説明

救急医療支援装置、医師状態管理用端末、救急医療支援方法、およびプログラム

【課題】急患の受入れ可否を適切に判断する救急医療支援装置を提供する。
【解決手段】急患を受入れる部屋の病床数を有する病院施設情報と、患者情報受付部101が受付けた急患を受入れる部屋の患者数を含む患者情報とを用いて、ベッドの空きを判断するベッド判断部104と、受入要請の受信時に、医師識別子群を有する医師等静的情報と、急患に対し医療行為を行う領域に居る医師の無線通信装置から受付けた医師識別子を含む医師等動的情報とを用いて、急患に対応可能である医療チームが存在を判断する医療チーム判断部109と、ベッド判断部104がベッドの空きがあると判断し、かつ医療チーム判断部109が急患対応可能な医療チームが存在すると判断した場合に、対応可能である旨の情報を外部装置に送信する対応可否送信部113とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救急医療を支援する装置等に関するものであり、特に、急患の搬送先の決定を支援する装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、医療施設が、現在の医療施設情報を、通信センター、通信衛星、救急指令センターを介して所轄の消防署内の消防署用端末に定期的に送信し、消防署は、急患の通報を受けると救急車を出動させ、救急車からの無線連絡を受け、かつ消防署用端末を使用して、急患に最も適切に対応することができる医療施設を、患者の症状情報と医療施設情報とを照合することにより選定し、その後、選定された医療施設への連絡と症状情報の送信とを専用インターネット網を介して行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の技術として、複数の病院のうちのいずれかの病院が、救急車の備える情報処理装置から送信された患者の情報を他の病院の情報処理装置へ配信し、複数の病院の情報処理装置それぞれが、他の装置から送信された情報を受信して、他の病院の情報処理装置、救急車が備える情報処理装置へ送信し、救急車の備える情報処理装置から送信された受け入れ先問合わせ情報と病院情報管理サーバが保持する受入可否判定情報との比較に基づいて、患者の受け入れできる医療施設の識別情報を決定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−251474号公報(第1頁、第1図等)
【特許文献2】特開2006−276922号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の救急医療支援装置においては、急患の受入の可否を適切に判断することが困難であるという課題があった。例えば、従来の技術においては、現在の医療施設の情報を病院側で手入力して作成しなければならなかったため、常に最新の情報を集めて入力しておくということが困難であった。このため、最新の情報を用いて、受入の判断を行うことが困難であった。また、このような情報収集や入力を行うための専門のスタッフを病院側で用意することは、非常にコストがかかるため、導入および維持が困難であった。また、医療施設の情報を人間が入力する必要があるため、人為的な入力ミス等が発生する可能性があり、このような入力ミスが発生すると、適切な支援ができなくなる場合があるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の救急医療支援装置は、病院の施設に関する情報であり、急患を受け入れる部屋の病床数を少なくとも有する病院施設情報を格納し得る病院施設情報格納部と、急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する患者情報受付部と、医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群を有する医師等静的情報を格納し得る医師等静的情報格納部と、急患を受け入れる部屋を含む、急患に対して医療行為を行う領域に居る1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子を含む医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する医師等動的情報受付部と、急患の受け入れの要請を示す情報である受入要請を、外部の装置から受信する受入要請受信部と、病院施設情報および患者情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断するベッド判断部と、受入要請受信部が受入要請を受信した場合、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断する医療チーム判断部と、ベッド判断部がベッドの空きがあると判断し、かつ、医療チーム判断部が急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断した場合、対応可能である旨の情報を外部の装置に送信する対応可否送信部とを備えた救急医療支援装置である。
【0006】
かかる構成により、ベッドの空きがあり、対応可能な医療チームがいる場合に対応が可能である旨を送信することができ、急患の受け入れの可否を適切に判断することができる。特に、医療行為を行う領域にいる医師の医師識別子を無線通信装置から取得することで、医師に大きな負担をかけることなく、正確に急患に対して医療行為を行う領域に居る医師の医師識別子を取得することができるため、医療行為の妨げにならないようにすることができる。
【0007】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、患者情報受付部は、1以上の患者に装着された1以上の各無線通信装置から、少なくとも患者であることを示す情報を受信し、患者であることを示す情報を用いて、患者の数を含む患者情報を取得する救急医療支援装置である。
【0008】
かかる構成により、患者に負担をかけることなく、急患を受け入れる部屋にいる患者の数の正確な数を取得することができる。
【0009】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、病院施設情報格納部は、病院を識別する病院識別子と病院施設情報との組を1組以上格納しており、患者情報受付部は、病院識別子と患者情報との組を1組以上受け付け、少なくとも一時的に蓄積し、医師等静的情報格納部は、病院識別子と医師等静的情報との組を1組以上格納しており、ベッド判断部は、受入要請受信部が受入要請を受信した場合、病院施設情報および患者情報とを用いて、ベッドの空きがある病院の病院識別子を取得し、医療チーム判断部は、受入要請受信部が受入要請を受信した場合、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得し、対応可否送信部は、ベッド判断部および医療チーム判断部がともに取得した1以上の病院識別子を外部の装置に送信する救急医療支援装置である。
【0010】
かかる構成により、病院別に急患の受け入れ可否を判断して、急患受け入れ可能な病院を提示することができる。
【0011】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、受入要請は、急患の障害の部位を識別する障害部位識別子を含み、医師等静的情報は、医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群と、医師識別子群で識別される1以上の医師を含む医療チームが行える医療行為を識別する1以上の医療行為識別子とを有し、医療チーム判断部は、受入要請受信部が受入要請を受信した場合、医師等静的情報が有する医療行為識別子および受入要請が有する障害部位識別子とを用いて、急患の対応が可能である医療チームの中で、医師等動的情報を用いて、現在、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する救急医療支援装置である。
【0012】
かかる構成により、患者の障害部位に対する医療行為が可能な医療チームの有無により、急患受け入れが可能であるか否かを判断することができる。
【0013】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、医師等動的情報は、医師識別子と、医師が居る位置を示す位置情報との組を1組以上有し、医師等動的情報受付部は、医師等動的情報と、時刻を示す時刻情報とを対応付けた複数の情報である医師等動的履歴情報を、少なくとも一時的に蓄積し、医療チーム判断部は、医師等静的情報および医師等動的履歴情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する救急医療支援装置である。
【0014】
かかる構成により、医師の位置等の履歴に応じて、急患に対応可能な医療チームの有無を判断することができる。
【0015】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、医師等動的情報受付部は、入力手段を用いて入力された医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する救急医療支援装置である。
【0016】
かかる構成により、無線通信装置から受信した情報以外の医師の情報も利用して、医療チームの有無を判断することができる。
【0017】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、医師等動的情報受付部は、医師識別子と医師識別子で識別される医師のスケジュールに関するスケジュール情報とを受け付けるスケジュール情報受付手段と、医師識別子と医師識別子で識別される医師の位置情報とを受け付ける位置情報受付手段とを備え、医療チーム判断部は、医師等静的情報および医師等動的情報が有するスケジュール情報と位置情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する救急医療支援装置である。
【0018】
かかる構成により、医師のスケジュールを考慮して、急患の対応が可能である医療チームの有無を判断することができる。
【0019】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、医師等動的情報受付部は、1以上の医師に装着された無線通信装置から、医師識別子、および対応可または対応不可の少なくとも2種類以上の状態を識別する状態識別子とを有する1以上の情報である医師等動的情報を受信し、医療チーム判断部は、受入要請受信部が受入要請を受信した場合、医師等動的情報が有する各医師の状態識別子を用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する救急医療支援装置である。
【0020】
かかる構成により、医師の状態に応じて、急患の対応が可能である医療チームの有無を判断することができる。
【0021】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、患者情報受付部は、患者を識別する患者識別子と、他の部屋に転送可能か否かを示す転送可否情報とのを1組以上有する患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積し、ベッド判断部は、病院施設情報および患者情報が有する患者の数と転送可否情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断する、またはベッドの空きがある病院の病院識別子を取得する救急医療支援装置である。
【0022】
かかる構成により、既存の患者を転送することも考慮して、ベッドの空きがあるか否かを判断することができる。
【0023】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、患者の転送先の部屋の空きベッドに関する情報である転送先候補施設情報を格納し得る転送先候補施設情報格納部をさらに備え、ベッド判断部は、さらに転送先候補施設情報をも用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断する、またはベッドの空きがある病院の病院識別子を取得する救急医療支援装置である。
【0024】
かかる構成により、転送可能な患者が、実際に転送可能か否かを転送先のベッドの空きから判断して、ベッドの空きがあるか否かを判断することができる。
【0025】
また、本発明の救急医療支援装置は、前記救急医療支援装置において、医師等動的情報受付部は、1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子と位置情報との組を1組以上有する医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積し、医師識別子と位置情報とを表示する、または表示しない領域に関する情報である表示制御情報を格納し得る表示制御情報格納部と、表示制御情報に従って、表示する領域に居る医師識別子のみ表示する表示部とをさらに備えた救急医療支援装置である。
【0026】
かかる構成により、医師の位置を表示することができるとともに、表示が適切でない領域に入る医師については、表示を行わないようにすることができる。これにより、例えば医師のプライバシー等を守ることができる。
【0027】
また、本発明の医師状態管理用端末は、医師識別子を格納し得る医師識別子格納部と、医師の状態を示す状態情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する状態情報受付部と、医師識別子と状態情報とを、無線通信手段により送信する無線送信部とを備えた医師状態管理用端末である。
【0028】
かかる構成により、医師識別子と医師の状態情報とを医師が特に送信の操作を行わなくても送信することができる。
【0029】
また、本発明の医師状態管理用端末は、前記医師状態管理用端末において、位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、無線送信部は、医師識別子と状態情報と位置情報とを、無線通信手段により送信する医師状態管理用端末である。
【0030】
かかる構成により、医師の位置情報を送信できるため、受信する救急医療支援装置が位置情報を取得する処理を軽減することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明による救急医療支援装置等によれば、急患の受け入れの可否を適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1における救急医療支援システムのブロック図
【図2】同救急医療支援システムの救急医療支援装置の動作について説明するフローチャート
【図3】同救急医療支援システムの救急医療支援装置の動作について説明するフローチャート
【図4】同救急医療支援システムの受入要請装置の動作について説明するフローチャート
【図5】同救急医療支援システムの概念図
【図6】同救急医療支援システムの医師状態管理用カードの外観を示す図
【図7】同救急医療支援システムの動作を説明するための、受信位置管理表を示す図
【図8】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医療領域管理表を示す図
【図9】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医師等動的情報を示す図
【図10】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医師等動的履歴情報を示す図
【図11】同救急医療支援システムの動作を説明するための、急患用部屋管理表を示す図
【図12】同救急医療支援システムの動作を説明するための、患者情報を示す図
【図13】同救急医療支援システムの動作を説明するための、患者数を示す患者情報を示す図
【図14】同救急医療支援システムの動作を説明するための、表示制御情報を示す図
【図15】同救急医療支援システムの表示例を示す図
【図16】同救急医療支援システムの動作を説明するための、受入要請装置の入力画面を示す図
【図17】同救急医療支援システムの動作を説明するための、病院施設情報を示す図
【図18】同救急医療支援システムの動作を説明するための、転送先候補施設情報を示す図
【図19】同救急医療支援システムの動作を説明するための、スケジュール情報を示す図
【図20】救急医療支援システムの動作を説明するための、蓄積された医師識別子を示す図
【図21】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医師等静的情報を示す図
【図22】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医師ID管理表を示す図
【図23】同救急医療支援システムの動作を説明するための、表示例を示す図
【図24】本発明の実施の形態2における救急医療支援システムのブロック図
【図25】同救急医療支援システムの救急医療支援装置の受入可否決定処理の動作について説明するフローチャート
【図26】同救急医療支援システムの概念図
【図27】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医師等動的情報の一例を示す図
【図28】同救急医療支援システムの動作を説明するための、患者情報の一例を示す図
【図29】同救急医療支援システムの動作を説明するための、病院識別子と対応づけられた病院施設情報の一例を示す図
【図30】同救急医療支援システムの動作を説明するための、ベッド判断部が取得した病院識別子を示す図
【図31】同救急医療支援システムの動作を説明するための、医療チーム判断部が取得した病院識別子を示す図
【図32】同救急医療支援システムの動作を説明するための、受入要請装置の表示例を示す図
【図33】同救急医療支援システムの無線通信装置の変形例を示す図
【図34】同救急医療支援システムの患者用無線通信装置の変形例を示す図
【図35】本発明の各実施の形態による救急医療支援装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図
【図36】同救急医療支援装置を実現するコンピュータの内部構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、救急医療支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における救急医療支援システム10のブロック図である。
救急医療支援システム10は、救急医療支援装置1、1以上の無線通信装置3、1以上の患者用無線通信装置4、および1以上の受入要請装置5を備える。なお、ここでは、便宜上、無線通信装置3、患者用無線通信装置4、および受入要請装置5が、それぞれ一つである場合の例を示している。
【0035】
救急医療支援装置1は、病院施設情報格納部100、患者情報受付部101、転送先候補施設情報格納部102、受入要請受信部103、ベッド判断部104、医師等静的情報格納部105、医師等動的情報受付部106、表示制御情報格納部107、表示部108、医療チーム判断部109、および対応可否送信部110を備える。
【0036】
医師等動的情報受付部106は、スケジュール情報受付手段1061および位置情報受付手段1062を備える。
【0037】
無線通信装置3は、医師識別子格納部301、状態識別子受付部302、および無線送信部303を備える。
【0038】
患者用無線通信装置4は、患者識別子格納部401と、患者用無線送信部402とを備える。
【0039】
受入要請装置5は、受入要請受付部501と、受入要請送信部502と、対応可否受信部503、および対応可否出力部504とを備える。
【0040】
救急医療支援システム10における、救急医療支援装置1、無線通信装置3、患者用無線通信装置4、および受入要請装置5は、通信回線や無線等のネットワーク等により通信可能に接続されている。
【0041】
救急医療支援装置1は、例えば、各病院施設内に配置される装置である。救急医療支援装置1は、例えば、コンピュータやその周辺装置等から実現され得るが、専用のハードウェア等で構成されても良い。
【0042】
病院施設情報格納部100は、病院の施設に関する情報であり、急患を受け入れる部屋の病床数を少なくとも有する病院施設情報を格納し得る。病院施設情報とは、具体的には、病院の施設に関する静的な情報である。病院施設情報は、例えば、病院の病床数の情報である。病床数とは、具体的には、ベッド数である。病院の病床数は、内科や外科等の病院の各科別の病床数であっても良いし、病院の有する各部屋、例えば、ベッドルームや、ICU(集中治療室)や、処置室の病床数であっても良い。病床数の情報は、各部屋別や各科別や各用途別に病床数が管理されている情報であっても良いし、これらの一部又は全ての合計の病床数を示す情報が管理されている情報であってもよい。また、病院施設情報や、病院の有する手術室の数の情報であっても良い。急患を受け入れる部屋とは、各病院の急患を受け入れることが可能な部屋であれば、どのような部屋であっても良い。急患を受け入れる部屋とは、例えば、病院の救急病棟の、処置室や、ベッドルームや、手術室や、ICU等の部屋である。病院施設情報は、各部屋の用途を示す情報を有していても良い。また、病院施設情報や、病院の設備等に関する情報を更に含んでいてもよい。なお、急患とは、急病の患者であり、例えば、救急車等の救急車両で搬送される患者である。
【0043】
病院施設情報格納部100に病院施設情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して病院施設情報が病院施設情報格納部100に蓄積されても良い。また、通信回線等を介して送信された病院施設情報が病院施設情報格納部100に蓄積されても良い。また、キーボード等の入力デバイスを介して入力された病院施設情報が病院施設情報格納部100に蓄積されても良い。
【0044】
病院施設情報格納部100は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0045】
患者情報受付部101は、急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する。患者情報受付部101は、例えば図示しない入力デバイス等を介して入力された患者情報を受け付けても良い。また、患者情報受付部101は、結果的に病院内の急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付けることができれば、どのように患者情報を取得しても良い。例えば、患者情報受付部101は、病院内の急患を受け入れる各部屋にいる1以上の患者にそれぞれ装着された1以上の各無線通信装置、ここでは、例えば、RFIDタグ等の後述する患者用無線通信装置4から、少なくとも患者であることを示す情報を受信し、受信した患者であることを示す情報を用いて、患者の数を含む患者情報を取得してもよい。例えば、急患を受け入れる各部屋で受信した患者であることを示す情報の数をカウントすることで、患者数を取得してもよい。
【0046】
患者であることを示す情報は、例えば、患者あるいは患者用無線通信装置4に共通して割り当てられた、単に患者であることを示す特定の情報であってもよいし、患者別に、あるいは、患者用無線通信装置4別に割り当てられた、互いに異なる識別情報、例えば、患者識別子であっても良い。患者識別子は、患者を識別可能な識別子である。例えば、患者識別子は、患者名等であっても良いし、患者に与えられた番号やコード等であっても良い。患者識別子は、後述するような患者に装着される患者用無線通信装置4の有する識別子であっても良い。患者情報受付部101は、例えば、病院内の急患を受け入れる部屋の中の患者用無線通信装置4を含む通信装置から送信される識別情報を受信し、この識別情報のうちの、予め患者に割り当てられた識別情報と一致する識別情報を検索等により検出し、検出した一致する識別情報数をカウントして患者数の情報を取得しても良い。予め患者に共通して、あるいは個別に割り当てられた識別情報は、図示しない記憶媒体等の格納部等に、予め蓄積しておくようにすればよい。
【0047】
急患を受け入れる各部屋にいる1以上の患者から、患者であることを示す情報を取得する方法は、どのような方法で行うようにしても良い。例えば、急患を受け入れる部屋において出力される情報のみを受信可能となるような配置で、病院内に情報を受信するための一以上のアンテナ等を設置するようにし、このアンテナが受信した患者であることを示す情報だけを取得するようにしてもよい。また、同じアンテナを用いて患者であることを示す情報以外の情報を受信する場合には、受信した情報の中から、予め用意された患者であることを示す情報と一致する情報だけを取得するようにしても良い。あるいは、病院内の各部屋において出力される情報のみを選択的に受信可能となるように各部屋等にアンテナ等を設置して、各アンテナが患者であることを示す情報を受信した場合に、そのアンテナに予め対応付けられた各部屋の識別情報等を患者の位置の情報として受け付け、この位置の情報を用いて、急患を受け入れる部屋にいる患者数を取得してもよい。つまり、患者の位置の情報として、患者の部屋の識別情報を用いても良い。かかることは以下の処理においても同様である。また、複数のアンテナで、RFIDタグ等の患者用無線通信装置4から出力される患者であることを示す情報を受信するとともに、患者情報受付部101が、各アンテナにおける受信時の受信強度から、患者の位置(患者用無線通信装置4の位置)を算出し、その算出した位置が、予め設定された急患を受け入れる部屋内の位置を示すか否かを判断することで、急患を受け入れる部屋にいる患者からの情報のみを取得するようにしてもよい。あるいは、急患を受け入れる部屋にいる患者からの情報にのみ、予め指定した急患を受け入れる部屋にいる患者からの情報であることを示すフラグ等の情報を付与するようにしてもよい。また、患者用無線通信装置4がGPS(Global Positioning System)等を備えており、患者であることを示す情報とともに、GPSで取得した位置情報を送信するようにして、患者情報受付部101は、受け付けた位置情報が、予め設定された急患を受け入れる部屋内の位置を示す情報である場合にのみ、患者であることを示す情報を取得するようにしても良い。あるいは上記のようにフラグ等の情報を付与しても良い。なお、RFIDタグやGPS等によって、位置を検出する処理等は公知技術であるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0048】
また、患者情報受付部101は、患者を識別する患者識別子と、他の部屋に転送可能か否かを示す転送可否情報との組を1組以上有する患者情報を受け付け、図示しない記憶媒体等に少なくとも一時的に蓄積してもよい。他の部屋とは、具体的には急患を受け入れる部屋以外の部屋である。例えば、救急病棟以外の部屋である。他の部屋に転送可能な否かの情報は、結果的に転送可能な否かを判断可能な情報であれば、転送可能な場合にのみ入力される転送可能なことを示す情報であっても良い。転送可能な否かの情報は、例えば、転送可能な場合、もしくは転送不可の場合にのみ立てられるフラグ情報であっても良い。また、患者情報は、患者の転送先を示す情報を含むようにしてもよい。
【0049】
なお、上述した患者情報は、患者情報受付部101が受け付けた患者識別子の集合と考えても良く、この場合、患者情報を構成する患者識別子の数が、患者の数となる。
【0050】
ここで述べる受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。患者情報受付部101は、通信手段や受信手段のドライバーや、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。また、患者情報受付部101は、情報を受信するための1以上のアンテナや、RFIDタグリーダ、またはRFIDタグリーダライタ等を備えていても良い。
【0051】
転送先候補施設情報格納部102は、患者の転送先の部屋の空きベッドに関する情報である転送先候補施設情報を格納し得る。ここで述べる患者は、具体的には急患を受け入れる部屋にいる患者である。ここで述べる転送先は、急患を受け入れる部屋以外の部屋である。転送先候補施設情報は、患者の転送先を示す情報に対応した転送先の候補となり得る部屋における空きベッドに関する情報である。空きベッドに関する情報とは、空きベッドの有無を示す情報であっても良いし、空きベッド数を示す情報であっても良い。転送先候補施設情報は、転送先の候補となる部屋を示す情報と、空きベッドに関する情報とが対応付けられた情報である。転送先の候補となる部屋を示す情報は、例えば、部屋の名前や、部屋が属する科や、部屋の用途等を示す部屋の識別情報である。転送先の候補となりうる部屋を示す情報は、上述した患者情報に含まれる転送先を示す情報と対応関係を有する情報である。転送先の候補となりうる部屋を示す情報の一つを、上述した患者情報に含まれる転送先を示す情報として利用するようにしても良い。
【0052】
転送先候補施設情報格納部102に転送先候補施設情報が蓄積される過程は問わない。例えば、通信回線等を介して送信された転送先候補施設情報が転送先候補施設情報格納部102に蓄積されても良く、あるいは、入力デバイスを介して入力された転送先候補施設情報が転送先候補施設情報格納部102に蓄積されてもよい。転送先候補施設情報格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0053】
受入要請受信部103は、急患の受け入れの要請を示す情報である受入要請を、外部の装置から受信する。受入要請とは、急患の受入可否を問う情報と考えても良い。受入要請は、障害の部位を識別する情報である障害部位識別子を含んでも良い。障害部位識別子は、障害の部位を特定可能な急患の症状を示す情報であっても良い。外部の装置とは、受入要請を送信可能な装置である。受入要請は、例えば、無線の通信回線や無線のネットワーク等を介して、外部の装置から送信される。外部の装置とは、例えば、救急車両等に設置された装置や、救急隊が保持している装置等である。本実施の形態においては、外部の装置が、後述する受入要請装置5である場合を例に挙げて説明する。受入要請受信部103は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0054】
ベッド判断部104は、病院施設情報および患者情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断する。例えば、ベッド判断部104は、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合に、ベッドの空きがあるか否かを判断する。あるいは、定期的や不定期にベッドの空きがあるか否かを判断しても良い。また、ベッド判断部104は、病院施設情報および患者情報が有する患者の数と転送可否情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断してもよい。
【0055】
具体的には、ベッド判断部104は、病院施設情報に含まれるベッドの数が、患者情報から取得される患者数より多いか否かを判断し、多い場合に、ベッドに空きがあると判断する。さらに、ベッド判断部104は、病院施設情報に含まれるベッドの数と、患者情報から取得される患者数とが同じ場合、移動(転送)させることができる患者がいるか否かを、患者情報に含まれる転送可否情報を用いて判断する。具体的には、転送が可能であることを示す転送可否情報が1以上格納されている場合、ベッド判断部104は、ベッドに空きがあると判断する。例えば、転送可能であることを示す転送可否情報と対応付けられた患者識別子が示す患者を受け入れる部屋以外の部屋、例えば、一般病棟等に移動させることで、急患を受け入れる部屋にベッドの空きができるからである。
【0056】
また、ベッド判断部104は、病院施設情報および患者情報が有する患者の数と転送可否情報と転送先候補施設情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断してもよい。
【0057】
具体的には、上記のように移動させることができる患者がいる場合でも、移動先の部屋のベッドに空きがあるか否かを判断するようにしても良い。例えば、転送が可能であることを示す転送可否情報のなかに、空きベッドを有する転送先を転送先に指定する転送可否情報が1以上含まれる場合に、ベッドに空きがあると判断してもよい。転送先に空きベッドがあるか否かは、転送可否情報に含まれる転送先を示す情報に対応した転送先候補施設情報が、空きベッドがあることを示すか否かにより判断可能である。
【0058】
ベッド判断部104は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。ベッド判断部104の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0059】
医師等静的情報格納部105は、医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群を有する医師等静的情報を格納し得る。
【0060】
医師等静的情報は、医師等についての静的な情報であり、例えば、医師により構成される医療チームを示すための情報である。医師等静的情報は、例えば、1以上の医療チームに対応した1以上の医師識別子群を有している。一の医療チームに対応した医師識別子群に含まれる医師識別子が示す医師は、例えば、一の医療チームに属する医師である。医療チームは、例えば、急患に対応可能な医療チームである。なお、医師等静的情報は、医師の静的情報に加えて、さらに看護士等についての静的な情報を含むと考えても良い。この場合、医療チームは、医師に加えて看護士も含む医療チームと考えても良い。なお、看護士の静的情報は、対象が医師でない点を除けば、医師の静的情報と同様である。医師等静的情報は、1以上の医師識別子を有する医師識別子群と、この医師識別子群で識別される1以上の医師を含む医療チームが行える医療行為を識別する1以上の医療行為識別子を有していても良い。医療行為識別子は、具体的には、医療チームが行うことのできる医療行為を識別する情報である。医療行為識別子は、医療チームの医療における専門分野等を示す情報を示す情報と考えても良い。また、医療行為識別子は、当該医療チームが対応可能な障害部位を示す情報と考えても良い。医療行為識別子は、例えば、上述した受入要請に含まれる障害部位識別子と対応関係を有している。医療行為識別子は、上述した障害部位識別子と同じものでもよい。同じものでない場合、障害部位識別子と医療行為識別子との対応関係を管理する情報が、例えば、図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積される。この管理情報は、例えば「脳」という障害部位識別子と、「脳外科」という医療行為識別子とを対応付ける情報である。医療行為識別子は、医師識別子または医師識別子群と対応付けて格納される。
【0061】
医師等静的情報格納部105に医師等静的情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して医師等静的情報が医師等静的情報格納部105に蓄積されてもよく、通信回線等を介して送信された医師等静的情報が医師等静的情報格納部105に蓄積されてもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された医師等静的情報が医師等静的情報格納部105で記憶されるようになってもよい。
【0062】
医師等静的情報格納部105は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0063】
医師等動的情報受付部106は、急患を受け入れる部屋を含む、急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子を含む医師等動的情報を受け付け、少なくとも図示しない記憶媒体等に一時的に蓄積する。ここで述べる無線通信装置とは、例えば、無線通信装置3である。医師等動的情報は、例えば医師の動的な状態を示す情報である。例えば、医師等動的情報は、医師識別子と、医師がいる位置を示す位置情報との組を1組以上有していてもよい。また、医師のスケジュール情報等を有していても良い。位置情報やスケジュール情報については後述する。なお、医師等動的情報は、さらに看護士の動的な情報を含んでいるようにしても良い。なお、看護士の動的な情報は、対象が異なる点を除けば医師の動的情報と同様のものと考えて良い。
【0064】
急患に対して医療行為を行う領域は、例えば、急患に対して医療行為を行い得る状態にある医師が存在する領域と考えても良い。急患に対して医療行為を行う領域のうちの、急患を受け入れる部屋以外の部屋とは、例えば、レントゲン室や、廊下、事務室や、スタッフルーム等である。急患を受け入れる部屋以外の急患に対して医療行為を行う領域は、救急病棟内の全ての領域としても良い。ここでは、例として、無線通信装置として医師状態管理用カード30を用いた場合を例に挙げて説明する。無線通信装置を、カード形状としたことにより、医師への装着が容易となる。ただし、医師状態管理用カード30を用いる代わりに、カード型以外の形状の、同様の機能を有する、例えば携帯情報端末や携帯電話やPHSやスマートフォン等の医師の状態を管理するために利用される携帯可能な端末である医師状態管理用端末を無線通信装置として用いても良いことはいうまでもない。
【0065】
急患に対して医療行為を行う領域にいる医師に装着された無線通信装置からの、医師等動的情報の取得は、どのような方法で行うようにしても良い。例えば、急患に対して医療行為を行う領域において出力される情報のみを受信可能となるような配置で、病院内に情報を受信するための1以上のアンテナ等を設置し、このアンテナで受信した医師等動的情報だけを医師等動的情報受付部106が受け付けるようにしてもよい。また、予め、複数のアンテナとアンテナが設けられている位置の情報、例えば座標や、部屋や領域の名称等を対応付けておくようにし、無線通信装置から情報を受信したアンテナ、もしくは無線通信装置から受信した情報の強度が最も高いアンテナの位置の情報を、医師等動的情報受付部106が取得するようにし、この位置の情報が、予め指定された急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示している場合にのみ、受信した情報を受け付けるようにしてもよい。あるいは、受信した情報に、予め指定された急患に対して医療行為を行う領域内にいる医師からの情報であることを示すフラグ等の情報を付与するようにしてもよい。また、急患に対して医療行為を行う領域を含む領域に予め配置されている位置が決まっている複数のアンテナを設けるようにし、無線通信装置から送信される情報を受信した1以上のアンテナの受信強度と、その位置の情報とを用いて三点測位等で無線通信装置の位置を算出し、この位置の情報が、予め指定された急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示している場合にのみ、受信した情報を受け付けるようにしてもよい。また、上記と同様にフラグの情報を付与しても良い。なお、同じアンテナを用いて医師等動的情報以外の情報、例えば患者識別子等を受信する場合には、受信した情報の中から、予め用意された医師識別子と一致する医師識別情報を含む医師等動的情報だけを取得するようにしても良い。予め用意された医師識別子は、例えば上述した医師等静的情報格納部105に格納された医師等静的情報に含まれる医師識別子である。特定のアンテナだけが受信した情報を取得することは、RFIDタグ等の技術においては公知である。かかることは以下の処理においても同様である。また、医師等動的情報受付部106は、病院内等に設けられた複数のアンテナで、無線通信装置から出力される患者であることを示す情報を受信するとともに、医師等動的情報受付部106が、各アンテナにおける受信時の受信強度から、無線通信装置を装着した医師の位置(即ち無線通信装置の位置)を算出し、その算出した位置が、予め設定された急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示すか否かを判断することで、急患に対して医療行為を行う領域にいる医師からの医師等動的情報のみを取得するようにしてもよい。また、この医師等動的情報に上記と同様にフラグ等の情報を付与しても良い。ここでの位置は、例えば、緯度経度の情報や、任意に設定された座標等の座標情報である。また、無線通信装置がGPS等を備えており、医師等動的情報等とともに、GPSで取得した位置情報を送信するようにして、医師等動的情報受付部106は、受け付けた位置情報が、予め設定された急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示す場合にのみ、医師等動的情報を取得するようにしても良い。また、急患に対して医療行為を行う領域を構成する各部屋や領域に、各部屋や領域等の位置を識別するための識別子等の位置の情報を予め指定されたタイミングで送信する情報送信装置(図示せず)等を設け、医師が、各部屋や領域に入った際に、情報送信装置が送信する位置の情報を、医師が装着した無線通信装置が受信し、受信した位置の情報を含む医師等動的情報等を、無線通信装置が送信するようにしても良い。この場合、医師等動的情報受付部106は、受け付けた医師等動的情報に含まれる位置情報が、予め設定された急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示す場合にのみ、医師等動的情報を取得するようにしても良い。なお、RFIDタグやGPS等によって、位置を検出する処理等は公知技術であるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0066】
医師等動的情報受付部106は、さらに、入力手段を用いて入力された医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する。入力手段を用いた入力される医師等動的情報は、例えば後述するスケジュール情報等である。
【0067】
また、医師等動的情報受付部106は、1以上の医師に装着された無線通信装置から、医師識別子、および対応可または対応不可の少なくとも2種類以上の状態を識別する状態識別子とを有する1以上の情報である医師等動的情報を受信し、蓄積してもよい。対応可、または対応不可とは、医師が急患に対する医療行為に対応可であるか否かを示す情報である。状態識別子は、例えば、対応可または対応不可の状態を示す状態識別子に加えて、さらに、対応可能か否かが分からない状況を示す不明という状態識別子を含んでもよい。
【0068】
医師等動的情報受付部106は、1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子と、医師がいる位置を示す位置情報との組を1組以上有する医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積してもよい。ここで述べる位置情報とは、医師の位置を示す情報であり、例えば、無線通信装置の位置、例えば座標や無損通信装置が存在する部屋や領域等を示す情報である。なお、医師等動的情報受付部106は、受け付けた無線通信装置の位置を示す座標情報を用いて、無線通信装置の位置を含む部屋等の領域の名前等の識別情報を示す位置情報を取得して蓄積も良い。例えば、急患に対して医療行為を行う領域を含む領域を構成する1以上の各領域、例えば部屋等の輪郭を定義する座標の情報等を、各領域を示す情報である領域識別子や部屋識別子(例えば部屋名や領域名)と対応付けて予め用意しておき、無線通信装置の位置を示す座標が、いずれの領域に位置するかを検出し、検出した領域に対応した領域識別子や部屋識別子を取得するようにしてもよい。
【0069】
なお、医師等動的情報受付部106は、以下のように位置情報を取得しても良い。予め、急患に対して医療行為を行う領域を構成する1以上の各領域、例えば各部屋等に、各領域内において無線通信装置から送信される医師等動的情報等の情報だけを受信可能となるようにアンテナを配置しておくようにするとともに、各アンテナに、アンテナが配置されている領域や部屋の識別子を対応付けておくようにし、それぞれのアンテナが無線通信装置からの情報を受信した場合に、送信元の無線通信装置の位置情報として、受信したアンテナに対応付けられた各領域または各部屋の識別子を取得するようにしても良い。なお、一の領域内の無線通信装置から送信された情報だけを受信するようにするためには、例えば、指向性の高いアンテナを、一の領域の四隅に、領域の中央に向けて配置しても良いし、1以上のアンテナを、受信範囲を組み合わせた範囲が、一の領域を超えないように複数配置しても良い。また、急患に対して医療行為を行う領域を含む領域の予め決められた複数の位置に、複数のアンテナを設置し、無線通信装置からの情報をアンテナが受信した場合に、受信したアンテナの位置の情報(例えば、座標情報)、あるいは、受信強度が最も強かったアンテナの位置の情報を、医師の位置情報として取得するようにしても良い。
【0070】
医師等動的情報受付部106は、医師等動的情報と、時刻を示す時刻情報とを対応付けた複数の情報である医師等動的履歴情報を、少なくとも一時的に蓄積してもよい。例えば医師等動的情報受付部106は、医師等動的情報を受け付けた時刻の時刻情報を取得し、医師等動的情報と対応付けて蓄積する。時刻情報は、例えば、図示しない時計等の計時手段等から取得可能である。
【0071】
医師等動的情報受付部106は、医師等動的情報として、さらに、医師のスケジュール情報を受け付けて、医師識別子と対応付けて蓄積しても良い。
【0072】
ここで述べる受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。医師等動的情報受付部106は、通信手段や受信手段のドライバーや、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0073】
また、医師等動的情報受付部106は、情報を受信するための1以上のアンテナや、RFIDタグリーダ、またはRFIDタグリーダライタ等を備えていても良い。
【0074】
なお、ここでは、医師等動的情報受付部106が、スケジュール情報受付手段1061と、位置情報受付手段1062とを備えた場合について説明する。
【0075】
スケジュール情報受付手段1061は、医師識別子と医師識別子で識別される医師のスケジュールに関するスケジュール情報とを受け付ける。スケジュール情報は、例えば、医師の予定と、日時とを対応付けた情報である。例えば医師の予定の開始時刻と終了時刻とを示すことが可能な情報である。スケジュール情報は、例えば、医師の勤務時間を示す情報であっても良いし、医師が急患に対する医療行為を行う時間帯や、医療行為を行わない時間帯等を示す情報であっても良いし、医師が行う手術や、回診等の予定等を示す情報であっても良い。スケジュール情報受付手段1061は、例えば、医師識別子と対応付けられたスケジュール情報を受け付ける。受け付けたスケジュール情報を、医師識別子と対応付けて医師等動的情報として図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0076】
ここで述べる受け付けは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。スケジュール情報の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるものや、有線や無線の通信手段等、何でも良い。スケジュール情報受付手段1061は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0077】
位置情報受付手段1062は、医師識別子と、医師識別子で識別される医師の位置情報とを受け付ける。位置情報受付手段1062は、無線通信装置から送信される医師識別子と、医師の位置情報とを受け付ける。医師の位置情報については、上述したのでここでは詳細な説明は省略する。位置情報受付手段1062は、無線通信装置から送信される情報に、位置情報が含まれる場合、この位置情報を受け付けてもよい。また、無線通信装置から送信される情報を用いて位置情報を取得して受け付けても良い。例えば、予め、複数のアンテナとアンテナが設けられている位置の情報、例えば座標や、部屋や領域の名称等の識別子を対応付けておくようにし、無線通信装置から情報を受信したアンテナ、もしくは無線通信装置から受信した情報の強度が最も高いアンテナの位置の情報を、医師等動的情報受付部106が取得するようにし、この位置の情報を、医師の位置情報として受け付けるようにしてもよい。また、急患に対して医療行為を行う領域を含む領域に予め配置されている位置が決まっている複数のアンテナを設けるようにし、無線通信装置から送信される情報を受信した1以上のアンテナの受信強度と、その位置の情報とを用いて三点測位等で無線通信装置の位置を算出し、この位置の情報を、医師の位置情報として受け付けるようにしても良い。また、急患に対して医療行為を行う領域を含む領域を構成する各部屋や領域に、各部屋や領域等の位置を識別するための識別子等の位置の情報を、予め指定されたタイミングで送信する情報送信装置(図示せず)等を設け、医師が、各部屋や領域に入った際に、情報送信装置が送信する位置の情報を、医師が装着した無線通信装置が受信し、受信した位置の情報を含む医師等動的情報等を、無線通信装置が送信するようにしても良い。この場合、位置情報受付手段1062は、無線通信装置から送信される医師等動的情報に含まれる位置の情報を医師の位置情報として受け付けても良い。位置情報受付手段1062は、受け付けた位置情報を、医師識別子と対応付けて医師等動的情報として図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0078】
ここで述べる受け付けは、例えば、無線の通信回線やネットワーク等を介して送信された情報の受信である。スケジュール情報受付手段1061は、無線通信のドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。また、スケジュール情報受付手段1061は、情報を受信するための1以上のアンテナや、RFIDタグリーダ、またはRFIDタグリーダライタ等を備えていても良い。
【0079】
表示制御情報格納部107は、医師識別子と位置情報とを表示する、または表示しない領域に関する情報である表示制御情報を格納し得る。表示する領域に医師の位置を示す位置情報が位置する場合、この位置情報およびこれに対応付けられた医師識別情報が表示対象であることとなる。表示しない領域に医師の位置を示す位置情報が位置する場合、この位置情報およびこれに対応付けられた医師識別情報が非表示の対象であることとなる。表示制御情報は、結果的に、表示する領域と表示しない領域とが指定できる情報であればよく、表示する領域だけを指定する情報であってもよいし、表示しない領域だけを指定する情報であっても良い。表示制御情報の領域に関する情報は、例えば、領域の輪郭を示す座標情報等であっても良いし、上述したような領域名や部屋名等の領域識別子や部屋識別子であっても良い。
【0080】
表示制御情報格納部107に表示制御情報が記憶される過程は問わない。表示制御情報格納部107は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0081】
表示部108は、表示制御情報に従って、表示する領域にいる医師識別子のみ表示する。具体的には、表示部108は、医師等動的情報受付部106が受け付けた医師識別子と位置情報との組の中から、対応する位置情報が、表示制御情報が表示する領域に指定している領域内の位置情報であることを示している医師識別子を検出し、この医師識別子を表示する。あるいは、医師等動的情報受付部106が受け付けた医師識別子と位置情報との組の中から、対応する位置情報が、表示制御情報が表示しない領域に指定している領域内の位置情報であることを示している医師識別子以外の医師識別子を検出し、この医師識別子を表示しても良い。表示部108は、例えば、医師識別子を、当該医師識別子と対応する位置情報と対応付けて表示しても良い。また、位置情報が、座標の情報である場合、この座標が含まれる領域や部屋を、領域や部屋の輪郭等を定義する座標情報等を用いて検出し、検出した領域や部屋の識別子を医師識別子と対応付けて表示するようにしても良い。また、位置情報が、領域識別子や部屋識別子である場合、この領域識別子や部屋識別子が示す領域や部屋の間取り図等を用意し、位置情報が示す領域識別子や部屋識別子と対応する間取り図上の領域内に、位置情報に対応する医師識別子を配置した画像を表示しても良い。また、位置情報が座標の情報である場合、急患に対応可能な領域を縮尺して示した間取り図等を用意し、この間取り図上の位置情報が示す座標上に、医師識別子を表示するようにしてもよい。なお、表示部108は、医師等動的情報に状態識別子が含まれる場合、状態識別子に応じて、表示する医師識別子を選択するようにしても良い。例えば、表示部108は、対応可である表示識別子に対応付けられた医師識別子のみを、医師等動的情報から取得し、この取得した医師識別子のうちの、表示する領域にいる医師の医師識別子のみを表示するようにしてもよい。あるいは、対応不可である表示識別子に対応付けられた医師識別子のみを、医師等動的情報から取得し、この取得した医師識別子のうちの、表示する領域にいる医師の医師識別子のみを表示するようにしてもよい。また、状態識別子が不明である場合、即ち対応が不明であることを示している場合、この状態識別子に対応した医師識別子を表示に利用するように設定しておいても良いし、表示に利用しないように設定しておいても良い。
【0082】
表示部108は、ディスプレイデバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。表示部108は、ディスプレイデバイスのドライバーソフトまたは、ディスプレイデバイスのドライバーソフトとディスプレイデバイス等で実現され得る。
【0083】
医療チーム判断部109は、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断する。医療チーム判断部109は、例えば、医師等静的情報と医師等動的情報とが、予め指定された条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合に、急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断する。なお、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合に、結果的に、医療チーム判断部109が、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かの判断結果を出力可能であれば、上記のように、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合に、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを医療チーム判断部109が判断したと考えても良い。例えば、医療チーム判断部109が、常に、あるいは一定または不定の時間間隔毎に、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、医療チーム判断部109が急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かの判断を繰り返して行い、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合に、その直前の判断結果を出力することも、上記のように、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合に、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断することであると考えても良い。
【0084】
予め指定された条件は、受入要求に応じた急患に応じた医療処置が可能な医療チームが存在することを判断可能な条件であれば、どのような条件であっても良い。予め指定された条件は、例えば、医師等静的情報が示す各医療チーム別の医師識別子群の中に、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子と一致する医師識別子群があること、という条件である。急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子とは、ここでは、急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の医師の医師識別子である。例えば、医療チーム判断部109は、医師等動的情報が示す急患に対して医療行為を行う領域にいる医師を示す1以上の医師識別子が、医師等静的情報が示す一の医療チームを構成する医師の医師識別子の全てと一致するか否かを判断する。そして、全ての医師識別子が一致する医療チームが一以上あった場合、急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断し、ない場合、医療チームが存在しないと判断する。また、予め指定された条件は、例えば、医師等静的情報が示す各医療チーム別の医師識別子群の中に、予め指定された割合以上、あるいは人数以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す医師識別子と一致し、なおかつその一致する医師識別子の中に、各医療チームのリーダや責任者等の主たる医師の医師識別子が含まれる医師識別子群があること、という条件等であっても良い。
【0085】
また、医療チーム判断部109は、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合、医師等静的情報が有する医療行為識別子および受入要請が有する障害部位識別子とを用いて、急患の対応が可能である医療チームの中で、医師等動的情報を用いて、現在、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する。医療チーム判断部109は、例えば、医師等静的情報と医師等動的情報と障害部位識別子とが、予め指定された条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合に、急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断する。ここでの予め指定された条件は、例えば、医師等静的情報が示す各医療チーム別の医師識別子群の中に、障害部位識別子に対応した医療行為が可能な医療チームの医師識別子群があり、かつ、この医療チームの医師識別子群のうちの、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の医師の医師識別子と一致する、という条件である。
【0086】
具体的には、受入要請が有する障害部位識別子と対応する医療行為識別子と対応付けられた医師識別子群がある場合、この医師識別子群が、障害部位識別子に対応した医療行為が可能な医療チームの医師識別子群であると判断することができる。そして、この医師識別子群について、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の医師の医師識別子と一致するか否かを判断するようにしてもよい。受入要請が有する障害部位識別子と対応する医療行為識別子と対応付けられた医師識別子群がない場合や、予め指定された割合以上の医師識別子が一致しない場合には、医療チームが存在しないと判断し、その他の場合には、医療チームが存在すると判断する。
【0087】
また、予め指定された条件に、各障害部位識別子に対応した医療行為が可能な医療チームの医師識別子群を指定する情報を加えておくようにし、この予め指定された条件を用いて、受入要請が有する障害部位識別子に応じた医師識別子群を取得し、この医師識別子群について、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の医師の医師識別子と一致するか否かを判断するようにしてもよい。予め指定された条件を用いて、受入要請が有する障害部位識別子に応じた医師識別子群が取得できない場合や、予め指定された割合以上の医師識別子が一致しない場合には、医療チームが存在しないと判断し、その他の場合には、医療チームが存在すると判断する。
【0088】
また、医療チーム判断部109は、医師等静的情報および医師等動的履歴情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断してもよい。医療チーム判断部109は、例えば、医師等静的情報と医師等動的履歴情報とが、予め指定された条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合に、急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断する。
【0089】
予め指定された条件は、受入要求に応じた医療処置が可能な医療チームが存在することを判断可能な条件であれば、どのような条件であっても良い。予め指定された条件は、例えば、医師等静的情報が示す各医療チーム別の医師識別子群の中に、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的履歴情報が示す急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子と一致する医師識別子群があること、という条件である。急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子とは、ここでは、急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の医師の医師識別子、および医師等動的履歴情報を用いて医療チーム判断部109により、急患に対応可能な医師の医師識別子であると判断された医師識別子である。なお、急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子を判断する場合において、医師等動的履歴情報を用いた判断は、ここでは、急患に対して医療行為を行う領域にいる医師であるか否かの判断よりも優先するものとする。条件を満たすか否かの判断処理は、上記と同様である。
【0090】
例えば、医師等動的履歴情報が、ある医師が手術室に入っていることを示しており、なおかつ、医師等動的履歴情報から算出される現在までの医師の手術室に入っている時間が、所定時間以上である場合、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する際に、この医師の医師識別子を、急患に対して医療行為を行う領域にいる医師の医師識別子から除外して扱うようにしても良い。また、例えば、医師等動的履歴情報が、ある医師が手術室以外の、急患に対して医療行為を行う領域にいることを示していた場合においても、その前の所定時間内、例えば現在から5分前までの間に、手術室にいたことを医師等動的履歴情報が示しており、かつその前の所定時間内、例えば5分前から10分前までの間には、手術室に入っていなかったことを示している場合には、この医師は、手術開始時に一時的に手術室の外に出ていると判断できることから、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する際に、この医師の医師識別子を、急患に対応が可能な医師の医師識別子から除外する。逆に、例えば5分前から10分前までの間に手術室内にいることを示していれば、この医師の医師識別子を、急患に対応が可能な医師の医師識別子とする。
【0091】
また、医療チーム判断部109は、医師等静的情報および医師等動的情報が有するスケジュール情報と位置情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断してもよい。医療チーム判断部109は、例えば、医師等静的情報と医師等動的情報が有するスケジュール情報と位置情報とが、予め指定された条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合に、急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断する。
【0092】
予め指定された条件は、例えば、医師等静的情報が示す各医療チーム別の医師識別子群の中に、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子と一致する医師識別子群があること、という条件である。急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子とは、ここでは、急患に対して医療行為を行う領域にいる1以上の医師の医師識別子、および、急患に対して医療行為を行うことが可能な状態であることを示しているスケジュール情報に対応した医師識別子である。なお、急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子を判断する場合において、医師等動的履歴情報を用いた判断は、ここでは、急患に対して医療行為を行う領域にいる医師であるか否かの判断よりも優先するものとする。条件を満たすか否かの判断処理は、上記と同様である。
【0093】
例えば、医療チーム判断部109は、ある医師の位置情報が、急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示していなくても、その医師の医師識別子に対応したスケジュール情報が、その医師が、急患に対応が可能な状態であることを示す場合、例えば、その位置が、勤務時間内であることを示している場合、この医師の医師識別子を、急患に対して対応可能な医師の医師識別子として用いるようにしてもよい。逆に、急患に対して医療行為を行う領域内の位置を示していても、その医師の医師識別子に対応したスケジュール情報が、その医師が、急患に対応が可能な状態でないことを示す場合、例えば、医師の勤務時間外であることを示している場合、この医師の医師識別子を、急患に対して対応可能な医師の医師識別子として用いるようにしてもよい。
【0094】
また、医療チーム判断部109は、受入要請受信部103が受入要請を受信した場合、医師等動的情報が有する各医師の状態識別子を用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断してもよい。
【0095】
医療チーム判断部109は、例えば、医師等静的情報と医師等動的情報が有する各医師の状態識別子とが、予め指定された条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合に、急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断する。
【0096】
予め指定された条件は、例えば、医師等静的情報が示す各医療チーム別の医師識別子群の中に、予め指定された割合以上の医師識別子が、医師等動的情報が示す急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子と一致する医師識別子群があること、という条件である。急患に対応可能な1以上の医師の医師識別子とは、ここでは、例えば、対応する状態識別子が、対応可、即ち急患に対する対応が可能であることを示している医師識別子である。条件を満たすか否かの判断処理は、上記と同様である。
【0097】
なお、医療チーム判断部109は、上述した組合せ以外の、位置情報や、スケジュール情報や、状態識別子や、医療行為識別子や、医師等動的履歴情報等の2以上の組合せを用いて、適宜急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを適宜判断しても良い。
【0098】
医療チーム判断部109は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。医療チーム判断部109の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0099】
対応可否送信部110は、ベッド判断部104がベッドの空きがあると判断し、かつ、医療チーム判断部109が急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断した場合、対応可能である旨の情報を外部の装置(図示せず)に送信する。また、対応可否送信部110は、例えば、ベッド判断部104がベッドの空きがないと判断した、もしくは、医療チーム判断部109が急患の対応が可能である医療チームが存在しないと判断した場合に、対応が不可である旨の情報を送信しても良い。外部の装置とは、通常、受入要請を送信した装置であるが、他の外部の装置でも良い。他の外部の装置である場合、例えば、上述した受入要請に、他の外部の装置と通信するための通信先のアドレス情報等の情報(IPアドレス)が含まれているようにし、この受入要請に含まれる通信先の情報を用いて、他の外部の装置に対応可能である旨の情報を送信する。対応可否送信部110は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0100】
無線通信装置3は、医師識別子を含む情報を、上述した救急医療支援装置1に無線で送信する装置である。無線通信装置3は、医師に装着される無線通信装置である。上述した医師等動的情報受付部106は、この無線通信装置3から送信される医師識別子を含む情報を受信する。無線通信装置3は、例えば、アクティブ型のRFIDタグである。あるいはパッシブ型のRFIDタグであっても良い。また、無線通信装置3は、GPSを備えた専用装置や、携帯電話やPHSやスマートフォン等であってもよい。無線通信に用いられる電波は、医療行為に支障のない周波数帯や出力となるよう調整する。この具体例においては、とくに、カード形状の無線通信装置3を用いる場合を例に挙げて説明する。ここでは、このようなカード形状の無線通信装置3を医師状態管理用カード30と呼ぶ。ただし、カード形状ではない携帯情報端末や、携帯電話や、PHSや、スマートフォン等の医師状態管理用端末等を無線通信装置3として用いても良い。
【0101】
医師識別子格納部301には、医師識別子が格納され得る。医師識別子格納部301に格納される医師識別子は、無線通信装置3を装着する医師に対応した医師識別子である。医師識別子格納部301に医師識別子が記憶される過程は問わない。医師識別子格納部301は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。なお、医師識別子格納部301には、医師識別子以外の医師等動的情報等の情報も格納されていてもよい。
【0102】
状態識別子受付部302は、医師により入力される状態識別子を受け付ける。状態識別子は、上述したように、対応可であるか対応不可であるかを示す情報である。状態識別子を入力する手段は、テンキーやキーボードやメニュー画面によるもの等、何でも良い。例えば、カード形状の無線通信装置の場合、入力手段は、ディップスイッチやスライドスイッチ等のスイッチや、ボタン等であってもよい。
【0103】
無線送信部303は、医師識別子格納部301に格納されている医師識別子を送信する。また、無線送信部303は、医師識別子格納部301に格納されている医師識別子と、状態識別子受付部302が受け付けた状態識別子とを含む医師等動的情報等の情報を送信しても良い。無線送信部303が医師用識別子を送信するタイミングは問わない。例えば、定期的あるいは不定期に送信する。無線送信部303は、例えば予め指定された一定又は不定のタイミングで患者識別子を送信する。無線送信部303は、通信手段等で実現可能である。
【0104】
なお、無線通信装置3は、医師識別子あるいは医師等動的情報を送信する指示等を救急医療支援装置1等から受信する受信部(図示せず)等を有していても良く、この指示に応じて医師識別子を送信しても良い。また、無線通信装置3は、自装置の位置を示す情報を取得するためのGPS等の取得部(図示せず)等を有していても良く、この取得部が取得した位置の情報を、医師識別子と対応付けて送信してもよい。
【0105】
患者用無線通信装置4は、患者であること示す情報を、上述した救急医療支援装置1に無線で送信する装置である。なお、ここでは、患者であることを示す情報が、患者識別子である場合を例に挙げて説明する。無線通信装置3は、患者に装着される無線通信装置である。患者用無線通信装置4は、例えば、アクティブ型のRFIDタグである。あるいはパッシブ型のRFIDタグであっても良い。また、無線通信装置3は、GPSを備えた専用装置や、携帯電話やPHSやPDAやスマートフォン等であってもよい。無線通信に用いられる電波は、医療行為に支障のない周波数帯とする。患者用無線通信装置4の形状は、例えば、ベッドに入っている状態で、動作の邪魔等にならない形状であることが好ましい。例えば、患者用無線通信装置4は、リストバンド形状等であることが好ましい。
【0106】
患者識別子格納部401には、患者識別子が格納され得る。患者識別子格納部401に格納される患者識別子は、例えば、当該装置を装着した患者に対応した患者識別子である。患者識別子格納部401に患者識別子が記憶される過程は問わない。患者識別子格納部401は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0107】
患者用無線送信部402は、患者識別子格納部401に格納されている患者識別子を送信する。患者用無線送信部402が患者用識別子を送信するタイミングは問わない。患者用無線送信部402は、例えば予め指定された一定又は不定のタイミングで患者識別子を送信する。患者識別子送信部402は、通信手段等で実現可能である。
【0108】
なお、患者用無線通信装置4は、患者識別子を送信する指示等を救急医療支援装置1等から受信する受信部(図示せず)等を有していても良く、この指示に応じて医師識別子を送信しても良い。また、無線通信装置3は、自装置の位置を示す情報を取得するための取得部(図示せず)等を有していても良く、この取得部が取得した位置の情報を、患者識別子と対応付けて送信してもよい。
【0109】
受入要請装置5は、受入要請を無線通信により救急医療支援装置1に送信する。受入要請装置5は、例えば、救急車両に載置されたり、救急隊員が携行する装置である。受入要請装置5は、携帯型のコンピュータや、携帯電話や、PHSや、PDAや、スマートフォンや、カーナビゲーションシステム等であっても良い。
【0110】
受入要請受付部501は、受入要請を受け付ける。例えば、救急隊員等が入力する受入要請を受け付ける。受入要請は、例えば、受入の可否を問うための情報である。あるいは、受け入れ先を問い合わせるための情報と考えても良い。受入要請受付部501は、障害部位識別子を有する受入要請を受け付けても良い。障害部位識別子は、例えば救急隊員が、急患の状態から判断した障害部位を示す情報である。また、受入要請は、急患の意識レベルや呼吸の有無や頻度、脈の程度、血圧、外傷の有無等の情報を含むようにしても良い。例えば、入力画面等にこれらの情報の入力のための入力フィールド等を表示することで、これらの情報の入力を、救急隊員等に促すことが可能である。なお、ここでは、図示しない格納部等に予め格納されている受入要請を送信のために読み出す指示を受け付けることも、受入要請の受け付けと考えても良い。受入要請を入力する手段は、テンキーやキーボードやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受入要請受付部501は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0111】
受入要請送信部502は、受入要請受付部501が受入要請を受け付けた場合に、この受け付けた受入要請を救急医療支援装置1に送信する。受入要請送信部502は、通信手段等で実現可能である。
【0112】
対応可否受信部503は、救急医療支援装置1から送信される、急患に対する対応が可能である旨の情報を受け付ける。また、対応可否受信部503は、対応が不可である旨の情報を受け付けてもよい。対応可否受信部503は、通信手段等で実現可能である。
【0113】
対応可否出力部504は、対応可否受信部503が受信した対応が可能である旨の情報を出力する。また、対応可否受信部503が受信した対応が不可である旨の情報を出力する。ここで述べる出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。対応可否出力部504は、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0114】
次に、救急医療支援システム10の救急医療支援装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、無線通信装置3から医師識別子を含む情報を受信し、患者用無線通信装置4から患者であることを示す情報である患者識別子を含む情報を受信する場合を例に挙げて説明する。
【0115】
(ステップS101)受入要請受信部103は、外部の装置、ここでは、受入要請装置5から、受入要請を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS102に進み、受信していない場合、ステップS103に進む。
【0116】
(ステップS102)救急医療支援装置1は、受け入れが対応可であるか否かの判断を行う。この処理の詳細については、後述する。そして、ステップS101に戻る。
【0117】
(ステップS103)位置情報受付手段1062は、無線通信装置3から送信される医師識別子を含む情報を受け付けたか否かを判断する。医師識別子を含む情報は例えば状態識別子を含む医師等動的情報である。受け付けた場合、ステップS104に進み、受け付けていない場合、ステップS108に進む。なお、例えば、医師識別子を含む情報と、患者識別子を含む情報とを受信するアンテナを共用する場合、受信した情報に含まれる識別子が、医師識別子であるか否かを判断することで、医師識別子を受け付けたことを判断しても良い。医師識別子であるか否かは、例えば、識別子の先頭等の所定の箇所に、予め指定した医師識別子に固有の文字列を有するか否かを判断したり、識別子の値が、予め医師識別子に割り当てられた、もしくは割り当て可能な値と一致するか否かを判断することで判断可能である。
【0118】
(ステップS104)位置情報受付手段1062は、ステップS103で受け付けた情報を用いて医師の位置情報を取得する。例えば、ステップS103で受け付けた情報に位置情報が含まれる場合、そのままその位置情報を取得する。また、ステップS103で受け付けた情報に情報を受信したアンテナを識別する情報やアンテナの位置等の情報が含まれる場合、この情報を用いて演算等を行って得られたアンテナの位置情報を医師の位置情報として取得する。
【0119】
(ステップS105)位置情報受付手段1062は、ステップS104で取得した位置情報が、急患に対して医療処置を行う領域内の位置を示すか否かを判断する。急患に対して医療処置を行う領域内の位置を示す場合、ステップS106に進み、示さない場合、ステップS101に戻る。
【0120】
(ステップS106)医師等動的情報受付部106は、ステップS103で受け付けた医師識別子と、ステップS104で取得した位置情報とを含む医師等動的情報を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。また、医師識別子を受け付けた時刻の情報等も、これらの情報と対応付けて蓄積しても良い。なお、医師識別子が一致する医師等動的情報が既に蓄積されている場合、上書き等により、新たな医師等動的情報で更新する。
【0121】
(ステップS107)医師等動的情報受付部106は、時刻情報を取得し、当該時刻情報と、ステップ106で蓄積した医師等動的情報とを対応付けた医師等動的履歴情報を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。ここでの蓄積は追記である。そして、ステップS101に戻る。
【0122】
(ステップS108)患者情報受付部101は、患者用無線通信装置4から送信される患者識別子を含む情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS109に進み、受け付けていない場合、ステップS112に進む。
【0123】
(ステップS109)患者情報受付部101は、ステップS108で受け付けた情報を用いて患者の位置の情報を取得する。例えば、ステップS108で受け付けた情報に位置の情報が含まれる場合、そのままその位置の情報を取得する。また、ステップS108で受け付けた情報に、情報を受信したアンテナを識別する情報やアンテナの位置等の情報が含まれる場合、この情報を用いて得られるアンテナの位置の情報や、アンテナに対応付けられた部屋や領域の識別情報等を患者の位置の情報として取得してもよい。ここで述べる患者の位置情報は、患者の位置を示す座標情報等であっても良いし、患者のいる部屋や領域の識別情報等であってもおい。
【0124】
(ステップS110)患者情報受付部101は、ステップS109で取得した位置の情報が、患者を受け入れる部屋内の位置を示すか否かを判断する。患者を受け入れる部屋内の位置を示す場合、ステップS111に進み、示さない場合、ステップS101に戻る
【0125】
(ステップS111)患者情報受付部101は、ステップS108で受け付けた患者識別子と、ステップS109で取得した位置の情報とを対応付けて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。なお、患者識別子が一致する情報が既に蓄積されている場合、上書き等により新たな患者識別子と位置情報とを対応付けた情報で更新する。
【0126】
(ステップS112)患者情報受付部101は、これまでにステップS111により蓄積された患者識別子の数をカウントし、カウント結果を患者情報として受け付け、図示しない記憶媒体等に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0127】
(ステップS113)スケジュール情報受付手段1061は、医師識別子と対応付けられたスケジュール情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS114に進み、受け付けていない場合、ステップS115に進む。
【0128】
(ステップS114)スケジュール情報受付手段1061は、ステップS113で受け付けたスケジュール情報を医師識別子と対応付けて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0129】
(ステップS115)患者情報受付部101は、患者情報と対応付けられた転送可否情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS116に進み、受け付けていない場合、ステップS117に進む。
【0130】
(ステップS116)患者情報受付部101は、ステップS115で受け付けた患者情報と転送可否情報とを対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0131】
(ステップS117)救急医療支援装置1は、図示しない受付部を介して、転送先候補施設情報を受け付ける。
【0132】
(ステップS118)救急医療支援装置1は、ステップS116において受け付けた転送先候補施設情報を用いて、図示しない記憶媒体等に格納されている転送先候補施設情報を更新する。そして、ステップS101に戻る。
【0133】
(ステップS119)表示部108は、表示する指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS119に進み、受け付けていない場合、ステップ101に戻る。
【0134】
(ステップS120)表示部108は、表示制御情報格納部107内の表示制御情報を読み出し、この表示制御情報が示す領域内の位置を示す位置情報と対応付けられた医師識別子とその位置情報を、ステップS106において蓄積した医師等動的情報から取得する。
【0135】
(ステップS121)表示部108は、ステップS121において取得した医師識別子を示す画像を、表示する。例えば、取得した医師識別子に対応した位置情報が示す位置に、医師識別子に対応した医師が配置された、急患に対する医療行為を行う領域の間取り図等の画像を構成し、表示する。そして、ステップS101に戻る。
【0136】
なお、図1のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0137】
つぎに、図2のステップS102において説明した受け入れの可否を決定する処理の詳細について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0138】
(ステップS201)ベッド判断部104は、患者情報受付部101が蓄積した急患を受け入れる部屋にいる患者数と、病院施設情報格納部100に格納されている病院施設情報が示す急患を受け入れる部屋の病床数、即ちベッド数とを比較して、ベッド数よりも患者数が少ないか否かを判断する。少ない場合、ステップS202に進み、少なくない場合、即ち同じ場合、ステップS220に進む。
【0139】
(ステップS202)医療チーム判断部109は、カウンターnに1を加える。
【0140】
(ステップS203)医療チーム判断部109は、医師等動的情報受付部106が蓄積した医師等動的情報に、n番目の医師識別子に対応した医師等動的情報(以下、n番目の医師等動的情報と称す)が含まれているか否かを判断する。含まれている場合、ステップS204に進み、含まれていない場合、ステップS209進む。
【0141】
(ステップS204)医療チーム判断部109は、n番目の医師等動的情報に含まれる状態識別子が、対応可を示しているか否かを判断する。対応可を示している場合、ステップS205に進み、示していない場合、ステップS208に進む。
【0142】
(ステップS205)医療チーム判断部109は、n番目の医師識別子に対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積されたスケジュール情報が、医師の現在の予定が急患に対して対応可の状態であることを示しているか否かを判断する。対応可である場合、ステップS205に進み、対応可でない場合、ステップS208に進む。
【0143】
(ステップS206)医療チーム判断部109は、n番目の医師識別子に対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積された医師等動的履歴情報が、n番目の医師が急患に対応可能な状態であることを示す履歴を示しているか否かを判断する。例えば、医師等動的履歴情報が示す医師の直前一時間以内の履歴において、医師が40分以上手術室にいたことを示している場合、急患に対応できない状態であると判断し、それ以外の場合は、対応可能な状態と判断しても良い。医師等同的履歴情報を判断するための条件は、どのような条件を設定しても良い。急患に対応可能な状態であることを示す履歴を示している場合、ステップS207に進み、示していない場合、ステップS208に進む。
【0144】
(ステップS207)医療チーム判断部109は、n番目の医師の医師識別子を取得し、図示しない記憶媒体等に蓄積する。なお、n番目の医師の医師識別子や、医師等動的情報に、対応可能であることを示すフラグ等の情報を付与しても良い。
【0145】
(ステップS208)医療チーム判断部109は、カウンターnの値を1インクリメントする。そして、ステップS203に戻る。
【0146】
(ステップS209)医療チーム判断部109は、ステップS101において受け付けた受入要請に含まれる障害部位識別子に対応した医療行為識別子と対応する医師識別子群を、医師等静的情報格納部105において検出し、取得する。障害部位識別子と医療行為識別子との対応関係を示す情報は、例えば図示しない記憶媒体等に予め蓄積しておく。
【0147】
(ステップS210)医療チーム判断部109は、カウンターmに1を代入する。
【0148】
(ステップS211)医療チーム判断部109は、ステップS207において蓄積した医師識別子において、ステップS209において取得したm番目の医師識別子群を構成する医師識別子と一致する医師識別子を検出し、取得する。
【0149】
(ステップS212)医療チーム判断部109は、ステップS211において取得した医師識別子の数をカウントする。
【0150】
(ステップS213)医療チーム判断部109は、ステップS212のカウント結果が、予め指定された値以上であるか否かを判断する。予め指定された値は、固定値であっても良いし、受入要請に含まれる障害部位識別子を用いて検索により取得される、1以上の障害部位識別子に対応づけられて予め用意された値であっても良い。また、この値は、入り識別子群を構成する医師識別子の数に対する比率等を示す値でも良い。予め指定された値以上である場合、ステップS214に進み、値以上でない場合、ステップS216に進む。
【0151】
(ステップS214)医療チーム判断部109は、対応可能な医療チームがあることを判断する。
【0152】
(ステップS215)対応可否送信部110は、急患に対して対応可である旨の情報を、外部の装置、ここでは受入要請装置5に送信する。そして、上位の処理にリターンする。
【0153】
(ステップS216)対応可否送信部110は、mの値を1インクリメントする。
【0154】
(ステップS217)ステップS209で取得した医師識別子群に、m番目の医師識別子群があるか否かを判断する。ある場合、ステップS211に戻り、ない場合、ステップ218に進む。
【0155】
(ステップS218)対応可否送信部110は、対応可能な医療チームがないと判断する。
【0156】
(ステップS219)対応可否送信部110は、急患に対して対応不可である旨の情報を、外部の装置、ここでは受入要請装置5に送信する。そして、上位の処理にリターンする。
【0157】
(ステップS220)ベッド判断部104は、患者情報受付部101が患者識別子と対応付けて蓄積した転送可否情報から、急患を受け入れる部屋にいる患者の患者識別子と対応した転送可否情報を検出し、その中に、転送可であることを示す転送可否情報があるか否かを検出する。急患を受け入れる部屋にいる患者の患者識別子とは、具体的には、ステップS111で蓄積した患者識別子である。転送可であることを示すものがある場合、ステップS221に進み、ない場合、ステップS219に進む。
【0158】
(ステップS221)ベッド判断部104は、転送先候補施設情報を用いて、転送可であることを示す転送可否情報に対応した転送先に、空きベッドがあるか否かを判断する。具体的には、ベッド判断部104は、転送先候補施設情報から、ステップS220で検出した転送可であることを示す一以上の転送可否情報が示す転送先のベッドの空きを示す情報を、転送先を示す情報を検索キー等として検索により順次取得する。そして、ベッドの空きがあることを示す情報が一以上検出された場合、ステップS202に戻り、検出されなかった場合、ステップS219に進む。
【0159】
無線通信装置3の動作を簡単に説明すると以下の通りである。即ち、無線送信部303は、医師識別格納部301に格納されている医師識別子と、状態識別子受付部302が受け付けた状態識別子とを読み出し、予め指定された一定又は不定のタイミングで送信する。
【0160】
患者用無線通信装置4の動作を簡単に説明すると、以下の通りである。即ち、患者用無線送信部402は、患者識別格納部401に格納されている患者識別子を読み出し、予め指定された一定又は不定のタイミングで送信する。
【0161】
次に、受入要請装置5の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0162】
(ステップS301)受入要請受付部501は、受入要請を受け付けたか否かを判断する。ここで受け付ける受入要請は、例えば、障害部位識別子を含む受入要請である。受け付けた場合、ステップS302に進み、受け付けていない場合、ステップS301に戻る。
【0163】
(ステップS302)受入要請送信部502は、ステップS301で受け付けた受入要請を救急医療支援装置1に送信する。
【0164】
(ステップS303)受入要請送信部502は、救急医療支援装置1から送信される急患に対する対応の可否を示す情報を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS304に進み、受信していない場合、ステップS303に戻る。
【0165】
(ステップS304)対応可否出力部504は、ステップS303で受け付けた対応の可否を示す情報を出力する。そして処理を終了する。
【0166】
以下、本実施の形態における救急医療支援システム10の具体的な動作について説明する。
【0167】
図5は、救急医療支援システム10の概念図である。救急医療支援装置1は、ここでは一例として、一の病院である病院α内の救急病棟に配置されているものとする。病院α内の救急病棟の各部屋の壁には、アンテナ121〜128が設置されている。アンテナ121は、ICU601に配置されている。アンテナ122は、ベッドルーム602に配置されている。アンテナ123は、待合室603に配置されている。アンテナ124は、手術室604に配置されている。アンテナ125は、処置室605に配置されている。アンテナ126はスタッフルームに配置されている。アンテナ127および128は通路に配置されている。ここでは、各アンテナにはRFIDタグリーダライタ(図示せず)が取り付けられ、各RFIDタグリーダライタは、救急医療支援装置1の患者情報受付部101および医師等動的情報受付部106とネットワークを介して接続されているものとする。各アンテナ121〜128やRFIDタグリーダライタは、救急医療支援システム1の一部、例えば、患者情報受付部101や医師等動的情報受付部106の一部等と考えても良い。なお、RFIDタグリーダライタの代わりに、RFIDタグリーダを用いても良い。各アンテナ121〜126は、配置されているそれぞれが配置されている部屋においてアクティブ型のRFIDタグから送信される信号を受信可能な位置に配置されているものとする。また、アンテナ127、128は、通路においてアクティブ型のRFIDタグから送信される信号を受信可能な位置に配置されているものとする。
【0168】
医師状態管理用カード30、すなわちカード型の無線通信装置3は、名札の裏面側に添付されており、病院内の各医師の胸等に取り付けられているものとする。医師状態管理用カード30には、各医師に対応づけられた医師識別子が格納されている。医師状態管理用カードは、ここでは、電源を有するアクティブ型のRFIDタグであるとする。
【0169】
図6は、医師状態管理用カード30を裏面側に取り付けた名札を裏面側からみた場合の図である。医師状態管理用カード30は、状態識別子を受け付けるためのスライドスイッチを有している。医師によってこのスライドスイッチを「○」側にずらしてある場合は、状態識別子受付部302は、医師が急患に対応可能な状態であることを示す状態識別子「available」を受け付ける。また、「×」側にずらしてある場合は、急患に対応不可な状態であることを示す状態識別子「unavailable」を受け付ける。
【0170】
患者用無線通信装置4は、腕輪形状を有しており、各患者の腕にはめられている。患者用無線通信装置4には、各患者に対応づけられた患者識別子が格納されている。患者用無線通信装置4は、ここでは、アクティブ型のRFIDタグであるとする。
【0171】
受入要請装置5は、救急車両である救急車内に配置されており、無線LANや携帯電話等の無線通信回線等により救急医療支援装置1と通信可能となっている。なお、受入要請装置5は、救急車両等からの情報をもとに、急患の移送先を決定するための司令センター等に配置されていても良い。
【0172】
以下、医師等動的情報等が蓄積される処理等について説明する。例えば、医師識別子が「A001」である医師(以下、各医師を医師の識別情報を後ろに並べて表示する。例えば、医師識別子が「A001」である医師を、以下、医師A001と呼ぶ)が、救急病棟内の処置室605にいたとする。医師が胸につけた医師状態管理用カード30の無線送信部303は、予め指定された一定の時間間隔で、医師識別子格納部301に格納されている医師識別子、ここでは、「A001」と、状態識別子受付部302が受け付けた状態識別子「available」とを読み出し、読み出した医師識別子と状態識別子とを含む信号を送信する。
【0173】
処置室605に設置されたアンテナ125は、医師A001の医師状態管理用カード30が送信する医師識別子を状態識別子とを含む信号を受信する。そして、アンテナ125と接続されたRFIDタグリーダライタは、受信した信号から、医師識別子「A001」と状態識別子「available」を取り出す。そして、取り出した情報に、自装置に割り当てられた装置識別子を付与して、救急医療支援装置1に送信する。装置識別子は、他のアンテナと接続されたRFIDタグリーダライタと識別可能な情報であれば、どのような情報であっても良く、例えば、シリアルナンバー等でも良いし、ネットワーク上のIPアドレスやMACアドレス等であっても良い。このRFIDタグリーダライタの装置識別子は文字列「RF125」であるとする。
【0174】
ここでは、患者情報受付部101と、医師等動的情報受付部106がRFIDタグリーダライタから送信される情報を受け付け可能であるが、ここでは、患者情報受付部101と医師等動的情報受付部106とのそれぞれが、送信された情報に含まれる識別子が医師識別子か、患者識別子であるか否かを判断し、患者情報受付部101は、識別子が患者識別子である場合にだけ、情報を受け付けるようにし、医師等動的情報受付部106は、識別子が医師識別子である場合にのみ、情報を受け付けるように予め設定しておく。ここでは、患者識別子は、すべて「P」で始まる文字列であるとし、その他の文字で始まる識別子は、医師識別子であるとし、患者情報受付部101と、医師等動的情報受付部106とは、それぞれ、識別子の先頭の文字がPで始まるか否かにより医師識別子であるか患者識別子であるかを判断する。ここでは、受信した識別子が「P」以外の文字で始まるため、医師識別子であると判断して、送信された情報を受信する。
【0175】
医師等動的情報受付部106は受信した情報に含まれるRFIDタグリーダライタの装置識別子を用いて、情報を受信したアンテナの位置を示す情報を取得する。ここでは、この情報を受信したアンテナの位置の情報を、医師の位置情報として取得する。
【0176】
図7は、アンテナに取り付けられた各RFIDタグリーダライタの装置識別子と、アンテナが取り付けられた領域名との対応関係を示す受信位置管理表である。受信位置管理表は、「装置識別子」と「領域名」という項目を有している。「装置識別子」は、アンテナに取り付けられた各RFIDタグリーダライタの識別子である。「領域名」は、アンテナが設置された領域の名称であり、例えば部屋名等である。「領域名」は、医師のいる領域名と考えてもよい。この管理表は、図示しない記憶媒体等に予め蓄積されているものとする。
【0177】
ここでは、医師等動的情報受付部106が受け付けた情報に含まれる装置識別子は、「RF125」であるため、医師等動的情報受付部106は、この値と「装置識別子」の値が一致するレコードを受信位置管理表で検索し、検索したレコードの「領域名」の値である「処置室」を、医師の位置情報として取得する。
【0178】
つぎに、医師等動的情報受付部106は、医師が急患に対して医療行為を行う領域にいるか否かを判断する。
【0179】
図8は、急患に対して医療行為を行う領域を管理する医療領域管理表である。医療領域管理表は、急患に対して医療行為を行う領域の領域名のリストである。
【0180】
医師等動的情報受付部106は、取得した医師の位置情報である「処置室」と一致する領域名が医療領域管理表にあるか否かを判断する。ここでは一致するものがあるため、医師の位置情報が、急患に対して医療行為を行う領域内であると判断する。このため、医師等動的情報受付部106は、受け付けた医師識別子および状態識別子と、位置情報とを含む医師等動的情報を、図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積する。なお、ここでは、既に、同じ医師識別子「A001」を含む医師等動的情報が格納されていたため、この医師等動的情報が、新たな医師等動的情報を用いて更新されたとする。
【0181】
図9は、図示しない格納部に蓄積された医師等動的情報を示す図である。ここでは、既に複数の医師の最新の医師等動的情報が格納されていたとする。
【0182】
また、医師等動的情報受付部106は、時刻情報を時計やNTP(network time protocol)等を介して取得し、医師等動的情報と対応づけて医師等動的履歴情報として図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積する。医師等動的履歴情報は履歴を示す情報であるため、ここでの蓄積は追記である。ここでは例えば、医師識別子毎のファイルとして医師等動的履歴情報を蓄積していく。
【0183】
図10は、医師識別子「A001」に対応づけられた医師等動的履歴情報の一例を示す図である。医師等動的履歴情報は、ファイル名が、「A001」であり、時刻情報と位置情報と状態識別子との組のリストが格納されている情報であるとする。ここでの時刻情報は日時の情報も含みうる概念であるとする。
【0184】
次に、患者情報等が蓄積される処理等について具体的に説明する。例えば、患者識別子が「P001」である患者(以下、各患者を患者の識別情報を後ろに並べて表示する。例えば、患者識別子が「P001」である患者を、以下、患者P001と呼ぶ)が、救急病棟内のベッドルーム602にいたとする。患者が手首につけた患者用無線通信装置4の患者用無線送信部402は、予め指定された一定の時間間隔で、患者識別子格納部401に格納されている患者識別子、ここでは、「P001」を読み出し、読み出した患者識別子を含む信号を送信する。
【0185】
ベッドルーム602に設置されたアンテナ122は、患者P001の患者用無線通信装置4が送信する患者識別子とを含む信号を受信する。そして、アンテナ122と接続されたRFIDタグリーダライタは、受信した信号から、患者識別子「P001」を取り出す。そして、取り出した情報に、自装置の装置識別子「RF122」を付与して、救急医療支援装置1に送信する。ここでは、送信された情報に含まれる識別子が「P」で始まる識別子であるため、患者識別子であると判断して、患者情報受付部101は送信された情報を受信する。
【0186】
上述した医師等動的情報受付部106と同様に、受信した情報に含まれるRFIDタグリーダライタのIPアドレス「RF122」を用いて、図7に示した受信位置管理表から、アンテナの位置を示す情報を取得する。ここでは、この情報を受信したアンテナの位置の情報を、患者の位置の情報として取得する。ここでは、患者の位置の情報を患者位置情報と呼ぶ。ここでは、患者情報受付部101は、「ベッドルーム」という患者位置情報を取得する。
【0187】
図11は、急患を受け入れる部屋を管理する急患用部屋管理表である。急患用部屋管理表は、急患を受け入れる部屋の領域名のリストである。
【0188】
患者情報受付部101は、取得した患者位置情報である「ベッドルーム」と一致する領域名が急患用部屋管理表にあるか否かを判断する。ここでは一致するものがあるため、患者位置情報が示す位置が、急患を受け入れる部屋内であると判断する。このため、患者情報受付部101は、受け付けた患者識別子と患者位置情報とを対応づけた患者情報を、図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積する。なお、ここでは、患者識別子「P001」と同じ患者識別子が既に格納されていたため、既に格納されていた患者識別子と患者位置情報とが、新たな患者識別子と患者位置情報とを用いて更新されたとする。
【0189】
図12は、図示しない格納部に蓄積された患者情報を示す図である。患者情報は、「患者識別子」、「患者位置情報」、「転送可否」、および「転送先」という項目を有する。「患者識別子」は患者識別子である。「患者位置情報」は、患者位置情報であり、ここでは、図7に示した領域名と同じ領域名を用いている。「転送可否」および「転送先」は、転送可否情報であり、「転送可否」は、転送が可能であるか否かを示す情報である。ここでは、値「○」は転送が可能であることを示し、値「×」は転送が不可であることを示す。「転送先」は、転送先となる病院内の施設を指定する情報である。転送可否情報は、例えば、病院の医師等により、図示しない受付部等を介して適宜入力されるものであるとする。なお、この患者情報には、既に複数の患者の最新の情報が格納されていたとする。
【0190】
さらに、患者情報受付部101は、図12に示した患者管理表において、患者識別子の数をカウントする。ここでは、例えばカウント数が「17」であったとする。すなわち患者が17人急患を受け入れる部屋にいることを示している。患者情報受付部101は、このカウント結果をさらなる患者情報として、図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積する。
【0191】
図13は、患者情報受付部101が蓄積した急患を受け入れる部屋にいる患者数を示す患者情報を示す図である。
【0192】
ここで、図示しない受付部等を介して、表示部108が医師の位置を示す画像の表示を行う指示を受け付けた場合の処理を、以下に、具体的に説明する。
【0193】
図14は、表示制御情報格納部107に格納されている表示制御情報を示す図である。表示制御情報は、表示を拒否する領域を指定する情報である。
【0194】
表示部108は、表示の指示に従って、図9に示したような医師等動的情報受付部106が蓄積した医師等動的情報から、対応する位置情報が、図14に示した表示制御情報が示す位置情報と一致しない医師識別子(図9では医師ID)と、位置情報との組み合わせを取得する。ここでは、対応する位置情報が表示制御情報が示す「スタッフルーム」以外の医師識別子と位置情報との組み合わせを取得する。そして、表示部108は、予め用意した救命病棟の間取り図上の、各医師等動的情報から取得した位置情報が示す部屋上に、医師がいることを示す画像を配置した画像を構成する。この画像は、医師の展開状態を示す画像と考えてもよい。医師がいることを示す画像は、通常は、医師がいる領域や位置に医師識別子等を表示するが、医師識別子を示さずに、単に医師が存在していることのみを示すようにして、医師同士を識別できないようにしても良い。そして、表示部108は構成した画像を、図示しないモニタ等に表示する。
【0195】
図15は、表示部108による表示例を示す図である。図においては、各領域にいる医師の医師識別子を各領域上に配置して表示している。
【0196】
なお、ここでは、表示の指示に応じて画像を表示するようにしたが、予め指定された一定または不定のタイミングにより、最新の医師等動的情報を用いて内容を更新しながら表示をおこなってもよい。
【0197】
また、医師の位置と同様に、患者の位置についての表示を行うようにしてもよいし、医師の表示と患者の表示とを同じ間取り図上に同時に表示するようにしてもよい。
【0198】
以下、受入要請が送信された場合の処理の具体例について説明する。
【0199】
図16は、受入要請装置5の受入要請を入力するための入力画面である。
【0200】
まず救命隊員が、急患を救急車に乗せるとともに、図16に示すような受入要請装置5の入力画面から、急患の症状に応じた障害部位の指定を含む受入要請を入力したとする。ここでは、患者の心臓に障害があると判断し、障害部位として心臓を指定したとする。
【0201】
受入要請受付部501は、障害部位の指定に応じて、心臓を障害部位に示すための障害部位識別子である「心臓」を含む受入要請を受け付ける。そして、受入要請送信部502は、障害部位識別子を含む受入要請を無線ネットワーク等で、救急医療支援装置1に送信する。
【0202】
救急医療支援装置1の受入要請受信部103は、無線ネットワーク等を介して障害部位識別子を含む受入要請装置5から送信される受入要請を受け付ける。受け付けた受入要請は、図示しない記憶媒体等の格納部に一時記憶する。
【0203】
図17は、病院αの病院施設情報の一例を示す図である。病院施設情報は、「部屋名」と「ベッド数」という項目を有している。「部屋名」は、急患を受け入れる部屋名であり、ここでは、図7に示したような領域名を用いている。
【0204】
ベッド判断部104は、病院施設情報格納部100に格納されている病院施設情報が示す急患を受け入れる部屋全てのベッド数の合計と、患者情報が示す急患を受け入れる部屋にいる患者数とを比較する。ベッド数の合計は、図17に示した病院施設情報の「合計」欄の値であり、ここでは、「17」である。また、患者情報が示す患者数は、図13に示したように「17」であるため、患者数とベッド数が同じであると判断する。
【0205】
ここで、ベッド数よりも患者数が少ない場合、ベッド判断部104が、急患を受け入れる部屋に空きがあると判断し、医療チーム判断部109は、急患の対応が可能である医療チームを検出する処理を開始する。しかし、ここでは、ベッド数よりも患者数が少なくないため、ベッド判断部104は、現在の患者に、転送が可能な患者がいるか否かの判断を行う。
【0206】
図18は、転送先候補施設情報格納部102に予め格納されている転送先候補施設情報である。転送先候補施設情報は、「転送先」と「空き」という項目を有している。「転送先」は、転送先となる病院内の施設を示す項目であり、ここでは、その値として、図12に示した患者情報の「転送先」と同じ値が用いられている。「空き」は各施設におけるベッドの空きの有無を示す。例えば値「○」は、空きがあることを示し、値「×」は空きがないことを示す。
【0207】
ベッド判断部104は、まず、図12に示した患者情報において、「転送可否」の値が「○」であるレコード、即ち転送が可能な患者であることを示すレコードを検出する。ここでは、「患者識別子」が「P002」のレコードが、「転送可否」の値が「○」であるレコードとして検出されたとする。次に、ベッド判断部104は、図18に示した転送先候補情報において、「転送先」の値が、図12から検出したレコードの「転送先」の項目の値である「一般病棟A」と一致するレコードを検出し、そのレコードの「空き」項目の値が、「○」即ち転送可であるか否かを判断する。ここでは、図18に示した転送先候補施設情報の「転送先」の値が「一般病棟A」であるレコードの「空き」項目の値が「○」であるため、転送先にベッドの空きがあることから、ベッド判断部104は、急患を受け入れる部屋に転送可能な患者がいると判断する。このため、ベッド判断部104は、急患を受け入れる部屋に空きがあると判断する。そして、医療チーム判断部109が、急患の対応が可能である医療チームを検出する処理を開始する。
【0208】
ここで、図12に示した患者情報において、「転送可否」の値が「○」であるレコードが検出できない場合や、「転送可否」の値が「○」である全てのレコ−ドの転送先にベッドの空きがないことを転送先候補施設情報が示す場合、急患を受け入れる部屋にベッドの空きがなく、今いる患者のなかにも転送可能な患者がいないため、ベッドに空きをつくることができないこととなる。このため、対応可否送信部110は、急患に対して対応不可である旨の情報を受入要請装置5に送信する。
【0209】
ここでは、ベッド判断部104が、急患を受け入れる部屋に空きがあると判断し、医療チーム判断部109が、急患の対応が可能である医療チームを検出する処理を開始する。
【0210】
以下、医療チームを検出する処理について説明する。医療チーム判断部109は、図9に示したような図示しない記憶媒体等の格納部に格納されている医師等動的情報のうちの一のレコードを読み出す。ここでは、まず、「医師ID」が「A001」であるレコードを読み出す。
【0211】
次に、このレコードの「状態識別子」の値が対応可であるか否かを判断する。ここでは、「状態識別子」の値が「available」であるか否かを判断する。ここでは「available」であるため、対応可であると判断する。
【0212】
対応可であると判断したため、医療チーム判断部109は、この「医師ID」が示す医師の予定が、対応可の予定であるか否かを、スケジュール情報受付手段1061が受け付けたスケジュール情報を用いて判断する。
【0213】
図19は、スケジュール情報受付手段1061が受け付けて蓄積したスケジュール情報の一例を示す図である。スケジュール情報は、医師識別子と対応付けられて格納されている。このスケジュール情報は、医師識別子が「A001」である医師のスケジュール情報である。スケジュール情報受付手段1061は、任意のタイミングで医師等から受け付けたスケジュール情報を蓄積する。スケジュール情報は、時間と、行動予定を対応付けた情報である。行動予定が「救急担当」である時間は、スケジュール上は、急患に対応可能な時間であることが予め決められているものとする。
【0214】
例えば、時計等から取得した現在の時刻が、「14時51分」であったとすると、医療チーム判断部109は、医師識別子が「A001」である医師の現在の時刻を含む時間帯の行動予定が「救急担当」であるか否かを判断する。ここでは、図19より、「14時51分」を含む時間帯である14時30分から18時までの間の行動予定が「救急担当」であるため、スケジュール上は、医師AS001が現在急患に対応可能な状態であると判断する。
【0215】
つぎに、スケジュール上の現在の予定が対応可能であると判断されたため、医療チーム判断部109は、図10に示した医師等動的履歴情報を用いて、医師A001が、急患に対応可能な状態であるか否かの判断を行う。ここでは、一例として、最新の時刻の履歴において、位置情報が「手術室」以外であって、その直前の5分前までの間の時刻の履歴に、位置情報が「手術室」である履歴が有り、なおかつ、その位置情報が「手術室」である履歴の前の、位置情報が同じ「手術室」である連続した履歴を検出し、その検出した履歴が示す最も遅い時刻と最も早い時刻との差が、5分未満であるか否かを判断する。そして、5分未満である場合には、履歴上は、医師が対応不可の状態であることを示していると判断する。このような場合に対応不可とするのは、例えば、手術開始時に一時的に、医師が手術に必要な資料や用具等を探すために手術室以外の領域に退出した状態と考えられるからである。また、これ以外の場合には、急患に対応可能な状態を示していると判断する。ここでは、図10に示す医師等動的履歴情報において、最新の時刻「14:50」の履歴の「位置情報」は「手術室」ではない「処置室」であり、その2分前の時刻「14:48」の履歴の位置情報は、「手術室」であり、その前には、位置情報が「手術室」である履歴が、時刻「13:10」にさかのぼるまで連続しているが、その位置情報が「手術室」である履歴の時間の差が、1時間38分であって、5分未満でないため、医療チーム判断部109は、医師等動的履歴情報が、医師A001が急患に対応可能な状態であると示していると判断する。
【0216】
このため、医療チーム判断部109は、この医師等動的情報のレコードに含まれる医師識別子「A001」を取得し、急患に対応可能な医師を示す情報として、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0217】
そして、医師等動的情報の他のレコードについても同様の判断処理を行う。なお、医師等動的情報の一のレコードについて、「状態識別子」の値が対応可でない場合や、スケジュール情報から現在の予定が急患に対応可でない予定であると判断された場合や、医師等動的履歴情報から、医師が急患に対応可能な状態でないと判断された場合には、そのレコードの「医師ID」が示す医師は、現在急患に対応可能ではないと判断して、次のレコードについての同様の判断を繰り返し行うようにする。
【0218】
図20は、医師等動的情報の全てのレコ−ドについて上記の処理を終了した時点における、医療チーム判断部109が急患に対応可能な医師を示す情報として蓄積した医師識別子を示す図である。
【0219】
次に、医療チーム判断部109は、受付要請に含まれる障害部位識別子「心臓」を図示しない格納部等から読み出し、この障害部位識別子に対応する医療行為識別子と対応付けられた医療行為識別子群を、医師等静的情報から取得する。
【0220】
図21は、医師等静的情報格納部105に格納されている医師等静的情報の一例を示す図である。医師等静的情報は、「チーム名」、「医療行為」、および「医師ID」という項目を有している。「チーム名」は、一の医師識別子群を構成する医師識別子に対応した医師により構成される医療チームの名称である。一の医師識別子群に一の医療チーム名が対応している。「医療行為」は、一の医師識別子群が示す医療チームが行える医療行為を識別する医療行為識別子である。医療行為識別子は、ここでは、上述した「障害部位識別子」に利用される情報と同じ情報を用いてる。例えば、「医療行為」が「心臓」であれば、心臓に対する手術等の医療行為が可能であることを示している。「医師ID」は、一の医師識別子群を構成する医師識別子である。一の医療チームを構成する医師の医師識別子であると考えてもよい。
【0221】
医療チーム判断部109は、図21に示す医師等静的情報において、「医療行為」の値として、受付要請に含まれる障害部位識別子「心臓」と一致する値を有するレコードを検出し、そのレコードの「医師ID」の値を、チーム名別に取得する。ここでは、「チーム名」が「A」であるレコードと、「B」であるレコードの「医療行為」の値が、「心臓」を含むため、この「チーム名」が「A」であるレコードの「医師ID」と、「チーム名」が「B」であるレコードの「医師ID」の値をそれぞれ取得し、「チーム名」の値別にメモリ等に個別に一時的に蓄積する。
【0222】
図22は、医療チーム判断部109が「チーム名」の値別に一時的に蓄積した「医師ID」を管理する医師ID管理表である。
【0223】
次に、医療チーム判断部109は、まず、図22に示したような、一時記憶した「医師ID」のうちの、「A」という「チーム名」の医師識別子群から取得した「医師ID」を順次読み出し、図20に示した急患に対応可能な医師の医師識別子のなかに、読み出した医師識別子と一致するものがあるか否かを判断して、一致する「医師ID」の数をカウントしていく。ここでは、医師等静的情報の「A」という「チーム名」の医師識別子群のなかの、「A001」、「A002」、および「A004」という「医師ID」と一致する医師識別子が、図20に示した急患に対応可能な医師の医師識別子の中から検出される。このときのカウント結果は、「3」である。そして、「A」という「チーム名」の医師識別子群から取得した全ての「医師ID」についての処理が終わった時点で、カウント結果が、予め指定された値以上であるか否かを判断する。ここでは、予め指定された値を、各医師識別子群を構成する医師識別子の数の半数であるとすることが、予め用意された条件に示されていたとする。即ち「A」という「チーム名」の医師識別子群から取得した「医師ID」と一致する医師識別子のカウント数が、「A」という「チーム名」の医師識別子群を構成する「医師ID」の総数の半分以上であるか否かを判断する。ここでは、「A」という「チーム名」の医師識別子群を構成する「医師ID」の総数は、「4」であるため、カウント結果が、「2」以上であるか否かを判断する。ここでは、カウント結果が「3」であるため、予め指定された値以上であると判断する。このため、医療チーム判断部109は、急患に対応可能な医療チームがあると判断する。
【0224】
ここで、カウント結果が「2未満」であれば、メモリ等に一時記憶した次の医師識別子群、即ち「B」という「チーム名」の医師識別子群から取得した「医師ID」についても同様の処理を行う。
【0225】
なお、メモリ等に一時記憶した医師識別子群の全てについての上記の処理を終えた時点で、予め指定された値以上のカウント結果が得られた医師識別子群がなかった場合には、医療チーム判断部109は、急患に対応可能な医療チームがないと判断する。
【0226】
対応可否送信部110は、医療チーム判断部109は、急患に対応可能な医療チームがあると判断したため、急患に対応可能である旨の情報を受入要請装置5に送信する。急患に対応可能である旨の情報は、例えば、「病院α:急患の受け入れ可能」等の情報である。
【0227】
なお、医療チーム判断部109が、急患に対応可能な医療チームがないと判断した場合、急患に対応不可である旨の情報を受入要請装置5に送信する。急患に対応不可である旨の情報は、例えば、「病院α:急患の受け入れ不可」等の情報である。
【0228】
受入要請装置5の対応可否受信部503は、救急医療支援装置1から送信された急患に対応可能である旨の情報を受信する。そして、対応可否出力部504は、急患に対応可能である旨の情報を用いて画像情報を構成し、モニタ等に、対応可能である旨の情報を表示する。
【0229】
図23は、対応可否出力部504による表示例を示す図である。
【0230】
以上のように、本実施の形態によれば、ベッドの空きの判断結果と、医師等静的情報と医師等動的情報との組合せにより判断した医療チームの有無の判断結果とに応じて、急患の受け入れの可否を適切に判断することができる。
【0231】
(実施の形態2)
本実施の形態の救急医療支援システムは、複数の病院においてそれぞれ受信した、無線通信装置3および患者用無線通信装置4からの情報を用いて、各病院が急患に対する対応が可能か否かを判断するようにして、急患の搬送についての集中管理を可能としたものである。
【0232】
図24は、本実施の形態にかかる救急医療支援システム20の構成を示すブロック図である。
【0233】
救急医療支援システム20は、救急医療支援装置2、1以上の無線通信装置3、1以上の患者用無線通信装置4、および1以上の受入要請装置5を備える。1以上の無線通信装置3および1以上の患者用無線通信装置4は、1以上の病院に対してそれぞれ配備され、各病院の医師および患者に装着される。
【0234】
無線通信装置3、患者用無線通信装置4、および受入要請装置5の構成や動作については、上記実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0235】
なお、無線通信装置3および患者用無線通信装置4は、各無線通信装置3および患者用無線通信装置4が利用される病院の識別子である病院識別子を格納する記憶媒体等の格納部(図示せず)をそれぞれ有しており、無線送信部303や患者用無線送信部402が、この病院識別子を医師識別子や患者識別子とともに、送信するようにしても良い。病院識別子については後述する。
【0236】
救急医療支援装置2は、病院施設情報格納部200、患者情報受付部201、転送先候補施設情報格納部202、受入要請受信部203、ベッド判断部204、医師等静的情報格納部205、医師等動的情報受付部206、表示制御情報格納部207、表示部208、医療チーム判断部209、および対応可否送信部210を備える。
【0237】
医師等動的情報受付部206は、スケジュール情報受付手段2061および位置情報受付手段2062を備える。
【0238】
病院施設情報格納部200は、上述した病院施設情報格納部100において、病院を識別する病院識別子と病院施設情報との組を1以上格納するようにしたものである。病院識別子と病院施設情報との組とは、病院識別子と病院施設情報とが対応付けられていることと考えても良い。かかることは、他の情報同士の組等についても同様である。病院識別子は、具体的には、救急医療支援装置2が、急患受け入れの可否判断を支援する病院を識別するための情報である。例えば病院名であっても良いし、病院に割り当てられた文字列等であっても良い。また病院の電話番号等であっても良い。病院施設情報格納部200に格納される病院施設情報は、具体的には、この病院施設情報と組をなす病院識別子が識別する病院についての病院施設情報である。その他の構成等については、上述した病院施設情報格納部100と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0239】
患者情報受付部201は、上述した患者情報受付部101において、病院識別子と患者情報との組を1組以上受け付けて、少なくとも一時的に蓄積するようにしたものである。患者情報受付部201は、患者情報等と対応付けられて送信される病院識別子を受け付けても良い。また、患者情報受付部201は、患者用無線通信装置4等から送信される情報を受け付けたアンテナ、あるいはアンテナに接続されたRFIDタグリーダライタ等が、どの病院に設置されたものであるか否かを判断して、アンテナ等が設置されている病院の病院識別子を取得してもよい。あるいは、患者用無線通信装置4等から送信される情報を受け付けたアンテナの位置等から、患者用無線通信装置4等の位置を算出し、算出した位置が含まれる領域上に建てられた病院の病院識別子を取得してもよい。ここでの患者情報は、1の組をなす病院識別子が示す病院における患者情報である。なお、その他の構成については、上述した患者情報受付部101と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0240】
転送先候補施設情報格納部202には、上述した転送先候補施設情報格納部102において、病院識別子と転送先候補施設情報との組を格納するようにしたものである。転送先候補施設情報格納部202に格納される転送先候補施設情報は、具体的には、この転送先候補施設情報と組をなす病院識別子が識別する病院についての転送先候補施設情報である。その他の構成等については、上述した転送先候補施設情報格納部102と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0241】
受入要請受信部203は、構成および動作等が上述した受入要請受信部103と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0242】
ベッド判断部204は、上述したベッド判断部104において、受入要請受信部203が受入要請を受信した場合に、病院施設情報および患者情報を用いて、ベッドの空きがある病院の病院識別子を取得する。具体的には、同じ病院識別子と対応付けられた、患者情報と病院施設情報とをそれぞれ用いて、病院識別子別にベッドの空きがあるか否かを判断する。そして空きがある場合の病院識別子を取得する。また、ベッド判断部104は、同じ病院識別子と対応付けられた、病院施設情報および患者情報が有する患者の数と転送可否情報とを用いて、病院識別子別に、ベッドの空きがあるか否かを判断し、ベッドの空きがある場合の病院識別子を取得してもよい。さらには、ベッド判断部104は、同じ病院識別子と対応付けられた、病院施設情報および患者情報が有する患者の数と転送可否情報と転送先候補施設情報とを用いて、病院識別子別に、ベッドの空きがあるか否かを判断し、ベッドの空きがある場合の病院識別子を取得してもよい。なお、病院識別子別に処理を行うことを除けば、ベッドの空きの有無を判断する処理は,上記のベッド判断部104と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
【0243】
医師等静的情報格納部205は、上述した医師等静的情報格納部105において、病院識別子と医師等静的情報との組が格納されるようにしたものである。ここで格納される医師等静的情報は、対応する病院識別子が示す病院の医師についての医師等静的情報である。その他の構成については、上述した医師等静的情報格納部105と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0244】
医師等動的情報受付部206は、上述した医師等動的情報受付部106において、無線通信装置3等の無線通信装置が出力する情報を用いて、病院識別子と対応付けられた医師等動的情報を受け付けるようにしたものである。ここで受け付ける医師等動的情報は、対応する病院識別子が示す病院の医師についての医師等動的情報である。なお、病院識別子は、例えば、上述した患者情報受付部201と同様の処理により無線通信装置3等が出力する情報を用いて受付可能である。その他の構成については、上述した医師等動的情報受付部106と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0245】
スケジュール情報受付手段2061は、上述したスケジュール情報受付手段1061において、病院識別子と対応付けられたスケジュール情報を受け付けるようにしたものである。ここで受け付けるスケジュール情報は、対応する病院識別子が示す病院の医師についてのスケジュール情報である。その他の構成については、上述したスケジュール情報受付手段1061と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0246】
位置情報受付手段2062は、上述した位置情報受付手段1062において、病院識別子と対応付けられた位置情報を受け付けるようにしたものである。この位置情報は、例えば、上述した患者情報受付部201と同様の処理により無線通信装置3等が出力する情報を用いて受付可能である。この位置情報は、対応する病院識別子が示す病院における医師の位置情報である。その他の構成については、上述した位置情報受付手段1062と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0247】
表示制御情報格納部207は、上述した表示制御情報格納部107において、病院識別子と対応付けられた表示制御情報が格納されるようにしたものである。ここで格納される表示制御情報は、対応する病院識別子が示す病院における表示制御情報である。その他の構成については、上述した表示制御情報格納部107と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0248】
表示部208は、上述した表示部108において、医師識別子の表示を病院識別子別に行えるようにするものである。表示対処となる医師識別子を、病院識別子別に取得することや、病院識別子別に表示制御情報を取得する点以外の、その他の構成については、上述した表示部208と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0249】
医療チーム判断部209は、上述した医療チーム判断部209において、受入要請受信部203が受入要請を受信した場合、医師等静的情報および医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得するようにしたものである。具体的には、医療チーム判断部209は、同じ病院識別子と対応付けられた、医師等静的情報および医師等動的情報とをそれぞれ用いて、病院識別子別に、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断し、医療チームが存在する病院識別子を取得する。
【0250】
また、医療チーム判断部209は、上述した医療チーム判断部209において、医師等静的情報が有する医療行為識別子および受入要請が有する障害部位識別子とを用いて、急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得してもよい。具体的には、医療識別子別に、急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断し、医療チームが存在する病院識別子を取得しても良い。
【0251】
また、医療チーム判断部209は、上述した医療チーム判断部209において、医師等静的情報および医師等動的履歴情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得するようにしても良い。具体的には、医療識別子別に、急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断し、医療チームが存在する病院識別子を取得しても良い。
【0252】
また医療チーム判断部209は、上述した医療チーム判断部209において、医師等静的情報および医師等動的情報が有するスケジュール情報と位置情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得するようにしてもよい。具体的には、医療識別子別に、急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断し、医療チームが存在する病院識別子を取得しても良い。
【0253】
また、医療チーム判断部209は、上述した医療チーム判断部209において、医師等動的情報が有する各医師の状態識別子を用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得するようにしても良い。具体的には、医療識別子別に、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断し、医療チームが存在する病院識別子を取得しても良い。
【0254】
なお、上記以外の構成等については、上述した医療チーム判断部209と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0255】
対応可否送信部210は、上述した対応可否送信部210において、ベッド判断部204および医療チーム判断部209がともに取得した1以上の病院識別子を、外部の装置に送信するようにしたものである。ともに取得した1以上の病院識別子とは、それぞれが取得した病院識別子のうちの、共通して存在する病院識別子を意味する。なお、送信される病院識別子を、対応が可能である旨を示す情報と考えて良い。また、対応可否送信部210は、ベッド判断部204および医療チーム判断部209がともに取得した病院識別子がない場合、対応が不可である旨を示す情報を送信しても良い。なお、上記以外の構成等については、上述した対応可否送信部210と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0256】
救急医療支援装置2の動作については、図2に示した処理において、病院識別子を受け付けるようにして、この病院識別子と対応付けて医師等動的情報や患者情報等を蓄積したりするようにしたものである。また、図3に示した処理においては、同じ病院識別子と対応付けられた患者情報や、医師等静的情報や、医師等動的情報等だけを用いて、対応可能な医療チームがあるか否かを順次判断していき、対応可能な医療チームがあると判断された場合の病院識別子を、対応可否送信部210が、受入要請装置5に送信する用にしたものである。このため、救急医療支援装置2の動作については、ここでは詳細な説明を省略する。
【0257】
ここでは、救急医療支援装置2の受入可否決定処理の動作について図25を用いて説明する。なお、図において、図3と同一符号は同一又は相当するステップを示している。ただし、ここでは、ステップS201からステップS219までの処理において用いられる医師等動的情報等の情報は、ステップS2501で取得されるカウンターkの値に対応したk番目の病院識別子に対応付けられた情報がそれぞれ適宜用いられるものとする。
【0258】
(ステップS2500)対応可否送信部210は、カウンターkに1を代入する。
【0259】
(ステップS2501)対応可否送信部210は、k番目の病院識別子があるか否かを判断する。ある場合、ステップS201に進み、ない場合、ステップS2505に進む。なお、病院識別子数は、予め図示しない記憶媒体等に蓄積しておくようにすればよい。
【0260】
(ステップS2502)ベッド判断部204は、k番目の病院識別子を取得し、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0261】
(ステップS2503)医療チーム判断部209は、k番目の病院識別子を取得し、図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積する。
【0262】
(ステップS2504)対応可否送信部210は、カウンターkの値を1インクリメントする。そして、ステップS2502に戻る。
【0263】
(ステップS2505)対応可否送信部210は、ステップS2502において取得した病院識別子と、ステップS2503において取得した病院識別子とに、一致する病院識別子があるか否かを判断する。ある場合、共通する病院識別子を取得して、ステップS2506に進み、取得していない場合、ステップS2507に進む。
【0264】
(ステップS2506)対応可否送信部210は、ステップS2505において取得した病院識別子を受入要請装置5に送信する。そして上位の処理にリターンする。
【0265】
(ステップS2507)対応可否送信部210は、対応不可を示す情報を受入要請装置5に送信する。そして上位の処理にリターンする。
【0266】
以下、本実施の形態の具体例について説明する。
【0267】
図26は、救急医療支援システム20の概念図である。救急医療支援装置2は、ここでは一例として、一の救急センター等に配置されているものとする。救急医療支援装置2は、複数の病院の救急病棟の各部屋の壁等に設置されたアンテナ121〜128、アンテナ131〜138等とネットワーク等を介して接続されている。例えば、アンテナ121〜128は病院αに、アンテナ131〜138は病院βにそれぞれ設置されているとする。各アンテナにはRFIDタグリーダライタ(図示せず)が取り付けられ、各RFIDタグリーダライタは、救急医療支援装置1の患者情報受付部101および医師等動的情報受付部106とネットワークを介して接続されているものとする。各RFIDタグリーダライタには、装置識別子が割り当てられているとともに、同じ病院内のRFIDタグリーダライタには、各病院の病院識別子が格納されているものとする。
【0268】
例えば、医師A001が、病院識別子が「H001」である病院αの救急病棟内の処置室にいたとする。病院識別子はIPアドレスや、MACアドレス等であっても良い。医師が胸につけた医師状態管理用カード30の無線送信部303は、予め指定された一定の時間間隔で、医師識別子格納部301に格納されている医師識別子、ここでは、「A001」と、状態識別子受付部302が受け付けた状態識別子「available」とを読み出し、読み出した医師識別子と状態識別子とを含む信号を送信する。
【0269】
病院αの救急病棟内の処置室に設置されたアンテナ、例えばアンテナ125は、医師A001の医師状態管理用カード30が送信する医師識別子を状態識別子とを含む信号を受信する。そして、アンテナ125と接続されたRFIDタグリーダライタは、受信した信号から、医師識別子「A001」と状態識別子「available」を取り出す。そして、取り出した情報に、自装置に割り当てられた装置識別子「RF125」と、病院αの病院識別子「H001」を付与して、救急医療支援装置1に送信する。なお、病院識別子はIPアドレスや、MACアドレス等であっても良い。
【0270】
医師等動的情報受付部206は、各病院のRFIDタグから送信された情報を受信する。ここでは、アンテナ125と接続されたRFIDタグリーダライタから送信された情報を受信する。そして受信した情報に含まれるRFIDタグリーダライタの装置識別子を用いて、上記実施の形態1と同様に、医師状態管理用カード30が送信した情報を受信したアンテナの位置を示す情報である医師の位置情報として取得する。このとき利用する図7に示したような受信位置管理表としては、装置識別子とともに受信した病院識別子に対応づけられた受信位置管理表(図示せず)を用いる。ただし、各病院において、装置識別子と、RFIDタグリーダライタが接続されたアンテナの位置との関係が、同じである場合は、共通した受信位置管理表を用いてもよい。また、医師等動的情報受付部206は、受信した情報に含まれる医師識別子や状態識別子や病院識別子も取得する。そして、取得した医師識別子や状態識別子や位置情報を、病院識別子と組にして図示しない格納部に蓄積する。
【0271】
また、例えば、医師C003が、病院識別子が「H002」である病院ベータの救急病棟内の処置室にいたとすると、
【0272】
病院βの救急病棟内の処置室に設置されたアンテナは、医師C003の医師状態管理用カード30が送信する医師識別子と状態識別子とを含む信号を受信し、アンテナに接続されたRFIDタグリーダライタは、この医師識別子と状態識別子とを、RFIDタグリーダライタの装置識別子と、病院βの病院識別子「H002」を付与して、救急医療支援装置1に送信する。医師等動的情報受付部206はこのRFIDタグリーダライタから送信された情報を受信し、受信した情報のうちの装置識別子を用いて医師の位置情報を取得し、この位置情報と状態識別子と装置識別子とを組にして図示しない格納部に蓄積する。
【0273】
図27は、このようにして蓄積される医師等動的情報の一例を示す図である。「病院識別子は、医師等動的情報と組をなす病院識別子である。この医師等動的情報は、病院識別子と対応づけられている点で、上記具体例において図9に示した医師等動的情報とは異なる。
【0274】
なお、本具体例においては、異なる病院にいる医師の医師識別子は、重複してもよい。
【0275】
患者情報についても同様にして、RFIDタグリーダが、患者のいる病院の病院識別子と装置識別子とを付与した患者識別子等の情報を、救急医療支援装置1に送信することで、病院識別子と患者情報との組等を蓄積することが可能である。
【0276】
図28は、このようにして蓄積された患者情報の一例を示す図である。
【0277】
また、スケジュール情報や、転送可否情報等についても、これらの情報の対象となる医師や患者がいる病院の病院識別子が付与されて蓄積される。
【0278】
ここで、救急医療支援装置2の受入要請受信部203が、受入要請装置5からの受入要請を受け付けたとする。
【0279】
救急医療支援装置2は、まず、一つめの病院である病院αの病院識別子である「H001」と対応づけられた情報を用いて、病院αが急患の対応が可能であるか否かを判断する。なお、病院識別子を選ぶ順番等は問わない。
【0280】
図29は、病院施設情報格納部200に格納されている、病院識別子と対応づけられた病院施設情報の一例を示す図である。病院施設情報は、「部屋名」と「ベッド数」と「病院識別子」という項目を有している。「病院識別子」は病院識別子である。
【0281】
ベッド判断部204は、病院施設情報格納部200に格納されている病院施設情報のうちの、対応する「病院識別子」の値が「H001」であるレコードが示す急患を受け入れる部屋全てのベッド数の合計を算出し、病院識別子「H001」と対応づけられた患者情報が示す急患を受け入れる部屋にいる患者数とを比較する。ここでは、患者数がベッド数よりも少ないと判断されたとする。ベッド判断部204は、ベッドに空きがあると判断して病院識別子「H001」を図示しない記憶媒体等の格納部に蓄積する。
【0282】
次に、医療チーム判断部209は、図27に示したような図示しない記憶媒体等の格納部に格納されている病院識別子「H001」と対応づけられた医師等動的情報のうちの一のレコードを読み出す。ここでは、まず、病院識別子が「H001」で「医師ID」が「A001」であるレコードを読み出す。
【0283】
次に、このレコードの「状態識別子」の値が対応可であるか否かを判断する。ここでは、「状態識別子」の値が「available」であるか否かを判断する。ここでは「available」であるため、対応可であると判断する。
【0284】
対応可であると判断したため、医療チーム判断部209は、この「医師ID」が「A001」である医師の予定が、対応可の予定であるか否かを、スケジュール情報受付手段2061が受け付けた各病院の病院識別子と対応づけられたスケジュール情報のうちの、病院識別子「H001」と医師識別子「A001」とに対応づけられたスケジュールを用いて判断を行う。なお、スケジュールを用いた対応可の予定であるか否かの判断は、上記具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0285】
ここでは、スケジュール上の現在の予定が対応可能であると判断されたため、医療チーム判断部209は、各病院の病院識別子と対応づけられて格納された医師等動的履歴情報のうちのスケジュール情報のうちの病院識別子「H001」と医師識別子「A001」とに対応づけられた医師等動的履歴情報を用いて、医師が対応可能な状態であるか否かの判断を行う。なお、医師等動的履歴情報を用いた対応可の予定であるか否かの判断は、上記具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0286】
ここでは、医療チーム判断部209は、医師等動的履歴情報が、医師A001が急患に対応可能な状態であると示していると判断したとすると、医療チーム判断部209は、この医師識別子「A001」を、急患に対応可能な医師を示す情報として、病院識別子「H001」と対応づけて図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0287】
そして、病院識別子「H001」と対応づけられた医師等動的情報の「医師ID」が異なる他のレコードについても同様の判断処理を行う。
【0288】
次に、医療チーム判断部209は、受付要請に含まれる障害部位識別子と、病院識別子「H001」と対応づけられた医師等静的情報に含まれる医療行為の情報とを用いて、病院識別子が「H001」である病院に、急患の障害部位に対して医療行為が可能な医療チームがあるか否かを判断する。障害部位識別子と医療行為の情報とを用いて対応可能な医療チームの有無を判断する処理は、上記具体例と同様であるので、ここでは説明を省略する。対応可能な医療チームがあると判断された場合、医療チーム判断部209は、病院識別子「H001」を取得し、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0289】
以上の処理と同様の処理を、他の病院識別子を用いて繰り返し行う。
【0290】
図30は、すべての病院識別子を用いて上記処理を行った結果、ベッド判断部204が取得した病院識別子である。
【0291】
また、図31は、すべての病院識別子を用いて上記処理を行った結果、医療チーム判断部209が取得した病院識別子である。
【0292】
次に、対応可否送信部210は、図30に示したベッド判断部204が取得した病院識別子と、図31に示した医療チーム判断部209が取得した病院識別子とのそれぞれを比較して、一致する病院識別子を検出する。ここでは、一致する病院識別子として「H001」と「H004」が検出されたとする。対応可否送信部210は、一致する病院識別子を受入要請装置5に送信する。
【0293】
受入要請装置5は、病院識別子「H001」および「H004」を受信し、対応可否出力部504が図示しないモニタ等に、この病院識別子を表示する。
【0294】
図32は、受入要請装置5による病院識別子の表示例を示す。なお、病院識別子が病院名以外の識別子である場合、予め格納部等に用意された病院識別子と病院名との対応関係を示す情報を用いて、病院識別子を病院名に変換して表示するようにしてもよい。
【0295】
以上のように、本実施の形態によれば、病院識別子と対応づけた患者情報や、医師等動的情報や、医師等静的情報を用いることで、複数の病院の中から急患に対応可能な病院を選び出すことが可能となる。
【0296】
なお、上記各実施の形態において、図33に示すように、無線通信装置3(あるいは、医師状態管理用カード30)は、自装置の位置、言い換えれば装着している医師の位置の情報を取得するための位置情報取得部304を備えていても良い。この場合、無線送信部303は、医師識別子と状態識別子とともに、この位置の情報を含む情報を、救急医療支援装置1に送信するようにすれば良い。この位置の情報は、上述した医師の位置情報と考えてよい。なお位置情報取得部304は、例えばGPS等で実現可能である。このGPSは、例えば、室内において微弱なGPS衛星電波等を取得するためのアンテナや集積回路等を備えたものであることが好ましい。あるいは、病院内に配置された複数のアンテナから送信されるアンテナの識別子等を含む情報を、無線通信装置3で受信するようにし、この受信した信号の受信強度とアンテナの位置の情報等から三点測位により無線通信装置3の位置を算出しても良い。この場合、例えば、受信のためのアンテナ等が必要である。このような位置検出処理は、携帯電話の位置検出処理等として公知の技術である。あるいは、無線通信装置3が、病院の各エリアにおいてアンテナ等から送信される、位置を示す情報を受信して、この情報をそのまま位置情報として用いても良い。このようにすることで、救急医療支援装置1において、位置情報を取得する処理等を行わないようにして、処理の軽減を図ることができる。
【0297】
また同様に、図34に示すように、患者用無線通信装置4においても、位置情報取得部304と同様の、自装置の位置、言い換えれば装着している患者の位置の情報を取得するための患者位置情報取得部403を備えていても良い。この場合、患者用無線通信装置4は、患者識別子とともに、この位置の情報を含む情報を救急医療支援装置1に送信するようにすれば良い。この位置の情報は、上述した患者位置情報と考えてよい。このようにすることで、救急医療支援装置1において、患者位置情報を取得する処理等を行わないようにして、処理の軽減を図ることができる。
【0298】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0299】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0300】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりする情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0301】
また、上記各実施の形態では、救急医療支援装置がスタンドアロンである場合について説明したが、救急医療支援装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
【0302】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0303】
なお、上記各実施の形態における救急医療支援装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する患者情報受付部と、前記急患を受け入れる部屋を含む、急患に対して医療行為を行う領域に居る1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子を含む医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する医師等動的情報受付部と、急患の受け入れの要請を示す情報である受入要請を、外部の装置から受信する受入要請受信部と、病院施設情報格納部に格納された病院の施設に関する情報であり、急患を受け入れる部屋の病床数を少なくとも有する病院施設情報および前記患者情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断するベッド判断部と、前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、医師等静的情報格納部に格納された医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群を有する医師等静的情報および前記医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断する医療チーム判断部と、前記ベッド判断部がベッドの空きがあると判断し、かつ、前記医療チーム判断部が急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断した場合、対応可能である旨の情報を前記外部の装置に送信する対応可否送信部として機能させるためのプログラムである。
【0304】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0305】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0306】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0307】
図35は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による救急医療支援装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0308】
図35において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0309】
図36は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図36において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0310】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による救急医療支援装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0311】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による救急医療支援装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0312】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0313】
以上のように、本発明にかかる救急医療支援装置等は、救急医療を支援するための装置等として適しており、特に、急患の搬送先の決定を支援する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0314】
1、2 救急医療支援装置
10、20 救急医療支援システム
3 無線通信装置
4 患者無線通信装置
5 受入要請装置
30 医師状態管理用カード
100、200 病院施設情報格納部
101、201 患者情報受付部
102、202 転送先候補施設情報格納部
103、203 受入要請受信部
104、204 ベッド判断部
105、205 医師等静的情報格納部
106、206 医師等動的情報受付部
107、207 表示制御情報格納部
108、208 表示部
109、209 医療チーム判断部
110、210 対応可否送信部
121〜128,131〜138 アンテナ
301 医師識別子格納部
301 医師識別格納部
302 状態識別子受付部
303 無線送信部
304 位置情報取得部
401 患者識別子格納部
401 患者識別格納部
402 患者識別子送信部
402 患者用無線送信部
403 患者位置情報取得部
501 受入要請受付部
502 受入要請送信部
503 対応可否受信部
504 対応可否出力部
601 ICU
602 ベッドルーム
603 待合室
604 手術室
605 処置室
1061、2061 スケジュール情報受付手段
1062、2062 位置情報受付手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院の施設に関する情報であり、急患を受け入れる部屋の病床数を少なくとも有する病院施設情報を格納し得る病院施設情報格納部と、
急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する患者情報受付部と、
医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群を有する医師等静的情報を格納し得る医師等静的情報格納部と、
前記急患を受け入れる部屋を含む、急患に対して医療行為を行う領域に居る1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子を含む医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する医師等動的情報受付部と、
急患の受け入れの要請を示す情報である受入要請を、外部の装置から受信する受入要請受信部と、
前記病院施設情報および前記患者情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断するベッド判断部と、
前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、前記医師等静的情報および前記医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断する医療チーム判断部と、
前記ベッド判断部がベッドの空きがあると判断し、かつ、前記医療チーム判断部が急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断した場合、対応可能である旨の情報を前記外部の装置に送信する対応可否送信部とを備えた救急医療支援装置。
【請求項2】
前記患者情報受付部は、
1以上の患者に装着された1以上の各無線通信装置から、少なくとも患者であることを示す情報を受信し、当該患者であることを示す情報を用いて、患者の数を含む患者情報を取得する請求項1記載の救急医療支援装置。
【請求項3】
前記病院施設情報格納部は、
病院を識別する病院識別子と病院施設情報との組を1組以上格納しており、
前記患者情報受付部は、
病院識別子と患者情報との組を1組以上受け付け、少なくとも一時的に蓄積し、
前記医師等静的情報格納部は、
病院識別子と医師等静的情報との組を1組以上格納しており、
前記ベッド判断部は、
前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、前記病院施設情報および前記患者情報とを用いて、ベッドの空きがある病院の病院識別子を取得し、
前記医療チーム判断部は、
前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、前記医師等静的情報および前記医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得し、
前記対応可否送信部は、
前記ベッド判断部および前記医療チーム判断部がともに取得した1以上の病院識別子を前記外部の装置に送信する請求項1または請求項2記載の救急医療支援装置。
【請求項4】
前記受入要請は、
急患の障害の部位を識別する障害部位識別子を含み、
前記医師等静的情報は、
医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群と、当該医師識別子群で識別される1以上の医師を含む医療チームが行える医療行為を識別する1以上の医療行為識別子とを有し、
前記医療チーム判断部は、
前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、前記医師等静的情報が有する医療行為識別子および前記受入要請が有する障害部位識別子とを用いて、当該急患の対応が可能である医療チームの中で、前記医師等動的情報を用いて、現在、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または当該急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する請求項1から請求項3いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項5】
前記医師等動的情報は、
医師識別子と、医師が居る位置を示す位置情報との組を1組以上有し、
前記医師等動的情報受付部は、
医師等動的情報と、時刻を示す時刻情報とを対応付けた複数の情報である医師等動的履歴情報を、少なくとも一時的に蓄積し、
前記医療チーム判断部は、
前記医師等静的情報および前記医師等動的履歴情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または当該急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する請求項1から請求項4いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項6】
前記医師等動的情報受付部は、
入力手段を用いて入力された医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する請求項1から請求項4いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項7】
前記医師等動的情報受付部は、
医師識別子と当該医師識別子で識別される医師のスケジュールに関するスケジュール情報とを受け付けるスケジュール情報受付手段と、
医師識別子と当該医師識別子で識別される医師の位置情報とを受け付ける位置情報受付手段とを備え、
前記医療チーム判断部は、
前記医師等静的情報および前記医師等動的情報が有するスケジュール情報と位置情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または当該急患の対応が可能である医療チームでありかつ現在、急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する請求項1から請求項6いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項8】
前記医師等動的情報受付部は、
1以上の医師に装着された無線通信装置から、医師識別子、および対応可または対応不可の少なくとも2種類以上の状態を識別する状態識別子とを有する1以上の情報である医師等動的情報を受信し、
前記医療チーム判断部は、
前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、前記医師等動的情報が有する各医師の状態識別子を用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否か判断する、または急患の対応が可能である医療チームが存在する病院の病院識別子を取得する請求項1から請求項7いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項9】
前記患者情報受付部は、
患者を識別する患者識別子と、他の部屋に転送可能か否かを示す転送可否情報とのを1組以上有する患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積し、
前記ベッド判断部は、
前記病院施設情報および前記患者情報が有する患者の数と転送可否情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断する、またはベッドの空きがある病院の病院識別子を取得する請求項2から請求項8いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項10】
患者の転送先の部屋の空きベッドに関する情報である転送先候補施設情報を格納し得る転送先候補施設情報格納部をさらに備え、
前記ベッド判断部は、
さらに前記転送先候補施設情報をも用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断する、またはベッドの空きがある病院の病院識別子を取得する請求項9記載の救急医療支援装置。
【請求項11】
前記医師等動的情報受付部は、
1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子と位置情報との組を1組以上有する医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積し、
前記医師識別子と位置情報とを表示する、または表示しない領域に関する情報である表示制御情報を格納し得る表示制御情報格納部と、
前記表示制御情報に従って、表示する領域に居る医師識別子のみ表示する表示部とをさらに備えた請求項1から請求項10いずれか記載の救急医療支援装置。
【請求項12】
医師識別子を格納し得る医師識別子格納部と、
医師の状態を示す状態情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する状態情報受付部と、
前記医師識別子と前記状態情報とを、無線通信手段により送信する無線送信部とを備えた医師状態管理用端末。
【請求項13】
位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、
前記無線送信部は、前記医師識別子と前記状態情報と前記位置情報とを、無線通信手段により送信する請求項12記載の医師状態管理用端末。
【請求項14】
病院の施設に関する情報であり、急患を受け入れる部屋の病床数を少なくとも有する病院施設情報を格納し得る病院施設情報格納部と、患者情報受付部と、医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群を有する医師等静的情報を格納し得る医師等静的情報格納部と、医師等動的情報受付部と、受入要請受信部と、ベッド判断部と、医療チーム判断部と、対応可否送信部とを用いて行われる救急医療支援方法であって、
前記患者情報受付部が、急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する患者情報受付ステップと、
前記医師等動的情報受付部が、前記急患を受け入れる部屋を含む、急患に対して医療行為を行う領域に居る1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子を含む医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する医師等動的情報受付ステップと、
前記受入要請受信部が、急患の受け入れの要請を示す情報である受入要請を、外部の装置から受信する受入要請受信ステップと、
前記ベッド判断部が、前記病院施設情報および前記患者情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断するベッド判断ステップと、
前記医療チーム判断部が、前記受入要請受信ステップで受入要請を受信した場合、前記医師等静的情報および前記医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断する医療チーム判断ステップと、
前記対応可否送信部が、前記ベッド判断ステップでベッドの空きがあると判断し、かつ、前記医療チーム判断ステップで急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断した場合、対応可能である旨の情報を前記外部の装置に送信する対応可否送信ステップとを備えた救急医療支援方法。
【請求項15】
コンピュータを、
急患を受け入れる部屋にいる患者の数を含む患者情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する患者情報受付部と、
前記急患を受け入れる部屋を含む、急患に対して医療行為を行う領域に居る1以上の各医師に装着された無線通信装置から、1以上の医師識別子を含む医師等動的情報を受け付け、少なくとも一時的に蓄積する医師等動的情報受付部と、
急患の受け入れの要請を示す情報である受入要請を、外部の装置から受信する受入要請受信部と、
病院施設情報格納部に格納された病院の施設に関する情報であり、急患を受け入れる部屋の病床数を少なくとも有する病院施設情報および前記患者情報とを用いて、ベッドの空きがあるか否かを判断するベッド判断部と、
前記受入要請受信部が受入要請を受信した場合、医師等静的情報格納部に格納された医師を識別する1以上の医師識別子を有する医師識別子群を有する医師等静的情報および前記医師等動的情報とを用いて、急患の対応が可能である医療チームが存在するか否かを判断する医療チーム判断部と、
前記ベッド判断部がベッドの空きがあると判断し、かつ、前記医療チーム判断部が急患の対応が可能である医療チームが存在すると判断した場合、対応可能である旨の情報を前記外部の装置に送信する対応可否送信部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2011−118643(P2011−118643A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275075(P2009−275075)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(505210115)国立大学法人旭川医科大学 (17)