説明

教育管理システム及び教育管理方法

【課題】同一の教育コンテンツを受講することができる組織を容易に設定することを可能とする。
【解決手段】ユーザテーブルは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報を対応づけて保持する。関係テーブルは、ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報及び当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を対応づけて保持する。第1の特定手段は、入力されたユーザ識別情報に対応づけてユーザテーブルに保持されている組織識別情報を特定する。第2の特定手段は、特定された組織識別情報に対応づけて関係テーブルに保持されているコンテンツ識別情報によって識別される教育コンテンツを、ユーザ識別情報によって識別されるユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザによって受講される教育コンテンツを管理するための教育管理システム及び教育管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の組織(例えば、企業等の法人)の各々で受講(利用)される教育管理コンテンツを一元して管理する教育管理システムが知られている。
【0003】
一般的に、このような教育管理システムでは、ある組織(以下、組織Aと表記)において作成された教育コンテンツは他の組織(以下、組織Bと表記)に公開することができない。つまり、組織Bに所属するユーザは、組織Aにおいて作成された教育コンテンツを受講することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−090615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した組織Bが組織Aのグループ会社等である場合には、当該組織Aにおいて作成された教育コンテンツを当該組織B(に所属するユーザ)に受講させたい場合がある。
【0006】
このような場合、上記した教育管理システムにおいては、組織Aにおいて作成された教育コンテンツを例えば組織B用に複製しなければ、当該組織Bに所属するユーザは当該教育コンテンツを受講することができず、手間がかかる。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、同一の教育コンテンツを受講することができる組織を容易に設定することが可能な教育管理システム及び教育管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る教育管理システムは、ユーザテーブルと、関係テーブルと、入力手段と、第1の特定手段と、第2の特定手段とを具備する。
【0009】
ユーザテーブルは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報を対応づけて保持する。
【0010】
関係テーブルは、前記ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報及び当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を対応づけて保持する。
【0011】
入力手段は、ユーザ識別情報を入力する。
【0012】
第1の特定手段は、前記入力されたユーザ識別情報に対応づけて前記ユーザテーブルに保持されている組織識別情報を特定する。
【0013】
第2の特定手段は、前記特定された組織識別情報に対応づけて前記関係テーブルに保持されているコンテンツ識別情報によって識別される教育コンテンツを、前記入力されたユーザ識別情報によって識別されるユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る教育管理システムのハードウェア構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す教育管理システム30の主として機能構成を示すブロック図。
【図3】図1に示す教育管理システム30に含まれるユーザテーブル22のデータ構造の一例を示す図。
【図4】図1に示す教育管理システム30に含まれる組織マスタテーブル23のデータ構造の一例を示す図。
【図5】図1に示す教育管理システム30に含まれる関係テーブル24のデータ構造の一例を示す図。
【図6】図1に示す教育管理システム30に含まれるコンテンツテーブル25のデータ構造の一例を示す図。
【図7】図1に示す教育管理システム30に含まれる受講情報テーブル26のデータ構造の一例を示す図。
【図8】本実施形態に係る教育管理システム30の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る教育管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、コンピュータ10は、例えばハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)のような外部記憶装置20と接続されている。この外部記憶装置20は、コンピュータ10によって実行されるプログラム21を格納する。コンピュータ10及び外部記憶装置20は、教育管理システム30を構成する。
【0017】
この教育管理システム30は、例えば企業等においてユーザを教育するための教育コンテンツを管理するために用いられる。なお、教育管理システム30において管理される教育コンテンツは、例えば特定の組織(企業等の法人)に所属するユーザが受講可能である。
【0018】
図2は、図1に示す教育管理システム30の主として機能構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、教育管理システム30は、ユーザID入力部31、組織ID特定部32、コンテンツ特定部33、コンテンツ提示部34及び受講状況管理部35を含む。本実施形態において、これらの各部31〜35は、図1に示すコンピュータ10が外部記憶装置20に格納されているプログラム21を実行することにより実現されるものとする。このプログラム21は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布可能である。また、このプログラム21が、例えばネットワークを介してコンピュータ10にダウンロードされても構わない。
【0020】
また、教育管理システム30は、ユーザテーブル22、組織マスタテーブル23、関係テーブル24、コンテンツテーブル25及び受講情報テーブル26を含む。本実施形態において、ユーザテーブル22、組織マスタテーブル23、関係テーブル24、コンテンツテーブル25及び受講情報テーブル26は、例えば外部記憶装置20に格納される。
【0021】
ユーザテーブル22には、教育管理システム30に予め登録されているユーザを識別するためのユーザID(ユーザ識別情報)及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織ID(組織識別情報)が対応づけて保持される。
【0022】
組織マスタテーブル23には、企業等の組織を識別するための組織ID及び当該組織の組織名が対応づけて保持される。
【0023】
ユーザID入力部31は、例えばユーザの操作に応じて、当該ユーザを識別するためのユーザIDを入力する。
【0024】
組織ID特定部32は、ユーザテーブル22を参照して、ユーザID入力部31によって入力されたユーザIDによって識別されるユーザが所属する組織を識別するための組織IDを特定する。この場合、組織ID特定部32は、ユーザID入力部31によって入力されたユーザIDに対応づけてユーザテーブル22に保持されている組織IDを特定する。
【0025】
関係テーブル24には、教育管理システム30において管理される教育コンテンツ毎に、当該教育コンテンツを受講可能な組織、つまり、当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを示す情報が保持される。具体的には、関係テーブル24には、企業等の組織(ユーザが所属する組織)を識別するための組織ID及び当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを識別するためのコンテンツID(コンテンツ識別情報)が対応づけて保持される。
【0026】
コンテンツ特定部33は、組織ID特定部32によって特定された組織IDによって識別される組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを特定する。この場合、コンテンツ特定部33は、組織ID特定部32によって特定された組織IDに対応づけて関係テーブル24に保持されているコンテンツID(によって識別される教育コンテンツ)を特定する。
【0027】
コンテンツテーブル25には、教育管理システム30において管理される教育コンテンツに関する情報が保持される。具体的には、コンテンツテーブル25には、教育コンテンツを識別するためのコンテンツID、当該教育コンテンツのコンテンツ名及び当該教育コンテンツを受講するためのコンテンツデータが対応づけて保持される。
【0028】
コンテンツ提示部34は、コンテンツ特定部33によって特定された教育コンテンツを、ユーザID入力部31によって入力されたユーザIDによって識別されるユーザに提示する。具体的には、コンテンツ提示部34は、例えばコンテンツ特定部33によって特定された教育コンテンツを識別するためのコンテンツIDに対応づけてコンテンツテーブル25に保持されているコンテンツ名を提示する。
【0029】
なお、教育コンテンツ(のコンテンツ名)が提示されたユーザは、当該提示された教育コンテンツの中から当該ユーザが受講する教育コンテンツを指定することにより、当該教育コンテンツを受講することができる。
【0030】
受講状況管理部35は、教育コンテンツに対するユーザの受講状況を管理する。具体的には、受講状況管理部35は、ユーザの受講状況に応じて、受講情報テーブル26に保持される情報を更新する。
【0031】
受講情報テーブル26には、教育コンテンツに対するユーザの受講状況に関する情報が保持される。受講情報テーブル26には、教育コンテンツを受講するユーザを識別するためのユーザID、当該教育コンテンツを識別するためのコンテンツID及び当該ユーザの受講状況を表すステータスが対応づけて保持される。
【0032】
図3は、図1に示す教育管理システム30に含まれるユーザテーブル22のデータ構造の一例を示す。
【0033】
図3に示すように、ユーザテーブル22には、ユーザID、ユーザ名及び組織IDが対応づけて保持される。ユーザIDは、ユーザを識別するための識別子である。ユーザ名は、対応づけられているユーザIDによって識別されるユーザのユーザ名である。組織IDは、対応づけられているユーザIDによって識別されるユーザが所属する組織を識別するための識別子である。
【0034】
図3に示す例では、ユーザテーブル22には、ユーザID「1」、ユーザ名「X1」及び組織ID「1」が対応づけて保持されている。これによれば、ユーザID「1」によって識別されるユーザのユーザ名が「X1」であり、当該ユーザが組織ID「1」によって識別される組織に所属していることが示されている。
【0035】
また、ユーザテーブル22には、ユーザID「2」、ユーザ名「X2」及び組織ID「2」が対応づけて保持されている。これによれば、ユーザID「2」によって識別されるユーザのユーザ名が「X2」であり、当該ユーザが組織ID「2」によって識別される組織に所属していることが示されている。
【0036】
図4は、図1に示す教育管理システム30に含まれる組織マスタテーブル23のデータ構造の一例を示す。
【0037】
図4に示すように、組織マスタテーブル23には、組織ID及び組織名が対応づけて保持される。組織IDは、例えば企業等の組織を識別する識別子である。組織名は、対応づけられている組織IDによって識別される組織の組織名である。
【0038】
図4に示す例では、組織マスタテーブル23には、組織ID「1」及び組織名「Y1」が対応づけて保持されている。これによれば、組織ID「1」によって識別される組織の組織名が「Y1」であることが示されている。
【0039】
また、組織マスタテーブル23には、組織ID「2」及び組織名「Y2」が対応づけて保持されている。これによれば、組織ID「2」によって識別される組織の組織名が「Y2」であることが示されている。
【0040】
図5は、図1に示す教育管理システム30に含まれる関係テーブル24のデータ構造の一例を示す。
【0041】
図5に示すように、関係テーブル24には、コンテンツID及び組織IDが保持される。コンテンツIDは、教育管理システム30において管理される教育コンテンツを識別するための識別子である。組織IDは、対応づけられているコンテンツIDによって識別される教育コンテンツを受講可能な組織、つまり、当該教育コンテンツを受講可能なユーザが所属する組織を識別するための識別子である。
【0042】
図5に示す例では、関係テーブル24には、コンテンツID「1」及び組織ID「1」が対応づけて保持されている。これによれば、組織ID「1」によって識別される組織に所属するユーザがコンテンツID「1」によって識別される教育コンテンツを受講可能であることが示されている。
【0043】
また、関係テーブル24には、コンテンツID「2」及び組織ID「2」が対応づけて保持されている。これによれば、組織ID「2」によって識別される組織に所属するユーザがコンテンツID「2」によって識別される教育コンテンツを受講可能であることが示されている。
【0044】
図6は、図1に示す教育管理システム30に含まれるコンテンツテーブル25のデータ構造の一例を示す。
【0045】
図6に示すように、コンテンツテーブル25には、コンテンツID、コンテンツ名及びコンテンツデータが対応づけて保持される。コンテンツIDは、教育管理システム30において管理される教育コンテンツを識別するための識別子である。コンテンツ名は、対応づけられているコンテンツIDによって識別される教育コンテンツのコンテンツ名である。コンテンツデータは、対応づけられているコンテンツIDによって識別される教育コンテンツを受講するためのデータ(コンテンツデータ)である。
【0046】
図6に示す例では、コンテンツテーブル25には、コンテンツID「1」、コンテンツ名「Z1」及びコンテンツデータ「コンテンツデータ1」が対応づけて保持されている。これによれば、コンテンツID「1」によって識別される教育コンテンツのコンテンツ名が「Z1」であり、当該教育コンテンツを受講するためのデータが「コンテンツデータ1」であることが示されている。
【0047】
また、コンテンツテーブル25には、コンテンツID「2」、コンテンツ名「Z2」及びコンテンツデータ「コンテンツデータ2」が保持されている。これによれば、コンテンツID「2」によって識別される教育コンテンツのコンテンツ名が「Z2」であり、当該教育コンテンツを受講するためのデータが「コンテンツデータ2」であることが示されている。
【0048】
図7は、図1に示す教育管理システム30に含まれる受講情報テーブル26のデータ構造の一例を示す。
【0049】
図7に示すように、受講情報テーブル26には、ユーザID、コンテンツID及びステータスが対応づけて保持される。ユーザIDは、教育コンテンツを受講するユーザを識別するための識別子である。コンテンツIDは、対応づけられているユーザIDによって識別されるユーザが受講する教育コンテンツを識別するための識別子である。ステータスは、対応づけられているユーザIDによって識別されるユーザのコンテンツIDによって識別される教育コンテンツに対する受講状況を表す。なお、ステータスには、例えば教育コンテンツに対するユーザの受講が完了していることを示す「受講完了」及び当該ユーザが教育コンテンツを受講中であることを示す「受講中」が含まれる。
【0050】
図7に示す例では、受講情報テーブル26には、ユーザID「1」、コンテンツID「1」及びステータス「受講完了」が対応づけて保持されている。これによれば、ユーザID「1」によって識別されるユーザがコンテンツID「1」によって識別される教育コンテンツを受講完了であることが示されている。
【0051】
また、受講情報テーブル26には、ユーザID「2」、コンテンツID「2」及びステータス「受講中」が対応づけて保持されている。これによれば、ユーザID「2」によって識別されるユーザがコンテンツID「2」によって識別される教育コンテンツを受講中であることが示されている。
【0052】
次に、図8のフローチャートを参照して、本実施形態に係る教育管理システム30の処理手順について説明する。
【0053】
まず、ユーザは、教育コンテンツを受講しようとする際に、例えば教育管理システム30に対して当該ユーザを識別するためのユーザIDを指定する操作を行う。これにより、ユーザID入力部31は、教育管理システム30に対するユーザの操作に応じて、当該ユーザを識別するためのユーザIDを入力する(ステップS1)。以下の説明では、ユーザID入力部31によって入力されたユーザIDによって識別されるユーザを対象ユーザと称する。
【0054】
組織ID特定部32は、ユーザID入力部31によって入力されたユーザIDに対応づけてユーザテーブル22に保持されている組織IDを特定する(ステップS2)。ここで組織ID特定部32によって特定された組織IDは、対象ユーザが所属する組織を識別するための識別子である。
【0055】
次に、コンテンツテーブル25に保持されているコンテンツIDの各々について以下のステップS3〜S5の処理が繰り返される。
【0056】
まず、コンテンツ特定部33は、コンテンツテーブル25に保持されているコンテンツIDのうち1つのコンテンツIDを取得する(ステップS3)。以下、ここでコンテンツ特定部33によって取得されたコンテンツIDを対象コンテンツIDと称する。
【0057】
コンテンツ特定部33は、組織ID特定部32によって特定された組織IDが対象コンテンツIDに対応づけて関係テーブル24に保持されているか否かを判定する。ここで、対象コンテンツIDに対応づけて関係テーブル24に保持されている組織IDは、当該対象コンテンツIDによって識別される教育コンテンツを受講可能なユーザが所属する組織を識別するための識別子である。つまり、コンテンツ特定部33は、この処理により、対象ユーザが対象コンテンツIDによって識別される教育コンテンツを受講可能であるか否かを判定する(ステップSS4)。
【0058】
対象ユーザが対象コンテンツIDによって識別される教育コンテンツを受講可能であると判定された場合(ステップS4のYES)、コンテンツ特定部33は、対象コンテンツIDによって識別される教育コンテンツを当該対象ユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定する(ステップS5)。
【0059】
一方、対象コンテンツIDによって識別される教育コンテンツを受講可能でないと判定された場合(ステップS4のNO)、ステップS5の処理は実行されない。
【0060】
次に、コンテンツテーブル25に保持されている全てのコンテンツIDについて上記したステップS3〜S5の処理が実行されたか否かが判定される(ステップS6)。
【0061】
全てのコンテンツIDについて処理が実行されていないと判定された場合(ステップS6のNO)、上記したステップS3に戻って処理が繰り返される。この場合、ステップS3においては、ステップS3〜S5の処理が実行されていないコンテンツIDが取得される。
【0062】
このようにコンテンツテーブル25に保持されている全てのコンテンツIDに対してステップS3〜S5の処理が実行されることによって、コンテンツ特定部33は、教育管理システム30において管理される教育コンテンツ(コンテンツテーブル25に保持されているコンテンツIDによって識別される教育コンテンツ)のうち対象ユーザが受講可能な教育コンテンツを特定する。換言すれば、コンテンツ特定部33は、組織ID特定部32によって特定された組織IDに対応づけて関係テーブル24に保持されているコンテンツIDによって識別される各教育コンテンツを、対象ユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定する。以下、対象ユーザが受講可能な教育コンテンツを受講可能教育コンテンツと称する。
【0063】
ステップS6において全てのコンテンツIDについて処理が実行されたと判定された場合、コンテンツ提示部34は、コンテンツ特定部33によって特定された受講可能教育コンテンツを対象ユーザに提示する。具体的には、コンテンツ提示部34は、受講可能教育コンテンツを識別するためのコンテンツIDに対応づけてコンテンツテーブル25に保持されているコンテンツ名(つまり、受講可能教育コンテンツのコンテンツ名)を提示(表示)する(ステップS7)。これにより、対象ユーザは、当該対象ユーザが受講可能な教育コンテンツ(受講可能教育コンテンツ)を確認することができる。
【0064】
このとき、対象ユーザのユーザ名または当該対象ユーザが所属する組織の組織名が受講可能教育コンテンツとともに表示される構成であっても構わない。なお、対象ユーザのユーザ名は、当該対象ユーザを識別するためのユーザID(つまり、ユーザID入力部31によって入力されたユーザID)に対応づけてユーザテーブル22に保持されているユーザ名である。また、対象ユーザが所属する組織の組織名は、当該組織を識別するための組織ID(つまり、組織ID特定部32によって特定された組織ID)に対応づけて組織マスタテーブル23に保持されている組織名である。
【0065】
コンテンツ提示部34によって受講可能教育コンテンツのコンテンツ名が対象ユーザに対して提示された場合、当該対象ユーザは、教育管理システム30を操作することによって、受講可能教育コンテンツの中から当該対象ユーザが受講する教育コンテンツ(のコンテンツ名)を指定することができる。
【0066】
このように対象ユーザによって教育コンテンツが指定された場合、受講状況管理部35は、当該教育コンテンツに対する受講申請を受け付ける(ステップS8)。ここでは、対象ユーザによって教育コンテンツが指定された場合に受講申請を受け付けるものとして説明したが、例えば対象ユーザの上長による承認が得られた後に受講申請が受け付けられるような構成であっても構わない。また、受講申請が受け付けられた後に上長による承認を必要とするような構成であってもよい。以下、対象ユーザによって指定された教育コンテンツを指定教育コンテンツと称する。
【0067】
次に、受講状況管理部35は、指定教育コンテンツに対する対象ユーザの受講に関する情報(受講情報)を受講情報テーブル26に登録する(ステップS9)。この場合、受講状況管理部35は、対象ユーザを識別するためのユーザID、指定教育コンテンツ(つまり、対象ユーザが受講する教育コンテンツ)を識別するためのコンテンツID及びステータスを対応づけて受講情報テーブル26に登録する。ここで受講情報テーブル26に対して登録されるステータスは、対象ユーザが指定教育コンテンツを受講中であることを示す「受講中」である。
【0068】
このように受講状況管理部35によって受講情報テーブル26に受講情報が登録されると、対象ユーザは、指定教育コンテンツを識別するためのコンテンツIDに対応づけてコンテンツテーブル25に保持されているコンテンツデータに基づいて、当該指定教育コンテンツの受講を開始することができる。
【0069】
ここで、指定教育コンテンツに対する対象ユーザの受講が完了した場合、当該対象ユーザは、教育管理システム30を操作することによって、当該指定教育コンテンツの受講が完了した旨を申請することができる。
【0070】
このように対象ユーザによって指定教育コンテンツの受講が完了した旨の申請がされた場合、受講状況管理部35は、当該指定教育コンテンツに対する実績申請(つまり、受講が完了した旨の申請)を受け付ける(ステップS10)。ここでは、対象ユーザによって指定教育コンテンツの受講が完了した旨の申請がされた場合に実績申請を受け付けるものとして説明したが、例えば対象ユーザの上長による承認が得られた後に実績申請が受け付けられるような構成であっても構わない。また、実績申請が受け付けられた後に上長による承認を必要とするような構成であってもよい。
【0071】
次に、受講状況管理部35は、受講情報テーブル26に保持されている指定教育コンテンツに対する当該対象ユーザの受講に関する情報(受講情報)を更新する(ステップS11)。この場合、受講状況管理部35は、対象ユーザを識別するためのユーザID及び指定教育コンテンツを識別するためのコンテンツIDに対応づけて受講情報テーブル26に保持されているステータスを、指定教育コンテンツに対する対象ユーザの受講が完了していることを示す「受講完了」に更新する。
【0072】
上記したように本実施形態においては、ユーザを識別するためのユーザID及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織IDを対応づけて保持するユーザテーブルと、ユーザが所属する組織を識別するための組織ID及び当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを識別するためのコンテンツIDを対応づけて保持する関係テーブルとを備え、ユーザIDを入力し、当該入力されたユーザIDに対応づけてユーザテーブル22に保持されている組織IDを特定し、当該特定された組織IDに対応付けて関係テーブル24に保持されているコンテンツIDによって識別される教育コンテンツを当該入力されたユーザIDによって識別されるユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定する構成により、同一の教育コンテンツを受講することができる組織(に所属するユーザ)を容易に設定することを可能とする。
【0073】
つまり、本実施形態においては、組織マスタテーブル23及びコンテンツテーブル25の間に関係テーブル24を設け、教育コンテンツ及び組織の関係を多対多とすることによって、例えば特定の組織において作成された教育コンテンツを他の組織用に複製することなく、当該関係テーブル24に保持されているコンテンツID及び組織IDの対応関係を変更するだけで、例えば複数の組織に対して教育コンテンツを公開するまたは単一の組織にのみ教育コンテンツを公開するといった設定を容易に行うことが可能となる。
【0074】
また、本実施形態においては、ユーザが受講可能な教育コンテンツを当該ユーザに提示する構成により、当該ユーザは、当該ユーザが受講可能な教育コンテンツの中から所望な教育コンテンツを指定(選択)することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態においては、ユーザに提示されたコンテンツであって当該ユーザによって指定された教育コンテンツに対する当該ユーザの受講状況を受講情報テーブル26において管理する構成により、コンテンツIDをシステム一意にしたことによって、一度受講申請した教育コンテンツであれば、例えばユーザの組織移動等があっても当該ユーザは受講ワークフローを継続することが可能となる。更に、本実施形態においては、受講情報テーブル26により、ユーザの組織移動等があっても受講履歴(キャリア)等を全て参照することが可能となる。
【0076】
なお、本実施形態においては、組織が例えば企業等の法人であるものとして説明したが、当該組織は企業等を構成する部課等であってもよく、その範囲は適宜変更可能である。
【0077】
また、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…コンピュータ、20…外部記憶装置、22…ユーザテーブル、23…組織マスタテーブル、24…関係テーブル、25…コンテンツテーブル、26…受講情報テーブル、30…教育管理システム、31…ユーザID入力部、32…組織ID特定部(第1の特定手段)、33…コンテンツ特定部(第2の特定手段)、34…コンテンツ提示部、35…受講状況管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報を対応づけて保持するユーザテーブルと、
前記ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報及び当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を対応づけて保持する関係テーブルと、
ユーザ識別情報を入力する入力手段と、
前記入力されたユーザ識別情報に対応づけて前記ユーザテーブルに保持されている組織識別情報を特定する第1の特定手段と、
前記特定された組織識別情報に対応づけて前記関係テーブルに保持されているコンテンツ識別情報によって識別される教育コンテンツを、前記入力されたユーザ識別情報によって識別されるユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定する第2の特定手段と
を具備することを特徴とする教育管理システム。
【請求項2】
前記第2の特定手段によって特定された教育コンテンツを、前記入力されたユーザ識別情報によって識別されるユーザに提示する提示手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の教育管理システム。
【請求項3】
前記提示された教育コンテンツであって、前記入力されたユーザ識別情報によって識別されるユーザによって指定された教育コンテンツに対する当該ユーザの受講状況を管理する受講管理手段を更に具備することを特徴とする請求項2記載の教育管理システム。
【請求項4】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報を対応づけて保持するユーザテーブルと、
教育コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報、当該コンテンツ名及び当該コンテンツデータを対応づけて保持するコンテンツテーブルと、
前記ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報及び当該組織に所属するユーザが受講可能な前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を対応づけて保持する関係テーブルとを備え、
前記ユーザテーブル及び前記関係テーブルに保持された組織識別情報、前記関係テーブル及び前記コンテンツテーブルに保持されたコンテンツ識別情報により、前記各テーブルに保持された情報の関連づけを行い、ユーザが受講可能な教育コンテンツを特定する
ことを特徴とする教育管理システム。
【請求項5】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報及び当該ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報を対応づけて保持するユーザテーブルと前記ユーザが所属する組織を識別するための組織識別情報及び当該組織に所属するユーザが受講可能な教育コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を対応づけて保持する関係テーブルとを備える教育管理システムが実行する教育管理方法であって、
ユーザ識別情報を入力するステップと、
前記入力されたユーザ識別情報に対応づけて前記ユーザテーブルに保持されている組織識別情報を特定するステップと、
前記特定された組織識別情報に対応づけて前記関係テーブルに保持されているコンテンツ識別情報によって識別される教育コンテンツを、前記入力されたユーザ識別情報によって識別されるユーザが受講可能な教育コンテンツとして特定するステップと
を具備することを特徴とする教育管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−215916(P2012−215916A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78833(P2011−78833)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】