説明

放電装置

【課題】各種ランプを使用しないで、使用による時々刻々変化する条件下であっても、火花放電を防ぎつつ安定したストリーマ放電等を維持出来る放電装置を提供する。
【解決手段】導電性を有する担持体2に光触媒3を担持させ、且つその抵抗値を高抵抗とした光触媒担持体4と、この光触媒担持体4に互いにほぼ等間隔に立設した複数の針状電極5と、これら複数の針状電極5の先端部5aから0.1〜30mm離れた位置に光触媒担持体4とほぼ平行に設置した接地電極6とからなり、光触媒担持体4と接地電極6との間に電源7により±3〜±30KVの電圧を印加し、上記複数の針状電極5と接地電極6との間にストリーマ放電等を発生させるが、光触媒担持体4自体が高抵抗値を有しているから、火花放電を起こすことなく安定してストリーマ放電等を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒担持体と接地電極との間に電圧を印加し、光触媒担持体に立設した複数の針状電極と接地電極との間に、安定してストリーマ放電若しくはコロナ放電を発生させ、これらの放電を良好に利用し得るようにした放電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒を利用し、臭気や有害ガス、細菌やウイルス、有機物ないし無機物由来の塵などを酸化還元して、より安全性を高める技術は、多く実用化されている。これらは、いずれも光触媒に光触媒作用誘起光、例えば、360〜400nmの紫外線を照射した際に生ずる、光触媒作用である酸化力や還元力を利用するものである。したがって、上記の光触媒作用誘起光を照射するための光触媒作用誘起光照射器、例えば、紫外線照射光源たる熱陰極光ランプが必要となる(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
この熱陰極光ランプは、光触媒に陰の部分を減らし紫外線を効率よく照射する必要性により、光触媒からある程度の距離を取る必要があり、装置全体として大きくならざるを得ない。この距離を縮めるには、熱陰極光ランプの設置数を増やす必要があり、これらは消費電力や装置コストの増大につながる。さらに、使用の継続により、熱陰極光ランプの表面が汚れ、紫外線照射量が徐々に逓減するから、汚れ除去の作業が必要となる。また、熱陰極光ランプは、その寿命が4,000から5,000時間と比較的短く、交換にコストがかかることになり、長寿命の冷陰極蛍光ランプ(20,000時間)を使用したとしても、汚れ除去の問題がより多く発生する。
【0004】
このような状況から、熱陰極光ランプや冷陰極蛍光ランプを使用しない技術があり、これは、図11に示すように、筒体50内に収納した光触媒担持体51を高電圧端子52、53の間に配置し、電源54からこれら高電圧端子52、53に電流を供給して光触媒担持体51部位に放電光を発生させ、この放電光により光触媒作用である酸化力や還元力を生じさせるものである(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
さらに、図12に示すように、針状電極55と光触媒56を塗布した板状電極57とを対峙させ、直流電源58の負極に針状電極55をつなぎ、正極に板状電極57をつないで、直流高電圧を印加して400nm以下の紫外線を発生させ、この紫外線により光触媒作用である酸化力や還元力を生じさせるものもある(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2006−280428号公報
【特許文献2】 特開平11−114443号公報
【特許文献3】 特開2000−140624号公報
【特許文献4】 特開2006−122220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既に述べたように、上記特許文献1または2は、紫外線照射光源たる熱陰極光ランプや冷陰極蛍光ランプが必要となり、それにより、装置の大型化、汚れ除去の必要性、交換によるコスト高などの課題が生ずる。
【0008】
特許文献3は、紫外線照射光源たる各種ランプを必要としない点で優れているが、高電圧端子52、53の間に生じる沿面放電光、コロナ放電光、アーク放電光を利用するものであるため、使用による時々刻々変化する条件下では、火花放電などの短絡を防ぎつつ、安定した放電を維持することが困難である。
【0009】
また、特許文献4も、特許文献3と同様に、使用による時々刻々変化する条件下では、火花放電を防ぎつつ安定した放電を維持することが困難である。
【0010】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、各種ランプを使用しないで、使用による時々刻々変化する条件下であっても、火花放電などの短絡を防ぎつつ、安定したストリーマ放電若しくはコロナ放電を維持することが出来る放電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1記載の発明は、導電性を有する担持体に光触媒を担持させ、且つその抵抗値を高抵抗とした光触媒担持体と、該光触媒担持体に互いにほぼ等間隔に立設した複数の針状電極と、該複数の針状電極の先端部から0.1〜30mm離れた位置に前記光触媒担持体とほぼ平行に設置した接地電極とからなり、前記光触媒担持体と前記接地電極との間に電源により正若しくは負の3〜30KVの電圧を印加し、前記複数の針状電極と前記接地電極との間にストリーマ放電若しくはコロナ放電を発生させることを特徴とする放電装置である。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、導電性を有する担持体に光触媒を担持させ、且つその抵抗値を高抵抗とした光触媒担持体と、該光触媒担持体に少なくとも2本以上の柱状電極を所定距離を有して立設しこれら柱状電極を接続する線径0.3mm以下の線電極と、該線電極から0.1〜30mm離れた位置に前記光触媒担持体とほぼ平行に設置した接地電極とからなり、前記光触媒担持体と前記接地電極との間に電源により正若しくは負の3〜30KVの電圧を印加し、前記線電極と前記接地電極との間にストリーマ放電若しくはコロナ放電を発生させることを特徴とする放電装置である。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、前記光触媒担持体が、流体を流通させる平面ないし立体構造である放電装置である。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、前記接地電極が、流体を流通させる平面ないし立体構造である放電装置である。
【0015】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、光触媒担持体と接地電極との間に電源により正若しくは負の3〜30KVの電圧を印加すると、光触媒担持体に互いにほぼ等間隔に立設している複数の針状電極と接地電極との間を隔てている、0.1〜30mm間にストリーマ放電若しくはコロナ放電が発生するが、光触媒担持体自体が高抵抗値を有しているから、火花放電を起こすことなくストリーマ放電若しくはコロナ放電を継続する。
【0016】
また、第2の課題解決手段による作用は、光触媒担持体と接地電極との間に電源により正若しくは負の3〜10KVの電圧を印加すると、光触媒担持体に立設している2本以上の柱状電極に接続している線電極と接地電極との間を隔てている、0.1〜30mm間にストリーマ放電若しくはコロナ放電が発生するが、光触媒担持体自体が高抵抗値を有しているから、火花放電を起こすことなくストリーマ放電若しくはコロナ放電を継続する。
【0017】
また、第3の課題解決手段による作用は、流体が光触媒担持体内を流通するため、その光触媒担持体の単位容積当たりの流体が接触する表面が増え、それに伴いより多くの流体が光触媒に接触すると共に流体の流通抵抗が減る。
【0018】
また、第4の課題解決手段による作用は、流体が接地電極内を流通するため、その接地電極における流体の流通抵抗が減ると共に、その接地電極の放電面が増える。
【発明の効果】
【0019】
以上詳述したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1記載の発明は、使用により時々刻々変化する条件下にあっても、火花放電を起こすことなくストリーマ放電若しくはコロナ放電を安定して継続出来るため、各種ランプを使用しないでも、ストリーマ放電若しくはコロナ放電により光触媒を安定して活性化出来、さらに他のストリーマ放電若しくはコロナ放電による活性化機能も安定して得る効果がある。
【0020】
また、請求項2記載の発明は、2本以上の柱状電極間を接続した線電極によっても、上記の請求項1記載の発明と同様の効果を得ることが出来る。
【0021】
また、請求項3記載の発明は、上記効果に加えて、光触媒による効果をより高めることが出来る。
【0022】
また、請求項4記載の発明は、上記効果に加えて、ストリーマ放電若しくはコロナ放電がなお一層容易となり、光触媒の活性化をより高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態を示す放電装置の断面図である(実施例1)。
【図2】図1の放電装置の光触媒担持体に複数の針状電極を立設した状態の平面図である(実施例1)。
【図3】光触媒担持体に複数の針状電極を立設した状態の断面図である(実施例1)。
【図4】図3の担持体の説明図である(実施例1)。
【図5】図1の放電装置の接地電極の平面図である(実施例1)。
【図6】本発明の実施の形態を示す放電装置の実証試験での能力比較のためのCO2濃度と時間との特性図である(実施例1)。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す放電装置の図1と同状の断面図である(実施例2)。
【図8】図7の放電装置の平面図である(実施例2)。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す放電装置の図1と同状の断面図である(実施例3)。
【図10】図9の放電装置の平面図である(実施例3)。
【図11】従来例の装置を示す構成図である。
【図12】従来例の装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
【実施例1】
【0025】
図面において、放電装置1は、導電性を有する担持体2に光触媒3を担持させ、且つその抵抗値を高抵抗とした光触媒担持体4と、この光触媒担持体4に互いにほぼ等間隔に立設した複数の針状電極5と、これら複数の針状電極5の先端部5aから0.1〜30mm離れた位置に光触媒担持体4とほぼ平行に設置した接地電極6とからなり、光触媒担持体4と接地電極6との間に電源7により正若しくは負の3〜30KV(以下、単に「±3〜±30KV」という)の電圧を印加し、上記複数の針状電極5と接地電極6との間にストリーマ放電若しくはコロナ放電(以下、単に「ストリーマ放電等」という)を発生させるものである。そして、光触媒担持体4、複数の針状電極5及び接地電極6は、筒体8内に収納され、空気などの流体が矢線A、B方向にいずれも流通自在である。
【0026】
前記光触媒担持体4の担持体2は、板状であり且つセラミック製のハニカム構造体10であるから、空気などの流体が流通自在であって、このハニカム構造体10の表面11に、粒径が1μmから50μmの範囲にある表層形成用セラミック粒子12を焼結して凸凹面13を新たに形成している。したがって、このハニカム構造体10の表面11には、良好な凹凸面13が形成されて、充分な表面積を有することになって、後に詳述する光触媒作用誘起光が光触媒担持体4に充分に達して、高効率の光触媒作用を実現できる。
【0027】
なお、担持体2は、上記のハニカム構造体10に限定されず、三次元網目構造多孔質状、格子状、パンチング状などでも良く、流体が流通自在で且つ充分な表面積が確保出来るものであればどのようなものでも良い。また、その材質もセラミック製に限定されず、樹脂や紙でも採用可能である。
【0028】
また、前記担持体2は導電性が付与されているが、この導電性は、セラミック製のハニカム構造体10の表面11に新たに形成された凸凹面13に、活性炭14が塗布されることで、実現される。さらに、この活性炭14の上に光触媒3が塗布されることにより担持される。そして、光触媒担持体4は、全体として、その抵抗値が高抵抗としているが、この高抵抗は抵抗値1〜100MΩの範囲であることで実現される。さらに、この光触媒担持体4のより好ましい抵抗値は3〜30MΩの範囲であり、より一層好ましい抵抗値は5〜20MΩである。
【0029】
この光触媒3は、アナターゼ型の酸化チタン(TiO)の微粉末が主に使用されるが、特に限定されず、光触媒作用のあるものであればよい。そして、この光触媒3である酸化チタンは、これが主成分とされつつも、バインダーとしてSiOが約20%含有され、上記したハニカム構造体10の凸凹面13に焼き付けられて担持される。したがって、焼き付けられた酸化チタンは、凸凹面13のアンカー効果により脱落しづらく、光触媒3たる酸化チタンの脱落による性能低下と発塵とを防ぐことが出来て、その性能が向上し且つ維持できると共に、再生可能となる。この光触媒3には、酸化チタン以外にSiOが約20%含有しているため、その表面が弱酸性となり、アンモニアガスなどの塩基性ガスが存在している場合、その吸着、分解を促進させることが出来る。
【0030】
前記針状電極5は、既述のとおり、板状の光触媒担持体4上に互いにほぼ等間隔に複数立設される。これは、図2、3に示すように、正四角形の格子状のプラスチック製枠体20に針状電極5を貫設し、その状態のプラスチック製枠体20を、光触媒担持体4上に設置することで実現している。なお、プラスチック製枠体20は、格子状であるから当然空気などの流体が流通自在である。また、針状電極5の材質は、金属であれば特に限定がないが、ステンレススチールやタングステンが優れている。
【0031】
前記接地電極6は、アルミニウムなどの金属板に小孔21を開けてあり、空気などの流体が流通自在である。そして、この接地電極6は、複数の針状電極5の先端部5aから0.1〜30mm離れた位置に、前記光触媒担持体4とほぼ平行に設置される。ストリーマ放電等の利用面からは、接地電極6と針状電極5との距離は近ければ近いほど良いが、火花放電などの短絡の危険性があり0.1mm以上離れているのが望ましく、また、30mmよりも離れると、短絡の危険性は無くなるが、ストリーマ放電等の利用価値が低下し、その上装置も大きくなる。したがって、接地電極6と針状電極5との距離は、より好ましくは0.5〜10mmの範囲であり、より一層好ましくは1〜5mmの範囲である。なお、この接地電極6は、上記のものに限定されず、ハニカム状、格子状など流体が流通自在のものであれば使用できる。
【0032】
前記電源7は、光触媒担持体4及び接地電極6に電気的に接続し、光触媒担持体4と接地電極6との間に±3〜±30KVの範囲の電圧を印加するためのものであり、この電圧の印加によって、針状電極5と接地電極6との間にストリーマ放電等を発生させる。この電源7は、3〜30KVの直流電源、±3〜±30KVの交流電源、+3〜+30KV若しくは−3〜−30KVのパルス電源、±3〜±30KVの矩形波電源などである。そして、電源7の電圧は、ストリーマ放電等の利用面からは高ければ高いほど良いが、火花放電などの短絡の危険性が高くなり±30KV以下が望ましく、逆に、±3KVに満たない電圧では、短絡の危険性が無くなるが、ストリーマ放電等の利用価値が低下する。したがって、電源7の電圧は、より好ましくは±3〜±10KVの範囲であり、より一層好ましくは±5〜±8.5KVの範囲である。
【0033】
次に、上記構成になる放電装置1の使用状況を説明する。
電源7をオンして、光触媒担持体4と接地電極6との間に±3〜±30KVの範囲の電圧を印加すると、光触媒担持体4に立設した複数の針状電極5と、これらから0.1〜30mm離れている接地電極6との間にストリーマ放電等が生ずる。このストリーマ放電等に伴い紫外線などの光触媒作用誘起光を発し、さらに、オゾン、イオン、高速電子などの活性種が生じる。紫外線などの光触媒作用誘起光は、光触媒3を活性化し、その表面に付着した物質を酸化還元して、より安全性を高めている。一方、オゾン、イオン、高速電子などの活性種も、複数の針状電極5と接地電極6との間を滞留ないし通過する空気中に含まれる物質を酸化還元して、より安全性を高めると共に、光触媒3の活性化にも寄与する。一方、電圧変化や複数の針状電極5及び接地電極6に付着した物質などにより、火花放電などの短絡する可能性が生じるが、光触媒担持体4自体が1〜100MΩの高抵抗値を有するため、火花放電を未然に防ぐことになって、安定したストリーマ放電等を継続し、光触媒3の活性化をし続けると共に、他の活性種を生じ続けることになる。
【0034】
以下に、本発明の効果を実験例にて実証する。
〈実験例1〉
ハニカム状の担持体の表面に活性炭の粉末を塗布し、さらに、その上に光触媒の粉末を塗布して、厚み10mmで100mmの正方形の光触媒担持体を調製する。この光触媒担持体の上面に10mmずつ離して、縦横に8本ずつ合計64本の針状電極を立設し、同じように、光触媒担持体の下面にも64本の針状電極を立設して、これら上面及び下面の針状電極から3mm離して接地電極を光触媒担持体に対し平行に設置し、さらに光触媒担持体と接地電極とに電源を電気的に接続して、放電装置とする。この放電装置を8Lのアクリル製密閉容器内に収納し、さらに0.3mLのアセトアルデヒドを封入する。放電装置の電源により±0.5mAの電流を1Hzの矩形波にて印加電圧7.2KVで出力する。そして、経過時間ごとのCO2の増加量を測定すると共に、火花放電の有無を目視観察した。
【0035】
〈比較例1〉
実験例1と同様に調製した光触媒担持体にUVP社製の紫外線ランプ(UVR−21、消費電力4W)を5mm離して設置して、これを実験例1と同様に8Lのアクリル製密閉容器内に収納し、さらに0.3mLのアセトアルデヒドを封入し、経過時間ごとのCO2の増加量を測定した。上記の結果を図6に示す。
【0036】
本発明による実験例1は、図6から明らかなように、その消費電力は比較例1と同じであるのに、CO2の増加量、すなわち、アセトアルデヒドの酸化量が多い。このことは紫外線ランプが無くても良く、しかも、消費電力が約40%少なくて済むことになる。さらに、実験例1の実験時間内では火花放電が発生しなかった。
【0037】
【実施例2】
【0038】
図7、8は本発明の他の実施形態を示すものであり、この放電装置1Aと図1ないし6の放電装置1との相違点は、接地電極6aがアルミニウムなどの金属のフラットバーであり、この接地電極6aが針状電極5の間に位置して光触媒担持体4とほぼ垂直に設置されている点である。その他の構成、作用は、図1ないし6の放電装置1とほぼ同様なので、図面に符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
【実施例3】
【0040】
図9、10は本発明の他の実施形態を示すものであり、この放電装置1Bと図1ないし6の放電装置1との相違点は、複数の針状電極5に代えて、光触媒担持体4に少なくとも2本以上の柱状電極22を所定距離を有して立設し、これら柱状電極22を接続する線径0.3mm以下の線電極5Aを設けた点である。その他の構成、作用は、図1ないし6の放電装置1とほぼ同様なので、図面に符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
以上、本発明の実施例1、2、3を説明したが、具体的な構成はこれらに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更・追加、各請求項における他の組み合わせにかかるものも、適宜可能であることが理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の放電装置は、各種ランプを使用しないで、使用による時々刻々変化する条件下であっても、火花放電などの短絡を防ぎつつ安定したストリーマ放電等を維持して、このストリーマ放電等に伴う紫外線などの光触媒作用誘起光により光触媒を活性化し、さらにオゾン、イオン、高速電子などの活性種を生じさせて物質を酸化還元し、より安全性を高めたい場合に、利用可能性が極めて高くなる。
【符号の説明】
【0043】
1、1A、1B 放電装置
2 担持体
3、56 光触媒
4、51 光触媒担持体
5、55 針状電極
5A 線電極
5a 先端部
6、6a 接地電極
7、54 電源
8、50 筒体
10 ハニカム構造体
11 表面
12 表層形成用セラミック粒子
13 凸凹面
14 活性炭
20 プラスチック製枠体
21 小孔
22 柱状電極
52、53 高電圧端子
57 板状電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する担持体に光触媒を担持させ、且つその抵抗値を高抵抗とした光触媒担持体と、該光触媒担持体に互いにほぼ等間隔に立設した複数の針状電極と、該複数の針状電極の先端部から0.1〜30mm離れた位置に前記光触媒担持体とほぼ平行に設置した接地電極とからなり、前記光触媒担持体と前記接地電極との間に電源により正あるいは負の3〜30KVの電圧を印加し、前記複数の針状電極と前記接地電極との間にストリーマ放電若しくはコロナ放電を発生させることを特徴とする放電装置。
【請求項2】
導電性を有する担持体に光触媒を担持させ、且つその抵抗値を高抵抗とした光触媒担持体と、該光触媒担持体に少なくとも2本以上の柱状電極を所定距離を有して立設しこれら柱状電極を接続する線径0.3mm以下の線電極と、該線電極から0.1〜30mm離れた位置に前記光触媒担持体とほぼ平行に設置した接地電極とからなり、前記光触媒担持体と前記接地電極との間に電源により正あるいは負の3〜30KVの電圧を印加し、前記線電極と前記接地電極との間にストリーマ放電若しくはコロナ放電を発生させることを特徴とする放電装置。
【請求項3】
前記光触媒担持体は、流体を流通させる平面ないし立体構造である請求項1または2記載の放電装置。
【請求項4】
前記接地電極は、流体を流通させる平面ないし立体構造である請求項1、2または3記載の放電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−247139(P2010−247139A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118013(P2009−118013)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000228028)株式会社トルネックス (25)
【Fターム(参考)】