救命システム

【課題】心肺停止などで自動体外式除細動器を必要とする場面に遭遇した場合、短時間で経済的に救命措置を受けられる救命システムを目的としている。
【解決手段】自動体外式除細動器を搭載しない所望数の第一の乗用カート1bには、自動体外式除細動器による救命措置を要する場合に、救命支援要請信号に基づき、音声・表示(灯)等による第一の緊急信号発生手段7b、4bを設け、自動体外式除細動器を搭載する所望数の第二の乗用カート1aには、前記第一の乗用カートからの救命信号受信手段9aと、受信した救命信号に基づき、前記第一の乗用カートとは種類の異なる音声・表示(灯)等による第二の緊急信号発生手段7a、4aが設けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフ場内を移動用としてプレイヤーが使用する乗用カート車を用いた自動体外式除細動器による救命システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、自動体外式除細動器(AED:Automated External Defibrillator)を用いた人命救助が広く普及してきている。そもそもAEDとは、心室細動の際に機器が自動的に解析を行い、必要に応じて電気的なショック(除細動)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器である。これらAEDは、今までは医師の管理下でなければ使用できなかったものが、2003年になって、ようやく救急救命士に使用(医師の指示なく)が認められ、2004年7月からは一般市民も使えるようになり、空港や学校、球場、駅などの公共施設に設置され今日に至っている。
【0003】
また、AEDを必要とする場面には、元来心臓に疾患がある方は勿論のこと、日常生活の中でも突発的発作を起こすることから、AEDを必要とする場面も多くなっているのも事実のようである。日常のストレスや疲れなどもその要因の一つとして言われている。
【0004】
そして、AEDを用いた対処は早ければ早いほど、その後の回復と後遺症問題に対して大きな差が出ることも知られている。少し前の総務省消防庁の調査では、心肺停止の人にAEDを使った場合、1か月後の生存率は42.5%で、行わなかった場合の9.7%に比べ、4倍以上の高い救命効果を発揮するとの報告があり、また心室細動は、発生から1分ごとに救命率が7〜10%下がると言われ、4分を経過すると何らかの脳に対するダメージが発生するとも言われている。その一方で、日本の救急車が現場に到着する時刻は6分〜10分程度かかっていると言われており、AEDを使った人命救助は大変大きな活躍を期待されている。
【0005】
さて、一時期に比べてその人気はすたれたと言われているゴルフ娯楽も、若手男女のプロゴルフ人気により、個人の趣味や社交の場として楽しまれているスポーツとなっている。広いゴルフ場内を歩くと述べ数十キロとも言われる長いコースを、一緒にコースを回る仲間内の中での競技でありながらも、日常の疲れやストレスなどで、心身共にハードなスポーツでもある。
【0006】
各ホールを回るのには、最近では電動式の人員移動車(乗用カート車)の利用で、重たいゴルフバックを引きさげて長いコースを回ることも減っては来ているものの、突然の天候の変化や、また夏季や冬季の気温の急激な変化により、ゴルフを楽しむ人にとっても思わぬ事故や災害にも遭遇しかねないとの危険性を秘めたスポーツでもあるのが現状でもある。
【0007】
上述するように、AEDを必要とする場面は昨今のストレス社会においては、いかなる場面でも発症する危険性が高まっているのが現状である。そのために、最近では主要な施設や公共施設などにAEDが設置されていて、その取扱いの講習を受けた人であれば、自由に使うことができ緊急時に備えて人命の救助ができる環境が整ってきている。
【0008】
しかしながら、限られた地域や施設などで、特に大衆が少なくプライベートの環境としての娯楽、スポーツであるゴルフ場内においては、ゴルフを楽しむ人口以外には、AEDを必要とする場面に遭遇した場合の救護者としてなり得る人は、仲間内であったり、ゴルフ場のスタッフでしかその急患に対する人命救助ができないのが現状である。
【0009】
ゴルフ場内の殆どが広い大地であり、その場内にはクラブハウスと称する建物がそれこそ一軒程度しかなく、万一AEDを必要とする場面が発生した場合でも、コースの場所によっては、かなり遠くのクラブハウスまで救いを求めに走ることが必要となる。
【0010】
ただ、上述するように最近ではコースの移動には乗用カート車というガソリンエンジン式や電動式のゴルフ場内で使用する専用の人員移動車があるので、最悪時はこの乗用カート車に急患を載せてクラブハウスまで搬送することも可能であり、また乗用カート車そのものにAEDを搭載することもできので、万が一の不慮の事故が発生した場合でも何かしらの緊急対応ができる環境にはなりつつあるのも現状である。
【0011】
しかし、AEDとは自己に搭載する充電池により本体が動作し、また本体と人体とに電気的ショックを与えるのには専用のパッドを少なくとも2つ用意して、このパッドを介して人命救助の電気的信号(ショック)を与えるという、大変精密で緊急時の安定した動作に備えて、日常のAEDの保管や管理が大変難しい電子機器でもあることを忘れてはならない。
【0012】
特許文献1には、心停止を起こし、除細動器による救命措置を必要とする患者を救護する救護者の要請に応じて、近くに備え付けられた除細動器を特定した上、第三者を介して、当該特定した除細動器を迅速に救護者の元に供給する技術が記載されている。所定の場所に配置された自動体外式除細動器から救護者端末が発する現在位置情報に基づいて、届けようとすることが記載されている。
【0013】
特許文献2には電動ゴルフカートが記載され、特許文献3には、ゴルフカートの位置を自動的に認識するゴルフカートシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際特許WO2008−49467号公報
【特許文献2】特開2006−197751号公報
【特許文献3】特開2008−178677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1に記載される技術は、街中など、ナビゲーションシステムに基づき、患者の救護者の要請に基づく所在位置まで、固定の場所から届けるものである。しかし、基本的にゴルフカートに搭載された、AEDを速やかに届けるシステムであって、簡単な方法が望まれている。
心肺停止に対してAEDを使用する場合、5分以内であれば、救命率が高いとされている。ゴルフなど広いスペースでプレイ中のゴルファーが心肺停止を起こしたときに、クラブハウスなどに設置しておいたAEDを対象者の所在まで運ぶのでは時間がかかり過ぎる。
また、乗用カート全てにAEDを搭載すれば、迅速な救命措置が可能になるものの、AEDは高価な装置であり、全乗用カートに常備することは経済的に困難である。
【0016】
そこで本発明は、一部のカートにAEDを装備することで、プレー中の心肺停止を迅速に救命できる経済的な救命システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願発明に係る救命システムは、自動体外式除細動器を搭載しない所望数の第一の乗用カートと、自動体外式除細動器を搭載する所望数の第二の乗用カートからなり、前記第一の乗用カートは、自動体外式除細動器による救命措置を要する場合に、救命信号を発生させる緊急スイッチと、この緊急スイッチの押下に基づき、音声・表示(灯)のうち少なくとも一方を用いた警報による第一の緊急信号発生手段と、管理端末を介して、または直接前記第二の乗用カートに救命信号を送信する救命送信手段とを有し、前記第二の乗用カートには、前記第一の乗用カートからの救命信号を受信する救命信号受信手段と、受信した救命信号に基づき、前記第一の乗用カートとは種類の異なる音声・表示(灯)のうち少なくとも一方を用いた警報による第二の緊急信号発生手段が設けられてなる。
【0018】
また、前記第一の乗用カートには、さらに第一の現在位置情報取得手段が設けられ、前記救命送信手段による救命信号と同時に救命支援要請をする位置情報を付加して送信するとともに、前記第二の乗用カートにおける前記救命信号受信手段は、第一の乗用カートからの現在位置情報を表示する第二の位置情報認識手段を有してなる。
【0019】
前記第二の乗用カートには、さらに第二の現在位置情報取得手段が設けられるとともに、前記第一の乗用カートにおける救命信号に基づき、前記第二の乗用カートの現在位置を前記第一の常用カートに送信する送信手段を設け、さらに前記第一の乗用カートには、第二の乗用カートからの現在位置情報を表示する第一の位置情報認識手段を有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、近傍に位置するAED搭載車に簡単な手順で心肺停止の発生を通報することができ、これにより、迅速な救命措置の適用を実現できる。また、全カートにAEDを搭載する必要が無く、通報のために必要な手段は安価であることから、全体として経済的な救命システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明の一実施例を示す概念説明図である。
【図2】 本実施例の乗用カートの概念図である。
【図3】 本実施例の乗用カートの緊急スイッチ周辺の概念図である。
【図4】 本実施例における緊急時の通報システムの概念を示す図である。
【図5】 本実施例における第一の乗用カート、第二の乗用カートの種別を説明する図である。
【図6】 本実施例における各乗用カート車に搭載される位置情報認識手段により、ゴルフ場内での乗用カート車の位置を認識できる概念図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。本実施例を説明するにあたり、自動体外除細動器(2)を以降単にAED(2)と記載される場合がある。乗用カートにこのAED(2)を搭載しない場合、乗用カート(1b)、搭載する場合、乗用カート(1a)と付し、図2、図3、図6の説明中乗用カート、緊急スイッチを単に(1)、(6)と(1a、1b、6a、6bを区別せず)便宜的に表示している場合がある。
【実施例】
【0023】
先ず、図1に基づいて本実施例を説明する。乗用カートには、AED(2)を搭載しない所望数の第一の乗用カート(1b)と、AED(2)を搭載する所望数の第二の乗用カート(1a)とがゴルフ場を移動していく。そして、第一の乗用カート(1b)は、AED(2)による救命措置を要する場合に、救命支援要請信号を発するための緊急スイッチ(6b)が設けられ、救命支援要請信号を制御部(8b)伝達される。制御部(8b)は、緊急信号発生手段として、パトライト等の表示(灯)(4b)及びスピーカ(7b)を駆動して、警報を発するようになっている。
【0024】
一方、制御部(8b)は、救命送信手段として送受信装置(9b)を駆動し、管理棟の管理端末(16)と第二の乗用カート(1a)に救命信号を発するようになっている。第二の乗用カート(1a)に救命信号を発する場合、管理棟の管理端末(16)を経由して、発しても問題はない。
【0025】
前記第二の乗用カート(1a)には、前記第一の乗用カート(1b)からの救命信号受信手段による救命信号に基づき、救命信号受信手段として送受信装置(9a)を介して制御部(8a)に伝送される。制御部(8a)は、表示(灯)(4a)とスピーカ(7a)を駆動し、前記第一の乗用カート(1b)とは種類の異なる警報による緊急信号が発せられるようになっている。
【0026】
乗用カート(1a)、(1b)には、AED(2)の収納部(3a)、(3b)が設けられており、制御部(8a)、(8b)は、AED(2)の有無をAEDセンサ(2a)、(2b)の検知した信号により、乗用カートが、搭載されない場合、搭載された場合で、それぞれ第一の乗用カートか第二の乗用カートかを自動で判断している。
また、乗用カート(1b)には、自らの現在位置情報を受信する第一の現在位置情報取得手段(図中はGPSと記載)(10b)が、制御部(8b)に接続されており、この第一の現在位置情報取得手段(10b)により第一の乗用カート(1b)の救命信号と同時に救命支援要請をする位置情報を付加して送信する。前記第二の乗用カート(1a)は、第一の乗用カート(1b)からの現在位置情報を受信して、救命を要している第一の乗用カート(1b)の位置を第二の位置確認情報認識手段としてディスプレイ(11a)に表示されるようになっている。
【0027】
また、前記第二の乗用カート(1a)には、第二の現在位置情報取得手段(10a)が設けられるとともに、前記第一の乗用カート(1a)における前記救命信号に基づき、前記第二の乗用カート(1a)の現在位置を前記第一の常用カート(1b)に送信する。前記第一の乗用カート(1b)には、第二の乗用カート(1a)からの現在位置情報を受信し、第一の乗用カート(1b)の位置を第一の位置確認情報認識手段としてディスプレイ(11b)に表示されるようになっている。
【0028】
管理棟の管理端末(16)は、乗用カート(1a)、(1b)の情報を受け付ける送受信装置(13)が設けられ、制御部(12)を介してディスプレイ(14)に乗用カート(1a)、(1b)がゴルフ場内のどこにいるか地図情報と共に表示されるようになっている(図7参照)。
【0029】
図2〜図4については、さらに説明する。図2は実施例における乗用カート(1)の概念図で、主に一般的に使用されている形態で構成されている。例えば、ゴルフをプレイするに当たり通常人数構成である4人と、乗用カート(1)の運転とキャディーを兼ねるスタッフ1人の合計5人が搭乗できるようになっている。
【0030】
前輪(31)と後輪(32)のカバ−部にあたるカウル(33)と呼ばれるシャーシ(33a)とボディー(34)とから成り、運転用の各種操作部(図示しない)とハンドル(35)、及び搭乗者が座る椅子(36)とゴルフバックを載せるキャリー部(37)で構成させる。
【0031】
乗用カート(1)の動力は図示していないが、シャーシ(33a)内部の電動モータとその電源である蓄電池である。AED(2)はこの乗用カート(1)の一部に、断熱構造、防湿構造、耐震構造を備えたAED(2)収納容器(3:収納用部)がある。例えば図2中の椅子(36)の下部分などが有力である。
【0032】
例えば、断熱構造と防湿構造とは一例として発砲製の容器にアルミやスチールを処理したもので被うなどすればその効果は期待ができ、耐震構造としてはAED(2)を収納する箇所にダンパーとしてスプリングやバネあるいは緩衝材などを用いることで、乗用カート(1)の振動が直接AED(2)に伝わらないように施すものである。
【0033】
また、乗用カート(1)の外部視覚から認識できる場所には、表示灯(4)が設けてあり、乗用カート(1)にある緊急通報スイッチ(6)を押すことで連動して表示して周囲にその事態発生を知らせる緊急信号(5)が発せられるものである。表示と共に音声(ブザーやサイレン)も鳴らすと更に効果がある。また、同時にゴルフ場の管理施設(41)やまた周辺の他の乗用カート(1)にも通報がなされ、救援者を募ることができる。
【0034】
通報動作は、ゴルフ場内に設置される専用の通信手段(無線、有線)や、一般公衆回線、携帯電話通信網などが利用され、通報と同時に双方で会話もできることから、事故の発生を速やかにかつ、詳細に第三者に伝達することができるので、第三者を介して救急車への連絡依頼なども行うことができ、事故に遭われた人命救済の確立を高めることもできる。
【0035】
図3に示すのは、本発明の乗用カート(1)の緊急通報スイッチ(6)周辺の概念図である。緊急通報スイッチ(6)は乗用カート(1)の周囲で、誰からも目に止まる場所に設置されている。必要に応じて複数個所に緊急通報スイッチ(6)を設置しても構わない。緊急通報スイッチ(6)は通話回線とも連動しており、万一の事故の発生と合わせて、周辺にある他の乗用カート(1)あるいはクラブハウスとの通報が可能となる。
【0036】
通報と同時に表示灯(4)も動作し、更に周囲に対して事故の発生を知らしめることができる。表示灯(4)には例えば太陽光発電モジュールを備えておくと、表示灯(4)そのものの動作などの電源としても供給ができるので、乗用カート(1)を駆動する蓄電池の消耗も抑えることができる。
【0037】
図4に示すのは緊急通報スイッチ(6)が押された時のシステムの概念を説明する図である。例えば、当該事故の発生した乗用カート(1)から緊急通報スイッチ(6)が押されて、緊急通報が発せられた場合には、他の場所にある乗用カート(1)や、クラブハウスにも通報がなされることで、緊急事態の発生を広く知らせることができる。
【0038】
またその一方では、仮に乗用カート(1b)にAED(2)が実装、搭載されていない場合であれば、この緊急通報スイッチ(6b)を押すことで、事故が発生したことが周囲にも伝達されるので、AED(2)を搭載した乗用カート(1a)が現場に急行し、急患に対して適切な処置を行うことができる。
【0039】
このことを図4、図5に基づいてさらに説明する。AED(2)が搭載されていない乗用カート(1b)を利用したゴルフブレイヤーの中に、万一AED(2)を必要とする場面が発生した場合には、キャディー又は同行プレーヤが乗用カート(1b)の緊急通報スイッチ(6b)を押すことで、乗用カート(1b)の表示灯(4b)や音声(7b)が動作し、緊急事態が発生したことを周囲に知らせると共に、第一の現在位置取得手段(10b)により得た情報により、送受信装置(9b)の通信手段を使って、カート位置情報を含む緊急無線信号を発生し放送する。この緊急無線信号は、一定距離内(通常は,ゴルフ場をカバーする程度に広い距離)のAED搭載カートとクラブハウスに到達する。AED搭載カートである乗用カート(1a)は、送受信装置(9a)によりこの緊急信号を受信すると、表示灯(4a)や音声(7a)とが動作するとともに、乗用カート(1b)位置情報をディスプレイ(11a)に表示する。また、クラブハウスでは、緊急事態として、係員が救急車を呼ぶ等の手配をすることになる。
【0040】
この時、第一の乗用カート(1b)からは音声(7b)としては、♪ウゥ〜と、表示灯(4b)では赤色のランプを点らせるものである。一方、AED(2)を搭載する第二の乗用カート(1a)では、緊急事態の発生を救命信号の受信により検知すると同時、第一の乗用カート(1b)から発せられる音声(7b)や表示灯(4b)とは異なる内容のものを発して、AED(2)を必要とする第一の乗用カート(1)に向かって急行する。一例として、第二の乗用カート(1a)からは、♪ホワンホワンという音声と、青色に点らせた表示灯(4a)によりその動作中であることを知らせるものである。
【0041】
このように、AED(2)を搭載せず、AED(2)必要とする第一の乗用カートからの音声(7b)や表示灯(4b)、あるいはAED(2)を搭載する第二の乗用カート(1a)が音声(7a)や表示灯(4a)を点らせることで、ゴルフ場内の全域に対して緊急事態が発生したことを知らせることができる。
【0042】
また、図6に示すのは、第一の乗用カート(1b)には、さらに第一の現在位置情報取得手段(10b)が設けられ、前記救命送信手段(9b)による救命信号と同時に救命支援要請をする位置情報を付加して送信するとともに、第二の乗用カート(1a)における救命信号受信手段(9a)は、第一の乗用カート(1b)からの現在位置情報を表示する第二の位置情報認識手段としてのディスプレイ(11a)を有し、またその逆に、第二の乗用カート(1a)には、第二の現在位置情報取得手段(10a)が設けられるとともに、第一の乗用カート(1a)における救命信号に基づき、第二の乗用カート(1a)の現在位置を第一の常用カート(1b)に送信する送信手段としての送受信装置(9a)を設け、第一の乗用カート(1a)には、第二の乗用カート(1a)からの現在位置情報を受信する第一の位置情報認識手段としてのディスプレイ(11b)を有してなる。
【0043】
要するに、AED(2)を搭載しない第一の乗用カート(1b)あるいは、AED(2)を搭載する第二の乗用カート(1a)から発せられる音声(7a)や表示灯(4b)により周囲に対する緊急事態の知らせを行わせるが、各乗用カートに搭載される第一、第二の現在位置情報手段としてのディスプレイ(11a)、(11b)により、発生現場から遠距離にある乗用カートに対しても正確な位置情報を知らせることができるので、多方面からの救援を呼び求めることができる。
【0044】
図6では概念としてゴルフ場内の地図を表示するディスプレイの中に、AED(2)を必要とする乗用カート(1b)(●)と、AED(2)を搭載する乗用カート(○)で表示して双方の場所を地図上に表示したものである。なお、上記で説明する音声(7a)、(7b)から発せられる信号音(ウゥ〜やホワンホワン)や、表示灯(4a)、(4b)の色(青ランプや赤ランプ)については、特に固定、限定するものでは無く、それらの組み合わせにより、少なくとも一部が異なり、第一の乗用カート(1b)と第二の乗用カート(1a)すなわち、AED(2)を搭載するか、しないかの識別ができさえすれば良い。
【0045】
また、AED(2)を搭載する第二の乗用カート(1a)を利用するゴルフブレイヤーの中にAED(2)を必要する事態が発生した時にも同様に緊急通報スイッチ(6a)を押すことで周囲に対して緊急事態の発生を知らせると共に、緊急通報と同時に各乗用カート、あるいはゴルフ場の管理施設(41)(クラブハウス)にも知らせることができるので、急患の速やかな救命活動を行うことができる。また、速やかな対応は急患のその後の後遺症発生の低減を促進できることや、多数の貴重な人命を救うことで社会的にも大きな効果を奏することは言うまでもない。
【0046】
要するに、ゴルフ場内で使用する乗用カート車に、AED(2)を常時実装するか、あるいはプレイヤーを搭乗させる時にその都度AED(2)を搭載するかに限らず、AED(2)を必要とする場面が発生した場合に、即座にAED(2)を提供できるように、AED(2)の存在が分かる救命システムである。
【0047】
万が一AED(2)を必要とする事態が発生した場合、周囲のプレイヤーの乗用カートやクラブハウス(管理棟)に対して、緊急事態を通報する緊急通報スイッチを備えることで、救護者の応援を推進する緊急事態を表示する表示灯を備え、また通話することができることで、救急車手配へと速やかに展開できる環境を備えたゴルフ場の乗用カート車を提供することができる。
【0048】
AED(2)の台数が十分でなく、全ての乗用カートに搭載することができない場合でも、AED(2)を必要とした場合、緊急通報スイッチにより警報を発して緊急事態にAED(2)を搭載している乗用カートに知らせることができ、しかも、AEDを搭載している所望数の第二の乗用カートは、第一の乗用カートの警報と異なる状態で警報が発せられ、AED(2)の存在を知らせられ、AED(2)を速やかに供給することができることから、人命を救うことができる。
【0049】
本発明は、ゴルフ場内を移動用としてプレイヤーが使用する乗用カート車を用いたAED(2)による救命システムであるが、同様に類似の乗り物を利用する公園や遊園地でもAED(2)を搭載する場合、しない場合に分けて応用が可能となる。またタクシーでも、AED(2)を搭載する場合、搭載しない場合について考えた場合、同様のシステムが提供できる。産業上の利用可能性が十分期待できる。
【符号の説明】
【0050】
1a・・・第二の乗用カート
1b・・・第一の乗用カート
2・・・自動体外式除細動器(AED)
2a・・・第二のAEDセンサ
2b・・・第一のAEDセンサ
3a、3b・・・格納容器
4a、4b・・・表示(灯)
6a・・・緊急スイッチ
6b・・・緊急スイッチ
7a、7b・・・音声(スピーカ)
8a、8b・・・制御部
9a、9b・・・送受信装置
10a・・・現在位置情報認識手段
10b・・・現在位置情報認識手段
11a・・・第二の位置情報認識手段
11b・・・第一の位置情報認識手段
12・・・制御部
13・・・送受信装置
14・・・ディスプレイ
15・・・音声(スピーカ)
16・・・管理端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場などの乗用カートに採用される自動体外式除細動器による救命システムであって、前記自動体外式除細動器を搭載しない所望数の第一の乗用カートと、自動体外式除細動器を搭載する所望数の第二の乗用カートからなり、
前記第一の乗用カートには、自動体外式除細動器による救命措置を要する場合に、救命信号を発生させる緊急スイッチと、この緊急スイッチの押下に基づき、音声・表示(灯)のうち少なくとも一方を用いた警報による第一の緊急信号発生手段と、管理端末を介して、または直接前記第二の乗用カートに救命信号を送信する救命送信手段とを有し、
前記第二の乗用カートには、前記第一の乗用カートからの救命信号を受信する救命信号受信手段と、受信した救命信号に基づき、前記第一の乗用カートとは種類の異なる音声・表示(灯)のうち少なくとも一方を用いた警報による第二の緊急信号発生手段が設けられてなることを特徴とする救命システム。
【請求項2】
前記第一の乗用カートには、さらに第一の現在位置情報取得手段が設けられ、前記救命送信手段による救命信号と同時に救命支援要請をする位置情報を付加して送信するとともに、前記第二の乗用カートにおける前記救命信号受信手段は、第一の乗用カートからの現在位置情報を表示する第二の位置情報認識手段を有してなることを特徴とする請求項1記載の救命システム。
【請求項3】
前記第二の乗用カートには、さらに第二の現在位置情報取得手段が設けられるとともに、前記第一の乗用カートからの救命信号に基づき、前記第二の乗用カートの現在位置を前記第一の常用カートに送信する送信手段を設け、さらに記第一の乗用カートには、第二の乗用カートからの現在位置情報を表示する第一の位置情報認識手段を有してなることを特徴とする請求項1乃至2記載の救命システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−80447(P2013−80447A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230163(P2011−230163)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(510222291)株式会社茂木工業所 (4)
【Fターム(参考)】