説明

故障予測装置、故障予測方法、故障予測システム、故障予測プログラム、及び記憶媒体

【課題】機器に故障検出用のハードウェアを組み込まずに故障を予測する。
【解決手段】故障発生機器情報記憶部123は、複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する。算出部133は、故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する。予測部135は、故障発生確率を参照して、複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障予測装置、故障予測方法、故障予測システム、故障予測プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機などの画像形成装置の故障時期を予測する技術が知られている。例えば特許文献1には、光学センサを用いてパッチ画像のトナー付着量を検知することにより、カラー画像形成装置内部のプロセスユニットの故障を予測する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような従来技術では、センサなどの故障検出に用いる特別なハードウェアが組み込まれていなければ故障を予測できなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機器に故障検出用のハードウェアを組み込まずに故障を予測できる故障予測装置、故障予測方法、故障予測システム、故障予測プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる故障予測装置は、複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する故障発生機器情報記憶部と、前記故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する算出部と、前記故障発生確率を参照して、前記複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する予測部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の別の態様にかかる故障予測方法は、算出部が、複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する故障発生機器情報記憶部から前記故障発生情報を取得し、前記故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する算出ステップと、予測部が、前記故障発生確率を参照して、前記複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する予測ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の態様にかかる故障予測システムは、故障予測装置と保守担当者端末とを備える故障予測システムであって、前記故障予測装置は、複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する故障発生機器情報記憶部と、前記故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する算出部と、前記故障発生確率を参照して、前記複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する予測部と、前記予測部の故障予測結果に基づく通知を行う通知部と、を備え、前記保守担当者端末は、前記通知を受け付ける受付部と、受け付けられた前記通知を表示部に表示する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様にかかる故障予測プログラムは、上記故障予測方法をコンピュータに実行させるためのものである。
【0009】
また、本発明の別の態様にかかる記憶媒体は、上記故障予測プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能なものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機器に故障検出用のハードウェアを組み込まずに故障を予測できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1実施形態の故障予測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1実施形態の管理対象機器情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態の故障発生機器情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態の故障発生確率情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態の担当者情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態のロジスティック曲線の一例を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態のメール内容の一例を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態のメール内容の一例を示す図である。
【図9】図9は、第1実施形態のメール内容の一例を示す図である。
【図10】図10は、第1実施形態の故障予測システムで行われる累積故障発生確率算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第1実施形態の故障予測システムで行われる故障予測処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第2実施形態の故障予測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図13】図13は、第2実施形態の累計印刷情報の一例を示す図である。
【図14】図14は、第2実施形態の回帰直線の一例を示す図である。
【図15】図15は、第2実施形態のロジスティック曲線の一例を示す図である。
【図16】図16は、第2実施形態の故障予測システムで行われる累計印刷情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第2実施形態の故障予測システム200で行われる累積故障発生確率算出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる故障予測装置、故障予測方法、故障予測システム、故障予測プログラム、及び記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
まず、本実施形態の故障予測システムの構成について説明する。
【0014】
図1は、第1実施形態の故障予測システム100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、故障予測システム100は、故障予測装置110と、保守担当者端末150とを、備える。故障予測装置110及び保守担当者端末150は、ネットワーク101を介して接続されている。ネットワーク101は、例えば、公衆通信回線や特定通信回線(専用線)などにより実現できる。
【0015】
故障予測装置110は、事業所の担当者からの電話問い合わせに対する対応を行うコールセンタに設けられたサーバ装置であり、事業所に設けられている印刷装置、複写機、複合機、及びファクシミリ装置などの画像形成装置の機器情報や故障情報などを管理する。なお、事業所とは、本店、支店、営業所、又は事務所などのオフィスに限定されるものではなく、画像形成装置が設置されるスペース(場所)であればよい。また、複合機は、複写機能、印刷機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有するものである。図1に示す例では、1の事業所に設けられた複合機190a、190bのみを例示しているが、故障予測装置110は、複合機190a、190bの機器情報や故障情報だけでなく、複数の事業所に設けられた複数の画像形成装置の機器情報や故障情報などを管理するものとする。
【0016】
故障予測装置110は、図1に示すように、通信部112と、表示部114と、入力部116と、記憶部120と、制御部130とを、備える。
【0017】
通信部112は、ネットワーク101を介して、保守担当者端末150などの外部機器と通信するものであり、通信インタフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0018】
表示部114は、各種画面表示を行うものであり、例えば、タッチパネルディスプレイや液晶ディスプレイなどの既存の表示装置により実現できる。
【0019】
入力部116は、各種操作入力を行うものであり、例えば、タッチパネルディスプレイ、マウス、及びキーボードなどの既存の表示装置の少なくともいずれかにより実現できる。なお、表示部114及び入力部116をタッチパネルディスプレイなどで一体的に実現してもよい。
【0020】
記憶部120は、故障予測装置110で実行される各種プログラムや故障予測装置110で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。記憶部120は、管理対象機器情報記憶部121と、故障発生機器情報記憶部123と、故障発生確率情報記憶部125と、担当者情報記憶部127とを、含む。
【0021】
管理対象機器情報記憶部121は、故障予測装置110で管理する管理対象画像形成装置の機器情報を記憶する。具体的には、管理対象機器情報記憶部121は、複数の管理対象画像形成装置それぞれを識別する機器識別情報毎に、当該管理対象画像形成装置の設置情報を対応付けて記憶する。設置情報は、設置時点を示す設置時点情報を含む。なお、設置時点とは、例えば、事業所に設置(納入)された時点である。管理対象機器情報記憶部121は、更に、複数の管理対象画像形成装置それぞれの機器識別情報毎に、当該管理対象画像形成装置の機種を示す機種情報を対応付けて記憶する。
【0022】
図2は、第1実施形態の管理対象機器情報の一例を示す図である。図2に示す例では、管理対象機器情報は、管理対象画像形成装置の機器ID(機器識別情報の一例)、機種情報、及び設置日時(設置時点情報の一例)を対応付けた情報となっている。
【0023】
故障発生機器情報記憶部123は、故障予測装置110で管理する管理対象画像形成装置のうちの故障が発生した故障発生画像形成装置の故障情報(チケット)を記憶する。故障発生機器情報記憶部123は、複数の管理対象画像形成装置のうちの故障が発生した複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生情報を記憶する。故障発生情報は、故障発生時点を示す故障発生時点情報を含む。具体的には、故障発生機器情報記憶部123は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの機器識別情報毎に、故障発生時点情報を対応付けて記憶する。故障発生機器情報記憶部123は、更に、複数の故障発生画像形成装置それぞれの機器識別情報毎に、当該故障発生画像形成装置の機種情報を対応付けて記憶する。故障発生機器情報記憶部123は、更に、複数の故障発生画像形成装置それぞれの機器識別情報毎に、当該故障発生機器の故障種別を示す故障種別情報を対応付けて記憶する。
【0024】
図3は、第1実施形態の故障発生機器情報の一例を示す図である。図3に示す例では、故障発生機器情報は、故障発生画像形成装置の機器ID、機種情報、故障種別情報、及び故障発生日時(故障発生時点情報の一例)を対応付けた情報となっている。
【0025】
故障発生確率情報記憶部125には、後述の制御部130により機種及び故障種別毎に算出される故障発生確率が記憶される。図4は、第1実施形態の故障発生確率情報の一例を示す図である。図4に示す例では、故障発生確率情報は、機種情報、故障種別情報、及び故障発生確率に関する数式の係数を対応付けた情報となっている。
【0026】
担当者情報記憶部127は、故障予測装置110で管理する管理対象画像形成装置の保守(メンテナンス)を担当する保守担当者(サービスマン)の情報を記憶する。図5は、第1実施形態の担当者情報の一例を示す図である。図5に示す例では、担当者情報は、保守担当者のメールアドレス、及び保守担当者が保守を担当する管理対象画像形成装置の機器IDを対応付けた情報となっている。
【0027】
制御部130は、故障予測装置110の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。制御部130は、故障発生機器情報登録部131と、算出部133と、予測部135と、通知部137とを、含む。
【0028】
故障発生機器情報登録部131は、入力部116から故障発生画像形成装置の機器識別情報及び故障発生情報の入力を受け付け、受け付けた機器識別情報及び故障発生情報を対応付けて故障発生機器情報記憶部123に登録する。
【0029】
具体的には、コールセンタのオペレータが、電話対応により事業所の担当者から受け付けた故障発生画像形成装置の機器ID、機種情報、故障種別情報、及び故障発生日時を、入力部116を用いて故障予測装置110に入力する。これにより、故障発生機器情報登録部131は、入力部116から故障発生画像形成装置の機器ID、機種情報、故障種別情報、及び故障発生日時の入力を受け付け、受け付けた機器ID、機種情報、故障種別情報、及び故障発生日時を対応付けて故障発生機器情報記憶部123に登録する。
【0030】
なお、コールセンタのオペレータは、故障発生画像形成装置の機器ID、機種情報、故障種別情報、及び故障発生日時を故障予測装置110に入力すると、当該機器IDをキーにして担当者情報記憶部127から故障発生画像形成装置の保守担当者を割り出し、保守担当者に例えばメールなどで保守を指示する。
【0031】
算出部133は、故障発生時点情報それぞれに基づいて、故障発生確率を算出する。具体的には、複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生時点情報及び機器識別情報に対応する設置時点情報に基づいて故障発生確率を算出する。そして算出部133は、算出した故障発生確率を故障発生確率情報記憶部125に登録する。なお算出部133は、故障発生確率を定期的に算出する。また算出部133は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの機種情報に基づいて、故障発生確率を機種毎に算出する。また算出部133は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障種別情報に基づいて、故障発生確率を故障種別毎に算出する。より詳細には、算出部133は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生時点情報及び機器識別情報に対応する設置時点情報を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生までの無故障期間を算出し、算出した無故障期間それぞれを用いて、設置期間に対する累積故障発生確率を算出する。本実施形態では、算出部133は、設置期間に対する累積故障発生確率としてロジスティック曲線を算出するものとするが、これに限定されるものではない。
【0032】
以下、本実施形態の設置期間に対する累積故障発生確率であるロジスティック曲線の算出手法を具体的に説明する。
【0033】
算出部133は、ロジスティック曲線を算出するため、故障発生機器情報記憶部123から、故障発生画像形成装置の機器ID、機種情報、故障種別情報、及び故障発生日時を取得し、更に、管理対象機器情報記憶部121から、故障発生画像形成装置の機器IDと一致する管理対象画像形成装置の機器IDに対応付けられた設置日時を取得する。そして算出部133は、機種情報が示す機種及び故障種別情報が示す故障種別毎に、以下の計算を行い、ロジスティック曲線を算出する。
【0034】
まず、算出部133は、機種情報が示す機種及び故障種別情報が示す故障種別が互いに一致する複数の故障発生画像形成装置をピックアップする。そして算出部133は、ピックアップした複数の故障発生画像形成装置それぞれの設置日時及び故障発生日時から、当該複数の故障発生画像形成装置それぞれの設置から故障発生までの無故障日数(無故障期間の一例)を算出し、算出した無故障日数を設置日数として故障発生台数(故障発生件数)とのヒストグラムを算出する。
【0035】
続いて、算出部133は、算出したヒストグラムを設置日数に対して積算し、設置日数毎の累積故障発生台数のプロットを得る。
【0036】
続いて、算出部133は、ピックアップした故障発生画像形成装置の全台数で累積故障発生台数を割り、累積故障発生確率のプロットを得る。
【0037】
続いて、算出部133は、例えば最小二乗法などを用いて、累積故障発生確率のプロットに最もよく当てはまるロジスティック曲線を算出する。そして算出部133は、ピックアップした故障発生画像形成装置の機種を示す機種情報及び故障種別を示す故障種別情報と、算出したロジスティック曲線の係数とを対応付けて故障発生確率情報記憶部125に登録する。
【0038】
図6は、第1実施形態のロジスティック曲線195の一例を示す図である。図6に示す例では、算出部133により算出されたロジスティック曲線195は、数式(1)により表される。
【0039】
x=a/(1+b×exp(−c×t)) …(1)
【0040】
この場合、算出部133は、機種情報及び故障種別情報にロジスティック曲線195の係数a、b、cを対応付けて故障発生確率情報記憶部125に登録する。
【0041】
予測部135は、算出部133により算出された故障発生確率を参照して、複数の管理対象画像形成装置のうちの故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。なお予測部135は、故障予測対象画像形成装置の故障を定期的に予測する。また予測部135は、故障予測対象画像形成装置の機種情報が示す機種の故障発生確率を参照して、故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。また予測部135は、予測対象の故障種別の故障発生確率を参照して、故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。具体的には、予測部135は、故障予測対象画像形成装置の設置時点情報から故障予測対象画像形成装置の故障予測時点における故障予測対象機器設置期間を算出し、算出した故障予測対象機器設置期間を、算出部133により算出された累積故障発生確率に適用して、故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。
【0042】
以下、本実施形態の故障予測対象画像形成装置の故障予測手法を具体的に説明する。
【0043】
まず、予測部135は、故障発生確率情報記憶部125から、故障予測対象画像形成装置の機種を示す機種情報及び予測対象の故障種別を示す故障種別情報に対応付けられたロジスティック曲線195の係数a、b、cを取得し、ロジスティック曲線195を再現する(図6参照)。
【0044】
続いて、予測部135は、管理対象機器情報記憶部121から故障予測対象画像形成装置それぞれの設置日時を取得するとともに、故障予測時点における日時、即ち、現在の日時を取得する。なお予測部135は、故障予測装置110が計測している日時を故障予測時点における日時としてもよいし、外部のサーバ(図示省略)などから取得した日時を故障予測時点における日時としてもよい。そして予測部135は、取得した設置日時それぞれ及び故障予測時点における日時から、故障予測対象画像形成装置それぞれの故障予測対象機器設置期間として故障予測対象機器設置日数を算出する。
【0045】
続いて、予測部135は、算出した故障予測対象機器設置日数それぞれを、再現したロジスティック曲線195に適用し、故障予測対象機器設置日数それぞれに対応する累積故障発生確率を求める。そして予測部135は、求めた累積故障発生確率が予め定められた累積故障発生確率の範囲内に属する故障予測対象画像形成装置を抽出する。
【0046】
通知部137は、予測部135の故障予測結果に基づく通知を例えば保守担当者端末150に行う。具体的には、通知部137は、故障予測結果に応じた通知内容で通知を行う。
【0047】
例えば、通知部137は、管理対象機器情報記憶部121から、予測部135により抽出された故障予測対象画像形成装置の機器IDを取得し、更に、担当者情報記憶部127から、故障予測対象画像形成装置の機器IDと一致する管理対象画像形成装置の機器IDに対応付けられた保守担当者のメールアドレスを取得する。そして通知部137は、取得したメールアドレスに、予測部135により抽出された故障予測対象画像形成装置の故障可能性をメールし、保守担当者に故障可能性を通知する。
【0048】
この際、通知部137は、予測部135の抽出条件に応じてメール内容を異ならせる。図7〜図9は、第1実施形態のメール内容の一例を示す図である。図7に示す例は、予測部135の抽出条件が「累積故障発生確率が70%前後(例えば、69〜71%)に属する故障予測対象画像形成装置を抽出する」である場合のメール内容であり、調査を示唆する内容となっている。図8に示す例は、予測部135の抽出条件が「累積故障発生確率が85%前後(例えば、84〜86%)に属する故障予測対象画像形成装置を抽出する」である場合のメール内容であり、調査を推奨する内容となっている。図9に示す例は、予測部135の抽出条件が「累積故障発生確率が95%前後(例えば、94〜96%)に属する故障予測対象画像形成装置を抽出する」である場合のメール内容であり、調査を要求する内容となっている。
【0049】
保守担当者端末150は、保守センタに設けられている保守担当者用の端末装置であり、保守担当者のメール受信などに用いられる。保守担当者端末150は、図1に示すように、通信部152と、表示部154と、制御部160とを、備える。
【0050】
通信部152は、ネットワーク101を介して、故障予測装置110などの外部機器と通信するものであり、故障予測装置110同様、既存の通信装置により実現できる。
【0051】
表示部154は、各種画面表示を行うものであり、故障予測装置110同様、既存の表示装置により実現できる。
【0052】
制御部160は、保守担当者端末150の各部を制御するものであり、故障予測装置110同様、既存の制御装置により実現できる。制御部160は、受付部162と、表示制御部164とを、含む。
【0053】
受付部162は、故障予測装置110から故障予測結果に基づく通知を受け付ける。
【0054】
表示制御部164は、受付部162により受け付けられた通知を表示部154に表示する。
【0055】
次に、本実施形態の故障予測システムの動作について説明する。
【0056】
図10は、第1実施形態の故障予測システム100で行われる累積故障発生確率算出処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
まず、算出部133は、設置日数に対する累積故障発生確率の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS100)。なお更新タイミングは、例えば、故障予測装置110の起動時から定期的な間隔で与えられる。
【0058】
そして、累積故障発生確率の更新タイミングである場合(ステップS100でYes)、算出部133は、機種及び故障種別が互いに一致する複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生日時及び設置日時を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生までの無故障日数を算出し、算出した無故障日数それぞれを用いて、設置日数に対する累積故障発生確率を算出し、算出した累積故障発生確率で機種情報及び故障種別情報に対応付けられた故障発生確率情報記憶部125の累積故障発生確率を更新する(ステップS102)。
【0059】
なお、累積故障発生確率の更新タイミングでない場合(ステップS100でNo)、算出部133は、累積故障発生確率を更新しない。
【0060】
図11は、第1実施形態の故障予測システム100で行われる故障予測処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、予測部135は、故障予測対象画像形成装置の設置日時から故障予測対象画像形成装置の故障予測日時における故障予測対象機器設置日数を算出し、算出した故障予測対象機器設置日数を、算出部133により算出された累積故障発生確率に適用して、故障予測対象画像形成装置の故障を予測する(ステップS200)。
【0062】
続いて、通知部137は、予測部135の故障予測結果に基づく通知を行う(ステップS202)。
【0063】
以上のように第1実施形態では、保守担当者(サービスマン)が故障発生画像形成装置の故障を修理する際に発行する故障情報(チケット)を用いて回帰モデル分析を行うことにより故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。このため第1実施形態によれば、画像形成装置に故障検出用のハードウェアを組み込まずに故障を予測することができる。
【0064】
(第2実施形態)
印刷装置、複写機、複合機、及びファクシミリ装置などの画像形成装置では、標準的に、累計印刷枚数(カウンタ値)をカウントして蓄積していることが一般的である。このため、第2実施形態では、累計印刷枚数を用いて故障発生画像形成装置の無故障期間を推定累計印刷枚数に変換して累積故障発生確率を算出する例について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
図12は、第2実施形態の故障予測システム200の構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態の故障予測システム200では、図12に示すように、事業所に設けられた複合機190a、190bがネットワーク101に接続され、故障予測装置210と通信可能な点が第1実施形態と相違する。なお、図12に示す例でも、1の事業所に設けられた複合機190a、190bのみを例示しているが、実際には、複数の事業所に設けられた複数の画像形成装置が故障予測装置210と通信可能となっている。
【0066】
複合機190a、190bは、それぞれ、累計印刷枚数(カウンタ値)をカウントしており、定期的に機器識別情報とともに累計印刷枚数を故障予測装置210に通知する。具体的には、複合機190a、190bは、機器IDとともに累計印刷枚数を故障予測装置210に通知する。
【0067】
故障予測装置210は、記憶部220が累計印刷情報記憶部229を更に含み、制御部230が累計印刷情報登録部239及び変換部241を更に含む点、並びに算出部233及び予測部235の処理内容が第1実施形態と相違する。
【0068】
累計印刷情報記憶部229は、複数の管理対象画像形成装置それぞれの機器識別情報毎に、累計印刷枚数及び累計印刷枚数の通知時点を示す通知時点情報を対応付けて記憶する。図13は、第2実施形態の累計印刷情報の一例を示す図である。図13に示す例では、累計印刷情報は、管理対象画像形成装置の機器ID、累計印刷枚数、及び累計印刷枚数通知日時(通知時点情報の一例)を対応付けた情報となっている。
【0069】
累計印刷情報登録部239は、管理対象画像形成装置から管理対象画像形成装置の機器識別情報及び累計印刷枚数の通知を受け付け、通知時点を通知時点情報とし、受け付けた累計印刷枚数とともに、受け付けた機器識別情報と一致する累計印刷情報登録部239の機器識別情報に対応付けて登録する。
【0070】
具体的には、累計印刷情報登録部239は、通信部112を介して管理対象画像形成装置に累計印刷枚数の通知を定期的に要求する。そして累計印刷情報登録部239は、管理対象画像形成装置から通信部112を介して管理対象画像形成装置の機器ID及び累計印刷枚数の通知を受け付ける毎に、通知時点を累計印刷枚数通知日時とし、受け付けた累計印刷枚数とともに、受け付けた機器IDと一致する累計印刷情報登録部239の機器IDに対応付けて登録する。
【0071】
変換部241は、複数の管理対象画像形成装置それぞれの設置時点情報、累計印刷枚数、及び通知時点情報を用いて、複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生までの無故障期間を推定累計印刷枚数に変換する。具体的には、変換部241は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生時点情報及び機器識別情報に対応する設置時点情報を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの無故障期間を算出する。また変換部241は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの機器識別情報に対応する設置時点情報及び通知時点情報を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの累計印刷枚数通知時までの累計印刷時設置期間を累計印刷枚数通知時毎に算出し、算出した累計印刷時設置期間それぞれ及び累計印刷枚数それぞれを用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの変換基準を算出する。そして変換部241は、算出した変換基準それぞれを用いて無故障期間それぞれを推定累計印刷枚数に変換する。本実施形態では、変換部241は、変換基準として回帰直線を算出するものとするが、これに限定されるものではない。
【0072】
以下、本実施形態の無故障期間から推定累計印刷枚数への変換手法を具体的に説明する。
【0073】
変換部241は、変換基準を算出するため、故障発生機器情報記憶部123から故障発生画像形成装置の機器IDを取得し、更に、管理対象機器情報記憶部121から故障発生画像形成装置の機器IDと一致する管理対象画像形成装置の機器IDに対応付けられた設置日時を取得するとともに、累計印刷情報登録部239から故障発生画像形成装置の機器IDと一致する管理対象画像形成装置の機器IDに対応付けられた累計印刷枚数及び累計印刷枚数通知日時を取得する。そして変換部241は、機器IDが示す故障発生画像形成装置毎に、以下の計算を行い、変換基準を算出する。
【0074】
まず、変換部241は、故障発生画像形成装置それぞれの設置日時及び累計印刷枚数通知日時を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの設置から累計印刷枚数通知時までの累計印刷時設置日数(累計印刷時設置期間の一例)を累計印刷枚数通知時毎に算出する。
【0075】
続いて、変換部241は、累計印刷時設置日数毎に累計印刷枚数をプロットする。そして変換部241は、累計印刷時設置日数と累計印刷枚数とのプロットに最もよく当てはまる回帰直線を算出する。
【0076】
続いて、変換部241は、故障発生機器情報記憶部123から、故障発生画像形成装置の機器ID、及び故障発生日時を取得し、更に、管理対象機器情報記憶部121から、故障発生画像形成装置の機器IDと一致する管理対象画像形成装置の機器IDに対応付けられた設置日時を取得する。
【0077】
続いて、変換部241は、故障発生画像形成装置それぞれの設置日時及び故障発生日時から、当該複数の故障発生画像形成装置それぞれの設置から故障発生までの無故障日数を設置日数として算出する。そして、変換部241は、算出した回帰直線に算出した設置日数を適用して、設置日数を推定累計印刷枚数に変換する。
【0078】
図14は、第2実施形態の回帰直線296の一例を示す図である。図14に示す例では、変換部241により算出された回帰直線296は、数式(2)により表される。
【0079】
n=dt+e …(2)
【0080】
なお、d、eは係数である。この場合、変換部241は、回帰直線296に設置日数を適用、即ち、変数tの値を特定することにより、推定累計印刷枚数であるnの値を算出し、設置日数を推定累計印刷枚数に変換する。
【0081】
算出部233は、変換部241により変換された推定累計印刷枚数それぞれを用いて、故障発生確率を算出する。具体的には、算出部233は、変換部241により変換された推定累計印刷枚数それぞれを用いて、累計印刷枚数に対する累積故障発生確率を算出する。なお、累計印刷枚数に対する累積故障発生確率の算出手法は、設置日数(無故障日数)が累計印刷枚数(推定累計印刷枚数)に置き換わった点を除き、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
図15は、第2実施形態のロジスティック曲線295の一例を示す図である。図15に示す例では、算出部233により算出されたロジスティック曲線295は、第1実施形態同様、数式(1)により表される。
【0083】
この場合も、算出部233は、機種情報及び故障種別情報にロジスティック曲線295の係数a、b、cを対応付けて故障発生確率情報記憶部125に登録する。
【0084】
予測部235は、故障予測対象画像形成装置の累計印刷枚数を累積故障発生確率に適用して、故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。なお、故障予測対象画像形成装置の故障予測手法は、故障予測対象機器設置日数が累計印刷枚数に置き換わった点を除き、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0085】
図16は、第2実施形態の故障予測システム200で行われる累計印刷情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0086】
まず、累計印刷情報登録部239は、管理対象画像形成装置から管理対象画像形成装置の累計印刷情報として機器ID及び累計印刷枚数の通知を受け付ける(ステップS300)。
【0087】
続いて、累計印刷情報登録部239は、累計印刷情報の通知時点を累計印刷枚数通知日時とし、受け付けた累計印刷枚数とともに、受け付けた機器IDと一致する累計印刷情報登録部239の機器IDに対応付けて登録する(ステップS302)。
【0088】
図17は、第2実施形態の故障予測システム200で行われる累積故障発生確率算出処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
まず、変換部241は、累計印刷枚数に対する累積故障発生確率の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS400)。なお更新タイミングは、第1実施形態同様、例えば、故障予測装置210の起動時から定期的な間隔で与えられる。
【0090】
そして、累積故障発生確率の更新タイミングである場合(ステップS400でYes)、変換部241は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの機器IDに対応する設置日時及び累計印刷枚数通知日時を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの累計印刷枚数通知時までの累計印刷時設置日数を累計印刷枚数通知時毎に算出し、算出した累計印刷時設置日数それぞれ及び累計印刷枚数それぞれを用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの変換基準を算出する(ステップS402)。
【0091】
続いて、変換部241は、複数の故障発生画像形成装置それぞれの故障発生日時及び機器IDに対応する設置日時を用いて複数の故障発生画像形成装置それぞれの無故障日数を算出し、算出した変換基準それぞれを用いて無故障日数それぞれを推定累計印刷枚数に変換する(ステップS404)。
【0092】
続いて、算出部233は、機種及び故障種別が互いに一致する複数の故障発生画像形成装置それぞれの推定累計印刷枚数を用いて、累計印刷枚数に対する累積故障発生確率を算出し、算出した累積故障発生確率で機種情報及び故障種別情報に対応付けられた故障発生確率情報記憶部125の累積故障発生確率を更新する(ステップS406)。
【0093】
なお、累積故障発生確率の更新タイミングでない場合(ステップS400でNo)、変換部241は、変換基準を算出しない。
【0094】
なお、故障予測処理については、故障予測対象機器設置日数が累計印刷枚数に置き換わる点を除き、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0095】
以上のように第2実施形態では、保守担当者(サービスマン)が故障発生画像形成装置の故障を修理する際に発行する故障情報(チケット)に加え、管理対象画像形成装置から収集する累計印刷枚数を用いて回帰モデル分析を行うことにより故障予測対象画像形成装置の故障を予測する。このため本実施形態によれば、累計印刷枚数に対して故障予測を行うことができ、画像形成装置に故障検出用のハードウェアを組み込まずに精度よく故障を予測することができる。
【0096】
(ハードウェア構成)
上記各実施形態の故障予測装置のハードウェア構成の一例について説明する。上記各実施形態の故障予測装置は、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、通信インタフェースなどの通信装置と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0097】
上記各実施形態の故障予測装置で実行される故障予測プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供される。
【0098】
また、上記各実施形態の故障予測装置で実行される故障予測プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記各実施形態の故障予測装置で実行される故障予測プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。また、上記各実施形態の故障予測装置で実行される故障予測プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するようにしてもよい。
【0099】
上記各実施形態の故障予測装置で実行される故障予測プログラムは、上述した各部をコンピュータ上で実現させるためのモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、CPUがHDDから故障予測プログラムをRAM上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現されるようになっている。
【0100】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0101】
例えば、上記各実施形態では、画像形成装置が事業所に設置された日を基準とした設置日数に基づいて累積故障発生確立を算出する例について説明したが、例えば、前回の故障発生日時に基づいて累積故障発生確立を算出するようにしてもよい。例えば、トナー切れや用紙切れなどを予測する場合には、このようにすると好適である。
【0102】
また例えば、上記各実施形態では、故障予測装置が画像形成装置を管理し、管理している画像形成装置の故障を予測する例について説明したが、これに限定されるものではなく、管理対象の機器は、電子機器であればどのような機器であってもよい。
【0103】
また例えば、上記各実施形態では、管理対象機器情報の登録をオペレータによる手動登録を例に取り説明したが、累計印刷情報の登録のように自動登録としてもよい。
【0104】
また例えば、上記第2実施形態では、複合機自らが累計印刷枚数をカウントする場合を例に取り説明したが、画像形成装置の累計印刷枚数をカウントする装置を事業所に設置し、当該装置が画像形成装置の累計印刷枚数をカウントして故障予測装置に通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
100、200 故障予測システム
101 ネットワーク
110、210 故障予測装置
112 通信部
114 表示部
116 入力部
120、220 記憶部
121 管理対象機器情報記憶部
123 故障発生機器情報記憶部
125 故障発生確率情報記憶部
127 担当者情報記憶部
130、230 制御部
131 故障発生機器情報登録部
133、233 算出部
135、235 予測部
137 通知部
150 保守担当者端末
152 通信部
154 表示部
160 制御部
162 受付部
164 表示制御部
190a、190b 複合機
229 累計印刷情報記憶部
241 変換部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【特許文献1】特開2010−101948号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する故障発生機器情報記憶部と、
前記故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する算出部と、
前記故障発生確率を参照して、前記複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する予測部と、
を備えることを特徴とする故障予測装置。
【請求項2】
前記複数の管理対象機器それぞれを識別する機器識別情報毎に、当該管理対象機器の設置情報を対応付けて記憶する管理対象機器情報記憶部を更に備え、
前記故障発生機器情報記憶部は、複数の故障発生機器それぞれの機器識別情報毎に、前記故障発生情報を対応付けて記憶し、
前記算出部は、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生情報及び前記機器識別情報に対応する前記設置情報に基づいて、前記故障発生確率を算出することを特徴とする請求項1に記載の故障予測装置。
【請求項3】
前記故障発生情報は、故障発生時点を示す故障発生時点情報を含み、
前記設置情報は、設置時点を示す設置時点情報を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の故障予測装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生時点情報及び前記機器識別情報に対応する前記設置時点情報を用いて前記複数の故障発生機器それぞれの故障発生までの無故障期間を算出し、算出した前記無故障期間それぞれを用いて、設置期間に対する累積故障発生確率を算出し、
前記予測部は、前記故障予測対象機器の前記設置時点情報から前記故障予測対象機器の故障予測時点における故障予測対象機器設置期間を算出し、算出した前記故障予測対象機器設置期間を前記累積故障発生確率に適用して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項3に記載の故障予測装置。
【請求項5】
前記管理対象機器は、画像形成装置であり、
前記複数の管理対象機器それぞれの前記機器識別情報毎に、累計印刷枚数及び前記累計印刷枚数の通知時点を示す通知時点情報を対応付けて記憶する累計印刷情報記憶部と、
前記複数の管理対象機器それぞれの前記設置時点情報、前記累計印刷枚数、及び前記通知時点情報を用いて、前記複数の故障発生機器それぞれの故障発生までの無故障期間を推定累計印刷枚数に変換する変換部と、を更に備え、
前記算出部は、変換された前記推定累計印刷枚数それぞれを用いて、前記故障発生確率を算出することを特徴とする請求項3に記載の故障予測装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生時点情報及び前記機器識別情報に対応する前記設置時点情報を用いて前記複数の故障発生機器それぞれの前記無故障期間を算出し、前記複数の故障発生機器それぞれの前記機器識別情報に対応する前記設置時点情報及び前記通知時点情報を用いて前記複数の故障発生機器それぞれの累計印刷枚数通知時までの累計印刷時設置期間を累計印刷枚数通知時毎に算出し、算出した前記累計印刷時設置期間それぞれ及び前記累計印刷枚数それぞれを用いて前記複数の故障発生機器それぞれの変換基準を算出し、算出した前記変換基準それぞれを用いて前記無故障期間それぞれを前記推定累計印刷枚数に変換し、
前記算出部は、変換された前記推定累計印刷枚数それぞれを用いて、累計印刷枚数に対する累積故障発生確率を算出し、
前記予測部は、前記故障予測対象機器の前記累計印刷枚数を前記累積故障発生確率に適用して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項5に記載の故障予測装置。
【請求項7】
前記管理対象機器の前記機器識別情報及び前記累計印刷枚数の通知を受け付け、通知時点を前記通知時点情報とし、受け付けた前記累計印刷枚数とともに、受け付けた前記機器識別情報と一致する前記累計印刷情報記憶部の前記機器識別情報に対応付けて登録する累計印刷情報登録部を更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の故障予測装置。
【請求項8】
前記予測部の故障予測結果に基づく通知を保守担当者端末に行う通知部を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の故障予測装置。
【請求項9】
前記通知部は、前記故障予測結果に応じた通知内容で通知を行うことを特徴とする請求項8に記載の故障予測装置。
【請求項10】
前記管理対象機器情報記憶部は、更に、前記複数の管理対象機器それぞれの前記機器識別情報毎に、当該管理対象機器の機種を示す機種情報を対応付けて記憶し、
前記故障発生機器情報記憶部は、更に、前記複数の故障発生機器それぞれの前記機器識別情報毎に、当該故障発生機器の機種情報を対応付けて記憶し、
前記算出部は、更に前記複数の故障発生機器それぞれの前記機種情報に基づいて、前記故障発生確率を機種毎に算出し、
前記予測部は、前記故障予測対象機器の前記機種情報が示す機種の前記故障発生確率を参照して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項2〜9のいずれか1つに記載の故障予測装置。
【請求項11】
前記故障発生機器情報記憶部は、更に、前記複数の故障発生機器それぞれの前記機器識別情報毎に、当該故障発生機器の故障種別を示す故障種別情報を対応付けて記憶し、
前記算出部は、更に前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障種別情報に基づいて、前記故障発生確率を故障種別毎に算出し、
前記予測部は、予測対象の故障種別の前記故障発生確率を参照して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項2〜10のいずれか1つに記載の故障予測装置。
【請求項12】
前記故障発生機器の前記機器識別情報及び前記故障発生情報の入力を受け付け、受け付けた前記機器識別情報及び前記故障発生情報を対応付けて前記故障発生機器情報記憶部に登録する故障発生機器情報登録部を更に備え、
前記算出部は、前記故障発生確率を定期的に算出することを特徴とする請求項2〜11のいずれか1つに記載の故障予測装置。
【請求項13】
前記管理対象機器は、画像形成装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の故障予測装置。
【請求項14】
算出部が、複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する故障発生機器情報記憶部から前記故障発生情報を取得し、前記故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する算出ステップと、
予測部が、前記故障発生確率を参照して、前記複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する予測ステップと、
を含むことを特徴とする故障予測方法。
【請求項15】
前記算出ステップでは、複数の故障発生機器それぞれの機器識別情報毎に前記故障発生情報を対応付けて記憶する前記故障発生機器情報記憶部から、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生情報及び前記機器識別情報を取得し、前記複数の管理対象機器それぞれを識別する機器識別情報毎に当該管理対象機器の設置情報を対応付けて記憶する管理対象機器情報記憶部から、前記機器識別情報それぞれに対応する前記設置情報を取得し、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生情報及び前記機器識別情報に対応する前記設置情報に基づいて、前記故障発生確率を算出することを特徴とする請求項14に記載の故障予測方法。
【請求項16】
前記故障発生情報は、故障発生時点を示す故障発生時点情報を含み、
前記設置情報は、設置時点を示す設置時点情報を含む、ことを特徴とする請求項15に記載の故障予測方法。
【請求項17】
前記算出ステップでは、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生時点情報及び前記機器識別情報に対応する前記設置時点情報を用いて前記複数の故障発生機器それぞれの故障発生までの無故障期間を算出し、算出した前記無故障期間それぞれを用いて、設置期間に対する累積故障発生確率を算出し、
前記予測ステップでは、前記故障予測対象機器の前記設置時点情報から前記故障予測対象機器の故障予測時点における故障予測対象機器設置期間を算出し、算出した前記故障予測対象機器設置期間を前記累積故障発生確率に適用して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項16に記載の故障予測方法。
【請求項18】
前記管理対象機器は、画像形成装置であり、
変換部が、前記複数の管理対象機器それぞれの前記機器識別情報毎に、累計印刷枚数及び前記累計印刷枚数の通知時点を示す通知時点情報を対応付けて記憶する累計印刷情報記憶部から前記累計印刷枚数、及び前記通知時点情報を取得し、前記複数の管理対象機器それぞれの前記設置時点情報、前記累計印刷枚数、及び前記通知時点情報を用いて、前記複数の故障発生機器それぞれの故障発生までの無故障期間を推定累計印刷枚数に変換する変換ステップを更に含み、
前記算出ステップでは、変換された前記推定累計印刷枚数それぞれを用いて、前記故障発生確率を算出することを特徴とする請求項16に記載の故障予測方法。
【請求項19】
前記変換ステップでは、前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障発生時点情報及び前記機器識別情報に対応する前記設置時点情報を用いて前記複数の故障発生機器それぞれの前記無故障期間を算出し、前記複数の故障発生機器それぞれの前記機器識別情報に対応する前記設置時点情報及び前記通知時点情報を用いて前記複数の故障発生機器それぞれの累計印刷枚数通知時までの累計印刷時設置期間を累計印刷枚数通知時毎に算出し、算出した前記累計印刷時設置期間それぞれ及び前記累計印刷枚数それぞれを用いて前記複数の故障発生機器それぞれの変換基準を算出し、算出した前記変換基準それぞれを用いて前記無故障期間それぞれを前記推定累計印刷枚数に変換し、
前記算出ステップでは、変換された前記推定累計印刷枚数それぞれを用いて、累計印刷枚数に対する累積故障発生確率を算出し、
前記予測ステップでは、前記故障予測対象機器の前記累計印刷枚数を前記累積故障発生確率に適用して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項18に記載の故障予測方法。
【請求項20】
累計印刷情報登録部が、前記管理対象機器の前記機器識別情報及び前記累計印刷枚数の通知を受け付け、通知時点を前記通知時点情報とし、受け付けた前記累計印刷枚数とともに、受け付けた前記機器識別情報と一致する前記累計印刷情報記憶部の前記機器識別情報に対応付けて登録する累計印刷情報登録ステップを更に含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の故障予測方法。
【請求項21】
通知部が、前記予測ステップの故障予測結果に基づく通知を保守担当者端末に行う通知ステップを更に含むことを特徴とする請求項14〜20のいずれか1つに記載の故障予測方法。
【請求項22】
前記通知ステップでは、前記故障予測結果に応じた通知内容で通知を行うことを特徴とする請求項21に記載の故障予測方法。
【請求項23】
前記管理対象機器情報記憶部は、更に、前記複数の管理対象機器それぞれの前記機器識別情報毎に、当該管理対象機器の機種を示す機種情報を対応付けて記憶し、
前記故障発生機器情報記憶部は、更に、前記複数の故障発生機器それぞれの前記機器識別情報毎に、当該故障発生機器の機種情報を対応付けて記憶し、
前記算出ステップでは、更に前記複数の故障発生機器それぞれの前記機種情報に基づいて、前記故障発生確率を機種毎に算出し、
前記予測ステップでは、前記故障予測対象機器の前記機種情報が示す機種の前記故障発生確率を参照して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項15〜22のいずれか1つに記載の故障予測方法。
【請求項24】
前記故障発生機器情報記憶部は、更に、前記複数の故障発生機器それぞれの前記機器識別情報毎に、当該故障発生機器の故障種別を示す故障種別情報を対応付けて記憶し、
前記算出ステップでは、更に前記複数の故障発生機器それぞれの前記故障種別情報に基づいて、前記故障発生確率を故障種別毎に算出し、
前記予測ステップでは、予測対象の故障種別の前記故障発生確率を参照して、前記故障予測対象機器の故障を予測することを特徴とする請求項15〜23のいずれか1つに記載の故障予測方法。
【請求項25】
故障発生機器情報登録部が、前記故障発生機器の前記機器識別情報及び前記故障発生情報の入力を受け付け、受け付けた前記機器識別情報及び前記故障発生情報を対応付けて前記故障発生機器情報記憶部に登録する故障発生機器情報登録ステップを更に備え、
前記算出ステップでは、前記故障発生確率を定期的に算出することを特徴とする請求項15〜24のいずれか1つに記載の故障予測方法。
【請求項26】
前記管理対象機器は、画像形成装置であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載の故障予測方法。
【請求項27】
故障予測装置と保守担当者端末とを備える故障予測システムであって、
前記故障予測装置は、
複数の管理対象機器のうちの故障が発生した故障発生機器の故障発生情報を記憶する故障発生機器情報記憶部と、
前記故障発生情報に基づいて、故障発生確率を算出する算出部と、
前記故障発生確率を参照して、前記複数の管理対象機器のうちの故障予測対象機器の故障を予測する予測部と、
前記予測部の故障予測結果に基づく通知を行う通知部と、を備え、
前記保守担当者端末は、
前記通知を受け付ける受付部と、
受け付けられた前記通知を表示部に表示する表示制御部と、を備えることを特徴とする故障予測システム。
【請求項28】
請求項14〜26のいずれか1つに記載の故障予測方法をコンピュータに実行させるための故障予測プログラム。
【請求項29】
請求項28に記載の故障予測プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−182671(P2012−182671A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44337(P2011−44337)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】