説明

故障検知装置

【課題】複数の部品が同時に動作している場合であっても、故障を検知するための特別な動作を実行させることなく故障検知を行うことができる故障検知装置を提供する。
【解決手段】複数の駆動ドライバを介して、予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて各駆動機構のON/OFF制御を実行し、前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に前記複数の駆動ドライバの駆動電流の総和を検出すると共に、前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの駆動電流の総和の経時変化を示す正常電流波形を前記動作パターン毎に予め電流値記憶部162に記憶しておき、電流値検出部160で検出された駆動電流の経時変化を示す検出電流波形と前記動作パターンに応じた正常電流波形とを比較し、検出電流波形と正常電流波形とが異なる場合に前記駆動機構に故障が発生していると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動電流の供給により駆動される機械系駆動機構の故障検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動電流が供給されることにより駆動される機械系駆動機構として、モータ、ソレノイド、クラッチ、冷却用ファン等があり、これらの駆動機構は画像形成装置や複合機等に複数設けられている。
【0003】
これらの駆動機構に故障が発生した場合、良好な処理が行えない、という不具合が生じるため、装置に備えられた各部品の故障を検知することが必要である。
【0004】
従来、故障を検知する方法としては、CPUからの命令によりポリゴンモータ、ソレノイド、およびクラッチをそれぞれ単体で駆動させて、各ドライバやモータなどの駆動機構に供給される電流を、抵抗の両端の電位差により検知し、CPUにおいて検知された電流値をモニタし、入力された電圧値に基づき、ポリゴンモータ、ソレノイド、およびクラッチの故障診断を行なうことが提案されています(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、コンピュータメモリに、ある特定の部品が適正に機能していることを示す基準電流を保存しておき、その特定の部品のみが電流を消費している間に、特定の部品を含む画像形成装置に供給されている電流を読みとって、読みとった電流値とメモリに記憶している基準電流を比較して、基準電流と一致しているか否かによって部品の故障検知を行うことも提案されています(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2001−228056公報
【特許文献2】特開2003−228419公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の技術によれば、各部品の電流を測定するためには、各部品を1つ1つ動作させる必要があり、特定の検査モードや故障診断モードを実施しなければならない、という問題点があった。
【0007】
また、各部品を1つ1つ動作させるためには、非常に多くの時間がかかってしまい、ユーザが画像形成装置を使用できない時間(ダウンタイム)が長くなってしまう、という問題点もあった。
【0008】
また、特許文献2記載の技術では、ユーザの装置使用中に故障検知を行えるので、故障検知のためのダウンタイムは生じないものの、特定(1つ)の部品のみが動作している状態がない限り故障検知を行うことができないので、画像形成装置のように、スタートボタンを押して直ちに複数の部品がほとんど同時に動作を行う装置においては故障検知がほとんど行えない、という問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、複数の部品が同時に動作している場合であっても、故障を検知するための特別な動作を実行させることなく故障検知を行うことができる故障検知装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、複数の駆動機構の駆動電流に基づいて故障の発生を検知する故障検知装置であって、駆動している駆動機構の駆動電流の総和に基づいて故障が発生しているか否かを判定することを特徴としている。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、駆動している各駆動機構の駆動電流の総和に基づいて故障が発生しているか否かを判定するので、複数の部品が同時に動作している場合であっても、故障を検知するための特別なモードや動作状態での動作を実行させることなく故障検知を行うことができる。
【0012】
請求項2の発明は、複数の駆動機構を駆動させるための複数の駆動ドライバと、各駆動ドライバを介して各駆動機構に電力を供給する電源と、予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて前記各駆動ドライバを介した各駆動機構のON/OFF制御を実行する制御手段と、前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に前記複数の駆動ドライバの駆動電流の総和を検出するための駆動電流検出手段と、前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの駆動電流の総和の経時変化を示す正常駆動電流波形が前記動作パターン毎に予め記憶された記憶手段と、前記駆動電流検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形と前記制御手段による前記動作パターンに応じた正常駆動電流波形とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記検出駆動電流波形と前記正常駆動電流波形とが異なる場合に前記駆動機構に故障が発生していると判定する判定手段と、を備えている。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、複数の駆動ドライバを介してそれぞれ電源から電力が供給されることにより複数の駆動機構が駆動され、各駆動機構の駆動は、前記各駆動ドライバを介して制御手段により選択された予め設定された複数の動作パターンの何れかに応じて制御される。
【0014】
ここで、請求項2記載の発明では、前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に複数の駆動ドライバにおける駆動電流の総和が駆動電流検出手段により検出されると共に、前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの駆動電流の総和の経時変化を示す正常駆動電流波形が前記動作パターン毎に予め記憶手段に記憶されており、前記駆動電流検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形と前記制御手段による前記動作パターンに応じた正常駆動電流波形とが比較手段により比較され、前記検出駆動電流波形と前記正常駆動電流波形とが異なる場合に判定手段により前記駆動機構に故障が発生していると判定される。
【0015】
すなわち、検出駆動電流波形と正常駆動電流波形とを比較した場合、各部位が正常に駆動していれば両者はほぼ一致するが、何れかの部位に故障が発生していた場合、両者は異なることになり、故障を検知するための特別な動作を実行させることなく故障検知を行うことができる。
【0016】
また、検出駆動電流波形と比較する正常駆動電流波形は、検出駆動電流波形の検出時の動作パターン毎にそれぞれ予め記憶されており、検出駆動電流波形の検出時の動作パターンに応じた正常駆動電流波形と比較するので、複数の部品が同時に動作している場合であっても、故障を検知するための特別な動作を実行させることなく容易に故障検知を行うことができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2記載の発明において、記憶手段には、前記正常駆動電流波形が前記動作パターンに応じた各駆動機構をON/OFFするタイミングで区分された検知期間毎にそれぞれ予め記憶され、前記比較手段は、前記検知期間毎に前記比較を行い、前記判定手段は、前記検知期間毎に前記判定を行うことを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、各駆動機構の駆動をON/OFFさせるタイミングで検出駆動電流波形が大きく変化することに着目し、当該タイミングで区分された検知期間毎に区切って故障検知を実行することにより、単純に単位期間毎に検知期間を設定する場合と比較して各駆動機構の駆動電流の変化等に着目して故障検知を精度よく行える。また、動作パターンに基づく制御の開始から終了までを検知期間とする場合と比較して、一時記憶容量や比較処理の処理負荷等を低減させることができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3記載の発明において、記憶手段には、前記各駆動機構毎の駆動電流の経時変化をそれぞれ示した複数の正常駆動電流波形が予め記憶され、前記比較手段は、前記各駆動機構毎の正常駆動電流波形の総和と前記検出駆動電流波形とを比較し、前記判定手段により故障が発生していると判定された場合に、前記検出駆動電流波形と前記各駆動機構毎の正常駆動電流波形の総和との差の絶対値に最も近い正常駆動電流波形の駆動機構を、故障が発生している駆動機構として特定する特定手段を更に備えたことを特徴としている。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、各駆動機構毎の正常駆動電流波形についても予め記憶しておき、故障が発生している個所について特定するようにしているので、故障発生個所の特定についても当該装置により実行可能となり、オペレータ等による処理の負担を軽減させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、複数の駆動機構を駆動させるための複数の駆動ドライバと、各駆動ドライバを介して各駆動機構に電力を供給する電源と、予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて前記各駆動ドライバを介して各駆動機構のON/OFFを制御する制御手段と、前記複数の駆動ドライバにおける駆動電流の総和を検出するための駆動電流検出手段と、前記動作パターンに応じた各駆動機構をON/OFFするタイミングで区分された検知期間毎に予め導出された前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの前記各駆動機構の駆動電流の経時変化を示す複数の正常駆動電流波形の総和に対する各正常駆動電流波形の相互相関係数が、各動作パターン毎にそれぞれ予め記憶された記憶手段と、前記検知期間毎に、前記検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形に対する前記各正常駆動電流の相互相関係数をそれぞれ導出する導出手段と、前記導出手段により導出された相互相関係数と導出に用いた駆動電流の検出時の動作パターン及び検知期間に応じた前記相互相関係数とをそれぞれ比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、各前記相互相関係数が異なっていた駆動機構を、故障が発生している駆動機構であると判定する判定手段と、を備えている。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、複数の駆動ドライバを介してそれぞれ電源から電力が供給されることにより複数の駆動機構が駆動され、各駆動機構の駆動は、前記各駆動ドライバを介して制御手段により選択された予め設定された複数の動作パターンの何れかに応じて制御される。
【0023】
ここで、請求項5記載の発明では、前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に複数の駆動ドライバにおける駆動電流の総和が駆動電流検出手段により検出されると共に、前記動作パターンに応じた各駆動機構をON/OFFするタイミングで区分された検知期間毎に予め導出された前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの前記各駆動機構の駆動電流の経時変化を示す複数の正常駆動電流波形の総和に対する各正常駆動電流波形の相互相関係数が、各動作パターン毎にそれぞれ予め記憶されており、検知期間毎に、前記検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形に対する前記各正常駆動電流の相互相関係数がそれぞれ導出手段により導出され、導出された相互相関係数と導出に用いた駆動電流の検出時の動作パターン及び検知期間に応じた前記相互相関係数とがそれぞれ比較手段により比較されて、判定手段により、比較の結果、各前記相互相関係数が異なっていた駆動機構が、故障が発生している駆動機構であると判定される。
【0024】
各駆動機構毎の相互相関係数は、各駆動機構の駆動電流波形の総和の変化量に対する各駆動機構の駆動電流の変化量の相関を示すものであり、何れかの部位に故障が発生した場合、検出駆動電流と故障している駆動機構の正常駆動電流との相互相関係数と、正常駆動電流と故障している駆動機構の正常駆動電流との相互相関係数との間には、差が生じることになる。なお、正常な駆動機構に関しては、両者に顕著な差は生じない。
【発明の効果】
【0025】
以上説明した如く本発明は、複数の駆動機構を駆動させるための複数の駆動ドライバを介して各駆動機構に電力を供給し、予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて前記各駆動ドライバを介して各駆動機構のON/OFF制御を実行し、前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に前記複数の駆動ドライバの駆動電流の総和を検出すると共に、前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの駆動電流の総和の経時変化を示す正常駆動電流波形を前記動作パターン毎に予め記憶しておき、前記駆動電流検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形と前記動作パターンに応じた正常駆動電流波形とを比較し、比較の結果、前記検出駆動電流波形と前記正常駆動電流波形とが異なる場合に前記駆動機構に故障が発生していると判定するようにしているので、複数の部品が同時に動作している場合であっても、故障を検知するための特別な動作を実行させることなく故障検知を行うことができる故障検知装置を提供することができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成が概略的に示されている。なお、本実施の形態では、画像形成装置に本発明を適用した形態について説明する。
【0027】
同図に示されるように、画像形成装置10は、用紙を搬送する搬送部12と、画像を形成する画像形成部14と、により構成されている。搬送部12には給紙トレイ20が備えられており、画像を形成する記録媒体としての用紙が積み重ねられて格納される。給紙トレイ20に積み重ねられた用紙の上面側には、ピックアップロール22及び給紙ロール26が設けられている。当該ピックアップロール22はナジャーソレノイド24の動作により用紙に当接又は離間されると共に回転可能に構成されている。また、給紙ロール26も回転可能となっており、ピックアップロール22が用紙に当接された状態で回転されると、用紙が1枚給紙トレイ20から持ち出される。持ち出された用紙の先端が給紙ロール26に到達すると、給紙ロール26の回転により用紙は画像形成部14への搬送経路上に給紙される。
【0028】
給紙ロール26の用紙の給紙方向下流側には、用紙検出センサ30が設けられており、給紙ロール26の下流側における用紙の有無が検出される。また、当該用紙検出センサ30の下流側には、複数の搬送ロール28が用紙の搬送経路に沿って配設されている。なお、用紙検出センサ30による用紙の検出信号は、搬送ロール28の回転制御のトリガとして用いられる。
【0029】
さらに、用紙の搬送経路上の画像形成部14近傍の所定位置には、当該位置における用紙の有無を検出する用紙検出センサ32が配設されており、その下流側には、レジループソレノイド34及びツメ36が配設されている。ツメ36は、レジゲートソレノイド38の動作により用紙の搬送系路上に押し出され或いは搬送経路から引き込められるようになっており、ツメ36が搬送系路上に押し出されることで搬送系路上を搬送されてきた用紙の先端を一旦停止させて搬送タイミングを調節する。レジループソレノイド34は、ツメ36により搬送が停止された用紙が搬送経路から離脱しないようにループを形成させる。
【0030】
なお、用紙検出センサ32による用紙の検出信号は、レジループソレノイド34及びレジゲートソレノイド38の制御のトリガとして用いられる。
【0031】
一方、画像形成部14には、円筒状の感光体ドラム50が備えられており、感光体ドラム50の周面には、クリーナロール52、ランプ54、帯電器56、レーザ露光装置58、現像ロール60及び転写ロール62がそれぞれ順に配設されており、感光体ドラム50は軸心が固定されて回転されて表面が各部位に順次対向されるようになっている。
【0032】
クリーナロール52は、感光体ドラム50の表面に付着したトナー等を吸着して除去し、ランプ54は感光体ドラム50表面を除電する。また、帯電器56は感光体ドラム50表面を一様な電位に帯電する。
【0033】
レーザ露光装置58は、一様に帯電された感光体ドラム50表面に画像形成の対象となる画像データに基いてレーザ光を照射することにより感光体ドラム50の表面に静電潜像を形成する。また、現像ロール60には、周面にトナーが均一に付着されて回転されるようになっており、感光体ドラム50の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー像を形成する。転写ロール62は、感光体ドラム50に搬送されてきた用紙を密着させ、感光体ドラム50の表面のトナー像を用紙に転写させる。
【0034】
用紙の搬送経路には、感光体ドラム50及び転写ロール62の下流側に定着ロール64が設けられている。定着ロール64は、加熱ロールと押圧ロールとにより構成されており、これら2つのロールでトナーが転写された用紙を挟持搬送しながら用紙表面のトナーを溶融・圧着して用紙に定着させる。
【0035】
定着ロール64の搬送方向下流側には排出ロール70が設けられており、当該排出ロール70により画像が形成された用紙が搬送されて排出トレイ16上に排出される。
【0036】
図2には、本実施の形態に係る画像形成装置の各部位を駆動するための駆動系を中心としたブロック図が示されている。
【0037】
同図に示されるように、画像形成装置10は、全体の動作を制御する制御部100と、上述した各種ロール及びドラム等を回転駆動するための駆動源としてのフィードモータ140、プレレジモータ142、ドラムモータ144及びメインモータ146と、各モータを駆動させるためのフィードモータドライバ110、プレレジモータドライバ112、ドラムモータドライバ114及びメインモータドライバと、を含んで構成されている。各モータは、それぞれ対応するモータドライバを介して制御部100に接続されており、各モータドライバは、制御部100による指示に応じた駆動状態となるように各モータを駆動させる。
【0038】
フィードモータ140の駆動力はピックアップロール22及び給紙ロール26に、プレレジモータ142の駆動力は搬送ロール28Aに、ドラムモータ144の駆動力は感光体ドラム50、クリーナロール52、搬送ロール28B及び転写ロール62に、メインモータ146の駆動力は現像ロール60、定着ロール64及び排出ロール70に、それぞれ伝達されて各ロール及びドラム等を回転させる。
【0039】
また、同図に示されるように、画像形成装置10は、上述したナジャーソレノイド24、レジループソレノイド34及びレジゲートソレノイド38をそれぞれ動作させるためのナジャーソレノイドドライバ118、レジループソレノイドドライバ120及びレジゲートソレノイドドライバ122を含んで構成されており、各ソレノイドドライバは制御部100に接続されている。各ソレノイドドライバは、制御部100による指示に応じて各ソレノイドを動作させる。
【0040】
さらに、画像形成装置10は、直流電源102を含んで構成されており、直流電力を必要とする各モータドライバ及び各ソレノイドドライバに直流電力が供給されるようになっている。
【0041】
ところで、本実施の形態では、上記各ドライバを流れた電流値を検出するための電流値検出部160と、各ドライバが正常に動作している場合に電流値検出部160において検出されるべき電流値が予め記憶された電流値記憶部162と、が設けられており、それぞれ制御部100に接続されている。なお、上記電流値検出部160は、電流値検出のための抵抗や比較器、A/Dコンバータ等を含んで構成されている(図6の電流検知回路と同様)。
【0042】
制御部100では、入力された検出電流値と記憶された電流値とを比較することにより各ドライバにより駆動される部位に故障が発生しているか否かを判定する故障検知処理が実行される。
【0043】
ここで、図3には、各部位が正常に動作している場合に電流値検出部160において検出されるべき電流値(以下、「正常電流値」という)が電流値記憶部162に記憶された状態が模式的に示されている。正常電流値は一般的に時間経過に伴い変化するものであるので、本実施の形態では、縦軸を正常電流値、横軸を時間として正常電流値の推移をプロットして得られる正常電流波形として記憶している。
【0044】
また、正常電流波形は、用紙サイズや給紙トレイの位置、片面印刷か両面印刷か、及び印刷枚数等の諸条件によって異なってくるので、本実施の形態では、画像形成装置10の動作状態や動作条件等に応じたパターン(1〜n)毎にそれぞれ各部位の正常電流波形を記憶している。
【0045】
さらに、本実施の形態に係る制御部100では、何れかの部位がON/OFFする毎に電流を比較して故障検知するようにしており、各パターンにおいて各部位がON/OFFされるタイミング(A〜J)で区切った検知期間毎に正常電流波形を記憶している。
【0046】
図4には、電流値記憶部162に記憶されている正常電流波形の一例がタイムチャートとして示されている。なお、同図に示す例は、用紙サイズがA4であり、給紙トレイ20から給紙し、片面印刷を行う場合(図3におけるパターン1)の各部位の正常電流波形である。また、同図に示すA〜Jは各部位のON/OFFのタイミングであり、図3のA〜Jに相当する。
【0047】
同図に示される各部位の正常電流波形を合成したものが全電流の正常電流波形であり、各部位が正常に動作している場合、検出電流波形は同図の「全電流」に示されるような波形となる。
【0048】
制御部100では、故障が発生している場合には、入力された検出電流値と読み出した正常電流値との差の絶対値を各部位の正常電流値と比較して、最も近い正常電流値の部位を故障した部位として特定する。
【0049】
図6は、参考として正常電流波形の取り込みを行うための回路構成の一例を示すものである。同図に示されるように、直流電源300から供給されてモータドライバ回路302やソレノイドドライバ回路304を通る電流が電流検知回路306を介してコントロール回路308に取り込まれる。このような構成の回路において各部位を単独で動作させることにより、各部位の正常電流波形が測定される。
【0050】
なお、電流検知回路306は、負荷抵抗器310、オペアンプ312及びA/Dコンバータ314等を含んで構成されており、電流検知回路では、オペアンプ312により負荷抵抗器310の両端の電位差に応じた電流値がA/Dコンバータ314に入力され、A/Dコンバータ314を介してデジタル化される。
【0051】
例えば、ナジャーソレノイドの正常電流波形を取り込む場合は、ONからOFFまでの間にプレレジモータがONしているので、A−B、B−Cの2つに分割する。したがって、ナジャーソレノイドONから100msの電流波形を期間A−Bのナジャーソレノイドの正常電流波形としてメモリ等に格納する。次に、ナジャーソレノイドON後100ms時点から80msの電流波形を期間C−Dのナジャーソレノイドの正常電流波形としてメモリ等に格納する。
【0052】
また、フィードモータの正常電流波形を取り込む場合は、ONからOFFまでの間に、プレレジモータONと、ナジャーソレノイドOFFがあるので3分割する。フィードモータONから100msをフィードモータA−Bとしてメモリに格納する。フィードモータON後100ms時点から80msの電流波形を期間B−Cのフィードモータの正常電流波形としてメモリ等に格納する。フィードモータON後180ms時点から180msの電流波形を期間C−Dのフィードモータの正常電流波形としてメモリ等に格納する。
【0053】
他の部品も同様にして、図4に示す分割単位で電流波形をメモリの格納しておく。
【0054】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0055】
本実施の形態に係る画像形成装置10において画像形成指示が入力されると、用紙を送りためのナジャーソレノイド、フィードモータをONして作動し、給紙トレイ20から用紙を搬送経路上に送り出す。このとき、ドラムモータとメインモータも同時にONして画像の形成を開始し、これにより感光体ドラム50に対して画像形成指示の対象となる画像データに基づく露光、現像等のゼログラフィーのプロセスが実行される。
【0056】
用紙が給紙ロールを通過するとプレレジモータ、レジループソレノイド、レジゲイトソレノイド等を順次ONし作動させる。
【0057】
図5は、画像形成指示が入力された場合に制御部100により実行される故障検知処理の流れを示すフローチャートであり、以下、同図を参照して本実施の形態に係る故障検知処理について説明する。
【0058】
まず、ステップ200では、検知期間を設定し、次のステップ202で検知期間のカウントを開始し、その後にステップ204に移行して検出電流値を取得する。
【0059】
上記検知期間の設定は、画像形成指示に応じた用紙サイズや印刷条件に基づくパターン(パターン1〜パターンn)と、現在の検知期間に応じて設定され、例えば、パターン1の期間B−Cであれば80ms(図4参照)が設定される。
【0060】
また、全電流は、各部位のドライバを通過した電流線路に電流センサーを設置して検知することができる。この電流の検知には、抵抗を使ってもよいが、抵抗では電圧ドロップが生じ部品の動作に支障を来す場合は、電圧ドロップがないホール素子使っても良い。
【0061】
また、電流の取り込みは、通常A/Dコンバータでデジタル化されコントローラに取り込まれ(例えば、図6参照)、このA/Dコンバータのサンプリング周波数は、正常電流波形の取り込みと同じサンプリング周波数が望ましい。
【0062】
次のステップ206では、設定された検知期間が経過したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ204に戻る。一方、ステップ206で肯定判定となった場合は、検知期間の検出電流値を全て取得したものと判断してステップ208に移行し、全電流の検出電流波形を生成する。なお、検出電流波形の生成は、正常電流波形と同様、縦軸に検出電流値、横軸に時間をとることにより生成される。
【0063】
次のステップ210では、検出電流波形から各部位の正常電流波形が減算される。例えば、期間A−Bの検出電流波形から、同じく期間A−Bのナジャーソレノイド、フィードモータ、ドラムモータ、メインモータの正常電流波形を減算する。もし、この検知期間において各部品が正常に動作していれば、期間A−Bの検出電流波形は、期間A−Bのナジャーソレノイド、フィードモータ、ドラムモータ、メインモータの正常電流波形の合算に等しいので、減算結果は電流値=0の波形になる。つまり、減算結果によって部品に故障が生じているかどうかがわかる。
【0064】
例えば、フィードモータドライバの駆動回路が断線していると仮定すると、画像形成装置10を動作させたときの全電流は、A−B、B−C、C−D区間でフィードモータを単体で動作させたときの電流波形分だけ少なくなる。
【0065】
なお、電流波形の減算は、正常電流波形のサンプル数単位で行っても良いし、予め電流を波形を分割区間単位で平均したり、二乗平均したりした値を用いても良い。平均値や、二乗平均値を用いる場合は、波形取り込みの段階で電流波形を平均値や二乗平均値として取り込んでも良い。平均値や二乗平均値として取り込んだ場合、波形をそのまま取り込むより、メモリを消費しないメリットがある。
【0066】
次のステップ212では、減算の結果、電流値=0となったか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は各部位が正常に動作しているものと判断してステップ214に移行し、全検知期間の処理が終了したか否かを判定する。ステップ214で否定判定となった場合は再びステップ200に戻り、次の検知期間の処理を実行する。一方、ステップ214で肯定判定となった場合は、本故障検知処理を終了する。
【0067】
また、ステップ212で否定判定となった場合は、正常に動作していない部位が存在するものと判断してステップ216に移行し、減算後の波形と絶対値が最も近い正常電流波形の部位を故障が発生している部位として特定し、その後に本故障検知処理を終了する。
【0068】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、モータやソレノイド等、複数の駆動機構を駆動させるための複数の駆動ドライバを介して直流電源102により各駆動機構に電力を供給し、予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて前記各駆動ドライバを介して各駆動機構のON/OFF制御を実行し、前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に前記複数の駆動ドライバの駆動電流の総和を検出すると共に、前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの駆動電流の総和の経時変化を示す正常電流波形を前記動作パターン毎に予め電流値記憶部162に記憶しておき、電流値検出部160で検出された駆動電流の経時変化を示す検出電流波形と前記動作パターンに応じた正常電流波形とを比較し、比較の結果、検出電流波形と正常電流波形とが異なる場合に前記駆動機構に故障が発生していると判定するようにしているので、複数の部品が同時に動作している場合であっても、故障を検知するための特別な動作を実行させることなく故障検知を行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、各部位の制御状態に応じて各部位の駆動をON/OFFするタイミング(A〜J)で区分された検知期間毎に正常電流波形を予め記憶しておき、各検知期間毎に故障判定を行うようにしているので、各部位の駆動電流の変化等に着目して故障検知を精度よく行える。
【0070】
さらに、本実施の形態では、各駆動機構毎の正常駆動電流についても予め記憶しておき、故障が発生している個所について特定するようにしているので、故障発生個所の特定をオペレータが別途行わなくてもよい。
【0071】
なお、本実施の形態では、各部位の正常電流波形を予め記憶する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全電流の正常電流波形のみを記憶しておき、故障の発生の有無のみを検知する形態とすることもできる。
【0072】
また、本実施の形態では、故障検知処理についてのみ説明したが、当該故障検知処理により故障を検知した場合には、その旨を示す情報を報知するようにしてもよい。この報知を行うための報知手段としては、画像形成装置に操作パネル等を設けて当該操作パネルに表示するようにしてもよいし、ブザー等を設けて鳴動させてもよいし、スピーカ等を設けて音声を再生するようにしてもよい。また、別途通信手段等を設けて、駆動機構に故障が発生した旨を示す情報を装置外部の管理者やカスタマーセンター等の端末やコンピュータ等に出力するようにしてもよい。
【0073】
なお、本実施の形態では、検出結果そのものを用いて故障検知を行う形態について説明したが、検出結果に基づいて導出される全電流と各駆動機構の電流との相互相関係数を用いて故障検知を行うようにすることもできる。
【0074】
例えば、各駆動機構がそれぞれ正常に駆動している場合の前記各駆動機構の正常駆動電流波形の総和と前記各駆動機構の正常駆動電流波形との相互相関係数をそれぞれ予め記憶しておき、検出駆動電流波形と各正常駆動電流波形との相互相関係数をそれぞれ導出して、導出された相互相関係数と導出に用いた検出駆動電流波形の検出時の制御状態(パターン)に応じた相互相関係数とをそれぞれ比較し、両者が異なる駆動機構に故障が発生していると判定することができる。
【0075】
各駆動機構毎の相互相関係数は、各駆動機構の駆動電流の総和の変化量に対する各駆動機構の駆動電流の変化量の相関を示すものであり、何れかの部位に故障が発生した場合、検出駆動電流波形と故障している駆動機構の正常駆動電流波形との相互相関係数と、正常駆動電流波形と故障している駆動機構の正常駆動電流波形との相互相関係数との間には、差が生じることになる。なお、正常な駆動機構に関しては、両者に顕著な差は生じない。
【0076】
より具体的には、予め個々の各部品の電流波形を区間毎に全電流と相互相関係数を計算しておきその値をその区間の電流波形とともにメモリ等に格納しておく。調べたい区間の全電流と部品の波形の相互相関係数を計算し、その結果が予め格納している相互相関係数と異なれば、その部品が故障している判断できる。この相互相関係数は用いた場合、上記実施例のように検出結果そのものを用いて減算を行う場合より、若干、メモリ容量を多く消費するが、減算では部品の特定ができない過負荷時の過電流の場合も、どの故障が故障しているか検知可能となる。さらに、同じ区間で動作している部品が2個以上故障していても、どれとどれが故障しているか検知可能である。
【0077】
例えば、図4のA−B区間では、プレレジモータが動作しないが、仮にプレレジモータが故障により動作していない、と設定すると、相互相関係数は、それぞれ以下のようになる。
ナジャーソレノイド 0.66
フィードモータ 0.84
ドラムモータ 0.1059074
メインモータ 0.186037
プレレジモータ −0.04321231

これにより、プレレジモータの相関がほとんどないことがわかる。ナジャーソレノイド、フィードモータは比較的特徴的な波形なので大きな相互相関係数である。一方、ドラムモータ、メインモータと特徴がないので相互相関係数としては小さい。従って、予め正常な状態で相互相関係数を算出しておいて、その相互相関係数に対して小さいか否か等により故障検知が可能である。
【0078】
なお、本実施の形態における画像形成装置10の構成(図1乃至図4参照)及び処理の流れ(図5参照)は一例であり、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の各部位を駆動するための駆動系を中心としたブロック図である。
【図3】実施の形態に係る正常電流波形が電流値記憶部に記憶された状態を示す模式図である。
【図4】正常電流波形の一例を示すタイムチャートである。
【図5】実施の形態に係る故障検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】正常電流波形の取り込みを行うための回路構成の一例を示すものである。
【符号の説明】
【0080】
10 画像形成装置
20 給紙トレイ
22 ピックアップロール
24 ナジャーソレノイド
26 給紙ロール
28 搬送ロール
34 レジループソレノイド
38 レジゲートソレノイド
50 感光体ドラム
52 クリーナロール
60 現像ロール
62 転写ロール
64 定着ロール
70 排出ロール
100 制御部(制御手段、比較手段、判定手段、特定手段、導出手段)
102 直流電源(電源)
110 フィードモータドライバ(駆動ドライバ)
112 プレレジモータドライバ(駆動ドライバ)
114 ドラムモータドライバ(駆動ドライバ)
118 ナジャーソレノイドドライバ(駆動ドライバ)
120 レジループソレノイドドライバ(駆動ドライバ)
122 レジゲートソレノイドドライバ(駆動ドライバ)
140 フィードモータ(駆動機構)
142 プレレジモータ(駆動機構)
144 ドラムモータ(駆動機構)
146 メインモータ(駆動機構)
160 電流値検出部(駆動電流検出手段)
162 電流値記憶部(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動機構の駆動電流に基づいて故障の発生を検知する故障検知装置であって、
駆動している各駆動機構の駆動電流の総和に基づいて故障が発生しているか否かを判定することを特徴とする故障検知装置。
【請求項2】
複数の駆動機構を駆動させるための複数の駆動ドライバと、
各駆動ドライバを介して各駆動機構に電力を供給する電源と、
予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて前記各駆動ドライバを介した各駆動機構のON/OFF制御を実行する制御手段と、
前記制御手段による前記ON/OFF制御の実行時に前記複数の駆動ドライバの駆動電流の総和を検出するための駆動電流検出手段と、
前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの駆動電流の総和の経時変化を示す正常駆動電流波形が前記動作パターン毎に予め記憶された記憶手段と、
前記駆動電流検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形と前記制御手段による前記動作パターンに応じた正常駆動電流波形とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記検出駆動電流波形と前記正常駆動電流波形とが異なる場合に前記駆動機構に故障が発生していると判定する判定手段と、
を備えた故障検知装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、前記正常駆動電流波形が前記動作パターンに応じた各駆動機構をON/OFFするタイミングで区分された検知期間毎にそれぞれ予め記憶され、
前記比較手段は、前記検知期間毎に前記比較を行い、
前記判定手段は、前記検知期間毎に前記判定を行う
ことを特徴とする請求項2記載の故障検知装置。
【請求項4】
前記記憶手段には、前記各駆動機構毎の駆動電流の経時変化をそれぞれ示した複数の正常駆動電流波形が予め記憶され、
前記比較手段は、前記各駆動機構毎の正常駆動電流波形の総和と前記検出駆動電流波形とを比較し、
前記判定手段により故障が発生していると判定された場合に、前記検出駆動電流波形と前記各駆動機構毎の正常駆動電流波形の総和との差の絶対値に最も近い正常駆動電流波形の駆動機構を、故障が発生している駆動機構として特定する特定手段
を更に備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の故障検知装置。
【請求項5】
複数の駆動機構を駆動させるための複数の駆動ドライバと、
各駆動ドライバを介して各駆動機構に電力を供給する電源と、
予め設定された複数の動作パターンの何れかを選択し、選択した動作パターンに応じて前記各駆動ドライバを介して各駆動機構のON/OFFを制御する制御手段と、
前記複数の駆動ドライバにおける駆動電流の総和を検出するための駆動電流検出手段と、
前記動作パターンに応じた各駆動機構をON/OFFするタイミングで区分された検知期間毎に予め導出された前記複数の駆動機構がそれぞれ正常に駆動しているときの前記各駆動機構の駆動電流の経時変化を示す複数の正常駆動電流波形の総和に対する各正常駆動電流波形の相互相関係数が、各動作パターン毎にそれぞれ予め記憶された記憶手段と、
前記検知期間毎に、前記検出手段により検出された駆動電流の経時変化を示す検出駆動電流波形に対する前記各正常駆動電流の相互相関係数をそれぞれ導出する導出手段と、
前記導出手段により導出された相互相関係数と導出に用いた駆動電流の検出時の動作パターン及び検知期間に応じた前記相互相関係数とをそれぞれ比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、各前記相互相関係数が異なっていた駆動機構を、故障が発生している駆動機構であると判定する判定手段と、
を備えた故障検知装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−266844(P2006−266844A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84816(P2005−84816)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】