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散水ノズル
説明

散水ノズル

【課題】ヘッドとボディの接続部分を構成する内筒と外筒の隙間に、泥や砂などの異物が入り込むのを防止し、吐出水形の切替操作を快適に行えるようにした、耐久性の高い散水ノズルを提供する。
【解決手段】散水ノズル10は、ヘッド12とボディ13との接続部分に内筒12aと外筒13aからなる嵌め合わせ構造を有する。内筒12aと外筒13aとを周方向に回転させつつ出し入れすることにより、ヘッド12とボディ13との相対的な位置関係を変化させて吐出水形を切り替える。外筒13aの開口端には、弾性体からなるリング部材30が設けられ、リング部材30の端面には、内筒12aの周方向に連なって形成され、かつ、内筒12aの周面に摺接可能な掻取壁31aが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散水ノズルに関し、例えばシャワーやストレートなどの吐出水形切替式の散水ノズルに適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ノズルヘッドから吐出する水の形状を、使用者の手元操作で自在に切り替えるようにした吐出水形の切替式の散水ノズルが知られている。この種の散水ノズルは、特許文献1,2に示すように、ヘッドとボディとがそれぞれ別個のパーツで構成され、これらの接続部分に内筒と外筒からなる嵌め合わせ構造を有している。そして、これらの筒同士を周方向に回転させつつ出し入れすることで、ヘッドとボディとの相対的な位置関係を変化させ、水の吐出通路を切り替える。
【0003】
例えばストレート状の水を放出するときはヘッドを回転させつつボディに近づけることで外筒を内筒側に移動し、一方、シャワー状の水を放出するときはヘッドを逆方向に回転させつつボディから遠ざけるようにして内筒を外筒側に移動して水路を切り替える。
このように吐出水形の切替式の散水ノズルでは、使用者がヘッドとボディとの接続部分において内筒に外筒を出し入れしながら水路を切り替えて、希望の吐出水形を自在に選択するようにしている。
【0004】
【特許文献1】実公平3−37724号公報
【特許文献2】特開2003−181327号公報
【特許文献3】特開平9−103711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような散水ノズルの構造を採用する場合、次のような不具合が生じることがある。すなわち、内筒と外筒との重なり部分に隙間(クリアランス)が生じるため、このような隙間に砂や泥などの異物が入り込む。特に、ボディからヘッドを引き出した状態、すなわち外筒から内筒を引き出した状態から外筒側に内筒を押し込むと、内筒の表面に付着した泥水などが上記隙間に引き込まれてしまう。そして、このような砂や泥が内筒と外筒の間に噛んだまま残ると、吐出水形の切替操作が行いにくくなったり、ヘッドやボディなどのパーツ損傷の原因となるおそれもある。
【0006】
これに対し、内筒と外筒との隙間に存在するOリングが異物の浸入を防止することも考えられるが(特許文献1の図1「Oリング14」参照)、Oリングよりも内側の部分には異物の侵入を防ぐことができても、外側の部分には異物の侵入を防止することができない。
また、特許文献3に示すように、散水ノズルの内部に設けたスプール(特許文献3の図1「スピンドルS」参照)のみを前後させて吐出水形を切り替えるものも存在するが、この種の散水ノズルは、部品点数が増えて複雑構造となり、製造コストが大きくなる。
【0007】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、ヘッドとボディの接続部分を構成する内筒と外筒の隙間に泥や砂などの異物が入り込むのを防止し、吐出水形の切替操作を快適に行えるようにした、耐久性の高い散水ノズルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[第1発明]
前記課題を解決するための本発明の散水ノズルは、
ヘッドとボディとの接続部分に内筒と外筒からなる嵌め合わせ構造を有し、これらの筒同士を周方向に回転させつつ出し入れすることにより、前記ヘッドと前記ボディとの相対的な位置関係を変化させて吐出水形を切り替えるようにした散水ノズルにおいて、
前記外筒の開口端に弾性体からなるリング部材を設けるとともに、このリング部材の端面には、前記内筒の周方向に連なって形成され、かつ、前記内筒の周面に摺接可能な掻取壁を設ける構成とした。
【0009】
このような構成によれば、外筒の開口端でリング部材の掻取壁で内筒と外筒との隙間(クリアランス)が覆われるため、これらの隙間に砂や泥などの異物が入り込みにくくなる。
また、ボディからヘッドを伸ばした状態、すなわち外筒から内筒を引き出した状態のときに内筒の周面に泥水などが付着しても、ボディ側にヘッドを移動する際に、リング部材の掻取壁が内筒の周面から付着物を掻き取るため、このような付着物が外筒の内側に引き込まれるのが防止される。この結果、内筒と外筒との隙間に異物が噛んだまま残ることがなくなり、吐出水形の切替え操作を常に快適に行うことができる。また、ヘッドやボディなどのパーツが壊れにくくなり、散水ノズルの耐久性を向上させることができる。
【0010】
なお、リング部材の材質は、耐水性を有する弾性材であればよく、例えばシリコン、ゴム、エラストマーなどを用いるとよい。
【0011】
[第2発明]
ヘッドとボディとの接続部分において内筒および外筒の位置関係は、例えば、特許文献1および2に示すように、ヘッド側に外筒が設けられ、ボディ側に内筒が形成されることが多い。従って、このような位置関係の散水ノズルに第1発明を適用する場合には、ヘッド側の外筒にリング部材を設けることになる。
【0012】
ところが上記特許文献1および2に示すような構成において、ヘッド側の外筒にリング部材を設けると、リング部材がヘッド(外筒)と一緒に回転して内筒側に移動することになるため、リング部材の掻取壁が内筒の周面に引っ掛かって捻れたり、外れたりしやすくなる。また、リング部材の掻取壁が回転するため、その掻き取り機能が十分に発揮されないことも起こりうる。特に、使用者の手指がリング部材に触れてヘッドを回転させるような場合には上記のような不具合が起こりやすい。
【0013】
そこで、第2発明による散水ノズルは、第1発明の構成を備えた散水ノズルであって、
前記ヘッドに内筒を、前記ボディに外筒をそれぞれ一体的に形成するとともに、前記ボディの外筒の開口端に前記リング部材を設ける構成とした。
【0014】
このような構成によれば、ボディ側の外筒にリング部材が設けられるため、ヘッドを回転させつつボディ側へ移動させても、リング部材が外筒の開口端で止まった状態に保たれる。これにより、リング部材が捻れにくくなり、掻取壁で内筒の周面を掻き取りやすくなる。
【0015】
[第3発明]
一般に、吐出水形の切替式の散水ノズルでは、ヘッドまたはボディの一方の表面に吐出水形を示すマーク(シャワー、ストレートなどの各種の水形マーク)を表示し、他方の表面に吐出水形を選択するための目印(矢印等)を表示する。このような表示によれば、ヘッドを回転させつつ水形マークのいずれかに目印を合わせることで、希望の吐出水形を容易に選択することが可能になる。
【0016】
従来、このような表示を設ける手段としてはシールやプリント表示が一般的であるが、特殊な表示手段として、ボディ側の筒端部にリング部材を設け、このリング部材に目印孔を設けるものがある(特許文献2の「透孔5」参照)。このような構成によれば、目印孔から見えるボディの露出部分が目印表示になり、シールやプリント表示をする手間が省け、経年使用により目印が消失することがない。
【0017】
前記第1発明および第2発明において、上記の構成と同様に、前記リング部材に目印孔を設けて、この目印孔から見える部分を吐出水形を示すマークとすれば、上記と同様な作用・効果を得ることができる。
ところが、リング部材に目印孔を設ける構成では、目印孔に溜まる砂や泥などの異物が問題となる。すなわち、第1発明および第2発明では、リング部材の掻取壁で内筒の付着物を掻き取るため、掻き取られた付着物が目印孔に入りやすく、このような問題の対策が必要となる。
【0018】
そこで、第3発明の散水ノズルは、第1または第2発明の構成に加え、前記リング部材に目印孔を設け、この目印孔の露出部分で吐出水形を選択可能な構成を備えた散水ノズルであって、
前記外筒の端部に、前記目印孔の形状にほぼ等しい形状の突出部を形成し、この突出部を前記目印孔に嵌め込む構成とした。
【0019】
このような構成によれば、目印孔から突出部が露出して目印表示となるため、シールやプリント表示を行う手間が省け、目印が消失する心配がない。
また、突出部が目印孔にほぼ等しい形状であるため、目印孔の内側に隙間がなくなり、砂や泥などの異物が溜まる心配がない。
【0020】
さらに、リング部材が内筒の付着物を掻き取る作用と、吐出水形の切替位置を表示する作用とを兼ね備えるため、それぞれの作用を得るための部品を別個に用意する必要がなく、部品点数を抑えてコスト削減にも役立つ。
さらには、第3発明の構成は、目印孔に突出部が嵌ることで外筒からリング部材が抜け落ちたり、ズレたりするのが防止される。すなわち、外筒の開口端にリング部材が安定的に保持され、内筒の周面をより滑らかに掻き取ることができるという効果もある。
【0021】
[第4発明]
ヘッドとボディとの接続部で内筒と外筒を繰り返し出し入れしていると、リング部材が負荷を受けて軸方向にズレることが考えられる。特に、ヘッドをボディから遠ざけるように移動させるときには、リング部材が外筒から引っ張られて外れることも想定される。この対策としては、リング部材が軸方向にズレないように止める手段を採用することが望ましい。
【0022】
そこで、第4発明の散水ノズルは、第1〜第3発明のいずれかの構成を備えたものであって、前記外筒の開口端にフランジ部を設けるとともに、前記リング部材の内周に環状溝を設け、前記フランジ部に前記環状溝を嵌め合わせる構成とした。
【0023】
このような構成によれば、外筒のフランジ部にリング部材の環状溝が嵌るため、リング部材の軸方向へのズレが防止される。この結果、外筒からリング部材が外れにくくなり、その取付状態がさらに安定することになる。
【0024】
[第1〜4発明]
本発明の散水ノズルは、ボディとヘッドとの接続部に内筒および外筒を有するものであれば特に用途は限定されない。例えば園芸等の水遣りの他、清掃(屋根、外壁、窓ガラス等の清掃)や洗浄(車両、農耕器具等の洗浄)に用いる散水ノズルに本発明を適用することができる。
本発明(第1〜4発明)は、単独で適用してもよいし、これらの発明を必要に応じて組み合わせて適用してもよい。また、本発明(第1〜4発明)に本明細書に記載される他の発明を組み合わせてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、水遣りや洗浄に用いる水形切替式の散水ノズルに本発明を適用したものである。
図1に散水ノズル10の斜視図を示した。散水ノズル10は、ヘッド12とボディ13を備えている。ヘッド12の先端には散水用のノズル盤11が設けられる。ボディ13にはグリップ14が一体に形成され、このグリップ14の前側にグリップレバー15が設けられている。
グリップ14の下端にはコネクタパイプ16が取り付けられており、このコネクタパイプ16は、専用のホースジョイント(図示省略)によって散水ホースに連結される。
【0026】
ヘッド12とボディ13との接続部には内筒12aおよび外筒13aが設けられる。内筒12aは、ヘッド12の後端側に一体的に形成されるもので、段差を介して外径が小さくなっている。外筒13aは、ボディ13の前端側に開口し、内筒12aを挿入可能な内径を有している。これらの内筒12aと外筒13aとを周方向に回転させつつ出し入れすることによりヘッド12とボディ13との相対的な位置関係が変化するようになっている。
【0027】
ヘッド12とボディ13の表面には、吐出水形を切り替えるための表示が施されている。ヘッド12の筒面にシャワー、霧、拡散、ストレート、如雨露、停止等の各種の水形状態を示す水形マークが並んで表示されおり、ボディ13の頂部にはこれらの水形マークのうち特定のマークを選択可能な三角形の目印孔Mが設けられる。すなわち、使用者がヘッド12を回転させて水形マークを目印孔Mに合わせることで希望の水形を適宜選択できるようになっている。
【0028】
図2に示すように、散水ノズル10の内部には、コネクタパイプ16に連結される通水管21A,21B,21Cが設けられる。通水管21A,21B,21Cは、コネクタパイプ16からグリップ14およびボディ13を貫通してヘッド12まで延びている。ヘッド12内の通水管21Cの先端部には、吐出水形の切替機構22が設けられる。この切替機構22は、ヘッド12とボディ13との相対的な位置関係(直線方向および周方向)に応じて適宜吐出口を切り替え、ノズル盤11から所定の水形の水を放出する。
【0029】
通水管21Cの中間付近にはネジ嵌合部(雄ネジ部23aおよび雌ネジ部23b)が形成される。雄ネジ部23aは、通水管21Cの外周に形成され、雌ネジ部23bは、ヘッド12の軸孔に形成される。通水管21Cの周りにヘッド12を回転させると、外筒13aに対して内筒12aが周方向および軸方向に移動し、ヘッド12とボディ13との相対的な位置関係が変化する。
内筒12aの端部にはストッパ24が設けられる。ストッパ24は、内筒12aの内側に周方向に突出し、雄ネジ部23aの端面に突き当たるようになっている。これにより、雄ネジ部23aおよび雌ネジ部23bの軸方向の移動範囲が規制され、内筒12aが外筒13aから脱落するのが防止される。
【0030】
グリップ14側の通水管21Aには、コイルバネ25と弁体26が収納される。コイルバネ25が通水管21Aの弁座21dに弁体26を押圧することで水路を開閉可能に保っている。
グリップレバー15には弁体26を開閉するための補助部材27が収納される。補助部材27は、コイルバネ28に支持されており、その先端が弁体26の傾斜状のカム溝に嵌まる。グリップレバー15を離した状態では、補助部材27がコイルバネ28に押されて弁体26が閉じる。グリップレバー15を押し込むと、補助部材27がコイルバネ28を縮めて弁体26を開く
【0031】
図2に示すように、外筒13aのグリップ付け根付近は、レバー支持部材45で構成されている。レバー支持部材45には支軸45aが設けられており、この支軸45aにグリップレバー15が回動可能に取り付けられる。
グリップレバー15の上端片15aは、コイルバネ28に押されてレバー支持部材45の凹部に嵌まる。これにより、グリップレバー15の回動範囲が規制され、レバー開放位置が定まることになる。
【0032】
なお、図2において、符号29A〜29EはOリングである。これらのOリング29A〜29Eによって散水ノズル10の水路からの水洩れが防止される。また、通水管21Cに接するOリング29A,29Bは、ヘッド12の軸孔壁面に摺接して調芯し、ヘッド12の回転動作を良好にする。
【0033】
上記のような散水ノズル10において、外筒13aの開口端にリング部材30が設けられている。本実施形態では、このリング部材30が内筒12aの掻き取り作用と、吐出水形の目印作用を果たす。以下、リング部材30の構成および作用・効果を説明する。
【0034】
図3〜図6にリング部材30の構成を示した。
図3は、リング部材30を前方側から見た斜視図、図4(A)および(B)はそれぞれ正面図および底面図、図5は図4の[5]−[5]線断面図である。
リング部材30は合成ゴムなどの弾性体からなるもので、図3でリング頂部に目印孔Mを有し、底部に切り欠きKを有している。リング部材30の色は、ボディ13(外筒13a)とは異なっており、両者の色の違いが散水ノズル10の外観上はっきり区別できる。例えばボディ13の色が白色であるときはリング部材30は黒、赤、青、緑等の濃厚色が採用される。
なお、散水ノズルに目印を付すための手段としては、従来、ボディ表面に矢印などの形状を刻印したり一体形成したりすることで、凹凸を付けて目印とするものがあるが、このような凹凸による目印は、ボディ表面と目印との色が同色になるため使用者に目立ちにくい。
これに対し、上記実施形態では、リング部材30とボディ13との色を明確に区別して目印孔Mをボディ表面に目立たせるようにしている。この結果、使用者が目印孔Mの位置を見つけやすく、吐出水形を瞬時に把握することが可能になる。
【0035】
図5に示すように、リング部材30は、前側(図5で左側)に小径部31、後側(図5で右側)に大径部32を有する。大径部32は、その内径D1が外筒13aの外径とほぼ同じか若干小さく、外筒13aの周面に弾性力で締め付けられる。一方、小径部31は、その内径D2が内筒12aの外径とほぼ同じ程度で、内筒12aの周面に摺接可能になっている(図2,図7参照)。
【0036】
小径部31の前側には、筒軸に対しほぼ直交する向きに掻取壁31aが連なっている。掻取壁31aの内径端は、内筒12aの周面にほぼ接触する位置まで延び、その端面は内筒12aの回転を妨げないように滑らかに形成される。
【0037】
リング部材30の内側には、小径部31と大径部32に挟まれた位置に環状溝Sが形成される。この環状溝Sは、リング部材30の内周に沿って一定の深さおよび溝幅で延びている。図5で環状溝Sの頂部には、リング部材30を貫通する目印孔Mが開口している。
【0038】
図6に示すように、外筒13aの開口端にはフランジ部41が設けられる。フランジ部41は、環状溝Sとほぼ同一の高さおよび幅で周方向に立ち上げられている。
フランジ部41の頂部(図6で中央部)には突出部41mが形成される。この突出部41mは、リング部材30の目印孔Mと同様な形状(等辺三角形)で、その頂点が目印孔Mと同様にヘッド12側に向けて配置される。
【0039】
図6(A)は、外筒13aからリング部材30を外し、内筒12aに通した状態を示している。このような状態から、リング部材30を弾性力に反して内径を拡大させ、フランジ部41に環状溝Sを嵌め入れ、同時に突出部41mを目印孔Mに嵌め合わせる(図6(B)参照)。こうすると、目印孔Mの隙間が突出部41mで埋まり、リング部材30の目印孔M付近の表面の段差がほとんどなくなる(図7参照)。
【0040】
リング部材30の切り欠きKは、図2で外筒13aの下端部、グリップ14の根元部分の形状に合わせて切り込まれるもので、レバー支持部材45の露出部分に被せられる。これにより、外筒13aの下部を構成するレバー支持部材45の繋ぎ目がリング部材30で隠れることになり、散水ノズル10の一体感が向上し、デザイン的にも優れた外観となっている。
【0041】
図7に内筒12aと外筒13aとの接続部分の断面拡大図を示した。内筒12aと外筒13aとの間には、両者の出し入れをスムーズに行うために設計上、各筒の間に若干の隙間(クリアランス)が保たれている。
本実施形態の散水ノズル10によれば、リング部材30の掻取壁31aが内筒12aの周面に摺接可能に接近しているため、上記隙間(クリアランス)が掻取壁31aで覆われることになる。これにより、上記隙間に泥や砂などの異物が入り込むのを防止することができ、吐出水形の切替操作を妨げることがなくなる。
【0042】
また、図7(A)のように、ボディ13からヘッド12を伸ばした状態で、泥水Wが内筒12aに付着したような場合には、ボディ13側にヘッド12を移動させるときに掻取壁31aが内筒12aの周面に沿って泥水Wを掻き取って隙間への侵入を防ぐ。すなわち、リング部材30の掻取壁31aが内筒12aの表面の汚れを掻き取る“スクレーパ”として作用する。この結果、外筒13aの内側への汚れの浸入を防止し、しかも、特にヘッド12の内筒12a部分に汚れが付着しにくくなって掃除の手間を軽減することができる。
【0043】
なお、リング部材30は、弾性体であるから、その掻取壁31aが内筒12aに接触しても、その筒面を疵付けることなく、適宜変形しながら内筒12aの表面を滑らかにスライドする。このため、ヘッド12の回転操作が妨げられることはなく、水形の切替もスムーズに行える。
【0044】
また、本実施形態の散水ノズル10では、リング部材30の目印孔Mに突出部41mを露出させるため、ボディ13側に目印用のシールやプリント表示を別個に施す必要がない。すなわち、リング部材30を上記のような汚れ防止用の部材としてだけではなく、目印用の部材としても兼用することができる。このため、組み付けの手間が少なく、しかも、部品コストを削減することができる。
また、ボディ13と異なる色のリング部材30を採用することでボディ表面に目印孔Mを目立たせるため、目印孔Mの表示効果が大幅に向上する。これにより、使用者が吐出水形の状態を容易に把握することができ、吐出水形の切替操作も行いやすくなる。
【0045】
さらに、目印孔Mに突出部41mを嵌め込むことで、リング部材30に負荷がかかったときに、突出部41mがリング部材30を係止してその位置ズレや外れを止める。これにより、目印の位置がズレて誤った水形表示を支持するようなことも未然に防ぐことができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、リング部材30のフランジ部41が環状溝Sに嵌ってリング部材30の軸方向へのズレを防止するため、内筒12aと外筒13aとを繰り返し出し入れしても、リング部材30が外筒13aから脱落することはない。この結果、リング部材30の取付状態を安定的に保つことができる。
【0047】
前記実施形態の散水ノズル10を説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されることなく、種々の変形を伴うことができる。
例えば、前記実施例では、目印孔の形状が三角形であるが、これに代えて、矢印形、菱形、棒形、円形その他の形状を採用してもよい。特に、円形の目印孔を採用する場合には、目印孔の内周に角がなくなり、リング部材が引き伸ばされても破れにくく丈夫なものになる。
【0048】
また、図8に示すように、リング部材30の掻取壁31aにテーパを設けてもよい。このような構成によれば、泥水Wが掻取壁31aの外側に掻き出されやすくなり、内筒12aの表面をより清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態による散水ノズルを示す斜視図である。
【図2】同散水ノズルの断面図である。
【図3】同散水ノズルのリング部材を示す斜視図である。
【図4】同散水ノズルのリング部材を示すもので、(A)は正面図、(B)は底面図である。
【図5】同散水ノズルのリング部材を示すもので、図4の[5]−[5]線断面図である。
【図6】同散水ノズルの内筒(ヘッド)および外筒(ボディ)の接続部分を示すもので、(A)は外筒からリング部材が外れた状態、(B)は外筒にリング部材を取り付けた状態を示す部分平面図である。
【図7】同散水ノズルの内筒(ヘッド)および外筒(ボディ)の接続部分を示すもので、(A)は外筒から内筒を伸ばした状態、(B)は外筒に内筒を縮めた状態を示す一部切欠断面図である。
【図8】同散水ノズルのリング部材の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 散水ノズル
12 ヘッド
12a 内筒
13 ボディ
13a 外筒
14 グリップ
15 グリップレバー
16 コネクタパイプ
30 リング部材
31 小径部
31a 掻取壁
32 大径部
41 フランジ部
41m 突出部
D1,D2 リング部材の内径
M 目印孔
S 環状溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドとボディとの接続部分に内筒と外筒からなる嵌め合わせ構造を有し、これらの筒同士を周方向に回転させつつ出し入れすることにより、前記ヘッドと前記ボディとの相対的な位置関係を変化させて吐出水形を切り替えるようにした散水ノズルにおいて、
前記外筒の開口端に弾性体からなるリング部材を設けるとともに、このリング部材の端面には、前記内筒の周方向に連なって形成され、かつ、前記内筒の周面に摺接可能な掻取壁を設けたことを特徴とする散水ノズル。
【請求項2】
請求項1記載の散水ノズルであって、前記ヘッドに内筒を、前記ボディに外筒をそれぞれ一体的に形成するとともに、前記ボディの外筒の開口端に前記リング部材を設ける、散水ノズル。
【請求項3】
請求項1または2記載の散水ノズルであって、前記リング部材に目印孔を設け、この目印孔の露出部分で吐出水形を選択可能な構成を備え、
前記外筒の端部に、前記目印孔の形状にほぼ等しい形状の突出部を形成し、この突出部を前記目印孔に嵌め込む、散水ノズル。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の散水ノズルであって、前記外筒の開口端にフランジ部を設けるとともに、前記リング部材の内周に環状溝を設け、前記フランジ部に前記環状溝を嵌め合わせる、散水ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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