように、導電性を有するスパッタ物35がステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上に堆積する。図7(b)に示すようにステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上へのスパッタ物35の堆積が増えると、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上に堆積したスパッタ物35により一対のリード線6間が導通し、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上に堆積したスパッタ物35に一対のリード線6からの電流Iが流れるようになり、スパッタ物35に電流が流れることにより発生した熱で、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが溶融する。そして、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが所定の深さだけ溶融するときに、図7(c)に示すように検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8にも流れるようになる。
【0032】
図8は電流検知部33の構成例を示す図であり、図8の例では、電流検知部33は、放電ランプ30に設けられている検知電線8に電流が流れたか否かを検知する検知手段37と、前記検知手段37で検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、前記放電ランプ30の放電を停止させる停止手段38とを備えている。ここで、検知手段37は、例えば検知電線8に直列に接続された抵抗Rを有し、該抵抗Rの両端間の電圧Vが所定の閾値V0を超えたときに検知電線8に電流が流れたと検知し、また、停止手段38は、検知手段37で検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、主放電用電源32に停止信号(停止命令)Tを与えることで、放電ランプ30の放電(主放電)を停止させるようになっている。
【0033】
このように、図1の放電ランプ(蛍光ランプ)、図6の放電ランプ制御システムでは、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが所定の深さだけ溶融し、検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8に流れたことを検知したときに、放電ランプの放電を停止させることができるので、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることができ、水銀蒸気が外部に漏れてしまう事態を防止できる。
【0034】
図9は本発明の放電ランプの他の構成例を示す図(断面図)である。なお、図9では、放電ランプの一方の端部だけが部分的に示されている。また、図9において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
【0035】
図9において、符号1はバルブ(ガラス管(材質は例えばBKUガラス))、符号2はバルブ(ガラス管)1の内壁に塗布されている蛍光体(例えばNN蛍光体)、符号3はバルブ内部、符号4は封止部としてのステム、符号5はステム本体(材質は例えばBKUガラス)、符号6はステム本体5内を貫通する一対のリード線、符号7はバルブ内部3の側において一対のリード線6の先端に設けられたフィラメント電極、符号8はステム4の高温状態を検知するための検知電線である。
【0036】
ここで、バルブ(ガラス管)1の外径・内径はそれぞれ例えば6mm・5mmであり、バルブ(ガラス管)1内(すなわちバルブ内部3)には、例えば、水銀が3.5mg、バッファガスとしてArが8torr封入されている。また、フィラメント電極7には、電子放射性物質(エミッタ(例えば、Ba,Ca,St))が塗布(充填)されている。また、検知電線8は、一対のリード線6,6間に位置決めされている。特に、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされているのが好ましい。すなわち、検知電線8が一対のリード線6,6間に位置決めされていると(特に、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされていると)、後述のように(図11(a),(b),(c)で説明するように)、フィラメント電極7からのスパッタ物の堆積による一対のリード線6,6の導通によって(堆積したスパッタ物に一対のリード線6,6からの電流が流れるようになることにより発生する熱によって)、層9が溶融して検知電線8の一方の端部8aを露出させることができ、スパッタ物からの電流が検知電線8にも流れるようにすることができるためである。
【0037】
より詳細には、スパッタ物は、リード線6付近に堆積する傾向があり、例えば、リード線6,6のうちの一方のリード線6に偏って堆積してしまう場合もある。そのため、検知電線8が一対のリード線6,6間であっても、いずれか一方のリード線6に近づけて配置されるときには、スパッタ物が検知電線8の近くのリード線6に偏って堆積してしまう場合があり、このときには、層9の溶融もこのリード線6の近傍に偏り、この結果、検知電線8は、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合よりも早く電流を検知してしまい、放電の点灯期間を縮めてしまうことになる。
【0038】
一方、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合は、層9の中心付近が溶融することで電流を検知するため、スパッタ物の堆積の偏りがあったとしても放電ランプの停止時期が一定となり、スパッタ物の堆積の偏りと電流検知時のバラツキがなくなる。従って、好適には、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置されるのが良い。
【0039】
ところで、図9の例では、検知電線8の一方の端部8aは、フィラメント電極7側においてステム本体5から露出し、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス(例えばPbO−B2O3−SiO2))の層9で覆われている点が、図1の例と相違している。なお、前述したように、検知電線8は、放電ランプの他方の端部のステムにも設けられても良いし、放電ランプの他方の端部のステムには設けられなくても良い。
【0040】
また、図9の例でも、ステム本体5には、図2に示すようなハットステム型のものが用いられている。
【0041】
図9に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)も、基本的には、本願出願人の先願である特願2009−074816の段落0035〜0050に記載されているのと同様な仕方で製造することができる。ただ、図9の放電ランプ(蛍光ランプ)では、ステム4を製造する工程で、フィラメント電極7側において検知電線8の一方の端部がステム本体5から露出するようにステム本体5内に検知電線8を配置し、フィラメント電極7側においてステム本体5から露出している検知電線8の一方の端部8aを、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス)の層9で覆う必要がある。
【0042】
より具体的に、図9の放電ランプ(蛍光ランプ)のステム4を製造するには、先ず、図3(a),(b)に示したと同様に内径および外径が所定の大きさのガラス管を所定の長さに切断した形状のカットガラス(ガラスビーズ)51を用意し、内部に一対のリード線6と検知電線8とを所定の間隔で平行に配置する。配置方法としては、一対のリード線6、検知電線8の一端を治具などで固定することにより所定の間隔で平行に位置決めし、反対側の端部からガラスビーズ51を差し込む。治具を用いてガラスビーズ51を一対のリード線6、検知電線8の長手方向の所定位置に支持する。しかる後、図3(b)に示したと同様に、ガラスビーズ51を周囲からガスバーナー52等で加熱する。この際、ガラスビーズ51および一対のリード線6、検知電線8を一体に回転させてもよい。
【0043】
加熱によって、ガラスビーズ51が軟化すると、図4に示したような球状に変形する。このような状態になるまで十分に加熱したならば、ハットステム型にするための成形型53で上下から挟み込むことにより、図2のステム本体5の形状(ハットステム型)に成型する。この段階で、検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出するようにステム本体5内に検知電線8が配置される。
【0044】
次いで、図10(a)に示すように、検知電線8の一方の端部8aが露出しているステム本体5の表面に例えばフリットガラス9を置き、これをガスバーナー55等で加熱して、図10(b)に示すように、ステム本体5から露出している検知電線8の一方の端部8aを、例えばフリットガラスの層9で覆う。これにより、ステム4が製造される。
【0045】
次いで、製造したステム4の一対のリード線6の先端にフィラメント電極7を継線し、フィラメント電極7にエミッタを塗布する。なお、一対のリード線6とフィラメント電極7との接合方法は、かしめることによって機械的に接合する方法や、溶接などで接合する方法を用いることができる。
【0046】
次に、図5に示したと同様に、蛍光体2が予め形成されたバルブ(ガラス管)1の一方の端部にステム4を挿入し、ステム本体5とバルブ(ガラス管)1との接合部分(いまの例ではハットステム型のステム本体5の縁部分)をガスバーナー56等で加熱し、この部分のバルブ(ガラス管)1を軟化させる。表面張力によってバルブ(ガラス管)1は焼き縮み、ステム本体5の縁部分にまとわりつくようになる。さらに加熱を進めるとバルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分は溶融し、バルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分とが一体化することによって接合する。これにより、バルブ(ガラス管)1の一方の端部の気密が確保される。
【0047】
図9に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)の放電制御を行う放電ランプ制御システムは、図6に示したものと全く同様に構成できる。なお、図6の例では、図9に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)30には、その一方の端部のステム4だけに検知電線8が設けられているものが用いられている。
【0048】
図11(a),(b),(c)は、図6の放電ランプ制御システムにおいて主放電用電源32によって図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4のリード線6間に電圧を印加し、主放電が起こっているときの(図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期における)放電ランプ(蛍光ランプ)30の検知電線8の機能を説明するための図である。
【0049】
図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期には、フィラメント電極7に塗布されたエミッタが枯渇し、フィラメント電極7のスパッタが激しくなり、図11(a)に示すように、導電性を有するスパッタ物35が、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス)の層9上に堆積する。図11(b)に示すように層9上へのスパッタ物35の堆積が増えると、層9上に堆積したスパッタ物35により一対のリード線6間が導通し、層9上に堆積したスパッタ物35に一対のリード線6からの電流Iが流れるようになり、スパッタ物35に電流が流れることにより発生した熱で、層9が溶融する。そして、層9が溶融すると、図11(c)に示すように検知電線8の一方の端部8aが露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8にも流れるようになる。
【0050】
図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30が用いられる場合も、図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30が用いられる場合と全く同様にして、図8の電流検知部33により、放電ランプ30に設けられている検知電線8に電流が流れたか否かを検知し、検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、放電ランプ30の放電を停止させることができる。
【0051】
このように、図9の放電ランプ(蛍光ランプ)、図6の放電ランプ制御システムでは、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス)の層9が溶融し、検知電線8の一方の端部8aが露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8に流れたことを検知したときに、放電ランプの放電を停止させることができるので、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることができ、水銀蒸気が外部に漏れてしまう事態を防止できる。
【0052】
なお、図6に示した例では、図1または図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30には、その一方の端部のステム4だけに検知電線8が設けられているものが用いられているが、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のステム4に検知電線8が設けられているものを用いることもできる。そして、この場合には、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のステム4に設けられている検知電線8のうちのいずれか一方の検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、放電ランプ30の放電を停止させるように構成することができる。
【0053】
また、上述の各例では、放電ランプ(蛍光ランプ)30のステム本体5には、ハットステム型のものが用いられているが、ハットステム型以外にも、例えばボタンステム型のものなどを用いることもできる。ただ、放電ランプ(蛍光ランプ)30のステム本体5にハットステム型のものを用いる場合には、図5に示すように、ランプ製造工程における封止の際、ステム本体5内の検知電線8の位置にガスバーナー56等が直接当たらず、検知電線8の位置がずれないようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、照明器具、液晶バックライトなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 バルブ(ガラス管)
2 蛍光体
3 バルブ内部
4 ステム
5 ステム本体
6 一対のリード線
7 フィラメント電極
8 検知電線
9 融点の低い材料の層
30 放電ランプ
31 フィラメント用電源
32 主放電用電源
33 電流検知部
37 検知手段
38 停止手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ(熱陰極蛍光ランプ)などの放電ランプおよび放電ランプ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、管形外囲器の両端部にフィラメント電極を封装してなる低圧水銀蒸気放電灯において、少なくとも一方のフィラメント電極近傍の外囲器に外気導入孔を設けて、この外気導入孔を上記フィラメント電極が正常動作温度より高温になったとき溶融する閉塞材で気密閉塞した放電灯が示されている。
【0003】
特許文献1の低圧水銀蒸気放電灯では、少なくとも一方のフィラメント電極近傍の外囲器に外気導入孔を設けて、この外気導入孔を上記フィラメント電極が正常動作温度より高温になったとき溶融する閉塞材で気密閉塞したので、寿命末期などの理由でフィラメント電極の温度が異常に上昇したとき閉塞材が溶融して外気圧を外囲器内に導入し、放電不能になって放電灯が自動的に消灯する。これにより、過熱による不測の事態を回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−64848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の放電灯(放電ランプ)では、高温になった際に、ランプの気密を破壊することで点灯を止めるため、水銀蒸気が外部に漏れてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることの可能な構造を有する放電ランプおよび放電ランプ制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、バルブの両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融解材料で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムは、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有していることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線は、ステム本体のフィラメント電極側の表面が所定の深さだけ溶融するときに前記検知電線の一方の端部がステム本体から露出するように、初期状態ではステム本体内に埋め込まれていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線の一方の端部は、フィラメント電極側においてステム本体から露出し、ステム本体に用いられる材料よりも融点の低い材料の層で覆われていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプにおいて、前記ステム本体には、ハットステム型のものが用いられることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の放電ランプを制御する放電ランプ制御システムであって、前記放電ランプに設けられている検知電線に電流が流れたか否かを検知する検知手段と、前記検知手段で検知電線に電流が流れたことを検知したときに、前記放電ランプの放電を停止させる停止手段とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至請求項5記載の発明によれば、バルブの両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融点材料で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムは、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有しており、該検知電線に電流が流れたことによってステムの高温状態を検知したときに、前記放電ランプの放電を停止させることができるので、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることができ、水銀蒸気が外部に漏れてしまう事態を防止できる。
【0013】
特に、請求項4記載の発明によれば、ステム本体には、ハットステム型のものが用いられるので、ランプ製造工程における封止の際、ステム本体内の検知電線の位置にバーナーが直接当たらず、検知電線の位置がずれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の放電ランプの構成例を示す図(断面図)である。
【図2】図1の放電ランプに用いられるステム本体を示す図である。
【図3】図1の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図4】図1の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図5】図1の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図6】図1に示すような放電ランプの放電制御を行う放電ランプ制御システムの一例を示す図である。
【図7】図1の放電ランプの検知電線の機能を説明するための図である。
【図8】電流検知部の構成例を示す図である。
【図9】本発明の放電ランプの他の構成例を示す図(断面図)である。
【図10】図9の放電ランプにおけるステムの製造方法を説明するための図である。
【図11】図9の放電ランプの検知電線の機能を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
本発明の放電ランプは、バルブ(ガラス管)の両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融点材料(例えばBKUガラス)で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムが、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有していることを特徴としている。
【0017】
図1は本発明の放電ランプの構成例を示す図(断面図)である。なお、図1では、放電ランプの一方の端部だけが部分的に示されている。
【0018】
図1において、符号1はバルブ(ガラス管(材質は例えばBKUガラス))、符号2はバルブ(ガラス管)1の内壁に塗布されている蛍光体(例えばNN蛍光体)、符号3はバルブ内部、符号4は封止部としてのステム、符号5はステム本体(材質は例えばBKUガラス)、符号6はステム本体5内を貫通する一対のリード線、符号7はバルブ内部3の側において一対のリード線6の先端に設けられたフィラメント電極、符号8はステム4の高温状態を検知するための検知電線である。
【0019】
ここで、バルブ(ガラス管)1の外径・内径はそれぞれ例えば6mm・5mmであり、バルブ(ガラス管)1内(すなわちバルブ内部3)には、例えば、水銀が3.5mg、バッファガスとしてArが8torr封入されている。また、フィラメント電極7には、電子放射性物質(エミッタ(例えば、Ba,Ca,St))が塗布(充填)されている。また、検知電線8は、一対のリード線6,6間に位置決めされている。特に、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされているのが好ましい。すなわち、検知電線8が一対のリード線6,6間に位置決めされていると(特に、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされていると)、後述のように(図7(a),(b),(c)で説明するように)、フィラメント電極7からのスパッタ物の堆積による一対のリード線6,6の導通によって(堆積したスパッタ物に一対のリード線6,6からの電流が流れるようになることにより発生する熱によって)、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが溶融して検知電線8の一方の端部8aを露出させることができ、スパッタ物からの電流が検知電線8にも流れるようにすることができるためである。
【0020】
より詳細には、スパッタ物は、リード線6付近に堆積する傾向があり、例えば、ステム本体5内のリード線6,6のうちの一方のリード線6に偏って堆積してしまう場合もある。そのため、検知電線8が一対のリード線6,6間であっても、いずれか一方のリード線6に近づけて配置されるときには、スパッタ物が検知電線8の近くのリード線6に偏って堆積してしまう場合があり、このときには、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aの溶融もこのリード線6の近傍に偏り、この結果、検知電線8は、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合よりも早く電流を検知してしまい、放電の点灯期間を縮めてしまうことになる。
【0021】
一方、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合は、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aの中心付近が溶融することで電流を検知するため、スパッタ物の堆積の偏りがあったとしても放電ランプの停止時期が一定となり、スパッタ物の堆積の偏りと電流検知時のバラツキがなくなる。従って、好適には、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置されるのが良い。
【0022】
また、図1の例では、検知電線8は、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが所定の深さだけ溶融するときに検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出するように、初期状態では図1のようにステム本体5内に埋め込まれている。なお、上述したように、検知電線8は、放電ランプの他方の端部のステムにも設けられても良いし、放電ランプの他方の端部のステムには設けられなくても良い。
【0023】
また、図1の例では、ステム本体5には、図2に示すようなハットステム型のものが用いられている。
【0024】
図1に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)は、基本的には、本願出願人の先願である特願2009−074816の段落0035〜0050に記載されているのと同様な仕方で製造することができる。ただ、図1の放電ランプ(蛍光ランプ)では、ステム4を製造する工程で、ステム本体5内に検知電線8を埋め込む必要がある。
【0025】
図3(a),(b)、図4、図5は図1の放電ランプ(蛍光ランプ)におけるステム4の製造方法を説明するための図である。図1の放電ランプ(蛍光ランプ)のステム4を製造するには、図3(a),(b)のように内径および外径が所定の大きさのガラス管を所定の長さに切断した形状のカットガラス(ガラスビーズ)51を用意し、内部に一対のリード線6と検知電線8とを所定の間隔で平行に配置する。配置方法としては、一対のリード線6、検知電線8の一端を治具などで固定することにより所定の間隔で平行に位置決めし、反対側の端部からガラスビーズ51を差し込む。治具を用いてガラスビーズ51を一対のリード線6、検知電線8の長手方向の所定位置に支持する。しかる後、図3(b)に示すように、ガラスビーズ51を周囲からガスバーナー52等で加熱する。この際、ガラスビーズ51および一対のリード線6、検知電線8を一体に回転させてもよい。
【0026】
加熱によって、ガラスビーズ51が軟化すると、図4のような球状に変形する。このような状態になるまで十分に加熱したならば、ハットステム型にするための成形型53で上下から挟み込むことにより、図2のステム本体5の形状(ハットステム型)に成型する。この段階で、検知電線8は、ステム本体5内に埋め込まれる。これにより、ステム4が製造される。
【0027】
次いで、製造したステム4の一対のリード線6の先端にフィラメント電極7を継線し、フィラメント電極7にエミッタを塗布する。なお、一対のリード線6とフィラメント電極7との接合方法は、かしめることによって機械的に接合する方法や、溶接などで接合する方法を用いることができる。
【0028】
次に、図5に示すように、蛍光体2が予め形成されたバルブ(ガラス管)1の一方の端部にステム4を挿入し、ステム本体5とバルブ(ガラス管)1との接合部分(いまの例では、ハットステム型のステム本体5の縁部分)をガスバーナー56等で加熱し、この部分のバルブ(ガラス管)1を軟化させる。表面張力によってバルブ(ガラス管)1は焼き縮み、ステム本体5の縁部分にまとわりつくようになる。さらに加熱を進めるとバルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分は溶融し、バルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分とが一体化することによって接合する。これにより、バルブ(ガラス管)1の一方の端部の気密が確保される。
【0029】
図6は図1に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)の放電制御を行う放電ランプ制御システムの一例を示す図である。図6の例では、図1に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)30には、その一方の端部のステム4だけに検知電線8が設けられているものが用いられている。図6を参照すると、この放電ランプ制御システムは、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4の一対のリード線6に電流Iを流して、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのフィラメント電極7を熱するための(フィラメント電極7からエミッタを放出させ易くするための)フィラメント用電源31と、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4のリード線6間に電圧を印加し、主放電を起こすための主放電用電源32と、放電ランプ(蛍光ランプ)30の一方の端部のステム4に設けられた検知電線8に電流が流れたかを検知し、検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、放電ランプの放電(主放電)を停止させる(主放電用電源32を落とす)電流検知部33とを有している。
【0030】
図7(a),(b),(c)は、図6の放電ランプ制御システムにおいて主放電用電源32によって図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4のリード線6間に電圧を印加し、主放電が起こっているときの(図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期における)放電ランプ(蛍光ランプ)30の検知電線8の機能を説明するための図である。
【0031】
図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期には、フィラメント電極7に塗布されたエミッタが枯渇し、フィラメント電極7のスパッタが激しくなり、図7(a)に示すように、導電性を有するスパッタ物35がステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上に堆積する。図7(b)に示すようにステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上へのスパッタ物35の堆積が増えると、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上に堆積したスパッタ物35により一対のリード線6間が導通し、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5a上に堆積したスパッタ物35に一対のリード線6からの電流Iが流れるようになり、スパッタ物35に電流が流れることにより発生した熱で、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが溶融する。そして、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが所定の深さだけ溶融するときに、図7(c)に示すように検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8にも流れるようになる。
【0032】
図8は電流検知部33の構成例を示す図であり、図8の例では、電流検知部33は、放電ランプ30に設けられている検知電線8に電流が流れたか否かを検知する検知手段37と、前記検知手段37で検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、前記放電ランプ30の放電を停止させる停止手段38とを備えている。ここで、検知手段37は、例えば検知電線8に直列に接続された抵抗Rを有し、該抵抗Rの両端間の電圧Vが所定の閾値V0を超えたときに検知電線8に電流が流れたと検知し、また、停止手段38は、検知手段37で検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、主放電用電源32に停止信号(停止命令)Tを与えることで、放電ランプ30の放電(主放電)を停止させるようになっている。
【0033】
このように、図1の放電ランプ(蛍光ランプ)、図6の放電ランプ制御システムでは、ステム本体5のフィラメント電極7側の表面5aが所定の深さだけ溶融し、検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8に流れたことを検知したときに、放電ランプの放電を停止させることができるので、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることができ、水銀蒸気が外部に漏れてしまう事態を防止できる。
【0034】
図9は本発明の放電ランプの他の構成例を示す図(断面図)である。なお、図9では、放電ランプの一方の端部だけが部分的に示されている。また、図9において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
【0035】
図9において、符号1はバルブ(ガラス管(材質は例えばBKUガラス))、符号2はバルブ(ガラス管)1の内壁に塗布されている蛍光体(例えばNN蛍光体)、符号3はバルブ内部、符号4は封止部としてのステム、符号5はステム本体(材質は例えばBKUガラス)、符号6はステム本体5内を貫通する一対のリード線、符号7はバルブ内部3の側において一対のリード線6の先端に設けられたフィラメント電極、符号8はステム4の高温状態を検知するための検知電線である。
【0036】
ここで、バルブ(ガラス管)1の外径・内径はそれぞれ例えば6mm・5mmであり、バルブ(ガラス管)1内(すなわちバルブ内部3)には、例えば、水銀が3.5mg、バッファガスとしてArが8torr封入されている。また、フィラメント電極7には、電子放射性物質(エミッタ(例えば、Ba,Ca,St))が塗布(充填)されている。また、検知電線8は、一対のリード線6,6間に位置決めされている。特に、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされているのが好ましい。すなわち、検知電線8が一対のリード線6,6間に位置決めされていると(特に、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に位置決めされていると)、後述のように(図11(a),(b),(c)で説明するように)、フィラメント電極7からのスパッタ物の堆積による一対のリード線6,6の導通によって(堆積したスパッタ物に一対のリード線6,6からの電流が流れるようになることにより発生する熱によって)、層9が溶融して検知電線8の一方の端部8aを露出させることができ、スパッタ物からの電流が検知電線8にも流れるようにすることができるためである。
【0037】
より詳細には、スパッタ物は、リード線6付近に堆積する傾向があり、例えば、リード線6,6のうちの一方のリード線6に偏って堆積してしまう場合もある。そのため、検知電線8が一対のリード線6,6間であっても、いずれか一方のリード線6に近づけて配置されるときには、スパッタ物が検知電線8の近くのリード線6に偏って堆積してしまう場合があり、このときには、層9の溶融もこのリード線6の近傍に偏り、この結果、検知電線8は、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合よりも早く電流を検知してしまい、放電の点灯期間を縮めてしまうことになる。
【0038】
一方、検知電線8が一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置される場合は、層9の中心付近が溶融することで電流を検知するため、スパッタ物の堆積の偏りがあったとしても放電ランプの停止時期が一定となり、スパッタ物の堆積の偏りと電流検知時のバラツキがなくなる。従って、好適には、検知電線8は、一対のリード線6,6間の中心(中点)に配置されるのが良い。
【0039】
ところで、図9の例では、検知電線8の一方の端部8aは、フィラメント電極7側においてステム本体5から露出し、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス(例えばPbO−B2O3−SiO2))の層9で覆われている点が、図1の例と相違している。なお、前述したように、検知電線8は、放電ランプの他方の端部のステムにも設けられても良いし、放電ランプの他方の端部のステムには設けられなくても良い。
【0040】
また、図9の例でも、ステム本体5には、図2に示すようなハットステム型のものが用いられている。
【0041】
図9に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)も、基本的には、本願出願人の先願である特願2009−074816の段落0035〜0050に記載されているのと同様な仕方で製造することができる。ただ、図9の放電ランプ(蛍光ランプ)では、ステム4を製造する工程で、フィラメント電極7側において検知電線8の一方の端部がステム本体5から露出するようにステム本体5内に検知電線8を配置し、フィラメント電極7側においてステム本体5から露出している検知電線8の一方の端部8aを、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス)の層9で覆う必要がある。
【0042】
より具体的に、図9の放電ランプ(蛍光ランプ)のステム4を製造するには、先ず、図3(a),(b)に示したと同様に内径および外径が所定の大きさのガラス管を所定の長さに切断した形状のカットガラス(ガラスビーズ)51を用意し、内部に一対のリード線6と検知電線8とを所定の間隔で平行に配置する。配置方法としては、一対のリード線6、検知電線8の一端を治具などで固定することにより所定の間隔で平行に位置決めし、反対側の端部からガラスビーズ51を差し込む。治具を用いてガラスビーズ51を一対のリード線6、検知電線8の長手方向の所定位置に支持する。しかる後、図3(b)に示したと同様に、ガラスビーズ51を周囲からガスバーナー52等で加熱する。この際、ガラスビーズ51および一対のリード線6、検知電線8を一体に回転させてもよい。
【0043】
加熱によって、ガラスビーズ51が軟化すると、図4に示したような球状に変形する。このような状態になるまで十分に加熱したならば、ハットステム型にするための成形型53で上下から挟み込むことにより、図2のステム本体5の形状(ハットステム型)に成型する。この段階で、検知電線8の一方の端部8aがステム本体5から露出するようにステム本体5内に検知電線8が配置される。
【0044】
次いで、図10(a)に示すように、検知電線8の一方の端部8aが露出しているステム本体5の表面に例えばフリットガラス9を置き、これをガスバーナー55等で加熱して、図10(b)に示すように、ステム本体5から露出している検知電線8の一方の端部8aを、例えばフリットガラスの層9で覆う。これにより、ステム4が製造される。
【0045】
次いで、製造したステム4の一対のリード線6の先端にフィラメント電極7を継線し、フィラメント電極7にエミッタを塗布する。なお、一対のリード線6とフィラメント電極7との接合方法は、かしめることによって機械的に接合する方法や、溶接などで接合する方法を用いることができる。
【0046】
次に、図5に示したと同様に、蛍光体2が予め形成されたバルブ(ガラス管)1の一方の端部にステム4を挿入し、ステム本体5とバルブ(ガラス管)1との接合部分(いまの例ではハットステム型のステム本体5の縁部分)をガスバーナー56等で加熱し、この部分のバルブ(ガラス管)1を軟化させる。表面張力によってバルブ(ガラス管)1は焼き縮み、ステム本体5の縁部分にまとわりつくようになる。さらに加熱を進めるとバルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分は溶融し、バルブ(ガラス管)1とステム本体5の縁部分とが一体化することによって接合する。これにより、バルブ(ガラス管)1の一方の端部の気密が確保される。
【0047】
図9に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)の放電制御を行う放電ランプ制御システムは、図6に示したものと全く同様に構成できる。なお、図6の例では、図9に示すような放電ランプ(蛍光ランプ)30には、その一方の端部のステム4だけに検知電線8が設けられているものが用いられている。
【0048】
図11(a),(b),(c)は、図6の放電ランプ制御システムにおいて主放電用電源32によって図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のそれぞれのステム4のリード線6間に電圧を印加し、主放電が起こっているときの(図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期における)放電ランプ(蛍光ランプ)30の検知電線8の機能を説明するための図である。
【0049】
図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30の寿命末期には、フィラメント電極7に塗布されたエミッタが枯渇し、フィラメント電極7のスパッタが激しくなり、図11(a)に示すように、導電性を有するスパッタ物35が、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス)の層9上に堆積する。図11(b)に示すように層9上へのスパッタ物35の堆積が増えると、層9上に堆積したスパッタ物35により一対のリード線6間が導通し、層9上に堆積したスパッタ物35に一対のリード線6からの電流Iが流れるようになり、スパッタ物35に電流が流れることにより発生した熱で、層9が溶融する。そして、層9が溶融すると、図11(c)に示すように検知電線8の一方の端部8aが露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8にも流れるようになる。
【0050】
図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30が用いられる場合も、図1の放電ランプ(蛍光ランプ)30が用いられる場合と全く同様にして、図8の電流検知部33により、放電ランプ30に設けられている検知電線8に電流が流れたか否かを検知し、検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、放電ランプ30の放電を停止させることができる。
【0051】
このように、図9の放電ランプ(蛍光ランプ)、図6の放電ランプ制御システムでは、ステム本体5に用いられる材料(例えばBKUガラス)よりも融点の低い材料(例えばフリットガラス)の層9が溶融し、検知電線8の一方の端部8aが露出し、スパッタ物35からの電流が検知電線8に流れたことを検知したときに、放電ランプの放電を停止させることができるので、高温になった際に、ランプの気密を破壊することなく点灯を止めることができ、水銀蒸気が外部に漏れてしまう事態を防止できる。
【0052】
なお、図6に示した例では、図1または図9の放電ランプ(蛍光ランプ)30には、その一方の端部のステム4だけに検知電線8が設けられているものが用いられているが、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のステム4に検知電線8が設けられているものを用いることもできる。そして、この場合には、放電ランプ(蛍光ランプ)30の両端部のステム4に設けられている検知電線8のうちのいずれか一方の検知電線8に電流が流れたことを検知したときに、放電ランプ30の放電を停止させるように構成することができる。
【0053】
また、上述の各例では、放電ランプ(蛍光ランプ)30のステム本体5には、ハットステム型のものが用いられているが、ハットステム型以外にも、例えばボタンステム型のものなどを用いることもできる。ただ、放電ランプ(蛍光ランプ)30のステム本体5にハットステム型のものを用いる場合には、図5に示すように、ランプ製造工程における封止の際、ステム本体5内の検知電線8の位置にガスバーナー56等が直接当たらず、検知電線8の位置がずれないようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、照明器具、液晶バックライトなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 バルブ(ガラス管)
2 蛍光体
3 バルブ内部
4 ステム
5 ステム本体
6 一対のリード線
7 フィラメント電極
8 検知電線
9 融点の低い材料の層
30 放電ランプ
31 フィラメント用電源
32 主放電用電源
33 電流検知部
37 検知手段
38 停止手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブの両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融解材料で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムは、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有していることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線は、ステム本体のフィラメント電極側の表面が所定の深さだけ溶融するときに前記検知電線の一方の端部がステム本体から露出するように、初期状態ではステム本体内に埋め込まれていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項3】
請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線の一方の端部は、フィラメント電極側においてステム本体から露出し、ステム本体に用いられる材料よりも融点の低い材料の層で覆われていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプにおいて、前記ステム本体には、ハットステム型のものが用いられることを特徴とする放電ランプ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の放電ランプを制御する放電ランプ制御システムであって、前記放電ランプに設けられている検知電線に電流が流れたか否かを検知する検知手段と、前記検知手段で検知電線に電流が流れたことを検知したときに、前記放電ランプの放電を停止させる停止手段とを備えていることを特徴とする放電ランプ制御システム。
【請求項1】
バルブの両端部の各々に封止部としてのステムが設けられ、該ステムは、高温時融解材料で形成されたステム本体と、ステム本体内を貫通する一対のリード線と、バルブ内部の側において一対のリード線の先端に設けられたフィラメント電極とを有し、さらに、バルブの両端部の各々に設けられた前記ステムのうち少なくとも一方の端部のステムは、該ステムの高温状態を検知するための検知電線を前記一対のリード線間に有していることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線は、ステム本体のフィラメント電極側の表面が所定の深さだけ溶融するときに前記検知電線の一方の端部がステム本体から露出するように、初期状態ではステム本体内に埋め込まれていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項3】
請求項1記載の放電ランプにおいて、前記検知電線の一方の端部は、フィラメント電極側においてステム本体から露出し、ステム本体に用いられる材料よりも融点の低い材料の層で覆われていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプにおいて、前記ステム本体には、ハットステム型のものが用いられることを特徴とする放電ランプ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の放電ランプを制御する放電ランプ制御システムであって、前記放電ランプに設けられている検知電線に電流が流れたか否かを検知する検知手段と、前記検知手段で検知電線に電流が流れたことを検知したときに、前記放電ランプの放電を停止させる停止手段とを備えていることを特徴とする放電ランプ制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−113635(P2011−113635A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265781(P2009−265781)
【出願日】平成21年11月21日(2009.11.21)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月21日(2009.11.21)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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