説明

救急サービスのための予測的通知システム

予測的通知処理システム150は、所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域120内に存在する可能性がある、無線通信ネットワーク102内のいくらかの携帯機器114、116を識別する。識別された位置/時間のペアは、特定の事象(例えば、非常事態、工事、災害、交通、天候、または、他の警報及び事象)に関連付けられるものか、または特定の事象によって影響を受けるものであり得る。これは、(事象に関する)通知が、識別された携帯機器114、116に、所定の地理的な関心領域120内の影響を受ける領域に入る前に、それらに事象を通知する目的で、送信されることを可能にする。ネットワーク内の携帯機器114、116によって生成されて維持された動向プロファイルは、関連する期間の間に影響を受ける領域内に存在する可能性があるそれらの携帯機器114、116の識別情報を判定するために、調査される/調べられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、通信システムに関係すると共に、更に特に、非常事態の通知をユーザに提供するための方法及びシステムに関係する。
【背景技術】
【0002】
災害が襲うか、もしくは緊急事態が発生する場合に、影響を受けるであろうそれらの人々、特に事象に関するメディアの報道を受け取ることができないか、または事象に関するメディアの報道を受けない人々に、迅速に通知を行うことは難しい。
【0003】
他の方法及びシステムが、事象の通知を所定のユーザに提供するために、配備されたか、もしくは現在配備されている。1つの従来技術システムは、ユーザが、(例えばウェブサイト上で)事前登録すると共に、携帯電話番号、及びユーザが通知を受け取ることに興味がある特定の領域(area:エリア、地域)(例えば郵便番号/複数の郵便番号)を提供することを必要とする。この技術は、全てのユーザを前もって登録することが可能である場合に功を奏するが、しかし、それには、2つの深刻な欠点がある。人々の中には、彼らに影響を及ぼす災害が起こるであろうと思わない人もいるので、いくらかのユーザは、それ及び他のものが全く登録することに時間及び努力を必要としなくなるまで、このサービスに登録することに時間を割かないであろう。更に、ユーザは、彼らが移動することになる領域を含む、彼らが存在する可能性がある領域の全ての郵便番号をリストアップすることを要求される。人々は、多くの場合、関心領域に関して正しい情報を他の事はもちろん知らない可能性があると共に、それが変わる可能性があるので、これは、実用的ではない。先を見越したユーザが全ての関心領域を記録しようと考えたかもしれない一方、理論的に、人が単に移動するだけであるかもしれない、ある一定の領域は、特定されない可能性がある。更に、このアプローチは、時間の概念を考慮しない。通知は、時間(時間/時間帯、週の日等)に関係なく、特定の地域(郵便番号)で識別された全ての登録ユーザに送信される。
【0004】
別の解決方法は、リバース911アプローチ(reverse 911 approach)と呼ばれる。基本的に、災害が襲うか、もしくは他の事象が発生する場合に、ある地理的領域の中で登録された全ての電話(領域内に存在すると明確に登録された地上の有線電話(land-based phone)及び携帯電話)に通知が送信される。無線ドメインにおいて、電話呼またはSMSテキストメッセージは、ある一団/一群の基地局または電波塔(tower)によってサービスを受ける地理的領域内に現在位置している全ての携帯電話に送信され得る。これは、人々に対して彼らがちょうど今位置している地理的領域内で災害が発生したと通知するために、効果的に機能し得る。しかしながら、このアプローチは、(基地局のグループの外側で)その地理的位置に向けて移動しているか 、またはそこへ近い将来移動しているかもしれない人々のために機能しない。メディアの報道または警察封鎖に対する信頼性は、カリフォルニアにおける進行中の野火のような長く続く事象にとって有益であるかもしれないが、しかし、これらの通知システムは、テロ攻撃またはガス供給本管破損のような突然の/不慮の災難に関しては信頼できない(と共に、もっと言えば心に浮かばないかもしれない)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、現在関心領域(非常事態または事象が発生した、または発生している領域)内に存在しないが、近い将来関心領域へ進行するか、もしくは移動すると予測される人々を識別するための方法及びシステムに関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によれば、所定の地理的な関心領域に影響を及ぼし得る事象の検出に応答して、無線通信ネットワーク内の1つ以上の携帯機器に対して通知メッセージを送信する方法が提供される。前記方法は、事象に関連付けられると共に、所定の地理的な関心領域を識別するために使用可能な位置情報を受信する段階を含む。通信ネットワーク内の複数の携帯機器のそれぞれと関連付けられた動向プロファイル(trending profile)が調査されると共に、前記複数の携帯機器のそれぞれに関して、前記動向プロファイルから、前記携帯機器が将来的に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率が判定される。所定の確率しきい値より上である判定された確率を有する各携帯機器に関する携帯機器識別子を含むリストが、生成されて、前記通信ネットワークに連結された装置内のメモリに保存される。
【0007】
別の実施例によれば、所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域内に存在する可能性がある、無線通信ネットワーク内の1つ以上の携帯機器を識別する方法が提供される。前記方法は、前記所定の地理的な関心領域を識別するために使用可能な位置情報、及び所定の時間期間の情報を受信する段階と、前記複数の携帯機器のそれぞれに関して、前記携帯機器が前記所定の時間期間の間に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率を判定するように、前記通信ネットワーク内の複数の携帯機器のそれぞれと関連付けられたそれぞれの動向プロファイルを処理する段階とを含み、もしそれぞれの前記携帯機器の判定された前記確率が所定の確率を満足するならば、前記携帯機器が、前記所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域内に存在する可能性がある携帯機器として識別される。
【0008】
更にもう一つの実施例によれば、所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域内に存在する可能性がある、無線通信ネットワーク内の携帯機器を、識別すると共に該携帯機器に通知する際に使用するための予測的通知処理システムが提供される。前記予測的通知処理システムは、プロセッサと、前記プロセッサに連結されるメモリと、前記プロセッサに連結されると共に、通信ネットワークと通信するために使用可能なネットワークインタフェースとを備える。前記プロセッサは、事象に関連付けられると共に、所定の地理的な関心領域を識別するために使用可能な位置情報と、所定の時間期間の情報とを受信し、通信ネットワーク内の複数の携帯機器のそれぞれと関連付けられた動向プロファイルにアクセスして調査し、前記複数の携帯機器のそれぞれに関して、前記動向プロファイルから、前記携帯機器が前記所定の時間期間の間に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率を判定し、所定の確率しきい値より上である判定された確率を有する各携帯機器に関する携帯機器識別子を含むリストを生成して、前記メモリに保存するように動作可能である。
【0009】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び請求項から、当業者には容易に明白になり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示による一例の通信システムの一実施例の高レベルの略図を描写する図である。
【図2】図1において示された予測的通知処理システムを例証する構成図である。
【図3】所定の関心領域内に現在存在しないが、ごく近い将来、もしくは近い将来、所定の関心領域内に存在すると予測されるいくらかのUEを識別するための処理フローまたは方法の一実施例を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示及びそれの利点の更に完全な理解のために、同様の参照符号が同様の物体を示す添付図面と併用される以下の説明に対する参照が、ここから行われる。
【0012】
図1は、本開示による一例の通信ネットワークアーキテクチャまたはシステム100を例証する。図1において示されたシステムまたはネットワーク100は、説明のためのものであり、そしてセルまたはセクタを表す。システム100の他の実施例が、この開示の範囲からはずれずに使用され得る。文中に“標準”もしくは“仕様”の参照が発生した場合は、これは、ここに開示されると共に、請求項に記載された主題の原理を包含する標準もしくは仕様と同様に、参照された標準もしくは仕様の現存するバージョン、そして将来のバージョンを包含することを意味する。
【0013】
この例において、システム100は、更に大きな通信サービスネットワーク102の一部分である(か、または更に大きな通信サービスネットワーク102と通信する)と共に、システム100は、参照符号104(BTS1)、106(BST2)、108(BTS3)によって識別され、そして基地局のサービスエリア(coverage area)の中の1つ以上のユーザ装置(UE)局と無線で通信することが可能である、複数の基地局を含む。基地局104、106、108と関連付けられるのは、移動通信交換局(mobile switching center:MSC)112である。示されたように、基地局104、106、及び108は、クラスタまたはグループを形成すると共に、関心領域120内に位置するUEに通信サービスを提供する。示された例において、UE114は、関心領域120内に位置している一方、UE116は、関心領域の外側に位置している。関心領域120は、単一の基地局のサービスエリアの全てまたは一部分、基地局のサービスエリアのグループ/クラスタの全てまたは一部分、基地局の複数のグループ/クラスタの全てまたは一部分、と一致し得ると共に、必要に応じて、あらゆる相対的サイズまたは構成を有し得る。関心領域は、一般的に、非常事態、災害、または他の事象に影響を受けると判定される領域、または非常事態、災害、または他の事象に関連すると判定される領域である。更に、複数の関心領域(1つだけが示されている)が存在し得るということが理解されることになる。
【0014】
一実施例において、アクセスサービスネットワーク(図示せず)及びシステム100(またはそれの一部分)は、2G、3G、または4G標準もしくは仕様、及び/または他の通信プロトコルのような1つ以上の標準もしくは仕様に適合した、あるいは2G、3G、または4G標準もしくは仕様、及び/または他の通信プロトコルのような1つ以上の標準もしくは仕様に従って動作する、無線通信ネットワークである。4つのBTS104、106、108、及び110と、1つのMSC112と、2つのUE114、116だけが示されるが、システム100は、追加のBTS、MSC、及びUE局、及び他の装置(図示せず)を含み得る。例えば、関心領域120ごとに、複数のMSC112が存在し得ると共に、一実施例において、MSC112は存在しない可能性がある。(すなわち、BTSはクラウドネットワーク(cloud network)102と直接通信する。)BTS及びUEの各々は、一般的に、1つ以上のアンテナ、そして様々なハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントを備えている。
【0015】
ネットワーク102は、1つ以上の、ローカルエリアネットワーク(local area network:LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(metropolitan area network:MAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network:WAN)、グローバルネットワークの全てまたは一部、あるいは、公衆電話交換回線網(PSTN)、インターネット、パケットネットワーク等を含む、1つ以上の場所における他の通信システムまたは複数の他の通信システム、あるいは、これらの組み合わせ、を含み得る。そのネットワークは、一般的に、更に、BTSと移動通信交換局(MSC)及び/またはゲートウェイとの間の通信のために使用されるデータネットワークである、BTS迂回中継(backhaul)ネットワーク(図示せず)を含む。これらのネットワークは、インターネット、パケットネットワーク等を含むように構成され得る。
【0016】
他のコンポーネント、装置、またはネットワークが、システム100(及びネットワーク102)に含まれ得ると共に、図1は、本開示のシステム及び動作を当業者に説明することを支援するために、ほんの1つの代表的な構成を単に例証する。図1に表示されたシステムは、例えば、ユーザ装置(UE)、アクセス端末(access terminal:AT)、あるいは移動電話加入者端末(mobile subscriber terminal:MSまたはMT)、そして基地局またはベーストランシーバ基地局(base transceiver station:BTS)、あるいはアクセスポイント、及び移動通信交換局(MSC)のような用語の使用など、異なる専門用語またはシステム用語を使用して説明され得る。システム100の中の装置を説明するためのあらゆる特定の専門用語の使用は、この開示の範囲を限定することを全く意図していない。
【0017】
BTS104、106、108の内の1つ以上は、それに対して、少なくとも1つのUE114(いくつか示されている)を連結した。関心領域120の外側で、BTS110は、それに対して、UE116を連結した。UEは、無線インタフェースを介して、BTSと無線で通信するように動作可能である。
【0018】
従来のBTS及び従来のMSCの構造及び機能性は、一般的に、良く知られている。従来のBTS及びMSCは、一般的に、それらに限定されないが、必然的に、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、メモリ装置、及び/または、論理回路構成を含む、処理装置、制御装置、及びネットワークインタフェースのような様々なコンポーネントを備えると共に、これらは、様々なアルゴリズム及び/またはプロトコルを実行するように構成され得る。BTSまたはMSCの従来のコンポーネント及びソフトウェアプロセス(機能性)の追加の説明は、これらが当業者に知られているので、本開示を理解するためにここに示されるものか、もしくは本開示を理解することに関連したもの以外、提供されない。BTS及びMSCは、当業者に知られている機能性を提供するための、あらゆる適当なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせから組み立てられ得るか、構成され得るということが理解されることになる。BTS104、106、108、110とMSC114とのいずれか、または両方は、1つ以上の実施例に従って以下で説明されたように、追加の機能性を含むことになる。
【0019】
UE114、116は、システム100を介した/システム100の中の通信セッションの間に、ユーザまたは加入者によって使用される装置を表す。UEは、一般的に、プロセッサ、メモリ、トランシーバ、及びアンテナを含むと共に、ネットワークを介して情報を送信するか、もしくは受信するための、あらゆる適当なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせから組み立てられ得るか、もしくは構成され得る。これらの装置は、更に、ビデオ情報を取得する/表示するための、カメラ及び/または表示装置と同様に、オーディオ情報を取得すると共に再生するための、マイクロホン及びスピーカを有する入出力装置を含み得る。一例として、UEは、電話、テレビ電話、コンピュータ、携帯情報機器、GPS装置等、または、基地局またはアクセスポイントと無線で送受信することを意図している他の装置であり得る。一実施例において、UEは、携帯機器であると共に、1つの領域から別の領域へ移動する。UE114、116の従来のコンポーネント及びソフトウェアプロセス(機能性)の追加の説明は、これらが当業者に知られているので、本開示を理解するためにここに示されるものか、もしくは本開示を理解することに関連したもの以外、提供されない。UE114、116は、当業者に知られている機能性を提供するための、あらゆる適当なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせから組み立てられ得るか、構成され得るということが理解されることになる。
【0020】
一般的な言葉で言えば、本開示は、(異なるBTSサービスエリアを介して)ネットワーク102内のUEの活動及び動きを監視すると共に、各UEに関する動向プロファイル(trending profile)を生成するためのシステム及び方法を説明する。動向プロファイル内の情報は、UEの予想される位置を予測し、どのUEが所定の関心領域内に存在する可能性が高いか、そして、どの時点にそれらがそこに存在する可能性があるか、を識別するために使用され得る。これは、関連時間に所定の関心領域内に存在する可能性があると識別されたこれらのUEに送信されるべき、所定の関心領域に関連付けられた事象(例えば、非常事態、工事、災害、交通、天候、または、他の警報、そして恐らくは広告さえも)の通知を可能にする。従って、動向プロファイル情報を用いて識別されると共に、現在関心領域内に存在しない可能性があるいくらかのUEは、事象の通知を受信する対象にされる。事象が発生した時に現在領域内に存在しているUEは簡単に識別できる、ということが認識されることになる。一実施例において、そのシステムは、例えばいくらかの地理的領域に関する非常事態または他の政府のサービスによって活性化された事象の警報(event alarm)に起因するような所定の位置(関心領域)と期間(time frame)を受信する。応答において、注目された期間内にある地点における注目された関心領域内に存在する可能性があるUEのグループが識別される。一度識別されると、例えば、事象及び/または領域についてUEに知らせるための通知を送信するような、いくらかの動作が実行され得る。
【0021】
図1を続けて参照すると、システム100は、更に、ネットワーク102内の装置または機器、あるいはネットワーク102に連結された専用のサーバ/コンピュータの中の装置または機器の上で動作するアプリケーションのような予測的通知処理システム150を備える。システム150は、ネットワーク102内の各UEに関する活動情報を受信するように構成される。この活動情報は、一般的に、現実の通信セッション(例えば、音声呼またはデータ呼のセッション)の間、もしくはローミング/ステータスイベント(roaming/status event)(例えばUEがピング(接続試験用パケット)を基地局に送る/基地局から送られる)の間に、ネットワーク102内に記録された、従来の情報の一部として生成される。活動情報は、通信セッションの間に記録された異なるタイプの情報を含み得ると共に、一般的に、UE識別番号(例えば、電話番号、IPアドレス、またはEIN)、時間情報(例えば、月、日、時間)、及び場所/位置情報を含み得る。場所/位置情報は、BTS識別情報と同じくらい単純であり得るか、あるいは、BTSと関連付けられたサービスエリアまたは同様のエリアのマッピング位置(mapping location)または座標であろう。この説明の至る所で、特定のBTSの識別コードが物理的座標または物理的領域に割り当てられ得ると共に、逆もまた同じである、ということが理解されることになる。
【0022】
一実施例において、従来のBTS、及び/または、(BTS、MSC、またはネットワークにおける他の装置内の)課金、保守、及び管理記録生成システムは、UEの活動情報(ピングデータ(ping data)/呼のデータ(call data))を、予測的通知処理システム150に伝送する(transmit)か、そうでなければ送信する(send)ように構成される。別の実施例において、この情報は、UEの通信セッションの結果として伝統的な方法で記録された支払い/会計の記録から、利用され得るか、あるいは他の場合は要求され得る。
【0023】
各UEに関して、受信されたUEに特有の活動情報は、動向プロファイルを生成するために利用される。必要に応じて、動向プロファイルは、連続して、もしくは定期的に、更新され得る。あらゆる適当な方法及び/または装置が、動向プロファイルを生成するために使用され得ると共に、当業者は、従来の動向プロファイルに関する方法及びソフトウェアを利用することができるか、もしくは、そのような方法及びソフトウェアを開発することができるであろうと考えられている。一実施例において、予測的通知処理システム150は、UEの動向プロファイルを生成する。
【0024】
ここで図2を参照すると、本開示による予測的通知処理システム150の一実施例の構成図が示される。予測的通知システムは、プロセッサ(デジタルシグナルプロセッサを含み得る)200と、メモリ202と、様々な入出力装置204とを備える。他のコンポーネント及び回路構成が含まれるかもしれないが、しかしここでは示されない。ここで説明された動作及び方法を例証するために必要である場合を除き、これらのコンポーネントの動作及び構造の詳細は、省略された。システム150は、更に、ネットワーク102と(有線または無線で)通信するためのネットワークインタフェース206を備える。
【0025】
予測的通知処理システム150の(ここで説明されたような)機能及び作用(functions and processes)は、複数の装置(図示せず)を横断して分散され得るか、または、1つの装置上で中心的に実行され得る(と共に、図1におけるシステム150の描写は、論理的または物理的のいずれかであり得る)ということが理解されることになる。更に、システム150は、計算装置上で実行中のアプリケーションを構成し得る(と共に、計算装置は、図2において示された構成要素を恐らく含むことになる)。
【0026】
(内部もしくは外部に配置された)メモリ202は、各UEに関するUE動向プロファイルを保存する。これは、関連する動向プロファイルを有する各UEを、UEの識別子のリストに保存する、データベースの形式であり得る。一実施例において、各動向プロファイルは、場所/位置情報、及び時間情報を含む。動向プロファイルは、時間または確率に対してプロットされた、特定の主体に関する全ての位置ポイントのセットとして、概念的に識別され得る。例えば、特定のUEが火曜日の午前10時に、ある地理的領域内に存在するであろう確率は、95%であり得ると共に、そのUEが火曜日の午後5時に、その領域内に存在するであろう確率は、85%であり得る。全てのUEは、それ自身の動向プロファイルを有している。各動向プロファイルは、各場所に関して1つの確率を有するように(例えば、場所#1に関して85%;場所#2に関して10%等)、複数の確率を有し得る。一実施例において、およそゼロの確率(もしくはあるしきい値以下の確率)は、プロファイルから単に省略され得る。より多くのデータが集められるほど(そして時間の長さが更に長くなるほど)、特定のUEのためのあらゆる場所/時間のペアに関する確率は、更に正確になる。更に、UEがその移動においてより一貫性があるほど、その確率はより高くなることになる。複数の確率、すなわち各場所に関して1つであるということは、動向プロファイルが更に多くの確率を含む可能性があるということであり得る。
【0027】
システム100内の予測的通知処理システム150の動作が、(本開示の理解のために)ここから説明されることになる。概説として、通信装置114、116は、それぞれのBTS104、106、108、110と通信するように動作可能であると共に、システム100内の装置の間の通信セッションまたは呼(call)を確立するか、もしくは開始するように動作可能である。
【0028】
(図1への参照を続けながら)図3を参照すると、現在所定の関心領域内に存在しないが、しかし、ごく近い将来、もしくは近い将来(所定の時間期間に)、所定の関心領域内に存在することが予測されるいくらかのUE(ユーザ)を識別することを含むと共に、それらに通知を送信するための処理のフローまたは方法300の一実施例が例証される。
【0029】
一実施例において、ネットワーク102内で、予測的通知処理システム150は、ネットワーク102内の動作しているUE114、116の全てまたは一部に関して、UEの活動情報を受信する(ステップ302)。以前に説明されたように、UEの活動情報は、BTS及びMSCによって生成され、一般的に、別の装置に転送されると共に、ネットワーク102内に保存される、支払いと会計目的のための従来の呼(call)セッション追跡情報、特定の呼(call)セッションデータ及び/または記録可能なピング/ステータス情報であり得る。このUEの活動情報は、BTS、MSC、及び/または他の装置から受信され得ると共に、定期的に、または活動情報が生成される場合に、受信され得る。
【0030】
UEの内の1つが提供するUEの活動情報を受信した後で、それは、動向プロファイルを生成する(または、強化する/更新する)ために、そのUEに関するあらゆる利用可能な保存された過去のUEの活動情報と共に処理される(ステップ304)。理解されることになるように、この過程は、ネットワーク102内の(もしくはネットワークの地理的部分内の)全てのUEに関して発生する。この過程は、定期的に、もしくは実質的に連続して(特定のUEに関して新しいUEの活動情報が受信されるたびに)発生し得る。図3には示されていないが、ステップ302及び/またはステップ304は、ステップ302から出てステップ302に戻る追加の経路/矢印、及びステップ304から出てステップ302またはステップ304のいずれかに戻る追加の経路/矢印を備えていても良い。これは、ステップ302、304が、連続して/定期的に、実行されることを例証する。
【0031】
事象が発生したか、もしくは事象が発生するであろうと判定されると共に、所定の期間の間に事象が所定の地理的な関心領域に影響を及ぼすであろうと判定されると、予測的通知処理システム150は、所定の関心領域及び期間を識別する情報を受信する(ステップ306)。事象が有する、または事象が発生することになる、判定に関する様々な事実(例えば、誰が、どのように、なぜ、関心領域、期間)は、省略された。これは、様々な個人及び/または主体によって、あらゆる適当な方法で決定され得る。
【0032】
各UEに関して、UEが所定の時間期間の間に所定の地理的領域内に存在することになる確率が計算されるか、または判定される。所定のしきい値を超える確率を有するそれらのUEに関して、これらのUEは、関連する時間期間の間にその地理的領域に移動する可能性があるUEとして識別される(と共に、リストに格納される)(ステップ308)。識別されたUEの識別情報は、リストにおいて識別された各UEに通知(または通知メッセージ)を送信するメッセージ通信システムに供給され得る(ステップ310)。それらの通知は、事象に関するいくらかの情報(例えば、警告、命令等)を提供する。通知は、(リバース911と類似した)通知呼、及び/または、SMSメッセージのような、あらゆる形式を取り得る。これらの通知は、リスト内の全てのUEへ、もしくは、その現在の位置が所定の地理的な関心領域内に存在しないと識別された、まさにそれらのUEへ送信され得る。別の実施例において、事象の判定時に関心領域内に位置しているそれらのUEに関して、(それらが現在領域内に存在するので、)それらの動向プロファイルを調査せずに、通知がそれらに送信され得る(例えば放送され得る)ことは、可能であり得る。別の実施例において、通知は、(関連する時間期間の間に)関心領域内に存在する可能性がある(存在すると予測される)と識別されたUEのセットが、関心領域内で現在動作している(ピング(接続試験用パケット)を基地局に送る等、通信、ステータス伝送が進行している)UEのセットと結合されて、両方に送信され得る。
【0033】
本開示を例証するのを助けるために、以下の例が提供される(と共に、図1に対して参照が行われるべきである)。
【0034】
各UE114、116は、ネットワーク102内で既に生成されて保存されると共に、予測的通知処理システム150によってアクセス可能な動向プロファイルを有していると仮定する。更に、UE116と関連付けられた動向プロファイルは、UE116が、その日の間(午前10時から午後7時)に関心領域に恐らく移動することになるということを示す(この情報は、UE116の報告された活動情報を用いて、動向プロファイル処理によって判定される)。
【0035】
更に、関心領域120内において、ガス供給本管が午前9に破損し、“事象”が検出または判定され、関心領域が識別され、そしてガス供給本管をからにして、修理するために必要な期間はわかっていない、と仮定する。この情報(関心領域、時間期間(午前9時から?時まで)は、予測的通知処理システム150に伝送され、そして予測的通知処理システム150において受信される。応答において、システム150は、ネットワーク102内の様々なUEに関して、確率を計算するか、もしくは判定する。UE116が所定の時間期間の間に関心領域120内に存在することになる確率は、比較的高い(と共に、しきい値を超える)。これに基づいて、システム150により、判定された事象についての通知がUE116に送信される。これは、警告または通知が、関心領域120内に現在存在しないが、ごく近い将来、もしくは近い将来、(少なくとも特定された時間期間の間に)それらが関心領域120内に存在することになる可能性を有するUEに対して送信されることを可能にする。
【0036】
異なる通信事業者(carrier)は、異なるネットワークを利用し、そして異なる加入者(UE)を有する可能性がある。この事象において、1つの通信事業者に関するUEのみが通知され得るということが可能である。全てのUEに対する通知を容易にするために、全ての通信事業者は、本開示の教示及び概念を実行するシステムを備えるべきである。別の実施例において、通信事業者の間で共有利用すると共に、主要なそして全体的なリポジトリ、または全てのUEのリスト(及びそれらの関連する動向プロファイル)を提供する情報が実装されても良く、そして全ての通信事業者によってアクセス可能にすることができる。
【0037】
いくらかの実施例において、装置の内の1つ以上の機能または処理のいくらか、または全ては、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードから形成されるコンピュータプログラムによって実行されるか、もしくはサポートされ、そして、それは、コンピュータ読み取り可能な媒体において具現化される。“コンピュータ読み取り可能なプログラムコード”という表現は、ソースコード、オブジェクトコード、及び実行可能コードを含んでいる、あらゆるタイプのコンピュータコードを含む。“コンピュータ読み取り可能な媒体”という表現は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、または他の種類のメモリのような、コンピュータによってアクセスされることが可能である、あらゆるタイプの媒体を含む。
【0038】
この特許文献の至る所で使用されるいくらかの言葉及び表現の定義を示すことは、有利であり得る。“含む(include)”及び“備える(comprise)”という用語は、それの派生語と同様に、限定することなく、“包含”を意味する。“または(or)”という用語は、包括的に、“及び/または”を意味する。“〜と関連付けられている(associated with)”及び“それとともに関連付けられている(associated therewith)”という表現は、それの派生語と同様に、“〜の中に含まれている(be included within)”、“〜と相互に接続されている(interconnect with)”、“〜を包含する(contain)”、“〜の中に含まれる(be contained within)”、“〜につながる、または〜と接続する(connect to or with)”、“〜に結合させる、または〜と結び付ける(couple to or with)”、“〜と共に伝達できる(be communicable with)”、“〜と協力する(cooperate with)”、“〜を交互配置する(interleave)”、“〜を並置する(juxtapose)”、“〜にもっとも近い(be proximate to)”、“〜しなければならない、または〜でがんじがらめになった(be bound to or with)”、“〜を有する(have)”、“〜の特性を有する(have a property of)”等の意味を含むことを指している。
【0039】
この開示が、いくらかの実施例、及び一般的に関連する方法を説明した一方、これらの実施例及び方法の変更及び変形は、当業者にとって明白であろう。従って、例の実施例の前述の説明は、この開示を定義しないと共に、制約しない。他の変更、置換、及び修正が、同様に、添付された請求項によって定義されたように、この開示の精神及び範囲からはずれずに可能である。
【符号の説明】
【0040】
100 システムまたはネットワーク
102 通信サービスネットワーク
104、106、108、110 基地局(BTS)
112 移動通信交換局(MSC)
114、114a、114b、114c、116 ユーザ装置(UE)
120 関心領域
150 予測的通知処理システム
200 プロセッサ
202 メモリ
204 入出力装置
206 ネットワークインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の地理的な関心領域に影響を及ぼし得る事象の検出に応答して、無線通信ネットワーク内の1つ以上の携帯機器に対して通知メッセージを送信する方法であって、前記方法が、
事象に関連付けられると共に、所定の地理的な関心領域を識別するために使用可能な位置情報を受信する段階と、
通信ネットワーク内の複数の携帯機器のそれぞれと関連付けられた動向プロファイルを調査する段階と、
前記複数の携帯機器のそれぞれに関して、前記動向プロファイルから、前記携帯機器が将来的に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率を判定する段階と、
所定の確率しきい値より上である判定された確率を有する各携帯機器に関する携帯機器識別子を含むリストを生成して、前記通信ネットワークに連結された装置内のメモリに保存する段階と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記リスト内の各携帯機器に対して通知メッセージを送信する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
時間期間を識別するために使用可能な時間情報を受信する段階を更に含み、
前記確率を判定する段階が、前記携帯機器が前記時間期間の間に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率を判定する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リスト内の各携帯機器に対して通知メッセージを送信する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記動向プロファイルを、前記通信ネットワークに連結された1つ以上の装置内のメモリに保存する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記通信ネットワーク内の前記携帯機器に関与する1つ以上の携帯機器の活動に応答して生成された活動情報を使用して、前記動向プロファイルを生成する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の携帯機器の活動が、前記携帯機器と関連付けられた通話を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の携帯機器の活動が、前記携帯機器と関連付けられたローミング/ステータスイベントを含む
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
携帯機器の活動に関する前記活動情報が、携帯機器識別子、時間期間、及び前記携帯機器の地理的な場所/位置を識別することが可能である場所/位置情報を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域内に存在する可能性がある、無線通信ネットワーク内の1つ以上の携帯機器を識別する方法であって、前記方法が、
前記所定の地理的な関心領域を識別するために使用可能な位置情報、及び所定の時間期間の情報を受信する段階と、
前記複数の携帯機器のそれぞれに関して、前記携帯機器が前記所定の時間期間の間に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率を判定するように、前記通信ネットワーク内の複数の携帯機器のそれぞれと関連付けられたそれぞれの動向プロファイルを処理する段階とを含み、
もしそれぞれの前記携帯機器の判定された前記確率が所定の確率を満足するならば、前記携帯機器が、前記所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域内に存在する可能性がある携帯機器として識別される
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
識別された前記携帯機器が、前記所定の地理的な関心領域内に現在存在しない装置である
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
識別された前記携帯機器に関して処置を実行する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記処置を実行する段階が、識別された前記携帯機器を識別するメッセージ通信システムに情報を供給する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各動向プロファイルが、関連した前記携帯機器の1つ以上の活動に応答して生成された活動情報に基づいている
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
各活動に関する前記活動情報が、携帯機器識別子、時間期間、及び前記携帯機器の地理的な場所/位置を識別することが可能である場所/位置情報を含む
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
所定の時間期間の間に所定の地理的な関心領域内に存在する可能性がある、無線通信ネットワーク内の携帯機器を、識別する(と共に該携帯機器に対する通知を可能にする)際に使用するための予測的通知処理システムであって、前記予測的通知処理システムが、
プロセッサと、
前記プロセッサに連結されるメモリと、
前記プロセッサに連結されると共に、通信ネットワークと通信するために使用可能なネットワークインタフェースとを備え、
前記プロセッサが、
事象に関連付けられると共に、所定の地理的な関心領域を識別するために使用可能な位置情報と、所定の時間期間の情報とを受信し、
通信ネットワーク内の複数の携帯機器のそれぞれと関連付けられた動向プロファイルにアクセスして調査し、
前記複数の携帯機器のそれぞれに関して、前記動向プロファイルから、前記携帯機器が前記所定の時間期間の間に前記所定の地理的な関心領域内に存在することになる確率を判定し、
所定の確率しきい値より上である判定された確率を有する各携帯機器に関する携帯機器識別子を含むリストを生成して、前記メモリに保存するように動作可能である
ことを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記リスト内の前記携帯機器が、前記所定の地理的な関心領域内に現在存在しない装置である
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは、通知メッセージが各識別された携帯機器に送信されるように更に動作可能である
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
各動向プロファイルが、関連した前記携帯機器の1つ以上の活動に応答して生成された活動情報に基づいている
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
各活動に関する前記活動情報が、携帯機器識別子、時間期間、及び前記携帯機器の地理的な場所/位置を識別することが可能である場所/位置情報を含む
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−513710(P2012−513710A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542505(P2011−542505)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068824
【国際公開番号】WO2010/075233
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(501449218)ノーテル ネットワークス リミテッド (30)
【Fターム(参考)】